穂乃果「海未ちゃんの中学のポエムが未来予言になってる」 (224)

μ’s解散後の春休みからスタートです


園田家-

海未「それじゃあ、私は用があるので少し出てきますが、穂乃果はちゃんと宿題やっていてくださいね」

穂乃果「…はぁーい」

海未「なんですか!その間延びした返事は!もう穂乃果も高校三年生なんですから、そろそろ自立して…」

穂乃果「あーもう!分かったよ!海未ちゃん!ちゃんとやるから!」

海未「はぁ…ほんと頼みますよ?」

穂乃果「おっけーおっけー任せてー!」

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海未「じゃあ、私は行きますね。30分ほどしたら戻ってきますので」

ガチャ バタン…

穂乃果(…)

穂乃果(やるとは言ったものの、やる気でないなぁ~…)

穂乃果(なんか面白いもの無いかな…)ガサゴソ

穂乃果(んー…海未ちゃんの部屋、何もないからなぁ~)ガサゴソ

穂乃果(ん?なんだろ、これ…)

穂乃果(ノートかな…沢山ある)

穂乃果(紐で厳重に縛られてるなぁ…)

穂乃果「…」

穂乃果「もしかして…これ…」

穂乃果 スルルルルルル…

穂乃果「あっ!やっぱり!」

穂乃果(これ、海未ちゃんの中学の時のポエム帳だ!)

穂乃果(面白いもの見つけたぞー…!)ワクワク

穂乃果(んー…この「未来の私へ」って言うのを読むのは、さすがに悪いかな…)

穂乃果(他のでー……ん?…この一冊だけビニールに入れられてる…)

穂乃果(み…らい…ノート…?)

穂乃果(まーいいや、とりあえずこれから読んでみるかな!)

穂乃果(えーと…)



第1章「希望」


ひとつのほのかな光に導かれ、二つの光が集まるだろう

やがて光は輝きを求め、一つの旋律を奏でる
現実は残酷に語りかける
光を絶やしてはいけない
きっと未来は輝くはずだから


穂乃果(…)

穂乃果(何書いてんだろ…海未ちゃん…)

穂乃果(なんだか海未ちゃんの精神状態が心配になってきたよ…)

穂乃果(続きは…)



新たに光が加わり、輝きを増しながら加速するだろう
妬み邪魔する者が現れ、立ち塞がるだろう
拒む事は勧めない
理解し、受け入れよう
大事な光の一つなのだから

穂乃果(意味が分からない…)

穂乃果(光ってなんだろ…なにかの喩えかな?)



7つとなった光は、碧眼の少女に接近する
占い師に導かれ、光は完成するだろう

9つの光は迷わない
進む未来は明るく輝く
しかし情熱を傾けすぎてはいけない
無我夢中になってはいけない
それは、きっと災いを引き起こすから

穂乃果(9つの光…)

穂乃果(災いってなんだろ…)



大切な光がひとつ欠けて
少女は笑わなくなるだろう
救いの手は優しく語る
始まりの場所で

穂乃果(救いの手…か…)

穂乃果(私も海未ちゃんに救われたなぁ…)

穂乃果(あの講堂で…)

穂乃果(…)

穂乃果(…ん!?)

穂乃果(待って…こ…これって…)ペラペラペラ

穂乃果「やがて光は輝きを求め、一つの旋律を奏でる…」

穂乃果「これは…ファーストライブ…」

穂乃果「新たに光が加わり、輝きを増しながら加速するだろう…」

穂乃果「これは…真姫ちゃん凛ちゃん花陽ちゃんが入った時の…」

穂乃果「妬み邪魔する者が現れ、立ち塞がるだろう…」

穂乃果「これは…にこちゃん…」

穂乃果「碧眼の少女に接近する…占い師に導かれ…」

穂乃果「これは…絵里ちゃんと希ちゃん…」

穂乃果「…だよね?」

穂乃果「…」

穂乃果「つ…続き…は…」



再び光は輝くだろう
新たに志を掲げるのが良い
高い志なら、なおさら良いはずだ
ひとつとなった光に不可能はないのだから

穂乃果「これは…ことりちゃんを連れ戻した後の…」

穂乃果「志ってのは…廃校阻止した後だからかな…」

穂乃果「…」

穂乃果「じゃ…じゃあ…このポエム帳って…未来を予言してたって事…!?」

穂乃果「…」

穂乃果「ま…まっさかぁ~…」

穂乃果「…」

穂乃果「…つっ続き…!」

海未「ただいま帰りました」ガチャ

穂乃果「あっ!やばい…!海未ちゃん帰ってきた…!」

穂乃果「か…片付けないと…!」ガサゴソ

海未 タッタッタッ…

穂乃果(階段登ってきてる…!急がないと…!)ガサゴソ

海未「穂乃果ー、今帰りましたよー」ガチャ

穂乃果「おっ…おっつかれー!海未ちゃん!」

海未「…」

穂乃果「…」ドキドキ

海未「…」ジトォ…

穂乃果「…」ドキドキ

海未「…」ジトォー…

穂乃果(な…なんで黙ってるの…??もしかして…バレた…!?)ドキドキ

海未「穂乃果…」ジトォ

穂乃果「は…はいいぃっ!」

海未「あなた…勉強してなかったでしょ」

穂乃果「ご…ごめんなさいぃぃー…って…あれ?」

海未「あれ?じゃありません!あれほど勉強しろと言ったのに!あなたという人は~~」

穂乃果(良かった…ノートの事はバレてなかったみたい…)

海未「~~~っ!!」

穂乃果(でも…あのノート本当になんだったんだろう…)

海未「~~~~っっ!!」

穂乃果(まだ、続きあったよね…気になるなぁ…)

海未「穂乃果!」

穂乃果「わっ…!は、はいっ!」

海未「あなた聞いてなかったでしょ!全く、あなたという人は~~」

穂乃果(こ…これは長くなりそうだ…)

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次の日 園田家-


海未「足利義尚と足利義視が~」

穂乃果(ノートの続き気になるなぁ~)

海未「東軍は畠山義就で~」

穂乃果(問題はどうやって一人になるかだね…)

海未「その父が畠山持国で~」

穂乃果(…そうだっ!)

穂乃果「う…海未ちゃん…!」

海未「?、なんですか穂乃果」

穂乃果「わ…わたし一人の方が集中できるよっ…!!」

海未「…!」

海未「…」ジィー

穂乃果(うっ…これは完全に疑われてる…)

穂乃果「ほ、本当だよ!?ほら、穂乃果って意外と集中力発揮する時は発揮するでしょ!今、一人になればその集中力が発揮できそうなんだよ!」

海未「……本当ですか…?」

穂乃果「うん!信じて…!」

海未「…」

海未「はぁ…じゃあ、私は30分程だけ隣の部屋にいますね。そしたらまた戻ってきますので」

穂乃果「分かったよ!行ってらっしゃーい!」フリフリ

海未「やってなかったら怒りますからね…」ガチャ パタン!

穂乃果(い…行ったか…)

穂乃果(よーし!じゃあ、さっそく読もーとっ!)ガサゴソ

穂乃果(えーっと…昨日の続きはー…)ペラペラ

穂乃果(ここからだ…!)



第2章「栄光」


輝きの場が与えられ、光は高みを目指すだろう
翠眼の少女は交渉を持ちかける
輝きを異にするもう一つの光は高く君臨する
超えなければならない
その先に目指すものがあるのなら

穂乃果(うん…この翠眼の少女ってのは、ツバサさんだよね…)

穂乃果(やっぱり、これ未来の予言になってるんだ…)

穂乃果(海未ちゃんは分かってるのかな…?)

穂乃果(続きは…)



ひとつだった光はゆらぐ
焦ってはいけない
ゆらぎは強さに繋がるから

穂乃果(ゆらぎ…?)

穂乃果(にこちゃんとか凛ちゃん、希ちゃんの事かな…?)

穂乃果(確かに…私達はあのおかげで、より一つになれたよね…)



空から祝福が降る
祝福は障壁に変わり、三つの光を苦しめるだろう
支える手は多いはずだ
君達は一人じゃない


穂乃果(これは、snow halationの時の事かな…)

穂乃果(あの時はみんなに助けられたなぁ…)

美しい旋律は愛を語る
この頃には、終わりが近づくだろう
悲観してはいけない
前を向くしかないのだから

穂乃果(……)

穂乃果(これは、卒業が近づいてきた時の……)



止まる事を知らない時間は決断を迫るだろう
答えは、二つの間で揺れるはずだ
決して自分達を見失ってはいけない
そうすれば、おのずと答えは見つかるはずだから


穂乃果(うん…私達はちゃんと決断したよ…)



終わりゆく時間を楽しもう
寂しい事はないはずだ
最後の旋律を奏でよう
全てを祝福し、夢に唄おう

穂乃果(…ラストライブ…)ウルッ

穂乃果(つ…続きっ…)



第3章「喜び」


もう君達は君達だけのものじゃないのだ
向き合わなければいけない
期待は大きいだろう

穂乃果(そうだよね…この時はファンの人から期待されて…)



再び決断を迫られる時
光の輝きは、より一層強くなるだろう
迷う必要はないはずだ
いつだって君達は君達らしくいればいいのだから

全ての人に感謝しよう
唄で伝えるのが良い
光は全てを巻き込み最高の輝きを迎えるだろう

最期の時、君達は立ち戻るだろう
他の何もいらないはずだ
ただ、この瞬間を楽しもう
僕たちはひとつの光なのだから

穂乃果(…)ウルウル

穂乃果(…思い出したら泣けてきたよ…)ポロポロ

穂乃果(うぅ…三年生のみんな元気かなぁ…)

穂乃果(…)

穂乃果(まだ続きがある…)

穂乃果(もう、現実に追いついたよね…??)

穂乃果(じゃ…じゃあ…この先って…)ペラ



第4章「異変」


またここから始めよう
光は立ち止まる事を知らない
残る光が六つになろうとも

穂乃果(…異変?)

穂乃果(どういう事だろう…)



光の向かう先は暗闇だろう
過去は重くのしかかるだろう
それでも立ち止まってはいけない
君達はもう分かっているはずだ
未来は諦めない者だけが開ける事を

穂乃果(え…?)

穂乃果(暗闇…?)

穂乃果(過去が重くのしかかる…?)

穂乃果(それって、前回大会優勝してる事のプレッシャーかな…?)

穂乃果(穂乃果、別にそういうの無いけど…他のみんなは感じてるのかな…?)



高嶺の花が散って
残された光は悲しみに暮れるだろう
光はやがて輝きを失い
未来はその扉を閉ざすだろう

穂乃果(え…?)

穂乃果(高嶺の花…って…)

海未「ほのかー、開けますよー」

穂乃果「わっ!わわわ!ちょ、ちょっと、待って海未ちゃんっ!!」ガサガサ

海未「?」

穂乃果(やばい…!やばい…!)ガサガサ

海未「開けますよ?」ガチャ

穂乃果「や、やっほー!海未ちゃん!」

海未「なんですか、それ…」

穂乃果「いやー!勉強張り切っちゃって!さーて勉強!勉強!」

海未「本当にやってたんですか?」スッ

穂乃果「あっ…」

海未「…全然進んでないように見えるのですが…」ゴゴゴゴゴゴゴ…

穂乃果「あ…あははー…」

海未「穂乃果…覚悟はできていますね…」ゴゴゴゴゴゴゴ…

穂乃果「…ご、ご勘弁を…」

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春休み終了 初登校日-


ことり「おはよー!穂乃果ちゃん!」

穂乃果「おはよぉー…ことりちゃん…」

ことり「あれ?穂乃果ちゃん、元気ない?大丈夫?」

穂乃果「うん…昨日、徹夜で海未ちゃんに宿題と始業式のスピーチやらされて…」

海未「穂乃果が悪いんです!」

穂乃果「うぅ…」

ことり「あはは…」

穂乃果(…結局、あの日以来、海未ちゃんの監視が厳しくて、ノート見れなかった…)

穂乃果(なんだろう…高嶺の花って…)

穂乃果(未来が閉ざすとかもあったけど…)

