曜「千歌ちゃんたちに好きって言ってみるよーそろー!」(94)

──曜の部屋

曜「どんな反応するかなーw」

曜「口で言うのは恥ずかしいしまずはLINEで!」

曜「よしっ、まずは千歌ちゃんから!」スッスッ

曜:おはよーそろー!千歌ちゃん

千歌:おはよー

千歌:こんな朝早くに珍しいね

曜:そうかな?

千歌:うん!

曜「さて、そろそろ本題にはいろっかな」スッスッ

曜:あのね千歌ちゃん、ちょっと相談したいことがあるんだけどいい?

千歌:なになに?どしたの?

曜:実は私、好きな人ができたんだ

曜「…」ジーッ

曜:実は私、好きな人ができたんだ 既読

曜「おかしいな…あれから5分くらい経ってるのに返事が来ない」

曜「ていうか既読ついてるのに…」

曜「…」

曜「次は梨子ちゃんに送ってみよーっと」

曜:おはよーそろー!梨子ちゃん!

梨子:おはよ、曜ちゃん

曜:今日もいい天気だね!

梨子:そうだねー

梨子:それで、なにか私に用事?

曜:いや、とくにないよ?

梨子:そうなんだ、こんな早くからLINE来たからてっきりなにか用があるのかと思っちゃった

曜:そっかー。私は梨子ちゃんのことが好きだから1秒でも長くメールとか電話したくって!

曜:あ、迷惑だったらごめんね?

梨子:え?

曜:ん?どうかした?

梨子:え、いや、いま、え?

曜:梨子ちゃん?

梨子:私のこと好きって…

曜:あー…つい本音が出ちゃった。ごめんね、気にしないでいいから

梨子:あの、好きって言うのは、友達って意味だよね?

曜「くふふ…」

曜:えっと、なんていうか、その…梨子ちゃんが好き。友達とかそういう意味じゃなくて

梨子:え!!

梨子:梨子がスタンプを送信しました

曜「ん?」

曜:スタンプ?

梨子:まちあえあ

曜:??

梨子:間違えた

曜:そっか。私もたまに間違えてスタンプ送信するときあるんだよねー

梨子:そうなんだ

曜:うんうん♪

梨子:そんなことよりも!!

梨子:私のことが好きって本当なの?嘘じゃなくて?

曜:嘘でそんなこと言うと思う?

曜:エイプリルフールじゃないんだからさ

曜「まっ、嘘だけどねー」

梨子:え、でも…

曜:でも?

梨子:曜ちゃんって千歌ちゃんのことが好きなんじゃないの…?

曜:千歌ちゃん?どうしてそう思うの?

梨子:質問を質問で返すなァ───ッ!!

曜:え

梨子:ごめんなんでもない。ちょっと指がすべっちゃった

曜:そ、そうなんだ

曜「びっくりしたぁ…」ドキドキ

梨子:えっと、どうしてそう思うかだよね?

曜:うん

梨子:2人っていつも仲良いし、なにをするのも一緒で…

梨子:それも、私の入る隙間がないくらいに…

梨子:だから私、曜ちゃんは千歌ちゃんのことが好きだと思ってたの

曜:そっか…

曜:梨子ちゃんが私たちのことをどう思ってるのか、よくわかったよ

梨子:曜ちゃん…

曜:まぁ、私にとって千歌ちゃんはただの幼馴染かな?

曜:友達としてなら千歌ちゃんのことは好きだけど、1人の女性として好きだなんて一度も思ったことなんてないよ

曜:私は1人の女性として梨子ちゃんのことが好き

曜「いつネタばらししよっかなー」

曜:私は1人の女性として梨子ちゃんのことが好き 既読

曜「梨子ちゃんからも返事が来なくなった…」

曜「…」

曜「これって既読スルーってやつじゃ…」

曜「いや、もしかして嘘がバレたとか…?」

曜「うーん…いきなり好きって言ったのはまずかったのかな…」

曜「これから気をつけないと…」ドジャアァァ~~ン♪

曜「…ん、電話?」ディーフォーシィノサラナルダンカイダァ!

曜「…」シレンハソナエモノダ…

曜「あれ、梨子ちゃんだ」ジャイロハコノタメニ…レッスンファイブヲコノタメニ…

曜「なんで電話?LINEでいいのに…」ワガココロトコウドウニイッテンノクモリナシ……!スベテガセイギダ

曜「まあいいや」ピッ

曜「もしもし」

梨子『…』

曜「梨子ちゃん?」

梨子『ぁ…曜ちゃん、急に電話してごめん…』

曜「ううん、それでどうかしたの?」

梨子『えっと、その…』

曜「?」

梨子『曜ちゃん、さっき私のこと好きって言ってくれたよね…?』

曜「あっ、うん」

曜(そろそろネタばらしした方がいいのかな?)

曜(まっ、梨子ちゃんなら笑って許してくれるでしょ)

曜「なーんてね!実は冗だn」

梨子『私も曜ちゃんのことが大好き!!』

曜「えっ」

梨子『曜ちゃんは千歌ちゃんのことが好きだと思ってて…だから、ずっと言えなかった』

梨子『でも、曜ちゃんが私のことを好きって言ってくれて…』

梨子『だから私ね?すごく嬉しかったの』

曜「いや、その」

梨子『ほんとに…うっ、嬉しかっ…ぐすっ…』

曜「え」

梨子『うっ、う゛う…ぐす…えぐっ』

曜(な、泣いてる…)

曜「あ、あ、あの、梨子ちゃん?だ、大丈夫?」

梨子『う゛ぅ~…ようぢゃぁん~…』

曜「あぅ…」

曜(どうすればいいの…)

