武内P「アイドル達に慕われて困っている?」 (1000) 【現行スレ】

武内P「常務、それの何が問題なのでしょうか?」

専務「専務の美城だ。今後、間違えることのないように」

武内P「……」

専務「まあ良い。私も、何が原因でこうなったのかわからない」

専務「しかし、実際に見れば何が問題なのかがわかる」

武内P「……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509802732

武内P「アイドルに慕われて問題があるとは、私には思えないのですが……」

専務「見ればわかると言っただろう」


……┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!


武内P「? この足音は――」


ガチャッ!


茜「ボンバー!!」

茜「……」ペコリ


バタンッ!


武内P「……日野、茜さんですね」

専務「……わかったかね、問題が」

武内P「問題……入室前にノックをしなかった事でしょうか?」

専務「そんな細かい事を言っているのではない」

武内P「失礼しました。常務は、そういうマナーに厳しい方かと……」

専務「……それ以前の問題があるだろう」

武内P「……?」

武内P「私には、日野さんらしさが溢れている、とても良い笑顔の挨拶に見えました」

専務「……」

専務「それが君の言う個性なのなら、私には理解出来ないな」

専務「それと、私は専務だ」

武内P「確かに、いきなり『ボンバー』は驚きます」

武内P「……ですが、常務がそれを問題とするのなら、注意すれば良いのではないかと」

専務「無論、私も日野茜には注意をした」

武内P「……」

専務「そうしたら、大声で泣かれてな。許可せざるを得なかった」

武内P「……」

武内P「……まさか、他にも同じような事が?」

専務「……そろそろ来るだろう」

武内P「……」


ガチャッ


フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」

フレデリカ「ミッシーおっはー♪ うわお、CPのプロデューサーもおっはー♪」


武内P「おはようございます、宮本さん」

専務「おはよう、宮本。それと、ミッシーはやめたまえ」

フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」

武内P「別段、変わった所は無い様に思いますが」

専務「見ていればわかる」


フレデリカ「今日の髪型はー、三つ編みにしようかな? それともお団子?」


武内P「……なるほど」

専務「毎朝、彼女はここに来て私の髪型をいじっていく」


フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」


武内P「宮本さんの自由奔放さが感じられる、とてもいい笑顔です」

専務「……」

専務「自由には犠牲がつきものだ。そして、それが今の私だ」

武内P「彼女達アイドルを輝かせる犠牲になら、私はなってもいいと考えます」

専務「ならば、今すぐに変わり給え」

武内P「いえ、それはお断りします」


フレデリカ「かんせーい♪ ミッシーばいばーい♪」


……バタンッ


武内P「見事な編み込みですね。とても、よく似合っていると思います」

専務「……」

武内P「常務、クローネのメンバーである宮本さんには、やはりとても慕われていますね」

専務「専務だ。慕われていると言っても、程度があるだろう」

武内P「……念のためお聞きましますが、注意は?」

専務「したとも。目を見開いて大粒の涙を零され、許可せざるを得なかった」

武内P「……」

専務「許可せざるを得んだろう」

武内P「……それで、他にもまだ?」

専務「君、無表情の中に呆れを混ぜるのはやめたまえ」

武内P「……」

専務「あとは……そうだな」


ガチャッ

文香「……おはよう……ございます」


武内P「おはようございます、鷺沢さん」

専務「……おはよう、鷺沢」

文香「……今日は、昨日の続きを……持ってきました」

専務「そうか、昨日の分はデスクに置いてある」

文香「もう……全部読まれたんですね……」

専務「私はあまり気が長い方ではない。良い作品は、続きが気になるものだ」

文香「……では……今度からは、三冊ずつ持ってきます……」

専務「……世話をかけるな。感想は、全て読み終わってからにしよう」

文香「はい……楽しみに、しています……」

文香「それでは……失礼します」


……バタンッ


武内P「……」

武内P「あの……確か鷺沢さんは本好きで、とても、仲が良さそうに見えたのですが」

専務「そうだな、確かにそう見えただろう」

武内P「今の何が問題があったのかが、私にはわかりかねます」

専務「最初の内は良かった、一冊ずつだったからな」

武内P「……」

専務「一度、本の感想を言ったら次の日から二冊に増えて、遂に今日は三冊になった」

専務「断ろうとしたら、この世の終わりの様な顔をされたのだ……この意味がわかるか?」

武内P「……」

武内P「……無礼を承知で申し上げます」

専務「何だ、言ってみたまえ」

武内P「全て、貴女の自業自得かと」

専務「……だからこそ、君に頼みがある」

専務「私よりも、君はアイドル達の気持ちがわかるようだからな」

武内P「常務、その話、お受け出来ません」

専務「もしも断るなら、そうだな……私の権限で、CPの二期生に個性的なアイドルをねじ込もう」

武内P「!?」

武内P「待ってください! それは、あまりに強引すぎます!」

専務「君は、困っている上司を見捨てるのかね? それと、私は専務だ」

武内P「しかし!」

専務「そうだな、まずは世界レベルのアイドルを」

武内P「わかりました。力の限り、今回の件に取り組んでいきます」

専務「そうか、助かる。礼を言っておこう」

武内P「その必要はありません。貴女の後ろから見える虹色の光に魅せられただけですから」

専務「……」

専務「君、今の言葉は七光という意味かね?」

武内P「滅相もありません」

  ・  ・  ・

武内P「まずは日野さん、ですね」

専務「彼女を傷つける事なく、あの挨拶が止むように頼む」

武内P「……少し、耳を塞いでいてください」

専務「? 何をする気だ」


┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!


茜「ボンb」


武内P「ボンバアアアアアアア!!!!」


茜「!?」


専務「!?」

茜「……ぼ、ボンb」


武内P「ボンバアアアアアイヤアアアアアアア!!!!」


茜「!!?」

茜「……ボ」


武内P「ギガボンバアアアアアアァァァァァァ!!!!」


茜「!!!?」

茜「……」ペコリ


……バタンッ!


武内P「……これで、当分の間は平気だと思います」

専務「……!?」

専務「今のが……解決策だと言うのか!?」

武内P「日野さんの挨拶を遮るような形で、大変心苦しかったですが……はい」

専務「……私には、理解出来ないな」

武内P「しかし、彼女はきっと成長して戻ってくるでしょう」

専務「!?」

武内P「それがいつになるかはわかりませんが、彼女の目からは力失われていませんでしたから」

専務「……」

専務「君、今の言い方だと、日野茜が次に来る時は、もっと大声になっていると言う事か?」

武内P「はい、きっと、今までよりもいい笑顔を見せてくれると思います」

専務「!?」

武内P「常務、そろそろ宮本さんが来るはずです」

専務「私は専務だ! 話を聞き給え!」


ガチャッ

フレデリカ「ミッシーおっはー♪ わお、CPのプロデューサーは今日も居るんだねぇ♪」


武内P「おはようございます、宮本さん」

専務「お、おはよう、宮本」

フレデリカ「フンフンフフーンフンフ」


武内P「プンプンププーンプンププー、プロデューサー♪」


フレデリカ「!?」

専務「!? お、おい、何をする気だ!?」


武内P「今日は、シャンプーとトリートメントを。おや、少し髪が傷んでいますね」


専務「何を……っ!? ほ、本当にシャンプしていないか!?」

武内P「プンプンププーンプンププー、プロデューサー♪」

専務「……!?」


フレデリカ「……」

フレデリカ「なんだか忙しそうだねぇ、ってことで、ばいばーい♪」

ガチャッ……バタンッ


武内P「プンプンププ……行ったようですね」

専務「……この後はどうするつもりだね?」

武内P「宮本さんの目から、髪型を変える以外の挑戦する意思を感じました」

武内P「……きっと、今度はカラーリングまで含めた本格的なヘアケアーをする事でしょう」

専務「……」

武内P「それと、ご安心ください。使用したのはただの水です」

専務「……そうか」

武内P「最後に、鷺沢さんですね」

専務「あえて一時的な解決を望み、今後事態が悪化するように仕向けてはいないか?」

武内P「待ってください! まさか、本当にそう思っているのですか!?」

専務「しかし、君のやり方ではその場の結果は出ても今後に支障が出る!」

武内P「専務は気が長い方ではないと言っていたので……」

専務「……確かにそう言ったが、しかし」


ガチャッ

文香「おはよう……ございます」


武内P「おはようございます、鷺沢さん」

専務「……おはよう」

文香「今日も……お約束通り、三冊持ってきました」

武内P「鷺沢さん。少し、お話があります」

文香「? はい……?」

武内P「実は、専務は昨日渡された分の本を読む時間が無かったのです」

文香「……!?……!!?」


武内P「――このノートを取ってくるのに、時間を費やしてしまったので」


スッ……


文香「あの……これは……?」

武内P「表紙を見ての通りです。プロジェクトルームに戻ってから確認してみてください」

文香「……わかり、ました。それでは……失礼します……」

武内P「感想、お待ちしています」


ガチャッ……バタンッ


専務「……やけに素直だな」

専務「一体、何を渡した? まさか、あれほど簡単に……」

武内P「専務が小学校時代から書き溜めていた詩集です」

専務「!?」

武内P「今西部長に協力してもらい、ご実家と連絡にし、取り寄せて貰いました」

武内P「これで、鷺沢さんも感想を考える時間が出来、しばらくは大丈夫でしょう」

武内P「その……失礼ですが、感想に困るものだったので」

専務「!?」

武内P「きっと、彼女なら感想を携えて来る事でしょう。微妙な笑顔かもしれませんが」

武内P「専務。アイドルに慕われるというのは、時に困難な事態に陥るかもしれません」

武内P「ですが、その時は私にご相談ください」

武内P「……それでは、失礼します」ペコリ


ガチャッ……バタン


専務「……優秀すぎるのも困りものだな」

専務「……」

専務「……ああ、もしもし、私だ」

専務「シンデレラプロジェクトを白紙に戻す。これは決定事項だ」



おわり

HTML化依頼だしておきます

慣らしで色々書いているのでゴミも量産すると思いますが、ご了承ください

いつまで続くかわかりませんが、書いて埋めようと思います
割と長期になってきたので、貼ります


武内P「大人の魅力、ですか」
武内P「大人の魅力、ですか」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510490903/)

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武内P「クローネの皆さんに挨拶を」
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前スレ?

武内P「あだ名を考えてきました」
武内P「あだ名を考えてきました」 - SSまとめ速報
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クローネの子たちもよく出るけど
唯はあまり出てないぽいので
がっつりからんだ話が見てみたいです

>>53
書きます


武内P「待ち合わせ、ですか」

美嘉「そっ★ 午後はオフだし、遊びに行くんだ★」

武内P「成る程。楽しんで、来てください」

美嘉「モチ!★ やっぱり、カリスマJKアイドルとしては――」


唯「どーんっ!」

ぎゅっ!

武内P「っ!? 貴女は……お、大槻さん!?」

唯「おおっ! シンデレラプロジェクトのプロデューサーちゃんじゃん!」

武内P「わからずに……飛びついたのですか?」

唯「へへへ、美嘉ちゃんが楽しそうに話してる人だから、大丈夫かなって!」


美嘉「……」

美嘉「大丈夫じゃないよ!?」

唯「美嘉ちゃん? どしたの?」

ぎゅっ!

武内P「あ、あの……大槻さん、離れていただけますか……!?」

唯「あれ~? もしかして、プロデューサーちゃん照れてるの~?」

ぎゅうっ!

武内P「そ、そうではなく!」

武内P「た……助けてください城ヶ崎さん!」


美嘉「」


武内P「城ヶ崎さん!?」

唯「あれ? おーい、美嘉ちゃーん?」

武内P「城ヶ崎さん! しっかりしてください、城ヶ崎さん!」


美嘉「……」

美嘉「――★」

美嘉「っ!? 一体、何が……!?」


唯「ねね、プロデューサーちゃんも一緒に行くの?」

ぎゅっ!

武内P「いっ、いけません大槻さん!」

唯「え~っ!? やっぱり、午後もお仕事?」

ぎゅうっ!

武内P「そうではなく……!?」


美嘉「」


武内P「城ヶ崎さ――んっ!?」

  ・  ・  ・

美嘉「……」

美嘉「――★」

美嘉「っ!? アタシ、どうして……っていうか、ここって……」


唯「あっ、気がついた」

武内P「あの……城ヶ崎さん、大丈夫ですか?」

美嘉「……ねえ、どうしてシンデレラプロジェクトのルームに居るの?」

唯「覚えてないの?」


唯「助けてみりあちゃ~ん……って走って来たんだよ?」


美嘉「……マジ?」

唯「マジマジ! チョーマジだよ!」

美嘉「……マジ?」

武内P「……はい」

武内P「赤城さんは、今日は休みなのでいらっしゃいませんでしたが……」


唯「ねえ……何かあったの?」

美嘉「……ま、まあ……あった、かな」

唯「ゆいで良ければ、話してみてよ!」

美嘉「えっ?」

唯「美嘉ちゃんのあんな姿、初めて見たし!」

美嘉「えっと、ここで?」

唯「うんっ! 良いよね、プロデューサーちゃん?」

武内P「はい、勿論です」

武内P「城ヶ崎さん。一体、何があったのですか?」


美嘉「……」

美嘉「……!?」

美嘉「え、っと……マジでここで話すの?」


唯「早めに原因がわかんないと、困っちゃうかもだよ!」

武内P「はい。大槻さんの、言う通りだと思います」

唯「おーっ! 話がわかるね、プロデューサーちゃんっ☆」

ぎゅっ!

武内P「おっ、大槻さん!? ですから、離れてください!」

唯「え~っ? こんなの、軽いスキンシップだよ~!」ケラケラ!

ぎゅううっ!

武内P「や、やめ……彼女を止めてください、城ヶ崎さん!」


美嘉「」


武内P「城ヶ崎さん!? 城ヶ崎さ――んっ!?」

美嘉「」

唯「美嘉ちゃん! おーい、しっかりしてよ!」

ゆさゆさっ!

美嘉「――はっ!?」

唯「良かった、気がついた!」

美嘉「アタシ……また、意識が飛んでた?」


唯「っていうか……白目むいてたよ?」


美嘉「……マジ?」

唯「マジマジ」

美嘉「……見た?」

武内P「……申し訳、ありません」

唯「でも……何が原因なんだろ? わかる~?」

武内P「いえ……私には、見当がつきません」

美嘉「ね、ねえっ! とりあえずさ!」

武内P・唯「……?」


美嘉「唯は、ソイツにくっつくのやめときな? ねっ?」

美嘉「アイドルとプロデューサーだし、問題になったら困るっしょ?」

美嘉「ホラ! アンタもそう思うでしょ!?」


武内P「は、はい。私も、そう思いま――」


唯「え~っ? 腕組む位なら大丈夫じゃない?」

唯「それにホラ、照れてるプロデューサーちゃんカワイクない?☆」


武内P「お、大槻さ――」


美嘉「あっ! それマジチョーわかる★」


武内P「!?」

唯「でしょでしょー! ヤッパ、美嘉ちゃん話わかるー!☆」

美嘉「トーゼン★ アタシ、カリスマJKアイドルだしっ★」

唯「いぇーい☆ テンションアゲアゲー☆」

美嘉「イエーイ★」

パンッ!


武内P「……あ……あの」


美嘉「あっ」

唯「美嘉ちゃん? ホラ、アゲアゲー☆」

美嘉「あっ、うん……あ、あげ……あげ」


武内P「……」


美嘉「……」

唯「?」

唯「美嘉ちゃん……やっぱり、元気なくない?」

美嘉「そっ、そんなコトないよ!? いっ、イエーイ☆」

唯「……やっぱり元気ないよ! ☆になってる!」

美嘉「そ、それは……!?」


美嘉「……とっ、とにかくさ! もう行かない!?」

美嘉「唯、見たいショップがあるって言ってたし!」

美嘉「それに、コイツも仕事があるだろうし!」


唯「ゆい、美嘉ちゃんの方が心配だよ!」

唯「プロデューサーちゃんも、そうだよね!?」


武内P「えっ!? あっ、その……はい」


美嘉「……」


唯「……?」

唯「プロデューサーちゃんは、美嘉ちゃんが心配じゃないの?」

武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」

唯「だったら、一緒にテンションアゲるの手伝って! ねっ、お願い!」

武内P「その……私に出来る事でしたら、はい」

唯「キャハ~ッ! アリガトっ、プロデューサーちゃんっ♪」

ぎゅっ!

武内P「っ!? で、ですから……その、いけません!」

唯「おっ? おっ? ゆいの魅力にメロメロ~? んふっ、うりうり~!」

ぎゅうっ!

武内P「で、ですから――」


美嘉「」


武内P「……城ヶ崎さ――んっ!?」

美嘉「」

唯「美嘉ちゃん!? おーい! ハロー!?」

ゆさゆさっ!

美嘉「――はっ!?」

唯「あの……美嘉ちゃん、もしかして」

美嘉「なっ、何?」


唯「美嘉ちゃんも、プロデューサーちゃんとスキンシップしたいの?」


美嘉「……マジ?」

唯「へっ? 何が?」

美嘉「……マジ!?」

武内P「わ……私に聞かないでください……!」

唯「ゆいがくっついたら変な感じなるから、そうなのかなー、って」

美嘉「待って! ちょっと待って、唯!」

武内P「……申し訳、ありません」

美嘉・唯「……?」


武内P「私は、プロデューサーです」

武内P「そして、貴女達は、アイドルなのです」

武内P「過度なスキンシップは、問題になる可能性が非常に高いです」


美嘉「う、うん。アタシも、そう思――」


唯「え~っ? 考え過ぎだよ~! 腕組む位フツーフツー!」

唯「それに、ここなら誰にも見られないから大丈夫だよ~!」

唯「だからさ、問題になるなら、三人のヒ・ミ・ツって事でヨロ~☆」


武内P「お、大槻さ――」


美嘉「うーっわ!★ 唯、それってチョー良いアイディアじゃん!★」


武内P「――城ヶ崎さん!?」

唯「アハッ! 良いねっ、テンションアゲてきたね~☆」

美嘉「ヒミツってさ、小悪魔ってカンジでチョーイケイケだよね★」

唯「オトナってカンジだよね! オトナの階段もアゲアゲしちゃう?」

美嘉「ヤバーイ!★ 唯、その言い方エーローイー★」

唯「いや~ん! でもでも、だ・け・ど? 美嘉ちゃんも階段をー?」

美嘉「モチ、アゲアゲっしょ★ だってアタシ、カリスマだし★」

美嘉・唯「イエーイ♪」

パンッ!


武内P「……」


美嘉「あっ」


武内P「……」


美嘉「違うの! 待って! ちょっ、話聞いて!?」

唯「……?」

美嘉「なんか……なんか、テンションあがっちゃうの!」

武内P「そ、そう……なのです、ね」

美嘉「そうなの! 二人だと、その……エスカレートしちゃうの!」

武内P「は……はい」

美嘉「だから、その――」


唯「いえーいっ☆ こうやって、もっとアゲアゲでいこっ♪」

ぎゅっ!

武内P「っ!? あっ、あの――」


美嘉「オッケー★ アタシと唯で、サービスしちゃおっか★」

ぎゅっ!

武内P「――えっ!?」


唯「いや~ん! サービスとか、ドキドキしちゃうよ~☆」

美嘉「別にエロいサービスじゃないってー! あっ、期待した?★」

ぎゅうっ!

武内P「……!?……!?」

唯「ねぇねぇ、ゆいと美嘉ちゃんに挟まれてどう? どう?」

ぎゅっ!

武内P「あ、あの……本当に、離れてください!」

美嘉「とか言って、ホントは嬉しいくせに★ 照れんな照れんなー★」…ツーッ

ぎゅっ!

武内P「じょ、城ヶ崎さん! 落ち着いて――」


美嘉「えーっ? イケイケで、楽しもうよっ★」…ポタッ

ぎゅうっ!


武内P「――鼻血……?」


唯「ゆい達が揃ったら、マジサイキョー! ってカンジだよね、いぇい☆」

美嘉「イ゙エ゙ーイ゙ッ゙! っぶふっ、テンショ……あ、ぶふうっ!」ポタッ…ポタッ…!

ぎゅううっ!


武内P「待ってください!」

武内P「体が! 城ヶ崎さんの体が、ついていけていません!」

唯「体ごとついて来いってこと? え~? どういうイミ~?」

美嘉「ぁぅぶっふっ……お、え、エ゙ーロ゙ーイ゙ー★゙」ポタッポタッポタッ…!

ぎゅうっ!


武内P「カリスマまで濁っていますよ!?」

武内P「お願いします! どうか、離れてください!」


唯「プロデューサーちゃん、照れなくてもいいじゃ~ん☆ うりうり~!」

美嘉「照れ……お……あぁ……顔……赤ーい」ポタッポタッポタッポタッ…!

ぎゅうっ!


武内P「城ヶ崎さん、真っ赤なのは貴女です!」

武内P「真紅に染まっています、城ヶ崎さん!」


美嘉「……や……ばーい」ポタッポタッ…ポロッ★…ポタッポタッ…!


武内P「っ……!?」

唯「えっへへー☆」

美嘉「おっぶふぅ」ポタポタポタポタッ…!

ぎゅううっ!


武内P「お願いします! 誰か! 誰か、助けてください!」

武内P「このままでは、城ヶ崎さんが!」

武内P「お願いします! 誰か――」


ガチャッ!


武内P「――!」

美嘉「……?」ポタポタポタポタポタポタッ!

唯「……あっ」


凛「……ねえ、この状況は何なの?」


武内P「――渋谷さん!」

武内P「お願いします! 助けてください!」

武内P「城ヶ崎さんは、もう限界です!」

美嘉「げんか……うー?」ポタポタポタポタポタッ!


凛「……私、ずっと待ってたんだけど」


武内P「……渋谷さん?」

唯「ゴッメーン! テンションアゲすぎて、忘れちゃってた!」

武内P「……大槻さん?」

唯「ほら、ゆいと美嘉ちゃんは仲良いでしょ?」

唯「それで、凛ちゃんも同じクローネで、美嘉ちゃんと仲良いらしいからさ」

武内P「まさか……あの……!?」


唯「三人で、遊ぶ約束だったんだよねー」タハー!


武内P「……!?」


凛「……」

武内P「ま、待ち合わせは……三人、だったのですね」

唯「うんっ! ね、凛ちゃん!」


凛「うん」

凛「……それで? この状況は、何なの?」

凛「説明して」


武内P「そ、それは――」


唯「美嘉ちゃんと、プロデューサーちゃんの三人で遊んでたんだ☆」

唯「いい反応するから、楽しくってさ~! ホントウケるの!」


凛「へえ、そうなんだ」


武内P「……!?」

武内P「し、渋谷さん! 誤解です!」

唯「えー? チョー楽しかったよ! ねっ、美嘉ちゃん♪」

美嘉「……ぁー」…ポタッ

ぎゅっ!


凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」


武内P「は、はい!」


凛「うん、そうだよね」

凛「……」

凛「ふざけ――」


唯「あっ、凛ちゃんも、プロデューサーちゃんをギューってしちゃう?」


凛「な――……あ……」

凛「……」

凛「えっ?」

唯「今の、チョーナイスアイディアじゃない? ねっ? ねっ?」

凛「ちょっ……ちょっと待って! どうしてそうなるの!?」

唯「えっ? プロデューサーちゃんをからかうの、楽しいから?」

凛「楽しいからって……!?」

唯「腕組んだだけで照れて、カワイイんだよー☆ ねー、やろうよー!」

凛「だけど……待って! その、無理! 無理だから!」


唯「へっ? 何で?」


凛「何で!?」

凛「何でって……ぷ、プロデューサー! 何で!?」


武内P「あ、アイドルと、プロデューサーだからです!」


凛「……だから!」


唯「……んー?」

美嘉「」

唯「これくらいなら、良いと思うけどなー?」

武内P「しっ……シンデレラプロジェクトでは!」

武内P「プロデューサーとのスキンシップは、その……!」

凛「! そ、そう! あんまり、良くないかなって!」

凛「だから、恥ずか……出来ないから!」

唯「……」

武内P・凛「……!」


唯「それなら、仕方ないかなぁ」

…パッ!


武内P「……わかって……いただけましたか……!」

唯「凛ちゃんも一緒に出来ないなら、仲間はずれになっちゃうもんね!」

凛「そ、そうだね! ごめんね、気を遣わせちゃって!」

唯「ううん! 皆でアゲアゲじゃないと、楽しくないしね!」

美嘉「」

  ・  ・  ・

ちひろ「……それは……大変でしたね」

武内P「……はい」

ちひろ「唯ちゃんは……クローネ唯一のパッションですもんね」

武内P「はい……とても強い、輝きを放っている方だと、そう、思います」

ちひろ「フレデリカちゃんも、唯一のキュートですしねぇ」

武内P「……彼女も、かなりの個性を持っていますね」

ちひろ「周囲がクールだらけでも埋もれない、とても強い輝き……ですよね」

武内P「……はい」

武内P「専務が彼女達を選んだ理由は、まさにそれかと」

武内P「なので、こういう事態にならないよう……気をつけて、いたのですが」

ちひろ「……」


武内P「鉢合わせ、でした」



おわり

書きます


武内P「卯月さんは、とても頑張られています」

武内P「歌やダンス、レッスンにも真剣に取り組んでいます」

武内P「その姿は、他のメンバーの方達にも良い影響を与えています」

武内P「卯月さんの、一番魅力的な所、ですか?」

武内P「笑顔です」

武内P「……申し訳、ありません」

武内P「やはり、卯月さんの一番の魅力は、笑顔だと思いますので」


卯月・凛・美嘉「……!?」

卯月・凛・美嘉「……!!?」

武内P「はい……はい……ええ、勿論です」

武内P「卯月さんに? はい、わかりました」


武内P「――島村さん」


卯月「……」


武内P「あの……島村さん?」

武内P「お母様が、話したいことがあるので代わって欲しいと……」


卯月「……」


武内P「あの……島村さん?」


卯月「っ!? はっ、はい! はいっ、島村卯月です!」

美嘉・凛「……」


武内P「……?」

武内P「どうか……されましたか?」

卯月「いっ、いえ! 何でも! 何でもありません!」

武内P「……?」

卯月「あ、あははは……!」


卯月「も、もしもしママ? 話って何?」


武内P「……島村さんは……具合でも悪いのでしょうか……?」


美嘉・凛「……」


卯月「……えっ?」

卯月「ねっ、ねえ……それ、本当? 本当なの、ママ?」

卯月「――うんっ! うん! うんっ!」

卯月「ありがとう、ママ! ママ、だ~い好き!」


武内P「本当に……仲が良いのですね」


美嘉・凛「……」

  ・  ・  ・

美嘉・凛「録音!?」

卯月「えへへっ……はいっ♪」

美嘉「録音って……さっきの通話を――」

凛「卯月さん、って言ってたのを……?」

卯月「そうなんです!」


卯月「ママが、何度も聞けたら喜ぶかも、って思ったみたいで!」

卯月「そうしたら、卯月さんって……卯月さん……あうぅ……///」


美嘉・凛「……」

美嘉「そっか……アイツ、親との会話だと名前で呼ぶんだ」

卯月「みたいですね! 卯月さんって……うふふっ!」

凛「そうみたいだね。うん、親子だから同じ名字だし」

卯月「はいっ♪ 卯月さん……えへへ~///」

美嘉「つまりさ、アイツと親に話をさせる事が出来たら?」

卯月「名前で呼んでる所が聞けるみたいですっ♪」

凛「名前で読んでる所が聞けるみたいだね」

卯月「?……あれ? ふ、二人共……?」

美嘉「……凛、アタシ、良いコト思いついちゃった★」

卯月「美嘉ちゃん? あのっ、美嘉ちゃん!?」

凛「奇遇だね。私も、多分同じ事考えてた」

卯月「凛ちゃん? ね、ねえ……二人共!?」

美嘉「面と向かってじゃ、あんまり言ってくれないようなコトとか★」

凛「親との会話なら、ああやって言ってくれるみたいだし」


卯月「うぅ……二人共、無視するなんてひどいですよ~!」

卯月「――あっ! そうだ! こういう時こそ……」


美嘉「……ヤバくない? ねえ、凛! マジでチョーヤバくない!?★」

凛「まあ、悪くないかな……というか、良い……凄く良いと思う……!」


卯月「……はい、はい……う、卯月さん……///」

卯月「はいっ/// 笑顔……卯月さんの一番魅力……えが、えへへ~///」

卯月「……もう一回……! もう一回、最初から……!」フンス!


美嘉・凛「……」

美嘉・凛「……!」グッ…!


卯月「卯月さん……はいっ、卯月さん、頑張ります///」

  ・  ・  ・

武内P「城ヶ崎さんの、お母様が私に?」

美嘉「そっ★ なんか、聞きたいコトがあるんだってさ★」

武内P「私に、ですか?」

美嘉「さぁー?★ アタシも、ちょっとわかんないかなー?★」

武内P「わかりました、ありがとうございます」

美嘉「それじゃ、はい★」

武内P「すみません、お電話、お借りします」


武内P「――お待たせしました」


美嘉「……キタ……キタよコレ……!?」

凛「録音は?」

美嘉「モチ★ バッチリ頼んである★」

美嘉・凛「……!」ワクワク

武内P「はい……はい、その通りだと思います」

武内P「そうですね……私には、とても輝いて見えます」


美嘉「凛――っ!/// 聞いた――っ!?///」

凛「落ち着いて、美嘉。アレくらいなら、普段でも言うでしょ」

美嘉「担当じゃないから! 担当違うから! チガウヨー! タントウチガウヨー!」

凛「……ああ、担当じゃないから、普段言われてないもんね」

美嘉「うんっ……!/// うんっ……!///」


武内P「そうですね……お母様としては、少し過激だと思う所もあるでしょう」

武内P「しかし、私は、本人が望んだ……らしさ、というものも、大切だと思っています」

武内P「私の目から見て?……はい、当然、とても魅力的なアイドルです」


美嘉「凛――っ!/// 助けて凛――っ!///」ワタワタ!

凛「しっ! 大声を出すと、録音に入るよ?」

美嘉「……!///」コクコク

武内P「これからも、ずっと見続けていきたいと、そう、思います」


美嘉「はぶっ……ふ!?★」


武内P「シンデレラプロジェクトの、大事なメンバーの――」


美嘉・凛「……ん?」


武内P「――莉嘉さんを」


美嘉「……凛?」

凛「……何?」

美嘉「アタシって……シンデレラプロジェクト、だよね?」

凛「待って! 美嘉、待って!」

美嘉「あっ、カブトムシ! シール……シールシール!」

凛「美嘉!? 姉として、莉嘉へのイメージがそれだけで良いの!?」

  ・  ・  ・

武内P「――城ヶ崎さん」

美嘉「ん」

武内P「お母様が、城ヶ崎さんに代わって欲しい、と」

美嘉「ん」

武内P「……城ヶ崎さん?」

美嘉「ん!」


美嘉「……もしもし」

美嘉「あ、うん……うん……うん」

美嘉「あ、莉嘉も居て……はー、スピーカーで話して……はー」


武内P「城ヶ崎さんは……その、何故、急に不機嫌に?」

凛「多分、ツメが甘かった自分に腹が立ってるんだと思う」

武内P「……?」


美嘉「あー、うん……良かったね……莉嘉」

  ・  ・  ・

美嘉「……莉嘉に、メッチャ感謝された」

凛「まあ、悪くないんじゃない」

美嘉「何が?」

凛「いや、莉嘉は喜んだんでしょ?」

美嘉「それは……そうだけど……だけどさ!?」

美嘉「TOKIMEKIだと思うじゃん!?」

凛「DOKIDOKIだったね」

凛「……まあ、私は一人っ子だし、同じ失敗はしないかな」

凛「……行くよ――」


凛「――蒼い風が、駆け抜けるように!」

  ・  ・  ・

武内P「渋谷さんの、お母様が私に?」

凛「うん。なんだか、聞きたいことがあるみたい」

武内P「……最近、多いですね」

凛「はい、電話」

武内P「あ、はい、少しの間、お借りします」


武内P「――お待たせしました」


凛「……私は、完璧だから」

美嘉「……ハナコさん、とか言ったりして」

凛「有り得ない。いくらなんでも、無理ありすぎ」


武内P「――お父様、ですか?」


凛「……」

凛「えっ?」

美嘉「えっ? 凛って、お父さんに頼んだの?」

凛「……頼んでない……えっ? なんで……!?」


武内P「っ!? も、申し訳ありません……はい……はい……!」ペコペコ

武内P「咄嗟とは言え、大変失礼しました……はい、申し訳ありません……!」ペコペコ


美嘉「メッチャ謝ってるケド!? 電話なのに頭下げてるケド!?」

凛「お父さん、何言ってるの!? ちょっと……待って!」


武内P「いっ、いえ! 決して、娘さんに対してそんな! はい……はい!」ペコペコ

武内P「っ!? ま、待ってください! お願いします、話を――」


凛「プロデューサー! 電話代わって!」


武内P「し、渋谷さ――」


凛「早く! 良いから、代わって!」

武内P「で、ですが――」

凛「――良いから、早く!」

ぐいっ!


凛「――もしもし!? ねえ、何なの!?」

凛「……は? 私が心配だった?」

凛「ふざけないでよ! ねえ、聞いてるの!? ちょっと!」

凛「……は? お母さんに代わる!?」

凛「逃げないでよ! まだ話の途中……あぁ、お母さん」


武内P「……」


凛「うん……うん……」

凛「とりあえず、帰ったらお父さんに話がある、って伝えて」

凛「そう……うん……承知しない、って言っておいて」


美嘉「……」

凛「……当り前でしょ、私のプロデューサーなんだから」

凛「なのに、あんな真似させて……絶対に許さない」

凛「えっ? まだ、言い訳してる?」

凛「……お父さんとは口きかない、って伝えて」


武内P「……」


凛「うん……うん……」

凛「それじゃ、また、プロデューサーに代わるから」

凛「……うん、お願い」


美嘉「……な……なんか、アタシも気まずいんだケド……!?」

凛「……はい、プロデューサー、お母さんが代わるって」

凛「あと……お父さんが、ゴメン」

武内P「いえ……娘の心配をする、良い、お父様だと思います」

凛「……うん、ありがと」


武内P「――もしもし、お電話代わりました」


凛「……」

美嘉「えっと……なんか、ドンマイ」

凛「……まあ、でも話はこれからだから」


武内P「えっ!? 仲直りの手伝い、ですか!?」

武内P「自分も『パパ』と呼ばれたい……は……はぁ」



凛「お父さん!!」

凛「何なの!? もう、本当……何なの!?」


武内P「成る程……最近、態度が冷たい、と」

武内P「そう、ですね……所謂、年頃、というものだと、そう、思います」


美嘉「なんか……相談始まってない?」

凛「やめてよ! ちょっと! ねえ!?」


武内P「家の手伝いをする機会が……はぁ、成る程」

武内P「そうですね……負担の無いよう、スケジュールを調整します」

武内P「……いえ、そんな事は、決して」

武内P「家族の時間というのも、とても大切ですから」


凛「ねえ、本当にやめて!?///」

武内P「はぁ……夕食時にも、私の話題が……」


凛「美嘉、お願いだから聞かないで!」

美嘉「あ、いや、出るよ? 莉嘉とか、アイツの話題出すし!」

凛「そ……そう? せ、セーフ?」


武内P「……頼れる、と……そんな事を仰って……」


美嘉「あー……アウトじゃん?」

凛「っ……!?」


武内P「ずっと見ていると、約束……成る程、そんな事まで……」

武内P「見たことの無い笑顔で……はぁ……ええ……はい」


凛「殺して――っ! いっそ殺して――っ!」ジタバタ!

武内P「そうですね……私が思うに、それは――」


凛「ふーん!」

ぐいっ!

凛「――お父さんのバカ!」


武内P「……あ……あの……渋谷さん?」

凛「…………何?」

武内P「電話は……あの、よろしかったのですか?」

凛「…………何が?」

武内P「いえ、あの、お母様が私に聞きたい事がある、と……」

凛「…………何で?」

武内P「何で!? いえ……あの、何故、でしょうか……?」

凛「……」

武内P「……」

  ・  ・  ・

美嘉「――凛は、この間は災難だったね」

凛「……うん、ホント最悪」

美嘉「アッハハ……って、アタシも人のコト笑えないか」

凛「何が最悪かって、プロデューサーとお父さんが連絡取り出した事」

美嘉「……うえ、ソレ……マジ? お母さんは、止めないの?」



凛「……全然」

凛「お父さんは、こうするのが一番手っ取り早い……としか言わない」


美嘉「……まー、ウチもイミわかんなくてさ」

美嘉「莉嘉を味方につけておくと良いー、とか言っちゃってさー」


凛・美香「……」

凛・美香「……はぁ」


凛・美香「ホント、子の心、親知らずだよね」



おわり


「……ぷはー!」


 オレンジジュースが、しみわたりやがりますなぁ!
 おねーさん達も、お酒を飲んだ時はこんな気持ち? かなー?
 だけど、お酒を飲んだ次の日のおねーさん達は、くっせーでごぜーます!
 早苗おねーさんたちは、時々……あはは! すっげーくせー!
 お仕事してる時はチョーかっけーので、らくさがすげーですよ!


「ふ~ん♪ ふんふふ~ん♪」


 美優おねーさんは、すっげー良い匂いがするですよ!
 仁奈は、美優おねーさんの膝枕がお気に入りでごぜーます♪
 すげー良い匂いがして、やわらかくて、あったかくて、幸せな気持ちになるです♪
 間違って、ママ、って呼んじゃっても、怒らなかったでごぜーます!
 笑って、優しくナデナデしてくれたんだ! えへへっ♪


「ふ~ん♪ ふんふふ~ん♪」


 ねっ! お仕事してると、こんなにうれしー事がいーっぱい!
 だから、仁奈は事務所に来るのが、楽しみでしょーがねーですよ!
 お家に居ても、一人で寂しいだけでごぜーますからなぁ。


「……」


 ……だから、もっと頑張って、人気のアイドルになるですよ!
 そうすれば、もっといっぱい仕事が出来て、事務所にいっぱい来れるでごぜーます!
 事務所に来れば、寂しくねーですから!


「……」


 ……ここに住めれば良いのになー。
 そうすれば、学校から帰った時も、寝る時も、起きた時も……寂しくねーのになー。
 誰かと食べるゴハンは、一人で食べるよりもすげーうめー! うめーんでごぜーます!
 オニギリばっかりは……あっと、ワガママは言いやがりませんよ! エッヘン!


「……よし、きゅーけーしゅーりょー! でごぜーます!」


 ウサギさんの気持ちになるですよ!
 もっと頑張って、ファンの人を増やすでごぜーます!
 いっぱい練習して、ずっと、いーっぱいの人に見て貰えるようになるでごぜーますよ!


 えへへ、そうすれば、仕事で海外に行ってやがるパパも見てくれるかな。


「……」


 仁奈は、パパが大大、だーい好きでごぜーます!
 パパは、ママよりも忙しくて、あんまり会えないです……。
 でも、アイドルを頑張れば、海の向こうにも届くでごぜーます! きっと!
 だから、仁奈は……仁奈は――


 コトンッ。


「ん? 何の音だろー?」


 足元で、音がしやがりました。


「――あっ」


 オレンジ色の、水たまりが広がっていきやがります。
 トプトプ、トプトプ広がっていきやがります。


「あっ、あっ!」


 どうしよう……どうしよう、どうしよう!
 キグルミが、引っかかっちゃったんだ!
 もう、中身は空っぽになったみてーですけど……どうしよう!



 怒られる。



「っ……!」



 嫌われる。



「いやだ……いや、いや、いや、いやでごぜーます……!」



 嫌われたら、一人になっちゃう!
 もう、一人は嫌でごぜーます!
 なんとかしなきゃ! なんとか!


「――そうだっ!」


 良いことを思いついたでごぜーます!


「んしょ……んしょっ!」


 キグルミは、汚れちゃ駄目でごぜーます!
 だって、キグルミがないと、皆が仁奈を見てくれなくなっちゃうかもしれねーですから!


 だけど、シャツが汚れても、着てなくても、大丈夫でごぜーます!


 シャツで拭いて、キレイキレイするですよ!


「……へぷちっ!」


 寒いけど、問題ねーですよ!
 寂しくなるくれーなら、こんなのヘッチャラでごぜーます!
 ……うぅ、でも、あんまりキレイにならねーです……。
 どうしよう……どうしよう……。


「……うぅ……!」


 仁奈は、もう一人になりたくねーです。

  ・  ・  ・

「――やったー! キレイになったでごぜーます!」


 ジュースをこぼしたとは、誰もわかりやがらないです!
 えへへ! みすをしてもとりかえす、ってこーゆー事ですね!


 これで、嫌われずにすむです!
 アイドル、続けられる!
 一人にならなくてもすむですよ!


「……へぷちっ!」


 早くキグルミを着て、あったかくなるでごぜーます!
 んしょ……んしょっ……んー! やっぱり、あったけー♪
 キグルミは、やっぱり、最高でごぜーますなぁ♪


 キグルミを着てれば、皆が可愛がってくれやがりますから♪


 寂しくならねーなら、シャツなんていらねーでごぜーます!
 仁奈は、キグルミを着たアイドルでごぜーますから!


「シャツは……捨てちゃっても、良いですね」


 汚れちゃったし、そもそも、かなりボロっちくなってやがりましたから!
 普通の服の中では、お気に入りだったけど……最後に、頑張ってくれた!
 今まで、ありがとーごぜーました!
 もー! ポタポタたれるの、うっとーしーです! えいっ!


「……へぷちっ!」


 やっぱり、ちょっとさみーですねぇ。
 ……だけど、寂しいより、平気です! 全然!


 寂しいのは、服を着ても、キグルミを着ても、ふせげねーですからね!


 誰かがそばにいないと、ダメなんだー。


「……」


 おねーさん達、お仕事から戻ってきてるかな?
 お家に帰っても、ママは、きっとまだ帰ってねーでごぜーます。
 だから、おねーさん達が居たら、お願いしよー!


 ぎゅ~っとしてくだせー! って!


「ピョン……ピョンッ!」


 おねーさん達は優しいから、お願いを聞いてくれるでごぜーます! きっと!
 ぎゅっとして、ナデナデして、あったかくしてくれやがります! えへへ♪


 だから、ウサギの気持ちになるですよ!



おわり

仁奈ちゃん以外にやべー家庭の子っているんか?
村上さんとかみたいな方向のやべーんじゃなくて

>>141
書きます


「あたしが失踪する理由?」


 失踪する理由かー。
 うーん、ただの趣味、って言っても納得いかない顔してるね、キミ。
 だけど、納得出来ないと、あたしが音を上げるまで聞くタイプでもない、か。
 オッケー! それじゃあ、気まぐれ志希ちゃんがお話してあげよーう!


