【モバマス】上条春菜「こだわりメガネ?」 (32)


晶葉「これをかければとくこうが1.5倍になるぞ」

晶葉「その代わり同じ技しか出せなくなるがな」

春菜「とくこう?なんですかそれ?」

晶葉「なんでもポケモンの特殊技の威力に関わる数値らしい」


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春菜「それでどうしてそんなよくわからないものを作ったんですか?」

晶葉「それは、裕子から……」


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裕子「私のサイキックの威力が低いのはとくこうが低いせいだって紗南ちゃんが言ってました!」

裕子「だからお願いします!私のとくこうを上げる道具を作ってください!」

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晶葉「っと言われてな……」

春菜「それで作る晶葉ちゃんもすごいですね」


晶葉「何を言う?この眼鏡にそんな機能はない。これはただの眼鏡だ」

晶葉「その“とくこう”がなんなのかすらよくわからないのにそんなもの作れる訳ないだろ」

春菜「そうなんですか?じゃあ、ゆっこちゃんにはどう言ったんですか?」

晶葉「すごく効果があるって言って渡した。スパシーバ効果ってやつだな」

春菜「効果があるとは思えないんですけど……」

晶葉「だが回し蹴りでバットを割れるようになったと言って喜んでいたよ」

春菜「物理が上がってる!?」


晶葉「ただ、一つだけ問題が起こってな……」

春菜「問題?」

晶葉「本物のこだわりメガネだと思い込んだゆっこが回し蹴りを連発してるらしい」

春菜「サイキック大迷惑じゃないですか!?」


晶葉「いや、超能力じゃなくて回し蹴りで迷惑をかけているわけだからな」

晶葉「正しくはラウンドハウスキック大迷惑になるぞ」

春菜「そんなことどうでもいいですよ!止めなくて大丈夫なんですか!?」

晶葉「ああ、今も元気に回し蹴りを出してるよ」

春菜「全然大丈夫じゃない!ほら、はやく止めに行きましょう!」

晶葉「止めるってどうするつもりだ?」

春菜「対策なんて後から考えればいいんです!」

春菜「それに眼鏡で困っている人を見捨てることはできません!」

晶葉「君も大概だな……」


裕子「ムムムーン!」バシーン!

雫「ゆっこちゃ~ん!スカート履いてるのにそんなに足を上げちゃ色々見えちゃいますよ~!」

裕子「そんなこと言ったって止まらないんですよ~!!」バシーン!

雫「このままじゃあPさんが貯めてたスタージュエルが全部蹴り砕かれてしまいます」オロオロ

晶葉「ふむ、なかなかキレのいいキックだな」

雫「晶葉ちゃん!」


裕子「ムムムーン!」バシーン!

春菜「い、いざ間近で見みると結構痛そうですね……」

雫「早苗さんも一撃でのしたので威力は保証済みですよ~」

早苗「」チーン

春菜「早苗さーーーん!!?」


裕子「うわーん!早く止めてくださいよー!」バシーン!

晶葉「安心しろ。私はその回し蹴りを止めに来たんだ……雫、ちひろを呼ぶんだ」

雫「で、でも……」

晶葉「安心しろ、後のことすべて私に任せるんだ」

雫「……わかりました。ゆっこちゃんのことよろしくお願いします」


晶葉「……よし、雫はいったな」

春菜「それでゆっこちゃんはどうやったら止まるんです?」

晶葉「眼鏡を引き離すしかない。こだわりめがねの効果が消えるはずだ!」

春菜「でも、どうやって眼鏡を引き離すんですか?あんなの近づけないですよ!」

裕子「チェストオオオオ!!」バシーン!

晶葉「バトルでひんし状態にするしかない!」

裕子「え……私、ひんしになるんですか?」バシーン!


