【モバマス】短編2本 (59)

注意

※ タイトル通りさらっと読める2本立て。
※ 本SSのPは話ごとに別人です。ご注意ください。
※ そのためP側に設定を盛ってます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505566588



その1 P「カフェオレに溺れて」

ちひろ「そのお二人が、今回スカウトしてきた子たちですね」

P「はい!」


ナターリア「よろしくお願いします!!」
ライラ「ライラさんですー、よろしくおねがいしますねー」


ちひろ「なるほどー……ついに……」

P「はい……すみません、ご心配をおかけしました」

ちひろ「Pさんがこの事務所に来て3ヶ月……誰一人としてスカウトせず、正直気を揉んでいました」

ちひろ「同期の凜Pさんや楓Pさんは、立派な原石を発掘して順調に歩みを進めています」

P「はい……なかなかティンとくる娘が居なくて……ですが、二人が彼女たちに並ぶかどうかは」

ちひろ「そうです、これからです。二人とPさんの頑張り次第です!」

ちひろ「ですが、私は信じてます。満を持して、Pさんが見いだしたお二人ですから!!」

P「はいっ……! 頑張ります!!」グスッ

ナターリア「プロデューサー、泣いちゃ駄目だぞー!!」

ライラ「おちついてくださいー、アイスたべますか?」

P「すまない、頑張って3人でやってこうな!」

ちひろ「その後、Pさんは早速二人を連れて、レッスン場に行きました。トレーナーさんたちにご挨拶だそうです」

ちひろ「……このとき、私がもっと早く気づいていれば……この話はきっとここで終わったはずなんです」

ちひろ「そう思うと……私は……」

~~数か月後~~

ちひろ(今日は午前中用事があったので、半休貰って午後から出勤です!)

ちひろ(ナターリアちゃんとライラちゃんも確実にファンと出番を増やして、実に順調! よかったよかった!)

ちひろ(CDデビューも初LIVEも見事成功裏に終わり、活躍も目を見張るものがあります)

ちひろ(さぁって、今日も頑張っていきましょう!)

ちひろ「おっはよーうございまーす!!」ガチャッ





P「ナターリア、ライラ……」

ナターリア「プロデューサー……」

ライラ「ライラさんも、がんばりますー」

P「はぁ、ああぁぁぁ……」

ちひろ「」


ちひろ(ありのまま、今起こっていることをお話ししましょう。
 わたしは仕事に来たと思ったら、ソファに座ったPさんが、ナターリアさんとライラさんに顔面おっぱいサンドイッチされていた。
 しかも二人は胸をはだけてます。しかもそれで三人とも少しも動きません。ただ、Pさんがだらしなうあえぐだけです
 これは一体なんなのでしょうか。
 いわゆる性行為……ではありません。変な話、アイドル二人がおっぱい丸出しな以外はPさんは普通に服を着てますし……
 なんと言えば良いのか。見た瞬間の印象は、『赤ん坊の授乳シーン』を見ているような、そんな……安らぎに満ちた……)



ちひろ「って、ちっがーーーうっ!! これアカンやつやないかーーーーい!!」

Pナタライ「ビックゥ!!!」

~~数分後~~

P「はい、俺は……前世で何かやらかしたに違いないんです。情けない話ですが、もはや自分ではどうしようもないことなんです」←正座

P「日本人のくせに、褐色の肌が……あの、褐色が」



P「大っ好っ物なんですっっっっ!!!」



P「あの二人と出会ったときは衝撃でした。2人は俺の理想を、体現したかのような……プロデュースを初めてからは一層ひどくなって……もうどうにもならなくなり」

P「毎晩毎晩、夢で二人を汚し、起きてはパンツを汚す日々……」

ちひろ「んっふ……」

ライラ(ちょっとツボだったんですねー)

ナターリア「笑い事じゃないゾー」

ちひろ「ご、ごめんなさい。そうよね、2人のことを考えないと……」

ライラ「?」

ちひろ「え?」

ナターリア「……なんのハナシダ?」

ちひろ「いえ、こうなっては2人のプロデュースは別の人に代わってもらうしか」

ライラ「それはどうしてですかー?」

ちひろ「えっ」

ナターリア「えっ」

ちひろ「あの、2人はPさんに無理矢理あんなことをさせられてたんじゃ」

ナターリア「そんなわけないダローーー!!!」

ライラ「ライラさんは、そこまでうっかりさんじゃないですよー」

ちひろ(うっかりとは違うような……)