梨子『──…ごめん、急に泣いちゃって』

曜「ううん。…もう大丈夫?」

梨子『うん、落ち着いたから…』

曜「そっか…」

梨子『…』

梨子『曜ちゃん…』

曜「ん?」

梨子『私たちって…その、両想い、なんだよね?』

曜「え?」

梨子『え…?』

曜「あ、えっと…」

曜「う、うーん…そうなる…のかなー?」

梨子『だよねっ』

曜「はは…」

梨子『…あ、ていうことは、私たちって付き合うことになるのかな?』

曜「付き合…」

梨子『付き合うことになったら、たくさんデートしたいなぁ』

梨子『2人でクレープとか買って食べさせあったり、洋服とかアクセもお揃いのを買ったりして…』

曜「ぁ…」

梨子『2人っきりでお泊まりなんてのもいいかもっ♡』

曜「ぁ、あの~…」

梨子『…あっ、ごめんね。なんか私だけしゃべっちゃって』

曜「いえ…」

梨子『なんかそういうの考えるとどんどん止まらなくなっちゃうね♪』

曜「そうなんだ…」

梨子『曜ちゃんはどこ行きたい?』

曜「えっと~…」

梨子『うん?』

曜「プール…とか?」

梨子『あはは、曜ちゃんったら。もう10月だしプールはやってないよ?』

曜「だ、だよね…」

梨子『無難に洋服屋さんとかいいかも?あと映画館で一緒に恋愛映画とか見たいな♡』

曜「さいですか…」

梨子『あっ!それとも、曜ちゃんコスプレ好きだしそういうお店とかいいかもね♪』

梨子『あとあと!喫茶店にも2人っきりで行きたいかな』

梨子『大きなパフェを食べさせあうの♡』

曜「ははは…」

梨子『あとは…』

『梨子、ごはんよー』

梨子『あっ…ごめん曜ちゃん、朝ごはんできたみたい』

曜「そうなんだ…」

梨子『ご飯食べ終わったらまた電話かけるね♪それじゃまたね、よーちゃん♡』

曜「うん…」

梨子『それじゃ切るね!』ブチッ

曜「…」ツーツー

曜「…」

曜「…」チラッ

曜「…」

曜「私もご飯食べよ…」

曜「…」ムクッ

曜「…」スタスタ

曜「…」ガチャ

曜「…」トントントンッ

曜「…」スタスタ

曜「ママー、ご飯まだー?」

曜「…?」キョロキョロ

曜「…あれ?」

曜「ああそっか…2人で旅行行ってるんだっけ…」

曜「…」

曜「カップメンでいいや」

───

曜「ふーふー」パクッ

曜「…」チュルッ

曜「…ぉえっ、ごほ、ごほっ!!」

曜「喉が通らない…」

曜「…テレビでも見よっかな」ピッ

『チブアイブ!サンシャイn』ピッ

『そうお?そうお~~?』

『ええ…でも変な指っ!』

『きゃああああ───っ』

『ひゃああひゃひゃああああ』

『うけけけけけ』ブチッ

曜「…」ポイッ

曜「…」ゴロッ

曜「…」

曜「もしかして私…とんでもないことしちゃった…?」

曜「梨子ちゃん本気だったよね…」

曜「あそこで「冗談でしたーw」とか言ったら絶対やばいことになってたよ…」

曜「…」

曜「それに、付き合うとか言っ…」

曜「あれ?私と梨子ちゃんって付き合うことになったの…?」

曜「嘘だろ…私たち女の子同士だよ…?」

曜「…」グシグシ

曜「……いや、逆に考えるんだ」

曜「1人と付き合うのならもうみんなと付き合っちゃえばいいんだと!!」ガバッ!

曜「なんでそんな簡単なコトに気づかなかったのかなー♪」

曜「1人付き合うのと8人付き合うのなんて一緒だもんね!!」

曜「よーしっ!次は1年生n」ドジャアァァ~~ン♪

曜「うひゃぁぁぁぁぁっ」ビクッ!!

曜「ひ、ひっ、ひいいぃ」バッ

曜「ひぃぃ…」

曜「…」

曜「…」チラッ

曜「なんだ電話か」

曜「まったく、びっくりさせやがって…」スッ

曜「あれ?果南ちゃん?」

曜「どうしたんだろ」ピッ

曜「もs」

果南『曜?』

曜「うん、果南ちゃんおはよ。こんな朝早くに珍しいね、この時間はいつもランニングしてなかった?」

果南『あんたさぁ、千歌になんてこと言ったの?泣きながら私に電話してきたんだよ?』

曜「へ?」

果南『「へ?」じゃないよ。千歌の気持ちも知らないでそんなこと言ったわけ?』

曜「えっと…」

曜(怒ってる?え?なにかしたっけ?)

果南『ちょっと曜、なにか言ったらどうなの?』

曜「あの、その、怒らないで聞いてほしいんだけど…」

果南『なに?はっきり言ってよ』

曜「なんの話をしているのかさっぱりで…」

果南『はぁ?』

曜「!」ビクッ

曜「お、怒らないでよ~…」

果南『いやいや。なんで?千歌に言ったことすら覚えてないの?』

曜「千歌ちゃんに言ったこと…千歌ちゃんに…」

曜「…」

曜「1時間くらい前にLINEで会話ならしたけど…」

果南『そうだよ、LINE。LINEで千歌に「好きな人がいる」って送ったんでしょ?』

曜「う、うん…送ったけど…」

果南『はぁ、千歌は曜のことが好きって知ってて送ったの?…だとしたら最低だけど』

曜「え?」

曜「…」

曜「…え?」

曜「あの、今なんて?」

果南『千歌は曜のことが好き』

曜「え、それってまじ?」

果南『…』

果南『…もしかして知らなかった?』

曜「知らないよ!そんなこと初めて聞いたし…」

果南『…ふ~ん、そうなんだ。てっきり知ってて言ったのかと思った』

曜「ええ…私ってそんなふうに見える?」

果南『いや、見えないけど…。なんていうか…ごめんね。怒ったような口調で問い詰めちゃってさ』

曜「ううん、気にしないで」

果南『…ありがと』

曜「だから大丈夫だって!」

曜(千歌ちゃんが私のことを好き…)

曜(曜ハーレムの感覚が見えてきたッ!!)

果南『あー…あとさ、ひとつだけいい?』

曜「ん?なになに?」

果南『曜の好きな人って、だれ?』

曜「え?」

果南『ほら、曜が誰を好きになったのかお姉ちゃんとして気になるじゃん?』

果南『あ、嫌なら別に言わなくてもいいからね?』

曜「ん~…」

曜(よしっ、1年生から攻めようかと思ったけど果南ちゃんからにしよっと。付き合い長いし)