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放課後-


穂乃果「よぉーし!部活行くぞー!!」

ことり「穂乃果ちゃん、元気になったね!」

穂乃果「うん!始業式寝てたからね!」

海未「はぁ…まあ、スピーチはちゃんとやってたのでいいですが…」

モブ「あ!穂乃果、今から部活?頑張ってね!」

穂乃果「うん!ありがとうー!頑張るね!」

モブ「あれ?μ’sってもう解散したんじゃないの?」

ことり「あ、μ’sは解散したんだけど、私達は私達でまだスクールアイドルは続けるよ」

モブ「おぉ~!じゃあ、また優勝狙っちゃう感じ?」

モブ「当たり前でしょ!前回大会覇者なんだから!今でもμ’sの人気はすごいのよ!」

モブ「なんで、あんたが答えんのよ!」

モブ達「「「あはははははは!!」」」

穂乃果「あはは…」

ヒデコ「すごい期待だね…」

ことり「うん…ちょっとプレッシャーだね…」

フミコ「あんまり気負いしなくていいんだよ?」

海未「はい…ですが、期待に答えたくもあります…」

ミカ「まー、何があっても私達は穂乃果達のファンだからね!安心して!」

穂乃果「ありがとう!3人とも!私達頑張るね!」

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屋上-


凛「はぁー…人気者は辛いにゃ…」

花陽「新入生のみんな、すごかったね…」

真姫「えぇ…にこちゃんがいたら、大喜びしそう」

ことり「真姫ちゃん達も?私達も大変だったよー…新入生に囲まれちゃって…」

真姫「そう、ところで海未は?さっきからいないけど…」

穂乃果「海未ちゃんは、新入生に見つからないように隠れながら来てるから、遅くなるよ」

凛「なんにゃ、それ…」

穂乃果「海未ちゃん、まだ来ないし、先にストレッチだけやっとこうか!」

花陽「そうだね…!じゃあ…凛ちゃん!」

凛「うん!それじゃあ、ストレッチを~…はっじめっるにゃー!」

穂乃果「おぉー!新リーダー!頼りになるね!」

海未「えぇ…前任の方よりずっと頼りになりそうです…」ガチャ…

穂乃果「おお!海未ちゃん、やっと来た!」

亜里沙「私も来ました!」

ことり「わぁ~…亜里沙ちゃん、制服似合ってるねぇ~」

亜里沙「ありがとうございます!」

海未「亜里沙には見つかってしまいました…」

亜里沙「海未さんの行動は私、読めます!」

海未「えぇ…私、そんな単純でしょうか…?」

雪穂「いや、海未ちゃんは単純でしょ」

穂乃果「あー!雪穂!今から練習?」

雪穂「うん、早い方がいいからね」

雪穂「さ、亜里沙行こ」スタスタスタ

亜里沙「あっ…雪穂ー待ってー!」タッタッタッ

穂乃果「頑張ってね~」フリフリ

花陽「そっか、亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんもスクールアイドルやるんだね」

真姫「そうね、これからはライバルね」

海未「本当に良かったんですか?一緒にやらなくて…」

穂乃果「うん…。二人が自分たちで考えて決めた事だから…私達がどうこう言える事じゃないよ」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「あーでも、二人と一緒に踊ったり歌ったりもしてみたかったなー!」

真姫「言ってもしょうがないでしょ、さっ練習はじめましょ」

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凛「じゃあ、ちょっと休憩にするにゃ!」

穂乃果「ふぃー…疲れたよーことりちゃーん…」

ことり「私もー…」

真姫「あっ、私、今日はここで帰っていい?ちょっと用事があるんだけど…」

海未「用事ですか?分かりました、気をつけて帰ってくださいね」

真姫「ありがと、また明日ね」

凛「真姫ちゃん、またねー!」フリフリ

真姫「はいはい、またね」ガチャ

穂乃果(…)ザワ…

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高嶺の花が散って
残された光は悲しみに暮れるだろう
光はやがて輝きを失い
未来はその扉を閉ざすだろう

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穂乃果(…)ザワザワ…

穂乃果(なんで今こんな事思い出すんだろ…)ザワザワ…

穂乃果(何か…)

穂乃果(何か…大切な何かに気づけてない気がする…)

穂乃果(高嶺の花…)

穂乃果(花が…散る…)

穂乃果(…)

穂乃果(…!?)

穂乃果(ま…待って…)ドキドキ…

凛「よーし!それじゃあ、練習再開するにゃ!」

穂乃果(高嶺の花って…)ドキドキドキ…

ことり「うん!さっ、穂乃果ちゃんも行こ!」

穂乃果(花が散るって…)ドキドキドキドキ…

ことり「…穂乃果ちゃん?」

穂乃果「…!」スクッ!

ことり「え…?ど、どうしたの?穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ごめん!ことりちゃん!私行かなきゃ…!」タッタッタッ ガチャ!

ことり「…え?えぇ~??」

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穂乃果(もし…)

穂乃果(もしも…高嶺の花ってのが真姫ちゃんで…)タッタッタッ

穂乃果(花が散るってのが、何か真姫ちゃんを失うような事を意味してるとしたら…)タッタッタッ

穂乃果(…)タッタッタッ…

穂乃果(い…急がなきゃ…!!)タッ!

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正門-


真姫「…」

信号 アオダヨッ!

真姫「…」スッ

トラック ゴオオオオオッッ!!

真姫「…」トコトコ

トラック運転手「zzz…」

トラック ゴオオオオオオッッッ!!!

真姫「…」トコトコ

トラック ゴオオオオオオオオオッッッッッ!!!!!

真姫「…え?」

穂乃果「真姫ちゃああああああんっっ!!!」ガハッ!

真姫「え!?」

真姫「きゃ…!」

トラック ゴオオオオオオオオオッッッッッ………

真姫「い…いたた…」

穂乃果「危なかった…」

真姫「ほ…穂乃果?どうしてここに…」

穂乃果「いや、真姫ちゃんが死んじゃうと思って…」

真姫「え?何でそんな事が分かるのよ…」

穂乃果「あっ…」

穂乃果「あー…」

穂乃果「えっと………勘?」

真姫「勘って…」

真姫「はぁ…まぁ、でもありがとね。穂乃果が来てなかったら、本当に死んでたかも…」

穂乃果「真姫ちゃん…」

真姫「全く…穂乃果には助けられてばかりね」

穂乃果「え?私、他に真姫ちゃん助けた事あったっけ?」

真姫「なんでもないわ。それより穂乃果、あなた練習は?」

穂乃果「あっ!勝手に抜けてきちゃったんだった!やばい…海未ちゃんに怒られる…」ガクガク…

穂乃果「ごめん、真姫ちゃん!私、練習行くね!また明日!」タッタッタッ

真姫「はぁ…忙しい人ね…」

真姫「でも、本当になんで分かったのかしら…」

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練習終了後-


穂乃果(そういえば、私、ノートの未来変えちゃったけど、どうなったんだろ…)

穂乃果(確か、その後は未来が閉ざすとかあったよね?)

穂乃果(…き、気になる…!)

穂乃果(どうにかして、海未ちゃんの家行けないかな…)

穂乃果(うーん…)

穂乃果(久しぶりにお泊まりに誘ってみようかな…)

穂乃果「海未ちゃーん、今日、海未ちゃんの家泊まりに行ってもいい?」

海未「今日ですか?いいですけど、突然ですね」

穂乃果「あはは…た、たまにはいいじゃん…!」

海未「あっ、でしたら、ことりも呼んで3人で久しぶりにお泊まり会をしませんか?」

穂乃果「あっ…いいねぇ~…」

穂乃果(やばい…3人になると、ノート見るのが難しくなる…)

海未「ことりー、今日私の家で、お泊まり会やるのですが、来れますか?」

ことり「お泊まり会!?わー!久しぶりだね!もちろん行けるよ!」

穂乃果(ことりちゃん、楽しそう…)

穂乃果(これは、断るのは酷だよね…)

穂乃果(まーいっか、確かに久しぶりだもんね。私も普通に楽しもうかな)

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園田家-


海未「うぅ…また負けました…」

穂乃果「もうやめようよ…海未ちゃん、ババ抜き向いてないよ…」

ことり「うん…向いてないよ」

海未「そんな事ないはずです!お風呂から出たら、もう一回です!」

穂乃果「えぇー…」

海未「次は勝ちますからね!さっお風呂に行きましょう!」

ことり「はぁーい…」

穂乃果「はぁーぃ……あっ!」

ことり「えっ?穂乃果ちゃん、どうしたの?」

穂乃果(こ…これってチャンスじゃない…?)

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果(今、穂乃果だけ残れば…)

海未「穂乃果?」

穂乃果「あっ…あのさ!お風呂、二人だけで入ってきていいよ!」

海未「はい?急にどうしたのですか?」

穂乃果「え…?あっ…ほ、ほら!3人も入ると狭いかなーって思って!」

海未「はぁ?真姫の家ほどではないですが、私の家の浴槽も十分広いですよ?穂乃果も、よく知っているでしょう?」

穂乃果「あっ…」

穂乃果「で、でも…!ほら…なんというか…恥ずかしいというか…」

海未「はぁ?恥ずかしい?穂乃果にそんな感情あるのですか?」

穂乃果(失礼な…)

ことり「いつも穂乃果ちゃんが一緒に入りたがってるような…」

穂乃果(確かに…)

穂乃果「…っでもさ!もう私達高校三年生だよ!さすがにね!」

海未「はぁ…」

ことり「そっか…なんか少し寂しいね…」

穂乃果(うっ…ことりちゃん、その顔はずるい…)

海未「まあ、穂乃果がいない方が静かでいいですが…」

穂乃果「でしょ?でしょ?ほら、私子供だからさ!」

海未「さっきは自分で、もう高校三年生だと言っていたじゃないですか…」

穂乃果「あ、あははー…」

海未「はぁ…もういいです。ことり、こんな子供は放っておいて、行きましょ」

ことり「うん…またね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!二人の後に穂乃果も入るからねー」

ガチャ パタン…

穂乃果(行ったか…)

穂乃果(よーし…さっそくノート見るかな~)ガサガサ

穂乃果(…これだ!)

穂乃果(えーっと…続き続きー…)ペラペラ

穂乃果(ここからだ…!)



突然現れた予言者は花を守る


穂乃果(…!)

穂乃果(予言が変わってる…!)

穂乃果(この予言者ってのは私の事かな…)

穂乃果(へへ…なんか、かっこいいな…)



突然現れた予言者は花を守る
それでも闇は止まらない
矛先は陽だまりの花に向かうだろう
夜空に見守られながら

穂乃果(…!!)

穂乃果(闇は止まらない…?)

穂乃果(こ…この陽だまりの花って…)

穂乃果(花陽ちゃんだ…!)

穂乃果(それで、この夜空ってのは凛ちゃん…)

穂乃果(続きは…)



鎮魂歌は高らかに響くだろう
悲しみが全てを無に帰すだろう
輝きは失われ、光は散失するだろう
意思を継ぐ二つの光は道しるべを失い
悲劇は繰り返されるだろう

穂乃果(…!!)

穂乃果(これって…つまり、花陽ちゃんが死んじゃって、その上、雪穂達も…って事!?)

穂乃果(い…行かなきゃ…!!)

穂乃果(今だ…)

穂乃果(今行かなきゃ…!)

穂乃果(いつ何が起きるか分からない…)

穂乃果(…)

穂乃果(このノート…持っていっていいかな…)

穂乃果(…)

穂乃果(バレないよね…?)

穂乃果(よし…!持っていこう…!)

穂乃果(毎回、海未ちゃんの家に来て、こそこそ見なきゃいけないんじゃ大変だもんね…!)

------------------

ことり「ふぅー…穂乃果ちゃーん、お風呂空いたよー」

ことり「あれ?穂乃果ちゃん?」

海未「どうしたのですか?ことり」

ことり「いや、穂乃果ちゃんがいなくなってて…」

海未「え?穂乃果が?」

海未「…本当にいませんね」

ことり「うん、荷物も無くなってるよ…」

海未「制服の上着は脱ぎ散らかしてありますがね…」

海未「ん?なんでしょう、この紙切れ…」



ごめん!私、花陽ちゃんの家行ってくる!

穂乃果


海未「はぁ?なんですか、これ」

ことり「と、突然だね…」

海未「昔からそうですが、穂乃果は謎すぎます」

ことり「あはは、まあ、穂乃果ちゃんだからね…」

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小泉家-


ピンポーン

花陽ママ「あら、こんな時間にどなたかしら?」

花陽ママ「はーい、今出まーす」タッタッタッ

花陽ママ「あら、穂乃果ちゃんじゃないの」ガチャ

穂乃果「こんばんわ!あ、あの…急で申し訳ないんですが、今日泊めてもらいませんか!」

花陽ママ「え?きょ、今日?いいけど、どうしたの?」

穂乃果「あっ…え…えっと…」

穂乃果(理由考えてなかったぁー!)

花陽ママ「もしかして…家出?それなら、明日ちゃんと謝るのよ?」

穂乃果「あっ、は、はい…!家出です…すみません…」

穂乃果(うぅ…高校三年生にもなって家出だなんて…)

花陽ママ「いいのよ~。誰だってそういう時期はあるわ。花陽と凛ちゃんは二階にいるからね」

穂乃果「は、はい!ありがとうございます…!」

穂乃果(やっぱり凛ちゃんも来てるんだ…)タッタッタッ

穂乃果(じゃあ、予言は今日なのかも…)タッタッタッ

穂乃果(…)タッタッタッ

穂乃果(ま…まだ大丈夫だよね…花陽ちゃん…)タッタッ

穂乃果「は、花陽ちゃん!」ガチャ!

花陽「穂乃果ちゃん!?」

凛「あ!穂乃果ちゃんだにゃー!」

穂乃果「良かった…二人とも無事だ…)

花陽「急にどうしたの?」

穂乃果「えっ…!」

穂乃果(ど…どうしよう…家出は恥ずかしいし…)

穂乃果(…)

穂乃果(そうだ…!)