「あたしが失踪したら、どう思う?」


 腕を後ろで組み、腰を曲げ、上目遣いで見上げながら、言う。
 右手を首筋にやって戸惑ってる姿は、最近では、もう見慣れてきたかにゃ~。
 んっふっふ、困ってる困ってる。
 あたしのもう一つの趣味は、観察。
 その対象としても、キミはとっても興味深い反応をするよねぇ。


「さあさあ、キミはどう思うのかな?」


 どう、思うんだろう。
 あたし達の関係は、あくまでもビジネスだからねん。


 アイドルと、プロデューサー。


 なのに、あたしは、それ以外の関係性から得られる答えを求めてる。
 当然、それはあたしの勘違いって可能性も、ある。
 あたしにだって、わからない事くらいあるのです。
 色々な可能性があるけれど、その、全てが正解で、全てが間違いかも知れない。


 だから、あたしは観察する。


 間違った結果を積み重ねていった結果、駄目になってしまったものがあるから。
 今度は、間違えたくはない。
 そう思う理由すらもわからないのに、おかしな話だよね~、にゃはは!
 おっとと、何か言おうと、口を開きかけてるね。


 さあ、キミは、あたしが失踪してどう思うのかな?


 キミは、あたしが求める答えを導き出してくれるのかな?


「……一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」


 右手をおろして、気をつけの姿勢。
 困っていた顔は、一見無表情に見えて誠実な匂いが漂うものに、変化した。
 心の中で、一体どんな化学変化が起こったのかな。
 ま、いいや。


「ん、何ー?」


 ヒントの一つくらいは出してあげようかな。
 頑張ってあたしを見つけたご褒美です、パンパカパーン!



「どう思われたいと……思っていますか?」



 ……わお、鋭い質問をしてくるね。


「う~ん、そうだなぁ~……」


 人差し指を頬に当てて、思案する――フリをする。
 答えは出ているけれど、それを導き出す方程式を見せつける。
 風が吹いて、髪がフワリと揺れる、揺れる。
 風上に立っていたあたしの匂いが、あたしの答えを待つ人を包み込む。


「……んふふっ!」


 思わず、笑みがこぼれる。
 副交感神経がリラックス状態になっていると自覚するのは、不思議な感覚。
 この感覚に身を任せて、そのまま消えてしまえればどれだけ幸せなのだろう。
 けれど、人間の体は、そこまで思考に依ったものじゃないんだよねー。


 皆は、あたしを天才――ギフテッドと言う。


 まー、ローティーンで海外で飛び級してるんだから、そうなのかなって思うよ。
 ふつーじゃない、ってやつ。
 でも、それにも程度っていうものがあるんだよね~。


 本当の天才っていうのは、孤独。
 孤高じゃなく、孤独なものだとあたしは考えてる。


 その才能に、周囲の人間はついていけない。
 ついていこうとしても、必ず無理が生じ、致命的な破綻を生む。
 肉体的、精神的、経済的、色々な破綻をね。
 あたしの知ってる一番の天才は、もう、色々とぶっとんでて、ぶっ壊した。


 幸せだった……そんな家庭をものの見事に、ぶっ壊した。


 勿論、それが一人の責任だなんて事は言わないよ。
 だって、ファミリーっていうのは、支え合っていくものらしいからね!
 小さい頃に見たホームドラマの中で言ってたし、それに……ママも言ってたから。



「――内緒♪」



 ママは、ふつーの人だった。
 あ、すっごく美人だったよ? だから、あたしの容姿はママ譲りなので~す! ラッキー!
 でもね、中身はぜーんぜん違うの!
 だってさ、あたしの事を『希望』だって言っちゃうような人だよ? にゃはは!


 あたしには、わかんない。


 どうして、あたしが希望なのか。
 あの時、あたしがもう少し大きかったり、それこそ、ふつーの女の子だったら、わかったのかも。
 けれど、あたしはその時小さかったし、当然のように――ダッドのように、ギフテッドだったから。
 だけどさ、今でもハッキリ思い出せる。


 あたしを『希望』と言った時の、ママの笑顔。
 その時の匂いも、あたしの脳に深く……とっても深く刻み込まれてる。


「――さっ、戻ろっか!」


 あたしは、それを思い出すと、いつものあたしではいられなくなる。

  ・  ・  ・

「……んー」


 マイ研究室で一人、実験ざんま~い!
 アイドルも刺激的だけど、このルーティンワークも無くせない。
 だって、これはあたしが、今まであたしでいた事の証明でもあるし。
 それに何より、イイ匂いでトリップするのも――


「――良いねぇ!」


 鼻孔を甘~い香りが通り抜けていく。
 その香りに体の神経系統を全て委ねるように、寝転がる。
 床にはマットレスが敷かれていて、準備万端! 志希ちゃん天才!
 にゃはは、前にそのまま寝ちゃって、体バッキバキになっちゃってさー。


「……ふぅ」


 どう思われたいと、思ってるか。


 さてさて、あたしはどう思われたいのでしょうか。


 誰に、どう思って欲しいのでしょーう、かっ。


「……」


 なーんてねっ!
 センチメンタリズムは、あたしらしくなーい!
 あたしはロジカルシンキーング! いえーい!


「……」


 ……あー、なんだか変な感じにキマっちゃったかにゃー?
 考えないようにしてる……思わないようにしてるのに。
 思考がどんどん溢れてきて、ふつーなら処理出来なくなるのに。
 あたしの脳は、それを処理しようと稼働して、止まらない。



「ママ……パパ……」



 ああ、口に出してみれば楽になるかと思ったけど、違ったみたい。
 聴覚を刺激して、余計に感情が溢れるのに歯止めがきかなくなる。
 大脳辺縁系が、あたしの心を司る部分が、あたしを苦しめる。


 この匂いは、成功で、失敗。


 目を開けて、視覚を頼りに、足掻く。
 仰向けに寝転がったまま、コンクリート製の天井を見つめる。
 このコンクリートの天井が突然落ちてきて、あたしを押しつぶす確率は?


 ……。


「……あー、飽きちゃった」


 脱出、成功ー!

  ・  ・  ・

 パパは――ダッドは、孤独。
 孤高じゃなく、孤独。


 にゃはは! ダッドは、それが平気な人なんだよね~!


 ……でも、あたしは違った。
 あたしの当り前は、ダッドと――パパと、ママの三人で居る事だったから。


 あたしが色々な事を出来るようになったら、ママが、偉いね、凄いねって褒めてくれる。
 優しい笑顔を向けてくれて、頭を撫でてくれる。
 それがくすぐったいけど、全然嫌じゃなくて、もっとしてほしいって思って。
 そんなあたし達を見て、パパも、笑ってて。


 ふつーの幸せ。


 あたしは、それを知ってる。
 ワクワクはしないけれど、とっても素敵で、輝いてて、それがずっと続けば良いのにって思ってた。
 ううん、続くと信じて疑わなかったんだよねー。
 きっと、パパもあたしと同じで、そう思ってたんじゃないかな。


 そう思ってたからこそ、こんな風になっちゃったのかなー、って。


 パパは、ママを深く愛してた。
 孤独なあの人が、あーんなにぶっとんだ人が、まるでふつーの人みたいに振る舞うほど。
 二人の間に、どんなラブ・ストーリーがあったかは、知らない。
 だけど、その結果として、あたしが生まれたんだもんね。


 だけど、狂った歯車は崩壊するしかない。


 どれだけ革新的な理論を構築出来る頭でも、それは止められない。
 事実、あたしにもパパにも――ダッドにも、止められなかった。
 あ、ダッドは止めようとはしてなかったかな?
 あたしは全力で抗ってみたけど、所詮は一人の人間、止められなかった。


 孤独な人の隣に立つには、あたしも孤独でなきゃならない。


 子供心にそう考えたあたしは、そうだねぇ……おバカさんでーす! にゃはは!
 だってさ、孤独だったあの人の隣に居たのは、ママだったんだから。
 あたしがやるべきだったのは、娘として、ふつーに甘える事だったんだと、今ならわかる。
 わかるけど、出来るかは別だけどねん!


 だって、あたしもギフテッドだから。


 あたしもダッドも、才能が無かった。


 致命的なまでに、家族の才能が無かった。


 結局、孤独が平気なダッドは、また一人に戻った。
 でも、あたしは一人を知らなかった。
 パパとママとあたしの、三人の、家族で暮らす幸せしか知らなかった。
 だから、必死でダッドの隣に並ぼうとした。


 結果、孤独が平気なダッドが、一人。
 孤独を寂しいと思うあたしが、一人。
 一人と一人は、二人にはならなかった。


 あたし自身が、楽しめたってのはラッキーだったかな。
 凄い! 偉い! って褒められるのは、悪い気分じゃなかったしね!
 知らない事を知る、知識を深めていくのも快感だった。


 でも、飽きた。


 あたしが本当に褒めて欲しい人は、見てくれないとわかったから。
 向こうでずっと学び続けても、あたしの孤独は決して埋まらない。
 寂しいと思う事にも慣れたけど、一生、それに付きまとわれる。
 あたしは、そんなのはごめんだったのでーす!


 孤独な人がポツン、ポツンと居るのの――何が楽しいの?


 だから、あたしはダッドから逃げたとも言えるんだよねー。
 諦め、挫折、そんな単純なものじゃなく、わかっちゃったんだ。
 このやり方じゃ、絶対にもとのカタチには戻らない、ってね。
 だから、日本に戻った。


 そして……見つけた。


 すっごくワクワクして、ドキドキする――アイドルっていう道を!
 久しぶりだったよー! 何も使わずにトリップするなんて!
 これってさ、すっごい事なんだよ!


 あたしが――ギフテッドが、夢中になるなんて!


 刺激に溢れてて、わからないことだらけで、出来ないことが沢山あって!
 そりゃあ、またにサボりたくなっちゃうけどさ、にゃはは!
 最初の頃は、あたしならヨユーヨユーなんて思ってたけど、違って。
 それがまた、面白いの!


 そしてさ、言われたんだよね、



 ――見るかも。



 ……って!


 ダッドが、アイドルになったあたしを見るかも知れない。
 可能性としては、ほとんど無いとは思う。


 でも、もしかしたら、もしかするかも。


 ギフテッドのあたしが、夢中になるのがアイドルなんだよ?
 だったらさ、あの人も夢中に……とは言わないまでも、目に留まるかもしれない。
 その時、どんな表情をするのかなー、ってあたしは思うのですよ!


 それが、あたしのやる気の源の一つ。


 あたしの想定外の、希望。
 あっ! そういう意味じゃ、あたし自身が希望とも言えるね!
 ママって、やっぱり凄い! ギフテッドなんて目じゃないよ~!


 だから、あたしは笑う。
 ママと一緒に写った写真の、パパが笑ってと言った、あの時の笑顔で。


 失踪する理由?
 それはねぇ……また今度にしよっか、にゃははは!



おわり

書きます


武内P「問題、ですか」

未央「そう、問題!」

武内P「あの……一体、何が問題なのでしょうか?」

卯月「あっ、違いますよ! そういう問題じゃないんです!」

武内P「はい?」

未央「題して!」

卯月「ジャジャ~ン♪」


未央・卯月「クイズ! 渋谷凛~!」


凛「待って、何それ」

武内P「待ってください。あの、それは……?」

未央「ほら、プロデューサーもしぶりんもクールな感じでしょ?」

武内P「渋谷さんはわかりますが……私も、ですか?」

卯月「あんまり口数が多いほうじゃないですし、ね」

武内P「それは……はい」

未央「だからさ! 私達としては、コミュニケーションが取れてるか――」

卯月「――気になって仕方ないんです!」

武内P「……はぁ」


凛「は?」

武内P「十分、コミュニケーションは取れていると思ってはいるのですが……」

未央「本当に? 本当に、そう思う?」

武内P「……本田さん?」

卯月「お互いが、そう思ってるだけっていう可能性も……ありますから」

武内P「……島村さん」

未央「でね! 問題形式にして、どれだけしぶりんの事をわかってるかを――」

卯月「――えへへっ♪ 抜き打ちチェックです♪」

武内P「……お二人とも、面白がっていますね?」

未央・卯月「……エヘヘ!」


凛「ふーん、面白いんじゃない」

武内P「ですが……問題、ですか」

未央「まー! そう固くならずにさ、気楽にやろうよ!」

卯月「ちょっとしたゲームみたいな感じで、楽しくいきましょう!」

武内P「……いえ、やめておきましょう」

未央「へっ? なんで?」

武内P「結果次第では、その……今後に支障が出る可能性も」

卯月「あー……それは、そうかも知れませんね」

武内P「何も、新たに問題を起こさなくても――」


凛「逃げないでよ!」


武内P「――……良いと、思ったのですが」

凛「ねえ、今後に支障ってどういう意味?」

武内P「それは……そのままの意味です」

凛「納得できない。ちゃんと説明して」

武内P「……私が、渋谷さんに関してどれだけ理解しているか」

武内P「それが具体的になった所で、メリットはあるでしょうか?」

凛「ふーん……自信、無いんだ」

武内P「……渋谷さん?」


凛「アンタ、私の事全然わかってないんだ」

凛「良いよ、そういう事ならわかった」


武内P「いえ、あの……そういう意味では!」


凛「私、シンデレラプロジェクト出てく!」

凛「クローネの子になるから!」


武内P「っ!? 待ってください!」


未央・卯月「子供!」

武内P「シンデレラプロジェクトを抜けたい、と!?」

凛「私だって、そんな事したくない!」

武内P「えっ!?」

武内P「……そして、あの! 貴女は、既にクローネのメンバーです!」

凛「っ!? 何でそんな事言うの!?」

武内P「えっ!?」


凛「プロデューサー、私のこと全然わかってない!」

凛「こんなんじゃ、笑顔になんてなれない!」


武内P「……!?」チラッ


未央「いやいや、私らだってわからないよ」フルフル

卯月「ですから、その……こっちを見られても」フルフル

武内P「あの……渋谷さん」

凛「話しかけないで」

武内P「……」

凛「私の事何もわかってない人に、プロデュースなんてされたくない」

武内P「……」


武内P「……わかり、ました」


凛「っ!?」

未央「えっ? ちょっ、ちょっと!? プロデューサー!?」

卯月「えっ!? えっ!? わかりましたって……ええっ!?」


武内P「……」

武内P「――どうぞ。第一問を」


凛・未央・卯月「っ!」

武内P「……私は、渋谷さんに辛い想いをさせてしまったようです」

武内P「ですが、それは誤解です」

武内P「……しかし、それを説明しようとしても、言い訳に聞こえてしまうでしょう」

武内P「なので、お二人の提案された、クイズに答えようと、そう、思います」


未央・卯月「……なるほど」


武内P「それが必要な事であるならば、私はもう、躊躇いません」

武内P「……渋谷さん」

武内P「私は、貴女の姿をいつまでも見続けていたい」

武内P「貴女の輝く姿を見られないというのは、今の私には考えられません」

武内P「……なので、お付き合い頂けるでしょうか?」

武内P「貴女の――笑顔のために」


凛「……あ……う、うん///」


未央「クイズ……」

卯月「……いります?」

  ・  ・  ・

未央「……えーと、ゴホンッ!」

未央「ジャカジャカジャカジャカ……」

卯月「ジャジャ~ン♪」

未央・卯月「せーのっ――」


未央・卯月「――クイズ! 渋谷凛~!」


武内P「……」


凛「……」ソワソワ

未央「このクイズは、私達がテキトーに問題を出して!」

卯月「それに、プロデューサーさんが答えます♪」

未央「そして、その答えが合ってるかをしぶりんに判定して貰うよん!」


武内P「はい、わかりました」


未央「ちなみに! ヒントの類は一切ナシ!」

卯月「凛ちゃん! しーっ、ですからね?」


凛「ねえ……それって、結構厳しくない?」


武内P「いえ、何の問題もありません」


凛「そ、そう?」

凛「ふ……ふーん……そう、なんだ……///」


未央「ねえ、あのさ? ちょっとそういうの……やめよ?」

卯月「頑張って元気出してるんですから、協力してください~!」

未央「……ゴホンッ!」

未央「あー……それじゃ、第一問」


武内P「……」


未央「し」


武内P「獣医です」


凛・卯月「……?」


武内P「将来の夢は獣医でした」

武内P「今の夢は、トップアイドルです」


凛「いや……合ってるけど……急に、何?」

卯月「まだ、問題も言ってませんよ……?」


未央「……」


凛「未央?」

卯月「未央ちゃん?」

未央「……続いて、第二問」


卯月「ふえっ!? あの、第一問はどうしたんですか!?」

凛「ちょっと、未央。どういうつもり?」


未央「……しぶりん……いや、二人共」

未央「私ら……プロデューサーを本気にさせたみたいだよ」


武内P「……」


卯月・凛「えっ?」

未央「その……なんて言えば、良いのかな」


未央「言おうとした問題の答えを……先に言われた」


卯月・凛「はぁっ!?」


武内P「……」

卯月「そんな……えっ? 冗談、ですよね? 未央ちゃん?」

凛「ねえ、本当の事を言って」

未央「……しまむー、試しに問題出してみなよ」

卯月「へっ? じゃあ、えーっとえーっと……」


卯月「り」


武内P「得意科目は、数学です」

武内P「成績は、悪くは無いですが、良くも……はい、ありませんね」


凛「いや……合ってるけど……」


卯月「……」

未央「ね?」

卯月「……はい」


武内P「……」

未央「あの……さ、プロデューサー?」

卯月「どうして……私達が言おうとした問題が、わかったんですか……?」


武内P「それは、私が貴女達のプロデューサーであり――」

武内P「――貴女達が、私の、大切なアイドルだからです」

武内P「……以前、意思の疎通がとれていず、辛い思いをさせてしまいました」


未央・卯月「……」


武内P「……貴女達の、笑顔」

武内P「それを守るために、私なりに、努力したつもりです」

武内P「それが実を結び……先程の答えを導き出した」

武内P「――当然の結果です」


未央「そ、そんなに……わかってくれてたんだ///」

卯月「へうぅ……/// な、何だか恥ずかしいです……///」


凛「……」

凛「ねえ」

武内P「……渋谷さん?」

凛「なんで?」

武内P「あの……何が、でしょうか?」

凛「未央と卯月に関してはさ、そこまでわかってるのにさ」


未央・卯月「……///」


凛「どうして、私はこんな思いをしなきゃいけないわけ?」

凛「今後に支障が出るとか、変な事言ってた癖に……」


武内P「それは……」

武内P「……申し訳ありません、言えません」


凛「……」

凛「……良いよ、わかった」

未央「……しぶりん?」

卯月「凛ちゃん……?」


凛「私が、こうやって文句を言うからだよね」

凛「ごめん、変な事言って」


武内P「待ってください! それは、違います!」


凛「――じゃあ答えてよ!」

凛「第三問!」


武内P「……はい」

凛「わ」


武内P「待ってください! 待ってください、渋谷さん!」


凛「――っ!?」

凛「やっぱり、私の言いたい事だけわからないの!?」


武内P「いえ、その……ですね」

武内P「はい……その……んんん……はい……」

武内P「……」


未央「えっ? なんか……歯切れ悪くない?」

卯月「あの、凛ちゃんは……どんな問題を出そうとしたんですか?」


凛「別に、大した問題じゃないよ」


凛「私の性感帯はどこか、って」


未央・卯月「大問題!!」

卯月「凛ちゃん、どうしてこのタイミングでそれを聞こうと思ったんですか!?」

凛「……い、良いでしょ、別に」

未央「よくないからね!? 別の問題が発生するよ!?」

卯月「心に関する問題を出す流れだったじゃないですか!」

凛「……その……裏をついたらどうなるのかな、って」

凛「……そうしたら……体に関する問題を……つい」

未央・卯月「……」

凛「……」


武内P「……こう、なると思っていました」

凛「で、でも! プロデューサー、わかったみたいだから!」

武内P「え、ええ……そう、ですね」

凛「ちゃんと見ててくれたってわかったし! うん!」

武内P「は……はい」


未央「いやいや、わかんないよ?」

卯月「はい♪ まだ、プロデューサーさんは答えてませんから♪」


武内P・凛「えっ?」


未央「ちょっとさ、確認するからプロデューサーは席を外してよ」

卯月「LINEで、正解を送ってください、プロデューサーさん」


凛「えっ……ちょっと……二人共、何する気?」


未央「いやー、しぶりんはまだまだだねぇ!」

卯月「プロデューサーさんは、わかりますよね!」

未央・卯月「ねっ?」ニコッ


武内P「……良い、笑顔です」

  ・  ・  ・

武内P「問題、ですか」


専務「――そうだ」


専務「クローネで、話題になっている」

武内P「……クローネで?」

専務「渋谷凛が、クローネのメンバー達にこう言っているらしい」


専務「――プロデューサーは、知らない世界を教えてくれた」

専務「――私の知らない、新しい扉を開いてくれた」

専務「……とな」


武内P「……そう、ですか」


専務「……」

武内P「渋谷さんが……そんな事を」

専務「彼女自身も、驚いているようだ」

専務「――ああ、ところで、キミに一つ質問をしよう」

武内P「……」


専務「左の脇腹と、右の鎖骨のくぼみ」

専務「……この二つの単語に、覚えはないか?」


武内P「……」


専務「ふむ……やはり、キミはとても優秀なようだ」

専務「私が何を問題とし、これから何を言おうとしているか察しているようだ」

専務「先程の質問は取り消そう」


専務「愚問だった」


武内P「……すみません、私からも、一つだけ」


武内P「誤解です!」




おわり

書きます


武内P「セクシー候補生、ですか」

早苗「ええ、そうよ!」

武内P「その……セクシー候補生、というのは……一体?」

早苗「? そのまんまよ?」

武内P「……すみません。もう少しだけ、具体的にお願いします」

早苗「しょうがないわねぇ」


早苗「セクシーギルティの、追加メンバーの候補よ!」


武内P「……」

武内P「あの……全く、話が見えてこないのですが」

早苗「何? ここまでネタはあがってるのに、わからないの?」

武内P「……申し訳、ありません」

早苗「セクシーギルティは、セクシーを以て悪を征する……ここまでは良い?」

武内P「はい」

早苗「だけど、凶悪犯罪は増加の一途を辿ってる……わかる?」

武内P「……はあ」


早苗「つまり、セクシーが不足してるのよ!」

早苗「致命的な、セクシー不足なの!」


武内P「……」

武内P「あの……意味が、わかりません」

早苗「意味がわからない? どうしてよ!?」

武内P「その……ですね、仮に片桐さんのお話が、正しいとします」

早苗「仮にじゃないわよ、合ってるもの」

武内P「それを……何故、私に仰るのでしょうか?」

早苗「何故って?」

武内P「はい。ユニットメンバーの追加は、私の権限では――」


早苗「――カモン! セクシー候補生達!」

ピーッ! ピピーッ!


武内P「っ!?」

武内P「いえ、あの……カモン……!?」

ガチャッ!

アイドル達「……」

ゾロゾロ…


武内P「っ!? 待ってください! あの、貴女達は!?」


アイドル達「セクシー!」


武内P「っ!?……っ!?」

早苗「あの子達こそ、セクシー候補生よ!」

武内P「片桐さん!? あの……何をさせているんですか!?」

早苗「? セクシー登場シーン」

武内P「あれでは、まるで悪の戦闘員のようですが!?」

早苗「あのね、セクシーっていうのは、悪に屈しちゃいけないの」

武内P「あのっ!? 話を聞いてくださいませんか!?」

早苗「そ・こ・で~! キミの出番ってわけ!」

武内P「……はい?」

早苗「ほら、よく不審者に間違われて、捕まってるでしょ?」

武内P「それは……はい」


早苗「だから、キミには――セクシー候補生達の、テストをして貰うわ!」

早苗「そのテストを乗り越えた者こそが、セクシー免許を得られる!」

早苗「無免セクシーは、タイホしちゃうわよ!」


アイドル達「セクシー!」


武内P「待ってください、片桐さん!」

武内P「あの……だから、に繋がる部分の説明をお願いします!」

早苗「何よー? まだ観念しないつもり?」

武内P「お願いします! どうか、説明を!」

早苗「顔が怖いから、悪を相手にする良いシュミレーションになると思って」

武内P「……」

早苗「急に黙ってどうしたのよ。黙秘権を行使するつもり?」

武内P「……どの程度の時間で、テストは終わりますか?」


早苗「セクシー候補生の皆っ!」

ピピーッ!

早苗「事故の無い様に、ルールを守って正しくセクシーする事!」

アイドル達「セクシー!」


武内P「……」

  ・  ・  ・

早苗「――アイドルとは!?」

アイドル達「――セクシー!」


早苗「……そう! 悪のセクシーに負けちゃダメ!」

早苗「相手を悩殺する前に、逆にやられちゃ言語道断、横断歩道!」

早苗「青信号と、赤信号の見極めが大切よ!」

ピピーッ!

アイドル達「セクシー!」


武内P「あの……具体的に、私は何をすれば良いのでしょうか?」

早苗「脱いで」

武内P「えっ?」

早苗「あっ、やあねもう! 上着よ、上着!」

武内P「あっ、は……はい」


アイドル達「……!」ワクワク

武内P「その、上着を脱いで……何に、なるのでしょうか?」

早苗「まあまあ。あっ、手伝ってあげるわよ」

武内P「あ、はい……すみません」

早苗「……この上着、貴重品とかは入ってない?」

武内P「はい」

早苗「オッケー!」


早苗「ほれっ!」

ポイッ!

武内P「っ!? あの、何故上着を投げ――」


凛「ふ――んっ!!」

パシッ!


武内P「渋谷さん!?」

武内P「あの……渋谷さんも、セクシー候補生なのですか?」

凛「……」


ピピーッ!


武内P「っ!?」

凛「……」


早苗「……――いいえ、違うわ」

早苗「その子は、いとも簡単に己の欲望に負けてしまった」

早苗「――セクシー候補生、失格よ!」


凛「……まあ、悪くないかな」

…モゾモゾッ

武内P「……あの……何故、私の上着を着ているのですか?」

凛「……」

武内P「……」


凛「行くよ――蒼い風が、駆け抜けるように!」

ダッ!


武内P「!? 待ってください!」

武内P「渋谷さん! 渋谷さ――んっ!?」

武内P「す、すぐに追いかけ――」

早苗「待って! まだ、テストは始まったばかりよ!」

武内P「えっ!?」

早苗「それに……追いかけるにしても、袖まくりの一つもしなさいよ」

武内P「その必要は……無いと思うのですが」

早苗「でも、とっさの時とか困るでしょ?」


早苗「……そう! セクシーは、思わぬ所で牙を剥く!」

早苗「そんな、不足の事態に陥った時でも、冷静な判断が出来なきゃダメ!」

早苗「セクシーを征する者が、セクシーと呼べるの!」

ピピーッ!

アイドル達「セクシー!」


武内P「あのっ!? 次のテストを始めないでいただけますか!?」

早苗「と、いうわけで……ほら、袖まくりして」

武内P「……」

…モタモタ

早苗「ほら、キリキリやる! 悪は待ってくれないわよ!」

早苗「……あっ、じらしセクシー!? なんだ、キミもやるじゃない!」ケラケラ!

武内P「……!」

グイッ!

早苗「うん、良いわね! そうしたら、腕を候補生達に向けてちょうだい!」

武内P「……はい」

スッ…


アイドル達「……?」


早苗「それで、ちょっと腕に力入れて」

武内P「? はい」

ぐっ!


アイドル達「……!?」

武内P「あの……この行動に、何の意味が?」

早苗「候補生達を見ればわかるわ」

武内P「? 彼女達を……?」


アイドル達「……セクシー……!」


武内P「っ!? あのっ、これは一体!?」

早苗「腕に浮き出た血管を見て、セクシーを感じてるのよ」

武内P「はいっ!?」


アイドル達「ああっ……セクシー……!」


早苗「……そう! 相手は、血の通った人間よ!」

早苗「いくら相手が凶悪でも、その事を忘れちゃ絶対ダメ!」

早苗「でないと、ぷっくり浮き上がった血管にやられちゃうわよ!」


武内P「……!?」

武内P「あ、あのっ! 袖を戻しても良いでしょうか!?」

早苗「ダメよ。皆の様子を見て」


アイドル達「セクシー……! セクシー……!」


武内P「っ!?」

早苗「皆、キミの腕の血管を触りたくて、必死に耐えてるの」

武内P「えっ!?」

早苗「こう……人差し指で、つつーっとしたがってるの」

早苗「そうよね、皆!」


アイドル達「セクシー!」


武内P「待ってください!」

武内P「あの、なおさら袖を戻したくなったのですが!」

早苗「何言ってるの! 皆、セクシー免許のために頑張ってるのよ!?」

つつーっ…

武内P「っぅ!?」ビクッ!

早苗「あ、ヤダ……ヤダもー! キミ、中々やるじゃない!」

武内P「お言葉ですが! お言葉ですが、片桐さんこそ何を!?」

早苗「あたしは免許皆伝だから、指でなぞっても問題ないわ!」

武内P「片桐さん!? あのっ……それは、あまりに強引すぎます!」

早苗「……ええ、確かに強引だったかも知れないわね」


早苗「――だけど、セクシーギルティなら許されるの!」

早苗「スピード違反者は、法定速度を守ってたら捕まえられないもの!」

早苗「超法規的存在――それが、セクシーギルティ!」


アイドル達「……セクシー!」


武内P「待ってください! そんな権限はありません!」

武内P「セクシーギルティは、ただのアイドルユニットです!」

早苗「いいえ、違うわ!」

つつーっ…

武内P「ぅぁ!?」ビクッ!


早苗「――セクシーよ」


武内P「……!?」


アイドル達「……!」ムフー!


早苗「……そう! 時には、こうやってセクシーを行使する必要もあるわ!」

早苗「セクシーを行使するのを止めるのは、公務執行妨害! タイホよ!」

早苗「皆、分かった!? 躊躇ってたら、逃げられちゃうんだから!」


アイドル達「セクシー!」


武内P「もう……もう許して下さい!」

早苗「……何? もう降参?」

武内P「参りました……! ですから、もうやめてください……!」

早苗「――皆、聞いた?」


アイドル達「セクシー!」


武内P「あの……何を……?」

早苗「これが、セクシーギルティのやり方よ」

武内P「えっ?」

早苗「あたしが指で腕の血管をなぞった時の動き……セクシーだったでしょ?」

武内P「いえ、その……はあ、まあ……そう、だと思います」


早苗「……そう! セクシーを以て悪を征するとは、こういう事よ!」

早苗「相手がどれだけセクシーだろうと、その上を行くセクシーで世直しする!」

早苗「それが――セクシーギルティ!」

ピピーッ!

アイドル達「セクシー!」


武内P「……」

武内P「その……話は、まとまりましたか?」

早苗「ええ。キミのおかげで、候補生達のセクシー耐性が証明されたわ」

武内P「それは……はい、良かった……のかは、私には、わかりません」

早苗「やーねぇ! 良かったに決まってるじゃない!」ケラケラ!

武内P「……はぁ」


早苗「――アイドルたる者!」

早苗「どこの馬の骨とも知らないセクシーダンディに捕まったら困るでしょ?」

早苗「……そうよね、候補生の皆っ!」

ピピーッ!

アイドル達「はいっ!」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「片桐さん……貴女は、まさか……?」

早苗「……アイドルとは言え、女の子だもの」

早苗「それが悪に抗うのは……とても難しい事よね」

武内P「……やはり!」


早苗「……そう! だからこそ、セクシー!」

早苗「セクシーを以て悪を征する必要があるの!」


アイドル達「セクシー!」


武内P「彼女達の……皆さんのためを思って、こんな事を!」

武内P「申し訳、ありません……私は、とんでもない誤解を……!」


早苗「……良いのよ、誤解は誰にだってあるわ」

早苗「罪を憎んで、人は憎まずに――」


アイドル達「――セクシー」


武内P「……あの、すみません」

武内P「その掛け声だけは、その……やめていただけませんか?」

武内P「……ですが、片桐さんの言うことも確かです」

武内P「皆さんは、とても輝かしい、アイドルです」

武内P「……しかし、男性に対しての免疫が無い方も、数多くいらっしゃいます」

武内P「それを鍛えるのは……はい、必要な事だと、そう、思いました」


アイドル達「はいっ!」ニコッ


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ありがとうございます、片桐さん」

武内P「その……そういった面まで、フォローが行き届いていませんでした」


早苗「そうね! ちゃんと、女の子を預かってるって自覚を持たないと!」

早苗「そんなんじゃ、手遅れになっちゃうんだから!」


武内P「……はい、気をつけます」

武内P「……皆さんも、申し訳ありませんでした」

武内P「今後は、そういった面も、気をつけていこうと、そう、思います」


早苗「ええ! 今後は気をつけなさい!」

ピーッ!

アイドル達「セクシー!」


武内P「? 皆さん?」

武内P「あの……もう、その話は終わりのはずでは……?」


早苗「何言ってるのよ! セクシーを以て悪を征する!」

早苗「それが――セクシーギルティ! なのよ?」


武内P「……はあ」


早苗「まだ、セクシーを行使するテストをやってないじゃないの!」

早苗「もー! お姉さん、情けなくなっちゃうわ!」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「ま、待ってください! セクシーを行使!?」


早苗「皆! カレも協力してくれるって、聞いたわよね!」

アイドル達「セクシー!」

早苗「ってことで! キミには協力して貰うわよ!」


武内P「いえ、あの……ですが!?」


凛「逃げないでよ! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」


武内P「っ!? いつの間に戻って……!?」


早苗「そこらの馬の骨にたぶらかされないように……」

早苗「――プロデューサーのキミが!」

早苗「セクシーを以て悪を制するための……練習相手になるのよ!」

ピーッ! ピピーッ!


アイドル達「セクシー!」


武内P「待ってください! あの、待ってください!」

早苗「問答無用! 皆、確保よ!」

ピーッ!

アイドル達「セクシー!」


武内P「悪意ある相手から身を守るためではなかったのですか!?」

武内P「その……異性のセクシーさに負けないように、では!?」


早苗「とにもかくにも! それはそれ、これはこれよ!」


武内P「!?」


早苗「皆、しっかりセクシーでドキドキさせちゃうわよ♪」

アイドル達「セクシー!」

早苗「……セクシーを以て悪を征する。つまり――」


早苗「――悩殺しちゃえば、罪には問われないわ」

早苗「行くわよ! セクシー!」

アイドル達「ギルティー!」


武内P「成る程……手遅れ、でしたか」

武内P「今の皆さんは、残念ですが……」


武内P「犯罪者予備軍です」



おわり

セクシーギルティすこ
ゆっこだいすこ

>>226
書きます


武内P「超能力ではありません」

武内P「笑顔です」

裕子「笑顔?」

武内P「はい。堀さんの一番の魅力……それは、笑顔です」

裕子「つまり、さいきっく・笑顔ということですね!?」

武内P「あ、いえ、そうではなくですね――」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムーン!」ニコッ!


武内P「……」

…もっこり!

武内P「……」

武内P「!!?」

武内P「……!?……!?」

もっこり!


裕子「……どうですか!? 私の魅力は増していますか!?」パッ!


武内P「あ、いえ……その……!?」

…しゅんっ

武内P「……!」ホッ

武内P「今のは……一体……!?」


裕子「? どうかしましたか?」


武内P「あ、いえ、何でも! 何でもありません!」

裕子「?」

裕子「今の私の笑顔は、どうでしたか?」

武内P「は、はい……とても、良い笑顔でした」

裕子「ムム……あまり反応が良くないですね」

武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムムーン!」ニコッ!


武内P「……!」

…もっこり!

武内P「っ!? 待ってください、堀さん! その笑顔、待ってください!」

裕子「はい?」キョトン


武内P「……!」

…しゅんっ

武内P「……」


裕子「笑顔を待つ? どういう意味でしょうか?」

武内P「……堀さん、落ち着いて聞いてください」

裕子「? どうしたんですか、真面目な顔をして」


武内P「貴女のさいきっく・笑顔は、危険過ぎます」


裕子「はい?」

裕子「笑顔が危険? ど、どういう意味でしょうか!?」

武内P「それは……ですね……その……」

裕子「ムッ、なんだか歯切れが悪いですね」

武内P「……」

裕子「……」

武内P「……とにかく、さいきっく・笑顔は――」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムッ、ヌゥーン!」ニコニコッ!


武内P「やめてください! お願いします! お願いします!」

もっこり!!

裕子「……ムムッ、やはりその反応は……」


武内P「……!」

…しゅんっ

武内P「……」ホッ


裕子「ズバリ! エスパーユッコのさいきっく・笑顔にメロメロですね!?」

武内P「あ、いえ、そういう感じではなく……ですね!?」

裕子「ムッ……笑顔が一番の魅力なのに、違うんですか?」

武内P「ふ、普通の! さいきっくでなく、普通の笑顔でお願いします!」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムムーン、ヌゥーンヌゥーン!」ニコニコニコッ!


武内P「いい笑顔です! いい笑顔ですから、やめてください!」

もっこり!!!

武内P「あいたた……痛っ! 待ってください、堀さん!」

裕子「……ムムムッ! やっぱり、その反応!」


武内P「……!」

…しゅんっ

武内P「……」ホッ


裕子「痛みを感じてしまったんですね!?」

武内P「あっ、いえ、その……!?」

裕子「隠しても無駄ですよ! テレパシーで、ビビビッとお見通しです!」

裕子「むむ~……その痛みの正体は……」

武内P「……!」


裕子「……こ、恋のミラクルですね!///」


武内P「……いえ、違います」

裕子「……」

武内P「……」


武内P・裕子「……」

裕子「……安心してください、誰にも言いませんよ」

武内P「堀さん?」

裕子「ユッコはエスパー、貴方は一般人……!」

武内P「アイドルと、プロデューサーです」


裕子「二人の間には、サイキックバリアーという壁がありますから!」


武内P「いえ、あの、一般常識や、社会的な立場という壁……ですね」


裕子「ですが! 私も特訓して、能力が増してきてる気がするんです!」

武内P「……その、ようですね」


裕子「そんなバリアーなんて、いつか破ってみせますよ!」ニコッ!


武内P「……それは、いけません」

武内P「ですが……良い、笑顔です」


裕子「……」

裕子「むむむっ?」

裕子「……何か、さっきまでと反応が違いますね」

武内P「えっ?」

裕子「さっきまでは、痛みに耐えるような感じだったのに……」

武内P「……」


武内P「聞いてください、堀さん」

武内P「堀さんは、サイキックアイドルとして、とても活躍されています」

武内P「ですが、貴女の魅力は、超能力の先にある――笑顔です」

武内P「なので、さいっきっく・笑顔に頼らずとも、十分に魅力て」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムムーン、ヌゥ―ンヌゥ―ン、ホイヤー!」ニコニコニコニコッ!


武内P「きいいいいっ!? 痛たたたた!?」

もっこり!!!!

武内P「爆発! 爆発してしまいます! あがっ、痛たたた!!」

裕子「――やっぱり! その反応!」


武内P「っ……ぐう……!?」

…しゅんっ

武内P「……」ホッ


裕子「……サイキックアイドル、堀裕子の笑顔!」

裕子「そして! エスパーユッコの超能力!」

裕子「この二つが一つになる事によって、魅力がMAXになるという事ですね!?」

武内P「魅力というか、その……」

裕子「……な、なんだか照れますね///」

武内P「……」


武内P「……あの……私に、さいきっく・笑顔を向けないでいただけますか?」


裕子「……」

裕子「……ムムッ」

裕子「……ンムゥ……なんだか、冷たい言い方じゃないですか」

武内P「いっ、いえ! 決してそのような事は!」

裕子「笑顔を向けるなって、どういう事ですか!?」

武内P「笑顔は歓迎します! 笑顔は!」

裕子「なら、良いじゃないですか!?」


武内P「さいきっくは! さいきっく・笑顔だけは、どうか!」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムムーン!」ニコニコッ!

裕子「ムゥーンムゥーン、ホホイのホイの、ホイヤー!」キラキラッ!


武内P「助けてください! 誰か、助けてください!」

もっこり!!!!!

武内P「もう! もう! 痛たたた助けてくださ――いっ!」

裕子「……助けを呼ぶなんて、ひどいじゃないですか!」


武内P「っ……ひぃ……ふぅっ……!?」

…しゅんっ

武内P「……」ホッ


『プロデューサー!? 何かあった――』

ガ――


裕子「さいきっく・腕力!」

――シイッ!


『っ!? 開かない!? どうして!?』

ギリギリギリギリッ…!


武内P「……!?」

裕子「ちゃんと説明してください!」

裕子「女の子に笑顔を向けるだなんて、ひどすぎます!」

武内P「……」

裕子「何か言ってください!」

武内P「それ、は……ですね」

裕子「何を考えてるか、全然わかりません!」

武内P「……」


武内P「その……ですね」

武内P「堀さんの、さいきっく・笑顔は、私には……はい」

武内P「……申し訳ありません、これ以上は」


裕子「……ムゥッ」

武内P「……」


『ちょっと! 中で何やってるの!? ねえ!』

ドンドンドンドンッ!

誤)裕子「女の子に笑顔を向けるだなんて、ひどすぎます!」

正)裕子「女の子に笑顔を向けるなだなんて、ひどすぎます!」

裕子「……言えないような事なんですか?」

武内P「はい」

裕子「ムムッ……意思は固いようですね」

武内P「はい」

裕子「……」


裕子「……さいきっく・笑顔以外なら、良いんですか?」


武内P「! はい、その通りです!」

裕子「フムゥ……わかりました。さいきっく……納得、しました」

武内P「……」


『プロデューサー! ちょっと! んぐぎぎぎっ!?』

ギリギリギリギリッ!

裕子「――ですが、覚えておいてください!」

武内P「えっ?」


裕子「サイキックパワーに頼らない、笑顔!」

裕子「その笑顔で、メロメロにしてあげますよ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「しかし……それも、困ってしまいますね」

武内P「貴女はアイドルで、私は、プロデューサーですから」


裕子「その時は……超能力の出番ですね!」

裕子「エスパーユッコの、能力全開でいきますよ!」


武内P「……それも、困ってしまいますね」


裕子「ふふふっ! 楽しみにしててくださいね!」


『楽しみ!? ちょっと、ねえ! 何を楽しんで……ねえってば!!』

ドンドンドンドンッ!

  ・  ・  ・

凛「――ねえ、何の話してたの?」

武内P「堀さんの魅力……笑顔についてです」

凛「とぼけないで」

武内P「……渋谷さん?」

凛「笑顔の話をしてて、助けてなんて言うわけない」

武内P「それは……はい、仰る通りです」

武内P「しかし、その……彼女の笑顔が、私には……」

凛「何なの?」

武内P「……すみません」


凛「……言えないような事? 何、それ」


武内P「……」

  ・  ・  ・

裕子「一番の魅力は笑顔……かー」

裕子「だけど……さいきっく・笑顔を封じられてしまった……!」

裕子「……」

裕子「いえ! そういう時も、起こりえます!」

裕子「サイキックパワーを封じられた時、立ち向かう瞬間が!」

裕子「そのために、超能力の特訓だけでなく、レッスンも頑張らないと!」

裕子「……」

裕子「だけど……今は、目の前にいませんから」

裕子「向けてないから、さいきっくセーフですよね!」


裕子「――届け!」


裕子「さいきっく・笑顔! ムムムムーン!」ニコニコッ!

