映画館館長「よく来たな……映画館『ブラック・ヒストリー』へ」 (20)


館長「よく来たな……映画館『ブラック・ヒストリー』へ」

館長「いっておくが、この映画館で映画を上映終了まで観られた者はいない」

館長「一人もな……」



客A「その噂を打ち破るために、ボクはここに来たんですよ!」

客B「ええ……どんな映画か楽しみだわ」

客C「暇潰しにはなりそうだ……」

客D「退屈してたんでな……つい寄っちまった」

客E「なにが起こるのかは知らんが、最後まで観られぬ映画などあるわけがない」


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館長「全員席へつけ」

館長「まもなく上映を開始する」



客A「よぉーし、絶対最後まで我慢してみせます!」

客B「どんな映画かしら……」

客C「フン……」

客D「下らねェ映画だったらただじゃおかねェ」

客E「早く上映を始めろ!」


ガサガサ… ピーピー… ガサガサ…



客A「どこかの森のようですね」

客B「キレイな森だわ」

客C「……」

客D「……」

客E「……」


リー『オイ……おいおいおい、聞いたかよ』

リー『今度の中忍試験……5年ぶりにルーキーが出てくるって話』

テンテン『まさかぁ! どうせ上忍の意地の張り合いかなんかでしょ……』

リー『いや……その内の3人はあのカカシの部隊だっていう話だぜ』

ネジ『面白いな、それ……』



客A「!!!」ガタッ

客B「?」

客C「?」

客D「?」

客E「?」


客A「あ、あの……ボク、気分が悪くなってきたんで失礼します!」シュババッ

客B「え、どうして?」

客C「……」

客D「数人のガキが会話してるだけの、なんてことない場面だったじゃねェか」

客E「仕組みは分からんが、早くも心が折れたようだな」


ミス・ウェンズデー『さァ……私の体をじっと見て』

ミス・ウェンズデー『“魅惑のメマーイダンス”』グールグール…

ゾロ『う……!?』グラ…

ミス・ウェンズデー『フフ、いい子ね』



客C「……」

客D「ほう、おもしれェ技だな」

客E「なるほど、服の模様で相手に目眩を起こさせる、というわけか」

客B「キャ~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!!」


客B「あの……私も席を外しますね……。後はどうぞごゆっくり……」

客C「……」

客D「目眩を起こしたか……?」

客E「フン、軟弱者が」

客E「ん? 画面が遊園地に切り替わったようだが……」


愛子『ち、ちがう! あたしじゃない!』

ひとみ『岸田君とはうまくいってたと思ってたのに……なんで……』

ジン『おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!』

ジン『早くオレ達を帰してくれ、刑事さんよ!』



客C「!?」

客D「この黒ずくめの男……なかなか喰らいがいがありそうなヤロウじゃねェか」

客E「ほう、この気迫、部下に欲しいところだ」


客C「……」スタスタ



客D「アイツも帰りやがった」

客E「わけが分からんな……どうってことない映画だというのに」

客E「さぁ続きを見せろ!」


勇次郎『ふふ……身に覚えがありすぎるわ。愚地独歩かそれとも……』

勇次郎『!』

勇次郎『外から逆に廻していやがるッ……!』

勇次郎『おッ、おッ、お!?』グググ…

勇次郎『なんて握力だッッッ!!!』メキ…




客D「~~~~~~~~~~ッッッ!!!」

客E「どうした?」


客D「邪ッッッ!!!」

ドゴォッ!!!

客D「破壊(こわ)れねェ……今の感触、なにか得体の知れない力を感じやがった」

客D「フンッ、帰るぜ」ズチャッ…

客E「……」

客E「これで残りはオレ一人……」

客E「今のところ、オレにダメージは全くない! しょせん噂は噂だったということか!」


海馬『ボクはね……このゲームじゃ全国大会で優勝を争うほどの腕なワケさ!』

海馬『ま……最低でも一万枚集めてから声をかけてくれよ……フフ』

遊戯『いいよ……城之内くん、ボクらで遊ぼう……』

城之内『くそー! すげームカつく!』



客E「こ、これは……!?」


遊戯『死者蘇生のカード! 対象となるモンスターは……青眼の白龍!』

海馬『な、なんだと……そのカードを持っていたとは……!』

遊戯『その攻撃! 滅びのバースト・ストリーム!』

ズガァァァァァン!!!

海馬『うわあああぁぁ! 全滅だぁ!!!』



客E「……」

客E「不愉快だ! こんな映画、最後まで観る価値などないわ!」

客E「帰るぞ、磯野!」ザッ





館長「……」


館長「やはり一人も残らなかったか……」

館長「だが、安心しろ」

館長「貴様らの黒歴史など――」グッ…



バサァッ!!!



飛影「オレに比べたら、まだマシな方だからな……」


飛影「……ん」



客F「イギリスの正義超人として、こういう映画にはぜひともチャレンジしてみたい」

客G「派出所が先輩のせいで壊れて出勤できないから、ここで映画でも観て行こうかな」



飛影「どうやら……また新たな客が来たようだ」









― 完 ―

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