彡(゚)(゚)「うーん……」
(´・ω・`)「どうしたのお兄ちゃん。お腹でも壊した?」
彡(゚)(゚)「おう、原ちゃんか。いやな、最近足の裏がなんかボロボロになってきてな」
彡(゚)(゚)「病院行ってみたら水虫いわれて塗り薬の処方箋出されたんや」
(´・ω・`)「あらら……。ちゃんと清潔にしてないから」
彡(゚)(゚)「うーん、ちゃんと週に一回は風呂に入っとるんやがな……」
(´・ω・`)「少ないよ……。でもまあ薬を忘れずに毎日塗れば2か月もすればきれいに治るよ」
彡(゚)(゚)「いやな、その薬が問題なんや」
(´・ω・`)「どういうこと?」
彡(゚)(゚)「水虫いうんはようするにカビやろ?」
(´・ω・`)「うん。水虫の原因である白癬菌は真菌、つまりはカビの一種。細菌じゃないんだよね」
彡(゚)(゚)「つまり医者に出してもらった水虫の薬ってのはカビを殺す薬ってことやろ」
(´・ω・`)「うん。現代の水虫の薬は何種類かあるけどどれも抗真菌薬、つまりカビを殺す薬と言っていいと思うよ」
彡(゚)(゚)「つまりカビキラーってことやろ」
(´・ω・`)「うん……、うん?」
彡(゚)(゚)「カビキラーって言えば目に入れば失明する恐れがあるっていうやないか」
(´・ω・`)「まあそうだけど」
彡(゚)(゚)「しかも人間の皮膚をドロドロに溶かすくらい強烈らしいって聞くで」
(´・ω・`)「カビキラーと同じ成分の洗浄剤で自分を綺麗にしようとした海外の女性が重大な皮膚炎になったっていう事件があったね」
彡(゚)(゚)「せやろ。つまりや、水虫を殺すっていうこの薬、ほんまに安全なんか?」
彡(゚)(゚)「ワイ、もしかして騙されてへんやろか。これを塗って足がドロドロに溶けたりせえへんかな?」
(´・ω・`)「まさかそんなことで悩んでたなんて。そんな危険な薬、お医者さんが出すわけないじゃない」
彡(゚)(゚)「いやでも医療事故とかあるやろ」
(´・ω・`)「そもそもその薬はお医者さんが自分で作ったわけじゃなくて製薬会社が量産して販売してるものでしょ」
(´・ω・`)「お医者さんは処方箋を出すだけだし」
(´・ω・`)「もしそれが足をドロドロに溶かすような薬なら今頃その製薬会社はつぶれてるよ」
彡(゚)(゚)「うーん、言われてみれば確かにその通りやな……」
(´・ω・`)「たしかに薬が発売されて何年もたってから予想外の副作用が発見されたっていう話もないではないけど」
(´・ω・`)「少なくとも皮膚をドロドロに溶かしてしまうような即効性の副作用があるならすぐに発覚するよ」
彡(゚)(゚)「それはそうかもしれんが、でも怖いもんは怖いわ」
(´・ω・`)「しょうがないなぁ。きちんと説明したげるよ。おにいちゃんの水虫が酷くなって僕に移されても嫌だしね」
(´・ω・`)「結論から言うと水虫薬は安全だよ。もちろん用法容量を守ればだけど」
彡(゚)(゚)「そうなんか。でもなんでや?カビを溶かすのになんでワイの足は溶けないんや?」
(´・ω・`)「まず、病院の処方箋で出してもらえる水虫の薬とカビキラーは成分もカビを殺す理論も全然違うんだ」
彡(゚)(゚)「どう違うんや?」
(´・ω・`)「簡単に言うとカビキラーはカビだろうが人間だろうが生物をなんでも溶かしてしまう薬で出来てるんだ」
(´・ω・`)「次亜塩素酸ナトリウムって言ってね。有機物を酸化分解してしまうんだ」
彡(゚)(゚)「ヒェッ……、やっぱりカビを殺す薬は怖いやないか……!」
