絵里「ねえ、どいてくれない?」 (75)

絵里「あら?もうこんな時間なのね…。流石に皆んな帰ったわよね。私も暗くなる前に帰らなきゃ…」

ガチャ

凛「レディーアンドジェントルメーン」

穂乃果「イッツアノゾミマジックショー」

絵里「…何?って言うか英語の発音下手すぎない?」

穂乃果「さあ、お立ち会いだよ。これから不思議な世界へ絵里ちゃんを連れてってあげるよ」

凛「安心して!怖くないよから。ただ、ちょっと不思議に行くだけから」

絵里「あのねぇ…私もう帰りたいんだど…どいてくれない?って言うかあなた達先に帰ったんじゃなかったの?」

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穂乃果「まあまあ、そんな事言わずにさ」

凛「そうだよ。すぐに終わるにゃ」

絵里「嫌よ。あなた達のすぐはあてにならないから」

穂乃果「いや、本当にすぐだから。ね?」

凛「うん」

絵里「…それじゃ」

穂乃果「ストップ。ストーップ。希ちゃん早く」

ガチャ

希「まだ、着替えてる途中なんやけど」

絵里「何をしてるのよ…希」

希「いや、だから着替えてるんやって」

絵里「あなた…もしかして廊下で着替えてたの?」

希「……ちゃうよ?」

絵里「嘘つきなさい」

希「大丈夫やって。女子校なんやし」

穂乃果「そうだよ。海未ちゃんみたいな事言わないでよ」

凛「そうにゃ、そうにゃ」

絵里「で?もう帰っていいかしら?」

希「いい訳ないやん。まだ何もしてないやん…まだ奇跡起こしてないやん………まだ、奇跡起こしてないやん」

絵里「なんで二回言うのよ。嫌よ。帰るわよ。暗くなっちゃうじゃない」

穂乃果「問題あるの?」

絵里「大有りよ。私の今後に関係してくるのよ」

希「ウチ等だって早く済ませたいんよ?でも、えりちが駄々をこねるから。ほら?まだ仕込みが一つも終わってないんよ」

絵里「そう。それは悪い事をしたわね。邪魔しちゃ悪いから私は帰るわ。それじゃ、サヨナラ」

穂乃果「ええ?」

凛「酷いにゃ。希ちゃん頑張って用意したのに」

希「ううう…えりちは酷いわ」

絵里「そんなの明日でいいじゃない。泣いたふりしたって知らないわよ」

希「ううう…うう…」

絵里「だから知らないから」

希「うう…んん…んーーーー」

絵里「な、何よ?」

ポンッ

希「今はこれが精一杯」

穂乃果「わー凄い!何も持ってなかったはずなのに」

凛「手から花が咲いたにゃ~。奇跡だにゃ~」

希「さあ、えりち………えりち?」

穂乃果「え?嘘?穂乃果達が手品に夢中になってる隙に帰っちゃったの?」

凛「それとも希ちゃんが手品で消しちゃったとか?」

希「いや…ちゃうよ?」

01

絵里「それじゃあ、また明日…………」

フッフッフッ

絵里「な、何?」

穂乃果「あなたの思いをリターンエース!高坂穂乃果!」

絵里「穂乃果…」

凛「キュートスプラッシュ!星空凛!」

絵里「凛…」

ほのりん「そして…」

希「風林館高校の青い雷、東條希!」

希「いえ、あなたは音ノ木坂高校の東條希よ」

穂乃果「三人合わせて」

穂乃果「ほんのりのぞみ」凛「音ノ木乃坂」希「スピリチュアルスリー」

絵里「せめて合わせなさいよ。」

穂乃果「え~、ほんのりのぞみで行こうって言ったじゃん」

希「いやいや、スピリチュアルスリーがいいって言ったやん」

凛「音ノ木乃坂にするって決まったにゃ」

絵里「なんなのよ…」

穂乃果「まあまあ、絵里ちゃん。落ち着きなって」

絵里「私は至って冷静だけど」

希「なあ、えりち。ウチな、最近思うんよ。夏が一気に終わってしまったなって」

絵里「徐々に終わってるけど…」

凛「陽が沈むのも日に日に早くなってるにゃ」

絵里「だから何?」

穂乃果「だから、絵里ちゃんの護衛をしてあげるよ」

絵里「護衛?」

凛「うん。凛達が絵里ちゃんを危険から守るにゃ」

絵里「そうなの?」

希「まあ、心配いらんよ?えりちの護衛なんてDランクの任務やから。ちなみにSランクは対海未ちゃん戦な!」

絵里「へえ。それは助かるわ」

穂乃果「でしょ?」

凛「きっちり守るからね」

絵里「じゃあ、護衛して貰おうかしら。家の前まで」

希「いやいや、えりち。え?今なんて言ったん?」

絵里「護衛して貰おうかしらって言ったのよ?」

希「いや、その後やって」

絵里「家の前までって言ったのよ」

穂乃果「絵里ちゃん甘いよ。実は危険っていうのは家の中にも潜んでいるだよ?」

絵里「そんな事ないわよ。家で危険に出くわした事なんてないから」

凛「皆んなそう言うんだよね~」

絵里「危険が潜んでいたらそれはもう我が家じゃないわよ」

穂乃果「まあ、取り敢えずさ。何があるか分からないしね?」

希「そうやん。油断大敵よ?」

絵里「いえ、いい。遠慮しておきます」

凛「そんなのズルイにゃ。一度頼んでおいといて」

絵里「…」

希「ん?えりち?どしたん?って言ってるウチにえりちん家に到着してしまったにゃ」

絵里「そうね」

穂乃果「さあ、絵里ちゃん。ここからが本番だからね?」

凛「凛、ちゃんとトランプ持ってきたから。危険に備えて夜更かしする準備はばっちりにゃ」

絵里「わかったわ。それじゃあ頼もうかしら」

穂乃果「え?本当?」

絵里「ええ。Sランク任務をね!」スチャ

希「え?」

プルルル

絵里「もしもし?」

穂乃果「え?電話?誰か呼ぶの?」

凛「誰にしてるのかな?」

希「ウチ嫌な予感しかしないんやけど」

02

絵里「あら?もうこんな時間なのね。つい本を読むのに夢中になってしまったわ。帰りましょう」

ガチャ

絵里「……」

待て!

