【デレマス×ジョジョ四部】ちひろ「私たちのPさんはPさんじゃない」 (174)

*ジョジョとデレマスのコラボ物
*残酷な表現があります
*一瞬に満たない時間で会話するのはジョジョ式対話方だと思って割りきってください
*台本形式+ジョジョ的展開のためわかりにくいシーン多数
*ご都合主義的展開も多少ある

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506683364

ちひろ(最寄り駅から数分の小さな建物、幾つかの企業がオフィスを構える5階建てのビルの3階には、所属アイドル7名の小さなアイドル事務所があります)

ちひろ(私の名前は千川ちひろ、そのアイドル事務所で事務員として働いています)

ちひろ(今はライブの付き添いに行ったプロデューサーさんに変わって、プロデューサーさんの分まで事務仕事をこなしています)

ちひろ「はぁ~……Pさんがいないと私の仕事が多くて大変ですね……」カタカタ

凛「まあまあ、まゆと美玲のライブも終わって今日帰ってくるんですから……それにしても、凱旋ライブかぁ……」

卯月「凱旋……カッコいい響きですよね」

未央「M県S市……だっけ?」

ちひろ「ですね……お土産に牛タンの味噌漬けとかを買ってきてくれると嬉しいんですが……」カタカタ

未央「お土産ねぇ……この前ヘレンさんが買って来たのは衝撃的だったなぁ……」

ちひろ「あんなもの、どこで買って来るんでしょうね?」カタカタ

凛「流石は世界レベル……でいいのかな?」

卯月「あれ、どこにしまったんですか?」

ちひろ「そこの隅の箱です……誰も使わないでしょうけど、捨てるのはヘレンさんに悪い気がして……」

未央「さらに買って来た本人は今イタリアに……自由だねぇ……ヘレンさん」

ドア<ガチャガチャ

卯月「あ!プロデューサーさんが帰って来ました!」

ちひろ「ふぅ、これで私の机の下から乃々ちゃんがいなくなるわ……」

乃々「うぅ……もりくぼは……じゃまくぼでしたか?」

ちひろ「そういう訳じゃないですけど……いつもと違うから落ち着かないだけで……気が向いたらまたやっても良いですよ」

凛(……なんで人がいる方の机の下に入るんだろ?)ボソッ

未央(そっちの方が狭くて落ち着くんだって)ボソッ

凛(なんというか……乃々らしいね)ボソッ

ドア<ガチャ

美玲「普通事務所のカギを間違えるか?」

P「……すまない、大きな仕事を終えて気が弛んでいたみたいだ」

卯月「おかえりなさい、プロデューサーさん、美玲ちゃん、まゆちゃん」

凛「お疲れ様」

未央「おかえり~!」

乃々「その……お、おかえりなさい……うぅ」

ちひろ「お疲れ様です、みなさん」

美玲「おう!ただいま!」

まゆ「……ただいま……戻りました」

P「……ただいま」

未央「……?……そうだ!ねえプロデューサー!お土産ないの?」

P「お土産か……S市名物のゴマ蜜団子だ、食う時は口を閉じて食えよ」スッ

未央「わ~い!ありがと~!しぶりん!しまむー!みれりん!ののっち!ままゆ!ちひろさん!一緒に食べよう?」

卯月「美味しそうですね!」

凛「……どうして口を閉じるって忠告が必要なんだろう?」

美玲「あ!ウチも食べたい!向こうでも食ってないし」

乃々「あの……みなさんの分がなくならないように……もりくぼは遠慮しときます……」

未央「いやいや、そんなこと気にしなくていいからののっちも食べようよ?」

乃々「……良いんですか?」

凛「良いから食べよう?乃々」

乃々「それでは……少しだけ……」

ちひろ「それでは、人数分のお茶を用意して来ます……ね?」

まゆ「………………」ゴゴゴゴゴ

ちひろ(まゆちゃんが恐い顔をしてる……わ、私、Pさんに何もしてない……ですよね?)

ちひろ「まゆちゃん?」

まゆ「」ハッ

まゆ「えっ、あ、はい……なんでしょうか?」

ちひろ「さっきから喋ってなかったので……どうかしましたか?」

まゆ「いえ……少し考え事を……ちひろさん、まゆもお茶を淹れるの手伝います」

ちひろ「ありがとうございます」

P「………………」ゴゴゴゴゴ

蒼歴史さんがPの匂いで気付く方に花京院の魂を賭けるぜ

1/14:30


まゆ「……ちひろさん」コポポ

ちひろ「はい、なんですか?」

まゆ「『人間がいきなり別人に変わる』って……あり得るんでしょうか?」

ちひろ「はい?」

まゆ「いえ、というより、『見た目も何もかも他人に成りきる』って……可能でしょうか?」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……まゆ……ちゃん?……いったい……なんのことを……」

まゆ「……すいません、理由は話せませんが……前に没収された小型盗聴機、返して貰えませんか?」

ちひろ「はいぃ!?…………えっと、前にも言いましたが、盗聴は立派な犯罪です」

ちひろ「Pさんが好きなのはわかりますが、やり過ぎはいけません」

ちひろ「なので、盗聴機を返すことは出来ません」

まゆ「……そう言う割には……捨てたり壊したりしないんですね?時々受信機から音が聞こえますよ」

ちひろ「」ギクッ!?

ちひろ「だ、だって……アレってかなり高いヤツってまゆちゃんが言ったから、勿体無くて……」

まゆ「……まあ、いいです……まだまゆの中でも整理はついてないので」

まゆ「……では、一つだけ……ちひろさんが『確信』したら……まゆともう一度話しましょう」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……『確信』?それってどういう……」

まゆ「まゆは、行動を起こします……密かに、気づかれないように……もしまゆに何かあったら、ちひろさんに託します……私の他に、立ち向かえるのはちひろさんくらいしかいないと思いますから……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「託すって……何を……?」ゴゴゴゴゴ

まゆ「…………お茶、早く持って行きましょう」スッ

ちひろ「えっ!?……」

ちひろ(……いったい、なんのことなの?)

1/14:40


ブチュー!

ナカミガトンダ!?

アワワ!フカナイト!

コレウンマイナァ!

1/18:00


ちひろ(結局、まゆちゃんの言葉の意味はわからないまま、日は傾いていった)

ちひろ(……今日は帰れるのは何時かなぁ)

P「ちひろさん」

ちひろ「はい、何ですか?」

P「私はここで上がらせていただきます」

ちひろ「えっ!?し、仕事はどうするんですか?書類が結構残っていたと思いますけど……」

P「これを」スッ

ちひろ「書類……」パラパラ

ちひろ「っ!?」

ちひろ「ぜ、全部出来ているッ!?」ドォーーz__ン!

ちひろ(いつも、Pさんは私よりも仕事が遅かったのに……)

ちひろ「ど、どうしたんですか?今日は仕事が早いですね」

P「………………チッ」ボソッ

P(この程度の仕事もこなせないような無能だったのか……この男は)

P「今回のライブで、自らの至らなさを痛感したんですよ……これからは……『心を入れ換えて』、真面目に、しっかりと仕事をこなします」

P(……入れ換わったのは、『心』ではなく『身体』だがな)

ちひろ「そうですか……」

ちひろ(それだけで……こうまで変われるの?)ゴゴゴゴゴ

まゆ『ちひろさんが『確信』したら……』ゴゴゴゴゴ

ちひろ(まゆちゃんが言っていたのは……もしかして……)ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……わかりました、それでは、また明日……」ゴゴゴゴゴ

P「さようなら……」スタスタスタ

ドア<ガチャ…バタン

ちひろ「……まゆちゃん、『確信』とまではいかないけど、『疑問』なら抱いたわよ……」

2/10:25


乃々「も、森久保は……アイドル辞めたいんですけど……」

P「ふむ……それなら、そのためにスケジュールを組まないとな」ペラペラ

乃々「ッ!?」

P「……最低でも一週間は仕事をしてもらおう、その一週間が終われば、正式に事務所から解雇しよう」

乃々「え……あ……あの…………」ナミダメ

乃々(プロデューサーさんの目……本気なんですけど……これが終わったらって言って、結局続けさせられるいつもの目と……違う……冷たい目……)

凛「……とか言って、また期間が過ぎても働かせるんでしょ?」

P(……また?)

凛「乃々も乃々で、本当に辞めさせられたらどうするの?本当は辞める気なんてないのに」

乃々「えっ!?……そ、その……森久保は本当にや、辞めたいんですけど……そのぅ……でも、確かに……アイドルも……楽しいとは……その……」カァァ

P(チッ……これだから思春期というのは面倒なんだ、言ったことに責任を持てッ!)

P「わかったとしてもバラすな、私の作戦が失敗してしまったぞ?」

凛「毎度毎度同じ手使ってたら猿でもわかるよ」

P「それでは、もっと手の込んだ方法を考えるか……」スタスタ

乃々(Pさんの目……違ったんですけど……)

2/11:30


ちひろ(……やっぱり、何かがおかしい……いつでも良いと私は言った、それでも……)

乃々「…………」ブルブル

ちひろ(昨日の今日でまだ私の机の下に乃々ちゃんが……しかも、この怯えよう……やっぱり違うのだろうか……Pさんが)

2/12:00


未央「あれ?珍しい!プロデューサーお弁当だ!」

P「……ああ、挑戦してみたんだ」

ちひろ(……挑戦……その割には、作りなれてるみたいに見えますよ?……この前の飲み会で、料理はしないと言ってましたよね?)

卯月「わあ!美味しそうですね!……一つ味見させてくれませんか?」

P「あぁ、いいよ」

卯月「あ~ん!」

P「」ピクッ

未央「お~!しまむー大胆!」

卯月「え?あれ?……はっ!?すいません、学校でお友達とお昼御飯食べる時のクセで……」

P「いや、気にしないよ……」

2/18:00


P「……それでは、さようなら」

ちひろ「はい、さようなら」

ちひろ(……また……この時間……機械のように正確)

2/19:00


P(………………)パチン…パチン…

3/10:12


P「卯月……その爪はどうしたんだい?」

卯月「あ、わかりますか?……共演した加蓮ちゃんに、ネイルして貰ったんです!プロデューサーさん!見てください!」

P「……あぁ、美しいよ……」

3/13:00


P(………………)パチン…パチン…

ちひろ「Pさん、爪切りですか?」

P「あぁ……伸びているのに気が付いてね……」

ちひろ(……ライブに行く前……深爪したと話していたのに……普通、こんな短い間にここまで伸びるわけが……)

P(抑えろ……杜王町に集中しているとはいえ、旅行者をSPW財団が見張っていないはずがないッ!この男も勿論マークされている筈だッ!)

