志希「秘薬! 『イモウトニナール(妹になる)』だよ♪」 (62)

5月ごろから続けている志希博士の薬シリーズ。今回は飲んだ人が「妹」になる話になります。

アネニナール【姉になる】とどちらを書こうかと悩みましたが、アネニナールだとひどくピンク色の展開になりそうなので妹の方で書くことにしました。美優さんによるおねショタしか思い浮かばない私を許してください。

またしばらくの間、お付き合いいただけると嬉しいです。
では、始めます。

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(事務所・志希ラボ)

ジュンジュワー!!
ボーンッ!!

志希「わぉ♪ ついに完成したよ♪」

P「とんでもない爆発音がしたが本当かい?」

志希「うん♪ 名付けて! 『イモウトニナール(妹になる)』だよ♪」

P「グレイト。ナイス。ワンダフル。おめでとう志希。毎度おなじみ恒例だが聞いておこう。いったいどんな薬なんだ」

志希「飲んだ人が『妹』になる薬♪」

P「そのまんまだな」

志希「にゃはは♪ 何か不都合でも?」

P「いいえ。まったく問題ありません。素晴らしい発明品です。志希博士」

志希「よし♪」

P「ところで『妹になる』っていうのはどういうことなんだい? いまいちピンとこないから詳しく聞きたいんだ」

志希「うん。いいよー」

志希「この薬はね、飲んだ人が『自分は妹だ』って思い込むようになるものなんだー」

P「ほう」

志希「だから『戸籍上の妹』になるわけでもないし、『血が繋がっている状態』になるわけでもありません。服用者だけの思い込みを発生させる薬なのです♪」

P「なるほど」

志希「まー、とりあえず使ってみればわかるよ♪ はいこれドーゾ♪」

P「ありがとう。行ってくる」

志希「行ってらっしゃーい♪」

ケース1. 早坂美玲

(事務所)

カチャッ

P「おはよう。美玲」

美玲「来たか。プロデューサー。おはよッ」

P「今日も時間ピッタリに来てくれたな。嬉しいよ」

美玲「ふん、当たり前だろ。ウチはプロのアイドルなんだからなッ」

P「アイドル始めたてのとんがってた頃は、平気で遅刻してきたじゃないか」

美玲「あ、あれは……なんてゆーか」

美玲「……その、わ、悪かったと思ってるよッ……」

P「うん。成長したよな。偉い、偉い」

ナデナデナデナデ……

美玲「むッ……だから、気安く撫でるなっていつも言ってるだろッ! ひっかくぞッ!」

美玲「まったくもうッ……」

スリスリ……

美玲「♪」

P「その割にはご機嫌じゃない?」

美玲「ち、違うぞ。オマエに褒められて嬉しいとかじゃないからな! 本当だからなッ……」

P「ほう」

美玲「……ニヤニヤすんな! チクショウッ!」(プイッ)

P「はっはっは。それじゃあ、仕事に行こう」

美玲「……ったく、もぉ」

(仕事後)

美玲「はぁ……今日は疲れたな……」

P「くったりしてるな」

美玲「……ミニライブをやりきったんだから当たり前だろッ」

P「カッコよかったよ」

美玲「そ、そうか……///」

美玲「はっ! いや、別にそんなこと言われて嬉しくなんかないけどなッ!」

P「強情だなあ」

美玲「うるさいッ!」

美玲「……」

美玲「プロデューサー」

P「うん?」

美玲「そ、そ、その……あ、ありがとなッ」

P「……」

美玲「な、なんだよッ。その顔はッ!」

P「いや、美玲の口から『ありがとう』なんて死ぬまでに聞けると思ってなかったから」

美玲「大げさすぎだろッ!」

P「美玲」

美玲「……なんだ」

P「これからも一緒に頑張ろうな」

美玲「……ああッ。プロデューサーとウチはずっと最強のコンビだからなッ!」

P「うん」

美玲「へへッ♪」

(少しして)

美玲「そういやさ、オマエのカバンの横に見慣れないペットボトルホルダーが付いてるよな。何の飲み物なんだ?」

P「ん? ああ、これは飲み物じゃなくてだな……」

バッ!

美玲「もーらいッ♪」

P「あ、こら。勝手に取っちゃいけません!」

美玲「へへんッ! いつもウチのことをからかってるお返しだッ!」

美玲「こんなモン。こうしてやるッ!」

グビグビグビグビ……!