  ・  ・  ・

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

武内P「……渋谷さん?」

凛「私の笑顔については、どう思ってるの?」

武内P「それは……」


武内P「良い、笑顔――」

もっこり!!

武内P「……――です」


凛「……」

武内P「……」


凛「……ふ、ふーん///」


武内P「待ってください! 誤解です!」

…しゅんっ

凛「もう……何なの?/// えっ?/// 何?///」テレテレ


武内P「今のは! その……違います!」


凛「うん……/// 大丈夫、わかってるから///」テレテレ

凛「色々ビックリしたけど……うん///……ふーん///」テレテレ

凛「もう、バカ!/// 何それ……もう、ホント何、それ///」テレテレ


武内P「大丈夫ではない空気が!」

武内P「微塵も大丈夫ではない空気がします!」


凛「んー?/// ふふっ、ふーん///」テレテレ

凛「あっ、でも……そんなんじゃ困るよね///」テレテレ

凛「私は気にしないけど……/// ほら、他に見られたら困るでしょ?///」テレテレ

凛「そんな風になっちゃうなんて……さ///」テレテレ


凛「…………もう、笑顔になんてなれない……///」プシュー!


武内P「……超能力がきっかけですが」


武内P「今こそ、テレパシー能力が欲しいと、そう、思います」



おわり

書きます



キン肉マン「何~っ!? アスタリスクが解散!?」

ミート「そうなんです!」

キン肉マン「こうしちゃおれん! ミート!」

ミート「ハイ、王子!」


キン肉マン「今日のお昼の牛丼は、特盛にしてくれい!」

キン肉マン「私、お腹ペコペコなの! うふ!」


ミート「ハイ! わかりました!」

ミート「……って、アスタリスクの話はどうするんですか!?」

キン肉マン「どうもこうも、いつもの事ではないか」

ミート「違いますよ!」

キン肉マン「何?」


ミート「今回ばかりは、本当の事みたいなんですよ!」


キン肉マン「ええーっ!?」

キン肉マン「なっ……なな……!?」


キン肉マン「何だって~~~っ!?」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs

  ・  ・  ・

みく「――本日は、お集まり頂きありがとうございます」


パシャパシャパシャパシャッ!


李衣菜「……ふんだ、優等生ぶっちゃってさ」

みく「……うるさい」

李衣菜「……はいはい」

みく「……」


記者「アスタリスクが解散するというのは、本当なんですか!?」

パシャパシャパシャパシャッ!


李衣菜「はい、本当です。音楽性の違い、ってやつですね」


パシャパシャパシャパシャツ!


みく「……にわかが何か言ってるにゃ」

李衣菜「……何?」

みく「……別に」

李衣菜「……」


記者「しかし! それはもう、今更の話では!?」

パシャパシャパシャパシャッ!


みく・李衣菜「……」

みく「……今更、というか、今だから、です」

みく「元々、みく達はまるで方向性が違うアイドルでした」

みく「Pチャンに言われてユニットを組んでたけど……」


みく「――もう、ここが限界だと思いました」


パシャパシャパシャパシャッ!


李衣菜「……」


李衣菜「……みくちゃ……前川さんの言う通りです」

李衣菜「個別の活動も増えて、ユニットとしての活動も減りました」

李衣菜「だから、プロデューサーには悪いけど……」


李衣菜「――別々にやっていくのが、一番だと思ってます」


パシャパシャパシャパシャッ!


みく「……」

記者「解散の決定が覆ることは無い、と!?」

パシャパシャパシャパシャッ!


みく「……」


李衣菜「……」


みく・李衣菜「……」


みく・李衣菜「――はい」


みく「アスタリスクは、本日をもって――」


李衣菜「――解散します」


パシャパシャパシャパシャッ!


みく「……」


李衣菜「……」

  ・  ・  ・

みく「あ~あ、本当に解散しちゃったね!」

李衣菜「そうだね……案外、あっけなかったね」

みく「何度も解散って口にしてはいたけど……ね」

李衣菜「……うん。いざ本当に解散してみると……」

みく「……」

李衣菜「……」


みく「――でも! これが一番だったにゃ!」


李衣菜「――うん。二人で話して、決めた事だからね」


みく「李衣菜ちゃんは、ずっとギターの練習を頑張ってきたにゃ!」

みく「そして、夏木チャン達との、ロックなお仕事も増えてきて!」

みく「李衣菜ちゃんの、望んでたアイドルの道が見えてきたにゃ!」


李衣菜「みくちゃんも、最近では声のお仕事が増えてきたもんね」

李衣菜「凄いじゃん! アニメのレギュラーの役も貰えたし!」

李衣菜「猫関係のお仕事の依頼も増えて……順調そのものって感じ!」


みく・李衣菜「……」

みく「だから……ね」

李衣菜「……うん」


みく「李衣菜ちゃんの、邪魔はしたくないにゃ」


李衣菜「みくちゃんの、足は引っ張れないよ」


みく・李衣菜「……」


みく「……あーっ、もう! やめやめ!」

李衣菜「……あははっ! うん、そうだね!」

みく「こ~んな辛気臭いのは――」

李衣菜「――私達らしくない!」


みく・李衣菜「ねっ!」


みく「……李衣菜ちゃん」

みく「お互い別々の道になるけど……頑張るにゃ!」


李衣菜「……みくちゃん」

李衣菜「ま、同じシンデレラプロジェクトだから顔を合わせるけどね」


みく「……でも」

李衣菜「……うん、だけど」


みく・李衣菜「――う~っ! 解散!」


みく・李衣菜「……あははははっ!」


みく・李衣菜「……」

  ・  ・  ・

みく「……あれから一週間、か」

みく「……」


みく(お仕事は……うん、とっても順調)

みく(みくが、前からやりたかった仕事のスケジュールも入れられた)

みく(……アスタリスクが解散して、お仕事自体は増えたにゃ)


みく「……だけど」

みく「……」

みく「……お買い物に来たけど、なんだか食欲が無い」



キン肉マン「じゃあ、このお菓子買って~!」

キン肉マン「このあんま~いの、私のお気に入りなの!」



みく「ダメに決まってるでしょ!」

みく「お菓子じゃなく、ゴハンを食べないと力が出ない――」



キン肉マン「だったら、牛丼でも食べに行くかい?」



みく「――って、キン肉マン!?」

  ・  ・  ・

李衣菜「……あれから一週間、か」

李衣菜「……」


李衣菜(ギターの練習は……うん、凄く順調)

李衣菜(この分だと、次の次くらいにはステージで披露出来そう)

李衣菜(……アスタリスクが解散して、ロックな毎日が送れてる)


李衣菜「……なのに」

李衣菜「……」


トラック「!」

パーッ! パパーッ!


李衣菜「っ!? しまっ――赤だっ――」

李衣菜(――みくちゃんっ!)


ガシイイイイッ!


?????「ヘイ、ガール! 横断歩道を渡る時は、注意しなきゃいけないぜ!」


李衣菜「っ……!?」

李衣菜「私……トラックに轢かれて……」



テリーマン「ないだろう?」



李衣菜「貴方は……テリーマンっ!?」

李衣菜「そんな……どうして、テリーマンがここに!?」


テリーマン「なあに、そんなのは簡単さ」

テリーマン「そこのバーガーショップで好物を食べていたら――」

ちょいちょい

テリーマン「――コイツのヒモが切れちまってね」


李衣菜「……」


テリーマン「嫌な予感がしてみれば、キュートなガールの大ピンチさ!」

テリーマン「だったら、飛び出すのが男ってもんだろう?」


李衣菜「きゅ、キュートって……///」


テリーマン「……とりあえず、どこか落ち着ける場所で話さないか?」


李衣菜「えっ?」


パーッ! パパーッ!


テリーマン「ここは……さすがに五月蝿すぎる」

テリーマン「それに、ハンバーガーがすっかり冷めちまったからね!」


李衣菜「……はい」

  ・  ・  ・

キン肉マン「う~ん! やっぱり牛丼は最高だのう!」

みく「……」

キン肉マン「ん? じぇ~んじぇん箸が進んでないではないか」

みく「……良かったら、みくの分も食べて良いよ」

キン肉マン「えっ!? 良いの!?」


みく「……最近、なんだか食欲が無くて」

みく「それに、元々キン肉マンがお金を出してるんだから」


キン肉マン「確かに! それじゃあ遠慮なく~!」

キン肉マン「はぐはぐむしゃむしゃ! うむ、ちょいと冷めても美味い!」

キン肉マン「すみませ~ん! 牛丼を二杯おかわり~!」


みく「……」


キン肉マン「おっ、もうきた!」

https://www.youtube.com/watch?v=NXG5cmCusrE

キン肉マン「あっ、一杯は私の分だが――」


キン肉マン「――もう一杯は、こちらの彼女に」


みく「……えっ?」

みく「み、みくは良いよ!」

キン肉マン「いいや、良くないさ」

みく「だからっ! 食欲が――」


キン肉マン「だからこそ!」


みく「っ!?」


キン肉マン「だからこそ……今のキミは、食べなきゃいけない」

キン肉マン「熱々の、一番美味し~い牛丼をだ」


みく「……キン肉マン」


キン肉マン「栄養バランスが気になるようなら、サラダもつけるぜ!」

キン肉マン「お新香だって野菜さ! 好きなだけ食べなさい!」


みく「……ふふっ、塩分摂りすぎになっちゃうよ」ニコッ


キン肉マン「んふっ! そいつは失敬!」

キン肉マン「……さあ、冷めない内に、牛丼をやっつけようぜ! みくちゃん!」


みく「うんっ!」

みく「はふっ……あっつ! うえぇ……猫舌だったの忘れてたにゃ!」


キン肉マン「あらら!」

  ・  ・  ・

テリーマン「――なるほど、そういう事だったのか」

李衣菜「はい」

テリーマン「だから、あれっぽっちしかステーキが食べられなかったんだな」

李衣菜「い、いやいや! かなり食べましたよ!?」

テリーマン「そうかい? 何なら、おかわりしてもミーは構わないぜ?」

李衣菜「大丈夫です!」


李衣菜「あんまり食べすぎると、みくちゃんに怒られ――」


テリーマン「……」


李衣菜「――は……もうしないんだった」

李衣菜「アスタリスクは、もう解散しましたからね、あははは!」

李衣菜「……はぁ」


テリーマン「なるほど、君はパートナーと随分仲が良かったんだね」


李衣菜「とんでもない! いつも、ケンカばかりでしたよ!」


テリーマン「そ、そうなのかい?」


李衣菜「はい! 私はロックなアイドルを目指してて!」

李衣菜「なのに、みくちゃんはネコミミネコミミって!」

李衣菜「全っ然! 違うタイプだったんです、本当に!」


テリーマン「……」

テリーマン「……それで?」


李衣菜「最初に組まされた時も、なんでこの子と、って思ったんです!」

李衣菜「それからも、ずっとケンカ続きで! もう、ずっとですよ!」

李衣菜「最初のライブの時だって、本当に運良く成功したようなものです!」


テリーマン「なんだ! やっぱり上手くいってたんじゃないか!」


李衣菜「でも……だけど……」

李衣菜「やっぱり、方向性の違いが出てきちゃって……へへ」

李衣菜「そ、そりゃそうですよ! だって、ネコミミとロックですよ!?」

李衣菜「いつかは……こうなる運命だったんです」


テリーマン「……なるほど」

テリーマン「そいつは――そこのキャットガールも同じ気持ちなのかな?」


李衣菜「……えっ?」


みく「……」


李衣菜「みっ、みくちゃん!? どうしてここに!?」


キン肉マン「す、すまんテリ~~っ!」

キン肉マン「もう一度話すべきだと思って連れてきただけなんだーっ!」

キン肉マン「だからお願い! 怒らないで!? ねっ、ねっ!?」

テリーマン「ハァ……キン肉マン、お前ってやつは」

みく「キン肉マンが……もう一度話すべきだ、って」

李衣菜「そう……なんだ」

みく「だけど……やっぱり、もう話す事は無いよね」

李衣菜「……うん、十分に話し合って決めたんだもん」


みく・李衣菜「……」


キン肉マン・テリーマン「……」


テリーマン「――ヘイ! キン肉マン、一体どういうつもりだ!」

どんっ!

キン肉マン「おわあっ!? 急に何をするんじゃ、テリー!」

テリーマン「お前のせいで、色々と台無しだ!」

キン肉マン「私のせいだと!? さすがにそれは言い過ぎだぞ、テリー!」

どんっ!

テリーマン「オウッ!? なんだ、やる気か!?」

がしいっ!

キン肉マン「それはこっちの台詞だぜ!」

ぐぐぐぐっ!

キン肉マン・テリーマン「ぐむむむっ……!」


みく「ちょっ、ちょっと二人共!?」

李衣菜「なんで二人がケンカしてるわけ!?」

みく「みく達のせいでケンカなんてダメだよっ!」

李衣菜「とにかく、落ち着いて話し合おうよ!」


キン肉マン・テリーマン「そいつは無理だ!」

ぐぐぐぐっ!


みく・李衣菜「何で!?」


キン肉マン「私達も、みくちゃんや李衣菜ちゃんと同じ様に……!」

テリーマン「ああ……タッグを組んで戦った事があってね……!」

ぐぐぐぐっ!…ぱっ!


キン肉マン「最高のタッグと言われちゃいるが……」


テリーマン「……こんな風に、衝突ばっかりしていたのさ!」


みく・李衣菜「……!」


キン肉マン「だが……ここじゃあ、店の人に迷惑になる」

テリーマン「おやおや、ちょっとは大人になったじゃないか」

キン肉マン「うるさいわい! 私だって、成長してるんだもんね!」

テリーマン「だが、その意見には賛成だ……場所を移そう」


キン肉マン・テリーマン「彼女達が所属する事務所――」


キン肉マン・テリーマン「――346プロダクションに!」

  ・  ・  ・

ザアア――ッ!


みく「なんで……なんでこんな事になっちゃったの!?」

李衣菜「わかんない! 私にだって、わかんないよ!」

みく・李衣菜「……!」


キン肉マン「……フッ! 急な大雨とは、ついてないな!」

テリーマン「ノー・プロブレム! ミー達のファイトが行われるリングは――」


ゴゴゴゴゴゴゴッ…!


キン肉マン「――ああ! 遙か古来より、正義の在り処を決める場!」


テリーマン「346プロダクション――本来の名は、Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」


キン肉マン「見ろ! 屋上に現れた、あのドームを!」


テリーマン「大観衆とまではいかないが、何人かは雨に濡れず観戦出来そうだな」


みく・李衣菜「……」

休憩

  ・  ・  ・

吉貝「さあて! 遂に始まります、友情のマシンガンデスマッチ!」

中野「この試合を見るためなら、女房なんてこうですわ! こう!」

吉貝「実況は私、吉貝と」

中野「解説は、おまたせシマウマ~! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです~!」

吉貝「――で、お送りします!」


キン肉マン「……フフ! まさか、こんな形でお前とファイトするとはな!」

ぐっ…ぐっ…!


テリーマン「大王の座に着いて、体がなまってたなんて言い訳はナシだぜ!」

ぐるんっ……ぐるんっ…!


キン肉マン「――おうともよ! 私達の間に、そんなつまらんものはいらんわい!」


テリーマン「そいつを聞いて安心した! 遠慮なく、お前さんをぶちのめせるぜ!」


みく・李衣菜「……!?」

みく「ほっ、本当にやる気!? 今ならまだやめられるにゃ!」

キン肉マン「やめる? おいおい、みくちゃん! 冗談はよしてくれ!」

みく「冗談なんかじゃないよ! みくたちのせいで戦うなんてダメ!」

ぐいっ!

キン肉マン「おわあっ!? パンツを引っ張っちゃダメ~!?」


李衣菜「どうしてこんな事する必要があるんですか!?」

テリーマン「どうしてかって? ハハハ! 面白い事を言うな!」

李衣菜「えっ?」


テリーマン「ただのケンカだよ!」

ダダダダダッ!


吉貝「ああ――っと! テリーマン、キン肉マンに猛ダッシュしていく――っ!」


テリーマン「どうしたキン肉マン! 隙だらけだぜ!」

キン肉マン「あっ、ずるい!?」

テリーマン「ソラァ――ッ!」

ドガアッ!

キン肉マン「うぐえっ!?」


カ――ンッ!


吉貝「テリーマンのナックルパートを合図に、開始のゴングが鳴った――っ!!」

テリーマン「どうしたどうした! キン肉マン!」

ガッ! ガッ! ドガァッ!

キン肉マン「うぐっ!? おわっ!? ぐあっ!?」

テリーマン「やっぱりなまってるんじゃないか!? ええーっ!?」

ガッ! ドガッ! ドガァッ!

キン肉マン「うぐうっ!? い、いかん……このままではっ!? ぐあっ!?」ヨロヨロッ…


吉貝「いった! いった! テリーがいった――っ!」

吉貝「まさに嵐! 嵐のような、ナックルパートの連打! 連打! 連打――っ!」

中野「開幕から凄い気迫ですね~っ」


テリーマン「こいつをくらいな! キン肉マンッ!」

ぐるんっ…ぐるんっ…!


吉貝「テリーマン、左手を振り回しとどめの一撃の体勢に入る――っ!」

中野「あのぐるぐる、何か意味があるんですかね?」


キン肉マン「い、いかんっ!?」

キン肉マン「――肉のカーテン!」

ガキィンッ!


吉貝「キン肉マン! それに対し、肉のカーテンで防御を固めたーっ!」

中野「肉のカーテンは、打撃はほとんど無効にしてしまいますからねぇ」

中野「女房に小言を言われた時、耳を塞ぐようなもんです、はい」

キン肉マン「どうだ、テリー! これでナックルパートは意味をなさないぜ!」

ガキィンッ!

テリーマン「キン肉マン! ガードを固めたくらいで――」

ぐるんっ…ぐるんっ…!

テリーマン「ミーのテキサス魂は、止められないぜ――っ!」

ドガァッ!

キン肉マン「っ!? おおおっ――!?」ヨロヨロッ…!


吉貝「テリーマン! 関係無いとばかりに、テキサスブロンコをうちこんだーっ!」

吉貝「キン肉マン、たまらずその場から弾き飛ばされる――っ!」

中野「いやー! 私の頭皮と同じで、ダメージは無さそうですね!」

吉貝「……」

中野「何か?」


…バウンッ!

キン肉マン「!? ロープに弾かれ――まさかっ!?」

テリーマン「そのまさかさ! キン肉マン!」


吉貝「ああ――っと! まさか! まさか、こんな試合の序盤で出てしまうのか!?」

中野「あれは、テリーマンのフィニッシュ・ホールドの一つ!」


テリーマン「くらいなっ、キン肉マン!」

ガシイッ!

テリーマン「カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)――ッ!!」

ガガァンッ!

キン肉マン「……!?」

キン肉マン「ゲハァッ!」

みく「本気……!? テリーマン、本気でキン肉マンに技を!?」

李衣菜「あっ、あんなの! あんなのケンカじゃないよ!」

みく「うん! みく達が止めないと!」

李衣菜「そうじゃないと、大変な事に――」


キン肉マン「……大変な事……?」ヨロヨロッ…

キン肉マン「フフ……そいつぁ面白い……!」

ググッ…!


みく・李衣菜「っ!?」


吉貝「キン肉マン、立ち上がった――ッ! しかし、そのダメージは大きそうだ!」


テリーマン「気が合うな、キン肉マン!」

テリーマン「ミーも……楽しくて仕方がない!」

テリーマン「……そして、わかっていたぜ!」

テリーマン「キン肉マン! お前が、この程度でおねんねしない事くらいはな――ッ!」


キン肉マン「……さすがテリー、わかっておるではないか!」

キン肉マン「お前のおかげで、ようやく体が温まってきたぜ!」

キン肉マン「おお、イテテ! よくもまあ、やってくれたな!」

キン肉マン「この借り、きっちりとお返しさせて貰う!」


キン肉マン・テリーマン「……ハッハッハ――ッ!!」


吉貝「笑っている……笑っています! ファイトの最中にも関わらず!」

吉貝「キン肉マン、テリーマン……両者ともに、笑っています!」


みく・李衣菜「……」

テリーマン「……だが、そう簡単にはいかないぜ! キン肉マン――ッ!」

ヒュッ――!


吉貝「テリーマン! 高く、高く跳ぶ! いや、飛び上がる――ッ!」

中野「あそこから放つテリーマンの技と言えば――」


テリーマン「くらえいっ! テキサス――」


キン肉マン「! 今だ――!」

ヒュッ――!


テリーマン「何ィッ!?」


吉貝「ああ――っと!? キン肉マン、テリーマン目掛けて跳躍――っ!」

中野「しかし、あの勢いでは、二人仲良く天井に激突ですよ~っ!?」

中野「あこりゃ仲良し、こよし、氷川きよし~っ!」


キン肉マン「そうりゃっ!!」

ガシィッ!

テリーマン「うおおっ!? こ、これは――!?」


吉貝「キン肉マン! テリーマンを空中でホールド――ッ!」


キン肉マン「天井に激突?……それが狙いさ! くらえいっ、テリ――ッ!」

テリーマン「うおおおおっ!?」

キン肉マン「ネオキン肉バスタ――ッ!!」

ガッシャァンッ!

テリーマン「……!?」

テリーマン「グハァッ!」


吉貝「キン肉マンの、天井を利用し放つネオキン肉バスターが炸裂した――っ!」

キン肉マン「う……おおっ……!」

フワッ…

テリーマン「な、中々の攻撃だが……甘かったな、キン肉マン……!」

テリーマン「この程度じゃ、借りは返したとは言えんぜ……!」

キン肉マン「テリー……!」


吉貝「テリーマン、ネオキン肉バスターを受けてなお健在!」

中野「恐らく、キン肉マンもかなりのダメージを負っていたからでしょうねぇ」


テリーマン「――さあ! お前はまだまだ、こんなもんじゃないはずだ!」

テリーマン「このオレに! お前の全てをぶつけて来いッ!」

テリーマン「その全てを! 全力で受けきってやるぜ――ッ!」


みく・李衣菜「……!」


キン肉マン「言われなくとも、そのつもりじゃ――いッ!」

キン肉マン「テリー! いや、テリーマンッ!」

キン肉マン「この私が、お前に遠慮なんぞをするはずが無いだろうが――ッ!」


みく・李衣菜「……!!」

キン肉マン「おうりゃっ!」

ガシィッ!

テリーマン「ぐおっ!?」


吉貝「おおっ、キン肉マン! 落下しながらテリーマンの首を両足でフック!」

吉貝「同時に両腕を捕らえたーっ! あれは! あの体勢は――ッ!」


キン肉マン「超人!」

グワギシィッ!

キン肉マン「絞殺刑――ッ!」

テリーマン「……!」

テリーマン「ウグォハァッ!」


テリーマン「……ぐあっ……!?」

…ドサアッ!


吉貝「テリーマン! たまらずダウ――ンッ! このまま勝負が決まってしまうのか――っ!?」

中野「しかし、おかしいですねぇ? テリーマンは、あえて技を受けたように見えましたよ?」


テリーマン「……フフフ……!」

テリーマン「中々、きくじゃないか……!」ヨロヨロッ…

ググッ…!


キン肉マン「……フッ! テリー、お前ならまだ立つと思っていたぜッ!」


テリーマン「ああ! まだまだ、勝負はここからだぜ、キン肉マンッ!」


吉貝「ああ――っと! テリーマン、立ち上がった――ッ!」

吉貝「なんというファイティング・スピリット! これぞテキサス魂だ――ッ!」

中野「キン肉マンも、凄い気迫ですねーっ! 親友同士のファイトとは思えませんよ、ええ!」


みく「……違う」

李衣菜「……うん」


中野「ななっ、何ですかチミ達は!? 私の解説に、ケチをつける気ですか!?」

吉貝「お二人とも! 一体、どういう事でしょうか!?」


みく「キン肉マンも、テリーマンも……親友同士だからこそ、にゃ!」

李衣菜「親友同士だからこそ、お互い、本気でぶつかり合えるんだよ!」


みく「相手に遠慮なんて、一切しない!」


李衣菜「自分の全力で、ぶつかっていける!」


みく・李衣菜「――本当の、全力のケンカが出来るっ!」


キン肉マン・テリーマン「……フッ!」


キン肉マン・テリーマン「――その通りッ!」


吉貝「……だ、そうですが?」

中野「いやね!? 私も、そう言おうと思ってたんですよ! あははは!」

みく「二人共、その事を教えるために戦ってくれたんでしょ!?」

李衣菜「私達、もうわかったから! 二人が戦う必要は無いんだよ!」


キン肉マン「ん? な~にを言っとるんだ、みくちゃんも李衣菜ちゃんも」

キン肉マン「私達は、私達の事情でケンカしてるだけだもんね~!」


みく・李衣菜「!?」

みく「てっ、テリーマンなら、もう戦わなくて良いってわかるでしょ!?」

李衣菜「もうやめてくださいって! もう、十分ですよね!?」


テリーマン「ハッハハハ! ガールズ、おとなをからかっちゃいけないよ!」

テリーマン「ゴングが鳴った時から、そんな事は頭からふっとんでるさ!」


みく・李衣菜「はいっ!?」


テリーマン「そうだろう、キン肉マン! 今、試合を止めるって選択肢は無いよな!」


キン肉マン「当り前じゃい! お前の全力、まだまだ見ておらんからな!」


みく・李衣菜「……」


中野「……だ、そうですか?」

吉貝「中野さん、そういうのはやめましょう」


みく・李衣菜「もう……本当、バカ!」


キン肉マン・テリーマン「おお――ッ!」

テリーマン「今度はこっちから行くぜ、キン肉マン――ッ!」

キン肉マン「おおっ! かかって来い、テリーマン――ッ!」


吉貝「少女達の制止も虚しく、試合続行――ッ!」

中野「全くもう! 小娘が、余計な口出しをするんじゃありませんよ!」


みく・李衣菜「……」

みく・李衣菜「……はぁ」

…スタスタ


吉貝「……おや? 二人は、どこへ行くのでしょうか?」

中野「あー、気にしない気にしない! ほら、実況に戻りなさい!」

吉貝「そ、そうですね!」


テリーマン「うおおおおっ!」

ダダダダダッ…ガシィッ!

キン肉マン「ううおっ!?」

…ズダーンッ!


吉貝「テリーマン、強ー烈なタックル! キン肉マン、リングに背中から叩きつけられた――ッ!」

中野「グラウンドに持ち込むつもりでしょうか?」


テリーマン「……ここから、何をするかはわかってるだろう?」

キン肉マン「ああ、わかっているさ! だからやめて! 痛いのイヤなの~っ!」

テリーマン「……」

キン肉マン「……うふっ!」

テリーマン「……はぁ、全く……お前という奴は」

ガシィッ!

キン肉マン「ああっ!? テリー、やめてって言ってるのに!」

テリーマン「フンッ!」

グルンッ!

キン肉マン「お、おお、おおおおっ!?」


吉貝「テリーマン! キン肉マンの両足を腕でフック!」

吉貝「そのまま体を返し――」


テリーマン「テキサス・クローバー・ホールドッ!!」

ガキィ! ギリギリギリギリッ!

キン肉マン「ああ~~~っ!? 痛い痛いの~~~っ!?」


吉貝「完全に極まっています! これは、脱出不可能かーっ!?」

中野「ひええ……! 見た目の派手さはありませんが、威力は超一級ですよ、あれは!」


テリーマン「そうら! どうしたキン肉マン! ギブ・アップか!?」

ギリギリギリギリッ!

キン肉マン「うぐぐぐぐっ……!? な、何を言うか、テリー……!」


キン肉マン「私の全力も、まだ見せちゃいないぜ――ッ!」


キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」

  ・  ・  ・

みく「ホーント! キン肉マンもテリーマンもおバカさんにゃ!」

李衣菜「みくちゃんの言う通りだよ! 心配して損した!」


みく・李衣菜「……」


みく「……うん、おバカさんだったね」

李衣菜「……心配なんて、いらなかったんだよね」


みく・李衣菜「……へへっ!」ニコッ!


みく「李衣菜ちゃん! 今日は、クールにロックにぶちかますにゃ!」


李衣菜「みくちゃん! 今日は、キュートなネコさんでいこうか!」


みく・李衣菜「えっ!?」

みく「ロック!」

李衣菜「ネコミミ!」

みく「んもーっ! 今日は、ロックな気分なの!」

李衣菜「私は、今日はネコミミで可愛くいく気分!」


みく・李衣菜「む~っ……!」


みく・李衣菜「とにかく! まずは衣装!」


コンコンッ!


みく・李衣菜「すみませ――ん!」

  ・  ・  ・

キン肉マン「お、おおおおっ……!」

グ……グググッ……!

テリーマン「むうっ!?」


吉貝「ああ――っと! キン肉マン、両腕の力だけで二人分の体重を持ち上げるーっ!」


キン肉マン「そうりゃっ!」

ダンッ!


吉貝「そのまま、テリーマンごと宙に跳び上がり――」


キン肉マン「おりゃあっ!」

グルンッ……ガツーンっ!

テリーマン「うおっ!?」


吉貝「鍛え上げられた腹筋の力で、上半身を曲げ、そのままヘッドバッド――ッ!」

中野「あんな脱出方法、超人レスリングならではですよ~っ!」


――スタッ!

テリーマン「……あのまま決まるとは思っちゃいなかったが……」

テリーマン「フィニッシュ・ホールドを外されると、さすがにクルものがあるな!」


――スタッ!……ドテーンッ!

キン肉マン「アイタッ!?」

キン肉マン「……だが、両足へのダメージは深刻だぜ、テリー!」


キン肉マン・テリーマン「……ハッハァ!」

吉貝「笑っている! 笑っています! キン肉マン、テリーマン! 笑っています!」

中野「お互い、力を認めあった者同士の笑顔ですね~っ」

中野「いや~っ! この試合、見に来てよかった!」


キン肉マン「行くぜ、テリ――ッ!」

ダダダ…ダダッ!

テリーマン「来い、キン肉マンッ!」


吉貝「キン肉マン、痛めているはずの足でテリーマンへ猛ダッシュ!」

吉貝「そして、そのまま――」


キン肉マン「48の殺人技! No.3――ッ!」

ガキィ!

テリーマン「うおおっ!?」

キン肉マン「疾きこと風の如く――っ!」

ギュルンギュルンギュルンッ!


吉貝「ダブルアームの体勢のとらえて大回転――っ!」


キン肉マン「そりゃああっ!」

テリーマン「ぐああっ!?」

ズダーンッ!


吉貝「その勢いのまま、テリーマンをリングに叩きつけた――っ!」

キン肉マン「まだまだ――ッ!」

ガキィ!


吉貝「キン肉マン、ダウンしたテリーマンの体を両足でとらえ――」


キン肉マン「静かなること林の如く!」

テリーマン「……!?」

ゴゴゴゴゴゴゴ


吉貝「ドームの天井へと、ローリングクレイドルで登っていく――っ!」


キン肉マン「侵略すること火の如く――ッ!」

ドォゴォ!

テリーマン「っぐうううおっ!?」


吉貝「そしてっ! 強烈なパイルドライバーで一気に下降!」


キン肉マン「動かざること――」

グワァキィ!

キン肉マン「――山の如し!」

テリーマン「……!?」

テリーマン「グハァッ!」


吉貝「連続技の締めは、空中でのロメロ・スペシャルだ――っ!」

中野「これ、どうして最後は空中に浮くんでしょうかねぇ?」

  ・  ・  ・

キン肉マン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…


テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…


キン肉マン「ど、どうしたテリーよ……ふらついとるではないか……!」ヨロヨロッ…


テリーマン「それはノーだぜ……お前が揺れてるから、そう見えるだけさ……!」ヨロヨロッ…


吉貝「死闘! この二人が、ここまでの死闘を繰り広げると、誰が予想出来たでしょうか!」

吉貝「この私ですら、今、目の前で起こっているにも関わらず信じられません!」

中野「これは、次の一撃で勝負が付きそうですねぇ」


キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ

…グッ!

キン肉マン・テリーマン「おおおおりゃああっ!」

―ドゴォッ!

キン肉マン・テリーマン「うぐうっ!?」

…ドサアッ!


吉貝「だ……ダウン! ダウ――ンッ! ナックルパートの相打ちだ――っ!」

中野「これは、両者ともに立ち上がる力は残っていないでしょうねぇ」


キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」



みく・李衣菜「ちょっと待った――っ!」



キン肉マン・テリーマン「っ……!?」

キン肉マン「ふ……二人共……」

テリーマン「その……格好は……?」


みく「その格好は? じゃないにゃ! 二人共、男でしょー!?」

李衣菜「まさか、二人共このまま倒れて終わるつもり!?」


キン肉マン「……だとさ、テリー」

テリーマン「……ああ、キン肉マン」


キン肉マン・テリーマン「――うおおおおおっ!!」

グ……グググッ……!


吉貝「ああ――っと!? 満身創痍の二人が、立ち上がっていきます!」

中野「信じられません! そんな力は、残っていなかったはずですよ!?」


キン肉マン「へ……へへ……! 私も、そう思ってたさ……!」

テリーマン「ああ……! だが、あんな事を言われちゃあな……!」

…グアッ!


キン肉マン・テリーマン「――だがっ!」

ガシィッ!

キン肉マン・テリーマン「この続きは――お互い、万全の状態で!」


カンカンカンカ――ンッ!


吉貝「ここでゴング!? 一体誰が――」


みく・李衣菜「……」


中野「……なんだか、今回の私は良い所を取られっぱなしな気がしますです、はい」

キン肉マン「テリーよ……お前さん、足を痛めてただろう?」

テリーマン「フッ……やはり、わかっていたか」

キン肉マン「ああ。でなければ、テキサス・コンドルキックの上昇は捉えられなかった」

テリーマン「それを言うならキン肉マン……お前も、旅の疲れが抜けてないだろう」

キン肉マン「急いで地球に来たものだからのう、しょうがないわい」

テリーマン「お互い万全なら、こうやって立って話をするのもままならなかったさ」

キン肉マン・テリーマン「……」

キン肉マン・テリーマン「ハッハッハッハ!」


みく「ほんっ……っと! 二人共おバカさんにゃ!」

李衣菜「心配して損しちゃいましたよ! 全く、もう!」


キン肉マン「……なあに、バカでなければ、全力のケンカは出来んものだ」

テリーマン「相手の心配をするのは結構だが、気の遣い過ぎは良くないぜ」


キン肉マン「お互い、全力でぶつかるからこそ、見えるものがある!」


テリーマン「相手の事ばっかり気にしてちゃ、自分も全力なんか出せっこないぜ、ガールズ!」



みく・李衣菜「ニャ――――ッ!!!」



キン肉マン・テリーマン「おおうっ!?」

みく「二人に言われなくても、もうわかってるにゃ!」

李衣菜「もうっ! この格好を見て、わからないんですか!?」


キン肉マン「テリーはわかる? 私、じぇんじぇんわかんな~い!」

テリーマン「ミーにもサッパリだ! 格好だけなら、何とでも言える!」


みく・李衣菜「むむむむむっ……!」

みく・李衣菜「――マイクッ!」


吉貝・中野「は、はいっ!」


みく「わからないなら、耳かっぽじってよ~く聞くにゃ!」

李衣菜「そっちが超人でも、こっちはアイドルですから!」

みく「そっちがファイトで証明するなら!」

李衣菜「こっちはLIVEで証明するよ!」


テリーマン「――なら、聞かせてもらおうかっ!」

パチィンッ!


ゴゴゴゴゴゴッ…!


みく「! ドームの天井が開いて……!」

李衣菜「でも、雨はやんでるけど……まだ、曇ってるね」


キン肉マン「――だったら、こいつはサービスだぜ!」

キン肉マン「フェイス・フラッシュ!」

ピカアアアア……パアッ!


みく・李衣菜「……!」


キン肉マン・テリーマン「――さあ、聞かせてくれ、お二人さん!」

キン肉マン・テリーマン「……そして、何と呼べば良いのかな?」ニヤリ


みく・李衣菜「……勿論!」


みく・李衣菜「――アスタリスクで!」


https://www.youtube.com/watch?v=MJ7XAx8LWJo


おわり


怪獣図鑑ネタやって欲しいです

>>314
覚えてないのでテキトーに書きます


武内P「怪獣図鑑、ですか」

莉嘉「そうだよ☆ アタシ達で作ったんだー!☆」

みりあ「あのねあのね、い~っぱい載ってるんだよ!」

武内P「とても、熱心に作成されているようですね」

莉嘉・みりあ「うん!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」

武内P「それでは、私は事務作業がありますので……」

莉嘉・みりあ「は~い!」


アイドル達「……」

  ・  ・  ・

莉嘉「あっ、見て見て! このイラスト、チョー上手く描けたと思わない!?」

みりあ「ホントだ! 莉嘉ちゃん、すごーい!」

莉嘉「みりあちゃんも、そっちのカイセツ、すっごくわかりやすいよ☆」

みりあ「えへへ! 図鑑だから、誰が見てもわかるようにしないとね!」

莉嘉・みりあ「ねー!」


美嘉「二人とも、随分真剣にやってるじゃん★」


莉嘉「あっ、お姉ちゃん!」

みりあ「美嘉ちゃん!」

きらり「にゃっほーい! ふたりとも、おっつおっつ☆」


莉嘉・みりあ「あっ、きらりちゃん!」

美嘉「さっき、ソコで一緒になったんだ★」

きらり「二人とも、最近はず~っと頑張ってるにぃ!」

莉嘉「うんっ! 図鑑作るの、アタシ得意かも!」

みりあ「みりあもみりあも! それに、すっごく楽しいよ!」


美嘉「へー? そんなに、怪獣図鑑作るのって楽しいワケ?」


莉嘉・みりあ「うんっ! すっごく楽しいよ!」


莉嘉・みりあ「カイジュウ図鑑作るの!」

莉嘉「お姉ちゃんも、一緒に作ろうよー!」

美嘉「あー、アタシは遠慮しとこうかなー」

みりあ「えーっ!? じゃあじゃあ、きらりちゃんは!?」

きらり「にょわ? え~っとぉ、きらりにも出来るかなぁ~?」

莉嘉・みりあ「うんっ!」

きらり「それじゃあ~、三人でぇ一緒に図鑑を作ろうにぃ!☆」

莉嘉「わーいっ! さっすがきらりちゃん、話がわかるー☆」

みりあ「えへへっ! 凸レーションでの、図鑑作りだね!」

きらり「うぇへへ! 皆で作って、ハピハピしようにぃ~!」


美嘉「……ホント、きらりちゃんは付き合い良いんだから」

きらり「二人は、どんな怪獣を描いたのぉ~?」

莉嘉「あっ、それなら見てもらった方が早いかも!☆」

みりあ「うんっ! まだ途中だけど……はい、どーぞっ」

きらり「ありがとにぃ☆ にゅふふ、どれどれぇ~?」

…ペラッ

きらり「あっ、これはPちゃんだにぃ! うんうん、とぉ~っても上手上手☆」

莉嘉「でしょでしょ!? そのイラスト、アタシが描いたんだ☆」

…ペラッ

きらり「にゅぷぷ! Pちゃんのクセも、わかりやすぃー!」

みりあ「はいはーい! それ、みりあが書いたんだよ!」

きらり「でも、怪獣図鑑なのに、どうしてPちゃんの絵が――」

…ペラッ

きらり「……」


きらり「……にょわ~」


美嘉「……ん?」

美嘉「何々ー? 面白い事でも書いてあったの?」

きらり「……えっとぉ……これ――」


莉嘉「あっ、きらりちゃん! 言っちゃダメだよ!」

みりあ「図鑑はまだ完成してないから、内容は……えへへ、内緒でーす♪」


美嘉「えーっ? アタシだけ仲間外れー?」

莉嘉・みりあ「えへへー!」

美嘉「まっ、しょーがないか。アタシ、怪獣とか興味無いし」


きらり「……ちょ~っと、Pちゃんの所に行ってくるにぃ!」


莉嘉・みりあ「いってらっしゃーい!」

美嘉「……?」

  ・  ・  ・

…ガチャッ……バタンッ

きらり「……」


莉嘉・みりあ「おかえりなさーい!」

美嘉「ん? なんか、ちょっと様子が変じゃない?」


きらり「……えっとぉ、莉嘉ちゃん、みりあちゃん」


莉嘉「? どうしたの?」

みりあ「ねえねえ、きらりちゃん?」


きらり「今度一緒にお出かけしたらぁ、好きなものをな~んでも買ってあげるゆ!☆」


莉嘉・みりあ「えーっ!?」

美嘉「はいっ!?」

美嘉「ちょっ、ちょっと!? 急に、何言い出すの!?」

莉嘉「そっ、そうだよきらりちゃん! どうしたの!?」

みりあ「みりあ達、何もしてないよ!?」


きらり「ううん! それじゃあ、きらりの気がすまないのです!」

きらり「二人のおかげでぇ、きらりはとぉってもしゃーわせだゆ!」

きらり「うっきゃー! で、ハピハピでキュンキュンだにぃ!☆」


美嘉「……えっと……何か、あったの?」


きらり「……うぇへへ///」

きらり「今日の夜ゴハンはぁ……Pちゃんと一緒だにぃ///」


美嘉「はいっ!?」


アイドル達「……」

…ガタッ!

莉嘉「あっ、もしかして……きらりちゃん!」

みりあ「14ページの、カイジュウだ!」

きらり「……うん///」

莉嘉「そっかー! 良かったね、きらりちゃん!」

みりあ「プロデューサーとのゴハン、楽しんできてね!」

きらり「あんまり言われると……うっきゃ~っ!/// 恥ずかすぃー!///」

莉嘉・みりあ「あははっ! 照れてる照れてる~!」 

きらり「……これも、莉嘉ちゃんとみりあちゃんが作った――」


きらり「――懐柔図鑑のおかげだゆ!」


莉嘉「早速、図鑑が役に立っちゃったね☆」

みりあ「うんっ! 早く、完成させよー!」

莉嘉・みりあ「おーっ!」

きらり「……お、おーっ///」


美嘉「待った待った待った! ちょっと待った、タンマタンマ!」

莉嘉「? どうしたの、お姉ちゃん?」

美嘉「きらりちゃん……その、アイツとデートするの!?」

きらり「にょわっ!?/// で、デートって……うっきゃ~っ!///」

美嘉「!? ちょっ、ちょっとその図鑑見せて!?」

みりあ「えっ? でも、まだ完成してないよ?」

莉嘉「うん。完成したら、お姉ちゃんにも見せてあげる☆」

美嘉「あ、いや! 未完成のままでも――」


蘭子「――煩わしい太陽ね」

蘭子「……我が魔力を込めるに相応しい、新たなグリモワールの鼓動」

蘭子「宴の場所は、此処か!」ビシッ!


