【ゆるゆり】殺意のアークトゥルス (57)






――――憎い。






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京子「よーっす」

結衣「おっす京子」

ちなつ「今日は京子先輩」

あかり「こんにちは、京子ちゃん」





私は、彼女を殺したいほど憎んでいる。





京子「はー、さて今日は何すっかなー」

結衣「いつも通りでいいだろ」

ちなつ「ええ。お茶でも飲んでのんびりしましょうよ」

あかり「うん。お菓子もあるし」



京子「えー?ダラダラしすぎじゃん私らー」

結衣「お前がそれを言うか」

ちなつ「一番ダラダラしてるのは京子センパイじゃないですか」

あかり「あかりが入部した時、ダラダラする部って言ったの京子ちゃんだよー」



普段、何気なく会話をしている時でも、私は頭の中で

彼女の髪をつかんで引きずり廻し、床に頭を叩きつけ

血を流して命乞いをする彼女を凄惨に[ピーーー]場面を常に思い浮かべている。

sageじゃなくてsagaと入れないと一部単語が「ピー」表示になるよ

結衣かあかりだな

>>7
ありっす



京子「まーいっか。じゃ、ちなつちゃんお茶ー」

結衣「ったく、偉そうに・・・。会社の上司かお前は」

ちなつ「もう。自分でいれてくださいよ」

あかり「そうだよー」



どれほどの憎しみが私の中を満たしているか、

みんなは知らないだろう。

私は普段、そんな事はおくびにも出さないのだから。



京子「いーじゃんいーじゃん。私、社長なんだからさー」

結衣「何で社長になってるんだよ」

ちなつ「えー?京子センパイが社長ですかー?」

あかり「一体、何をする会社の社長さんなの?」



ああ、憎い、にくい、ニクイ!