3/18:00


P「さようなら」

ちひろ「……お疲れ様です」

4/10:21


P(………………)

卯月の手「それで、監督さんが……」

美玲の手「ウチもそんなことあったぞ!」

乃々の手「むぅ~りぃ~……」

未央の手「しぶりんはどう思う?」

凛の手「そういうことなら……」

まゆの手「………………」

P(……………………)

4/11:00


P(……………………)パチン…パチン…

4/15:23


P「はい、なのでこの企画に……」

まゆ「……」ジー

P(あの小娘……この私が入れ替わった時からずっと私を見張っている……佐久間まゆ……情報に依れば、この男に異常な執着を見せているらしいが……)

P(理解出来ん……この男もあの女も……何が楽しくてガキの面倒を見る……何故こんな男に惚れる……理解出来ない)

まゆ「……」ジー

P(…………だが、手は美しい)

4/18:00


ちひろ「お疲れ様です……」

P「ええ……また明日」

4/18:10


ちひろ(まゆちゃんのあの言葉、Pさんが帰ってきてから四日目……)

ちひろ(帳簿……)ペラペラ

スタミナドリンク代 0円

ちひろ「……カッコつかない理由だけど、『疑問』が完全に『確信』に変わったわッ!」ゴゴゴゴゴ

5/10:30

まゆ「……ちひろさん……まゆを呼んだということは……そういうことですよね?」

ちひろ「ええ……『私たちのPさんはPさんじゃない』」

まゆ「ちひろさん?……『私たちの』じゃなくて……『まゆの』……ですよ?」ハイライトオフ

ちひろ「ひぇっ!?」

まゆ「と、冗談はここまでにして」

ちひろ(絶対本気でしたよねッ!?)

まゆ「おそらく、あのPさんは……別人です……何がどうなっているのかわかりませんが……」

ちひろ「……『他人に成りきる』……中身は模倣すればどうにかなりますが……あの顔は、間違いなくPさんにしか見えません……」

まゆ「Pさんには兄弟の方はいらっしゃいませんでしたよね」

ちひろ「え、ええ……一人っ子なのは書類で知ってるわ……」

ちひろ(でも何故まゆちゃんも知ってるの?)

まゆ「『王様と乞食』ってお話がありますけど……本当に起こりうることなのでしょうか?」

*王様と乞食 たまたま出会った王様とそっくりの乞食と王様が入れ替わって色々するお話

ちひろ「わかりませんが……今一番気になるのは……本物のPさんの居場所、でしょうかね」

まゆ「……『M県S市杜王町』……いるとしたら、その近くだと思います」

まゆ「Pさんが変わってしまったのはそこですから……」

ちひろ「『M県S市』……まゆちゃん、確か明日は……お休みでしたね」

まゆ「はい」

ちひろ「……交通費は渡します、数日前にしたばかりですが……『里帰り』……しませんか?」ゴゴゴゴゴ

まゆ「……いいですね、ライブの時は忙しくて実家に帰る暇がありませんでしたから……ついでに、ちょっとしたイタズラをしてみましょうか」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「今事務所にいる人を行方不明者と偽って探すイタズラですね……チラシ、作っておきます」ゴゴゴゴゴ

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「……まゆがいない間……ちひろさんにこれを託します」スッ

ちひろ「これって……ビデオカメラ?」

まゆ「なるべく、あのPさんを見張っていてください、カメラは持っているだけでいいです……ですが、決定的な物を見たなら」

ちひろ「このカメラで……ってことね」

まゆ「はい……入れ替わるだけでも不気味ですが、あのPさんには言い知れない『何か』が……恐ろしい『何か』がある……そんな気がするんです」

ちひろ「それは……私も同感です……今のPさんは……まるで機械のようで……人間味というものが無さすぎて怖いです」

まゆ「これで作戦会議は終了です……それでは、また明後日に」

ちひろ「はい、いい報告を、期待しています」

5/16:28


P(ここで島村卯月を拾ってスタジオに……)

卯月「…………」ガックリ

P「?……卯月……どうした?」

卯月「あ、プロデューサーさん、こんにちは」

P「こんにちは……それで、どうして項垂れていたんだ?」

卯月「えへへ……学校でまた、言われちゃったんです」

P「言われた?」

卯月「『普通』だって……」

P「…………『普通』?」

卯月「アイドルをやってても……個性がないって言われて、突出した才能もなくて……学校の成績は全部3……何かおかしなところがあるということもなくて……自覚はしてますけど、指摘されちゃったらやっぱりちょっと凹んじゃうなぁって……」

P「…………卯月」ギュッ

卯月「ふぇっ!?……どうしたんですか?何故急に手を……」

P「君は素晴らしい」

卯月「え……」

P「『普通』でいる……それはどんなことよりも難しいことなんだ」

卯月「そんなわけ……」

P「『普通』のことを『普通』にこなす、それは誰にでも出来ることじゃあないッ!」ドドドドド


P「どんな時も安定した成果を出す、それは目立たないが、どんな才能よりも大事なことだッ!」ドドドドド


P「それを『普通』だと言って、『普通』に成し遂げる君には、本田未央や渋谷凛らにはない秘めたる『輝き』があるッ!……私は君を心から『尊敬』するよ」ドドドドド

卯月「プロデューサーさん……」

卯月(プロデューサーさんの目……これ以上ないくらいに『真っ直ぐ』で……この人は間違いなく本心から私のことを……)

卯月「プロデューサーさん……///」

卯月「その……ありがとうございます!島村卯月!頑張ります!ブイッ!」エヘ

P「っ!!」

P(なんだ……島村卯月……あるじゃあないか……『普通』じゃあない才能が……その『笑顔』が……)

卯月「それじゃあ、お仕事に行きましょう!プロデューサーさん!」

P「あぁ……」

P(どういうことだ……)ドドドドド

P(なんだこの胸に湧き上がる『感情』はッ!?……分からない……島村卯月……コイツは私に何かをしたのかッ?)ドドドドド

卯月「♪……///」

6/09:22


ナレーション<次の列車は……

まゆ「……一日だけ、日帰りの帰省……まゆの監視がなくなる一日……何も起こらなければいいんですが……」ゴゴゴゴゴ

6/09:30


ちひろ(今日のPさんの予定は…………うん、夕方に卯月ちゃんのお仕事に同行する以外は事務所ね……)

ちひろ(出来る限り……卯月ちゃんとお仕事に行ってる時は監視出来ないけど……それ以外の時は目を光らせておきましょう)

P(今日はあの忌々しい佐久間まゆはいない……監視している様子もない……)

P(くっ……だからといって激情に任せて行動してはいけない……『彼女』を作るのはまだ我慢……我慢だ……)グィィ

P(また爪が伸びている……早い、早いぞッ!……)

6/13:20


杜王町

仗助「吉良のヤローの手がかり、これっぽっちも見つかりませんねぇ……なのに、吉良の親父の妨害は続いてやがりますし……」

承太郎「だが、吉良の親父の妨害が想像よりも弱い、もしかしたら奴自身も吉良を見つけられていないのかもしれねぇな」

仗助「吉良の親父よりも先に、吉良を見つけられりゃ楽になるっつーわけですか」

承太郎「そうだ……ん?なんだこれは?電柱にチラシが……」

仗助「……行方不明者の捜索ッスか……でも男ッスよ?吉良の被害者じゃなくて本物の行方不明者じゃあないんですか?」

承太郎「いや……コイツはアイドルのプロデューサーをしているらしい」

仗助「?……それがどうかしたッスか?」

承太郎「数日前ここに来たアイドル……俺の知る限りでは、その一行の中で何かトラブルがあったという情報はない」ゴゴゴゴゴ

仗助「報道されてねぇだけじゃ……いや、いなくなった日にち……これはッ!……」ゴゴゴゴゴ

承太郎「……俺たちが吉良を逃がした日だ」プルルルル

仗助「で、でもですね……吉良が入れ替わったんなら……行方不明には……」

承太郎「そうか……やはりな……」ピッ

仗助「今、誰に電話を?」

承太郎「すぐにでもわかることをSPW財団に訊ねた……このプロデューサー、まだ事務所で仕事をしてやがるッ!」ゴゴゴゴゴ

仗助「なッ!?」ゴゴゴゴゴ

承太郎「コイツはSOSだッ!……少なからず奴の正体に近づいた者からの救難信号……」ゴゴゴゴゴ

仗助「なんですってぇーー!!」

承太郎「もちろん、決めつけちゃあいけねぇ……だが、確かめてみる価値はあるぜ」

承太郎「ヤツはこの町から逃げねぇと言ったが、逃げざるを得ない理由があったなら別だ……偶然、入れ替わった相手が出張に来たプロデューサーだった場合……とかな」ゴゴゴゴゴ

吉良親父「ま、マズい!承太郎たちが先に吉影をッ!?いや、その前にあれは本当に吉影なのか……確かめなければ……行かなければッ!」ビュー

6/17:32


ちひろ(Pさんは卯月ちゃんと一緒にスタジオに向かいました……)

ちひろ(私も監視のために向かいたいところですが、理由がなければ不自然極まりなく、Pさんに勘づかれます……それは避けたい事態です)

美玲「あれ?ちひろだけか?……アイツは?」

ちひろ「美玲ちゃん……Pさんなら、卯月ちゃんと一緒にお仕事に行ってますよ」

美玲「そうか……ならこれを返すのは明日だな」スッ

ちひろ「それって……漫画……ですか?」

美玲「そうだ、『ピンクダークの少年』、S市に行く前にアイツから借りてて、読み終わったから持ってきたんだけど……」

ちひろ(……今日、Pさんは直帰……これは……小さな用事だけど、チャンスね)

ちひろ「私が渡しておきますよ」

美玲「本当か?頼んだぞ!」スッ

ちひろ「はい」パシッ

ちひろ(理由は出来た、なら、後は向かうだけね)スクッ

6/17:36


卯月「どうでしたか?プロデューサーさん」

P「良い仕事だったぞ……君の魅力が発揮されていた」

卯月「本当ですか!?」パァァ

P「……ああ、もちろん」

P(まただ……この笑顔……この笑顔が気にくわない……えもいわれぬ感情が湧き上がり、私の平穏を壊そうとする……)

P「それじゃあ、帰ろうか……家まで送るよ」

卯月「ありがとうございます!」

6/17:37


卯月「♪」スタスタ

P(卯月が前を歩いている……)グィィ

P(爪が……耐えろ……ダメだ……まだ早いッ!……)

女「」カンカン

P(女が前の階段を上って来た……確かアイツは……島村卯月と共演した……)

卯月「お疲れ様です!」ペコリ

P「お疲れ様です」

女「…………」

P(ふん……挨拶も出来んのか)スタスタ

女「」スッ

卯月「あっ」ガッ

卯月(えっ!?……今私……足をかけられた?……前は……階……段?)フワッ

卯月(落ちる!)←目を瞑る

ガンゴンガァン!