P「あーっ!! ちょっと、美玲!! それは……!」

【それ】:「イモウトニナール(妹になる)」

モワーン……ボンッ!

美玲「……」

P「……み、美玲大丈夫か?」

美玲「なんだ? なんで『お兄ちゃん』はウチのことを心配してるんだ?」

P「」

(少しして)

P「あー、美玲。いまから確認したいことがあるから素直に答えてくれるか?」

美玲「な、なんだよ。テスト勉強とかはヤダぞッ?」

P「大丈夫。そういうんじゃない。まずはこの写真を見てくれ」

トンッ!

【犬の写真】

P「何に見える?」

美玲「犬。凛が飼ってるヤツだ」

P「正解です。次はこちら」

トンッ!

【もりくぼの写真】

美玲「乃々。机の下に潜り込んでるところ」

P「正解です。最後はこちら」

トンッ!

【Pの写真】

美玲「お兄ちゃんだろ? こんな間抜け面ほかにいないモンなッ」

P「ノゥ! 不正解っ!!」

美玲「?」(キョトン)

(少しして)

P「美玲。冷静になってもう一度よく見て答えてくれ。ここに写ってる男は?」

美玲「な、なんだよッ? お兄ちゃんじゃないのかよ?」

P「当たってるけどそうじゃない。そうじゃないんだ」

美玲「……あ」

P「何か気づいたか?」

美玲「も、もしかして、昔みたいに『にぃに』って呼ばなきゃいけないのか?」

P「」

P「違う。美玲。そうじゃないんだよ」(ぶんぶん)

P「というか。美玲って昔は俺のことをにぃにって呼んでたのか?」

美玲「ウルサイッ。昔の話だろッ」

P「……いやまあ、その呼び方はその呼び方で悪くないが……」

美玲「なにブツブツ言ってるんだ……さっきからなんかオマエ気持ち悪いぞッ」

P「いやいや気持ち悪くない。俺は気持ち悪くないよ」

美玲「だとしても、お兄ちゃんは変態だろッ。変態、変態ッ!」

P「(ぐぅ。美玲にお兄ちゃんって言われるたびに『グッ』ときちゃうのが悲しいぜ)」

(少しして)

P「(ま、この薬は1日程度で切れるって志希が言ってたし。実害もないし。放っておけばいいかな)」

美玲「なんだよッ。ジロジロ見るなッ」

P「美玲。喉乾いたし、近くの喫茶店行かない?」

美玲「お兄ちゃん……奢ってくれるのか?」

P「もちろん」

美玲「なら行くッ。メロンソーダがあるお店なッ♪」

P「はいはい。アイスクリームとさくらんぼが乗ってるやつだよね」

美玲「当然だろッ。アイスとさくらんぼはメロンソーダのアイデンティティともいえる部分だからなッ」

P「よし。じゃあ、行こうか」

美玲「……」

美玲「なあ、お兄ちゃん」

P「うん?」

美玲「……アリガト。嬉しい」

P「」(ズキュゥン)

(喫茶店)

美玲「ん~♪ 氷とアイスの境目のこのシャリシャリが美味いんだよなッ♪」

P「はっはっは。妹よ。幸せそうだな」

美玲「ウルサイッ……幸せだよ。悪いかッ♪」

P「いや、美玲が嬉しそうにしてると俺も嬉しい」

美玲「このシスコンッ!」

P「いいよもうシスコンで。美玲大好きだ」

美玲「……バカッ♪」

(帰り道)

美玲「ぷぅ。あの後、ケーキも食べさせてもらったし……大満足だッ!」

P「それは良かった」

美玲「へへッ。お兄ちゃんアリガトッ♪」

P「」(バキュゥン)

美玲「……どうしたんだ?」

P「美玲。もううちの子になりなさいな」

美玲「いや、お兄ちゃんはお兄ちゃんだろッ。なに言ってるんだ」

P「明日には薬の効果が切れてしまうのが惜しすぎる」

(事務所)

P「ただいま」

ちひろ「おかえりなさい……おら?」

P「見ての通り。疲れて眠っている美玲をおんぶしてます」

ちひろ「あらあら♪ すっかり気を許してますね。美玲ちゃん♪」

P「ちひろさん。しーっ。起きちゃいますから」

美玲「ん……っ……うるさいッ……」

ちひろ「あ。ごめんなさい。美玲ちゃん」

美玲「……眠い」

ちひろ「うふふ。仲睦まじいのは良いことですね♪」

美玲「当たり前だッ……ウチとお兄ちゃんは最強のコンビだからなッ……むにゃ……」

ちひろ「……お兄ちゃん?」

美玲「なんだ? お兄ちゃんはお兄ちゃんだろ?