穂乃果「今後のμ’sについて話し合おうと思ってね!」

凛「えぇ…なんか穂乃果ちゃんぽくないにゃ…」

穂乃果「し…失礼な!私だって、たまには真剣に考えるよ!」

花陽「でも、私も話したかったから嬉しいよ~」

凛「確かに、そろそろしっかり話しときたいもんね」

凛「グループ名も、しっかり決めてないし」

穂乃果「あっ!それは私考えてあるんだー」

花陽「え?なになに?」

穂乃果「μ’s改っ!」

凛「それは無いにゃ…」

穂乃果「えぇ~!いいと思うんだけどなぁ~」

------------------

凛「じゃあ、こういうのはどう?まず頭文字をとって~」

穂乃果(注意してるけど、今のところ危険な事はないな…)

穂乃果(もしかして、もう危険は去ったのかな?)

穂乃果(私が来た時点で未来が変わったとか…?)

穂乃果(うー…ノート見たいけど、今は二人の目があるしなぁー…)

花陽「凛ちゃん!それいいね!穂乃果ちゃんはどう思う?」

穂乃果「えっ?あ…ごめん…聞いてなかった…」

凛「えー!そんなー!凛いい事言ったのにー!」

穂乃果「ごめんっ!凛ちゃん、もう一回!」

凛「にゃー、しょうがないにゃー」

凛「まず、メンバーの頭文字をとってー…」

------------------

翌朝-


チュンチュン


穂乃果(…)

穂乃果(ね…寝れなかった…)

穂乃果(夜中に何度かノート見たけど、予言変わってないし…)

穂乃果(それじゃあ、おちおち寝ていられないよ…)

穂乃果(朝になったし、もう一回見てみるかな…)

穂乃果(…)ペラ



長い夜を抜け朝がくるだろう
南から鳥が来て、少女を連れ去るだろう
平和を満喫しなさい
今しかないのだから

穂乃果(…!)

穂乃果(変わってる…!やった…!)

穂乃果(南から…鳥?)

穂乃果(なんだろ…)

花陽ママ「穂乃果ちゃーん、海未ちゃんとことりちゃん来てるわよー」

穂乃果「あ、はーい」

穂乃果(なるほど…ことりちゃんの事か…)タッタッタッ

穂乃果「おっはよー!二人とも!」ガチャ!

ことり「おはよう♪穂乃果ちゃん!」

海未「おはようございます、穂乃果。はい、これ制服です」

穂乃果「あっ!」

ことり「海未ちゃんの部屋に忘れていったよ?」

穂乃果「あはは…ごめんごめん。ちょっと待っててね、今支度してくるから!」タッタッタッ

穂乃果「花陽ちゃん、凛ちゃん!起きろっー!!」ガチャ!

凛「うぅ…まだ眠いにゃ…」ムニャムニャ

花陽「お米ぇ…」ムニャムニャ

穂乃果「えーい!」ガバッ!

凛「う…ふ、布団…」モゾモゾ

花陽「布団…」モゾモゾ

穂乃果「起きろっーー!!」

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朝練 神田明神-


真姫「なんで私以外一緒に来るのよ…」

凛「真姫ちゃん誘ったけど、来なかったじゃん」

真姫「なっ…!しょ、しょうがないでしょ!私は暇じゃないんだから!」

凛「あーはいはい。じぇらしーだにゃ。真姫ちゃん、じぇらしー感じてるにゃ」

真姫「ちょっと!凛が英語使ってんじゃないわよ!」

ことり「まあまあ、落ち着いて」

穂乃果(そういえば、今朝の予言、ちゃんと見てなかったな…)

穂乃果(なんか平和は今だけとかあったような…)

穂乃果(トイレ……に荷物を持ってくのは変だよね…)

穂乃果(学校は人の目があるし…)

穂乃果(家に帰ってからでいいかな…)

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放課後 練習終了後-


穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!早くぅ~!」

海未「もう!そんなに急かさないでください!」

ことり「もうちょっと待ってて~」アセアセ

穂乃果「早くぅ~!」

海未「何をそんなに急いでるんですか!今日何かあるんですか?」

穂乃果「えっ…いや…別に何もないけど…」

海未「でしたら、ゆっくり支度させてください!」

穂乃果「う、うん…」

穂乃果(うぅ~…早くノートの続き見たいのにぃ~)

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帰り道-


ことり「わぁ~、今日は月が綺麗だね~」

海未「はい、満月ですね」

穂乃果「ほんとだ、綺麗~」

ことり「ふふっ、こうやって3人で帰るのも、あと一年だね」

穂乃果「ちょっとー!ことりちゃん!急に湿っぽい事言わないでよー!」

海未「そうですよ、ことり。高校を卒業しても、私達はずっと一緒です」

ことり「えへへ…そっか…」

ことり「嬉しいな…うん…ずっと一緒にいようね」

穂乃果「もちろんだよ」

海未「えぇ…当然です」

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高坂家-


穂乃果(さーて…ノート見るかなー)

穂乃果(えーっと…)ペラペラペラ

穂乃果(ここだ…!)



長い夜を抜け朝がくるだろう
南から鳥が来て、少女は連れ去られるだろう
平和を満喫しなさい
今しかないのだから

穂乃果(やっぱり…)

穂乃果(平和は今しかない…か…)

穂乃果(続きは…)



月が満ちる時、死神はまた現れるだろう
鳥は羽をもがれ地に堕ちるだろう
抗うことはよそう
逃れることはできないのだから

穂乃果(…!!??)

穂乃果(えっ…?)

穂乃果(月が満ちる時…)ドキドキ…

穂乃果(鳥は羽をもがれ…)ドキドキドキ…

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ことり「わぁ~、今日は月が綺麗だね~」

海未「はい、満月ですね」

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穂乃果「…!?」

穂乃果「今日だ…」

穂乃果「今日、満月だ…!」

穂乃果(行かなきゃ…!)ダッ!

穂乃果(どうしよう…どうしよう…)タッタッタッ

穂乃果ママ「あら、穂乃果、どうしたの?そんなに慌てて…」

穂乃果「…」タッタッタッ ガララ ピシャンッ!

穂乃果ママ「あら…」

穂乃果ママ「今…あの子、泣いてなかった…?」

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穂乃果「はぁ…はぁ…」タッタッタッ

穂乃果(…)タッタッタッ

穂乃果(どうしよう…)タッタッタッ

穂乃果(もう月が出てから結構時間が経ってる…)タッタッタッ

穂乃果(ことりちゃん…)タッタッタッ

穂乃果(どうしよう…ことりちゃんが死んじゃったら…)タッタッタッ

穂乃果(…っやだよ…!そんなの絶対やだよ!)タッタッタッ

穂乃果(うぅ…私がもっと早くノートを見てれば…!)タッタッタッ

穂乃果(助けられた…!)タッタッタッ

穂乃果(助けられたのに…!)タッタッタッ

穂乃果「あっ…」コツンッ

ズザアアアアッッッッ!!!

穂乃果「いっ…いったぁ…」

穂乃果(う…うぅ…)

穂乃果「いっ…」ズッキィィ…

穂乃果(あ…足が…)ズキズキ…

穂乃果(こ…これじゃあ、ことりちゃんが…)

穂乃果(うぅ…なんで…)ポロポロ

穂乃果(なんで…私達がこんな目にあわなきゃいけないの…?)ポロポロ

穂乃果(なんでよ…なんにも悪い事してないよ…)ポロポロ

穂乃果(うぅ…)ポロポロ

穂乃果(だ…誰か…)ポロポロ

穂乃果(誰か…助けて…っ!)

絵里「穂乃果!」

穂乃果「えっ…?」

穂乃果「絵里ちゃん…?」

絵里「穂乃果、穂乃果ね。大丈夫?立てる?」

穂乃果「わ…私は…大丈夫…でも、今はことりちゃんが…!ことりちゃんが…!どうしよう!絵里ちゃん!ことりちゃんが…!」

絵里「穂乃果、落ち着いて…?ことりなら大丈夫よ。今、希が行ってるわ」

穂乃果「え…?希ちゃんが?」

絵里「えぇ、希がね、悪いカードが出たって言ってね。私には穂乃果の所に行くように言って、希はことりの所に行ったわ」

穂乃果「そ…そっか…」

穂乃果「よ…良かったぁ…ありがとう…絵里ちゃん…」ポロポロ

絵里「あらあら…。泣かないのよ、可愛い顔が台無しでしょ?」

穂乃果「だってぇ…なんか絵里ちゃんが来たら安心しちゃって…私…不安だったから…ことりちゃんが死んじゃうんじゃないかって…不安だったから…」ポロポロ

絵里「いいのよ、穂乃果…。何があったのかは分からないけど、穂乃果が苦しんでるなら、いくらでも私は手を差し出すわ」

穂乃果「うぅ…ありがとう…」ポロポロ

絵里「もう…しょうがないわね…」

穂乃果「うぅ~…」ポロポロ

絵里「辛かったわね…穂乃果、よく頑張ったわ…後は任せなさい…」

穂乃果「う…うん…!ありがとう…!ありがとう…!」ポロポロ

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穂乃果「すぅ…」zzz…

絵里「…寝ちゃった?」

穂乃果「すぅ…すぅ…」zzz…

絵里「全く…無茶するんだから…昔から変わってない…」

電話 プルルルルルルル

絵里「あ、希からだわ」

絵里「もしもし?希」ガチャ

希「あ、エリチ?穂乃果ちゃんはどうやった?」

絵里「今は寝てるけど、ずっとことりの事を心配してたわ…」

希「そっか…やっぱり、穂乃果ちゃんは何か知ってるみたいやね…」

絵里「えぇ、ことりはどう?」

希「ことりちゃんも無事よ。でも危険な目にはあった。ウチがいなかったら危なかったかも…」

絵里「そんな…」

希「うん…これは穂乃果ちゃん含めμ’sで一回集まったほうがいいかも」

絵里「分かったわ、穂乃果には私から伝えとく」

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次の日 日曜日-


穂乃果(昨日は久しぶりに絵里ちゃんと会ったな…)

穂乃果(今日は、にこちゃんと希ちゃんにも会えるし…)

穂乃果(…)

穂乃果(こんな理由じゃなきゃ、もっと楽しみなんだけどなぁ…)

穂乃果(…)スッ

穂乃果(このノート…)

穂乃果(このノートから全てが始まった…)ペラ…

穂乃果(あっ、昨日のところ変わってる…)



占い師が現れ危機は去るだろう
異国の少女は予言者を救うだろう
月は欠けはじめ、また死神は身を隠す
安堵は禁物だ
死神は消えてはいないのだから

穂乃果(死神は消えてない…か…)

穂乃果(でも…前よりは気が楽かも…)

穂乃果(これからはμ’sのみんなに相談できるわけだし…)

穂乃果(まだ続きがあるな…)ペラ…



予言者は未来を語ってはいけない
さらなる災いを引き起こすから

穂乃果(…え?)

穂乃果(そ…そんな…)

穂乃果ママ「穂乃果ー、海未ちゃんとことりちゃんが来たわよー」

穂乃果(だ…ダメだ…)

穂乃果(言えない…)

穂乃果(言ったら…)

穂乃果ママ「穂乃果ー?」

穂乃果「あっ…うん!今行くよ!」

穂乃果「…」タッタッタッ

穂乃果 ガチャ

海未「あっ、ほの…」

穂乃果「ごめんっ!二人とも…!今日、やっぱり私行けないや…!二人だけで行ってきて!」

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「ど…どうしたの?二人とも…」

海未「穂乃果…希から聞きましたよ」

穂乃果「え…」

海未「何かは分かりませんが、また一人で無茶しているのでしょう?」

穂乃果「…」

ことり「穂乃果ちゃん、私が留学するって時、助けてくれたよね」

ことり「私、あの時周りに遠慮しちゃって、頼ることを忘れてた…」

ことり「今の穂乃果ちゃんもそうなんじゃないかな?だから、私達にできる事があるなら、なんでも言って?」

穂乃果「で…でも…穂乃果がみんなに頼ったら、迷惑がかかっちゃうよ?」

海未「何を今更。穂乃果に迷惑なんてかけられっぱなしです!」

穂乃果「ち…違くて、今回のは本当に迷惑かけちゃうんだよ…?」

穂乃果「し…死んじゃうかもしれないんだよ?」

海未「穂乃果に殺されかけた事も沢山ありますよ」

穂乃果「違うんだよ…本当に…今回は…本当の本当に死んじゃうんだよ…!」

穂乃果「私、海未ちゃんとことりちゃんが死んじゃったらヤダよ…」

海未「穂乃果…私達は死にませんよ」

穂乃果「…え?」

海未「約束したじゃないですか、ずっと3人一緒だと」

ことり「うん!だから、こんなところで死なないんだよ!」

穂乃果「ふ…二人とも…」

海未「だから、穂乃果…?一人で抱え込まないでください。私達を頼ってください」

ことり「そうだよ、穂乃果ちゃん!穂乃果ちゃんが苦しんでるのに、何もできない方がよっぽど辛いよ」

穂乃果「うぅ…」ウルウル

穂乃果「うぅ…うう…」ポロポロ

海未「あーもう…泣かないでくださいよ。もう高校三年生でしょう?」

穂乃果「うぅ…だってぇ…二人が優しいからぁ…」ポロポロ

穂乃果「絵里ちゃんも優しいし…みんなも優しいし…私…」ポロポロ

穂乃果「私…μ’sで良かったよぉ…」ポロポロ

海未「全く…久しぶりにそのμ’sのみんなに会うんですよ?もう泣き止んでください」

穂乃果「う…うん…」グスグス

ことり「じゃあ…行こうか♪みんなが待ってる!」

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音ノ木坂 アイドル研究部部室-


絵里「懐かしいわねぇ…」

希「本当やね…」

凛「わーい!絵里ちゃんと希ちゃんがいるにゃー!」

海未「えぇ…、なんだか昔に戻ったみたいですね」

希「まあ、ウチらは、もう制服じゃないけどな」

真姫「そういえば、にこちゃんは?いないけど…」

絵里「あー、にこはレッスンがあるとかで遅れるわ」

ことり「そっか…にこちゃん、今は本物のアイドルなんだもんね」

花陽「うん…!すごいね…!」

絵里「それで、どう?活動の方は」

真姫「頑張ってるわよ、新リーダーを中心にね」

凛「にゃはは…///」

凛「まだ、みんなに助けられてばっかりだけどね」

希「いいやん、みんなで助け合う…μ’sらしいんじゃない?」

凛「μ’s…」

希「あっ、もしかして、もう新しいグループ名に?」

ことり「いや、今のところは、まだμ’sだけど…」

花陽「そろそろ考えなきゃね…」

真姫「それよりも、今日は何か話があって集ったんじゃないの?はやく本題に入りましょう」

絵里「そうね…穂乃果、大丈夫?」

穂乃果「うん…」

穂乃果「えっと…まずは、このノートを見て貰いたいんだ…」スッ

花陽「ノート…?」

ことり「えっと…み…らい…ノート…?園田…海未…?」

海未「…!?!?!?!?」

穂乃果「うん…そう、これは海未ちゃんの中学…」

海未「ちょ…ちょっと!待ってください!!なんで、ここで私の黒歴史が出て来るんですかっ!!///」

穂乃果「いや…ちょっと、海未ちゃん、落ち着いて」

海未「こ…これが落ち着いていられますかっ!!///」

海未「このために、みんなを集めたのですか!?ひどいです…!!いじめです…!」

穂乃果「ち…違うよ…」

穂乃果「海未ちゃんのポエムなら、もうみんな知ってるよ」

海未「はい!?初耳なんですが!?!?」

凛「去年、海未ちゃんがいない時、全員で見たんだにゃ」

海未「なんですかそれはああああああ!!!!」

花陽「このノートは、それとは違うの?」

穂乃果「うん…この前、新しく見つけたんだ」

穂乃果(あっ…そういえば、あの時って他にもノートが…)

海未「人の部屋で何してるんですか!!あなたは!!」

穂乃果「じゃあ…ノートの中身を…」

海未「穂乃果っ!!」

穂乃果「わっ…もう…うるさいな…海未ちゃん…」

海未「中身はダメです!中身だけはあああ!!」

穂乃果「読むね」



第1章「希望」


ひとつのほのかな光に導かれ、二つの光が集まるだろう

やがて光は輝きを求め、一つの旋律を奏でる
現実は残酷に語りかける
光を絶やしてはいけない
きっと未来は輝くはずだから


海未「ぐあああああっっ!!!なんですか、これ!!新手の拷問ですかあああ!!!」

海未「…って…あれ?」

海未「これ、本当に私のポエムですか?」

凛「確かに…前に見た海未ちゃんのポエムは、もっとバカっぽかったにゃ…」

海未「そうです…私のポエムは…って、凛っ!!私のポエムはバカっぽくありませんっ!!」

穂乃果「やっぱり、これ海未ちゃんが書いたんじゃないんだね…」

穂乃果「それが分かっただけでも、良かったよ」

穂乃果「続き読むね…みんな、注意して聞いて」



新たに光が加わり、輝きを増しながら加速するだろう
妬み邪魔する者が現れ、立ち塞がるだろう
拒む事は勧めない
理解し、受け入れよう
大事な光の一つなのだから

7つとなった光は、碧眼の少女に接近する
占い師に導かれ、光は完成するだろう

9つの光は迷わない
進む未来は明るく輝く
しかし情熱を傾けすぎてはいけない
無我夢中になってはいけない
それは、きっと災いを引き起こすから

大切な光がひとつ欠けて
少女は笑わなくなるだろう
救いの手は優しく語る
始まりの場所で

再び光は輝くだろう
新たに志を掲げるのが良い
高い志なら、なおさら良いはずだ
ひとつとなった光に不可能はないのだから


穂乃果「…っと…これが第1章…」

希「えっ…こ…これって…」

真姫「えぇ…これは、おそらく…」

凛「え?何?凛分かんないんだけど…」

絵里「これ…もしかして、私達の事…?」

穂乃果「うん…そう。これは私達の未来を書いたノートなんだよ」

凛「み…未来!?」

花陽「そんなことって…」

海未「ま…待ってください!これは私が書いたものではないんですよ?」

海未「だったら、私達の事を知ってる誰かが出来事が起きた後に書いたって可能性があるんじゃないですか?」

穂乃果「それが違うんだよ…」

海未「…え?」

穂乃果「このノートは、私が見つけた後の未来も予言してるんだよ」

真姫「…!」

真姫「もしかして…あのトラックのって…」

穂乃果「そう…あの時も予言で真姫ちゃんに危険が迫るってあったんだ。だから、助けられた」

真姫「そうだったのね…おかしいと思ったわ」

穂乃果「他にも花陽ちゃんも危なかったんだよ」

花陽「え?わ、私!?でも、特に危なかった事は…」

穂乃果「うん…危ない事は起きなかったんだけど、予言では花陽ちゃんも危なかったんだ。ほら、私が急に泊まりに行った事あったでしょ?」

凛「あー!あの時…!」

穂乃果「うん、私が泊まりに行った事で未来が変わったんだ」

花陽「そっか…突然来たのは、そういう意味だったんだね…」

穂乃果「あと、ことりちゃんも。それは希ちゃんに助けてもらったけど」

希「危なかったけどね」

ことり「うん…希ちゃんがいなかったら死んでたかも…」

海未「じゃ…じゃあ…このノートは本当に未来を予言しているのですか?」

穂乃果「うん…それは確かだよ」

海未「はぁ…にわかに信じがたい事ですが…」

希「スピリチュアルやね」

真姫「ていうか、私達危険な目に遭いすぎじゃない?それもノートのせいなの?」

穂乃果「それは分かんない…穂乃果も、このノートについては、未来が分かるって事以外なんにも知らないから…」

ことり「そっか…」

穂乃果「そ…それで…ここからが大事なんだけど…」

穂乃果「先に謝っておくね…ごめんなさいっ!」

真姫「どうしたのよ…」

穂乃果「こ…これなんだけど…」



予言者は未来を語ってはいけない
さらなる災いを引き起こすから

穂乃果「え…えっと…この予言者ってのは私で…」

穂乃果「私がみんなに話しちゃったから…」

穂乃果「その…さらなる災いってのが…」

真姫「なんだ、そんな事…」

穂乃果「…え?」

凛「災いなんて跳ね返してやるにゃー!」

花陽「話してくれてありがとう、穂乃果ちゃん…!」

ことり「うん…!これで、みんなで考えられるね…!」

海未「穂乃果が渋ってたのは、こういう意味だったのですね。どうってことないじゃないですか」

穂乃果「み…みんな…」

絵里「やっぱり話して良かったわね!穂乃果」

希「みんな、穂乃果ちゃんが大切なんよ♪」

穂乃果「絵里ちゃん…希ちゃん…」ウルウル

穂乃果「…~っ!」ゴシゴシ

穂乃果「ありがとう…!みんな…!迷惑かけちゃうけど、一緒に頑張ろう…!!」

海未「はい!もちろんです!」

花陽「あれ…?ノ、ノートに文字が浮かんできて…」

凛「本当だにゃ!不思議だにゃ!」

穂乃果「えぇ!ほ、穂乃果もこんな事初めてだよー!」

希「えっと…なになに…」



第5章「暗黒」スゥ…


絵里「あ…暗黒…」

穂乃果「穂乃果が話しちゃったから…」



第5章「暗黒」


光は再び集うだろう
未来は予言者の口から語られる
一つ光が欠けているはずだ
その光は永遠に輝きを奪われるだろう

穂乃果「こ….これって…」

真姫「にこちゃん…!」ガタッ!

真姫「にこちゃんが危ないわ…!」

穂乃果「うん…!急いでにこちゃんの所に行こう…!」

穂乃果「絵里ちゃん!にこちゃんのレッスンって何時まで!?」

絵里「たしか、12時までって言ってたわ」

ことり「今11時だから…まだレッスン中だね…」

穂乃果「それでも、行かなきゃ…!にこちゃんを失うわけにはいかないよ…!」

希「それなら、ウチの車で行こう!免許取ったから!」

穂乃果「ほんと!?それなら、早く着きそう!」

海未「でも、8人も乗れますか?」

希「あっ…」

希「つ…詰めれば…」

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車内-


真姫「せ…狭い…」ギュウギュウ

凛「真姫ちゃんは、まだ席に座ってるからいいにゃ、凛なんてトランクだよ!」

真姫「でも、そっちは広いじゃない…」

凛「広くても嫌にゃ!」

海未「なんでですか?トランクいいじゃありませんか。割と快適ですよ?」

凛「なんで、海未ちゃんはトランク気に入ってるんだにゃ!」

希「まあまあ凛ちゃん、落ち着いて。もうそろそろ着くから」

絵里「あっ!見えたわ!あの建物よ!」

穂乃果「…にこちゃん…」

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練習室-


トレーナー「はい!じゃあ、今日の練習はここまで!」

にこ「え…?でも、まだ11時…」

トレーナー「今日、久しぶりに高校の仲間と会うんでしょ?行ってきなさい」

にこ「…!」

にこ「あ…ありがとうございます…!」

トレーナー「あぁ、楽しんでおいで。たまにはこういう日も必要だよ」

にこ「はい…!それじゃあ、失礼します…!」タッタッタッ ガチャ

にこ「…」タッタッ

にこ「まあ…久しぶりって言っても一カ月も経ってないんだけどね…」タッタッ

にこ「それでも久しぶりな気がしちゃうのは、なんでかしらね…ふふっ」タッタッ

にこ「ん?絵里からLINEが来てるわ…」

にこ「……死なないように気をつけて…?」

にこ「なにこれ…絵里なりのジョークかしら…相変わらず、つまらないわね…」

にこ「まあ、いいや。早く行こっと」タッタッタッ

スタッフ「お疲れ様でーす」

にこ「あっ、お疲れ様でーす」ニコニコ

ウィーン…

にこ「さて…音ノ木坂までどうやって行こうかしらね…」

にこ「マネージャー、車出してくれないかしら…」スマホ ポチポチ

凛「あっ!あれ、にこちゃんじゃない!?にこちゃーーん!!」

にこ「あれ?凛じゃないの!それに、みんなも!どうしたのよ!」タッタッタッ

真姫「あっ!にこちゃん、後ろ!!」

にこ「え?」

ヒュゥーーーーーーーーーーー…ガッシャアアアアアアンッッッ!!!!

にこ「きゃっ…」

真姫「だ、大丈夫!?にこちゃん!」ダッ!

にこ「え…えぇ…危なかったけどね…」

絵里「こ…これは…」

希「整備道具やね…結構鋭利な物も混じってる…」

整備員「すいませーん!大丈夫でしたかー!」タッタッタッ

にこ「あっ、はい…なんとか…」

整備員「すみません…壁で作業をしてたんですが…僕の不注意で…」

にこ「はぁ…壁で…」

整備員「本当に申し訳ありませんでした…!失礼します…!」タッタッタッ

にこ「いやー、本当に危なかったわね…凛に呼ばれてなかったら当たってたわ…」

ことり「え!?そ、そうなの?」

にこ「えぇ…だって私、ちょうどあそこで足止めてマネージャーに連絡してたし…」

海未「そうですか…じゃあ、やはり予言通り…」

穂乃果「うん…」

にこ「はぁ?予言?なに言って…」

穂乃果「あのさ!みんな、さっき自分で話してて思い出したんだけど…」

穂乃果「あの時、実は…ノートは一冊だけじゃなかったんだよ…」

一同「「えっ…!?」」

ことり「じゃ、じゃあ、海未ちゃんの部屋に行けば…」

穂乃果「うん…何か手がかりが見つかるかもしれない…」

にこ「はぁ?さっきからあんた達、何の話して…」

凛「まあまあ、にこちゃん。後で話してあげるから」

にこ「そ…そう?じゃあ、頼むわ…」

絵里「じゃあ、急いで海未の家に向かいましょう。海未、今って大丈夫?」

海未「はい、問題ないです」

絵里「分かったわ、じゃあ、みんな車に乗って!」

真姫「え…また、あれに乗るの…」

絵里「しょーがないでしょ、他に足も無いし。あっ、にこはトランクね」

にこ「トランク!?アイドルをトランクに乗せるの!?」

凛「えぇー…にこちゃんまで来たら狭くなるにゃー」

にこ「え!?凛もトランクなの!?なにその状態は…どんだけ詰めるのよ…」

海未「私もトランクです」

にこ「海未まで…」

希「まあまあ、みんな狭い中頑張ってるんやし、我慢しよ?」

にこ「あんたは運転席だから広いでしょ…」

希「あはは…まあ、それはしょーがないやん?」

穂乃果「でも、みんなで車乗るの楽しいよね!」

ことり「あっ、それはことりも思った!」

にこ「はぁ…まあ、いいけど…」

穂乃果「よーし!じゃあ、海未ちゃんの家に向けて出発だー!」

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園田家-


穂乃果(戻ってきた…)

穂乃果(ここから全てが始まったんだよね…)

海未「穂乃果、それでノートというのは…」

穂乃果「あっ、うん!たしか、この引き出しに…」ガサガサ

穂乃果「あった!」

ことり「沢山あるね…」

にこ「それが、その…全部未来ノートなわけ?」

穂乃果「分かんない…」

にこ「ていうか、そもそも、未来ノートとかいうのは本当なの?まだ信じられないんだけど…」

真姫「本当よ。現に私も花陽もことりも助けられてるわ」

にこ「それで私もって事?」

真姫「えぇ」

にこ「でも、私が見た時はそんな予言無かったけど…」

穂乃果「それは、未来が変わったからだよ!前は書いてあったよ!本当に」

にこ「そうなの?…なんだか良く分からないわ…」

絵里「それよりも穂乃果、早くノートを見ましょう?未来ノートについて何か分かるはずよ」

穂乃果「うん…!じゃあ、穂乃果はこのノートを…」

穂乃果「…」ペラペラ

穂乃果「…!?」

穂乃果「は…白紙…!?」

穂乃果「嘘…なにも書いてない…」

穂乃果「どういう事…?」

希「ウチのも白紙やった…」

ことり「私のも何も書いてなかった…」

穂乃果「そんな…」

海未「私のは書いてありました…」

穂乃果「えっ!?ほんと!」

凛「何が書いてあったの!?」

海未「未来ノートについて昔の私が書いてました…」

穂乃果「え…?」

ことり「じゃあ、海未ちゃんは未来ノートの事を知ってたの?」

海未「いえ…知りません…いや、正確には記憶にはありません…」

絵里「どういう事…?」

海未「読んでみてください…そしたら分かります」

絵里「え、えぇ…」ペラ…



「未来の私へ」


未来の私へ、お元気ですか?
私は今、とあるノートを拾ったために、大変な目にあっています。

そのノートの名前は「未来ノート」
文字通り未来の事が分かるノートです。

これだと一見素晴らしく便利なノートに思えるかもしれませんが、全く違います。
このノートは人間が触れると、その効力を発揮し始めます。
その効力とは、触れた人間の周囲で不吉な事が多発するというものです。


穂乃果「あっ…触れちゃいけなかったんだ…」



私は、残念ながら、一人のクラスメイトを守りきれませんでした。
ですが、あなたはそれを忘れているでしょうね
それもノートの効力の一つですから


ことり「え…?これって…あの中学の時にあった交通事故の…」

海未「はい…どうやら、私は忘れていますが、クラスメイトの一人を殺してしまっているようです…」

穂乃果「海未ちゃんのせいじゃないよ…!悪いのはノートなんだから…!」

海未「ありがとうございます、穂乃果。ですが、やはり心が痛むものがありますね…」

海未「私なら救えていたと思うと…」

穂乃果「海未ちゃん…」

絵里「…」

絵里「続き読むわね…」



ノートは人間を一人殺すと、満足するのか、また触れない限り、所有者の記憶から徐々に消えていくらしいです。
ノートがそう教えてくれました。

なので、私は二度と未来ノートが誰かの手に渡らないように、このノートと共に保管します

未来ノートはビニールに入れ、簡単には触れられないようにし、カモフラージュとして普通のノートに挟んで、紐でくくっておきます。

聡明な私なら、きっとまず、このノートを読んで、全てを理解してくれるはずです。

そうですね…心配なのは、穂乃果なんかが勝手に漁らない事ですかね…

穂乃果「うっ…」

海未「案の定…勝手に漁りましたね…」

穂乃果「ご…ごめん…」



それと、ノートは燃やしたり、細かく破いたりしても無駄です。そんな事をしても、次の日には平然と机の上にあります。

少々信じがたいかもしれませんが、現実にあった事なのです。

もし仮にノートを復活させてしまったとしたら、次はもっと強い災いをもって迫ってくるかもしれません。

私は対抗する事ができませんでした。
ですが、今のあなたはどうですか?
このノートを見る限りだと、全ては分かりませんが、心強い仲間がいてくれるんじゃないですか?
諦めないでください。
必ず、ノートに打ち勝つ方法はあるはずです。

私も過去から応援しています。


絵里「…っと……これで終わりね」

ことり「これは…」

花陽「これ…結局のところ…未来ノートに対抗する手段は無いって事…?」

海未「そうですね…現状、未来ノートに対抗する手段は無いという事になります」

穂乃果「…」

海未「ですが、ノートの予言通り、私には心強い仲間がいてくれています」

海未「きっと…何かあるはずです…!探しましょう!未来ノートに打ち勝つ方法を…!」

凛「うん…!私達ならきっとやれるよ…!」

希「そうやね…!じゃあ、まずはウチが神田明神に行って、いろいろ聞いてみるよ。何か分かるかもしれないし」

真姫「なるほど、それはいいかもね。お祓いとかしてもらえれば、呪いもなくなるかも」

穂乃果「うん!うん!そうだね!」

穂乃果(すごいなぁ…μ’sで揃うと、なんだか前向きになれる…)

穂乃果(私達なら、本当になんとかできるかも…!)

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次の日 放課後 園田家-


絵里「それで、どうだった?希」

希「うん、結論から言うと、お祓いとかはできないらしくて…」

穂乃果「え?ど…どうして?」

希「なんでも、未来ノート自体は悪くないんだけど、すごーく強力な悪霊が憑いちゃってるんだって。それで自分達ではどうしようもないって言われちゃって…」

穂乃果「そ…そっかあ…」

希「預かりましょうか?とも言われたんだけど、このノートは今、最初に触った穂乃果ちゃんに取り憑いてるでしょ?だったら、自分たちで持ってて、予言をチェックできた方がいいと思って」

真姫「あっ、そういえば、予言はどうなってるの?新しいの出た?」

希「うん…」

希「これやね…」ペラ…



第5章「暗黒」


光は再び集うだろう
未来は予言者の口から語られる
欠けていた光も、じきに揃うだろう

始まりの地に向かうといい
真実が分かるから
なによりも孤独を恐れなさい
孤独は死に繋がるから

穂乃果「孤独をおそれなさい…か」

ことり「これは、一人になっちゃいけないって意味?」

穂乃果「うん、そうだと思う」

凛「でも、それなら簡単そうだにゃ、真姫ちゃんの家にでも、みんなで泊まって…」

真姫「ちょっと、何で私の家なのよ!」

凛「だって広いし…」

真姫「あっ…あぁ…」

凛「なんか、バカにされたような気がするにゃ」

真姫「別にバカになんかしてないわよ。まあ、しょうがないからいいわ。今日は私の家に泊まって…」

にこ「あっ、ごめん。私は無理だわ」

真姫「えぇ!?な、何で…」

にこ「いや、今日7時から生放送あるのよね。それに出ないと」

にこ「ていうか、いろいろ準備もあるから、もう行くわ」

絵里「そう…それはしょうがないわね…でも、一人には気をつけてね」

にこ「分かったわ。なるべくマネージャーと一緒にいる」

花陽「頑張ってね…!にこちゃん!みんなで観るから!」

にこ「えぇ!バッチリ活躍してくるから、見てなさい!」

にこ「それじゃあ、私は行くわね。テレビしっかり観なさいよ!」

穂乃果「うん!じゃあ、私達も行こうか」

海未「そうですね。でしたら、一度全員家に帰って荷物をまとめてきた方がいいですかね」

海未「もちろん二人以上で行動して」

ことり「そうだね、じゃあ、海未ちゃん、穂乃果ちゃん!行こうか」

希「じゃあ、ウチはエリチと♪」

真姫「私は、凛と花陽についてくわ」

凛「よし!じゃあ、行動開始にゃー!」

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西木野家-


テレビ「さー始まりました!今夜は生放送でお送りします!」

海未「穂乃果ー始まりましたよー」

穂乃果「えぇー!まだ髪乾かしてないよー!」アセアセ

テレビ「こんにちわぁ~!矢沢にこで~す!」

真姫「あっ、にこちゃん出てきたわ」

穂乃果「セーフ…ギリギリ間に合った…」ズサァー!

真姫「ちょっと!穂乃果!そんな滑らなくてもいいでしょ」

穂乃果「いいじゃん!こんなにお布団広いんだし!それに、みんなでお泊まり楽しいんだもん!」

真姫「もう…」

テレビ「それじゃあ、みなさん行きますよ~…にっこにっ…はい!それでは次のゲストを…ちょっとー!最後までやらせなさいよっー!アハハハハハハ!」

真姫「なによ!この司会者!最後までやらせなさいよ!」

希「そういうボケやからな、真姫ちゃん…」

凛「にこちゃんは、もう完全にバラエティ路線だよね」

花陽「でも、すごいよ…!」

花陽「わ…私も……いつか…」ボソボソ

凛「え?かよちん、何か言った?」

花陽「う、ううん…!なんでもないよ…!」

テレビ「さぁー、次のゲストはA-RISEのみなさんです!どうぞー!」

ことり「あっ!A-RISEだぁ~!」

テレビ「こんばんわ、みなさん。今日は楽しんでいってくださいね」

穂乃果「わー…ツバサさん綺麗~」

絵里「同い年とは思えない貫禄ね…」

凛「こっちは完全に歌手路線だよね」

花陽「うん…!すごいね…!」

真姫「ていうか、私達こんなに、のほほんとしてていいのかしら…」

真姫「一応、今も死の危険があるのよね?」

希「んー…でも、とりあえず予言は変わってないし、一人にならなければ大丈夫だと…」

海未「あの、気になっていたのですが、未来ノートは私達を殺そうとしているのですよね?なのに、なんで忠告をしてくれるのでしょうか」

希「そうやね…未来ノート自体は悪くないって言ってたから…悪霊が取り憑いた影響は文には現れないのかもね…不吉な事が起きるってだけで…」

海未「なるほど…たしかに、それは考えられますね…じゃあ、未来ノートの記述は信頼していいんですね」

希「うん、そうやと思う」

穂乃果(んー…なんだか良く分からない…)

穂乃果(悪霊は不吉な事を起こすけど、文には影響しないってことかな…)

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テレビスタジオ-


司会者「さー、番組も盛り上がってきたところで、生放送特別企画に移りたいと思います!」

司会者「その名も「矢沢にこのオバケなんて怖くない!」ですっ!!」

にこ「えぇ~っ!!ちょっと!聞いてないんですけどっ!?」

一同「「あはははははは!!」」

司会者「言ってませんからね~。生放送でぶっつけ本番でやってもらいます!」

にこ「そんなぁ…」

司会者「それでは、矢沢さんには、これから心霊スポットに移ってもらいます!場所は都内の廃病院っ!!そこに、一人で行ってもらいます!!」

にこ「…!!」

一同「「おぉ~!」」

にこ「ひ…一人ですか…?」

司会者「おぉ~とっ!矢沢さん、さっそくビビってしまったかぁ~!?」

一同「「あはははははは!!」」

にこ「あはは…」

にこ「…」

にこ「…」チラッ

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西木野家-


真姫「ひ…一人って…!!」

希「しかも、悪霊が力を発揮しやすい心霊スポット…」

希「これは、まずい事になったね…」

海未「ノ…ノートは…!」

穂乃果「うん…!」ペラペラ

穂乃果「あっ…」



笑顔の少女は一人死地に向かう
死神の笑い声は高く響くだろう
もう未来は変えられない
君達が死力を尽くそうとも


花陽「もう未来は変えられない…って…」

ことり「ノートの予言は、悪霊に影響されてないんだよね…?」

ことり「じゃあ、本当に未来は変えられないって事…?」

穂乃果「だ…大丈夫っ!!」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「大丈夫だよっ…!きっと…きっと何か手はあるよ…!諦めちゃダメなんだ…!」

真姫「そうよ…、アイドルにこちゃんの未来は、これからなんだから…。そう簡単に奪わせるわけにはいかないわ…!」

絵里「えぇ、穂乃果と真姫の言う通りよ。みんな、にこが一瞬カメラの方を見たの気づいた?あれは、にこから私達へのメッセージよ」

凛「あっ…!そういえば、一瞬見てたかも…!」

絵里「えぇ…。にこはテレビタレントとして、断るわけにはいかなかった…。でも、危険な事は自覚してたはずよ。だから、あの視線は助けに来いって事だと思うわ」

希「そうやね、にこっちの事だから多分そんな事だと思う」

穂乃果「じゃあ、行こう!もう時間がないよ!」

真姫「だったら、うちの車を使えばいいわ!希の車より大きくて速いのがあったはずよ!」

希「えぇ…ウチ、それ運転できるかなぁ…」

真姫「大丈夫よ、ぶつけてもパパが直してくれるわ」

希「うぅ…ぶつけないようにしないと…」

絵里「じゃあ、みんな!行くわよ!」

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心霊スポット 廃病院-


にこ「うぅ…雰囲気あるわね…」

スタッフ「それじゃあ、ここからは矢沢さん一人でお願いします」

にこ「…本当に私一人で行くの…?」

スタッフ「はい。そういう企画ですので」

にこ「カ…カメラマンは…?」

スタッフ「セルフでお願いします」

にこ「も…もし…何かあったら…?」

スタッフ「非常時のために、有名な霊能者に来ていただいています」

にこ「…ど…どこにいるのよ…」

スタッフ「…」

にこ「…え?」

スタッフ「まだ来てません」

にこ「いや、何でよっ!」

スタッフ「時間伝え間違えました」

にこ「なにしてんのよっ!それじゃあ、本当に何かあった時、どうするのよ!死ぬわよ!私!」

スタッフ「…」

スタッフ「大丈夫です」

にこ「なによ!その根拠のない返事は!死んだらどうすんのよ!」

スタッフ「たぶん大丈夫です。それより、そろそろ時間なので、お願いします」

にこ「もっーーーー!!!なんなのよ!このスタッフ!何かあったら訴えてやるわ!」

スタッフ「どうぞ」

にこ「もぉっーー!!!そういう事じゃないでしょっー!!!」

スタッフ「これ、カメラです。頭に付けるのと手持ちカメラの二つでお願いします」

にこ「はぁ……本当やるのね…」

スタッフ「あと、何かこれも」

にこ「…」

にこ「……何よ、これ」

スタッフ「塩です」

にこ「…」

にこ「……どこのよ」

スタッフ「さっきスーパーで」

にこ「…」

スタッフ「それと、なんとなくこれも買いました」

にこ「…」

にこ「…何よ、これ」

スタッフ「幽霊の頭に付いてる三角のやつです」

にこ「…ふざけてるの?」

スタッフ「矢沢さん…本気でふざけるのがテレビですよ」

にこ「なんなのあんた…」

スタッフ「画的に面白いかな~って」

にこ「…」

スタッフ「あっ、そろそろ本当に時間なので、カメラ回してください」

にこ「…分かったわよ」

スタッフ「最初の挨拶に、ちゃんと先程説明した、この廃病院の事言ってくださいね」

にこ「えぇ、任せなさい」

スタッフ「じゃあ、僕たちはこの辺にいるんで、ここから先は一人でどうぞ」

にこ「ったく…淡白なヤツね…」

にこ「分かったわよ…行くわよ…」スタスタ

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車内-


凛「すごいにゃ!凛、リムジン初めて乗ったにゃ!」

花陽「本当にすごいね…!凛ちゃん!」

穂乃果(ツバサさんに乗せてもらって以来だなぁ…)

海未「どうしたのですか、穂乃果?はしゃがないのですか?」

穂乃果「なにさ、その私がすぐはしゃぐような言い方は」

海未「すぐはしゃぐじゃないですか」

穂乃果「う…」

穂乃果「リ、リムジンは前にツバサさんに乗せて貰った事があるから…」

ことり「へぇ~!そんな事があったんだ!」

希「…」ドキドキドキドキ

絵里「大丈夫?希…」

希「…い…今…話しかけないで…っ」ドキドキドキ

真姫「そんな緊張しなくてもいいのに…」

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高坂家-


亜里沙「楽しみだね!にこさんの心霊スポット探索!」

雪歩「そうだね、でも、にこさん、なんかすごく怖がってたような」

亜里沙「きっと、にこさんは極度の怖がりなんだよ!」

雪歩「そうなのかな~?あっ、始まるよ!」

亜里沙「本当だ!ワクワク!」

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廃病院-


にこ「はぁ~い!テレビの前のみなさん?にっこにっこにー!」

にこ「今日は~、にこにぃ~が~、この廃病院を~」

ガサガサ!

にこ「うわぁっっ!!」

猫「にゃ…にゃあ~」

にこ「な…なんだ…猫か……」ドキドキドキドキ

にこ「えっ…えー…では気を取り直して…さっそく廃病院に入って行きましょう…」

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草むら-

海未「凛…!ナイスです…!」

花陽「ありがとう…!凛ちゃん!」

凛「にゃはは…」

真姫「ちょ…ちょっと!なんで、隠れなきゃいけないのよ!」

穂乃果「いや、だって生放送だし…」

海未「テレビになんて映ったら…私…」

海未「もうお嫁に行けませんっ…!」

穂乃果「そんな事無いけどね…」

希「でも、出て行かなくても、こうやって、にこっちを一人にしないようにしておけば、十分効果はあるはずやん?」

真姫「まあ…たしかに…」

絵里「さっ、私達も中に入るわよ…!」

穂乃果「あいあいさー」

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高坂家-


テレビ「えー…この廃病院は、その昔…ガシャン!…きゃあっ!!な…なに…?……」

雪歩「にこさん、ビビりすぎじゃ…」

亜里沙「でも、テレビ的には面白いよね!」

雪歩「そうだね……」

雪歩「あと、なんで三角頭巾付けてるんだろ…」

亜里沙「でも、似合ってるよね!」

雪歩「似合ってるかなぁ…」

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廃病院-


凛「なんか、瓶落としちゃったにゃ」

花陽「にこちゃんの悲鳴が聞こえたね…」

凛「にこちゃん、ビビりすぎだにゃ」

ことり「さっきから、ずっとお塩撒き散らしながら歩いてるしね…」

絵里「…」ガクガクブルブル

真姫「絵里…あなた…怖いの…?」

絵里「そそそそそそそんな事なななななないわっ…!」ガクガクブルブル

穂乃果「絵里ちゃん、大丈夫だよ?一人にならない限り悪霊は襲ってこないから」

希「違うで、穂乃果ちゃん。エリチは、ただ単に、暗いのが怖いんや」ニヤニヤ

絵里「そそそそそそそんな事なななななないわっ…!」ガクガクブルブル

海未「そういえば、ノートの記述は変わってませんか?穂乃果」

穂乃果「あっ、うん!今見てみるねー」

穂乃果「…」ペラペラペラ

穂乃果「…!!」



黒く寂れた病院で
死神は力を増すだろう
そこにいてはいけない
命を刈られてしまうから


穂乃果「こ…これって…」

海未「…?何が書いてあったのですか?」

穂乃果「ここにいちゃいけないって…」

穂乃果「もう…一人じゃないから大丈夫とか…そういう次元じゃないって…」

凛「そ…それって…悪霊が力を増したって事!?」

穂乃果「うん…そう書いてある…」

希「こんな場所やからね…」

希「とにかく、このままじゃ、にこっちもウチらも危ない…にこっちには悪いけど、放送はやめて貰って、もう逃げよう…」

海未「そうですね…こうなってしまった以上しょうがないですね…」

花陽「じゃあ、私…にこちゃん呼んできます…!」

花陽「にこちゃーん!」タッタッタッ

にこ「え?」クルッ

にこ「は、花陽!?それに、みんなも!?」

海未「あぁ…!にこ…!こっちにカメラを向けないでください…!私が写ってしまいます…!」

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高坂家-


亜里沙「海未さんだっーー!!!」

雪穂「お、お姉ちゃんも…」

亜里沙「ていうか、μ’s全員集合だよ!すごいよ!これ!」

雪穂「う…うん。でも、なんで…」

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スタジオ-


司会者「んー?部外者かと思ったが、よく見たらこれは、μ’sのメンバーではないか!?」

ツバサ「えぇ、これはμ’sよ…」

司会者「おおっーと!高校時代ともに鎬を削ったA-RISEの綺羅さんが認めたっー!」

一同「「おぉー…!」」

あんじゅ「ふふっ、なにしてるのかしら、あの子達」

英玲奈「全く…予想外のことをするのは変わってないな…」

ツバサ「えぇ…でも、考えなしに行動する人達じゃないわ…何かあったのかしら…」

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廃病院-


海未「ひ…ひぃーっ…私が…私の体が全国に…」

穂乃果「海未ちゃん落ち着いて…」

にこ「あんた達、来てくれたのね!」

希「結構前からね」

にこ「えぇ!?じゃあ、早く現れなさいよ!」

希「いや、にこっちを一人にしなければいい話だったから…」

にこ「だった…?」

希「うん…状況が変わったんだ…。もう一人でも危険…。今は一刻も早く放送を止めてここから逃げた方がいい」

にこ「そう…」

にこ「…」

にこ「でも…放送は止めないわよ」

海未「にこ!?」

にこ「当たり前でしょ!今この瞬間、一体何人の人が楽しみにテレビを見てくれてると思ってるの!?その人達を裏切る事はできないわ」

花陽「にこちゃん…」

にこ「放送は続ける…でも、死んじゃったら元も子もないから、もちろん逃げる」

にこ「どっちもやるのよ…!」

花陽「うん…!それでこそ、にこちゃんだよ!」

にこ「ふふっ、ありがとう花陽。いずれ一緒に仕事ができるといいわね」

花陽「え…」

にこ「憧れちゃったんでしょ?追いかけなさいよ」

花陽「にこちゃん…」ウルッ

にこ「ま、とにかく今は逃げるわよ!さっきも言ったけど、死んじゃったら元も子もないからね!」

花陽「うん…!」

ガララ…

ことり「あっ!二人とも危ない!」

花陽、にこ「「え?」」

ガッシャアアアアアアアンッッ!!!!!

花陽、にこ「「きゃあっ!」」

真姫「花陽!?にこちゃん!?」

凛「大丈夫かにゃ!?」

花陽「う…うん、なんとか」

にこ「ごめんなさい…私は…ちょっと足を…」ズキ…

------------------

高坂家-


雪穂「ええ!?今の何!?」

亜里沙「だ、大丈夫なの…!?」

雪穂「今の当たってたら、死んでたんじゃ…」

亜里沙「そんな…」

雪穂「なんで、こんな危険な場所に…」

亜里沙「お姉ちゃん…大丈夫かな…」

------------------

スタジオ-


司会者「な…なんだ?今のは…大丈夫か?」

ツバサ「な…」

ツバサ「なんですか!この危険な場所は!?今すぐ放送を止めて、助けに…!」

あんじゅ「ツバサ、落ち着いて」

ツバサ「ぐ…」

英玲奈「気持ちは分かるが、今は生放送…矢沢がプロとして頑張ってるんだ。私達もプロとして振る舞おう」

ツバサ「わ…分かったわ…」

司会者「テ、テレビの前のみなさん…!現在、矢沢にこさんが大変危険な場所にいます…!矢沢さんは、いつも笑顔で私達を励ましてくれますっ!今日は…!今日は反対に、私達が祈りで矢沢さんを励ましましょう…!!」

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廃病院前-


スタッフ「おかしいな。事前調査では壊れるような所は無かったんだけど」

スタッフ「すいません。来てすぐで申し訳ないんですが、助けに行ってもらえませんか」

霊能者「あ…あぁ…」

霊能者「時間間違えたり、来てすぐ行けって言ってきたり…君…ふてぶてしいな…」

スタッフ「そうすか?」キョトン

霊能者「そういうところだよ…」

スタッフ「とりあえず早く行ってください」

霊能者「あ…あぁ…」

スタッフ「あ、カメラさんも同行して!バッチリ撮ってきてね」

カメラマン「はい!」

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廃病院-


絵里「大丈夫?にこ、立てる?」

にこ「え、えぇ…なんとか」

にこ「それより…」

ガララ…

にこ「道…塞がれちゃったわね…」

希「逃がさないって事やろか…」

絵里「ひぃ…」ガクガクブルブル

真姫「でも、逃げなきゃ死ぬだけよ」

凛「うん…!なんとか他の道を探さなきゃ」

にこ「だったら、私が見取り図を持ってるわ」スッ

海未「反対側に外階段がありますね」

にこ「えぇ…そこを通れば外に出れるわ」

穂乃果「じゃあ、急いで行こう!」

ことり「待って!にこちゃんが…」

にこ「我慢するわ。今は走るしかないでしょ…」

穂乃果「にこちゃん….」

穂乃果「ごめん…にこちゃん。辛いかもしれないけど…頑張って!」

にこ「分かったわ…アイドルにこにーに不可能は無いんだから」

穂乃果「行こう!みんな!」ダッ!

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高坂家-


亜里沙「が…頑張って…!」

雪穂「お姉ちゃん…」

亜里沙「でも、なんでこんなに焦ってるんだろ…」

雪穂「分かんない…でも、何かあるんだと思う…」

雪穂「死なないでよね…!お姉ちゃん…!」

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スタジオ-


司会者「すごい!すごいです!μ’s!絆の力で脱出なるかっー!!」

司会者「みなさんも祈りを続けてください!みなさんの祈りが力になるはずです!」

ツバサ「穂乃果さん…」

あんじゅ「大丈夫よ、ツバサ。あの子達なら」

英玲奈「あぁ…だが、今回は少し悪い予感がするんだが…」

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廃病院-


花陽「ことりちゃん!止まって!」

ことり「え?」

ヒュン!

ことり「きゃ…!」

ことり「あ、危なかった…ありがとう花陽ちゃん」

希「こ…これはメス…なんで飛んできたんや…」

真姫「危険ね…早く出ましょう」

絵里「えぇ…」

グラ…

絵里「え?今…揺れ…」

グラララララララララララララララッッッッッッッ!!!!!!

絵里「きゃ…きゃあああ!!」

海未「じ…地震…!?」

希「て…天変地異まで…操れるんか…!」

ガラガラガラガラ

凛「た…建物が壊れそうにゃ…」

穂乃果「それに…この揺れ…立ってるのがやっとで…」

ことり「こ…怖いよ…海未ちゃん…」

海未「だ…大丈夫です…!」

------------------

スタジオ-


司会者「じ…地震…!?」

司会者「あっ…今情報が入りました!矢沢さんのいる廃病院付近で突如原因不明の揺れを計測したようです!」

ツバサ「そんな…どうゆう事よ…」

あんじゅ「危険ね…」

英玲奈「やはり、悪い予感が…」

司会者「祈りをっー!みなさん!祈りを捧げましょうっ!!」

------------------

高坂家-


亜里沙「んむむ~」

雪穂「むむむ~」

亜里沙「届け~!私の祈り~!」

雪穂「私のも~!」

------------------

廃病院前-


グラグラグラグラ

「うわー!地震だー!逃げろー!」

「うわー!早く車に乗れー!!」

「建物から離れろー!」

「わー!きゃー!」

スタッフ「おい…うろたえてんじゃねえ」

「え?」

スタッフ「矢沢さんがまだ出てきてねえだろ」

「で…でも…避難しなきゃ…死…」

スタッフ「俺はテレビ作るのに命かけてる。逃げたきゃ勝手に逃げろ」

スタッフ「俺はここで待つ」

「そ…そんな…」

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廃病院-


凛「う…うぅ…」

真姫「凛…頑張って…」

絵里「揺れが止まらない…」

ガラガラガラガラ

希「ま…まずいね…このままじゃ建物が崩れる…」

穂乃果「ふぐぅ…」

穂乃果(こ…怖い…!)

穂乃果(叫び出しそう…)

穂乃果(でも、みんな我慢してる…)

穂乃果(怖くならないように…パニックにならないように…)

穂乃果(みんな踏ん張ってるんだ…)

穂乃果(私も踏ん張らなきゃ…!)

ユラァ…

穂乃果(…ん?)

穂乃果(人…?)

穂乃果(この揺れで立ってる…?)

ユラァ…ユラァ…

穂乃果「…!?」

穂乃果(こっちに歩いてきてる…!?)

穂乃果「み…みんな…!あれ…!!」

絵里「え?」

ユラァ…ユラァ…

絵里「う…嘘…お…おば…おばおば…おば…」

絵里「きゃあああああああああ!!!!おばけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ユラァ…ユラァ…

花陽「う…嘘…怖いよ…」

凛「お…女の人…?」

真姫「一定の速さでこっちに…」

ユラァ…ユラァ…

希「もしかして、ノートに取り憑いてた霊かも…」

ことり「そんな…!じゃあ、私達の事…!」

海未「まずいですね…私達は揺れで身動きが取れない…もし、こっちまで来られたら…」

ユラァ…ユラァ…

絵里「はぁ…はぁ…ひい…ひい…だ、大丈夫よ…?にこ落ち着いて…幽霊なんていないんだから…」

にこ「あんたが落ち着きなさいよ!」

にこ「それにしても…この状況…いくらなんでも、まずいわね…」

ユラァ…ユラァ…

穂乃果(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いっっっ!!!)

穂乃果(どうしようどうしようっ!!)

ユラァ…ユラァ…

穂乃果(なんで…)

穂乃果(なんでなの…)

穂乃果(なんで…)

穂乃果「なんで…」

穂乃果「なんでこんな事するのっ!!」

海未「ほ…穂乃果…」

凛「あ…あれ?幽霊の動きが…」

ユラァ…………ユラァ…………

ことり「遅くなってる…!」

花陽「な…なんで…!?」

真姫「そ…それに揺れも…」

グラグラグラ…

希「おさまってきてる…?」

------------------

廃病院 一階-


霊能者 ブツブツブツブツブツブツ…

カメラマン「お…おい…!揺れが…」

霊能者 ブツブツブツブツブツブツ…

カメラマン「おさまってきた…?」

霊能者「ブツブツ……っと…よし…!我々も動くぞっ!!」

カメラマン「は…はいっ!」

霊能者「ちっ…揺れを止めるのにこれほど時間がかかるとは…」

霊能者「先程から、何故か分からんが、ここに向けて届けられている祈りの力もあるんだぞ…!」

霊能者「一体どれ程の悪霊なんだ…!」

霊能者「私が行くまで、生きててくれよ…!」

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高坂家-


雪穂「ねえ…さっきからカメラに映ってるこの女の人って……」ガクガク

亜里沙「う…うん…怖いよ…雪穂…」ブルブル

雪穂「わ…私達よりお姉ちゃん達の方が怖いはずだよ…!」

亜里沙「雪穂…」

雪穂「い…祈りを送ろう…!」

亜里沙「うん…!」

------------------

スタジオ-


司会者「こ…これは…」

ツバサ「もしかして…本物の…」

あんじゅ「まさか…」

英玲奈「そんな非科学的な…」

司会者「み…みなさん…!私達は今、何を見ているのでしょうか…!何かは分かりません!分かりませんが、私は今日の、この放送がテレビ史に残るという事には確信が持てますっ!!」

------------------

廃病院-


ユラァ…ユラァ…

絵里「に…逃げるわよ…!」スクッ

穂乃果「うん…!にこちゃん立てる…?」スクッ

にこ「えぇ…なんとか…」 ズキズキ

ユラァ…ユラァ…

海未「どうやら、幽霊もあれ以上の速さは出ないようです…!急ぎましょう!走れば振り切れます…!」

希「うん…!にこっち、手貸すよ!」

にこ「ん、ありがと…希。助かるわ…」

ユラァ…ユラァ…

真姫「もう…すぐそこまで…!」

花陽「ひっ…」

真姫「どうしたの?花陽」

花陽「か…顔見ちゃった…」

真姫「…!!」

真姫「い…急ぎましょう!」タッ!

凛「うん!行こう、かよちん!」タッ!

花陽「うん…」タッ!

ユラァ…ユラァ…

穂乃果「はぁ…はぁ…足場が悪くて…」タッ…タッ…

ことり「はぁ…はぁ…穂乃果ちゃん…!頑張って…!」タッタッ…タッ…

海未「そうです…!弱音を吐くのは許しませんよ…!」タッ…タッタッ…

ユラァ…ユラァ…

穂乃果「うん…!私…頑張るよ…!」タッタッ…タッ…

穂乃果「あ…あとね…!こんな時にいう事じゃないかもだけど…」タッ…タッ…

絵里「どうしたの…?穂乃果…」タッ…タッタッ…

ユラァ…ユラァ…

穂乃果「私…新しいグループ名分かったよ…!」タッ…タッタッ…

真姫「な…なによそれ…本当に今言う事じゃないわねっ…!」タッ…タッタッ…

穂乃果「うん…でも…今だからこそ、言っておきたくて…」タッ…タッタッ

ユラァ…ユラァ…

花陽「今だから…?」タッタッ…タッ

凛「それで…グループ名は何にゃ…!?」タッタッ…タッ

穂乃果「μ’sっ!!」タッタッタッ

海未「そ…そのまんまじゃないですか…!」タッ…タッタッ

穂乃果「うんっ!でも、それでいいと思った!私達は確かに解散してμ’sは終わりにした…!」タッタッタッ

穂乃果「でも…私達はやっぱりμ’sなんだよ!うまく言えないけど…μ’s以外はありえないんだよ!」タッタッタッ

絵里「ふふっ…私もそれでいいと思うわ」タッタッタッ

海未「絵里…!」タッ…タッタッ…

絵里「私達のいたμ’sは終わり…でも、また新しいμ’sを始めればいい…!」タッタッタッ

絵里「実は、私達3年生はずっと思っていた事なのよ…!」タッタッタッ

穂乃果「そ…そうだったの!?」タッタッタッ

希「そうやで…でもな…やっぱり、もう部外者の私達が出しゃばっちゃダメだと思ってね…」タッタッタッ

にこ「絵里がうるさくて…!」タッタッタッ

花陽「にこちゃん…」タッ…タッタッ

花陽「わ…分かったよ…!私もμ’sがいいっ!」タッタッタッ

凛「凛も…!凛もやっぱりμ’sがいいよ!」タッタッタッ

穂乃果「二人とも…」タッタッタッ

真姫「そうね…確かにμ’s以外は考えられないかも…!」タッタッタッ

ことり「私もμ’sが一番だと思うっ…!」タッタッタッ

穂乃果「真姫ちゃん…ことりちゃん…!」タッタッタッ

海未「全く…私は、いろいろ案を考えていたんですがね…」タッ…タッタッ…

穂乃果「海未ちゃん…」タッタッタッ

海未「ですが…やはりμ’sよりいいネーミングは思いつきませんでした…!」タッタッタッ

海未「私もμ’sがいいです!μ’s以外は考えられませんっ!」タッタッタッ

穂乃果「海未ちゃんっ…!」タッタッタッ

穂乃果「ありがとう!みんな!私達はこれからもμ’sだっ!」タッタッタッ

ことり「うん…!」タッタッタッ

ザンッッッ!!!

穂乃果「え?だ、誰!?」

霊能者「よく耐えたっ!後は任せろっ!!」

霊能者「はああああああっっっ…!!!」

ユラァ…………ユラァ…………

凛「え…?動きが鈍く…」

霊能者「っ…なんつー力だよっ…!」

にこ「あ…あなたは…」

にこ「もしかして…有名な霊能者!?」

霊能者「ご名答っ!遅れてすまんっ!」

にこ「あのアホスタッフ…なんとかしてくれたのね…」

霊能者「ところで、この悪霊はなんだっ!?この廃病院のものとは思えないのだが…!」

ユラァ………ユラァ………

穂乃果「こ…このノートに憑いてた霊なんですが…」

霊能者「そ…それは…!?」

穂乃果「知ってるんですか…!?」

霊能者「あぁ…まだそんなものが世に出回っていたとはな…!」

ユラァ………ユラァ…………

霊能者「なるほど…100年もの間…力を貯め続けたわけか…!」

穂乃果「ひゃ…100年っ!?」

ユラァ………ユラァ…

霊能者「あぁ…!そのノートはな…100年前に、とある霊能者によって作られた…!」

ユラァ……ユラァ…

霊能者「ただ…未来が分かるっつーのは良くないもんでよ…!そのノートに関わって死んでいくやつが多発した…!!」

ユラァ…ユラァ…

霊能者「ちっ…」

霊能者「それで、その死んでいった奴らの怨念が集まってできたのが…あいつなんだ…!!」

ユラァ…ユラァ

穂乃果「そ…そんな事が…」

霊能者「くっそ…!力が…力が足りんっ!!」

穂乃果「えぇ…!そんなっ!頑張ってくださいっ!!」

ユラァ…ユラァ…

霊能者「ダメだ…!俺一人ではとても足りんっ!もっと…!もっと力を…!!」

にこ「それって…一般人でも大丈夫?」

霊能者「もちろんだ…!しかし、どうする気だ…!?」

にこ「決まってるでしょ…!」

にこ「みんなっ!集まって!」

海未「なんですか…?」

ユラァ…ユラァ…

霊能者「おい…!何でもいいが急げよ!時間がねえっ!」

にこ「歌うわよ…カメラに向かって」

ことり「えぇ…!?」

花陽「こ…ここで…!?」

にこ「えぇ…μ’s…一夜限りの復活ライブよ!」

にこ「カメラマンさん、こっちから撮影お願いできますか?」

カメラマン「は、はい…!」

海未「ほ…ほんとに歌うんですか…!?」

海未「だって…楽器も何もないんですよ!?」

真姫「それなら、そこの部屋にピアノがあるわ」

海未「えぇ…!?」

真姫「ちゃんと動くかどうかは分からないけど…シート被せてあるし、なんとかなるんじゃない?」

凛「シート取ってみるにゃー!」ガバッ

ことり「わぁ…!綺麗だね!」

真姫「えぇ…。これなら弾けそう」

海未「で…でも、ダンスはどうするんですか!?この部屋じゃ、狭すぎますよ!」

希「ええんやない?左右に揺れるぐらいで♪」

花陽「あっ…!それいいかも…!」

海未「そ…そんな…でも…こんな場所でやるなんて…」

絵里「海未、これは何も歌いたいから歌うんじゃないわ。私達の歌を沢山の人が見てくれれば、それだけ沢山の人が力をくれる…」

絵里「そのためにも、今は歌うのよ…!」

海未「絵里…」

真姫 ポロ~ン♪

真姫「おっけー。音は出るわよ」

凛「やったにゃー!これで歌えるにゃ!」

にこ「カメラさん!照明最大にしてもらっていいですか?」

カメラマン「はーい!」カチカチ

ことり「わぁ~…ここだけ光が当たってステージみたい…!」

にこ「えぇ…!最高のステージだわ…!」

海未「うむむ…」

穂乃果「海未ちゃん…!」

海未「ほ、穂乃果…?」

穂乃果「さっ!一緒に歌おう!」

海未「…!」

海未「はぁ…穂乃果には敵いませんね…」

穂乃果「えへへっ…!」

穂乃果「…じゃあ、一夜限りのμ’s復活ライブ!楽しんでいこう!」

穂乃果「1!」

ことり「2!」

海未「3!」

花陽「4!」

凛「5!」

真姫「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」

穂乃果「みゅーーず!みゅーじっくーーー…」

全員「「すたーーとーー!!!」」

------------------

高坂家-

亜里沙「すごい!すごい!μ’sだ!μ’sだよ!雪穂!」

雪穂「うん…!すごい…!」

亜里沙「祈ろう!雪穂!」

雪穂「うん…!!」

穂乃果ママ「雪穂!穂乃果がテレビで…」

雪穂「うん!今みてるよ、お母さん!」

穂乃果ママ「あら、歌ってるのね…」

穂乃果ママ「ふふっ…穂乃果ったら…嬉しそうな顔しちゃって…」

------------------

スタジオ-

司会者「みなさんっ!!なんと、あの伝説のμ’sが一夜限りの復活ライブをしていますっ!!祈りましょう!!全力で祈りましょうっ!!!」

ツバサ「穂乃果さん…!」

あんじゅ「うむむ~」

英玲奈「はぁ~…!」

------------------

日本全国各地-


女の子「わぁ~!μ’sだぁ~!」

女子高生「祈るしかないっしょ!」

お婆ちゃん「なんまんだむなんまんだむ」

坊さん「ぶつぶつぶつぶつぶつ…」

観光客「oh!μ’s come back!let's pray!」

ヒデコ「穂乃果…!」

フミコ「頑張れ!」

ミカ「むむむ~…!」

------------------

廃病院-


霊能者「きたきたきたっーー!!!全国から力が集まってきたぞーー!!!」

穂乃果「本当ですか!?」

霊能者「あぁ!いけるっ…!これなら…!」

ユラァ………ユラァ…………

凛「動きが鈍く…!」

霊能者「はあああああああああっっっ!!!」

ユラァ………………

霊能者「これで…終わりだあああああっっ!!!」

ユラァ…



スゥ………

穂乃果「き…消えていった…」

ことり「や…やったの…?」

霊能者「あぁ…霊は消えたよ…ありがとう。君達のおかげだ」

穂乃果「ほ…本当に…?」

霊能者「あぁ…綺麗さっぱり…跡形も無くね」

穂乃果「~~っ!!」

穂乃果「やったあああっっーーーー!!!!」

穂乃果「やった!やったよ!みんな!私達生きてる!!」

海未「はい…!やりました…!」

ことり「はぁ…終わったら腰が抜けちゃった…」

絵里「私も…」

花陽「あはは…私もです…」

凛「怖かったからね…」

真姫「えぇ…でも、なんとかなったわ…」

にこ「やっぱり、μ’sに不可能は無いのね!」

希「ふふっ、そうかもね♪」

穂乃果 グゥ~

穂乃果「あっ…」

海未「ちょっと!穂乃果!なんなんですか、あなたは!///」

穂乃果「あはは~…動いたからお腹減っちゃった…///」

ことり「私もお腹減ったよ~」

絵里「そうね、じゃあ、帰りましょうか」

希「あっ、じゃあ帰りみんなで焼肉行こうか!」

希「にこっちの奢りで♪」

にこ「なんで私!?」

凛「にこちゃん働いてるにゃ」

真姫「給料いいんでしょ?」

花陽「にこちゃん…!ありがとう!」

にこ「うっ…」

にこ「…」

にこ「もー!しょーがないわねー!連れてってやるわよ!」

穂乃果「やったーー!!!」

海未「食べ過ぎてはダメですよ?」

穂乃果「だいじょーぶだよ!動いたから!」

海未「その考え方がダメなんです…!全く…あなたという人は…」

ことり「海未ちゃん…!今日のところは…ね?」

海未「はぁ……もう…ことりは穂乃果に甘いです」

穂乃果「わーい!ことりちゃん大好きー!」

絵里「さっ、みんな、余韻に浸るのもこれぐらいにして、早く建物から出ましょ。今にも崩れそうだわ」

穂乃果「うん…!焼肉楽しみだなー♪」

------------------

廃病院外-


にこ「あんた達…避難しなかったのね」

スタッフ「矢沢さんに渡したカメラ返してもらってなかったので」

にこ「はぁ…それだけの理由で?」

スタッフ「はい」

にこ「ふっ…まあ、そういう事にしといてやるわ」

スタッフ「じゃあ、スタジオに帰りましょう」

にこ「えぇ」

凛「にこちゃん、お仕事頑張ってねー!」

にこ「任せなさい!スタジオでも暴れてくるわ!」

にこ「さっ、行きましょ」

スタッフ「はい。おーい、車出してー」

「はい!ただいま!」

スタッフ「なんか聞き分け良くなったな…」

ブロロロロロロロ……

凛「ばいばーい!頑張ってねー!」

穂乃果「待って…焼肉は…!?」

希「にこっちの収録が終わった後やね」

穂乃果「そんなああ~!待てないよ~!!」

霊能者「君達…ちょっといいか」

穂乃果「え?なんですか?」

霊能者「ノートなんだが…私が預からせてもらっていいか?」

穂乃果「…!」

霊能者「悪霊は追い払ったが、やはり未来が分かるノートは危険だ…君達の事を信頼しないわけではないが、念のためな?」

霊能者「いいか?それで」

穂乃果「はい!もちろんです!お願いします!」

霊能者「そうか…それじゃあ、俺も行くよ。今日は助けられた。ありがとな」

穂乃果「いえいえ、助けられたのは私達で…」

霊能者「いーや…助けられたのは俺だ。俺はアイドルとかには疎くて、君達の事も申し訳ないが知らない」

霊能者「でも、今日の君達のライブ…。最高だったぜ!うっかりハマっちまいそうだった…!」

穂乃果「霊能者さん…!」

穂乃果「私達、またライブやるんで、良かったら来てくださいね!」

霊能者「あぁ…暇だったらな」

霊能者「それじゃあ、達者でな!」

穂乃果「はい!さよーならー!」

海未「頼りになる良い方でしたね」

穂乃果「うん…!ライブ見にきてくれるといいな…!」

真姫「はぁ~….疲れた…一回うちに帰りましょう?」

絵里「そうね、希に運転してもらって♪」

希「えぇ~…また、ウチがあのリムジン運転するの~…」

絵里「しょうがないでしょ♪さっ、みんな乗るわよ!」

穂乃果「はーい!」

------------------

次の日 お寺-


霊能者「はぁ…全く…昨日は疲れたな…」

霊能者「…未来ノート…」

霊能者「こんなものが、まだあったとは…」スッ

霊能者「先代で全て処分したと思ったが…」パラパラ

霊能者「…」パラパラ

霊能者「うぉっ!?この霊能者っての俺のことか!?」

霊能者「そのまんまだな…」

霊能者「…」パラパラ

霊能者「ん…ここで終わりか…」

霊能者「…!?」

霊能者「文字が浮き出て…」

霊能者「…」

霊能者「ん…なになに…?」

霊能者「第…….…なんだ?読めねぇなあ…」

霊能者「第何章だ…こりゃ…」

霊能者「まあ、いいや…えっと…」

霊能者「光の意思は受け継がれるだろう…」

霊能者「光り輝く浦の星の地にて………」

霊能者「浦の星ぃ?」

霊能者「どういう意味だ…?これ…」

霊能者「はー…やめだ!やめだ!未来なんか知ってもいい事ねえわ!」ポーイ

霊能者「未来は、てめぇの手で切り開いていくもんだからな」

霊能者「…昨日のあいつらのように…」

------------------

音ノ木坂 屋上-


穂乃果「よーし!じゃあ、今日も練習張り切って行くぞっーーー!!!」

全員「「おー!!」」


完-

読んでくださった方ありがとうごさいました!
最後に「未来ノート」全文公開します。

*穂乃果達が未来を変える前のものも含みます



「未来ノート」


第1章「希望」


ひとつのほのかな光に導かれ、二つの光が集まるだろう

やがて光は輝きを求め、一つの旋律を奏でる
現実は残酷に語りかける
光を絶やしてはいけない
きっと未来は輝くはずだから

新たに光が加わり、輝きを増しながら加速するだろう
妬み邪魔する者が現れ、立ち塞がるだろう
拒む事は勧めない
理解し、受け入れよう
大事な光の一つなのだから

7つとなった光は、碧眼の少女に接近する
占い師に導かれ、光は完成するだろう

9つの光は迷わない
進む未来は明るく輝く
しかし情熱を傾けすぎてはいけない
無我夢中になってはいけない
それは、きっと災いを引き起こすから

大切な光がひとつ欠けて
少女は笑わなくなるだろう
救いの手は優しく語る
始まりの場所で

再び光は輝くだろう
新たに志を掲げるのが良い
高い志なら、なおさら良いはずだ
ひとつとなった光に不可能はないのだから



第2章「栄光」


輝きの場が与えられ、光は高みを目指すだろう
翠眼の少女は交渉を持ちかける
輝きを異にするもう一つの光は高く君臨する
超えなければならない
その先に目指すものがあるのなら

ひとつだった光はゆらぐ
焦ってはいけない
ゆらぎは強さに繋がるから

空から祝福が降る
祝福は障壁に変わり、三つの光を苦しめるだろう
支える手は多いはずだ
君達は一人じゃない

美しい旋律は愛を語る
この頃には、終わりが近づくだろう
悲観してはいけない
前を向くしかないのだから

止まる事を知らない時間は決断を迫るだろう
答えは、二つの間で揺れるはずだ
決して自分達を見失ってはいけない
そうすれば、おのずと答えは見つかるはずだから

終わりゆく時間を楽しもう
寂しい事はないはずだ
最後の旋律を奏でよう
全てを祝福し、夢に唄おう




第3章「喜び」


もう君達は君達だけのものじゃないのだ
向き合わなければいけない
期待は大きいだろう

再び決断を迫られる時
光の輝きは、より一層強くなるだろう
迷う必要はないはずだ
いつだって君達は君達らしくいればいいのだから

全ての人に感謝しよう
唄で伝えるのが良い
光は全てを巻き込み最高の輝きを迎えるだろう

最期の時、君達は立ち戻るだろう
他の何もいらないはずだ
ただ、この瞬間を楽しもう
僕たちはひとつの光なのだから




第4章「異変」


またここから始めよう
光は立ち止まる事を知らない
残る光が六つになろうとも

光の向かう先は暗闇だろう
過去は重くのしかかるだろう
それでも立ち止まってはいけない
君達はもう分かっているはずだ
未来は諦めない者だけが開ける事を

高嶺の花が散って
残された光は悲しみに暮れるだろう
光はやがて輝きを失い
未来はその扉を閉ざすだろう

突然現れた予言者は花を守る
それでも闇は止まらない
矛先は陽だまりの花に向かうだろう
夜空に見守られながら

鎮魂歌は高らかに響くだろう
悲しみが全てを無に帰すだろう
輝きは失われ、光は散失するだろう
意思を継ぐ二つの光は道しるべを失い
悲劇は繰り返されるだろう

長い夜を抜け朝がくるだろう
南から鳥が来て、少女を連れ去るだろう
平和を満喫しなさい
今しかないのだから

月が満ちる時、死神はまた現れるだろう
鳥は羽をもがれ地に堕ちるだろう
抗うことはよそう
逃れることはできないのだから

占い師が現れ危機は去るだろう
異国の少女は予言者を救うだろう
月は欠けはじめ、また死神は身を隠す
安堵は禁物だ
死神は消えてはいないのだから

予言者は未来を語ってはいけない
さらなる災いを引き起こすから



第5章「暗黒」


光は再び集うだろう
未来は予言者の口から語られる
一つ光が欠けているはずだ
その光は永遠に輝きを奪われるだろう

光は再び集うだろう
未来は予言者の口から語られる
欠けていた光も、じきに揃うだろう

始まりの地に向かうといい
真実が分かるから
なによりも孤独を恐れなさい
孤独は死に繋がるから

笑顔の少女は一人死地に向かう
死神の笑い声は高く響くだろう
もう未来は変えられない
君達が死力を尽くそうとも

黒く寂れた病院で
死神は力を増すだろう
そこにいてはいけない
命を刈られてしまうから

未来への誓いをたてよう
生きる力になるから
霊能者が現れて死神を苦しめるだろう
それでも力は及ばない

遂に姿を現した死神を止める事はできないだろう
光がひとつにならない限り
祈りはひとつになって力をくれるだろう
全てがひとつになった時
死神は敗れるだろう



第~章

光の意思は受け継がれるだろう
光り輝く浦の星の地にて


めっちゃ面白かった
乙乙

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