花陽「秋だね」 (24)

【読書】

 
凛「まーきちゃん!」

真姫「な、何よ」

凛「何やってるの?」

真姫「何って、読書してるの」

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凛「へー、何読んでるの?」

真姫「凛が読まなさそうな本よ」

凛「漫画じゃないのかぁ」

真姫「当然でしょ」

凛「で、何読んでるの?」

真姫「これよ、これ」

 

 

 
『美味しいトマトの育て方・初級編』

凛「絶対に凛が読まなさそうな本だってのは分かるよ」

真姫「でっしょー」

凛「多分、真姫ちゃんくらいしか読まないと思うよ」

真姫「失礼ね。トマト好きにとっちゃ必須アイテムよ」

凛「初級編なのに?」

真姫「これからどんどんステップアップするの」

凛「凛にはよく分からないよぉ」

【食欲】

 
花陽「みんな遅いね」

真姫「掃除やら生徒会やらなんやらでしょ」

凛「三年生組は説明会で遅れるって」

ぐぅ~

凛「お腹すいたね」

花陽「秋だからかなぁ」

真姫「秋はトマトが美味しい季節よ」

凛「真姫ちゃんの頭の中はトマトばっかにゃ」

真姫「失礼ね。トマト以外にも秋刀魚が美味しいわよ」

凛「凛は魚が苦手にゃ」

真姫「猫っぽいのに?」

凛「それはそれ、これはこれ」

真姫「よく分かんないわね」

花陽「二人とも!」

凛「んー?」

真姫「どうしたの?」

花陽「秋といえばアレに決まってるよ!」

真姫「アレ?」

凛「かよちんのことだからアレだよ」

真姫「は?」

花陽「秋といえばそう! 新米の季節だよ!」

 

 

 
花陽「新米の季節だよ!!」

真姫「あぁ、そっか新米ね」

凛「この時期いっつもこうなんだ」

真姫「好きなモノだからかしら?」

凛「凛にとってのラーメン。真姫ちゃんにとってのトマトだよ」

真姫「トマトはすんごいのよ」

凛「訳分からないにゃ」

真姫「それで、花陽はもう新米は食べたの?」

花陽「ふっふっふっ」

真姫「何よ」

花陽「愚問だよ真姫ちゃん」

真姫「はぁ?」

花陽「とっくに食べてるに決まってるよぉ!」

凛「いつものことにゃ」

花陽「昨日、早速お母さんに頼んで買って来てもらったよ」

真姫「で、どうだったのよ」

花陽「もちろん、旨い!!」

凛「確かに美味しかったね」

真姫「なんで凛が知ってるのよ」

凛「カップラーメン買った帰りにお呼ばれされたんだよ」

真姫「なら私も誘いなさいよ!」

花陽「ごめんごめん」

凛「かよちん。パクパク食べてたよ」

真姫「美味しいと食が進むと言うわね」

凛「凛がおかわりする前に、炊飯器空っぽになってたよぉ」

真姫「それ、食べ過ぎじゃない?」

凛「いつものことだよ」

真姫「いつもそれだとマズイわよ!」

花陽「あぁ~、今日も帰って新米を」

真姫「花陽」

花陽「何?」

真姫「貴女、太ってない?」

花陽「ふ、太ってないよぉ!!」

真姫「ほんとぉ?」

花陽「ほ、ほんと……だ、よ」

真姫「怪しいわね……」

花陽「だって新米だよ! 美味しいんだよ!」

真姫「美味しいのは分かるわよ」

花陽「お米さんは私に食べられたいんだよ!」

真姫「何事にも限度ってものがあるわ」

花陽「私から白米を取り上げるのは、凛ちゃんからラーメンを取り上げるようなものだよ!」

凛「それは拷問にゃあ……」

真姫「凛、貴女まで」

凛「じゃあ真姫ちゃんからトマト奪うよ?」

真姫「トラナイデ!!」

花陽「好きなモノを奪われるのは死を意味してるんだよ!?」

真姫「私もトマトを奪われたら怒り狂って、最終的には死んじゃうわね」

花陽「でしょでしょ」

真姫「でっしょー」

花陽「だから、私は食べる! 白米を食べる!」

凛「で、お腹の辺りがぷにぷに~っと」

花陽「やめてぇー」

真姫「やっぱり体重増えたんじゃ」

花陽「多少はね」

「では、体重計に乗ってみますか?」

花陽「うぇっへ、ちょっとそれはぁ」

「増えた分が分かりますよ」

花陽「やだよぉ……って」

「そして」

花陽「なんで!」

「増えた分は!」

花陽「なんでいるの!?」

 

 
花陽「海未ちゃん!」

海未「生徒会の方が早く終わりましたので、穂乃果とことりもすぐに来ます」

真姫「そう」

海未「それより」

花陽「うぇっ!」

海未「花陽、増えたのは本当ですか?」

花陽「ふ、増えたって言ってもちょっとだけ」

海未「どのくらいですか?」

花陽「ほ、ほんの……ちょびっと」

海未「それでは確かめましょう」

花陽「きょ、許容範囲内だからぁ」

海未「測ってみないと分かりません」

ガシッ

ズルズル

花陽「あっ、あっ、あああああ!!」

真姫「連れてかれたわね」

凛「うん」

穂乃果「おっまたせー」

凛「あっ、穂乃果ちゃんことりちゃん」

ことり「さっき海未ちゃんが花陽ちゃんを連れてったけど、何かあったの?」

真姫「何て言うか、食べ過ぎには注意ってことかしらね」

ことり「?」

穂乃果「?」

 

 

 
海未「花陽! 今日からダイエットメニューです!!」

花陽「ダレカタスケテェー!!!」

【行楽とスポーツ】

 
真姫「紅葉狩りに行きたいわね」

凛「どこかいい場所あるかなぁ」

花陽「うーん」

海未「いい場所ならありますよ」

凛「えっ、ほんと」

海未「ですが少し」

真姫「遠いの?」

海未「いえ、遠くはないですよ」

凛「じゃあ」

海未「少し山を登っていただきますが」

真姫「山の紅葉とか綺麗そうね」

花陽「うん」

海未「では、今度の休みにみんなで行きましょう」

凛「わーい」

海未「登山道具一式はこちらで準備しておきます」

凛「はい?」

海未「山を登るのです。それくらい」

真姫「どこ行く気なのよ」

海未「とりあえず、標高1000メートルくらいの山を!」

凛「……」

真姫「……」

花陽「……」

海未「黙らないでくださいよ」

凛「近場で済まそっか」

真姫「そうね」

花陽「じゃあ何処へ……」

海未「花陽はダイエットの為、私と登山です!」

花陽「えっ!?」

海未「紅葉狩りという行楽、登山というスポーツで二つの秋を満喫です!」

花陽「よぉ……」

凛「かよちん、がんばれにゃ!」

 

 
おしまい

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