ナターリア「Pは、ナターリアたちのために、すっごく頑張ってお仕事してたんだゾ! 笑いごとじゃないのは、こっちだゾ!」

P「ナターリア、いいんだ。俺が悪かったんだ。お前たちの好意に甘えて、ずるずると」

ナターリア「Pは黙っテ!!」

ナターリア「Pは、ゴハンも食べずに色んなところに営業に行ったリ、寝ないでパソコンでお仕事してたり、大変だったんダ!!」

ナターリア「すっごくやせて、シンパイなくらい……」

ライラ「ちひろさんは、気づかなかったですかー?」

ちひろ「まぁ、プロデューサーが激ヤセするのは割とあるあるなので……」

ライラ「ひくわ」

ナターリア「……ナターリアたちが、オーディション落ちてツラくても、Pは慰めてくれテ……」

ナターリア「でも……デモ……」

~某オーディション会場~

ディレクター『そうだねぇ、外タレってちょっと使いにくいよねぇ』

ディレクター『ナターリアちゃんはスタイル良いから、もっとセクシー路線はどう? その方が売れると思うよ? ラテン系の明るいエロでさ。なんかオバカキャラっぽいし』

ディレクター『ライラちゃんはねー、見た目のインパクトはあるけど身体がねぇ……ま、そういう需要もあるだろうけど、いまいち何考えてるかわかんないっていうか。ちょっとテレビじゃ伝わりにくいかもねぇ』

P『はぁ……」



~事務所~
P『クソっ、あいつらなんにも解ってねぇ!!』

P『ナターリアをオバカキャラだと? ライラがスタイル悪いだと!?』

P『ああぁぁぁぁぁぁっ!! ふっざけんなあぁぁぁぁっ!!! クソがクソがクソがあぁぁぁっ!!』

P『どっちも最高に可愛いだろうが!! 節穴共がぁぁぁっ!!』グシャグシャッ



ナターリア『ぴ、P……」

P『!?』

P『ナターリア!』

ライラ『ライラさんも居ますよー』

P『2人とも……ごめん、俺……』

ナターリア『Pさん、ナターリアは大丈夫だゾ? Pさんが言うなら、どんな仕事デモ……』

ライラ『ライラさんもですよー。お仕事に文句はいいませんから』

P『……駄目だ』

ナターリア『でも、このままじゃPさんが……』

P『……2人とも、本当に優しいな。俺のあんなザマを見ても、自分が売れることより俺の心配をしてくれる』

P『でもな、無理して自分と全然違うキャラを演じても、長くは続かないさ』

P『ナターリア、お前がバカだなんて思ったことはないぞ。むしろ慣れない日本で周囲をよく見てくれて、そして周りを明るくするための行動が取れる賢さを持ってる』

P『ライラもだ。一見つかみ所がないようだけど、お前はちゃんと芯を持ってるし、知らない人と打ち解ける気さくさも大きな魅力なんだ』

P『2人が売れないなら、それは2人の魅力のせいじゃない。俺の力量不足だ。それを棚に上げて、人に当たるなんて、俺は……最低だな』

P『それに、2人とももっと自分は大事にしなきゃ。女の子がそんな何でもするみたいなこと言ったら駄目だぞ』

P『うかつな仕事なんか受けたら、それがずっとついてまわることになる。アイドルを引退して一般人に戻ってもd」

ナターリア『ダメとかじゃない! ナターリアは……ナターリアは、Pのためなら……』

ライラ『ライラさんもー、Pのためならー』

P『二人とも……』


P(余りに切羽詰まった2人の様子に、俺はいたたまれなかった)

P(何とか、場を和ませたくて……)

P(だから、俺はあんなことを口走ってしまった)




P『ははは、じゃぁ、ちょっとおっぱいでも揉ませて貰おうかな」 



ナターリア『おっ……////』

ライラ『あうー……////』


P(固まる2人。当たり前だ。大の大人にそんなことを言われたら)


P『……ごめん、今のは失言だった。やっぱり疲れてるみたいだ。許してくれ』


P(俺は揉ませてくれと言う前、2人なら笑って冗談として流してくれるんじゃないかと、本気で思っていた)

P(最低だ。俺も結局あのディレクターと同じ人種だったわけだ)

P(頭の中は自己嫌悪でいっぱいだった。顔から血の気が引いた。2人に嫌われたらと、そう考えると)

P(考えると……)

P(しかし、2人は……)

