サーバル「ジャパリスクールってなになにー!?たのしそー!!」 (269)

―ジャパリバス 車内―

サーバル「このあたりにはどんなフレンズがいるんだろうねー」

かばん「楽しみだね」

ラッキービースト『コノアタリニハ アマリフレンズハ スンデイナイネ』

かばん「そうなんですか?」

ラッキービースト『ソノカワリニ トクベツナ タテモノガアルヨ』

かばん「どんな建物なんですか?」

ラッキービースト『ジャパリスクールダヨ』

サーバル「ジャパリスクールってなになにー!? たのしそー!!」

ラッキービースト『フレンズタチガ ベンキョウスルトコロダヨ』

かばん「勉強って……」

ラッキービースト『ミエテキタヨ。ヒダリニミエル オオキナタテモノガ ジャパリスクールダヨ』

サーバル「すごーい!! あれがスクールなんだー!! ねえねえ、かばんちゃん、行ってみようよ!!」

かばん「あ、うん」

サーバル「どんなところだろうねー! たっのしみー!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505633931

―ジャパリスクール 校門―

ラッキービースト『ココガ ジャパリスクールダヨ』

サーバル「なになに、ここー!? すっごーい!! かばんちゃん、向こう側におおきな砂場があるよー!!」

かばん「ホントだね。雑草が何もないし砂漠みたいだけど、暑くないね」

ラッキービースト『アレハ グラウンドダネ アソコデハシッタリ アソンダリ スルンダ』

かばん「へぇ……」

サーバル「うみゃみゃみゃー!!」ダダダッ

かばん「サーバルちゃーん!?」

サーバル「何もないから走りやすくてたのしーよー!! かばんちゃんもおいでよー!!」

かばん「あはは……。サーバルちゃんは相変わらずだなぁ……」

サーバル「これなんだろー? これでなにするのかなぁ」

かばん「ラッキーさん、あの高い棒はなんですか?」

ラッキービースト『アレハ ノボリボウダネ。コレデ ノボリオリヲスルンダ』

サーバル「登って遊ぶんだね! なら木登りと一緒だー!! うみゃみゃみゃー!!」

かばん「木登りの練習をするための棒なのかな?」

サーバル「かばんちゃーん!! こっちに大きな水たまりがあるよー!!」

かばん「水たまりというか、水を溜める場所のような気も……」

ラッキービースト『ココハ プールダネ ココデオヨイダリデキルヨ』

かばん「泳ぐ練習ができるってことですね」

サーバル「泳ぐのはあんまり得意じゃないから、いいかなぁ」

かばん「プールの隣にある大きな建物はなんですか?」

ラッキービースト『タイイクカンダネ コノナカデ ウンドウシタリスルンダ』

かばん「運動なら外でもできるんじゃあ……」

ラッキービースト『アメガ フッタトキニ シヨウスルネ』

サーバル「私は雨が降っても気にしないけどなー」

かばん「もしかしたら濡れるのが嫌なフレンズさんもいるんじゃないかな?」

サーバル「あー。そうかも。鳥のフレンズにそう言う子いるって聞いたことあるよ」

ラッキービースト『コウシャノ ナカニハイッテミヨウカ』

かばん「コウシャ?」

ラッキービースト『イチバンオオキナ タテモノダヨ』

―校舎内 廊下―

サーバル「おぉー!! なにここ、なにここ!! 道がなっがーい!!」

かばん「部屋が沢山あるけど、どこも同じみたい」

ラッキービースト『コノヘヤハ キョウシツッテイウンダ キョウシツデ フレンズタチハ ベンキョウヲスルコトニ ナッテイルヨ』

かばん「勉強……」

サーバル「ねえねえ、かばんちゃん!! この道で思い切り走ってみていいかな!?」

かばん「え? いいんじゃない?」

サーバル「よーし!! はしるぞー!! うみゃぁー!!!」ダダダダッ

ラッキービースト『ロウカハ ハシッチャダメダヨ』

かばん「え? そうなんですか?」

ラッキービースト『スベリヤスイカラネ』

かばん「サーバルちゃ――」

サーバル「うみゃぁああああ!!!!!」

ガシャーン!!!

かばん「あぁ、遅かったぁ。サーバルちゃん、大丈夫ー!?」

サーバル「いたた……。いきなりツルっていっちゃった。氷でもないのに不思議だなー」

かばん「木とか土の感触じゃないね、この床。何でできているんだろう」

サーバル「ビーバーを連れてきたらわかるかな?」

ラッキービースト『ツギハ ウエニイコウカ』

かばん「上、ですか」

ラッキービースト『コノカイダンデ ノボルヨ』

かばん「わかりました」

サーバル「のっぼろー!」ピョンピョン

かばん「ん? 壁に何か貼られてる」

サーバル「かばんちゃん、どうしたの?」

かばん「この壁に何か貼ってあるんだけど……」

サーバル「なになにー。よんでよんでー」

かばん「文字がかすれてて全部は読めないけど、成績発表って書いてあるみたい」

サーバル「せいせき? せーせきってなに?」

かばん「フレンズさんたちが勉強するところ……。何を勉強してたんだろう」

ラッキービースト『ココハ オンガクシツ ダヨ。コノキョウシツデハ フレンズタチガ ウタッテイタンダ』

かばん「トキさんが喜びそう」

サーバル「うみゃぁ? この黒いのなんだろー」ペシッペシッ

かばん「ここが開くんじゃないかな?」パカッ

サーバル「あいたー。でも、よくわかんないね」

かばん「押せる、のかな?」

サーバル「どこが押せるのー?」

かばん「多分、ここ」グッ

ド~♪

サーバル「すっごーい!! 音がでたよ!! 私もやりたーい!!」

かばん「どうぞ」

サーバル「こっち押してみよっ」グッ

ミ~♪

サーバル「おぉー!! たーのしー!! うみゃみゃみゃみゃー!!!」ジャーン!!!ジャーン!!!ジャーン!!!!

かばん「そんな一度にたくさん押すものなのかな?」

ラッキービースト『ココハ ビジュツシツ ダヨ ココデ フレンズタチハ エヲカイテイタンダ』

かばん「絵をですか」

サーバル「これなにかな?」

かばん「筆、みたいだね」

サーバル「ふで? ふでってなに?」

かばん「絵を描く道具だとは思うんだけど」

サーバル「そうなんだー」

ラッキービースト『ウシロヲミテ』

かばん「はい? あ、絵がたくさんある……」

ラッキービースト『アレハ フレンズタチガ カイタ エ ダネ』

かばん「みなさん、とても上手……」

ラッキービースト『ココデ エヲカクレンシュウヲ シタカラダロウネ』

かばん「すごい……」

サーバル「あっれー? かばんちゃん、このふで、壊れてるみたい。何もかけないよー?」

かばん「そうなの? 描く道具じゃないのかな」

ラッキービースト『ココハ リカシツ ダネ』

かばん「ここでは何をしていたんですか?」

ラッキービースト『ジッケンヲ シテイタハズダヨ』

かばん「実験?」

サーバル「なにこれ、なにこれー? いろんなコップが置いてあるー。このさんかくのコップなんて面白い形してるー」

かばん「けど、水や紅茶を飲んだりするには向いてないかも」

サーバル「それじゃあ、何を飲むんだろー?」

かばん「そもそもコップなのかな?」

サーバル「うみゃぁ!?」ビクッ

かばん「どうしたの?」

サーバル「こ、これ……な、なんだろう……」

かばん「わぁぁ!? ほ、骨になったフレンズ……さん……?」

サーバル「えぇぇ!? なんでー!? どうしちゃったのー!? ジャパリまん食べれなかったのかなぁ!? かわいそー!!」

かばん「わからないけど……。ええと……どうしたらいいんだろう……ちゃんと土に還してあげたほうがいいのかな……」

ラッキービースト『アンシンシテ ソレハツクリモノダヨ』

ラッキービースト『ココハ カテイカシツ ダネ ココデハ リョウリヲ ツクレタリスルヨ』

かばん「料理を? このスクールって色んなことができるんですね」

ラッキービースト『ベンキョウスルトコロダカラネ』

かばん「それにしたって……」

サーバル「これなにかなー?」ペシッペシッ

かばん「白い箱……」パカッ

サーバル「おぉー。中はどうなってるのー?」

かばん「この箱の中、とっても涼しい。むしろ寒いくらい」

サーバル「えー? どうしてどうしてー? なんでここだけ冬なのー?」

かばん「なんでだろうね」

ラッキービースト『レイゾウコダネ コノナカニ タベモノヲイレテオクト ナガモチスルヨ』

かばん「そういう使い方ができるんですね」

サーバル「それじゃあ、ジャパリまんいれとこーっと」

かばん「ジャパリまんは保存しなくてもいいんじゃない?」

ラッキービースト『ホカニモ イロイロナキョウシツガアルヨ。セッカクダカラ ミニイコウカ』

―体育館―

サーバル「みてみてー、かばんちゃーん!! 色んなボールがあるよー!!」コロコロ

かばん「種類が多いね。遊びによってボールを変えていたのかも」

サーバル「それにしても広いよねー。今までみてきたどの建物よりも広いよー」

かばん「うん。ここまで広いってことは、とても多くのフレンズさんが利用していた場所なんだろうね」

サーバル「なんでそこまでわかるの?」

かばん「ひとりやふたりのためにこんなに大きな場所は作らないだろうし、どの教室にも椅子と机がたくさん並んでいたから、そうかなって」

サーバル「すっごーい!! さすがかばんちゃんだね!! 私、全然気が付かなかったよー!!」

かばん「あはは……」

ラッキービースト『イチバン オオイトキデ 300ニングライノフレンズガイタミタイダヨ』

サーバル「300ぅ!? それって、それって、どれぐらいー!? 想像できないよー!! ね、かばんちゃん?」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃん? どうしたの?」

かばん「あ、ごめん。それだけ多くのフレンズさんたちと一緒に遊んだり、料理したりできたら楽しそうだなって」

サーバル「そうだねー。セルリアンが出るといけないから、みんなが同じちほーに集合することってあんまりないし」

ラッキービースト『ソレニ フレンズタチニハ ナワバリガアルカラネ サーバルミタイ二 タクサンイドウスルフレンズハ トリケイイガイデハ メズラシイヨ』

サーバル「私って珍しいの? 隣のちほーぐらいなら遊びにいってたけどなー」

かばん「スナネコさんやキタキツネさんはあんまり移動しなさそうだけどね」

ラッキービースト『イドウシテモ トナリノチホーグライガ イッパンテキダネ』

サーバル「それじゃあ、私は変じゃないねっ。よかった」

かばん「そこを気にしてたんだ」

サーバル「でも、昔はここまでたくさんのフレンズが来てたんでしょ? 隣のちほーからみんなが来たとしても300も集まるかなぁ」

かばん「さばんなちほーやじゃんぐるちほーからは遠すぎるよね。ラッキーさん、やっぱり利用していたのは隣のちほーにいるフレンズさんだけなんですか」

ラッキービースト『トオクノチホーカラモ サンカシテイルフレンズモ タクサンイタヨ ムカシハ バスガタクサンアッテネ ジャパリスクールバスナンカモハシッテイタンダ』

かばん「スクールバス……」

サーバル「ジャパリバスとは違うの?」

かばん「きっとこのスクールに通うためだけのバスがあったんじゃないかな? 遠くのちほーにいるフレンズさんはそれに乗って、ここまで通ってたんだよ」

サーバル「それなら、ここってすっごく楽しい場所だったんだね」

かばん「うん。きっとそうだよ」

サーバル「すごいねー。たくさんのフレンズが絶対に集まる場所かぁ」

―保健室―

ラッキービースト『ココデハ タイチョウヲクズシタフレンズガ キュウケイシテイタンダ』

サーバル「わーい! 休憩しよー!!」

かばん「サーバルちゃん、体調悪いの?」

サーバル「わるくないよっ!」

かばん「よかった」

サーバル「けど、ちょっと疲れちゃったかも。ここって見て回るだけでもたいへんだもんね」

かばん「確かに。まだまだ教室あるみたいだし」

サーバル「全部みるだけで一日終わっちゃうよぉ」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃん?」

かばん「あ、ごめん。なに?」

サーバル「なにか考えてたの?」

かばん「うん。ちょっと想像してた。ここでたくさんのフレンズさんが一緒に遊んだり勉強したりするところ。それが毎日ならとっても素敵なことだなぁって」

サーバル「うんっ。わたしもそう思うよ! あ! だったら、みんなに来てもらえばいいんじゃない? 今から呼びに行ってみる?」

かばん「みんなって?」

サーバル「カバでしょー、カワウソでしょー、ジャガーでしょー、アルパカでしょー、トキでしょー、スナネコでしょー、ツチノコでしょー、ビーバーとプレーリーもいるし、あとハシビロちゃんやライオンにヘラジカに――」

かばん「ちょ、ちょっと待って、サーバルちゃん。もしかして、今まで出会ったフレンズさん全員を呼ぶの!?」

サーバル「だめなの?」

かばん「ダメというか、そこまでの大人数だと一か所には集まりににくいんじゃなかったの?」

サーバル「そっかー。嫌がる子もいるよね」

かばん「隣のちほーのフレンズさんに声をかけるだけでいいんじゃないかな。それで数人のフレンズさんが来てくれたら十分だと思うし」

サーバル「かばんちゃんがそう言うなら、そうするねっ」

かばん「無理矢理連れてくるつもりだったの?」

サーバル「よーし、早速誘ってみようよ!!」

かばん「ここから一番近いのは……」

ラッキービースト『ココカラダト ヘイゲン ト コハン ガチカイネ』

かばん「ライオンさんやビーバーさんがいるところですね」

サーバル「わーい!! あそこのフレンズならみんなきてくれそー!!」

ラッキービースト『イッテミル?』

―へいげん―

ライオン「うーん。すっごく面白そうではあるけどなぁ」

サーバル「でしょでしょ!」

ヘラジカ「しかし、私たちはそう簡単に離れるわけにもいかないからな」

ライオン「セルリアンが出たときに他のフレンズを守ってあげられなくなっちゃうと困るからねぇ。かといって全員で移動するにはちょっと遠いよね。みんな一緒にはバスに乗れないしさぁ」

サーバル「えー!? ダメなのー!?」

かばん「仕方ないよ、サーバルちゃん」

サーバル「うん……」

ライオン「私とヘラジカはダメだけど、他の子なら連れていってもいいよー」

ヘラジカ「誰か、ジャパリスクールとやらへ行きたいものはいるか」

アルマジロ「どうする?」

ヤマアラシ「ヘラジカ様のお傍を離れて遊ぶのも気が引けますぅ」

オーロックス「私も大将から離れるわけにはいかないな」

サーバル「そっかぁ……」

ハシビロコウ「……」

ライオン「みんなぁー? いきたくないのかぁー?」

オリックス「いざというときのために複数は残っていたほうがいいかと」

ツキノワグマ「大きいセルリアンが出てきたら流石の大将も危ないもんね」

ライオン「えー? 折角、かばんとサーバルが誘ってくれているのにぃ?」

かばん「あの、そんな無理にとはいいませんし、僕たちもできればいいなーってだけですから」

ライオン「そう? なんかごめんねぇ」

ヘラジカ「無理矢理はお互い楽しめないからな」

かばん「他のところに行ってみます」

ライオン「うん、また気が向いたら誘ってよ」

かばん「ありがとうございます」

サーバル「ざんねんだなぁー……」

ラッキービースト『ツギハ ドコヘイコウカ』

かばん「ここまで来たらこはんはむしろ遠くなるから……」

サーバル「図書館に行ってみない? はかせたちなら来てくれるかもしれないよ」

ハシビロコウ「……」

―図書館―

オオコノハズク「スクール……。学校のことですね」

ワシミミズク「学校ですか」

かばん「どうでしょう?」

オオコノハズク「我々はこれ以上、勉強する必要はないのです。賢いので」

ワシミミズク「我々は既にたくさん勉強しているのです。賢いので」

サーバル「それもそっかー……」

かばん「あの、でしたら教える側に来てもらえませんか?」

オオコノハズク「教える側、ですか」

かばん「学校の先生としてなら適任かなぁって思うんですけど」

ワシミミズク「先生、ですか」

オオコノハズク「先生……」

かばん「ダメ、でしょうか?」

オオコノハズク「考えておきます」

かばん「よろしくお願いします」

―こはん―

プレーリードッグ「学校、たのしそうであります!!」

ビーバー「いいっすね。是非、参加してみたいっす」

サーバル「やったぁー! やったよ、かばんちゃーん!!」

かばん「ありがとうございます」

プレーリードッグ「みんなでお勉強なんて、絶対に面白いでありますよぉ」

ビーバー「おれっちもかばんさんから学びたいことたくさんあるっすから」

かばん「ぼ、ぼくからですか!?」

ビーバー「ちがうっすか?」

プレーリードッグ「私もてっきりかばん殿が教えてくれるものだと思ったでありますが」

かばん「教えてくれるのは多分、はかせさんになるかと」

ビーバー「なるほどぉ。あ、そうなるとジャパリまんをいくらか用意しないといけないっすね……。2個でたりるっすかね。でも、長時間になるなら10個でも足りない可能性も……」

サーバル「はかせたちがダメならかばんちゃんが教えてあげればいいんだよ」

かばん「えぇー!? な、何を教えれば……」

サーバル「何がいいかなー? あ、飛行機の作り方とかどうかな!?」

かばん「あれは簡単にできちゃうと思うんだけど」

サーバル「できないよぉ」

ビーバー「おれっちたち以外にどんなフレンズが来るんすか」

かばん「それが他のフレンズさんからはまだいい返事をもらえていなくて」

サーバル「プレーリーとビーバーが最初のスクールフレンズだよ」

プレーリードッグ「そうだったのですか! それは光栄であります!!」

ビーバー「はかせはちがうんっすか」

かばん「考えてはくれるといっただけで、確定したわけじゃないんです」

ビーバー「そういうことっすかぁ」

プレーリードッグ「我々だけでも良いスクールにできるでありますよ。ところで、いい感じに掘れるところはあったりするでありますか?」

サーバル「グラウンドっていうんだけど、すっごく広いお庭があるんだよー」

プレーリードッグ「おぉぉ!! それは掘り甲斐がありそうです!!」

かばん「あまり掘らない方がいいような……」

ビーバー「できるだけ集まって欲しいっすね」

かばん「はい。けど、皆さんは皆さんの事情がありますから」

―ジャパリスクール グラウンド―

プレーリードッグ「うおおお!! これは素晴らしいであります!! 穴!! 穴を掘りたくなる場所でありますなぁ!!」

かばん「あぁ、プレーリーさん、落ち着いてください。ここはあんまり掘らないようにしてください」

ビーバー「うわぁ……。凄い家っすねぇ。これは見ただけじゃ造れそうにないっす」

サーバル「ビーバーでも分からないなら、きっとパーク内のフレンズで分かる子っていないんだろうなぁ」

ビーバー「お、おれっちはそんなにすごくないっすよぉ」

プレーリードッグ「穴を掘れないなら、ぐっと我慢するであります。それで、何から始めればいいのですか」

かばん「うーん。そうですね……」

ラッキービースト『マズハ キョウシツニ イコウカ ソコデ ジュギョウヲ ハジメレバ イインダヨ』

かばん「だ、そうです」

サーバル「よーし、なら教室まできょーそーしよーよ!!」

ビーバー「サーバルさんには勝てないっすよぉ」

プレーリードッグ「絶対に負けないでありますぅ!!」

かばん「対照的だなぁ」

サーバル「かばんちゃん、用意はいい!? いっくよー!! うみゃぁ!」ダダダッ

―教室―

サーバル「いっちばーん!!」

プレーリードッグ「くぅぅ!! あと10秒だったのにぃ!!」

かばん「すごい大差だと思うんですけど」

ビーバー「はぁ……はぁ……。やっぱりサーバルさんには勝てないっすねぇ」

サーバル「あー。楽しかった。次は何をしたらいいの?」

かばん「とりあえず、座ろう。ビーバーさんもプレーリーさんも好きなところに座ってください」

プレーリードッグ「了解であります!!」

ビーバー「はいっす」

サーバル「外が見えるところがいいなー」

かばん「窓際だね」

サーバル「かばんちゃんは私の隣だよね」

かばん「そうしようかな」

サーバル「わーい。お隣さんだー」

ビーバー「ここからどうしたらいいっすかね」

かばん「ええと……」

ラッキービースト『ナニカヲ オシエルコトガ ジュギョウダヨ』

かばん「教えること、か」

サーバル「かばんちゃん! 飛行機の作り方教えてよ! 私、もっとうまくなりたいもんっ!」

プレーリードッグ「私も教えてほしいであります!!」

かばん「わ、わかりました。それでは、まずは……。って、紙がないとどうにも……」

ビーバー「あのぉ、机の中にこんなものが入ってたっすけど」

サーバル「なになにー? それって本?」

ビーバー「みたいっすね。けど、真っ白っす」

プレーリードッグ「バカには見えない系の本でありますか」

サーバル「わたしってバカだったの……!?」

ビーバー「おれっちも……」

プレーリードッグ「私もバカってことになります……」

かばん「い、いや、それは多分、何かを自分たちで書くものだと思うんですけど」

サーバル「それじゃあ本当に何も書かれていない本ってこと? そんなのあるんだ。すっごーい」

ビーバー「けど、本って何かが書かれているから本って言われているんじゃないっすか」

かばん「この本は大切なことを書き込むための本じゃないかと。教えてもらったことを忘れないように」

プレーリードッグ「おぉぉ。私たちで本を作るわけでありますね」

ビーバー「だから真っ白なんすね」

サーバル「わかった! かばんちゃんが今から教えてくれることをここに書けばいいんだね!」

ビーバー「だ、だったら、今教えてもらったことも描かないといけないっすね」

サーバル「早速かこーよ!!」

プレーリードッグ「はいであります!!」

かばん「机の中をもう一度見てもらえませんか? もしかしたら書くもの入ってるかも」

サーバル「どーだろー?」ゴソゴソ

サーバル「あ! あったよ! これ、なにかなー? 短くて、細い棒だねー」

ビーバー「木っすかね? 中心に黒いものがみえるっすけど……」ガジガジガジ

プレーリードッグ「とりあえず齧ってみるであります」カジカジカジ

かばん「えぇぇ……」

ビーバー「おぉ、黒いのが見えてきたっす。これは木じゃなさそうっすね」

サーバル「これでなにかかけるのかなぁ」

ビーバー「ためしてみるっす」カキカキ

かばん「どうですか?」

ビーバー「おぉ……。描けるっすよ。これ、すごいっすね。石をつかって地面に描くより力がいらないっす」

サーバル「私もかきたーい!! よーし! かくぞー!!」カキカキ

サーバル「あれー? おかしーなー。かばんちゃん、私のは壊れてるのかも。かけないよー」

かばん「黒い部分を出さないといけないんじゃないかな」

サーバル「そーなんだ。周りの木を削ればいいんだね。よーし! うみゃみゃみゃー」ガリガリガリ!!!

かばん「そんなに力強く削ったら……」

ボキッ

サーバル「うみゃぁ!? 折れた!? なんでー!?」

かばん「あはは……」

プレーリードッグ「かばん殿」

かばん「どうしたんですか?」

プレーリードッグ「齧っていたらいつの間にかこんなに小さくなっていたであります。不思議でありますなぁ」

かばん「ええと、とりあえず書くものは置いておきましょうか。これじゃあ授業ができませんし」

サーバル「えー? かばんちゃんから教えてもらったこと忘れたくないよー」

プレーリードッグ「私も忘れたくはないであります」

ビーバー「おれっちがここに描いておくっすから、ちゃんと残るっすよ」

サーバル「ありがとー、ビーバー!」

プレーリードッグ「ビーバー殿! 頼りになるであります!!」

ビーバー「いや、おれっちなんて大したこと……ないっすよ……」

かばん「それでは、紙飛行機の折り方の授業をします」

サーバル「わーい! たのしみー!!」

ビーバー「しっかり、ここに描くっすよぉ」

かばん「紙は今、手元にある白い本から千切って使ってください」

サーバル「こうだね!」ビリッ

プレーリードッグ「とお!!」ビリリリッ

ビーバー「綺麗に破らないと……うーん……失敗したら折れなくなるし……こう慎重に……あぁ……変なところから破けそうで怖いっすね……これ……」プルプル

かばん「あの、僕がちぎります」

かばん「まずは、このように紙の先端をとがらせるように折り――」

プレーリードッグ「できたであります!!」

サーバル「はやいよぉ! かばんちゃん、まだ説明の途中だよ!」

ビーバー「一度折っちゃうと、紙に癖がついちゃって、折りにくくなっちゃうっすよね。なにより、見た目が悪くなっちゃうっすよね……。あぁ、一回で綺麗に折らないともう一枚本から千切らないといけないっすよね……」

ビーバー「うぅ……こわいっす……折るの、難しいっす……」プルプル

かばん「そ、そんなに深く考えなくてもいいですから!」

ビーバー「で、でもぉ」

かばん「プレーリーさん、ビーバーさんを手伝ってあげてください」

プレーリードッグ「了解であります!!」

ビーバー「すみません」

プレーリードッグ「気にしなくていいでありますよ。まずは、ここを――」

かばん「待ってください」

プレーリードッグ「はい?」

かばん「できるだけ、ビーバーさんに折らせてあげてください。プレーリーさんはビーバーさんの手に手を重ねて、動きを教えてあげてください」

プレーリードッグ「おぉー! わかったであります!」

サーバル「かばんちゃん、こんな感じかなー!?」

かばん「うん。いい感じだね」

サーバル「えっへん」

かばん「けど、一回で綺麗に折れるようになればもっといいかもね。この辺りとか何度も折り直してるから」

サーバル「そんなことわかっちゃうのー!?」

かばん「これだけ紙に皺ができていればね」

サーバル「うぅ……。よーし、もう一回だー!!」

ビーバー「な、なんとかできたっすぅ」

プレーリードッグ「おめでとうございます!!」

ビーバー「折り方の手順を描いておくっすよ」カキカキ

プレーリードッグ「おぉ! 絵にするとわかりやすいでありますなぁ!!」

サーバル「いいなぁ。あとで私にもみせてー!」

ビーバー「もちろんっす」

かばん「授業ってこんな感じなのかなぁ……」

ラッキービースト『コンナカンジダヨ』

かばん「ぼくはただ、授業をみたかっただけで、授業をしてみたかったわけじゃないんだけどなぁ……」

ラッキービースト『トコロデ カバン マドノソトヲ ミテ』

かばん「え?」


ハシビロコウ「……」


かばん「うわぁぁぁぁ!?」ビクッ

サーバル「かばんちゃん、どうした――」


ハシビロコウ「……」


サーバル「わぁぁぁぁ!!!」

ビーバー「だ、だれっすかぁ……」

プレーリードッグ「やや。窓からこちらを見つめているのは一体……」

かばん「ハ、ハシビロウコウさん……?」

ハシビロコウ「……いれて、ほしい」

かばん「あ、はい。ちょっと待ってください」

サーバル「ハシビロちゃん!? どうしたの!? というか、いつからいたの!?」

ハシビロコウ「みんなが白い本を取り出したあたりから居たけど」

かばん「声をかけてくれたら……」

ハシビロコウ「ごめんね。いつもの癖で機を伺っちゃって……」

サーバル「はぁー。もうすっごいびっくりしちゃったよぉ。怖いなぁ」

ハシビロコウ「ひどい」

かばん「参加、してくれるんですか?」

ハシビロコウ「うん。本当は誘いにきたときに言えばよかったんだけど、言い出す前にふたりがいっちゃったから」

かばん「そうだったんですか」

ビーバー「初めましてっす。おれっちは、アメリカビーバー。ビーバーでいいっす」

ハシビロコウ「私はハシビロコウ」

プレーリードッグ「私はプレーリードッグであります!! ご挨拶をさせてください!!」

ハシビロコウ「うんっ」

プレーリードッグ「では!! んー」ギュゥゥ

ハシビロコウ「……!!」

プレーリードッグ「ぷはぁ!! これがプレーリー式のご挨拶であります!!」

ハシビロコウ「……!?」

ビーバー「最初は驚くっすよね。けど、毎朝されると流石に慣れてくるっすよ」

ハシビロコウ「……!!」

かばん「ええと、だ、大丈夫ですか?」

ハシビロコウ「……?!」

サーバル「ハシビロちゃん、おーい」

ハシビロコウ「……」

かばん「しばらく、そっとしておこう」

サーバル「そうのほうがいいかもね」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「次は何をするでありますか!!」