絵里「何?」

凛「絵里ちゃん!まだ帰るのは早いにゃ」

穂乃果「貴重な休日なのになんで学校の図書室に来てるのかな?」

絵里「あなた達…どうしてここに」

希「えりちん家に行ったら亜里沙ちゃんがここだって教えてくれたんよ」

絵里「そう言う事か」

希「って言うかえりち?」

絵里「何よ?」

希「独り言多くない?」

絵里「なっ!?聞いていたのね」

希「風林館高校の青い雷、東條希!」

希「いえ、あなたは音ノ木坂高校の東條希よ」


ひとりツッコミすこ
ボケたあと急に"スンッ"ってなってツッコんでそう

穂乃果「そりゃあね?」

凛「うん。むしろ凛達が来て良かったよね?他の人に変な人だと思われちゃう所だったにゃ」

絵里「よ、余計なお世話よ。それで?何しに来たの?」

穂乃果「遊ぼうよ」

絵里「もう夕方なんだけど」

凛「ダメなの?」

絵里「そうね。明日も練習でしょ?」

穂乃果「ん~…大丈夫だよ。穂乃果、今日13時に起きたから」

絵里「ついさっきじゃない…」

穂乃果「さっきじゃないよ。4時間経ってるよ」

希「穂乃果ちゃん…昨日何時に寝たんや?」

穂乃果「10時だよ?夜のね」

凛「寝すぎだよ…流石にドン引きにゃ」

穂乃果「え?引いてるの?二人も似た様なもんでしょ?」

希「いや…ちゃうから」

凛「一緒にしないで欲しいにゃ」

絵里「…ねえ?私はもう帰っていいかしら?」

穂乃果「ダメだよ。なんで帰ろうとしてるの?遊ぼうって言ってるじゃん」

絵里「遊ばないから」

希「オッケー、分かった。それじゃあ、えりち。こうしよや」

絵里「何?」

希「ここに知恵の輪があるんよ。この知恵の輪をえりちが1分でクリア出来たら今日の所は見逃してあげる。けど…もしもクリア出来なかったら遊んで貰うからね?」

絵里「いや、いい」

希「え?」

絵里「私は知恵の輪はやらない」

凛「え?それじゃあ、凛達の不戦勝?」

絵里「いいえ。そもそも勝負をしないから」

穂乃果「そんなのズルイよ?」

絵里「知らないわよ。あなた達が勝手に言ってるだけだもの。第一、私にメリットは何もないし。ズルなんて言われる筋合いはないわ。それじゃあ」

穂乃果「………」

凛「………」

希「正論を言われちゃったね」

穂乃果「うん」

03

穂乃果「絵里ちゃん!?」

絵里「はあ…またなの?」

凛「今日という今日は凛達と遊んで貰うにゃ」

絵里「毎週毎週よくもまあ飽きないわね」

穂乃果「そりゃあね?」

凛「うん」

絵里「今日はもう疲れたし授業の復習もしたいの」

穂乃果「え~遊ぼうよ」

絵里「穂乃果。話聞いてた?」

凛「こうなったら…」

絵里「希もいるんでしょ?分かりきってるわよ」

穂乃果「フッフッフッ。それが違うんだなぁ」

絵里「何よ?希はいないの?」

凛「希ちゃんは今日は帰っちゃったにゃ」

絵里「そうなの。じゃあ、あなた達ももう帰りなさいよ」

凛「今日は希ちゃんの代わりに」

絵里「代わり?」

にこ「いや…別に私はあんた達の仲間じゃないわよ?」

絵里「なんだ…にこか」

にこ「なんだとはなによ」

絵里「何?にこも私の帰宅の邪魔をするの?」

にこ「いや…私は別に…」

穂乃果「何言ってるの?元々にこちゃんは穂乃果達の仲間だったでしょ?」

凛「そうだよ。それなのにいつの間にか抜けちゃってさ」

にこ「仲間だったつもりも抜けた記憶もないんだけど…」

穂乃果「にこちゃん。力を貸してよ」

凛「凛と穂乃果ちゃんだけじゃダメなんだよ」

にこ「いや…」

穂乃果「にこちゃん…信じてるからね?絵里ちゃん覚悟!」

ダッ ドテン

穂乃果「痛っ。痛いよ~」

凛「穂乃果ちゃん大丈夫?」

穂乃果「お尻打ったよ」

凛「くっ。流石は絵里ちゃんにゃ」

絵里「私、何もしてないんだけど。大丈夫?」

凛「大丈夫じゃないよ。二つに割れちゃったにゃ」

絵里「大丈夫そうね」

穂乃果「にこちゃん…後は任せたよ」

にこ「え?」

絵里「ねえ、にこ?あなたは私が言ってる事が理解出来ないほど子供じゃないわよね?」

にこ「何が言いたいのよ?」

絵里「あの子達。勉強もろくにしないで遊びほうけてるのよ?一昨日も私の家に押しかけて来たんだから…」

にこ「…」

絵里「ね?にこ?大人になりましょう?帰って今日の授業の復習をしましょうよ」

にこ「…」

穂乃果「にこちゃん…ダメだよ…」

絵里「分かるわよね?」

にこ「そうね」

絵里「流石はにこね。助かるわ」

にこ「だったら私は子供でいいわ」

絵里「にこ…」

穂乃果「にこちゃん!」

凛「信じてたにゃ」

にこ「絵里…私は帰って勉強なんかしないわ」

絵里「にこなら分かってくれると思ったんだけど。でもね、希がいないんじゃ恐れるに足りないわ」

にこ「だとしても、私は諦めない」ダッ

ほのりん「いけーにこちゃん」

絵里「そう…残念だわ」スッ

穂乃果「避けられた」

にこ「くっ、まだまだ」

絵里「諦めなさいってば」

にこ「諦めない」

絵里「無理よ。私は帰るから。あなた達も帰って勉強しなさい。そしたら明後日は遊んであげるから」

穂乃果「ああ…そんな…」

凛「せっかくにこちゃんが頑張ったのに…」

にこ「やっぱり、私達だけじゃ…ダメだった。私達だけじゃ絵里に敵わなかった。私達だけじゃ…どうする事も出来なかった」

希「そんな事はないやん」

絵里「希?」

ほのりん「希ちゃん!」

絵里「希…どうして?」

希「ふふっ。お待たせ」

にこ「希…」

希「どうしたん?」

にこ「だって…あんた…帰ったんじゃ」

希「にこっちのおかげや。にこっちが粘ってくれなかったらウチは間に合わなかったんよ。ありがとう、にこっち」

にこ「でも…ううん。何でもない。希?行くわよ?」

希「そうこなくっちゃ。えりち、覚悟や」

絵里「ふふっ。いいわ、受けて立つわ」





花陽「皆んな…帰るって言い始めてもう一時間経つんだけど…まだかかりそうだよね?」


04

絵里「さて、今日は帰ったら亜里沙と二人でケーキを食べながら昨日借りてきたDVDを見ましょう。うん、完璧ね」

穂乃果「絵里ちゃーん」

凛「おーい」

絵里「あなた達…」

希「なあ、えりち?これからえりちん家でマリオカートやるんやけど一緒にやらない?」

絵里「………そうね。遠慮しておくわ」

希「え~四人まで対戦可能なのに」

穂乃果「あっ!じゃあ、亜里沙ちゃんがいるじゃん」

凛「そうだったにゃ。じゃあ、亜里沙ちゃんと四人で勝負だね」

絵里「あの…」

希「ん?どしたん?やっぱり、やりたくなったん?じゃあ、負けたら交代にしようか?」

絵里「いや、そうじゃなくって。前提としてね、間違ってると思うの」

凛「え?負けたら交代じゃなくて順番にする?」

絵里「いや、そうじゃない。どうして私の家でやる前提なの?」

穂乃果「それは…」

希「ねえ?」

凛「うん」

のぞほのりん「あははは」

絵里「なんなのよ」

穂乃果「いや~ほら?皆んな好きじゃん?絵里ちゃん家」

絵里「知らないけど。ダメよ。私は帰って借りてきた映画見るんだから」

凛「え~?そうなの?なんて映画?」

絵里「……実録!母を尋ねて三千里」

穂乃果「へ~………え?実録?」

絵里「そうよ」

穂乃果「アニメじゃないの?」

絵里「ドキュメンタリーよ」

希「なんなん?そのチョイスは?」

絵里「別にいいでしょ…私の勝手よ。とにかく、私は帰って映画を見るの」

穂乃果「え~穂乃果ドキュメンタリーなんか見たら寝ちゃうよ」