晶葉「目と目が合えばバトルの合図だ!」

晶葉「いけ、春菜!君に決めた!」

春菜「よ、よし!ゆっこちゃんじっとしててくださいね!」

晶葉「春菜!じばくだ!!」

春菜「するわけないじゃないですか!」

晶葉「バッジがないから指示を聞かないのか……もういい!もどれ!」

春菜「そもそも私はポケモンじゃありませんからね?」

裕子「ふざけてないで早く止めてくださーい!!」バシーン!


春菜「とにかく!大人しくしてくださいね、ゆっこちゃん!」ジリジリ

裕子「近づかないでください!私に乱暴する気ですね!?」バシーン!

春菜「ら、乱暴なんてしませんよ……ちょっとひんしになってもらうだけですって」

裕子「それを乱暴って言うですってば!!」バシーン!


裕子「それなら私にも考えがあります!近づいたら本気でサイキックをぶつけますよ!!」バシーン!

春菜「いや、ゆっこちゃんが出してるのサイキックじゃなくて回し蹴りですからね?」

裕子「た、ただの回し蹴りじゃありません!これは……そう!エスパーキックです!」バシーン!

春菜「いや、ただの回し蹴りですよ」

晶葉「エスパー要素はないな」

裕子「…………ぐすん」


裕子「もういいです!誰がなんと言おうとこの蹴りの威力はサイキックによるものなんです!」バシーーン!!!

裕子「近づくものは蹴ります!今宵のエスパーキックは血に飢えてるんです!」バシーーン!!!

春菜「ちょっと!心なしか威力が上がりましたよ!?」

晶葉「まずいな……さすがに私たちじゃ受けきれない」

春菜「あんのな当たったら痛いじゃすみませんよ!」

晶葉「誰か格闘技に心得のある奴がいれば……」


ガチャリ


有香「なんだか騒がしいですけど……どうかしましたか?」

春菜「有香ちゃん!」

晶葉「押忍にゃん!!」

有香「な、なんですか!?」ビクッ!

春菜「実はゆっこちゃんが……」


晶葉「……という訳なんだ」

有香「……わかりました。そういうことなら任せてください」

春菜「いいんですか?」

有香「武を志すものとして捨て置けません。それに……」

有香「あの早苗さんを倒したという蹴り……私も一度手合わせ願いたい」ギラリ

裕子「ひぃいいい!」バシーン!

晶葉「おお!有香の特性“いかく”でゆっこのこうげきが一段階下がったぞ!!」

春菜「というかビビりながらでも回し蹴りを放つゆっこちゃんもなかなかですね」


晶葉「よし!頼んだぞ有香!君に決めた!」

有香「押忍ッ!」

裕子「こ、こないでください!いくら有香さんでも手加減しませんよ!」バシーン!

有香「見える!」シュバ!

裕子「避けられた!?」

晶葉「うまい!みきりでゆっこの攻撃をかわした!!」


有香「今度はこちらから行きます!おりゃああああ!!」バシッ!

裕子「イタ……くない?」

有香「私の技が効かない!?」

裕子「スキあり!ムムムーン!」バシーン!

有香「きゃあ!」

有香「」チーン

春菜「有香ちゃーーーん!!!」


春菜「そんな……確かに有香ちゃんの攻撃は決まったはずなのに!?」

晶葉「相性だ」

春菜「相性?」

晶葉「ああ、エスパータイプ(ゆっこ)に対して格闘タイプ(有香)は相性が悪いんだ」

晶葉「くそ!こんなのポケモンバトルじゃ基礎なのに!!」

春菜「いや、ゆっこちゃんも有香ちゃんもポケモンじゃありませんからね?」


晶葉「とにかく!エスパーに対して有利なタイプのアイドルを連れてくるんだ!」

春菜「エスパーに対して有利なのは……えっと……」

晶葉「虫とゴーストと悪、この3タイプだ!」

春菜「それでいますぐに連れてこれるのが……」


片桐 早苗:格闘タイプ  じょうたい:ひんし
中野 有香:格闘タイプ  じょうたい:ひんし
小関 麗奈:悪タイプ   じょうたい:ふつう  技:すてゼリフ/いばる/ちょうはつ/わるだくみ 
遊佐こずえ:フェアリー  じょうたい:ねむり
及川  雫:ノーマル   じょうたい:ふつう  もちもの:おいかわミルク