美嘉「!?」

莉嘉「えっ? 蘭子ちゃんも……図鑑作りに参加したいの?」

蘭子「ハーッハッハッハ! 禁断の書! 魂が昂ぶる!」

みりあ「あっ! それじゃあね、それじゃあね!」

蘭子「何なりと命じるが良い! 宿願のためならば、頭垂れる事も厭わない!」


莉嘉「チョーカッコヨク、Pくんのイラスト描いてよ☆」

みりあ「うんっ! 表紙の絵がね、まだ無いんだ!」


蘭子「ひょっ、表紙!?」

莉嘉・みりあ「うんっ!」

蘭子「なっ……中身を見るのは……!?」

莉嘉・みりあ「あとでも良くない?」

蘭子「……」


蘭子「我が呪具をして、至高の姿を記すと誓おう!」

蘭子「……だ、だから、描いたら中を見せて!? ねっ!?」


莉嘉・みりあ「うんっ!」


アイドル達「……」

きらり「えっとぉ、きらり、まだ何もしてないゆ……?」

莉嘉「もー! アタシ達と、きらりちゃんの仲じゃんか!」

みりあ「うんうんっ! だから、見てもオッケー!」

莉嘉「あっ! じゃあ、今日のデートの感想を聞かせてよ☆」

きらり「にょわっ!?」

みりあ「あっ、それだー! それで、もっと図鑑がくわしくなるね!」

莉嘉・みりあ「いえーいっ!」


美嘉「ねっ、ねえ!? アタシも何か――」


凛「ふーん、面白そうな事やってるね」


美嘉「――って、凛!?」


凛「私も、何か手伝おうか」


美嘉「っ!?」

美嘉「ちょっと!? 急に出てきて、何!?」

凛「何でも協力するよ」

美嘉「アタシを無視するなってーの!」


凛「莉嘉、みりあ……何か出来る事はある?」

凛「例えばさ、ほら……デートの感想、とか?」

凛「まあ、私は別にしたいとは思わないんだけどね」

凛「二人が頑張ってるの見たら、応援したくなっちゃって」


莉嘉・みりあ「んー……アリガト! でも、大丈夫!」


凛「……大丈夫? ねえ、美嘉? ねえ、大丈夫って何!? 何なの!?」

美嘉「いや……凛の協力はいらないってコトでしょ」

凛「……!?」

凛「ねっ、ねえ! 私、結構役に立てると思うな!」

莉嘉「えっ? 例えば、どんな?」

凛「どんな!? どんなって……ねえ、どんな!?」

美嘉「アタシに聞かないでくれる!?」

凛「えっと、その……花! 花言葉とか、詳しいよ!」

みりあ「そうなんだ! 凛ちゃん、凄いね!」

凛「そう! 花屋だからね! 花……凄く、花で……美嘉!? ねえ、美嘉!?」

美嘉「だから! アタシに振らないでくれる!?」


莉嘉「さっ、続きに戻ろー!」

みりあ「うんっ! きらりちゃんは、枠を綺麗にデコってよ!」

きらり「う……うん……頑張るゆ!」

蘭子「中を見るために、早く……! でも、表紙……!」

蘭子「妥協……ううっ、妥協出来ない……!」



凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ!

美嘉「……ドンマイ、凛」

  ・  ・  ・

蘭子「――時は来た!」

莉嘉「ホント?……おおっ、チョーカッコイイじゃん!☆」

みりあ「すごいすごーい! すっごくカッコイイね!」

きらり「うんっ! とぉ~ってもステキに描けてるにぃ~☆」

蘭子「そ、それで……その、中身を……!」

莉嘉・みりあ「うんっ! はい、どーぞ!」

蘭子「……!」

…ペラッ…ペラッ…

蘭子「……」


蘭子「……魔力は満ちた」

蘭子「いざ! 今度のお休みに魂の共演をする誘いをするとよ!」


莉嘉・みりあ・きらり「いってらっしゃーい!」


アイドル達「……」

  ・  ・  ・

蘭子「……えへへ、あのね、17ページの通りにお願いしたらね?///」

莉嘉「おおっ、ドライブデートじゃん☆ どこ行くのー?」

蘭子「絵を描くための道具を買いに……えへへ///」

みりあ「17ページは確か、お仕事が終わってからだよね!」

蘭子「うん……///」

きらり「蘭子ちゃん、い~っぱい、ハピハピしようにぃ~☆」

蘭子「……ぁぅ///」


美嘉「……残念だけど、完成まで待つしか無いかなぁ」

美嘉「でもま、それからでも遅くないか★」


莉嘉「完成、楽しみにしててね!」

みりあ「うんうん!」


みりあ「完成したら、五人でゆっくり楽しもうね!」


アイドル達「……」

アイドル達「!?」

美嘉「……えっ、五人?」

きらり「五人って……莉嘉ちゃんと、みりあちゃんと、美嘉ちゃんとぉ……」

蘭子「きらりちゃんと……私の……五人?」

莉嘉・みりあ「?」


莉嘉・みりあ「うん、そうだよ?」

莉嘉「だってさ、アタシ達、チョー頑張ったもんね!」

みりあ「うん! それに、あんまり見せびらかす物でもないもんね!」


アイドル達「!!?」


美嘉・きらり・蘭子「……」

美嘉「お姉ちゃんで良かった!★ お姉ちゃんは、最高だよね!★」

きらり「きらりん、す~っごくラッキーでハピハピだにぃ~!☆」

蘭子「フフフ……ハハハ……ハーッハッハッハ! 魂の解放!」


アイドル達「……」


アイドル達「はい! はいはいはいはい! はいっ!」

…ガチャッ!

武内P「あの……皆さん?」

武内P「何やら騒がしいようですが……一体、何が――」


未央「演技! そう、演技は凄く自信あるよ! 本当!」

卯月「笑顔だけは自信があります! 頑張ります、頑張ります!」

凛「花! 花、花、ハナコ! そう、ハナコ! ハナコ可愛いよ!」

美波「図鑑には、性感帯も!? あっ、考えただけでイキますっ♡」

アーニャ「ロシア版、です! ロシア版の手伝いが、出来ます!」

智絵里「太鼓! 太鼓を叩くの、得意だよ! だから、見捨てないで!?」

かな子「美味しいから! 美味しいから、大丈夫だよ! 美味しいよ!?」

杏「杏もさ、最後の方にちょっと名前書いてよ、それで協力した事にならない?」

李衣菜「ギター得意! もう、すっごいロックだから! 本当、エアーだから!」

みく「猫の手も借りたいって言うでしょ!? みくの手なら、十本くらい貸すにゃ!」


武内P「――何ですか!?」

莉嘉「あっ、Pくん! お願い、助けて!」

みりあ「プロデューサー! 皆、なんだか怖いの!」

武内P「あの……皆さん、どうなされたのですか……!?」


アイドル達「懐柔図鑑!!」


武内P「……怪獣図鑑が……一体……?」


アイドル達「見たいの!!」


武内P「っ!? み、皆さんは……そんなに怪獣に、興味がおありで……!?」

武内P「し、しかし、今までそのような素振りは全く……」


アイドル達「……!!」


武内P「わ、わかりました」

武内P「今後は、怪獣の出る特撮関係の仕事も見当して――」


アイドル達「何言ってるの!?」


武内P「えっ!?」

誤)武内P「今後は、怪獣の出る特撮関係の仕事も見当して――」

正)武内P「今後は、怪獣の出る特撮関係の仕事も検討して――」

莉嘉「――お願い、Pくん! アタシ達を守って!」

みりあ「――プロデューサー! ねえ、お願い!」

武内P「城ヶ崎さん……赤城さん……!」


アイドル達「……!!」フーッ! フーッ!


武内P「……――はい」

武内P「お二人は、私が、必ずお守りいたします」

莉嘉「Pくんっ!」

みりあ「プロデューサー!」

武内P「貴女達は……私の、大切なアイドルですから」


きらり・蘭子「……あれは、24ページの……!」

美嘉「はえっ!? 何!? あんな状況も図解されてるの!?」

武内P「……二人とも、私の後ろに隠れていてください」

武内P「今日ほど、両親に感謝した日は、無いかも知れません」

莉嘉・みりあ「……どうして?」

武内P「貴女達二人を背にして守れる程、大きく成長出来ましたから」

莉嘉・みりあ「……///」


アイドル達「……!!」フーッ! フーッ!


武内P「……皆さん。どうしても、引く事は出来ませんか?」

武内P「そこまで、オリジナルの怪獣図鑑に興味がおありでしたら……何とかします」

武内P「専務をモデルにした、怪獣・ミシロゴンなど――」


アイドル達「いらない!!」フーッ! フーッ!


武内P「……そう、ですか」

武内P「あくまでも、城ヶ崎さんと、赤城さんが作成したものを見たい、と」

武内P「嫌がられていても、諦める気はないと……そう、仰るのですね」

武内P「止まるつもりの無い――」


武内P「怪獣のように」



おわり

役得だな

武内P「大人の魅力、ですか」の>>595から脱糞したの誰なん?

書きます


武内P「責任、ですか」

凛「うん、責任」

武内P「すみません……何の、責任でしょうか?」

凛「何の? それ、本気で言ってる?」

武内P「はい」

凛「……」

武内P「……?」


凛「まさか……責任を取る気が無いとか、言うつもり?」


武内P「……」

武内P「はい?」

凛「ねえ、本当はわかってるんでしょ?」

武内P「いえ、ですから……何の責任、ですか?」

凛「……」

武内P「渋谷さん?」

凛「……けないで」ボソッ

武内P「えっ?」


凛「ふざけないでよ! 何なの!?」


武内P「……」

武内P「えっ!?」

凛「信じられない! まだとぼける気!?」

武内P「おっ、落ち着いてください! 渋谷さん!」

凛「落ち着いてなんかられない!」

武内P「っ!?」

凛「謝って! ねえ、謝ってよ!」

武内P「えっ!? そ、その……すみません……?」


凛「馬鹿にしてるの!? 全然、気持ちがこもってない!」


武内P「そんな事を言われても!?」

凛「有り得ない……! 本当、信じらんない……!」

武内P「し、渋谷さん……!?」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

武内P「っ!?」

凛「ねえ……本当に責任を取らない気?」

武内P「待ってください! 何の……何の、責任ですか!?」


凛「またそれ!? いい加減にして!」


武内P「誰か! 誰か、助けてください!」

凛「逃げないでよ!」

武内P「っ!?」

凛「すぐ、そうやって誤魔化さないで!」

武内P「で、ですから! 責任とは、何のですか!?」

凛「……」

武内P「……!」


凛「何の? それ、本気で言ってる?」


武内P「最初に! 会話が、最初に戻っています!」

凛「何? まさか、私が悪いって言うつもり?」

武内P「いっ、いえっ! あの、説明をして、頂きたいと……」

凛「……」

武内P「そう……思いまし、て」

凛「説明されないと、わからない?」

武内P「す、すみません……お願いします」


凛「ちなみに、何の責任だと思う?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「あ、あの……すみません。心当たりは……」

凛「無いの?」

武内P「……はい」

凛「全く?」

武内P「……はい」

凛「これっぽっちも?」

武内P「……」


凛「何なの!? ねえ、馬鹿にしてるの!?」


武内P「お願いします! 誰か! 誰か、助けてください!」

ガチャッ!


卯月「どっ、どうしたんですか!? 大きな声がしましたけど……!?」


武内P「っ! し、島村さん!」

凛「……卯月」

卯月「えっと、えと……ケンカは良くないです!」

凛「違うよ、ケンカなんかしてない」

卯月「えっ? それじゃあ……何が?」


凛「プロデューサー……責任、取る気ないみたい」


卯月「えっ?」

武内P「あ、あの……先程から、ずっとこの様子で……!」


卯月「嘘、ですよね……プロデューサーさん……?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「あの……し、島村さん?」

卯月「冗談、ですよ……ね?」

武内P「いえ、あの……」

卯月「そんな事、あるはずないですよね! ねっ!?」

凛「ねえ、どうなのプロデューサー」

武内P「待ってください! あの、何の責任なのでしょうか!?」

卯月「……えっ? あ、あはは……もー!」


卯月「二人で、私をからかってるだけですよ……ね?」


武内P「……」

武内P「えっ!?」

武内P「い、いえ! からかっているつもりは、決して!」

卯月「あっ! ドッキリですか!?」

武内P「ち……違います」

卯月「もー! カメラはどこにあるんですか?」

武内P「し……島村さん」

卯月「はっ、カメラとか気にしちゃ駄目でしたか?」

武内P「いえ、あの……ドッキリでは、ありません」

卯月「えっ?」


凛「卯月。プロデューサー、本気で言ってるみたい」


卯月「……」

卯月「えっ?」チラッ


武内P「あの……信じられないという目で……見ないでください」

卯月「ぷっ、プロデューサーさんが責任を……えっ? えっ?」

凛「卯月、落ち着いて」

卯月「でっ、でも! だって責任……ええっ!?」

凛「卯月!」

卯月「だってそれじゃ、どうすれば良いんですか!? どうすれば!?」

凛「卯月っ!!」

卯月「っ!?……り、凛ちゃん……?」


凛「……私だって、わからないよ……そんなの……!」


武内P「……!?……!?」

武内P「あ、あのっ! 私が! 私が一番わかっていませんよ!?」

ガチャッ!


未央「大声が聞こえたけど、どうしたの!?」


凛「……未央」

卯月「未央ちゃん……!」

未央「なっ、何かあった? なんか、空気が重い、かなー……って」

武内P「ほ、本田さんは、何かご存知ですか!?」

未央「へっ? 何かって……何のこと?」


武内P「責任についてです!」


未央「……」

未央「ふえっ?」

武内P「その……本田さんは、ご存知ありませんか?」

未央「責任について……って意味?」

武内P「はい」

未央「あっはははは! やだなー、もー!」

武内P「!……本田さん」ホッ!

未央「責任って言ったらアレだよ! アレ! ねっ♪」

武内P「……その……アレ、とは……?」

未央「……あはは……は、はは」


未央「……ゴメン、そういうの……ちょっと、笑えないかな」


武内P「……」

武内P「えっ!?」

武内P「ほ、本田さん? あの、笑えない、とは……?」

未央「わかった! しぶりん、しまむー! そして、プロデューサー!」

凛・卯月「……」

未央「三人で、この未央ちゃんをからかっているのだね!?」

武内P「……いえ……そういう訳では……はい」

未央「……マジ?」

武内P「……はい」


未央「ねえ、マジなの!? ねえ! ねえ!?」

凛「……残念だけど、本気で言ってるよ」

卯月「プロデューサーさん……ひどいです」


武内P「……!?」

未央「待って……待って待って、笑えないって」

凛「笑顔笑顔言ってる癖に……これだからね」

卯月「もう……頑張らなくても……良いのかなって」

未央・凛・卯月「……」


武内P「待ってください! あの、皆さん!?」

武内P「一体何の責任なのですか!? 皆さん!」


未央「……ひどい……こんなのってないよ……!」ポロッ…

凛「約束したのに……有り得ない……!」ポロッ…

卯月「え、えへへ……すみません、すみません……!」ポロッ…


武内P「っ!? な、泣かないでください、皆さん!」

武内P「その……行き場のない罪悪感がわいてきてしまいますから!」

未央・卯月・凛「うっ……ひっく……!」ポロポロッ!

武内P「み、皆さん……! とにかく、落ち着いて話を!」

未央「落ち着いたら、責任取ってくれるの!?」ズビーッ!

武内P「本田さん、鼻水が!」

凛「誤魔化さないで! 逃げる気!?」ズビーッ!

武内P「渋谷さんも、鼻が!」

卯月「ぶりょでゅ゙うざぁ゙ざあ゙あ゙あ゙ん゙」ダラベチャーッ!

武内P「島村さ――ん!?」


未央・卯月・凛「……!」ダラーッ!


武内P「とにかく! まずは、鼻をかんでください!」

武内P「その……今の皆さんは、あまりにも……あまりにも!」

  ・  ・  ・

武内P「……落ち着いて、いただけましたか?」

未央・卯月・凛「……」スンスン!

未央・卯月・凛「……」コクリ

武内P「……」

未央・卯月・凛「……」


未央「……ごめんね、迷惑かけちゃって」

卯月「……すみません、プロデューサーさん」

凛「……うん、私達が悪かった」


武内P「……」

武内P「……いえ、皆さんに涙を流させてしまった原因は、私にあるようです」

未央「も、もう良いってば!……うん、もう良いから、さ」ジワァ…

武内P「待ってください! その、話をさせてください!」

卯月「その気持ちだけで十分です……だから、もう……!」ジワァ…

武内P「お願いします! せめて、何の責任かだけでも!」

凛「もう良いって言ってるでしょ!? やめてよ、もう……!」ジワァ…

武内P「……!?」


未央「責任とかさ……もう、気にしなくて良いから!」…ポロッ

卯月「はいっ! 島村卯月、頑張り……頑張りますっ!」…ポロッ

凛「だけど……せめて、さ……ちゃんと見てよね」…ポロッ


武内P「……」

  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、責任は取るって言っちゃったんですか?」

武内P「……はい」

ちひろ「プロデューサーさんは、何の責任を取るつもりですか?」

武内P「私にも……よく、わかりません」

ちひろ「わからないのに、責任を取るって言ったんですね」

武内P「……」

ちひろ「そういうのって、無責任だと思うんです」

武内P「……返す言葉も、ありません」

ちひろ「責任は、どう取るつもりですか?」

武内P「責任、ですか」

ちひろ「はい、責任です」

武内P「……どう責任を取ればいいのか、わかりません」

ちひろ「そんなの、決まってるじゃないですか」

武内P「えっ?」


ちひろ「それよりも、私に対して何か言うことは無いんですか?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「千川さんに対して、ですか……?」

ちひろ「……あの、まさかとは思いますが」

武内P「……?」

ちひろ「責任、取ってくれないんですか?」

武内P「いえ、あの……何の、責任でしょうか?」


ちひろ「……えっ? プロデューサーさん……?」ジワァ…


武内P「待ってください!」

武内P「皆さん、泣き落としで言質を取ろうとしていませんか!?」

ちひろ「ひどい……! どうしてそんな事を言うんですか……!?」ウルウル!

武内P「何の説明もなく、責任を問われても、その、困ります!」

ちひろ「今更、説明が必要だって言うんですか!?」

武内P「最初から説明して欲しいと、そう、思います!」

ちひろ「プロデューサーさんが……こんな人だったなんて……!」

武内P「こんなとは、どんなかまるで伝わって来ないのですが……!?」


ちひろ「責任、取ってください!」

ちひろ「責任を取ると、ハッキリおっしゃってください!」


武内P「その前に、皆さんは、具体的に何のことか説明してください!」

武内P「責任を果たしてください!」



おわり

書きます


武内P「一杯だけ、ですか」

奏「ええ、一杯だけなら良いんじゃない?」

武内P「いえ……しかし」

周子「あんまり固いこと言ってちゃダメだよ~」

武内P「……ですが」

フレデリカ「フレちゃんが、注いであげるよん♪」

武内P「……待ってください」


武内P「あ、あのっ! 他の方達も、止めて頂けますか!?」


クローネ達「……」

唯「えー? 合宿の最終日だし、ゆいは良いと思うよ☆」

武内P「……あの、仕事で」

加蓮「最終日の夕食時なんだし、別に良くない?」

武内P「……いえ、帰るまでが合宿で」

奈緒「もー! いい加減、観念しろって!」

武内P「……そう、言われましても」


武内P「お、お願いします! 助けてください!」


クローネ達「……」

文香「一杯だけならば……構わないと思うのですが……?」

武内P「いえ……あの」

ありす「大人なんですから、その位良いと思います!」

武内P「……は、はあ」

凛「明日は帰るだけなんだし、別に良いと思う」

武内P「……そう、かもしれませんが」

アーニャ「パーパが送ってくれたお酒は、ダメ、ですか?」

武内P「……い、いえ、そんな事は、決して」


クローネ達「……」…ジィッ


武内P「……!」

奏「ボトルにサメの絵が描いてあって、チャーミングよね」

武内P「ベルーガの……ゴールドライン、ですね」

周子「ねえ、これって美味しいのかなー?」

武内P「皆さんは、まだ未成年なので、飲んではいけません」

フレデリカ「でもでも、四捨五入したら……わお! ハタチになった、いぇい!」

武内P「待ってください! 本当に、いけません!」


武内P「皆さん、絶対に飲んではいけませんよ!?」


クローネ達「……」

唯「えー? ダメって言われると、飲みたくなっちゃうなー!」

武内P「いけません! その、お願いします!」

加蓮「でも、残ってると気になっちゃうかな」

武内P「えっ!?」

奈緒「あたしらは大丈夫だけど……他は、なぁ」

武内P「……!?」


武内P「皆さん! お願いします! 飲んでは、いけませんよ!?」


クローネ達「……」

文香「ですが……気には、なってしまいます」

武内P「お酒はハタチを過ぎてから、です」

ありす「調べてみたんですが、高級なウォッカみたいですね」

武内P「そうですが……何も、今でなくとも!」

凛「今だから、でしょ。合宿最終日の、祝杯的な」

武内P「私一人で……ですか?」

アーニャ「プロデューサー……飲んでは、くれませんか……?」

武内P「……!?」


クローネ達「……」…ジィッ


武内P「……わかり、ました」

武内P「ですが……本当に、一杯だけですよ?」


クローネ達「はいっ!」コクリ

  ・  ・  ・

武内P「……冷凍庫で、冷やしていたのですね」

武内P「ショットグラスまで……いつの間に」

武内P「レモンに、ライムのスライス……それに、塩まで」

武内P「皆さん……飲ませる気でいた、という事でしょうか」


クローネ達「……」フイッ


武内P「あの、ここまで用意しておいて、顔を逸らされても……ですね」

武内P「……」

武内P「……いえ、これも、皆さんのお気遣いとして、受け取っておきます」

武内P「ありがとう、ございます」


クローネ達「はいっ!」ニコッ!


武内P「良い、笑顔です」

奏「さあ、前置きはもう十分でしょ?……はい、どうぞ」

…トプトプンッ

武内P「……」

奏「一気に飲むのが、作法なのよね」

武内P「そう……ですね」

奏「ふふっ! お手並み、拝見させて貰おうかしら?」

武内P「……」


武内P「!」

グイッ!


武内P「……ふぅ」

奏「へぇ、良い飲みっぷり、ってやつなのかな」

武内P「……さすがに、強いですね」


周子「それじゃ、次はあたしが注ぐねー」


武内P「……」

武内P「えっ!?」

周子「ほーら、サービスしちゃうよ~」

…トプトプンッ

武内P「いえっ、あの……えっ!?」

周子「ん? どしたの?」

武内P「あのっ、一杯という話では!?」

周子「何ー? シューコちゃんの酒が飲めないって?」

武内P「……!?」


武内P「っ!」

ギュッ…ペロッ

武内P「!」

グイッ!


武内P「……はい、飲みました!」

周子「へー、そうやってライム果汁つけた指で、塩を舐めるんだ」

武内P「せっかく用意されていたので……と、もう飲まな」


フレデリカ「はいはーい♪ 三番目だけど、四番のフレちゃんだよー♪」


武内P「っ~~言われるとは! 言われるとは、思いましたが!」

フレデリカ「美味しく美味しく、しるぶぷれ~♪」

…トプトプンッ

武内P「あのっ!? 一杯だけ、という話では!?」

フレデリカ「フレちゃんは、一杯だけしか注いでないよ?」

武内P「それは、そうかもしれませんが!?」

フレデリカ「飲んでくれないと、アタシ、泣いちゃう! そして飲んじゃーう!」

武内P「い、いけません!」


武内P「!」

グイッ!


武内P「……ぷはぁ」

武内P「あのっ、もう! もう、やめ」


唯「えー!? ゆいの一杯がまだなのにー!?」


武内P「……いえ、あの!?」

唯「まだまだイケるよねっ☆ はい、どーぞっ!」

…トプトプンッ

武内P「待ってください! ペース……ペースが!」

唯「前の三人のは、すぐ飲んでたのに?」

武内P「それは、まだ序盤だったからで……」

唯「あ、そっか! なら、ゆいもまだ序盤だよねっ♪」

武内P「……!?」


武内P「!」

グイッ!


武内P「……うっふ」

唯「いぇいっ! ねね、ゆいの注いだお酒、美味しい?」

武内P「……は、はい」


加蓮「へえ? 注いだ人によって、味って変わるもの?」


武内P「……!?」

加蓮「ほら、アタシって元々あんまり体が強くないでしょ?」

…トプトプンッ

武内P「は……はあ」

加蓮「だから、将来お酒を飲む自分が想像出来ないんだよね」

武内P「そう……なの、ですね」

加蓮「でもね、美味しそうに飲んでる姿が見られたら……ちょっと満足出来るかも」

武内P「……」


武内P「!」

グイッ!


武内P「……フハァ」

加蓮「どう……だった?」

武内P「……良い、お酒でした」


武内P「次は、神谷さんですか?」


奈緒「へっ!?」

奈緒「あ、あたしは良いって! これ、結構強いお酒なんだろ!?」

武内P「はい。ですが、それが……何か?」

奈緒「何かって……顔に出てないけど、きついんじゃないのか!?」

武内P「神谷さん……酔いが回る前に、どうぞ」

奈緒「し、知らないからな!?」

…トプトプンッ

武内P「……」


武内P「っ!」

ムシャッ!

武内P「!」

グイッ!


武内P「……ハァァ」

奈緒「ず、随分豪快にレモンかじったな……」

武内P「はい。ちょっとした、気付けのようなものです」


文香「……」ソワソワ


武内P「……次は、鷺沢さんですね」

文香「はい……ですが、あの、飲み過ぎ……では……?」

武内P「そう、かもしれません」

文香「ご自分で……わからないのですか?」

武内P「何分、ここまでのペースで飲んだことは、ありませんから」

文香「その……無理は、なさらないでください」

…トプトプンッ

武内P「はい、ありがとうございます」


武内P「!」

グイッ!


武内P「……フハァァ」

文香「あ、あの……大丈夫、ですか……!?」

武内P「……わかりません」


ありす「全く、大人なのに、そんな事じゃ困ります!」


武内P「……えっ?」

ありす「はい! お水、貰ってきましたよ!」

武内P「……」

ありす「どうぞ、飲んでください」

武内P「水を……ですか?」

ありす「飲みすぎて、倒れられたら困っちゃいますから!」

武内P「……!」


武内P「……」

…ナデナデ

ありす「なっ!?/// 何をするんですか!?///」

武内P「当然の結果です」

ナデナデナデナデ

ありす「やっ、やめ……あ、手が……大きい……///」

武内P「……」

ナデナデナデナデナデナデナデナデ

ありす「……///」


クローネ達「……」

クローネ達「何、そのシステム!?」

奏「ねえ……どうしてありすだけ頭を撫でるわけ?」

周子「そんな贔屓あり? ありすちゃんだけ?」

フレデリカ「ありすちゃんが右手なら、フレちゃんは左手で撫でても良いよ? 足はナシで!」


ありす「っ、橘です!」

武内P「……」

ナデナデナデナデ

ありす「あっ……ありすで、良いです///」

武内P「検討します」

ナデナデナデナデ

ありす「……///」


クローネ達「……!?」

唯「ずるいずるーい! ゆいもスキンシップするー!」

加蓮「良いなぁ……ねえ、アタシも混ぜて貰って良い?」

奈緒「あたしも! って、違……や、ちょっと位なら……!?」


ありす「すっ、好きでやってるんじゃないです!」

ありす「あのっ!? もうやめ――」

武内P「……」

ナデナデナデナデ

ありす「――あっ、あああぁぁぁ……!?///」

武内P「善処します」

ナデナデナデナデ

ありす「すっ……好きにしてください……///」


クローネ達「っ……!?」

文香「……」ソワソワ

…ウロウロ


武内P「良い、撫で心地です」

ナデナデナデナデ

ありす「は……はい……///」


文香「……」

…スッ

文香「……」チラッチラッ


クローネ達「……頭を差し出してる」


武内P「? 鷺沢さん、何か?」

ナデナデナデナデ

ありす「あ……はふぅ……///」


文香「……」ションボリ

…トボトボ


クローネ達「……戻ってきた」

かわいい

武内P「……ありがとう、ございました」

…スッ

ありす「……あっ」

武内P「橘さんのお心遣い、とても、嬉しく思いました」

ありす「あ……ありすで良いです……///」

武内P「善処します」

ありす「あの……もっと、撫でても――」


凛「待って。まだ、私の一杯が終わってないから」

アーニャ「ダー。アリス、アー、独り占めは、良くありませんね?」

…ちゃぽんっ!


クローネ達「二人共……その、両手のは……?」


凛「? 見ればわかるでしょ、バケツだよ」

アーニャ「水をあげれば、いっぱい撫でて貰えます♪」


クローネ達「そういうシステムなの!?」

アーニャ「パーパが、言っていました!」

アーニャ「ウォツカは、アー、命の水だ、と!」

凛「つまり、水の分量だけ、その……あんな感じなるかな、って」

凛「興味は無いけど……まあ、たまには悪くないかなと思ってさ」

アーニャ「アーニャは、プロデューサーにいっぱい撫でられたい♪」

凛「私は別にそうでもないかな。でも、せっかくだし」

…ちゃぽんっ!


クローネ達「……」


凛・アーニャ「プロデューサー」

武内P「はい、何でしょうか?」

凛・アーニャ「はい、お水」

…ちゃぽんっ!

武内P「……」

凛・アーニャ「……」

…ちゃぽんっ!


武内P「……ありがとう……ございます……?」


クローネ達「……!」

  ・  ・  ・

専務「――君達をここへ呼び出した理由は、わかっているな?」


クローネ達「……」


専務「彼には、シンデレラプロジェクトの時の経験を活かし……」

専務「……君達の合宿に、同行して貰った訳だが」

専務「その彼が、君達にバケツで冷水を浴びせられたのは、何故だ?」


クローネ達「……」

フレデリカ「はいはーいっ!」


専務「言ってみなさい」


フレデリカ「フレちゃんは、ホースでやりました! いえーい☆」


専務「よろしい、君は少し……いや、最後まで静かにしていなさい」

奏「……」スッ

専務「速水くんか……何か、申し開きがあるのか?」

奏「……」チラッ


凛「何?」

アーニャ「シトー?」


専務「君達二人が……事の発端か?」


凛「待って! 私達、別に悪いことはしてない!」

アーニャ「ダー! リンの、言う通り、です!」

凛「他の皆が約束を破ったから、こうなっただけ!」

アーニャ「私達は、一杯、だけ! 皆は、二杯、です!」


専務「……ふむ、なるほど……君達の言い分はわかりました」


クローネ達「!?」

凛「ふーん、案外、話がわかるんだ」

アーニャ「ハラショー! 素晴らしい、です!」

専務「今回は、彼にも落ち度がある」

専務「……なので、君達の行動も、今回だけは見逃そう」


クローネ達「!」


専務「ただし、それはあくまでも私の意見だ」

専務「彼が、君達に対して、今、どんな感情を抱いていると思う?」


クローネ達「……えっ?///」


専務「何故、顔を赤らめる?」


クローネ達「……///」


専務「成る程、彼の気持ちを考えろと言うのは、時間の無駄のようだな」

専務「……君達はまず、彼に言うべき言葉がある」

専務「それ位は……わかりますね?」


クローネ達「いっぱい、撫でて欲しい」


専務「違う」


専務「精一杯、謝りなさい」



おわり

専務「今回は、彼にも落ち度がある」

専務「……なので、君達の行動も、今回だけは見逃そう」


クローネ達「!」


専務「ただし、それはあくまでも私の意見だ」

専務「彼が、君達に対して、今、どんな感情を抱いていると思う?」


クローネ達「……えっ?///」


専務「何故、顔を赤らめる?」


クローネ達「……///」


専務「成る程、彼の気持ちを考えろと言うのは、時間の無駄のようだな」

専務「……君達はまず、彼に言うべき言葉がある」

専務「それ位は……わかりますね?」


クローネ達「SAY☆いっぱい、撫でて欲しい」


専務「違う」


専務「精一杯、謝りなさい」



おわり

誤)>>>426

正)>>>427


一応汚い回まとめてみた


失禁(話)

未央 1
卯月 1
凛(犬) 1
みく 1
李衣菜 1
奈緒 1
NGs 1

嘔吐(話)

武内P 2
まゆP 1
美嘉 1
杏 1
きらり 1
ありす 1
文香 1

脱糞(話)

武内P 2
卯月 3
未央 2
凛 5
美波 1
アーニャ 1
蘭子 1
かな子 1
智絵里 1
杏 1
きらり 1
みりあ 1
莉嘉 1
みく 1
李衣菜 1
美嘉 1
加蓮 1
奈緒 1
楓 2
早苗 1
友紀 1
わかるわ 1
小梅 1
悠貴 1
NGs 2
LL 1
ちひろ 1
妖怪七光りポエムババァ 1

ブレスケア(話)

美嘉 1
奏 1

カネゴンとか妖怪七光りポエムババアとか誰の事かわからんぞ
そしてしぶりんはオムツも検討した方がいい

>>430
失禁(話)

未央 1
卯月 1
凛(犬) 1
みく 1
李衣菜 1
奈緒 1
NGs 1

嘔吐(話)

武内P 2
まゆP 1
美嘉 1
杏 1
きらり 1
ありす 1
文香 1

脱糞(話)

武内P 2
卯月 3
未央 2
凛 5
美波 1
アーニャ 1
蘭子 1
かな子 1
智絵里 1
杏 1
きらり 1
みりあ 1
莉嘉 1
みく 1
李衣菜 1
美嘉 1
加蓮 1
奈緒 1
楓 2
早苗 1
友紀 1
うわキツ 1
小梅 1
悠貴 1
NGs 2
LL 1
チッヒ 1
ミッシー 1

ブレスケア(話)

美嘉 1
奏 1


こうか

書き込みエラーが発生しちゃったんですよね
回線の不調とはJaneの表示が違ったので、そろそろ鯖がきつくなってきたのかなぁ、と思われます
鯖落ちしたら全てのスレが落ちて消えるかもなので、必要なログはしっかり保存しておいた方が良いです

>>429
ありがとうございます、参考にします

ハハッ!

