奈緒「ふー、今週も魔法少女ハートフルままゆの時間になったか」 (41)

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「さーて、そろそろ始まるか?」

奈緒「先週の予告だと、真奈美さんのドヤ顔とミユミユとミズキが映ってばかりだったからなぁ……今週は何するんだろ」

奈緒「それに、今週は珍しくプロデューサーが話に絡んでくるみたいだし」

奈緒「……そういえば、菜々さんがまほまゆのブルーレイ買うって言ってたな……今度1話から4話まで見せてもらおう」


奈緒「よし、まほまゆの時間になったぞ……」


――
――――

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『第32話 幹部たちの本気! マジカルパワー全開の戦い!』


――さいたまスーパーアリーナ前

魔物「ぴにゃああああああっ!!」ズシンッ! ズシンッ!

ドガアアアアアンッ!!

魔物「ぴにゃっ! ぴにゃっ!」



ふじとも「みんなこっちよ! 魔物はさいたまスーパーアリーナ前にいたのね!」ヒューンッ!

まゆ「またいつもの場所ですかぁ」

瑞樹「もしかしたら何か意味があるのかもしれないわね……でも、今はそんなこと話してる場合じゃないわっ!」

美優「はい……被害が大きくなる前に魔物を倒しませんと……」

もりくぼ「う、ううう……」

瑞樹「ん、どうしたのもりくぼちゃん?」

もりくぼ「い、いえ……その……」

まゆ「それにしても、今日のブサイクはなんだか表面にツヤがありますね……どうしてなんでしょうか?」

魔物「ぴにゃっ!?」グルンッ!

ふじとも「魔物がこっちに気づいた……ままゆ、気を付けて!」


魔物「ぴにゃあああああ!!」ピカーッ!!

まゆ「まぶしっ!?」

瑞樹「ままゆ!?」

もりくぼ「あうあう……ままゆが、敵のフラッシュを浴びたんですけど……」

ふじとも「でも何ともなさそう? ただの威嚇だったのかしら?」

まゆ「何ともないみたいです! それじゃあ、最初から全力でいきますよぉ! クリムゾン……スラッシュ!!」ヒュカッ!

シュパアアアアアンッ!!

魔物「びっ!?」ブシャアアアアアアッ!!

まゆ「死ねえええええええええ!!」ザシュッ! ザシュッ! グチャッ!

瑞樹「き、気合入ってるわね……」

もりくぼ「あわわわわ……開始2分でまさかこんな血まみれの惨状が広がるなんて……」ガクガクブルブル


……
…………

――数時間後、東京、事務所

まゆ「はぁ……ようやくお仕事から帰ってこれましたねぇ」ボフッ!

P「そうだなぁ、みんな今日の仕事は大変だったと思うよ。お疲れ様」

美優「少し休憩しましょうか……お茶、用意しますね」

P「あ、いえそんな、美優さんも疲れているのにわざわざ……」

美優「私は大丈夫です……あら?」カポッ

瑞樹「あら、もしかしてお茶っ葉切れてる?」

美優「そうですね……どうしましょうか」

P「それならちょっと買いに行ってきますよ。車もまだ車庫に入れてないし、ひとっ走りしてきます」

瑞樹「いいの?」

P「みなさん頑張ってくれましたからね。これくらい俺のほうでやりませんと」

まゆ「それじゃあまゆも――」

P「まゆも疲れてるだろう? 少し休んでてくれよ。それじゃあ行ってきます」ガチャッ!

パタンッ……

まゆ「はぁ……」ボフッ!

