千歌「μ'sの力!お借りします!!」(30)

千歌ちゃんにμ'sの諸先輩方でフュージョンアップさせたかっただけのSS

???「はぁっ!」


多分、夢を見ている。


夢で、私は怪獣とたたかってる。


???『ピ……ピポポポポポ』


???「っ、うわぁぁぁ!!」


怪獣はとても強くて、でも守るもののために負けられなくて、一生懸命戦っている。

???「――――オーブスプリームカリバー!!」


だけど、その気持ちが先行して、




???「……あ……あぁ………」


守るべきものを巻き込んでしまった。



???「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

???「うぁ……―――――、ごめ」

美渡「おらっ!!起きろぉ!!」

千歌「うわっ!!?」


…………夢から覚めた。

千歌「いっつつつ……みとねぇ、もっと優しくおこしてよ……」


起こしてくれた『恩人』に、お礼代わりに悪態をついてやる。


美渡「あのねぇ……やさ~しく起こしても起きないのはアンタでしょ?」


千歌「むぁ、そうだけども」


正論。
一片の反論の余地もないド正論だ。


美渡「……で、時間よ」


千歌「………………マジか……」


時計は7:20を指している。
まずい。

千歌「ぐぇぇぇ、しまねぇごはん!!」


志満「はい」


千歌「いただきもぐはぐもぐあぐあ」


挨拶もそこそこに朝食にがっつく。


志満「ゆっくり食べないと、体に悪いわよぉ」


千歌「んぐんぐ……そんな時間があろうものか」


美渡「自業自得でしょうが」


千歌「ごくん。ぁ明日からもっと早く起こしてね!!」


美渡「自分で起きろよ!」

TV『…………さて、昨今話題となっている、ウルトラマンオーブですが……』


千歌「!」


……思わずTVに食いつく。


TV『現在、静岡県の極めて局所に怪獣が頻繁に出没し、問題となっています。しかしその怪獣から、市民を守る存在もまた現れています。それがウルトラマンオーブ』


TVは資料映像に切り替わり、当たり障りのないナレーションが流れる。


千歌「…………」


美渡「ぼーっとすんなっての!バス来るぞ~!!」


千歌「はっ!!ヤバいヤバい………………ごちそうさん!!行ってきます!!!」


朝食を詰め込み、家をあとにする。

千歌「はぁ。今日朝練なくて良かったよ~」


なんとか間に合ったバスの中で、ほっと一息つく。


梨子「朝練なくても早目に起きるべきだと思うんだけど……」


千歌「細かい事はいいっこなし!」


梨子「え、えぇ?」

曜「そう言えばさ、ニュースみた?」


千歌「ニュース?」


梨子「あ、オーブのこと?」


曜「そうそうそう!まさかこんな田舎がテレビで取り上げられるなんてねー」


千歌「え、そこなの?」


曜「?」


千歌「もっとさぁ……ない?」


曜「ごめん、内容は全然覚えてない」


千歌「もー!」

梨子「確か、オーブも人間を攻撃する可能性が高いとか、そんなこと言ってたよね……?」


千歌「え゛」


曜「そうなのー?」


梨子「うん……怪獣が出てきた時期と、オーブが出てきた時期が全く同じだから、怪獣同士の戦いに巻き込まれてるんじゃないかって意見が多いみたいだよ」


千歌「そんな馬鹿な…………」


曜「へー、ウルトラマンも悪いやつなのか」


千歌「そんな訳ない!!」


曜「ふぁぁぁ!?千歌ちゃん近い……/////」

千歌「あ、ごめんごめん」


梨子「どうしたの?そんな躍起になって……」


千歌「…………なんでだろ」


梨子「え?」


千歌「なんか………あの人に昔、助けられたような、そんな気がする」


曜「えー?」


梨子「でもオーブが出てきたのはつい最近の話じゃ……」


千歌「うーーん……」


何故かはわからないけど、自分の中に
『ウルトラマンオーブは悪者じゃない』
って気持ちがある。


……ほんとに何故かはわからない。

ダイヤ「……はい、じゃあ今日はこの辺で終わりにしましょう」


果南「え、いつもより早くない?」


ダイヤ「ええ……しかし練習量は」