卯月(……あれ?……痛くない?)←目を開ける

P「痛たた……」

卯月「プロデューサーさん!」

卯月(プロデューサーさんが!私の下に!)

P(キラークイーンで上手く身を守れた……)スッ

卯月(あ……プロデューサーさんが私の頬に手を……)

P(怪我はないか?……特に顔に傷がついたらアイドルとして最悪だ、傷は……ないな)

P「怪我はしていないようだな……」

P(良かった……)

P(……!?……今、私は何と思った?……『良かった』?『良かった』だとッ!?……コイツはただのこの身体の担当していたアイドルの一人にすぎない……)

P(そうだ、これは私の隠れ蓑に傷がついていないかを確認しただけだ……)

卯月「ぷ、プロデューサーさん!私のことはともかく、プロデューサーさんは大丈夫なんですか!?」

P「あぁ、私も大丈夫だ、上手く受け身出来てね……まあ、少し痛むが……」スクッ

P「…………」ギロッ

女「何睨んでるの?一応言っておくけど、あなたたち弱小事務所なんて、誰にも相手にしないわよ?」

P「……………………」ゴゴゴゴゴ

女「これは事故……誰にも被害は出ていない……これは警告よ……『でしゃばるな』……じゃあね」スタスタ

P「……………………」ゴゴゴゴゴ

卯月「あ、あの……プロデューサーさん……」

P「……気にするな……気にするんじゃあない卯月……『警告』をする……それはつまり、裏を返せば君の実力を認めているということだ……胸を張りなさい」

卯月「は、はい!…………あ、いえ、そうではなくて……」

P「どうかしたのか?」

卯月「も、もう抱きしめなくても大丈夫ですよ///」

P「ッ!?」ギュウウ

P「す、すまない……」パッ

P(……何を小娘に動揺している……コイツはなんでもないただの小娘だ……)

卯月(さっきのプロデューサーさん……カッコ良かったな///)

P「…………すまない卯月……用事が出来た……一人で先に帰ってくれるかい?」

卯月「え?……あ、はい、わかりました!」

6/17:40


D「今日も良かったぞ」

女「当たり前よ……それと……」スッ

D「おいおい……こんなとこで誘惑かよ」

女「ふふっ……良いじゃないの……ここにいるのは私とあなただけ……その代わり、またよろしくね」

D「本当、お前は良い女だぜ……」スッ

ドア<ガチャ

D「」ビクッ

女「」ビクッ

P「…………」ゴゴゴゴゴ

女「あんたさっきの!」

P「やれやれ、見たくない場面に出くわしてしまったようだ……」ドドドドド

D「誰だか知らねぇが俺はディレクターだぞ!?テメェんとこのアイドル使って欲しけりゃ……」



ドグォォォン!

女「!…………」

P「私は吉良吉影……君の名を聞かせては貰えないか?」

女「あ……ハァ……あう」

P「『爪』のびているだろう……こんなにのびてる……自分の『爪』がのびるのを止められる人間がいるだろうか?」スッ

P「いない……誰も『爪』をのびるのを止める事ができないように……持って生まれた『性』というものは誰もおさえる事ができない……………………どうしようもない……困ったものだ」

P「君の『名前』は?……と聞いたんだがね…………私は名乗ってみせたんだ……聞かせてくれてもいいんじゃあないか?」

女「ハウ…ハウ…でぃ、ディレクター……今のディレクターを……いったい?」ガクガク

P「質問を質問で返すなあーっ!!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」

P「私が『名前』はと聞いているんだぞッ!」ズッ

女「ひぃぃぃぃ!美奈子……みっ、みっ、美奈子~」

P「……美奈子…………ん~~……美しい名をつけてもらっているじゃあないか、気に入ったよ」

P「君、彼に仕事をねだっていたね、君に一つ仕事をして欲しいんだ……これを握ってもらえると嬉しいんだが……」スッ

女(つ、爪切り?)

P「この爪切りで私ののびた爪を切ってほしいんだ、他人の爪を切ったことはない?何でも経験だよ……深爪しないように気をつけて……」

女「あ……ああ……」パチン…パチン…

女「お、怒っているの?……お願い助けて……許して……」

P「許す?ちょっと待ってくれ、私は別に怒っているわけじゃあないよ…………『趣味』なんだ、君を選んだのも『趣味』だし、持って生まれた『趣味』なんで前向きに行動してるだけなんだよ……『前向き』にね……」

女「うあ……ああ……」パチン…パチン………

P「『爪切り』……上手じゃあないか、それも気に入ったよ…………」

手<ゴゴゴゴゴ

P「そしてしゃべらない君は実にカワイイよ」

カメラ<ゴゴゴゴゴ

ちひろ(とんでもない場面をカメラにおさめてしまった……男性と!女性を!Pさんが!)

ちひろ(殺して消した!……人間じゃない……Pさんに化けてるあいつは……人間じゃない!……もしかしてPさんもあんな風に消されたのかッ!)

P「どうしたものかな?美奈子さん……君を家に連れて帰りたい……が……佐久間まゆが帰って来れば家も監視されるかもしれないからな……しかし、スガスガしい……なんてスガスガしい気分なんだ」スリスリ

6/17:50


P「ん?」

P(廊下に、『漫画』が落ちている……)ゴゴゴゴゴ

P(『ピンクダークの少年』、しかもこの巻はちょうど、このPという男の本棚から欠けていたものだ……)

P(……まさか)キョロキョロ

ちひろ「」サッ

P(……今、角を曲がるのが見えた『蛍光緑色』は……まさか……)

P「控え室、鍵は閉めていなかった」

P「『千川ちひろ』……あいつ……」

こんなときでも蛍光緑のちっひに草

6/18:23


ちひろ「落ち着いて……落ち着いて考えを整理するのよ……」

ちひろ(このビデオテープを警察に見せるべきでしょうか?『人間がフッ飛んで消滅したんだ……』信じるでしょうか?……トリック映像だと思われないでしょうか?)

ちひろ(まゆちゃんなら……いえ、それでも危険です……アイツは『人間じゃあない』……あんなヤツを、警察が……まして女性二人が捕まえられるんでしょうか?)

ちひろ(そのうちきっと、私たちは殺されます……どうすればいいんですかッ!)

ドア<ガチャ

ちひろ「」ビクッ

P「いつも……遅くまで仕事をしていて……大変そうですねぇ」ドドドドド

ちひろ(なッ!?)ドドドドド

P「残業……手伝わせてくれませんか?」ドドドドド

ちひろ「い、いえ……も、もうすぐ終わるので……」

P「ほう……机の上に大量に『書類』がありますけど、そんな量をすぐに捌けるんですか?」ドドドドド

ちひろ「…………」ドドドドド

ちひろ(見つかる!……咄嗟に書類の山に隠した『ビデオテープ』がッ!)ドドドドド

ちひろ「……これはもう終わった書類です、そこの棚に仕舞うだけなので手伝う必要はありませんよ」スクッ

P「そうですか……ところで、面白いですよね、この漫画」スッ

ちひろ「っ!?」

ちひろ(あの漫画はッ!?)ドドドドド

ちひろ(『落として』いたッ!……爆破のあまりの衝撃に気をとられて!)ドドドドド

P「『ピンクダークの少年』……コイツの作者には良い印象はないが、作品は悔しいことに人気だな……」ドドドドド

P「スタジオでちらりと『蛍光緑色』の服が見えたんですよ」ズイッ

P「あなたかどうかは確信がなかったが、今『動揺』したなッ!?」ドドドドド

ちひろ「はっ!?」ドドドドド

ちひろさん…

P(このアマやはり!見ていたなッ!)ドドドドド

P(何て事だ……せっかく平穏にこの事務所になじむと思っていたのに……今年は酷い目にばかり会う……なんて年だ……)ドドドドド

P(このアマを『殺す』のは目立つ事で非常にまずい事だ……しかし、あれを見られた以上やらざるを得ない!)ドドドドド

P(『始末』しなくてはいけない!)ドドドドド

キラークイーン「」スッ

P(コイツにはキラークイーンは見えないが……今、コイツの髪の毛一本を『爆弾』に変えた……これでコイツの頭をチョイと爆破すれば……何かの要因ですべって頭をぶつけたかに見える、世間ではよくある事故だ……)ドドドドド

P「死んでもらうッ!死ねッ!ちひろッ!」ドドドドド

ちひろ「まさか私も殺すんですか?まゆちゃんが今何処にいるのか知らないんですね」

P「何ッ!?どういうことだッ!?」

ちひろ「まゆちゃんは一日だけ帰省しました、今頃は新幹線の中でしょう……何をしにいったと思いますか?」ドドドドド

ちひろ「『Pさん』を探しに行ったんです!本物の『Pさん』をッ!あなたが逃げざるを得なくなった原因の人達がチラシを見て、私が死んでいるのを知ったらどうなるんでしょうね?」ドドドドド

P「何だと?」

ちひろ「私に手を出さないでッ!いいですよねッ!」ドドドドド

P「ちひろ!キサマ私を脅すのかッ!」

ちひろ「あの娘たちにも手を出させないッ!」

ちひろ「もし私に何かあったらあなたの事は絶対にバレるんです!私やあの娘たちに手を出さないでッ!……これは取り引きではありませんよ……あなたは従わないといけないんです……いいですねッ!」ダッ

P「甘いぞッ!この私がそんな事をッ!許すと思うかッ!」



ボン!