>>435
書きます


武内P「代役を引き受けては……頂けませんか」

拓海「アタシは特攻隊長、向井拓海だぞ?」

拓海「誰かの代わりなんざ、まっぴらごめんだぜ」

夏樹「……って事なんで、悪いね」

武内P「いえ、急なお願いでしたので……当然かと」

拓海「代役じゃなくても、ランドの仕事なんか受けられっかよ!」

拓海「夢の国だぁ? ハッ! ガラじゃな――」


武内P「サンリオピューロランドの担当の方に、連絡しておきます」


拓海「……」

拓海「……サンリオ?」

拓海「……オイ、テメエ……今、なんつった?」

武内P「? はい、担当の方に、待ってもらうよう連絡を――」

拓海「その前だよ! その前!」

武内P「? アスタリスクのお二人の代役で、急なお願いで――」

拓海「戻りすぎだコラァ! 何ランドだって聞いてんだよ!」

武内P「?」


武内P「サンリオピューロランド、です」


拓海「……!」

夏樹「拓海? どうかしたのか?」

拓海「っ!?……い、いや……なんでもねえ」

夏樹「まあ、そういう訳だから他を当たってくれ」

武内P「はい。お手数をおかけして、すみませんでした」

拓海「……オイ、ちょっと待て」

武内P「はい?」

拓海「……内容だけでも、聞いてやろうじゃねえか」

夏樹「おいおい、断る仕事の内容を聞いてもしょうがないだろ?」

拓海「……うるせえな、ちょっと気になっただけだよ」


武内P「パレード・ショーで、キャラクターとの合同LIVEです」


拓海「……!?」

拓海「パレードで……合同LIVEだぁ!?」

武内P「はい」

拓海「オイ……『知恵の木』の周りでやる、アレか!?」

武内P「はい、その予定です」


拓海「キティちゃんも一緒にか!? あぁ!?」


夏樹「……キティちゃん?」

拓海「あ? んだよ、キティちゃんは、キティちゃんだろうが」

夏樹「……」


夏樹「……ああ、そうだな」ニヤァ

武内P「……そうですね、合同ですので、当然一緒になります」

拓海「……マジで言ってんのかよ、それ」

武内P「はい」

拓海「……キティちゃんと合同LIVE……!」


夏樹「――まあ、もう良いだろ? 行こうぜ、拓海」


拓海「あ……?」

夏樹「この仕事は、もう断っただろ」

拓海「……ま、まあ……そうだけど、よ」

夏樹「だろ? あんまり長居しても、邪魔になる」ニヤニヤ

武内P「いえ、ご足労頂いたのは、こちらの方ですので」

夏樹「ん? ゆっくりしてっても良いのかい?」

武内P「はい。次の、代役の方を探す作業はしますが……」

拓海「……」

夏樹「なあ、アタシらが受けたら、パレードでどんな事をしてたんだい?」

拓海「! お、おぉ! そりゃ、確かに気になるな!」

武内P「そうですね……向井さんの場合、ですが」

拓海「……」


武内P「ネコを模した衣装で、ハローキティとペアで動く形に」


拓海「キティちゃんとタイマンだぁ!?」

夏樹「拓海、ペアだペア」

拓海「お……おう」

武内P「木村さんには、多田さんの代理をお願いするので……」

夏樹「ああ、だりーの代わりってことは、ギターをひくのか」

武内P「ええ、ペンギンを模した衣装で――」

夏樹「あっ! それ、アイツだろ?」


夏樹「しかく……さんかく?」


拓海「ばつ丸だコラァ!」


夏樹「ああ! そう言えば、そうだった!」

夏樹「あの、悪そうな奴な!」


拓海「あぁ!? ひねくれ者に見えるけど、本当はイイヤツ――」


夏樹「へえ?」ニヤァ~

拓海「――……かは、知らねえが」

夏樹「だけど、あんな真っ黒だしなぁ」

拓海「……んだと? 見た目と中身は関係ねえだろうが!」

夏樹「目つきも、かなり悪いし」

拓海「そこがシブいんだろうが! 喧嘩売ってんのか!?」

夏樹「いやいや……そういや、アンタちょっと似てるよな」

武内P「私が、ですか?」

拓海「チッ! どこが似て――」


武内P「……」


拓海「――ばつ丸君じゃねーか」


武内P「えっ!?」

拓海「い、いや、違う! 何でもねえ!」

夏樹「……」ニヤニヤ

夏樹「ちなみに、アタシだけ受けるってのは可能かい?」

拓海「オイ、夏樹!? テメエ……どういうつもりだ!?」

夏樹「この人には、借りがあるからな」

拓海「サンリオの仕事を一人で受けようってのか!?」

夏樹「どうだい? ばつ丸くん」


武内P「はい……それは、可能です」


拓海「!?」

武内P「木村さんが引き受けて頂けると……はい、とても助かります」

夏樹「なるほどね」


夏樹「――それじゃあ、アタシは乗るぜ、この話!」


拓海「!!?」

武内P「木村さん……よろしいのですか?」

夏樹「ああ! スケジュールの調整は、頼めるんだろ?」

武内P「はい、勿論です」

拓海「オイ! あ、アタシは、その……良いのか!?」

武内P「はい?」

夏樹「おいおい、別に拓海は借りがあるわけじゃないだろ?」

拓海「……そりゃ、そうだけどよ」


夏樹「なっ、ばつ丸くん!」

武内P「は……はあ」


拓海「……!」

夏樹「この仕事のプロデュース、宜しく頼むぜ!」

武内P「はい、可能な限り、要望には応えようと思います」

夏樹「へー! 随分気前が良いじゃないか!」

武内P「当然の結果です」

夏樹「そりゃまた……どうしてだい?」


武内P「困っている時に……助けていただけるのですから」


拓海「!」


夏樹「まっ、困った時はお互い様、って言うしな」


拓海「!!」

拓海「……チッ! ったく、しょーがねーなー!」

武内P「向井さん?」

拓海「オイ、夏樹」

夏樹「んー? どうした?」


拓海「テメエだけに良い格好させてたまるかってんだよ!」


武内P「! それでは……?」


拓海「亜威怒流、上等! アタシが――」


夏樹「里奈、サンリオ好きみたいな事言ってたな」

武内P「! 藤本さんに、連絡を取っていただけると?」


拓海「おぉ、やってやんよ! 夜露士苦ゥ!」

拓海「……」

拓海「あぁ!?……あっ……あぁん!?」

夏樹「里奈とか、ああいう系統の子はサンリオ好きが多いしな」

武内P「はい……そう、思っていたのですが」

夏樹「へえ、知ってたのか」

武内P「ええ、なので……向井さんにも、お話を」

夏樹「まあ、里奈なら引き受けてくれると思うぜ」


夏樹「――なっ、拓海!」


拓海「あっ? あ、いや、どう……だろうな?」

夏樹「おいおい、さっきの威勢はどうしたんだよ?」

拓海「う、うるせえな!」


夏樹「特攻隊長の名が泣くんじゃないのかい?」ニヤニヤ


拓海「!」

拓海「……夏樹……テメエ……!?」

武内P「お話によれば、猫も好き……と、聞いていたので」

拓海「おっ、おう! 動物系の仕事は、まあ、それなりにな!」

夏樹「だけど、代役ってのは嫌なんだろ?」

拓海「そうは言ったけどよ……言ったけど!」

武内P「向井さんならば適任だと、そう、考えての事でした」

拓海「まっ、まあ? そこまで言われちゃ、アタシだって考えなくも――」


夏樹「拓海は、一度決めたら最後まで突っ走るからなぁ」

夏樹「キティちゃんくらい、動かすのは大変だぜ?」


拓海「あぁ!? りんご三個分くらい、余裕に決まってんだろうが!」

拓海「……じゃねえ! アタシは、そんなに軽くねえぞ、コラァ!」


武内P「……りんご三個分?」

拓海「おぉ、キティちゃんの体重が、りんご三個分なん……」

武内P「……」


夏樹「あっはっはっはっは!」

夏樹「たっ、拓海……詳しす……あっはっは!」

拓海「夏樹ィ! お前、マジで、お前……んあああ!」

夏樹「ヒー……ヒー……! あはは、悪い悪い!」

武内P「その……向井さんは、サンリオがお好きなのですか?」

拓海「あぁ!? そりゃ、お前……」

武内P「……」

拓海「……チッ!」


拓海「ああ、だったらどうした!? 文句あんのか、あぁん!?」

拓海「キティちゃん、カワイイだろうが! えぇ、オイ!」


武内P「では、この仕事……」

夏樹「引き受けてくれるかな?」


拓海「いいとも!」

拓海「……夏樹ィィィ! テメエ、マジ調子ん乗るなよ!?」

夏樹「あはっはっは! はっは……ゴホッ! あっはははは!」

  ・  ・  ・

武内P「――木村さん、向井さん、お疲れ様でした」

武内P「今回は、非常に助かりました」

武内P「改めて、お礼を言わせてください」


夏樹「なあに、良いって良いって。なっ、拓海」

拓海「おぉ、やると決めたからには、スジを通しただけだ」

夏樹「アタシ、あんなニコニコした顔初めて見たぜ?」

拓海「バッ……おま……!? にっ、ニコニコなんてしてねえ!」

夏樹「って言ってるけど、アンタはどう思う?」

拓海「オイ! ニコニコなんてしてねえよな!? なっ!?」


武内P「はい」

武内P「とても……キラキラした、良い、笑顔でした」


夏樹「……っくく!」

拓海「……」

夏樹「なあ、次の合同LIVEはいつだい?」

武内P「次、ですか?」

夏樹「一回限りの代役ってわけでも……無いんだろ?」

武内P「そう、ですね……先方と、検討してみます」

夏樹「だってよ! 良かったな、拓海!」

拓海「……チッ! うるせえな!」


拓海「……オイ、夏樹」

拓海「何で、アタシに最初……サンリオの仕事って言わなかったんだ?」

拓海「ランドなんて言ったら、勘違いするに決まってんだろーが」


夏樹「ん?」

夏樹「そりゃあ、勘違いすると思ったからだよ」


拓海「……あぁ!?」

拓海「オイ! そりゃ、一体どういう意味だ!?」

夏樹「ああいう流れじゃないと、素直に仕事を受けるって言わないだろ?」

拓海「んなことねー……事も……無い、な」

夏樹「だろ?」

拓海「お前……まさか、それで?」

夏樹「まあ、それに、珍しいものも見れたからな! っくく!」

拓海「オイ、コラ夏樹! マジで調子――」


武内P「――はい」

武内P「木村さんも……とても、キラキラした、良い笑顔でした」


夏樹「はっ?」

拓海「あっ?」

武内P「えっ?」

夏樹「ま、待ってくれよ! アタシが、キラキラしてたって?」

武内P「? はい」

拓海「オイ、詳しく聞かせろって、なぁ」

夏樹「何かの間違いだろ?」

武内P「……こちらが、LIVEの時の写真になります」

スッ…

夏樹・拓海「……」


武内P「私には、木村さんも……とても、楽しんでいるように見えました」


拓海「……夏樹?」

夏樹「……まあ、なんだ」


夏樹「アタシだって、こういう時もある」


拓海「あぁ、なるほどな」

拓海「……って、それで納得すると思ってんのか!? オイ、夏樹ィ!」

夏樹「いや……だって、名前に『バッド』なんて付いてるんだぜ?」

夏樹「存在からして、もうロックで……な、わかるだろ?」

拓海「わかる。ばつ丸くんの、媚びねえ態度は憧れるぜ」

夏樹「だろ? つまり、そういう事だよ」

拓海「……なるほどな」


拓海「お前も好きだったんじゃねーか! ふざけんじゃねえぞ!?」


夏樹「……オイオイ、アタシがいつ嫌いだなんて言った?」

拓海「言ってねえな! ああ、確かに言っちゃいねえ!」

拓海「そういや、『知恵の木』もサラッと受け入れてたよなぁ!?」

夏樹「拓海、お前……よく覚えてるな」


拓海「クソッ! お前……お前……!?」


夏樹「ははは、悪い悪い」

拓海「オイ! テメエも何とか言え!」

武内P「私が……ですか?」

拓海「そもそも、テメエが話を持ってきたから、こんな事になったんだろーが!」

夏樹「まあ、確かにそうだな。ホラ、アタシ何か言うことは?」

武内P「えっ!?」


拓海・夏樹「……」


武内P「……次の合同LIVEも、頑張ってください」


拓海・夏樹「……それだけ?」


武内P「……笑顔で、頑張ってください」


夏樹「……あっはっはっはっは! オーケー! あっはは!」

拓海「……喧嘩上等! 行くぞ、オラァ!」



おわり

ついにいちごパスタを勧められてしまう武内P

>>476
書きます


武内P「調理実習、ですか」

ありす「はい、そうなんです」

武内P「しかし……何故、それを私に?」

ありす「皆、あれだけはやめておけ、って言うんです」

武内P「その……あれ、とは?」


ありす「いちごパスタです!」


武内P「……」

武内P「なるほど」

武内P「その、他の料理にする事は、出来ないのでしょうか?」

ありす「えっ?」

武内P「皆さんが反対なさるのでしたら、何か、理由があると思うのですが」

ありす「……」

武内P「橘さん?」


ありす「……やっぱり、いちごパスタはダメですか?」ショボン


武内P「……」

武内P「いえ、そんな事はありません」

武内P「いちごパスタ自体が駄目、という訳ではありません」

ありす「だったら……どうしてですか」

武内P「恐らくですが、皆さんがいちごパスタに反対するのは……」

ありす「するのは……?」


武内P「パスタは、しょっぱい食べ物だ、というイメージがあるからだと思われます」


ありす「それが、どうして反対する理由になるんですか?」


武内P「……」

武内P「待ってください、助けを呼びます」

  ・  ・  ・

凛「――お待たせ」


ありす「凛さん」

凛「ありすが、どうしてここに? プロデューサー、どういう事?」

武内P「渋谷さん、ご足労頂き、ありがとうございます」

凛「……まあ、暇だったし」


凛「それで? 何の用?」


武内P「今日一日、敬語で話していただけますか」


凛「……」

凛「はっ?」

ありす「あの……凛さんが敬語で話すのに……」

凛「何の意味があるの? ねえ、プロデューサー」

武内P「渋谷さん、お願いします」ペコリ

凛「ちょっ、ちょっと!? なんで頭を下げるの!?」

武内P「どうか、お願いします」

凛「とにかく、顔を上げて! 意味がわからないから!」

武内P「お願いします……渋谷さん、お願いします」

凛「わっ、わかった! わかったから!」


凛「敬語を使えば良いんでしょ!?」


武内P「……ありがとう、ございます」

ありす「……?」

武内P「――では、スタートで」

凛「えっ? ちょっと……もう始めるの?」

武内P「……」ジッ

凛「……もう、始める……んですか」

武内P「はい。何か、質問はありますか?」

凛「……私が、敬語で話さなきゃいけない理由を説明して……ください」

武内P「少しだけ、待ってください」


武内P「橘さん、敬語を使う渋谷さんをご覧になって、どう思われましたか?」


ありす「えっ? キモ……い、違和感を感じます」


凛「ねえ、今、キモいって言わなかった?」

武内P「……」ジッ

凛「……言いませんでしたか?」

武内P「渋谷さんは、普段は敬語を使っていません」

ありす「はい。私も、今初めて聞きました」

凛「ねえ、ちょっと」

武内P「橘さんの、普段の渋谷さんのイメージとは、違ったようですね」

ありす「はい、そうです……あっ!」

凛「……ねえ、まさか」


ありす「イメージと違いすぎて、キモ……変に思うって事ですか?」


武内P「違和感、ですね」

武内P「しょっぱいイメージの食べ物が、甘酸っぱいという違和感」

武内P「……これが、皆さんがいちごパスタを止める理由かと」


凛「そのためだけに呼び出したの!?」

ありす「で、でもっ! イタリアンって、赤いイメージがあるじゃないですか!」

武内P「その赤いイメージは、トマトですね」

凛「納得出来ない! この扱いは何なの!?」

ありす「じゃ、じゃあ……皆、本当はいちごパスタの事……」


凛「ちょっと! ねえ、馬鹿にしてるの!?」


ありす「キモ……変だって、思ってたんですか!?」


武内P「いや……――どちらも、違う」


凛・ありす「……」

凛・ありす「!?」

凛「い、今……えっ、何? 何!?」ドキドキ!

ありす「なんだか、普段と……雰囲気が……!?」ドキドキ!

武内P「……」

凛「ね、ねえ……何か言ってよ、プロデューサー」ドキドキ!


武内P「俺は、君を馬鹿にした事は、一度もない」


凛「俺!? あっ、は、アンタが、お、おお、お」ドキドキドキドキ!


武内P「敬語は、どうした?」


凛「はひっ! 敬語! 敬語、使いまふ!」ドキコーン!

ありす「……!?」ドキドキ!

武内P「……――と、この様なケースもあります」

凛・ありす「……!」ドキドキ!

武内P「如何でしたか?」

ありす「ど、ドキッとしました! 凄く……凄く、ドキッとしました!」ドキドキ!

凛「私もしました! 悪くないと……いえ、とても、良いと思いました!」ドキドキ!


武内P「違和感と言うものは、良い効果をもたらす場合もあります」

武内P「なので、いちごパスタは、変なだけとは、言い切れません」

武内P「そうですね……少し、手を加えてみてはいかがでしょうか?」


凛「はいっ!」ドキドキ!

ありす「いえ、あの……どうして凛さんが返事するんですか?」

ありす「でも、手を加えるって……どうすれば?」

武内P「まず、パスタの形状を変えてみるのはどうでしょうか」

凛「賛成です!」ドキドキ

ありす「形状……形を変える、っていう事ですか?」

武内P「はい」

凛「とても、良い案だと思います!」ドキ…ドキ…


武内P「橘さんは、いちごを練り込んだ麺を使用していたと、そう、聞いています」

武内P「その形状が、ロングパスタに分類されるものだとも」

武内P「なので、パスタを……ショートパスタにしてみては、どうでしょうか?」


ありす「ショートパスタ?」

凛「ね……ねえ、ちょっと……?」

武内P「少々、お待ちいただけますか」

…カタカタ

武内P「こちらが、ショートパスタに分類されるパスタですね」

ありす「……失礼します」

ありす「へー! マカロニとか……あっ、リボンみたいな形のも!」

武内P「ラザニアも、実はパスタで――ロングパスタに、分類されています」

ありす「ラザニアもパスタだったんですか!?」

武内P「はい」

ありす「私……こんなにパスタに種類があるとは、思ってませんでした」


凛「あの……敬語で……プロデューサー?」

ありす「それにしても……詳しいんですね」

武内P「食には関心があります」

ありす「ショートパスタ、興味が出てきました!」ニコッ!

武内P「良い、笑顔です」

ありす「でも、これだけ種類があったら、どれにしたら良いか……」

武内P「私のオススメは……――これです」

ありす「この、丸いのは……」


武内P「ニョッキ、です」


ありす「なんだか、お団子みたいですね!」

凛「……ねえ、ちょっと?」

武内P「橘さんのその例えは、的を射ています」

ありす「えっ?」

武内P「団子も、穀物の粉を丸めたものですから」

ありす「ニョッキは……お団子の、親戚ってことですか?」

武内P「はい。ですが、このニョッキには……ある特徴が」

ありす「丸いだけじゃなくて、他にも?」

武内P「穀物の粉――小麦粉を使用するのは同じですが……」


武内P「生地に、ジャガイモを使用します」


ありす「ジャガイモを!?」

凛「……プロデューサー?」

武内P「ジャガイモでなく、カボチャを使用する場合もありますね」

ありす「カボチャのは……カボチャ味なんですか?」

武内P「はい。シンデレラには、カボチャだとは思ったのですが……」

武内P「イチゴを練り込む事を考えると、ジャガイモの方が適しているかと」

ありす「で、でも……ジャガイモと、イチゴはさすがに合わないんじゃ?」

武内P「問題ありません」

武内P「イチゴの水分と、粉の量で十分調整可能な範囲かと」

ありす「……それじゃあ!」


武内P「良いいちごパスタ――いちごニョッキが、作れるだろうと、そう、思います」


ありす「……!」

凛「……」

武内P「ニョッキを作る工程自体は、そう、難しくありません」

武内P「問題は生地の硬さの調整ですが……」

ありす「いちごスパゲッティを作った事があるので、大丈夫です!」

武内P「……はい、そう仰るだろうと、思っていました」

武内P「いちごのニョッキに……そうですね」

武内P「ソースは、イチゴの形が丸ごと残る、シンプルなものを」

武内P「まろやかさと、コクを出すために、仕上げに生クリームを垂らし――」

ありす「……!」ゴクリ


武内P「仕上げは、大人の爽やかさを出すため――ミントの葉を少々」


ありす「やります! 私、いちごのニョッキを作ります!」ムフー!

武内P「……はい、頑張ってください」


凛「……」

ありす「あ、あのっ!」

武内P「何でしょうか?」

ありす「えっと……色々と、聞きたいので、その……」

武内P「はい、連絡先の交換、ですね」

ありす「! あ、ありがとうございます!」

武内P「私も、休日に自宅で試しに作ってみようと思います」

武内P「生地には、そうですね……グラニュー糖も入れた方が良いかも知れません」

ありす「……グラニュー糖」

武内P「……」


武内P「レシピが出来たら、タブレットの方にお送りします」


ありす「! はいっ!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


凛「……」

  ・  ・  ・

武内P「……――これで、大丈夫そうですね」


凛「プロデューサー、お疲れ様です」


武内P「……渋谷さん」

凛「調理実習もプロデュースなんて、凄いですね」

武内P「問題が起こっては……はい、困りますから」

凛「はい。イメージダウンするかも、知れないですよね」

武内P「その……ご協力、ありがとうございま」


凛「ふざけないでよ!!」


武内P「っ!?」

凛「あの流れに持っていくために、私を呼んだんでしょ!?」

武内P「も、申し訳ありません!」

武内P「ですが、橘さんを説得するには、他に方法が!」

武内P「その……橘さんと、そのご学友の笑顔が!」

凛「……」

武内P「……!」

凛「……俺」

武内P「はい?」


凛「……もう一回、俺、って言ったら許してあげる」


武内P「……」


凛「……」ドキドキ!

武内P「……申し訳、ありません。それは、出来ません」

凛「は? 自分の事を‘俺’って言うだけでしょ?」

武内P「先程ので……プロデュースパワーを使い果たしてしまいまして……」

凛「プロデュースパワー」

武内P「はい……プロデュースパワーを」

凛「……」

武内P「……」


凛「納得出来ません。ふざけないでいただけますか?」

凛「アナタ、私のプロデューサーですよね?」


武内P「し、渋谷さん?」


凛「きちんと説明していただけるまで、この言葉遣いをやめません」


武内P「っ!?」

武内P「待ってください! あの、途轍もない違和感が!」

凛「はい。けれど、仕方ありませんよね?」

武内P「……」

凛「プロデューサー? 観念して、俺、と言う気になりましたか?」

武内P「……いえ」


武内P「そういった言葉遣いの渋谷さんも、その……」

武内P「とても新鮮で、新たな魅力を見つけたと……そう、思います」


凛「……」

凛「……ふ、ふーん……まあ、悪くないですね///」


武内P「いえ、悪くないどころか……とても良いと思います」


凛「……ちょっと……もう、やめてください///」

武内P「……ですが」

凛「な、何ですか?///」


武内P「私は、普段の渋谷さんの言葉遣いの方が、魅力的だと、そう、思います」

武内P「普段の、渋谷さんらしさのある……凛とした、あの口調が」


凛「……ふーん……敬語、要らないんだ?」


武内P「はい、必要ありません」

武内P「……やはり、そちらの口調の方が、魅力的ですね」

凛「魅力的、って……もう! からかわないで!///」

武内P「からかったつもりは、無いのですが」


凛「~~っ!/// もう良いから! 口調の話は終わり!///」


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」

  ・  ・  ・

ありす「ありがとうございます! おかげで、大成功でした!」

武内P「いえ、橘さん自身の、努力の成果です」

ありす「それで……えっと、その……」モジモジ

武内P「どうか、されましたか?」


ありす「プロデューサーにも、いちごパスタを食べて貰いたいな……って」


武内P「私に……ですか?」

ありす「はい! いっぱい協力して貰いましたから!」

武内P「……橘さん」

ありす「それに、クローネで凛さんが言ってたんです!」


ありす「普段通りが、やっぱり一番だよ、って!」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「待ってください……あの、それは、どういう意味でしょうか?」

ありす「? プロデューサーに言われた、って喜んでましたよ?」

武内P「いえ、あの……それと、いちごパスタと、何の関係が?」


ありす「えへへ……いちごニョッキは上手くいきましたから……」モジモジ

ありす「その、普段の私の……一番の……」モジモジ


ありす「いちごスパゲッティを食べて欲しいな、って思って……///」モジモジ


武内P「……!?」

武内P「それは、もう……作って、あるのでしょうか?」


ありす「はいっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


武内P「やはり……そう、甘くはないですね」



おわり

書きます


武内P「告白、ですか」

凛「……された」

武内P「同じ学校の先輩に……ですか?」

凛「……うん」

武内P「あの、渋谷さん」

凛「……何?」


武内P「渋谷さんが通っているのは、女子校では?」


凛「……だから困ってるの!」

凛「ねえ、どうすれば良いと思う?」

武内P「その……どう、と言われましても……」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

武内P「ですが、その……プライベートな、事なので……」

凛「……」

武内P「……」


凛「私に、彼女が出来ても良いってこと?」


武内P「えっ?」

武内P「あの……渋谷さん?」

凛「止めないっていう事は、そういう事でしょ」

武内P「待ってください! 決して、そういった意味ではなく!」

凛「先輩、凄く可愛いんだよ」

武内P「っ……!」

凛「……同性でも、うん、ドキッとする時がある」

武内P「……渋谷さん」

凛「……何?」


武内P「その先輩の……連絡先は、ご存知でしょうか?」


凛「……」

凛「はっ?」

凛「ねえ、どういうつもり?」

武内P「はい?」

凛「私から、先輩の連絡先を聞いて……どうするの?」

武内P「渋谷さんも褒める程の方ならば……」

凛「ならば?」

武内P「……」


武内P「……笑顔です」


凛「……」

凛「良いよ、続けて」

武内P「あの、渋谷さん……連絡先は……」

凛「ねえ、プロデューサー。笑顔が、何なの?」

武内P「その、笑顔が……ですね」

凛「笑顔が?」

武内P「……見たいと、そう、思いました」

凛「ふーん」


凛「絶対教えない」


武内P「……し、渋谷さん?」

凛「プロデューサーには、絶対教えないから」

武内P「……!?」

武内P「あ、あの……何故、でしょうか?」

凛「わからない?」

武内P「はい。皆目、見当がつきません」

凛「……へえ」

武内P「連絡先が無理なようでしたら――」

凛「……」


武内P「私に、渋谷さんの先輩を……紹介していただけませんか?」


凛「ねえ、どうしてそうなるの?」


武内P「えっ? それは、渋谷さんが、可愛らしいと仰ったからで……」


凛「ふざけないでよ!!」


武内P「っ!?」

凛「ねえ、今、何の話をしてた!?」

武内P「渋谷さんの、先輩のお話です」

凛「違……わないけど! そうじゃないでしょ!?」

武内P「えっ?」

凛「だから! 私と先輩が付き合っても、良いの!?」

武内P「……」


武内P「あっ」


凛「……あっ? ねえ、今……あっ、って言ったよね?」

武内P「……」

凛「忘れてたの!?」

武内P「その……プライベートな事、なので」

凛「答えになってない。質問に、ちゃんと答えて」

武内P「……」

凛「プロデューサー、忘れてたよね?」

武内P「……」

凛「先輩が、凄く可愛いって聞いて、スカウトしようとしてたでしょ?」

武内P「……申し訳、ありません」


武内P「勤務時間中だったので、その……つい」


凛「……」

凛「ふーん。それなら、こっちにも考えがあるから」

凛「……私、先輩と付き合うから」

武内P「渋谷さんと先輩の――ペアユニット、ですか」

凛「そういう意味じゃない!」

武内P「? では、どういった意味……でしょうか?」

凛「それは……デートしたり、その……キスとかも、するんじゃないの」

武内P「っ!?」

凛「ねえ、それでも……プロデューサーは、良いの?」


武内P「待ってください!」


凛「っ!」


武内P「何かの素材に、使用できるかも知れません」

武内P「撮影のため、同行する事は可能でしょうか?」


凛「本当、何なの!?」

凛「ねえ、ちょっと! 仕事から離れてくれない!?」

武内P「えっ? 仕事から……離れる……ですか?」

凛「そう! 私、相談してるんだけど!」

武内P「……待ってください」

凛「プロデューサー! ねえ!」


武内P「仕事から離れる……離れ……えっ?」

武内P「プロデュー……プライベート……離れ……」

武内P「……仕事から、離れる……? 離……れる?」


凛「待って、わかったから」

凛「大丈夫、仕事からは離れなくていいから」

凛「……もう、わかった。聞き方を変える」

武内P「はい?」

凛「アイドルってさ、恋愛しても良いの?」

武内P「そう……ですね。あまり、推奨はされません」

凛「そうでしょ?」

武内P「はい」


武内P「ファンの方には、アイドルの方に特定の相手が居るのを嫌がる方もいらっしゃいますから」


凛「……からの!?」


武内P「ですが、私は、渋谷さんの意見を尊重したいと思います」

武内P「プロデュース方針に変更はあるかもしれませんが……」

武内P「貴女の笑顔を見続けていきたいと、そう、思います」


凛「どうしてそうなるの!?」


武内P「えっ!?」

凛「普通はさ、止めるものでしょ!?」

武内P「……そう、ですね。その通りだと思います」

凛「なら、どうして止めないの!?」

武内P「笑顔です」

凛「……は?」


武内P「私に――プロデューサーに、相談する程の案件です」

武内P「渋谷さんご自身も、悩んでいると、そう、考えました」

武内P「もしも……アイドルという立場が、判断を鈍らせているのならば」

武内P「……私は、貴女の出した結論を全力でサポートします」


凛「笑顔になんてなれない!」


武内P「えっ!?」

凛「何考えてるか、全然わからない!」

武内P「いえ、あの……!」


武内P「渋谷さんが仰るには、とても可愛らしく、魅力的な方だと」

武内P「しかし、アイドルという立場上、付き合う事を公にするのは……はい」

武内P「加えて、同性という事なので、風評や、世間体の問題もあります」

武内P「なので、可能な限り行動を共に出来るよう――ペアユニットを」

武内P「……これならば、共に行動する時間も、自然に、且つ、長く取れるかと」


凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ!


武内P「っ!? 渋谷さん!?」

武内P「あの……この企画に、何か問題がありましたか!?」

武内P「申し訳ありません! すぐ、次の企画を!」

凛「全然わかってない!」

武内P「えっ?」

凛「私、別に先輩の告白を受ける気は無いから!」

武内P「そう……なのですか?」

凛「そう!」


凛「どうやって断ったら良いか、意見が聞きたかっただけ!」

凛「それで、私が告白されたって聞いたら、アンタはどんな反応するかなって思ったの!」

凛「そしたら……何!? その、反応!」


武内P「……はあ」


凛「……!」

武内P「渋谷さんは、その先輩とお付き合いする気は無い、と」

凛「……そうだよ」

武内P「申し訳、ありません」

武内P「お付き合いをするにあたっての相談かと、そう、思いました」

凛「……違うから」

武内P「断るのにあたって、お困りだ……と」

凛「……うん」


武内P「では――その方に、こちらの……私の名刺を渡していただけますか?」


凛「っ!? アンタ、まだスカウトす――」


武内P「そういった話は、まず事務所を通す様に言われている、と」

武内P「……そう、お伝えください」


凛「――る気……って」

凛「……」

凛「えっ?」

凛「……どういう事?」

武内P「勿論、渋谷さん自身の言葉で、お断りをするのが一番です」

凛「あ……うん」

武内P「ですが、貴女は――アイドルです」

凛「そう……だね」

武内P「相手の方によっては、話がこじれてしまう場合があります」

武内P「今後のアイドル活動や、学校生活に支障をきたす……そういった、可能性が」

凛「……」


武内P「そういった点で、渋谷さんがお困りでしたら……はい」

武内P「私も――全力でサポートしたいと、そう、思います」


凛「……」

凛「ふ、ふーん……まあ、悪くないかな」

凛「……そこまで、考えてくれてたんだ」

武内P「当然です」

武内P「私は、貴女のプロデューサーですから」

凛「……う、うん」

武内P「では、名刺を……どうぞ」

凛「……」


凛「……ねえ」

凛「この名刺……顔写真がついてるんだけど」


武内P「はい」

武内P「その……私は……この見た目なので、はい」

武内P「‘こういった時’用の、名刺ですね」


凛「……」

凛「……ふーん」

  ・  ・  ・

凛「告白、ちゃんと断ったから」

武内P「はい……その、お疲れ様でした」

凛「ふふっ、何それ?」

武内P「……」

凛「やっぱり、自分の言葉で断ったよ」

武内P「そう……ですか」

凛「うん」


凛「アイドルだったら、堂々としてないと……でしょ?」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「それでは……名刺は、渡されなかったのですか?」

凛「あー……まあ、うん」

武内P「そう、ですか」

凛「名刺を渡して、さ」

武内P「はい」

凛「もしも、本当に連絡がきたら、どうする気だったの?」


武内P「そう、ですね……電話口で済むのならば、それで」

武内P「それでも無理ならば、直接、会って話し合いを」


凛「……その時に、スカウトしたり?」


武内P「……」

武内P「それは……どう、でしょうね」

  ・  ・  ・

凛「……本当、仕事の事しか頭に無いんだから」

凛「……」

凛「ふふっ!」

凛「まあ、おかげで、考えても無かった物が手に入ったから、良いけど」

凛「……」

凛「写真写りは、そんなに悪くないんじゃないかな」

凛「……」


凛「アンタ、私のプロデューサーなんだから」

凛「そう簡単に、渡すわけないでしょ」


凛「……って、名刺相手に何言ってんだろ」


凛「返事なんかしないのに」



おわり

書きます


武内P「テスト勉強、ですか」

アーニャ「ダー! みくと、一緒にお勉強、です♪」

武内P「しかし……テスト期間は、まだ先では?」

みく「甘いにゃPチャン! こういうのは毎日の積み重ね!」

武内P「……!」

アーニャ「? プロデューサー?」

みく「固まっちゃって、どうしたのー?」


武内P「いえ、少し……感動してしまって」


みく・アーニャ「……感動?」

みく「みく達が勉強してて、どうして感動するにゃ?」

武内P「お二人とも、アイドル活動を非常に頑張っていらっしゃいます」

アーニャ「ダー。アイドルのお仕事、とても楽しい♪」

武内P「それに加えて、学業にも真面目に取り組むのは、容易ではありません」

みく「大袈裟だよPチャン! こんなの、当り前の事にゃ!」

アーニャ「ミクの言う通り、です。当り前、です」

武内P「……!」


武内P「私に出来ることでしたら、可能な限り、協力させてください」


みく・アーニャ「えっ?」

みく「いっ、良いよPチャン!? ここを使わせてくれるだけで、十分にゃ!」

アーニャ「スパシーバ、プロデューサー。その気持だけで、とても、嬉しい」

武内P「……前川さん、アナスタシアさん」

みく「勉強は、自分のためにやるもの! だから、気を遣わなくて良いよ!」

アーニャ「ダー。アイドルも、勉強も、良い経験です」

武内P「……!」


武内P「……では、何かありましたら、声をかけてください」

武内P「頑張るお二人のためならば、出来る限りの事はしますので」


みく「うん!」

アーニャ「ダー!」

  ・  ・  ・

みく「……ふぅ、ちょっと休憩!」

アーニャ「いっぱい、勉強しましたね?」

武内P「前川さん、アナスタシアさん、お疲れ様です」

みく「まだ、予定の半分にゃ。休憩したら続きをやるよ!」

アーニャ「ダー。アビシシャーニエ、約束、ですね?」


みく「でも、ちょっと目が疲れたにゃ」


武内P「!」


アーニャ「ミクは、アー、眼鏡をかけていますね?」

みく「これをかけると、勉強するぞ、って気になるの!」

アーニャ「ハラショー♪ アー、切り替え、ですね?」


武内P「……」

みく「そう、切り替え! 真面目モードのみくにゃ!」

アーニャ「ふふっ、眼鏡をかけたミクも、とっても可愛い♪」


武内P「前川さん」


みく「? Pチャン、どうしたのー?」

武内P「どうぞ、こちらの目薬を使ってください」

アーニャ「目薬?」

武内P「はい。眼精疲労に、よく効きます」

みく「うぇー……お目々シパシパするから良いよ」

みく「……あっ!……にゅふふ!」ニヤリ


みく「Pチャンが、みくに目薬を差してくれるなら良いよ!」ニヤニヤ


武内P「はい、わかりました」


みく「にゃっ!?」

みく「わかりましたって……Pチャン!?」

武内P「座ったままで良いので、上を向いて頂けますか」

みく「いや、あの、ちょっと!?」オロオロ

武内P「……申し訳ありません。少し、手で抑えますね」

クイッ!

みく「あ、顎クイ……!?///」

武内P「では、まず右目から」

…ポタッ!

みく「ひにゃっ!? こっ、これメッチャしみるやん!」

武内P「それでは、左目を」

…ポタッ!

みく「ふぎゃっ!? あかん! あかんってPチャン!」


武内P「……目の疲れは、取れましたか?」


みく「め、目薬を差してそんなすぐ――」

みく「……」


みく「なんか……凄く遠くまで、ハッキリ見えるにゃ」

みく「ぴ、Pチャン!? その目薬、何!?」

武内P「プロデュース目薬です」

みく「明らかにヤバげな単語が飛び出してきた!」

武内P「ですが、これで残りの勉強も捗るかと」

みく「確かに……確かにそうだけど!」

武内P「勉強、頑張ってください」

みく「……はぁ、まあ、目の疲れが取れたのは事実だし」


みく「ありがと、Pチャン! みく、残りも頑張るにゃ!」ニコッ!


武内P「良い、笑顔です」


アーニャ「……」

アーニャ「……みくだけ、ズルい、です」

みく「へっ?」

武内P「アナスタシアさん?」


アーニャ「私も……アーニャも、何かして欲しい、です」


武内P「そう……言われましても」

みく「あーにゃんも、目が疲れてたりするのー?」

アーニャ「ニェート。平気、です」

みく「だったら……首とか、肩が疲れてたりとか?」

アーニャ「アー……それは、少し?」

武内P「! わかりました」


武内P「首と、肩のマッサージをしようと、そう、思います」


みく・アーニャ「!?」

みく「マッサージって、Pチャンが!?」

武内P「アナスタシアさん、座ったままで、結構ですので」

アーニャ「ぷ、プロデューサー……?」

武内P「……痛いと感じたら、仰ってください」

アーニャ「……ダー。ですが、ツェルピリーゥスト、アー、我慢、します!」

アーニャ「マッサージは、アーニャのためですね? なら、当然、です!」


武内P「……はい、わかりました」

…グッ!

アーニャ「――ニェ――ット!? あいっ、あ、ボーリナ! ボーリナ!」ジタバタ!

武内P「……」

グッ、グッ!

アーニャ「ボォォォ――リナァ――ッ! ニェート! ボーリナ! ボーリナァッ!」ジタバタ!


みく「いやそれ、痛いって言ってるんじゃないの!?」

武内P「えっ? すみません、よく、聞こえなかったのですが」

グッ、グッ、グッ!

アーニャ「ニェートニェートニェーット! プロデューサー! ボーリナ! ボーリナ!」ジタバタ!


みく「あーにゃんの表情が大変な事になってるよ!?」

みく「アイドルがして良い表情じゃないにゃ!」


武内P「そう、なのですか? 後ろからは、確認出来ませんが……」

グッ、グッ、グッ、グッ!

アーニャ「プロデューサ――ッ!? ボーリナ! ボォォォリナ――ッ!!」ジタバタ!


みく「……」


武内P「これならば、確実に疲れは取れます」

グッ、グッ、グッ、グッ、グッ!

アーニャ「ニェ――ットォ! パジャールスタ! パジャ……ンボォ――リナァッ!?」ジタバタ!


みく「……」

  ・  ・  ・

アーニャ「プロデューサーは、ひどい、です」

武内P「……申し訳、ありません」

みく「物凄く痛がってたけど……アレ、何?」

武内P「プロデュースリラクゼーションです」

アーニャ「ニェート! アー、安らぎ、ありませんでした!」

武内P「っ!? で、ですが、肩と首の疲れは!」

みく「うっ、うん! 疲れは取れたんでしょ、あーにゃん!?」


アーニャ「疲れ? それは――」

グルングルングルングルングルンッ!

アーニャ「――……アー」


アーニャ「……一回だけ、腕を回そうとしました」

アーニャ「ですが、今……何周かしましたね?」

武内P「申し訳ありません。ボーリナという言葉が、痛いを意味するとは……」

アーニャ「……ニェート。私は、我慢すると、言いましたから」

武内P「……」

アーニャ「……」


みく「はいはい! もう、この話は終わり!」

みく「せっかく疲れが取れたんだし、勉強しないと勿体無いにゃ!」


アーニャ「……ダー! その通り、です!」

美波「そうね、あんまり休憩ばっかりもしてられないものね!」


美波「それじゃ、最後に私の番で、終わったら再開しましょ!」


みく・アーニャ「おーっ!」

みく・アーニャ「……」

みく・アーニャ「えっ!?」


武内P「新田さん……いつの間に……!?」

美波「ええっ!? そんな、最初から居ましたよ?」

みく「いや、居なかっ――」

美波「だけどっ!」

美波「私も、ちょっと疲れちゃいました」

みく「……」


美波「困ったわ……これじゃあ、集中出来ないかも」

アーニャ「美波は、何もしてな――」

美波「ああっ! どうしたらいいのかしら!」

美波「あっ、そうだ! プロデューサーさん、良いですか?」

アーニャ「……」


武内P「はあ……あの、どこが疲れているのでしょうか?」

美波「乳首です」

武内P「えっ?」

美波「ちょっと、乳首が疲れちゃって……お願い出来ますか?」

武内P「……」


みく・アーニャ「何を!?」

みく「美波チャン!? 何をお願いする気なの!?」

美波「えっ? 疲れを取ってもらおうとしたんだけど……?」

アーニャ「ニェート! 美波、いけません!」

美波「そうよね、アーニャちゃん! 疲れてちゃ、イケないものね!」

みく「なんでやねん!」

美波「ああんっ♡」ビクンッ!

美波「も、もうっ! 休憩中なんだから、ツッコミはダメよ?」

アーニャ「ミク! 美波を、アー、侮っては駄目、です!」

みく「えっ!? 今の、みくが責められる流れなの!?」


美波「お願いします、プロデューサーさん!」

美波「美波の疲れを取ってください!」


武内P「はい、わかりました」


美波「そんなっ!? どうして私だけ――」


美波・アーニャ・みく「……」

美波・アーニャ・みく「えっ!?」

みく「Pチャン!? 本気で言ってるの!?」

武内P「はい。このままでは、お二人の勉強が、捗りませんから」

アーニャ「ニェート! 気にしないで、ください!」

武内P「いえ、出来る限りの事はしようと、そう、決めていましたから」

美波「本当に、乳首の疲れを……あっ、想像しただけで、んんっ!♡」ビクンッ!


武内P「――それでは、新田さん」


美波「はいっ♡」ビクンッ!

みく「駄目にゃPチャン! 明らかに罠だよ!」

アーニャ「ニェート! プロデューサー、いけません!」


武内P「どうぞ、これを」

…スッ


美波「えっと……これは、ニップレス、ですか?」


武内P「いえ、違います」

武内P「プロデュースエレキバン、です」

みく「……プロデュース」

アーニャ「……エレキバン?」

武内P「はい」


武内P「プロデューサーが、担当アイドルのリラクゼーションを行えない場合」

武内P「こちらの、プロデュースエレキバンを使用します」

武内P「使用方法は、疲れていると思われる部分に貼るだけ、ですね」


美波「そんなっ!? 道具でだなんて!」


武内P「非常に、効果の高い物です」

武内P「市販のものとは……はい、比べ物になりませんね」


美波「あっ、でも……そういうのも、良いですね♪」

美波「ヤダ……なんだか、ドキドキしてきちゃった///」


みく・アーニャ「……」

武内P「前川さんとアナスタシアさんは、勉強を再開するので……」

美波「はいっ♪ 私は、隣のルームでこれを使うことにしますね♪」ホクホク

武内P「お気遣い、ありがとうございます」

美波「ふふっ、良いんですよ、このくらい」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


美波「――アーニャちゃん、みくちゃん!」

美波「お勉強、頑張ってね♪」


みく「あ……うん」

アーニャ「だ……ダー」


美波「それじゃあ……」

美波「――美波、イキに行きますっ♡」


ガチャッ…バタンッ


みく・アーニャ「……」

  ・  ・  ・

みく「――うんっ、今日はこのへんにするにゃ!」

アーニャ「――ダー。とっても、勉強出来ましたね?」

みく「ねっ! いつもより、捗った気がするよ!」

アーニャ「ハラショー! 私も、です!」

みく「これも……Pチャンのおかげにゃ!」

アーニャ「スパシーバ! プロデューサー、ありがとうございます♪」


武内P「いえ、私は、お二人の疲れを取っただけに過ぎません」

武内P「貴女達本来の、万全の状態で臨んだ……その結果です」


みく・アーニャ「……」

みく・アーニャ「えへへっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

ガチャッ!


李衣菜「――プロデューサー! 大変です! 大変なんです!」


みく「りっ、李衣菜ちゃん!?」

アーニャ「何か……ありましたか?」

武内P「多田さん、まずは、落ち着いて話を」


李衣菜「落ち着いてる場合じゃないんですよ!」

李衣菜「とっ、とにかく来てください!」

李衣菜「隣の部屋で――」


「取れる取れる取れる! ちくっ、ち、取れちゃう! 取れちゃいます!」

「剥がし、剥が、んんんん剥がせないい痛いたたたたたい! 痛い痛い!」


李衣菜「なんかもう! なんか、ロックな感じになってて!」


武内P・みく・アーニャ「……」

みく「……李衣菜ちゃん、ちょっとドア閉めて」

李衣菜「えっ!? み、みくちゃん!?」

アーニャ「イズヴィニーチェ、すみません、お願い、です」

李衣菜「あっ、えっ!? 何で!?」


「でもっ負けないわ! こんな事位でへこたれちゃ駄目やっぱり痛いたーいっ!」

「うんんんっ!? この痛みでいき、あっ駄目これ駄目! 取れる取れちゃう!」


武内P「……失礼します」

…バタンッ!

李衣菜「プロデューサー!? あの、良いんですか!?」

武内P「私は、彼女の意思を尊重しようと、そう、思います」

李衣菜「はいっ!?」


李衣菜「全裸でのたうち回るのを望んだって言うんですか!?」


武内P「……はい」

武内P「全裸は……その、想定外でしたが」

李衣菜「ほっといて……良いんですか?」

武内P「はい。プロデュースエレキバンの効果も、そろそろ切れるので」

李衣菜「……はあ」

みく「勉強は捗ったけど……なんか、最後の最後で疲れたにゃ」

アーニャ「ダー。アー、精神的、に疲れました」

武内P「待ってください。今、飲み物をお持ちしますので」

みく「良いの? えへへ、それじゃあ……お言葉に甘えちゃうにゃ!」

アーニャ「スパシーバ♪ プロデューサー、ありがとう、ございます♪」

武内P「多田さんの分も、お持ちしますね」

李衣菜「あっ、ありがとうございます」

武内P「いえ――」

ガチャッ


「私、負けないわ! ふっ、くっ、痛っ! み、美波……イキますっ!♡」ビクーンッ!


武内P「……」

バタンッ!


一同「……」

李衣菜「あの……今」


武内P「……アイドルの方というのは、時に、私達の想像を越えてきます」

武内P「私も、さすがに無理だろうと、そう、思っていたのですが……」

武内P「……彼女についての認識を改めなければ、いけませんね」


みく「Pチャン? なんか、いい話風にまとめようとしてない?」


武内P「……いえ、そんな事は、決して」

武内P「お二人の勉強が捗ったのと同時に……私も、勉強になりました」

武内P「あまり、迂闊な事をしてはいけないと、そう、学びました」


アーニャ「プロデューサー! 一緒に、頑張りましょう!」


武内P「アナスタシアさん……はい、宜しく、お願いします」

武内P「長所を伸ばし、短所を克服するのは……勉強の、基本ですね」

武内P「しかし、テスト勉強をしていて、まさか――」


武内P「問題が見つかるのでなく、生まれるとは思いませんでした」



おわり

書きます


武内P「どうぞ、飴です」

杏「んー、やっぱり仕事終わりは飴だよねぇ!」

武内P「収録、お疲れ様でした」

智絵里「は、はい、ありがとうございます」

杏「おふはへー」


かな子「あれ? あれあれあれ?」


武内P「? 三村さん?」

智絵里「かな子ちゃん……どうしたの?」

かな子「ちょっと、思ったんですけど」

武内P「はい、何かありましたか?」

かな子「ねえ、智絵里ちゃんは、おかしいと思わない?」

智絵里「えっ? な、何が?」

杏「ろうひたのさ、かな子ちゃん」


かな子「これ、これこれこれ」


武内P「? いえ、あの……?」

智絵里「どっ、どれどれ……?」

かな子「杏ちゃんは、終わったら飴を貰ってるの」

杏「杏は、飴がないと仕事が出来ないからねぇ」

かな子「ねえ、智絵里ちゃんは、おかしいと思わない?」

智絵里「えっと、どう……おかしいと思うの?」

かな子「あのね、杏ちゃんには、『どうぞ、飴です』でしょ?」


かな子「なんで、私には『どうぞ、ケーキ』ですってならないのかな、って」


武内P「……」

武内P「えっ?」

誤)>かな子「なんで、私には『どうぞ、ケーキ』ですってならないのかな、って」

正)>かな子「なんで、私には『どうぞ、ケーキです』ってならないのかな、って」

武内P「三村さん、あの、それは……」

かな子「ねえ、智絵里ちゃんはどう思う?」

智絵里「えっ? ええと、うん……そう、なのかな?」

かな子「杏ちゃんも、変だと思わない?」

杏「んー、確かにそうかもねぇ」


かな子「やっぱり! 杏ちゃんが飴なら、私はケーキだよね!?」


武内P「待ってください!」

武内P「仕事終わりのケーキは、あまりにカロリーが高すぎます!」

武内P「それに、双葉さんは体が小さいので……その」

かな子「はい、確かに杏ちゃんは小さくて可愛いです」

杏「そんなに褒めないでよ、へへへ」

かな子「つまり、杏ちゃんは小さいから、小さい飴なんだよ!」

智絵里「えっと、体の大きさに合わせてる……って事?」

かな子「そう! きっと、そうなんだよ!」


かな子「私だったら、ケーキがホールで出てもおかしくないの!」


武内P「違いますよ、三村さん!?」

武内P「お疲れ様ですと言いながら、ケーキのホールを差し出せ、と!?」

かな子「うわぁ~! どうして、気付かなかったんだろう!」

武内P「いえ、あの! 気付く気付かないの問題でなく!」

かな子「えっ? ホールじゃないんですか?」

智絵里「さ、さすがにホール一つは、大変なんじゃない……かな」

杏「確かにねー。それに、途中で飽きるんじゃない?」

かな子「ええっ!? そ、そんなぁ~!」


かな子「1ホール分、色んな種類が選べるって事!?」


武内P「どんなシステムですか、それは!?」

かな子「えっ? 違うんです……か?」

武内P「違います! そういったシステムでは、ありません!」

かな子「どっ、どういう事だろ? ねえ、智絵里ちゃん!」

智絵里「色々選ぶって……ぷ、プロデューサーが大変だよ」

かな子「そうかもしれないけど……あ、杏ちゃん!」

杏「飴もケーキも、味は自分で選ぶのが一番じゃない?」

かな子「えっ?……ええっ?」


かな子「……ケーキ……バイキング……!?」ゴクリ!