曜「果南ちゃんかな」

果南『へ~、果南ちゃんって子なん…え?』

果南『あーっ!あれかな?果南ちゃんっていう私と同名の…』

曜「違うよ?」

曜「幼馴染の、私と今電話してる松浦果南ちゃんが好きなんだよ」

果南『ぇ…』グラッ

果南『あっ、うわぁっ!』ドサッ

曜「果南ちゃん!?」

果南『いてて…びっくりしてイスから落ちた…』

曜「だっ、大丈夫なの?」

果南『うん、ケガはしてないよ』

曜「そっか、よかった…」

果南『…』

果南『ねえ、曜…ほんとなの?』

曜「うん。私は果南ちゃんのことが好き」

果南『どうして…?』

曜「どうして、かぁ」

曜「小さい頃から果南ちゃんは私たちのことを守ってくれたよね?」

曜「他の子とケンカしたときだって、果南ちゃんは関係ないのに私と一緒に謝ってくれて…」

曜「逆に私がいじめられたときは相手をぶち…いや、やっつけてくれたり…」

果南『曜…』

曜「だからね、私はそんな果南ちゃんが目標だったの」

曜「強くてかっこよくて、それでいて誰にでも平等に接して、誰にでも優しくて…私もそんな果南ちゃんみたいになりたかった」

果南『わ、私が目標?そんなこと言われると恥ずかしいな…』

曜「あはは、私は本当のことを言っただけだよ?それだけ果南ちゃんの存在が大きかったってこと」

曜「…それで、その目標や憧れがね、いつしか違うものに変わっていったの」

果南『違うもの?』

曜「…うん。中学生の頃だったかな?その頃からね?なんか、果南ちゃんを見ると胸がドキドキするっていうか、そんな気持ちになって…」

曜「気づいたらいつも果南ちゃんばかり見てた…」

曜「その頃はまだ、それがどういう感情なのかよくわからなかったけど…」

曜「今になって、ようやくわかった気がする」

曜「私は、果南ちゃんが好きなんだなって」

曜「…」

曜「これじゃだめ、かな?」

果南『……ううん、よく伝わった』

果南『まさか曜が私のことをそこまで想ってくれてるだなんて思ってもみなかったよ』

曜「へへ、そーかな…これでも頑張った方なんだからね?本人に想いを伝えるってかなり恥ずかしいし…」

果南『うん、うん…』

果南『うん…。…っ』

曜「…! 果南ちゃん、もしかして泣いてるの?」

果南『泣いてなんか…ない、しっ』

曜「でも…」

果南『ただ、嬉しいだけだから…』

曜「嬉しい?」

果南『曜が私をそこまで想っていてくれたこと。それに、成長したんだなって…』

果南『そう考えたら少しウルッと来ちゃって…』

曜「果南ちゃん…」

果南『…』ゴシゴシ

果南『……ふ~っ、よしっ。もう大丈夫、落ち着いた』

果南『私は曜たちのお姉ちゃんなんだからちゃんとしっかりしないとね!』

曜「…」

曜「果南ちゃん、よかったらさっきの返事…聞かせてくれない?」

曜「私たちのお姉ちゃんとしてではなく、私の好きな「松浦果南」として」

果南『私の好きな松浦果南として、か…』

果南『…』

果南『返事って、今じゃなきゃだめかな?』

果南『その、考える時間が欲しくて…』

曜「ううん、今じゃなくていいよ。ただ、返事は早めにしてほしいかな」

果南『…わかった。今日中には返事する』

曜「うん、待ってるね」

果南『…』

果南『それじゃ…』ブチッ

曜「…」ツーツーツー

曜「やっぱかわいいなぁ、果南ちゃんって」

曜「顔を真っ赤にしながら悩んでる姿とか想像するとニヤニヤしちゃうよ!」

曜「ふ~…」

曜「カップメンは…ま、あとで片付ければいいよね」

曜「さてと、とりあえず部屋に戻ろうかな」

曜「ふんふんふ~ん♪」

曜「YOーYOーよーそろー♪」ピコンッ♪

曜「?」

曜「LINE?」スッ

曜「誰かな…っ、と…」

曜:実は私、好きな人ができたんだ 既読

千歌:今、曜ちゃんの家の前にいる

曜「…」

曜「え?」

曜「千歌ちゃん…だよね?これ」

曜「なんでわざわざ私の家に…」

曜「…いや、そんなこと考えるより千歌ちゃんを家に上げる方が最優先かな」

曜「…」

曜「一応スマホの電源は切っておこっと」

曜「よしっ、これで大丈夫」

曜「…」スタスタ

曜「…」ガチャ

曜「千歌ちゃ──」

千歌「曜ちゃんっ!!」ガバッ

曜「うおわぁっ!?」

曜(ドアを開けた瞬間抱きついてきた!?)

千歌「曜ちゃん…曜ちゃん…!」ギュウゥッ

曜「え、ちょ…ち、千歌ちゃん?」

曜(なんで急に抱きついて…)

曜「…」クンクン

曜(なんかいい匂いがする…)

千歌「…! い、今匂いかいだ?」

曜「…いや、かいでないよ」

千歌「嘘!だって今、くんくんって聞こえたもん!」

曜「気のせいだと思うけど…」

千歌「気のせいじゃ…ああっ、もう!走ってきたから絶対汗くさいよぉ…」

曜「いい匂いだったよ!」

千歌「…」ジッ

曜「あっ」

千歌「ほら、やっぱり匂いかいでたじゃん!」

曜「い、いいじゃん少しくらい!減るもんじゃないし!」

千歌「そうだけど…やっぱいやだよ…」

千歌「汗くさいだろうし…」

曜「全然汗くさくないよー?」クンクン

千歌「あっ!も~…」

曜「うん、普通にいい匂いだよ?シャンプーの匂いかな?これって」

千歌「も、もういいでしょ!」グイグイ

曜「えーっ…もう少しだけ…」

千歌「いーやーでーすっ!!」

曜「ちぇっ」パッ

千歌「もう、曜ちゃんたら…」

千歌「…」プイッ

曜「ごめんって!…あっ、そういえば、急に私の家に来てどうしたの?」

千歌「!」ピクッ

曜「それに走ってきたみたいだし…」

千歌「…」

曜(あれ?よく見たら千歌ちゃんの目が少し赤いような…)

千歌「曜ちゃんに会いたくなって…だから来たの」

曜「え、私に?」

千歌「…」コクッ

曜「そっか、千歌ちゃんにそう言われると…なんか嬉しいな」

曜「……って、玄関でずっと喋ってるのもアレだしとりあえず私の家に行こっか」

千歌「うん…」

曜「──はいっ、オレンジジュースでよかった?」コトッ

千歌「うん、ありがと…」

曜「いえいえー」ストッ

千歌「…おばさんは?」

曜「えっとね、旅行に行ってるよ。パパが久しぶりに帰ってきたからね」

千歌「そうなんだ…」

曜「うん♪」

曜「もう結婚して20年は経ってるのに、いつまでも仲が良いなんて羨ましいよねー」ゴロッ

千歌「…」ギュッ

曜「私もそんな人と結婚できるといいなー」

千歌「…」

千歌「あのさ、曜ちゃん」

曜「んー?」

千歌「次からあんなメール、絶対に送らないで」

曜「…」ポカーン

曜「…え、え?どしたの急に」

曜「メール…って、LINEだよね?」

千歌「…」ググッ

千歌「そうだよ、LINEだよっ!!」

曜「っ!?」ビクッ

曜「な、なに…大声出して…」

千歌「なんであんなメール送ったの!?」

千歌「「好きな人がいる」って!!」ブンブン

曜「え、あ、ちょ…枕投げないで…危ないよ」

千歌「どうしてそんなことができるの!?どうしてっ!?」ガシッ

千歌「私が曜ちゃんのこと好きって知ってて送ったの!?」ブンッ!

