【ミリマス】P、茜、亜美、このみ「昴ちゃんの野球を見に行こう!」【ミリシタ】 (18)

名前 永吉 昴
年齢 15歳
身長 154cm
体重 41kg
B-W-H 79.0cm/59.0cm/78.0cm
誕生日 9月20日(乙女座)
血液型 B型
利き手 左利き
趣味 野球
特技 変化球
好きなもの アイドル
https://i.imgur.com/XCnpcE7.jpg
https://youtu.be/EJfgO0vjP7U

名前 野々原 茜
年齢 16歳
身長 150cm
体重 42kg
B-W-H 80.0cm/58.0cm/79.0cm
誕生日 12月3日(射手座)
血液型 AB型
利き手 左利き
趣味 スキップ
特技 インラインスケート
好きなもの プリン
https://i.imgur.com/6bVOCPY.jpg

名前 馬場 このみ
年齢 24歳
身長 143cm
体重 37kg
B-W-H 75.0cm/55.0cm/79.0cm
誕生日 6月12日(双子座)
血液型 A型
利き手 右利き
趣味 北米ドラマ鑑賞
特技 麻雀
好きなもの 日本酒
https://i.imgur.com/82QxMno.jpg

名前 双海 亜美
年齢 13歳
身長 158cm
体重 42kg
B-W-H 78.0cm/55.0cm/77.0cm
誕生日 5月22日(双子座)
血液型 B型
利き手 右利き
趣味 メール、エコ
特技 モノマネ
好きなもの 遊ぶこと
https://i.imgur.com/u7p5TCW.jpg


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このみ「もう最終回の表、昴ちゃんの打順なのに…あの人、まだなのかしら?」

亜美「このみん、このみん!噂をすれば…だよ♪ホラホラ!」

茜「あれに見ゆるは先程お花を摘みに向かったプロちゃん選手、その手にはキンキンに冷えたペットボトルを人数分…
 炭酸を泡立たせない絶妙な足運びで茜ちゃん達のいるバックネット裏へ走る、走る、走ってぇぇぇ…
 とぉぉぉぉちゃぁぁぁく!!おかえりプロちゃん!」

亜美「飲み物ありがとね。兄ちゃん!
 …ん?スマホ鳴ってる?…亜美の?亜美のだ!もしも~し!
 うんうん。いまサイシューカイの表…だよね、兄ちゃん?…うん、いま表でサイシューカイだよ!
 すばるんはね、いま打席にいて、もうすぐヒット打つところ!」

亜美「…それに応援とかもメッチャスゴくて…聴く?うん、じゃあ後で見せたげるね!
 んっとね~、最初は3番レフトで~、そんで三人目のピッチャーがケガしたかわりに途中…
 たぶん2回か3回か4回くらいからピッチャーになって、ピンチとかチャンスとか満塁がたくさんあって、わずか1失点のカンロクのパーフェクトクッキング!
 今日はチームメートのために、高校野球のカントクが試合見にきてるって言ってて…。
 うん、すばるんの次に打つ人で、ショート守るのがウマくて、あとメガネかけてるからメガネの人って感じの人。
 『アイツのためにも、みんなで勝っていいトコ見せるぞ~!』ってすばるんメッチャ気合い入ってたかんね~」

茜「おおっと昴ちゃん、初球カーブに超反応!!ガツンといい音、これはホームラン間違いなしかぁ~っ!?」

このみ「昴ちゃん、いい打球!…右中間真っ二つ!一塁回って、二…いや、三塁三塁!行け行け~!」

茜「イエーイ!ナイバッチ~!回れ回れぇ~い!」

このみ「今日の最も重要な3番打者を任されたんだもの!これが奮起せずにいられるか、よね!昴ちゃん!」

亜美「いま打ったよ!!2人帰ってきて逆転のタイムスリップツリーベース!!
 うん、もう仕事?じゃあ試合が気になったら、また亜美が教えたげるかんね~♪」

亜美「今の?真美からだよ、兄ちゃん。試合は見に行けないけど、イキリョー飛ばして応援するんだって!」

このみ「わあっ、次も続いた!…打球はセカンド…のファインプレーかぁ~、セカンドゴロで3アウト。
 甘く入った真っ直ぐ、前の打席のタイムリーと同じお手本通りの流し打ちだったけど、惜しかったぁ~」

茜「あとは裏の1点差を守り切れば昴ちゃん達の勝利!茜ちゃん達も頑張って応援しなきゃね!」

亜美「エースで4番の…今日は3番?とにかく、すばるんの腕の見せ所っしょ~!」

亜美「さて、次の相手チーム最後の攻撃は1番からのコウダ・ジュンですが、では解説のこのみちゃん…」

このみ「か、解説…?」

茜「うん、だって野球に詳しそうだし」

このみ「そ、そうは言っても普段は贔屓チームの試合をただ見てるだけで詳しいって程じゃないし、
 詳しさで言ったらあそことかあっちの席で熱心にメモ取ってるその筋っぽい人達の方が…」

