凛「響子が椅子に縛りつけられてる……」 (38)


しぶりんと響子の誕生日のお話です(小声)

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8月10日 AM10:00


奈緒「おーい、りんー」

凜「あ、奈緒に加蓮」

加蓮「おはよー、それと、誕生日おめでとう」

奈緒「おめでとう!」

凜「うん。ありがとう」

加蓮「プレゼントは事務所についたら渡すね」

奈緒「2人でいろいろ探したんだ、きっと気にいってくれると思うぞ」

凜「へぇ。じゃあ、楽しみにしてるね」

加蓮「期待していいからね」

凜「……それにしても、今日は事務所が大変なことになりそうだね」

加蓮「まぁね……凜も響子も誕生日だし」

奈緒「凜は長いことアイドルやってるから仲いい人が多いし、響子はみんなお世話になってるからな……」

凜「ふふっ、なんだか部屋に入るのが怖くなってきた」

加蓮「誰かがクラッカー持って待ち構えててもおかしくないかもね?」

奈緒「一応私も耳塞いでおくか……」

凜「……扉、あけるよ」

加蓮「うん」

奈緒「いいぞ」

がちゃ

凜・加蓮・奈緒「おはよー」

卯月「あっ凜ちゃん!」

美穂「それに加蓮ちゃんに奈緒ちゃんも! おはようっ!」

響子「凜ちゃん! 加蓮ちゃん! 奈緒ちゃん! 助けてください!」

がちゃ



凜「ねぇ……私、疲れてるのかな」

加蓮「奇遇だね……私も響子が椅子に縛られてるように見えたんだけど」

奈緒「それに、響子を監視するみたいに卯月と美穂が隣にいたよな……」

加蓮「あの3人って、そういう爛れた関係だったの?」

凜「卯月は素直ないい子だと思ってたのに」

加蓮「私も美穂をあんな子に育てた覚えはないんだけどなー」

凜「つまり」

加蓮「あれは」

凜・加蓮「響子が望んでされてる……?」

奈緒「待て待て待て! どうしてそんなおかしな話になるんだよ!?」

がちゃ

響子「お願いですからー! 解いてくださいー!」

美穂「あっ響子ちゃん! あんまり暴れないで!」

卯月「縄のあとが残っちゃうから!」

がちゃ

凜「私、帰っていいかな」

加蓮「今日の主役なのに?」

凜「あんなインパクトの強いものを見せられたら主役になれる自信ないよ」

加蓮「シンデレラガールさまが珍しく弱音を吐くんだね」

凜「次のシンデレラガールは響子なんじゃないかな」

奈緒「りーん! 放心するなって! 戻ってこーい!」

加蓮「……本当にこの状況、どうしようか」

未央「あっしぶりーん! 誕生日おめでとー!」

凜「未央、おはよう。ありがと」

未央「奈緒も加蓮もおはよー! ところで、どうしてドアの前で固まってるのかな?」

奈緒「それは……」

凜「部屋の中の様子、見た?」

未央「部屋の中の様子? あぁ、きょうちゃんのこと?」

奈緒「そう! それだよ!」

加蓮「あれってどういう状況なの? 気まずくて入れないんだけど」

未央「あー、本人に聞いてみるのが早いんじゃないかな?」

凜「……また入らなきゃいけないの?」

未央「うん。……まぁあれは仕方なくやってることだし、入ろう?」

奈緒「仕方なく縛られるってどんな状況だよ……」

凜「……開けるよ」

がちゃ

響子「あっ凜ちゃん! 助けてくださいー!」

卯月「……っ!(左側から響子に抱きついている)」

美穂「……っ!(右側から響子に抱きついている)」



凜「……お邪魔しました」

響子「あぁっ待って凜ちゃん!」

がちゃっ

加蓮「今のどこが仕方なくだったの? 卯月と美穂は仕方なく響子を縛りつけて抱きしめてるの?」

未央「どうしてあんなことになってたんだろうね……あはは……」

奈緒「どうするんだよ……さっきまで以上に入りにくくなっちゃったじゃんか……」

凜「……もう一回開けてみる?」

加蓮「……チャレンジャーだね」