曜「(そういえば果南ちゃんがそんなこと言って…)ひゃ!?やばいってそれ私が水泳で優勝したときのトロフィーっ!!」

千歌「うるさいっ!そんなこと知るかぁ!!」ブンブン

曜「えええぇぇ…ひっ!うひゃぁ!」バッ

曜(やばいやばいやばい…なんかよくわからないけどすごいキレてる…!)

千歌「ううううああぁぁっ!!」ブンブン

千歌「うあああうううっ!!」ブンブン

曜「言葉になってな…っぅあ!!」バッ

千歌「ふうううぅ…うぁっ!?」ドテッ

曜「あっ…」

曜「千歌ちゃん大丈夫!?今頭打って…」

千歌「ぅ、ううっ…」

曜「千歌ちゃ…」

千歌「うぇぇ…」ジワッ

千歌「うぇぇぇぇっ…」

曜「あ、だ、大丈夫?どこ痛いの…?」

千歌「えぅっ、えぐ…あたま…」

曜「頭…うん、だよね。ちょっと待ってて!今すぐ冷たいタオル持ってk」ギュッ

曜「…! あの、千歌ちゃん?離してくれないと取りに行けないんだけど…」

千歌「ぐすっ…いい。あたま、なでて」

曜「え」

曜「いやいや、そんなことするより冷やした方が…」

千歌「……いいから、早くして。私は曜ちゃんに頭なでてほしいの」

曜「ええっ…」

曜(こ、混乱…頭が混乱してる…理解が追いつかない…)

曜(千歌ちゃんに「頭なでて」とか初めて言われたよ…)

千歌「はやく!」

曜「わ、わかったよ…なでればいいんでしょ…」スッ

千歌「ん」ズイッ

曜「…」ナデナデ

曜(なぜこんなことを…)ナデナデ

曜(部屋も強盗に荒らされたみたいになってるし…)ナデナデ

曜(いやまあ、こんな千歌ちゃんはレアだからいいんだけどさ~…)ナデナデ

曜「…」チラッ

千歌「…」ギュゥゥ

曜(それにしても、あんなに泣く千歌ちゃんは初めて見たかも…)

曜「…」

千歌「…」ギュムッ

曜(千歌ちゃんの顔がちょうど私の胸に当たってる…)

千歌「曜ちゃんのなでなで気持ちいい…」

曜「そっか…」

千歌「…」ギュッ

曜(これっていつまで続けるの…?)

千歌「…」

千歌「…ごめんなさい、曜ちゃん」

曜「へぁ?」

千歌「部屋、こんなにしちゃって…」

曜「あ、あー…大丈夫…だよ、うん!片付ければいいだけだし」

千歌「曜ちゃん…」

千歌「よー…ちゃ、ぁっ、うぁ…」ウルウル

曜(えーっ、今度はなんですか…)

千歌「よー…ちゃん、あっ、あのね…」

曜「…?」

千歌「曜ちゃん…から、好きな人がいるってLINEが来たとき…すごく、辛かったの」

千歌「胸が締めつけられるような感覚がして…」

千歌「なっ、涙が…とまらなかった…」

千歌「それで…果南ちゃんに電話して、相談に乗ってもらって…」

千歌「電話が終わったあとは…その、よーちゃんに会いたくなって…だから、走ってきたの」

曜「千歌ちゃん…」

千歌「…っ、いやだ」フルフル

千歌「よーちゃんが他の子と付き合うなんていやだよ…」

千歌「わっ、わたしは…よーちゃんのことが一番好きなの…神様にだって誓えるよ…?わたしがよーちゃんのことを世界で一番好きだって…」

千歌「だから…だからぁ…!!」

千歌「他の子に取られちゃうなんて絶対いやだぁ!!」

曜「…」スッ

曜「千歌ちゃん」ギュッ

千歌「よー…ちゃん?」

曜「千歌ちゃんに泣き顔は似合わないよ?やっぱり、千歌ちゃんには笑顔が一番似合ってると思うな」

千歌「…! ご、ごめ」グシグシ

曜「…」ギュッ

千歌「あぅ…」

曜「それと…」スッ

曜「私も、千歌ちゃんのことが好き」

千歌「…ぇ?」

曜「回りくどい言い方でごめんね?そのせいで千歌ちゃんを不安な気持ちにさせちゃって…」

曜「でも、これだけはわかってほしい」

曜「私は千歌ちゃんのことを世界で一番愛してるってことを」

千歌「…」ポカーン

千歌「え、ぁ、ぇ…?」

千歌「あっ、あ、えっ、ぅぁ…」

曜「大丈夫?ほら、落ち着いて」サスサス

千歌「うっ、うぅ…ふぅ…はぁ…」

千歌「はぁ、はぁ…」

千歌「…」

曜「落ち着いた?」

千歌「…」コクッ

曜「そっか、よかった」ニコッ

千歌「…」

千歌「曜ちゃん…」

曜「ん?」

千歌「今、曜ちゃんが言ったこと、ほんとなの?」

曜「…」

曜「本当だよ?」

千歌「うそじゃない?」

曜「嘘じゃないよ。私の言ってること、信じられない?」

千歌「そ、そういうわけじゃ…」

曜「…」ギュッ

曜「私は千歌ちゃんが好きだよ、大好き」

千歌「~~~…っ////」カアァッ

曜「あはは、千歌ちゃんの顔ゆでダコみたい」

千歌「かっ、からかわないでっ!」ポカッ

曜「いてっ!…からかってないのになぁ」

千歌「…」

千歌「…」ススッ

曜「千歌ちゃん?なんで離れるの?」

千歌「……から」

曜「え?」

千歌「恥ずかしいから…」

曜「恥ずかしい?」

千歌「好きって言われて…そんな、いつもみたいに普通に接することなんてできないよ…」

曜「そーかな?」スッ

千歌「ぁ…」

曜「私は嬉しかったよ?千歌ちゃんが私のことを好きだって言ってくれてさ」

千歌「…」スッ

千歌「…」ギューッ

曜「えっ、千歌ちゃんなにして…」

千歌「…っ」ヒリヒリ

千歌「……うん、やっぱ痛い」

曜「そりゃほっぺつねったら痛いよ…」

千歌「夢…じゃないんだね…」

曜「夢…?」

千歌「私はずっと片想いだと思ってたのに…」

千歌「曜ちゃんに好きって言われて…」

千歌「ほんと、ゆめみたい…」

千歌「全然現実味がなくて、今でも信じられないけど…」

千歌「夢じゃないんだよね…?」

曜「夢じゃないよ?もう、千歌ちゃんったらそらばっか」

千歌「だ、だって…今でも信じられないんだもん」プイッ

曜「そっかぁ…」

曜「…」

曜「…よしっ。それじゃ私が信じさせてあげる」スッ

千歌「へ?」

曜「目、つぶって?」

千歌「え?」

曜「早くつぶらないとこのまましちゃうよ?」

千歌「ぇ、ぁ、あぅ…////」

曜「つぶらないってことは…」クイッ

曜「このままちゅーしてもいいってことだよね?」スッ

千歌「…っ////」ドキドキドキドキ

ぴンぽおおォォお~~~~ン

曜「…」

千歌「…」

曜(…別に出なくていっか、どうせ回覧板かなにかでしょ)