茜「その筋ってまさかス、スカ…」

亜美「スカート!?誰の?誰のスカートなの!?」

このみ「亜美ちゃん、それを言うならスカウトでしょ」

茜「昴ちゃん?それともチームの誰かを?スカウトは国内?まさかアメリカから?」

このみ「私に聞かれても、あの人達の考えまではわからないけど、でも…」

亜美「兄ちゃん、兄ちゃん!すばるん達がベンチから出てきたっぽいよ!」

このみ「昨日のライブから休み無しの緊急登板だけど、後はもうひと踏ん張りね。昴ちゃん、頑張って!」

茜「さんぼ、三(者)凡(退)、和三盆だよ昴ちゃん!」

亜美「イケイケー!かっとばせー!す・ば・る・ん!!」

茜「相手の一番バッターが左打席に入り、さあ運命の最終回ウラ、いよいよ始まりました!」

茜「昴ちゃん投手、ショートから飛んできた『締まってこー!』の声にグラブで声の出所を指差し『特に締まってけよー!』とやり返し、キャッチャーとのサイン交換に入ります!」

亜美「すばるん投手、キャッチャーのサインにうなずいて…投げました、第1球!」

茜「バッター、セーフティバントの構えに切り替えるもゾーンの高めにきた球にバットを引きボールの判定!」

亜美「さあ解説のこのみちゃん!この一球、どうでしょうか?」

このみ「あ~、ええと…ピッチャーは表に3塁まで激走したばかりだし、様子見とか何かかしら」

亜美「はてさてゲキソーの疲れはあるのでしょうか!すばるん投手、続く2球目を…投げました!」

茜「変化球にバット出かかりますが見送ってストライク!外いっぱいに決まりました!」

亜美「さすがすばるんのエースナンバー18番!メッチャキレッキレっしょ~!」

このみ「コントロールはもちろんだけど、スライダーの曲がり幅も結構なものよね」

茜「間を置かず3球目…外の真っ直ぐをバットに当てるもこれはファール三塁側!球に力があります。…あるよね?」

このみ「今日の昴ちゃん、緊急登板ゆえに実戦の中で1から肩を作る形になったけど、いい状態に仕上ったんじゃないかしら」

亜美「さてさて、これで1ボール2ストライク。すばるん投手、どう決めに行くか!」

茜「ピッチャー、投げました!バッター外の変化球に泳がされて空振り三振!ナイススライダー!」

このみ「左打者が相手ならアウトコースの出し入れでまだまだ行けそうね」

亜美「いいぞいいぞすばる~ん!残り二人もサクサク行こ~!」

茜「さてさて次のバッターは~?んっ、右打ち…?」

このみ「代打かしら?左打者から右打者に切り替えてきたみたいね」

亜美「今のスーパーすばるんなら右でも左でも真ん中打者が来ようとスバっと六振ぐらいラクショーっしょ~!」

このみ「ま、真ん中打者……スバッと六振……」

茜「ヘイヘイ全米ビビッてる~!イケイケ昴ちゃん!」

このみ「わ、ワールドワイド……」

亜美「いまや全米、いや全ウチューからのホットでカツレツな注目がすばるん投手に集まっております!」

このみ「相手は代打だし、初球の入り方には気を付けて、昴ちゃん!」

茜「サインも決まり…キャッチャーミットめがけて、ピッチャー第1球!」

茜「ややゾーンの外寄りからベース上へと食い込む軌道を見送り、ボールの判定」

亜美「これにはキャッチャーも構えと違うとこに球が来て…少しびっくりしたっぽい?」

このみ「コース自体はストライク気味だけど、キャッチャーの構えとは逆コースに球が行っちゃったかぁ~。
 たまにあるのよね、逆球になった印象だけでボールにされたりとか」

このみ「投げたのは横滑りのスライダー、もしくは曲がりの小さいカットボールかしら。
 抜け球、いわゆる失投で、もしも相手が打ちにいってたら怖い球だったけど、
 あれをインコースのいい所に投げればファールか、打球が前に飛んだとしてもショートゴロになる確率が高いわね」

亜美「ショートゴロ…。なるほど~、勝つのは大事だけど今日はチームメートにとっての大切な試合でもあるんだよね!」

このみ「とは言え、相手チームだってこっちの事情を知っているはずだろうし、バッテリーのショートゴロ狙いを読まれてないといいけど…」

亜美「キャッチャーに一度首を振り、すばるんの…第2球!」

茜「キャッチャーの構えはインコース…バッター打った!打球はショートの右を……抜けてセンター前ヒット!」

このみ「シュート回転して真ん中に入ってきたストレート、打ち返されちゃったかぁ。これがあるから横スラと縦スラの投げ分けは難しいのよね。
 人によってはこの投げ分けでストレート投げる時の腕の振りとか軌道に影響が出やすい場合があるし」