凜「だんだん響子がかわいそうになってきた」

未央「私もまさか抱きつかれてるとは思わなかったなぁ」

凜「……開けるよ」

がちゃ

響子「……(諦めの表情)」

卯月「……っ!(左側から響子に抱きついている)」

美穂「あっ響子ちゃんいいにおいする……」

凜「……」

加蓮「……」

未央「……」

奈緒「……なぁ」

美穂「っ!?」

加蓮「奈緒、見ちゃだめ」

奈緒「うわっ、いきなり目を隠すな!」

凜「やっぱり私たちは邪魔だったみたいだね」

美穂「待って! 誤解だから~!」

未央「今のはさすがに……」

凜「この後どうするか、作戦会議しようか」

がちゃがちゃっ

美穂(待って! 凜ちゃんちょっと待って! 開けてよ~!)ドンドン

加蓮「凜、開けちゃダメだよ。あの子は響子に満足したら次は凜を狙うから」

奈緒「なんだよそのゾンビみたいな設定!?」

未央「最近みほちーときょうちゃんの仲がいいとは思ってたけど、まさかここまでだったとは……」

加蓮「未央も気をつけなよ? 凜の次は藍子かもしれないから」

未央「えぇ!? あーちゃんまで!?」

凜「私はもう助からないんだ……」

奈緒「安心しろ、そしたら骨だけは拾ってやるから……」

凜「そしたら今度は私が奈緒のにおいかぐから」

奈緒「はぁ!?」

加蓮「凜だけずるい、私もー」

奈緒「ちょっ、2人とも抱きつくな! っていうか暑いから! 離れろって!」

がちゃ

未央「あっ」

美穂「あれっ、開いた?」

凜・加蓮・奈緒「あっ」

響子「……(縛られたまま)」

凜「それで、どうして響子は縛られてるの? 卯月も美穂も、冗談でそういうことするようには思えないんだけど」

卯月「それは……」

美穂「だって……」

響子「……とりあえず、縄を解いてもらえませんか?」

奈緒「それもそうだな」

美穂「それはダメ!」

加蓮「どうして?」

美穂「だって……だって、縄を解いちゃったら……」

美穂「響子ちゃん、みんなのお手伝いしちゃうから……」

奈緒「はぁ?」

加蓮「みんなのお手伝いしちゃう?」

凜「そんな理由で縛ってたの?」

卯月「そんな理由、なんかじゃないんですっ!」

未央「……まぁ、しぶりんの言いたいことは分かるよ。私も最初はそう言ったし」

凜「じゃあどうして止めなかったの」

未央「いやぁ……寮生の話を聞いたら納得しちゃってさ」

奈緒「寮生?」

美穂「そうなの! 響子ちゃんはいつもお料理してくれたりお掃除してくれたりするから、今日くらいはお休みしてもらおうと思ったのに……」

卯月「事務所についた途端に、『パーティのお料理の準備しなくちゃ!』って言い出したんですよ!?」

加蓮「あー、なんか想像できるかも」

美穂「だから、しょうがなかったんです!」

響子「しょうがなくないですよっ! 早く縄を解いてください!」

奈緒「……なぁ、さすがにもう解いてやってもいいんじゃないか?」

凜「うん。さすがにかわいそうだよ」

卯月「でも……」

響子「卯月ちゃん、美穂ちゃん……」

美穂「じゃあ縄を解いてもこの部屋を出ないって約束してくれる? 約束してくれたら解いてあげるね」

響子「……」

奈緒「えぇ……」

未央「約束できないんだ……」

美穂「じゃあやっぱり解けませんっ」

響子「そんなぁ~!」

奈緒「ま、まぁ、響子が料理したいって言うなら、させてあげてもいいんじゃないか?」

加蓮「そうだよ。今日は響子の誕生日なんだし」

響子「そうですよっ!」

美穂「ダメっ」

凜「どうしてそんなに響子に料理をさせたくないの?」

美穂「どうして、って……」

卯月「寮のみんなから、お願いされたんです」

凜「お願い?」

加蓮「あ」

未央「どうしたの加蓮?」

加蓮「響子が料理するのダメならさ、同じ誕生日の凜が代わりにすればいいんじゃない?」

凜「なにもよくないんだけど……」

奈緒「そういえば最近花嫁修業をしてるとかしてn……うわ待ってごめんってくすぐらなあははあはは!!」

未央「えっしぶりん花嫁修業してるの?」

凜「ちっ違う! あれはブライダルの仕事があったから雰囲気を掴みたくて……」

卯月「あの花嫁姿の凜ちゃんすごくきれいでした!」

美穂「うん、私もあんなお嫁さんになれたらなぁ……」

加蓮「あれ~、凜、顔が赤いよ?」

凜「……うるさい」

響子「そういえば凜ちゃん、あの後好みのお出汁は見つかった?」

未央「出汁?」

響子「うん、この間凜ちゃんにおみそ汁のつくり方を教えたんだけど、そのときに自分にあったお出汁を使うのがいいよって」

加蓮「へぇ~、おみそ汁、ねぇ」

卯月「凜ちゃんもお料理のお勉強してるんですねっ」

奈緒「凜も、ってことは卯月もしてるのか?」

卯月「はい! ……私は、ママに料理くらいできるようになりなさいって言われて教えてもらってるんですけど」

未央「ママむーの料理はすっごいおいしいから、しまむーもやっぱりおいしい料理をつくれるようになるのかな?」

奈緒「へー、卯月のお母さんって料理上手いんだ」

卯月「えへへ……でもママ、前に響子ちゃんの料理を食べてからすごい対抗心を燃やしてるみたいで」

響子「えぇっ!?」

卯月「卯月よりも若い子がこんなにお料理上手いんだから、私も負けてられない! って……」

未央「さすがママむーはPaだね……」

美穂「響子ちゃんだけじゃなくて卯月ちゃんもお料理上手になったら、私も頑張らないと、かなぁ……」

奈緒「別に無理しなくていいんじゃないか? 響子くらい料理上手になるって簡単なことじゃないだろうし」

美穂「そうだよね。でもやっぱり、将来お嫁さんになるかもって考えたら料理はできたほうが……!?」

加蓮「ところで、さぁ」

未央「どうしたの?」

加蓮「さっきっから凜が、ほっとした顔して黙ってるんだよね」

凜「……っ!?」

奈緒「確かにさっきっからあんまり喋ってないな」

卯月「……あっ! まだ凜ちゃんにプレゼント渡してなかった!」

未央「お祝いしてもらえなかったから黙ってたの~? もうしぶりんは仕方ないなぁ」

凜「ちがっ……そうだよ、みんな私のこと、そっちの気だったから……」

美穂「凜ちゃん……ごめんね?」

加蓮「うそ」

卯月「へ?」

加蓮「凜がそれくらいで凹むわけないでしょ? いや実は内心凹んでたかもしれないけどさ」

奈緒「じゃあどうして黙ってたって言うんだよ」

加蓮「そうだなぁ……ねぇ響子、凜にみそ汁を教えてるとき、凜がなんか言ってなかった?」

響子「うーん、なにか……?」

凜「私はなにも言ってないよ」

美穂「凜ちゃん、ちょっと目が怖い……」

未央「これはなにか言ってたやつですな~?」

凜「なにも、言って、ないから」

奈緒「こんなに黒いオーラ出してる凜も久々に見たな」

加蓮「ねぇ響子、思い出して?」

響子「えぇーと、なにか、ってなんだろう……」

凜「無理して思い出そうとしなくていいよ。そもそも私はなにも言ってないんだから」

卯月「こんなにむきになる凜ちゃんも珍しいような……?」

響子「あっ!」

凜「」ガタッ

奈緒「凜、落ち着け!」

加蓮「未央も凜のこと抑えて」

未央「了解!」

凜「離して」

美穂「あの……凜ちゃんが嫌がるなら、言わなくても……」

卯月「響子ちゃん、凜ちゃんそんな変なこと言ってたの?」

響子「え? ううん、全然変じゃないよ?」

響子「『やっぱり毎朝具は変えたほうがいいよね? 出汁も日によって変えたほうが、プロデューサーも喜ぶよね。ふふっ』って」

響子「凜ちゃんみたいなかわいくてきれいな子に思われてるなんて凜ちゃんのプロデューサーさんもしあわs……えっ待って凜ちゃん目が据わってるよ? くすぐっちゃダメあははあっはははは!!!!」

加蓮「……っ!」プルプル

奈緒「あははははは!!!」

未央「プロデューサーも喜ぶよねって! ふふって!」

凜「」

卯月「そんなに笑わなくても……旦那さまに毎朝おみそ汁を作ってあげるのって、その……憧れるよね」

美穂「うん……旦那さまが起きてきたらあと少しでご飯ができるところで、先に顔を洗ってきてねって言いながら最後の仕上げをして……」

加蓮「だ、だんなさま……っっ」プルプル

奈緒「あーもう無理だってあははははは! 凜が旦那さまって!」

未央「ふーん、アンタが私の旦那さま? ……まぁ、悪くないかな」

凜「もう、お嫁にいけない……」

凜「……」

奈緒「悪かったって」

加蓮「ごめん、さすがにからかいすぎた」

響子「お料理してるときの凜ちゃん、すごく楽しそうでかわいかったんだけどなぁ」

卯月「やっぱり旦那さまのご飯をつくってあげるのって、憧れるよね」

美穂「うん……やっぱり私も、お料理の勉強しなくちゃ」

未央「というより、ああやって膝を抱えて放心してるしぶりんはじめて見たかも」

響子「あの……ところで……」

卯月「えっ?」

響子「そろそろ縄、解いてほしいなって……」

美穂「あっ」

奈緒「さすがにそろそろいいんじゃないか?」

卯月「でも……」

未央「もういいんじゃない? たぶんそろそろみんな戻ってくるころだと思うし」

加蓮「みんな?」

未央「うん。響子ちゃんが縛られてる間、寮のみんなが料理してたから」

美穂「あれ、もうお昼の時間?」

奈緒「私たちがこの部屋に入るまでにだいぶ時間かかったからな……」

美穂「あはは……」

卯月「響子ちゃんの縄、解くね」

響子「うーん、ずっと座ってるのも疲れますね……」

美穂「ごめんね……?」

がちゃっ

ナターリア「待たせたナ!」

珠美「お料理ができましたぞ!」

杏「はぁ……疲れた」

きらり「みんなも運ぶの手伝ってー! 響子ちゃんと凜ちゃんは待っててにぃ☆」

紗枝「あら、凜はん? どうしはりました?」

凜「……なんでもないよ。なんでも。うん。お嫁にいけないなんてことはないから心配しないで」

まゆ「凜ちゃん、どうしたんですか?」

響子「あはは……」

未央「ささっ、しぶりん元気出して!」

凜「うん。……もう大丈夫」

李衣菜「あんなにテンション低い凜ちゃんはじめて見たかも……」

みく「なにがあったのにゃ……」

卯月「あっ、プロデューサーさんが少し遅れるから、先にはじめててって言ってます!」

ナターリア「プロデューサーも大変だナ」

加蓮「(旦那さま……っ)」プルプル

奈緒「(おい、みんなそのこと知らないんだから笑うなって!)」

蘭子「同胞よ、何に怯えている?(加蓮ちゃん、そんなに震えてどうしたの?)」

加蓮「え? あぁ別になんでもないよ? なんd凜ちょっと待ってくすぐらないであはははははは!!!!」

杏「……なんだ、凜もいつも通りじゃん」

みく「みくには目が据わってるように見えるけど……」

未央「あはは……さてしぶりんも元気になったところで、みんなでお祝いしよっか!」

「「「凜ちゃん、響子ちゃん、誕生日おめでとう!!!」」」

─────



響子「あっ!」

美穂「響子ちゃんどうしたの?」

響子「私、凜ちゃんへのプレゼントつくってないです! パーティが始まる前に準備しようと思ってたんですけど……」

卯月「えっ」

凜「響子はずっと縛られてたもんね。気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとう、響子」

響子「でも、でも~!!」

加蓮「じゃあまた凜に料理を教えてあげれば? 未来の旦那さまのたmあはははは!! 凜ごめんってくすぐらないであはははははは!!!!!」


 以上です。

 響子としぶりんの組み合わせもっと増えてほしい

タイトル以外全部凜になってますね……失礼しました

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