かばん「そ、そうですね……。あ、そうだ。次はビーバーさんが教える側に来てもらえますか」

ビーバー「お、おれっち、教えられることなんてなにもないっすけど……」

かばん「いえ、あの、僕が模型の造り方を聞いてみたかったんです」

―グラウンド―

プレーリードッグ「続いては、この私、プレーリードッグが穴の掘りかたを伝授するであります!!」

かばん「おねがいします」

サーバル「よろしくねー」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「どうしたっすか」

ハシビロコウ「あんなことされたの初めてだから、どうしたらいいかわからないの」

ビーバー「おれっちも慣れるまでは大変だったっすから、わかるっす」

ハシビロコウ「そうなんだ……」

ビーバー「プレーリーさんに悪気はないっすから、大目に見てあげてほしいっす」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! これが穴掘りのコツであります!!」

サーバル「はやすぎて全然わかんないよ!!」

かばん「ええと、もう少しゆっくりで」

プレーリードッグ「ゆっくりでありますね!! 了解であります!!」

「到底、授業とは呼べないのです。全く、ポンコツばっかりで世話が焼けますね」

プレーリードッグ「誰でありますかぁ!!」

オオコノハズク「それではただ遊んでいるのと変わらないのです」

ワシミミズク「生徒と先生という立場があやふやになっているのです」

かばん「来てくれたんですね!」

サーバル「わーい!! はかせたちが先生をしてくれるんだー!!」

オオコノハズク「違うのです。今はオオコノハズクのこーちょーなのです」

ワシミミズク「ワシミミズクのきょーとーなのです」

サーバル「え? どういうこと?」

オオコノハズク「学校という場所の長は、こーちょーと呼ばれているのです」

ワシミミズク「その助手はきょーとーなのです。これぐらいは常識です」

ビーバー「そ、そうなんっすか」

オオコノハズク「学校にいる間はこーちょー、きょーとーと呼ぶように」

サーバル「えー? むずかしいよぉ」

かばん「はかせさんたちは先生ってことでいいんですよね? 今から授業を……?」

オオコノハズク「我々は授業なんてしないのです。せんせーの長なので」

かばん「それだと困るんですけどぉ」

サーバル「そーだよぉ。じゅぎょうしてよぉ」

オオコノハズク「我々は以前からポンコツのフレンズが多いことを心配していたのです」

ワシミミズク「肝心なときには頼りになりますが、それ以外では何もできない、何もしらないフレンズばかりで困るのです」

ハシビロコウ「肝心なときに頼りになるなら、それでいいんじゃあ……」

オオコノハズク「ダメなのです。そんなことでは困るのです」

ワシミミズク「我々は貴方達の将来を心配しているのですよ。長なので」

オオコノハズク「肝心なときなんて、それほど来ないのです」

プレーリードッグ「一体、何をするのでありますか」

ビーバー「心配してくれるのはありがたいっすけど、授業してくれないんじゃあ……」

ワシミミズク「学校では様々なことを教えていたのです」

オオコノハズク「そして授業では、その道の専門家がせんせーをしていたのです」

かばん「授業ごとに先生が変わっていたということですか」

オオコノハズク「そういうことです。ですので、我々が探してきたのです」

ワシミミズク「授業が必要なほど心配な生徒とその道の専門家である先生を連れてきたのです」

かばん「他にも参加してくれるフレンズさんがいるんですか!?」

サーバル「わーい!! やったね、かばんちゃん!! スクールっぽくなってきたんじゃない!?」

かばん「うん!」

オオコノハズク「何を喜んでいるのですか、かばん」

かばん「へ?」

ワシミミズク「かばんはとある授業では先生をしてもらうつもりなのです」

かばん「え、えぇぇ!?」

サーバル「わかった!! かみひこーきの先生だね!!」

オオコノハズク「全く違うのです」

ワシミミズク「もっと大切なことをフレンズたちに教えてほしいのです」

かばん「大切な……こと……」

ビーバー「なんなんっすかね」

プレーリードッグ「気になるであります」

ハシビロコウ「ヒトしかできないこと、とか?」

オオコノハズク「スクールは明日開校とするのです。今日は全員、帰るのです」

サーバル「えー!? 今からやろーよー!!」

オオコノハズク「学校は朝からと決まっているのです」

ワシミミズク「夜からの学校なんて存在しないのです」

かばん「けど、夜行性のフレンズさんもいるから、夜の学校もあったんじゃないですか?」

オオコノハズク「そんなの資料にはなかったのです」

ワシミミズク「あったかもしれないだけですね」

サーバル「ちゃんと調べたのぉ?」

オオコノハズク「あたりまえです!」

ワシミミズク「調べたのです!」

ハシビロコウ「今日はとりあえず帰らないとだめっぽいけど」

ビーバー「帰るって言ってもなわばりに戻るにはすこしだけ遠いっすよね」

プレーリードッグ「このあたりに穴を掘って、住処にするであります」

かばん「どこかに休めるところがあればいいけど……」

ラッキービースト『アルヨ』

サーバル「あるんだ!」

―ジャパリスクールハウス―

サーバル「なにここなにここー」

プレーリードッグ「私たちの家より大きいであります!」

ビーバー「何部屋もありそうっすね」

ハシビロコウ「……」

かばん「ここを使ってもいいんですか」

ラッキービースト『イイヨ ココハ スクールニカヨウフレンズタチガ トマルバショ ダカラネ』

かばん「へえー……」

サーバル「かばんちゃーん! どの部屋にするー!?」

かばん「ええと、どうしようかな」

プレーリードッグ「穴を掘れる部屋はありますか!?」

ビーバー「部屋の広さ的に、三人ぐらいが限界っすねぇ」

ハシビロコウ「それじゃあ、私たちは一緒の部屋だね」

プレーリードッグ「よろしくおねがいします!! ハシビロコウさん!!」

ハシビロコウ「うん。でも、あの挨拶はちょっと……」

―かばん・サーバルの部屋―

サーバル「明日、たのしみだねー」

かばん「うん。けど、僕はなにを教えないといけないんだろう」

サーバル「かばんちゃんなら、どんなことでも教えられるよ」

かばん「そうかなぁ。自信ないけど」

サーバル「私が言うんだから間違いないよ!」

かばん「あはは。ありがとう、サーバルちゃん」

サーバル「私もね、かばんちゃんには色んなこと教えてほしいって思ってるから」

かばん「そうなの? ぼくもサーバルちゃんにもっと木登りとか教えてほしいけどな」

サーバル「いいよ! 木登りの先生は私がやるよ! まかせて!」

かばん「木登りの授業があれば、お願いね」

サーバル「うんっ!!」

かばん「ふわぁ……。今日はもう……」

サーバル「そうだね。寝よっか」

かばん「ありがとう。おやすみ、サーバルちゃん」

―翌朝―

かばん「ん……」

かばん「あさ……」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「そうだ。学校にいかないと――」

『おはようございます!!!』

かばん「プレーリーさんの声だ」

『おはようございますのあいさつであります!!! んちゅー!!』

『んんー!!!』

『プレーリーさん、まずいっすよ。ハシビロコウさんは慣れてないんっすから』

かばん「朝からすごいなぁ……。って、プレーリーさんに会ったら同じことを……」

サーバル「あれ、かばんちゃん、起きてたんだ。おはよう」

かばん「今起きたところだよ」

サーバル「今日はスクールの日だね。いこうよ! 私、待ちきれない!」

かばん「うんっ」

プレーリードッグ「おはようございます!! むちゅー!!」

かばん「んんー!!!」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! サーバル殿!! おはようございます!!!」

サーバル「ちょっと!! プレーリー!! その挨拶はいいよぉー!!」

プレーリードッグ「挨拶は大事であります!! 逃げないでください!!」

かばん「はぁ……」

ビーバー「かばんさんも早くなれたほうがいいっすよ」

かばん「なれるんですか……」

ハシビロコウ「慣れたら終わりのような気がする」

ワシミミズク「何をやっているのですか」

かばん「あ、おはようございます」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! おぉ! おはようございます!!」ダダダッ

ワシミミズク「はやく学校に来るのです。準備は整っているのです」バサッバサッ

プレーリードッグ「あぁ! 逃げないでほしいであります!! 挨拶がしたいだけなのにー!!」

サーバル「飛べるのっていいなぁ……」

―校門―

かばん「ぼく達以外のフレンズさんって誰だろうね」

サーバル「フレンズはいっぱいいるもんね」

ビーバー「門のところに何かあるっすよ」

ハシビロコウ「なんだろう、これ」

かばん「入学式って書いてますね」

プレーリードッグ「にゅうがくしき、ってなんでありますか?」

ハシビロコウ「牛乳のことかな」

かばん「たぶん、僕たちがこの学校に通うことになったからじゃないですか?」

ビーバー「学校に入るから入学、ということっすね」

ハシビロコウ「なるほど」

サーバル「むずかしくてよくわかんないや」

プレーリードッグ「絵にして教えてほしいであります」

かばん「文字を読めるフレンズさんのほうが少ないのに、どうしてこんな看板を……」

オオコノハズク「やっときたのですね。遅刻です。早く体育館に集合するのです。あときちんと制服に着替えるのです」

かばん「制服?」

オオコノハズク「この服を上から身につけるのです。でなければ学校に通うことはできないのです」

サーバル「これを付けたらいいの?」

プレーリードッグ「着てみたであります!!」

ハシビロコウ「足が、スースーする」

ビーバー「外見を統一しないといけないんすね」

オオコノハズク「その服は昔、船乗りが来ていたとされる服なのです。また一つ、貴方達は賢くなったのです」

プレーリードッグ「ありがとうございます!! 賢くなったであります!!」

サーバル「わーい! やったー!! かしこくなったー!!」

ハシビロコウ「似合ってる……?」

かばん「はい。とっても」

ハシビロコウ「……ありがとう」

オオコノハズク「さぁ、とっとと移動するのです」

サーバル「はーい!」

かばん「緊張してきたかも……」

―体育館―

サーバル「なにこれー! すっごーい!! 椅子がたくさんあるー!!」

かばん「準備ってこれのことだったのかな」

スナネコ「あー」

サーバル「スナネコーだー」

スナネコ「サーバルたちも来たのですか」

かばん「スナネコさんがいるとは思いませんでした」

スナネコ「僕もわけがわからず、はかせたちに連れてこられました。でもまぁ、別にいいですけどね」

サーバル「もっと興味をもったほうがいいよ!!」

カワウソ「みんなーやっほー!!」

ビーバー「はじめましてっす」

カワウソ「ねーねー。ここなにー? 全然、わかんないんだけど」

かばん「今から説明があると思いますよ」

カワウソ「そーなんだー。たのしーそーだからいいけどねー」

ワシミミズク「全員、席につくのです。これよりジャパリスクール入学式を始めるのです。初めに、こーちょーのあいさつがあるのです。心してきくように」

オオコノハズク「こーちょーのオオコノハズクです。入学、おめでとうです。以上」

サーバル「それだけ!?」

オオコノハズク「我々は長く挨拶をしたりしないのです。賢いので」

カワウソ「わーおもしろーい!」

スナネコ「挨拶は短いほうがいいですね。飽きますから」

サーバル「スナネコはいつもすぐに飽きるじゃない」

ワシミミズク「続きまして、先生の紹介に移るのです。まずは体育担当教員、イワトビペンギン」

イワビー「よ、よお! おもにす、すいえい?ってやつをおしえることになった、イワトビペンギンのイワビーだ。よろしく!」

サーバル「ぺぱぷだー! すっごーい!!」

ハシビロコウ「すいえいってなに?」

かばん「多分、泳ぐことじゃないですか?」

ワシミミズク「音楽担当教員、トキ」

トキ「歌を教えることになったトキよ。それでは挨拶がわりに一曲。わたぁしはぁ~トキぃぃ!! うたをみんなぁにぃぃおぉしえぇるぅのぉぉ~」

ビーバー「だいじょうぶっすかね」

プレーリードッグ「力強い歌声でありますね!!」

ワシミミズク「美術担当教員、タイリクオオカミ」

オオカミ「みんな、よろしく。ところで学校には必ず七不思議があるって知っているかな。勿論、ここも例外じゃない」

かばん「ななふしぎ?」

サーバル「しらなーい。なんだろー?」

オオカミ「走り出す人体模型。増える階段。夜に聞こえる謎の歌声。窓に映る白い影。体育館で独りでに跳ねるボール。開かずの教室。長くなる廊下」

カワウソ「そーなんだー。みてみたいなー」

ハシビロコウ「本当だったら怖いけど」

オオカミ「そして、これら七つの不思議を全部知ってしまったフレンズは皆、何故か消えてしまうらしいよ」

かばん「え……」

オオコノハズク「い、いま、われわれは七つの不思議を知ってしまったきがするのです……」ガタガタ

ワシミミズク「こ、このよからいなくなってしまうのですか……」ガタガタ

イワビー「そ、そんなのきいてないぞー!!」

トキ「い、いつきえてしまうのかしら……」ガタガタ

ハシビロコウ「……」ギュゥゥ

プレーリードッグ「ハシビロコウ殿、そんなにくっつかれると暑いであります」

ツチノコ「お前ら、騙されんな。七つの不思議を知ってるオオカミは消えてねえだろ」

サーバル「あー!! ほんとだー!!!」

ビーバー「だ、だましたっすかぁ」

オオカミ「うふふ。良い顔いただきました」

かばん「ツチノコさん?」

ワシミミズク「で、では気の取り直して紹介を続けるのです。総合担当教員、ツチノコ」

ツチノコ「ったく、めんどくせーなぁ」

スナネコ「ツチノコは何をするのですか?」

ツチノコ「ふん。しるかっ。てめーらで考えろ」

サーバル「えー? 教えてくれてもいいのにー」

ワシミミズク「家庭科担当教員、アルパカ・スリ」

アルパカ「みんなぁ~。アルパカだよぉ~。えへへ~。みんなに美味しい紅茶の淹れ方おしえてほしいっていわれてきたよぉ~。よろしくにぇ~」

かばん「アルパカさん、お店のほうは……」

アルパカ「ぜーんぜんお客さんこねえからへーきだよぉ。……ペェ!!」

ワシミミズク「以上で教員の紹介を終わるのです」

>>14
オーロックス「私も大将から離れるわけにはいかないな」

オーロックス「俺も大将から離れるわけにはいかないな」

オオコノハズク「これで入学式は終わりなのです。一年生は速やかに教室へ移動するのです」

ワシミミズク「遅刻者は給食ぬきなのです」

サーバル「きゅーしょくってなんだろー?」

カワウソ「しらないことばっかりでおもしろーい」

スナネコ「教室ってどこにあるんですか」

かばん「教室自体はたくさんあるんですけど、どこかまでは……」

プレーリードッグ「好きな部屋を使えということでありますか」

ビーバー「おれっちはみんなと授業うけたいっすねぇ……」

ハシビロコウ「私も。みんなと一緒がいいなぁ」

ワシミミズク「案内するので、ついてくるのです」

サーバル・カワウソ「「はぁーい」」

スナネコ「あっちに部屋がありますね。なんだろー?」テテテッ

かばん「スナネコさん!! 調べるのはあとにしましょうよー!!」

カワウソ「おっ! スナネコー! わたしもいくー!!」テテテッ

サーバル「カワウソー!! だめだよー!! ついてきてよー!!」

―教室―

ワシミミズク「ここを使うのですよ」

かばん「入口から一番近い部屋ですね」

ワシミミズク「ここなら移動するときも楽なので」

かばん「確かに」

サーバル「私の席はここー!」

カワウソ「なんだこの大きな板?」

ワシミミズク「それは黒板というのです。そこに色々なことを書き込むことで授業を進めるのです」

カワウソ「へー! ねえねえ、何か描いていい? 描いていい?」

ワシミミズク「そこに書き込むのは先生だけなので――」

カワウソ「かいちゃったー!」カキカキ

スナネコ「隣の部屋が気になるので見てきますね」

ビーバー「ええ……。この部屋で待っていたほうがいいとおもうっすけどぉ」

プレーリードッグ「それなら床を掘って隣の部屋とつなげるでありますよ!!」

ハシビロコウ「私は後ろの席がいい」

ラッキービースト『アワワワワ ガッキュウホウカイダヨ カバン』

かばん「どういう意味ですか?」

ワシミミズク「かばんはこのクラスのリーダーなので、きちんと言うことをきかせるのです」

かばん「ぼくがリーダー!? む、むりですよ!!」

ワシミミズク「かばんの言うことならみんなは聞くのです。大丈夫ですよ」

かばん「そ、そんなぁ……」

ワシミミズク「あとは任せたのです。面倒なので」

かばん「まってくださーい!!!」

サーバル「ハシビロちゃん、そんなに後ろにいないでこっちきなよー」

ハシビロコウ「ここでいいの。あまり前にいくと先生を怖がらせてしまうかもしれないし」

サーバル「そんなこと……。あるのかなぁ」

カワウソ「これなに? これなにー? キャハハッ。巻きついちゃおーっと」クルクル

ビーバー「日差しを避けるための布みたいっすねぇ」

プレーリードッグ「スナネコ殿、掘らないでありますか?」

スナネコ「わぁ、後ろの壁に色々なものが貼り出されてるー。……まぁ、どうでもいいかぁ」

かばん「えっと、みなさーん。ぼくの話をきいてくださーい」

サーバル「なになにー」

カワウソ「どうしたのー」

かばん「恐らくですけど、すぐに先生が来ると思うので、席に座って静かにしていましょー」

サーバル・カワウソ「「はーい!!」」

ビーバー「わかったっす」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「了解であります!!」

かばん「……あれ? スナネコさんは?」

プレーリードッグ「さきほど、気になる木を見つけたとのことでこの窓から外へと出かけたであります」

かばん「え!?」

スナネコ「わー。いろいろあるー」タタタッ

かばん「ス、スナネコさん!?」

サーバル「私が捕まえてくるよ!! うみゃぁ!!!」ダダダダッ

ハシビロコウ「授業、できるの?」

「おまえらぁぁ!! とっとと席につけこらぁぁ!!!」

かばん「わぁぁ!?」ビクッ

ハシビロコウ「……」ビクッ

プレーリードッグ「どこでありますかぁ!?」

カワウソ「扉のところに誰かいるよ」

かばん「ええと……?」

「なんでおれがこんな問題児ばっかりの奴らに色々と教えなきゃならないんだよ」

かばん「あのー。どうして隠れているんですかー?」

「落ち着くんだよ!! いい加減、わかれよ!!」

かばん「でも、挨拶しないと……」

ツチノコ「ちっ……。仕方ねえな……。おれが……お前らにいろいろ教えることになった……ツチノコだ……。お、憶えとけ」

ビーバー「よろしくっす」

ハシビロコウ「……」ペコッ

サーバル「ふぅー。やっとつかまえたよー」

スナネコ「残念。つかまってしまいました」

かばん「何を教えてくれるんですか」

ツチノコ「ずばり、算数だ」

サーバル「さんすー?」

スナネコ「なんですか、それ?」

カワウソ「わーい! たのしそー!」

ビーバー「むずかしそうっすねぇ……。あの白い本、だしておくっす」

プレーリードッグ「はいはいはい!! ツチノコ殿!!」

ツチノコ「なんだ、うっせえぞ」

プレーリードッグ「それは穴を掘るときに役立つでありますか!!」

ツチノコ「まぁ、立つこともあるなぁ。建物を造るときにだって算数は必要になるぐらいだ」

ビーバー「おぉ。それは是非ともきいておきたいっすねぇ」

サーバル「それじゃあさんすーができれば私でも家をつくれるの!?」

ツチノコ「努力次第だなぁ」

サーバル「すっごーい!!! おしえておしえて!! さんすーがんばるよ!!」

スナネコ「興味が湧いて来ました。私もがんばります」

ツチノコ「いいか、お前らぁ。黒板に注目だ。ここに大きなジャパリまんがある」カキカキ

カワウソ「わー、おっきいぞー!!」

サーバル「そんなのたべきれないよー」

ツチノコ「独りで食べるわけじゃない。ここには何人のフレンズがいる?」

ビーバー「ええと、八人っすね」

ツチノコ「おれは数にいれなくていい。だったら、何人だ。はい、そこのお前」

プレーリードッグ「私でありますか!? ええと、七人であります!!」

ツチノコ「正解だ。まぁ、これぐらいはできなきゃなぁ」

スナネコ「ふわぁぁ……」

ハシビロコウ「もう飽きちゃったの?」

ツチノコ「ここからが本当の問題だ。この丸い大きなジャパリまんを七人で均等に分けるにはどうしたらいい?」

かばん「七人で、ですか」

ツチノコ「お前らで相談して、どう切り分けるか描きにこい」

プレーリードッグ「む、難しいであります……」

サーバル「ちゃんとわけたいなー。ジャパリまんでケンカなんてしたくもん」

かばん「どうしたらいいんでしょうか」

ツチノコ「黒板のジャパリまんに線を引け。均等な大きさになるようになぁ」

かばん「うーん……」

カワウソ「わたしはこれぐらいでいーよ!」カキカキ

かばん「え?」

ビーバー「おれっちは、これぐらいでいいっすね」カキカキ

プレーリードッグ「私はこれぐらいもらってもいいでありますか!?」カキカキ

ハシビロコウ「私はいつもの大きさのでいいから、大丈夫」

サーバル「私もこんなに大きなのはいいかなー。いつものジャパリまんでいいよー」

スナネコ「それじゃあ、ボクはこれぐらいいただきますね」カキカキ

かばん「えぇー……」

サーバル「残りは全部かばんちゃんのだね!」

カワウソ「わーい、解決したぞー」

ビーバー「均等っすね」

ツチノコ「そういう意味じゃねええんだよ!!!! それだと算数になんねえだろうがぁ!!!」

カワウソ「けど、食べたい分だけ食べればいいんじゃないの?」

プレーリードッグ「そうであります。これでケンカもしないであります。みなさん納得しているでありますし」

ツチノコ「シャー!! いいから、全員が同じ量を食えるように切り分けるんだよ!!」

サーバル「えー? そーなのー?」

ハシビロコウ「できるの?」

ツチノコ「できるからやってんだよ」

かばん「あのぉ」

ツチノコ「なんだ? わかったか」

かばん「どうしても均等にはならないような気が……」

サーバル「そーなの!?」

ツチノコ「な、なにぃ!? そんなわけないだろ!!」

かばん「八等分や六等分なら綺麗に分けられそうなんですけど」

スナネコ「だったら、ツチノコにもあげればいいだけでは?」

サーバル「そうだね。八人でわけよー!」

カワウソ「おー!!」

かばん「まず縦に線を書き込んで……」カキカキ

かばん「それから横に……。次は右斜めから……最後に左斜めから線を書き込めば……」カキカキ

かばん「できました。八等分です」

サーバル「すごーい!! 同じ大きさだー!!」

カワウソ「なんでなんでー? ふっしぎー!!」

ビーバー「これでケンカせずに済みそうっすね」

ツチノコ「おかしいなぁ。七等分もできるだろ……円は360度で……七で割れば……あ、無理か……」

かばん「はい?」

ツチノコ「はっ!? な、なんでもねえよ!! とりあえず席につけ!! シャー!!」

スナネコ「今度はこっちの椅子にすわりましょー」

プレーリードッグ「席替えするでありますか!」

ツチノコ「おほん。ま、まぁ、今の問題はちょっと難しかったなぁ。今度は優しめにいくぞ。ここに35個のジャパリまんがある」カキカキ

ツチノコ「これを七人で均等にわけるには、一人何個ジャパリまんを取ればいいか」

サーバル「私は3個ぐらいでいいよ!!」

スナネコ「ぼくは7個ぐらいほしいです」

カラーン! カラーン!!

サーバル「うみゃ? なんの音?」

ツチノコ「授業終了の合図だ。算数はここまでだな」

ビーバー「色々と勉強できてたのしかったっす」

プレーリードッグ「正直、難しかったでありますが、とっても充実した時間でありました!!」

かばん「ありがとうございます、ツチノコさん」

ツチノコ「ふんっ。好きでやってるわけじゃねえからな!!」

ハシビロコウ「照れてるの?」

ツチノコ「てれてねーよ!! 照れる要素がどこにもねえだろ!!」

カワウソ「またさんすーおしえてねー!! キャハハッ!!」

ツチノコ「それより、おめーら、次は体育だぞ。さっさとプールに移動しろ」

サーバル「ぷーる? どこにあるの?」

ツチノコ「窓から見えるだろ。あの水が溜まってる場所だよ。そこにイワトビペンギンがいる」

かばん「水泳、ですね?」

サーバル「かばんちゃんが言ってた泳ぐ授業のことー? うぅ……やだなぁ……」

―プール―

イワビー「全員、あつまれー!!」

ビーバー「綺麗な水っすねぇ」

プレーリードッグ「キラキラしているであります!!」

スナネコ「おぉー。飲んでもいいですか」

カワウソ「入っていい!? はいっていい!?」

ハシビロコウ「……」

サーバル「うまく泳げるかなぁ」

かばん「大丈夫だよ。そんなに深くなさそうだし、溺れちゃうことはないと思うよ」

イワビー「すいえいの授業を始めるんだけど、その前にこーちょーから言われていることをやるからな」

サーバル「なにするのー?」

イワビー「昨日、ペパプで作った新曲があるんだ。それに合わせて体を動かしてくれ。準備体操ってやつだ。準備運動をせずに水にはいると危ないらしいぜ。本当かどうかしらないけど」

ビーバー「そうだったんっすか……? おれっち、じゅんびうんどうなんてしたことないっすけど……・」

ドボーン!!

カワウソ「つーめたーい!! キャハハッ! きーもちー!!」パチャパチャ

イワビー「こらぁ! 勝手にはいるなって!」

カワウソ「えー? だめなのー?」

イワビー「きちんと体操をしてからだって言っただろ。ったく、こういうのはプリンセスのほうが向いてるって言ったのになぁ」

かばん「カワウソさん、イワビー先生の言うことを聞きましょう」

カワウソ「おっけー」

サーバル「曲に合わせて体を動かすって練習とかしなくてもいいの?」

イワビー「曲の歌詞通りに体を動かすだけだから大丈夫だ。それに前でお手本も見せるから初めてでも問題ないって」

ビーバー「難しそうっすねぇ……」

ハシビロコウ「……」

イワビー「それじゃ、いっくぜー!! ミュージック、スタート!」カチッ

フルル『ねえ、誰かぁ、ジャパリまんもってなぁい?』

コウテイ『こっちにあるぞ』

ジェーン『録音、始まりますよ?』

プリンセス『静かにしなさいってば! イワビー、イントロ!』

イワビー『お、おう! ちゃーんちゃらちゃちゃちゃ、ちゃんちゃらちゃららー♪』

かばん「仲良いよね」

サーバル「ペパプだもんね」

プリンセス『背伸びの運動からー。はいっ』

フルル『おおきくうでをーうえにのばしてー』

イワビー「いっち、に、さん、し」

かばん「んー」

サーバル「うみゃー」

プレーリードッグ「こうでありますな!」グッ

ビーバー「あぁ、遅れないようにしないと……」

ハシビロコウ「あ……あ……」オロオロ

スナネコ「クンクン……。この水、少し変な臭いがしますね」

コウテイ『腕と足の運動だ』

イワビー「こうするんだぞー。いち、に、さん、し」

かばん「確かに良い運動になりそうです」

カワウソ「キャハハっ。おもしろいうごきー!」クイックイッ

ジェーン『――最後は深呼吸です。深く息を吸ってください』

イワビー「すー……はー……」

かばん「すー……はー……」

サーバル「すー……はー……」

スナネコ「すぅ……すぅ……」

イワビー「よっし!! プールに入っていいぜ!!」

カワウソ「やったー!!!」ドボンッ

ビーバー「はいっるっすぅ」

プレーリードッグ「ビーバー殿! まってください!!」

かばん「僕たちも入ろう」

サーバル「よぉーし!!」

ハシビロコウ「……」チャポン

イワビー「とりあえず好きに泳いでくれ。ちょっと注意しなきゃいけない生徒がいるからな」

かばん「わかりました」

スナネコ「あれ。みんな、泳いでるー。僕もはいりたい」テテテッ

イワビー「ほら、腕と足の運動だ」

スナネコ「イワビーは意地悪なのですね」

イワビー「体操してなかったからだろ!!」

サーバル「スナネコ、怒られてるね」

かばん「あはは、仕方ないかも」

カワウソ「わーい、きーもちー」スイスイ

プレーリードッグ「冷たくていいでありますな」

ビーバー「さいこうっすねぇ」

ハシビロコウ「はぁー……」

サーバル「ハシビロちゃん、気持ちよさそうだね」

かばん「まるで温泉に入ってるカピバラさんみたい」

ハシビロコウ「きもちいい……」

イワビー「いいか。何かあってからじゃ遅いんだ。先生は生徒を守らなきゃいけないらしいからな」

スナネコ「へぇー、そうなのですか」

イワビー「だから、怪我をしないようにこうして体操をしてもらっているんだ。意地悪してるわけじゃないからな」

イワビー「自由時間、終了。いよいよ、泳ぎの練習に入るぜ!」

サーバル「がんばるぞー!」

イワビー「泳ぎに自信がないやつは、このびーとばんを使ってくれ」

カワウソ「おぉ! それなに! それなにー!?」

イワビー「何をしても沈まない板だ」

サーバル「すっごーい!!」

カワウソ「私、泳げるけどつかいたーい! ねえ、使っていい!?」

プレーリードッグ「私も使いたいであります!」

イワビー「自由に使ってくれ」

スナネコ「どう使えばいいのですか」

カワウソ「上に乗るんじゃない? こうやってー」

かばん「カワウソさん、それは危な――」

ドボーン!!!

サーバル「カワウソー!?」

カワウソ「ぷはっ! びっくりしたー! もういっかーい! もういっかーい!」

イワビー「ここは川と違って浅いから、一歩間違えれば頭を打つかもしれないんだぞ」

カワウソ「ごめんなさーい」

かばん「イワビーさんってこういうのに向いているのかも」

サーバル「イワビー、これでいいのー?」パチャパチャ

イワビー「そうそう。それでプールの端から端まで泳いでみてくれ」

サーバル「はーい!」

プレーリードッグ「びーとばんはもっているだけでいいのでありますか」

ビーバー「上半身が常に浮いているなら確かに沈まないっすねぇ」

イワビー「泳ぐのが苦手なフレンズもこれなら泳げるようになるだろ」

かばん「はい。泳ぎやすいです」

ハシビロコウ「……」

イワビー「ハシビロコウ? どうしたんだ?」

ハシビロコウ「はぁ……きもちいい……」

イワビー「泳げって」

ハシビロコウ「ごめん。体に力がはいらなくて……」

カラーン!! カラーン!!

イワビー「おっ。もうそんな時間か。みんなー、プールからあがってくれー」

カワウソ「はぁーい」

イワビー「どうだった?」

サーバル「少しだけ泳げるようになった気がするよ! ありがとう、イワビー!」

イワビー「それならよかった。まぁ、今日だけじゃないみたいだし、サーバルもペンギン並に泳げるようにしてやるぜ」

サーバル「ほんとー!? 泳げるようになったらどこでもいけるようになるよー!」

ハシビロコウ「私も、飛ぶ必要がなくなるかも」

サーバル「それはもったないよぉ。飛ぼうよ」

かばん「この後はどうしたらいいんですか?」

イワビー「とりあえず、あそこで目を洗ってくれ」

かばん「え?」

スナネコ「これですか?」グイッ

サーバル「なにこれー!? 水が空に向かって出てるよ!! 噴水みたーい!!」

かばん「これで目を……? 逆に目を痛めてしまいそうなんですが……」

イワビー「ハカセたちがそう言ってたからな」

かばん「うーん……」

ビーバー「こ、これ、こわいっす……」

プレーリードッグ「私がいくであります!! うりゃー!!」

プレーリードッグ「うぎゃー!! めがー!! めがー!!」

スナネコ「水の勢いが強すぎますね」

かばん「や、やっぱり目に悪いですよ、これ」

ハシビロコウ「私も、これは嫌……」

スナネコ「イワビー先生、お手本をみせてください」

イワビー「え?」

スナネコ「上手く、洗うコツを是非」

カワウソ「やって、やってー」

イワビー「わ、わかった。よくみてろ」

かばん「き、きをつけてくださいね」

イワビー「先生が生徒の前で弱音を吐いちゃいけないんだ。いくぜ!!」

―教室―

ツチノコ「で、イワトビペンギンは保健室か」

かばん「はい……」

サーバル「イワビー、目が真っ赤になってたね」

スナネコ「可哀想……」

ビーバー「プレーリーさんとカワウソさんが看病してあげているっす」

ツチノコ「次の授業はどーすんだよ。まったく」

サーバル「そんなこといわないでよー」

ツチノコ「まぁいい。俺も様子をみてくる」

かばん「あの、僕たちはどうしたら」

ツチノコ「自習だ。自習。生徒が全員そろってないと、意味がないからな」

ハシビロコウ「じしゅーってなにするの?」

ツチノコ「お前たちで考えろ」

ビーバー「い、一番難しいっすね……」

かばん「どうしよう……」

スナネコ「すぅ……すぅ……」

サーバル「うみゃっ。うみゃっ」

かばん「サーバルちゃん、なにしてるの」

サーバル「机の中に、白くて柔らかい石があったから調べてたの」

かばん「叩いてるようにしか見えなかったけど……」

サーバル「これ何かわかる?」

かばん「うーん。文字を書くものと一緒にあったのなら、文字を消す道具なのかも」

サーバル「これで文字が消えちゃうの!? どうやって!?」

かばん「擦るんじゃないかな?」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「ハシビロコウさん、何を見てるっすか」

ハシビロコウ「この後ろに貼られているものが気になって」

ビーバー「そういえばたくさんあるっすね」

サーバル「かばんちゃん、あのハシビロちゃんが見てる文字も消せちゃうのかな」

かばん「どうだろう。あれはまた違う物で書かれていそうだから、無理かも。文字の色もすごく濃い黒だし、太さも違うし」

サーバル「文字にも色々あるんだねー」

ハシビロコウ「これはなんて書いてあるの?」

かばん「ゆめ、ですね」

ビーバー「こちらの小さな文字はなんっすかね」

かばん「なまえ、はくとうわし。って書いてあります」

ハシビロコウ「ハクトウワシってことは、フレンズ?」

かばん「だと思います。ここはフレンズさんが通っていた学校ですから」

ビーバー「おれっち文字は読めないし、書けもしないっすけど、ここで勉強したら書けるようになるんすかね」

サーバル「すっごーい。私も書けるようになるのかな」

かばん「勉強したらきっと誰でも書けるようになるんじゃないかな」

サーバル「おぉー!」

ハシビロコウ「でも、文字を書けるようになるまでが大変そう」

ビーバー「そう簡単には覚えられないっすよね」

サーバル「そんなことないよ。練習したらいいんだよ。かばんちゃんだって最初は木登りできなかったけど、最近はできるようになったもん」

かばん「サーバルちゃんみたいに登れないけどね」

サーバル「けど、登れるようになったよ」

かばん「ふふっ。そうだね。ありがとう」

サーバル「なんでありがとうっていうの? 木登りができるようになったのはかばんちゃんがすごいからだよ?」

かばん「うん。だから、ありがとう」

サーバル「よくわかんないよー」

ハシビロコウ「二人は仲が良いよね」

ビーバー「いいコンビっすよね」

カラーン! カラーン!

スナネコ「ん……? ふわぁぁ……。授業、終わりましたか?」

かばん「結局、何もしなかったね」

サーバル「次はどうするんだろー?」

オオコノハズク「次はお待ちかねの給食なのです」

かばん「うわぁぁ!? いつから窓の外に!?」

ワシミミズク「音もなく飛ぶことなど朝飯前だと言ったのです」

ハシビロコウ「きゅーしょく?」

オオコノハズク「そう。給食なのです。つまり、お昼ご飯なのです。じゅるり」

ワシミミズク「ここに通っていたフレンズたちは皆、給食が目当てだったと言われているのです。じゅるり」

サーバル「そうなんだー」

かばん「ご飯ですか」

ハシビロコウ「ジャパリまんじゃないの」

オオコノハズク「違うのです。確かにジャパリまんも出ていたようですが、料理も出ていたのです」

ワシミミズク「というわけで、かばん。ついてくるのです」

かばん「はい?」

オオコノハズク「今から給食を作るのです」

かばん「あ、はい。わかりました」

サーバル「それじゃあ私もいくよ。切るのは任せて!」

オオコノハズク「確かに人数分を作るのなら、サーバルがいないと大変です」

ワシミミズク「サーバルが役に立ちますね」

ビーバー「おれっちも手伝えることがあればいいっすけど……」

スナネコ「楽しそう。ぼくも一緒に行きます」

―調理室―

オオコノハズク「ここにある器具を使って料理を作るのです」

かばん「たくさんありますね」

ワシミミズク「食材もたくさんあるのです」

サーバル「何つくるの?」

かばん「うーん……」

スナネコ「ここに本がありますよ」

ビーバー「これが給食で出されていた料理たちっすね」

ハシビロコウ「見たことのないものばっかり」

かばん「どれがいいかな……」

オオコノハズク「我々はこれがいいと思うのです」ツンツン

ワシミミズク「流石ハカセなのです。料理チョイスのセンスが光っているのです」ツンツン

かばん「カレーですか」

サーバル「前も食べたじゃない」

オオコノハズク「おかわりです。美味しかったので」

―教室―

かばん「よいしょっと」

サーバル「はこんだよー」

オオコノハズク「ありがとうです」

イワビー「まだ目が痛いぃ……」

プレーリードッグ「擦ってはいけません」

カワウソ「がまんだよー、がまんっ」

イワビー「うぅぅ……」

ツチノコ「わざわざそのでかい鍋をここまでもってきたのか」

オオコノハズク「学校ではこうして運び、教室で食べたという記録があるのです」

ワシミミズク「生徒の数が多かったので、作った場所では食べることができなかったのです」

アルパカ「私も一緒にたべていいのぉ?」

かばん「はい。もちろんです」

トキ「うれしいわ」

オオカミ「今日はなにもしていないのに、こんな報酬があるとはね」

ワシミミズク「皆の前に料理はありますか」

サーバル「あるよー」

オオコノハズク「では、手を合わせるのです」

カワウソ「こう?」

オオコノハズク「いただきます」

「「いただきまーす」」

スナネコ「今のはなんだったのでしょう」

オオカミ「今のは悪霊を呼ぶ儀式だね」

スナネコ「悪霊……!?」

オオカミ「そうさ。食材に使われたものたちの恨みをここに呼ぶ恐ろしい儀式さ」

スナネコ「はぁ、そうですか」

オオカミ「……」

かばん「スナネコさんって、すぐに興味を失くしちゃうので」

オオカミ「なんだろう……。スナネコは私と相性が悪いのかもしれないね」

サーバル「寂しいの?」

ツチノコ「これが料理ってやつか」

ビーバー「からいっすね……」

プレーリードッグ「けど、癖になる味であります!!」

ハシビロコウ「はむっ……はむっ……」

かばん「えっと、ハシビロコウさん。どうですか?」

ハシビロコウ「おいふい」

かばん「よかった」

オオコノハズク「おかわりです」

ワシミミズク「おかわりをよこすのです」

かばん「はやいですね」

サーバル「私もおかわりほしいなー!」

プレーリードッグ「私もいただきたいであります!!」

ビーバー「で、できればおれっちも……」

ハシビロコウ「……」スッ

かばん「ちょ、ちょっとまってくださーい!! そんなみんながおかわりできるだけの量はないですよー!!」

カワウソ「だめなのー?」

ツチノコ「こういうときはどうするか、教えただろ」

プレーリードッグ「なるほど! このカレーを人数分で割ればいいでありますな!!」

ビーバー「この器が円だから、ええと……」

かばん「ジャパリまんみたいには分けられないと思います」

オオカミ「じゃんけん、なんて文化も昔はあったようだね」

サーバル「ホントなの?」

オオカミ「本当だって」

ビーバー「じゃんけんってなんっすか」

オオカミ「手の形を紙、石、爪に見立てて勝負するんだ」

オオカミ「手を広げた状態を紙、指を二本だけ立てた状態を爪、握り拳を石とする」

オオカミ「紙は爪に破かれ、爪は石に砕かれ、石は紙に包まれてしまう」

オオカミ「こうした関係を三すくみというんだよ」

スナネコ「すごいですね!」

オオカミ「おぉ。実はもっと面白い話があるんだ。何故、石が紙に負けてしまうかというとだね……」

スナネコ「早速、じゃんけんしましょう」

オオカミ「……」

ツチノコ「ああいう奴だから、気にするな」

オオカミ「そうしよう」

オオコノハズク「カレーのおかわりをかけた勝負ですか。受けて立つのです」

ワシミミズク「何人分おかわりができるのですか」

かばん「3人分ぐらいですね」

アルパカ「トキはどうするぅ?」

トキ「私は見ているわ」

アルパカ「それじゃあ、私もみてようかなぁ」

サーバル「私もじゃんけんするよー!!」

プレーリードッグ「負けないであります!!」

ハシビロコウ「うん」

オオコノハズク「我々に勝てるとでも?」

サーバル「ハカセたちだってじゃんけんはしたことないんでしょ? だったら、わからないよ!」

ワシミミズク「我々は爪を出すのです」

オオコノハズク「助手、石の間違いではないのですか」

ワシミミズク「いいえ、爪です」

オオコノハズク「石のほうがいいのです」

サーバル「何を出すか言っちゃっていいの!?」

ツチノコ「バカか。言ってることは嘘かもしれないだろうが」

サーバル「ウソなのー!?」

オオカミ「嘘はよくないな」

サーバル「オオカミが言っちゃうの!?」

かばん「あの、嘘はよくないと思います」

オオコノハズク「え……」

ワシミミズク「で、でも……」

かばん「ダメです」

オオコノハズク「うぐ……」

スナネコ「では、じゃーんけーん、ほい」

サーバル「わーい! おかわりできるよー!!」

カワウソ「わーい、おかわりー!!」

スナネコ「満足」

かばん「あはは、よかったね」

ワシミミズク「宣言した通りにしたら、負けたのです……」

オオコノハズク「当たり前ですね……」

ツチノコ「なんで宣言通りのものを出すんだよ。あいつらなら信じるから違う手を出せば勝ってただろ」

オオコノハズク「嘘はダメだといわれたので……」

ワシミミズク「嘘はダメみたいなので……」

ツチノコ「……」

サーバル「はかせー! 半分、あげるよー!!」

オオコノハズク「え……。サーバル……」

カワウソ「わたしのもほしー? ほしーでしょー? はい、あげるねー」

ワシミミズク「い、いいのですか……」

スナネコ「じゃんけんだけで満足しました。ぼくのもあげますね」

ビーバー「おれっちもいいんっすか」

サーバル「もちろんだよー」

カワウソ「どうぞー」

プレーリードッグ「ありがとうございます!!」

ハシビロコウ「いいの?」

スナネコ「勿論」

オオカミ「結局、みんなで分け合う形になったか」

アルパカ「いいにぇー」

トキ「微笑ましいわね」

かばん「ふふ……」

ツチノコ「勝負した意味がないだろ」

かばん「いいんじゃないですか。サーバルちゃんらしくて」

ツチノコ「悪いとはいってないだろ」

かばん「そうですね。ごめんなさい」

ツチノコ「責めてるわけでもないぞ。俺も、あれだ、こういうの、嫌いじゃないしな……」

オオコノハズク「全員、食べ終わったのですか」

サーバル「おわったよー」

ワシミミズク「では、手を合わせるのです。ごちそうさまでした」

「「ごちそうさまでしたー」」

かばん「食器とかお鍋を洗わないと」

オオコノハズク「これらは我々が洗うのです」

ワシミミズク「学校の長なので」

かばん「いえ、そんなぼくが作った物ですから」

オオコノハズク「いいのです。それよりも給食後の授業に入るのです」

ワシミミズク「勉強していればいいのです」

かばん「は、はぁ……」

サーバル「次はなにするのー?」

ツチノコ「次は昼休みになってるな」

スナネコ「お休みしていいんですか」

イワビー「結構疲れていたから助かるな」

サーバル「おやすみかー。そうだねー。ちょっと眠たいかもー」

トキ「ごはんのあとは眠たくなるわね」

アルパカ「それじゃあ、みんなでお昼寝だにぇ」

プレーリードッグ「賛成であります」

ビーバー「いいっすねぇ」

ツチノコ「寝る時間ってわけじゃないけどな。まぁいい。全員、起きたら授業始めるからな」

かばん「はいっ」

ハシビロコウ「おやすみなさい」

サーバル「ここ陽が当たってきもちー」

カワウソ「ふわぁぁ。おやすみー」

スナネコ「お昼休み、さいこー」

かばん「サーバルちゃん、ボクはちょっとだけ学校の中を――」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「もう寝てる。泳いだし、疲れてたんだろうな。そっとしておこう」

ラッキービースト『カバン アンナイシヨウカ?』

―廊下―

かばん「……」

ラッキービースト『カバン ナニカキニナルノ? シツモンガアルナラ キイテネ』

かばん「ええと、学校の壁に貼られているものが気になって」

ラッキービースト『コレラハ スクールニカヨッテイタフレンズタチガ ツクッタモノダヨ』

ラッキービースト『ベンキョウシテ モジ、エヲ カケルヨウニナッタンダ』

かばん「それは分かるんですけど……」

ツチノコ「破けたり、文字が掠れているものがあるよな」

かばん「ツチノコさん……」

ツチノコ「お前は寝てなくていいのか」

かばん「はい。どうしてもこの絵や文字が気になって。読めなかったり、破れてたりしてるのはなんでだろうって」

ツチノコ「ジャパリパーク内の建物は基本的にラッキービーストたちが補修してくれるから、少しぐらい壊れても問題ないが、こういった『作品』を修復できるようにはなってないんだろ」

かばん「作品……」

ツチノコ「昔のフレンズはいいよなぁ。教えてくれるヒトが沢山いて、こうして文字も絵の描きかたも教えてもらえたんだから。俺なんて独学だぞ、独学。どれだけ大変だったか」

ラッキービースト『……』

かばん「どうして破けているんでしょう? こっちのは綺麗に残っているのに」

ツチノコ「例の異変があったとき、ここは真っ先に狙われたみたいだからな。その名残だろ」

かばん「どういうことですか?」

ツチノコ「ここに何百っていうフレンズが通っていたんだ。そりゃ、アイツらは真っ先にここを目指してくるだろうな」

かばん「アイツら……?」

ラッキービースト『――ここはジャパリスクールです』

ツチノコ「うお!?」

かばん「ミライさんだ」

ラッキービースト『多くのフレンズたちがここでヒトの文化を学んでくれています』

ラッキービースト『学べるということは! フレンズたちは動物のときよりも知能が大幅に上昇しているということです!』

ラッキービースト『って、当たり前よね。みんな、私たちと言語でコミュニケーションできるんだから』

ラッキービースト『そう……。フレンズは私たちと何も変わらない。学べば何でもできるようになる。きっと職員だって必要じゃなくなる。そのとき、このパークは本当の意味で完成するのかもしれない――』

ツチノコ「ん? おい、続きは?」

ラッキービースト『……』

かばん「今ので終わりみたいですね」

ツチノコ「なんだよ!! 絶対に続きがあるだろ!! 今の感じだと!!」

かばん「あはは……」

ツチノコ「まぁいい。お前と一緒に居れば、また喋ってくれるだろうしな」

かばん「あの……」

ツチノコ「なんだ?」

かばん「もしかして『作品』が壊れてしまっているのって……」

ツチノコ「セルリアンだよ。それ以外に何がある」

かばん「もっと『作品』があったんですか」

ツチノコ「さぁな。あったかもしれないな。この壁、一面に『作品』が飾ってあった可能性もある」

かばん「……」

ツチノコ「けど、もう分からない。無くなったからな」

かばん「もし無くなったのなら、悲しい、ですね」

ツチノコ「そうだな」

かばん「みんなが学んで、作ったものが……なくなる……」

ツチノコ「気にするな。あったかもしれないものだ。俺たちじゃ確認なんてできやしない。残っているものから想像するしかないんだよ」

かばん「そうですけど……」

ラッキービースト『カバン ナニカキニナルコトデモアルナラ シツモンシテネ』

かばん「……大丈夫。今は、ないです」

ラッキービースト『ソウ』

ツチノコ「そろそろ戻るか。昼休みも終了する頃だ」

かばん「お昼休みが終わるときも鐘がなるんですか?」

ツチノコ「鳴るはずだ。まぁ、こーちょーが仕事をしていればの話だけどなぁ」

かばん「あれってハカセさんが鳴らしていたんですか」

ツチノコ「そうか。今は食器とか洗ってるなら、鳴るまでもう少しかかるかもな」

かばん「鳴るまでは休憩ってことでいいですよね」

ツチノコ「そうなるか」

かばん「ちなみにどんな授業を?」

ツチノコ「国語だ」

かばん「こくご?」

ツチノコ「これを学べば文字を読めて、しかも書けるようになる」

かばん「すごいじゃないですか!」

ツチノコ「だろぉ? 国語は万能なんだ」

かばん「いえ、ツチノコさんがです」

ツチノコ「は?」

かばん「国語ができるようになるだけでも、すごいことのはずなのに、それを教えられるなんて普通はできませんよ。ボクだって、文字の読み書きを教えるなんて多分できないですし」

ツチノコ「な、なにいってんだ!! お前ならできるだろ!! そういうお世辞はいいんだよ!!」

かばん「お世辞じゃないですよ。ホントにツチノコさんはすごいです」

ツチノコ「う……ぁ……」

かばん「どうしたんですか?」

ツチノコ「うるせえ!!! おれはすごくねえよ!! シャー!!」

かばん「すごいですって」

ツチノコ「うるせー!!! だまれー!!!」

かばん「えぇ……」

ツチノコ「ちくしょー!! ちょっと外の空気を吸ってくる!」ダダダッ

かばん「ツチノコさーん! 行っちゃった……」

―教室―

かばん「ただいま」

サーバル「すぅ……すぅ……」

かばん「気持ちよさそうに寝てる……」

ラッキービースト『オヒルノジュギョウハ マダハジマラナイノカナ』

かばん「ラッキーさん、しずかに。みんな起きちゃいます」

ラッキービースト『ソウダネ』

カワウソ「すぅ……すぅ……わー……たーのしー……』

スナネコ「まんぞくぅ……すぅ……すぅ……」

かばん「ふわぁ……。ボクもなんだか眠くなってきちゃった……」

ラッキービースト『ジュギョウガハジマルジカンニナッタラ オコシテアゲルヨ』

かばん「いいんですか? それならお願いします」

ラッキービースト『オヤスミ カバン』

かばん「おやすみなさい……」

かばん「すぅ……すぅ……」

カラーン! カラーン!

かばん「ん……」

ラッキービースト『カバン オキテ オキテ ジュギョウガ ハジマルヨ』

かばん「ふわぁ……。ありがとう、ラッキーさん」

サーバル「うみゃ!」ガバッ

かばん「おはよう、サーバルちゃん」

サーバル「おはよう、かばんちゃん! 次の授業が始まるの!?」

かばん「始まるんじゃない?」

ハシビロコウ「まだやるの?」

かばん「はい?」

ハシビロコウ「もう、夕方だけど」

サーバル「あれ!? 空が暗くなり始めてるよ!? なんでー!?」

かばん「ね、寝すぎちゃったのかな」

ビーバー「あ、かばんさんたちも起きたみたいっすね」

スナネコ「寝坊ですよ」

かばん「もしかして寝てる間に授業が終わっちゃったんですか」

サーバル「えー! ひどーい! どうして起こしてくれなかったのー!?」

プレーリードッグ「いえ、授業はなかったであります」

トキ「そもそも鐘が鳴らなかったわ」

かばん「そうなんですか」

ビーバー「はいっす。おかしいなって思ってみんなでハカセたちを捜しにいったら……」

オオコノハズク「すっかり眠っていたのです」

ワシミミズク「お腹いっぱいだったので」

かばん「それで鐘が鳴らなかったんですか」

アルパカ「今のはツチノコが鳴らしてくれたみたいだよぉ」

スナネコ「帰れの合図らしいですよ」

かばん「今から授業したら完全に日が暮れちゃいますもんね」

オオコノハズク「今日は終わりなのです。また明日来るのですよ」

オオカミ「今日は出番なしか」

イワビー「すいえいの授業はごはんのあとが良いかもしれないなぁ」

―正門―

プレーリードッグ「それではさよならでありまーす!!」

オオコノハズク「まっすぐ帰るのですよ」

かばん「はい。ありがとうございました」

サーバル「バイバーイ!! また明日ねー!!」

ワシミミズク「ハカセ。戻ってきたのです」

オオコノハズク「すぐに行くのです」

サーバル「ハカセたち、このあとどうするんだろう」

ハシビロコウ「図書館に帰るんじゃない?」

ビーバー「アルパカさんたちもおれっちたちと一緒の場所に泊まるっすか」

アルパカ「こうざんまで戻ると明日遅刻しちゃうからにぇ」

トキ「私は大丈夫だけど」

かばん「すみません。お店だってあるのに」

アルパカ「へーき、へーきぃ。みんな私がこっちにいるって知ってるみたいだしねぇ」

かばん「そうだったんですか」

―かばん・サーバルの部屋―

サーバル「今日もたのしかったねー」

かばん「半分は寝てただけになっちゃったけどね」

サーバル「私は夜行性だから丁度よかったかなー」

かばん「ぼくもお昼寝は気持ちよかったけど……」

サーバル「明日はどんなことするんだろー」

かばん「国語、だと思うよ」

サーバル「こくごー?」

かばん「うん。文字を読めて書けるようになるんだって」

サーバル「えー!? ほんとにー!! そんなことできるようになるのー!?」

かばん「らしいよ。ぼくもツチノコさんから聞いただけだけど」

サーバル「すごーい! 文字まで読めるようになったら……!! なったら……!!」

かばん「どうするの?」

サーバル「わかんないや。どうなるんだろー?」

かばん「サーバルちゃん……」

―深夜 森林―

アライグマ「うーん……。こっちなのだ!」

フェネック「アライさぁん。そっちはさっきも通ったよー」

アライグマ「どしてわかるのだ!?」

フェネック「この木に傷をつけておいたのさー。迷ったときのためにねー」

アライグマ「フェネック!! すごいのだ!! では、こっちなのだ!!」

フェネック「じつはーそっちも通ったことあるんだよねー」

アライグマ「どうしてわかるのだ!?」

フェネック「こっちの木に傷をつけておいたのさー。迷ったときのためにねー」

アライグマ「すごいのだ、フェネック!! それなら……!! それなら……。どっちなのだ?」

フェネック「どっちだろうねー」

アライグマ「……」

フェネック「ねー?」

アライグマ「アライさんたちはかんぜんにまいごなのだー!!!」

フェネック「困ったもんだ」

―翌日 ジャパリスクール 教室―

ツチノコ「おーし、席につけー」

サーバル「おはよー、ツチノコー」

プレーリードッグ「ツチノコ殿、ごあいさつをするであります!!」

ツチノコ「こっちによってくんなぁー!!! シャー!!!」

プレーリードッグ「ひどいでありますぅ」

ツチノコ「いいか!! 今日は国語をするぞ!! 国語!!」

サーバル「かばんちゃんが言った通りだね」

かばん「うん」

ツチノコ「この中で文字を読めて、書けるやつはいるかぁ?」

ハシビロコウ「じーっ……」

かばん「あ、はい、ぼくはなんとか……」

ツチノコ「おし、それじゃあ、黒板に自分の名前を書いてみろ」

かばん「わかりました」

カワウソ「がんばってー! かばーん!」

かばん「――書けました」

ツチノコ「流石だな」

かばん「いえ……」

ビーバー「それでかばんって読むんすね」

プレーリードッグ「面白い形であります」

カワウソ「おもろーい」

ツチノコ「今日は自分の名前を書けるようになってもらうからな」

スナネコ「おぉー」

サーバル「できるかなー?」

ハシビロコウ「私、覚える文字が多くなるんじゃぁ……」

ツチノコ「とりあえずお前らの名前を黒板に書いてやるから、白い本であるノートに何百回と真似して書け」

ビーバー「そ、そんなに書かないといけないっすか」

スナネコ「飽きました」

ツチノコ「まだ始めてもいねーのに飽きてんじゃねーよ!!!」

かばん「できるところまででいいのでがんばりましょう」

>>99
カワウソ「おもろーい」

カワウソ「おもしろーい」

プレーリードッグ「うおおおお!!!!」ガリガリガリガリ

ビーバー「び……うぅ……びってむずかしいっすね……この丸くなるところが……うまくかけないっすね……」

サーバル「うみゃみゃみゃみゃー!!」ガリガリガリ

ハシビロコウ「は……し……び……ろ……こ……う……」カキカキ

カワウソ「かーわーうーそー」

ツチノコ「自分の名前すら書けなきゃ始まらないからなぁ」

かばん「何かする予定でもあるんですか?」

ツチノコ「秘密だ」

かばん「はぁ……」

スナネコ「……」

ツチノコ「おい、手が止まってるぞ」

スナネコ「もう覚えました」

ツチノコ「なら、ちょっと書いてみろ」

スナネコ「はい。す……な……ね……こ……。かけました」ドヤァ

ツチノコ「おまえ……!! これじゃあ『すななこ』じゃねーか!! お前の事これからスナナコって呼ぶぞ!! こらぁ!!」

スナネコ「『な』という文字は『ね』とも読む説があるみたいですよ?」

ツチノコ「ねーよ!! どこの珍説だそりゃぁ!!!」

ハシビロコウ「書けた」

かばん「見せてください」

ハシビロコウ「これでいい?」

かばん「はいっ。もう覚えたんですね」

ハシビロコウ「難しいかったけど、なんとか」

プレーリードッグ「私も覚えたであります!!」ガタッ

ツチノコ「よし、何も見ずに書いてみろ」

プレーリードッグ「了解であります! ぷ……れ……り……ど……ぐ……っと!! これでいいでありますか!!」

ツチノコ「それじゃあ『プレリドグ』だよぉ!!」

プレーリードッグ「えぇ!? この不思議な棒は文字だったのでありますか!!」

ツチノコ「いっただろうがぁ!!」

カワウソ「かばんー、これでいいのー?」

かばん「こつめ、かわうそ。はい。大丈夫ですよ」

ビーバー「うーん……うーん……」

かばん「ビーバーさん、どうしました?」

ビーバー「あ、えっと、どうしても『び』が綺麗にかけなくて……」

かばん「うわぁ……。沢山『び』を書きましたね……」

ビーバー「次にすすめないっす……」

かばん「とりあえず全部書いてみましょう。文字って全体を書けばなんとなく伝わりますから」

ビーバー「は、はいっす」

サーバル「よぉーし!! かんぺきだー!!」

ツチノコ「書いてみろ」

サーバル「うんっ! うみゃー!」カキカキ

サーバル「どうかな? さーばるって書けてるでしょ!?」

ツチノコ「読めなくはないから、まあ合格だ」

サーバル「わーい!! かばんちゃん、みてみてー!! 私、自分の名前書けるようになったよー!!」

ツチノコ「けどお前の名前は『キャット』まで含めないといけないからな。キャットも書けよ」

サーバル「へぇ!?」

カラーン! カラーン!

ツチノコ「そこまでだ。最後に一枚だけノートを千切って、綺麗に名前を書け。そして書いたら俺のところにもってこい」

かばん「どうするんですか?」

ツチノコ「壁に張り出すんだよ」

サーバル「――つかれたぁ」

プレーリードッグ「手がいたいであります」

ハシビロコウ「綺麗かな……」

ビーバー「上手くかけてないような気がするっすけど……いいっすかね……」

カワウソ「はい、これー!」

ツチノコ「これか。これでいいのか」

カワウソ「じゃあ、こっちにするねー」

ツチノコ「どっちだよ!」

カワウソ「どっちがいいー? キャハハッ」

ツチノコ「好きなほうを出せ!!」

スナネコ「自分の名前に飽きたのは初めてです」

ツチノコ「次の授業は音楽室に移動だからな。遅刻するなよ」

かばん「音楽室ってことは……」

サーバル「もしかして……」

『わたしぃはとぉきぃ~! おぉんがぁくぅのせんせぇ~!!』

ビーバー「なにかきこえてきたっす……」

プレーリードッグ「急いだほうがいいでありますか!?」

ハシビロコウ「もしかして呼ばれてる?」

スナネコ「あまり行きたくないですね」

サーバル「ちょっと怖いよ!」

『かわいぃい~せぇとぉがぁ~もぉ~すぐくぅるのぉぉ~!!』

かばん「待ちわびているみたいですよ」

カワウソ「行ってみよ! 行ってみよ! おんがくってどんなのかきになる!」

かばん「みんなで歌うんじゃないですか」

カワウソ「歌うんだ!! 面白そう!! やってみたい!! やってみたーい!!」

サーバル「どんな歌をうたうんだろー?」

―音楽室―

トキ「みんな、揃ったわね。私は音楽の先生で、歌の先生である、トキ。よろしく」

カワウソ「よろしくー!」

トキ「みんなにはある歌にチャレンジしてもらうことにしたわ」

かばん「それってトキさんが作った歌ですか?」

トキ「いいえ。最初はそのつもりだったんだけど、ハカセから課題曲をもらったわ。課題曲を歌えるようにしてほしいと言われたの」

スナネコ「そのほうがよさそうですね」

トキ「どういう意味かしら?」

かばん「どうしてハカセさんはそんなことを……」

ラッキービースト『ミンナノ オンテイガ クルウカモ シレナイカラネ』

トキ「なぁ……!!」

かばん「ちょ……!? ラッキーさん!?」

トキ「はぁぁ……!!」

サーバル「かばんちゃん!! トキがすっごくショックうけちゃったよ!!」

かばん「トキさーん!! ぼくじゃないですからぁー!!」

ビーバー「これがおれっちたちが歌う曲なんすね……」

プレーリードッグ「これも文字でありますか?」

かばん「これは音符っていうものですね」

ハシビロコウ「また知らないこと……」

トキ「歌というのはその音符のとおりに歌うの」

スナネコ「見方がわからないと歌えませんね」

トキ「私がお手本をみせるわ」

ハシビロコウ「それなら歌えるかも」

かばん「お願いします」

トキ「うふっ。歌うわね」

トキ「うぇ~かむとぅ~!! よぉ~こそ~じゃぱぁ~りぱぁ~く! きょ~もぉどったぁんばぁ~ったん! おぉ~さぁ~わぎぃ~!!!」

サーバル「うみゃぁ……? 聞いたことあるような……ないような……」

かばん「これってペパプのみなさんが歌ってた曲じゃない?」

サーバル「え!? ホント!?」

かばん「もらった楽譜に前のライプで聞いた歌詞が書いてあるから、間違いないと思うよ」

サーバル「こんな歌だったっけ?」

かばん「トキさんのアレンジが入ってるのかも」

スナネコ「アレンジで原曲の原型がなくなるのはどうかと思いますけど」

トキ「らぁらぁらぁ~!! あぁ~つまれぇ~とぉもだぁちぃ~!!!」

カワウソ「わたし、うたっていい!? うたっていいよね!?」

トキ「いいわよ。一緒に歌いましょう」

カワウソ「わーい!!」

トキ・カワウソ「「うぇ~かむとぅ~!! よぉ~こそ~じゃぱぁ~りぱぁ~く! きょ~もぉどったぁんばぁ~ったん! おぉ~さぁ~わぎぃ~!!!」」

サーバル「うみゃぁ!? 声がかさなったぁ!!」

ハシビロコウ「ペパプの曲ってこんな感じなんだ」

サーバル「全然違うよ!!」

ビーバー「イワビーさんがいるなら、歌ってもらえば……」

プレーリードッグ「呼んでくるでありますか」

かばん「待ってください。イワビーさんはあくまでも体育担当ですから。今はトキさんの授業ですし、このまま続けましょう」

トキ・カワウソ「「おぉ~! ひがしぃへぇほえろぉ~!! にぃしぃへぇ~ほぉえぇろぉ~!!」」

トキ「あなた、すごくいいわ。才能あるんじゃい?」

カワウソ「ホント? それじゃあもう一回、うたお!」

トキ「アンコール、ということね」

カワウソ「あんこーるっ。あんこーるっ」

かばん「あの、ぼくも歌ってみたいんですけど」

サーバル「かばんちゃん!?」

トキ「もちろんよ。みんなで歌いましょう」

カワウソ「さぁー、うたうよー」

トキ・かばん・カワウソ「「うぇ~かむとぅ~!! よぉ~こそ~じゃぱぁ~りぱぁ~く! きょ~もぉどったぁんばぁ~ったん! おぉ~さぁ~わぎぃ~!!!」」

サーバル「うぎゃー!!」

ビーバー「かばんさんもカワウソさんもすごいっすね。一度聞いただけで同じように歌えるなんて」

プレーリードッグ「私には真似できないであります」

ハシビロコウ「こんな歌じゃないなら、どんな歌なんだろう……」

ラッキービースト『……』ヨチヨチ

ハシビロコウ「ボス? どこにいくの?」

ラッキービースト『……』パカッ

サーバル「あれ? ボス、どうしたの? 確かそれって……」

ラッキービースト『……』ジャーン!!!!

トキ「え……?」

カワウソ「何の音ー?」

かばん「ラッキーさん?」

ラッキービースト『ヨキキイテイテネ カバン』

かばん「あ、はい」

ラッキービースト『――Welcome to ようこそジャパリパーク! 今日もドッタンバッタンお・お・さ・わ・ぎ!』

トキ「な……!?」

カワウソ「なになにー!? どこから音楽なってるのー!? ふしぎ、ふしぎー!」

サーバル「ボスが歌いだしたぁぁぁぁ!?」

ビーバー「すごいっす! ボスもうたえるんすね!」

プレーリードッグ「底が知れないであります!」

かばん「ピアノの鍵盤が勝手に動いてる……。ラッキーさんが弾いてるってこと……?」

ラッキービースト『ララララ ララララララ 素敵な旅立ち~。ようこそ、ジャパリパーク!』ジャン

ラッキービースト『コノウタハ コウウタウヨ』

サーバル「すごーい!!」パチパチ

カワウソ「そうやってうたうんだー」

かばん「ペパプのみなさんは確かにそうやって歌っていましたね」

ハシビロコウ「素敵な歌」

トキ「私がまちがっていたの……」

かばん「トキさんの歌もとても力強くて、ぼくは好きですよ」

トキ「ありがとう。私のファンはやっぱりわかってくれるのね」

スナネコ「上手いかどうかは言わないんですね」

ラッキービースト『ツギハ オンガクダケヲ ナガスカラ ミンナデ ウタッテミテネ』

かばん「はい!」

ラッキービースト『ハジメルヨ』

サーバル「トキ、今度はボスの音楽に合わせて歌ってみようよ」

トキ「やってみるわ」

>>111
ラッキービースト『ヨキキイテイテネ カバン』

ラッキービースト『ヨクキイテイテネ カバン』

―プール―

『うー! がぉー!』

イワビー「お。やってるなぁ」

ワシミミズク「……」バサッバサッ

イワビー「じょ……じゃなかったな。きょーとー、どこいくんだー?」

ワシミミズク「気にすることはないのです」

イワビー「そうか?」

ワシミミズク「それより、イワビーは歌の指導もしてもいいのですよ?」

イワビー「トキの仕事だろ。どうしてもやりたいっていってたじゃねえか」

ワシミミズク「ちゃんと歌えるようになるのか不安なのです」

イワビー「ちゃんと歌えてるみたいだぜ」

『Welcome to ようこそジャパリパーク! 今日もドッタンバッタンお・お・さ・わ・ぎ!』

ワシミミズク「……なら、いいのです」

イワビー「ハカセたちってこの曲を絶対に歌わせるよな。ペパプのライブでも絶対に歌えって言ってきたし」

ワシミミズク「当たり前です。この歌はパークのテーマソングなのですよ」

―音楽室―

ラッキービースト『ナカナカ ヨクナッテキタネ』

かばん「ありがとうございます」

サーバル「歌って、たくさん歌うとハアハアするんだね」

ハシビロコウ「声がかすれてきたかも」

ビーバー「何事も簡単にはいかないっすねぇ」

トキ「このあとはアルパカの授業になっているから、喉の調子はすぐによくなるわ」

サーバル「アルパカの紅茶が飲めるのー?」

カワウソ「おー! 紅茶、のみたーい!」

スナネコ「こうちゃってなんですか?」

かばん「アルパカさんがカフェで出している飲み物です。美味しいんですよ」

スナネコ「へー。そうなんですかぁ。興味、あります」

トキ「もう一度、最初から歌ってみましょう」

プレーリードッグ「もうひと踏ん張りでありますな!」

ラッキービースト『オンガクヲ ナガスヨ』

カラーン!! カラーン!!

トキ「今日はこれでお終いね。続きは次の授業になるわね」

かばん「ありがとうございました、トキさん」

カワウソ「たのしかったよー」

トキ「次もみんなで歌いましょう」

サーバル「トキも練習しててね」

トキ「任せて。次に会うときは完璧に歌えるようにしておくから」

ハシビロコウ「努力家……」

ビーバー「勉強家なんっすよ」

プレーリードッグ「それではトキ殿ー! さよならでありまーす!」

トキ「バイバイ」

スナネコ「トキも途中から音楽に合わせて歌えるようになってきて――」

『うぇるかぁむとぉ~よぉぉこぉそ~じゃぁぱぁりぱぁぁく!』

スナネコ「音楽が流れていないとダメみたいですね」

サーバル「歌も難しいね」

―家庭科室―

サーバル「次はここだよねー?」ガチャ

アルパカ「ふわああぁ! いらっしゃぁい! よぉこそぉ! 家庭科室へ~!」

かばん「よろしくお願いします」

スナネコ「どんな授業をするのですか」

アルパカ「もちろん、紅茶のいれかただよぉ。それよりも、みんな歌って疲れたでしょぉ? 今、紅茶いれるからにぇ。ちょっとまっててにぇ」

サーバル「わーい!」

カワウソ「こうちゃってどんなの、どんなの? どうやっていれるのー?」

アルパカ「お手本みせておかないとにぇ。こうやるんだよぉ。えへへぇ」

ビーバー「とても楽しそうっすね」

かばん「アルパカさんは紅茶の良さを知ってもらいたいみたいですし、こういう授業は本当に嬉しいんだと思います」

ハシビロコウ「……」

アルパカ「そんなに見つめられると緊張するよぉ」

ハシビロコウ「ごめんなさい」

アルパカ「あ、でも、見ていてくれるとうれしいなぁ」

アルパカ「はぁーい、紅茶、はいったよぉ。はい、どうぞぉ。はい、どうぞぉ」

かばん「いただきます」

カワウソ「ねえねえ、飲んでもいい? 飲んでも良い?」

アルパカ「めしあがれぇ」

カワウソ「いっただきまーす!」

サーバル「うみゃぁ……」

スナネコ「おいしい」

ハシビロコウ「落ち着く……」

プレーリードッグ「んぐっ……んぐっ……!! おかわりであります!!」

ビーバー「そんな一気に飲むものなんっすか?」

アルパカ「いいよぉいいよぉ。いくらでもあるからぁ、たぁくさん飲んでいってにぇ」

サーバル「私もおかわりー」

スナネコ「おかわりください」

アルパカ「わかったよぉ。ちょっとまっててにぇ。すぐにいれるからぁ」

かばん「あの、授業は……?」

アルパカ「それじゃあ、授業はじめるよぉ。紅茶の淹れ方なんだけどにぇ。ここのボタンを押すとぉ、お湯がでるんだぁ」

アルパカ「それでねぇ、この紅茶の元をカップにいれて、お湯を注ぐと……」タポポポ

アルパカ「はい、できあがりぃ。えへへぇ」

サーバル「わー! すっごーい!!」

カワウソ「できたの! これで紅茶、できたのー!!」

ハシビロコウ「さっきも見たけど、割と簡単にできるんだ」

アルパカ「そんなことないよぉ。見た目以上に結構むずかしいんだよぉ。お湯の注ぎ方とかぁ、紅茶の元の量とかぁ、そういうのがちょっと違うだけで味ががわっちゃうからぁ」

ビーバー「奥が深いっすね……」

プレーリードッグ「私たちも紅茶を淹れもいいでありますか」

アルパカ「いいよぉ。みんなの分の紅茶の元わたすねぇ」

スナネコ「枯れた葉っぱみたいですね。ここからあんなに美味しい紅茶ができるなんて」

アルパカ「できるんだよぉ。ふへへへぇ」

カワウソ「おゆいれちゃおーっと」

アルパカ「火傷しないように気を付けてにぇ」

カワウソ「はーい!」

サーバル「うみゃ……うみゃ……みゃ……みゃみゃ……」タポポポ

サーバル「みんみー!! できたー!!! かばんちゃん、のんでのんでー!!」

かばん「ぼくが飲むの? サーバルちゃんは?」

サーバル「私はかばんちゃんの淹れた紅茶がのみたいなー」

かばん「もう、サーバルちゃんたら。待ってて、淹れてくるよ」

サーバル「えへへへ。うれしいなぁ」

スナネコ「にがい……」

ハシビロコウ「味が薄い……」

ビーバー「失敗したらもったいないっすよね……。一回で成功させないといけないっすよね……。ボタンをおしたらお湯は一定量必ず出るから……うぅ……おせないっすぅ……」

プレーリードッグ「こうでありますな!!」タポポポポポポッ

プレーリードッグ「ぬおおお!! たくさんいれちゃったでありますー!!!」

アルパカ「零したらたいへんだよぉ。その場でのんでぇ」

プレーリードッグ「は、はい! んぐっ……んぐっ……!!」

プレーリードッグ「ぷっはぁ!! 味があまりしないであります!!」

アルパカ「それだけお湯を淹れちゃうとダメだねぇー」

カワウソ「おかしーなー。同じようにやったはずなのに、どうしてアルパカの紅茶と味が違うのー」

アルパカ「淹れ方がそれぞれ違うからだねぇ。私の淹れ方とカワウソの淹れ方は似てるようで全然ちがうのぉ」

カワウソ「それじゃあダメってこと? 私、アルパカみたいに美味しい紅茶をいれたいのに」

アルパカ「一回で美味しくは淹れられないよぉ。自分なりに美味しい淹れ方を研究しないとにぇ」

カワウソ「そーなんだ。もういっかいいれよーっと」

サーバル「スナネコー、私の紅茶のんでみてー。かばんちゃんが美味しいっていってくれたんだー」

スナネコ「いいですよ」

アルパカ「みんな楽しんでくれてるみたいでよかったよぉ。最初はこんなことでいいのかなっておもってたけどぉ」

かばん「アルパカさんが考えた授業じゃないんですか」

アルパカ「ちがうよぉ。ぜーんぶ、ハカセたちがかんがえたのぉ。これだけじゃないよぉ? すいえいもぉ、さんすぅも、みんなに学ばせたいからやってるみたい」

かばん「学ばせたい……」

アルパカ「私の授業は息抜きも兼ねてるんじゃなぁい? こくごとかさんすぅとか頭使うことばっかりやってたらつかれちゃうしぃ」

かばん「あぁ。そうかもしれませんね」

アルパカ「そぉだ、紅茶のおかわり、どぉ? ぅん?」

かばん「あ、はい。いただきます」

―校長室―

ワシミミズク「ハカセ。いえ、こーちょー」

オオコノハズク「どうしたのですか、助手。いえ、きょーとー」

ワシミミズク「今のところ、問題はないのです」

オオコノハズク「そうですか。それはよかったのです」

ワシミミズク「このまま何事もなくいけばいいですね」

オオコノハズク「我々はただ学校を復活させたいだけなのです。起こってほしくはないですね」

ワシミミズク「ここで失われていた教育をもう一度蘇らせるのです」

オオコノハズク「そうなれば、このパークもいずれ……」

ワシミミズク「ハカセ。そろそろ鐘を鳴らす時間ではないですか」

オオコノハズク「そうですね。行ってくるのです」

ワシミミズク「次は待ちに待ったきゅーしょくですね」

オオコノハズク「かばんを早く調理室に連れて行くのです」

ワシミミズク「今日は何にするのですか。じゅるり」

オオコノハズク「昨日、カレースープなる料理を見つけたのです。じゅるり」

―午後 昼休み 廊下―

ツチノコ「これでよしっと」

かばん「あれ? ツチノコさん?」

ツチノコ「お前か。今日は午後からの授業きちんと受けろよ」

かばん「はい。寝坊しないようにします」

ツチノコ「それじゃあな」

かばん「みんなの『作品』を貼り出してくれていたんですか」

ツチノコ「作品、なんて呼べる代物じゃないが、あいつらが初めて書いた文字だからなぁ」

かばん「ありがとうございます」

ツチノコ「こんな汚い字が未来のフレンズたちの目に触れるなんて、ただ恥ずかしいだけだろ」

かばん「そんなことないですよ。ここにサーバルちゃんたちがいたっていうことが分かるんですから」

ツチノコ「ふんっ」

かばん「ツチノコさんは残そうとしてくれているんですよね」

ツチノコ「なんのことかなぁ。さーて、俺も昼寝してくるかぁ」

かばん「お疲れ様です」

かばん「このままみんなが文字を書けて、読めるようになるだけでも色んなことができそう」

ラッキービースト『――多くのフレンズがここでヒトと同じことを学び、吸収していく』

かばん「……」

ラッキービースト『それはとても素晴らしいこと。だけど、同時に少しだけ寂しいこと』

ラッキービースト『私たちの手が必要なくなる。このパークはフレンズたちだけで運営できるようになる』

ラッキービースト『パークにヒトの手が入らなくなり、あるべき自然な姿へと変わっていくことでしょう』

ラッキービースト『ただ心配事が一つだけ。知識を得たフレンズがヒトのように愚かな歴史を築かないか……。私はフレンズたちを信じたいですけどね』

ラッキービースト『フレンズになれたんだからヒトのことをもっと知りたいと言ってくれた、みんなを』

ラッキービースト『さて、セルリアン対策に戻らないと。ここにあるみんなの成果や思い出も守らないとね』

かばん「思い出……」

ラッキービースト『……』

かばん「やっぱりここにはあったんだろうな。フレンズさんたちが過ごした証が」

かばん「ぼくも増やしたい。もっと、もっとたくさん」

ラッキービースト『カバン ソロソロ ゴゴノジュギョウガ ハジマルヨ』

かばん「ええと。それじゃあまずは鐘を鳴らしにいきましょうか。ハカセさんたち、寝ているかもしれないですし」

呼称修正

>>17
かばん「教えてくれるのは多分、はかせさんになるかと」→「教えてくれるのは多分、ハカセになるかと」

>>31
かばん「はかせさんたちは先生ってことでいいんですよね? 今から授業を……?」→「ハカセたちは先生ってことでいいんですよね? 今から授業を……?」

>>89
かばん「あれってハカセさんが鳴らしていたんですか」→「あれってハカセが鳴らしていたんですか」

>>106
かばん「どうしてハカセさんはそんなことを……」→「どうしてハカセはそんなことを……」

>>125
かばん「ええと。それじゃあまずは鐘を鳴らしにいきましょうか。ハカセさんたち、寝ているかもしれないですし」→「ええと。それじゃあまずは鐘を鳴らしにいきましょうか。ハカセたち、寝ているかもしれないですし」

―美術室―

オオカミ「ようこそ。私のアトリエへ」

サーバル「絵を教えてくれるんでしょー」

カワウソ「おえかきしたーい! キャハハッ」

オオカミ「逸る気持ちもわかるけど、まずはどんな絵を描くのか。それを決めなくてはいけないんだよ」

ビーバー「家を建てるのと少し似てるっすね。おれっちもどんな家にするか決めてからでないと作業できないっすから」

オオカミ「その通りだ。いいかい? 創作するということは、頭に思い描いたことをそのまま形にするということなんだ」

オオカミ「それが如何に困難なのか。君たちは今から体感することになるだろう」

スナネコ「あきました。帰ってもいいですか?」

オオカミ「ぐっ……」

ハシビロコウ「スナネコ、そんなこと言ったらオオカミが可哀想だから」

スナネコ「そうですか」

オオカミ「おほん。今日はモデルを一人選んで、そのモデルの絵を描いてもらおうと思っている」

プレーリドッグ「モデルとはなんでありますか!」

オオカミ「絵のモデル。描かれる対象になってほしいということさ」

>>127
プレーリドッグ「モデルとはなんでありますか!」

プレーリードッグ「モデルとはなんでありますか!」

かばん「みんなに自分の絵を描かれてしまうってことですか」

サーバル「おもしろそー! 私がやるー!!」

カワウソ「わたしもモデル、やってみたーい!」

オオカミ「できるかな」

サーバル「どーいうことー?」

オオカミ「モデルは絵を描かれている最中は絶対に動いてはいけないんだよ」

かばん「動くと絵が描きづらいからですか」

オオカミ「それもあるけど、もう一つ重要な理由があるのさ」

ビーバー「なんっすか?」

オオカミ「指の一本でも動かしてしまった時点で、絵の世界に引きずり込まれてしまうのさ……」

サーバル「えぇぇぇ!!!」

プレーリードッグ「モデルって危険すぎるであります!!」

スナネコ「誰もやりたくなくなりますよ」

かばん「オオカミさん、嘘ですよね」

オオカミ「勿論、冗談だよ。良い顔、頂きました」

サーバル「もう!! オオカミは酷いよ!!」

オオカミ「あはは。すまない。さて、このスケッチブックを配ろう。これにモデルの絵を描くといい」

カワウソ「だれがモデルするー?」

サーバル「動けなくなっちゃうのはつらいよー」

プレーリードッグ「私も絶対に我慢できなくなって動いてしまうであります」

ビーバー「おれっちも自信ないっすねぇ」

かばん「……あ」

ハシビロコウ「なに?」

かばん「ハシビロコウさんが適任じゃないですか」

ハシビロコウ「わ、私……? 私の絵をみんなが描くの?」

かばん「はい。そうなりますね」

ハシビロコウ「もっと可愛い子を描いたほうがいいと思うけど……」

サーバル「ハシビロちゃんは十分可愛いよ。睨まなければだけど」

スナネコ「いいのではないですか。ハシビロコウがモデルで」

ハシビロコウ「ええ……そ、そんな……」

オオカミ「モデルが決まったのなら、ここに座って前を向いていほしい」

ハシビロコウ「こ、こう?」

オオカミ「そのまま、じっとしているんだ」

ハシビロコウ「うん」

オオカミ「他のみんなは好きな位置からモデルを描いてみるといい。目の前にあるものを描けずして、頭にある景色は描けないからね」

サーバル「どこから描こうかなー?」

プレーリードッグ「この辺りから描くでありますか……」ズイッ

ハシビロコウ「ち、ちかいから……。それだと私の耳しか描けないと思う」

ビーバー「おれっちは後ろから全体を描くっす。オオカミさんもはいっちゃうっすけど、いいっすかね」

オオカミ「私はモデルじゃないからやめてほしいな。恥ずかしい」

スナネコ「恥ずかしいのですか。では、あえてぼくはオオカミを描きますね」

オオカミ「スナネコは私を追い込むのが趣味なのかい」

スナネコ「……」カキカキ

オオカミ「聞いてくれ」

かばん「ぼくは正面から描こうかな」

カワウソ「ふんふふーん。おーえかきー。おーえかきー」カキカキ

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「むむー……」

ビーバー「うーん……ちょっとこっちのバランスが……」

サーバル「ハシビロちゃん、すごいねー。全然、動かないもん」

かばん「うん。やっぱりモデルにぴったりだったね」

スナネコ「できました」

オオカミ「もうかい? 早いね」

スナネコ「可愛く描けたでしょっ」

オオカミ「やはり私を描いたのか」

スナネコ「どうぞ」

オオカミ「あ、ありがとう。さて、ハシビロコウを――」

スナネコ「満足したので、寝ますね。終わったら起こしてください」

サーバル「自由すぎるよ!! 今更だけど!!」

オオカミ「このまま寝ていてもらうほうが私にとってはありがたいかもしれないね」

プレーリードッグ「できたであります!!!」

オオカミ「どれどれ、拝見」

プレーリードッグ「どうでありましょう!?」

オオカミ「うん。味のある絵だね。これからが楽しみだ」

プレーリードッグ「本当でありますか!! うおー!! がんばるであります!!」

カワウソ「でーきたー! はいっ」

オオカミ「おぉ。ハシビロコウの特徴を上手く捉えた絵だ。素晴らしい」

カワウソ「やったーほめられたー」

サーバル「うみゃ! オオカミ、みてみてー」

オオカミ「うむ。サーバルの性格が反映させている絵だね。とにかく元気だ」

サーバル「わーい! かばんちゃん、私の絵、元気なんだってー!!」

かばん「よかったね、サーバルちゃん」

オオカミ「そういうかばんの絵は、とても優しく、柔らかい。誰が見ても癒される絵といえるね」

かばん「そ、そんなにいいものじゃないとおもうんですけど……」

サーバル「かばんちゃんの絵、とっても素敵だね! 私も欲しいぐらいだよー!!」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「むぅ……こうっすねぇ……」カキカキ

オオカミ「ほほぉ……」

ビーバー「ま、まだ完成してないっす……みないでほしいっす……」

オオカミ「実に良い。私のアシスタントにしたいぐらいだ」

ビーバー「や、やめてほしいっす……てれるっす……」

カワウソ「どんな絵なのー? ちょっとみーせてー!」

サーバル「私もみたいみたい!」

ビーバー「そ、そんな期待されるほどの絵じゃないっすからぁ」

かばん「うわぁ……」

スナネコ「おぉ」

プレーリードッグ「これは……!!」

サーバル「なにこれなにこれー!!」

カワウソ「すごーい!!」

ハシビロコウ(どんな絵なんだろう……気になる……)ウズウズ

ビーバー「かんせいっす……」

オオカミ「全員、描きおわったかな。お疲れさま、ハシビロコウ」

ハシビロコウ「疲れた……。じっとしてるのは得意だと思ってたのに」

オオカミ「見られているというだけで疲れるものだよ。さて、みんなの絵が気になっていることだろうから、是非とも見てあげてほしい」

ハシビロコウ「うん。実はすごく気になってて」

サーバル「みてみてー!」

カワウソ「ハシビロコウってこんなかんじだよねー」

ハシビロコウ「そう見えてるんだ……」

プレーリードッグ「私の絵も褒められたでありますよ!!」

ハシビロコウ「なるほど」

かばん「どうでしょうか」

ハシビロコウ「こんなに私、かわいいかな……」

ビーバー「自信はないっすけど……一応、かけたっす……」

ハシビロコウ「……これ、頂戴」

ビーバー「あ、いいっすけど?」

ハシビロコウ「……」ジーッ

ビーバー「おれっちの絵をそんなに凝視されると、なんか照れ臭いっすねぇ」

サーバル「やっぱりビーバーの絵にはまけちゃうよぉ」

かばん「紙の中にハシビロコウさんがそのまま写りこんだみたいだもんね」

カワウソ「すごいよねー。あんな風に描けたらなー」

オオカミ「練習次第だね。ビーバーはただ、みんなよりも少しだけ先にいただけさ。練習すればすぐに追いつけるよ」

サーバル「あんなに上手になれるまでどれぐらい練習しなきゃいけないんだろー?」

プレーリードッグ「たくさんしなければいけないでありますね!」

サーバル「そっかー。たくさんかー。よぉーし!! 絵もがんばるぞー!!」

カワウソ「おー!!」

ハシビロコウ「大切にする」

ビーバー「うれしいっす」

オオカミ「まだ時間はあるみたいだし、次は好きな人を描いてみようか」

ハシビロコウ「ビーバー、お礼に貴方の絵を描く」

ビーバー「はい。おれっちでよければ」

スナネコ「好きな人、ここにいました」ズイッ

オオカミ「か、顔が近いから。わかったよ、好きなだけ私を描いてくれ」

スナネコ「ありがとう」

サーバル「かばんちゃんのこと描いてもいい?」

かばん「うん。ぼくもサーバルちゃんのこと描いていい?」

サーバル「もちろんだよぉ!!」

プレーリードッグ「私はカワウソ殿を描くであります!!」

カワウソ「よろしくー」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「あの……見つめるばっかりで、手がうごいてないっすよ……」

ハシビロコウ「あ、ごめん。私、ずっと見つめちゃう癖があるから」

ビーバー「でも、ハシビロコウさんの好きなように描けばいいっすよね。おれっち、出来上がるまで待つっすから」

ハシビロコウ「ありがとう。丁寧に描くから」

サーバル「うみゃみゃみゃー!! うみゃー? あっ! うみゃみゃみゃー!!!」カキカキ

かばん(これの絵、また飾ってもらおう)

―夕方 プール―

トキ「よぉぉこぉそ~じゃぱぁぁりぱぁぁぁくぅぅぅ~」

イワビー「全然、違うってば。うぇかむとぅ! ようこそジャパリパーク! 今日もドッタンバッタン、お、お、さ、わ、ぎっ! ――だぜ?」

トキ「難しいわね」

イワビー「腹から声を出すんだ」

トキ「お腹ね。かばんも同じことを言っていたわ」

アルパカ「ふたりともぉ。がんばってるにぇ」

トキ「あら、アルパカ。どうしたの」

アルパカ「トキがここで練習してるってハカセからきいてぇ、紅茶、もってきたよぉ」

トキ「ありがとう、アルパカ」

アルパカ「イワビーものむぅ?」

イワビー「おう!! もらうぜ!!」

アルパカ「お昼からここでずっと練習してたのぉ?」

トキ「ええ。みんなに完璧な歌を聞かせてあげたいもの」

アルパカ「あはぁ、そっかぁ。トキの努力、絶対に実を結ぶよぉ」

トキ「ねえ、いつかでいいから私もペパプと一緒に歌えないかしら」

イワビー「いいけど、何を歌うんだ?」

アルパカ「いいんだぁ」

トキ「もちろん、『ようこそジャパリパークへ』がいいわね」

イワビー「おう。マーゲイに相談してみるな」

トキ「うれしいわ。だったら、もっと練習しましょう。うぇぇかむとぅぅ~!!」

イワビー「だーかーらー。うぇかむとぅー、だってば」

トキ「こうね。うえええかむぅ~!!」

イワビー「ああ、もう!! どうおしえりゃあいいんだー!!」

トキ「こうでもないのね……」

アルパカ「あははぁ。紅茶はいくらでも用意できるから、安心してねぇ」

トキ「ええ」

イワビー「あれだな、他のメンバーも呼んでおいた方がよさそうだな、こりゃあ」

トキ「ペパプ全員で指導してくれるの?」

イワビー「そのほうが早い気がするからな」

―美術室―

ビーバー「……」

ハシビロコウ「うーん……こう……ちがう……こうかな……あぁ……変になっちゃった……」

スナネコ「すぅ……すぅ……」

プレーリードッグ「うへへ……もうほれないでありますぅ……」

カワウソ「よっと、ほっと」ヒョイッヒョイッ

かばん「すぅ……すぅ……」

サーバル「うみゃぁ……うみゃぁ……」

オオカミ「……おっ。いいネタを思いついた」カキカキ

ビーバー「……」

ハシビロコウ「ごめんね……こんなに時間かけて……わたし……絵が得意じゃないみたい……」

ビーバー「ハシビロコウさん」

ハシビロコウ「今日は、ここまでにしよう」

ビーバー「いいっすよ。完成するまでまってるっすから。ゆっくり描いてくださいっす」

ハシビロコウ「けど……もう夕方だし……みんなも……」

ビーバー「誰も気にしてないっすよ」

ハシビロコウ「これ以上、待たせるなんて……」

オオカミ「鐘はまだ鳴っていない。授業は継続中だよ」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「おれっち、ハシビロコウさんの絵、すっごく楽しみっす」

ハシビロコウ「……ごめんね」

カワウソ「かけたのー?」

ハシビロコウ「ううん。まだ」

カワウソ「そっかー。それじゃあ、もうちょっとあそんどくねー」

ハシビロコウ「ごめんね……」

カワウソ「なんであやまるのー?」

ハシビロコウ「だって……」

カワウソ「私もハシビロコウの絵、気になるしぃ。友達を待つのは退屈じゃないもんねー」

ハシビロコウ「……ありがとう」

ビーバー「納得できるまで描き直していいっすから」

ハシビロコウ「できた……!」

ビーバー「おぉ!! おめでとうっすぅ!」

カワウソ「みせてー! いちばんにみせてー!!」テテテッ

ハシビロコウ「あ、ま、まって」

サーバル「うみゃ!? できたのー!! わたしもハシビロちゃんの絵、みたーい!!」

スナネコ「興味、あります」

かばん「ぼくも、いいですか?」

ハシビロコウ「ま、まって、じゅ、じゅんばんに……」

ビーバー「これがハシビロコウさんから見た、おれっちなんすね」

ハシビロコウ「ごめん。ビーバーみたいにはどうしてもできなくて……」

ビーバー「これ、貰ってもいいっすか」

ハシビロコウ「え……。そんな下手くそな……絵でいいの……」

ビーバー「全然、下手じゃないっす。ハシビロコウさんの渾身の絵っすよ、これぇ。もう一生ものっす」

ハシビロコウ「うれしい……」

オオカミ「おっ。とっても良い顔、いただきました」カキカキ

プレーリードッグ「羨ましいであります。ハシビロコウ殿、次は自分も描いてほしいであります」

サーバル「わたしもかいてよー」

ハシビロコウ「うん、また機会があれば」

スナネコ「約束ですよ」

オオコノハズク「いつまで残っているのですか」

ワシミミズク「良い子は早く帰るのです」

オオカミ「私は悪い子だからいいかな」

かばん「すみません。でも、鐘がならなかったような……」

ツチノコ「こーちょーたちは今まで寝てたからなぁ」

オオコノハズク「またしてもお昼寝をしてしまったのです」

ワシミミズク「かばんの作る料理でいつもお腹いっぱいになるのですよ」

かばん「ぼくの所為なんですか!?」

イワビー「おーい! ひがくれちまうぜー!!」

アルパカ「みんなぁー、はやくかえろぉー」

トキ「今日も1日、よくがんばったわね、みんな」

―正門―

サーバル「今日もたのしかったねー」

かばん「うんっ。明日はどんなことするのかな」

サーバル「きっと今日よりも楽しいことだよー」

かばん「あはは、そうだね」

カワウソ「さっきの絵、ろーかに飾ったんだー」

ツチノコ「持って帰ったらめちゃくちゃにするだろ、お前らは」

カワウソ「んー? そーかもー。キャハハッ」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「良い絵であります」

ビーバー「そんなに褒めないでくださいっす」

サーバル「いいなー。ハシビロちゃんもビーバーも。私もかばんちゃんに絵を描いてもらったけど、みんなにも描いてほしいなー」

オオカミ「だったら、モデルになればよかったのに」

サーバル「でも、動けなくなるのはちょっとやだなぁ。お互いに絵を描き合ってるならいいんだけどなぁ」

かばん「あはは。あれ? あれはハカセ……? 何をしてるんだろう」

オオコノハズク「分かったのです。引き続きお願いするのです」

かばん「ハカセ?」

オオコノハズク「かばんですか。何か?」

かばん「いえ、そこでなにをしているのかなって」

オオコノハズク「何でもないのです。ほら、早く帰るのです」

かばん「わ、わかりました」

サーバル「かばんちゃん、どうしたのー?」

かばん「なんでもないよー」

スナネコ「今日はどこでねようかなぁ」

カワウソ「屋根裏なんていいんじゃない?」

スナネコ「そこはまだでしたね」

オオコノハズク「……」

ワシミミズク「ハカセ……。いえ、こーちょー」

オオコノハズク「いつでも動けるようにしておくのですよ」

ワシミミズク「分かっているのです」

―森林―

アライグマ「もう一生出ることができない気がしてきたのだぁ……」

フェネック「うーん。アライさぁん。こっちはまだ行ったことのない道みたいだよー」

アライグマ「ちょっと疲れたのだ。休憩するのだ、フェネック」

フェネック「あいよー」

アライグマ「帽子泥棒に近づいているはずなのに、これじゃあまた遠ざかってしまうのだ」

フェネック「あとかばんさんにもねー」

アライグマ「そうなのだ!! かばんさんにも会いたいのだ!!」

フェネック「だったら、ここからすぐにでないとねー」

アライグマ「そうなのだぁ……でも……でられないのだぁ……」

フェネック「ん……?」ピクッ

アライグマ「……よし! 休憩終わりなのだ!! いくのだ、フェネック!!」

フェネック「アライさぁん、ちょっとまずいかもねー」

アライグマ「どうかしたのか?」

フェネック「セルリアンの臭いがするよー。ここ、あぶないかもねー」

アライグマ「セ、セルリアン……!! どこなのだ!? どこにいるのだ!?」

フェネック「……」

ガサガサガサガサ……

アライグマ「き、きたのか!?」

フェネック「下がって、アライさぁん」

セルリアン「……」

アライグマ「ホントにでたのだ!!」

フェネック「小さいのが一匹だけならなんとかなるかもねー」

ガサガサガサ……!!!

セルリアン「「……」」

アライグマ「た、たくさんいるのだぁ……!!」

フェネック「おー。よぉし、アライさぁん。良い考えがあるよー」

アライグマ「どうするのだ、フェネックぅ」

フェネック「にげろー!」

アライグマ「さ、さんせいなのだー!!」

―ジャパリスクール 屋上―

ツチノコ「……来たみたいだな」

オオコノハズク「まだ遠いですね」

ワシミミズク「カメレオンの報告だと、徐々に増えてきているみたいなのです。のんびりしていれば包囲されるのです」

ツチノコ「ここはやっぱり狙われやすんだな。まぁ、これだけフレンズが集まれば嫌でも寄ってくるか」

オオコノハズク「やはり、無理でしたね」

ワシミミズク「あと2日ぐらいなら余裕はありますね」

ツチノコ「何もかも中途半端だが、あいつらもきちんと学べるってことを知ったんだ。十分だろ」

ワシミミズク「ええ。教育はまたいずれにするしかないのです」

オオコノハズク「それでは卒業式の準備に入るのです」

ツチノコ「それがいいな」

ワシミミズク「残念です」

オオコノハズク「フレンズが料理を作れるようになれば、我々いつでもおかわりができるようになったのですが」

ツチノコ「火を怖がらないフレンズを探してくるんだなぁ」

オオコノハズク「知っている限りではヒグマあたりですね」

―かばん・サーバルの部屋―

サーバル「うみゃ……みゃみゃ……」カキカキ

かばん「字の練習?」

サーバル「うん! さーばるきゃっとまで書けるようになりたいの!」

かばん「手伝えることがあればいってね」

サーバル「これぐらい大丈夫だよ!! 私、夜行性だから!」

かばん「関係ないんじゃあ……」

ラッキービースト『……』

かばん「ラッキーさん、窓の外になにかあるんですか」

ラッキービースト『……』

かばん「ラッキーさん?」

ラッキービースト『セルリアン チュウイホウ トオクデ セルリアンノ ハッセイヲカンチシマシタ シュウイノ オキャクサマハ ゴチュウイクダサイ』

サーバル「セルリアン!?」

かばん「遠くにいるみたいだね」

サーバル「こっちにくるの?」

かばん「わからないけど……」

ラッキービースト『……』

かばん「ラッキーさん、大丈夫、なんですよね?」

ラッキービースト『マダ ダイジョウブ デモ チュウイハ シテネ カバン』

かばん「はい」

サーバル「私の爪でやっつけちゃうから、へーきだよ!! みゃ! みゃ!」

かばん「頼もしいね」

サーバル「えっへん!」

かばん「けど、こっちにくるなら……」

サーバル「嫌だね。学校もあるのに」

かばん「……」

サーバル「どうしたの?」

かばん「え、ううん。なんでも」

サーバル「そうなの?」

かばん(もし、過去と同じようなことが起こるなら……ここはとても危ない場所に……)

―翌日 教室―

サーバル「今日もこくご、するのかなぁ」

ハシビロコウ「さんすうかも」

プレーリードッグ「りかというものもあるらしいですよ。りかしつ、という場所で勉強するみたいであります」

スナネコ「なんですか、それ」

ビーバー「りかしつっすか。確かホネのフレンズがいたっすよね」

スナネコ「ホネ。興味あります」

サーバル「すっごく怖いんだよ!?」

かばん「……」

ハシビロコウ「サーバル」

サーバル「なぁに?」

ハシビロコウ「かばん、元気ないみたいだけど」

サーバル「え? そ、そそ、そーかなぁ。いいい、いつもとおなじだよー」

カワウソ「今日の授業まだかなー。まだかなー」

ツチノコ「おーし、席つけ―」

カワウソ「なにするのー! なにするのー!?」

ツチノコ「静かにしろぉ! えー……。残念だが、ジャパリスクールは今日までとする」

サーバル「えぇー!? なんでー!? どうしてー!?」

プレーリードッグ「急すぎるであります!!」

ビーバー「おれっちたち、まだ殆ど勉強してないっすけど」

ハシビロコウ「……」

かばん「……」

ハシビロコウ(あまり驚いてない……。知ってたのかな)

スナネコ「どうしてなのですか」

ツチノコ「昨日の夜、セルリアンが見つかった。それもかなりの大群だ」

カワウソ「それがどうしたのー?」

ツチノコ「そいつらはここを目指している。ここで勉強なんてしてたらセルリアンの群れに飲み込まれるぞ」

ビーバー「そ、それはこわいっすね……」

かばん「それは、ぼくたちが、学校にいたからですか?」

スナネコ「かばん?」

ツチノコ「それは否定できないな。過去にも似たようなことがあったし」

かばん「どうして、それを教えてくれなかったんですか」

ツチノコ「悪い。そんなことを言えば、怖がって誰も来なくなる可能性があったからだ」

ツチノコ「俺もハカセらも、フレンズは学べるってことを知ってほしかったんだ」

ツチノコ「学べば学ぶほど、色んなことを知る。そうしたらできることが多くなる」

ツチノコ「フレンズたちに野生以外の力が手に入る。知識っていう力がな」

ツチノコ「成長してほしかったんだ。ただただ動物のときと同じように寝て、食べて、また寝て。それはそれで幸せだと俺も思う」

ツチノコ「だが、フレンズになれたのならもっとできることがあるんだ。それを知っているのと知らないでは大きな差がある」

ツチノコ「黙っていたことは謝る。すまん」

かばん「……」

サーバル「逃げなきゃいけないの? やっつけちゃえばばなんとかなるんじゃない?」

ツチノコ「バカ野郎。逃げればなんの危険もないんだよ」

サーバル「そうだけど……」

ビーバー「もう学校には集まれないってことっすかね」

ツチノコ「そうなるな。ここはセルリアンを呼び寄せてしまうエリアみたいだ。だから、フレンズたちも自然とここをナワバリにはしなくなったんだろ」

スナネコ「もしにゅうがくしきのときにセルリアンが攻めてきていたらどうするつもりだったのですか?」

ツチノコ「この学校の周りには何重にも対策を講じてあった。いきなり襲われる心配はなかった」

ハシビロコウ「そうなんだ……」

ツチノコ「とにかくだ。ここにいたら危ない。全員、体育館に集まれ。卒業式を始めるぞ」

サーバル「そつぎょうしきって?」

ツチノコ「この学校で学ぶことはなくなったことを証明する儀式だな」

サーバル「まだまだたくさん勉強することあるよ!」

ツチノコ「ここから離れたら個人的に勉強させてやるよ!!」

プレーリードッグ「それならまぁ、いいでありますか」

ビーバー「みんな一緒がよかったっすけどね」

スナネコ「ここ、楽しいことが多かったので気に入っていたのですが……」

カワウソ「つまんなーい」

ツチノコ「いいから、移動しろ!!」

ハシビロコウ「……」

かばん「卒業式……」

―体育館―

ワシミミズク「急なことで困惑しているかもしれないですが、事情はわかってくれているのですか」

サーバル「わかってるけど」

スナネコ「納得はしていませんよ」

オオコノハズク「きちんと謝るのです。我々の都合に付き合わせて申し訳ないのです」

ワシミミズク「ごめんなさいなのです」

トキ「歌……まだ完璧じゃなかったのに……」

イワビー「どうすんだよ……」

アルパカ「はぁーぁ……。もうおしまいかぁ……。ペェ!!」

オオカミ「フレンズたちがみんなで学ぶ。儚い夢、だったね」

プレーリードッグ「あの!! また学校で勉強がしたいであります!!」

オオコノハズク「約束はできないですが、安全が確保されたら勉強するのです。みんなで」

ツチノコ「フレンズが集まれば、そこにセルリアンが来てしまうって問題を解決できなきゃ無理だろうけどな……」

ワシミミズク「かばん、あなたから卒業生代表としての言葉をもらいたいので、こちらに来てもらえますか」

かばん「ぼくが代表なんですか!?」

オオコノハズク「言ったはずなのです。かばんには大切なことを教えてほしいと」

かばん「ぼくが気が付くこともわかっていたんですか」

オオコノハズク「……お願いするのです」

かばん「はい……」

かばん「みなさん。ここは昔、数多くのフレンズさんたちが通っていて、色んなことがあったんだと思います」

かばん「楽しいこと、悲しいこと。きっと、想像できないくらい多くのことがあったはずです」

かばん「けど、それをセルリアンが奪ってしまった」

サーバル「……」

かばん「ここには無くなった思い出があります。もう直せない思い出です」

かばん「ぼくは、それを埋めたいって思いました。新しくぼくたちの思い出で無くなった部分に足したいって」

かばん「昨日の絵も飾りました。みんなが一生懸命書いた自分の名前も飾られています」

ツチノコ「……」

かばん「もっと、もっと、もっと、色んな思い出を飾りたかった」

かばん「昔のフレンズさんたちに負けないぐらい、楽しい思い出を」

カワウソ「だったら、もっと勉強しよーよ。なんでそつぎょーしちゃうのー?」

かばん「それはセルリアンが……」

カワウソ「セルリアンは確かにこわいけどー。別にーここで一緒にやらなくてもいいじゃない? どこか違うところで一緒にやればいいよー」

カワウソ「そのときはジャガーちゃんも一緒がいいなー。わー、たーのしそー!」

ビーバー「いいっすねぇ。おれっちもそれがいいっす」

かばん「多分、長い時間多くのフレンズさんたちが集まっていること自体、とても危ないんだと思います」

カワウソ「えー……」

ツチノコ「まぁ、そこは試してみないことにはわからないけどなぁ。ここだけにセルリアンは集まってくる可能性もある」

プレーリードッグ「何事も試してみるでありますよ!! ひょっとしたらひょっとするであります!!」

オオコノハズク「どちらにせよ、ここからは退避するのです」

ワシミミズク「危ないので」

プレーリードッグ「うぅ……」

ハシビロコウ「……」

かばん「みなさん。ぼくだって納得はできていません。けれど、みなさんが傷ついてしまうのは嫌です。だから、今日で……卒業しましょう……」

サーバル「うんっ。そうだね。危ないなら、にげないと」

かばん「サーバルちゃん……」

サーバル「みんな!! 楽しかったでしょ!? すっごく、すっごーく! 楽しかったでしょ!?」

サーバル「だったら、もういいじゃない! こんなに楽しいこと、ずっと味わってたら他の楽しいことがつまんなくなっちゃうかもしれないよ!?」

スナネコ「それは困りますね」

サーバル「でしょー!? だったら、今日ですっごーく楽しいことは終わりにして、明日からすごく楽しいことを探そうよ!」

サーバル「私はかばんちゃんと一緒なら、見つけられると思うから」

かばん「……」

トキ「そうね。我慢も時には必要なことね」

アルパカ「歌の練習はカフェでやればいいにぇ」

トキ「そうね」

イワビー「……」

オオカミ「まだ納得できないかい」

イワビー「いや、逃げるのはいいんだけどな」

カワウソ「あーあ、しかたないかー」

プレーリードッグ「サーバル殿のいうこともわかるであります」

ビーバー「そうっすね。もう二度と勉強できないわけじゃないっすもんね」

オオコノハズク「それでは卒業式を終わるのです」

ワシミミズク「忘れ物がないように速やかに避難するのですよ」

ツチノコ「できるだけ遠くに逃げろよ。まだまだ時間はあるし、焦ることはないからなー」

カワウソ「はぁーい」

かばん「ありがとう、サーバルちゃん」

サーバル「どうして?」

かばん「皆を納得させてくれたから」

サーバル「私は思ったことを言っただけだよ」

かばん「そこがサーバルちゃんの良さなんだろうね」

サーバル「うみゃぁ?」

オオコノハズク「かばん」

かばん「はい?」

オオコノハズク「改めて、お詫びをするのです」

ワシミミズク「申し訳なかったのです」

かばん「いいんです。ハカセたちは、僕らの成長を考えてくれていたんですから。それに、短かったけど、すっごく楽しかったです」

―正門―

カワウソ「がっこー!! まーたねー!!」

プレーリードッグ「絶対に戻ってくるでありまーす!!」

ビーバー「おれっちももどってくるっすー」

ハシビロコウ「……」

かばん「忘れ物はない?」

サーバル「大丈夫!!」

ラッキービースト『ジャパリバスデ ミンナヲ ハコブヨ』

かばん「お願いします」

トキ「それじゃあ、私たちは飛んで帰るわね」

アルパカ「またカフェにきてねぇー」

サーバル「うん!!」

イワビー「どうするかなぁ……。まぁ、どこかで会えるか……?」

ラッキービースト『ハッシャスルヨ』

かばん「はい」

―ジャパリバス 車内―

サーバル「ねえねえ、文字の練習はどこでもできそうだよね」

スナネコ「そうですね。ぼくも飽きるまで練習しますよ」

サーバル「絶対に帰るまでに飽きてるでしょ、スナネコ」

ツチノコ「ちっ……。折角、アレをやろうとおもってたのになぁ……」

カワウソ「がっこー、またいきたいなー」

ハシビロコウ「あの」

かばん「はい?」

ハシビロコウ「私たちが避難したら、セルリアンはどこに行くの? 追ってこないの?」

かばん「そういえば……」

ツチノコ「大丈夫だろ。あいつらはサンドスターの濃度が濃いところへ移動していく。おれらがこうして移動していれば問題ない。残り香が蓄積している学校を目指すはずだ」

かばん「え……」

ハシビロコウ「それならよかった」

かばん「ツチノコさん……それって……今からセルリアンの大群は学校に進み続けるってことですか……」

ツチノコ「俺たちはずっとあそこにいたからなぁ。俺たちからこぼれ出た分のサンドスターを搾り取りにくるはずだ」

サーバル「セルリアンってそこまでするんだねー」

スナネコ「食い意地がはっていますね。サーバルみたいです」

サーバル「私はそんなに食いしん坊じゃないよ!!」

かばん「ラッキーさん!! 止まって!!」

ラッキービースト『ワカッタヨ』キキッ

ツチノコ「な、なんだよ」

ビーバー「どうしたっすか……」

かばん「忘れ物を思い出しました」

ツチノコ「なに?」

かばん「みんなが書いた自分の名前。あと、絵です」

ツチノコ「お前……」

かばん「まだ時間はあるんですよね。今から戻れば……」

ツチノコ「待て! もう小型のセルリアンは到着しているかもしれないぞ!」

かばん「けど、もし……あの絵やみんなの名前が……セルリアンに奪われたら……」

サーバル「かばんちゃん……」

イワビー「また描けばいいんじゃないか」

プレーリードッグ「そうであります」

ハシビロコウ「……」

ツチノコ「諦めろ。それに絶対に無くなるわけじゃない。運がよければ……」

かばん「でも……」

ハシビロコウ「それだけじゃないんじゃない?」

スナネコ「え?」

かばん「ハシビロコウさん……」

ハシビロコウ「私たちのモノより、守りたいものがあるんでしょ」

かばん「……」

カワウソ「それって、昔のフレンズが残した絵とか?」

かばん「ダメ、でしょうか」

ツチノコ「あぁ。ダメだな。会ったこともない、顔も知らないフレンズのためになんえ命をかけられる。しかも無くなるのは、ただの紙とそれに使われた塗料だけだぞ」

かばん「違います。無くなるのは、思い出なんです。あの学校に残った、思い出なんです」

サーバル「……」

>>165
ツチノコ「あぁ。ダメだな。会ったこともない、顔も知らないフレンズのためになんえ命をかけられる。しかも無くなるのは、ただの紙とそれに使われた塗料だけだぞ」

ツチノコ「あぁ。ダメだな。会ったこともない、顔も知らないフレンズのためになんで命をかけられる。しかも無くなるのは、ただの紙とそれに使われた塗料だけだぞ」

ツチノコ「思い出がなくなるからってなんだ」

かばん「……」

ツチノコ「当時のフレンズもヒトも、パークにはいない。守るだけの価値はない。歴史的価値はあるけどな」

かばん「ぼくはサーバルちゃんと出会って沢山助けられました」

かばん「カワウソさんやトキさんやビーバーさん……。みんなのことは、きっと誰かに伝えます」

かばん「こんなに素敵なフレンズさんがいるんですよって、広めたいから」

ツチノコ「何が言いたい」

かばん「当時のことを知っているヒトやフレンズさんはどこかにいるかもしれないじゃないですか。学校に通っていたヒトから聞いたかもしれないじゃないですか」

かばん「学校って楽しいところなんだって。学校はみんなが一緒に笑い合えたところなんだって」

ツチノコ「それを聞いたやつが学校に行って、絵がなくなっているのを見て悲しむ。そういいたいわけだな」

かばん「はい」

ツチノコ「冷静になれ。そんな奇跡みたいなことはない。このまま遠くにいくぞ」

かばん「失くしてはいけないと思うから」

ツチノコ「いい加減に……!」

かばん「ぼくには記憶がありませんでした。自分が何の動物なのかもわかりませんでした。サーバルちゃんたちが手伝ってくれて、ここまで来ることが出来ました。だから、ここで、このパークで手に入れたものが、ぼくの全てなんです」

かばん「何一つ、奪われたくはないんです」

ツチノコ「ふざけんな。いいから逃げるぞ」

かばん「お願いします!! せめて! せめて! 昨日、みんなが描いた絵だけでも……!!」

ツチノコ「うるせええ!!!」

かばん「……!?」

ツチノコ「ここで描け。それで解決だろうが」

かばん「……」

ツチノコ「分かってくれよな……ったく……」

サーバル「戻ろうよ!」

かばん「え……」

サーバル「昨日、描いた絵なんて、もう一度描けないもん。取りに戻らなくちゃ」

ツチノコ「サーバル!!」

サーバル「かばんちゃんと出会った場所も、一緒に歩いた道も、一緒に登った山も、全部私にとっては大切な宝物だもん」

サーバル「これからかばんちゃんと行く場所だって、見てないところだって、全部宝物だもん」

サーバル「だから、あの絵だって、私の命よりも大切なものなの。たった一つしかない、かばんちゃんの絵なの」

ツチノコ「おまえ……しにたいのかよ……!!」

サーバル「だいじょーぶ!! まだセルリアンは来てないんでしょ! 急いで戻るよ!」

ツチノコ「何があっても不思議じゃないんだぞ!?」

サーバル「行こう、かばんちゃん」

かばん「でも……」

サーバル「それとついでに守ろうよ。昔のフレンズの思い出」

かばん「サーバル……ちゃん……」

サーバル「私とかばんちゃんなら守れるよ!」

かばん「……ぼくのわがままだよ」

サーバル「うん」

かばん「危ないよ?」

サーバル「わかってるよ」

かばん「怪我じゃ済まないかもしれないよ」

サーバル「ぜーんぜん、こわくないよ! だって、かばんちゃんといっしょだもん!」

かばん「……ごめんなさい。ツチノコさん」

ツチノコ「あ!? まて!!」

サーバル「いそごう!!」

かばん「うんっ!!」

ツチノコ「もどってこーい!!! シャー!!!」

カワウソ「あーあ、いっちゃったー」

ハシビロコウ「……」

プレーリードッグ「どうするでありますか」

オオカミ「さて、どうしようかな」

イワビー「ったく、しょうがねえなぁ」

ツチノコ「何をするつもりだよ」

イワビー「ハカセに言われてるんだよなぁ。教師は生徒を守らなくちゃいけないってよ」

オオカミ「そうだったのか。では、私もいかないとね」

ビーバー「いいんっすか」

イワビー「なんとかなるだろ。んじゃ、いってくるぜー」

ツチノコ「ば、ばかやろー!!!!」

カワウソ「よいっしょっと」

ツチノコ「なんで降りた……」

カワウソ「んー? だってー、学校の方がおもしろそーなんだもーん! キャハハッ」

ツチノコ「お前らはどうして揃いも揃って……!!」

ハシビロコウ「カワウソ!」

カワウソ「なぁに?」

ハシビロコウ「私が運んでいく」

カワウソ「やったー、らーくちーん!」

プレーリードッグ「我々もいきましょう!!」

ビーバー「そうっすね」

ツチノコ「やめろって!!」

プレーリードッグ「すぐに戻ってくるでありますよ」

ビーバー「だいじょうぶっす」

ツチノコ「アホかぁぁぁ!!!」

ラッキービースト『カバン……』

スナネコ「……」

ツチノコ「お前までいくのか?」

スナネコ「行きます」

ツチノコ「好きにしろよ……」

スナネコ「一緒にいきませんか」

ツチノコ「行くかっ」

スナネコ「そうですか。では、行ってきますね」

ツチノコ「おい」

スナネコ「はい?」

ツチノコ「かばんたちに伝えてくれ、頭を使えよってな」

スナネコ「はい。頭突きですね」

ツチノコ「ちがーう!!」

スナネコ「冗談ですっ。では」タタタッ

ツチノコ「まぁ、確かに時間には多少の余裕はある……。それまでにできることをしておくか。どうせあいつらすぐにもどってこないだろ……」

ラッキービースト『……』

サーバル「結構、遠くまで来ちゃってたね。がっこーまで少しかかりそう。セルリアン出てくるかな」

サーバル「あ、でも、セルリアンが出てきても自慢の爪でやっつけちゃうから! 安心して、かばんちゃん!」

かばん「サーバルちゃん……。本当によかったの?」

サーバル「私もね、かばんちゃんの気持ち、わかるんだ」

かばん「え?」

サーバル「あの学校にあったものを見て「こんなことがあったんだー」って喜ぶフレンズだっているかもしれない」

サーバル「誰かに聞いただけだけど「ここではこんなに楽しいことをしてたんだー」って喜ぶ子だっているかもしれない」

かばん「……」

サーバル「あとね! 憶えてないし、知らないけど、学校とか絵とか勉強したノートを見て、なんだか懐かしくなって、嬉しくなって……」

サーバル「ちょっぴり、悲しくなるけど、でも、それでもたのしーって思える。そんな子だっているかもしれないよ」

かばん「それって、ロッジで見たミライさんの映像のこと……?」

サーバル「うーん、よくわかんないや」

かばん「えぇ……?」

サーバル「けど、かばんちゃんが出会ったことも見たことのないフレンズたちの思い出を守りたいって思えたのも、似たようなことなんじゃないかなって」

サーバル「学校にあったものを守りたいって思ったのはかばんちゃんがとっても優しいからってだけじゃないよ、きっと」

かばん「それって……」

サーバル「かばんちゃんにとって、あの学校にはなにかあるんじゃないかな。私はそう思ってたんだけど」

かばん「ぼくにとって……。ぼくはあの学校を……」

サーバル「急ごうよ! かばんちゃん! セルリアンが来ちゃう前にツチノコのとこに戻らなきゃ、また怒られちゃうよ!!」

かばん「……うんっ」

サーバル「よーし!! がっこうまでいっちょくせんだー!! うみゃみゃみゃー!!」

かばん「まってよー!! サーバルちゃーん!!」

ガサガサ……

サーバル「かばんちゃん! 止まって!!」

かばん「え!?」

サーバル「……」

かばん「な、なにかいたの……?」

サーバル「あれー? 今、そこで何かが動いたような気がしたんだけどなー」

かばん「気のせい?」

サーバル「そうかも。ごめんね、さー、あらため、しゅっぱーつ!」

―正門―

サーバル「ここまでセルリアンはいなかったね」

かばん「うんっ。まだ大丈夫みたいだね」

サーバル「まずはどうするの? 私たちの描いた絵を持ちだすだけじゃダメなんだよね?」

かばん「以前、ここにセルリアンがきたときに貼られていた作品は破れちゃったり、文字が掠れちゃってたりしたみたいだし」

かばん「セルリアンにちょっとでも当たっちゃうだけで影響が出ちゃうとしたら……」

かばん「サーバルちゃん、少し大変だけど大きな穴を掘りたい」

かばん「穴を? いいよ! どこに掘る?」

かばん「目立たなくて……ある程度の広さがあるところがいいけど……」

サーバル「どこにする?」

かばん「そうだね……。それじゃあ、あののぼりぼうの傍にしよっか」

サーバル「わかったー!」

かばん「穴を掘ったら、みんなの作品を集めて、穴の中に埋めちゃおう」

サーバル「それで隠すんだね!」

かばん「うん。けど、あの量だし、直接土の中には入れられないから、丁度いい箱か何かがあればいいんだけど」

サーバル「それなら――」

ビーバー「材料さえあれば、つくれるっすね」

かばん「ビーバーさん!?」

プレーリードッグ「私も穴を掘るお手伝いをするであります!!」

かばん「どうして……」

ビーバー「おれっち、かばんさんにはお世話になったっすから。恩返しぐらいさせてほしいっす」

プレーリードッグ「私もであります。あと、学校で穴掘りがしてみたかったでありますよ」

サーバル「すみません。ぼくなんかのために」

ビーバー「急がないとセルリアンが来ちゃうっすよ」

プレーリードッグ「私が穴を掘って、ビーバー殿が入れ物を作るので、かばん殿たちは作品を回収してきてほしいであります」

サーバル「かばんちゃん」

かばん「うんっ。すみませんが、お願いします」

ビーバー「まかせてほしいっすぅ」

プレーリードッグ「がんばるであります!!」

かばん「行ってきます!」

―廊下―

かばん「早速、全部集めよう」

サーバル「改めて見てみると、たっくさんあるねー」

かばん「うん。どれだけ時間がかかるかはわからないけど……」

サーバル「へーき、へーき! 私とかばんちゃんが集めればすぐだよ!」

かばん「ありがとう」

サーバル「さー! あつめるぞー!!」

カワウソ「おー!!」

ハシビロコウ「おー」

サーバル「うわぁぁ!?」

カワウソ「なになに!? 何かいた!? 何かいた!? セルリアン!?」

サーバル「カワウソとハシビロちゃんに驚いたんだよ!!」

かばん「ハシビロコウさん……カワウソさん……。追いかけてきてくれたんですか?」

カワウソ「うんっ。かばんたちを追いかけたほうが面白そうだったもんねー」

ハシビロコウ「ごめんね。けど、私でも手伝えることがあるかもしれないし……」

カワウソ「わたしは楽しいことの味方だけどねー」

かばん「本当に、本当にありがとうございます。あの、それじゃあ……」

カワウソ「あつめちゃうぞー!」

ハシビロコウ「ここから絵をとっていけばいい?」

かばん「はい。ただ紙は破れやすいので注意してくださいね」

サーバル「わかったよ!」

カワウソ「やってみるねー」

ハシビロコウ「緊張するかも」

かばん「みんなで集めればセルリアンが来る前に全て回収できそうです」

ハシビロコウ「うん。早く終わらせないと」

カワウソ「わーい、かいしゅーかいしゅー。ほいっ、ほいっ」

サーバル「カワウソ、もうちょっと優しく剥がさないと破れちゃうよ」

カワウソ「だいじょーぶだってー。キャハハッ」

サーバル「もー破ってもしらな――」ビリッ

カワウソ「あっ」

かばん「よいしょ……うーん……」

ハシビロコウ「高い位置にあるのは私に任せて」

かばん「すみません」

ハシビロコウ「気にしないで」

かばん「ありがとうございます」

ハシビロコウ「よっ……と……。まだまだあるね」

かばん「はい。けど……」

ハシビロコウ「ここにはヒトもいたんだよね」

かばん「フレンズさんはヒトに色々と教えてもらっていたみたいですから」

ハシビロコウ「あなたも……」

かばん「はい?」

ハシビロコウ「あなたも、ここに居たとか?」

かばん「わかりません。どこをみても、見覚えなんてありませんし」

ハシビロコウ「フレンズ化する前のあなたはここで何かを教えていた。だったら、素敵かも」

かばん「ぼくもそう思います」

サーバル「かばんちゃん! かばんちゃん!!」

かばん「どうかしたの?」

サーバル「ごめん!! 一枚、やぶっちゃったの!!」

かばん「あー……」

カワウソ「ごめんねー。元にもどらない?」

サーバル「カワウソは謝らなくていいよ。私が破ったんだし……」

カワウソ「私も傍にいたからねー。謝っておかないとねー」

かばん「サーバルちゃん」

サーバル「は、はい!」ビクッ

かばん「元に戻す方法はあとで考えよう。今は集めることが大事だから」

サーバル「気を付けるね」

かばん「ううん。協力してくれるだけで嬉しいから、何も気にしないで」

カワウソ「がんばるねー」

ハシビロコウ「そういえば美術室にもたくさん絵があったような」

かばん「作品が飾られている教室自体、かなりありますから。一部屋一部屋回って、出来る限り多くの作品を回収したいですね」

―グラウンド―

サーバル「よーいしょ、よーいしょ」

カワウソ「どこまではこぶのー」

かばん「プレーリーさんが穴を掘ってくれているので、そこまで持っていきます」

ハシビロコウ「埋めるんだ」

かばん「ビーバーさんが作品を仕舞うための箱を作ってくれています。箱に作品を入れて、埋めれば汚れることもないですから」

サーバル「まだまだ回収しなきゃいけないし、早く運んじゃおー」

カワウソ「おー!」

かばん「ビーバーさん、プレーリーさん、穴は――」

プレーリードッグ「かばん殿! 見ていただけますか!!」

かばん「お、おおきい……!? 短時間でこれだけ掘ったんですか!?」

スナネコ「満足?」

かばん「す、スナネコさん……」

スナネコ「バスで待っているのも飽きるので、追ってきました」

かばん「スナネコさんまで、ありがとうございます」

ビーバー「うーん……。これぐらいの箱でいいっすかねぇ」

かばん「ビーバーさん」

ビーバー「あぁ、かばんさん。一応、試作品で箱を作ってみたっすけどぉ」

かばん「十分です。ありがとうございます」

ビーバー「本当ならプレーリーさんに頼むところなんっすけどね……。こんな出来で申し訳ないっす」

かばん「いえ、立派すぎるほどです。早速これに作品を保管しましょう」

ビーバー「はいっす」

かばん「まずは箱を穴に入れて……」

スナネコ「手伝います」

プレーリードッグ「私も持つであります」

ビーバー「これでいいっすね」

かばん「サーバルちゃん、カワウソさん、ハシビロコウさん。持ってきた作品を入れてください」

サーバル「うんっ!」

カワウソ「ここで投げちゃだめなんだよねー」

ハシビロコウ「うん。そっと置くほうがいいと思う」

カワウソ「ぜーんぶ、いれたよー」

かばん「ありがとうございます。次の分を回収してもらえますか」

カワウソ「おっけー!」

ビーバー「ここからはおれっちたちも手伝うっす」

プレーリードッグ「任せてください!!」

スナネコ「飽きるまでがんばりますよ」

サーバル「飽きちゃだめだよ!!」

ハシビロコウ「手分けしたほうがいいかも。部屋が多いし」

かばん「そうですね。ええと……」

カワウソ「がっこーの部屋って何部屋あるのー?」

プレーリードッグ「たくさんであります」

ビーバー「学校は三階建てっすね。これを7で分けるとなると……」

カワウソ「階数ごとで2、2、3ってわかれるの?」

ビーバー「それがいいかもしれないっすね」

サーバル「よーし!! みんなであつめよー!!」

―3階―

カワウソ「この教室って何につかうんだろー? ねえねえ、はいっていい? はいっていい?」

ハシビロコウ「作品が飾ってあるなら……」

カワウソ「入っちゃったー!!」

ハシビロコウ「この部屋は……」

スナネコ「教室の扉の上に文字がありますよ」

ハシビロコウ「この文字は……」

カワウソ「なになにー? なんてかいてあるのー?」

スナネコ「ぼくは習っていないので、わかりません」

カワウソ「最初の文字は「し」でしょー? ハシビロコウの「し」じゃない?」

ハシビロコウ「うん。次の字はツチノコの「ち」かな?」

スナネコ「小さな文字はわかりませんね」

カワウソ「その次はわかるよー。コツメカワウソの「う」でしょ!? ねーねー! 「う」だよねー!?」

ハシビロコウ「次はかばんちゃんの「か」。次がプレーリードッグの「ぐ」に点々がない文字みたい……」

スナネコ「あとは「し」と「ツチノコの「つ」。まとめると、しちうかくしつ、になりますね」

―2階―

プレーリードッグ「はい、であります! はい、であります!」スッスッ

ビーバー「プレーリーさんは相変わらず仕事がはやいっすね」

プレーリードッグ「早く回収しないとセルリアンが来てしまうであります」

ビーバー「そうっすね」

プレーリードッグ「そういえば、オオカミ殿とイワビー殿はどうしたでありましょう。姿をみていないでありますが」

ビーバー「途中で見失ったっすねぇ。迷った、とは思えないっすけど」

プレーリードッグ「こっちは終了であります!! 次の教室に向かうであります!!」

ビーバー「はいっす」

プレーリードッグ「お邪魔するであります!!」ガチャ

ビーバー「ん……?」

プレーリードッグ「ビーバー殿、どうしたでありますか?」

ビーバー「あの……窓の外……。遠くから何か来てるような気がするっす……」

プレーリードッグ「え? あれは……」

ビーバー「セルリアン……。かなり近くまで来ちゃってるっす。急がないと」

―1階―

サーバル「1階はこれでおしまいだね」

かばん「うん。箱に入れにいこうか」

サーバル「セルリアン、まだ来てないかな」

かばん「どうだろう。1日ぐらいの余裕はあるってツチノコさん言ってたけど」

サーバル「それならまだ大丈夫だね! いくよ、かばんちゃん!!」

ハシビロコウ「まって」バサッバサッ

サーバル「ハシビロちゃん! どうしたの? なんで降ってきたの?」

ハシビロコウ「窓から外をみたら、セルリアンが近づいているのが見えて……」

かばん「すぐに到着しそうなんですか」

ハシビロコウ「まだ大丈夫だと思うけど、全部の作品を回収する時間はないかもしれない」

かばん「……」

サーバル「できるところまででいいから、集めようよ」

かばん「そうだね。ギリギリまで集めたい」

ハシビロコウ「みんなに伝えてくる」バサッバサッ

―グラウンド―

カワウソ「これでよーし!」

ビーバー「回収した分の作品、入れ終わったっす」

かばん「では、箱に蓋をして、穴を埋めて、ここから移動しましょう」

プレーリードッグ「残っている作品、まだまだあります。良いのですか?」

かばん「これ以上は危険すぎます。逃げましょう」

カワウソ「はぁーい!」

ハシビロコウ「……」

サーバル「かばんちゃん……」

かばん「どうしたの?」

サーバル「ううん」

プレーリードッグ「埋めたであります!!」

サーバル「はやっ!!」

かばん「す、すごいですね」

スナネコ「ぼくとプレーリーなら一瞬です」

かばん「今度こそ、忘れものはありませんか」

カワウソ「プレーリーの絵、もってるよー」

プレーリードッグ「私もカワウソ殿が描いてくれた絵、大切にもっているであります!!」

スナネコ「ぼくもオオカミが描いてくれた絵を回収しました」

サーバル「私もかばんちゃんから貰った絵、もってるよ」

かばん「ありがとう。では、バスに戻りましょう」

ハシビロコウ「……」

ビーバー「はいっすぅ」

スナネコ「またここで、遊びましょ」

サーバル「そうだね! 私も遊びたい!」

カワウソ「わたしもー! キャハハッ」

プレーリードッグ「もっと掘りたかったでありますなぁ」

ビーバー「今度来た時はいくらでもほれるっすよ」

プレーリードッグ「楽しみであります!」

かばん「……」

―森林―

カワウソ「バスどこだろー?」

ビーバー「もう少し先のはずっす」

プレーリードッグ「イワビー殿とオオカミ殿は戻っているのでしょうか」

スナネコ「学校には来ていませんね」

カワウソ「迷子になっちゃった!? イワビーとオオカミ、迷子になっちゃった!?」

ビーバー「それなら探さないと……」

サーバル「あれ!? かばんちゃん!? おーい!! かばんちゃーん!!」

プレーリードッグ「サーバル殿、かばん殿がどうしたでありますか」

サーバル「かばんちゃんがいないの!!」

カワウソ「なんで?」

サーバル「わからないよー!!」

スナネコ「ハシビロコウもいつの間にかいないような……」

サーバル「えー!? かばんちゃーん!! ハシビロちゃーん!!」

ビーバー「まさか……」

―学校―

かばん「みんな……ごめんなさい……」

かばん「よいしょ……んー……」

ハシビロコウ「とってあげる」

かばん「え……!?」

ハシビロコウ「やっぱり、全部守りたかったんだ」

かばん「どうして……」

ハシビロコウ「……」

かばん「これ以上、ぼくの我儘に……」

ハシビロコウ「ともだち、だから」

かばん「……」

ハシビロコウ「思い出だけ残っても、ともだちがいなくなるのは、悲しいから」

かばん「……すみません」

ハシビロコウ「全部、守ろう。いざとなったら空も飛べるし、いつでも逃げられるよ」

かばん「は、い……ありが、とうござい……ます……」

―体育館―

かばん「こっちのボールが沢山置いてある倉庫に仕舞います」

ハシビロコウ「ここなら残りの作品は全部隠せそうだね」

かばん「はい。あとはセルリアンが来るまでにどれだけ隠せるか、なんですけど」

ハシビロコウ「できるだけ急がないと」

かばん「あとは3階だけなのでなんとか間に合いそうです」

ハシビロコウ「さっき窓から見たときはもうすぐ到着しそうだったけど……」

かばん「そこまで近づいているんですか?」

ハシビロコウ「うん。見えたのは小型のセルリアンだけだったけど、それでもすごい数だった」

かばん「このままじゃ、いつセルリアンがきても……」

ハシビロコウ「……」

かばん「ハシビロコウさん?」

ハシビロコウ「最初のセルリアンが到着しちゃったみたい」

かばん「え……」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

かばん「うっ……」

ハシビロコウ「どうする」

かばん「もちろん、逃げましょう」

ハシビロコウ「……」

かばん「ハシビロコウさん……?」

ハシビロコウ「私の目を見て」

かばん「あの……」

ハシビロコウ「……」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

かばん「ハシビロコウさん、セルリアンが近づいてます!!」

ハシビロコウ「分かった……」ザッ

かばん「え……!?」

ハシビロコウ「えいっ!!」バシッ!!!

パァーン!!

ハシビロコウ「――セルリアンは倒していく。かばんちゃん、ここに残る思い出たちを守ってあげて」

かばん「そんなのダメです!!」

ハシビロコウ「いいの。私がそうしたいだけ。私の我儘だから」

かばん「け、けど……」

ハシビロコウ「早く3階に」

かばん「そんな……にげましょう……」

ハシビロコウ「納得していないでしょ。だから、行って」

かばん「……」

ハシビロコウ「お願い」

かばん「……はい!!」

ハシビロコウ「かばんちゃんの後ろは私が守る」

かばん「くっ……!!」タタタッ

セルリアン「……」ポヨンッ

ハシビロコウ「2匹め……!」ザンッ!!!

かばん「ハシビロコウさん!!!」

ハシビロコウ「心配しないで。あなたに、セルリアンは近づけさせない」

かばん「すみません……!! すみません……!!」タタタッ

ハシビロコウ「――ここから先は通さない」

セルリアン「「……」」ポヨンポヨンッ

ハシビロコウ「ふっ!!」ザンッ!!!

パァーン!!!

ハシビロコウ「やぁ!」バシッ!!!

パァーン!!!

セルリアン「「……」」ゴゴゴッ

ハシビロコウ「増えてる……。でも、逃げない」

ハシビロコウ「ここで逃げたら、ヘラジカたちに笑われる」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

ハシビロコウ「はっ!!」

セルリアン「……」バキッ!!!

ハシビロコウ「ぐっ……!?」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

ハシビロコウ「うぅ……いたい……」

セルリアン「……」ポヨンッ

ハシビロコウ「そっちに……! そっちに行かないで!!」ザンッ!!!

パァーン!!

ハシビロコウ「はぁ……はぁ……」

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴッ

ハシビロコウ「かばんちゃんを守れるのは、私だけ……だから……」

ハシビロコウ「絶対に……!! 通さない!!」

セルリアン「……」グワッ!!!

ハシビロコウ「あぶないっ!」

セルリアン「……」バキッ!!!

ハシビロコウ「きゃぁ!?」

セルリアン「……」

ハシビロコウ「かずが……おおすぎ……る……もう……」

セルリアン「……」グワッ!!!

パァーン!!!!

ハシビロコウ「……え?」

カワウソ「わーい! やっつけたぞー!! キャハハハッ!!」

ハシビロコウ「カワウソ……」

セルリアン「……」ポヨンッ

カワウソ「ハシビロコウ……。怪我した? ねえ、怪我しちゃった?」

ハシビロコウ「こ、これぐらいは……へいき……」

カワウソ「そっか。怪我しちゃったんだー」

ハシビロコウ「カ、カワウソ……?」

カワウソ「そっかぁー……」

セルリアン「……」ゴゴゴゴッ

カワウソ「よぉーし、セルリアン。怪我しちゃったハシビロコウの代わりに、私と遊んでいってよねー」

カワウソ「私が満足するまで遊んでもらうよー。キャハハハハッ」

ハシビロコウ「カワウソ……おこってるの……?」

カワウソ「いっくぞー!!! おおあばれだー!!!」

―グラウンド―

ビーバー「いいっすか。セルリアンたちはこの学校を囲むように進んできてるっす。今から逃げても逃げ場はないっす」

プレーリードッグ「空を飛べればよかったであります」

スナネコ「ぼくたちに翼はありませんね」

ビーバー「けど、掘る力はあるっすよ」

スナネコ「はいっ」

ビーバー「学校を中心にして、円をかくっす。それで6等分にしちゃうっす」

ビーバー「プレーリードッグさんはこのエリア、スナネコさんはこのエリアに大きな落とし穴をつくってほしいっす。これだけでセルリアンの数を減らせるっすから」

プレーリードッグ「了解であります!!」

スナネコ「ツチノコのいっていた頭をつかえってこういうことですね」

ビーバー「おれっちはプレーリーさんに指示を出したいので一緒にいくっす。スナネコさんはわるいっすけど……」

スナネコ「だいじょうぶですっ」

ビーバー「すみません、よろしくおねがいするっす」

プレーリードッグ「出撃であります!!!」

スナネコ「久しぶりにがんばろうっと」テテテッ

スナネコ「いってきますね」

オオカミ「ああ、よろしくね」

ツチノコ「さっさといってこい」

スナネコ「その前にあれをやっつけてください」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

ツチノコ「これぐらい自分でやれー!!! どぉりゃぁぁぁ!!!」ドゴォッ!!!

パァーン!!!

オオカミ「道が開いたよ。急げ」

スナネコ「どうもです」テテテッ

ツチノコ「ちっ……。面倒だな」

オオカミ「歴史的建造物を守るためだろう」

ツチノコ「そうだよ」

オオカミ「私は、大切な友達を守るため、だけどね」

ツチノコ「おまえ!! 自分だけ良い子ぶるなよ!!!」

オオカミ「そんなつもりはないよ。っと、次が来たようだ。ふんばりどころだね。生きて戻らないと、アミメキリンが怒ってしまうな。生き返って早く続きをかけと」

イワビー「おりゃぁぁぁ!!!!」パシンッ!!!

パァーン!!!

イワビー「くっそ……。こんだけがんばっても、何匹かは学校の中に入っちまうな……」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

イワビー「でも、数を減らせば……!! このやろー!!!」パシンッ!!!

パァーン!!!

イワビー「中にいる奴らがなんとかしてくれるだろ。多分」

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴッ

イワビー「今度はこっちかよ!!!」パシンッ!!!!

パァーン!!

イワビー「はぁ……はぁ……。どこまで増えるんだ……こんなの……無理だろ……」

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴッ

イワビー「……泣き言いっても、始まらないか」

イワビー「こいよ、セルリアン。ペンギンの翼じゃあ、空は飛べないけどなぁ……」

イワビー「海で泳げて!! 友達も守れるんだぁぁ!!!」パシンッ!!!

―森林―

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴゴッ

フェネック「このちほーセルリアンおおいねー、アライさぁん」ダダダッ

アライグマ「そんなこと言ってないでにげるのだー!!!」ダダダッ

パァーン!!!

フェネック「お?」

アライグマ「フェネック、倒してくれたのか!?」

フェネック「私じゃないねー」

オオコノハズク「ここまでセルリアンが来ていたのですか」

ワシミミズク「行きましょう、ハカセ」

アライグマ「ハカセたちなのだ! 助けてくれてありがとうなのだー!!」

オオコノハズク「貴方達は早く逃げるのです。これ以上は構っていられないのです」

ワシミミズク「助けに向かわなければいかないので」

フェネック「だれのことー?」

オオコノハズク「かばんたちがまだがっこーに残っているらしいのです」

アライグマ「がっこーってなんなのだ? あとかばんさんがいるのか!! あいたいのだー!!」

ワシミミズク「説明している時間もないのです」

オオコノハズク「我々はいくのです」

アライグマ「アライさんたちも一緒にいきたいのだー!!」

フェネック「……」

アライグマ「フェネック!! ハカセたちを追うのだ!!」

フェネック「セルリアンが向かってる方向とハカセたちが向かった方向は同じみたいだねー」

アライグマ「それがどうかしたのか?」

フェネック「つまりー、かばんさんは今、大ピンチってことだよー、アライさぁん」

フェネック「がっこーってところにセルリアンの大群が押し寄せてるみたいだからねー」

アライグマ「えぇぇ!! かばんさんが危ないのだ!!!」

フェネック「どーする、アライさぁん」

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

アライグマ「うーん……。決まってるのだ!! ここでセルリアンを倒して、かばんさんに近づけさせないようにするのだ!! かばんさんはアライさんの命の恩人なのだ!! 命がけで恩返しなのだー!!!」

フェネック「あぁー。そうなっちゃうかぁ。わかったよ、それじゃあ、最後までアライさんに付き合うよ」

アライグマ「のだー!!!」バキッ

パァーン!!

フェネック「よっと」バキッ!!!

アライグマ「順調なのだー!! ワハハハ!! アライさんとフェネックなら無敵なのだー!!」

フェネック「アライさぁん、ちゃんと数を数えてよー」

アライグマ「え?」

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴゴッ

アライグマ「いっぱいなのだ」

フェネック「10匹以上からは数えないようにしてる?」

アライグマ「けど、ここで逃げたらかばんさんのところに向かってしまうのだ」

フェネック「はいはい。わかったよー」

アライグマ「かばんさんのところにだけはいかせないのだー!!」

フェネック「無茶しちゃだめだよー。アライさぁん」

アライグマ「ぜーんぜん、へっちゃらなの――」

セルリアン「……」グワッ!!!

フェネック「アライさん!!!」

アライグマ「ひっ……!!」

パァーン!!!

フェネック「あ……」

アライグマ「え……?」

オーロックス「お前ら、こんなところで何をしている?」

アライグマ「た、たすかったのだ」

オーロックス「このエリアは俺の管轄だ。どこかに隠れていろ」

アライグマ「だ、だいじょうぶなのだ!」

フェネック「オーロックスがいるってことはぁ……」

オーロックス「威勢がいいな。だったら、手伝ってくれ。正直、俺だけでは苦しいかもしれないからな」

アライグマ「まかせるのだ!!」

フェネック「そっかぁ……。よぉーし、安心したよー」

アライグマ「何がなのだ?」

フェネック「顔は見えないけど、みんながいるってことだよー、アライさぁん」

カメレオン「――報告するでござる!! こちら側からも、反対側からもかなりの数が攻めてきているでござる!!」

ヘラジカ「ハカセたちの勘が当たったか」

ライオン「どーするぅ、ヘラジカぁ」

ヘラジカ「私たちは反対側に行こう。皆の者、ついてこーい!」

ヤマアラシ「おー!!」

シロサイ「いきますわー!!」

ライオン「いってらっしゃーい。たのむよー」

オリックス「大将、我々もセルリアンを迎え討ちましょう」

ライオン「いや、オリックとツキノワグマは学校のほうへいってあげて。かばんたちも不安になってるだろうしねぇ」

ツキノワグマ「いくら大将が強くても数が多くては……」

ライオン「だーいじょーぶぅ。ライオンが強い理由って知ってるぅ?」

オリックス「え……。ええと……」

ライオン「ぶっぶー。時間切れー。行って、ほら」

ツキノワグマ「わ、わかりました」

オリックス「大将……」

ライオン「……来たね」

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

ライオン「おーおー、確かに大群だねぇ、こりゃあ」

セルリアン「……」ズゥンズゥン

ライオン「結構大きいのも一緒かぁ。こいつだけは通しちゃいけないなぁ」

ライオン「さて、セルリアン。ライオンが強い理由、知ってる? まぁ、しらないよねぇ」

セルリアン「……」ポヨンッ

ライオン「ライオンが、強いのはぁ――」

セルリアン「……」グワッ!!!

ライオン「らぁっ!!!」ザンッ!!!!!

パァーン!!!

セルリアン「……」

ライオン「いざってときに負けないためだ」

セルリアン「……」ズゥゥゥン

ライオン「大きい奴も小さい奴も一匹も通さんねえぞ。かかってこい、百獣の王が相手だ」

―学校 教室―

かばん「これで……全部……」

かばん「みんなは……!」

かばん「グラウンドで……みんなが戦ってる……」

かばん「みんなが……」

サーバル「かばんちゃん!!」

かばん「サーバルちゃん!?」

サーバル「もう!! 心配したんだよ!?」ギュゥゥ

かばん「ごめん……」

サーバル「戻るなら戻るっていってよ!!」

かばん「ごめん……」

サーバル「わたし……かばんちゃんがいなくなったら……なったら……」

かばん「もう、いなくならないから、ごめんね」

サーバル「かばんちゃんのばか……」

かばん「ありがとう……サーバルちゃん……」

オオコノハズク「かばん、無事ですか」

ワシミミズク「無事なのですね」

かばん「ハカセたち……」

オオコノハズク「ツチノコがラッキービーストを使って知らせてくれたのです」

ワシミミズク「何故、こんな危険なことをしたのですか」

かばん「すみません。どうしても……」

サーバル「かばんちゃんは、ただみんなの思い出を守りたかっただけなの」

オオコノハズク「かき集めた絵のことですか」

かばん「はい。ここであったことを失くしたくないって、思って……」

ワシミミズク「……」

オオコノハズク「とにかくかばんは逃げるのです。各エリアで多くのフレンズが戦ってくれていますが、それでも何匹かはこの学校に侵入してきてしまうのです」

かばん「ぼくだけが逃げるんですか?」

ワシミミズク「我々は戦えます。しかし、かばんに戦う力はないのです」

かばん「みんなで逃げましょう」

オオコノハズク「セルリアンが多すぎてすぐには退却できないのです。それに周りを囲まれているので」

かばん「ぼくのせいで……」

サーバル「かばんちゃん、逃げて」

かばん「そんなことできるわけないよ!」

ワシミミズク「かばん、言うことを聞くのです」

かばん「ぼくの所為なんです!! なのに、ぼくだけが逃げるわけには……!!」

ワシミミズク「我々はかばんを失いたくないのです」

オオコノハズク「かばんだけでも守るのですよ」

オオコノハズク・ワシミミズク「「我々はフレンズなので」」

かばん「……!」

サーバル「私たちなら大丈夫! 自慢の爪でなんとかするから!! うみゃみゃみゃー!!」シャッシャッ

かばん「ぼくも……」

オオコノハズク「助手、かばんをお願いするのです」

ワシミミズク「任せるのです、博士」

サーバル「かばんちゃん、絶対に戻ってくるからね」

かばん「ま、まって……!!」

ワシミミズク「かばん、これ以上はいけないのです」

かばん「でも……!!」

ワシミミズク「美味しいものを食べてこその人生なのです」

かばん「……」

ワシミミズク「その美味しいものとは、ジャパリまんでも料理でもないことを我々はここで学んだのです」

ワシミミズク「皆で分け合い、皆で食べるものが美味しいものなのです」

かばん「だったら、行かせてください。ぼくも一緒に……」

ワシミミズク「誰かが欠けてはこの世に美味しいものがなくなっしまうのです。かばん、それを分かってほしいのです」

かばん「確かにぼくには戦う力はありません。木だって上手く登れません。水の中を泳ぐのだって得意じゃありません。速く走れもしません」

かばん「だけど……ぼくは……」

かばん「みんなの友達でいたいんです。一緒に楽しいことも悲しいことも、経験したいんです」

ワシミミズク「ダメです」

かばん「そんな……」

ワシミミズク「かばんには知識と知恵という我々にはない力があります。我々はセルリアンと戦える力があります。適材適所なのですよ。気にすることはないのです」

かばん「……っ」

―森林―

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴッ

プレーリードッグ「きたであります!」

ビーバー「そのまま……そのままっす……」

ゴゴゴゴゴゴッ!!!

プレーリードッグ「おぉぉぉぉ!!! やったであります!! セルリアン、一網打尽であります!!」

ビーバー「これでこのエリアからセルリアンが学校に攻め込んでくることはないっすね」

プレーリードッグ「ビーバー殿のおかげでありますよ」

ビーバー「そんなことないっす。それよりもおれっちたちも学校にいくっす」

プレーリードッグ「了解!」

スナネコ「おっ」

ビーバー「スナネコさん。上手くいったっすか」

スナネコ「はいっ。こっちも成功したみたいですね」

プレーリードッグ「学校にいくであります!!」

スナネコ「はい。かばんとサーバルが心配です」

イワビー「ぐあぁ!?」

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

イワビー「くっ……ここまでかよ……」

セルリアン「……」ポヨンッ

イワビー「もっと……アイドル……したかったな……」

イワビー「みんなと……もっと歌いたい曲だって……あったのに……」

イワビー「次のイワビー……いつ……うまれ――」

セルリアン「……」グワッ!!!!

イワビー(ペパプ……また……やりたいな……)

パァーン!!!

イワビー「……え?」

フルル「イワビー、トキってどこにいるのー? ぜんぜん見つからないんだけどー」

イワビー「ふ、ふるる……?」

フルル「うん。フルルー。ふんぼるとぺんぎんっ」

イワビー「……」

コウテイ「探したぞ」

ジェーン「大丈夫ですか?」

イワビー「あ……あはは……みん、な……」

プリンセス「トキの練習に付き合ってほしいって言われたから来たのに、これでできるの?」

フルル「トキー? どこー? トキー」

イワビー「……悪い、こんなときに呼んで……」

ジェーン「いいんです。良いところに来たぐらいです」

コウテイ「歌の練習をするにはこのセルリアンたちを倒さないといけないか」

プリンセス「みんな! アイドルの顔に傷がついたら大変よ!!」

コウテイ「分かっている」

プリンセス「けど、友達を傷つけたセルリアンが相手だから……」

ジェーン「だから、なんですか」

プリンセス「後先考えずに、踊りましょう!!」

フルル「はぁーい」

プリンセス「行くわよ!! ペパプの力、見せるときよ!!」

―正門―

ツチノコ「このやろぉぉ!!!」ドガァッ

オオカミ「ふんっ!!!」ザンッ

ツチノコ「きりがねえな……」

オオカミ「彼女たちの助力があっても、これではね」

オリックス「はぁ!!」ザンッ

ツキノワグマ「成敗!!」

ツチノコ「数が違い過ぎるんだよぉ!!!」バキッ!!!

セルリアン「「……」」ゴゴゴゴッ

オオカミ「せめて、セルリアンの気がを散らすものでもあればね。セルリアンが動きを止めれば、それだけ楽になるんだが」

ツチノコ「そんな都合のいいことあるわけ――」

「うぇぇぇかむぅぅ~!!! よぉぉぉぉこそぉぉぉ~!!! じゃぱぁぁぁりぱぁぁぁく!!! きょぉぉぉもどぉたぁんばぁたぁん、おぉぉさわぁぎぃ~!!!」

オオカミ「な、なんだ……!?」


アルパカ「あはぁ。みんなぁ~だいじょ~ぶぅ! たすけにきたよぉ!」

トキ「うぅぅぅぅぅ……!! がぁぁぁおぉぉぉぉ~ん!!」バサッバサッ

オリックス「新たな敵か!!」

ツキノワグマ「空からなんて聞いてない!!」

ツチノコ「ひでえ歌声だな……」

オオカミ「けれど、都合のいいことが起こったようだ」

ツチノコ「なにぃ?」

セルリアン「……?」

セルリアン「???」


トキ「たぁぁからかにぃぃわらいわらえぇぇ~ばぁぁ~ふれぇぇんずぅぅ~!!」

アルパカ「トキのうたぁ、きいてるぅきいてるぅ!」


セルリアン「?????」

ツチノコ「なんで動揺してるんだ? まぁいい、今がチャンスだ!!!」

オオカミ「いわれずとも!!」

オリックス「はぁぁぁ!!」

ツキノワグマ「おりゃー!」

―森林―

オーロックス「ふんっ!!!」ザンッ

アライグマ「のだぁー!!」バキッ!!

フェネック「今ので最後っぽいー?」

オーロックス「気配が消えたか」

アライグマ「ぜぇ……ぜぇ……」

フェネック「つかれたねー、アライさぁん」

アライグマ「こ、これで……かばん……さ……」ドサッ

フェネック「アライさん!? どうしたのさ、アライさん!!」

アライグマ「すぅ……すぅ……」

オーロックス「疲れと安心から緊張の糸が切れたみたいだな」

フェネック「もー、驚かせないでくださいよー、アライさぁん」

カメレオン「――伝令でござる!!」

オーロックス「どうした?」

カメレオン「そ、それが……!」

セルリアン「オォォォォォォ!!!!」ズゥゥゥン

ライオン「この……!! でかい癖にやけに素早いなぁ……」

セルリアン「オォォォォ!!!」ブンッ

ライオン「当たるかぁ!!」

セルリアン「……」ブンッ!!!

ライオン「そっちからも――」

セルリアン「オォォ!!」ドゴォッ!!!

ライオン「ごっ……!?」

セルリアン「……」ズゥゥン

ライオン「いったぁ……。このぉ……!」

セルリアン「オォォォ」

ライオン「百獣の王としてのプライドは、守るよ」

ライオン「王が負けて……!!」

ライオン「うちの子たちを守れるかぁ!!」

セルリアン「……」ドゴォ!!!

ライオン「がっ……!?」

セルリアン「オォォォ……」

ライオン「う……ぅ……」

セルリアン「「……」」ポヨンポヨンッ

ライオン「ちいさいやつらが……がっこうに……」

ライオン「くそ……せめて、このでかいやつだけは……!」

セルリアン「オォォォ!!!」

ライオン「こうなったら刺し違えても……!!」

セルリアン「オォォォォ!!!」ブンッ!!!

ギィィィン!!!

ヘラジカ「何を遊んでいる!! ライオン!!」

ライオン「ヘラジカ……」

ヘラジカ「カメレオンから応援要請がなければお前を見殺しにするところだったぞ!!」

ライオン「ごめんよ。ちょっとかっこつけちゃった」

ヘラジカ「王とは強くなくてはいけないからな。それも分かる。だが、無理なときはある。そんなときは、別の王を頼れ」

ライオン「ヘラジカと一緒ならなんとかなるかなぁ」

ヘラジカ「ならんほうがおかしい」

セルリアン「オォォォォ……」

ライオン「百獣の王と……」

ヘラジカ「森の王を倒せると思うな」

セルリアン「オォォォ!!!」ブンッ

ヘラジカ「ふんっ!!!」ギィィン!!!

セルリアン「グアァ……」

ヘラジカ「どうした!! 私は避けることも逃げることもしないぞ!! どんどん打ち込んでこい!!」

セルリアン「オォォォォ!!!」ブンッ!!!

ヘラジカ「ふんっ!! きかんぞ!! セルリアン!!」

セルリアン「オォォォ……!」

ライオン「――がおぉぉぉ!!!」バキィ!!!

パァーン!!!

ライオン「はぁ……はぁ……。うしろが隙だらけだよ……。あーあ、こんな弱いやつに苦戦しちゃうなんてね」

ヘラジカ「傷は?」

ライオン「へーき、へーき。いたた……。やっぱり、痛いかも」

ヘラジカ「全く。そうやってプライドを守ろうとするのも問題だな」

ライオン「反対側は?」

ヘラジカ「問題ない。それよりもここを通過していったセルリアンが厄介だな」

ライオン「そうだねぇ。んじゃ、がっこーのほうに――」

ズゥゥゥン!!

ライオン「えー……」

ヘラジカ「む……」

セルリアン『グアァァァ……』

ライオン「またおおきいやつが……」

ヘラジカ「このサイズ、私たちだけでは厳しいぞ」

ライオン「どうするぅ?」

ヘラジカ「選択の余地はなさそうだ」

セルリアン『オォォォォ!!!!』

―グラウンド―

トキ「きょぉぉもぉぉどぉたぁんばぁぁぁたぁん、おぉぉさぁぁわぁぁぎぃぃぃ~」


セルリアン「????」

オオカミ「ほいっと」ザンッ

パァーン

オオカミ「倒すのは楽だが、流石に疲れたね」

ツチノコ「サンドスターだって消費していくしなぁ」

サーバル「うみゃぁぁぁ!!!」ザンッ!!!

パァーン!!!

ツチノコ「お前も大丈夫なのかぁ」

サーバル「私はまだまだ元気だよ!!」

オオコノハズク「かばんは上手く逃げられたでしょうか」

スナネコ「だといいですね」

ズゥゥゥゥン!!!

アルパカ「なになにぃ? なんのおとかなぁ?」

―廊下―

カワウソ「わーい! たーのしー!!」バコンッ!!!

パァーン!!!

ハシビロコウ「……」

カワウソ「んー? もうセルリアン死んじゃった? セルリアン、死んじゃった? キャハハッ」

ハシビロコウ「カワウソ……なんだか……こわい……」

カワウソ「あ! まだいたー!! やー!!」

ラッキービースト『アワワワワワ』

カワウソ「なーんだ、ボスか。やっほー、ボスぅ」

ハシビロコウ「ボス? どうしてこんなところに……」

ラッキービースト『カバン カバン』トテトテ

カワウソ「かばんを探してたんだ。あ、ハシビロコウ、もうだいじょうぶだよー」

ハシビロコウ「う、うん……ありが……」

『オオオオッォォォォォォォ!!!!!』

カワウソ「おー? 外から聞こえてきたぞー。なんだろー?」

―グラウンド―

セルリアン『オォォォォォォ!!!!』

ツチノコ「おいおいおい……。あんなのまで来てたのか……」

オオカミ「これは大きいね」

オリックス「ハンターに応援要請は!?」

オオコノハズク「既に戦ってくれているのです。しかし、こちらまで来れるかはわからないですね」

オリックス「そ、そうか……別のエリアでセルリアンと……」

サーバル「ど、どーする! ねえ、どーしよー!! おおきいよー!!」

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

アルパカ「ちぃさいセルリアンもきてるよぉ。どうしよー?」

ツキノワグマ「もう学校を放棄して私たちも逃げないと……」

オオカミ「賛成だね」

ツチノコ「かばんは逃げたんだな?」

オオコノハズク「助手が逃がしてくれているはずなのです」

ツチノコ「だったら、逃げるぞ。無理に戦う必要はないからな」

オオコノハズク「逃げ道は確保できていますし、それもアリですね」

スナネコ「よっと。あっちならセルリアンと戦わなくてもよさそうですよ?」

プレーリードッグ「向こうから来ていたセルリアンは全て穴に落ちたであります!!」

ビーバー「逃げるなら今っす」

オオカミ「潮時、だね」

ツチノコ「逃げるぞ!!」

セルリアン『オォォォォ!!!』ズゥゥゥン!!!

サーバル「……」

オオコノハズク「サーバル、行くですよ」

サーバル「あんなにおっきなセルリアンががっこーまで来ちゃったら、がっこー潰れちゃわない?」

オオコノハズク「間違いなく潰れますね」

サーバル「かばんちゃんが隠したみんなの思い出はどうなっちゃうの」

オオコノハズク「建物が潰れてしまえば、建物内に隠したものは瓦礫の下敷きになり、壊れるかもしれないですね」

ビーバー「けど、土の中にも埋めたっすから……全部は守れなくても……」

サーバル「それにそれに、こんなにおっきながっこーが潰れても、ボスたちは本当に直せるの?」

ツチノコ「無理に決まってるだろ。ラッキービーストができるのは、簡単な補修で、建て直すことはできない」

サーバル「だったら……守らなきゃ……」

スナネコ「サーバル?」

サーバル「この学校自体が、みんなの思い出なのに!! 潰れちゃったら意味ないよ!!」

オオコノハズク「何を言うのです。我々はセルリアンとの戦闘はさけるべきなのです」

ツチノコ「取り込まれたらどうなるか、知らないわけじゃないだろ」

サーバルわかってるよ!! けど、学校がなくなるのも嫌だもん!!」

スナネコ「学校がなくなったら、勉強ができなくなりますね」

アルパカ「それは困るよぉ。あたし、まだみぃんなに紅茶の淹れ方おしえたいのにぃ」

オオカミ「勉強は建物がなくてもできるはずだ」

ビーバー「そうっすよね……。い、今は逃げたほうがいいっす」

サーバル「私は残るよ」

ツチノコ「お前……」

サーバル「かばんちゃんが守りたかったものは、私だって守りたい!!」

ツチノコ「勝手にしろ!! お前だけでやれ!!」

>>231
サーバルわかってるよ!! けど、学校がなくなるのも嫌だもん!!」

サーバル「わかってるよ!! けど、学校がなくなるのも嫌だもん!!」

サーバル「うん! やるよ!!」

ツチノコ「おっまえ……本当にバカだな……」

サーバル「さぁー! こい!! セルリアン!! 自慢の爪でやっつけちゃうよ!! うみゃー!!」

オオカミ「どうする?」

オオコノハズク「こうなるとサーバルは言うことを聞かないのです」

ビーバー「サーバルさん」

サーバル「だいじょーぶ!! 私だけでなんとかするから!!」

ビーバー「いえ、多分無理っすよぉ」

サーバル「無理でもやる!! 学校がなくなったら!! かばんちゃん、悲しんじゃうから!!」

トキ「セルリアンの動きなら、私の歌で止められるわ」

アルパカ「あはぁ、そうだにぇー。トキがいるなら平気だよぉ。いけるぅいけるぅ~」

ライオン「はぁ、はぁ……! みんなー!! ごめーん!! たおしきれなかったよー!!」

オリックス「大将!! ご無事で!!」

ヘラジカ「何をしている!?」

ツキノワグマ「それがサーバルが戦うって言いだして」

ヘラジカ「ほぉ……」

ライオン「あれとぉ?」

サーバル「うん!!」

ヘラジカ「はっはっはっはっは!! 頼もしいぞ、サーバル!! よぉし、では手を貸そう!!」

サーバル「いいの!?」

ツチノコ「よくねえよ!! にげるんだよぉ!!」

サーバル「私は!! ここで作った思い出を壊されたくない!!」

ツチノコ「思い出はお前の中にあンだろ!!」

サーバル「もし、忘れちゃったら!?」

ツチノコ「あぁん!?」

サーバル「いつか、私がセルリアンに食べられちゃって、忘れちゃったら!? どう思いだすの!!」

ツチノコ「そうなったら思い出せねえだろ!!」

サーバル「けど、学校があったら思い出せるかもしれないよ!! 学校をみたら、みんなと給食を食べたことも、名前を書いたことも、プールで泳いだことも全部思い出せるかもしれないよ!!」

ツチノコ「俺が頭を蹴って思い出させてやるよぉ!!!」

サーバル「そんなことできるの!? すっごーい!! でも、ツチノコがいてくれるかわからないし、学校があったほうがいいよ!! きっと!!」

オオカミ「戦うにしろ、逃げるにしろ、決断は早い方がよさそうだ」

セルリアン『オォォォォォ!!!!』

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

スナネコ「すぐそばまで来ていますね」

プレーリードッグ「どうするでありますか」

サーバル「私は学校を守る!!」

ツチノコ「好きにしろよ!! お前に付き合ってられるかー!!」

サーバル「ごめんねね、ツチノコ。文字とかさんすうとか、教えてくれてありがとう」

ツチノコ「ちっ……」

トキ「よぉぉこぉそぉぉ~じゃぱぁりぱぁぁくぅぅぅ~!!」

セルリアン「……?」

セルリアン『オォォォォォ』

アルパカ「みんなぁ、おっきなセルリアンもうごきがとまったよぉ。これ、かてるんじゃなぁい?」

オオコノハズク「勝機があるのなら……」

ツチノコ「本気か?」



>>235
サーバル「ごめんねね、ツチノコ。文字とかさんすうとか、教えてくれてありがとう」

サーバル「ごめんね、ツチノコ。文字とかさんすうとか、教えてくれてありがとう」

トキ「どぉぉぉたぁぁぁんばぁぁぁたぁぁぁん!! おぉぉぉさぁわぎぃぃぃ!!」

サーバル「うみゃー!! いまのうちだー!!」ザンッ!!!

セルリアン「????」

パァーン!!

サーバル「やったー!!」

オオカミ「小さなセルリアンなら倒せるが、あの大きなセルリアンはどうだろう」

オオコノハズク「まずは弱点である石を見つけなくてはいけないのです」

トキ「ふりむけぇぇばぁぁ~あちらぁぁこちらぁぁ~」

トキ「あら?」

セルリアン『オォォォォ……』

トキ「みんなっ。セルリアンの頭のてっぺんに石があるわ」

アルパカ「みんなぁ~、セルリアンの頭にあるんだってぇ~」

サーバル「頭の上かぁ。私のジャンプでもとどかないよぉ。どーしよー!」

セルリアン『オォォォォ』ヒュンッ!!!

トキ「え――」

ドンッ!

トキ「うっ……!?」

ツチノコ「セルリアンが何か飛ばしやがった……!」

アルパカ「ふわぁぁぁ!! トキぃ!! トキぃ~!! トキが落ちちゃうよぉ~!!」 

オオコノハズク「任せるのです!」バサッバサッ

オオコノハズク「――ふっ!」ガシッ

トキ「うぅ……」

オオコノハズク「無事ですか」

トキ「油断したわ……。あんな風に体の一部を飛ばしてくるとは思わなくて……」

オオコノハズク「取り込まれなかっただけでも幸運なのです」

トキ「そうね……」

アルパカ「トキ!? トキぃ~!! 怪我はぁ!? 怪我してないかなぁ!?」

セルリアン『オォォォ……』

サーバル「あんなことしてくるセルリアンなんてみたことないよぉ……」

ツチノコ「だから逃げるぞって言ったんだよ!! あれだけの距離から攻撃できるなら、今背中を見せたらヤバいぞ……」

オオカミ「私の人生はここまでかな」

ライオン「縁起でもないこといわないでよぉ」

ヘラジカ「歌の他にセルリアンの気を逸らせることはできないものか」

サーバル「……」

カワウソ「わー!! おっきいぞー!!」

ハシビロコウ「あんなに大きなセルリアンが……」

スナネコ「無事だったみたいでよかったです」

ハシビロコウ「カワウソに助けられて……」

カワウソ「あのセルリアン、どうするの? やっつけるの?」

オリックス「倒せるものなら倒したいが」

サーバル「ビーバー!!」

ビーバー「な、なんっすか?」

サーバル「あれ、作ろうよ。もしかしたら、トキの歌のかわりになるかも!」

ビーバー「なにをっすか」

サーバル「ノートに書いてくれてたでしょ? みんなでたくさん作ればなんとかなるから! きっと!!」

―教室―

ワシミミズク「かばん、いつまでこうしているつもりなのですか」

かばん「……」

ワシミミズク「逃げるのですよ。逃げなければ、万が一のとき、みんなが悲しむのです」

かばん「分かっています……分かっているんです……」

ワシミミズク「かばん……」

ラッキービースト『カバン ココニ イタンダネ』

かばん「ラッキーさん!?」

ワシミミズク「ラッキービースト……」

ラッキービースト『ココハ キケンダヨ ハヤク ヒナンシヨウ』

かばん「……」

ラッキービースト『カバン?』

かばん「ラッキーさん、教えて」

ラッキービースト『ナニヲ?』

かばん「昔、この学校がセルリアンの大群に襲われたとき、当時のフレンズさんはどうしたのかを。みんなは逃げだしたの? それとも……」

―グラウンド―

ビーバー「ノートは卒業式のあとに荷物にいれたっすけど……。おれっちの絵で作り方、つたわるっすかね……」

サーバル「大丈夫だよ!!」

プレーリードッグ「私がせっせと作るであります!!」

ライオン「むずかしそうだなぁ」

ヘラジカ「何事も挑戦だ!」

オオコノハズク「作戦は理解しました。けれど、作る時間が足りないのです」

ツチノコ「あんな傍まできてるのにどーすんだよ!!」

サーバル「うぅ……」

アルパカ「トキぃ……ときぃ……」

トキ「そんなに悲しい顔をしないで、ちょっと当たっただけよ」

サーバル「私が囮になってセルリアンを惹きつけるから、その間にみんなは紙飛行機をつくるっていうのはどうかな?」

ツチノコ「あぶねえだろうが!!」

オオコノハズク「他のフレンズが戻ってきてくれたらいいのですが……」

セルリアン『オォォ……!!』

カワウソ「私も囮になってもいーよ?」

ツチノコ「やめろ!!」

ハシビロコウ「……」

ツチノコ「なんだよ!!」

ハシビロコウ「優しいんだね」

ツチノコ「優しいとか優しくねえとか!! そんなんじゃねえんだよ!!! シャー!!!」

オオカミ「実際、この中でサンドスターを消費していないのはサーバルとハカセぐらいだ。そういう役回りを担ってもらうほかない」

ツチノコ「しかしだなぁ……」

セルリアン『オォォォ……!!』

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

サーバル「みんな!! お願い!!」

オオコノハズク「はぁ……。やるしか、ないですか」

ツチノコ「おい!!! そんなことより逃げる方法をだなぁ……!!」

ビーバー「今、逃げたらかえってあぶないんすよね? 大型のセルリアン、体の一部を飛ばしてくるから……」

ツチノコ「くっ……。あぁぁ!! しかたない!! さっさと紙飛行機つくるぞ!! ノートを千切れ!!」

オオコノハズク「サーバル。無理だけはしないように」

サーバル「美味しいものを食べてこその人生だもんね!!」

オオコノハズク「その通りなのです」

セルリアン『オォォォ!!』シュンッ!!!

サーバル「うみゃぁ!! とんできたぁ!!」

オオコノハズク「囮役ではありますが……」バサッバサッ

セルリアン『オォォォ!!』

オオコノハズク「倒してしまうかもしれないのです。長なので」バシッ!!!

セルリアン『オォォォ!!!!!』ブンッ!!!

オオコノハズク「中々、素早いのです。ライオンとヘラジカたちが逃げてきたのも納得です」

サーバル「うみゃ!! うみゃみゃー!!」ザンッ!!!

セルリアン「……」ポヨンポヨンッ

オオコノハズク「サーバル!! 後ろです!!」

サーバル「この――」

フルル「フルルー」バシンッ!!!

パァーン!!!

サーバル「フルル!!」

フルル「サーバル、ジャパリまん、もってない? お腹すいちゃったぁ」

サーバル「今、食べたいの!?」

フルル「だめなのー?」

プリンセス「間近でみるとお、おおきいわね……」

ジェーン「こんなセルリアンが存在しているんですね」

コウテイ「でかすぎるぞ……」

オオコノハズク「ペパプ、無事でしたか」

イワビー「あったりまえだろ!! アイドルは無敵だぜー!!」

フルル「おなかすいたよー」

セルリアン『オォォォォ!!!』

サーバル「みんな!! 危ないから逃げて!!」

プリンセス「危ないのは分かってるわよ。分かってて、こっちまで来たの」

イワビー「生徒を置いて教師が逃げるわけにはいかないからな!!」

オオコノハズク「やはり、普段はポンコツでもいざというときには、頼りになりますね」

プリンセス「聞こえてるわよ!! ハカセ!!」

コウテイ「私たちはどうしたらいいんだ!」

サーバル「と、とにかく時間を稼ぐの!! みんなが紙飛行機をつくってくれてるから!!」

イワビー「それでどうにかなるのか?」

サーバル「大丈夫!! それでセルリアンを倒せるはずだよ!!」

ジェーン「それを信じましょう」

プリンセス「信じるしか、ないわね」

フルル「ジャパリまん……」

プリンセス「あとで好きなだけ食べさせてあげるわ!!」

フルル「1個でいいのにぃ」

セルリアン『オォォォォ!!!』

コウテイ「くるぞ!!」

サーバル「みんな!! バラバラに逃げて!!」

フルル「わー」テテテッ

ドォォォン!!!!

サーバル「うみゃぁー!?」

イワビー「なんか飛ばしてきたぞ!!」

オオコノハズク「気を付けるのです。今のでトキがやられたのです」

ジェーン「トキさんが?」

コウテイ「歌い方を教える相手か」

イワビー「あとコラボ相手だな」

プリンセス「それは見過ごせないわね。大事なレッスン仲間になるはずのフレンズに怪我させるなんて」

フルル「トキぃ? いるのー? どこにいるのー?」

オオコノハズク「トキなら心配いらないのです。それよりも自分の身を案じるのですよ」

プリンセス「それもそうね。小型のセルリアンだって、周りに沢山いるし」

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

コウテイ「くらえ!」パシンッ!!!

オオコノハズク「セルリアンの周りをグルグル回るのです。それだけでセルリアンは学校の校舎まで用意には近づけないのです。ただし、無理に倒そうとするのは厳禁なのです。できるだけ距離をとるのです」

イワビー「わかった!! やってみる!!」

フルル「このートキをかしえてー」パシンッパシンッ

セルリアン『オォォォ!!!!』

プリンセス「フルル!! 近づきすぎ!!」グイッ

フルル「わー」

ドォォォォン!!!

サーバル「だいじょーぶー!?」

プリンセス「平気よ!!」

フルル「ありがとー」

コウテイ「いつまでも逃げ回れないぞ……」

イワビー「さっきまでセルリアンと戦いまくってたもんな……」

ジェーン「弱気にならないでください」

プリンセス「アイドルは苦しそうな顔をしちゃいけないって教えたでしょ。フルルを見習いなさい」

フルル「えー?」

オオコノハズク「ペパプは何故こうも緊張感がないのですか」

サーバル「また飛んでくるよ!!」

セルリアン『オォォォォ!!!!』グググッ

コウテイ「来るか……!!」

フルル「くるるー?」

セルリアン『オォォォ!!!』

プレーリードッグ「――はっしゃであります!!!」スッ

ビーバー「みなさん、作った紙飛行機を次々に投げてくださいっす」

オオカミ「わかった!!」

ライオン「おー。とんだ、とんだぁー」

ヘラジカ「ライオン! セルリアンを倒せたら、どちらが遠くまで紙飛行機を飛ばせるか勝負するぞ!!」

ライオン「はいはい」

セルリアン「????」

セルリアン『オォォォ』

オオコノハズク「動きがとまったのです!」バサッバサッ

サーバル「よぉーし!!」ダダダッ

セルリアン『オォォォ!!!』シュンッ!!!

ドォォォン!!!

スナネコ「あぶないっ」

ツチノコ「やろぉ。紙飛行機を潰しにきてるぞ」

プレーリードッグ「紙飛行機を絶やさないようにするであります!!」

オリックス「こういう作業は苦手みたいだ……」

ツキノワグマ「がんばって!!」

セルリアン『オォォォ!!!』シュンッ!!!

ドォォォォン!!!

ビーバー「怯まずになげるっす」

ライオン「おりゃー」

プリンセス「私たちは他のセルリアンを釘付けにするわよ!!」

フルル「はぁーい」

コウテイ「こっちだ!! セルリアン!!」

イワビー「サーバルとハカセは!?」

ジェーン「上に行ったみたいです」

オオコノハズク「サーバル!! 合図をしたら一緒に仕掛けるのです!!」

サーバル「まっかせて!!! 木のてっぺんからなら石を狙えるはずだから!!」ダダダッ

オオコノハズク「さて……。紙飛行機に気を取られている間に……」

セルリアン『オォォォ!!』ドォォォン

オオコノハズク「――今です!!」バサッバサッ

サーバル「うみゃぁぁぁ!!!」バッ

セルリアン『オォォ』ググッ

オオコノハズク「……!?」

オオコノハズク(こちらを見た……!! 反応が早すぎるのです……!!)

ツチノコ「あのデカイの紙飛行機を見てないぞ!!」

ビーバー「そんな……!!」

セルリアン『オォォォ……』ゴゴゴッ

オオコノハズク「こちらを狙って――」

サーバル「ハカセー!!! うみゃぁぁ!! とどけー!!!」


カラーン!!! カラーン!!! カラーン!!!

オオコノハズク「え……」

オオカミ「鐘の音が……」

セルリアン『オォォォ』ググッ

オオコノハズク(鐘の方向を見た……!)

オオコノハズク「すきあり、なのです!」ザンッ!!!

サーバル「うみゃぁぁ!!」ザンッ!!!

セルリアン『オォォ……』

パァァァン!!!!

サーバル「やったぁぁ!! たおしたー!!」

プリンセス「すごいじゃない!!」

カワウソ「わーい!! あとは小さいセルリアンだけだー!!」

セルリアン「……」ポヨンッポヨンッ

ハシビロコウ「これならなんとかなるかも」

オーロックス「大将!! 無事ですか!!」

ヤマアラシ「ヘラジカさまぁ、助太刀にきたですぅ」

ライオン「こいつで、さいごだー!」バキッ!!!

パァーン!!

ヘラジカ「うむ。セルリアンの臭いがしなくなったな」

カワウソ「たのしかったねー」

スナネコ「飽きるほどに」

ビーバー「よかったっす……ほんとに……」

ツチノコ「ちっ。一瞬ビビっただろうが……」

オオカミ「あの大きなセルリアンは、近くで動くものに反応していたようだね。だから、最も接近したハカセに照準を合わせた」

ツチノコ「だが、結局は音に気を取られたな」

オオカミ「トキの歌、そして学校の鐘の音。動く標的よりもセルリアンはそれらを優先したわけだ」

ツチノコ「なんでだろうな。助かったからいいけど」

オオカミ「考古学者のツチノコにとっては気になるのかい」

ツチノコ「フレンズにとってセルリアン対策は永遠の課題だからなぁ」

オオカミ「確かにね」

ツチノコ(学校にも図書館にも完全なセルリアン対策はなかったが、音と歌がヒントになればいいがな)

アルパカ「トキぃ、トキぃ。みんながやっつけてくれたよぉ」

トキ「みたいね……」

アルパカ「やったにぇ」

オオコノハズク「それにしてもあの鐘は誰が鳴らしたのでしょう」

サーバル「勝手に鳴ったんじゃないの?」

ツチノコ「バカ野郎。あれは誰かが鳴らさないといけない鐘だ。自動じゃ鳴らん」

サーバル「そっかー」

カワウソ「それなら助手かかばんじゃないかなー?」

オオコノハズク「かばん……?」

オオカミ「かばんは助手と共に逃げたはずじゃなかったかい」

カワウソ「出て行くところみてないよ?」

ハシビロコウ「あのとき、私とカワウソ以外に校舎にいたのはかばんと助手だけだったような……」

オオカミ「鐘を鳴らせるのは必然的にかばんか助手だけになるね」

ツチノコ「かばんを安全な場所に運んでから、助手だけが戻ってきて鐘を鳴らしてくれた。……ってのは考えにくいな。短時間で帰ってくることができる距離に安全な場所はないはずだ」

サーバル「それじゃあ、かばんちゃんは?」

―校舎内―

ワシミミズク「かばん」

かばん「はい……」

ワシミミズク「怒られる覚悟はあるのですか」

かばん「勿論です」

ワシミミズク「では、何も言うことはないのです」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃーん!!!」ダダダダッ

かばん「サーバルちゃ――」

サーバル「あの鐘、かばんちゃんが鳴らしてくれたの!?」

かばん「う、うん」

サーバル「すっごーい!! かばんちゃんが鳴らしてなかったらハカセがとっても危なかったんだよー!! ありがとう、かばんちゃん!!」

かばん「……」

オオコノハズク「かばん、何故ここにいるのです」

かばん「ハカセ……。ごめん、なさい。でも、どうしても、ボク、みんなのために……」

オオコノハズク「どうしてなのです。勝手なことをされると困るのです。我々はかばんの安全を第一に考え、行動していたのです」

かばん「……」

オオコノハズク「かばんを失いたくないと、言ったはずなのです。どうしてなのですか」

かばん「ごめんなさい……」

オオコノハズク「もしセルリアンの大群が建物の中まで入り込んできたり、大型のセルリアンが学校を壊し始めたりしたらどうするつもりだったのですか」

サーバル「ハカセ、待ってよ!! ハカセはかばんちゃんが守ってくれたんだよ!?」

オオコノハズク「それとこれとは関係ないのです」

サーバル「ゆ、ゆるしてあげても……」

オオコノハズク「簡単に許せるわけないのです」

サーバル「うみゃぁ……」

かばん「いいの、サーバルちゃん。悪いのはボクだから」

サーバル「でもぉ」

かばん「本当にごめんなさい。ボクの所為で……」

オオコノハズク「助手も助手です。何故、かばんを無理矢理にでも連れていかなかったのですか」

ワシミミズク「ラッキービーストから情報を聞けたのです、ハカセ。この学校が何故、過去にセルリアンの大群が襲ってきても原型を保てていたのかを」

ワシミミズク「この学校だけでなく、図書館もジャパリカフェも、何故現存できているのか。ラッキービーストが教えてくれたのです」

ツチノコ「簡単な補修しかできないラッキービーストじゃあ、ここまで綺麗には残しておけないよな」

オオコノハズク「その理由とはなんですか」

オオカミ「おぉ、気になるね。良いネタになりそうだ」

ワシミミズク「かばん」

かばん「あ、はい。ええと、ここで見るより良い部屋があるんですけど……」

オオコノハズク「案内するのです」

かばん「こっちです」

アルパカ「移動するみたいだよぉ」

トキ「そう……。アルパカ、このまま運んでくれるかしら?」

アルパカ「いいよぉ~。よいせっ」

かばん「この部屋だと映像が見やすくなるんです」

スナネコ「ここはしちうかくしつ、ですね」

ツチノコ「しちょーかくしつ、な」

ハシビロコウ「そう読むんだ」

―教室―

ライオン「暗い部屋だねー」

ビーバー「陽の光が入らないようになってるからっすね」

プレーリードッグ「では、あけるであります!」

かばん「あ、待ってください。このままで。暗い方が映像も見やすいので」

プレーリードッグ「そうなのでありますか」

イワビー「で、どんな映像なんだよ」

フルル「ジャパリまん食べながらみてもいいー?」

ジェーン「いいとおもいますけど」

かばん「ラッキーさん、ボクに見せてくれた映像をもう一度お願いします」

ラッキービースト『ワカッタヨ』

オオカミ「おぉ……! 何か浮かび上がった……」

スナネコ「わぁー。すごーい。どうなってるんだろー? まぁ、気にしてもわからないかぁ」

サーバル「飽きるの早すぎるよ!!」

ラッキービースト『――先日、この学校に向かって多くのセルリアンがやってきました』

ミライ『何故、セルリアンの大群が学校に攻め込んできたのかは、よくわかりません。ここに多くのフレンズがいたから、というのが有力かもしれませんが』

ツチノコ「オレもそれしか理由はないと思うがなぁ」

オオコノハズク「……」

ミライ『ただ、学校はこのように守ることができました。フレンズさんが戦ってくれたのです』

ミライ『大事な場所を守るんだ。みんなとの思い出を守らなきゃ。そういって、みんなはセルリアンに立ち向かっていきました』

プリンセス「昔のフレンズも同じようなことをしたわけね」

コウテイ「時代が違ってもやることは一緒か」

ミライ『こことは別の場所でセルリアンに取り込まれ、学校に通えなくなったフレンズの思い出も、あったそうです。だからこそ、みんなは必死になって戦いました』

ビーバー「かなしいっすね……」

ハシビロコウ「うん……」

ミライ『みんなは私だけでも逃がそうとしてくれましたが、どうしても逃げる気にはなれなくて残っちゃいました。みんなを見捨てるなんて、できなかったので』

サーバル「かばんちゃんと一緒だね!」

かばん「うん……」

ミライ『けど、私にできることなんて何一つありませんでした。ここでみんなにヒトの知識を教えることができても、みんなを助けることはできない、ちっぽけな存在です』

ミライ『いざというときには、必ず守られていました。助けられていました。それでもみんなは言ってくれます、ミライさんは大切な先生で、大事な友達だと』

ミライ『先生が慕ってくれる生徒を置き去りになんてできるわけないじゃないですか!! ええ! できませんとも!!』

ミライ『コホン。というわけで、何ができるのかを探しました。中々見つからなかったんですけど、トキがヒントをくれました』

トキ「わたし? 何かしたのかしら」

アルパカ「なんだろねぇ」

ミライ『トキのええと、ちょっとカラスにも似た声でセルリアンを威嚇してくれたんですけど』

トキ「なぁ……は……!?」

アルパカ「あぁ、トキぃ。気にしちゃダメだよぉ」

ミライ『そのときセルリアンが声のするほうを向いたのです。そしてピーンと閃きました。そうだ、鐘を鳴らしちゃえと』

ミライ『鐘を鳴らすとセルリアンたちはみんな立ち止まり、鐘のほうを見ていたように思います』

ミライ『どうやら、セルリアンは音に反応するようですね』

ツチノコ「ってことは、これからセルリアンが出てきても、簡単に倒せるな」

オオカミ「ハンターたちが喜びそうだね」

オオコノハズク「これを見たから、自分でもできると、そう思ったのですか」

かばん「……」

オオコノハズク「決して褒められたことでは――」

ミライ『結果、学校を守ることはできたんですけど、みんなに怒られてしまいました』

オオコノハズク「え……」

ミライ『ミライさんがいなくなったら学校に通う意味がない! ミライさんを守るためにセルリアンと戦ったのに!』

ミライ『色んな子に叱られてしまいました。反省しています』

ミライ『みんなの気持ちはすごくうれしかった。でも、分かってほしい』

ミライ『私もフレンズでいたいから』

サーバル「フレンズ……」

ミライ『ああ、この場合は友達って意味ですよ。友達でいたい。守られているだけのお客様、職員でいたくなかった』

ミライ『それだけは、知っていてほしいんです』

ビーバー「かばんさんも、このミライさんってヒトと同じなんっすよね」

オオコノハズク「こんな無茶をしなくても……よかったのです……」

サーバル「だよね!! かばんちゃんはもうみんなの友達だもんね!!」

ワシミミズク「ハカセ、思うのですが。我々がかばんの立場なら、素直に逃げていましたか?」

オオコノハズク「む……」

ワシミミズク「ハカセもきっとみんなのために鐘を鳴らしたのではないですか?」

サーバル「かばんちゃん、やっぱりお礼をいうね! ハカセを、みんなを守ってくれてありがとー!!」

かばん「ボクは……そんな……」

スナネコ「ありがとうございます」

カワウソ「よくわかんないけど、ありがとー!! キャハハッ」

ワシミミズク「ヒトのことは言えないのですよ」

オオコノハズク「……でも、言うことを聞かなかった生徒には罰が必要なのです」

ビーバー「ば、ばつ……!?」

プレーリードッグ「そ、そこまでする必要があるとは思えないでありますが!!」

ハシビロコウ「こ、ここは、通さない」

オオコノハズク「どくのです」

ハシビロコウ「ご、ごめんなさい……」ビクッ

かばん「ハカセ……」

オオコノハズク「覚悟はいいですね、かばん」

ライオン「ちょっと、ちょっとぉ、穏やかにいこーよー」

カメレオン「かばん殿は拙者たちの恩人でござるし……何卒穏便に……」

オオコノハズク「かばん。今すぐ、学校を守ってくれたフレンズたちに給食を振る舞うのです。それが罰です」

かばん「え……と……」

オオコノハズク「これだけのフレンズがいるのですから、生半可な量では全然足りないのですよ。分かっていますか」

かばん「は、はい!! がんばります!!」

オオコノハズク「さっさと準備をするのです」

かばん「はい!!」

オオコノハズク「まったく」

ワシミミズク「精一杯の罰ですね」

サーバル「もう!! ハカセ、ひどいよ!! かばんちゃん!! 私もてつだうよー!!!」ダダダッ

カワウソ「わったしもー!!」

ハシビロコウ「私もできることがあるなら……」

アルパカ「うぅ……」ソワソワ

トキ「行ってきてあげたら?」

アルパカ「け、けどぉ、トキのことが心配だしぃ」

トキ「うふふ。私のことは大丈夫だから。アルパカの紅茶が料理と一緒に出てきてくれたほうが元気になれるわ」

イワビー「行って来いよ。トキは私たちで看ててやるから」

アルパカ「いいのぉ?」

コウテイ「最高の紅茶を頼む」

プリンセス「その間にトキには歌を叩き込むわ」

ジェーン「それいいですね」

フルル「れんしゅーだー」

アルパカ「それじゃあ、いってくるよぉ」

トキ「あとでね」

アルパカ「うんだよぉ! がんばってくるよぉ~」

トキ「ふふっ」

イワビー「お前はお前で平気なのかよ」

トキ「ええ。まだ少し、痛いけど」

オオコノハズク「トキ、保健室にいって休んでくるのです」

トキ「そうね……そうしようかしら……」

イワビー「ほら、掴まれよ」

ヘラジカ「ライオン、お前も休んでいたほうがいいのではないか」

ライオン「んー。これぐらいはヘーキだけどねぇ」

ヘラジカ「どれどれ」ツンッ

ライオン「おぉ……!? ぐ……!!」

ヘラジカ「リーダーとして強がるのもいいが、それでは身がもたんぞ」

ライオン「そーだね……。ちょっと休んで来ようかなぁ……」

ヘラジカ「うむ。そうしろ」

ヒグマ「大将!! ついていきます!!」

ビーバー「おれっちたちは料理を並べられるように準備するっす」

プレーリードッグ「なにから作るでありますか!?」

ビーバー「作るわけじゃないっす。机をならべて――」

プレーリードッグ「こうでありますか!!」ドーンッ

スナネコ「はやい」

ツチノコ「オレは……」

ラッキービースト『……』

>>267
ヒグマ「大将!! ついていきます!!」

ツキノワグマ「大将!! ついていきます!!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom