少女「おかーさん!庭に魔王が巣を作ってる!」(10)

母「あらあら……本当?」ガラッ

少女「ほらここ!」

魔王「フハハハハ!ここから永遠に明けない夜が始まり、世界は混沌の闇へと再び帰るのだ!!」ザクッ ザクッ

母「あらまあ……危ないからあまり近づかないようにね」

少女「うん」

母「…………取り合えずお父さんが帰ってくるまでそっとしておきしょうね」

魔王「全てを飲み込む深淵に怯えるが良い!下等で矮小な生き物達よ!」ザクッ ザクッ

夕方

父「ただいま」ガラッ

少女「おかえりー」

母「あ、お父さん。帰ってきて早々で悪いんだけどちょっと庭に来てほしいの」

父「どうかしたか?」

母「ほら、あれ見てよ」

魔王「ククククク、我が無限の魔力より産まれ出でよ僕たちよ……」フルフル

父「あー、魔王か。この時期多いとは聞いてたけど遂にうちに来ちゃったかー」

母「どう?どうにかなりそう?」

父「うーん、まだ一体だけっぽいし何とかなりそうだけど万が一もあるからなぁ」

少女「おとーさん無理しないでね」ギュッ

母「勇者さん呼ぶ?タウンページ持ってきたけど」

父「いや、いいよ。行きつけの焼き鳥屋のご主人、確か若い頃に勇者やってたって前言ってたし頼んでみる」

母「あらそうなの?じゃあ早速お電話を……」

父「直接話してくるよ、飯いらないからー」ガラッ

母「ああ、ちょっと!……もう自分が呑みたいだけなんだから」

少女「おみやげ買ってきてくれるかなー?」

魔王「滅びの呪い……受けてみるか?」

野良猫「シャッー!!」

翌日

父「ほら、ここです」

店主「どれどれ……あー、はいはいまだ城の建築も終わってない段階ですね。これならすぐに片付けられますよ」

父「それじゃあお願いします」

店主「ええ、ちょっと着替えさせてもらいますねー」ガチャガチャ

父「おお、それが勇者の鎧ですか」

店主「もう大分オンボロですけどね、まだギリギリ最大級魔法にも耐えられるんで安心して下さい。……さて」

魔王「……何者だ?我が城に立ち入る命知らずは?」

店主「ほら分かりますか?若干まだ威厳が無いですよね?初夏の魔王は大体こんなもんなんですよ」

父「へー、言われてみればテレビで見るのより小さい感じですね」

魔王「我を愚弄するか!魔界の雷を食らえ!」ビシャーッ

父「わっ!?」

店主「ああ大丈夫ですよー、そこまでは絶対届きませんから」バチィッ!

魔王「ほう、光の障壁か……さては貴様勇者だn」

店主「はいはい、閃光の一撃」バシッ

魔王「ぐはぁっ!?お、おのれぇ……」

店主「これだけでも十分なんですけどマニュアル的には踏み潰して止めを刺す事になってるんでやっときますね」グリグリ

魔王「我を倒そうと第二、第三の魔王が……」

グチャッ! ゴリュウッ! ブチッ!

父「すみません、お手数おかけして」

店主「いえいえ、常連さんの頼みとあらば断れませんよ。あと魔王の城の周辺には秋口にかけて破壊神も発生しやすくなるんで念のために薬撒いといた方が良いですよー」

魔王「や、闇は……滅びぬ……」

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