6/19:04


P「………………」ガリガリガリガリ

吉良親父「吉影……おまえは間違いなく吉影だ……」

P「ッ!?何故おまえがここにいるッ!」

吉良親父「おまえの『性』は知っとる……しかし、今は時期が悪かったな……」

吉良親父「おまえの正体を『空条承太郎』が疑い始めたんじゃ!……そのお陰でここに来れたがな……まだ『プロデューサー』がおまえだという確信は得ていないが、やつらは明日にでもこの事務所を調べに来るぞ~……今その女を始末したのはタイミングが悪かった……」

吉良親父「もう終わりじゃ……もうここにいるのはまずい……」

P「………………」ガリガリガリガリ

P「黙っていてくれ……今考えている……」ガリガリガリガリ

吉良親父「~~ッ!……吉影……おまえはどうしようもない時、爪をよく噛む子じゃった……今のようにな……」

吉良親父「かわいそうに……絶望した時、おまえは血が出るほど爪を噛む……おまえは今、とても『絶望』しているのだね……」

P「…………」ガリガリガリガリガリガリガリガリ

吉良親父「もう切り抜ける方法はない……ここから逃げるしかないぞ吉影……今ならまだバレずにヤツらが追って来ないところへ逃げられる」

P「」バッ

爪<かつ

P「この私がここを離れるだとッ!この私が追って来る者を気にして背後に脅えたり穏やかでも安心もできない人生を送るのはまっぴらだという事はよく知っているだろうッ!この事務所は決して離れないぞッ!」

手<ズルリ

吉良親父「え?」

吉良親父(『矢』が!吉影に刺さったッ!)

P「何ィ~ッ!?……うおおおおっ、や……『矢』がッ!」ドシュウー

吉良親父「『矢』が勝手にッ!わ……わしは何もしとらんぞッ!『矢』に触れてもおらんッ!」

矢<バリィ

吉良親父「や……『矢』が勝手に……ふ……再び吉影に……!!」



矢<ドドドドドドドドドド

??????1/7/08:00


目覚まし時計<ジリリリリリ

ちひろ「……昨日はよく眠れなかった……あいつに、あいつの殺人を私が目撃したことがバレた……こ……これからどうしましょう?」

??????1/7/08:10


P「~♪(S(mile)ingの鼻歌)」ゴゴゴゴゴ←身支度中

>>48
学生服で砂漠旅する人もいる世界なのでOK

←to be continued

ちっひが早人なのか

これにて前半終了になります
後半 ちひろ「スタージュエルは砕けない」
をもう少ししたら投稿したいのですが、スレを変えた方が良いのでしょうか?
それとも、このままこのスレに書き込んでも良いのでしょうか?
初心者ゆえそこが良くわかりません
回答を下さるとうれしいです
すいません

>>64

このSSは中の人が同じというだけのくだらない一発ネタでございますw

このままでいいんじゃないかな

乙です
普通にこのスレで続き書いて良いと思うわよ

このままで良いとのことでしたので、このまま続けて後半を投下していきます
お返事ありがとうございました!

ちひろ「私たちのPさんはPさんじゃない」後編


 ちひろ「スタージュエルは砕けない」



??????1/7/08:42


ちひろ「とりあえず、まゆちゃんが来たら相談しないといけませんね……」(出勤途中)

??????1/7/08:52


ドア<ガチャ

P「~♪(S(mile)ingの鼻歌)」ゴゴゴゴゴ

ちひろ(…………やはり……いる!)

P「おはようございます……おや?どうしたんですかちひろさん、早く扉を閉めてこちらに来たらどうですか?」

ちひろ「……おはようございます」

ドア<バタン

ちひろ(さ、殺人鬼と二人きり……そ、それにしても、何なのあの余裕は……)

P「……朝から仕事なんですが、森久保乃々が何処かに隠れてしまいましてね、場所を知りませんか?」

ちひろ「…………知りません」

P「そんなに警戒しなくてもいいですよ……私はあなたに感謝しているくらいですから」

ちひろ「ッ!?」

P「スガスガしい気分になったり、絶望に落ち込んだり……このところいろんな事が起こるんで気分の波の差が激しいんですよ……」

P「でも、これからは『安心した気分』で生活出来ることになりました……昨夜、あなたに追い詰められたおかげで『成長』できたんでね」

P「いや……昨夜のあなたには実に強い意志を感じましたよ、この吉良吉影を逆に脅迫するとはね……」

ちひろ「キ……キラ……ヨシカゲ……?」

P「おっと、本名を言っちゃったかな?……ハハハ」

ちひろ「や、やっぱり私を殺す気ですか?」

P「『殺す』?私の秘密を知ったからですか?……そんな事は必要ないよ『成長』したんだからね……いや、むしろあなたには全てを知って欲しい……その方が良い」

ちひろ「えっ!?」

P「幸いにもこの事務所に、今は私とあなたしかいない……佐久間まゆも今は出勤途中だろう」

P「私の名前は『吉良吉影』、年齢33歳、独身、タバコは吸わない、酒はたしなむ程度……私の超能力……スタンドというのだがね……その名前は『キラークイーン』、触れた物を爆弾に変えることが出来る、爆弾は私が任意に爆破タイミングを決められるスイッチ式と接触式の2つを選べる、『キラークイーン』の左手には遠隔自動操縦の第二の爆弾、『シアーハートアタック』が着いている、コイツは体温を感知して私の命令なしに自動的に邪魔者を爆破してくれるんだよ……もう一つの能力は……その様子だとまだ一回目か……秘密にしておくよ……サプライズがあったほうがロマンチックだろう?」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「す、『スタンド』?……『キラークイーン』?」

P「人の形をしたエネルギーだ、スタンドはスタンド使いでないと見えないし、スタンドじゃないと触れない」

P「私の秘密は誰に言ってくれても構わない……あぁそうだ、これも一応言っておこう」スッ

吉良親父「なっ!?」

ちひろ「写真がッ!動いたッ!?」

P「これは私の父親、今は写真の中に住む幽霊となっている……この父親が持っている弓と矢、これに貫かれるとスタンド能力が発現するんだ……適合出来なければ死ぬがね……これも一応私の情報だからな、これっぽっちの秘密もないおしどり夫婦のように、私の情報は包み隠さず全て話したよ……おっと、一つだけサプライズがあるが……まあ、それもすぐにわかることだ」

ちひろ「な、何故私にそこまで……」

P「あなたとより良い関係が築けると思っているからですよ……そうだ……」ゴソゴソ

ちひろ(カバンを探っている……?)

P「これは私の友好の印です」スッ

ちひろ「ぺ、ペンダント……」

P「結構値の張る物ですがね、あなたにはそれくらい感謝しているということですよ」スッ

ちひろ「い、いりませんこんなもの!」パシッ

P「おや、残念……」

ダンッ

ボール<ヒュン

ちひろ「きゃっ!?」

ちひろ(……ボール?百均で売っているような軽いボールが飛んできた?)

P「おやおや、あなたが投げたペンダントがボールに当たってボールが飛んできたんですね、これは私は何もしていません、偶然です……」

ちひろ「……ハァ……ハァ」

ちひろ(ぶ、不気味……あまりにも不気味ッ!……コイツは何を考えているの?)ゴゴゴゴゴ

P「さて、それでは私はまた乃々を探しにこの建物を散策しますよ」スタスタ

ドア<ガチャ…バタン

ちひろ「ど……どうすればいいの…………何を企んでいるのッ!?」

ちひろ「一刻も早く『行動』しなくては!アイツの余裕……アイツは何かをやる気よッ!それよりも早くッ!」

ちひろ「まゆちゃんに伝えなくてはッ!一刻も早く!」ダッ

ドア<ガチャ…バタン

??????1/7/08:59


まゆ「ちひろさん?」

まゆ(ちひろさんが……前から走って来てます……)

ちひろ「まゆちゃんッ!……よかった……いた……」タッタッタッ

ちひろ「あのね……ゼェ……ハァ……」

まゆ「全力疾走するからですよ……はい吸ってー」

ちひろ「すぅー」

まゆ「吐いてー」

ちひろ「はぁー」

まゆ「これでもう大丈夫ですね……どうしたんですか?」

ちひろ「アイツの……Pさんの正体がわかったの!」

まゆ「えっ!?」

ちひろ「正体は『吉良吉影』、信じられないけど超能力を持つ殺人鬼なの!能力は何か爆弾に変えることッ!信じられないならこのテープを見てッ!アイツが人を爆破するところが写っているッ!…………お願い!荒唐無稽なことだとは思うけど信じてッ!」

まゆ「……………………」ゴゴゴゴゴ

ちひろ(やっぱり……こんな話……)

まゆ「信じますよ」

ちひろ「えっ!?」

まゆ「ちひろさんの表情、とても誰かを騙しているようには見えません……それに……」スッ

ちひろ(私の手を……)

まゆ「ちゃんと爪のお手入れはしておきましょうね?走る時に強く握り過ぎて血が出てますよ?」

ちひろ「あっ!」

ちひろ「よ、良かった……信じてくれる人がいた……」ポロポロ

まゆ「うふふ……そんなに嬉しかったんですか?……今日はお仕事はお休みにして、対策を話し合いましょう」

ちひろ「えぇ……えぇ……」ポロポロ

まゆ「ほら、とりあえず、どこかに移動しましょうよ」グイ

ちひろ「そうね……何処にしましょうか?……」

まゆ「……ところで、話は変わるんですが」

ちひろ「はい?」

まゆ「今日って、何かイベントがありましたっけ?……猫人間……そんな風なコスプレをしてる人があそこに……」スッ ゴゴゴゴゴ

ちひろ「えっ……猫人間?……そんな人……何処にも……」ゴゴゴゴゴ

まゆ「え?……でも、あそこに……」ゴゴゴゴゴ



ドン!ドン!ドン!

まゆ「……………………」ブシュゥ

ちひろ「…………え?」

ちひろ(まゆちゃんが……攻撃されている?……)

まゆ「…………今、ちょうど9時……ですよね……ちょうど……あそこのカフェが開く……時間なんですよ……そこで……話し合いを…………」

まゆ「ついに……突き止めたんです……ちひろさんが……突き止めてくれたんです……Pさんの……手がかりを……」

ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

まゆ「P……Pさぁーーーんッ!」バリバリバリ



ドグォオォン!!

ちひろ「うぁ……あ……あぁあ~っ!」

??????1/7/09:00


カチッ

バイツァダスト2/7/08:00


目覚まし時計<ジリリリリリ

ちひろ「!!」ガバァ

ちひろ「ゆ、夢か……昨夜はあまり、よく眠れなかった……何度も……変な夢を見て……」

バイツァダスト2/7/08:52


~♪

ちひろ「!?……事務所の中から聞こえてくるこのメロディは……『S(mile)ing』ッ!」

ドア<ガチャ

P「~♪(S(mile)ingの鼻歌)」

ちひろ(……お、同じだ……)

P「おはようございます……おや?どうしたんですかちひろさん、早く扉を閉めてこちらに来たらどうですか?」

ちひろ(せ、セリフまで同じだッ!)