武内P「期待した目で見ないで頂けますか!?」

武内P「無理です! 申し訳ありません、それは、無理です!」

かな子「で、でも、プロデューサーさん! 考えてください!」

武内P「何をですか!?」

かな子「私達が、仕事が終わって戻ってきたとします……はい、智絵里ちゃん」

智絵里「えっ? ええと……お、お疲れ様でしたー」

かな子「智絵里ちゃん、頑張ってお腹ペコペコになってます」

智絵里「なってないよ!? ねえ、かな子ちゃん!?」

かな子「そんな智絵里ちゃんに、ケーキを差し出したく?」


武内P「……なります、ね」

杏「あー、それは私もなるなぁ」


かな子「あはっ! やったね、智絵里ちゃん!」

智絵里「かな子ちゃん!? わたし、思いっきり巻き込まれてる気がするの!」

杏「まあでも、一日の最後にケーキは嬉しいかもねぇ」

かな子「そうだよね、そうだよね! 杏ちゃんも、そう思うよね!?」

杏「だけど、杏は飴も舐めたいから、飴とケーキってのはどう?」

かな子「杏ちゃん……杏ちゃんっ!」グッ!

杏「かな子ちゃん!」グッ!

かな子・杏「えへへ!」


かな子・杏「よろしくお願いしまーす!」


武内P「三村さん、双葉さん、待ってください!」

武内P「あの、決定事項の様に振る舞われても!?」

かな子「智絵里ちゃん! 智絵里ちゃんも、何かお願いしよう?」

智絵里「えっ? わ、わたしも?」

杏「うんうん。杏達だけだと、不公平だよー」

智絵里「わたしは……あんまり、沢山食べられないから」

かな子「とりあえず、食べたいものを言ってみなよ♪」

智絵里「えと……あったかいごはん……かな」

杏「ごはん? 随分、欲が無いねぇ」


智絵里「昔の……家族皆で食べた、あったかいごはんが良い、なぁ」


武内P「……あの、待ってください……緒方さん」

武内P「カロリーとは別の重さが、ですね……その、はい」

かな子「大丈夫! プロデューサーさんなら、きっと!」

武内P「ザ・無責任!」

智絵里「小さい……ほんの、小さな幸せで良いんです」

杏「本当……欲がないよね、へへ」

武内P「待ってください……あの、それはさすがに……!」

智絵里「あの時のごはん……美味しかったなぁ」


かな子「美味しいから大丈夫だよ~!」


武内P「何がですか!?」

武内P「あの、待ってください! 差し入れの範疇を越えています!」

智絵里「あっ……そ、そうですよね、えへへ……ごめんなさい」

武内P「……申し訳、ありません」

かな子「ええっ!? ケーキバイキングは、無理なんですか!?」

武内P「三村さんに対しての発言では……いや、そちらも無理です!」

杏「え~っ? じゃあ、何なら良いのさ?」


かな子「あっ、マシュマロ! マシュマロなら!?」


武内P「えっ? いや、それならば可能ですが……」

武内P「……」

武内P「いっ、いえ! 三村さんは、カロリー制限が!」

かな子「で、でも! ちょっと位なら大丈夫です!」

武内P「……具体的には、どの程度でしょうか」

かな子「五……い、いえ! 三袋で! 三袋ならどうですか!?」

武内P「刻み方がおかしいです、三村さん!」

智絵里「ちょっとの幸せを願っても駄目……なんです、ね……えへへ」

武内P「い、いえ、それは……申し訳、ありません」

杏「へっへっへ! いでよプロデューサー! そして、願いを叶えたまえ~!」


智絵里「わ、わたし! また、昔みたいに戻りt」


かな子「マシュマロ工場おくれ――っ!!!!!」


武内P「どちらも、私の力を大きく越えています!」

武内P「あの、差し入れの件は了解しましたが……もう少し、現実的な範囲で!」

かな子「それじゃあ……やっぱり、三袋ですね!」

武内P「三村さん、現実を見てください」

智絵里「悲しい現実より……わたしは、楽しい夢の方が良いです」

武内P「緒方さん、その、差し入れの話をしましょう」

杏「それじゃあ、これからゴハンに連れてってくれるってのは?」

武内P「双葉さん、それは差し入れではありません」


杏「――でも、現実的な落とし所じゃない?」ニヤリ


武内P「っ……それは、確かにその通りです」

かな子「! 移動中に、マシュマロも食べられますね♪」

武内P「三村さんを連れて行かない、という選択肢も生まれました」

杏「でもま、これならあったかいごはんが食べられるよ」

智絵里「……杏ちゃん……えへへっ、そうだねっ!」

杏「ほら、杏だけ何か貰ってるのは悪いしね~」

武内P「……双葉さん」

杏「あっ、だけどさ、飴はこれからも貰うからね?」

武内P「……はい、勿論です」


かな子「んっ? んっんっんっ? んん~?」


武内P「? 三村さん?」

智絵里「かな子ちゃん……どうしたの?」

かな子「杏ちゃんの要望の、飴はオッケー、と」

杏「ま、飴がないと杏はやる気がでないから、しょうがないよねぇ」

かな子「智絵里ちゃんの要望の、あったかいゴハンもオッケー、と」

智絵里「えへへ……うん、凄く嬉しいな……♪」

かな子「二人の要望が通ってるって事は……だよ?」


かな子「ふふっ、うふふふっ、えへへぇ~!」デレリ!


武内P「三村さん?」

武内P「あの……ケーキの件は、何一つ通っていませんよ?」


かな子「えっ?……マシュマロ?」


武内P「……の方も、はい、通っていません」

かな子「待って……待って待って、ねえ、杏ちゃん?」

杏「あー、デザートにとかは、どう?」

かな子「それだよ! デザートに、五……いえ、ケーキを三つなら!?」

武内P「あのっ! せめて、一つという選択肢を!」

かな子「智絵里ちゃん!? 美味しいから、三つでも大丈夫だよね!?」

智絵里「えっ!? ええと、大丈夫……なの、かな」

武内P「待ってください! 明らかに、カロリーオーバーです!」


かな子「美味しいのに!?」

かな子「美味しいから、大丈夫なら……三つなら、三倍大丈夫ですよ!?」

かな子「三倍美味しいから、三倍大丈夫ですよ~!」


武内P「味ではなく! 量の話です、三村さん!」

かな子「わからないわからない……わからないよ、杏ちゃん」

杏「そうだねぇ……一週間に食べても良い、ケーキの上限は?」


武内P「そう、ですね……恐らく」

かな子「三十五個、ですね」


杏「つまり、一日平均五個は食べても良いんだよね?」

かな子「じゃあ、三個じゃなくて、五個食べろって事!?」

武内P「待ってください! しれっと私が発言した体で話を進めないでください!」

智絵里「えっと、今日は頑張ったので……一個は、良いかなって思います」

武内P「そう、ですね……それならば、まあ……はい」


かな子「な~んだ! やっぱり、ホールで一個なんですね♪」


武内P「三村さ――ん!」

  ・  ・  ・

武内P「……と、言う事がありまして」

ちひろ「なるほど、そういう事情があったんですね」

武内P「はい、説得には、苦労しました」

ちひろ「だから、皆でカフェでケーキを食べてたんですね」

武内P「そう……ですね」


ちひろ「プロデューサーさんが、あーんしてた理由は?」


武内P「そうしなければ、三村さんが隙をついて全て食べようとするからです」

ちひろ「智絵里ちゃんと、杏ちゃんにする必要は?」

武内P「そうしなければ、三村さんに隙を見て食べさせようとするからです」

ちひろ「……はあ、そうでしたか」

ちひろ「だから、カフェのケーキが売り切れてたんですね」

武内P「えっ?」

ちひろ「どうして、カフェでそんな事をしたんですか?」

武内P「いえ、そうしなければ……一般の方の目に触れますから」

ちひろ「事務所内のカフェでやったら?」

武内P「目につくのは、関係者の方だけに……なりますね」

ちひろ「つまり?」


ガチャッ!


「ケーキ! 二つ! 差し入れ! あーん!」


ちひろ「……わあ、皆……ケーキ買ってきたんですね」

武内P「み、皆さん!? 待ってください! あの、全員分は、その!」

ちひろ「断ったら、きっと、物凄く大変なことになりますね」

武内P「……!?」


ちひろ「鞭打ってでも、頑張ってくださいね」



おわり

書きます


武内P「お邪魔しています、城ヶ崎さん」

美嘉「えっ? なんでアンタが家に居るの?」

武内P「今日は、親御さんとの面談がありまして」

美嘉「ああ、莉嘉の事で」

武内P「はい、彼女は……まだ、中学生ですから」

美嘉「それで? なんで、アンタ一人でリビングに?」


武内P「留守番を……頼まれてしまいまして」


美嘉「……」

美嘉「留守番?」

美嘉「留守番って……なんでまた」

武内P「ご両親は、どちらもまだ帰宅していなく……」

美嘉「それで、莉嘉は?」

武内P「学校に忘れ物をしたと、そう、仰って……」

美嘉「アンタを置いてっちゃった、ってワケ?」


武内P「……はい、私一人を置いて」


美嘉「全く、莉嘉ってば何やって――」

美嘉「……」

美嘉「!!?」

武内P「? 城ヶ崎さん? どうか、されましたか?」

美嘉「何が!? 何で!? いや、何でも無い! 何でも!」

武内P「は……はあ」

美嘉「そ、それじゃあ、アタシ……自分の部屋に行くから」

武内P「はい。私は、ここで作業をしつつ、待たせて頂きます」

美嘉「う、うん……オッケー」

武内P「……すみません、一つ、言い忘れていた言葉が」

美嘉「な、何?」


武内P「おかえりなさい、と」


美嘉「……」

美嘉「う……うん、ただいま」

  ・  ・  ・

…バタンッ

美嘉「……」

美嘉「ヤバイ」

美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!」

美嘉「何々何なの一体全体どういう事なの!?」

美嘉「莉嘉莉嘉莉嘉莉嘉ぁ!」

たぷたぷたぷたぷ!


『――おかけになった電話番号は、現在、電波の』


美嘉「何やってんの!?」

美嘉「誰か誰か誰か誰かぁ!」

たぷたぷたぷたぷたぷたぷたぷ!

美嘉「ヤバイヤバイヤバイヤバイんだってぇ!」

――フリカエラズマエヲムイテー♪

美嘉「! もしもし凛!?」

凛『ちょっと美嘉!? 何でスタ爆したの!?』

美嘉「そんなコトどうでも良いんだって!」

凛『良い訳無いでしょ。ちゃんと説明して』


美嘉「アイツが家に来てるの!」


凛『は? 何それ?』

美嘉「リビングで、ノートPCで仕事してるんだって!」

凛『ねえ、意味がわからないんだけど』


美嘉「アンタのプロデューサーと、家で二人っきりなの!」


凛『……ふーん』

凛『ねえ、そんな嘘ついて何になるの?』

美嘉「ウソじゃないってば!」

凛『まだ引っ張るつもり?』

美嘉「莉嘉が、ウチの親と面談するって聞いてない!?」

凛『聞いてるけど、それが?』

美嘉「それで来てるの! で、家にアタシしか居ない! わかる!?」

凛『うん、わかった』


凛『今すぐ行くよ。蒼い風が、駆け抜けるように』


美嘉「さっすが凛! 話早いじゃん★」

美嘉「……って、もう通話切れてるし」

美嘉「……とりあえず、制服を着替えて――」


ピンポーン♪


美嘉「早くない!? ってか、早すぎじゃない!?」

美嘉「……でも、マジ助かる!」

美嘉「それに、莉嘉達の誰かが帰ってきたかもだし★」

美嘉「……よし★ 助かっ――」


ピンポーン♪


美嘉「はーい、今行きまーす!」

  ・  ・  ・

美嘉「……宅急便」

美嘉「しかも、今日に限って要冷とか……あり得なくない?」

美嘉「冷蔵庫に入れないと……マズイ、よね」

美嘉「……」

美嘉「……大丈夫大丈夫、ここはアタシんちだから」

美嘉「別に、アイツが居たって、チョー余裕だし★」

美嘉「……」

…ガチャッ!


武内P「……」


美嘉「な、なんで立ち上がってるの!?」

武内P「あ、いえ……お帰りに、なったのかと……」

美嘉「ち、違う違う! ただの宅急便だから!」

武内P「まだ……んっ! お帰りに、なられないようですね」

美嘉「ど、どうしたの? セキなんかして」

武内P「あ、いえ……何でもありません」

美嘉「もしかして、喉渇いてるとか?」

武内P「んっ!……大丈夫です」

美嘉「もー! ちょっと待ってなー……麦茶で良い?」

武内P「あ、いえ、お構いなく」

美嘉「待たせちゃってるわけだからさ、この位トーゼンっしょ★」

武内P「ですが……いえ、ありがとう、ございます」

美嘉「へへっ★ 城ヶ崎家特製のお茶だよ★ ま、市販のだけどね」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」

  ・  ・  ・

…バタンッ

美嘉「……」

美嘉「ヤバイ」

美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバーイ!」

美嘉「凛凛凛凛んんん!」

たぷたぷたたぷたぷ!

美嘉「……――もしもし、凛!?」


凛『もう少し待って。今、着て行く服を選んでるから』


美嘉「今すぐって言ったのに!?」

美嘉「アンタ、それ風が駆け抜けるドコロか、無風状態だよ!?」

凛『ねえ、美嘉』

美嘉「何!? ちょっと、ホント急いで欲しいんだケド!?」

凛『私が、膝下丈のスカート履いてたら、どう思う?』

美嘉「どうでも良い!」

凛『ねえ、真面目に聞いてるんだけど』

美嘉「似合う似合う! 凛は、何でも似合うって!」

凛『そう、かな?』


凛『友達の家に行く時は、こういう格好なんだ……って思う?』

凛『こういう格好も、悪くないかな……って思うかな?』

凛『やっぱり、普段どおりの格好の方が……ねえ、どっちが良い?』


美嘉「どっちでも良いって!」

美嘉「急いでって、凛!」

凛『……トップスは、何を合わせよう』

美嘉「ねえ、アタシ、アイツと二人っきりなんだよ?」

凛『うん、それが?』

美嘉「ゆっくりしてて良いの?」


『ズドデンッ! ドンッ、ドドッ、ドドドタッ!』


美嘉「えっ!? 何!? 何の音!?」

凛『大丈夫、ちょっと階段を転げ落ちただけだから』

美嘉「ちょっとって言うか、全部転げ落ちたよね!?」

凛『大丈夫、急いで行くから』

美嘉「凛!? 本当に平気なの!?」

凛『うん。結局、どっちの服にするか選べなかったけどね』

美嘉「えっ? それじゃあ――」


凛『パンツスタイルだよ、うん、走りやすい』


美嘉「パンツ丸出しなだけじゃん! 本気!?」

凛『本気出すよ……全力で向かうから』

美嘉「走りの方の心配じゃないって!」

美嘉「とにかく! 下に何か着て――」


ピンポーン♪


美嘉「――あ、インターフォンが……」

美嘉「……って、通話切れてるし」

美嘉「アイツ……本当に、大丈夫なの……!?」

美嘉「――ま、まあでも! 誰か帰ったかもだし★」


ピンポーン♪


美嘉「はいはーい、今行きまーす!」

  ・  ・  ・

美嘉「……また、宅急便」

美嘉「いや、違う会社だから、こういうコトも有り得るケド……」

美嘉「またクール便で……今度は、冷凍」

美嘉「……」

美嘉「もう、マジ……何なの……!?」

美嘉「なんで、アタシしか居ない時に……!?」

美嘉「……」

…ガチャッ!


武内P「……」


美嘉「……うん、ゴメン。アタシだから」

武内P「あ、いえ……此処は、城ヶ崎さんのお宅ですから」

美嘉「そ、そうだよね……うん」

美嘉「あー……お茶のおかわり、いる?」

武内P「いえ、お気遣いなく」

美嘉「ふーん、そ、そっか」

武内P「……」

美嘉「えっ、と……それ、何やってるの?」

武内P「はい、面談するにあたり、城ヶ崎さんの資料の確認を」

美嘉「へー、莉嘉の仕事内容とか?」

武内P「そうですね」


武内P「それに加え、貴女の仕事内容に関しても、確認しています」


美嘉「へっ?」

美嘉「あ、アタシのも?」

武内P「彼女は、貴女を目標にしていますから」

美嘉「あ、あー……そういうコト」

武内P「今後のプロデュース方針にも、関わってくるかと」

美嘉「ふーん、なるほどねー」

武内P「ですが……彼女は、まだ12歳ですから……」

美嘉「……あー、あんまり露出度高めの格好は、ってコトね」

武内P「はい。そういった事も、ご両親と相談する予定です」

美嘉「でもさ、露出度高い格好も……イケてると思わない?」

武内P「それは……はい」

美嘉「何ー? やっぱり、アンタもエロい格好好きなんじゃん★」

武内P「ご、誤解です!」


武内P「貴女は、どの様な格好をされていても……」

武内P「目標になる、魅力的なアイドルだと、そう、思います」


美嘉「……」

  ・  ・  ・

…バタンッ

美嘉「……」

美嘉「ヤバイ★」

美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバババババ――イッ!★★★」

美嘉「あふぇっ、えへ、へっ、えへへへ///」

たぷたぷたぷたぷ!

美嘉「……――あっ、もしもし凛?★」


凛『待ってってば! 何をはいていくか迷ってるの!』


美嘉「あっ、やっぱりパンツ丸出しはヤバいと思ったんだ」

凛『靴が良いかな、それとも、サンダル?』

美嘉「えっと……下は?」

凛『蒼だけど? 上とお揃いの』

美嘉「下着の色は聞いてないから!」

凛『それより、何?』

美嘉「そうだ! ねえ、聞いてよ!★」

凛『聞いてるから……何なの?』

美嘉「どんな格好でも魅力的って言われた! ニヒヒ!★」

凛『何それ』

美嘉「だーかーらー! アイツに褒められたんだってば★」

凛『何それ』

美嘉「露出度高い格好もイケてるって★」

凛『ふーん』


凛『とりあえず、裸になったけど』

凛『それで?』


美嘉「どれで!?」

美嘉「凛!? ねえ、ちょっと落ち着きなって!」

凛『何言ってるの。落ち着いてなんかられない』

美嘉「ってか、多分そろそろ莉嘉達帰ってくると思うから!」

凛『その間に、何する気?』

美嘉「何もしないってば!」

凛『……やっぱり、今すぐ行くから』

美嘉「待ちなって! っていうか、アンタ今全裸なんでしょ!?」

凛『それが?……うん、動きやすい』

美嘉「確認やめて!」


「ただいまー☆ P君、おっ待たせー!☆」


美嘉「……あっ、帰ってきた」

凛『ふーん。なら、もう心配いらないかな』

美嘉「ゴメン、アタシはアンタの方が心配だわ」

  ・  ・  ・

武内P「面談……ですか?」

凛「うん。親が、プロデューサーと話したい、って」

武内P「はい、それは構いませんが」

凛「それじゃあ、今日の仕事が終わったらで良い?」

武内P「急、ですね……ですが、はい、問題ありません」

凛「ごめんね。なんか、無理言っちゃって」

武内P「いえ、大事な娘さんを預かっているのですから、当然の事です」

凛「なんか、心配みたいなんだよね」

武内P「ご両親が、渋谷さんを大切になさっているからこそだと、そう、思います」


凛「変だよね、家では裸で居るようになっただけなのに」


武内P「いえ、それは――」

武内P「……」

武内P「えっ?」

凛「美嘉から聞いたよ。うん、色々と」

武内P「待ってください! あの、何をですか!?」

凛「露出度が高い方が、いけてるんでしょ」

武内P「はいっ!?」

凛「ねえ、正直に答えて」

武内P「な……何をですか……!?」


凛「美嘉の家で、二人きりになった時」

凛「裸で、どんな格好をさせたの」


武内P「待ってください! 意味が……意味が、わかりません!」

凛「とぼけないで!」

武内P「っ!?」


凛「どんな格好でも魅力的って……色んなポーズを取らせたって事でしょ!?」


武内P「渋谷さん!?……あの、渋谷さん!?」

凛「それを聞いたから、家でも裸で居るようにしたの」

武内P「あの……まさか、それをご両親に……!?」

凛「言ったけど。私、親とも仲良いから」

武内P「完全に誤解されています!」

凛「何が? 裸で、色んなポーズさせたのは事実でしょ」

武内P「決して! 決して、そんな事はありません!」

凛「……ふーん」

武内P「お願いします! 私を信じてください!」

凛「まあ、言い訳はこの後でゆっくり聞かせて貰うから」

武内P「微塵も信じていない!?」

凛「とりあえずさ」


凛「家に来てよ、プロデューサー」



おわり

久米田感、書きます


武内P「恥ずかしがり屋を克服したい?」

美穂「は、はい……」

武内P「しかし、小日向さんはアイドルとして立派に活動されています」

美穂「そ、そうですか? でっ、でも……」

武内P「……」


美穂「いつか、大事な場面で恥ずかしがって、失敗したらと思うと……」


武内P「……なるほど」

武内P「今後のため、ですか」

美穂「……はい」

武内P「確かに、その可能性は無くは……無いですね」

美穂「もし、そうなったらと思うと……余計に」

武内P「お話は、わかりました」

美穂「えっ?」


武内P「小日向さんの恥ずかしがり屋を――何とかしましょう」

  ・  ・  ・

美穂「あのっ……こ、ここは一体……?」

美穂「それに、346プロの地下に……こんな所があるなんて」

武内P「恥ずかしい、と感じるのは人として当り前の感情です」

美穂「あの、プロデューサーさん……?」

武内P「ですが、それではアイドル活動に支障が出る場面もあります」

美穂「……」

武内P「その問題を解決するのが、此処――」


武内P「――アイドル虎の穴、です」


美穂「アイドル虎の穴……!?」

武内P「正確には、このドアの向こうがそうですね」

美穂「この向こうが……」

武内P「はい」

武内P「人は、古来より穴に入る事で、恥ずかしさを克服してきました」


『あー、穴があったら入りたい位恥ずかしい!』

『穴を掘って埋まってますぅ!』

『虎だ! 虎になるんだ!』


美穂「あっ、あのっ!? 最初はともかく!」

美穂「二番目は他の事務所の方ですし、三番目はプロレスラーですよね!?」

武内P「安心してください。名前は出していないので、ギャランティーは発生しません」

美穂「そういう問題なんですか!?」

武内P「しかし、某アイドルの方は、穴に入り続けた事により恥ずかしさを克服」

美穂「穴に入ったから、成功したって事ですか?」

武内P「その通りです。むしろ、穴を掘っていなければ、危険でした」

美穂「穴を掘った方が危ないと思うんですけど」

武内P「小日向さん、考えてもみてください」

武内P「失敗して、落ち込んだ時に、体が重く感じた事はありませんか?」

美穂「それは……はい、あります」

美穂「体が思うように動かなくなって……でも、それが?」


武内P「それは、気落ちする事により、重力が発生しているからです」


美穂「えっ!? 重力が!?」

武内P「はい」

武内P「一般の方とは違い、アイドルの方の感情表現はとても大きいものです」

武内P「それが、ファンの方達を引きつける引力――すなわち、重力を発生させています」

武内P「しかし、自分自身の失敗を恥ずかしいと思い、気落ちすることで……」

美穂「自分自身に、それがのしかかってくる……と?」

武内P「その通りです。察しが良くて、非常に助かります」


美穂「えっ、えへへ……ありがとうございます///」テレテレ


武内P「っ!? 今、重力が発生しましたね……!」

美穂「えっ、えっ?」

武内P「今の、小日向さんの素晴らしい照れ顔には、とても惹き付け――いえ、引き付けられました」

美穂「は……はあ」

武内P「……ゴホン、話を戻させていただきます」

武内P「某アイドルの方は、地面に穴を掘る事で、影響を軽減していたのです」

美穂「そ、そんなので軽減出来るんですか?」

武内P「重力自体を軽減するのでなく、体にかかる負担を……ですね」

武内P「地面に挟まれるのではなく、地面を掘る事で体への負担を軽く」

武内P「そして、周囲からの視線を遮断する事で、落ち着きを取り戻します」

美穂「えっと……じゃあ、プロレスラーの人は?」

武内P「海外の女性は、裸を突然見られた時は、顔を隠すそうです」

武内P「顔を見られなければ、誰かわからず今後も恥ずかしくない、という論法ですね」

美穂「穴は関係なくないですか!?」

武内P「――とにかく、このアイドル虎の穴は、恥ずかしさを克服するための場所です」

武内P「所構わず穴を掘られては、施設修繕費もかさんでしまいますから」

美穂「だから……こんな地下に?」

武内P「はい。ここならば、最初から一般の方の目には絶対に触れません」

武内P「加えて、地下なのと施設名で、穴を掘った感も出ていますから」

美穂「穴を掘った感!? そっ、そんなので良いんですか!?」

武内P「ええ、気持ちの問題なので」

美穂「たっ、確かに気持ちの問題ですけど……!?」

武内P「……まずは、中に入っていみましょう」

美穂「っ! は、はいっ!」

武内P「それでは――開けます」

美穂「……!」

武内P「……」


ガチャッ!


美穂「……一本の長い通路に……ガラス貼りの部屋が、沢山ありますね」

武内P「皆さん、この中の一つ一つでレッスンに励んでいます」

美穂「あっ、あのっ! 私が見ても良いんですか?」

武内P「マジックミラーになっているので、向こうからはこちらの姿は見えませんから」

美穂「で、でも……」

武内P「いつ見られるかわからない、というのもレッスンの内ですから」

美穂「……は、はい」

武内P「まず、一番近くの部屋は――」


奏『……』


武内P「――速水さんが、利用されているようですね」

美穂「ええっ!? 恥ずかしいとか、そういうのとは遠そうなのに……!?」

武内P「それも、レッスンの成果です」

美穂「今は、何をしてるんですか……?」

武内P「少し、見ていてください」


奏『ふふっ、それじゃあ……ご褒美のキス、貰えるかしら』

奏『……んっ』


美穂「め、目を閉じて、あ、あれ……///」

武内P「はい。キス待ちの、特訓をされているようですね」

美穂「……キス待ちの、特訓……?」

美穂「あのっ、きっ、キス待ちの特訓って……えっ?」

武内P「よく、目を凝らしてご覧になってください」

美穂「……」


奏『……』

奏『……』モジ…モジ…


美穂「なんだか……手足が動いてます」

武内P「時間経過により、照れが増しているのが、出てしまっています」


奏『……』モジ…モジ…

奏『……』モジモジッ

奏『……っ……はい、時間切れ』


武内P「恥ずかしさに、耐えきれなくなったようですね」

美穂「あんな努力を重ねてたんですか!?」

武内P「ええ、最初よりも、かなりタイムが伸びています」

美穂「……!?」

武内P「少しだけ、待っていてください」

美穂「……へっ?」

武内P「速水さんに、挨拶をしてきます」

美穂「えっ!?」

武内P「すぐ、すみますので」


ガチャッ!


奏「っ!?」

武内P「お疲れ様です。特訓の成果が、出ているようですね」

奏「あっ、み、見てたの!?///」

武内P「タイムは十分なので、あとは、安定感を重視していくと、良いかも知れません」

奏「ねえ!?/// ちょっと!?///」

武内P「それでは、失礼します」


バタンッ!


武内P「お待たせしました。では、次の部屋を見ましょうか」

美穂「見てるだけで! 見てるだけで、こっちも恥ずかしくなっちゃいますよ!」

武内P「見ているだけで、ですか?」

美穂「そうです! あ、あんな所を見られたらと思うと……!///」

武内P「大変、素晴らしいと、そう、思います」

美穂「なっ、何がですか!?」

武内P「見学の段階で、自分も特訓している気になるとは、思いませんでした」

武内P「見て、学ぶ。正に、小日向さんはそれを実行しておられるのですね」

美穂「えっ、ええと……」


美穂「そう、なんですかね?/// えへへ……///」テレテレ


武内P「っ!? また、重力が!」

武内P「そうですね……小日向さんは、照れを外に向けるのも、良いかも知れません」

美穂「……えっ?」

武内P「恥ずかしいという気持ちを隠さず、完全に表に出してしまうのです」

美穂「えっ? で、でも、それじゃあ……」

武内P「内に秘め、隠そうとするあまり、そちらに気がいってミスをしてしまいます」

武内P「なので、いっそ隠さずに曝け出してしまうのはどうでしょうか?」

美穂「開き直る……って事ですか?」

武内P「言ってしまえば、そうなりますね」


『ホモが嫌いな女子なんかいません!!!』

『美味しいから、お腹を出しても大丈夫だよ~♪』

『アルバム3800円もすんのにハメ撮り780円かよ』


武内P「……と、この様な例もあります」

美穂「上二つも大概ですが、最後は開き直れてないやつですよね!?」

武内P「恥ずかしがる表情も、魅力的に見えるものです」

美穂「でも……それで失敗しちゃったら?」

武内P「そうならないよう、レッスンを重ねるのが、一番かと」

美穂「……でも」

武内P「あちらの部屋で、その特訓をしている方が居ます」

美穂「えっ?」

武内P「あそこに居るのは――」


巴『チュッチュッチュッチュワ♪』


武内P「――村上さん、ですね」

美穂「うわぁ……フリフリの衣装で、ノリノリで……」

美穂「――って、私の曲じゃないですか!?」

武内P「はい。小日向さんのソロ曲『?Naked Romance』です」

武内P「こちらは、コールが慣れるまで大変恥ずかしいと、ファンの方にも好評ですね」

美穂「それ、褒めてるんですか!?」

武内P「? はい、勿論です」


巴『チュッチュッ……ううっ、駄目じゃ!///』

巴『ヒラヒラだけならともかく、こがー歌はしんどすぎる!///』


美穂「しんどいって! しんどいって言われてますよ!?」

武内P「なので、良い特訓になっていますね」

美穂「私の曲って、そんなに恥ずかしいですか!?」

武内P「とても良い曲だと、そう、思います」

美穂「本当にそう思ってますか!?」

武内P「……では、彼女にも聞いてみましょうか」


巴『ええい、もう一回じゃ! うちがやると決めたんじゃけえの!』

巴『――チュッチュッ』


美穂「えっ?」

武内P「失礼します」


ガチャッ!


巴「チュッチュ――わーっ!?」


武内P「村上さん、お疲れ様です」


巴「なっ、ななな何じゃワレェ!?/// ずっと見よったんか!?///」

武内P「良い、チュッチュワでした」

美穂「言い方!」


巴「何を言うとんのじゃ!?///」


武内P「そちらの衣装も、大変似合っていると、そう、思います」

美穂「あ、それは……私もそう思います♪」


巴「み、見るな――っ!///」

巴「こんなフリフリでヒラヒラのうちを見んといてくれ――っ!///」

巴「こんな格好……うち……うちはもう……!///」


武内P「待ってください! 小日向さんの私服に比べれば、まだ!」

美穂「待ってください! あ、あのっ、それってどういう意味ですか!?」

  ・  ・  ・

武内P「――如何でしたか? 何か、参考になりましたか?」

美穂「皆……とっても努力してたんですね」

武内P「はい。ゆっくりですが、少しずつ克服していっていますね」

武内P「あのペースなら、10年後には照れもなくなると、そう、思います」

美穂「10年後!? そんなにかかるんですか!?」

武内P「やはり、キャラの基本情報というのは、大事ですから」

武内P「恥ずかしさを掘り下げる……それも、プロデューサーの務めです」

美穂「その言い方……えっと、つまり?」


武内P「克服するまで、目一杯恥ずかしがらせようと、そう、考えています」


美穂「!?」

美穂「じゃ、じゃあ、私の恥ずかしがり屋は!?」

武内P「何とかすると申しただけ、ですね」

武内P「無理に矯正するのではなく、貴女の、照れた表情という魅力」

武内P「失敗を恐れず、そちらをアピールする事が良いと判断しました」


美穂「……なんだか、それって意地悪な気がします」プクー!


武内P「っ!? またしても、重力が!」

武内P「しかし……そういった表情も、とても可愛らしいですね」


美穂「も、もうっ!/// 知りませんっ!///」テレテレ


武内P「まさしく、穴が空くほど見ていたくなる……良い、照れ顔です」

武内P「小日向さん。貴女が、ドツボにハマる必要は、全くありません」


美穂「……えへへっ/// はいっ♪」ニコッ!


武内P「良い、笑顔です」

武内P「ハマるのは、ファンの方達だけで、十分でしょう」



おわり

みくちゃんがAV出てるって本当ですか?

>>691
書きます


武内P「AV……ですか?」

李衣菜「はい」

武内P「多田さん? 何かの、間違いでは?」

李衣菜「……ちょっと待っててください」

たぷたぷたぷたぷ

李衣菜「これです! このパッケージの子!」

武内P「っ! これは――」


武内P「……似ていますが、別人ですね」


李衣菜「……」

李衣菜「へっ?」

李衣菜「でっ、でも! どう見ても……!?」

武内P「修正をかけて似せていますが、別人です」

李衣菜「えっ!? えっ!?」

武内P「この業界では、稀にある事です」

李衣菜「じゃっ、じゃあ!」


李衣菜「おちんぽ美味しいにゃん♪」

李衣菜「……って言ってるみくちゃんは居ないんですね!?」


武内P「多田さん!? おっ、落ち着いてください!」

武内P「安心のあまり、言ってはいけない言葉を口にしています!」

李衣菜「でも……良かった~~っ……!」

武内P「しかし、確かによく似ていますね」

李衣菜「ですよね!?」

武内P「はい。多田さんが、焦って見間違うのも、無理はないかと」

李衣菜「でも、やっぱりプロデューサーは冷静ですね!」

武内P「あ、いえ……」


武内P「前川さんの年齢を考えれば、当然の結果です」

武内P「彼女は……まだ、15歳ですから」

武内P「その……犯罪行為に、あたりますので」


李衣菜「……」

李衣菜「あっ」

李衣菜「そう、そうですよね! あ、あははは!」

武内P「しかし、何故これを?」

李衣菜「ちょっと……その、セクシーについて調べてて」

武内P「セクシー、ですか?」

李衣菜「ほら、みくちゃんって、私より歳下なのに色っぽいじゃないですか」

李衣菜「それで調べてたら……辿り着いて」


李衣菜「でも……良かったぁ!」

李衣菜「秘訣は、エッチな*の尻尾じゃないんですね!」


武内P「た、多田さん!?」

武内P「中身のチェックを入念にしすぎでは!?」

李衣菜「えへへ……バレちゃいました?」

武内P「その、そこまでチェックしたのなら、別人だと気づいたのでは?」

李衣菜「いや、なんていうか、こう……みくちゃんだー! と思って見てたので……」

武内P「自分で、フィルターをかけていた、と」

李衣菜「でも……改めて見ると、やっぱり別人ですね」

武内P「……はい、パッケージはよく似ていますが」

李衣菜「で、でも! 口調もかなり似せてるんですよ!?」


李衣菜「後川みくちゃん!」


武内P「それは、完全にそっくりさんAV女優の名前です!」

李衣菜「いや、でも! 聞いてくださいよ、プロデューサー!」

武内P「はい……何でしょうか?」

李衣菜「後川みくちゃん、名前の通り後ろ専門なんです!」

武内P「多田さ――んっ!?」

李衣菜「だから、あー、このプロ意識はみくちゃんだ! ってなって!」

武内P「プロですが! それは、違うジャンルのプロです!」


李衣菜「みくちゃん、こんなロックなファックをしてるんだな、って!」

李衣菜「……今の、ちょっとうまくないですか?」


武内P「待ってください! そのダジャレは……仕込んでいましたね!?」

李衣菜「……えへへ」

武内P「えへへ、ではなく!」

武内P「……とにかく、その方は別人ですので、ご安心ください」

李衣菜「でも、プロデューサー」

武内P「あの……まだ、何か?」

李衣菜「本当に! 本当に、似てるんですよ!」

武内P「いえ、別人です」

李衣菜「……本当に?」

武内P「はい。私は、担当である前川さんを見間違う事は、ありません」

李衣菜「……」


李衣菜「自分がロックと信じるものが、ロックなら」

李衣菜「自分がみくちゃんと信じるものも、みくちゃんになりませんか?」


武内P「多田さん!? 何を言っているんですか!?」

李衣菜「本当に! 本っ当に、似てるしセクシーなんですよ!」

武内P「落ち着いてください、お願いします!」

李衣菜「こう、ちょっと無理矢理気味にされちゃうシーンがあって!」

武内P「やめてください! 内容説明をしないでください!」


李衣菜「みくはアイドルだもん!」

李衣菜「おちんぽなんかに、絶対屈しないにゃ!」

李衣菜「みくは、自分を曲げないよ!」

李衣菜「って! もう、物凄くロックで! 格好良かったんです!」

李衣菜「……まあ、すぐ、ふにゃああんっ、ってなっちゃうんですけど」


武内P「あの、せめて!」

武内P「せめて、声のボリュームを落としていただけますか!?」

李衣菜「くううっ! あの感動を伝えたい!」

武内P「いえ、あの! もう十分! 十分、伝わりましたから!」

李衣菜「見ます!? プロデューサーも、見ます!?」

武内P「結構です! 大丈夫ですので!」

李衣菜「大丈夫で、結構見るって事ですか!? 待っててくださいね!」

たぷたぷたぷたぷ

武内P「多田さ――んっ!?」

李衣菜「えっと、シリーズ三作目の、あのシーンが良いかなぁ」

たぷたぷたぷたぷ

武内P「大ファンになっているじゃないですか!?」

李衣菜「ほら、ここです! このシーン!」

武内P「っ!?」


『みくは、絶対にアイドルを辞めない! 辞めたくないにゃ!』

『だから、こんなの全然平気だよ! 我慢出来るもん!』


武内P「……あの、本当に、いたたまれないのですが」

李衣菜「わかります! でも、ここから! ここからですから!」

武内P「……」


『っ!? そ、それは……エッチなマタタビ!? ひ、卑怯にゃ!』

『……ふにゃああんっ♡ エッチなネコチャンになっちゃうにゃああん♡』


李衣菜「ねっ!? 言いそうじゃないですか!?」

武内P「はい、確かに」

武内P「……」

武内P「いっ、いえ! 今のは……今のは、その……何でもありません」

  ・  ・  ・

武内P「……」

李衣菜「見てみて、どうでした?」

武内P「……別人では、ありました」

李衣菜「……」

武内P「……ですが、はい」


武内P「非常に……その、感動しました」


李衣菜「でしょう!? 体は屈してるのに、心は屈しないんです!」

武内P「プレイ内容はハードですが、それ以上にストーリーの出来が素晴らしいです」

李衣菜「ですよね!? ですよね!?」

武内P「まさか……AVの最後のFinの文字を見て、感動するとは思いませんでした」

李衣菜「みくちゃんだと思って見ると、こう、負けてらんない! ってなるんです!」

武内P「はい。私も、前川さんのこの熱意に応えねば、となりますね」

李衣菜「あっ、違いますよ、プロデューサー!」

武内P「? はい?」

李衣菜「後川みくちゃんちゃん、ですよ♪」

武内P「そうですね……後川みくちゃんさん、でしたね」

李衣菜「まさか、『ちゃん』も名前の内とは思いませんでしたよね」

武内P「ですが、本当に……良い、AVでした」


ガチャッ!


菜々「し、失礼しまーす」

夏樹「おーい、だりー! カフェで待ち合わせの約束だろ?」


李衣菜「あっ」

李衣菜「みくちゃんだと思って見ると、こう、負けてらんない! ってなるんです!」

武内P「はい。私も、前川さんのこの熱意に応えねば、となりますね」

李衣菜「あっ、違いますよ、プロデューサー!」

武内P「? はい?」

李衣菜「後川みくちゃんちゃん、ですよ♪」

武内P「そうですね……後川みくちゃんさん、でしたね」

李衣菜「まさか、『ちゃん』も名前の内とは思いませんでしたよね」

武内P「ですが、本当に……良い、AVでした」


ガチャッ!


菜々「し、失礼しまーす」

夏樹「おーい、だりー! カフェで待ち合わせの約束だろ?」


李衣菜「あっ」

また書き込みエラーが
>>713は無しで

李衣菜「ごっ、ごめん! すっかり忘れてた!」

夏樹「おいおい、しっかりしてくれよな」

菜々「でも、普段はそういう事が無いのに、珍しいですね?」

李衣菜「ちょっと、プロデューサーとAVを見てて……えへへ」


夏樹・菜々「……」

夏樹・菜々「はっ?」


武内P「申し訳、ありません」

武内P「図らずも、多田さんを引き止めるような形になってしまいました」

夏樹「……な、なあ? アタシらの勘違い、だよな?」

菜々「アニマルビデオとか、そういうオチですよね!? ねっ!?」


李衣菜「えっ? 違うよ?」

武内P「アダルトビデオ、ですね」


夏樹・菜々「……」

夏樹・菜々「はあっ!?」

  ・  ・  ・

李衣菜「……二人共、どうだった?」

夏樹「どうもこうもないぜ、だりー」

菜々「はい、言いたいことは、すっごくわかります」


夏樹「今すぐにでも、ギターをかき鳴らしたいくらいだぜ!」

菜々「ナナも、思いっきり歌って踊りたい気分ですよ!」


李衣菜「だよね!? そうだよね!?」


夏樹「あんなもんを見せられて、熱くならないわけないだろ?」ニコッ!

菜々「ナナも、もっともっとラブリーでキュートを目指しますよっ!」ニコッ!


武内P「良い、笑顔です」

夏樹「……それにしても、後川みくちゃん、か」

菜々「……ナナ達も、負けてられませんね!」

李衣菜「……うん、もっともっと頑張らないと!」


ガチャッ!


みく「おはよーございまーす」


武内P「前川さん、おはようございます」

李衣菜「あっ、みくちゃん! ちょうど良いところに!」


みく「えっ、何? どうしたの?」


李衣菜「今、皆でみくちゃんのそっくりさんのAV見てたんだけどさ!」

李衣菜「みくちゃんも、一緒に見ようよ!」


みく「……」

みく「えっ?」

みく「李衣菜ちゃん!? 何言ってるにゃ!?」


夏樹「いや、みく。これは、一度は見るべきだと思うぜ」

菜々「ナナは、いつでも見られるように購入しましたよ!」


みく「はっ!? えっ!?」

みく「み、みくにそっくりさんの……動物が出てるビデオ……だよ、ね?」


武内P「はい、ある意味では、そうですね」


みく「な、なーんだ! もう、ビックリさせないでよ!」

みく「みくはてっきり……もうっ! もーう!」


李衣菜「人間も、やっぱり動物だなぁって思うよね」

夏樹「あの腰使い、最高にロックだったな」

菜々「うぅ……ナナは、あの動きをしたら腰を痛めそうです」

武内P「……笑顔です」


みく「一回安心させないでよPチャン!?」

  ・  ・  ・

李衣菜「……みくちゃん、どうだった?」


みく「……うっ……ぐすっ……ひっく!」ポロポロッ!


夏樹「おっ、おい、みく!?」

菜々「どっ、どうして泣いてるんですか!?」


みく「李゙衣゙菜゙ちゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん゙っ!」ポロポロッ!

ぎゅっ!

李衣菜「みっ、みくちゃん!? ど、どうしたの?」

みく「ごれ゙がら゙も゙頑張ろ゙うねえ゙え゙え゙え゙え゙っ!」ポロポロッ!