花丸「もう無理ずらぁ……」


ルビィ「ぴぎぃぃ……」


善子「が……………し……」


曜「善子ちゃんが死にそうになってるっ」


ダイヤ「まぁこのように詰め込みましたから、いつもと代わりないですわ」


鞠莉「中々鬼畜なことするわネ」

千歌「なんで今日はこんな早いんですか?」


ダイヤ「ほら、最近頻発してるでしょう、怪獣やら……ウルトラマンオーブやらが」


千歌「っ~……」


梨子「あ、なるほど」


千歌「ウルトラマンは悪者じゃないのにそんな言い方…………ブツブツ」

ダイヤ「え?」


梨子「あ、朝からこの調子なんであんまり気にしない方がいいと思います」


ダイヤ「え、ええ……それでは、なるべくまとまって帰るように。解散!!」

千歌「はぁ~…………」


梨子「そんなに落ち込む?」


千歌「なんでだろ、なんかオーブが悪く言われてるとすごい嫌」


曜「………千歌ちゃん実はオーブだったりする?」


梨子「!」


千歌「えぇ?まっさか~!」


曜「だよねー!」


梨子「……なんだ、ビックリしたぁ」

千歌「でもなれたらいいよね~」


曜「えっ!?なんで?」


梨子「絶対危ないよ!」


千歌「だってさ、怪獣からみんなを守れる、つまりはみんなの希望になれるんだよ!それって、みんなを笑顔にするスクールアイドルと同じ位すごいじゃん!!」


梨子「う、うーん……なんかしっくりこない」


千歌「えー………あ、ヤバい」


曜「どうしたの?」


千歌「課題置いてきちゃった」


梨子「社会の?」


曜「期限明日までだよね……?」

千歌「……いいや明日朝一でやろ」


曜「……間に合わなかったら?」


梨子「社会の先生すごい怖いよね……」


千歌「とってきます」


梨子「うふふ。じゃあ、一緒に行こっか」


曜「うん!」


千歌「いや、バス来ちゃうし良いよ。一人で大丈夫!」

梨子「でも、万が一怪獣がでたら……」


千歌「ここ二、三週間出てないから大丈夫だって!あ、バス来ちゃったよ」


曜「……しょうがない、梨子ちゃん、いこ?」


梨子「うん……ほんとに気をつけてね!」


曜「食べられないようにね!」


千歌「大丈夫だって!じゃ、また明日!」


帰り道。


千歌「ふぁー、結構遅くなっちゃったな~……ん?」

みんなでいつも体力作りのために登る、この長い階段に差し掛かった。
………やけに気になる。


千歌「…………」


胸騒ぎがする。
登ってはいけない……でも気になる。


千歌「………大丈夫だよね」


危ないとわかっていても、気になりだしたら行かずにはいられないのが人間なのだ。

千歌「はぁ、はぁ……なんでこんな無駄なことしてんだろ……」


とてつもなく長い階段を、登って行った。


千歌「ふぇ、ふぁ、ふぅ。ついたぁぁ」


小さい社が見える。
ここが終点。


千歌「…………帰るか」


登り終えた途端、興味はフッと消え去った。
むしろ、早く帰らなければならない気がしてならなかった。


「待て」


千歌「!!?」


謎の声に呼び止められ、歩みを止めた。

千歌「ひっ、ひぇ」


「お前に頼みがある……」


千歌「え?」


「ウルトラマンオーブになってくれ」


千歌「……………は?」


「頼む……オレにはもう戦う力が残ってない」


千歌「ちょ……誰?とりあえず姿見せてよ……っていうか曜ちゃんがからかってるんでしょ、出てきてよ」


不安と期待が入り交じった声で、声の主に呼びかける。
きっと何かの冗談だろう………

「オレはここだ……」


千歌「うわっ!?」


突然、光の粒子がそこらじゅうに現れた。
そして光の粒子は、集まって人型の塊になった。


「オレはクレナイ ガイ。ウルトラマンオーブ、なんだが……少しまずいことになってな」


光の塊が喋った……みたいだ。
ありえないが、不思議と心は落ち着いている。

千歌「ま、まずいこと?」


ガイ「ああ。オレは多分、この世界とは別の世界から来た」


千歌「別の世界って……異世界ってこと?」


ガイ「そういうことになるな。オレのいた世界は、敵からなんとか守り通すことが出来たが……そうなると敵は異世界を侵略し始めた」