ちひろ「……おはようございます」

ドア<バタン

P「……朝から仕事なんですが、乃々が何処かに隠れてしまいましてね、場所を知りませんか?」

ちひろ「…………」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……Pさん……何か私に……渡したい物はありませんか?」

P(おや?)

P「へぇ……よくわかりましたね……」ゴソゴソ

P「ペンダントです……喜んでいただけると嬉しいんですがね」スッ

ちひろ「…………」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「こ、これは……」

P「ふ……ふふふふふふ……どうやら誰かを『ブッ飛ばして』戻ってきたようですね……ちひろさん」ゴゴゴゴゴ

P「いや、私には何をしてきたのかわかりません……ですが、おそらく……『佐久間まゆ』でしょうね?……『キラークイーンバイツァダスト』って言うんですがね、自動的に私を守ってくれているんだ……ちひろさん……あなたの中でね……あなたが私の事を『佐久間まゆ』にしゃべったら自動的に爆破が起こって……『戻ってきた』……」ゴゴゴゴゴ

P「佐久間まゆに会ったという『事実』さえも消して来たッ!それが『キラークイーンバイツァダスト』……あなたは誰にもしゃべれないッ!あなたを探れる者は誰もいないッ!」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「…………」ゴゴゴゴゴ

P「それでは、私は乃々を探しにいきますので」スタスタ

ドア<ガチャ…バタン

ちひろ「『バイツァダスト』……ま、まゆちゃんはッ!」ダッ

バイツァダスト2/7/08:59


まゆ「…………」スタスタ

ちひろ「いた……でも、私はしゃべらない……そうすればまゆちゃんは……まゆちゃんに会わないようにしてまゆちゃんにアイツのことを伝えなくてはッ!」

バイツァダスト2/7/09:00


ドン!ドン!ドン!

ちひろ「え?」

まゆ「…………あれ?」

ドグォオォン!!

ちひろ「…………え?」

P「……やはり、『佐久間まゆ』でしたか」

ちひろ「なッ!?」

ちひろ(後ろにッ!)

P「確認、そして種明かしのために見に来ましたよ……『前の朝』に起こったことは必ず同じことが起こるようになっているんです……なるべくしてなるッ!……それが『運命』という物なのだッ!一度破壊されているものは必ず破壊されるッ!」

ちひろ「……そ、そんな……」

P「さて……仕事に戻りましょうか、お互い暇ではないでしょう?」

バイツァダスト2/7/09:07


ちひろ「まゆちゃんが殺されてしまった……事務所に戻ってきたけれど、どうすれば……」

ちひろ「……話せないなら……何かに書けば……」カキカキ

ちひろ「ヤツの正体を……でも、これを見て……誰かが爆発したら……やめておきましょう……危険だわ」

未央「危険?……何が危険なんですか?」

ちひろ「なっ!?」

凛「何?その紙は……」

ちひろ「な、なんでもないです!」サッ

未央「お?『隠した』?怪しいな~?」

凛「未央?……確かに何が書いてあるか気になるけどさ……」

未央「この五百円でどうだ!」スッ

凛「未央!?ちひろさん怒るよ!?」

ちひろ「い、いらないですッ!」パシッ

未央「痛っ!」

ちひろ「あ、すいません動揺してて……」

ダンッ

ボール<ヒュ

ちひろ「きゃっ!?」ビクッ

ちひろ(ボールッ!……弾いた五百円玉が当たって……しまった!驚いて紙がッ!)ヒラッ

未央「ゲット!」パシッ

凛「何してるの……全く」チラッ

未央「ん?なにこれ?……」

ちひろ「あぁっ!」

凛「『吉良吉影』……『キラークイーン』……」

未央「……うわぁ……ちひろさんって隠れ中二病だったの?」

凛「なかなか面白そうな設定だけどね」

ちひろ「あ……あれ?」

ちひろ(筆談なら……『筆談』なら大丈夫なの!?)ゴゴゴゴゴ

未央「ん?あれ?……なんだろうあの人形?」ゴゴゴゴゴ

凛「あんなのあったっけ?……独特なフォルムだね」ゴゴゴゴゴ

ちひろ(人形……そんなものない!まさか……まさかッ!)ゴゴゴゴゴ

ちひろ「ダメッ!それを見ないでッ!」ゴゴゴゴゴ

未央「……何で!?目を瞑っても……『人形』が見えるッ!」ゴゴゴゴゴ

凛「何……何なのこれはッ!」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「うわああぁぁぁぁぁぁ」



ドグォオォォオオォン!!

バイツァダスト2/7/09:10


カチッ

バイツァダスト3/7/08:10
ちひろ「ああっ!……筆談でも……ダメなの……?」

バイツァダスト3/7/08:52


ドア<ガチャ

P「~♪(S(mile)ingの鼻歌)」

ちひろ「あぁ……」

P「おはようございます……!……ふふふ、良い表情ですねちひろさん、二、三人は『ブッ飛ばして』戻ってきたみたいですね?……ふふふ、ふははははははは」

ちひろ(ダメ……もう、Pさんを見ているだけで恐怖で力が入らなくなってしまう)

P「これでわかったでしょう?『バイツァダスト』は絶対です……アナタは私には、『吉良吉影』と『キラークイーン』には絶対に敵いません」

P「諦めて良い関係を築きましょう?」

ちひろ(……私は……屈するしかないの?……この殺人鬼に……)

バイツァダスト3/7/09:10


凛「キャァァアアア!!」

未央「うわぁぁあああ!!」

ドグォオォォオオォン!!

ちひろ「……書いてないのに……やはり二人は死んでしまった……はっ!?」

美玲「…………」ゴゴゴゴゴ

美玲「ちひろ……今のは何だ?……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「美玲ちゃんッ!」

美玲「未央と凛に何をしたッ!」バッ

ちひろ「うぐっ!?」ガシィ

ちひろ(首を……絞められ……)

美玲「何をした!アイツらに!」

乃々「み、美玲さん!」

美玲「乃々ッ!無事だったか……コイツがッ!ちひろが二人に何かをッ!」

乃々「違います!違うんですけど!……森久保は……ちひろさんの机の下で……」

美玲「机の下で?……」

ちひろ(意識が…………そうだッ!このまま私が死んだらいいんだ!……美玲ちゃんッ!もっとやってちょうだいッ!)グイ

美玲「なっ!?ちひろ!自分で首をッ!?」

ちひろ「!?」

ちひろ(何?……『絞まらない』?)ゴゴゴゴゴ

美玲「な、何だ?……『何か』の感触がある……見えないけど、『何か』がちひろの首を絞めるのを妨害しているッ!?」

バイツァダスト「」ガード

美玲「何だ?……これは……何なんだ?」

乃々「そこに……『キラークイーン』が……」ゴゴゴゴゴ

美玲「え?」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「ッ!?」ゴゴゴゴゴ

ちひろ(あれ?……どうして乃々ちゃんはその『名前』を?)ゴゴゴゴゴ

美玲「何だこれは……何だ?答えろッ!ちひろッ!」

ちひろ「だ、ダメ……聞かないで!私に質問をしないでッ!」

ちひろ(ダメ!……この状況!美玲ちゃんと乃々ちゃんはヤツの『正体を探り』、私は何も言っていないけど、私から『情報の一端』を『得て』しまっているッ!お願い……お願い!……私は何もしゃべっていない!)

美玲「……なんだ?……見えるようになったぞ?……ちひろの首にいるのが……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「ッ!…………」

乃々「きゃぁぁぁぁ!」

美玲「何だッ!何なんだッ!コイツはッ!」

ちひろ「いやぁぁぁ!」



ドグォオォン!!

バイツァダスト3/7/09:12


カチッ

バイツァダスト4/7/08:12


ちひろ「……自殺も……封じられた……」

バイツァダスト4/7/09:20


ちひろ「…………………………」

卯月「すいません!遅刻しました」

ちひろ「…………卯月ちゃん……」

卯月「あれ?私が一番乗りですか?」

ちひろ「……違うの……違うのよ」

卯月「みなさんはどこですか?……プロデューサーさんに渡したい物があったんですが……」

ちひろ「違うの……違うのよ……私がやったわけじゃないの……」ポロポロ

卯月「!?……どうしたんですか!?」

ちひろ「止めて……聞かないで……」

卯月「あの……ちひろさん……泣かないで……」スッ

ちひろ「来ないでッ!」バシッ

卯月「きゃっ!?」

ちひろ「あ……ご、ゴメンなさい……」

卯月「い、いえ……それで、何が……」

ちひろ「お願い……聞かないで……お願いだからどっかに行ってください!」

卯月「え……はい……」

卯月「……話したくなったら、いつでも話してくださいね?」ペコッ

ちひろ「えぇ……」

ドア<ガチャ…バタン

ちひろ「…………」

ちひろ「どうしろっていうのよ!!」ガンッ

ちひろ「何をしてもッ!どんな方法でもアイツの正体を話せないッ!自殺もできないッ!」ガンッ!ガシャァン!

ちひろ「いずれアイツを追っている人たちも来るッ!この惨状を見たら間違いなく問い詰められて確実に話させられるッ!!」ゴンッ!ガンッ!

ちひろ「当たり散らしても意味はないって知っていても……この行動を止められないッ!」ガンッ!

棚<グラッ

ちひろ「ッ!……棚が……倒れ」ガシッ

ちひろ「倒れるところだっt」

箱<ドン

ちひろ「ぐふっ!?」

ちひろ(慣性の法則で箱がお腹に当たって!)

ちひろ「きゃぁぁ!」

棚<ドスン

ちひろ「痛たた……はぁ……下敷きに……」グイッ

ちひろ「冷静になって考えないと……っ!」チラッ

ちひろ(電話ッ!スタンドは電波を越えられるの?それも……国境や海さえもッ!)

ちひろ「あの人なら……」プルルルル

ヘレン『どうしたの?……ちひろ?こちらは深夜よ?世界レベルの思考を持ちなさい』

ちひろ「ヘレンさん!実は……事務所が大変なことにッ!」

ヘレン『…………』ゴゴゴゴゴ

ヘレン『それだけで十分よ……何が起こったのか……『理解』出来たわ』ゴゴゴゴゴ

ちひろ「えっ!?」ゴゴゴゴゴ

ヘレン『『スタンド』……ね』ゴゴゴゴゴ

ちひろ(さ、流石は世界レベルッ!)