曜「止めてごめんね、続きしていい?」

千歌「…」コクッ

曜「…」スッ

千歌「…////」ギュッ

ピンポーン

曜「」ピタッ

千歌「…」

ピンポーン

ピンポーン

ピンポピンポピンポーン

曜「…」

千歌「…」

曜「ご、ごめん千歌ちゃん、ちょっと出てくるね」

千歌「ぁ…」

曜「たぶん回覧板かなにかだと思うから…すぐ戻るよ」

千歌「…」ギュッ

曜「…千歌ちゃん?」

千歌「私も行く…」

曜「いや…別にいいよ。千歌ちゃんは待ってて」

千歌「少しでも曜ちゃんと一緒にいたいの…」

千歌「だめ…?」

曜「…っ!?////」

曜「ぁ、あ、え、えと…////」

曜「だ、大丈夫だから…すぐ戻るよ。…ね?」

千歌「…」ウルウル

千歌「…」グシグシ

千歌「…ぜったい、早く戻ってきて」

曜「うん、わかってるって!」スクッ

曜「それじゃ、待っててね」ガチャ

千歌「…」コクッ

曜「…」バタン

曜「…」

曜「…」チラッ

曜「…ちっ」スタスタ

曜「くそが…」

曜「くそっ…誰だよ、本当に…」

曜「せっかくいいとこだったのに…」

曜「童て…じゃなかった、最後までできるかなーとか淡い期待を抱いてたらこれだよ…」ブツブツ

曜「…」

曜「…千歌ちゃんのあの顔、かわいかったなぁ」

曜「目をうるうるさせながら「だめ…?」とか反則すぎでしょ。私が男だったら絶対襲ってたよ」

曜「まぁ、実際は襲う勇気なんてないけどね。ふへへ…」

曜「…」フゥ

曜「…それにしても、私たちを邪魔したやつは許せないなぁ」

曜「回覧板や宅配便からともかく、「道を教えて」とか「トイレ貸して」とかつまらないことをほざきやがったら…」ピタッ

曜「即!始末してやる…」ガチャ

曜「…」ギィ

曜(即!始末とまではいかないけど、邪魔されたし一言の文句くらい言って──)

果南「よ、曜…」

曜「」

果南「…ごめんね、会いたくて来ちゃった」

曜「」

果南「一応LINEで送ったんだけど…って、曜?」

曜「」

曜「はっ!?」

果南「大丈夫…?一瞬ロボットみたいに体の動きが止まってたけど…」

曜「ぁ、あ、い、え、き、きき気のせいだよははは」

果南「…ふ~ん?」

曜(やばいやばいやばいやばいうわああああああああっ)

果南「どうしたの?汗すごくない?」

曜「そっ、そうかなぁ~?あはは今日は朝から暑いね!」

果南「今日はかなり寒いって天気予報で言ってたよ?」

曜(やばいしこっじゃないしくった!!)

果南「曜?」

曜「ひゃ、ひゃい!?な、なんでしょうか」

果南「なんで敬語?…ていうか寒いから家入れてよ」スッ

曜「!!」バッ!

果南「…なに?」

曜「外で話そう」

果南「なんで?ここまで自転車で来たから寒くって…」

曜「いやあ、ほら、あの、その、あれだよ」

果南「あれって?」

曜「あれは…あれだよ」

果南「…??意味わからないんだけど」

曜「あひゅ、は、あはは…」

曜「…」ダラダラ

曜(やっ、やばい…ここで果南ちゃんを家に入れたら千歌ちゃんと鉢合わせになる…)

曜(もしそうなったら…「終わり」だ)

曜(ここはまず…)

曜「あ、あのさ、話変わるけどなんでわざわざ私の家に来たの?」

果南「…なんかその言い方だと私に来て欲しくなかったみたいじゃない?」

曜「っ!?」ドキッ

曜「あ、い、いや~…なんでかなーって気になっただけだよ、うん!」

果南「なんでって…ただ曜に会いたかっただけだよ」

曜(危なかった…言葉は慎重に選ばないと…)

曜「ぁ、会いたく…そ、そっか、嬉しいなあはは」

果南「それと…」ピコンッ♪

曜「!」

果南「?」スッ

果南「それと、さっきの返事を…」

曜「あ、あの…誰かからLINE来たんじゃないの?」

果南「グループLINEだし、確認はあとででいいよ」

曜「そうなんだ…」

果南「Aqoursのだから曜にも来てると思うけど」

曜「そ、…す、スマホは部屋に置きっぱなしだから」

果南「あー、そっか」

曜「う、うん」

曜(実はポケットにいれっぱだけど、電源切ってるし余計なことは言わないでいいよね…)

果南「で、さっきの話の続きをさせてもらうけど──」

曜「あっはい」

曜(本当に今日中じゃなくてよかったのに…)

曜(ていうか明日の方がよかったよ…)

果南「私、曜に好きって言われて嬉しかった」

果南「電話を切ったあとは…考えて考えて、必死に考え抜いて、それで…」

果南「ある答えにたどり着いたんだ」

曜「きゃ、か、果南ちゃ、ん…」

果南「千歌に、曜のことについて色々な相談を受けてたけど…やっぱり私は──」

ドタドタドタドタ!

千歌「ちょっと!曜ちゃん!!このLINEなに!?」

果南「…え?」

曜(え、ぁ、ちょ、まっ、えっ、え?)