このままでは気が変になってしまいそうだ。

彼女の顔を見るたびに湧き上がる殺意を、私は常に必死で押さえている。



京子「うーん、そうだなー・・・。世の中に娯楽をお届けする、ごらく部株式会社!」

結衣「一体どんな会社だよ」

ちなつ「部活のノリそのまんまじゃありませんか」

あかり「わぁー、でも楽しそう」



私がこうなってしまったのも、彼女と付き合って・・・。

それから、別れてしまったからなのかも知れない。

周りには秘密だけれど。



京子「結衣が部長で、ちなつちゃんが私の秘書ね。んであかりはヒラ社員」

結衣「そんなわけわからん会社の部長に任命されてもなぁ」

ちなつ「えー、私結衣センパイと一緒にお仕事したいです」

あかり「何であかりだけヒラ社員!?」



付き合い初めのうちは、幸せだった。

世間にも、誰にも秘密の二人だけの関係。

この事を知ったら周りのみんなは驚くだろう。



ちなつ「だいたい、京子センパイが社長の会社なんてすぐに潰れちゃいますよ」

結衣「ああな」

京子「あっ、ひ、酷いぞ二人とも?」

あかり「だって、京子ちゃんグータラなんだもの」



しかし、幸せは長くは続かなかった。

彼女の家には莫大な借金がある事を私は知ったのだ。



京子「わ、私だってなぁ、やる時はやるんだぞ?」

結衣「本当か?」

ちなつ「普段の行いを見てれば、とてもそうは見えませんけれど」

あかり「いつも、ダラダラしてるだけだもんねー」



彼女を助けたい一心で、お金を得るために

私は体を売った。

だって、それ以外に大金を得る方法など思いつきもしなかったから。



京子「見せてやろうか?私が本気になったらどうなるか?」

結衣「おー、ぜひ見てみたいもんだ」

ちなつ「京子センパイが何かに本気になるとこなんて初めて見るかも」

あかり「一体、どうなるの?」



しかし、隠しておいたのにそれを彼女に知られてしまった。

お金のために体を売った私を、汚らわしいと彼女はなじった。

私がどんな思いでそうしたのかも考えないで。



京子「いいんだな?ほんと、どうなっても知らないからね?」

結衣「大体、何に本気を出すんだよ」

ちなつ「まさか、本気でダラダラするとかじゃありませんよね?」

あかり「あ、京子ちゃんならありそう」



そして、さらに衝撃的な事実が判明した。

ずっと女とばかり思っていた彼女は、何と、男だったのだ。



京子「よーし、それじゃ今から出すぞ本気をー」

結衣「だから、何に本気を出すんだ」

ちなつ「教えてくださいよ」

あかり「京子ちゃん、本気を出したらどうなるのかなー」



そして、彼・・・いや彼女は、

さらに許せないことに浮気までしていた。

しかも、浮気相手を妊娠させたという。



京子「・・・と思ったけど、やーめた。今度にしよ」

結衣「結局それかよ」

ちなつ「きっと、本気でダラダラするってやるつもりだったんですよ」

あかり「ああ、ちなつちゃんに当てられちゃったのかもね」



浮気相手は、私もよく知る・・・。

私が気づかないのをいい事に、

二人して腹の中で笑っていたのだろうか。



京子「さーて、ダラダラすっかなー」

結衣「京子が本気で何かに取り組む姿は一生見れないような気がする」

ちなつ「何が起これば京子センパイの本気が見られるんでしょうかね」

あかり「うーん・・・。火事とかあったら本気で逃げるかなぁ」



もう我慢の限界だ。

彼女、いや彼と浮気相手を、そのお腹の子供ごと・・・。

私を弄んだ事を後悔させてやる。



京子「そうそう、忘れるとこだった。ちなつちゃん、お茶」

結衣「また話が振り出しかよ」

ちなつ「もう。だから自分でいれて下さいよ」

あかり「どーしてもちなつちゃんにお茶いれてもらいたいの?」



何度、彼女・・・。いや、彼を殺そうと試みたかわからない。

しかし、そのたびに私は思いとどまった。

ある特殊な事情から、思いとどまらざるを得なかったのだ。



京子「決めた。私、ちなつちゃんがお茶をいれてくれるまで今日はダラダラし続ける!」

結衣「何の脅迫にもなってないぞ」

ちなつ「はいはい。好きなだけダラダラしてて下さい」

あかり「いつもと何も変わらないよぉ」



実は、ここはそう広くない宇宙船の中なので

人を殺してしまっては簡単に足がついてしまうし、逃げ場もない。



京子「いいのか?私は本気だぞ?」

結衣「いや別に本気になられてもな」

ちなつ「一生見れないと思っていた京子センパイの本気が見れましたね」

あかり「ちなつちゃんがお茶いれてくれたらシャキッとなるの?」



地球は太陽の異変で生物の住めない星になり、

私たち人類は生き残りをかけて居住可能な惑星を目指し

恒星間宇宙船で宇宙を航行している最中なのだ。

意味不明

劇中劇か何かなんだろうから、その部分は別にいいんだけど
何か最近のゆるゆりSSは1レス内の文字が極端に少ないよね
キャラ同士の会話を引き伸ばして何とかレス数水増ししてるように見える



京子「ねーねーちなつちゃん、お茶いれてよー」

結衣「お前には自分でいれるって選択肢はないのか」

ちなつ「はぁ、全く・・・。じゃあ、私がお茶いれたらちょっとはシャンとしますか?」

あかり「京子ちゃん、人に頼りっぱなしじゃダメだよぉ」



宇宙船内では、管理をスムーズに行うため

乗組員全員にマイクロチップが埋め込まれ、

船内での居場所などをコンピューターがいつでも記録している。



京子「うん、めっちゃシャキッとする!採れたてのレタスぐらい!」

結衣「どんな例えだよ」

ちなつ「そういう事いうから信用できないんですよ・・・。よっこいしょっと」

あかり「ちなつちゃん、いれてあげるの?」



なので、彼と二人きりになったとすると

それがコンピューター上に記録として残ってしまう。

そこで彼を殺害したりすると、私が殺したとすぐにバレてしまうのだ。



京子「うっひょう、やった!私のゴネ勝ちだ!」

結衣「お前って奴は、本当に・・・。ちなつちゃん、ごめんね?」

ちなつ「いえ、いいんです。腐っても部長ですから京子センパイは」

あかり「優しいんだねちなつちゃん」



だから私は一計を案じた。

二人きりになった時、コンピューターに記録されないようにすればいい。

そう。管理コンピューターに細工をすればいいんだ。



京子「やっぱ、ちなつちゃんがいれてくれるお茶はおいしいからねー」

結衣「お礼に何かしろよ」

ちなつ「じゃあ、あとでみんなの湯のみ洗ってくださいね」

あかり「そうだよ京子ちゃん」



管理コンピューターは普段は24時間私たちの行動をチェックしている。

しかし、一瞬スキの出来る時がある。



京子「さーて、お茶がはいったら本格的にゴロゴロしよーっと」

結衣「シャキッとするんじゃなかったのか?」

ちなつ「京子センパイがするわけがありませんよ」

あかり「もう京子ちゃんたら。結局そうなんだから」



これから、船の向かう先にあるうしかい座α星、通称アークトゥルス。

太陽の16倍もある赤色巨星だ。

船がこの星のそばを通過する時、

強力な電磁波の影響を避けるためにコンピューターの機能が

一時的にシャットダウンされる。



京子「猛獣はふだんダラダラして狩りをする時のためにエネルギーを保存しているのだー」

結衣「お前が狩りなんてする機会ないだろ」

ちなつ「じゃあ一生ダラダラしっぱなしじゃないですか」

あかり「それじゃ猛獣じゃなくてナマケモノだよぉ」



そのスキをついて、彼とその浮気相手の殺害を決行する。

そしてコンピューターの機能がシャットダウンされている間に

データの書き換えを行い、私が二人と接触した痕跡を完全に消してしまう。



京子「さーて、これで心置きなくダラけられるぞー」

結衣「少しはシャキッとしろお前は」

ちなつ「あとでみんなの湯のみちゃんと洗ってくださいよ」

あかり「約束したんだからね京子ちゃん」



他に誰かがいた痕跡もなく、二人が死んでいる。

これは、痴情のもつれか何かでお互い殺し合ったようにしか見えないだろう。

完璧な計画だ。

きっと、誰にもバレやしない。

ふと窓の外を見ると、赤く、大きなアークトゥルスがぎらぎらと輝いているのが見えた・・・。



あかり「・・・ところで」



あかり「櫻子ちゃん櫻子ちゃん。せっかく遊びに来たんだから一緒にお喋りしようよ」

あかり「一体、何の本読んでるの?」

櫻子「んー、これ?殺意のアークトゥルスってヤツ」



あかり「それって、どんなお話なの?」

櫻子「女だと思ってた恋人が実は男で、だから宇宙船に細工して殺そうとする話」

あかり「へ、変なの・・・」


終わり

以上になります
呼んでくれた方ありがとうございました
依頼出してきます

難解だわ
おつおつ

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