ちひろ「そうなんです!恐ろしいスタンド使いが!」

ヘレン『ええ、言いたいことはわかるわ……だって『今攻撃』されているから』ゴゴゴゴゴ

ちひろ「えっ!?」ゴゴゴゴゴ

ヘレン『やられた……あなたの期待に応えられないなんて……世界レベルが泣くわね……猫のような顔をしたスタンド……もう防御も出来ない……攻撃は完了されている』ゴゴゴゴゴ

ちひろ「そ、そんな……あなたが最期の希望だったのに……」ゴゴゴゴゴ

ヘレン『ちひろ……最期に一つ言っておくわ……『Stand up to』』ゴゴゴゴゴ



ドグォオォン!!

バイツァダスト4/7/09:23


カチッ

バイツァダスト5/7/08:23


ちひろ「うわぁぁぁぁ!!?」

ちひろ「……ハァ……ハァ……だ、ダメ……どんな方法でも……誰に話そうとも……自殺すらも封じられた!」

ちひろ「まゆちゃん……凛ちゃん……未央ちゃん……乃々ちゃん……美玲ちゃん……ヘレンさんまで……死んでしまった……」

ちひろ「あ、アイツは倒せない……誰かに……誰かに話すだけなのに……」

ちひろ「無理なのよッ!ただの事務員が……化け物に歯向かうなんてッ!………………『歯向かう』?」

ちひろ「いえ、私は……アイツに『歯向かってない』……逃げていただけ……」

ちひろ「『歯向かう』……アイツを……殺す?」

ちひろ(……出来るの?私に?……ただの事務員に?……あの化け物を殺せるの?)

ちひろ(力も何もかも足りない私に?……いえ…………今、アイツを守る化け物は私についている……それなら!)

ちひろ「一つだけ……可能性が……あるッ!」

ちひろ(……神様、どうか私に……『人殺し』をさせてください)

バイツァダスト5/7/08:25


ちひろ「……ここに……あった!」ゴソゴソ

バイツァダスト5/7/08:42


ドア<ガチャ

ちひろ「……ゼェ……ゼェ……この歳で全力疾走はキツいわ…………そして……やっぱり、思った通りね」

バイツァダスト5/7/08:47


ドア<ガチャ

P「おはようございます」

ちひろ「……おはようございます、Pさん」ギラッ

P(……ほう?)

P「……随分と良い目をしていますね?」

ちひろ「ええ、あなたのお陰で」

P「……ふっ、それで、何を考えているんですか?」

ちひろ「……あなたを……殺す方法を」

P「……ふ……ハハハハハハハ!……それを本人の目の前で言いますか?」

ちひろ「……ほ、本気ですよ!」スッ

P(包丁……)

P「おいおい……そんな物を取り出すんじゃあない」ズイ

ちひろ「うっ!」ガタガタ

P「そんな震えた手で、私を……いや、誰かを刺せるわけがないでしょう?」ガシッ

ちひろ「あっ!?」

ちひろ(掴まれた!包丁を!)

P「やれやれ……こんな力任せで私を殺せると……本当に思っていたんですか?」グイッ

ちひろ「きゃっ」

包丁<カラン

ちひろ(な、投げ捨てられた……)

P「……ガッカリですよ……それでは、私は乃々を探しに行かなければならないのでね」クルッ

ちひろ「……ピタゴラスイッチって、ありますよね」

P「?……何の話だ?」

ちひろ「アレって何度も録り直して、上手くいった物を放送しているそうです」ゴゴゴゴゴ

P(……この女、何を仕掛けたッ!?)ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……それなら、『必ずこうなる』、『必ず成功する』とわかっていれば……一見無茶な装置でも、上手くいく……バカな考えですけどね……」ゴゴゴゴゴ

<ダンッ

P「!?」

P(何の音だ?)

ボール<ヒュンッ

P(なっ!?何だッ!?ボールが飛んで来たッ!?)サッ

P(投げ捨てた包丁がボールに当たったのかッ!?バカなッ!)チラッ

ちひろ(ループ中に起こったことは、絶対に覆らない、でも、爆発以外は時間がバラバラでも起こったッ!つまり、起こる出来事は決まっていても時間は決まっていない!なら……意図的に出来事の発生するタイミングは操作出来るッ!)

ちひろ(例えば、私が事務所に来た時間……一回目は8時52分だったけど、今回は8時42分だった、時間が変わることはこのループにて許容されるッ!)

ちひろ(何かを投げれば、それはボールに当たって、その何かを投げた人の目の前を通る……怯むことまでが出来事の一部なのかは賭けだったけど、成功したッ!)

ちひろ(そして、怯んだ場所、その場所が良い……そこに誘い込むために、包丁を使ってあなたを誘導したッ!)

P「ッ!?」ガッ!

P(何かに腕が当たったッ!?)

P(……ボールを避けたために棚にぶつかっただけか……ッ!?)

棚<ギィッ

P(棚がッ!倒れて!?)

ちひろ(精神崩壊気味になって当たり散らしたことも無駄ではなかったみたいね)

P「」ガシッ

P(これがこの女の策……か?……それにしては、おマヌケだ……なッ!?)グサッ

P(何だ!?この箱!慣性の法則で腹にッ!ナイフがとび出している!?そして……重い!腹に……刺さって……)

ちひろ(当たる物、投げる人が変わってもボールの仕掛けは作動した、なら、私のお腹に当たった箱の中身を変えてもそうなるはず……そして、その箱が原因で)

P(しまった!ショックで力が!?……棚に……潰され……腹のナイフが!)

P「なにぃぃぃい!?こんな、こんなアホらしいことd」ズシャッ

棚<バタン

ちひろ「棚と地面にサンドイッチにされて、ナイフは更に深く突き刺さる……バレないように細工するのが大変でしたが、かなり深くまで刺さるようにしておきました……」スタスタ

ちひろ「さっきの包丁を拾って……棚を起こす」ググ

P「ぐ……き、キサマァ!」

ちひろ「……弱ってる男性なら、私のような女性でも殺せます……それとも、あなたの力を戻しますか?そちらなら私は殺されるでしょうが、あなたは終わりです……どちらにしても、あなたの負けは確定してるんですよ」スッ

ちひろ(喉を掻き切っt)ボゴォ!

バイツァダスト「」ガード

ちひろ「ぐぇっ!?」

包丁<カラン

ちひろ「な、殴った!?しかもこの『キレ』……お腹に深くナイフが刺さっているはずなのに……」ドドドドド

P「バイツァダストが自動的に守ったか……ここまでされて殴れないとはムカつく奴だ……」スクッ

ちひろ「な、何事もなかったかのように……立ち上がったッ!?」ドドドドド

P「私は、ここまで運命というものを信じたことはない……」ドドドドド

P「以前、乃々が辞めると言った時、渋谷にワンパターンだと指摘されてね……他の方法を考えていたんだ……」スッ

P「乃々のプロフィール、書いてあったよ……ポエム作り……そして、『少女漫画集め』と……」ドドドドド

少女漫画<バァーーz__ン!!

ちひろ「スーツの脇腹のポケットに……少女漫画がッ!?」

P「昨日発売でね、丁度良かったんだよ……ああいうガキは物で釣るのが一番良いと思ってね……それに、昨日見つけた漫画がヒントをくれた」

P「それがまさか……私の命を救ってくれるとはねッ!」ガッ!

バイツァダスト「」ガード

P「チッ……踏みつけられないのがもどかしいよ」

P「これのお陰で、本来なら私の内臓に突き刺さる筈だったナイフはほんの1センチ程度の深さの傷をつけただけで止まったんだよ」

ちひろ「そ……そんな……」

バイツァダスト5/7/08:59


P「私は運命に愛されている!……あの時もそうだった……キサマらがプロデューサーと呼ぶコイツを殺した時も、私は追い詰められていた……」

P「だが!ほんの少しの偶然が!運命が!私の元にコイツを送り届けてくれた!新たな人生をだッ!」

ちひろ「やっぱり……あなたは……Pさんを……」

P「そうだッ!Pとか言うやつは!この吉良吉影が!我がスタンド、キラークイーンで爆殺しッ!成り代わってやったッ!」

ちひろ「………………」

P「どうした?声も出ないか?」

ちひろ「『二つのスイッチ』……」ゴゴゴゴゴ

P「!?……何だ?何のことだ?」

ちひろ「一つは、私が押しました……私の行動が少しでも伝われば、意図がほんのちょっぴりでも伝われば……少しでも早く来てくれるのではないかと思って……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「とある娘から没収していた、この……『小型盗聴機』のスイッチを……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「もう一つのスイッチは……あなたの自白……そのために、私はあなたを全力で殺しにいった……私が本気ならば、その策を乗り越えたあなたは勝ち誇り、どこまでも冷静なあなたも慢心し、気と口が弛む……『失敗のお陰』で……『もう一つのスイッチ』が作動した……」ゴゴゴゴゴ

P「何を……」ゴゴゴゴゴ

吉良親父「!?」クルッ

吉良親父「吉影ェ!後ろだァ!」

P「なッ!?」グサッ

?「…………」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「私は酷い女ですね……私はある女の子の気持ちを利用した……その子の気持ちを『スイッチ』を使って切り替えた……激情を刺激して、私の武器にした……私一人では、あなたを殺せなかった……」ゴゴゴゴゴ

P「な……」クルッ

まゆ「…………」ポロポロ

P(佐久間まゆ……コイツがッ!……涙を流しながらも私の背中にッ!包丁をッ!)

まゆ「Pさんが……いえ、あなたはPさんじゃない!吉良吉影……あなたがッ!私の大切なPさんをッ!」グリュ

吉良「ぐぁぁあ!?」

吉良(こ、この女ァ!)

まゆ「あなたがッ!」ズボッ

吉良(負傷していても、ガキの一人くらい!……いや!『ガキ一人』じゃあないッ!)

ちひろ「一人であなたは殺せない……だから、二人で殺す!」ダッ!

吉良(ナイフを拾ってちひろまでッ!)

吉良(前後どちらかに気を払えば、どちらかに刺される!クソ……クソッ!……クソォォオオ!!)



吉良「戻れッ!キラークイーン!」

吉良「」ガシッ

キラークイーン「」ガシッ

まゆ「え……包丁が……空中で止まって……」

7/09:00


ちひろ「……9時、まゆちゃんは無事……見えませんが、戻しましたね?キラークイーンをッ!」

吉良「キサマらは事務所で仕事中、ガスの不始末による爆発で死亡……多少強引だが、そういうことに書き換えよう!キラークイーン!」

キラークイーン「」スッ

ちひろ「まゆちゃん!」ドンッ!