凛「凛も開始3分で寝ちゃいそうにゃ」

絵里「え?一緒に見るつもりなの?」

穂乃果「いや~…あっ!いい事考えた」

凛「いい事?」

穂乃果「うん。マリオカートで勝った人が何をするか決めようよ」

希「おっ!ナイスアイデアやん」

絵里「ダメよ。そもそも、家に来る事自体納得いってないんだから」

穂乃果「ん~じゃあ、どこで遊ぶかをマリオカートで勝った人が決める?」

絵里「だから…いい?私は家で映画を見るの」

穂乃果「だからさ、穂乃果寝ちゃうって」

絵里「知らないわよ」

凛「凛も絶対寝ちゃうよ?」

絵里「寝ればいいじゃない。自分家で!」

穂乃果「え~それは…じゃあ、映画終わったらマリオカートやろう?それまで絵里ちゃんのベットで寝てるから」

絵里「え?」

凛「うん。それがいいと凛も思います」

希「じゃあ、決定やな。えりちん家に行こうか?」

絵里「ちょっ…ちょっと…」

05

絵里「さてと。帰りたいんだけど……」

希「うん。知ってるよ。ね~?」

穂乃果「うん。穂乃果達も連れてってよ」

絵里「連れてってって私の家に帰るだけよ?」

凛「うん。分かってて言ってるよ?」

絵里「私の家ってそんなに楽しい?」

穂乃果「まあ…」

絵里「でしょ?そんな反応になるでしょ?」

穂乃果「でも大好きだよ?絵里ちゃん家」

絵里「どうしてよ」

凛「安心感あるし」

絵里「大丈夫よ。日本はわりかしどこも安全だから」

希「まあ、ええやん」

絵里「よくない。と言うか希。あなたは三年生なんですからね?なんで二人と一緒になっていつもふざけてるのよ」

希「まあ…μ’sは」

絵里「先輩禁止とこれとは関係ないわよ。そんな事の為に先輩禁止にしたんじゃないでしょ?」

希「そうやけど」

絵里「だいたい、あなたは最近だらしないし…生徒会が終わったからって気が緩み過ぎなのよ」

希「なっ、そんな事言ったらえりちだってなぁ」

絵里「何よ?」

凛「生徒会室なのに現在進行形でだらしない人もいるよね?」

穂乃果「へ~そうなんだ?見てみたいね」

凛「生徒会長なのに現在進行形でだらしない人もいるよね」

穂乃果「へ~そうなんだ?見てみたいね」

希「だいたい、えりちだってあれやん?」

絵里「どれよ?あれじゃ分からないわよ」

希「几帳面だから資料とかすぐファイルに閉じるくせに何をどこのファイルに閉じたか忘れちゃう癖に」

絵里「でも、結果いつも見つかるじゃない」

希「でも、えらい時間かかるやん」

絵里「あなたこそ普段スピリチュアルとか言って癖にすぐにパソコンに保存するじゃない」

希「だからなんやねん。いいやん別に。スピリチュアル関係ないやん」

絵里「それで容量の大きいデータもメールで送るから余計時間かかるんじゃない。校内なら紙で直接渡した方が早いのに」

希「別にええやん。人それぞれのやり方があるんやから」

絵里「やり方が適切じゃないって言ってるのよ」

希「あー、そう。仕事に夢中になって暗くなってるのに気付かなくって怖くて帰れなくて半べそで電話してきた癖に」

絵里「はあ?なんて事を言うのよ」

希「事実やんか」

絵里「何で穂乃果と凛の前で言うのよ」

凛「凛達なら大丈夫だよ」

絵里「私が大丈夫じゃないのよ。何よ。希なんてお母さんが来れなくなっちゃったって目に涙を浮かべて電話して来た癖に」

希「なっ、それは言っちゃあかんやろ」

穂乃果「電話越しなのになんで目に涙を浮かべてるって分かったのかな?」

凛「ね?凛も思ったにゃ。絵里ちゃんもスピリチュアルなのかな?」

絵里「先に言ったのは希の方よ」

希「ウチとえりちは違うやん。ウチはミステリアスなイメージでいたかったんや」

絵里「そんな事を言ってたら私だってイメージ崩壊よ」