ナターリア『////』ヌギヌギ

ライラ『///』ヌギヌギ


P『ちょ、ちょっと待て!! 2人とも、今のは冗談だ!! いや、冗談で済まされないかもしれないが、そういう意味ではなくて!!』

ライラ『ライラさんはー』上半身ブラジャー

ライラ『ごはんも食べられずー、お家賃も払えずー。そんな生活から、救われた恩がありますしー」

P『お、恩とかじゃない、そういうのは!! スカウトするってことは、俺の仕事のためでもあるんだから……!』

ライラ『そうですー、でも、ライラさんが恩を感じるのは自由だと思いますよー』

ライラ『そして、それをこういうカタチで返したいと思っているのも、本当ですー』

P『こういうカタチって……わぶっ』バサッ

P『ナターリア、お前何投げつけ』

 つブラジャー

P『』

ナターリア『こういうカタチはこういうカタチだゾ』←上半身裸

ナターリア『Pになら全部、見て欲しい。全部、あげタイ』

ナターリア『ライラとも話したんだけど、同じ気持ちだったカラ……』

P『待て、それ以上近寄るな。お願いだから……』

ライラ『逃げてはダメですー』

P『後ろからっ!?』

P(ライラが後ろから俺の頭を抱きかかえた。後頭部を柔らかい感触が包む。裸になってるのは間違いない)

P(そして、慌ててる間にナターリアが前から俺を挟んだ)

P(そして、顔が埋まると俺は……なにもできなくなった)

P(甘く、少しだけシナモンのような優しいスパイスの香り)

P(頭を包む、カフェオレ色の柔肌)

P(そして、耳元でささやかれる声)

ナターリア『カンネンして、力を抜くんだゾ』

ライラ『リラックスしてくださいー。リラックスー』

P(聞いた瞬間、体中の骨が溶解したのかと思った。突き飛ばすことができたはずだが、本当に力が入らない)

P(俺は腕を上げることもできず、ただ、されるがまま……)

ナターリア『平気だゾ、P。誰が何を言っても、Pが頑張ってるのはナターリアとライラが知ってるからナ!』ムニムニ

ライラ『だから、ライラさんたちも、何を言われても平気ですよー。Pさんが思ってるより、ライラさんは強いですからねー』ポニョポニョ

P『あ、ああぁ……』

P(俺は泣いた)

P(極限まで削られた睡眠時間、質より効率重視の食事、減らない書類、下げ続ける頭、耳に入るのは音楽よりも心ない言葉の応酬)

P(自分で思ってたよりも、俺は限界だった)

P(性欲は感じなかった。ただ、母親に抱かれているような安らぎに溺れる喜びが……)

ナターリア『良いんだゾ、P。いっぱい泣いて。そんなことで、嫌いにならないからナ!』

ライラ『むしろ、Pの弱いところ、いっぱい見せてくださいー。嬉しいですよー』

P(そんな言葉が耳朶をくすぐり、また涙があふれる)

P『うぐ、ぐじゅっ……ぐす……うあぁぁぁぁ……』

ライラ『いっぱい泣いて、泣いたら、また、3人で頑張りましょう』

ナターリア『そうだな! 今日泣いたら、明日はきっと笑えるゾ!』

―ー
―ー―ー
―ー―ー―ー

P(……どれほどの時間が経っただろうか)

P(ようやく頭が冷えた俺は、2人に離れるよう諭し、服を着せた)

P(あんな醜態を見せられてなお、2人は俺の言うことに笑顔で従った)

ナターリア『P、なんか顔色よくなったゾ!』

P『そ、そうか?』

ライラ『ライラさんもー、恥ずかしいを我慢した甲斐がありますねー』

P(確かに、疲れが取れてる気がするし、身体も軽くなったような……)

P(エナドリより効くかも……)



P『って、違う!!』
ナターリア・ライラ『『ビクッ』』


P『……2人の気持ちはうれしく思う。でも、俺はそれに応えることはできない』

P『2人の年齢というのもあるが……まず、俺はアイドルとして2人をスカウトした。これは嘘偽りのない本音だ』

P『それを中途半端にはできない』

ナターリア『……』

ライラ『……』
P『俺は2人にトップアイドルになって欲しいと思ってるし、それができると思ってる』

P『だから、このことh』



ナターリア『じゃぁ、トップになればいいんだナ!! そしたら3人で結婚できるナ!!』



P『そう、トップになれば3人で……え?』

ライラさん『じゃぁ、さっそくレッスンしましょうか』

ナターリア『おーーー!!』

P『ちょ、ま、待て、なんかおかしいことになってるぞ!!』

ライラ『問題ありませんよー』

P『問題だらけだよ!?』

P(ともあれ、この日から、俺は更に仕事に打ち込むようになった。2人をトップアイドルにするために)

P(断言できる。俺は、このために生まれてきたんだ、と)

P(それでも、人間である以上、限界は訪れる)

P(その度に2人は、俺をその胸に抱いて、全て受け止めてくれた)

P(誓ってそれ以上は何もしていないが、それでもバレたら大変なことになる行為だ)

P(いつしか、俺の精神の均衡は、こんな危ない行為で保たれるようになり、それが日常になってしまった)

P(いつか破綻すると思いながら……でもそれは今日じゃないと何の根拠もなく……)

P(あの、カフェオレ色の肌に、溺れて……)


~~回想終わり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

P「俺は……俺はいかような処罰でも受けます。この後社長のところに行って、全てを話そうかと思います」

P「ですから、どうか……2人のことをお願いします」

ナターリア「P、そ、それはダメだゾ!」

ライラ「それだけは、それだけはいけないですー!!」

ナターリア「Pがヤめるなら、ナターリアもヤめるぞ!!」

ライラ「ライラさんも、貧乏でもいいです! だから……」

P「ダメだ、お前らはもっと上を目指せるんだ! 俺のわがままでこれ以上……」

ナターリア「いーーーーやーーーーダーーーーー!!!」

ライラ「ダーーーメーーーーでーーーすーーーー!!!」





ちひろ「……」

ちひろ「わかりました」

~~しばらくして~~


ちひろ「本当に、行っちゃうんですね」

P「すみません、わざわざ見送りまで……お世話になりました」

ちひろ「やめてください、そんな……私はただ」

P「……そうですね、湿っぽくしても仕方ありませんし」

ちひろ「えぇ、だって……」




ちひろ「うちの事務所のトップアイドルが、世界進出のために海外拠点へ移る、記念の日ですから。胸を張ってください!」


ちひろ「さぁ、ファンがお見送りに着てます。日本での最後のお仕事ですから、笑顔で行ってください」

P「ありがとうございます。ちひろさん……全てを承知の上で、何年も秘密を守ってくれて……」

ちひろ「お気になさらず」



~~回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ちひろ『……』

ちひろ『わかりました』


ちひろ『ですが、言わせてください』

P『……はい』

ちひろ『あのですね。まず私はただの事務員ですので、Pさんの人事には携われませんし、お願いしますと言われても困ります』

ちひろ『……確認しますが、あれは必要なことなんですね。Pさんのために』

P『それは……』

ナターリア『必要だゾ! ゼッタイ!!』

ライラ『あの倒れそうなPさんを見たら、わかるはずですー』

ちひろ『……わかりました。それじゃ、これからは事務所の仮眠室を使ってください』

P『え?』

ちひろ『後で合鍵をお渡しします』

P『ちょ、ちょっと待ってください。どうして黙認する方向でお話が進んでるんですか?』



ちひろ『だって、しょうがないじゃないですか!!』バンッ



P『ビクッ』

ちひろ『ナターリアちゃんもライラちゃんも、今やうちの事務所の看板ですよ! 結果出ちゃってるんですよ!!』

ちひろ『なのにこんな爆弾、一事務員の私に抱え切れるワケないじゃないですか!!』

ちひろ『それなら黙認した方がマシですよ! えぇ、マシですとも!! あははははははは!!』

P『ちょ、ちひろさん、落ち着いてくd』

ちひろ『ただ、場所は制限してください。事務所なんて言語道断です!!』

ちひろ『いいですか!!!』クワッ!!

Pナタライ『『『はい』』』


~~回想終わり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ちひろ「……それでは、お元気で」

P「はい、ちひろさんも」 

ちひろ「ふふっ……たまには連絡くださいね」

~~空港~~

ナターリア「P! ほら、早く行くゾ!!」

ライラ「ライラさんはー、待ちくたびれましたよー」

P「おう、待たせたな」


アナウンサー「今や、外国出身でありながら日本と代表するトップアイドルのナターリアさんとライラさんが出国すると言うことで、空港は大変な人だかりができています。あっ、いまお二人が、プロデューサーと一緒に姿を現しました!」

 パシャパシャパシャッ!!
 オォー、ナターリアアァァァァ!!
 ライラサーーーン!!
 セカイニイッテモオオウエンシテルーーーー!!
 ワーワー、キャキャー!!!!

アナウンサー「情報によると、お二人をスカウトし、デビューから共に歩んできたプロデューサーとのことで、非常に仲よさげに、談笑しております!!」

ナターリア「みんなー!! アリガトーーーーー!!!」

ライラ「ありがとうございますー」

アナウンサー「三人で駆けつけたファンへ、感謝の言葉と共に深々とお辞儀をしております! あ、そのまま笑顔で手を振りながら、ゲートの方へ……」

~~出国ロビー~~

ナターリア「なぁ、プロデューサー」

P「うん?」

ナターリア「長かったナ……」

ライラ「本当ですねー。ライラさんもくたびれましたー」

P「ま、仕方ないさ……これからはドバイで頑張るぞ!」

ナターリア「でも……その前に」




ライラ「3人でハネムーンですねー?」

P「……そうだな」

~~回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ナターリア『じゃぁ、トップになればいいんだナ!! そしたら3人で結婚できるナ!!』

P『そう、トップになれば3人で……え?』

ライラさん『じゃぁ、さっそくレッスンしましょうか』

ナターリア『おーーー!!』

P『ちょ、ま、待て、なんかおかしいことになってるぞ!!』

ライラ『問題ありませんよー』

P『問題だらけだよ!?』

ライラ『問題ないですー』




ライラ『ドバイは……一夫多妻制ですー////』





P『』ブツン

P(このとき、俺の中の何かが切れた)

P(俺がアイドルをプロデュースするのは、世の中で眠っている原石をステージの上で輝かせたい)

P(そんなチャンスを与える魔法使いになりたい、そして大勢のファンを魅了し、いつかは一緒にトップに上り詰めたい……そんな夢のため)

P(そんな大義名分があったはずだったが、いや、大義名分すらも仮面でしかなかったのは明らかだ。でも必死に目を背け続けていた)

P(俺が、俺がまともな人間として、社会で生きる大人としていられるために、そうせざるを得なかった)

P(いや、建前であっても、今となっては確かに俺は本気ではあった。この2人ならそんな眺めを見られる、と)

P(だが、ライラの一言で、たった今、それは壊れた)

P(褐色好きなただの男として、猛然と突き進んだ)

P(俺はプロデューサーとしては最低だ、ファンを裏切り、事務所を裏切り……)

P(でも、二人のためにもう迷わないと決めたんだ)

~~回想終わり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ナターリア「しかし、本当にどっちにも手を出さないで、数年も耐えたと思うゾ」

P「そこは最後の一線だったし……いや、俺が言うのもなんだけど」

ライラ「でも、もうライラさんたちを止めるものはありませんよー。あれからもう年齢もクリアですしー」

ナターリア「そうだナ、我慢してたのはPだけじゃないんだゾ! ナターリアだって……」

ライラ「ライラさんたちも、良く耐えましたー。あっちについたら、思う存分愛して欲しいですー」

ナターリア「ひとまず呼び名を変えるカ?」

ライラ「そうですね、もうプロデューサーはやめましょう」

P「おい、お前ら。また日本なんだから滅多なことはって、うおっ、抱きつくな!!」




ナターリア・ライラ「「旦那様!! 愛してるゾ!」ますよー」



おわり

 ドバイで日本人が複数の妻を娶ることができるのか、とかそういうことは知りません。細かいことはいいじゃないですか(半ギレ) 
 あと、私は別に褐色は好きではありません。
 好きなのはキトゥンとか夜一さんとか、バレットとか、ラムレザルとか……そんだけです。
 さらに言うと、ナターリアとライラさんがデレステでSSR化したときのために500円貯金を始めた程度なのです。
 ――結構貯まりました……声、とかも……そろそろ、いいと思うんですけど……どうでしょう?


その2 P「野球好きなアイドルと」友紀「野球嫌いなP」

友紀「もっかい言って?」

P「野球は嫌いなんだってば」

友紀「うえぇぇぇぇぇっ!!!」

P「うっさい」

友紀「だ、だって、Pってあたしと同じ宮崎出身だよね! 毎年プロ野球選手がキャンプするあの!!」

P「出身地と野球好きは関係ないだろうに」

友紀「だめだ、今度観戦に行こう、うん、そうしよ? ね? 怖くないから、ね?」

P「子供を歯医者に連れてくような言い草やめてくれない? あと、あんなん見に行くくらいなら、道ばたのナメクジ観察してた方が有意義だわ」

友紀「そんなにも!?」

友紀「あの、どうしてそんな嫌いなの?」

P「いや、別にさ。頑張ってる選手とか、ファンをバカにする気はないよ?」

友紀「そうなの?」

P「おう、ただ子供のころになー、親が野球信者でな」

友紀「早速信者って言ってる!」

P「普通のファンと信者は違うって」

P「野球が大好きで大好きでしょうがないのは良いけど、『野球があれば何でも解決!!』って言いだすのは違うだろ」

P「うちの親が残念ながらそういう人種だったわけ」

P「子供の頃から野球をやらせとけば適度に運動もできて、礼儀作法も人格も身について」

P「戦術も考えるから頭も良くなって、きっと将来立派な人間になる!!」

P「……と、まぁそれを本気で信じてたんだよ。で、当然のように運動のできない俺を無理やり少年野球チームにぶち込んだわけ」

友紀「……」

P「まぁ、無理だわな。ただですら運動音痴な上に嫌々なんだから、できるわけない」

P「その頃の恨みがあるから、野球は嫌いなの」

P「……ま、仕事は仕事だ。野球に詳しいのは確かに強みだし、関係の仕事は優先して回すし、そこは安心してくれていい」

P「小学校の頃とは言えこれでも経験者だ。最低限のことなら知ってる」

P「ただ、仕事以外では勘弁してくれって話だよ」

友紀「それならさー、Pってどうしてあたしをスカウトしたの? っていうかなぜ球場に居たの?」

P「通りかかっただけだって。それに、野球好きとアイドルとしての素質は別だろ?」

友紀「それもそっかー」

P「同郷なのは驚いたけどな」

友紀「あははは、確かに!!」

友紀(それから、あたしたちの仕事は順調だった)

友紀(最初は地方の小さいイベントや、深夜番組のちょっとしたアシスタント、エキストラなんかだったけど)

友紀(だんだん野球好きなことやキャッツファンなのが知れ渡ってくると、雑誌のコラムやラジオなんかの仕事も来たりして)

友紀(そして――)


P「お待ちかねの仕事だぞー」

友紀「お待ちかねって?」

P「始球式」

友紀「うっそ!」

P「ま、二軍のリーグだが、場所はサンマリンスタジアム宮崎」

友紀「うわあぁぁぁぁぁっ!!」

P「うお、びっくりした」

友紀「だ、だって、故郷の球場で始球式できるんだよ!!! どうしてそんな真顔なの!!」

P「喜んでもらえたなら良かったけど、俺は野球は」

友紀「関係ないね!! だって、あの長嶋監督が名付け親なんだよ!!」

P「あんなもん作るより、テレビ局増やした方がいいと思ってます^p^」

友紀「テレビ局の話はやめて!!」

 ※宮崎には民放が2局しかない。そのため宮崎県民はチャンネルを変えてほしいとき『裏にして』と言う。

P「でもまぁ……喜んでもらえて何よりだよ」

友紀「ふあぁぁぁ、どうしよ、あ、まずお父さんとお母さんに電話しないと。あの、P?」キラキラ

P「あぁ、家族のチケットくらいならなんとかなるさ。押さえとくよ」

友紀「ありがとーー!!」ダキッ

P「!!」

友紀「あ・・・・・・////」←抱きついてから我に返った

P「友紀・・・・・・」

友紀「ご、ごめんね。すぐ離れるから」ギュッ「わぶっ?」

友紀(だ、抱きしめられた、これ、これって・・・/////)

P「そのまま聞いてくれ」

P「礼なんかいらない。お前が頑張ってきたから取れた仕事だ。こっちこそありがとうだ」

P「野球嫌いの俺に、よくついてきてくれた。正直ストレスもあったと思うが」

P「・・・・・・いずれは東京ドームで始球式兼ライブやらせてやるよ」

P「って、友紀?」

友紀「~~~~~っ!!////~~っ!!」>3< ンチューーーー

P「……」ペチッ←デコピン

友紀「いったーーーっ!? なにすんのよーーっ!!」

P「……はぁ」

友紀「むーーーっ!!」

P「今日は仕事はもう終わりだが、この後は予定あるか?」

友紀「知らなーい!」ツーン

P「……お祝いに飯でもって思ったんだけどな」

友紀「ホント!?」クルッ

P「現金なヤツ」

友紀「それなら早く言ってよねー! 行こ!」

P「へいへい」

~~1時間後~~

友紀「と言われてきたら、なぜか私はPの部屋に居る」

友紀「え、どういうこと!?」

P「お祝いに飯とは言ったが、店に連れてくとは行ってないぞ?」

P「今準備してるからビールでも飲みながら待ってろ、ナイターやってるだろ」ジュワワワー

友紀「う、うん・・・・・・」ポチッ

友紀(・・・・・・部屋を見てみると)

友紀(嫌いなはずの野球関係の本が結構ある・・・・・・雑誌も毎号買ってるみたいだし・・・・・・)

友紀(本当は好き・・・・・とかじゃないよね、これ。あたしのために、勉強してるんだ・・・)

友紀「うぅ・・・なんか恥ずかしい///」

友紀「っていうか、いいの、この状況! まずくない? アイドルとプロデューサーがナイターやってる時間に一緒って」ジタジタ

P「なにブツブツ言ってんだ?」

友紀「うわぁっ!」

P「ほれ」

友紀「これって、チキン南蛮!!」

P「ま、上京してから故郷の味が恋しいかと思ってな」

P「あと、レトルトのパックだけど地鶏もあるぞ」

友紀「うわぁ、ビールに合うんだよねーーー!!」

P「シメは冷や汁だ」

友紀「うわーーーーい!!」

P「そんじゃ、ひとまず野球アイドルの第一歩に乾杯」

友紀「かんぱーーーい!」カチーン!!

~~30分後~~

友紀「ちなみに、その、親御さんはどうしてるの?」

P「知らね。中学で料理部に入ったって言ったらぶん殴られたから、それ以降最低限の口しか聞いてないし」

友紀「えぇー」

P「野球部に入らないんだったら高校の学費も出さないとか言い出した時は、さすがに親族会議になったけどな」

P「叔父さんがマトモだったから、結局そっちで暮らすことになったし、学費も出してくれたよ」

P「ま、大学から後は一切連絡とってない。大学も奨学金とバイトで金作って、叔父さんにも高校の学費も返したし」

P「もし結婚して子供でも出来たら、涎垂らして野球やらせようとするだろうから、実家の電話番号すらも消したわ」ハハハハハ

友紀「なんていうか……野球ファンに悪い人はいないと思ってたけど……やりきれない……」

P「そっちから聞いて来たくせに」

友紀「っていうか料理部だったんだねー、道理でおいしいチキン南蛮が作れるわけだ!」

P「強引に話をそらしたな。いいけど」

~~1時間後~~

 『おぉっと、ここで一塁への送球が大きくずれました! これは痛い!!』

友紀「いやーーーっ! ピンチじゃん!」

P「……」

友紀「頑張れ―、頑張れー!」

P「友紀ってさ」

友紀「なに? 今ちょっと目が離せn」

P「選手がミスっても、『何やってんだよ!』とか『しっかりしろー!』とかそういう文句言わないよな」

友紀「へ? だって、そんなの言ってもどうにもなんないじゃん」

友紀「ミスしたのは本人が一番解ってるんだから、それなら頑張って貰った方が挽回できるっしょ!」

P「……」

友紀「え? あたしがおかしいのかな?」

P「いや……良いと思う」

友紀「あによー、言いたいことあるならちゃんt」

 『ここで打ったーー! 良いあたりーーーー!!』

友紀「っ!」

 『しかし、ショート、ダイビングでこれをキャッチ、すかさず一塁へ送球。ダブルプレーでこの回終了となりましたー』

友紀「よっしゃーーー!!」

P「……」ジーーーー

友紀「……あの、P? あたしよりも試合見たら?」

友紀「あ、それともうるさかったかな? お隣とか……」

P「別にこのくらい平気だよ。それに野球よりお前見てた方が面白い」

友紀「……そ、そなんだ…////」

~~1時間後~~

P「だーかーらー、チキン南蛮は小麦粉と卵の衣で鶏肉を揚げ、甘酢にくぐらせた後にたっぷりのタルタルソースで食べる! これ!!」

P「胸肉とかモモ肉とか、タルタルにピクルス入れるだの入れないだの、そんなのはどーーーーでもいいっつーの!!」

友紀「そーだそーだwwwwww!!」

P「こんな簡単なことも守れねぇ店がよぉ……ヒック」

P「たまによぉ、パン粉を使ったただのチキンカツにタルタルかけたモノをチキン南蛮と言って出す店があるが」

P「あれは詐欺だーーー!!」

友紀「詐欺だーーーーwwwwwwww!!」

P「お〇らに訴えられろーーーーー!!」

友紀「訴えられろーーーーwwwwwwww!!」

 おぐ〇:チキン南蛮の発祥の店といわれる。支店がいくつかあるが、本店はビルの隙間みたいな路地の奥にあるので、ストリートビューでも映らない。でも美味い。

P「そーれーかーらー冷や汁は濃い目の魚の出汁にキュウリや豆腐を具にした冷たい味噌汁だ」

P「これを麦ご飯にかけてさらさらっと食うのが正式な作法だ」

友紀「うんうん。友達に話すと、行儀が悪いって言われるんだよねー」

P「馬鹿馬鹿しい。だいたい、冷や汁のこの食べ方は夏にクッソ暑い宮崎だからこそだ」

P「普通料理はの適温とは『熱い』か『冷たい』か『常温』のいずれかだが、冷たい汁を熱い飯にかけて食うこの料理は『ぬるい』状態が適温という非常に珍しい食べ物だ」

P「これは体温との温度変化が少ないから胃に優しい。具材によって栄養も調節できるし、厳しい宮崎の夏をバテずに乗り切るのに最高に合理的な食べ物で、そうでなくとも朝食や酒の後のシメにぴったりなんだ」

P「なのによぉ、試しもしねぇで意地でも別々に食べるんだよ、これが」

友紀「誰のこと?」

P「元カノ」

友紀「・・・・・」

P「ったくよぉ・・・・・・冷や汁と飯を別々に食う女と付き合ってられっかってんだ!! なぁ?」

友紀「・・・・・・・・・・・・」

P「ん? どした?」

友紀「あ、あたしはさ」

P「うん?」



友紀「冷や汁はご飯にかけて食べる・・・・・・よ?」



P「・・・・・・そっか」

P「そうだ! デザートにくじらようかんあるぞ」

友紀「なん・・・・・・だと・・・・・・馬鹿な、あのお菓子は一日経てば固くなってとたんに味が落ちるのに・・・・・・どうやって宮崎から東京まで……」

P「新宿駅から徒歩5分の距離に、宮崎県のアンテナショップがある(※本当にある)。そこに冷凍品だが売ってんだ」

P「どーする?」

友紀「うーん、でもお腹いっぱいかなー」

P「じゃぁ……さ」



P「明日の朝にでも食べるか?」




友紀「そーだねー」










友紀「悪いけど、持って帰って食べるよ!」
P「えぇっ!?」

友紀「えっ」

P「……」

友紀「ご、ごめん、あたし、また何か変なこと言った?」

P「……いや」レイトウコカラダシー

友紀「あ、ありがと」ウケトリー

友紀「あの、ほ、本当にさ。今日はありがとうね?」

P「あぁ、別にいいさ」

友紀「えっと、何か怒ってる?」

P「全然、強いて言うならこっちの都合だ」

友紀「あたしが、野球ばっか見てたからとか……」

P「そうだな、野球は嫌いだな」

P「野球『は』な」

友紀「?」キョトン

P「……なんでもない。一応、タクシー呼ぶからそれで帰ってくれ」

友紀「あ、うん。あの……さ」

P「?」




友紀「また……チキン南蛮食べに来てもいい?」



P「……あぁ、いいよ」
友紀「やたっ……えへへ、ありがと!」パアァ



P「……ずるいぞ、ちくしょう」ボソッ
友紀「?」

~~後日~~

P「おい、友紀ぃ~」

友紀「あ、あれ、なに怒ってるの?」

P「怒ってるの? じゃねぇよ! お前また俺の部屋のレコーダーに勝手に野球録画したろ!」

友紀「てへぺろ☆」

P「百歩譲って録画するのはいいけど、俺の番組予約を上書きすんじゃねぇよ!」

友紀「だってー、お仕事でキャッツの試合見れなかったしぃー」

P「レコーダくらい買えや。そのくらいの給料はあるだろ」

P「大体、仕事に関わる番組もあんだよ。単純に困る」

P「あと、俺の家のキャッツグッズいい加減持って帰れ、邪魔」

友紀「えー、せっかくPを洗脳しようと思ってたのに」

P「あんな雑な作戦でされるか。野球嫌い舐めんな」

友紀「いーじゃん、代わりに掃除とかしてるでしょー」





ちひろ「あ、あのー、友紀ちゃん?」

友紀「はい?」

ちひろ「Pの家に行ってるの? っていうか、付き合ってるとか?」

P「付き合ってません」

友紀「違うよー」

ちひろ「そ、そうなの? でもなんか日常的に家に行ってるような、というか合鍵渡してるような会話が……」

P「付き合う云々の前に、こいつが子供すぎるんですよ」

友紀「子供じゃないもん!! 二十歳だもん!!」

P「うっさい、この二十歳児が」

ちひろ「ははは、仲良いですねー(白目)」


ちひろ(これ時間の問題のヤツだ)

ちひろ(私、しーらねっと☆)


おわり

以上です。
くじらようかん食べたい。

数年ぶりにSS投下しましたので、いろいろお目こぼしください。すみません。
明日の朝には依頼だしときます。お粗末様でした。

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