(´・ω・`)「まあまあ。一方水虫の薬はいくつか種類があるけど、どれもカビの細胞だけにダメージを与えて人間の細胞にはなにもしない」
(´・ω・`)「そういう安全な成分が使われているんだよ」
彡(゚)(゚)「なるほど……、って、なんかおかしいんやないか?」
(´・ω・`)「おかしいって?」
彡(゚)(゚)「まず1つや。カビも人間の細胞も基本的にそんな差はないはずや。なんでカビを溶かす薬が人間の細胞を溶かさないんや?」
彡(゚)(゚)「そしてもう1つ。そんな安全な薬があるんならなんでカビキラーは人間も溶かす危険な薬を使っとるんや?」
(´・ω・`)「うーん、まず1つめの疑問だけど、水虫の薬はカビを溶かすわけじゃないんだ」
(´・ω・`)「そして2つめについては、単純に高くて効果が弱いからだよ」
彡(゚)(゚)「高くて効果が弱い?」
(´・ω・`)「カビキラーは数分から数十分くらいでカビを溶かしてしまうし、値段もそんなに高くない」
(´・ω・`)「でも水虫の薬は効果が出るには何週間もかかるし、完治には二か月くらいはかかる」
(´・ω・`)「それに少量でも何千円もするしね。まあ医療保険のおかげで安く買えるけど」
彡(゚)(゚)「なるほどな。確かに風呂掃除で二か月も待ってられへんな」
彡(゚)(゚)「でもなんで水虫の薬は人間の細胞を殺さずに水虫だけ殺すんや?」
(´・ω・`)「今水虫の薬として使われてる物質にはリラナフタートやアモロルフィン塩酸塩とかいくつか種類があるけど」
彡(゚)(゚)「塩酸!?やっぱ溶けるんやないか!?」
(´・ω・`)「塩酸と塩酸塩は違うから……」
(´・ω・`)「まあともかく、これらの成分はどれも同じ理論でカビを殺すんだ」
(´・ω・`)「カビは殺したいけど人間が傷付いたら本末転倒。そこでこれらの薬は人間の細胞とカビの細胞の違いを利用してるんだ」
彡(゚)(゚)「人間の細胞とカビの細胞の違い?」
(´・ω・`)「いくつかあるけど、一番分かりやすい違いは細胞壁の有無だよ」
彡(゚)(゚)「細胞壁……?なんやったっけそれ。昔習った気はするんやが」
(´・ω・`)「生き物の細胞ってのは細胞膜っていう薄い膜につつまれた袋みたいなものなんだ」
(´・ω・`)「そしてカビの細胞は細胞膜のさらに外側に細胞壁っていう頑丈な防壁で包まれてるんだ。一方人間の細胞には細胞壁がないんだよ」
彡(゚)(゚)「なるほど。人間の細胞には細胞壁はないんやな。なんでや?」
(´・ω・`)「うーん、そこらへんは進化の話になってくるから難しいんだけど」
(´・ω・`)「細胞壁があると細胞の柔軟性がなくなるからね。カビは防御力重視で人間は運動性重視」
(´・ω・`)「そんな感じじゃないかな?だいぶ適当だけど」
彡(゚)(゚)「なるほどな。ん?でもそれだと辻褄があわへんやないか。防御力重視のカビの細胞を殺す薬が」
彡(゚)(゚)「防御力軽視の人間の細胞にダメージを与えないって変やないか?」
(´・ω・`)「ところがそこがポイントでね。水虫の薬ってのは直接水虫の細胞を破壊するんじゃなくて」
(´・ω・`)「水虫の細胞の中のメカニズムを狂わせてしまうんだ」
彡(゚)(゚)「ど、どういうことや!?」
(´・ω・`)「水虫の細胞が細胞壁をもってるってことは、水虫の細胞には細胞壁を作り出すメカニズムが存在するってことさ」
彡(゚)(゚)「言われてみればそうやな。無から細胞壁が産まれるわけがないんやから」
(´・ω・`)「水虫の薬に含まれてる成分はカビの細胞の中に染み込んでいって、細胞壁を作るためのメカニズムを狂わすんだ」