李衣菜「うん……うん、みくちゃん!」

ぎゅうっ!


武内P「……本当に、良い、ユニットです」

  ・  ・  ・

李衣菜「……みくちゃん、落ち着いた?」

みく「……うん、ごめんね李衣菜ちゃん」

李衣菜「いっ、良いよ良いよ、気にしないで!」

みく「でも、夏樹チャンと菜々チャンと約束してたんでしょ?」

李衣菜「そうだったけど……まあ、でも大丈夫!」

武内P「はい、木村さんはギターの練習に、安部さんはウサミン星に行かれましたから」

みく「後川みくちゃんさんのAVを見て……やる気を出したんだよね」

武内P「そう、ですね」

みく「……」


みく「『みくは、Pチャンのおちんぽには負けないよ!』」


武内P「前川さん? その台詞は――」

李衣菜「――シリーズ、第一作目の!」

みく「……えへへ、どうだった?」


李衣菜「凄い……! 凄いよ、みくちゃん!」

李衣菜「まるで、本物のそっくりさんみたいだった!」

武内P「はい。絶対に屈しないという、強い意思を感じました」

武内P「それと同時に、これは確実に負けてしまうだろうな、とも」


みく「後川みくちゃんさんは、みくを演じる女優さんだったにゃ!」

みく「でも、みくはアイドルもだけど、声のお仕事もしたいの!」

みく「だったら、声の演技だけでも追いつかないと、でしょ!」


李衣菜「……みくちゃん」

武内P「……前川さん」


みく「えへへ……ちょっと、格好つけすぎかな?」


武内P「……いえ、そんな事は、決して」

李衣菜「くうーっ! 今のを聞いて、思い出してやる気出てきたよ!」

みく「にゅっふっふ! それじゃ、どんどんいくにゃ!」


みく「『にゃあんっ♡ Pチャン、凄いにゃああんっ♡』」

みく「『こんなに激しくされたら、変になっちゃうよぉ♡』」

みく「『あっ♡ にゃっ♡ にゃうんっ♡』」


李衣菜「凄い……! みくちゃん、本当に凄いよ!」

武内P「前川さん、とても、良い声が出ています」


みく「もっ、もう!/// そんなに褒めないでっ!///」

みく「『……にゃああっ♡ もう、もう限界にゃっ♡』」

みく「『見ててっ♡ エッチなみく、ちゃんと見ててえっ♡』」


李衣菜「最高だよ、みくちゃん!」

武内P「はい……とても、輝いています」


みく「『にゃあああああんっ♡』」

  ・  ・  ・

武内P「――えっ!?」

ガタッ!

ちひろ「心当たりは……ありませんか?」


武内P「前川さんの……AV撮影、ですか……?」


ちひろ「はい」

ちひろ「カメラマンは……その、李衣菜ちゃんという噂が」

武内P「多田さんが!? あの、何かの間違いでは!?」

ちひろ「……本当に、間違いは無かったんですか?」

武内P「千川さん?」


ちひろ「相手は、プロデューサーさん」

ちひろ「撮影場所は、此処だという話ですよ」


武内P「……」

武内P「えっ?」

ちひろ「プロジェクトの、他の皆が声を聞いたらしいんです」

武内P「待ってください! 誤解です!」

ちひろ「みくちゃんが、プロデューサーさんに挑んで負けた、って」

武内P「そ、それは、演技です!」

ちひろ「……そうですよね、そういう撮影だったら演技しますよね」

武内P「っ!? ち、違います! その、こちらを見てください!」

たぷたぷたぷたぷ

ちひろ「これは……みくちゃんじゃないですか!?」

武内P「いっ、いえ! こちらの方は、後川みくちゃんさんという別人で!」

ちひろ「や……ヤダ……ハード……!///」


武内P「前川さんは、後川さんを演じていただけなのです!」


ちひろ「えっ、と……そういう裏の芸名って言う事ですか……?」

武内P「増々誤解です! そういう意味ではなく!」

武内P「こちらを見ていただければ、わかります!」

ちひろ「みっ、みくちゃんのあられもない姿を見ろと!?」

武内P「みくちゃんさんの作品は、本当に感動しますので!」

ちひろ「何を言ってるんですか!?」

武内P「お願いします、千川さん!」


武内P「どうか……どうか、このAVを見てください!」


ちひろ「そっ……そんな事言われても……!?」オロオロ!

武内P「お願いします、千川さん……!」

ちひろ「あ……あぅ……!?///」オロオロ!

ちひろ「どうして……そこまで私に見せようとするんですか……?///」オロオロ!


武内P「私はこれを見ると……とても、やる気が出ます」


ちひろ「……やる気、って……///」

ちひろ「……はぁ……ふぅ……///」

ちひろ「わっ、わかりまし!/// で、でも――」


ちひろ「撮影するのは、無しですからねっ!?///」



おわり

ユニット別でチキチキお弁当作りをして欲しい

>>762
書きます


武内P「日替わりでお弁当を……ですか?」

ちひろ「ええ、なんだか皆盛り上がってるみたいですよ?」

武内P「あの……何故、その様な事に?」

ちひろ「ほら、プロデューサーさんって、お昼は簡単に済ませてるでしょう?」

武内P「そう、ですね」

ちひろ「それを見かねた皆が――」


ちひろ「ユニット毎に、毎日お弁当を作ろう! って」


武内P「ユニット毎に……ですか?」

ちひろ「最初は、お料理が出来る子が、って話だったんです」

ちひろ「でも……全員が全員、そうじゃないでしょう?」

武内P「はい。それも、仕方のない事だと思いますが」

ちひろ「でもね、何もしないのは嫌だ、って流れになって」

武内P「お気持ちだけでも……十分有り難いのですが」

ちひろ「ふふっ、それだけじゃ納得出来なかったみたいですね」

武内P「……」


ちひろ「明日からのお昼は、楽しみにしててくださいね♪」


武内P「……はい、わかりました」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

未央「おっはよー、プロデューサー♪」

卯月「プロデューサーさん、おはようございますっ♪」

凛「おはよう」


武内P「本田さん、島村さん、渋谷さん」

武内P「おはようございます」


未央「早速だけど、ちひろさんから話は聞いてるよね?」

卯月「お弁当作り、頑張りました!」

凛「私も……まあ、なんとなくだけど、参加したから」


武内P「……皆さん」

武内P「ありがとう、ございます」

未央「ちゃんとお腹空かせてる~?」

武内P「はい、勿論です」

卯月「でも、お弁当とかって、断られちゃうと思ってました」

武内P「いえ……皆さんの料理スキルを知る、良い機会だと思いまして」

凛「何それ? どういう事?」

武内P「今後のプロデュース方針に、活かせるかと」

未央・卯月・凛「……」

武内P「あ、あの……皆さん?」


未央「……こういう時ってさ、素直に喜んで欲しいよねぇ」ボソボソ

卯月「……で、でも、受け取ってもらえましたし!」ボソボソ

凛「……本当、仕事の事しか頭にないんだから」ボソボソ


武内P「……?」

未央「……まあ、とりあえず気を取り直していこう!」

武内P「は……はあ」

卯月「はい、どうぞっ♪ プロデューサーさん♪」

武内P「……ありがとう、ございます」

凛「お弁当箱、その大きさで足りそう?」

武内P「かなり……大きなサイズのものですね」

未央「うんうん! メンバー全員で、大きいのにしようって選んだんだ!」

卯月「体が大きいから、いっぱい食べてもらえるかなって!」

凛「食べ終わったら、箱は渡して。洗って、次のユニットに渡すから」

武内P「いえ、箱を洗うのは、私が自分で――」

未央「良いから良いから! とにかく、開けてみてよ!」

卯月「えへへっ、かなり、上手に出来ました!」

凛「……ほら、早く」


武内P「……はい」

……パカッ!

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


未央・卯月・凛「……」

武内P「……あの……皆さん?」

未央「うっ、ううん!? ただ、ちょっと、ね?」

卯月「あ、あまりにも美味しそうに食べてくれてたから、その……」

凛「普段の昼の様子から、あんまり食べる事に興味ないと思ってた」

武内P「いえ、食には関心があります」


武内P「とても、美味しくいただきました、ありがとうございます」


未央「やったね! しまむー、しぶりん!」

卯月「はいっ! 喜んでもらえて、頑張った甲斐がありました!」

凛「……まあ、良かったんじゃない?」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

美波「おはようございます、プロデューサーさん」

アーニャ「プロデューサー、おはよう、ございます」


武内P「新田さん、アナスタシアさん」

武内P「おはようございます」


美波「今日は、私達ラブライカの番ですよ♪」

アーニャ「ダー♪ 美波と、一緒に頑張りました♪」


武内P「……お二人とも」

武内P「ありがとう、ございます」

美波「私達は、ちょっと変わったお弁当にしたんです」

武内P「変わったお弁当、ですか?」

アーニャ「ダー♪ プロデューサー、これ、です」

…コトンッ

武内P「これは……鍋、ですか?」

美波「ふふっ! ラブライカ特製の――」

アーニャ「――ボルシシ、です!」

武内P「随分と……本格的、ですね」

アーニャ「私は、寮に住んでいますね?」

美波「だから、せっかくだから、温かいものをと思ったんです」

アーニャ「お弁当箱は、ランコに渡してあります」

武内P「……成る程、そういうことでしたか」


美波・アーニャ「温かい内に、召し上がれ♪」


武内P「……はい、いただきます」

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


美波・アーニャ「はいっ♪」

武内P「……一つ、質問を宜しいでしょうか?」

美波「えっ? 何ですか?」

アーニャ「シトー? 何か、問題でも?」


武内P「体の火照りが止まらないのですが、何を入れたのですか?」


美波「えっと……美味しく、なかったですか?」

武内P「味は……はい、とても良かったです」

アーニャ「ハラショー! そう言ってくれると、私も、嬉しい♪」

武内P「あの……何を入れたのですか?」


美波「元気になるよう、愛情をたっぷり入れちゃいました♪」

アーニャ「美波? 愛情ではなく、スッポンでは?」


武内P「……」

武内P「……ラブライカは危険、と」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

蘭子「煩わしい太陽ね」

小梅「お……おはよう、ございます」


武内P「神崎さんと……白坂さん?」

武内P「おはよう、ございます」


蘭子「ククク! 我らが供するは、知の海にて紡がれたる究極の調べ!」

小梅「ひ、一人じゃ大変そうだった、から……えへへ、二人で作ったんだ」


武内P「クックパッドで調べてまで……ありがとう、ございます」


蘭子「刮目するが良い! 我らの魔力が込められた、至高の果実!」

小梅「ほ、包丁は使ってないよ……血の味になっちゃう、かも、しれないし」


武内P「良い、判断です」

蘭子「さあ! 我が友よ、パンドラの箱を開ける時が来た!」

小梅「寮の皆で、い、色々……作ったんだ」


武内P「そう……なのですか」

……パカッ!

武内P「これは……とても、美味しそうに出来ていますね」


蘭子「本当ですかっ? え、えへへっ///」

小梅「味見も、ちゃんとしてる……よ」


武内P「オカズがキノコ中心なのは――」

小梅「輝子ちゃんが、やっぱりキノコだ、って」

武内P「このハートは……?」

蘭子「わ、私じゃなくて、幸子ちゃんです!」

武内P「これは……想像していた以上に、豪華なお弁当ですね」


武内P「――いただきます」

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


蘭子「どっ、どうでしたか……?」ソワソワ

小梅「お、美味しかった……?」ソワソワ

武内P「はい、とても、美味しかったです」

蘭子・小梅「!」

蘭子・小梅「えへへっ!」ニコニコ!

武内P「しかし……あの……」


武内P「お弁当に、トリュフは……やりすぎかと」


蘭子「否! 我が友よ、それこそが、究極というもの!」

小梅「じ、時期になったら……マツタケも入れる、って」

武内P「……そ、そう……ですか」


武内P「……注意が必要、と」

武内P「いえ……あとで、全員に注意をしましょう」


蘭子・小梅「?」キョトン

  ・  ・  ・

ガチャッ!

かな子「お昼ゴハンの時間ですよっ♪ おはようございます~♪」

智絵里「プロデューサー……おはよう、ございます」

杏「ふわぁぁ……ぉはよ~ございま~……」


武内P「三村さん、緒方さん、双葉さん」

武内P「おはようございます」

武内P「あの……三村さん? その、両手に持っている包みは何ですか?」


かな子「あっ、これですか?」

かな子「こっちが、ザッハトルテ」

…ガサッ

かな子「こっちが、ガトーショコラです♪」

…ガサッ


武内P「……どちらも、チョコレートケーキ、ですか」

かな子「チョコレートは、栄養がたっぷりですから♪」

武内P「そ、そう……ですね」

智絵里「あ、あの、プロデューサー……これも、どうぞ」

武内P「お弁当箱……ありがとう、ございます」

智絵里「えへへ……皆で、頑張って作ったんです」

かな子「味見も……ほ、ほんのちょっとしかしてないですよ!」

杏「杏も、ちゃんと料理してる横で寝てたよ~」

武内P「あ、あの……先に、お弁当箱を開けても?」

かな子・智絵里「はいっ!」

杏「ま、良いんじゃない?」


……パカッ!

武内P「これは……生クリームが、ぎっしりと」


かな子「ザッハトルテは、その砂糖の入ってない生クリームと一緒に食べてください♪」

智絵里「甘さが丁度よくなって、すごく、美味しいんです♪」


武内P「……」

武内P「……そう、ですか」

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「……――ごちそう……さまでした」


かな子「わ~っ! 全部食べて貰えたね、智絵里ちゃん!」

智絵里「う、うんっ! えへへ、やったね、かな子ちゃん!」

武内P「……」

かな子「作りすぎかと思ったけど、やっぱり、美味しいから大丈夫だったね!」

智絵里「プロデューサー、甘い物も好きだって、前に言ってたもんね!」

武内P「……」

杏「はい、塩飴」

武内P「! あ、ありがとうございます!」


武内P「確かに、絶品ではありましたが……はい」

武内P「今日で、向こう一年分のチョコレートを食べた気がします」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

莉嘉「ヤッホー☆ P君、お昼の時間だよー☆」

みりあ「おはようございまーす! えへへ、お弁当持ってきたよ!」

きらり「おっつおっつ☆ これを食べてぇ、午後も頑張ってにぃ☆」


武内P「城ヶ崎さん、赤城さん、諸星さん」

武内P「おはようございます」


莉嘉「チョー美味しく出来たんだよ!」

みりあ「ねえねえ、開けてみて開けてみて!」

きらり「も、もうっ、二人共? あんまり焦らせちゃ、Pちゃん困っちゃうゆ!」

莉嘉・みりあ「は~い」


武内P「では……早速」

……パカッ!

武内P「これは……とても、楽しい見た目のお弁当ですね」


莉嘉「でしょでしょ!? アタシ達、チョー頑張ったんだから☆」

みりあ「作ってる時も楽しかったー! ねっ、きらりちゃん!」

きらり「うんうん☆ 二人とも、と~っても頑張ってたにぃ☆」

莉嘉「きらりちゃんね、お料理スッゴク上手なんだよ!」

みりあ「ねー! 教えるのも、すっごく上手かった!」

きらり「りっ、莉嘉ちゃん、みりあちゃん!?」

莉嘉・みりあ「えっへへ~♪」

きらり「……あ~っ、からかったな~っ!?」

莉嘉・みりあ「あははっ♪ ごめんなさーい♪」

きらり「も~っ……しょうがないにぃ☆」


武内P「……では、いただきます」

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


莉嘉「P君P君っ! どうだった? 美味しかった!?」

武内P「はい。どれも、とても素晴らしい出来栄えでした」

みりあ「あのねあのね、みりあ、お米といだんだよ!」

武内P「ええ、ご飯も、丁度良く炊かれていました」

きらり「Pちゃん、煮物は美味しかった~?」

武内P「はい、とても味が染みていて、美味しく頂きました」

きらり・莉嘉・みりあ「……」

武内P「あの……皆さん?」


きらり・莉嘉・みりあ「何でも無~い♪」


武内P「?……はあ」

  ・  ・  ・

ガチャッ!

みく「今日こそ、李衣菜ちゃんをギャフンと言わせてやるにゃ!」

李衣菜「はぁ!? ギャフンって言うのは、みくちゃんだからね!」


武内P「あ、あの……前川さん、多田さん?」

武内P「お、おはよう……ございます」


みく・李衣菜「おはようございます!」

みく「Pチャン! やっぱり、お昼でもお肉が食べたいよね!?」

李衣菜「お弁当だったら、お魚も食べたくなりますよね!?」


武内P「は……はあ」

みく「もーっ! ハッキリして、Pチャン!」

李衣菜「プロデューサー! どっちか決めてください!」


武内P「ど、どちらも良い所がありますので……」


みく「ほら、言うと思った!」

李衣菜「やっぱり、勝負するしかないみたいだね」


武内P「しょ、勝負……ですか?」

武内P「! お弁当で勝負とは、まさか――」

……パカッ!

武内P「――これは……!」


みく「そう! 片側が、みくのお肉とお野菜のバランスおかず!」

李衣菜「反対側が、私のお魚とお野菜の超バランスおかずです!」

みく「あっ、ズルい! 後から‘超’って付けるのは反則にゃ!」

李衣菜「へっへっへ! 焦ったみくちゃんが悪いんだよ!」


武内P「あの……ご飯は、無いのでしょうか?」


みく・李衣菜「……あっ」

  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


みく「ご、ごめんね……Pチャン」

李衣菜「す、すみません……プロデューサー」

武内P「? はい? あの……何故、謝られているのでしょうか?」

みく「だって……ゴハンを忘れちゃったし」

李衣菜「おかずだけなんて……お弁当失格かな、って」

武内P「いえ、そんな事はありません」


武内P「食後、体が変に火照る事もなく」

武内P「高級食材がふんだんに使われているでもなく」

武内P「チョコレートの暴力でも無い」

武内P「……良い、お弁当でした」


みく・李衣菜「……は、はあ」

  ・  ・  ・

ちひろ「一週間、お弁当を作って貰ってどうでしたか?」

武内P「そうですね……良い、経験になりました」

ちひろ「……なんだか、お弁当の感想じゃないですね」

ちひろ「でも、今回の事で、料理に目覚めた子が居るみたいですよ?」

武内P「そう、なのですか?」

ちひろ「はい。自分が作った物を美味しく食べて貰えるのって、励みになりますから」

武内P「……なるほど」

ちひろ「……そういえば、明日は、プロデューサーさんはお休みですね」

武内P「? はい、そうですね」

ちひろ「……」

武内P「……千川さん?」

ちひろ「えっと……実は――」


ガチャッ!


アイドル達「失礼します!」


武内P「み、皆さん? あの、お揃いで……何か、ありましたか?」

ちひろ「……もう、変なタイミングで」ボソッ


アイドル達「……」

…スッ


武内P「あの……その包みは……何でしょうか?」


アイドル達「明日の分の、お弁当」


武内P「……」

武内P「!?」

武内P「ま、待ってください! ユニット毎というお話では!?」

タベテ、アオイカゼガ、ヌケガケルヨウニ

武内P「皆さん、一人一つずつ包みを持っていませんか!?」

アンタ、ニモノトカスキダッタンダー★

武内P「あまりにも! あまりにも量が多すぎます!」

フフッ、オヤスミノヒハ、ビールヲアビールホド、ノメマスネ、ウフフッ♪

武内P「ビールのケース!? それでは、お弁当ではなくお中元です!」

武内P「待ってください! さすがに、食べきれません!」


アイドル達「……」


武内P「……」


武内P・アイドル達「……」

ちひろ「……はぁ、こうなるとは思ってました」

武内P「千川さん?」

ちひろ「プロデューサーさんにも責任がありますからね」

武内P「私に……ですか?」

アイドル達「はいっ!」

武内P「あの……はい、ではなく」

ちひろ「少しずつでも良いので、頑張って全員分食べてください」

…スッ

武内P「せ、千川さん!? 何故、貴女もお弁当を!?」

武内P「それに、あの、頑張っても食べ切れる人数では!」


ちひろ「このお弁当箱は、最優先のやつですからね」


武内P「……!?」

武内P「待ってください、それは、あまりにも!」

ちひろ「全部食べないと、次の人に回せませんから」

武内P「……こ、この状況で、全て食べろと……!?」


アイドル達「……」ジッ


ちひろ「はい♪」

武内P「……!?」


武内P「……わかりました、今日は、私も死力を尽くします」

武内P「ですが、今後は、お弁当の差し入れは……結構ですので」

武内P「頑張らせて、いただきます」


アイドル達「……」

アイドル達「失礼しました!」


バタンッ!


武内P「……」

武内P「えっ?」

ちひろ「皆、一回無理に食べて貰うより、順番を待つのを選んだみたいですね」

ちひろ「そうすれば、二回目以降も機会があるでしょうし」

武内P「……なるほど、それで」

ちひろ「良かったですね♪ 手作りのお弁当が、毎日食べられて♪」

武内P「……あの、一つ、疑問に思ったのですが」

ちひろ「はい、何ですか?」


武内P「休日分のお弁当を受け取った場合――」

武内P「――箱は、いつお渡しすれば良いのでしょうか?」


ちひろ「あっ、そうですね……その箱が、その日の担当の印ですから」

ちひろ「どうしたら良いと思いますか?」


武内P「……そうですね」


武内P「日替わりしないよう、大事に保管しておこうと思います」



おわり

良い忘れそうなので、あらかじめ
今週の日曜は書けないと思います、申し訳ない

凛ちゃんは人の心の分かるいい子

>>826
書きます


武内P(皆さん、今日もとても輝いていますね)

武内P(口には出せませんが、はい、素晴らしいです)

武内P(私は、彼女達を担当出来て、とても幸せ者ですね)

武内P「――と、今日の皆さんの予定は、この様になります」

武内P「それでは、今日も一日、宜しくおねがいします」


凛「ちょっと待って」


武内P「はい?」

凛「……」

武内P「……?」

凛「ねえ、途中から……その、変なこと言ってなかった?」

武内P「変なこと、ですか?」


武内P(渋谷さんは、何を仰っているのだろう)

武内P(私は、皆さんのスケジュールの確認をしていただけにも関わらず……)

武内P(何か、その途中で、彼女の気に障るような事を言ってしまったのだろうか?)

武内P(……だとするなら、早急に、解決しなければ)


凛「気に障るようなこととかじゃなくて!」


武内P「えっ?」

武内P(まさか……本当に、そうなのだろうか?)

武内P(頭の中で想定していた事が、まさか、本当だったとは……)


凛「……」


凛「ごめん、なんでもない、気にしないで」

武内P「いえ、しかし……」


武内P(彼女を不愉快にさせるような誤解ならば、一刻も早くその誤解を解かなくては)

武内P(そうでなければ、渋谷さんの笑顔に、陰りが生まれてしまう可能性がある)

武内P(彼女の素晴らしい笑顔が見られないという事態は、あってはならない)

武内P(あの……良い、笑顔を――)


武内P「あの……問題があるようでしたら、ハッキリと仰ってください」


武内P(――見続けていくためにも!)


凛「えっ!?/// なっ、何!?///」テレテレ

凛「ふーん、笑顔ね、素晴らしい笑顔……う、うん///」テレテレ

凛「ちょっ、ちょっと待って!///」テレテレ

凛「一回!/// 一回、ちょっと落ち着かせて!///」テレテレ


武内P「えっ?」

武内P(渋谷さんが、顔を赤くして……まさか、体調不良!?)


凛「そっ、そういうんじゃないから!///」テレテレ

凛「とにかく、プロデューサーは黙ってて!///」テレテレ


武内P「っ……!?」

武内P(渋谷さんの身に、一体何が起こって……!?)


武内P「――本田さん、島村さん」


未央・卯月「は、はいっ!」ビクッ!


武内P「渋谷さんを医務室に、連れて行って頂けますか?」

武内P(まずは、少し冷静になっていただく必要がある)

武内P(本田さんと島村さんならば、同じユニットで、信頼も厚い)

武内P(この二人ならば……安心して、彼女を任せられる)

武内P(とても頼れる……素晴らしい、お二人ならば)


未央「……えっ……そ、そう?///」テレテレ

卯月「え、っと……が、頑張ります……///」テレテレ


武内P「っ!? お二人も、顔が赤くなっていますよ!?」

武内P(まさか、ニュージェネの三人とも、何かの病気に!?)

武内P「本田さん、どこか、体調が悪いのですか?」

武内P(顔が赤く、視線が定まっていない……!)

武内P(いつもの、明るく元気な、彼女とは違う)

武内P(溌剌とした、太陽のような笑顔を振りまく、本田さんとは……!)


未央「い、いやもう何ていうか、そのね!?///」テレテレ

未央「あ、あははは……ちょ、ちょっとタイム!///」テレテレ


武内P「島村さん、包み隠さず、仰ってください」

武内P(彼女も、下を向いてうつむいてしまっている……!)

武内P(いつもの、前を向き、輝くような笑顔をみせる彼女では無い)

武内P(あの笑顔のためならば、私も、出来うる限りの事をしなければ……!)


卯月「へうぅ……!?///」テレテレ

卯月「あ、あの、もっと包み隠して……が、頑張ります!/// 頑張ります!///」テレテレ


武内P「っ……!?」

武内P(一体――何が!?)

武内P「っ……新田さん!」

武内P(メンバー中、三人が体調不良……由々しき事態だ!)

武内P(しかし、新田さんならば……最も信頼する、彼女ならば!)

武内P(私の至らない部分もフォローし、解決へと向かうことが出来るだろう)

武内P(彼女とならば、どんな困難も、乗り越えられる……!)


美波「ふえっ!?/// そ、そんな……ええっ!?///」テレテレ

美波「きゅ、急にそんな事言われたら……だ、駄目っ!♡ イキますっ!♡」ビクーンッ!


武内P「っ!?」

武内P(呼んだだけなのに、何故!?)


武内P「っ――アナスタシアさん、新田さんをお願いできますか!?」

武内P(アナスタシアさんも、とても、頼りになる)

武内P(とても素直で、優しく、思いやりのある……素晴らしい方だ)

武内P(アナスタシアさんならば、この状況を解決の手助けをしてくれるに違いない!)

武内P(白い、雪の妖精の様な――あの、素晴らしい笑顔をする、彼女ならば!)


アーニャ「に、ニェート……/// プロデューサー、いけません……///」テレテレ

アーニャ「そんなに褒められると……照れて、しまいます///」テレテレ


武内P「あ、アナスタシアさんまで……!?」

武内P(彼女達に……一体、何が起こっていると言うのだ……!?)

武内P「かっ、神崎さん! お二人をお願いできますか!?」

武内P(神崎さんは、ラブライカのお二人との仲も深い!)

武内P(それに、彼女ならば、緊急時の行動力もあり、任せられるだろう!)


蘭子「わっ、我が友よ!」

蘭子「こっ、ここ、言の葉な感じで!」


武内P「は、はいっ!?」

武内P(言の葉な感じ……神崎さんの言葉のように言え、と言うことだろうか?)

武内P(……我が『瞳』が見出したる乙女――漆黒の薔薇姫、神崎さんよ!)

武内P(灼熱の業火に苦しむ同胞達を救うため、今こそ闇の魔力を解き放つのだ!)

武内P(……と、この様な感じ……い、いや!)

武内P「あ、あのっ! とにかく、今は――」


蘭子「はああああんっ!?///」テレテレ

蘭子「闇にっ!/// 闇に、病みつきになっちゃうよぉ!///」テレテレ


武内P「神崎さん!? あ、あのっ!?」

武内P(神崎さんまで!?)

武内P「み、三村さん!」

武内P(いつも明るく、朗らかな笑顔で、皆に幸せを振りまく、三村さんならば!)

武内P(彼女は……よし、いつものように、顔色は良い)

武内P(体調に問題が起こらないよう、栄養バランスに気を遣った甲斐があった!)

武内P(甘い物を食べている時の幸せそうな笑顔……それを見続けるための、成果が!)


かな子「おっ……美味しいから、大丈夫です///」テレテレ

かな子「だけど……えへへ、もう少し、制限しても……良いかなぁ///」テレテレ


武内P「っ!? 三村さん!?」

武内P(彼女が、自ら制限を言い出す!? 救急車を呼ぶべきか!?)


武内P「おっ、緒方さん! 貴女は、三村さんを!」

武内P(最初の頃は、落ち着かない様子だった彼女も……今では、とても頼りになる!)

武内P(彼女ならば、きっと、私の信頼に応えてくれるだろう)

武内P(そう信じるに足りるだけの……天使のような笑顔を持った、緒方さんならば!)

武内P(諦めず、強く、見捨てる事なく……全てをすくい上げるために!)


智絵里「あっ、あ……/// その……///」テレテレ

智絵里「……!///……!///」テレテレ


武内P「緒方さんまで、顔が真っ赤に!?」

武内P(シンデレラプロジェクトに、どんな危険が降り掛かっているのだ!?)

武内P「ふ、双葉さん! 起きて、いらっしゃいますよね!?」

武内P(巨大なヌイグルミの上で寝ているが、彼女ならば、きっと!)

武内P(双葉さんは、プロジェクト内外問わず、とても頼れる方だ)

武内P(冷静で的確な判断をする彼女ならば、解決の糸口を見つけてくれるはず!)

武内P(他にも思う所はあるが……まずは、この状況を何とかしなくては!)


杏「……う~ん、むにゃむにゃ」


武内P「う~ん、むにゃむにゃ!?」

武内P(まさか、そんな寝言を実際に言うものなのか!?)

武内P(いや、しかし、小さな体の双葉さんに無理をさせすぎていたか……?)

武内P(これ以上、彼女に無理をさせる訳には……いかない)

武内P(いつもの、可愛らしい、安らかな寝顔の邪魔をするのは……)


杏「……は、働きたくな~い///」テレテレ


武内P「くっ……!?」

武内P(寝言でまで! だが、彼女も寝ながら顔を赤くしている!)

武内P「諸星さん! 双葉さんを見ていてください!」

武内P(諸星さんなら! 諸星さんならば、大丈夫だろう!)

武内P(彼女には、プロジェクト結成当初から、随分と助けられてきた……)

武内P(明るく、可愛らしい笑顔に、何度も励まされた)

武内P(本当に頼りになる……素晴らしい、彼女ならば!)


きらり「にょ、にょわっ!?///」テレテレ

きらり「う、うぇへへ……んも~!/// 照れちゃうゆ!///」テレテレ


武内P「えっ!?」

武内P(双葉さんを見る事の、どこに照れる要素が!?)


武内P「くっ……!?」

武内P(これはもう、すぐにでも救急車を呼ぶべきだ!)

武内P(ここまでの人数が同時に体調不良など、明らかにおかしい!)


莉嘉・みりあ・みく・李衣菜「はいはいはいはい! はいはいはいはい!」


武内P「み、皆さん!?」

武内P「あ、あのっ!? どうか、されましたか!?」

武内P(まさか、皆さんも体調が!?)


莉嘉「P君!? ちょっと、ねえ!? アタシ達を忘れてない!?」

みりあ「ねえねえ! みりあは!? みりあはー!?」


武内P「いっ、いえ! 忘れては、いません!」

武内P(確かに、城ヶ崎さんも、赤城さんも年齢以上の頼もしさがある)

武内P(しかし、この状況では、頼るわけにはいかない)


莉嘉・みりあ「……何で?」


武内P「なっ、何で……ですか!?」

武内P(……彼女達に無理をさせ、何かあっては……!)

武内P(いくら緊急事態とは言え、そんな危険な真似は、させられない!)

武内P(! まずい! 今すぐにでも、彼女達を部屋の外に出すべきだ!)

武内P(これ以上、何かの影響を受ける方を増やすわけには……!)


莉嘉「あ、アタシなら平気だよ……///」テレテレ

莉嘉「P君ならぁ……エーキョー、与えても許したげるっ!///」テレテレ

みりあ「うんうん……みりあも///」テレテレ

みりあ「えへへっ/// うわぁ~、顔が熱くなっちゃった!///」テレテレ


武内P「っ!?」

武内P(そんなっ!? 城ヶ崎さんと、赤城さんまで!?)

武内P「みっ、皆さん! しっかりしてください!」

武内P(全員、顔を赤くして……何が起こっているんだ!)


みく「んもーっ! Pチャン!? ねえ、Pチャン!?」

李衣菜「私達が顔を赤くしてる理由、皆とは違いますからね!?」

みく「李衣菜ちゃんの言う通りにゃ! みく、もうプンプンだよ!?」

李衣菜「プロデューサー! さすがに、その反応は頭にきますよ!」


武内P「えっ!?」

武内P(頭に!?)


みく・李衣菜「頭にくる!」


武内P「前川さん、多田さん! 頭の、どこが!?」

武内P(頭痛!? 彼女達は、そんなものまで感じているのか!?)

武内P「大丈夫ですか!? 痛みは、ひどいですか!?」


みく「にゃっ!?/// か、顔近……!?///」テレテレ

李衣菜「あ……はうっ!/// む、胸も痛く……!///」テレテレ


武内P「っ!?」

武内P「何て……事だ……!?」

武内P(プロジェクトメンバー全員が顔を赤くして……!)


アイドル達「……///」テレテレ


武内P「……!」

武内P(シンデレラプロジェクトのメンバーの皆さんが!)

武内P(顔を赤くし、唇を噛み締め、俯いてしまっている……!)

武内P(彼女達のために、今出来る事は何だ!?)

武内P(輝く笑顔の、素晴らしいアイドルの彼女達のために出来る事は!)


アイドル達「……!//////」テレテレテレテレ


武内P「待ってください! すぐ、助けを呼びます!」

武内P(もう、私一人の手に負える状況ではない!)

武内P(考えうる限り、全ての事をしよう!)


武内P(私が――本当に大切な、彼女達を守らなくては!)


アイドル達「……えへへぇ//////」ニヤニヤニヤニヤ

  ・  ・  ・

ちひろ「皆が、未だに何を考えてるかわからない、って言うから……」


アイドル達「……」


ちひろ「ちょっと事務作業のついでに、設定を変更したのよ?」

ちひろ「なのに、あんなに大騒ぎになっちゃって……」


アイドル達「……すみません」


ちひろ「もう、()内は見えないよう、戻しておきましたからね!」

ちひろ「プロデューサーさんが何を考えてるか、十分わかったでしょ?」


アイドル達「……はい///」

ちひろ「とにかく、プロデューサーさんは真面目な人なんですから」

ちひろ「貴女達の事、いつも真剣に考えてるの」

ちひろ「そりゃあ、ちょっとわかりにくいかもしれないけど……」


アイドル達「……」


ちひろ「今回の事でわかっただろうし、もう、あんまり困らせちゃ駄目よ?」

ちひろ「でないと、また、こんな風に――」


ちひろ「えいっ!」

チャリーンッ♪


ちひろ「プロデューサーさんの、()内を見えるようにしちゃいますからね!」

ちひろ「――わかった?」


アイドル達「……は~い」


ちひろ「よろしい♪」

  ・  ・  ・

専務「――それで、今回の件で、何か申し開きはあるか?」


武内P「いえ……全ては、私の責任です」


専務「ほう? 言い訳をする気はない、と?」

武内P「はい。彼女達の体調不良の原因は、わかりませんが……」

専務「……」

武内P「それに気付かなかった、私に問題があります」

専務「そうか。それがわかっているなら、話は早い」

武内P「……」


専務「今後は気をつけなさい。話は以上だ」


武内P「えっ?」

専務「君は、優秀な人間だ。そして、彼女達とも近しい」

専務「その君ですら気付かないのならば、他の者でも対応しきれまい」

武内P「で、ですか……!」

専務「無論、そのままで良いとは言っていない」

専務「今後は、このような事の無い様にするのが、課題と言える」

武内P「……専務」


専務「しかし、私は以前言ったはずだが?」

専務「――ネクタイが曲がっている」

ぐいっ

武内P「も……申し訳ありません」


チャリーン♪


専務「身だしなみには気をつけろと――」


武内P(――やはり、良い匂いがします)


専務「――言った……はず、だが……」

専務「……」

専務「何?」

専務「……まさか、君がそういう事を言うタイプだとは、な」

武内P「えっ?」


専務「……」


武内P「……?」

武内P(専務は、何を仰っているのだろうか?)

武内P(特に、おかしな事を言った覚えはないが……)

武内P(……確認、すべきだろう)


チャリーン♪


武内P「専務。私の発言に、何か問題がありましたか?」

専務「……君は、独り言の癖があるようだな」

武内P「えっ? いえ、そのような事は、無いと思いますが……」

専務「いや、ある」

武内P「……はあ」

専務「恐らく、それが原因の一つかも知れない」

武内P「私の独り言が……ですか?」

専務「そうだ。そちらに関しては、十分に注意しなさい」

武内P「はい……わかり、ました」

専務「さがりなさい」

武内P「……はい、失礼します」


…ガチャッ…バタンッ


専務「……ふむ、なるほどな」

専務(彼とは意見が対立し、平行線だとは思っていたが……)

専務(……人間、何を考えているか、わからないものだな)

専務「……」


専務「……///」テレテレ



おわり

書きます


武内P「アイドル、ゲットだぜ」

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「プロデューサーさん、今日は、専務の所へ行く日ですよね」

武内P「……」コクリ

ちひろ「気をつけて、行ってきてくださいね」

武内P「……」コクリ


ちひろ「アイドルマスターを目指すのが、プロデューサーの目的……」

ちひろ「……でも、無事に、帰ってきてくださいね」

ちひろ「約束ですよ、プロデューサーさん」


武内P「……」コクリ

  ・  ・  ・

専務「――よく来てくれた」

武内P「……」コクリ

専務「君に頼みたい仕事は、他でもない」

専務「そこに、三人のアイドルが居るだろう」


未央「ヤメルッ!」

卯月「ガンバリマスッ!」

凛「……フーン」


専務「その中の一人を選び、アイドルマスター目指し、旅立つのだ」

武内P「……」コクリ

武内P「……」

未央「本田未央、15歳! 元気いっぱい!」


武内P「……」

卯月「島村卯月、17歳です! 笑顔だけは自信があります!」


武内P「……」

凛「渋谷凛、15歳。アイドルなんて、全然興味無かったけど……」


武内P「……」ヒソヒソ

専務「ふむ……本田未央か、島村卯月のどちらかにするのか」

武内P「……」コクリ


凛「!?」

凛「何かを見つけられるなら、やってみるよ! やるから!」

未央「トップアイドル目指して、頑張りまーす!」

卯月「アイドルになるのは、小さい頃からの夢だったんです!」


武内P「……」ヒソヒソ

専務「ああ、確かに、彼女達のやる気は素晴らしい」


凛「ねえ、ちょっと! アイドル、真剣にやるから!」


武内P「……」ヒソヒソ

専務「ああ、君の言う通りだ」

専務「本田未央は、『ずぶとい』所がある」

専務「島村卯月は、『がんばりや』だな」


凛「聞いてるの!? ねえってば!」


武内P「……」ヒソヒソ

専務「ああ、渋谷凛は、『おこりっぽい』な」

専務「だが、彼女もまた、私が選んだアイドル」

専務「能力の高さは、私が保証しよう」

武内P「……」


未央「よろしくねっ、プロデューサー!」

卯月「プロデューサーさん、宜しくおねがいしますっ♪」

凛「ふーん、アンタが私のプロデューサー? まあ、悪くないかな」


武内P「……」ヒソヒソ

専務「確かに、渋谷凛の感じの悪さは、私も気になる所ではある」

専務「だが、それを補って余りある魅力も、また備えている」

武内P「……」ヒソヒソ

専務「……ふむ、やはり、本田未央か島村卯月にするのか」


凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ!


しぶりんの あばれる!
こうかは いまひとつ のようだ……

専務「それで、君は、誰を選ぶ」


武内P「……」

武内P「せめて、名刺だけでも」

未央「わ、私? 良いのっ、プロデューサー!」


凛「納得できない!」


武内P「……」

武内P「せめて、名刺だけでも」

卯月「わ、私で良いんですか? プロデューサーさんっ!」


凛「納得できない!」


武内P「……」

武内P「……」ヒソヒソ

専務「何? また、日を改めたい、だと?」


凛「逃げないでよ!」キッ!


武内P「っ!?」


しぶりんの にらみつける!
こうかは ばつぐん だ!

武内P「……」

武内P「せめて、名刺だけでも」

凛「私をアイドルに? 本気で言ってるの?」

武内P「笑顔です」

武内P「貴女の笑顔が見たいと、そう、思いました」

凛「……ふーん、まあ、悪くないかな」


未央「……ゴメン、ちょっとカメラ止めて? ねえ、しぶりん!?」

卯月「あのっ、凛ちゃん!? それ、ズルくないですか!?」


凛「……フーン」

凛「フフッ、フーン、フフーン!」


未央「いや、急に鳴き声だけで喋らないでくれるかなぁ!?」

卯月「ちょっと幸子ちゃんになってるじゃないですかぁ!」

専務「さて、共に旅立つアイドルが決まったようだな」

専務「外には、数々の危険や、困難が待ち受けている」

専務「身だしなみには、気をつけて行きなさい」

武内P「……」コクリ

凛「……フーン」


未央「ちょっと専務!? 話が違いませんかねぇ!?」

卯月「そうですよ! 予定では、旅立つのは、私と未央ちゃんで!」

未央「しぶりんが、ライバルポジの専務に選ばれる流れだったと思うんですけど!」

卯月「はいっ! シンデレラプロジェクトと、クローネ的な感じで!」


専務「私は、あまり気が長い方ではない」

専務「それに、元々彼は私の部下、ライバルではありません」

専務「それに、彼らはもう、旅立っている」


未央・卯月「!?」


専務「アイドルマスターを目指して」

  ・  ・  ・

武内P「……」

凛「ねえ、これからどうするの」

武内P「……」チラッ

凛「ふーん、城の外に出るんだ」

武内P「……」コクリ

凛「危険や困難が待ち受けてるって言ってたけど……」

武内P「……」コクリ

凛「ちゃんと見ててよね。でないと、承知しないから」

武内P「……」コクリ


警官「あの、ちょっとよろしいですか?」


じゅんかいちゅうの けいかん が あらわれた!


武内P「……」


プロデューサーは めのまえが まっくらになった!


凛「ふざけないでよ! 何なの!?」

警官「あの……貴方達は、お知り合いで?」

武内P「……」

凛「ねえ、何で黙ってるの? 何とか言って!」

凛「一緒に旅をする、た、大切な関係だって!」

武内P・警官「!?」


武内P「待ってください!」


プロデューサーの ねがいごと!


凛「ちゃんと説明して!」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

凛「こんなんじゃ、笑顔になんてなれない!」


相手の しぶりんには
効果が ないようだ……


警官「……申し訳ありませんが、ご同行願えますか?」


武内P「っ!?」


プロデューサーは めのまえが まっくらになった!

  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「プロデューサーさん、今日も、専務の所へ行く日ですよね」

武内P「……」コクリ

ちひろ「気をつけて、行ってきてくださいね」

武内P「……」コクリ

凛「行くよ。蒼い風が、駆け抜けるように」


ちひろ「アイドルマスターを目指すのが、プロデューサーの目的……」

ちひろ「初日は散々だったみたいですけど、諦めないでくださいね!」

ちひろ「頑張ってください、プロデューサーさん!」


武内P「……」コクリ

凛「プロデューサーには義務があるよ」

凛「私をスカウトした……選んだ義務がね」

武内P「……」

  ・  ・  ・

専務「さて、君の働きぶりだが――」

武内P「……」

専務「評価に値しないな」

専務「私が、いつまでも許すとは思わない事だ」

武内P「……」ボソボソ

専務「何? 渋谷凛ではないアイドルと、旅に出たいだと?」

武内P「……」コクリ


凛「逃げないでよ!」キッ!


武内P「っ!?」


しぶりんの にらみつける!
こうかは ばつぐん だ!

  ・  ・  ・

武内P「……」

凛「今日こそ、次の街に行くよ」

武内P「……」チラッ

凛「何? 言いたいことがあるなら、ハッキリ言ったら」

武内P「……」フルフル

凛「何も無いなら、行くよ」

武内P「……」コクリ


楓「オチョコデ、チョコット♪」フラフラ~

あ! やせいの かえでさんが とびだしてきた!

楓「オチョコデ、チョコット♪」フラフラ~

かえでさんは よっぱらっている!


武内P「っ!」


だめだ! にげられない!

  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「今日も、専務の所へ行く日……って、お酒臭いですよ!」

武内P「……」フルフル

ちひろ「もう……今日は、お仕事頑張ってくださいね?」

武内P「……」コクリ

凛「行くよ。蒼い風が、駆け抜けるように――」

楓「――一緒に、笑顔で!」


ちひろ「アイドルマスターを目指すのが、プロデューサーの目的……」

ちひろ「二日目も散々だったみたいですけど、挫けないでくださいね!」

ちひろ「頑張ってください、プロデューサーさん!」


武内P「……」コクリ

楓「ふふっ、マスター目指して、ま、スタートしましょう、うふふっ!」

武内P「……」

  ・  ・  ・

専務「さて、君の働きぶりだが――」

武内P「……」

専務「評価に値しないな」

専務「私が、いつまでも許すとは思わないことだ」

武内P「……」ボソボソ

専務「何? それで良いから、もう企画から降りたい?」

武内P「……」コクリ


凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ!

しぶりんの じたばた!

楓「そのお話、お受けできません」

かえでさんの おいうち!

専務「私が、それを認めるとでも?」

せんむの ダメおし!


武内P「……笑顔です」

プロデューサーの からげんき!
こうかは いまひとつ のようだ

専務「……だが、今日もまた同じ様な事があっては困る」

武内P「……」

専務「君のために、また、新たにアイドルを連れてきている」

武内P「……」

専務「それが、彼女だ」


アーニャ「ドーブラエ ウートラ、おはよう、ございます」


専務「彼女ならば、我が346のイメージに相応しい働きをするだろう」

武内P「……」

武内P「……」ボソボソ

専務「何? クールタイプばかりで、旅パとしてバランスが悪い?」


アーニャ「シトー!? 私は、アーニャは、ダメ、ですか!?」

アーニャ「プロデューサー、お願い、です! お願い、します!」


アーニャの こおりのいぶき!


武内P「っ!?」


きゅうしょにあたった!

  ・  ・  ・

武内P「……」

凛「今日は、絶対次の街に行くから」

武内P「……」チラッ

楓「歩いて行くんですか? 徒歩は、トホホ……うふふっ!」

武内P「……」チラッ

アーニャ「プロデューサーの命令は、アーニャには、絶対、です」

武内P「……」


奏「キス・キス♪」

あ! やせいの かなでが とびだしてきた!


武内P「お願いします! 渋谷さん!」


奏「えっ!?」

凛「えっ!?」

凛「えっ!? バトル!? するの!?」

奏「ちょっと!? どうして私には問答無用なの!?」


武内P「渋谷さん! はかいこうせん!」


凛「出ないから! 何なの、その指示!」

奏「ねえ!? ゲットしようとは、思わないの!?」


武内P「渋谷さん! はかいこうせんです!」


凛「だから、出ないって!……えっ!? 出るの!?」

奏「ま、待って! き、キスしてくれたら、一緒に旅に――」


武内P「渋谷さん! はかいこうせんです! 渋谷さん!」


凛「わ、わかったから! やるから!」

奏「っ!?」

凛「ふ、ふうううぅぅぅん! は、はかい、こうせーん!」


しかし なにもおこらなかった!


凛・奏「……」


きまずい くうきが ながれた

  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「また今日も、専務の所へ行くんですよね」

武内P「……」コクリ

ちひろ「もう、最近では、日課になってますよね」

武内P「……」

ちひろ「一応、気をつけて行ってきてくださいね」

武内P「……」コクリ

アイドル達「はいっ!」


ちひろ「アイドルマスターを目指すのが、プロデューサーの目的……」

ちひろ「今日で百日目ですけど、めげないでくださいね!」

ちひろ「頑張ってください、プロデューサーさん!」


武内P「……」コクリ

アイドル達「はいっ!」

武内P「……」

  ・  ・  ・

専務「さて、君の働きぶりだが――」

武内P「……」

専務「もうね、いつ次の街へ行くのかと」

専務「一行に成果が上がらないが……」

武内P「……」


アイドル達「……」

ゾロゾロ…


専務「君の一行は、修学旅行中の学生達の様に膨れ上がっているな」

専務「旅は道連れと言うが、あまりに多すぎる」

武内P「……」ボソボソ

専務「何? 助けてください、だと?」

武内P「……」コクリ

専務「助けるのは構わないが、どう助けろと?」

武内P「……」


武内P「せめて、連れ歩くのは6人までで!」

プロデューサーの わるあがき!


専務「良いでしょう、許可します」

こうかは ばつぐん だ!

専務「ならば、その6人は、君が選びなさい」

せんむの カウンター!


武内P「!?」

こうかは ばつぐん だ!


アイドル達「……」ニコッ!

アイドル達の あやしいひかり!


武内P「!!?」

プロデューサーは こんらんした!

  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「多分、今日で専務の所へ行くのも最後ですね」

武内P「……」コクリ

ちひろ「346プロどころか……他のプロダクションのアイドル」

ちひろ「……だけじゃなく、他事務所のPや、トレーナー」


ハナコ「ワンッ!」

凛「コラ、静かにしてて」


ちひろ「……果ては、ペットまで一行に加わっちゃいましたもんね」

武内P「……」ジッ

ちひろ「それで、最後が私ですか?」

武内P「……」コクリ

  ・  ・  ・

専務「さて、君の働きぶりだが――」

武内P「……」

専務「恐怖。言えるのは、ただ、それだけだ」

武内P「……」

専務「君は、一体何を考えている?」

武内P「笑顔です」

専務「……笑顔?」


武内P「笑顔のために、アイドルマスターになろうと」

武内P「なりたいな、ならなくちゃ、絶対なってやると、そう、決めていました」


専務「なるほど……そうか」

専務「やはり、君は優秀だったな。私の目に狂いは無かった」

武内P「……」

専務「それで? アイドルマスターになった気分はどうだ?」

武内P「……」フルフル

専務「何? まだ、終わりではない、と?」

武内P「……」コクリ

専務「まだ、やり残したことでもあると言うのか?」

武内P「……」ジッ

専務「……」


専務「ま、まさか!? 君の目的とは――!?」


武内P「バトルしようぜ」ニヤァ


専務「!?」


せんむは めのまえが まっくらになった!



おわり

書きます


武内P「成績が下がった、ですか」

武内P「しかし……意外ですね」

奏「そうかしら?」

武内P「はい。速水さんのイメージでは……」

奏「何でも、そつなくこなすと思った?」

武内P「ええ、皆さんのイメージも、そうだと思います」

奏「そんな事は無いんだけどね」


奏「ふふっ、進級出来るかわからない位だもの」


武内P「……」

武内P「えっ?」

武内P「まっ……待ってください、速水さん!」

奏「あら、何?」

武内P「その……随分と余裕があるように、見えるのですが?」

奏「あら、そう見える?」

武内P「速水さん? あの、まさか……私は、からかっているのでしょうか?」

奏「そうね……プロデューサーさんはどっちだと思う?」

武内P「! やはり、からかって……」


奏「進級出来るか、出来ないか」


武内P「……」

武内P「どうやら、本当の……ようですね」

武内P「しかし、何故……そのような事に」

奏「私って、学校じゃマジメだったのよね」

武内P「ええ、そういった話は、聞いています」

奏「へぇ? 私の学校生活に、興味があるんだ?」

武内P「そうですね……今は、必要な事かと」

奏「もうっ、つれない返事ね」


奏「進級出来なかったら、辞めた方が良いかな?」


武内P「待ってください! 速水さん!」

武内P「まだ! まだ、諦めないでください!」

武内P「あ、あのっ! どれくらい、成績が下がったのですか!?」

奏「そうね……テストの点は、あまり変わってないわ」

武内P「えっ?」

奏「でも、アイドルを始めてから、忙しくなったでしょう?」

武内P「え、ええ……そう、ですね」


奏「花壇に水遣りとか、そういう所で点数を稼ぐ時間が減っちゃって」


武内P「速水さん!? あ、あの、速水さん!?」

武内P「学校ではマジメとは、そういう部分の事だったのですか!?」

武内P「これは……何と、言えば良いのか……!」

奏「ほら、私って大人っぽいって言われるでしょう?」

武内P「え、ええ……そう、ですね」

奏「そういう子がさ、掃除にマジメに取り組んでると、ね?」

武内P「多少点数が低くても、許してしまう……と」

奏「ふふっ、それはちょっと勘違いかな」

武内P「えっ?」


奏「点数は、物凄く低いわよ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「いや、待ってください! 笑っている場合ではありませんよ!?」

武内P「その、生活態度ではなく……テストで点数を稼げば良いのでは!?」

奏「そうね、それは私も考えたんだけど……」

武内P「! ならば、その方向で!」

奏「今から頑張っても、どうしようもないかなって」

武内P「頑張ってください! 速水さん、頑張ってください!」

奏「ふふっ、そんなに必死になっちゃって」


奏「でも、必死すぎるのは……アイドル、速水奏らしくない、でしょ?」


武内P「必死になるべき時です!」

武内P「でなければ、高校生、速水奏ではなくなってしまいますよ!?」

奏「……驚いたわ、アナタが‘さん’付けせずに私の名前を呼ぶなんて」

武内P「それは、今は良いですから!」

奏「まあ、それでね? アナタに聞きたいのよ」

武内P「何を……ですか?」

奏「成績の事を言ったら、専務は怒ると思う?」

武内P「そう、ですね……怒る以上に、驚かれると、そう、思います」

奏「そっか、じゃあ、それを言うのはやめておいた方がよさそうね」


奏「高校を辞めて、アイドルに専念したい、って言おうかな」


武内P「待ってください!」

武内P「仕事を理由にするのは、大人びていますが……その、違います!」

武内P「速水さん、考え直してください!」

奏「あら、どうして?」

武内P「成績不振での中退は、その……」

武内P「……今までの、速水さんのイメージを壊してしまう恐れがあります」

奏「……そうかもしれないわね」

奏「でも、壊れた後だからこそ、見通しが良くなって、見つかるものがあるかもよ?」

武内P「それは……一体……?」


奏「情熱的な――パッションな、速水奏」ニコリ


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「待ってください! パッションな方へのそれは、誤解です!」

武内P「速水さんは、誤解されています!」

奏「ねえ、私が今よりも情熱的になったら……ふふっ、どうなっちゃうと思う?」

武内P「は、速水さん!?」

奏「ご褒美にキスをねだるだけじゃ、済まなくなっちゃうかもね?」

武内P「……!?」

奏「もっと先まで、全力で行こうとしちゃうかも、ふふっ!」

武内P「……」


奏「そんな私も、悪くないと思わない?」


武内P「……少し、待ってください」

奏「?」


武内P「助けを呼びます」

  ・  ・  ・

奏「……ねえ、誰を待ってるの?」

武内P「速水さん。私は、速水さんを信じています」

奏「私を?」

武内P「はい。速水さんは――やればできる子だと」

奏「どういう事? それと、助けを呼ぶのと、何の関係が?」

武内P「私がお呼びしたのは……」

奏「……」


武内P「家庭教師の――」


ガチャッ!


茜「トラーイ!!」


武内P「――アイドル、日野茜さんです」


奏「……」

奏「えっ?」

奏「ねえ、私の聞き間違いよね?」


武内P「日野さん、急なお話で、申し訳ありません」

茜「大丈夫です! 困った時は、お互い様です!」

武内P「早速……速水さんに、勉強を教えて上げて頂けますか?」

茜「ボンバー!!」

武内P「ありがとう、ございます」


奏「えっ!? 今のって、返事なの!?」


茜「一人は皆のために! 皆は一人のために!」

茜「目指せ、成績トップ! 全力で、頑張りましょー!」


奏「……!?」

奏「ねっ、ねえ! 本当に大丈夫なの!?」

武内P「はい、問題ありません」

茜「問題が無い!? じゃあ、作らないといけませんね!」

奏「まるで大丈夫そうじゃないんだけど……!?」

武内P「いえ、そんな事はありません」


茜「10分後に、テストをしますね!」

茜「それで、わからない所をハッキリさせましょう!」

茜「10分後までにテスト作り……くーっ! 燃えます!!」


奏「はっ!? えっ!?」

武内P「日野さんは、全てに全力を出す方です」


茜「バーン! ドゴーン! ファイヤー!」

カリカリカリカリカリカリカリカリッ!!


武内P「彼女は、勉強にも……全力です」

奏「……!?」

  ・  ・  ・

奏「……一応、出来たわ」

茜「はい! おつかれさまです! では、次のテストを!」

奏「ま、まだやるの?」

茜「はい! 気合ですよ、気合! ボンバー!」

奏「……はぁ、わかったわ」

茜「ボンバー!」

奏「……始めて、良いのよね?」

茜「ボンバー!」コクコク!

奏「……」


茜「バーン! ドゴーン! ファイヤー!」

カリカリカリカリカリカリカリカリッ!!


武内P「速水さんがテストをしている間に、次の問題作り……」

武内P「……良い、効率です」

  ・  ・  ・

奏「……これで全部?」

茜「はい! おつかれさまです! ボンバー!」

奏「ふふっ、テストの結果を見て、驚いたでしょう?」

茜「はい! 予想以上だったので、驚きましたよ!」

奏「でしょう? もう、諦めた方が良いと思わない?」


茜「いえ! そんな事はありません! 何とかなります!」

茜「気合爆発! 熱血1000%なら、三日あれば十分です!」

茜「ボンバー!!」


奏「えっ?」


武内P「……三日ですか」

武内P「仕事のスケジュール調整と、ご自宅に連絡しておきます」

武内P「速水さん、何も心配はいりません」


奏「えっ!?」

  ・  ・  ・

武内P「――学校の……学業の方の、調子はどうですか?」

茜「バッチリに決まってますよ! 勉強も、青春です!」


奏「――ええ、おかげ様でボンバーよ」ニコリ


茜「ボンバー!!」キャッキャッ!

奏「この小テスト、見て。前とは比べ物にならない位、バゴーンしてるでしょ?」

茜「うおおおおっ!! 満点じゃないですか!! 完全燃焼ですね!!」

奏「ふふっ、これも……熱い指導のパスのおかげ」


奏「ファイヤーだった私の成績も、ナイスタックルする事が出来たわ」

奏「これも、家庭教師の――」


茜「トラ――イッ!!」


奏「――の、おかげ……ふふっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

奏「ねえ、ドゴーンしたご褒美は無いの?」

武内P「ご褒美、ですか?」

茜「えっ!? 何か、貰えるんですか!? ありがとうございます!!」

武内P「あの、お手伝い頂いた日野さんはともかく、速水さんは……」

奏「まあ、そうよね……ファイヤーしすぎてた私が悪いんだし」


茜「ボンバー!!」


武内P・奏「っ!?」


茜「何を言ってるんですか! ご褒美、貰いましょう!」

茜「頑張った! 成績が上がった! 嬉しい!」

茜「それでご褒美を貰ったら、もっと嬉しいですよ! ファイヤー!」


武内P「……日野さん」

奏「……キャプテン」

茜「一緒にご褒美、貰いましょう!」

ガシッ!

奏「……ふふっ、そうね……遠慮してたら、タックル出来ないものね」

茜「ボンバー!! その通りです!!」


武内P「しかし……ご褒美と、言われましても……」

武内P「何か、ご希望はありますか?」


茜「……奏ちゃん」

奏「……キャプテン」

茜・奏「せーのっ……」


茜・奏「カレー!!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

  ・  ・  ・

専務「やってくれたな」

武内P「何が、でしょうか?」

専務「速水奏の件に関してだ」

武内P「成績が下がって、お困りのようでしたから」

専務「それについては、感謝している」

武内P「いえ、プロデューサーとして、当然の事をしたまでです」


専務「だが、彼女の挨拶が『ボンバー』になった」

専務「……他の言葉は、抜けたにも関わらずだ」

専務「一刻も早く、何とかしなさい」


武内P「待ってください!」


専務「待つはずがないだろう」

専務「そして、それだけではない」

専務「クローネのプロジェクトルームに、カレーの匂いが充満している」

専務「カレーの匂いは、城に相応しくはないとは思わないか?」


武内P「待ってください!」

武内P「インドにも、城はあります!」


専務「何を言っている?」

専務「……君は、速水奏があのままでも良いと?」


武内P「はい」

武内P「……ご褒美にと、キスをねだってこないので」

武内P「あのままでいてくれた良いと、そう、思います」


専務「……成る程、君の意見はよくわかった」

専務「では……以前の速水奏は、全く魅力的では無いと?」

武内P「それは誤解です! 決して、そういう訳では!」

専務「ほう? ならば、君は速水奏をどう思っている?」


武内P「……速水さんは、とても17歳とは思えない、色気のようなものがあります」

武内P「そして、時折見せる、年齢相応の反応もまた可愛らしい、と」

武内P「キスをねだられるのは困ってしまいますが……それも、彼女の個性かと」

武内P「勿論、応えられはしませんが、その時の笑顔は、輝いて見えました」

武内P「それが見られなくなるのは、はい……残念ではありますが……」

武内P「背に腹は変えられません」


専務「……――今の君の発言は、録音させてもらった」


武内P「……えっ?」

武内P「ま、待ってください! 何をなさるつもりですか!?」


専務「私と君の意見は、平行線だ」

専務「私は、家庭教師という手段はとらない」


専務「通信教育だ」



おわり

やっとレス出来ました
次は月曜日になると思います
寝ます、おやすみなさい

書きます


武内P「仲良しテスト、ですか」

専務「そうだ。君に、その仕事を頼みたい」

武内P「あの……何故、その様な事を?」

専務「君も知っての通り、彼女達は非常に優秀だ」

武内P「渋谷さんと……アナスタシアさんですね」

専務「プロジェクトクローネと、シンデレラプロジェクト、両方に所属する彼女達」


専務「その、二人の仲が良くないという噂が立っている」


武内P「……それは、本当ですか?」

専務「事実だ」

武内P「……」

武内P「私は……そうは、思えないのですが」

専務「だが、火のない所に煙は立たないものだ」

武内P「……」

専務「故に、君には彼女達の仲良し具合をテストして貰いたい」

武内P「しかし、テストすると言っても……」

専務「テストの内容だが」


専務「明日、天橋立まで行って撮影をするという、嘘の企画を伝えてある」

専務「その、行き帰りの車内での、彼女達の様子を撮影して貰いたい」


武内P「待ってください……あの、車内、とは?」


専務「社用車で、そうだな……往復16時間程になるでしょう」

専務「勿論、やってくれるな?」


武内P「……!?」

  ・  ・  ・
AM 3:30 346プロ女子寮前

武内P「おはようございます、アナスタシアさん」

アーニャ「プロデューサー、おはよう、ございます」

武内P「睡眠時間は、きちんととれましたか?」

アーニャ「ニェート……あまり、眠れませんでした」

武内P「申し訳ありません……この様な行程になってしまって」

アーニャ「ニェート! 眠れなかった理由は、違います!」

武内P「?」


アーニャ「ふふっ! 楽しみで、あまり眠れなかっただけ、です♪」ペロッ


武内P「……眠くなったら、車内で寝ていただいても大丈夫ですので」

アーニャ「スパシーバ。でも、とても、楽しみ♪」

武内P「……では、渋谷さんを迎えに行きましょう」

  ・  ・  ・
AM 4:00 渋谷家前

武内P「おはようございます、渋谷さん」

凛「……うん、おはよ」

アーニャ「リン、おはよう、ございます」

凛「アーニャは……こんなに朝早いのに元気だね」

アーニャ「リンは、眠そうですね?」

凛「まあ……さすがにこの時間だからね」


アーニャ「リンは、後ろの席で、横になりますか?」

アーニャ「私は、アー、助手席で大丈夫、です」


凛「……」

凛「ううん、大丈夫」


武内P(……今の‘間’は、一体……?)

凛「私は大丈夫だから、アーニャが後の席で寝て良いよ」

アーニャ「リン? 私は、大丈夫ですよ?」

凛「私の方が、起きる時間は遅かっただろうからさ」


凛「だから、私が助手席、アーニャが後ろ」

凛「私は、寝なくて大丈夫だよ」


アーニャ「……」

アーニャ「スパシーバ! リンは、とっても、優しい♪」


凛「じゃあ、私は助手席に――」

アーニャ「ニェート。私も、寝ないで大丈夫、ですよ?」

凛「ふーん。それじゃあ、さっき『優しい』って言ったのは?」

アーニャ「気持ちだけ、貰っておくという意味、です」


武内P(お二人とも、互いを気遣って……)

武内P(……とても、仲が良さそうですね)

武内P「渋谷さん、アナスタシアさん」

凛「何?」・アーニャ「シトー?」

武内P「そろそろ出発したいと思うのですが……」

凛「うん」・アーニャ「ダー」

武内P「寝ないのでしたら、ひとまず、二人共後部座席で」

凛・アーニャ「……」

武内P「そして、どちらか眠くなった方が、後部座席で横になる」

武内P「その間は、もう一人の方が助手席……と言うのは、どうでしょうか?」

凛・アーニャ「……」

凛「……うん、私はそれで良いよ」

アーニャ「……ダー、私もそれで良い、です」

武内P「ありがとう、ございます」


武内P「――それでは、出発しましょう」

  ・  ・  ・
AM 4:30

凛「それにしても……随分無理な行程だよね」

アーニャ「ダー……それは、少し思いました」

武内P「……お二人に、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません」

凛「プロデューサーが謝る必要無いんじゃない?」

アーニャ「専務が、どうしても、と言う仕事だと、聞いています」

武内P「……」

凛「まあ、よくわからないけど、仕事ならちゃんとやるよ」

アーニャ「少し、大変ですが……頑張ります!」

武内P「……はい、頑張りましょう」


武内P「――それでは、高速にのりますね」

  ・  ・  ・
AM 5:00

武内P「――お二人は、朝食はとられましたか?」

凛・アーニャ「……」

武内P「……渋谷さん、アナスタシアさん?」

凛・アーニャ「っ!」

凛「わ、私は食べてないよ。流石に、早かったし」

アーニャ「私も、食べてない、です……ふわぁ」

武内P「そうですか。では、六時過ぎにSAで朝食を――」


凛「待って。ねえ、今……アーニャ、あくびしなかった?」

アーニャ「シトー? リン? 私は、あくびしてない、ですよ?」

凛「強がらなくていいよ。眠いんでしょ?」

アーニャ「ニェート。全然、眠くない、です」


武内P「……」

武内P(渋谷さん……アナスタシアさんをあんなにも気遣って)

凛「アーニャ、あんまり心配させないで」

アーニャ「大丈夫、です。私は、元気いっぱい!」

凛「……ねえ、プロデューサーはどう思う?」

武内P「そう、ですね……あまり、無理はなさらない方が良いかと」

アーニャ「プロデューサー、私は、無理はしてない、です!」

武内P「は、はあ」

凛「……」


凛「……ふーん、じゃあ、私は寝ようかな」


アーニャ「……リン?」


凛「アーニャは、朝ご飯の後に寝る?」

凛「って、その様子じゃ、ご飯食べたら寝ちゃうよね、きっと」


アーニャ「っ……!」

凛「だから、SAで私が助手席に行けば良いんじゃないかな」

武内P「成る程、確かに、渋谷さんのおっしゃる通りですね」

アーニャ「……ダー。リンの言う通り、ですね」

凛「うん。だから、ちょっと先に寝させて貰うね」

武内P「はい、おやすみなさい」

アーニャ「……リン、おやすみなさい」

アーニャ「……」


アーニャ「……でも、ゴハンを食べても、眠くならないかもしれない、です」


凛「……アーニャ?」


アーニャ「リンが寝てる間、プロデューサーと、二人でお話出来ます♪」

アーニャ「それで、いっぱい元気になるかも、ですね?」


凛「っ……!」

アーニャ「リンが寝るなら、小さい声で話さないと、いけませんね?」

武内P「はい、そうですね」

アーニャ「ふふっ! 顔を近づけて、ヒソヒソと――」

凛「――大丈夫だよ、アーニャ」

アーニャ「リン?」


凛「寝ようと思ったけど、眠れなさそう」

凛「なんだか、目が冴えちゃって」


アーニャ「そう、ですか? 無理は良くない、ですよ?」

アーニャ「グッスリ、寝てください♪」


凛「ううん、平気。起きてるよ」


武内P「……」

武内P(アナスタシアさん……渋谷さんをあんなにも気遣って)

武内P「……それでは、少し早いですが、朝食にしましょうか」

凛・アーニャ「プロデューサー?」

武内P「早朝ならば、人も少ないですので……」

凛「そっか、騒ぎにもならないだろうしね」

アーニャ「アー、目立ってしまうと、大変ですね?」

武内P「はい。車内よりも、SA内で食べられた方が、良いかと」

凛「大丈夫、ちゃんと、軽い変装の準備はしてるから」

アーニャ「私も、アー、準備してきました。オシノビ、です♪」

武内P「ありがとう、ございます」

凛「気にしないで良いから。こういうの、当然でしょ」

アーニャ「アイドルは、こういう事も当り前、です」

武内P「……」


武内P(……私には、お二人はとても仲が良さそうに見える)

武内P(何故、仲が悪いと言う噂が立ってしまったのだろうか)

  ・  ・  ・
AM 6:00 車内

武内P「……」

凛・アーニャ「……」

凛「…………ハナコ」

凛・アーニャ「……――っ!」

凛「ハナっ! コは!……今頃、起きてるかな」

アーニャ「リン? リン? 今のは、寝言、ですね?」

凛「そんなんじゃないから。寝てないから」

アーニャ「ニェート。今のは寝言、です」

凛「そういうアーニャも、静かだったけど、寝てたんじゃない?」

アーニャ「私は、寝てない、です。ズダロヴィ、です」

凛「何?」

アーニャ「……元気、です」

凛「眠くて、変にロシア語が出ちゃってるね」


凛・アーニャ「……」

凛「やっぱり、お腹いっぱいになると眠くなるもんね」

アーニャ「ニェート、お腹いっぱいじゃない、です」

凛「そうなの? 結構食べてたと思うけど」

アーニャ「全然、です。まだまだ、食べられます」

凛「ふーん、アーニャって結構食いしん坊なんだ」

アーニャ「……リンも、かなり、食べていましたね?」

凛「うん。だから、私はもうお腹いっぱい」

アーニャ「ダー。なら、寝てしまうのも、わかります♪」

凛「――と、思いきや、甘い物ならまだいけるかな」

アーニャ「ダー♪ 私も、甘い物なら、食べられるという意味、です」

凛・アーニャ「……」


武内P「そちらの袋に、飲み物とお菓子が入っています」

武内P「どうぞ、召し上がってください」


凛・アーニャ「……!?」

  ・  ・  ・
AM 7:00 車内

凛「……眠い……眠い……っ!?」

パンパンッ!

凛「……大丈夫、まだ起きてられる」

アーニャ「……ヤー スパーチ……ヤー スパー……っ!?」

パンパンッ!

アーニャ「……大丈夫、です。寝ない、です」

凛・アーニャ「……」

凛・アーニャ「っ!」

凛「アーニャ、寝そうだったよね!?」

アーニャ「ニェートニェートニェートニェート!」

アーニャ「リンが、寝そうでしたね!?」

凛「ううん、全然そんな事無いから!」


武内P「……?」

武内P「あの、その状態でも大丈夫でしたら、寝ても……」

凛「有り得ない。寝るとか、無いから」

アーニャ「プロデューサー、アーニャは寝ない、です」

武内P「は、はあ」

凛・アーニャ「……」

武内P「あの、まさかとは思いますが……」

凛・アーニャ「?」


武内P「私に、寝顔を見られてしまうと、気にされて……」

武内P「それで、無理に起きているのですか?」


凛・アーニャ「えっ?」

凛・アーニャ「……」

凛「うん、それはちょっとあるかも。あまり人に見せる顔じゃないし」

アーニャ「ダー、寝ている顔を見られるのは、アー、照れくさい、ですね?」


武内P「っ!……やはり」

武内P「ご安心ください、極力、見ないようにしますので」

凛「……ふーん、本当に?」

武内P「はい。可能な限り、見ないと約束します」

アーニャ「……見たいとは、思いませんか?」

武内P「そうですね……正直な事を言ってしまえば……」

凛・アーニャ「……」


武内P「お二人の寝顔を見てみたいとは、思います」


凛・アーニャ「!」


武内P「普段では、見ることが出来ない表情ですから」

武内P「こういった機会で無いと、そうそう――」


凛・アーニャ「……zzz」スヤスヤ


武内P「……」

武内P「……良い、寝顔です」

  ・  ・  ・
PM 1:00 天橋立

凛「撮影って、あんなに簡単で良かったの?」

アーニャ「もっと、本格的な仕事だと、思っていました」

武内P「はい。十分、お二人の魅力ある姿が撮れたと、そう、思います」

凛「そうかな、自分じゃ、よくわからないけど」

アーニャ「ダー。でも、プロデューサーが言うなら、きっとそう、です♪」

武内P「道中、ほぼ休憩無しで来られたので、時間が多く取れましたから」

凛「……まあ、私達はずっと寝てたけど」

アーニャ「……プロデューサーは、疲れていませんか?」

武内P「私には、スタドリがありますから」

凛「お昼も食べたし、後は帰るだけだね」

アーニャ「帰りも、寝たいて方が良い、ですか?」

武内P「えっ? いえ、どちらでも構いませんが……」


凛「アーニャは眠れないんじゃない? ずっと寝てたんでしょ」

アーニャ「ニェート、眠れます。リンこそ、寝られませんね?」

凛「寝られるよ。寝顔を見られちゃうけど、まあ、しょうがないかな」

アーニャ「リン? 本当に、眠いのですか?」

凛「うん、今にも寝そう。アーニャは眠くないでしょ、わかるよ」

アーニャ「眠りたい、です。だけど、寝顔を見られてしまいますね?」

凛・アーニャ「……」


武内P「……」

武内P(これは……渋谷さんと、アナスタシアさんのお二人は――)

  ・  ・  ・

武内P「――とても仲が良いと、そう、思います」

専務「……ふむ、君にはそう見えたか」

武内P「はい。いい笑顔……そして、可愛らしい寝顔でした」

専務「……確かに、画だけを見るならば、君の言う通りだな」

武内P「画だけ……ですか?」

専務「音声付きで見るには、とても心臓に悪い映像だった」

専務「私ですら、この危ない橋をどうするか、判断に困る」

武内P「……はあ」

専務「……君は優秀で、彼女達に信頼されているようだが」


専務「アイドル達に慕われすぎるのも困りものだな」



おわり

こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう

このスレは妙にペースが妙に早いので、ここで一旦スレタイ回収しておきます
ペース的に、地の文を全然書いてないっぽいので、バランス的に残りは地の文にします

色っぽいのならよかったんだがねぇ……だが、そうはならなかったんだロック

>>979
アーメンハレルヤ、ネコミミだ


「ねえ……起きて」


 静まり返った部屋に、一人のアイドルの声が響く。
 その声を聞いて、霞がかっていた意識がハッキリとしてきた。
 うっすらとだが、ノックの音が聞こえていた……ような気もする。
 私は、身をよじって声のする方へと、視線を向けた。


「起きて、Pチャン」


 旅館に備え付けられていた浴衣ではなく、Tシャツとハーフパンツ。
 そして、普段では見ることのない、眼鏡をかけている彼女の姿が目に映った。
 薄闇の中でも、視界がクリアーになっていく。
 だが、今の状況を正しく理解出来る程には、頭が回らない。


「……Pチャン」


 彼女は、布団に横たわっている私の傍に座り、胸に手を置いてきた。
 明かりの灯った廊下から歩いてきたからか、この暗闇に彼女の視界はまだ慣れていなのだろう。
 浴衣のはだけている、肌が露出している場所に、
同じ年頃の少女よりも少し皮膚が固くなっている指先の感触を感じる。
 だが、それは彼女がアイドルとして人一倍努力している結果であり、私は――


「っ!?」


 ――などと、悠長にしている場合ではない!


「にゃっ!?」


 飛び起きた。
 それに彼女は驚いて声を上げ、置いていた手をすばやく引っ込めた。
 その手を胸に抱え込み、目を大きく開きながら、声を失っている。


「あ、あの……ここで、何を……!?」


 私も私で、彼女の指先が触れた左胸――丁度心臓の真上だった――を隠すように、
はだけていた浴衣をたくしあげ、少しでもマシになるよう、体裁を整える。
 そうは言っても、この様な状況に陥ってしまった時点で、かなりの失態だ。
 担当しているアイドル……いや、それ以前に、彼女はまだ年若い。
 そのような方に無防備な姿を晒してしまうとは……いや、年齢は関係ないか。


「え、えっと……その……お願いがあるの」


 太ももをすり合わせながら、非常に言いにくそうに、彼女は言葉を紡いだ。
 瞳は潤み、切なげなその表情は、普段の明るい彼女からは想像が出来ないものだった。
 仕事とプライベートの区別をしっかりする方だとは思っていたが、
今の姿が、彼女の素……という事なのだろうか。


「あの……ね」


 彼女は、普段の装いを脱ぎ捨て、ありのままの自分を曝け出している。
 それは、彼女が言おうとしている事が、心の底からの、願いということだろう。


 それは……一体――?


「とっ――トイレに着いて来て欲しいの!」


 その言葉を発するのに、彼女は大いに悩んだのだろう。
 だが、私は想定していたものとはまるで違う彼女の願いに、大いに安堵した。

  ・  ・  ・

「……はあ、和式……ですか」


 私達は、仕事で来た山奥にある、小さな宿に宿泊している。
 予約をとっておいたホテルはあったのだが、
ホテル側の手違いで他の旅行客の方とダブルブッキングしてしまったらしい。
 私は、交渉して譲って貰うつもりでいたのだが、
話してみたら、なんと、旅行客の方が彼女のファンだと言うのだ。


「それに……な、なんか暗いんだもん!」


 それに気を良くした彼女は、快く部屋を譲り、颯爽とホテルを後にした。
 勿論、少し離れた所で頭を抱えて後悔されたのは、言うまでもないだろう。


 そこから、他に空いているホテルを探したのだが、
どこも生憎と、空いていている部屋が……一部屋のみ。
 アイドルとプロデューサーが、同室で寝泊まりするわけにはいかないと、
一時は別々のホテルに宿泊する事も考えたのだが、何かあった時のために、却下した。


「うぅ……なんで、こんな目に……!」


 結果、二部屋だけ空きがあった、ここに宿泊する事になったのだ。
 少し……いや、かなり古びた宿だったので不安ではあったが、
夕食は非常に絶品で、小さいながらも温泉まである、良い宿です。
 部屋の窓からの景色も良く、機会があれば、個人的にまた来ようとも思える程だった。


「……早く、帰りたい……!」


 ……しかし、彼女はそうは思ってはくれなかったようだ。
 そこに、一抹の寂しさを覚えながらも、仕方ないとは思うのも、また事実。


 普段、気の強い所を見せている彼女には、怖がりな面もある。


 そして、驚いた事に、和式のトイレを使用した事が無いらしい。


「トイレくらい、座ってしたいにゃ……!」


 そんな、二つの不安要素が重なって、私に助けを求めてきたと、そういう事のようだ。
 時刻は既に、深夜二時をまわり……図らずも、丑三つ時になっている。
 朝まで我慢する気でいたらしいが、どうしても、耐えられなくなったらしい。
 そうですね……はい、夕食をかなり食べていましたから、当然の結果です。


「あの……どうぞ」


 トイレの――木製のドアの前に立ち、彼女は泣きそうな声を上げ続けている。
 迷惑にならないように、小声でぼやいているのが、彼女らしいといえばらしい。
 だが、トイレには、ドアを開けなければ入れない。
 それなのに、彼女はドアに手をかけようとしないのだ。


「……」


 促しても、彼女はトイレに入ろうとしない。
 それどころか、眼鏡越しに訴えるような眼差しでこちらを見つめてきている。


 が、


「どうぞ、中へ」


 私はそれを無視し、ギィィと鳴るドアを開け、催促した。
 申し訳ありません、私も眠いのです。


「……わかったにゃ」


 私の有無を言わさぬ様子に観念したのか、彼女はトボトボとトイレに向かって歩き出した。
 恐らく、彼女にネコミミがついていたならば、それはピタリと頭にはりついていただろう。
 尻尾があったら、その毛は逆だっていたか、もしくは、垂れ下がっていたか……。


 とにかく、これで、トイレに入っていただけ、部屋に戻れ――


「でも! 戻っちゃダメだよ!?」


 ――ない……らしい。


「……わかりました」


 右手を首筋にやって、必死な彼女の顔を見る。
 しばし、月明かりの下、無言で見つめ合う。
 廊下も照明がついてはいるのだが、その光量はほんの僅かだ。
 そして、彼女はトイレの――和式便所をキッと睨みつけ、トイレの照明ボタンを押した。


 パチン。


「…………ん?」


 少し古めかしい、黒いスイッチ式のそれが反対側に倒れたのに、照明はつかない。


 パチン……パチン、パチン。


「…………えっ? えっ?」


 パチン、パチン……パチンパチンパチンパチンッ!


「…………うそにゃ」


 ――トイレの照明が――つかない。


 電球の交換を怠っていたのか、はたまた、他に違う原因があるのか。
 何にせよ、このトイレの電気は――スポットライトは、無い。


「Pチャン……どうしよう……?」


 顔から一切の感情が抜け落ちた彼女に対し、私は、


「……頑張ってください」


 精一杯の、声援を送る。
 しかし、彼女は「それだけ?」と小さく呟いた。
 なので、


「……笑顔で、頑張ってください」


 パワーオブスマイル……笑顔の力を信じてくださいと、再度声援を送る。
 あの……それ以外、かける言葉が無いと、そう、思います。

  ・  ・  ・

「……絶対、後を向いちゃダメだからね、Pチャン」


 最悪だ。
 私の眼の前には、トイレの木製のドアがある。
 暗がりの中とは言え、窓から差し込む月の光で、木目すら数えられる程の、至近距離で。
 ……そう、私は今、


「はい、決して振り返りません」


 彼女と一緒に、暗い、トイレの中に居る。
 同室になるのを避けたばかりに、こんな事態に陥ってしまうとは、思わなかった。
 こんな事になるならば、別々のホテルに宿泊すれば良かった。
 これ以上の事態など、そうそう、起こり得はしないだろうから。


「……ふぅ、んんっ……!」


 今すぐに、耳を塞ぎたい。
 だが、私の両手は、既に使用中なのだ。


「んぐっ……ふ、ん……!」


 背後でふんばっている彼女が、支えにしたいと要求して来たために。


 私の担当アイドルは、和式トイレを正しい向き――ドア側を見る形で、用を足そうとしている。
 だが、しゃがんだその体勢では、暗がりの中安定せず転んでしまうと、そう、言ってきた。
 そんな事を仰られてもと困る私とは逆に、彼女は……閃いた、と。
 不思議なもので、閃いたはずなのに、私は視界がより一層暗くなった。


「はぁ……はぁ……緊張して出ないよぉ……!」


 後ろに回した両の手は、彼女がふんばる度に、強く、握りしめられる。
 一見すれば、私が前に立ち、彼女の手を引き、導いているように感じるだろう。
 ……そうですね、そう考えてみれば、気分も大分違うはずです。


 楽しい事を考えよう……笑顔……そう、良い笑顔の事を――


「そうにゃ! 笑顔! 笑顔になれば、リラックス出来るにゃ!」


 ――……もう、考えるのはやめよう。


「……」


 早く、この悪夢のような時間が過ぎれば良い。
 いや、むしろ、これは夢なのではないだろうか?
 本当の私は、今も布団の中で目を閉じて眠り続け、日中の疲れを癒やしているのでは?
 そうだ、そうに違いない……これは、夢――


「アイドルになるの、ずっと夢だったの」


 ――では、無いですね、はい……現実ですね、わかっています。
 ですが……あの、この状況で、何故その話題を選択してしまうのですか?
 他にもっと、こう……あると思うのですが。


「でもね、その夢は叶ったでしょ?」


 彼女の小さな手に込められていた力が抜け、しがみつくから、繋ぐに変わった。
 プロジェクト内でも、飛び抜けたプロ意識を持つ彼女は、
文字通り、夢を叶えるために、必死にしがみついて歩いてきた。
 だが、ユニットを伝えた時の彼女は、非常に不満を持っているようだった。


「だから、今の夢はトップアイドルにゃ!」


 しかし、彼女はそれを乗り越え、手を繋いだのだ。
 今でも、彼女の――彼女達のデビューライブの時の姿は、ハッキリと思い出せる。
 目を閉じれば、瞼の裏に焼き付いた光景が、まざまざと浮かんでくる。
 今の言葉が現実になるだろうと思える程の、本当に、良い笑顔だった。


「だからね、Pチャン……これからも、プロデュースよろしくにゃ!」


 キュッと、手を握りしめられる。
 この様な状況にも関わらず、やはり、彼女は素晴らしいアイドルだと認識させられる。
 きっと、私の後で、彼女は良い笑顔をしているのだろう。
 振り返る事は出来ないが、今の言葉に応える事は――


「はい……これか「あ、出る! 出る出る出る出る出るにゃ!」


 ――出来なかった。


 ブフーッ!


「……」


 凄い、放屁です。


「ふっぐ……P、チャン……!」


 お願いします、手を握り締めるのは、構いませんが、その……私を呼ばないでくれますか?


「手……! 手、握っててぇっ……!」


 絞り出すような、彼女の声。
 私の手を掴む彼女の掌は、小刻みに震えている。
 それが、羞恥のためか、腹筋に力を込めているかは、わからない。


 だが、アイドルの方の要望に可能な限りお応えするのが、プロデューサーの務めだ。


「――はい、わかりました」


 彼女の、小さな手を握り締める。


「ふんっ、にゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ゙……!」


 ブポッ! ブッ、ムッ、ブリィッ!


「……」


 一つだけ、気付いた事がある。


 木目を数えるのは、案外と、楽しい。



おわり

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次はここを埋めようと思います

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