千歌「あれ?なんで果南ちゃんが…」

果南「それはこっちのセリフなんだけど…」

千歌「曜ちゃん…?」

果南「…曜?」

曜「え、え、ぁ、い、ぁぅ…」

果南「…まあいいや。あのね、千歌に言いたいことがあるんだ」

千歌「私に?」

果南「うん。…えっと、非常に言いにくいことなんだけど、千歌っていつも曜のことについて私に相談してたよね?」

千歌「うん」

果南「そのことに関して、言いたいことがあって──」

千歌「あぁ、そのことならもう大丈夫だよ!」

千歌「だって私、曜ちゃんと付き合うことになったから!」

果南「──実は私、曜に好きって…え?」

曜(あっ、あ、ぁぅ…お、おっ、おわっ、終わった…)

千歌「え?」

果南「あ、あのさ、千歌。もう一度言ってくれる?」

千歌「…? 私、曜ちゃんと付き合うことになったの」

曜「ぁ、あ、あ…ちょ、おまっ…」

果南「…」

千歌「それがどうかしたの?あっ、果南ちゃんは昔からの幼馴染みだし…その、お祝いしてほしいな」

果南「…」

千歌「果南ちゃん?」

果南「…」チラッ

曜「はひゅうゎっ!?」ビクッ!!

果南「どういうこと?曜」

曜「ひぃ、ひ、ぁっ、ぅ、ぁ」ガクガク

千歌「どういうことって?果南ちゃん」

果南「…ふー」

果南「そういえば千歌、さっきLINEがどうのって言ってなかった?」

千歌「え?…あーっ!そう!そうだよ!」

千歌「ほら、これ見て!梨子ちゃんがおかしなこと言ってるの!」スッ

曜(り、り、りりりりりり梨子ちゃん!!?)

梨子:あのね、みんなに話しておきたいことがあるの

ルビィ:え?なんですかァー?

鞠莉:なんでも言ってくだサーイ!

ダイヤ:改まってどうしたんです?

善子:なになに?もしかしてヨハネのリトルデーモンとして永遠の契りを…

花丸:のっぽパン美味しいずらー

梨子:実はね、曜ちゃんと付き合うことになったの!

曜「」

ルビィ:!!!

ダイヤ:な、なんと…

花丸:未来ずら~

鞠莉:oh!お祭りですか!?

善子:嘘でしょ?

ルビィ:なんだ嘘か

梨子:本当だよ?

ルビィ:ピギャアアアwww

善子:信じられないわ!証拠を見せなさいよ!!

花丸:なんでそんなに必死なの?

千歌「ね?おかしいと思わない?」

果南「…ふ~ん」ジロッ

曜(ひっ、ひいいいぃぃぃうあああぁぁああ)

千歌「まったく、曜ちゃんの気も知らないで…」

千歌「ねっ?曜ちゃん!」

曜「ぁ、あ~…そ、そそだね」

千歌「…? 汗すごいよ?大丈夫?」

曜「だ、だだだ、だい、だ、だいじょぶ…」

千歌「??」ピコンッ♪

千歌「…ん?あっ、梨子ちゃんからだ」

曜「」ビクッ

千歌「…」

千歌「…」スッスッ

千歌「…」

千歌「……ぇ」ポロッ

千歌「」

果南「千歌?」

曜「ち、千歌ちゃん…?」

曜「す、スマホ落としたら、ぁ、
危ないよ~…」ヒョイ

曜「画面割れたらたい…へ、……!?」

梨子:今日の朝、曜ちゃんに好きって告白されちゃった♡

梨子:梨子が写真を送信しました

『曜:まぁ、私にとって千歌ちゃんはただの幼馴染かな?

曜:友達としてなら千歌ちゃんのことは好きだけど、1人の女性として好きだなんて一度も思ったことなんてないよ

曜:私は1人の女性として梨子ちゃんのことが好き』

曜「」

曜(うわああああやめろオオオオオオWRYYYYYYYYYY────ッ)

果南「…」

果南「あのさ、曜」

曜「…っ!!な、なに…?」

果南「「なに?」じゃないでしょ」

曜「な、なんでしょうか…?」

果南「言い方変えりゃいいってもんじゃないんだよ!!」ドガァッ!!!

曜「ひいぃっ!!」

曜(て、てっ、て、手だけでブロック塀の一部が半壊したぁ!?)

果南「…」パラパラ…

果南「どんな気持ちでさっきのメールを送ったのか知らないけど、あの内容はちょっとひどいんじゃない?」

果南「「千歌のことは幼馴染みとしか見てない」とか「1人の女性として梨子が好き」だとか…」

千歌「うぐぁっ!!」フラッ

曜「あっ!千歌ちゃん…!」ガシッ

千歌「…!」

曜「大丈夫…?」

千歌「…」

千歌「…うそなの?」

曜「…ぇ」

千歌「さっき私に言ったこと、全部嘘なの?」

曜「ち、ちが…」

果南「「さっき言ったこと」ってなに?」

千歌「曜ちゃん…さっき、私のこと好きだって言ってくれたの…」ウルウル

千歌「それに、世界で一番愛してるって…」ポロポロ

果南「……」

千歌「ぅ…えぐっ、ぇあ…ぅぅ」

千歌「うああぁぁぁぁ…」

曜「千歌ちゃ…」

果南「世界で一番愛してる、か…」スッスッ

果南「…」ポチッ

千歌「ひっ、ぐずっ、ううぅぅぅ…」ピコンッ♪

曜「ぁ、ぁぅ…」

千歌「うぐ…ぐっ、ら、らいん…?」

千歌(そんなの今見る余裕ないよぉ…)

千歌「ぐすっ…」ゴシゴシ

梨子:梨子が写真を送信しました

ルビィ:ファーーーーwwwww

ダイヤ:え、これって本物ですか?

善子:うわあああああああ

梨子:本物です!

梨子:って、よっちゃんどうしたの?

善子:うっさい!!

梨子:??

果南:梨子、今すぐ曜の家に来て

梨子:え?曜ちゃんの家?

果南:うん。至急お願い

梨子:別いいですけど、なんでですか?

果南:理由はあとで話すからとにかく来て

梨子:わかりました

鞠莉:oh!!なにやら面白くなってきたわね!!

ルビィ:なんで梨子だけなんですか?ルビィも行きたいでーーーすっ!!wwwww

果南:来たかったらルビィも来ていいよ

ルビィ:えっ!本当ですか!!うひゃひゃーいwwwww

鞠莉:なら私もようっちの家に行くわ

鞠莉:ヘリコプターでね!!

ダイヤ:降りる場所がないのでやめなさい

鞠莉:oh.....(´・ω・`)

ルビィ:お姉ちゃんも凸しに行こうよ!

ダイヤ:私は遠慮しておきますわ

ルビィ:えーなんで?

ダイヤ:あなたのように暇ではないからです

ルビィ:なにその上から目線www偉くなったつもりかよwwwww

ダイヤ:今からあなたの部屋に行くから待ってなさい

ルビィ:お姉ちゃんごめんなさい許して!!

果南「ふぅ…」スッ

曜「あの…果南、ちゃん?なにして…」

果南「梨子を呼んだ」

千歌「!」ビクッ

曜「うええっ!!なっ、なんで!?」

果南「呼ばれて、なにかやましい理由でもあるの?」

曜「……そ、それは」

果南「こういうのはちゃんと話し合った方がいい思う」

果南「私と千歌と梨子、それに曜の4人で」

果南「あとルビィも来たいってさ」

曜「えっ!!なんでルビィちゃんまで…」

果南「さぁ?」

曜「うっ…」

曜(や、やばいよ…どうしよう…)

───

梨子「~♪」スタスタ

梨子(曜ちゃんと恋人…ふふっ、嬉しいな♡)

梨子(でも、なんで急に果南さんが曜ちゃんの家に来てって言ったのかな?)

梨子(う~ん…)

梨子(まっ、行ったらわかるよね)

ルビィ「梨子さーんっ!」タタタッ

梨子「?」チラッ

梨子「あれ、ルビィちゃん?」

ルビィ「えへへ、こんにちはぁ~」ペコッ

梨子「こんにちは。ルビィちゃんどうしたの?」

ルビィ「えっと~、ルビィも曜さんの家に行こうと思って!」

梨子「曜ちゃんの家に?」

ルビィ「はいっ!果南さんからいいって言われたので!」

梨子「果南さんに?」スッ

梨子「…」ジーッ

梨子「ほんとだ…」

ルビィ「それじゃ行きましょー♪」

梨子「あのさ、ルビィちゃん」

ルビィ「はい?」

梨子「普段とLINEのときのルビィちゃんってどうして口調が違うの?」

ルビィ「……」

梨子(もしかして聞いたらまずかった?)

ルビィ「いや…その、LINEやネットだと少し強気になっちゃうんです…」

梨子「あ、そうなんだ」

ルビィ「おかしいですかね…?」

梨子「どうかな…まぁ、別にいいんじゃない?人それぞれ個性があるはずだし」

ルビィ「ですよねっ!少し口調が悪くなるくらいどうってことないですもんね!!」

梨子「うんうん」

梨子(少し…なのかな?)

───

梨子「曜ちゃんの家に着い…。あれ?」

ルビィ「?」

ルビィ(地面に白っぽい石のかけらがいくつも転がってる…)

梨子「なんだろこれ?」

ルビィ「さぁ…なにかの石みたいですけど」

梨子「石…まぁ、そんなことより曜ちゃんの家に入りましょうか」

ルビィ「は~いっ」

梨子「…」ピンポーン

梨子「曜ちゃーん」

ルビィ「…」キョロキョロ

ルビィ(写真撮ってあとでTwitterに載せよーっと)カシャッ

梨子「ん、なに撮ってるの?」チラッ

ルビィ「ピギャ!…あ、いえ、なんでもないです」ササッ

梨子「…? そっか」

ルビィ「…」コクコク

ガチャ

梨子「!」

果南「いらっしゃい、梨子、ルビィ。上がって」スッ

梨子「果南さん…(曜ちゃんが出てくると思ったのに!)」

梨子「おじゃまします」

ルビィ「おじゃましま~す」ゴソゴソ

果南「2人ともリビングにいるから」スタスタ

梨子「はい」スタスタ

梨子(…2人?曜ちゃんだけじゃないの?)

ルビィ(思ったより普通の家の造りなんだなぁ~)

果南「…」スタスタ

梨子「…」スタスタ

ルビィ「…」テクテク

果南「…」スッ

果南「曜」

曜「…っ」ビクッ

千歌「…」

梨子(もう1人って千歌ちゃんだったんだ)

梨子(…でも、なんで下向いてるのかしら?)

果南「ほら、2人とも来たよ」

ルビィ「あ、おじゃましてます~」ペコッ

曜「ぁ、い、いらっしゃ」

梨子「曜ちゃん!」ギュッ

曜「!?////」

千歌「…」ピクッ

梨子「会いたかった…それにしても、なんで電話やLINEの返事くれなかったの?」

曜「え、えっと、そのぉ…////」

梨子「…まあいいわ。もう少しこうさせて」

曜「う、うn」

千歌「やめてよっ!!」バンッ!

曜「!」ビクッ

梨子「どうしたの?千歌ちゃん」

千歌「どうしたのじゃないでしょ!今すぐ曜ちゃんから離れて!!」グイグイ

梨子「どうして?いやよそんなの」

梨子「私は曜ちゃんと付き合っ…」

千歌「曜ちゃんと付き合ってるのは私だもんっ!!」

梨子「……はぁ?なに言ってるかわかってるの?意味わからないんだけど」

千歌「意味わからないのはそっちでしょっ!?」

曜「あの、千歌ちゃん…落ち着いて…」

千歌「うっさい!!梨子ちゃんに抱きつかれて顔真っ赤にしてたくせに!!」

曜「ご、ごめ…」

ルビィ(修羅場ktkr!!)

千歌「とにかく離れてよっ!!」グイグイッ

梨子「嫌だって言ってるでしょ!!」グググッ

千歌「どうして!!?曜ちゃんと付き合ってるのは私なのにっ!!」

梨子「それはこっちのセリフよ!!」

千歌「どうせあなたが曜ちゃんをそそのかしたんでしょ!?この泥棒猫がっ!!」

梨子「ふんっ!「ただの幼馴染みの高海千歌ちゃん」にそんなこと言われたくないわねぇ!!」

千歌「なんだってぇ!!?」ガッ!

梨子「なによぉ!!」グワッ!

ルビィ(お祭りだァ!あとでTwitterに晒そっとwwww)

果南「はぁ…」スッ

果南「少しは落ち着きなよ、2人とも」ボカッ

千歌・梨子「ギャッ」バタッ

ルビィ(げ、げんこつ…!?)

───

千歌「…」

梨子「…」

ルビィ(童貞ヨーソローが二股かけてた件についてwwwww)

果南「落ち着いた?」

千歌「うん…」

梨子「はい…」

果南「そう」

千歌「ごめんね、梨子ちゃん…」

梨子「ううん、私も熱くなっちゃって…」

果南「…」

果南「…で、曜。私たちに話すことあるよね?」

曜「え…」

曜「…」

曜「え、えっ、と…」

千歌「曜ちゃん…」

梨子「…」

曜「…」

曜「ヴァ、ヴァレンタイン大統領とDioってどっちがラスボスだと思う…?」

果南「…」バンッ!!