彡(゚)(゚)「なんやて!」
(´・ω・`)「カビは自分が食べた栄養を酵素によってちょっとずつ加工していって細胞壁を作り出すんだけど」
(´・ω・`)「水虫の薬の成分はその酵素を破壊しちゃうんだ」
彡(゚)(゚)「ははぁ。すると水虫は細胞壁を作れなくなるんやな」
(´・ω・`)「うん。細胞壁を作る酵素はいくつもあって、薬の種類によってどの酵素を破壊するかは違うけど」
(´・ω・`)「どの薬も細胞壁を作るのを邪魔するっていう働きは同じだね」
(´・ω・`)「人間の細胞には細胞壁がない。つまり細胞壁を作る酵素もない。だから細胞壁合成を邪魔する薬を投与されてもダメージを受けないってわけさ」
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ。でも細胞壁の合成を邪魔してもカビには細胞膜が残っとるやん。それでカビは死ぬんか?ちょっと防御力が落ちるだけやないんか?」
(´・ω・`)「まあね。細胞壁を失ってもカビはそれで直接死ぬわけじゃない。でも、それでも重大なダメージを受けるのは確かだよ」
(´・ω・`)「戦車から装甲を引き剥がされたらフレームが残っててもまともに戦えないでしょ」
彡(゚)(゚)「それはそうやが」
(´・ω・`)「それに人間の体の中にも水虫を攻撃する機能があるんだ。免疫って言ってね」
(´・ω・`)「免疫だけじゃ万全の水虫を排除することは困難、というかほぼ不可能と言っていい」
(´・ω・`)「でも細胞壁を失ってグロッキーになった水虫ならやっつけられる」
彡(゚)(゚)「確かに理に敵っとるな。せやから完治まで2か月もかかるって言われとるんか」
(´・ω・`)「うん。直接水虫を殺すんじゃなくて機能を狂わせて少しずつ弱らせる薬だからね」
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ。納得がいったで」
(´・ω・`)「なので安心してその薬を使っていいよ」
彡(^)(^)「サンキューな原ちゃん!じゃあワイは家に帰ってさっそく薬塗ってくるわ!」
(´・ω・`)「ちなみに2か月っていう期間は足の皮膚が完全に入れ替わるのにかかる時間なんだ」
(´・ω・`)「水虫の薬も人間の免疫もそこまで強力じゃないから水虫を完全に殲滅してくれるわけじゃない」
(´・ω・`)「でも水虫を仮死状態くらいまで弱らせることはできる」
(´・ω・`)「そうなれば皮膚が入れ替われば水虫は全て体外に追い出せる。それをもって完治とするんだ」
(´・ω・`)「だから途中で水虫が綺麗に治ったように見えても、皮膚の奥に仮死状態の水虫が残ってることがあるから」
(´・ω・`)「ちゃんと二か月は薬を塗り続けないと再発する恐れがあるんだよ……って」
(´・ω・`)「あれ?おにいちゃんがいない……。説明に夢中になってておにいちゃんが帰っちゃったのに気付かなかった」
(´・ω・`)「確か納得がいったって言ってたのは覚えてる……、てことは説明は全部聞いてくれたってことだよね」
(´・ω・`)「いくらおにいちゃんでも毎日薬を塗るくらいはできるだろうし、だいじょうぶだよね」
1か月後
彡(゚)(゚)「お、あんなボロボロだった足の裏がすっかり綺麗になったやないか!」
彡(゚)(゚)「……あ、薬がなくなってもうた。また病院いって処方箋出してもらわんとあかんな……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(^)(^)「でもどうみてもすっかり治ってるし、もうええやろ!」
そして数か月後
彡(゚)(゚)「うーん、なんか足の裏が最近かゆいような……、気のせいやろ!」
水虫『再起動完了……!これより進軍を開始する!』
彡(X)(X)「かゆーい!」
以上で終了です
みなさんももしも水虫にかかったらちゃんと二か月以上薬を塗り続けましょう
ちなみに水虫の菌は空気中のそこらへんにいます
不潔にしてなくても皮膚病とかで免疫系が弱ってると水虫にかかることはあるので水虫にかかった人に不潔というレッテルを貼るのはよしましょう
私からの心からのお願いです……
乙
思ったより遥かに小難しい話だったけど簡単に読めた
彡(゚)(゚)「くっそ、どういうことや。水虫は治ったはずやんけ……再発ってやつか?」
彡(゚)(゚)「また病院行って薬貰わんとあかんな……、でも治るまでまたしばらくかかるんやろうなぁ……」
彡(゚)(゚)「ん?あれはこないだ風呂掃除用に買ったカビキラーやないか」
彡(゚)(゚)「そういえばカビキラーは一瞬でカビを溶かす言うとったな……」
彡(゚)(゚)「せや!カビキラーを薄めて水虫の患部に塗れば、多少皮膚は溶けるかもしれんけどあっと言う間に治るんと違うか!?」
彡(゚)(゚)「考えてみれば水虫なんかより人間様のほうが体は何倍もでかいんや!人間様はちょっとくらい足の裏が溶けても平気やけど水虫は死ぬやろ!」
彡(^)(^)「ワイって天才ちゃうかな」
・
・
・
彡(X)(X)「いったーい!なんや、足の裏がひりひりするしめっちゃ膿んどるやないか!?どういうことや!?余計悪化しとるやん!」
(´・ω・`)「あれ、おにいちゃんどうしたの?」
彡(X)(X)「原ちゃんか!水虫が再発したみたいでな、すぐ治そうと思ってカビキラーを薄めて患部に塗ってみたんや!」
彡(X)(X)「でも治るどころか余計に悪化しとる!どういうことや!カビキラーは即効でカビを溶かすんじゃなかったんか!?」
(´・ω・`)「えー!すぐに足を洗って!何やってるの!そんなことしたら足がダメになっちゃうよ!」
彡(X)(X)「あががが!」
・
・
・
彡(゚)(゚)「ふう、足を洗浄してもらったおかげで痛みは治まったわ。でも水虫はだいぶ悪化してもうたなぁ」
(´・ω・`)「最悪の状態にならなくて良かったよ……もう、カビキラーを患部に塗るなんて何を考えてるのさ」
彡(゚)(゚)「いやな、カビキラーを塗れば多少足の裏が溶けてもすぐ水虫が治るんじゃないかって思ってな」
彡(゚)(゚)「皮を切らせて骨を断つ、的な感じで」
彡(゚)(゚)「なんであかんかったんやろ」
(´・ω・`)「うーん、僕の説明が悪かったかな……」
(´・ω・`)「あのね、確かにカビキラーはカビをすぐに溶かすよ。でも、それ以上に人間の体をどんどん溶かしちゃうんだ」
(´・ω・`)「前も少し話したけど、カビの細胞は細胞壁のおかげで人間の細胞より防御力重視だって」
(´・ω・`)「だからカビキラーみたいに直接細胞を破壊する物質を使うと水虫よりも人体のほうが大ダメージを受けるんだよ」
彡(゚)(゚)「そういえばそんなことも言ってたな。でも水虫よりも人間のほうがずっとでかいんやし、最終的には人間が勝つんちゃうんか?」
(´・ω・`)「そりゃ足を丸ごと溶かしちゃえば水虫だっていなくなるって言ってるようなもんだよ」
彡(゚)(゚)「ヒエッ……!そ、そんなに怖いことになるところだったんか!?」
(´・ω・`)「カビキラーを使って水虫を治療したければそれくらい完全に足を溶かさないと無理ってこと」
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ。でもなんで水虫が悪化したんや?確かにワイの足のほうが大ダメージを受けたけど水虫も多少はダメージを受けたんちゃうんか?」
(´・ω・`)「直接カビキラーに触れた水虫は溶けただろうけどね。でも水虫は足の皮膚の深いところまで根を張ってるんだ」
(´・ω・`)「だから水虫は大した被害を受けてないんだ」
(´・ω・`)「そしてね、前にも言ったけど人間の体にも免疫ってのがあって、水虫を攻撃してるって言ったでしょ」
(´・ω・`)「この免疫は水虫を撃退するほどは強くないけど、それでも水虫の進軍を遅らせる力はあるんだ」
(´・ω・`)「カビキラーはその皮膚の免疫系を壊しちゃって水虫が増殖しやすくしちゃったんだよ」
彡(゚)(゚)「なるほど、つまりワイは自分で自分の城壁を打ち壊して、水虫が増殖しやすいようにお膳立てをしてしまったってことか……」
(´・ω・`)「そういうこと。それに皮膚の免疫が壊されたら水虫だけでなく他の色んな病原菌が大量増殖しちゃう」
(´・ω・`)「足の裏はいろんな微生物が増殖しやすいところだから、どんな感染症になるか分からないし」
(´・ω・`)「カビキラーには発癌性もあるから、最悪皮膚がんになるかもしれない」
彡(X)(X)「ひえぇぇぇぇ……、ワイはなんてことをしてしまったんや……」
彡(゚)(゚)「決めた!もうワイはカビキラーは二度とつかわん!全部捨てるで!」
(´・ω・`)「いやいや、それはそれでどうなの……」
(´・ω・`)「ちゃんとゴム手袋をして、換気して、体や服に触れないように気を付けて、汚れにだけ適量噴霧して、ちゃんと洗い流して」
(´・ω・`)「正しい方法で清掃にだけ使えばカビキラーは便利だしそこまで怖いものじゃない」
(´・ω・`)「大切なのは適切な使い方をすること。病気を治すための薬じゃないものを薬として使うような真似をしなければいいんだよ」
(´・ω・`)「水回りがカビだらけになったらそれはそれで本末転倒だしね」
彡(゚)(゚)「うーむ、ワイが短絡的だったのか……」
彡(゚)(゚)「しゃーない。時間はかかるけど皮膚科行って地道に治すか」
(´・ω・`)「うん。結局はそれがベストだね。民間療法もネットには色々あるけどそういうのは大抵ごく初期の水虫にしか効果がない」
(´・ω・`)「それに個々人の体質によっても効果が違うから、面倒でも専門の皮膚科で診断してもらったほうがいいよ」
(´・ω・`)「処方箋なしで買える市販の水虫薬もあるけど、もしかしたら水虫に症状が似てるだけの別の皮膚病の可能性もあるしね」
彡(゚)(゚)「はあ、また二か月もかかるんか……、めんどいなぁ」
(´・ω・`)「まあ二か月くらいならいいじゃない。水虫の種類によっては治るまで半年から一年くらいかかるものもあるし」
彡(゚)(゚)「ファッ!?そんなに時間がかかる水虫もあるんか!?」
(´・ω・`)「うん。爪の水虫さ。水虫を放っておくと、白癬菌が爪の中に入り込んで増殖することもあるんだよ」
(´・ω・`)「爪は硬いから水虫の薬が浸透し辛いし、爪が完全に入れ替わるのにも時間がかかるからね」
彡(゚)(゚)「爪の中やて!?……爪なら切ればええんちゃうんか?」
(´・ω・`)「生爪剥がしたいの?」
彡(゚)(゚)「それは勘弁やな……」
(´・ω・`)「それに爪の付け根の新しい爪を作るところにも感染してるから爪だけ切り取っても無意味だよ」
彡(゚)(゚)「でも爪は硬いし感覚もないし放っといてもええんちゃうんか?」
(´・ω・`)「それがそうでもないんだ。悪化すると爪を作る細胞がダメになるから爪の形がどんどん歪んで行って大変なことになる」
(´・ω・`)「爪が膨れ上がったり、逆にボロボロに崩れたりして指先やつま先に激痛が走ったりするんだ」
彡(゚)(゚)「ヒェッ……、ど、どうすれば感染を防げるんや!?」
(´・ω・`)「まず皮膚の水虫が悪化してそこから爪に移行するパターンと、爪先がずっと湿ってるような状況で仕事をしてるとなりやすいそうだよ」
彡(゚)(゚)「なるほど、皮膚の水虫はすぐ治療すればええんやな。しかし、爪先がずっと湿ってるってどういう状況やねん」
(´・ω・`)「野外でずっと長靴で仕事をしてる人とかだね。自衛官とか漁師とか、足が蒸れやすいから水虫は職業病なんて言われてる」
彡(゚)(゚)「ああ、なるほどなぁ」
(´・ω・`)「ずっと革靴で歩き回る営業職なんかもかかりやすい。こういう職業の人は出来るだけ足を清潔に保つように工夫しないとね」
(´・ω・`)「水虫になりづらい靴下やブーツとか色々あるみたいだから使ってみるといいかも」
彡(゚)(゚)「ワイも色々調べてみるか」
(´・ω・`)「そして、もしかしたら水虫かも、と思ったらちゃんと水虫を専門にしてる皮膚科のお医者さんに診てもらうこと」
(´・ω・`)「水虫は現代ではちゃんと治療方法が確立してるんだ。適当に民間療法とか独自治療を試して悪化したら大変だしね」
彡(゚)(゚)「それはワイへの嫌味か?」
(´・ω・`)「嫌味っていうか事実じゃない……」
彡(゚)(゚)「……まあええわ。病院行ってくるわ」
(´・ω・`)「いってらっしゃい」
・
・
・
医者「これは水虫ですね。処方箋出しときます」
彡(゚)(゚)「たのみます」
医者「ん?これは……」
彡(゚)(゚)「な、なんですか……?」
医者「ああ、爪にも白癬菌が入り込んでますね。爪水虫用の薬の処方箋も出しておきますね」
彡(X)(X)「えー!?」
以上になります
>>10
感想ありがとうございます
読みやすく分かりやすくを意識したのでそう言っていただけて嬉しかったです
本当は>>8で終わりの予定だったのですが、とあるSSのまとめサイトさんのコメント欄で
「カビキラーのほうが強力なんだったら、カビキラーの成分を使った薬を塗ればすぐ治るんじゃないか」
というようなコメントがあったので、これは不味いなと思って補足を追加しました
カビキラー(及び次亜塩素酸系の洗浄剤)は毒性が強いので、けして人間の体に塗る薬として使ってはいけません
あくまでも清掃用にだけ使って下さい
本編ではカビキラーの説明はあまりしなかったので思わぬ誤解を招いてしまったなと反省するばかりです
水虫らしき症状が出た場合は面倒くさがらずに皮膚科のお医者さんに行って診断してもらいましょう
もう1つ補足
次亜塩素酸系薬剤を皮膚が溶けない程度にだいぶ薄めて足に塗っていたら水虫が治った、という方もいらっしゃるようですが
それは初期の皮膚の表面にしか水虫がいない場合しか効果がありませんし、皮膚にダメージを受ける可能性も高いこと、
そして水虫以外の皮膚病の可能性もあるのでやはりちゃんと専門医に診断してもらったほうが確実かと思います
このSSまとめへのコメント
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