瑞樹「あら、どうしたのまゆちゃん? ソファに寝転がっちゃって」

まゆ「なんだか今日は、とっても疲れちゃって……」

ふじとも「魔物との戦闘もあったしね」フワフワ

もりくぼ「お仕事もして、戦闘もするなんて……たぶん、もりくぼなら途中で全てを諦めて帰ってると思うんですけど」

まゆ「もう少しは、アイドルも魔法少女も、それらしく頑張らなきゃって思うんですけど……」

ふじとも「そうねぇ、まゆちゃんたちにはもう少し頑張ってもらわないと」

もりくぼ「はい……このままだと苦しくなると思いますし……」

まゆ「どうすればもう少し魔法少女らしくなれるんでしょうか? やっぱり、動物の耳とか付けたほうが……」

ふじとも「それはアウトでしょ……まさかこの番組以外にも深夜時間に女児向けアニメが放送される事態になるとは夢にも思ってなかったけど」

もりくぼ「これ以上の視聴率の低下だけは何としても抑えなきゃダメなんですけど……」


※魔法少女ハートフルままゆは現実世界の日付で2016年12月16日に第1話が放送されています。
※この会話内容は2017年7月頃に追記しました。

美優「あ……そういえば、応接室にお客さん用のお茶が残ってたような……ちょっと私、探してきますね」

瑞樹「それじゃ私も行くわ。どうせプロデューサー君待ってるだけですることもないし」

ふじとも「それじゃあたしも暇だしついていこうかしら」

もりくぼ「み、みなさんが行くならもりくぼも……」フワフワ

ガチャッ……パタンッ!




まゆ「はぁ……なんだか、眠くなって……」ウトウト

まゆ「……」


……
…………

――廊下

瑞樹「お客さん用のお茶も切れてたわね……」

美優「こういうことも……あるんですね。いつもは、気にして買っておいてましたけど」

ふじとも「あ、そうだもりくぼちゃん」トテトテ

もりくぼ「なんでしょうか……?」

ふじとも「今日さ、戦闘のときに何か言おうとしてたでしょ? アレなんだったの?」

もりくぼ「あ、あれですか……そ、その」

ふじとも「うん」

もりくぼ「開始してすぐに戦闘から始まるのって……なんだか、この後ピンチになるか、とっても悪いことが起きるような気がしたので……」

ふじとも「あっはっはっ! 何そのお約束みたいな話、漫画やアニメじゃないんだから!」

もりくぼ「アニメなんですけど……で、でも、何ともなかったし、もりくぼの勘違いだったのでお気になさらず……」

瑞樹「魔法少女が負けるはずないでしょう? いざとなったら、マジカルプリンセスだってあるんだから☆」

もりくぼ「あうあう……マジカルランドの税金の無駄遣いはしないでほしいんですけど……」

美優「でも……今日の戦闘は、ブサイクには逃げられてしまいましたね……」

ふじとも「まゆちゃんがマウント取って、あとちょっとってところだったんだけどね……次は絶対に倒さないとね」


……
…………

――事務所

ガチャッ!

瑞樹「まゆちゃーん、応接室のお茶も……あら?」

美優「まゆ……ちゃん?」

ふじとも「随分静かね。寝てるのかしら?」

もりくぼ「……?」フワフワ



もりくぼ「……!?」



瑞樹「どうしたのもりくぼちゃん?」

もりくぼ「あっ、あ……あわわわ……みなさん、こ、これ……」

ふじとも「何なに? ソファがどうした……え゛っ」



??「……」スヤスヤ


瑞樹「えっ……あ、赤ちゃん!?」

美優「ど、ど……どこから来たんでしょうか……え、でも、赤ちゃん……?」

もりくぼ「だ、誰かが預けにきていたんでしょうか……」

ふじとも「いや託児所じゃないんだから……あれ? ていうかこの赤ちゃんが包まってる布って……」ピラッ

??「……」スヤスヤ

美優「これ……今日、まゆちゃんが着ていた服、ですよね……?」

瑞樹「そうねぇ、このピンクの……えっ?」

ふじとも「は?」

もりくぼ「ま、まさか……」



「「「「ええええええええっ!?」」」」


……
…………

――数十分後、事務所

P「ええええええっ!? ま、まゆが赤ちゃんになった!?」

まゆ(0歳)「ばぁーぶぅー……」

美優「そ、そうみたいなんです……」

P「はぁー……世の中不思議なこともあるもんだなぁ」

瑞樹「えっ、ちょ、ちょっとプロデューサー君、もうちょっと何かこう……反応することがあるんじゃないかしら?」

P「え? まあ……今の世の中、変なブサイクの化け物は出るし、魔法少女も見かける時代ですし、こういうこともあるんだなぁと」


ふじとも『あたしたちの戦いに巻き込まれる機会が多いからか、驚くほど突拍子の無い出来事に順応出来てるわね……』

もりくぼ『普通、もっと驚くか疑うかすると思うんですけど……』



P「いや……それにしても困ったな、まゆは寮生活だけど、親御さんになんて説明したらいいんだか……」

瑞樹「それよりもっと考えなきゃならないことが……」

まゆ(0歳)「……うっ」

瑞樹「ん?」

まゆ(0歳)「うっ、うっ……びぇっ……」

瑞樹「どうしたのかしらまゆちゃん、ぐずりだしちゃったわ」

P「えええ……いや、赤ちゃんがぐずるときってどうすりゃいいんだ?」

美優「よ、よしよし……まゆちゃん……はい、抱っこしてあげますね」

まゆ(0歳)「うっ、うぇっ……ぱ……ぱぃ……」

ペチペチッ

美優「ど、どうしたんですか? 叩かれても……も、もっと揺らしたほうがいいんでしょうか……?」

瑞樹「ちょっ、ちょっと待って、私も子育てしたことはないからすぐには分からないわ……」

まゆ(0歳)「ぱぃ……ぱぃ……」ペチッペチッ


ふじとも『あっ、分かった。もしかしてまゆちゃん、美優さんのおっぱいが欲しいんじゃないかしら?』

もりくぼ『お腹が空いて、ミルクが飲みたいんでしょうか……?』


美優「ええっ!? お、おっぱい!?」

P「ぶふぉっ!?」

瑞樹「ぶっ!? ちょっ、いきなり念話で何を……」

ふじとも『だってあたしたち妖精の赤ちゃんだって、お腹空くと泣いちゃうもの』

美優「で、でも私……お、おっぱいはまだ出ないんですけど……」

P「み、美優さん、いきなりおっ、おっぱいなんて何を……」

美優「え……き、きゃあああっ!? ち、違うんです、わ、私……」

まゆ(0歳)「!」ビクッ!

瑞樹「ち、違うのよプロデューサー君、今の話の流れは――」

まゆ(0歳)「ぅ……う……」

瑞樹「え?」

まゆ(0歳)「びええええええっ!! ああああああああ!!」

P「うおおおっ! な、泣き出しちゃったぞ……」

美優「わ、私が大きい声を出しちゃったから……ど、どうすればいいんでしょうか……」

ふじとも『いいじゃない。おっぱいくらい、ちょっとあげたって』

美優「だ、だからおっぱいは出ませんって……」

もりくぼ『で、でも赤ちゃんっておしゃぶりがあれば泣き止んだりもしますし……まずは泣き止んでもらわないと……』

まゆ(0歳)「ああああああああ!! ぶるぁああああああああ!!!!」

ふじとも『そうよ! まゆちゃんがこんなに泣いてるのに……美優さんだって、魔法少女なんでしょ!』

瑞樹『魔法少女とおっぱいが出ることは何も関係ないわよ!』

P「ああくそ、まゆ、どうしたら泣き止んでくれるんだろうか……赤ちゃんを泣き止ませる方法、調べてみないと……」カタカタカタッ!

ふじとも『ほら、プロデューサーだって困ってるわよ!』

美優(Pさん……!?)

P「ええと……ミルク、オムツ……いや、オムツなんて事務所にないぞ……」

美優「……わ、分かりました」

瑞樹「え、美優ちゃん!?」

P「へ?」

美優「お、おっぱい……す、少しだけなら……」

P「み、美優さんの……お、おっぱ――」

瑞樹「コラッ!! 何考えてるのプロデューサー君!」バチーンッ!!

P「痛ってぇ!?」

美優「まゆちゃんに泣き止んでもらうのに……少し、少しなら……」グッ……!

まゆ(0歳)「びええええええっ! ぶぁあああああああ!!」

瑞樹「み、美優ちゃん本気!? いやそうじゃなくて、ちょっとプロデューサー君、あっち向いて! っていうかしばらく事務所から離れて頂戴!!」

P「ちょっやめてくださ……お、押さないで……」



バタンッ!!


……
…………

――夜、さいたまスーパーアリーナ前

真奈美「さて……そろそろぴにゃこら太の魔力が効いている頃か」

美波「そうですね。お昼の戦闘から時間も経っていますし」

真奈美「魔法少女たちと戦わせたぴにゃこら太の魔力……あの魔力の光を浴びると魔法少女でさえも赤ん坊になってしまう」

真奈美「これで魔法少女の力は封じたも同然だ。今回は私たちの勝利とさせてもらおう」

美波「……あの」

真奈美「どうした?」

美波「魔法少女を赤ちゃんにしたなら、そのままトドメを刺せばいいと思うんですけど」

真奈美「何を言うんだ。戦いとして、それではフェアな勝負にならないだろう?」

美波「はぁ……魔法少女を赤ちゃんにする時点でフェアでも何でもない気がしますけど……」

真奈美「クックック……今回の私は少しばかり本気を出させてもらっている。さて魔法少女たち、この状況をどう切り抜けてくるかな?」

……
…………

――事務所

まゆ(0歳)「……」スヤスヤ

P「はー……ようやく落ち着いた」ガクッ

美優「はぁ……疲れた……」グッタリ

瑞樹「オムツ、粉ミルク、おしゃぶり、おべべ……いやー、事務所にベビー用品が増えたわね……」

P「いやまさか俺も業務中に買いに走り回ることになるとは……」


ふじとも『それにしても、まゆちゃんって赤ちゃんの頃はすごく泣く子だったのね』

もりくぼ『元気な赤ちゃんだと思うんですけど……』


P「あ、美優さん、ずっとまゆを抱っこしてて疲れるでしょう? しばらくは俺のほうで抱っこしてますから」

美優「あ……す、すみません……」

P「よっこいしょ……思ったより、重いんだな……」

瑞樹「そうなの?」

P「ええ、赤ちゃんを抱っこしたことなんて全然無いからなぁ……」

まゆ(0歳)「……ん……あ」ピクッ

P「あ、起こしちゃったか?」

まゆ(0歳)「……あー……ぱ……ぱ」キャッキャッ

P「パパって……独身の身で言われるとダメージでかいな……」

まゆ(0歳)「ま……ま、まー……」

美優「ま、まゆちゃん、私はママじゃ……」

まゆ(0歳)「うー……あー」キャッキャッ

P「は、ははは……」

美優「あ、あう……あ……Pさん、まゆちゃんのお口に、よだれが……」

P「おっと、拭いてやらないと……」

美優「そのまま、まゆちゃんを抱っこしてあげてください。私が……」



もりくぼ『……な、なんだかお2人とも、本当にまゆちゃんのパパとママに見えるんですけど』

ふじとも『それ、後でまゆちゃんが聞いたら怒り狂いそうね』

瑞樹『はー、私って完全にお邪魔かしら?』


……
…………

――翌日

美優「はい、まゆちゃん。ミルク、のみましょうね?」

まゆ(0歳)「んま……ん……」

美優「おなかいっぱいですか? それじゃあ、げっぷしましょうね?」トントンッ

まゆ(0歳)「……」ケプッ

美優「げっぷできましたねー。えらいでちゅよー」


P「えーっと、今のまゆくらいの赤ちゃんに食べさせられる離乳食は……」


……
…………

――更に翌日

P「おー、まゆ、たくさんおしっこ出せて気持ちよかったなぁ」

まゆ(0歳)「あー、あー」キャッキャッ

P「フキフキして、キレイにしようなー」フキフキ

まゆ(0歳)「あー」ショワアアアア……

P「おっと、また出ちゃったなー」

美優「Pさん、タオルどうぞ……」

P「ああすみません、ありがとうございます」


瑞樹「……」●REC

ふじとも『……なにやってんの?』

瑞樹『いやね……なんだかホームドラマみたいな光景だから撮ってみようかと思って』

もりくぼ『これなんの番組でしたっけ』


……
…………

――数日後、事務所

まゆ(0歳)「……」スヤスヤ

美優「またたくそーらにー、いーまーうーたーおうー……ふぅ」


P「まゆ、寝ましたか?」

美優「はい……これから、外出ですか?」

P「これから局のほうで打合せなので……それにしても、まゆはいつになったら元に戻るんでしょうかね」

美優「さあ……でも、もしこのまま、ずっとまゆちゃんが赤ちゃんのままだったら……このまま、Pさんと2人で……」

P「……」

美優「……」

P「……さ、さーて、それじゃそろそろ行ってきます」ガチャッ

美優「あっ、は、はい……」

パタンッ

美優「……」


瑞樹「私もこの場にいるんだけど……」

ふじとも「あたしとふじともちゃんなんて、しばらく声だけで姿すら出してないわよ……」

もりくぼ「プ、プロデューサーがいると……姿を見せて話すことができないんですけど」



キィィィィンッ!!


ふじとも「はっ……この感じ!」ビクッ!

瑞樹「ようやく出たわね、しばらくぶりの魔物!」

もりくぼ「み、美優さん、敵が出たんですけど……」

美優「敵……」ハッ

まゆ(0歳)「……」スヤスヤ

ふじとも「……敵を倒して、まゆちゃんを元通りにしてあげましょう。こんな健全な子育て番組、あたしたちには似合わないわ」

美優「……はいっ」

瑞樹「まゆちゃんが寝ている間に……マジカルガールズ、行くわよっ☆」

……
…………

――東京、渋谷区

魔物「ぴにゃあああああああっ!」ズガガガガガァンッ!

ふじとも「あの地獄の雷……昨日のブサイクよ!」

美優「結界が張られていますね……」

瑞樹「周りにこれ以上被害が出ないうちに倒すわよ!」


真奈美「おっと、そこまでだ魔法少女たち」


もりくぼ「か、幹部がいるんですけど……」

美波「私もいますよ? こんにちは♪」

瑞樹「あなたたち……また出たわね!」

真奈美「おや、ハートフルままゆの姿が見えないようだが……なるほど、彼女がぴにゃこら太の魔法の影響を受けたか」

美優「ブサイクの魔法……やっぱり、あなたたちが……!」

真奈美「そうだ、魔法少女を赤ん坊にして戦力を奪い、魔法の効果がない者についても子育てによる体力の低下を狙う……中々良い作戦だと思わないか?」

ふじとも「なんて無駄に回りくどい作戦なの……どうしてそんな惨いことをするのよ!」

美波「実はですね、真奈美さんがこの前お仕事の休憩中にゲームをやっていたんですけど……」

真奈美「偶然レトロショップに立ち寄った時に、昔遊んだことのあるゲームを見つけたものでね」

真奈美「自分の娘を育てるシミュレーションゲームなんだが、遊んでいたことを思い出して懐かしくなって、つい購入してしまったんだ」

瑞樹「あ、もしかしてそれ、私も昔やったことあるかも……」

美優「なんでしたっけ……ガイドの人からアドバイスを聞きながら女の子を育てるゲームだったような……」

真奈美「ほう、キミたちもやったことがあるのか。久しぶりにプレイしたら面白くてね、つい熱中してしまったが……」

ふじとも「アンタら少しは真面目にやりなさい!!」イライラ

もりくぼ(ど、どんなゲームなんでしょうか……気になるんですけど……)

真奈美「おっと……まあ、今回の作戦はそのゲームからヒントを得て実践してみたんだが……どうやら効果があったようで何よりだ」

ふじとも「よくもままゆを……許せないわ、ミズキ、ミユミユ!」

もりくぼ「今回のスタージュエルなんですけど!」ポイポイッ!

瑞樹「ええ、ここでバッチリとキメて、ままゆを元通りにしてあげましょう、ミユミユ!」

美優「はい!」


「「マジカルチェーンジ!!」」


パアアアアアッ!!!!


瑞樹「魔法少女、マジカルミズキ!」

美優「プリティーミユミユ!」

ザッ!

美優「魔法の力を希望に変えて!」

瑞樹「私たち!」


「「マジカルガールズ!」」


ふじとも「あーダメダメ、ままゆがいてもギリギリだったのに、画面に映る平均年齢が更に上がって本格的に別の番組になってきたわ」

瑞樹「2人だけでも、マジカルパワー全開で行くわよ!」

美優「絶対に、負けられません……!」

真奈美「ある意味一番の要注意人物であるハートフルままゆを欠いたマジカルガールズに、私たちの相手が務まるかな!」ビュッ!

瑞樹「アイスソード☆」パアアアアッ!

ガキィンッ!

真奈美「なるほど……! 1人欠けたことで、気迫は普段以上ということか!」グググッ!

瑞樹「そうね……魔法少女なら、どんなピンチでも最後は勝利するものなのよ!」

美波「私のことも忘れないでくださいね? ダークウェーブ!」ズォォォォッ!!

美優「エアハンマー!」パアアアアッ!

バゴォンッ!!

美波「あら? いつもよりも魔力が強くなって……子育てに疲れてると思っていましたけど」

美優「子育て……確かに、大変です。夜泣きで眠れなくて、ご飯を作るのも時間が掛かって……だけど!」


まゆ(0歳)『あー……うー』キャッキャッ


美優「まゆちゃんは、それ以上に……!」パアアアアッ!!

美波「魔力が更に高まって……!?」


美優『はい、まゆちゃん、Pさんとあそんで、たのしいですねー』

まゆ(0歳)『うー! ぱ……ぱ……』キャッキャッ

P『よーしよし、まゆは今日も元気いっぱいだなー』


美優「私や、Pさんに……たくさんの元気をくれたんです! 吹き荒れる風よ!」パアアアアッ!

真奈美「むっ!? いかん、美波!」バッ!

美優「ウィンドブラスター!!」ズドォォォンッ!!

美波「きゃっ!? この力は……」

瑞樹「やるじゃないミユミユ! 魔法少女パワー全開ね!」

美波「はいっ! ふじともちゃん、もりくぼちゃん……私に、新しい魔法少女の力を……!」



ふじとも「ガチャね! 分かったわ、もりくぼちゃん!」

もりくぼ「は、はいぃ……うんしょっ」


https://i.imgur.com/BBuVw5k.png


真奈美「そうはさせるか!」

瑞樹「ガチャの邪魔はさせないわよ! アイススピアー☆」ズドドドドドッ!!

真奈美「くうっ……!」ズザザザザッ!

魔物「ぴにゃああああっ!」

美優「させません! ウィンドシールド!」ズガガガガガッ!


もりくぼ「ミズキとミユミユが幹部を抑えているうちに……」チャリンチャリンチャリンッ!

ふじとも「急いでスタージュエルを入れないと……ええいっ!!」チャリンッ!



https://i.imgur.com/3iCfeMS.png


もりくぼ「ああっ、こんなときに……もうこの戦いの結末は見えたんですけど……」

ふじとも「ワンチャンあるわよ! えいっ!」


https://i.imgur.com/s9WyY37.png


<ステキナステッキ


ふじとも「よっし! 今回も大吉ね!」

もりくぼ「一安心なんですけど……」


https://i.imgur.com/HAwR3Vs.png


※※現在アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージでは、SRアイドル丹羽仁美のピックアップガチャが開催されています!※※


ふじとも「ミユミユの精神世界、枠空いてるかしら」スススッ

もりくぼ「同じ顔の魔法少女が並んでいるような気がするんですけど……」

美優「んっ……あっ、あっ! ダメッ……!」ビクンッ!

https://i.imgur.com/YBKa80M.png


真奈美「しまったっ!?」

美優「いきます、これが……私のマジカルパワーの全て……ストームディバイン……」ジャキンッ!!

美波「魔力砲撃……ぴにゃこら太!」バッ!

美優「バスター……!!」ズドドドドドドドドッ!!

魔物「ぴっ――」

ドガアアアアアアアンッ!!!!

パアアアアッ!

ジャラジャラジャラッ……

瑞樹「やったわ! ブサイクは倒したわよ!」

もりくぼ「出てきたスタージュエルは回収しておきませんと……」サササッ


真奈美「くっ、そんな……まさか今回の作戦が破られるとは」

美波「今回は私たちの負けですね……やっぱり、赤ちゃんになったハートフルままゆを直接襲えばよかったのに」

真奈美「それはたの結果論に過ぎないさ……認めよう、魔法少女たち。今回はキミたちの勝ちだ。また会おう!」シュッ!


美優「逃げられました……」

ふじとも「でも、ブサイクは倒したしこれでままゆも元通りになるわね!」

もりくぼ「これで戻らなかったら本当に番組終了の危機なんですけど……」

瑞樹「だーいじょうぶよ、まだまだ私もミユミユもいるんだから♪」

美優「……」

瑞樹「……ほら、美優ちゃん、帰りましょっか。元通りになったまゆちゃんが待ってるわよ?」

美優「……はい」

……
…………

――数日後、事務所


ふじとも(あれから、数日が経ったけど……)



P「はい、はい……わかりました。それでは明日改めてこちらから電話でご連絡しますので……」

まゆ「うーん……次のラジオで読むお便り、どれにしましょうか……」

瑞樹「これなんかどうかしら? 横浜でオススメする隠れたグルメのお店のメールとか」



ふじとも(まゆちゃんもすっかり元通りになって、事務所にはいつも通りの平和な日常が戻ってきた)



美優「みなさん……お茶が入ったので少し休憩してください」

瑞樹「あら、悪いわね美優ちゃん」

美優「いえ……Pさんもどうぞ、少しお休みしてください」

P「ああ、わざわざすみません……それじゃあ、頂きます」

美優「はい。どうぞ……ふふっ」

まゆ「なんですか美優さん……Pさんに色目なんて使って……一体、どういうつもりなんでしょうかねぇ……?」ゴゴゴゴゴッ!

美優「ひっ……な、なんでもありません……だ、大丈夫ですから……」

瑞樹「もー、まゆちゃんってば……赤ちゃんの頃のほうが素直でいい子だったのに……」

まゆ「赤ちゃん……? 何のお話ですかぁ?」

瑞樹「えっ!? あ、な、なんでもないわよ。気のせいだから……」

まゆ「まゆのPさんに手を出すなんて……許さない、許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」ブツブツブツブツ


ふじとも(まゆちゃんは赤ちゃんになっていたときの記憶はないみたいだけど……)

ふじとも(まあ、赤ちゃんになってプロデューサーにオムツ取り換えてもらっていたなんて知ったら、発狂してどうなるかわからないし)


もりくぼ『ま、丸く収まってよかったって感じなんですけど……』

ふじとも『そうねー。まゆちゃんも、もう少し今の状態でも可愛げがあればよかったのに』

まゆ『何か言いましたか? ふじともちゃん?』

ふじとも『あ、ううん。何でもないわよ、うん、ホント』


つづく

……
…………

『次回予告!』


まゆ「アイドルライブツアー?」

瑞樹「しかもお題目は……魔法少女!?」

美優「ある意味慣れてますよね、私たち……」


――魔法少女の劇に出演することになったアイドルたち。


トレーナー「いまの振り付けには違和感があるな。現状の演技のままでは魔法少女とは言えないぞ」

瑞樹「貴方、魔法少女にもなったことないのに何が分かるっていうのよ!」

まゆ「落ち着いてください、普通は魔法少女になることなんてありませんから」


――理想と現実のギャップを改めて痛感し、途方に暮れるアイドルたち。


瑞樹「もういっそのこと、いつも通りの私たちで演技してみるかしら?」

美優「そ、そんなことをすると……怪我人を出すだけじゃ済まないと思うんですけど……」

ふじとも「確実に死人は出るわね」


――果たしてアイドルたちは、ライブツアーを成功させることができるのか!?


『次回、魔法少女ハートフルままゆ第33話!』

『お仕事でも魔法少女!? アイドルLIVEツアー!』


まゆ「敵役に幹部の人たちにも声かけてみますか?」

もりくぼ「連絡先知りませんけど……」



『次回もお楽しみに!』


――
――――

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「なんだこの話……」ガタッ!

奈緒「なんだったんだ……今週の話は……」カチッ、カチッ!


『なんだ今週の話は……』

『俺もミユミユの子供になっておっぱい吸いたい』

『俺のおっぱいでいいなら吸っていいぞ』

『ミズキのでもいいぞ!』

『ミズキは座っててどうぞ』

『ミユミユのお山にむしゃぶりついてミユミユしてぇ……』

『ママァー!!』


奈緒「やっぱり……実況スレのみんなも混乱してる……話の大部分が子育てで終わったとか……しかも得たものは何もないし」

奈緒「……ま、まあ来週はちゃんとアイドルっぽいことしようとしてる話みたいだし、うん……次に期待しておくか」

奈緒「はぁ……寝よ。この30分は何だったんだ……」

……
…………

おわり


今回の話は女児向けアニメにありがちな、今の年齢よりも大きくなっちゃうor小さくなっちゃう、の回でした。
みんなもSR丹羽ちゃんを引きましょう! 今なら300回ガチャを回せば丹羽ちゃんを確実に何回でもスカウトできますよ!

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