まゆ「きゃっ!?」

吉良(ナイフを残して佐久間まゆを助けたか!)

吉良「だが!遅い!」

キラークイーン「」スッ

ちひろ「まゆちゃん!包丁をッ!」

まゆ「えっ!?」

ちひろ「間に合ってッ!」ポイッ

キラークイーン「」カチ

包丁<ボォォーン!!

ちひろ「きゃぁぁあ!」グシャ

まゆ「きゃぁぁあ!」グシャ

吉良「チッ……一瞬遅かったみたいだな」

ちひろ「うぁ……」ドス…ドス…

まゆ「…………」ズリズリ

吉良「入り口の方に吹っ飛んだから、すぐに逃げられたか……足取りは遅いからすぐに捕まえられる……普段ならば……な……」ブシュッ!

吉良「くっ……背中の傷は予想以上に深いな……少し止血をしてから行こう……」

吉良「そうだ……それと、仕掛けをしておこう……」

7/09:04


吉良「ええ……はい……なので15分程遅れてしまいます……ええ……はい……すいません……はい!すいません……はい……申し訳ありません」ペコペコ

吉良「」ピッ

吉良「全く……自分たちのアイドルの予定を乱さないためにも、早く殺されてはくれないものかな」

吉良「ちひろには私の能力が全て知られているだろう……『シアーハートアタック』を使うのは危険か、直接私が行くしかないというわけか、チッ!」

吉良「エレベーターが下に向かっている……外に出られると厄介だな……階段で急ぐか、一階についてから外まで、奴らのトロい足なら追い付ける」カツンカツン

吉良「……下……いや、まさかッ!」カンッ

吉良「君たちを強敵だと認めよう、スタンドも持たない一般人だと侮っていた……」カンッカンッ

吉良「エレベーターに閉じ込められれば死ぬというのに、逃げ場のない箱に入るほど奴らはバカじゃあない」カンッカンッ

吉良「下に向かう階段にはいない……なら……向かったのはッ!」カンッカンッ

7/09:12


ちひろ「逃げなければ……アイツから……足は負傷してる……でも、跳べないわけじゃない!」

吉良「そう、跳べる……屋上から、隣のビルへ」

ちひろ「っ!」クルッ

吉良「全く、途中まで騙されていたよ……」ゴゴゴゴゴ

吉良「都心部というのはいやなもんだ……人も建物もぎゅうぎゅうに詰まって、ゆとりもクソもない……その上、それらの違いもあったもんじゃあない」ゴゴゴゴゴ

吉良「ぎゅうぎゅうに詰まっているせいで、ビルとビルの間は近く、屋上から屋上へ、跳び移ることもできる」ゴゴゴゴゴ

吉良「逃走経路として、悪くない」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……あなたが、もっと単純なら良かったんですがね……」ゴゴゴゴゴ

吉良「……佐久間まゆはどうした?」

ちひろ「さあ?何処でしょうね?」

吉良「……まあ、気を失っていたようだし、あの怪我では録に動けないだろう……だから、何処かに置いていったのか……探して殺さなくてはいけない……それは面倒だ……」

ちひろ「面倒なら、どうするんですか?」

吉良「交渉だよ……佐久間まゆを出せ」

ちひろ「殺されるとわかっていて身柄を渡すほど、私は鬼ではありませんよ?」

吉良「あぁ……だから選ばせてやるんだよ……佐久間まゆと君、千川ちひろ、二人の命をここで失うかそれとも……出勤してきている森久保乃々、早坂美玲、渋谷凛、本田未央…………島村卯月をこの場で失い、君を殺した後に佐久間まゆを探しだして殺すか……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「なっ!?」

吉良「……事務所のソファー、あそこで良くたむろしているな……部屋を出る前にそのソファーを爆弾にしておいたんだ」ゴゴゴゴゴ

吉良「今、彼女らはそのソファーの周りでくつろいでいる……もし私がスイッチを入れたら……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「……まゆちゃんを引き渡しても……スイッチを押すんじゃあないですか?」

吉良「私としても大勢の犠牲者は出したくないのだよ、目立ってしまうからね……だから、私の秘密を知る者のみ殺せれば良い……」

キラークイーン「」スッ

吉良「今、一瞬の内にスイッチは押すことが出来る……佐久間まゆは何処にいる?」

ちひろ「………………」

吉良「残念だよ」

キラークイーン「」スッ

ちひろ「待って!エレベーターの中!エレベーターの中にいるッ!」

吉良「ほう……」

ちひろ「まゆちゃんを入れて下に向かわせたの!そうすれば上と下に分断して一人でも生き残る可能性が上がるからッ!」

吉良「なるほど……賢い選択だ……だが…………だが…………」

吉良(この私が……迷っているッ!?……何故だ!何故島村卯月の笑顔が頭から離れんッ!…………ええい!忌々しいッ!消えろッ!!)

キラークイーン「」カチッ



ドゴォォン!!

ちひろ「なっ!?」

吉良「誰かのために誰かを捨てる、そんな選択をする悪い子には罰を与えないとね……」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「…………最初から……全員……」ゴゴゴゴゴ

吉良「謎の爆発でアイドル事務所の全員が、私を含めて死亡、死体すら残らない者もおり、私は故人となる……頭が痛くなる程最悪のシナリオだが、空条承太郎たちに見つかり殺されるよりは幾分マシだ」

吉良「さて、君も爆死体にして終わりにしよう……」スタスタ

ちひろ「…………あなたは……」

吉良「うん?」スタスタ

キラークイーン「」スッ

ちひろ「私たちの、アイドルたちのことをこれっぽっちも理解していない……」

吉良「何が言いたい?」スタスタ

ちひろ「あの娘は……実は責任感が強くて……朝早く仕事がある日には一番最初に来ていた……自信がなくて、机の下で縮こまるのが日課のようになっていた……」

吉良「森久保乃々か……彼女が………………『一番最初に来て』?」

ちひろ「吉良吉影、あなたが入れ替わってからはずっと私の机の下が彼女のポジションになっていて、あなたは気づけなかった……私は、ループの間に彼女を犠牲にしてしまい、彼女の居場所に気がついた……」

吉良「何を……」

ちひろ「……キラークイーンがこっちを向いてるなら、後ろは無防備ですよね?」

吉良「はッ!?」クルッ

乃々「うわぁぁぁああ!!」ガンッ

吉良「ぐはッ!?」

吉良(金属の棒……机の足かなにかのネジを外して持ってきたのか……)ドサッ

ちひろ「あなたは言いました……『ソファーの周りでくつろいでいる』と、確信を持って」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「見ていないのにどうしてわかったのか……その答えは、あなたの写真の中にいたお父さんです」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「ですが、写真の中にいるお父さん自身の力は弱く、『偵察』と『報告』ぐらいしか出来ません……あなたの携帯に、事務所の情報が報告されていたんですよね?」ゴゴゴゴゴ

ちひろ「ですが、あなたが写真のお父さんだと思って話していたのは……」ゴゴゴゴゴ

乃々「……森久保……なんですけど……」バァーーz__ン!

乃々「ずっと……Pさん……いえ、吉良さんが来る前からずっと……森久保はちひろさんの机の下に居ました……」

乃々「あなたの告白も聞きました……あなたがソファーを爆弾にしたのも見ていました……」

乃々「森久保は……森久保は……怖くて……全然動けませんでした…………でも、写真の中にいた森久保よりちっぽけな人なら……森久保でも不意をつけば……大丈夫だったんですけど……」

乃々「報告はボソボソ声でしてましたけど、バレないかとっても不安で怖かったです……事務所に来た皆さんに事情を説明する時も、ちひろさんに電話で状況を説明する時も……吉良さんが見てないか、聞いてないかと思って心臓がぺしゃんこになりそうでした……でも、そんな心臓ぺしゃんこのぺしゃくぼでも……アイドルの……森久保の友達になってくれた皆さんを見殺しにするのが……一番むぅ~りぃ~なんですけどッ!」

ちひろ「あなたの爆弾で爆発したのは、事務所と写真の人だけです」

吉良「こんな……バカな!」

ちひろ「……脳震盪を起こしてますね、そして、あなたの正体は事務所の全員に行き渡りました……ここで私たちを殺せても、彼女たちは追えませんよね?……諦めてください、『あなたの負け』です」

吉良「…………ふ……ふふふ……ふははははははは!!」

ちひろ「」ビクッ

乃々「」ビクッ

ちひろ「な、何がおかしいんですか!?」ドドドドド

吉良「何が?……ふっ、強いて言えば全てが……だな」ドドドドド

吉良「バイツァダストが破られ、身体はボロボロ、情報も全て流された……しかも、これらをやったのはスタンド使いでも何でもない一般人の女と小娘どもだッ!これが笑わずにいられるか?ふははははッ!」ドドドドド

ちひろ「ぶ、不気味だ……」ドドドドド

吉良「……『追い詰められた』……『追い詰められた』んだ!この吉良吉影がッ!三度目だよ、杜王町で一度、ちひろ、君を殺して一度、そして三度目だ……『追い詰められた』……この精神状態が……」ドドドドド

キラークイーン「」カチッ

ドォン!

ちひろ「うわっ!?地面を爆破したッ!?」

吉良「ぐはぁぁぁ!」ビュン

乃々「ひぇっ!?……きゃぁぁぁ!?」ドスッ!

ちひろ「しまった!今の爆風で吉良が乃々ちゃんの方に飛んでぶつかったッ!」

吉良「キラークイーン……」

キラークイーン「」ピタ

乃々「ひぃぃぃぃ!?……見えないけど何かに触られてるんですけどぉぉ!?も、森久保……ば、爆弾に……」

ちひろ「ただの爆弾じゃない……これはッ!?」ドドドドド

吉良「森久保乃々……君の手は小さいが実にきめ細かく綺麗な肌をしている……柔らかくて最高の手だ……」スリスリ

乃々「ひぃぃ!頬擦りしないでほしいんですけどッ!?」

吉良「……フォークダンスってあるだろ?男子と女子が手と手をとって躍り合うアレだ……小学生六年の頃、アレでクラスの女子全員と手を握ることが出来てね……最ッ高に興奮してしまって……下品な話なんだが……ふふっ……一晩中盛り上がってしまってね」

乃々「セクハラにも程があるんですけどぉぉぉお!?」

ちひろ(最早誤魔化すことは不可能……でも、バイツァダストの最初の一回は吉良自身も記憶が残る、バイツァダストで過去へ戻れば、逃げることなら出来るッ!)ドドドドド

ちひろ「止めなくては!キラークイーンバイツァダストをッ!」ダッ

吉良「遅いッ!バイツァダスト!発動だッ!」ドドドドド

キラークイーン「」スッ

ちひろ「やめろぉぉおお!!」ドドドドド

キラークイーン「」…スカッ

吉良「何……」ブシュッ

ちひろ「!?」

乃々「!?」

吉良「わ、私の……私の『右手の親指』が……切られた!?」

?「何をしようとしたのかは知りませんけど、そのスイッチだけは押させたらいけないと思いましたので……」ゴゴゴゴゴ

吉良「……千川ちひろ!……お前……また『ウソ』をついたなッ!?」

まゆ「持ち歩いているソーイングセットのハサミ……研いでおいて良かったです」バァーーz__ン!

吉良「『佐久間まゆ』は『屋上』にいた!箱型の入り口の影に隠れていたッ!」

まゆ「乃々ちゃん、逃げてください!」

乃々「こ、怖かったんですけど!」タッタッ

吉良「このクソカスが!最悪過ぎる!……後は何を……何も……クソがぁぁあ!!キラークイーンッ!!」

キラークイーン「」ドンッ

まゆ「くぅ!」バッ

ちひろ「まゆちゃんがッ!キラークイーンに触られたッ!」

まゆ「あなたのスタンドの特徴はちひろさんから移動中に聞きました」ビュン

まゆ「……これで、まゆは爆弾になりました、スイッチを押せないので、接触式でしょう……そして、そのままの勢いで、乃々ちゃんと接触して……二人とも爆発するでしょう」

まゆ「ですが、まゆの何処から何処までが爆弾になったのでしょう?まゆたちが爆発する前に、あなたが死んだらどうなるのでしょう?」ドドドドド

吉良「何を言ッ!!?」

リボン<ヒラッ ゴゴゴゴゴ

吉良「リボンッ!?」ドドドドド

吉良(!!……佐久間まゆの左腕に着いていたリボンがない!)ドドドドド

まゆ「あなたのせいで断ち切られた、私とPさんを結んでいた『運命の紅いリボン』……恨みを込めて、お渡しします」ドドドドド

吉良(リボンは佐久間まゆの血を吸っていて、落下速度は普通の物体と同じだ!そして佐久間まゆはこれを『投げた』、その初速度と距離のせいで、このリボンが私に到達するのは佐久間まゆが森久保乃々に到達するより早いッ!)ドドドドド

吉良(バイツァダスト発動のために森久保乃々の元へ爆発で移動したせいで私の身体はこのリボンを避けられる体力を残していないッ!)ドドドドド

吉良(やれることは一つしかないッ!)

吉良「キラークイーン!私を守れッ!」

吉良(キラークイーンが私とリボンの間に入っ……!?)

ちひろ「……私を忘れないでくださいよ!」ググッ

キラークイーン「」グググ

吉良「キラークイーンが止められている!?」

吉良(スタンドにはスタンドしか触れられないはず……はっ!?)

ちひろ『まゆちゃんがッ!キラークイーンに触られた!』

吉良(何故触れられたとわかった?……森久保乃々の時もそうだ、キラークイーンを前に出していると……間違えば死ぬというのに、何故断言出来た?)ドドドドド

ちひろ「偶然……だったんですよ、ループ中に聞いた、弓と矢のこと……それ、もしかしたらウチの事務所にある物と同じなんじゃあないかなって思ったんです」ドドドドド

未央『お土産ねぇ……この前ヘレンさんが買って来たのは衝撃的だったなぁ……』

ちひろ『あんなもの、どこで買って来るんでしょうね?』

凛『流石は世界レベル……でいいのかな?』

卯月『あれ、どこにしまったんですか?』

ちひろ『そこの隅の箱です……誰も使わないでしょうけど、捨てるのはヘレンさんに悪い気がして……』



弓と矢<ゴゴゴゴゴゴ

ちひろ「本当に……ヘレンさんは何処であんなものを手に入れたんでしょうね」ドドドドド

ちひろ「死の恐怖があったので屋上に来るまで決心はつきませんでしたが、覚悟を決めて使いましたよ」ズズ

ちひろ「手の先からうっすらと出ている影、失敗だったのかもしれませんけど、ほんの少しでも出てきたスタンドの欠片、この出来損ないの力が……私たちの最後の切り札ですッ!」

吉良「バカなッ!?この距離ではキサマも爆発に巻き込まれるというのにッ!」

ちひろ「覚悟の上ですッ!」

吉良「キラークイーンから手を離せぇぇええ!!」

吉良(り、リボンがッ!!!)

吉良「クソォォオオオオ!!」



ボカァァァン!……

乃々「うぎゃっ!」ドンッ

まゆ「きゃっ!?」

乃々「うわぁぁぁああ!!爆発するんですけどぉぉおお!!」

まゆ「きゃぁぁあああああ……ぁ……あ?」

乃々「あ、あれ?」

まゆ「」ポカーン

まゆ「はっ!?……か、勝った!勝ったんですよ!まゆたちが勝ったんですよ!」

乃々「ほ……本当ですか?」

まゆ「ええ!」

乃々「や、やった!森久保たちが……Pさんの仇を!……はっ!?」

まゆ「はっ!?」

まゆ&乃々「ちひろさんッ!!」

??????/?/???


ここは……どこでしょう?……真っ暗で……何も……

光……光が見えます……

あそこに……行けばいいんでしょうか……

P「何処に行くんですか?ちひろさん」

!?……Pさん!

ほ、本物の……Pさんですか!?

P「ええ、正真正銘のね……それで、何処に行くんですか?」

何処にって…………私の……行くべきところへ……

P「では……ちひろさんが行くべき場所って何処ですか?……」

それは……Pさんに着いて行きますよ……

P「そうじゃないんです……ちひろさんが行くべき所は、ちひろさんが決めるんです」

私が……

P「聞きます、あなたは何処へ行きたいですか?」

私は……

私は…………

まゆ「ちひろさん」

乃々「ちひろさん……」

美玲「ちひろ!」

ヘレン「ちひろ」ヘーイ!

凛「ちひろさん」

未央「ちひろさん!」

卯月「ちひろさん!」

…………私は……私は事務所に戻ります

P「」コクン

7/09:30


ちひろ「うっ……」

まゆ「ちひろさん!」

乃々「ちひろさんが!目を……覚ましてくれたんですけど!」

ちひろ「……全身が痛いわ」

まゆ「それでも……生きています!ちひろさんはアイツに……吉良吉影に勝ったんですよ!」

ちひろ「そう……ね……」チラッ

スタンド「」サラサラ

ちひろ(……あなたが……私のスタンドが私を守ったのね)

ちひろ(それでも……あなたは不完全だった……私は『適合者』じゃあなかった……だからスタンドが崩れていっている……それでも私が生きてるのは……たぶん、Pさんの魂のお陰……)

スタンド「」サラサラ

ちひろ(ありがとう……あなたのおかげで……立ち向かえたわ)

スタンド「」サァァ

ちひろ(ありがとう……それしか言葉が見つからない……ありがとう……私のスタンド……ありがとう……Pさん)

ちひろ「Pさん……」ポロポロ

7/9:35


卯月「事務所で謎の爆発!?……プロデューサーさんが……行方不明!?」

ちひろ(……卯月ちゃんは遅刻して、ソファーが爆発した後に来たから……誰も真実を説明していない…………なら、説明してはいけない)

ちひろ「そうよ……私もその爆発で怪我しちゃってね……だから今外に救急車と消防車が来ているの」

卯月「プロデューサーさん……」

卯月「私……昨日のお礼にと思って……『お弁当』……作って、持って来てたんですけど……」ウツムキ

ちひろ「卯月ちゃん……」

卯月「…………ま、まだ!プロデューサーさんが爆発に巻き込まれたと決まったわけじゃありませんよね!……私、毎日作ります……プロデューサーさんが帰ってくるまで……『お弁当』を……」ポロポロ

ちひろ「………………」

ちひろ(こうして……私たちの日常に紛れ込んだ殺人鬼は消え去り、私たちの日常が帰ってきた……たった一つ、Pさんの命だけを奪って……)

後に事情を聞きに来た承太郎たちは彼女らに出来る限りの支援とケアを行うことを約束し、あるものは杜王町へ、あるものはアメリカへと帰って行った。

……その後、毎日、昼休みに卯月は仲間たちや友達と『お弁当』をわけあっている。

ちひろ「私たちのPさんはPさんじゃない」 後編
 
 ちひろ「スタージュエルは砕けない」


    Fin


乙です
読み応えあった

ディモールト乙

これにて、ちひろさんと早人の中の人が同じということから執筆が始まったこのSSの投稿は終了になります
アニメの時期からかなり経っておりますが、これの執筆はクリスマス付近で終わっており、仲間内に披露していたのですw
その後、気まぐれにメールボックスを開いていたら、埋もれていたこのSSを発見したので、これくらいの出来であれば皆さんに披露しても良いのではないか?と思い今さら投稿致しました
ここまでお付き合いしていただき、ありがとうございました

ここに投稿するのは二度目になります
一度目のタイトルは

【クウガ×デレマス】一条薫「灰被」

です。
興味がありましたらこちらの方もぜひ

では、html依頼をしてきます

いつ承太郎達が到着するのだろうかとドキドキしながら読んでいたら、無しで決着したので驚いた




フィクションの敵キャラってどうしてペラペラ手の内明かしちゃうんだろうね
スタンドと爆破能力のこと隠してたらどうとでも対処出来たのに

そら慢心してるからじゃね
それに鰤とかに比べたらこっちはまだ大分マシな部類

読者に分かるように説明してるんだよ

おつ 面白かった これは天使ちひろ


一番の『謎』はヘレンさんだな…

吉良の場合は実は他人に自分の秘密を知られたいって性があるから結構ペラペラ喋っちゃう。
バイツァダストもばらすことが発動条件になってる。
実にいい設定だと思う。

クウガの人か!もしかして、貴様卯月担当だなっ?!
クウガの時も卯月がメインキャラだった気がするぞ

>>171

残念ながら卯月は担当ではありません(大好きですが)

みくにゃんと菜々さんが担当です

ジョジョの場合は能力をあえて明かすことで精神的に公平になってスタンドの力が増すという理由が7部8部で付けられたよ

めっちゃ面白かった

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