鷹富士茄子「煩悩塗れの大晦日」 (22)


これはモバマスssです


 十二月三十一日。

 俗に言う大晦日の夜に、俺は炬燵から抜け出せないでいた。
 外の気温は傍迷惑にも氷点下を目指そうとしている。
 今にも雪が降ってくるんじゃないかと言うくらいの冷気は、暖かい空間から人々が出ようとするのを拒んでいるに違いない。
 だからまあ、俺がこの様にして炬燵のカタツムリになっていたとしても責める人はいないだろう。

「え~、もうお腹いっぱいなんですか?」

「いや俺かなり食べたと思うよ?」

 そう言って隣に潜り込んで来たのは、担当アイドル兼恋人の鷹富士茄子。
 二十歳とは思えない豊満な肢体は厚着の上からでもよくわかり、付き合いたての頃は腕を組んだだけで緊張してしまっていた。
 大人びた雰囲気と子供っぽさの二面を両立させた可愛らしさの塊が、今こんなに近くにいるなんて。
 あと食後の洗い物をやってくれたのはとても有難いが、その冷たい手を俺で温めようとするのはやめて欲しい。

「まだ年越しそば食べてませんよね?」

「そうだけど……まぁしばらくすればお腹もすくか」

 炬燵の一辺に二人で詰めあって、どのチャンネルも年越しスペシャルのテレビを眺める。
 紅白やお笑いやライブ中継を見ると、改めて本当に大晦日なんだなという実感が湧いて来た。
 ここ数日は忙し過ぎて、俺も茄子もまともに家で休む暇がなかったのだから。
 ようやく取れた年末年始唯一の休みくらい、だらけて過ごしてもバチは当たらないだろう。

 茄子は特に、その売り出し方の関係上大晦日に休みを取るのがとても大変だった。
 一体どれだけ前から手を回した事か。
 愛する彼女の頼みでもあったし、割とかなり頑張ったと思う。
 大晦日は二人っきりで年を越したいです、なんて言われてしまっては張り切らざるを得なかった。



「……幸せですねー」

「……だな」

 こんなに綺麗な恋人と、大切な人と、のんびりとした時間を過ごせる事がこんなに幸せだなんて。
 勇気をだして良かったと、改めて思った。
 もちろんアイドルとプロデューサーという関係ではあるが、茄子が私の幸運なら大丈夫ですよっ、なんて言うものだから。
 それに、なんだかんだ茄子ならファンの人達にも祝福して貰えそうな気がする。

 ……俺は果たして、彼女と釣り合っているのだろうか。

 時折、ふとした瞬間に考えてしまうそれは、一瞬だけれど心に冷たい風を吹かせる。
 茄子に言った時は笑って流されてしまったが。

「……ねぇ、また余計な事考えてませんか?」

「俺は幸せ者だなって考えてたんだよ」

「本当ですか~?迷いの無い手で、雑念の無い心で私を撫でられますか?」

 ……まったく。
 彼女のそんな笑顔を見ていると、さっきまでの考えがアホらしく思えてくる。

「はいはい」

 横に並んだ茄子の頭を撫でる。
 サラサラとした髪は、撫でている此方の手すら心地よい。

「ふぁ……ふふっ。貴方に優しく触れてもらえるだけで、私は幸せです。伝わってますか?私の想い」

「あぁ。ありがとう、茄子」

 そのまましばらく茄子の頭を堪能する。
 蕩けたような表情をする彼女の顔は、見ていてまったく飽きない。
 
 気が付けば、短い針は十一を指していた。







「それじゃ、年越しそばを食べたら神社に行きましょうか」

「了解ですっ!少し待ってて下さいね」

 よしっ!と炬燵から抜ける覚悟を決めた茄子が台所へと向かって行った。
 そんな後ろ姿を見つめて、幸せを実感する。
 なんて愛らしいんだ、俺の恋人は。
 この幸せは誰にも譲りたくない。

 そんな俺は、思えばトイレ以外ずっと炬燵に潜り続けている気がする。
 流石に茄子に申し訳ないし、箸と器と七味くらいは俺が準備しておこう。

「いいですよ、私がやりますから」

「いやほら、なんか一緒にやってるほうが夫婦っぽくて良くないか?」

「……もうっ!」

 今年一番の表情を見れた。
 こっぱずかしい事を言った甲斐があるというものだ。

 とは言え食器等を出すなんて一瞬で終わってしまった。
 他にやることはないだろうか。
 茄子が蕎麦を茹でてくれてるのに俺だけ炬燵に入り浸っているなんて。
 正直少し手持ち無沙汰で……



「ひゃっ?!」

「っと危ない、すまんすまん」

 なんとなくセーターの上から茄子の背中を指で摩ってみたが……思った以上の反応だった。
 こうなると直で試してみたくなる。

「お蕎麦を茹でてるんですから……危ないですよ?」

「なら、頑張って危なくならないよう耐えててくれ」

 さらに指を肩甲骨、首筋、鎖骨と移動させる。
 その度にビクッと茄子の身体が跳ねた。

「……危ない、ですから……っ、お蕎麦、食べてからに……っ!」

「そうだな、そろそろ茹で終わるだろうし」

 堪能したし、蕎麦が伸びてしまうのは勿体無い。
 どこか物欲しそうな目で此方を見てくる茄子だが、少しだけ意地悪にスルーする。
 少しムスっとした表情の茄子も、また可愛らしい。
 さくさくと蕎麦を運び、また炬燵に潜った。

「……貴方、少し意地悪になりました?」

「色んな茄子の顔が見たいからな」

「え、えへへ……って!そんな言葉には誤魔化されませんからねっ?!」

 どこかへにょりとした顔で主張する茄子。
 ほんっとうに可愛いな、まったく。



「それじゃ」

「「いただきます」」

 ズルッと小気味良い音を立てて蕎麦をすする。
 大晦日はやっぱりこれがないと……

「辛っ?!」

「ふふっ、私に意地悪した罰です」

 俺の蕎麦が物凄く辛かった。
 食感からして鷹の爪で、俺は運悪く一発目で口に含んでしまったらしい。
 予期していなかった刺激に一瞬飛び上がりそうになるも、なんとか耐えて飲み込む。
 警戒して蕎麦を軽く観察するも、それらしき食材は他には一切見当たらなかった。

「あー、びっくりした」

「甘いものなら冷蔵庫に冷えてますから。今後は私にイタズラはしない事、良いですね?」

 コクコクと頷く。
 彼女の運の良さの前では、俺の抵抗なんて些細過ぎるものだろう。

 さて、口を治す為に水を飲んだが収まりきらない。
 何か甘いもので中和をしたいところだ。
 甘いもの、甘いもの、甘いもの……あ。
 あるじゃないか、目の前に飛び切りのものが。



「甘いもの、食べるから」

「はい、冷蔵庫に……っ?!」

 彼女の唇に、俺の唇を乗せた。
 驚いた茄子が目を見開いていたが、しばらくするとその目を閉じる。
 つまり、きっと。
 OKのサインと受け取っても大丈夫だろう。

 軽く彼女の唇を舌で舐める。
 すると彼女の舌もまた、俺の唇を舐めてきた。
 自然とそのまま、お互いの舌はお互いの口へと入る。
 絡み合う彼女の唾液は、辛さなんて完全に忘れさせてくれた。

「んむっ……ちゅっ、くちゅっ……んっ!」

 上を、下を、歯の裏を、歯茎を味わって。
 そのまましばらく絡み合い、存分に堪能してから俺は体を引いた。

「ぷぁっ……ふぁ……」

 とろんとした表情の茄子は、未だに少し口を開けていた。
 その口元が唾液で光っているのが、イヤラしくも美しい。

「って、さっきイタズラはダメって言ったばかりじゃないですか!」

「キスはダメなのか?」

「え、ええと、その……心の準備が必要と言いますか……事前に言って頂けると嬉しいですっ!」

 なるほど、それなら。
 話はとても簡単だ。



「茄子、キスするぞ」

「えっ、あ、あの……ど、どうぞ」

 言われるが早いが、再び唇の距離を0にする。
 最初から少し開いていた彼女の口内に舌を侵入させるのは、先ほど以上に簡単だった。
 
「ちゅっ、んちゅ……んっ……」

 茄子の背中に両腕を回し、無理やり引き寄せた。
 彼女もまた俺の背中に腕を回し、豊満な胸が押し潰されるくらい密着してくる。
 さっき以上に遠慮なく、好き勝手に舌を動かして。
 これでもかという程キスを強く行った。

「んぅ……くちゅ……っ!ん……っ!!」

 一瞬、茄子の身体が震えた。。
 もしかしたら感じているのかもしれない。
 それでももちろん俺は御構い無しだ。
 更に彼女へ快感を与えるべく、舌で彼女の口を犯す。

 そして……

「んっ……!んんっっ~~っ!!」

 今までで一番大きく、茄子の身体が跳ねた。
 抱き着いている彼女の腕も、急にとても強くなる。
 
「……っふー……ふー……ふぁぁ……」

 そのまま俺にもたれかかる様に倒れ込んできた。
 応えるように俺もまた、彼女の身体を抱き抱える。



「……ねぇ……もう、満足なんですか?」

「そうじゃないけど……ほら、そろそろ神社行かないと年変わっちゃうから」

 少し息が上がっている茄子が、切れ切れにそう言ってきた。
 時計を見れば、長い針は半分より左側になっている。
 茄子は今の状態だと少し辛いかもしれないが、そこは俺がおぶって行けば良いだろう。
 それなら、寒さもある程度緩和されるだろうし。

「……外、雪降ってたりしませんか?」

「え?どうだろ……さっきまでは降ってなかったけど」

 少しカーテンを開く。

 雪が降っていた。
 それも既に、数センチ積もっている。

「……まじかー……」

「きっと神様のお告げです。このまま家で私と仲睦まじくイチャイチャしなさい!って」

 随分と煩悩塗れな神様もいたものだ。
 除夜の鐘とはなんだったのだろうか。

 ……でも。

「茄子は、続きをしたいのか?」

「あ、ええと……その…………はい」

 こんな素敵で可愛らしい恋人と、二人っきりで煩悩塗れの年越しも。
 それはそれで、悪くない気がする。







「その……どう、ですか?」

「どう……?あ。似合ってるよ、今日の格好も」

「はい、遅いので大幅減点です」

 そんなやりとりをしながら、茄子を布団に横たわらせる。
 和服・浴衣での撮影が多いが、私服のセンスもなかなかのものだ。
 その私服を今から脱がせてしまうのは勿体無いが、彼女の生まれたままの姿を見れないと言うのはより勿体無い。
 頭を撫でながら、今度は彼女の頬にキスをした。

「……ふふっ……ちゅっ、んちゅっ……」

 茄子もまた、俺の頬に軽いキスをしてくる。

「……割と久しぶり、だよな」

「緊張してるんですか?」

「そっちこそ、身体強張ってるぞ」

 そんな茄子の緊張を解いてやるためにも、しばらく頭をなでながら軽いキスを続けた。
 唇と唇が触れるだけのキスをしつつ、背中を摩る。
 焦る必要はないし、彼女がリラックス出来ないのは俺が嫌だった。
 肩、首、頬と撫でながら、少しずつ彼女の緊張が解けるのを待つ。

「んっ?!」

「んちゅ……んっ、ちゅぅ……ちゅ……」

 突然、茄子の方からキスを求められた。
 きっと彼女なりの、大丈夫の伝え方なのだろう。
 キスを続けながら、俺は片手を茄子の胸へと伸ばした。
 服の上からでも上下しているのが分かるそのふくらみを、優しく片手で包み撫でる。

「んっ!……んんっ……んちゅ、くちゅ……ん……っ!」

 舌の動きが一瞬止まり、身体を震わせた。
 それでもまたキスを求めてくる。
 そんな彼女を、より気持ちよくさせてあげたい。
 俺の手は、もう止まることは無かった。



 下から持ち上げたり、ふくらみの先端を撫でたり、少し強く揉んだり。
 その度に茄子の身体が震えるが、キスを止めようとはしない。
 それなら……と、セーターの下から手を潜り込ませて。
 下着越しに、より強く揉みしだいた。

「っんっ!……んっ!んぁ……っ!」

 耐えられなくなったのか、茄子の唇が一瞬離れた。
 追い討ちとばかりに片手で彼女の頭を引き寄せ、またすぐ彼女の唇を貪る。
 もう彼女も、快感に身を委ねることにしたのだろう。
 何度も身体を震わせ身を捩らせながらもキスに没頭していた。

 このままでもいいが……

「……んちゅ……ぇ……?」

 彼女のセーターを胸の上まで捲り上げた。
 ……やっぱり。

「セーターの下、下着しか着けてなかったのか」

「……ええと……え、えへへー……」

 恥ずかしさから、頬を赤らめる茄子。
 そんなに求めてくれていたなら、期待に応えなければ。
 
「ひゃっ?!」

 ブラを片手で外し、下側から胸を直接触った。
 少し汗をかいているその感触が、より俺の興奮を加速させる。

「あっ、んっ……そんな、急にっ、強くされると……んっ!」

 指が沈んでしまうくらいに強く揉み、親指でその頂上を擦る。
 彼女がどれほどそれに快感を覚えているかは、抱きしめられる強さでよく分かった。
 形が変わるくらいに揉みしだいても、すぐまた綺麗な膨らみに戻る。
 俺は夢中になって、彼女の胸を弄り続けた。

「ちょっ、っと……それ以上……んっ、されると……あっ……んちゅっ……っ!」

 彼女の口を口で塞ぎ、両手で胸を揉みしだく。
 塞いでいるにも関わらず、甘い吐息と愛嬌は漏れてしまっていたが。
 執拗に先端を擦り続け。
 キスで彼女の気持ちイイ部分を狙い続けて。

 ズボンの上から、彼女の秘部を強く刺激した瞬間……

「んっ!んあっ!んんんっっっ~~っっ!!」

 大きく茄子の身体が跳ね、絶頂を迎えた。

「……気持ち良かった?」

「ふー……はぁー……ふぅー……はい」

 力なく仰向けに倒れ込んだ茄子。
 俺ももう、我慢の限界だった。

 




 抵抗する力もないのか、茄子はもうされるがままだ。
 もしかしたら、元より抵抗する気もないのかもしれないが。
 セーターを脱がせ、ブラを外し。
 ズボンを脱がせて、ショーツ一枚にする。
 
 真っ白な肌は、まるで初雪の様に美しい。
 その対比の様に、茄子の顔は真っ赤に染まっていた。
 上下する胸はまるで俺を誘っているかの様に揺れる。
 一度絶頂を迎えているからか、ショーツのとある一部は既にかなり濡れていた。

「その、そんなに直視しないで貰えると嬉しいです……」

 無視して直視する。
 
「うぅ……私の彼氏がヘンタイさん過ぎます~……」

「……茄子、これも脱がせるぞ」

「……うぅ~…………はい……」

 可愛らしいレースのついたそれを、足元まで引っ張る。
 もう完全に彼女は、生まれたままの姿になっていた。

「……綺麗だよ、茄子」

「そこを直視しながら言われても嬉しくありません……」

 見ちゃうものはしょうがないだろう。
 それに、綺麗だと思ったのはもちろん本当だ。

 ツツーと、彼女の秘部に触れた。

「んっ!……んもう……」

 既にだいぶ濡れていた彼女のソコは、触れただけでさらに湿り気を増した。
 このままでも十分大丈夫だろうが……



「ひゃっ?!んっ、あっ!んんっ!いやっ……っ!」

 指で強く、彼女の秘部を擦った。
 一瞬で俺の指が粘性の高い液体で塗れる。
 輪郭をなぞり、入り口を指で弾く。
 その度に彼女の上下の口からよだれが溢れた。

 そんな彼女が愛おしくて堪らず、俺は再度唇を奪った。
 片手で胸を、片手で秘部を刺激する。
 トロトロと溢れ出る愛液は、もう掌全体に延びていた。
 瞼を強く閉じる茄子は、もうそろそろ限界が近付いている。

「……あの、私そろそろ……なので……」

「……ああ」

 彼女に求められて、断る道理は無い。
 俺もズボンとパンツを脱ぎ、下半身を露わにする。
 はち切れんばかりに膨張し切った男の象徴を見て、茄子は一瞬身を震わせた。
 それは不安からくるものか、期待からくるものか。

「……入る……んでしょうか?」

「こんなに濡れてるんだから、大丈夫……多分」

 そのまま彼女の秘部に押し当て、数度擦る。
 それだけでお互いに身を捩らせた。

「……来て、下さい」

 もう耐えられないといったような茄子の表情。
 俺ももう待てなかった。



 ずぷり

「んぁっっ!」

 彼女の肉を掻き分けて、先端のみを挿入する。
 まだほんの数センチのみの結合。
 たったそれだけで、物凄い射精感を覚えた。
 茄子の秘部もまた、大量の愛液を吐く。

「んっ……っ!あっ、広げっ、られてっ……っ!」

 体重を乗せて、そのまま奥へと押し込む。
 腰と腰とが密着し、二人の距離は0になって。
 先端が何かにぶつかった時、茄子がまたビクンと跳ねた。

「んっ~~っ!……すみません……また……」

 それだけ気持ち良がって貰えているなら、男として嬉しい限りだ。
 優しく両手で抱きしめ、頭を撫でる。
 ふんわりとした笑顔の茄子としばらくそのまま抱き合う。
 彼女はもしかしたら、既に満足かもしれない。

 けれどまだ、俺はイッていないから。

「えっ?!んっ!あっ、あっ!んぁ、んっ!んんっ!」

 ぱんぱんと腰を打ち付け彼女の膣内を抉った。
 大きく速く強い抽送が彼女の快楽を高めてゆく。
 抜けそうになるまで腰を引き、奥にぶつかるまで腰を押す。
 俺の脳も真っ白になりそうなくらいの快感を共有する。

「ひゃっ?!んっ!んぁぁっ!!」

「このっ、あたりかっ」

 喘ぐ茄子に触発されて、膣壁を擦る起動で蛇行させる。
 彼女の愛嬌が大きくなる部分を見つけ、執拗にゴリ押す。
 また一瞬で彼女は絶頂を迎え、膣内を収縮された。
 しかしそのせいで、より一層抉る快感は強くなる。

「んあっ!ダメっ、ですっ!わたしっ、何回もっ!んっ!んぁっ!」

 度重なる絶頂に、茄子はもうへとへとになっていた。
 今はもう、快感に身を委ねるているだけ。
 真っさらな肌には沢山の汗が浮かんでいる。
 上になってもらうのは今回は無理だろう。
 



「茄子、うつ伏せになってもらえるか?」

「ふぁ、はい……」

 一度秘部からそれを抜いて、唇に軽いキスをする。
 ごぽりと溢れた愛液が布団に垂れた。
 ゴロンとうつ伏せにさせ、下半身を此方へ突き出す体勢にする。
 煽情的過ぎるそのポーズに尚更硬くなったそれを、またすぐに挿入。

「ふぁぁっんっ!さっき、より……んっ、あっ!深っ!」

 膝立ちになって、再び抽送を開始する。
 この体勢だとより奥まで届くようで、茄子は必死に枕を噛んで声を抑えようとしていた。
 こうなると、意地でも我慢できなくさせたくなる。
 俺は両腕を伸ばし、茄子の両胸を強く揉みしだいた。
 
「ひゃんっ!んぁ!あっ!ゴリゴリっ!されっ!んぁ!」

 結合部が水を弾く音がして、俺の興奮を高める。
 抜き差しする度に引くねばねばした糸のイヤらしさが、奥へ挿し込む力を強くさせる。
 弱いところも、先程よりゴリゴリと押しやすい。
 一度片手を胸から放し、茄子の背中を指でなぞった。

「ひゃっんっ!んぁ!ん~~っ!!」

 本日何度目の絶頂だろう。
 ビクンと大きく震え、茄子の身体が布団に潰れた。

 流石にそろそろ本当に限界だろうか。



「……もっと……もっと、お願いします……」

 その台詞はズルい。
 可愛過ぎるし、エロ過ぎる。

「よい、しょっと」

 茄子の身体を持ち上げ、太ももに乗せて対面座位にした。
 これなら抱き合いながら、より強く奥を突ける。

「もう少しだけ頑張ってくれ」

 実際、俺もそろそろ限界だった。
 ラストスパートをかけ、茄子の体重を利用して腰を振る。
 どちらかと言うと押し込むような動きだが、海綿体への刺激はかなり強い。
 茄子ももう、完全に蕩けていた。

「茄子、キスするぞ」

「んぁっ、はぁ、ふぁい……」

 茄子と、上も下も繋がる。
 強く抱きしめ、より近くに彼女を感じようとする。
 ベッドの軋む音と結合部の水音を響かせ、何度も何度も奥を突く。
 突く度絶頂を迎え収縮する膣内の動きも、もう既に同然のものになっていた。

「んっ、あっあっんっ!イっ!わっ、わたし!もうっ!んっ!」

「俺もっ、もうっ!」

 そして。
 全力で俺は、膣の奥へと押し込んで。

「んっ!んぁっっ!!んぁぁぁぁぁっっ~~っ!!」

 一番奥へと、精をぶち撒けた。






「……すみません、おぶってもらっちゃって」

「気にするな、軽いから」

 結局、除夜の鐘が鳴り終わってしばらくしてから俺達は家を出た。
 既に賽銭箱の前には長い行列が出来ている事だろう。

「あけましておめでとう、茄子。今年もよろしくな」

「あ、そうでしたね。あけめしておめでとうございます。私たち二人に幸運があらん事をっ!」

 俺が背負っているのは、幸せの塊だろう。
 それにしては軽過ぎるが、大きさは誰にも負けない程の。
 今年一年もまた茄子と一緒に……いや、これから一生。
 絶対二人で、幸せでい続けると心に誓った。

「それで、その……つきましては……」

「ん?なんだ?」

 茄子が恥じらいながら。
 俺の耳元で囁いた。

「帰ったらまた、今年最初の幸せを……私に注いでいただけると……」

 ……長い夜になりそうだ。

 けれど、夢よりも現実で。
 鷹と富士と茄子を元日に見れるなんて、とても幸運な事なんじゃないだろうか。

 ギュッ、と茄子が抱き着く力を強くした。

「改めて、これからもよろしくお願いしますねっ?」

 


以上です
お付き合い、ありがとうございました

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