晶葉「晶葉はめのまえがまっくらになった」

春菜「諦めるの早すぎですって!」


春菜「そんなこと言わずに!ゆっこちゃんを止めないと!」

晶葉「だってこの手持ちじゃどうすることもできないし」

春菜「でもこのままほっといたらPさんが貯めたジュエルが全部砕かれますよ!?」

晶葉「助手には悪いが、このまま近づかなければ誰も傷つかないだろうし大丈夫だろ」

晶葉「そうだ!ほとぼりが冷めたらまゆに“あかいいと”でも持たせるかな」

晶葉「無論渡すのは偽物だがな!今度はどんな騒動が起こるか楽しみだ!」

晶葉「HAHAHAHAHA!!!!」

春菜「」ブチィ!


春菜「晶葉!君に決めた!」ドシン!

晶葉「何をする春菜!いきなり押し出すんじゃ……ん?」

裕子「1・2・3……エスパー…キック!」

裕子「ムムムーーーン!!!」バシーーーーン!!!!

晶葉「ぐえ!」

晶葉「」

春菜「悪は滅びた……これで全部終わったんですね」


裕子「まだ終わりじゃありません!」

春菜「ゆっこちゃん……そろそろそのメガネ渡してくれませんか?」

春菜「代わりにこっちのものしりメガネを差し上げますから」

裕子「いやです!こだわりメガネの方がサイキックパワーの高ぶりをむんむん感じます!」

春菜「出してる技はサイキック関係ありませんからね?」


裕子「春菜さん……周りを見てください」

春菜「周り?」


早苗「」チーン
有香「」チーン
晶葉「」チーン
スタージュエル「」チーン


裕子「これ全部私がひとりでやったんです」

春菜「知ってます」


裕子「そしていまここに私は立っているんです!この意味がわかりますか?」

春菜「?」

裕子「教えてあげましょう!このエスパーゆっこが!世界でいちばん!強いってことです!」

裕子「必殺!サイキック……上段回し蹴り!!」シュバッ!

春菜「!!?」


バシーーーーーーーンッ!!!!!!


裕子「まさか……」

裕子「100%中の100%のサイキックエナジーを込めた必殺の蹴りを……」

裕子「止められた!!?」

春菜「…………」ギリギリギリ

裕子「って言うか足がしんどい!掴んでいる足を離して!!」


春菜「……マシタネ」

裕子「え?」

春菜「いま、私の眼鏡を狙いましたね」

裕子「そ、そりゃ頭を狙いましたから必然的に眼鏡に当たることに……」

春菜「たとえばゆっこちゃんがその昔…幼き頃…」

春菜「捨てられて凍えている子犬を助けた事があるとしましょう…」

裕子「いや、そんな経験はまったくありませんが……」

春菜「でも許さん」シュバ!

裕子「え?」


雫「私がちひろさんを連れてきた時には全てが終わってましたぁ」

雫「事務所に戻ってはじめに目についたのは床に転がる3人の身体とそれを彩るように飛び散ったスタージュエルの破片」

雫「天井に突き刺さったゆっこちゃん」

雫「こだわりメガネを片手にジュリーのTOKIOを口ずさみながら去っていく春菜ちゃんの背中」

雫「もう何が何だかわかりませんでしたぁ」

雫「ゆっこちゃんを引き抜いて何があったのか聞いても……」

裕子「メガネコワイ、サイキックキカナイ」ブツブツブツ

雫「としか言ってくれないんです……一体なにが起こったんでしょうか?」

ちひろ「メガ(ネ)シンカでもしたんじゃないですか?」


終わりです。
限定SSRのモノクルゆっこにジュエル砕かれ無事ご理解しました。
だから春菜と博士の出番はしばらく待ってください。
お願いします、ちひろさん

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