希「えりちのイメージなんてとっくに変わってるよ」

絵里「なんですって」

穂乃果「ねえ?言い合いしてる所悪いんだけどさ」

絵里「何?」

穂乃果「結局事後どうするの?」

絵里「どうするって、分かるでしょ?」

希「えりちん家で決着つけるに決まってるやろ」

絵里「え?」

06

絵里「ん…ん~…あれ?もしかして寝てた?」

シーン

絵里「どうして誰も来てないのかしら?………そうだわ。今日部活休みじゃない。うっかりしてたわ」

ガチャ

希「えーりち」

絵里「希…もしかして待っててくれたの?」

希「もちろん。えりちの事だから部活休みなの忘れてるんじゃないかなって」

絵里「ふふっ、なによそれ。まるで私が忘れっぽいみたいじゃない」

希「え?そうやん」

絵里「言ってくれるわね」

希「えへへ、でもウチはそんなえりちが大好きや。な?」

穂乃果「うん」

凛「当たり前にゃ」

絵里「穂乃果、凛。あなた達も待っててくれたの?」

穂乃果「そうだよ。もう、どこにいるのかなって探したんだから。電話もでないし」

絵里「そうだったの…」

希「そうよ。さっ、えりちも起きた事だしえりちん家で人生ゲームでもやろうか?」

穂乃果「うん」

絵里「え?」

希「え?」

絵里「いや…やらないわよ?」

希「…どうして?」

絵里「今日課題が出たじゃない」

希「うん。それで?」

絵里「やらなきゃダメでしょ?」

希「…そうやね。次の授業までにやればええんやから」

絵里「明後日よ?」

穂乃果「じゃあ、明日やればいいじゃん」

絵里「早く終わらせたいでしょ?」

凛「え?まさか絵里ちゃん遊んでくれないの?さっきの流れで遊んでくれないの?」

絵里「ええ」

穂乃果「嘘?なんかいい雰囲気だったのに?」

凛「信じられないにゃ」

絵里「それとこれとは話が別でしょ?」

穂乃果「別じゃないよ」

絵里「別なの。あなた達の中ではどうかは知らないけど私の中では完全に別なのよ」

希「じゃあ、ちゃんとした事を言うよ?」

絵里「ちゃんとした事?なによ?」

希「えりちの課題手伝ってあげるから終わったら遊ぼうよ」

穂乃果「え?」

凛「え?」

絵里「それも遠慮しておくわ。自分でやらなきゃ意味がないでしょ?」

穂乃果「うわっ。正論だ」

希「まあ…そうやけど」

絵里「そうね。じゃあ、こうしましょう?あなた達がちゃんと授業の予習復習をしたらその後遊んであげるわ。それじゃあ」

希「え?終わり?」

穂乃果「穂乃果達、やらなきゃダメなの?」

凛「希ちゃんが変な事を言うからこんな事になったんだにゃ」

07

絵里「ふふふ~ん。ふふんふ~ん。明日は休日~。さて、エリチカお家に帰りましょう」

希「えらいご機嫌やね」

絵里「なっ、いたの?」

穂乃果「いたと言うか来たんだけどね?」

絵里「そう。で?何か用かしら?」

凛「絵里ちゃんこの後暇?」

絵里「…暇じゃないわ」

希「なんか用事あるの?」

絵里「…帰って金曜ロードショー見るのよ」

穂乃果「それって用事?」

絵里「用事よ」

凛「まあ、いいや。この後遊びに行こうよ?」

絵里「ねえ?聞いてた?暇じゃないのよ?」

希「録画すればいいやん」

絵里「あのねぇ。なんて言うのかしら?リアルタイムで見たいのよ。わからないかしら?」

穂乃果「分からないよ。だって映画でしょ?」

絵里「そうよ?こう…ああ…この感じ説明が難しいわ」

希「えりちは面倒くさい性格してるなぁ」

穂乃果「こだわり強いと結婚した時大変だよ?」

絵里「余計なお世話よ…」

希「なあ、ええやん?遊びに行こうよ。さっきのひとり言誰にも言わないから」

絵里「な、なによ?脅す気?」

穂乃果「いやぁ、脅すって言うか…ねえ?」

絵里「ゆすりやたかりなんてのはね最低なのよ?」

凛「ただ、遊ぼうって言ってるだけなのに…」

絵里「とにかく…私は今日は遊ばないわよ」

穂乃果「え~絵里ちゃんってなんでこんなにツレないの?」

絵里「だって昨日も一緒にご飯食べに言ったじゃない」

希「昨日は昨日やん。断ってばっかりいるとそのうち誘われなくなっちゃうよ?」

絵里「え?それは…」

穂乃果「嫌でしょ?」

絵里「うん。でも…」

凛「ね?遊びに行こうよ?」

絵里「そうね…いいえ。ダメよ。ここでうんと言ってしまうとこの次もってなる様な気がする」

希「ちぇ。後少しやったのに」

絵里「危ない。乗せられてしまう所だったわ。とにかく…私は今日は遊ばないから」

穂乃果「そう。じゃあ、諦めるよ」

凛「しょうがないにゃ」

絵里「そうよ。また今度遊んであげるから」

希「じゃあ、ケーキ一つ余っちゃうね?駅前の美味しいお店のなのに」

絵里「え?」

凛「う~ん。かよちんが来れればなぁ」

穂乃果「ね?なんで皆んな忙しいだろうね?」

絵里「待って。やっぱり録画でいいかも」

08

絵里「はあ…疲れた…」

フッフッフッ

絵里「何?」

穂乃果「そこのお嬢さん」

凛「凛達と一緒に来てもらおうか?」ガシッ

絵里「ちょっと。凛、話しなさい」

凛「私は凛ではありません」

絵里「さっき自分で凛って言ったでしょ?せめて変装でもしてからその台詞を言いなさいよ」

まてぇ

絵里「今度は何?」

希「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、東條希。火星にかわって折檻よ」

絵里「……」

希「え?無反応?」

絵里「いや…セーラー服でもないし…美少女って自分で言う?にこじゃあるまいし」

穂乃果「あ~確かに…」

凛「なかなか自分では言えないよね」

希「ちょっ…ちゃうやん?これは…」

穂乃果「よっ!美少女戦士!」

凛「憎いにゃ~!」

希「ちょっと、二人とも。なんでウチを弄り始めてるん?ちゃうやろ?えりちと遊ぶのが目的やろ?」

穂乃果「あっ、そっか。つい目先の面白い事に行っちゃってたよ」

凛「ね?凛はそれでも良かったけど」

希「くっ、えりちめ~」

絵里「希が勝手に自滅したんでしょ?」

希「と、とにかくえりちをどうにかしなきゃ」

穂乃果「そうだね。どうしよう、ヴィーナス?」

希「そうやね。どうしようか?後、マーズやから」

凛「え?希ちゃんが絵里ちゃんを悪者からきゅうしゅう」

凛「え?希ちゃんが絵里ちゃんを悪者から救出してその流れでお家まで行っちゃうんじゃないの?」

穂乃果「ダメじゃん。言っちゃダメじゃん。絵里ちゃんにバレちゃうじゃん」

凛「あっ」

希「あっ。やないよ」

絵里「はあ…あなた達ねぇ。いい加減目覚めなさい?あなた達は学生なのよ?ただでさえ部活だ生徒会だで忙しいのよ?勉強する時間は限られてるんだから」

穂乃果「それを言ったら遊ぶ時間だって限られてるじゃん」

凛「そうだよ。勉強は学校でもやってるし」

絵里「ねえ?想像出来る?今あなた達が遊んでる時も皆んなちゃんと勉強してるのよ?にこ以外」

凛「で、でも…昨日だってμ’sの皆んなで遊んでたよ。勉強なんかしてないにゃ」

絵里「そうよ?昨日は遊んだんだから今日は家でちゃんと勉強するの。にこ以外」

穂乃果「でも、そんなの分かんないじゃん」

絵里「テストの点数がその証拠よ。皆んな赤点なんて取らないでしょ?にこ以外」

凛「それを言われると…」

穂乃果「返す言葉がない」

希「そんな事ないやん?ウチはちゃんとそれなりの結果を出してるよ」

穂乃果「おお!そうだよ。希ちゃんを見てみなよ。一緒に遊んでるのに点数いいよ?」

凛「そうにゃ。絵里ちゃんの理屈は間違ってるにゃ」

絵里「あのねぇ…それは希はでしょ?あなた達二人は希じゃないのよ?事実、点数悪いんだから。私だってこんな厳しい事言いたくないのよ?」

穂乃果「そ、それは…」

凛「…」

絵里「ね?あなた達はやれば出来るんだから。毎日コツコツやりましょうって事」

穂乃果「うん」

凛「わかったよ」

絵里「良かった。分かってくれたのね」

穂乃果「絵里ちゃん家で勉強を少ししてから遊ぼう」

凛「うん」

希「そうやね」

絵里「分かってないじゃない」


09

絵里「…何?こそこそと後をつけて」

穂乃果「おっと。バレてしまったら仕方がない」

凛「さあ、絵里ちゃん。大人しく凛達と遊んで貰おうか」

絵里「はあ…またなの?」

穂乃果「うん」

絵里「で?」

にこ「…」

絵里「また希の変わりににこが来たと?」

にこ「私だって好きで来てる訳じゃないわよ」

穂乃果「こないだノリノリだったくせに」

にこ「あんた達がのせたんでしょ」

凛「そんな事ないにゃ。にこちゃんが自発的に行動した結果にゃ」

にこ「違うわよ」

絵里「ねえ?帰っていい?」

穂乃果「ダメに決まってるじゃん」

絵里「付き合ってられないのよ。バカな事やってないで大人しく帰りなさい」

にこ「誰がバカよ。誰が」

凛「きっとにこちゃんの事だよ」

にこ「はあ?」

絵里「別にそう言うつもりで言った訳じゃないけど」

にこ「いいわ。今日だけは力を貸してあげるわ」

穂乃果「こないだも貸してくれたけどね?」

凛「ね?」

絵里「にこ…結局そうなるのね」

にこ「悪い?」

絵里「そう…。でも私は帰るから」

にこ「私から逃げられると思ってるの?」

絵里「私の身体能力を舐めない事ね。あなた達から逃げるなんて容易いわ。」

にこ「それはどうかしら?思い出すわね。前にも一度こんな事があったわね」

絵里「そうね。あの時は私達がにこを追いかける側だったけどね」

にこ「ふん。あの時だってこころに会ってなかったら私を捕まえられなかったくせに」

絵里「運も実力のうちよ」

にこ「そう。今回も運が味方してくれるといいわね」

絵里「どうかしら…ね」ダッ

にこ「あっ!?しまった。逃げられた」

穂乃果「にこちゃん。交代だよ」ダッ

にこ「穂乃果?」

凛「穂乃果ちゃん!」

絵里「くっ、しつこいわね」

にこ「穂乃果…」

穂乃果「にこちゃん。絵里ちゃんは強いよ。穂乃果達が闘った来た誰よりも一番強いよ。でも…穂乃果達はまだ負けないよ」

絵里「無駄よ。私は帰る」

穂乃果「逃さない」バッ

絵里「ちょっ…離しなさい」

穂乃果「離さない。絶対に離さない」

凛「穂乃果ちゃん…」

にこ「穂乃果…すごい奴よ、あんたは。絵里は私にはとても敵う相手じゃなかった」

絵里「離しなさい」

穂乃果「離さない」

にこ「にこは宇宙No.1アイドルになることを目標に活動してきたわ…だけど私はついに宇宙No.1になる事はできなかった。なんとなくわかった気がすふ…なぜ天才であるはずの私が宇宙No.1になれないのか…」

凛「にこちゃん天才だったの?」

にこ「守りたいものがあるからだと思ってた。廃校を阻止したいと言う強い心が穂乃果を強くしてると…確かにそれもあるかもしれないけどそれは今の私も同じ事だわ」

穂乃果「まだまだぁ」

にこ「私は自分だけの為に、そしてプライドの為に歌ってきた。でも、あんたは違う。プライドの為に歌うんじゃない。楽しむ為に限界を極め続け歌うんのね。だから勝敗にこだわりはしなかった。穂乃果はこんな私を仲間に迎い入れた。まるで私がずっと仲間が欲しかったのをわかっていたかのように…まったく、頭にくるわ、歌うのが大好きで優しいアイドルなんて…頑張れ…あんたがナンバーワンよ!」

穂乃果「ぐぬぬ…」

絵里「離さないっば」

穂乃果「ダメ…だぁ」

にこ「穂乃果?用意しなさい?げ…」

希「元気玉の用意や」

凛「あ!?希ちゃん!」

にこ「あっ、一番良い所を…」

絵里「それじゃあ…」

穂乃果「ああ…逃げられた」

010

絵里「…」テクテク

穂乃果「…」テクテク

凛「…」テクテク

希「…」テクテク

絵里「ストップ!」

穂乃果「へ?」

凛「何?」

希「どしたん?」

絵里「回れ右!」

穂乃果「やだ」

凛「右に同じく」

希「またまた同じく」

絵里「あのねぇ…こっちには私の家しかないのよ?」

穂乃果「うん。知ってるよ」

希「だってえりちん家に行くんだもんね?」

凛「ね~?」

絵里「いや…」

希「ダメよ。えりちはそう言う。違う?」

絵里「え?」

希「図星やろ?」

穂乃果「凄い、希ちゃん」

凛「流石スピリチュアルにゃ」

絵里「いや、あのねぇ」

希「そこでや、えりち」

絵里「な、なによ」

希「ウチは今偶然コインを一枚持ってるんよ」

穂乃果「おお!しかも500円玉だ」

凛「コインの王様にゃ」

絵里「何が偶然よ。持ってるでしょ…硬貨くらい」

希「今からウチはこのコインを真上に投げる」

ピィーーン

穂乃果「おお!サッカーの試合みたい」

パシッ

希「そしてえりちはこのコインの裏か表かを当てる。もしえりちが言い当てる事が出来たらえりちの勝ち。ウチ等は素直に家に帰るわ。でも、もしえりちが負けた場合ウチ等と遊んで貰う」

絵里「…」

希「正々堂々勝負や」

絵里「…」

希「そして、えりちはこう言う。いいわ。その勝負、受けてたとうじゃない。とね」

穂乃果「イェーイ。これは盛り上がるね」

凛「ドキドキしてきたにゃ」

絵里「いえ。帰るわよ」

穂乃果「え?」

凛「なんで?」

絵里「だってその勝負。私にメリットないもの」

希「いや、お互いのプライドをかけてとか」

絵里「コイントスにプライドも何もないでしょ?それじゃ」

希「えー…」

穂乃果「……」

凛「これは恥ずかしいにゃ」

011

絵里「ん…ん~…ふぁ~あれ?私…もしかして、またやっちゃった?」

真姫「……」

絵里「そうだったわ。今日も部活はないのよね。私ってば何やってるのかしら」

真姫「……」

絵里「って真姫!?」

真姫「わっ!?ちょっと…いきなり大きな声出さないでよ」

絵里「ごめんなさい。じゃなくて。いつからいたの?」

真姫「別に…さっきよ」

絵里「そう。でも、どうして?」

真姫「だって…この後、絵里の家で人生ゲーム?をやるんでしょ?」

絵里「え?そうなの?」

真姫「そう聞いたけど」

絵里「そう」

真姫「もしかして、今日は中止になったとか?」

絵里「……いいえ。やりましょう。ところで」

真姫「な、なに?」

絵里「どうして起こしてくれなかったの?」

真姫「だって気持ち良さそうに寝てたから。疲れが溜まってるのかなって。ほら、普段から皆んな絵里に頼りがちだし…べ、別に寝てるからって凛や希みたいに変な事なんてしてないから」

絵里「別にしてくれても良かったのに」

真姫「だから私はそんな事は」

絵里「そしたら真姫にイタズラする理由が出来るのに」

真姫「な、なによそれ」

絵里「さて、そしたら家に行きましょうか?真姫は人生ゲーム強いの?」

真姫「やった事ないわ」

絵里「え?そうなの?」

凛「なーんか腑に落ちないよね?」

穂乃果「真姫ちゃんと穂乃果達とで何が違うの?」

希「あり過ぎて挙げたらきりがないやん」

穂乃果「そうかねぇ…まあ、そうか」

ピンポーン 絵里「…こ、こんな時間に誰かしら?」

絵里「さて、帰りましょう」

絵里「今日も疲れたわね…」

トントントン 絵里「な、何?」

多分他にもある

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