美玲「ウチらはずっと一緒に暮らしてるんだ……そして、これからもずっとだッ……」

美玲「……むぅ……」

美玲「Zzz……」(スヤスヤ)

ちひろ「……一緒に暮らしている?」

P「あの。ちひろさん。これには深い訳が……」

ガシッ

P「ヒィ」

ちひろ「……担当の子には手を出すなって……口酸っぱく言いましたよね?」

P「待って。これは誤かーーー」

ヒギャァァァァァァ!!!

ケース1. 早坂美玲 end

休憩します

ちひろ「お兄ちゃん」

P「うわきつ」(存在を抹消される音

(志希ラボ)

P「志希博士や。志希博士や。聞きたいことがあるんだけどいいかい?」

志希「いいよ~。どしたの?」

P「美玲がイモウトニナールを飲んだ時さ、存在しないはずの『昔』やら『普段』をナチュラルに持ち出してきたんだけどあれはいったいどういうことかね?」

P「『昔はにぃにって呼んでただろ』って、呼ばれた記憶のないことを当然のように言われたんだ」

志希「ふむ……それは思い込みで生じた記憶の齟齬を正そうとしたんだろうね」

P「どういうこと?」

志希「人間っていうのは『こうであったはずだ』って思い込むと、それと整合性が取れるように記憶を自分で勝手に作り出したり、捻じ曲げたりする生き物なのよ」

志希「今回も同じでね。『妹であるはずだ』って思い込みがあるから、整合性が取れるような記憶を作っちゃうわけ」

志希「……言ってること。わかるかな?」

P「なんとなくわかる。薬を飲んだ人にとって『妹』であることは事実になるんだな」

志希「そうだね。そこは絶対にブレないんだよ。『自分は人間じゃないかもしれない』なんて普通は疑わないでしょ。大袈裟だけどその感覚に近いかも」

P「『自分は妹だ』って認識が当然になる、と」

志希「そゆこと。だから『妹としての記憶』をねつ造しちゃうわけ♪」

志希「まー、そんなカンジの認識でお願いしまーす♪」

P「OK」

ケース2. 鷺沢文香

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

文香「……」

P「(黙々と本を読んでるな……)」

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「(ふむ。せっかく事務所で2人きりだというのにこのままでは味気ない)」

P「(……こんな時こそ、イモウトニナールを使ってみるか)」

(少しして)

P「(よし。紅茶に薬を溶かして……と)」

トクトク……
カチャカチャ……

P「文香。紅茶を淹れたよ。良かったらお飲み」

スッ……コトリ……

文香「お気遣いありがとうございます……プロデューサーさん」

文香「……秋の夕暮れ時……温かいものが身体にも心にも沁みそうですね……」

P「熱いから火傷しないようにな」

文香「……はい……ふぅ……ふぅ……」

こくこく……ボンッ!

文香「……」

P「(さて。どんな反応になるかな)」

文香「……」

P「……」(ジッ)

文香「……どうしたのですか? 私の顔に何か付いているのでしょうか……?」

P「いや、そんなことないよ。ただ文香は綺麗だなって思っただけだ」

文香「……ふふふ。『兄様』は相変わらず口がお上手ですね……私を口説いても意味などありませんよ……」

P「……」

P「」(バキュゥゥゥン)

文香「……?」

P「……文香って昔から俺のこと兄様って呼んでたっけ?」

文香「……兄様は不思議なことを言いますね……幼い頃からずっと私は兄様と呼んでいましたよ……」

文香「……アイドルの仕事を始めてからは周囲の目を意識してプロデューサーと呼ぶようにしてますが……2人きりの時は兄様です……」

P「Oh」

文香「……まさかとは思いますが……2人の時も兄様と呼んではいけないようにするのです……か……?」

P「うん?」

文香「……それは嫌です……兄様……ずっと兄様と呼ばせてください……」

文香「……寂しいですから」

P「……」

P「そ、そんなこと言わないよ。文香」

文香「……」(パァァ)

文香「……ふふふ。それならいいんです」(にこり)

P「」(バッキュゥン)

P「(ぐぉぉっ! 可愛いっ!! 可愛いぞ!)」

(少しして)

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「……」

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「(ふむ。妹になってもやはり読書に夢中だな……)」

文香「……」

文香「……」(ソワソワ)

P「(と、思ったらなんかソワソワしてる)」

文香「……」(チラッ)

P「(なんかチラチラこっち見てきてる)」

文香「……」

P「どうしたんだ。文香?」

文香「……」(ぴくっ)

P「……」

文香「……いえ……その……」

文香「……」

文香「今日の兄様は……あまり私を褒めてくれないのだな、と……」

P「……俺、そんなにいつも文香のことを褒めてた?」

文香「……私が恥ずかしさを感じてしまうくらい……毎日のように……兄様は私のことを褒めてくれていたではありませんか……」

文香「『可愛い』『綺麗』『筆舌に尽くしがだい』『耽美』『ぺろぺろしたい』……などと」

P「ぐぅ。何をしてるんだ俺のバカ野郎」

文香「……」(じっ)

P「……どうした?」

文香「……ほ、褒めて欲しいと言うわけではないのですが……その……急に止められると違和感を感じてしまうんです……」

P「……」

文香「……」

P「つまり。褒めて欲しいってこと?」

文香「……断じてそのようなわけではありません……断じて……!」

P「なるほど」

文香「……」

P「文香」

文香「は……はい?」

P「ぺろぺろしたい」

文香「……」

P「……」

文香「……兄様……それはただのセクハラです」

P「だよね。ごめんよ」

文香「ふふふ……いいですよ……」

P「お。いまの笑った顔、可愛い」

文香「……き、急に褒めるのは……やめてください……///」

P「可愛いなぁ」

(少しして)

P「(……よく考えてみたら、いまの文香の立ち位置は妹だ)」

P「(つまり……多少突っ込んだセクハラまがいの要求をしても受け入れられるのではなかろうか)」

P「(せっかくだ。色々と試してみよう)」

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「なあ文香」

文香「……なんでしょう。兄様?」

P「久しぶりに俺の膝の上に乗って本を読んでみないか?」

文香「……はい?」

P「カモン」

文香「……どういう風の吹き回しなのでしょうか……膝の上に乗って本を読むなど……私が幼稚園児の時以来、したことはなかったと記憶しておりますが……」

P「まあまあ。細かいことは気にするな。兄妹の親睦を深めようじゃないか」

P「おいで」

文香「……」

P「(うっ。やはりこれはさすがに不自然だったか。文香の目が疑惑に満ちていーーー)」

スタスタスタ……

文香「……失礼します」

ストン……ムギュ……

文香「……」

P「……」

文香「……あ、あの」

P「うん?」

文香「……す、座ったのですから……何かおっしゃってくれませんか……?」

P「文香っていい匂いするよね」

文香「……なっ……!///」(カァァァッ)

(少しして)

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「……ふむ」

P「(ああ……文香のお尻が膝の上に乗っているというこの事実だけで幸福だ……)」

P「(ほのかな温もりと、古書店に似たような文香の匂いが言葉にできないほどの幸福感を味わせてくれる……)」

P「(もうこのまま文香の椅子に永久就職したいぜ……)」

文香「……」

文香「……あの、兄様……」

P「うん?」

文香「……重くは……ないのでしょうか?」

P「まったく」

文香「……そうですか」

P「心配してくれてありがとう。よければ、そのまま俺にもたれていいぞ?」

文香「……」

文香「……では。お言葉に甘えて」

ぽすっ……

P「(うぉぉぉぉぉっ!!! さいっこうだぜぇぇぇ!!!!)」

文香「……♪」

P「(この後は事務所に誰も来る予定はないし。最高の時間を楽しんでやるぜ……!!)」

(少しして)

文香「……」

ペラッ……ペラッ……

P「(ああ……幸せだ……このままいっそ事務所に泊まりで……)」

カチャ

ちひろ「戻りました。予定よりも仕事が早めに終わっ……て……」

P「」

文香「……おかえりなさい……ちひろさん」

ちひろ「……プロデューサーさん?」

P「はい」

ちひろ「わかってますね?」

P「……はい」

P「(まさかの2度目のパターンか……)」

ヒギャァァァァァァ!!!!

ケース2. 鷺沢文香 end

休憩します。

ところで話は変わりますが……ヒィィィィィィィヤッハァァァァァァァァ!!!!!! 柚に声が!!!! 声が付いたぞぉぉ!!!!!!!!!!!! 声だよぉぉぉ!!!! 柚可愛いよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! 「プロデューサーサン♪ おっつかれさん♪」だってよ!!!!! お疲れ様ぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!!!!! あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!! カワイイカワイイ!!!! kawaii!!! かわE!!!! 可愛いカワイイかわいいぃぃぃぃぃ!!!!

というわけで、3人目は柚で書きます。これからも喜多見柚ちゃんをよろしくお願いします。

落ち着け


フリスクの四人にパスタを食べさせるぞ

>>36
でれげきのこれですね! Kawaii!!
https://i.imgur.com/zdq1vlV.jpg

フリスクのみんなにも声を付けて欲しいなぁ……

ケース3. 喜多見柚

(テレビの仕事中)

柚「続きはCMの後っ♪ みなサン! 番組を変えずにお願いしまーすっ♪」

柚「(……ふー。生放送ってちょっと緊張しちゃうナー)」

柚「(あ、『おにーチャン』がこっち見てる♪)」

ブンブンブンブン(手を振る音)

P「(ふむ……仕事前に『イモウトニナール』を柚がうっかり飲んでしまったが、特に問題はないようだな)」

P「(相変わらず柚は可愛い)」

(テレビの仕事終了後)

柚「おにーチャン♪ おっつかれサン♪」

タッタッタ……だきっ!

P「うおっと……お疲れ様。柚」

柚「えへへっ♪ アタシどうだった? どうだった?」

P「言うまでもなく可愛かった。最高だった。さすが俺の柚」

柚「おーっと! ストップだよ。おにーチャン♪ 柚はみんなのアイドルなんだからサっ♪」

P「独占したい」

柚「んふふ~♪ ダーメ♪ 独占禁止法に違反しまーす♪」

P「違反していっそ逮捕されてもいい」

むぎゅー……

柚「むーっ。おにーチャンが逮捕されちゃったら。柚が困っちゃうナー」

柚「てゆうか、いいの? もしおにーチャンが逮捕されちゃったら、他の誰かがアタシをプロデュースすることになるよ?」

P「嫌だ!」

柚「なら独占せず、柚のプロデュースに励むようにっ♪」

P「ぐぅ。これが苦渋の選択か」

柚「ホラホラっ、落ち込んでる暇はないよ。仕事終わりで疲れてる柚に美味しいケーキとお茶をご馳走するようにー♪」

P「うん。じゃあ、行こうか」

柚「えへへ……おんぶしてほしいナっ♪」

ぴょんっ! がしっ!

P「ぐおっ。いきなり背中に乗るんじゃない」

柚「レッツゴー♪ おにーチャン号!」

P「……ふはは! しっかり掴まってろよ。時速100キロは出るからな!」

柚「はいはーい♪ 安全運転でお願いしまーす♪」

タッタッタ……!

(喫茶店)

柚「ん~♪ このいちごパフェ美味し~い♪」

P「ほほう。ひと口食べさせて」

柚「いいよ。代わりにおにーチャンのチーズケーキいただき~♪」

ヒョイっ……! モグモグモグ……!

P「あっ! 半分以上持っていきやがった!」

柚「ふーむ……こいつはヤミィーですなー♪」

P「ちくしょう。なんてこったい」

柚「えへへっ♪ ゴメン、ゴメン。柚のパフェも食べていーから♪」

P「いただこう」

ヒョイ……パクパク……

柚「どうカナー?」

P「んまい」

柚「だよね~♪ 特にこのいちごソースが絶品だと思うんだー。普通のより甘酸っぱいから生クリームによく合ってるでしょ♪」

P「んま、んま」

ヒョイパク! ヒョイパク!

柚「あー! ズルいっ! たくさん食べないでよっ!」

P「さっきのお返しだ!」

柚「ならばアタシもお返しのお返しだっ♪」

ヒョイパクパク。ヒョイパクパク。

P「あっ、俺のチーズケーキをまた食べたな!?」

柚「へへん♪ 食べ尽くしてやる♪」

P「くそっ! お返しのお返しのお返しだ!」

柚「じゃあ、お返しのお返しのお返しのお返しの……」

ヒョイパクパクパクパク……

(少しして)

柚「ふー、結局、お互いの頼んだものを交換しただけだったね」

P「そうだな。でも、美味しかったよ」

柚「むっ! そういう問題じゃないよ!」

P「ありゃ? ダメだったか?」

柚「柚はまだ不満足です!」

柚「……だから、またここに連れてきて♪ おにーチャン♪」

P「ふむ。仕方ない」

柚「やった~♪ おにーチャン大好きっ♪」

だきっ……スリスリ……

P「よーしよしよし。俺も大好きだ」

柚「へへっ♪」

P「(妹になるといつも以上にベタベタ甘えてくるな)」

P「(死ぬほど可愛いからいいけど)」

柚「じゃ、お次は服屋さん行こー。新しいパーカー見たいんだっ♪」

P「よし。すぐに行こう!」

(服屋・試着中)

柚「これどーカナ? おにーチャン?」

P「黒いパーカー可愛い!! シックで大人っぽい!」

柚「へへ♪ じゃあ……お次はピンク♪」

P「可愛い!! 最高にキュート柚だ!!」

柚「ふむ……では、変化球で緑だ!」

P「カーワーイイー! 誰よりも緑が似合う!!」

柚「ふむふむ♪ ボーダー柄はどうカナ♪」

P「スポーティ!! 抱きしめたい!」

柚「させぬ! では、柚柄が印刷された柚パーカーだ♪」

P「ダメだ! ダメだ!! 可愛すぎてダメだ!! 反則だ!! 天使だ」

柚「もー、おにーチャン褒めすぎ~♪」

P「Kawaii!!」

柚「へへーん♪」

P「店員さん。いま着たミーが選んだパーカー全部ください」

柚「待って。それは暴走しすぎ」

P「大丈夫。可愛いは正義だから」

柚「理由になってナイよ?」

P「あ。請求は346プロの『千川ちひろ』宛で」

柚「(あーあ、しーらないっ)」

(少しして)

柚「はー、楽しかった♪ おにーチャンと2人きりで遊ぶの久々だったね♪」

P「そうだな。いつも忙しくて時間作ってやれなくてごめんな」

柚「謝らないのー! アイドルしてて、プロデュースしてもらってる時も楽しんでるからサっ♪」

P「柚……なんていい子なんだ……!」

スッ……むっぎゅー!

柚「わぁ……強く抱きしめすぎだよ。おにーチャン♪」

P「あー、可愛い」

柚「……えへへ♪ おにーチャンに可愛いって言ってもらうの好きだナー♪」

P「」(ズキュゥン)

P「もう俺、柚と結婚する」

柚「ざーんねん♪ 兄妹は結婚できませーん♪」

P「ちくしょう……イモウトニナールなんて嫌いだ!」

柚「何の話?」

P「何でもない。家まで送るよ。俺、この後仕事あるし」

柚「うん♪」

(次の日・事務所)

P「(はぁ……柚の薬の効果も切れたし、また元通り忙しい日々だ……)」

P「ちひろさーん。今日の仕事は……」

ちひろ「……」(ゴゴゴゴ)

P「……ん? なんでそんな『黒い笑顔』を浮かべてるんです?」

ちひろ「……」

ぴらっ(無言の請求書)

ちひろ「何ですか、この経費と称した『大量の衣服代』は」

P「あ」

ちひろ「……プロデューサーさん?」

P「2度あることは3度ある」

P「……そして我が人生に悔いなし」

ヒギャァァァ!!!!!

ケース3. 喜多見柚 end

休憩するよ柚

ケース4. 多田李衣菜

(事務所)

李衣菜「お。ジュースだ! いっただき~♪」

ぐびぐびぐびぐび

P「まて李衣菜! それは……!」

ボン!

李衣菜「……」

P「遅かったか」

李衣菜「ん? どしたの兄ちゃん?」

P「何でもないよ。妹よ」

P「(不思議だ……可愛いことは可愛いんだが、自然すぎて李衣菜に『兄ちゃん』と言われてもときめかないぜ)」

李衣菜「?」(キョトン)

(少しして)

P「李衣菜ー。暇だからゲームしようぜー」

李衣菜「いいよ。兄ちゃん。何する?」

P「スマブラ」

李衣菜「ふふん♪ 負けないよ!」

P「手加減なしだ!」

李衣菜「当然! 手加減するなんてロックじゃないしね!」

(プレイ中)

カチャカチャカチャ……

李衣菜「ほっ! ほっ! 着地キャンセルからの……よし! 投げ連行くよ!」

P「ま、待て! なんだソレ!?」

パシッ! ガシッ! パシッ! ガシッ!

李衣菜「はいはいはいはいー。ロック入りましたー」

P「それはロックじゃない!! 断じてロックじゃない!」

李衣菜「そして……トドメはメテオだ!」

スパーン!

P「」

李衣菜「イェーイ♪ 3タテ~♪」

P「キミ。音楽よりゲームの方が才能あるんじゃない?」

李衣菜「そかな?」

P「次からはハンデください」

李衣菜「ロックじゃないなー」

(少しして)

李衣菜「今日あっついなー。兄ちゃん~。冷蔵庫にアイスない?」

P「ねーよぉー。李衣菜。買ってきて」

李衣菜「はー? ヤダよ。兄ちゃんこそ買ってきてよ」

P「むっ」

李衣菜「むむっ」

P「……」

李衣菜「……」

バチバチバチ……!

2人「「じゃんけん!! ポン!」」

P「……ひぇぇん」

李衣菜「やった♪ あたしの勝ち~♪ よろしくっ!」

P「しゃーないな。何がいい?」

李衣菜「ハーゲンダッツ」

P「了解。『ピノ』だな」

李衣菜「ケチッ!」

P「学生がハーゲンダッツなんて100年早いわ。稼いでからにしろ」

李衣菜「いや、CDそこそこ売れてるし。結構、稼いでるよ」

P「生々しい話をするなー」

李衣菜「あはは。とりあえず兄ちゃんのセンスに任せるよ」

P「はいよ」

李衣菜「……」

李衣菜「やっぱ、あたしも一緒に行く」

P「え? じゃあ、俺、待ってるよ」

李衣菜「ダメダメ! ソレじゃ意味ないって!」

P「ん?」

李衣菜「ほら。一緒に行くよ。兄ちゃん♪」

P「へーい」

(夕方)

李衣菜「……」

トントントン……
ジュゥゥ……

P「李衣菜ー」

李衣菜「何ー?」

P「今日の夜ご飯なにー」

李衣菜「魚と野菜炒めー」

P「何の魚ー?」

李衣菜「ほっけー」

P「ほっけ好きだー」

李衣菜「あたしもー」

P「食うぞー」

李衣菜「いえーい」

P「ふぅー」

李衣菜「兄ちゃーん」

P「なんだー」

李衣菜「焦げたほうのほっけでいいー?」

P「ざけんなー」

李衣菜「なら、じゃんけんねー」

P「次は負けーん」

(少しして)

李衣菜「じゃ、あたしは寮に帰るね。お疲れ様。兄ちゃん」

P「おう。おやすみ」

李衣菜「仕事。頑張ってね」

P「ほいよ」

李衣菜「バイバーイ」

バタン

P「……ふぅ。もうひと頑張りするか」

(深夜)

カタカタカタカタ……
カタカタカタカタ……

P「ふぁ……ねむっ……」

P「肩凝り……空腹……睡眠不足……と」

P「……」

カチャ……!

P「……ん?」

李衣菜「兄ちゃん。お疲れー」

P「……ビックリした。こんな時間に何してんだ」

李衣菜「へへっ。眠れなくてさ。お腹空いてるんじゃないかって思って、差し入れ持ってきたんだ」

スッ

P「……おにぎりと水筒のお茶?」

李衣菜「余ったご飯で作ったやつだけどね。シャケが入ってるよ。食欲ないならお茶漬けにでもして食べてよ」

P「……」

李衣菜「あ、あれ? 迷惑だった?」

P「李衣菜」

李衣菜「な、何?」

P「嬉しいよ。ありがとう」

李衣菜「……えへへ♪ 兄ちゃん」

P「ん?」

李衣菜「明日からまた頑張ろう」

P「……おう。もちろんだ」

ケース4. 多田李衣菜 end

終わり

以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。

李衣菜ちゃんはリアルにいたら本当に可愛くて楽しい妹になりそう。溺愛まではいかない絶妙な距離感が大好きです。

それから何度叫んでいるように柚に声が付きました。
感無量です。
これからはよりいっそう柚熱に拍車がかかると思います。時々、気が狂ったように柚について叫ぶことがあるかもしれませんが温かい目で見守っててください。

では。また次の作品で。
柚ぅ!

過去作品についてはPixivにすべてまとめてありますので、よろしければ【トンビ(柚P)】で検索してみてください。
読んでもらえると嬉しいです。
https://i.imgur.com/V9DyqYd.png

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