魔王「ニンジャ怖い」(24)


側近「蘇生して第一声がそれですか」

魔王「お前軽く言うけど、均整の取れた体つきのイイ男が」

魔王「フル○ンで殺意のこもった異様な目つきで襲い掛かって来るんだぞ」

魔王「第一、お前もあいつと戦って負けたんだろう?」

魔王「リベンジする気あるのか?」

側近「できれば二度と会いたくないです」

魔王「だよな」


前スレ
魔王「……戦う前にちょっと聞いていいか?」
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側近「ですが、こちらの意思などお構い無しに襲い掛かってきますからね、勇者たち」

側近「せっかく蘇ったのですから」

側近「天○魔闘の構えを取得されてみては?」


魔王「出来ればやりたいところだが……」

魔王「あれ1ターンで3回攻撃出来る大魔王クラスの技なんだわ」

側近「あー」

魔王「ワシまだ魔王で2回攻撃が限界だしなぁ」

魔王「どうすればいいんだか……」

側近「地道に頑張りましょう」

魔王「そうだよなぁ……それしかないよなぁ」

     タッ タッ タッ

部下「伝令!」

部下「勇者と思われる人間が、城に近づいているとの事です!」

魔王「ひっ、ひいいっ!」

側近「また来たのか……」


魔王「ぜ、全裸か!?」

部下「いえ、前回とは違い、今回はちゃんとした装備を着ております」

魔王「そ、そうか……」 ホッ

側近「会話がおかしい気もしますけど、確かに朗報ですね」

側近「一人か?」

部下「それが、5人で来ています」

魔王「5人か……ウィズ方式では一人少ないし、ドラ○エ方式では一人多いな」

側近「最近はダン○ョント○ベラーと呼ばれる方式も存在し」

側近「最大参加人数は5人と聞いております」

魔王「ダントラか!」

魔王「確か女の子のみの冒険者の物語だったな!」

側近「まあここまで来れた冒険者である以上、油断は禁物です。 魔王様」


魔王「わかっておる」

魔王「各所に連絡。 警戒態勢を厳にしろ」

魔王「勇者どもを迎え撃つのだ!」

側近「はっ!」

部下「はっ!」

     タッ タッ タッ

―――――――――――

     グワー

魔王「ほう……門番の側近がやられたか」

魔王「どうやらただならぬ強わ者と見える」

     ババン!

勇者1号「居たな、魔王!」

魔王「来たか……勇者よ」


勇者2号「これで長かった戦いも終わる」

勇者3号「ここが年貢の納め時!」

勇者4号「覚悟しろ」

勇者5号「さあ、最後の戦いだ!」

魔王「…………」

魔王「あの……ちょっと聞いていいか?」

勇者1号「なんだ?」

魔王「全員同じ格好で色しか違っていないのだが」

魔王「お前たちの職業はなんだ?」

勇者1号「ニンジャだ」

魔王「」


勇者2号「もちろん俺もニンジャだ」

勇者3号「ニンジャだぞ」

勇者4号「ニンジャよ」

勇者5号「勇者といえばニンジャだろ?」

魔王「…………」 汗ダラダラ…

魔王「えと……」

魔王「何となくオチは見えたけど」

魔王「話し合いで解決……とかはダメか?」

勇者1号「ダメだ」

魔王「」

勇者1号「行くぞ! 魔王!」


勇者1号「忍シュ○ケン!」

勇者2号「カク○イザー!」

勇者3号「シノビナッ○ル!」

勇者4号「シュリケンズ○ット!」

勇者5号「ハ○テ丸!」

     ドゴーン!

魔王「アイエェェェェェェッ!!」

魔王「ナンデ!? ニンジャ センタイ バラバラナンデ!?」

勇者1号「止めだ!」

勇者センタイ「三位一体、トリプルハ○ケーン!」

勇者センタイ「からのシュリ○ン忍法奥義! 乱舞○烈斬!」

勇者センタイ「からのカ○レンジャーボール! レディ、ゴー!!」

魔王「ちょっと待ってぇぇぇぇぇっ!!」



     ズゴゴゴゴゴゴゴ――ンッ!!


魔王「アバ―――――――――――!!」

勇者1号「むっ……まだ生きている! さすが魔王!」

魔王「ううっ……瀕死なんですけど」

勇者2号「こうなったら奥の手だな」

勇者3号「わかった」

勇者4号「あれを使うのね」

勇者5号「了解!」

魔王「くそぉ……ワシだってやられてばかりではないぞ」

魔王「ぬううううううううっ……!」

魔王「カ○ザーフェ○ックス!(ただのメ○ゾーマ)」


勇者センタイ「科○忍法・火○鳥!」

魔王「」

魔王「それガッ○ャマンのわz」


     ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!


魔王「」 プスプス…

勇者1号「…………」

魔王「」 プスプス…

勇者1号「あれ? 巨大化も第二形態もないの?」

勇者2号「ちっ……ただの魔王だったか」

勇者3号「戦い足りないぜ」

勇者4号「がっかり」

勇者5号「さっさと次に行こうぜ」


―――――――――――

魔王「はっ!?」

側近「蘇りましたか、魔王様」

魔王「酷い目に会った……」

側近「やはり多対一は、一方的になりますね」

魔王「ワシ、戦隊ヒーローものの敵役に深く同情するわ……」

側近「気を取り直して、地道に行きましょう」

     タッ タッ タッ

部下「伝令!」

部下「またしても勇者と思われる一団が攻めて参りました!」

魔王「ひいっ!?」


側近「全裸か? また5人とかか?」

部下「いえ、普通に服を装備して今度は3人だそうです」

魔王「ニンジャではあるまいな?」

部下「さあ……そこまでは」

魔王「よ、よし」

魔王「とにかく、城の防備を固めるのだ!」

魔王「今度こそ撃退しようぞ!」

側近「はっ!」

部下「はっ!」

―――――――――――

     グワー

魔王「……やっぱりやられちゃうのね」


     ババン!

うずまき勇者「ここが魔王の部屋だってばよ!」

魔王「帰れ!」

女の子勇者「いきなり御挨拶ね」

写輪眼勇者「大人しく腹をくくれ、魔王」

魔王「もうニンジャはお腹一杯なの!」

魔王「お願いだから帰ってよ!!」

うずまき勇者「へえ、一目で俺たちがニンジャだって分かるのか」

うずまき勇者「さすが魔王だってばよ!」

魔王「しゃべり方で大方の予想はつくわ!」

魔王「ワシの負け! ワシの負けでいいから帰って!」


女の子勇者「そんなこと言われても……」

写輪眼勇者「こちらにも事情があるのでな」

魔王「」

うずまき勇者「仙法・風遁螺○手裏剣!」

女の子勇者「サ○ラ吹雪の術!」

写輪眼勇者「イン○ラの矢」


     ドゴォン!!


魔王「アイエェェェェェェッ!!」

魔王「ナンデ!? ゲキジョウバンノ ジュツ マジッテルノ ナンデ!?」


うずまき勇者「かーらーのー」

うずまき勇者「獅○連弾!!」


     バゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


魔王「」

うずまき勇者「あれ?」

魔王「」

うずまき勇者「もう終りかよ……」

女の子勇者「先生の試験の方がもっと厳しいわね」

写輪眼勇者「次へ行くぞ」


―――――――――――

魔王「もうやだぁ……」

側近「気持ちは非常に良く分かりますが、泣き言を言わないでください」

魔王「いやもうワシ、色々とズタボロよ……」

魔王「ついさっきあの世で大魔王様に このまま死なせてくれって頼んだくらい辛いわ……」

側近「生き返ったという事は、それだけ魔王様に期待してるって事ですよ」

魔王「人手不足だから我慢してくれって返事された……」

側近「……地道に頑張りましょう」

     タッ タッ タッ

部下「伝令!」

魔王「聞きたくなぁーい!」

部下「え……」


側近「魔王様はついさっき生き返ったばかりで少々混乱なされているのだ」

側近「どうした?」

部下「は、はあ……」

部下「それが……ゴーレムと思わしき物体が近づいているそうです」

魔王「ゴーレム?」

魔王「人間ではないのか?」

部下「はい」

側近「なんと面妖な」

魔王「まあ操っているのは人間かもしれぬが、さすがにニンジャでは無いだろう」

魔王「城の警戒を上げて撃退するのだ」

側近「はっ!」

部下「はっ!」


―――――――――――

     グワー

魔王「……またこのパターンか」

魔王「嫌な予感しかしない……」

     ババン!

経験値泥棒「…………」

魔王「いやあああああああああああああああっ!?」

魔王「最強最悪のニンジャがキタ――!!」

経験値泥棒「…………」

     タシッ タシッ タシッ

魔王「軽快な曲に乗っていらん事しに来る――!!」

     ゴスッ! バキッ! ドガガッ!

魔王「サヨナラ!」




     この魔王は、これ以降も生き返るたび

     山を飛び谷を越えるニンジャ

     赤い仮面をつけたニンジャ

     モビ○スーツに乗ったニンジャ

     全身金ピカのロボットニンジャなどと戦い、敗れるのだが

     それはまた別のお話である。



     おしまい!

ニンジャは最強だが魔王がちょっと可哀想に思えてきた。
異論は認める。

ニンジャ「ふふふこわかろう」

魔王「勇者が喋る事か…(涙目)!」

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