曜「ヒェッ!!」

果南「誰がふざけていいって言った?」

曜「いや、その…場を盛り上げ…ようかな~…と…」

果南「バカにしてるの?」

曜「す、スミマセ…」

果南「ほら、早く言って」

曜「ハ、ハイ…」

曜「…」

曜「ぁっ、あの…」

曜「その…えっと…」

曜「…」ググッ

曜「すみませんでしたぁ!!」ガバッ

千歌「…え?」

梨子「曜、ちゃん…?」

ルビィ(土下座してる…)

ルビィ「…」

ルビィ(写真撮ってTwitterに上げたいなぁ~~っwwww)

ルビィ(まぁ、今この状況でそんなことしたら殺されそうだから絶対やらないけど)

果南「なにに対して謝ってるの?」

曜「…っ、ぇ、うぅ」

曜「ご、ごぇっ、ごめんなさいぃぃ…」

曜「ほっ、ほんの出来心だったの…」

曜「好きって言ったらどんな反応するかな…とか…」

千歌「…!」

曜「最初はどうせ本気にされないだろうと思って…」

曜「でもっ、私のことを本気で好きって言ってくれて…」

曜「それで調子に乗って…その、あんなことを…」

果南「…」

梨子「…」ポカーン

梨子「は…ぇ、え?」

梨子「なっ、なによそれ…」

梨子「私のことを好きって言ったのも…ぜっ、全部嘘だって言うの…?」

曜「…」

梨子「違うよね…?曜ちゃん…?」

曜「…」

梨子「ねぇっ!!?」バンッ!!

曜「」ビクッ

梨子「好きって言われて…私1人で舞い上がってたってこと…?ははっ、それってバカみたいじゃない…!!」

果南「落ち着きなって。怒鳴ったって曜がビビるだけだよ」

梨子「落ち着けるわけないでしょ!!」

梨子「無関係で部外者のあなたは黙っててよ!!」

果南「部外者じゃないよ」

梨子「幼馴染みだからですか!?悪いですけどそんなの今は──」

果南「私も曜から好きって言われたんだ」

梨子「……。は…」

果南「曜に好きって言われて、その返事を言いに急いで曜の家まで行って…」

果南「それで、それがこの結果だよ」

果南「あははっ、バカみたいだよね。10年以上の付き合いなのに曜の嘘も見抜けなかっただなんて」

果南「ほんっとに、だま…」

果南「だま、されたよ。あはは」

梨子「果南さん…」

果南「…」

果南「…ごめん」ゴシゴシ

千歌「…」チラッ

曜「ぁっ、あぅ…」

ルビィ(なんかかわいそうになってきた…)

千歌「…」

梨子「…」

果南「…」

曜「…グスッ」

ルビィ「…」

ルビィ(く、空気が重い…)

ルビィ(なんで来ちゃったんだろ…)

ルビィ(面白いことが起こればいいかなーとか、そんな軽い気持ちで遊びに行っただけなのに…)

ルビィ(まさかこんなことになるだなんて思わなかった…)

ルビィ「…」

ルビィ(お家に帰りたい…ついでにアイス食べたい…)

ルビィ(LINEを送った1時間くらい前のルビィを恨みたい…)

更に30分後──

千歌「…」

梨子「…」

果南「…」

曜「…」

ルビィ「…」

ルビィ(よ、曜さん、さっきからずっと床に正座してる…)

ルビィ(足が痺れたりしないのかな…?)

ルビィ「…」

ルビィ(なっ、なにか言った方がいいのかな…?)

ルビィ(このままだとずっとギスギスした雰囲気のまま解散しそうだし…)

ルビィ(……ていうか、帰れるの?)

ルビィ「…」チラッ

千歌「…」

ルビィ(千歌ちゃんは…複雑そうな顔で曜さんをチラチラ見てる…)

梨子「…」

ルビィ(梨子さんは…目を真っ赤にしながらどこかをぼーっと見つめている…)

果南「…」

ルビィ(果南さんは…下を向いていてどんな表情をしているのかよくわからない…)

曜「…」

ルビィ(曜さんもなんか、この世の終わりみたいな顔してるし…)

ルビィ「…」

ルビィ「……」

ルビィ(ごめんなさい、ルビィはもう限界みたいです)

ルビィ「あの…」

果南「……。ルビィ?」

ルビィ「すみません…私、帰っていいですか…?」

ルビィ「自分で行きたいって言ったのにあれですけど…」

ルビィ「本当にごめんなさい…私、もう…」

果南「そっか…うん、わかった」

ルビィ「ごめんなさい…」ペコッ

果南「ううん、謝らないで。私たちもごめんね」

ルビィ「いえ…」

ルビィ「それじゃ…」ガタッ

果南「ぁ、ルビィ…ひとつだけいい?」

ルビィ「……?」

果南「このことはみんなに秘密にしてほしいんだ」

果南「みんなに話したら…ほら、余計荒れるかもしれないしね」

ルビィ「…」

ルビィ「はい、わかりました…」

果南「…ありがと。また明日ね、ルビィ」

ルビィ「…」ペコッ

ルビィ「…」スタスタ…ガチャ…バタンッ

果南「…」チラッ

果南「はぁ…」

果南「どうする?私たちも帰る?」

千歌「…」

梨子「…」

果南「…」

果南「ねぇ、曜」

曜「…」

果南「もう足崩していいよ。疲れたでしょ?」

曜「でも…」

果南「私は別に怒ってないよ?」

曜「ぇ…」

果南「ただ、悲しかっただけ」

果南「好きだったのは私だけだったんだなぁ、ってね」

曜「…っ」

果南「ねぇ、どうしてそんな嘘ついたの?」

果南「私、すごく悲しかったんだよ?」

果南「私だけじゃない、千歌と梨子も悲しい思いをしたんだよ?」

果南「曜は面白半分でやったのかもしれないけど、その冗談で私たちが傷ついたってことをちゃんと頭に入れていてほしいな」

曜「ごめん…」

果南「…いいよ、もう。曜の性格はよくわかってるし、悪気はないってことくらい」

曜「ごめんなさい…」

果南「…もう謝らないで。私は別に怒ってるわけじゃないんだから」

曜「か、かなん、ちゃん…」

果南「…」ニコッ

果南「さっ、千歌と梨子もそろそろ帰ろ?」

曜「…!」

千歌「…うん」

梨子「…」スッ

曜「え、ぁ、も、もう帰るの…?」

果南「このまま曜の家にいたってなにも解決しないし、曜と一緒にいればいるほど…」

果南「…」フルフル

果南「…とりあえず、帰るから」

千歌「曜ちゃん…」

梨子「…」

曜「…?」

千歌「ぁ…」

千歌「…」

千歌「また明日、ね…」

曜「…」

曜「……うん」



to be continued…?

所々入れたやつの元ネタは「ジョジョの奇妙な冒険です」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom