穏乃「うわああああああああああああああああああ」 (20)

阿知賀

穏乃ふんふふ~ん♪今日も山でどんぐり拾うぞ~」

ピロリン ピロリン

穏乃「へ?」

キンキュウジシンソクホウデス ツヨイユレニケイカイシテクダサイ

ピロリン ピロリン

穏乃「うわあああああああああああああああああああああああ」

穏乃「地震だああああああああああああああああああああああ!!」

穏乃「逃げろうわあああああああああああああああああああああ」

猿かわいい

あいつどうせ携帯持っていかない

憧「~♪」

穏乃「ってあれは憧!何であんなに落ち着いてんだ!地震だぞ震度7だぞ!」

オーイアコー!

憧「ん?この声は……」

穏乃「憧ー!!地震だぞ!!落ち着いて行動しているあたりは流石だけど優等生ぶってる場合じゃないだろ!!!」

憧「は?あんた何いってんの?」

穏乃「憧こそ何いってんだよ!ほら、安全な所に避難するぞうわああああああああああああ!!」

憧「はぁ……このばかしず!!」

穏乃「へ?」

憧「震度7だったらもっと揺れてるでしょーが!誤報よ誤報!!」

穏乃「誤報……?」

憧「そうよ!ほら、灼なんかあそこでボーリング打法の素振り(?)を平然とやってるじゃない!!」

穏乃「あ、ホントだ……」

確かに奈良の地震ってことで一番に想像しちゃったわ

憧「まったく、あの音を聞いてパニックになるのもわかるけど断片的情報に惑わされるんじゃないわよ!」

憧「結局は自分で見た情報が正しいんだから……」

穏乃「ホッ、よかった~。こんなときでも冷静に判断する憧はやっぱりすごいよ!」

憧「まあね。私偏差値70あるし」

穏乃「なんか今のでどっと疲れちゃったよ!お腹空いた、ラーメン食べたいラーメン!」

憧「もうしずったら、切り替えはやすぎでしょ!……でもそんなところがしずらしいわ」

穏乃「そうだ!今日は玄さんが松実旅館でラーメンをおもてなししてくれるんだった!」

穏乃「ねえ、憧も一緒にどうかな?」

憧「別にいいわよ。玄があの地震速報聞いてどうなってるか気になるしね」

穏乃「わーい♪じゃあさっそく玄sあんのところに行こう!」

憧(まあ、玄のことだから今だにテーブルの下に隠れて震えてるんだろうけど)

ボーリング打法って温泉ほれそう

そして松実旅館

穏乃「こんちわー!」

憧「松実旅館は耐震設計の審査クリアしてるのか気になるわね」

シーン……

穏乃「あれ?返事しないね。やっぱりさっきの地震速報を聞いて避難したのかな?」

憧「どうせ机の下で震えてるでしょ。私達の声が聞こえてないんじゃない?」

穏乃「そっかー。じゃあ勝手にお邪魔しますか!靴もあるみたいだし」

憧「そうね。さっさとさっきのは誤報だと教えて安心させましょ」

穏乃「では失礼しまーす!」タタタ

憧「こら、しず!靴はちゃんと揃えておきなさい!!」

穏乃「玄さーん、どこですかー?返事してくださーい」

憧「もう、ホントしずはしょうがないんだから」

―――
――

穏乃「し…死んでる…」

穏乃「えっと台所はこっちだから……玄さーん!どこですかー?」

憧「……いないわね」


アワワワワワ クロチャーン シッカリシテー……


穏乃「ん?」

憧「この声は……宥姉?」

穏乃「こっちから声がするよ!」タタタ

憧「あ、待ちなさい!」タタタ

宥「うぅ……玄ちゃん……どうして……」

玄「」

ドアバアン!

穏乃「玄さん、宥さん!どうかしたんですか!?」

憧「まだ地震に怯えてるの?さっきのは誤報よ誤報」

宥「あ、穏乃ちゃんと憧ちゃん……どうしよう、玄ちゃんが玄ちゃんがー……」

穏乃「な、何があったんですか!?泣いたままじゃわかりませんよ!」

宥「うぅ、さっきのチャイムで……玄ちゃんが……」

憧(さっきのチャイム……?まさか――)

憧「も、もしかしてさっきの地震速報聞いて吃驚してショック死したとかじゃないわよね……?」

宥「そのまさかだよー……玄ちゃん、あの音聞いてからいきなり泡吹きだして……」

穏乃「そ、そんな……」

よっしゃ人工呼吸とおもちマッサージなら任せろ

憧「救急車は!?救急車はもう呼んだの!?」

宥「何度も電話したけど、繋がらなくて……」

憧「くっ……(さっきの地震速報のせいか!みんな混乱して回線が混雑してるんだわ!)」

憧「じゃあAEDは!?あれなら玄を――」

宥「ゴメンね、うちの旅館赤字経営だからそこまで用意出来なくて……」

憧「そんな……」

穏乃「玄さーん、返事してください!くろさああああああああああああああん!!」

さすがのメンタル

結局、玄は助からなかった

あの誤報が一人の少女の命を奪ったのだ

その後、宥は裁判を起こしたが遺族側の主張は認められず負けてしまった

そして今まで玄に旅館のことをまかせきっていたので

宥一人で松実旅館を経営できるわけなく、そのまま倒産により自己破産を余儀なくされた

私達はこの悔しさをどこにぶつければいいのか

ただ、ただ普通の生活を送りたかっただけなのに……


二度とこのような事件を起こさないように、私達は一体何ができるのだろう

そう思う憧と穏乃であった

これ咲でやる必要ないだろ

おい

確かに奈良って聞いて真っ先にあちが思い出したわ

あと、玄ちゃんは旅館の手伝いって忙しさがピークの時にしかしてないよ

BADEND… 

で、宥が体で稼いでいく展開になるんだろ?

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