千歌「それが今、私がいる世界、っていうこと?」


ガイ「そういう事だ……オレは敵を追ってこの世界に来た。が、その時の衝撃で本来の力を半分ほど失ってしまった」


千歌「ええ!?」

ガイ「力が出せなくなっても、オレは戦い続けた……だがもう限界が近い。オレは歴代のウルトラマンの力を借りて戦うことも出来るが……」


千歌「ウルトラマンって他にもいるの!?」


ガイ「あ!?あ、ああ。だが、こっちの世界には一人も……いない」


千歌「!」


ガイ「そのせいで、他のウルトラマンの力を借りることが出来ない。だから、お前の力が必要なんだ」


千歌「………どういうこと?」


ガイ「ウルトラマンはいないが……人々の希望になれる者はこの世界にいるだろ?」


千歌「!!」

ガイ「その者たちの『希望』の力を借りるんだ……そうすればきっと、オレがやってたことと同じことが出来る」


千歌「それは……ガイさんが借りるんじゃダメなの?」


ガイ「オレはこの世界の住民じゃないからな。この世界の希望は、この世界にすんでいる者にしか受けられない」


千歌「………」


ガイ「……やってくれるか?」


千歌「…………えーーーっと」


決断ができない。
あんなに憧れていたウルトラマンオーブになるチャンスが目の前にぶらさがっているのに……

ガイ「……無理にとは、言わない……他の奴らに頼むこともできる」


千歌「もし……誰もやってくれなかったら?」


ガイ「今まで通りオレが戦うさ。命を削ってでも」


千歌「……なんでそこまで」


ガイ「オレはウルトラマンだからな」


千歌「!!」


即答だった。
それ以上でもそれ以下でも無い、と続けた。
彼はウルトラマンだから、人々の希望だから立ち上がるのだ。
……なんだか寂しい気持ちになった。
それと同時に……………。

千歌「わかった……やる」


ガイ「本当か!?」


千歌「うん。私やるよ!ウルトラマンになる!!」


ガイ「……じゃあ、こいつを受け取ってくれ…………」


千歌「……これは……」


ガイ「オーブリングと、フュージョンカードだ。だが力を失い、白紙になっちまってる」


千歌「………」


おそるおそる受け取る。
と、カードを受け取った瞬間、辺りが光に包まれた。


千歌「うわっ!?なにこれ!?」


ガイ「お前が持つ希望の力が、カードに注がれているんだ」

千歌「ぅ……ぁ、収まった……?」


手元を見ようとした瞬間、とてつもない地鳴りが起こった。


千歌「うわぁぁぁ!?なに!?」


ガイ「クソ、このタイミングでか……しょうがない!おい、そういえば名前なんて言う?」


千歌「えっ!?ち、千歌です……」


ガイ「千歌!ぶっつけ本番だがやるしかない!!」


千歌「えっ……うわっ!?か、怪獣……!!」


ガイ「あいつは……暴君怪獣タイラント!!いきなり強敵じゃないか……!」

千歌「え、えっと、どうすればいいんでしょうか」


ガイ「まずはリングをかざす。そして二枚のカードをリングに通す。そして、トリガーを引く!これだけだ」


千歌「よ、よくわかんないけど……とりあえずやってみます!!!!」


そう叫びながら、リングを天にかざした。
すると、いつの間にか謎の空間に飛ばされていた。


千歌「えっ!?ここどこ………いや、もうとにかくやるしかない!!」


啖呵を切り、手元の……



絵里さん と ことりさん の、二枚のカードを構える。

千歌「絵里さん!!」

絢瀬絵里!

絵里『はっ!!』



千歌「ことりさん!!」

南ことり!

ことり『ちゅん!!』



千歌「光の力……お借りします!!」

フュージョンアップ!
ウルトラマンオーブ ハートブレイクテリブル!!

オーブ「………お、おお!おおおおおお!!!!!」


高揚感と、満たされた気分が溢れかえってくる。
それと同時に、使命感と、すべてを守る力が湧いてくるのも感じる。
これが…………ウルトラマンっ!!!



ガイ「千歌!くるぞ!!」


オーブ「は、はい!!」

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