茜「そういえば…昴ちゃんが気持ちいい位キレキレの横スライダーを決めた後のストレートってあんまりいい所に決まってないような…」

亜美「切り替えてこー!切り替えてこーすばるん!ゲッチュー取ろう!ゲッチュー!」

茜「これはよっぽど嬉しいのかバッター、一塁塁上にてベンチとガッツポーズの交換で感情を爆発させております!代走を送られているのにまだ気付いてません!」

亜美「相手スタンドの応援も盛り上がってきちゃった。でも兄ちゃん、亜美達の応援も負けてらんないっしょ~!」

茜「ねえねえこのみちゃん、さっき言ってたその筋の人達がザワついてるけど、あれは何かあったの?」

このみ「…どうやら、その筋の人達のお目当てがネクストサークルに入ったみたいね」

亜美「お目当て?あの体がおっきい人のこと?相手チームの4番でショートだったよね」

亜美「メッチャ打ってたし守備もメチャスゴだったけど…スゴい人なの?」

このみ「あそこの席で慌てて鞄から物を取り出してる日焼けした人は、元プロ選手で今はプロの球団でスカウトをしている人よ。
 あそこの席の日焼けしたおじさんは西日本にあるプロ球団の人で、あっちのあんまり日焼けしてない人も…」

茜「同点のランナー、迎えるは相手チームのクリンナップ。ネクストサークルにはプロ注目の4番…これはまさになんとやら…」

亜美「そんな人が勝つか負けるか…こんな所で打順回るかもなんて、すばるんにとってはまさにラスボスだね…」

このみ「そのラスボスの子にとっては進学先となる高校の監督も見に来てるから、相手チームもこのチャンスをモノしたいと気合い入ってるでしょうね。
 ほら、あそこの席でいまペットボトルのお茶を飲んでるのが確かその監督さんよ」

茜「何か見覚えあるな~、あの人って、確か…」

亜美「あ~っ!!あの人って、メガネの人が試合前に挨拶してた人っぽくない?」

茜「ひょっとして、昴ちゃんのチームのメガネの人と、相手チームのラスボスの人の進学先って、同じだったり…?」

このみ「もちろん。それどころか学年もショートのポジションも、右投げ右打ちなのも同じよ。この試合、二人にとっては高校でのレギュラー争いの前哨戦でもあるのよ!」

亜美「ええ~っ!?高校も一緒なの?だったらなおさらやっつけなきゃダメじゃんすばるん!チームメートのためにも!」

このみ「そのためにも、いま3番バッターの代わりに右打席に入った代打…まず間違いなくサインは送りバントでしょうね。
 この打席で2つアウトを取って試合終了になれば、相手チームの4番の出番はお預けになるけど、さすがにそれは欲張りすぎかしら…」

茜「このみちゃん、亜美ちゃん。大丈夫だよ」

亜美「茜ちん?」

茜「茜ちゃんと、みんなと、プロちゃんと、そして茜ちゃんとで鍛えた昴ちゃんを信じよう…!」

このみ「プロデューサー、私達も気合い入れて応援しましょ!昴ちゃん、頑張れーっ!」

茜「昴ちゃーん!頑張れ行け行けー!アレでもソレでも何でもいいからすごい魔球投げちゃえー!」

亜美「すばるーん!頑張れー!ゲッチュー!ゲッチューだーっ!」

茜「さあ相手は打者をピンチバンターに替えて右打席に入るやバントの構え。ピッチャー、セットポジションから第1球…投げました!」

このみ「ワンバウンドの変化球、バッターギリギリの所でバットを引きボール球を見極めます。おそらく縦のスライダーか?
 ああっと!?一塁ランナー帰塁が遅れている!捕ったキャッチャー一塁に送球!一塁のカバーへ入ったセカンドのタッチは…セーフ!」

亜美「惜しいー!後ちょっとでアウトだったのに~!」

このみ「もしかして緊張してるのかしら。相手の代走の子」

茜「さあカウントは1ボールノーストライク、バッターはバントの構え。第2球…投げた!」
 バッター変化球をバント、ボールは三塁線を…跨いでファール。サードもすごい迫力のチャージ見せたわね」

亜美「もしかして、バッターも緊張してるっぽい?」

このみ「まあ、あり得るでしょうね。この場面なら。
 それにしても変化球を続けるとは、いくら盗塁させにくい状況とはいえキャッチャーは随分と神経の図太い配球するわね」

茜「カウントは…え~1ボール1ストライク、昴ちゃんの第3球…投げました!」

茜「バッター、三度の縦スラに体勢を崩されながらも何とか食らいつきバットに当てた!
 ボールは高く弾んでサードの進路上!キャッチャーは二塁を指示!一塁ランナーのスタートが遅れている!
 猛チャージをかけていたサードが打球へと……」

亜美「うあうあ~!や、ヤバーい!」

茜「と、捕れなぁぁーい!打球はサードの構えたグラブの上!猛チャージがアダとなったかぁ!?
 カバーに入っていたピッチャーがボールを拾い上げ…二塁は間に合わない!
 ピッチャーの一塁送球か!バッターランナーのヘッドスライディングか!どちらが早い!?
 ピッチャーからの二塁側に逸れた送球に精一杯手足を伸ばして捕りに行くファースト!しかし届きそうにな~い!やむなくベースから足を離して捕球します!
 白煙舞う一塁塁上のバッターランナー、ネクストサークルの4番を指差してガッツポーズ!一塁二塁ともにセーフ!」

このみ「う、うわぁ…ここでこのエラーは…」

亜美「次って、確か…」

茜「1アウト一、二塁。バッターは4番…逆転のランナーが出た状態でラスボス、右打席に降臨…」

亜美「周りのスタンドからのカンセーもメッチャ耳にクるし、ラスボスってよりアイドルか何かみたいだね…」

茜「大人びた風格はすでに高三だとか大学生を彷彿とさせ、ひとたびボールがバットに乗ればどこまでも飛ばしてしまいそうなこのボス猫じみた威圧感!
 茜ちゃんたちのいるバックネット裏までプレッシャーがビンビン来ています!」

このみ「相手バッターはこの試合、長打を含む猛打賞級の活躍はしたものの、まだ打点がないのよね。
 対する昴ちゃんチームのメガネの子は犠飛とタイムリーで2打点。
 メガネの子を印象勝ちさせるためにも、出来るならこの打席で勝負して打ち取って試合に勝ちたいわね。
 いまの昴ちゃんにとっては同点も逆転もあり得るピンチだけど、ピッチャー交代の様子は無し。この局面、ベンチは昴ちゃんに任せるみたい」

茜「まあ緊急登板の四番手ピッチャーの代わり探そうにも、この場面で勝負できるリリーフなんて普通は弾切れだよね…」

亜美「ねぇ兄ちゃん、すばるんの所にみんな集まって来てるけど、作戦会議?」

茜「キャッチャーがマウンド集まった内野陣に話をしていますが、解説のこのみちゃん、これはどういった内容なのでしょうか?」

このみ「うーん、あの4番が手強いのはもちろんだけど、次の5番もタイムリーを2つ打ってて結構振れてるのよね…。
 ボールカウント次第では歩かせるのも念頭に、4番5番の2人で1つのアウトを取ろうって話はしてるのかも」

亜美「兄ちゃん、すばるん、大丈夫かな?エラーで気持ち引きずってないかな?」

このみ「立ち位置では打ち合わせに参加してるように見えるけど、気持ちはバッターとの勝負に向かって…向かって行きすぎじゃないかしら、あの顔は」

茜「もともと試合前から意気込みはすごかったのに加えて、自分の送球エラーも挽回しようと鬼気迫ってるね……。
 茜ちゃん、昴ちゃんから火属性とか闇属性みたいなオーラが立ち上ってるの幻視しちゃいそうだよ!」

亜美「ん?誰かが昴ちゃんの帽子を取り上げて…メガネの人…だよね?」

茜「おっと、問題発生か!昴ちゃんから帽子を奪ったメガネの人、キャッチャーを盾にするようにその後ろへ隠れた!
 ちょっと怒り気味のすばるんから“返せ!返せ!”の声が飛びます!」

亜美「ああっと!キャッチャーの頭にすばるんの帽子をかぶせて、取られないよう上からキャッチャーマスクで抑えつけハンバーギング!」

茜「キャッチャーに“何か言え!今何か言え!”とメガネの人。ちゃんとキャッチャーの話を聞かないと帽子は返ってきそうにありません!」

このみ「フフ、今度こそ心から打ち合わせに参加する気になったみたいね。表情も少し柔らくなってる」

茜「内野手四人が肩を組んで何言かをドヤっており、昴ちゃんに呆れられてる様子が見てとれます!
 茜ちゃんの付け焼き刃かつ最上大業物なスーパー読唇術によりメガネの人の発言の一部分、
 『もうバント来ないもん!』の発言をそれとな~く解析成功いたしました事をここにドヤらせて頂きますッ!
 さあプロちゃん、右手と言わず、左手と言わず、両手と真心を使って茜ちゃんのスイートスポットを労う準備はオッケイ?
 あ~もう、絶妙なフェイントで側頭部に奇襲かけるのはナ~シ~!プロちゃんのひねくれ者~!」

このみ「プッ……フフ、確かに。もうバントはしてこないでしょうね。この状況なら」

亜美「六人で好きな人発表会でもしているのでしょうか!?マウンドは笑顔の絶えない打ち合わせのヨーソローをテーしてます」

茜「内野陣が散り、バッテリーが二言三言の打ち合わせをして、キャッチャーも守備位置に戻っていきます」

茜「最後まで残ってたメガネの人が昴ちゃんに声を掛けて…バックネット裏のスタンドを指差し…ひょっとして、茜ちゃん達の所…?」

亜美「あっ、すばるんがこっち見た!おーい!すばる~ん!」

茜「昴ちゃ~ん!茜ちゃんが応援してるぞ~!宝船に乗ったつもりで、ど~んと、練習の成果みせてやれ~い!」

このみ「プロデューサー!昴ちゃんにとって大切なこの局面。私達の応援の声、精一杯届けましょう!」

このみ「頑張れー!昴ちゃ~ん!いい球行ってるぞー!自信持って行こー!」

ちょっと席外します、今日の深夜頃に再開予定

茜「さーあ試合の勝敗分かつ運命の打席、1アウト1塁2塁。その火蓋が切って落とされました!
 ゆっくりと、サインが決まり、セットに入ったピッチャーの第1球は…キャッチャー外…から内に構えを変え、投げました!」

茜「インサイド、キャッチャーの構えより高めに浮いたストレート!バッター見送ってボール!」

亜美「ねえねえこのみん?あのラスボスの人、あんなにバット短く持ってたっけ?」

このみ「…言われてみれば、確かに。この打席、何かが変だと思ってたけどバットかぁ。
 今日あの子が昴ちゃんから打ったヒットはどれもスライダーだし、ストレートにヤマを張ってるのはわかるけど…。
 う~ん、でもまだ何か違和感…今の1球目の反応が、まだ何か気になるのよね~」

茜「ピッチャーにボールが返球され、キャッチャーからサインが出ていますが解説のこのみちゃん、次の配球はどうなるのでしょうか?」

このみ「まず決め球から逆算していくなら…追い込んだ後には右打者の内角への空振りの取れる縦スライダーで勝負するはず。
 …って言っちゃったけど、そういえば前の打席では完全に決まったと思えたコースを二塁打にされ、その更に前の打席では浮いた失投を打たれてるのは悩み所ね」

茜「などと言ってる内にバッテリーのサインは決まりカウントはボール先行の1ボール0ストライク。ピッチャー、セットから…投げました!
 バッター、内角低めのストレートを打つも自打球になったか、ファールです!右の脛でしょうか」

このみ「ああ~っ!わかった!」

亜美「ど、どうしたのこのみん」

このみ「ピッチャーの立ち位置よ!立ち位置!」

茜「立ち位置?」

このみ「ほら、昴ちゃんとピッチャープレートの位置を見て!確かこの打席に入るまでは一塁側に近い位置を踏んでたのが…
 ほら、今は違う!三塁側に寄ってるのよ!」

亜美「そうすると何かイイコトあるの?」

このみ「今までがプレートの一塁側に立っていたんだから、それが逆側に寄ったのなら、
 ほんの数十cmの違いでもその長さの分だけボールを投げる指とキャッチャーミットとの距離は短くなるわよね?」

亜美「うん、何となくなら…わかるかなぁ、定規とかあったらもっと分かるのかも。たぶん誰も持ってないけど」

このみ「時速3桁kmで飛んでくるボールを打ち返そうとする右打者の一瞬にとって、その数十cmの差はきっと私達観客が考える以上に大きいはずよ」

茜「ラスボス選手、自打球の痛みも引いたようですね。バッターボックスで構えを取り直しプレイ再開です」

このみ「昴ちゃんも思い切った事するけど、それを察知してバットを短く持って、2球目でバットに当ててファールに出来る相手の勝負勘もすごいわね」

茜「昴ちゃんがキャッチャーのサインに頷き、第3球…投げました!
 おっと、これは変化球でしょうか。緩い球が高めに大きく外れました。
 …ん?今の球、何か…何だっけ?今度は茜ちゃんが違和感のような、違和感じゃないような、こう…何だろう…?」

このみ「変化球の抜け球みたいね…プレート位置を変えた影響か、今までにない軌道だし、緊張したのかしら」

亜美「亜美も何か、…何だっけ?うあうあ~!気になるけど試合も気になるよ~!」

このみ「これでカウントはボール1つ先行。相手は甘い球なら積極的に強振するだろうし、3ボールになれば敬遠も視野に入るカウントよ」

茜「それをわかってか、対峙する二人をお互いのチームメートが鼓舞する声が大きくなります!
 泣いても笑ってもここがクライマックス!状況は1アウト一塁二塁、2ボール1ストライク。頑張れ昴ちゃん!」

茜「キャッチャー、配球を考えているのでしょうか、やや俯いて、大きくひと呼吸。顔を上げ、マウンドのピッチャーを見つめます。
 ピッチャーの何やら決心のこもったかのような頷きを見て、キャッチャー右手でミットをひと叩き。ピッチャーにサインを出します」

このみ「こうなったらバッターとの駆け引きよりも、いかにして昴ちゃんに最高のまっすぐを投げさせるか…」

茜「ピッチャー、大きく息をつき、ゆっくりと頷きます。
 まっすぐ、キャッチャーの構えたミットを見据えて、ピッチャー…投球動作に入ります。
 上げた足を力強く踏み出し、運命の一球が、鋭く振り抜いた左腕、そして指先から…今、放たれましたー!」

このみ「カ、カーブ!?まさか!」

茜「ボールはカーブのような弧を描きキャッチャーの構えたミットへと沈み込む!
 ストラァーイクッ!
 バッター、変化球にピクリと反応するも手が出ません!会心の一球にキャッチャーもガッツポーズを見せます!」

亜美「茜ちん、兄ちゃん、このみん!今のスライダーってもしかして…!?」

茜「練習の成果、ここで見せてくるとはね。亜美ちゃん!」

このみ「スライダー、練習…。そっか、レッスンの合間に…やってたわね、練習。遊び半分かと思ってたけれど、こんなに早く実戦で使うとは…」

茜「すっぽ抜けたスライダーのような投げ始めにやや上方へ膨らむ軌道から、バッターの手元近くでストーンと沈み込む昴ちゃんの新しいスライダー!たまらずバッター打席を外します」

このみ「でもやっぱりこれ、カーブよね…?」

亜美「投げてるすばるんがスライダーと言えば、それはスライダーなのだよ、このみん!」

このみ「そ、そうかなぁ…?まあ、スライダー狙いのバッターには効き目ありそうだし…今の動きで相手がスライダー狙いだったのはわかったけど」

このみ「サイン出す側のキャッチャーが軽率にガッツポーズで感情見せるのはちょっと危なっかしいわね。そういうのはアウトにしてからにしないと」

茜「さあこれで2ボール2ストライクの平行カウント!決着まであと1ストライク!」

このみ「昴ちゃんにはボールカウント1つ分の有利があるけど、打席にいる4番の子だってチームメートが自分をヒーローにするために頑張っていたのは分かってるはず。相手も食らいついてくるわよ~」

亜美「相手にとっては、ラスボスの人がサヨナラタイムリー打つのがイチバンカッコいい終わり方だもんね」

茜「しかしピッチャーには相手がまだ目慣れしてないであろう新球種があります!さあ勝利の女神はどちらに微笑んで抱きついて胴上げしてお嫁さんなって終生添い遂げてくれるのか。決着は近いぞ!」

このみ「そのカー、いやスライダー。決まったコース自体は真ん中だったのが少し怖いわね。
 2ストライクから投げるなら、もっと落とすか際どいコースを狙わないと。
 でも覚えたての新球種でそういう微調整は…キャッチャーのガッツポーズを見るにそれをできる段階なのかどうか微妙なところね」

亜美「あと一球、ストライク一個!頑張れ!すばるん!」

茜「永吉投手、上げた右足を大~きく踏み出し、己の全身全霊を指先からボールへと結集させ、第5球…投げました!」

このみ「…!」

茜「ストレートッ!渾身のインコース低めッ!
 ファールとなった打球がバックネットに…その遥か上を飛び越えて…茜ちゃん達の横の列に落ちてきました。相手も渾身のフルスイングでやり返します!」

このみ「カーブの後の緩急差、効いてはいるものの、それでもしっかり振り抜いて当ててくるのは油断ならないわよ、昴ちゃん。頑張って!」

茜「カウントは依然2ボール2ストライク。3ボールになれば実質上の敬遠もあり得る状況。
 永吉投手の第6球目、緊張の一瞬、セットから再び…己の持てる全力全開をふり絞り…。
 大事な大事なたった1つのアウトのために、キャッチャーのミットめがけて、投げました!」

亜美「全速力、直球勝負だ!いっけぇー!!」

茜「三振ンンンンンーッ!!!!!外角高め、ノビ上がるようなピッチャーのストレート! 
 バッターのスイングは空を切りましたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

亜美「勝ったぁぁぁ~!!!ラスボス撃破~♪」

このみ「まだ試合に勝ってはいないけど、ひとつの山場は越えたわね。昴ちゃんのあのカー…じゃなくてスライダー、スゴい効き目よ!」

茜「スライダーもいい球でしたが、決着はまさかの直球を続けての力押しとは意外でしたね~」

このみ「いいスライダーを投げるピッチャーは、得てしてストレートも同じかそれ以上にいい球を投げられるものよ」

茜「バッター、打席からの去り際に、マウンド上のピッチャーを一瞥し、悔しさを心に刻み付けたのでしょうか、ベンチへと…
 あ、いえネクストサークルの5番バッターの方へと歩みを進めています」

亜美「何か話してるけど手で口を隠してて何話してるのかわかんないね。恥ずかしがりなお年頃ですかな~?」

このみ「左腕でボールを投げる動きを見せて自分の左手を指差すジェスチャー…?何の意味かしら」

亜美「まさか、すばるんのピッキングのクセ、だったり…?」

このみ「う~ん、口元を手で隠す用心深さがあるのに、ジェスチャー通りの発言しているとも思えないのよねぇ。
 バッテリーを撹乱するためのブラフ…?仮に癖があるとしたら、指差した箇所とは違う部分かしら?」

茜「話を終え、5番バッターに後を託し…おや、何かフォームに気になる所があるのか、素振りをしながらベンチへ戻っています」

亜美「あ、ベンチの人達に呼ばれてる。“急げ、急げ”って」

茜「それに気づいたラスボス選手、駆けて戻って行き、ベンチでグラブとボールを受け取り…」

亜美「キャッチボール始めちゃった…な、何で?」

茜「まさかの捕手を座らせての投球練習にスタンドの観衆もザワついています!」

亜美「このみん、このみん、あのラスボスの人、ピッチャーとして投げるってこと?」

このみ「昴ちゃんとの対決前にも肩を作ってたし、この回、同点に追い付いて延長に入ったなら登板のタイミングでしょうね」

このみ「ピッチャーとしても速い球を投げるとは聞いたことがあるし、何よりこれで相手チームが勇気づくかもしれないわね…」

茜「そしてこちらも何かマウンド上で話し込んでいた昴ちゃんとそのキャッチャーのバッテリー。
 その内容はネクストサークルでの4番と5番の話していた様子についてでしょうか。今、キャッチャーが本塁方向へ戻って行きます」

このみ「打席の5番バッターも油断ならない相手よ。スイングや選球眼は荒削りだけど当たれば飛ばせるパワーを持っているわ」

茜「今日はタイムリー2本の大活躍を見せております」

このみ「4番のマークがきつくなった分、今日はこっちの子がノビノビやれてるみたいね」

亜美「しかし、いまノビノビやらせてしまうとサヨナラだったり、延長に突入してしまいます!」

茜「勝利の神様はどのチームに微笑むのか!?
 ピッチャー…セットから足を上げ…投げました!」

茜「強烈ッ!打ちました!引っ張った打球はレフト方向!打球の行方は三塁線を…切れましたファール!」

このみ「打ったのはさっきのカー…じゃなくて新しいスライダーかしら。
 甘く入ったとは言え、今日が初見せにしては合いすぎてるわね」

亜美「まさか…」

このみ「覚えたての球種だし、何か癖があっても不思議じゃないわ。それに打席へ入る前にあのラスボスの子と話してた内容も、もしかしたら…」

亜美「せっかく新しい球種覚えたのに、相手には癖がバレバレっぽいってこと…?」

このみ「本当かはわからないけど、いきなりあの当たりを打たれたらあの球種は投げにくいでしょうね」

茜「いずれにせよこれでカウントは0ボール1ストライク。勝利まではストライク2つとなりました!
 キャッチャーとのサイン交換も終わり、ピッチャー、セットから…投げました!」

茜「おっと、これは大きく外れました。バッター足を引いて避けます。ボールは足元近くでワンバウンド!ランナーに動きはありません」

このみ「変化球の引っ掛けた失投ね。今のはキャッチャーがよく止めたわ」

亜美「…ん?すばるん、首かしげてるっぽい?」

茜「それを見たキャッチャー、タイムを要求しマウンドに向かいます」

このみ「怪我では…なさそうね。キャッチャーがベンチに向けて両手で丸を作ってるし」

茜「今日一番の入念さでしょうか、時間をかけた打合せを終え、キャッチャーミットでポンと昴ちゃんの肩を叩いて戻っていきます」

亜美「どんな話し合いをしたのかな?」

このみ「う~ん、話し合い。この状況だと…う~ん。あっ…昴ちゃん、今度はプレートの一塁側に足を戻してるわね。
 次が左打者だから、あるいは満塁策も視野に入れて、今のうちに一塁側で投げる感覚を戻したいとか、そういう意図かしら」

茜「カウントは1ボール1ストライク。キャッチャーは両手を広げ、ストライクゾーンの横幅広く使っていこうのジェスチャー。
 アウトコースに構えます。ピッチャー第3球を投げました!」

茜「構えとは逆、真ん中寄り低めのスライダー、ボールです。これで2ボール」

このみ「たぶん投げたのは横滑りのスライダー。球の曲がりは悪くない、うん。
 ただ、おそらく次の左打者を相手するために捕手と相談して一塁側に寄ったのに、投球練習を兼ねてるはずのボール球が真ん中に寄るのは怖いわね…」

亜美「あ、代打…。兄ちゃん、このみん、茜ちん。代打、出てる…」

茜「なんと!ネクストサークルには左打者ではなく右打者の姿が!相手チームは次の左打者の所に代打を出すようです!」

このみ「あ…策が、完全に裏目った…」

茜「現在カウントは2ボール1ストライク。
 キャッチャーがインコースに構えたその更に後方、ネクストサークルで素振りをする右打者の姿はおそらピッチャーの目に入っているでしょう!
 セットから、次の1球を…投げました!」

茜「打った!フルスイング!痛烈ゥゥゥ~ッ!真ん中のストレート、三遊間!」

茜「…しかしショートの横っ飛び!球足が速く肩ほど高く弾んだゴロ!
 止めた!ボールはグラブの中か!すばやく二塁送球!一塁ランナー、二塁へ滑り込む!セカンドの捕球!
 どちらが早いか…?塁審の判定は…?」

茜「ランナー、フォースアウト!!アウトッ!!ゲームセットッ!アウトォォッ!!!!!」

亜美「か、勝った!?勝った!!勝った!!!すばるん!やった~!!!」

茜「いやっほぉぉぉぉぉう!!
 チームメート達がファインプレーで試合を締めたショートを労って、勝利の喜びを分かち合いながら整列のために本塁付近のエリアへ駆けていきます」

亜美「このみん、もう目をあけて大丈夫だよ」

このみ「か、勝った…のよね亜美ちゃん?はぁ~、よかったぁ~。
 普段野球を見る分には問題なかったのに、身内にああいう瞬間が訪れると自然に目が閉じちゃうなんてね…」

茜「両チーム、スタンド各所への一礼を終えて、ベンチで帰り支度を整えております。
 では、御三方は今日の試合、どのようにご覧になりましたか?」

亜美「いやぁ~、スタンドの応援がスゴいからサツエーして真美に見せようと思ったのですが、そんなのウッカリ忘れちゃうくらいメチャスゴな試合でしたなぁ~」

このみ「序盤はどうなる事かと思ったけど、昴ちゃん達や相手チームの諦めない姿勢がこの試合を素晴らしいもの変えたわね。
 特に最終回の攻防は手に汗握る展開だったわ!」

亜美「ん…?誰かのスマホ鳴ってる?この音…兄ちゃんのだよね?」

茜「昴ちゃんからプロちゃんに連絡かにゃ?何て言ってたの?
 ふむふむ、『今からこっちに行く』…とな!?」

このみ「噂をすれば何とやらね。メガネの子とラスボスの子と、連れ立ってスタンドまで来たみたい。おーい!昴ちゃ~ん!」

茜「三人でスマホ持って何やら話してるのは連絡先の交換でもしているのでしょうか。微笑ましい光景ですね」

亜美「試合は敵でも終れば野球好きのドーシ。ジェ(The)・ノーサイド(Noside)の精神、素晴らしいですなぁ!」

茜「茜ちゃん達の方へ向かう昴ちゃんとは別れ、ラスボスの人とメガネの人の二人は来年からシゴいてシゴかれまくるであろう高校の監督が座る席へと歩みを進めております!
 監督も今日の試合内容に満足したのか、ラスボスの人に、続いてメガネの人に声をかけ肩をポンポン叩いて労います!」

亜美「すばる~ん!試合、お疲れ~~!イエィ!
 さすが亜美のライバル、いい野球してたぞっ!誉めて遣わそう!!!」

茜「え~、放送席~放送席~。本日のヒーロー、永吉昴ちゃん投手にお越しいただ…
 …って、うにゃあ~!繊細な茜ちゃんをそんなにくしゃくしゃにしたらヒーローインタビューにならないよ、もう!
 そんな今日のMVP昴ちゃんのために、茜ちゃん人形1年分を進呈いたしましょう!」

このみ「昴ちゃん、お疲れ様!とってもいい試合見せてもらったわ!ありがとう!
 あっ、顔の所、土ついてるわね。ちょっと待ってて、土払うから…はい、もう大丈夫!」

このみ「さあ、プロデューサーも頑張った昴ちゃんを何か言葉で労ってあげましょう?」

昴「プロデューサー!」



昴「 」

以上でおしまいです。遅くなりましたがすばるん誕生日おめでとう!

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