[デレマス]旧姓南条光の新婚湯けむり旅行 (41)

アイドルマスターシンデレラガールズ、南条光のR18SSです。苦手な方はご遠慮ください。

 硫黄の匂いに鼻をくすぐられると、温泉街に来た実感が湧く。

 視界の端で佇む総檜の旅館は風景にしっとり溶け込んでいて、歴史ある建物の風格というものを漂わせていた。

 十代の頃から仕事上外泊の経験は多い方だったけど、今回ほど趣深い宿を借りるのは初めてかもしれない。

 赤らんだ紅葉と侘び寂びが効いた玄関が形作る光景は和国情緒に溢れていて、心の洗濯には最適の環境だ。

 そして、リラックスした状況下でこそ創作が――例えば作詞が――捗るのは定説。

 最高の贅沢を味わいながら無敵の歌詞を創り出し、アタシなり依頼してくれたアイドルなりを通じて発信されるのが楽しみだ。

 聞いてくれた子供たちが笑顔になる瞬間を思うと、もう居ても立ってもいられない。

 反射的に内ポケットのノートを取りそうと手を伸ばし――太くがっしりした腕に掴まれた。

 ミュージシャンと作詞家の仕事を忘れられないアタシを咎めたのは、旅館を紹介してくれたプロデューサーさん。

 苦々しい表情をして、今日ぐらいはくつろぐべきだと諭してきた。

 まぁ確かに、ようやく取れた長期休暇だし、何よりせっかくの新婚旅行。

 何時でも公に恥じない自分であろうとしてきたが、今ぐらいは仕事を忘れるべきかもしれない。

 納得してノートを仕舞いつつ、彼と共にここへ訪れた感慨に耽った。

 アタシ、旧姓南条光は、新人時代より面倒を見てくれていたプロデューサーさんと、この度籍を入れることにした。

 出会いは中学生の頃。ヒーローショーを観劇してたある日、彼に「アイドルの舞台で戦わないか」とスカウトされたのだ。

 出会った頃は黒ずくめのスーツ姿が不審で、誘拐犯か何かかと身構えたものだが。

 憧れの特撮ヒーローの主題歌を歌える可能性に気付いたのを切っ掛けに、アタシは人前で歌う道に足を踏み入れた。

 かくして仕事に挑戦し、パートナーに支えられ、ときに励まされてるうちに名字が変わっちゃったのだから、今から思うと不思議なものだ。

 目の前の事態に必死だった頃の自分に「芸能界での相棒が、四クールどころじゃない一生の相棒になるんだぞ」なんて言ったところで、きっとピンとこないだろう。

 ……努力を尽くしたが、結局背が150センチを越えられなかったことなんて、全力で拒絶されるだろうし。

 当時のアタシはアイドルなのに、女子らしさだの恋愛だの、浮ついたことなんて歯牙にもかけていなかった。

 小さな子供に夢と希望を歌うヒーローアイドルという趣旨で働くのが楽しすぎて、それ以外をおざなりにしていたんだ。

 仕事が楽しいのは、結婚を契機にミュージシャンに転向した今でも変わらない。

 ホビーアニメの主題歌の作詞を担当したり、LIVEに参加したり、声のお仕事にも挑戦してみたり、生活は非常に満ち足りている。

 ……そう、夢中になると視野が狭まる悪癖を正すこともなく、アイドル時代よりも充実した活動をしていたのがまずかった。

 せっかく二人同じ家で過ごすようになったのに、新婚旅行すら行ってなかったのだ。

 オフを一致させられても、お互いそれなりに責任というものがあるから、スマホが一鳴きしたらオフは返上するしかない。

 このままでは夫婦らしく過ごす前に、年金を気にする時期が来る――慌てて計画を立て、お互い周囲に根回しをした。

 高校生の頃からアパレル経営をしてたアイドル時代からの同僚に知恵を借りて職場を説得し、今日ようやくここに到着した。

 納豆のように粘り強い交渉の甲斐あり、期間は破格の二週間。

 ここでしっかり体を休ませ、夫婦の仲を深め、会えなかった期間の埋め合わせをしないと。

 使命感に似た情熱を燃やしつつ入館すると、三名の女将さんたちが膝を突いて出迎えてくれた。

 宿の手続きを済ませ説明を受けて、それから部屋に案内された。

 敷地内の離れにあるその部屋は格式高く、この旅館にはこういう建物が幾つかあるらしい。

 一棟につき一組の宿泊客が利用する豪勢な仕組みは、家族水入らずの時間を提供する為に徹底されている。

 サービス心は館内用の着物にまで行き届いていて、吸い込まれるような着心地がまるで真心を皮膚で味わうよう。

 まだ休みの初日なのに圧倒されて、お湯に入る前に腑抜けそうだ――とそこまで思って、交通機関を乗り継ぎ荷物を運んできたことによる汗が気になってきた。

 早速部屋風呂を堪能しようかと考えていたところ、プロデューサーさんが先手を打ってきた。

「この旅館、露天風呂が売りだそうだぞ。
 今の時期は紅葉の盛りで、多くの作家もインスピレーションを受けたんだとさ」

 遠回しに提案されて、心臓が高鳴った。

 確かに露天風呂の評判は伺っているし、それを楽しみにして選んだ面はある。

 ……けれどこの露天風呂は混浴で、一応タオルを身につけることは許されているが、肌を見せることは避けられない。

 水着グラビアなりLIVE衣装なりで露出する機会はあったが、公に披露するのと二人きりで見せるのは話は別だ。

 とはいえステキな景観を一緒に味わうのは間違いなく楽しいだろうし、何よりせっかく夫婦で訪れたのだ。

 羞恥心を慣れで克服し、旅の終わりを飾る思い出に最後まで取っておくつもりだったのだが、まさか今日いきなりとは。

 後なのか今なのかの違いだけだと自分を宥めて部屋を離れ、渡り廊下を優しく手を引いて貰いながら通過し、脱衣所で分かれて何度も迷いながらも支度。

 意を決して突入した浴場では、プロデューサーさんは既に身を清めてお湯に浸かっていた。

 体を洗って泡を落とし、足先からゆっくり湯に差し込む。温められた踝がじっくり弛緩し、酷使された筋肉から錆が落ちる錯覚を覚えた。

 肩まで浸かってしまえばもう上がりたくなくなっていて、長い息を吐きながらプロデューサーさんの横に寄り添い、眼下の光景を堪能した。

 スカウトされて十二年、お付き合いを初めてから十年かけて、ついにここにたどり着いたのだ。

 万感の思いが頬へ零れそうで、一方のプロデューサーさんは少し浮かない顔をしてる。

 理由は単純で、アタシが体にタオルを巻いているからだ。

 タオル入浴が許されてるとはいえ、夫婦で入るのにこの格好は他人行儀かもしれない。

 ……自分でもそれをわかっているけど、どうしても踏ん切りがつけられなかった。

 夫婦で温泉宿に泊まることの意味ぐらいもう二十六だから知ってるが、そこでする、所謂男女の秘め事というものに関してどうしても拒否感が否めないのだ。

 そんな潔癖じみた性分のせいで、パートナーに苦労を強いてきた自覚はある。

 眉唾かもしれないが、一般的なカップルは付き合ってから二週間目、三回目のデートにて肉体関係を持つものらしい。

 にもかかわらず、高校生の頃は『未成年だから条例の問題が』と諦めてもらい、大学時代は『学生の本分は勉強だ! 今が大事!』と断り、卒業したら『婚前交渉は不道徳』とかはねてしまって。

 籍まで入れたのに今度は「仕事が忙しいから!」と言い訳して、清い関係というのを保ってしまった。

 断る度に彼が浮かべる、弱々しくしょんぼりした表情が忘れられない。

 男の人にとってエッチとはとても楽しいことだろうに自分の都合で後回しさせて、挙げ句結婚の餌のようにしてしまったのだから、アタシは詐欺師と何も変わらない。

 セックスレスはカップルが破局する大きな要因の一つだそうだし、今日まで捨てないでくれていた相棒に感謝と申し訳なさが尽きない。

 なのに肌を男の人に晒す勇気を持てないでいて、鳥肌が立つほど落ち着かない。

 身を堅く持ちすぎてしまった理由は、貞操義務を遵守したい以上に怖いから。

 そのくせ、ヒーローを気取ってステージに立つときは夢だ正義だ偉ぶって、アタシはあと何人を裏切るんだろう。

 好きとは言えるくせに自分を見せることは出来ないだなんて、自分の十二年はなんだったのか。

 わがままで勝手で嘘吐きで臆病で、体面ばかり気にしてる仕事中毒な自分が、卑小で惨めに思えて仕方ない。

 幸せの天辺から気まずさのどん底に落ちて、隣の男を直視できない。

 風景を主に見つつ、たまにちらりと視線を向けるような、不振な目配せばかりしてしまう。

 自分よりずっと大きい体は堅く締まっていて、正に男性の体といったもの。

 長く逞しい腕は筋肉質で、自分の腕と見比べてしまう。

 実は腕相撲とかならば、時々勝てたりするけれど……しなやかさや丸みが目立つ女の腕と、岩みたいな男の筋肉の違いを実感させられる。

 逞しい肩や分厚い胸板まで見て、反射的に生唾を飲み込んでしまう。


 挙動不審に裸体を眺めてるうちに男性器が目に入って、頬の筋肉が強ばった。

 子供の頃に父さんと入浴した際性器を見たことはあるが、黒い色はともかく、もっと慎ましく萎縮していたはずで、臍に張り付きそうなほど隆起してはいなかった。

 殆ど裸の奥さんと一緒にいるせいで性的興奮を覚えて、……勃起してる、ってことだろうか。

 アイドルは女性性を売る仕事という側面がある。そういう目で見られることもあるというのは、気分がいいとは言い難いが承知してる。

 とはいえ身近な彼に劣情を向けられるのはまた違っていて、一見風景に夢中なフリをしてるプロデューサーさんの胸中で獣じみた欲望がぐらついてると思うと、背筋をくすぐられた心地がした。

 風呂上がりになれば一切手加減されなくなるのだろうと想像すると視界がぐらつく。

 思わず体を強く抱くと、おっぱいがぎゅむっと形を変えた。

 スカウト時は周囲よりほんの少し大きい程度この胸は、高校に入ってから急に成長期に突入し、気づけば手で掴みきれない大きさに育っていた。

 その時期受けたグラビアの仕事で、爆乳だのロリ巨乳だのムネに勇気いっぱいだとかやたら煽情的な煽り文句を付けられたことを思い出すと、今でも顔が熱くなる。

 良い子のお父さん層というファンを楽しんませる挑戦として乗り越える価値があったと今なら言えるが、湿った目で見られることに慣れられるわけがない。

 TPOを守る紳士然とした態度を装いながらも、彼はアタシを舐めるように見てくる。

 撓んだ乳房の谷間、鎖骨、白い腕、お尻の皮膚が眼孔で炙られ、お湯の鎧に守られてるはずなのにじくじく痛む。

 丸い曲線をなぞるように視線が這って、頭がパニクって働かない。

 ムネと同時期に肉付き始め、大きくなってしまったのが気になったお尻。

 最初は太ったのかと思ってスクワットや走り込みを増やしたが、結果的には逆効果。

 広報を兼ねて筋トレの成果をネットに上げていた時期があったのだが、「プリケツで抜いた」「毒ぴゅっぴゅっタイム」「五人産んだあと追加戦士二人までいけるHero尻」だの好き放題言われて、使い辛くなってしまった。

 いくら直接顔を合わせないとは言え、よくそこまで言えるものだ。

 性的な視線に晒されたときの、肺の奥で冷たい炎が気管を燻すような焦燥を、仲間たちはどのように乗り越えていったんだろう。

 魔性の女といった形容を欲しいままにしていた仲間は、「そうやって魅了するのは楽しいものよ。望まれる偶像を」云々と言っていた。

 当時の彼女より年上になってもその境地は遠く、そんな低レベルな女が男の熱をじわじわ教えられて、到底正気じゃいられない。

 あの日アタシを慰めてくれた大人が、オトコの粘った目を向けてくる。

 誰にも渡せない獲物を見つけたような、切羽詰まったどろどろの視線。

 狩りの対象にされた恐怖に脅かされ、自然、手足が竦んでしまう。

 しかし同時に、逃げたくない、とも思わされていた。

 どっちなんだろう――体が熱く、心音がバレそうなぐらい強く高鳴り、近くにいられない、けどもっと隣にいたい。

 矛盾を処理しきれなくなって、このままプツンとショートしそう。

 湯と雰囲気にのぼせる恐れを覚えて風呂を切り上げ、先に母屋に向かった。

 しばらく待ってから合流し、美味しい食事に舌鼓を打ち、ほんの少しお酒の力を借りたお陰で、彼との空気はだいぶ改善した。

 飲み会や打ち上げがアイドル時代から好きじゃなかったが、こんなに楽しく酔えるのなら好きになれるかもしれない。

 ……そんな明るい雰囲気のまま、一日が終わる筈もなく。

 歯磨きを済ませて向かった寝泊まりする離れには、布団が一枚だけ敷いてあった。

 一人用にしては敷き布団と掛け布団が異常に大きく、にもかかわらず枕は二つ。

 一人では眠れない二人にしか使えなさそうなこの布団は、言うまでもなく夫婦用だ。

 見渡した寝室は薄暗く、わずかな蝋燭型間接照明のみが光を放っている。

 モノの輪郭が朧気になる穏やかな部屋は、現実感が溶け落ちたように幻想的だ。

 世間から隔絶された静かな部屋に居るせいで、アタシと彼だけが世界の住民になったように錯覚しそうになる。

 僅かな足音が悪目立ちして、何気ない言葉ですら意味深な雰囲気を帯びそう。


 自然に心音がとくとくと加速し、息を上手く吸い込めない。

 鼻から深呼吸を試みて、部屋が独特な香りに包まれていることに気が付いた。

 旅館の方がサービスとして焚いてくれただろう、雨後の森に似た木の香りは新鮮で、違った時代に紛れ込んだような非日常感。

 呆けていると不意打ちで腰を抱き締められ、上擦った声が喉をついてでた。

 反射的に見上げた横顔は精悍で、思わず文句ごと息を飲む。

 プロデューサーさんの喉仏もまた上下していて、ごく、と重たい溜飲が響いた。

 二人のプレッシャーが部屋に張りつめて、蛇睨みされたように身動きがとれない。

 ……けれど厚い手に強く触れられて、緊張と同じぐらいの安心が湧いてきた。

 不安だったのは自分だけじゃないとわかって、少しだけ気が楽になったんだ。

 これからすることへの抵抗感が無くなるわけじゃないが……多くの困難を、何時だって二人で乗り越えてきたんだ。

 これからもこの人と一緒に、戦って立ち塞がる壁を乗り越えていきたい――心の訴えに従い、胸元に自分から飛び込んだ。

 友情と信頼を確かめるLIVE後の習慣に、こんなにも勇気が必要だなんて。

 おっかなびっくりと触れた胸板は、硬質に締まりながらも弾力に満ちてる。

 隆起した筋肉は頼りがいがあり、この逞しさに守られていたことを実感する。

 そっと撫でるだけでピクピク震える様が、頭をすり付けたいぐらい愛おしい。

 顔を近づけると微かに汗が薫って、産毛が逆立って手足が硬直する。

 急に頭を撫でられたりして、びくっと身じろぎするので精一杯。

 プロデューサーさんのごつごつした手が、頭蓋骨の形を確かめるようにゆっくり揉んでくる。

 ざらざらした長い指が地肌を撫ぜ、髪を優しく梳いてくれてる。

 浮き足立ってるときに髪を宝石みたいに扱われると、愛玩動物として躾られてるみたい。

 どうしてかイヤではなくって、もっとじっくり温められたい。

 丁寧に愛撫して貰ってる髪は、昔綺麗だって誉められたアタシの自慢。

「アクションやシャウトに併せてたなびくとカッコいい!」という商売道具としての理由以上に、ケアに気を配った大事なものだ。

 シャンプーの広告だってしたぐらい磨いた代物だが、どうだろう、綺麗になれてるかな。

 さらさらと髪の隙間を通す手つきからして、まだ好きでいてくれてるみたい。

 大事に扱われてる実感が頭皮に滲み、気を抜いたらクセになっちゃいそう。

 密着したまま優しくされて、増していく汗の匂いまで直に嗅がされて。

 サウナに入ってるみたいに体が火照り、視界が陽炎のように霞んできた。

 空に放り出されたような感覚が不安で、力を込めて男に縋りつく。

 背伸びして胸板に頬をすり付けると、おっぱいがむにゅんと大きく撓んだ。

 ムネが気になるプロデューサーさんには、柔いモノを押し付けられるのは刺激的らしい。

 腕により力を込めて腰を抱き寄せ、手形がつくぐらい強くお尻を掴んできた。

 背中と下半身を長い腕に縛られて、もう絶対に逃がさない執念がねちっこく流し込まれてる。

 ごつごつした掌が痴漢みたいで、服越しでも火傷しそうなぐらい熱い。

 LIVEの熱気とは全く質が違う、へばりついて溶け落ちるような情熱に晒されて、アタシはただ翻弄されていた。

 ショートした思考で考え無しにじゃれあっていたら、当然着物が着崩れてしまう。

 帯が解けかけ、肩も鎖骨も谷間も丸出しになって、気付けば人前に出られない格好になってた。

 着直して肌を覆いたいが逃避は許されない。丸裸にされて、舐められたりして、もっと恥ずかしい目にこれから遭うのだから。

 唇を噛み締めて見上げた先には、大事な大事な相棒の貌。

 すっと通った鼻筋が美しく、見てるだけでエネルギーが湧いてくる。

 そう一瞬見惚れた隙を、ヒーローをよく知る相棒が見過ごすはずがない。

 いきなり不意打ちキスをかまして、上唇をちゅうちゅう吸ってきた。

 いきなり、と言っても一切イヤでは無いし、身構えられなかったわけでもない。

 長年共に走り続けたからこそ、何がしたいのか目を見れば簡単に気付く。

 ……だからこそ、プロデューサーさんの欲望からは逃れられない。

 長年堆積して言葉にもできないほど強まった肉情を真っ正面から叩きつけられ、どうしようもなく身が竦んでしまう。

 このまま流されたら絶対に酷いことになるから、行動して自分の意見を出さないと。

 けど、どうすれば示せるのかわからないし、何を示したいのかもわからない。

 まごついている間に、帯から衣擦れの音がしゅるり。

 瞬く間に着物が肌を滑り、下着姿になってしまう。

 蝋燭の火がくゆる静かな和室に、男の溜息がいやらしく響く。

「その下着はなんだ」って聞かれても……準備していたものとしか言いようがない。

 幻滅されない程度には可愛いのを探してきたつもりだけど……も、もしかして似合わないか?

 体を腕で抱いて、白フリルが装飾過多な黒下着をぎゅっと隠した。

 聞いた話によると、こういう夜には勝負下着っていう戦衣装を装着して挑むべきらしい。

 ランジェリーショップに行くのは恥ずかしかったが、かといって自分の都合で待たせたプロデューサーさんをガッカリさせたくもなかった。

 少し派手で煽情的なモノを選んだのは、開放的な気分で二週間共に過ごすことで生じる慣れに期待したからで、このタイミングで戦線投入するつもりは無かった。

 混浴に誘われてまさかと思って、保険のつもりで着たけど……まさか、予感が本当に当たるだなんて。

 いつもは飾りっ気なの無いスポブラとかで、常日頃からこんなのは着ないし、まかり間違っても自分のことをふしだらな女扱いしないで欲しいっていうか。

 ……いや、今の無し、アタシの下着事情なんて――

 弁明を言い終わる前に肩を掴まれ、優しく布団に押し倒された。

 ランジェリーなんてアタシには不格好だと思ってたが、プロデューサーさんには必殺技並に効いたらしい。

 エッチ以外に用を為さない下着の女を組み敷いて、必死の形相で睨んでる。

 短い呼吸を繰り返す様は、最早深い傷を負ったケダモノ。

 ブラジャーを脱がそうとする骨張った指には雄の性欲が滲んでいて、飾りより中身が大事と言いたげで余裕が無い。

 せっかく選んだ下着が剥かれて、カップからゆんと乳房が零れる。

 アタシにとってはアクションを阻害するお荷物を、プロデューサーさんは射抜くように凝視している。

 生唾が喉を滑る音が聞こえるし、そんなにずっと見たかったのか。仕事中もオフのときも、服の下の乳房を想像していやらしいことを考えていたんだろうか。

 今までみた中で一番熱い視線を吸って、乳頭に血が上って固くしこる。

 お姉さんアイドルや早熟な娘相手には少ししどろもどろになっちゃうのを何度か見たことがあるので、彼に巨乳嗜好があることは知っている。

 それでまあ少しだけ、ほんの少しだけ胸がチクっとすることもあったが……所詮昔のことだし、今はアタシも慌てさせる立場だ。

 動き辛くて重たいが、よりアタシを好いてくれるなら無碍にはできない。

 そうしてスキンケアにも気を使ってきた乳肌が、ギラついた肉欲に晒されている。

 生殖対象として賞賛されてるみたいで、ただでさえ足りない脳味噌が沸騰して吹き零れそうだ。


 胸元から乳腺を撫でる手付きが、じっとりしすぎでまるで痴漢。

 乳首を柔く擦る手つきがもどかしく、むず痒くて正気じゃ居られない。

 普段なら暴力に訴えかねないぐらいスケベなのに、プロデューサーさんならイヤじゃない気がするというか……自分の体に夢中になって貰えて、なんだか楽しいかもしれない。

 ヘンタイなことをされて制止できなくて、まさかアタシもヘンタイなのか。

 変な気持ちにさせられて高められてると、彼の手がショーツに触れてくる。

 クロッチと太股の隙間を中指がこじると、果物が潰れる水音が鳴った。

 初めておまんこを好きな人に弄られて、下半身から脊髄に電気が走る。

 唇を引き結ぶ力が麻痺させられて、情けない声が我慢できない。

 きゃあ、とか、まって、とか、こんなの命乞いしてるみたいでみっともない。

 潤滑液が染み出たショーツは、最早粗相したより凄惨な有様。

 ぐっしょりと水を吸って重たく膨らみ、いかにも雌っぽい生臭さを漂わせてる。

 いくら生理反応とはいえ、お水を漏らすのが我慢できなくて恥ずかしい。

 ちょっと弄られるだけでだらだら液を吐いて、こんなに水が出るなんて普通じゃない。

 下半身の感覚がまったく朧気で、おしっこしていない確証が持てない。

 誰だってこれぐらい愛液が分泌されるものなのか、それともアタシがそういう体質か。

 感じ易いエッチな奴だと、幻滅されるのは絶対にイヤだ。

 夫婦仲睦まじくするぐらいなら許容範囲だが、依存症の人みたいに浅ましくなるなんて、それだけは。

 克己心はもう風前の灯火で、豆みたいな凸部を指先でぴんっと弾かれただけで、一瞬だけ意識の明かりが消えた。

 鋭くて甘いマヒが腰に刺さって、きゃああっ、と反射的に甲高い悲鳴。

 足が不随意にまっすぐ突っ張り、筋肉が勝手にヒクつき続ける。

 たぶん、クリトリスとか言うところを刺激されたんだと思う。

 唇を噛みしめて半分は声を抑えられたが、もう半分で弱点には気付かれた。

 自分でも知らなかった弱い部分を、人差し指と親指に挟んでゴシゴシされた。

 指の腹に押し潰されると快感が迸り、呼吸が強制的に止められる。

 染み出た愛液がお尻まで滲んで、生温くて怖いのに拭うことも出来ない。

 カラダの一部分をグニグニされてるだけで、カラダの支配権の大半が奪われていた。

 意思を離れて湿った陰唇に、クロッチがぴったり張り付いている。

 局部を隠す機能を失してしまって、これじゃ欲情を煽るだけなおまんこの飾り布。

 下着から失格した布を膝まで下ろされて、覆われていた大陰唇が露わにされる。

 エチケットとして毛は整えてるが、変な形とか思われないだろうか――不安は、たった一本指を押し込まれるだけで簡単に掻き乱された。

 くちゅっ、と小さな水音と共に入り口の辺りから、猛烈な異物感が攻め込んでくる。

 繊細な粘膜を指腹でこじられて、足が過敏に震えてしまった。

 アクションで少し怪我するぐらいは多々あったが、体の中を弄られるのは初めてで、下手に動いたら傷ついてしまいそう。

 血が出たら不安だが、脆い部分を守ってもらってる安心も感じるし、もっと自分を知って貰いたい――指が蠢く都度変わる感情が処理しきれなくて、脳回路が焦げ付いて煙が上がる。

 触って欲しい気持ちと共に掻き出された蜜が、垂れ落ちてシャバシャバと薄くなってる。

 自分の体が自分のものじゃなくなる感覚に、シーツを掴みながら悶えてばかり。

 深く息を吸えないぐらい手一杯なのが、彼にとっては面白いらしい。


 指を一本また一本と増やして、筒をどんどん掘り広げてくる。

 虐められて高められるのは、頭で糸が張りつめるような感覚で――この糸が緊張のあまり途絶えたら意識が途絶えるのか、もしかしたら死んでしまうんじゃないか。

 元に戻れない形に作り替えられる凄まじい恐怖を、主人はわかってくれてない。

 奥さんを嬲り倒して限界まで昂奮して、絶対に越えちゃならない一線の向こうへ追いやるつもりらしい。

 着物を脱いで全裸になって、隠されていた男性器を丸見えにした。

 薄明かりに照らされた部屋では色形が朧気で、けどそれが長大なことはわかる。

 お風呂のときよりも頭を上向けて、狩りがもう待ちきれない様子。

 大好きな人見せつけられたオトコの生殖器は、怪獣と形容するべき危険物だった。

 今まで砂糖の人形を扱うように触れてくれてたときも――いや、一緒にお仕事をしてきたときですらも、服の下ではアレがギラついていたのか。

 もしかしなくても今後一生、あれに体を食い散らかされるんだ。

 逃げたいと一瞬思ってしまうが、脚が子鹿のように震えてる。

「大事な人から逃げるな」「また逃げたら本当に嫌われるぞ」と責任で鼓舞して、それでも怯えが振り払えない。

 その一方、今以上に感じさせられるかもしれない淡い期待も抱き始めていて、もう自分が自分でわからない。

 今までヒーローアイドルと言って精一杯磨いてきた矜持すらかなぐり捨ててぴいぴい泣きそうになる前に、彼はコンドームを着け終えた。

 腫れぼったい感触が膣腔に触れて、背筋が収縮してびくんと強ばる。

「力を抜いてくれ」と指示された通り深呼吸すると、穂先がめりめりっと沈み込んできた。

 内蔵を熱いモノに押し上げられる侵入感に、思わず息が止まってしまう。

 亀頭が半ばまで潜ったとき、処女膜がついにぷちんと破けた。

 じんと目尻が熱くなったが、想像してたほどのダメージは無い。

 大慌てなのはプロデューサーさんで、膣から垂れ落ちた血を見てあたふたしている。

 我に返ったかのような雰囲気で、「痛くないか」「今日はここまでにしておくか」とか、気遣いってくれてる。

 ここまでしておいて勝手なことを――と思わなくもなかったが、いつもの態度のプロデューサーさんを見て、これまでの不安が嘘みたいに萎んでいった。

 彼の首に腕を絡ませ、密かな声で本心を告げる。

 痛いけど、怖かったけど……もう平気。

 今まで待たせてごめんなさい。

 ゆっくりなら大丈夫だから……一緒に、頑張って、……くれる……?

 体を芯から貫いてる体温が、不安を乗り越える勇気を分けてくれていた。

 気持ちを伝え合いながら暫し密着し、結合部の順応を待つ。

 膣肉が竿にぴったり張り付くまで馴染んでから、彼はゆっくり腰を揺すり始めた。

 抜き差しと言うより押し込むような動作は、こちらに気を配ってくれてるのだろう。

 念入りに愛して貰ったお陰でもう痛みは感じないし、むしろほっとするぐらい心地よい。

 まるで繭の布団に包まれるような、暖かいお風呂に浸かるような――膣内が押し広げられる度に言い表せない快美感が背筋を駆けて、心もカラダも緩められていく。

 鼻水、涎、汗と涙。分泌の抑えが利かなくなって、顔がべしゃべしゃに崩れてしまう。

 口を半開きにして熱い息を漏らす情けない姿を、暗いから見られずに済んでるだろうか、この距離じゃ隠しきれないだろうな。

 頼れる相棒の前でこそ強いアタシでありたいのに、もう絶対に気付かれている。

 被虐的な空想で胸奥が疼き、膣壁が奥へ向けてきゅうっと窄まる。

 初めて男を受け入れた女性器が、恥ずかしいぐらい必死に男性器を絞ってる。

 破瓜の血と増していく愛液が攪拌されて、ぷぴっぷぴっと弾ける猥音。

 潤滑液が摩擦を減らしてる証拠だが、このおまんこは出し入れしやすいんだぞって喧伝してるみたい。

 実際に性器はすっかりほぐされ、みちゅみちゅ伸び縮みして彼を受けとめている。

 だんだん勢いを増す送抜を見るに、彼はアタシの穴を気に入ってくれたらしい。

 言葉を減らして血眼になって、何十合と膣奥をコスり続けてる。

 自分の体の中にこんな、オトコを気持ちよくしごく以外には使えない襞があるなんて。

 はしたなくって仕方ないが――夢中になるぐらい気持ちいいなら、もっと使って欲しい、かも。

 愛しさを覚えたら視界がパチつき、脳が物理的にパンクしそう。

 振り落とされそうなほど速い彼にぎゅっとしがみつき、カラダの異変を必死に伝える。

 おねがい、とまって、変なんだ。

 頭スパークして、燃えちゃいそうで……死んじゃうよ、気絶しちゃうよ。ね、休みながらしよ、ね?

 大事なことなのに口がちゃんと回らず、勝手に舌っ足らずな口振りになる。

 あわれっぽい懇願を聞いて、プロデューサーさんの眼が磨り硝子みたいに曇った。

 命乞いは全くの逆効果で、おちんちんを子宮付近まで押し込まれてしまった。

 太い肉の棒が奥まで差し込まれ、お尻から汗がじっとり滲む。

 筋肉の力が奪われていくように腑抜けて、気張れなくなったカラダがスライムになりそう。

 何をするんだと聞いてもプロデューサーさんは答えてくれない。

 気持ちよさに翻弄されてバカになっちゃいそうなお嫁さんっていうのは、彼の趣味に合致しすぎてるみたい。

 膣腔が突っ張る感触がして、おちんちんが根本から膨らんでいるのがわかる。

 ぐりぐりと熱い亀頭を押しつけられると、胎がきゅんきゅん収縮する。

 赤ちゃんのべっどを捏ね回されて感じるなんて異常なのに、部屋に響くぐらい甘ったるく鳴いてしまう。

 みっともなく弱点を告げてしまえば、追い込まれた戦士に勝機はない。

 特に敏感な子宮口側面を、小刻みにごしごし摩擦してきた。

 弱点をしつこく貫かれながら光、光って名前を忙しなく呼ばれると、胸で何かが弾けそう。

 太い腕でカラダを包み込まれて、心が彼の中に溶け墜ちてしまう。

 たっぷり女の子扱いされながら一番奥深くに重たいものを突っ込まれ、「愛してる」と囁かれた瞬間、許容範囲を遂に越えた。

 狭まっていた視界が急に開けて、眼前で万華鏡が輝いてきれい。

 空を飛んでいくような錯覚に襲われ、手足が無意味に宙を掻く。

 だめ、だめ、きゃ、あぁあーっっ……! って喉を張り上げて叫ぶ自分に、まるで現実味を感じられない。

 朧気な認知力の中で気づけるのは、自分と彼と性器だけ――奥深くまで先端を抉り込ませて、息を吐きながら静止している。

 これはきっと、射精してるってことだろう。

 何回もおちんちんが摩擦されて、気持ちよくなって精液を噴き出したんだ。

 膣内でどくどくと力強く脈打ち、どろっとしたものが流し込まれている。

 ゴム一枚隔ててる筈なのにあつあつでどっぷり重くて、フワついた意識が地面に帰れない。

 どっと押し寄せる倦怠に身を任せるのがあまりに甘美で、のしかかってる恋人のぬくもりがもっと欲しくなってしがみついた。

 汗だくのカラダが密着しあうと、肌がべたべたして離れ難い。


 獣臭くて汚いはずなのに、体液と体温が混ざり合うと酷くほっとする。

 乱れた呼吸音まで重なり合って、ひゅーひゅー喉をする声のどっちが自分の息かわからない。

 彼の吐気をアタシが吸って、自分の吐いた息がプロデューサーさんに吸われて――それを思うだけで心臓が破裂しそう。

 やがて心音もシンクロし始め、自他の境界線が弱まっていく。

 このままずっと融解しあって、一個のモノに成り果てたい――羞恥を堪え、相棒の助けを借りて成し遂げたセックスは、血が酸っぱくなるほどの多幸に満たされたものだった。

 魂が虚脱に飲まれるまま眠りに落ちたかったが、コンドームの仕様上そうはいかない。

 プロデューサーさんは身を重たそうに引きずり、膣腔から竿を引き抜いた。

 つゆだくの女性器がねちねちと開かれ、奥にぽっかりと隙間が残る。

 差し込まれるときはあれだけ抵抗があったのに、抜け落ちると何か物寂しい。

 ごぽぉっと愛液が掻き出される音が、何処か遠くに聞こえてしまう。

 散々胎を抉った乱暴者の先端は、延びきったコンドームに包まれている。

 中腹がブクっと太ったゴム袋の中身は、おまんこで気持ちよくなって出た彼の体液。

 おちんちんが沢山刺激されるほど脈打ち、より多く射精されるって噂は聞いている。

 聞きかじった知識による想定を遙かに越えた液量に鑑みるに、どうやらアタシの肉体を随分楽しんでくれたみたい。

 下手すれば赤ちゃんができちゃう危険な代物だが、見方を変えれば役立てた証拠。

 男をカラダで満足させて絞り出した成果を可視化されて、不思議な達成感に満たされた。

 成し遂げたことを喜んでいるのは彼もそうで、素早く取り外して口を結んだ使用済みゴムを誇るように見せつけてきた。

 涙滴型のゴムが顔の上で吊られ、緩やかな弧を描いて目が離せない。

 彼が手を滑らせて落としてきたとして、避ける気にはなれなかった。

 ばちゅっ、と重たい音を立てて袋に顔を叩かれ、直に落とされた鼻筋が痛い。

 顔の皮膚で感じるゴム越し精液は、火傷しそうなぐらいに熱が籠もっている。

 溶けた鉛の様に熱くて、重くて――慌てて謝ってる彼を見ながら、顔面で君臨する子種の重みを感じ取っていた。

 まだ直接見てはいないが、きっと途轍もなくドロドロに違いない。

 ザーメンとかスペルマとか、色んな呼称があるらしいオスのエキス。

 避妊具の中にはきっとオタマジャクシみたいな精子がうじゃうじゃ泳いでいて、卵子を血眼になって探してるんだろう。

 もしゴムしてなかったら、この中身をお腹にぶちまけられていた――とびきり気持ちよくなった生殖器がおまんこを孕ませるたくなって吐き出した、まだネバネバなままな赤ちゃんをだ。

 身体に取り返しのつかない変化が訪れていたかれしれない事実を慎重に考えるべきなのに、背筋がひたすら粟立っている。

 夫婦になったんだから、その瞬間は遠からず必ず訪れる。

 戦慄して見やった彼の性器は、まだまだ元気に勃起している。

 むしろがっちがちに硬くなって、暖気を終えた雰囲気すら漂わせてる。

 今日までお預けされてた反動で止まれない様子で、謝る素振りをしつつも次のコンドームを装着して、セックスする気まんまんだ。

 避妊具は残り幾つかと訪ねたところ、一箱用意してるから余裕があるらしい。

 まだまだエッチ、できるんだ――自分の中で何かが外れた音を魂で聞こえて、気付いたら力が入らない指で陰唇を割り開いていた。

 愛液まみれの性器を押し付けながら、もうちょっとだけしたい、入ってないの寂しいよお、とか、浅ましい誘い文句が自然に溢れ出る。

 けどそれは仕方ないんだ、だってアタシが彼にお預けをしてたんだし、がっちがちにボッキさせてもう痛苦しそうだし。

 右太股を抱えられて開脚され、脚を肩へとかけられて、半身を起こされたままおちんちんを差し込まれるのも、きっと良いことの筈なんだ。

 一度中身を散々ほぐされて、おまんこが男性器を受け入れられるカタチになってる。


 湿潤に満ちた膣がみっちりと変形し、亀頭を舐めるように彼を飲み込んでいった。

 それでも二回では経験不足で、膣壁が異物を追い返すように蠕動する。

 肉壁を押し退けて愛液を掻きだして、プロデューサーさんが奥深くに押し入ってくる。

 下腹部をおちんちんに占有されると、自分の中心で恋人を感じられる。

 奥を探るようにとんとん打たれると、肺の空気が押し出された。

 普通に過ごしてれば刺激されない部分を捏ねられ、視界でチカチカとフラッシュが爆ぜる。

 さっきのエッチでは削られていなかった膣肉を抉られているのが、カラダの奥からの響きでなんとなくわかる。

 ベッドに縫い止められて真っ正面から掘削されるのと、サイドプランクしたままグリグリ押されるのでは、突かれる場所が当然違うんだろう。

 お腹の奥深く、子宮の側面をしつこくゴシゴシされて、脚の筋肉が弛緩する。

 崩れそうになった腰を抱き抱えて支えてくれる、プロデューサーさんの腕がかっこいい。

 姿勢を保たないと怪我するかもしれないのに、もっと力を奪われたい気分までする。

 そんな惰弱なアタシがアタシの中にいただなんて――体を重ねてくうちに、もっと恥ずかしい自分を暴かれるのだろうか。

 みっともないことは絶対に避けなきゃいけないのに、もっと堕落してだだ甘に頼りたい。

 だって今日の傾向を見るに、えっちな奥さんの方がプロデューサーさんの好みっぽいし……

 夜の関係がしっかりしてる夫婦ほど仲良しになれるって、事前学習してはいるんだ。

 覚悟を決められなかったとはいえ、そういう傾向と対策は予めしておいてるんだし。

 そう、つまりえっちで気持ちよくなるのは正しいこと、がちがちおちんちんをつっこまれてひぃひぃ泣いちゃうのはせぇぎなの。

 体幹トレーニングみたいな姿勢で体を貫かれて、なんだかすごく変態っぽい。

 それを理解しておいてヨガってる自分がどれだけヘンタイか考えて被虐的になるだけで、胸がバクバクして脳味噌が蕩ける。

 されるがままな自分を自覚してあっという間に追いつめられて、ふわっと打ち上げられたような感覚が顎に響いた。

 思考が真っ白に塗りつぶされて、彼が好きって気持ちを司る脳細胞以外がぜーんぶ壊死。

 夢だ正義だ、未来ある子供たちの前で偉ぶっていたヒーローアイドル南条光の化けの皮が、救いを求めるような悲鳴で剥がされていく。

 半目で舌を突きだしただらしない緩み顔、哀願する惨めなメスの顔。

 理性も体面も捨てた後に残っているのは、愛しい男に愛されることしか考えられない卑しい女の魂だった。

 唾棄される然るべき存在に成り果てて、何も考えずにいられることが、こんなに幸せだったなんて。

 今まで積み重ねきた自分らしさをかなぐり捨てて、嬌声を好き放題漏らすのが気持ちいい。

 そんな決壊した有様で射精までされたら、自分がもう保てない。

 びくびくしながら避妊具の中をおマンコとかんちがいして赤ちゃんはらませてるつもりであつあつせーえきビュービューしてるおちんちんに、メスを妊娠させられて幸せ気分になってるオスに、心の底からめろめろになっちゃう。

 体内で膨らんでアタシを守ってくれてる人工薄膜がこの上なく疎ましくって、これ無しで彼の熱を粘膜で味わいたい。

 いやでも、そんなことをしたら子供ができちゃう、それはもうすこし後がいい、けどナカダシざーめんはぜったいにおいしいしプロデューサーさんのコドモはうみたいうませて。

 悶絶するアタシをよそに彼は男性器を抜き取り、新しいゴムに交換していた。

 記憶が正しければ、コンドームは一箱につき十二枚封入されていたはず。

 自我をぐちゃぐちゃに叩きのめすような酷い饗宴を、まだ二桁もやっちゃえるんだ。

 三回も射精したのに萎える気配もない、立派で逞しいおちんちん。

 十年分の欲望が詰まった性器の存在に、顔がトロけるほど溺れさせられていた。

一旦ここまでです

再開します

 その後も欲望が萎むことはなく、覚えたてのセックスに夜通し耽った。

 中毒したように交わり続けて、絡み合ったまま眠りに落ちた。

 筋肉痛や擦り傷のヒリつきで目覚めた翌朝、部屋は猫が暴れた後のような惨状を呈していた。

 掛け軸は偏り、壷は倒れ、使用済みコンドームと空き箱とティッシュが散乱し、訪れたときの静謐さなどまるでない。

 いつもの時間に起きて部屋を整え、朝のワークアウトを済ませてからシャワーを浴びる。

 日課をこなしたところで、目覚めかけていたプロデューサーさんを起こして食堂に向かい、空腹を満たしたら町で観光を楽しんだ。

 そう新婚旅行気分に浸るのがあまりに愉快だったから、体の関係を結んだ実感を得られたのは夜になってからだった。

 ……いいや、本当はきっと、ちゃんとわかっていたんだろう。

 思い返すだけで胸が痛むから、気付かないフリをしていただけだ。

 誰にも見せられない顔を暴かれ晒され、性悦に翻弄された夜。

 一線を越えるって言うのが正にそれで、あんな風に力が抜ける弱点がアタシに付いてるなんて知らなかった。

 特撮やら作詞やら仕事やらにすっと没頭して、女性らしさに積極的にならず逃げていた半端者には、肉欲を自覚するのは荷が重い。

 またあんなだらしない声をあげて、はしたないことにのめり込んでしまうと思うと、惹かれる一方気も引いてしまう。

 また気持ちよくなりたい彼に好かれたい、けど好かれたいからカッコ悪くなりたくない。

 初夜のとき以上の困惑に飲まれ、イヤイヤ期の子供みたいに物事を遠ざけたくなる。

 だから、エキゾチックな間接照明があやめかしい雰囲気を醸す寝室に戻ったとき。

 肩を抱く長い指に滲む手汗、その中に混じる欲情に怯えて、アタシは拒絶してしまった。

 しょんぼりうなだれた彼に、「股に違和感がある」「常に小枝が入ってる感じがして、今日もちょっと歩き辛かった」と理由をつけて謝罪する。

 納得して引き下がってくれた彼の背中を見て寝る夜は長かった。

 一日二日と過ぎた頃。股間の違和感は大凡治ったが、プロデューサーさんからの誘いは断っていた。

 またあの絶頂感に晒されたとき、もう二度と元に戻れなくなりそうで――戻れなくなったとき、自分がどんな自分に変身してることか。

 もう彼無しじゃ活きていけない弱い女にさせられて、所構わず発情しちゃうさもしい生き物になったらどうしよう。

 楽しむための節度を保てる自信が無くって、けどこれじゃまたプロデューサーさんに無理を強いてしまう。

 カラダを許さないことでは扱いを変えたりしない、プロデューサーさんの優しさが胸に痛い。

 彼が立派であればあるほど、応えてあげられない自分が惨めだ。

 申し訳なさが積もる生活を過ごして少し寝過ごした朝、予定を処理する前に、隣で寝る彼に視線を向けた。

 仰向けで寝てる穏やかな顔を見ると、甘くて優しい気持ちになれる。

 ただ彼は少し寝苦しかったみたいで、掛け布団がちょっとはだけていた。

 まだまだ早朝だし、下手したら風をひいてしまうかも――布団を掛け直し、綺麗な形に整えると、下半身にこんもりとした塊が隆起した。

 おちんちんは刺激無しでも勃起することがあるらしく、これは朝勃ちっていう生理現象だ。

 それはただ血の循環やホルモンの作用だけでもたらされることではなく……やはり欲求不満も深く関連しているそう。

 ここ数日嫁が不甲斐ないせいで、寝ていても勃っていたんだろう。

 毎朝アタシが起こしていたとき、表向きは優しく挨拶をしてくれてたけど……おちんちんだけはギラギラ硬くして、射精したい射精したいって狂ってたのだろうか。

 劣情の証拠を見せられて思考が渋滞し、膨らんだ小山をちらちら覗いてしまう。

 そんな不審なことをしてしまえば、誰だってぐっすり寝てられない。

 勃起したおちんちんに気取られてる間にプロデューサーさんは目を覚まし、寝ぼけ眼を擦りながらニヤニヤ笑っていた。

 布越しとは言え股間を凝視するなんて、いかにも欲望が抑えられてない行動だ。

 変態じみたことに及んでた瞬間を、変態じみたことを自制するようお願いしてた人に見られてしまった。


 アタシが身も凍るような怖気に震えてる一方、プロデューサーさんは現状が楽しいらしい。

 頭の固い女をおちょくれる機会を得て、「もしかして朝勃ちが気になるのか」と、優しい彼らしくもなく一句ずつ噛み潰した調子で聞いてくる。

 否定しようとした声が上擦り、これじゃ狼狽があからさま。

 呼吸を整え反論しようと思っている間に機先を制され、着物を脱いで男性器を晒してきた。

 寝起き故に汗を掻いた生殖器からは、濃い雄の匂いが靄混じりに立ち上ってくる。

 またアタシは惨い禁欲を強制してしまったみたいで、グレープフルーツみたいに膨らんだ陰嚢を見れば、溜め込まれた欲望が一目瞭然だった。

 ハリ艶を備えた赤黒い亀頭からは、獣の牙から滴る唾液のような粘液がどろどろ零れてる。

 露天風呂では遠目に見ていたし先日は暗かったので、おちんちんはそのサイズぐらいしか解らなかったが、朝早くならその色もエグい形もはっきりと認識できてしまう。

 兜に似た形のカリ首は分厚く、これが膣を抉ってたのが信じられない。

 青筋を浮かべて脈打つ竿は、黒々とした姿がいかにも筋肉の塊。

 思考が纏まらない状態でこんな物を見せられて、思わず呆気にとられてしまう。

「触ってみればわかることだってあるぞ」なんて問いかけられて、言われるがまま寄り添ってつい手を添えてしまった。

 血が通ったお肉の棒は、血管が膨らんでいて逞しい。

 海面質いっぱいに熱い血が滾っていて、ともすれば触れた掌がジンジンするほど火照ってる。

 そしてアタシはあの日、こいつのせいで大火傷したわけだ――自分の体を刺し貫いた生殖器のいやらしい形状が、指先を通じて伝わってくる。

 指を弾ませてグニグニ圧してみると、管らしき器官が弾力を返した。

 柔らかくもカタい尿道の感触が不思議で、プニプニ感が形容し難い。

 しばらく触れていたら、亀頭からまたぷっくりと雫が漏れた。

 獣の体液みたいに生臭い匂いが、朝の澄み切った空気を湿っぽく汚していく。

 非常にネバネバした異臭の透明液は、カウパーだったかガマン汁だったか。

 おちんちんが気持ちよくなると噴き出される射精の前兆が、堪えきれず漏れる涙みたい。

 気張って握りすぎるあまりマイク跡がよく残ってしまう、女子失格なアタシの指でもガマンできなくなっちゃうのか。

 実際プロデューサーさんは興奮していて、アタシの頭に鼻先を押し付け、頭皮の匂いを鼻息荒くすぅはあと嗅いでる。

 まだ朝風呂を済ませてないから臭うだろうに、おちんちんがみるみる硬度を増してる。

 動物のフェロモンみたいだけれど、そんなの恥ずかしいよ、どヘンタイだ。

 発情したケダモノじみたことをされて、アタシまでどんどん煽られていく。

 そんなに、して欲しいなら、しようじゃないか――くちゅ、と少しだけ汚液を指に絡めて、握った手を軽く上下。

 野鳥の鳴き声が麗しい朝の静けさに、しゅっしゅっと鳴る擦過音や粘液が泡立つ湿っぽい音は似つかわしくない。

 そう思ってるのに手付きが自然に速まり、カリ首を親指と人差し指で作った輪で擦ってしまう。

 裏筋を人差し指の第二間接でグリグリ指圧した瞬間、彼は鈴口をパクパクさせて射精した。

 一本に繋がった高粘度の精液が、竿がポンプ運動して飛び上がっていく。

 火山噴火な脈動に手を離しかけるが、イかせたのはアタシだから無責任に逃げられない。

 一通り吐精させてから手を見ると、べったりと精液が絡んでいた。

 肌にへばりつくぐらい粘着質で、色も相まって突き立てのお餅みたい。

 あの日顔の上に落とされた避妊具の中に、こんなしつこくってやらしいゲルが詰まってただなんて。

 もしコンドームを付けていなかったら……黄濁した粒々ゲルが幾つも浮いてる危険物をお腹の中にぶちまけられて好き放題汚されていた。

 こんなの健康な女性なら一発でにんしんしちゃう、べとべとでせーしいっぱいおよいでそうでちょっとおいしそうで、だめだ、こんなの絶対にだめにきまってて……

 ……いけない、呆然としてる場合じゃない。


 気と唇を締めるとごくっと溜飲が鳴って、何か期待してるみたいでみっともない。

 一回エッチの楽しさというか、オーガズムは体験したけど、まかり間違ってもハマったりするようなものじゃないし。

 もう遠からず朝食の時間だし、さっさと精液まみれの腕を拭って清めないと。いそいそと枕元のウェットティッシュを取ろうとしたら、彼の手が伸びてきて制止された。

 どうしたんだと訪ねることは許されず、質問は唇に塞がれた。

 警戒が薄い心にキスを捻じ込まれて、頭が殴られたようにぐらぐらする。

 上唇をちゅるちゅる吸われると甘い痺れが背中まで緩めて、抵抗の意思が揺らされてしまう。

 心身共に弛緩させられた隙を突いて、プロデューサーの舌先が潜り込んできた。

 まったく無防備なままな口内を、粘膜をくすぐるようにじっとりと舐めてくる。

 歯茎にちゅうちゅう吸い付く舌先が熱くて、筋肉が砂糖漬けにされていく感覚がする。

 弛まされてるのは分泌系もで、奥歯の向こうから唾液がだばだば溢れてきた。

 無理矢理キスしちゃうほど我を忘れてるケダモノには涎ですら美味しいらしく、逞しい喉仏を大きく震わせ、酸素ごと唾液を貪っている。

 彼を追い返そうと舌を押し付けると、滑って絡み合ってビリビリ痺れる。

 じゅるじゅる淫らな音が鳴り止まなくって、きっと彼がわざと立ててるんだ。

 理性の壁が薄れた脳にやらしい水音を流し込まれて、体温が一気に急上昇。

 下品すぎる水音が口元で鳴ってるんだ、アタシの口がじゅっぱじゅっぱエロいキスをしてるんだなんて思っちゃうと、背中に汗が滲んでくる。

 頭が真っ白になってるときに限って何故いやらしいことばかり考えちゃうんだろう、もっと本当に思考停止できたらいいのに。

 考えることを止めちゃってるから、快不快から快を選ぶ本能以外ダメになっちゃってるのかな。

 ベロで口蓋をいい子いい子って宥められて、逃げたい意思が融け墜ちて啜られる。

 実際もう酸欠気味で逃れるための力が湧かないし、頭を掴まれて体を離せない。

 べろちゅーにハマってる場合じゃないのに、自分を貪ってくれる人に抗えない。

 気を抜くとこっちまでキスに没頭しかけて、空気を失って視界が霞む。

 彼の肩を叩いて酸欠を訴えても、雄の欲望を煽るばかり。

 口蓋をむず痒く舌先で撫でられて、声にならない声が出る。

 意識が途切れ途切れになって体が無意味に痙攣するまで追い詰められて、ようやく彼は解放してくれた。

 離れた唇と唇の間に名残惜しげに架かった唾液ごとすぅはぁ呼吸して空気を味わうが、それでもまだ酸素交換が間に合わない。

 否応なく雄の匂いまで吸引しちゃって、脳にかかる霧は濃くなるばかりだ。

 ここまでアタシを好き放題した犯人の方は、もう既に呼吸を整えている。

 ウェットティッシュを幾つか取って、アタシの腕を拭いてくれてる。

 どうやら清めてくれるらしいが……そんな親切心だけならこんな乱暴なキスは不要だし、落ち着いてるのは呼吸だけだろう。

 まだ日が出てしばらくの時間帯に股間を世話されて、もう前後がわからないぐらい滾ってるんだ。

 肌を舐める様な手つきまでじっとりしていて、指先からの体熱で骨が茹だりそう。

 腕の筋肉を撫でつける様な手付きが執念じみてて、後ろめたい犯罪者でもこうは触らないはず。

 アルコールが触れたからでは説明が付かないほど肌が焦げ付いて、胸元が真っ赤で汗がべっとべと。

 待つべきだ。まだ朝だ。これ以上は一旦やめよう。

 制止するほど狩猟欲が煽られてるみたいで、プロデューサーさんの焦点が宙を彷徨ってる。

 腰を抱いていた右腕で、お尻を急に握ってきた。

 浴衣越しに肉椨をぎゅっと捕まれて、心臓が飛び出そうなぐらい強く跳ねる。

 恥ずかしいぐらい肉付いた曲線を計測するように揉まれて、お前はエロい子だと説教されてるみたい。

 お尻は人体で一番脂肪が厚いはずなのに、男の手から伝わってくる熱をまったく防げていない。

 体芯を釜茹でにするような情熱を逃したくて身を捩ると、身体が絡み合って着崩れする。

 乳輪が見え隠れするぐらい開けた谷間に、ケモノじみた視線がズキズキする。

 お尻を好き放題揉んでいた腕で、今度はおっぱいを狙ってきた。

 着物の上からムネを捕まれて、それだけで甘痒い痛みが心臓に伸びた。

 初めて触られたときより明らかに鋭敏化しちゃっていて、一度頭が悪くなるぐらい虐められたせいで快楽物質を流す経路でも開いちゃったのかな。

 ならばこのまま愛撫に溺れてたら、もっと感じ易くてすぐ濡れるようになってしまう。

 気持ちよくなると言いたいことが上手く言えなくなる現状のまま弱いカラダになったら、もう彼に逆らえなくなる。

 そんな、そんな恐ろしい有様になりたいだなんて、一片とて思ってはいないぞ。

 胸の谷間に手を入れられて、汗をウェットティッシュで一滴ずつ拭き取られてることに、やましい期待なんか抱いてない。

 歯を強く食い縛る余りに、奥歯がガチガチ音を立てる。

 心を手放さないよう必死にしてるのに、べろちゅーで高められたカラダが言うことを聞かない。

 乳首をザラついた親指と人差し指にぎゅうっと押し潰されると、刺すような快感に声が抑えられない。

 息を深く吸いたいときに限って性感帯をくりくりくりくりっと捏ねられて、悦楽に肺の空気が押し出される。

 こひゅ、こひゅっ、と荒く唸るぐらい息も絶え絶えで、ともすれば彼以上に発情しているみたい。

 女を弄んで喜ばせるのって、男の人にとっては至極の娯楽らしい。

 乳首弄りが勢い付いて、より弱くなるように嬲っている。

 充血してすっかりぼっきした乳首を乳搾りの要領でクニクニしつつ、もう片方の手で乳腺の少しカタい所を揉みほぐされて、何か暖かいモノが奥から込み上げてくる。

 まるで小動物を慈しむときや、放置されたヌイグルミを拾ったときのような――出るはずが無い乳汁が噴き出そうで、そうじゃなくても、こんなことしてたら遠からず彼の子供を妊娠してミルクをコボす身体になる。

 穏やかな気持ちにさせられながら、朝一なのにアタシはイかされた。

 子供の未来を育む為の神聖な器官をしつこく攻められて達したんだ。それどれだけ冒涜的か自分を恥じながら、意識だけ天国に連れていかれた。

 最高だった。頭が白み、舌を突き出し、してはならないと戒めたことに酔いしれる開放感は、中毒になりそうなぐらい麗しい。

 カラダから魂が遊離する感覚にたゆたって、そんな矢先にまた深い口付けを施されたら、もう安心の檻から出る気になれない。

 唇を覆われたお陰でイキ声は隠せたが、きっとイキ声はバレバレで……いや、いっそ達してる無防備な自分を羽交い締めにして欲しい。

 カラダが自分のモノじゃないみたいにフワフワして、自分の存在が取り留めがなくて大気に溶けそうで、確かであり続ける為に支配されたい。

 全身の筋肉が雷に打たれたように痙攣して、股がじわぁっと熱くなって、きっと何かの汁を零しちゃってる。

 一番頼りになる人の筋肉質な腕に絡め取られながらみっともなく弛緩して、色んなお汁をだくだく垂れ流しながらきもちいいきもちいいーってはっぴぃになるのすき、ダイスキ、ずぅっとしていたいかも。

 耳鳴りがするほどの法悦にイき苦しんで、けど恋人は容赦の二字を知らない。

 乳輪をしゅりしゅりっとくすぐったくさすって、いやらしい声を上げさせようとしている。

 全く彼の思い通りに、喉が震えて黄色い悲鳴を張り上げた。

 口を塞がれてるお陰で声も快楽も体外へ逃がせなくて、蜷局を巻いた愉悦が神経をズタズタにしていってる。

 おっ、おおッ、お゛っほぉ゛っ……!

 汚い絶叫がディープキスに出口を塞がれ、跳ね返るように子宮へ沈んでずくずく反響。

 許容を遙かに越えた多幸感で満たされて、もう口を引き結ぶことも出来ない。

 キスにハマりすぎて口元がドロドロで、首まで二人の唾液まみれだ。

 力が入らない手足ですがりつき、潤んだ瞳を必死に吊り上げて伴侶を睨みつけた。

 たくさん気持ちよくさせられたのは事実だけれど、決して屈服はしていない。

 涙目でぐったりよりかかってはいるけど、これは「よくも好き放題したな」って抗議の表明だ。

 もっとも、こんな汗と涙でべしゃべしゃな顔じゃ、きっと伝わらないんだろうな。

 とはいえ宣言も無く不意打ちして絶頂を強制して、こんなの酷いに決まってる。


 今日の夜えっちするのはもう覚悟を決めるが、どれだけグズグズにされても好き放題されるつもりは無いと伝えねば。

 心は決して折れないし、えっちなことになんか絶対に負けない――欲望を追い出そうと励んでる折、視界の隅に彼の男性器。

 散々アタシのカラダを揉み弄んで、おちんちんは英気を取り戻していた。

 天井を向いた亀頭をクンッと跳ねさせ、精液の残り汁を捲き散らかしている。

 身を持って味わったことだから言えるが、プロデューサーさんは常軌を逸した絶倫だ。

 そして彼を伴侶に選んだのだから、性剛ぶりとはずっと付き合っていくしかないのだ。

 思わずごく、と唾を飲み込んでしまう。

 決して邪な欲望を切っ掛けとしたワケじゃなくて――言い訳をする前に彼は意地悪な笑みを浮かべ、脚を大の字に投げ出して横たわった。

「こっちに来なさい」と誘ってるみたいで、まさか自分から挿入しろってことか。

 束縛されなくなったのだから、無視して着付けなおして食堂へ向かうべきだ。

 ……それが、一番正しい選択の筈なのに。

 洗脳されたみたいに提案に惹かれ、気付けば膝を布団に突き、彼の上に跨がって性器を密着させあっていた。

 全身弄くられてだいぶ茹だった脳は、保守的な理性の警告と同じくらい、えっちを正当化する理由を発案している。

 せっかくの新婚旅行なのに、勃起してるせいで一緒に食堂に行けないのは寂しい。

 今勃っちゃってるのはアタシでコーフンしてるせいで、ならば責任として速やかにカラダで鎮めてあげて、食事に急ぐべきじゃないか。

 何より、ずっといやらしいことが苦手なままで、夫婦の仲が保つはずがない。

 断る好機だなんて思っていたら、いつか彼を失ってしまう。むしろ彼にとって楽しいことを尊重して積極的になり、パートナーシップを深めるチャンスだと思うべき。

 今まで待たせてしまったことを、行動で謝る機会でもある。

 そう、冷静に考えれば良いこと尽く目なんだ、つまりせっくすはいいことだ、くるしそうなおちんちんをたすけたげるチャンスなんだ、しかたないことだしひとだすけだから躊躇っちゃだめ、いますぐおまんこでぱんぱんしなければ。

 思考が巡って内圧が高まり、枕元に隠されてたコンドームを夢遊病のように受け取ってしまう。

 彼の指示通りに包装を破き、手間取りながら勃起したモノに覆い被せた。

 肉色の生殖器がピンクのラテックスに包まれ、セックス専用のおちんちんに変身。

 どれだけ精液を出そうと膣の中には漏れず、故に好き放題快楽を貪れる淫らな発明だ。

 頭が煮沸って反射的に陰唇を二本の指で広げる。大陰唇の厚い縁に沿って愛液が垂れ落ちて、プロデューサーさんの先端にまとわりつく。

 発情させられた女の汁でコーティングされて、切なそうに竿が頭を振った。

 その仕草が愛らしくて僅かに苦しそうで……少し美味しそうにも見えて、無意識に舌なめずり。

 腰を下ろしても焦り過ぎてて、膣腔からぐぢゅうと滑らせてしまう。

 三度彼の竿を陰唇で撫でて、四度目でようやく挿入できた。

 息を吐きながら膣口を緩め、膨らんだ亀頭を飲み込んでいく。

 まだ経験が足りてないから、体重を掛けてるのに挿入は緩慢。

 それでも一晩しこたま掘削されたお陰か痛みは無くて、強い弾力を返す膣道を力任せに押し込んで割り開いてるのに、むしろ少しキモチイイ。

 上半身の重さと固いおちんちんに奥を挟み潰され、子宮の中心がキュンキュンする。

 筒を拡張するように奥深くに挿入していくと、衝撃が背骨を貫いて脳天に響く。

 ゆっくり引き抜くとカタいカリ首が膣襞に食い込み、生温い蜜液を纏ってズルズルする。

 掻き出された愛液が布団に地図を描き、それでも尽きることなく溢れてくる。

 膝の力でカラダを跳ねさせ、何度も性器を抜き差しする。

 単純に反復するだけで穂先に奥をごんごんされて思考が崩れて、もう腰を振ってお尻を押し付けるのが止められなくなってる。

 顔は乱れて肌は火照って、これじゃオモチャに夢中なお猿さんみたい。

 結局アタシは自制しきれず、我を忘れそうなほどえっちにのめり込んでた。

 けどそれは自分の理由だけで乱れてるのではなく、彼のおちんちんをアタシの肉の穴でじゅるじゅるしゃぶって気持ちよくしてあげるためだ。

 眉を顰めてイくのを堪えて、もっと膣で竿を扱かれるのを楽しみたい様子。

 ならばもっとびしょびしょマンコで抱き締めて気持ちよくして、十年も手を出さないでくれたカラダを賞味してもらわないと。

 だから参ったって言うまでエッチしていいよね、答えは聞いてないけど。

 一方的に負かされた悔しさもカラダの味を教えてくれた恩も全部返したい――妄念に駆られて頭が働かず、抽送はより荒くなっていく。

 肉のぶつかり合う音がパンパン響いて、拍に煽られて心が滾る。

 自分で乳首を舐められるぐらい膨らんだ乳房が体動に引きずらて跳ね、ばるんばるんしながら汗を畳にしぶかせる。

 顔の真ん前で揺れまくるおっぱいが巨乳フェチさんへの決め手となって、ついに息を止めて絶頂してくれた。

 膣内でおちんちんが小刻みに震え、コンドームがブクブク内側から膨張。

 散々虐めてくれた暴れん棒がアタシに屈したことを思うと、得も言われぬ達成感に襲われる。

 勝利の美酒に似た恍惚が総身を駆け抜け、そのままアタシまで快美の頂点に届いた。

 あっあっ、あ゛ぁーーっ、と、意味不明な絶叫を上げて、おとがいを見せつけるように仰け反って絶頂。

 自分から身を投げ出してのめり込むセックスがこんなに楽しいって覚えちゃってう自粛なんかムリだ。

 恋人のカッコいいおちんちんで胎内を混ぜられてないと、自分の獣欲に焼き殺されてしまう。

 幸い固さは依然保たれているので、射精が終わるのを待たず腰を跳ね上げた。

 イきっぱなしでぎゅうぎゅう狂う膣に圧搾されて、組み敷かれてる男が苦鳴を上げた。

 現在進行形で精を吐き散らかしてる敏感な亀頭を、不規則に痙攣する濡れ襞にぞりゅぞりゅ磨かれるのは、大の男でも悲鳴を漏らしかけるほど強烈らしい。

 これはいい技を見つけたぞ、必殺技は隙を見つけ次第何度も使おう。

 アタシ自身も絶頂が止まらず、息が吸えなくて汗が止まらなくて、けどどっちが先にダメなるか真剣勝負してるみたいで最高。

 射精の途中から嬲られたおちんちんは、絶頂からの降り時を見失って痙攣し続けてる。

 かなり苦しそうに彼は顔をしかめているが……でも射精したくてえっちしたいんだよな。

 十年間出せなかった分を今ここで全部、タマタマの奥の奥に詰まってる精子も一匹残さず出させるだけだし、まったく問題は無いはずだ。

 何よりアタシが止めてってイキ顔で懇願したときは手加減すらしてくれなかったんだし、絶対にやめてあげないぞ。

 女子を一晩中ひぃひぃ泣かせたワルモノには成敗を、そしていんがおーほーもだ。

 ぼっきしたまんまってことはエロエロなきもちってことだし、本当はいやじゃないだろ、射精ダイスキでしょ、まかせて、きもちいいにおぼれさせたげる。

 こんなこと教えてくれて許さない、ありがとうすきスキ。がまんさせてごめんなさい、だからだして、がまんしてたザーメンあたしにぜんぶピュッピュして。

 奉仕心と破壊欲が一体となって、不満感と充足に区別がつけられない。

 肉食動物が餌を食い散らかすような乱雑さでお尻を打ち下ろして、もっとおちんちんが欲しいって気持ちが止められない。

 添い遂げたオトコとセックスしてる肉穴がヨダレを零しながら収縮し、カウパーなんかより濃くて燃え上がるような熱をぢゅるぢゅるねだってる。

 酸欠で頭痛と吐き気を催して、それでもより彼と共に酩酊の奈落に墜ちていけるなら、体力の限界の一つや二つ壁でもない。

 深呼吸してどしんっとカラダを落とすと、おっぱいが上下に揺れて汗が飛び散る。

 奥深く、一番弱い部分が抉られて、閃光のような快感が続けざまに爆ぜた。

 意識が山の向こうまで飛散し、宇宙に投げ足されたように地に足が着かない。

 時間感覚も現実味も虚ろで、自分が今誰かなんて夢の中。

 性の遠吠えを張り上げ、イきっぱまんこをギチギチ狂わせて生殖液を一心に絞り取り続けた。

 ほんの少しイき波が弱まるとすぐ寂しくなって、畳をダメにしたいぐらい執心して騎乗位えっち。

 そんな無理を繰り返してカラダが保つ道理は無く、竿に子宮口で名前を書くようにグリグリしていたら、急に視界が一回りした。

 背筋が脱力して彼に倒れかかったからだと気付いたのは、胸板におっぱいが押し付けられてむにゅうっと潰れてからだった。

 分泌過多のアドレナリンで神経がパチついてる実感はあったが、ついに効果が切れて脳細胞がエンストしたんだ。

 アイドル時代、後先考えずお仕事とレッスンのスケジュールを詰め込んで、バーンアウトに陥ったことがある。

 以降自己管理を徹底し、プロデューサーさんの解除もあって解決したのだが、まさか今再発させてしまうとは。

 糸が切れた人形のようにぐったり倒れて、それでもまだ欲情は収まらない。

 アタシの中のおちんちんはまだかなりカタいし、もっとイきながらイきたいのに。

 未練を嘲笑うかのように腰が抜けて、男性器がぬるっと抜けてしまった。

 勢い余って外れたおちんちんが愛液を掻き出し、ごぼぉっと猥雑な水音が響く

 垂れ落ちた粘っこい水には、白濁したクリームが幾つも浮かんでいた。

 攪拌されて泡だった露と呼ぶには形が残りすぎで、摘めそうな粘度は明らかに精液のものだ。

 まさか激しく動きすぎて、コンドームが外れて漏れてしまったか。

 前の生理から何日経ってるかは手帳を見ないとわからないし、こんな無計画な形で赤ちゃんができるかもしれないなんて。

 不道徳で向こう見ずに溺れた自分の未熟さを重く受け止めて反省しなければ――そう正しい物の見方をするには、何もかも既に手遅れだった。

 指一本動かせなくなるまでセックスに没頭してしまうほど浮ついた頭には、何一つ危機感が響かない。

 絶対に消せない愛と退廃をお腹に刻印されることが、どうしようもなく甘美に思えて仕方ない。

 言葉を自制する脳機能がついに焼き切れ、肉欲がそのまま口をついて出た。

 ねえ、プロデューサーさん、……ううん、あなた。

 このままえっちして。ゴム無しでおちんちん突っ込んで、このまま子供を作っちゃおうよ。

 若い奥さんと旦那さんが二人っきりで長い休みを取るってそういうことなんだもん。みんなきっとわかってくれるし、わからないならわからせるから。

 遅かれ早かれ赤ちゃんは作るんだ。欲しいよ。だから、……しよ、今しよ? ねぇ、……やだ……?

 イき過ぎたせいで口を閉じるのも難儀して、半分も正確に言えてない。

 言葉の体を為さない崩れた睦言だが、繁殖欲を伝えるには寧ろイイみたいで、逞しい身体を起こしてアタシを抱き留めてくれた。

 真っ正面から顔を向き合わせ、彼の太股に尻を乗せる姿勢。

 恋人同士が一番深く繋がりながら密着するという、対面座位に体位を変えた。

 背中を筋肉で強ばった手で抑え込まれて、もう逃げ道なんかないし逃げるつもりもない。

 あれだけ出した筈なのに、子作りできると聞くや否やびっきびきにボッキしてるプロデューサーさんのおちんちん。

 抉られ湿ってふやけた膣道は、子種を流し込んで女のタマゴを犯すグロテスクな棒を、一切抵抗せずにぬぷぷっと受け入れた。

 クリトリスの裏側がカリ首にこそぎ取られ、肺の奥から声が絞られる。

 お゛お゛ぉっ、お゛ひぃっ、お゛ぉ~~!! ……だなんて、畜獣の断末魔より汚らしい呻きが、喉を爛れさせながら肺から絞られた。

 エッチが良すぎて何も取り繕えなくなったような下品すぎる鳴き声なんかしたら嫌われるかも……なんて思うのは杞憂か。

 カタい亀頭が更に一回りも膨らみ、プロデューサーさんは瞳を血走らせて発情してる。

 人らしさを奪ってしまえるほど気持ちよくさせられることで燃え上がって、尻を鷲掴みにして上下させ始めた。

 性処理道具みたいに一方的に扱われながらも息を合わせ、緩急をつけて恋人を楽しませる。

 太いモノが内蔵を押し上げる度に、瞼の裏がパチパチして小イキが連続。

 出入りする生殖器を奥へ誘えるように、息を吐いて腹筋を引き締める。

 気持ちよく精液を出せる様にぎゅうぎゅう絞めて、一緒に気持ちよくなれて胸がときめく。

 この日の為に信頼を築いてきたと記憶が塗り変わってしまうぐらい、子宮を叩いてくれる亀頭がパンパンで美味しい。

 僅か数ミリの隔たりを無くして粘膜を直に擦り合わせてると、その奥の生殖衝動が魂にまで響いてくる。

 卵子が入ってる部屋をしつこく叩かれて、孕め孕めって急かされてるみたい。


 つがいの体温に酔わされた子宮が、雄の言いなりになって男性器を迎えに降りる。

 きゅんきゅん疼く感覚が切なくて、早く空っぽなこの部屋を熱いもので満たしたい。

 パクパクして待ちわびる子宮口に重い先端がめり込んで広がり、受精の支度が整えられていく。

 何度も射精した鈴口にはザーメンが残留しているだろうし、前立腺液にも妊娠の危険性があるそうだから、避妊するにはもう手遅れ。

 今この瞬間にも二人の染色体が愛し合いながら一体となって、お腹の奥深くに根を下ろす準備をしてるかも。

 もう開き直って全力で気持ちよくして赤ちゃんだしてもらって、もっとらぶらぶになる以外やれることがない。

 妄念が沸騰しすぎて白目を剥いて、口からは涎を垂れ流し、えへえへ笑って雄に媚びる弱いメスは、彼の好みから外れてないらしい。

 もっとエロエロになったらもっと特別になれるかな、旦那をカラダで満足させてあげるのは奥さんの仕事だし特訓しなきゃ。

 愛も肉欲も体温も全て、果てなく与え永遠に奪いたいんだ。

 種の保存本能のせいでお互いしか見えなくなったエロ若夫婦なんて、本当に仲良しって感じだね。

 こんなことでも心が通じ会うなんて、アタシたちは性器まで最高のバディだ。

 息ぴったりに収縮する雌の穴が捻るようにうねり、プロデューサーさんは何度目かわからない精液を吐き出してくれた。

 あれだけ射精したのに量は大量で、膣壁を擦ってるのがわかるぐらい粘度も凄まじい。

 子宮が熱くてネバネバした赤ちゃんつくるきまんまんなざーめんで満たされて、視界が翡翠色に麗しく輝いた。

 い、ぅ、ぅぐ、ぐ……!

 イク、いく、い、いくいくいぐ、ぐ……、くぉお゛っ、お゛あ゛あ゛ぁぁぁあ゛あっ、あ゛ぁ゛あぁぁッッ~~……!!

 聞き苦しい断末魔が、水の中にいるみたいに遠くから聞こえてくる。

 自分の叫びだった。中出し気持ちいい妊娠きもちいいせっくすきもちいいーって、受精の幸せを訴えるありふれた雌の絶叫だった。

 これまではゴム越しだった、白くてクサい子種がたっぷり詰まった重たいざぁめん。

 精子の一尾たりとも逃すまいと子宮口がうねり、鈴口と必死にちゅうちゅうキス。

 首を伸ばした子宮頸が大きく蠢き、スペルマを出た矢先にゴクゴク直飲み。

 ぶっとい竿に出口を塞がれて、精液で赤ちゃんのベッドが破けそうなぐらい膨らんでる。

 こくまろな赤ちゃん汁がお腹でタプついて、それだけで何回もなんかいもトぶ。

 あのどろついた鉛みたいな体液に卵子を浸されて、真っ白なオタマジャクシにうじゃうじゃ群がられて輪姦されてる――妄想に浸ると忘我から戻れない。

 女にしか味わえない女らしい幸せを徹底的に流し込まれて自我が崩れて、縋るように目の前の雄にしがみつくと、種付け快楽に筋肉を震わせてるのが伝わってくる。

 どくどくどぷどぷ、絶え間なく注ぎ込まれる遺伝子がエッチで、恋人の役に立てて清々しい。

 可愛い赤ちゃんいっぱい産みたいから、あつあつザーメンを沢山出して。

 社会的にではなく動物的に、制度的ではなく魂を――真につがいの所有されて本能が満たされる幸せは、何にも代え難い最高の至福だった。

 全てが報われて心が芯から愛で潤う究極の幸福を体験しちゃったら、今まで通り生きるなんて無理だ。

 全身を駆けめぐるこの絶対の法悦と比べたら、恥ずかしさだの体面だの、全部ちっぽけでくだらないのだから。

 今この瞬間から主人のモノに生まれ変わって、身を捧げられるのが誇らしい。

 こんなステキすぎることを怖がってたなんて、アタシ本当にバカだった。

 反省してもうガマンしないから、ずっとずぅっと、毎日いっぱいエッチしちゃって、脳味噌が焼き切れるまでアタシを使い潰してね。

 完全に壊れちゃっても、一生あなたの隣にいさせて欲しいな。

 ……ふふふ。

 カッコ良くて逞しいオトコの人も、ヘンタイセックスもだーいすきっ。

 滾る情欲を肉体で語りたくて、取り憑かれたみたいにキスを注いだ。

一旦ここまでです

再開します


 まだ避妊具の予備があるらしいが、ナマの生殖器を擦り付けあう赤ちゃん作りを覚えちゃった以上、人工物にナカを突っつかれても虚しいだけ。

 仲良し夫婦が触れ合うのを阻む邪悪な発明品を放り捨て、失神と覚醒を行き来しながら汗だくで絡み合い、気付けば太陽が山陰に沈みかけていた。

 慌てて風呂を浴び、食堂で夕食を摂り、購買で水を買い揃えてから、日が昇るまでずっとカラダを委ねた。

 短い期間に繰り返し肌を重ねて、忌避感がガリガリと削られている。

 代わりに堪えがたい妙味をたっぷり教えられ、手で扱いたりおっぱいで挟んだり咥えたり、エッチの決め技をとことん仕込まれた。

 食べて寝てまぐわって、繁殖期のお猿さんだってもう少しは禁欲的な生活を来る日も来る日も愉しく過ごした。

 自覚が無かっただけで――無意識に目を逸らして気付かないフリをしてただけで、アタシも欲望が溜まってたんだろう。

 頽廃へ転げ落ちる日々は強さを奪い、ほんの少しムラついたり些細なミスが起きるだけで、主人に愛してもらえないと落ち着けない。

 けど、弱い所を甘々に許し合って心を溶かしあう、極楽地獄に堕ちれて最高に幸せ。

 淫蕩の沼に肩まで浸かりきりながらチュッチュッし合って過ごすうちに二週間の旅行期間はあっという間に過ぎ、ということで二人連れ添って向かうは露天風呂。

 山火事のように広がった紅葉と町の風情は何度見ても美しく、さっさと汗を流して温かい湯の中から楽しみたい。

 急いでバルブを捻ったのと同時に、プロデューサーさんが急に胸に触れてきた。

 タオルなんて身に付けてない生肌に骨張った指が沈み込み、指の間に挟まれた乳肉がむちぃっと弾力を返しつつハミ出てる。

 何がしたいのかもう完全にわかってるので、わざわざ声を荒げたりしない。

 両乳首を後ろからコネコネしてもらうために、逞しい胸板に背中を預けた。

 ささくれだった掌が乳房を握り、乳搾りの要領で揉みしだいてくれる。

 既にシャワーで濡らしてるお陰で、乳肌がピタピタと恋人に吸い付いてる。

 おっぱいがもにゅんっと形を変える度に肌上で白泡が立ち、どうやら洗いっこがしたいみたい。

 さすがプロデューサーさん、この人はアタシが知らない遊びを沢山知ってる。

 もっともっと教えてもらって、彼好みの女にならないと。

 夫婦となって共同生活を営むんだし、パートナーの趣味嗜好は尊重しなければ。してもらいたいんだし。

 とはいえ腕と脚を舐め回すように洗われてると、拭ったそばから汗をかいてしまう。

 脇と胸の付け根の狭間、肋骨を鍵盤の様に優しく弾かれると、手足が緩むようにむず痒い。

 刺激そのものは微弱なはずだが、行為への期待が甘く迸ってる。

 連日弱点を暴かれたお陰で、アタシのカラダはより濡れやすく躾られていた。

 プロデューサーさんの探求欲は底無しで、乳腺の弱い所を探すようにイジめてくる。

 愛撫にはミルク搾りの予行演習じみた執念が込められていて、火照らされたムネが高められていく。

 巨乳は神経が少ないから感じにくいなんて嘘だったし、久しぶりに取り出した教科書と女性誌、加えてネットの情報なんて参考にもならなかった。

 フワフワおっぱいをオモチャにできて、ご主人はとっても機嫌がいい。

 たっぷりの石鹸で胸元が泡まみれで、噂に聞くいかがわしいお店みたいに淫靡。

 持て余したり会社の付き合いで、彼も夜のお店に行ったりするのかな――いいや、これからの人生の相棒を、誰とも知らない女に任せてはいけない。

 お風呂でいちゃつきたいって夢は、責任をもってアタシが叶えればいい。

 教わった中でも特に得意なテクで、エッチな洗いっこをしようじゃないか。

 泡まみれのムネを抱えて硬い胸板に抱き付き、むにゅっと押し付けて彼の体を磨く。

 石鹸のお陰で滑りが良くて、ハリがある大胸筋に乳輪が擦れてピリピリした。

 おっぱいスポンジで腕も背中もゴシゴシして、二人のカラダはほとんど真っ白。

 お風呂遊びの効果は覿面で、おチンポがもう痛そうなぐらい腫れ上がっている。

 先端をヌメヌメ汚してる先走り汁が、待ちきれなくて涙を流してるような光景だし、放っておくのも忍びない。

 男性器は息子とも比喩されるそうだが、ならば泣く子は見逃せないぞ。

 ってことで風呂イスに腰掛けてもらって、広げられた脚の間に潜り込む。


 乳房を左右から持ち上げて、まだ洗ってない部分を優しくぱふっと挟み込んだ。

 湿潤した肌にひきつりは無く、なめらかな谷間でカリ首を勢い良く愛せる。

 柔らかいした乳肉に全貌を包まれて、亀頭が切なげに蠕動した。

 新妻の巨乳にズリズリされて、もう限界になりそうなぐらい感じてるらしい。

 本来おっぱいは母乳を分泌し、子供を養う大切な器官。

 とはいえミルクを出すのは先の話だし、赤ちゃんを育てる為のオッパイで赤ちゃんの種を搾り取ることに濫用していいはず。

 願望に煽られるまま乳房を掴んで、左右違いに谷間を弾ませた。

 爆乳とまで言われたムネなら、規格外な性器でもしっかりと抱き締められる。

 亀頭をムチムチの乳肉で優しく包んで、竿を癒すように刺激してあげられる。

 大好きなおっぱいに性器をぐっちゅぐっちゅ優しくシゴかれて、プロデューサーさんは顔がふやけるほど安らいでいる。

 左右から全力で押し潰される不意打ちを食らって目を白黒させ、苦鳴と共に精液を吐き出した。

 太い竿の筋肉が必死に蠢き、ぎゅううっと狭まっていく乳間に精液を流し込んでいる。

 こんなエッチな射精を見せられたら竿を解放なんてできない。乳房を抱き寄せて亀頭を奥深くに封じ、最後までムネに溺れさせないと。

 厚い乳脂肪の塊越しのはずなのに、猛烈な脈動が腕の骨にまで達する。

 びゅっくんぶびゅぶびゅびゅうぅッ、と長い射精が断続的に続き、種付けされた谷間が熱い。

 亀頭を押し付けられた胸骨には一際強く、生命力に満ちた振動がどぷどぷ響いてる。

 痙攣する度に粘液が心臓付近にへばりつき、急所に獣欲の火傷が残りそうで、身の危険すら覚えてしまう。

 肌にべっちゃり張り付いて垂れ落ちないお餅並ザーメンを大量射精して、ムネの谷間を子宮と勘違いしてて妊娠させたいのかな。

 ヘドロ精液に数え切れないほど泳いでるオタマジャクシの一尾一尾が、胸元の肌を卵子と勘違いしてチクチク体当たりしてるのかと思うと、全身に心地よい鳥肌が走った。

 被虐的な余韻が引いた頃には、放精も一区切りついていた。

 束縛を緩めて半萎えおチンポを解放し、今度は役立てた達成感に鳥肌が立った。

 最初は怖くて不気味だった、怪獣同然なプロデューサーさんの男性器。

 仕組みを知るうちに格好良く映り始めて、今では目が釘付けなステキすぎるおチンポ。

 一仕事終えた働き者に努力の成果を確かめてもらうべく、乳首を摘んで左右に開き、おっぱいを谷底まで見せつけた。

 乳房の間ではチーズ色の橋がねばぁっと架かっていて、高粘度のあまり崩れる気配がない。

 ネバネバ汚れは谷間が酷く、密着したぷるぷる精液がこびり付いて離れない。

 真っ白な泡のベッドの上には、黄濁した塊が幾つも浮かんでる。

 ゲルに詰まってる色が濃い粒々の中では、元気すぎるせーしたちがびちびち跳ねてるんだろう。

 ボディーソープと混ぜ合わせるように谷間を閉じて左右を擦り合わせると、ぷちゅんっとグミが潰れる音。

 再び乳間を開いてみたが、マーブル精液はまるで薄まっていない。

 いつもは歩けなくなるぐらいイき潰されちゃうが、ムネでシゴいてるときはお返しができるし、ぱいずりえっちって本当に楽しい。

 おっぱいでおチンポをズリ上げるって一発で伝わる名前が下品すぎだけど……ムラついてるときはむしろいい。

 欲望が高まって股がしとどに濡れるのも、卑しい自分を自覚できてゾクゾクしちゃう。

 しかし問題なのは絶倫さんの方で、破裂しそうなほど膨張した穂先を青空へ誇らしげにそそり立たせている。

 プロデューサーさんは復活速度も造精力も常軌を逸していて、脳下垂体に異常が無いか不安になりそうだ。

 しかし頭が桃色に曇りきっていれば、旦那が生殖欲旺盛なのは大変好ましい。

 シャワーで泡を流してお湯に浸かってる間も、風景よりおチンポが気になって仕方ない。

 慕情と劣情で頭が曇って、鼻から流れ込んだ湯煙が頭蓋骨に詰まっている気分。

 もはや無意識で岩肌に手を突き、プロデューサーさんにお尻を突き出していた。

 腰を左右にフリフリ踊らせて、オスの狩猟欲を挑発する。

 お湯より熱いお湯じゃない液体がワレメから零れ落ちた瞬間、プロデューサーさんは湯を勢い良く掻き分けて襲いかかってくれた。

 無骨な腕に腰を抱き寄せられ、お尻が潰れそうなぐらい鷲掴みされる。

 肉椨を左右に開かれて、熱い奴を一気に押し入れられた。

 バックで挿入された勢いで身体が浮いて、つんのめりながら腕に力を込める。

 姿勢が崩れかけたことなど気にもしないで、プロデューサーさんは腰を使い始めた。

 発情してふやけきった膣肉は柔軟で、どれだけ強く削られても痛まない。

 浅瀬をがりがり引っかかれるだけでキツく身悶えて、襲い来る侵略者を舐め取って奉仕している。

 連日ずぼずぼとハメられ過ぎて、おまんこは入れやすい形に改造されきっていた。

 あまりに出し入れに抵抗が無くて、もしかしたら拡張しすぎかと不安になる。

 一応「緩くなって、プロデューサーさんを気持ちよくできなくなったらどうしよう……」と訪ねたところ、そんな心配は杞憂らしい。

 むしろきゅうきゅう締め付けて瞬殺されそうだそうで、質問のあとすぐ実践された。

 キモチイイコトに慣れた膣道がより淫らなカタチに最適化されて、男性器を拒めない穴になってきたってことだ。

 とはいえアタシは彼の奥さん、問題なんかまったくない。

 浮気なんて絶対にできない(勿論するつもりも無いけど)ぐらい、身も心も従属しきった証明だもんな。

 なんならアタシからもご奉仕し続け、旦那をお嫁さんでしか射精できないカラダにしちゃうのもイイ。

 世界で二人っきりになったかのようにしか振る舞えなくなるまで狂っちゃうのも、いかにもあつあつな新婚って感じで良い。

 愛欲が加熱しすぎた瞬間にふっとカラダが軽くなり、アタシは性の絶叫を喉から絞り出した。

 お゛、ほっ、ほお゛ぉおぉっ……!

 おひ、おひっ、ひっ! きぃっい゛ッ、イぎぃいいぃ~~ッッ……!!

 吼え続けて喉が痛いぐらいなのに、断末魔にも似たアクメ声がガマンできない。

 アイドル時代の努力が災いし、浅ましい悲鳴は山彦となって周囲一帯に広がっていった。

 やってしまったのだ。公共の場所で雌の悲鳴を張り上げて、町の人にも、もしかしたら旅館の人にまで聞かれてしまったかもしれない。

 浅ましい痴態を他人に見せつける自分を思うと、また被虐心が燃えて陶酔してしまう。

 これまで子供の夢を守るアイドルとして活動してきた体面も、音楽家として楽しいときを皆に提供していきたいという理想も全て捨て、ただ夫を愛してるだけの自分になれるのが幸福。

 お嫁さんの責務を果たせてますか、らぶらぶコウビ上手にできてますかって、無言でレイプしてくる旦那に聞きたくて仕方ない。

 背中から覆い被さられながら悦楽の彼岸をたゆたって、もう骨が抜けたみたいに力が入らない。

 頽おれそうなぐらい無力な雌を組み敷いて、彼の蹂躙願望は最高潮に達した。

 おっぱいを鷲掴みして乳頭を潰して、腰を使うのも止めずガツガツ胎を殴ってくる。

 容赦が無くて酷すぎるが、もし止められたら悲しくて泣きそうなぐらい、マウントを取られるのが本当に好き。

「顔をこっちに向けろ」って荒っぽい指示にも、ゴホウビを貰う愛玩動物より喜んで従った。

 後ろを振り向いて首を近づけるのは姿勢的に苦しいが、それでもキスがしたくて堪らない。

 無理があるのも構わず身を折り、舌を突き出して唇を重ねる。

 ピストンの勢いで口が離れても舌先だけは絡み合うように必死で伸ばして、濡れた粘膜が宙で炎のように巻き付きあった。

 じゅるぢゅる、じゅりゅじゅぱ、卑猥なキス音が下半身の肉がぶつかり合う音と寄り合い、こんなさもしいコンサートは知らない。

 膣を抉られ、子宮を叩かれ、乳腺を捏ねられ、胸を鷲掴みにされ、涎を啜られて、前歯の裏側までしゃぶられて――隈なく全身を食べ尽くされて、絶え間ない被支配の安心に酔い痴れた。

 こんなに喜んでもらえるならば、女らしいカラダになれてよかった。

 陰嚢でせっせと増産した赤ちゃんを番の膣内に出すことしか考えられなくなって、血眼でアタシに溺れてくれるのなら、もっと牝らしく淫らになりたい。

 今までの十年を全て否定されるような――報われるような情交に明け暮れて、もうこの旅館を訪れる前の自分には、人を想うあまり狂うことを知らなかった奴には戻れない。

 必死に努力して明日を目指すより、昨日見た夢を忘れずにいることより、今なんにもかんがえないバカになってイチャイチャするほうがずっとらくだもん。

 人生観が変わっちゃうぐらい簡単で気持ちいいことを子供時代に知っていたら絶対に破滅していたし、保守的に貞操を守ったのは正しかった。


 今アタシは成人してるし彼だって十年も待ったのだから、困難を乗り越えたボーナスがあったってバチは当たるまい。

 だから温泉でセックスしてイヌみたいにおんおんほえてらぶらぶ子づくりするのはいいことなんだ、正しいことだ。

 十年もガマンしてきたんだから、ちょっと妊娠して産んでまた孕みたくなるぐらいいいじゃないか。

 赤ちゃんだって仲良し夫婦の元で産まれたいだろうし、家族の平和を保つ為にも必要なんだから何も後ろめたくない。

 元気な子供をいっぱい産むには栄養が必要だから、唇を彼の耳元に近付け、耳たぶを食みながら細い声で囁くいた。

 いま、はらめるから。アイしてるあなたのあかちゃんの準備ができたから。

 ナカダシでおなかをまんまるにして。

 イきっぱなしなせいで言葉の体を為さない、崩れきったメスの戯言。

 魂で煮え滾る着床願望を届かせるには、これぐらいがむしろ丁度いい。

 優しい優しい愛しい彼は、淫乱なおねだりもちゃんと聞いてくれた。

 一番奥深くまで張り詰めた竿を突っ込んで、穂先をびくびくさせて新鮮で濃いぃざぁめんをナカダシしてくれた。

 何を犠牲にしてでも一番欲しかった熱いものをカラダの中心に注がれて、繁殖適齢期の子宮が幸福に泣き叫んだ。

 あのメスをはらませるつもりまんまんの元気すぎるぷるぷる赤ちゃんがタプタプするだけで、頭が狂いそうなぐらい気持ちいい。

 いいや、本当はもう手遅れかも――母親になれると夢見れば本能が満たされると気付いたんだから、お腹膨らんでミルクだらだら零して、いいや、子供を産んだ後だってきっと止まれない。

 ご主人に下賜された精液がおいしすぎるせいで、思考に割く力が残ってない。

 残るのは取り留めがつかない癖に義務感にも近い、子を宿せるメスのとしての卑しい願望。

 ぷろでゅーさーさんのおチンポ、うしろからのちんぽ、ぜったいに孕ませてくれるおチンポ。

 おチンポでせっくす。プロデューサーさんとせっくす。なかだしにんしんはらませせっくす。

 きもちいいきもちいいジュセイきもちいい、ランシまけちゃってひかるはしあわせ。

 絶頂の渦に叩き壊された脆い自我が、種付けしていただいた感謝をいつまでも呻いた。

 長く深いオーガズムに足を取られて、まどろみの中から抜け出せない。

 ぬぽん、と竿を引き抜かれて解放されても、力なく岩にへたり込むことしかできない。

 抉じ開けられたまま閉じられない膣の穴から、熱いものが零れてフトモモを伝う。

 愛液やら先走り汁やら精液やらの混合液がドロドロ垂れ流しで、タネ漬けにしてもらったのにもったいない。

 少し惜しいが、アタシを滅茶苦茶にした悪者はまだ物足りなさそうだし大丈夫かも。

 色んな体液で汚れた臭いおチンポでアタシの頬を突っついてきて、竿を巡る血の音が聞こえそう。

 焼けた鉄芯のような劣情を押し付けられて、思わず頬擦りしそうになった。

 ほっぺでコスって射精してもらうのは流石に難しいが、それ以外で旦那様をどう宥めればいいかはみっちり教えられている。

 せっかく清めたのに竿がベトベトなのは悲しいし、奥さんが身を持って綺麗にしないとな。

 それに、勃起した格好でお風呂を出たら不審者扱いで逮捕されちゃう。

 困っている人を見捨てるなんて絶対許されないと自分を奮い立たせると、限界だったはずのカラダに力が漲ってきた。

 アイドルをやってた頃から、彼の存在がアタシのエネルギー源だった。

 だから、これからもずっと一緒にいてね。

 少ししおらしく、そして心からの本心を込めて、射精を頑張った亀頭に優しくキス。

 亀頭の先端からぷっくり漏れた雫を、舌先でちゅるんと舐め取った。

 ご奉仕の挨拶を済ませたし、空撃ちのように痙攣するほど膣内射精を頑張ってくれた鈴口をしっかり癒してあげないと。

 ヒクついてる割れ目を舌の先端で割り開き、中身に舌をにゅるっと押し込む。

 柔らかな尿道に残った行儀が悪い種汁を、舌をストロー状に軽く丸めてちゅうちゅう吸った。

 敏感な粘膜をいきなり直に吸われて、プロデューサーさんはカラダをガクつかせる。

 そう長い時間も経たずに、奥からこんこんとカウパーが染み出した。

 せっかくお掃除してる最中なのに、汚れを増やすなんて堪え性がない。

 そりゃ、奥さんにおチンポをじゅっぱじゅっぱされたら、オトコはすぐいきり立っちゃうって沢山教わったけど……清めてるそばからこれじゃキリがない。

 いい子には優しく接してあげるし、悪い子は正道へ導かないと。

 素行の悪いぼっきちんぽは、音を上げるまでしっかり成敗だ。

 裏筋と雁首の裏側だけを、チロチロと舌先でしつこく引っかく。

 尿道を啜られる刺激から、普段はあまり使われない部分への責めに切り替えられて、プロデューサーさんは腰を浮かせてる。

 僅かに突き出して震える姿が快楽を欲してるみたいで、求められたら応えたい。

 口に溜まった唾液で舌をべっちゃりと湿らせてから、筋肉質な茎にピッタリ張り付けた。

 舌乳頭の粒で磨くようにじっくり時間をかけて舐め上げる。

 雁首をレロォっと一周させてから、こびり付いた白濁を前歯でこそいでいく。

 それなりに長いことが自慢な舌を幹に半周ほど巻き付けて頭を引くと、丁寧に唾液をまぶしてあげられる。

 カリ首と粘液が長舌に擦られて、ぴちゅみちゅぢゅるるっと汚い撥音を立てた。

 射精のスイッチを半押しされたみたいに危なげに蠕動して、小動物みたいな仕草が可愛くて挑発してるみたい。

 もっと貢献したい実力を示したい、イきそうな男性器ってなんで愛らしくてエッチなんだろう。

 このままベロテクだけで屈してもらうのも楽しそうだが、あくまで目的はお掃除フェラ。

 張り詰めた亀頭を口に含み、熱い息を吹き込んでいく。

 頭を引きながらカリに唇を引っかけて、カリ裏から亀頭をじゅるるるるっと啜った。

 先端ばかりしつこく嬲られ、プロデューサーさんは本当に切なそう。

 屈するまいと必死に身を固め、より長く舌奉仕を愉しもうとしてる。

 愛しいオトコをついに追いつめて、イかせて根こそぎ啜らないと気が済まない。

 洗いっこしてパイズリして本番もして、興奮で惚けきった喉をおまんこ代わりにしてトドメを刺してやる。

 深呼吸して肺に酸素を満たし、喉を広がる限り開く。

 亀頭から竿の付け根まで、勢い良く一気に咥え込んだ。

 じゅぽんと重い汁音を立てて、唾が毛だらけの幹に滑りを与えてくれる。

 口の中を生殖器に占領されて、食道は厚いカサに塞がれている。

 緩慢と頭を引くとカリ首が膨張し、何度もアタシを鳴かせたあの凶器が喉肉を引きずり出すように削ってくる。

 二人の体液が染みた性器はむせるほど獣の匂いがして、頭に昇る臭気に脳漿まで汚されそう。

 最初にフェラチオを教わったときは噛み跡をつけそうだったが、慣れたお陰で今ではえづくこともない。

 喉で膨れ上がった全貌を飲み込み、性処理道具としてじゅっぱじゅっぱおしゃぶりしてあげられる。

 最近はむしろ、鼻呼吸もできない苦しさに安心を覚え始めていた。

 一番大切な人の一番大事な部分を口に含むことを許されてる状況が、深く信じ合ってる感じで落ち着くっていうか……

 自分を苦しめた手強い相手の体熱を間近に感じると、偉大な存在に守られてる気がしてしまう。

 骨が軋み意識が薄まり、酸欠で脳天が加熱して顎からは激痛。

 息が乱れてボロボロに傷つくほど恍惚が強まり、困難が伴う性奉仕をもっとしたい。

 唇を突き出して太い竿をきゅうっと締めて、勢いよく頭を上下する。

 咽頭を亀頭にゴツゴツ殴打されると甘く痺れて、もしかしたらクリよりこっちが好きかも。

 脳に近い場所で男性器を絞ると、下半身で絞めてるときよりカタチがわかる。

 亀頭のまわりがビクビク震え、頭蓋骨が共振して中身まで揺すられる。

 おチンポは抱き締められながらシゴかれたりすると、そこをおまんこだと勘違いするらしい。

 ならば念入りにぎゅうぎゅう締め付け、脳味噌をタネ漬けにしてもらおう。

 欲望に囚われてぐぼぐぼ音を立て、喉を酷使するフェラにもう夢中。


 アイドル時代からの商売道具を使い潰すかのように、太いカリ首を力強く揉み込む。

 これからも歌手として使っていくつもりの、相棒にして自慢の器官。

 大事なものをただ気持ちよくするために濫用してることを思うと、背筋が粟立ってたまらない。

 正義を歌う声でおチンポを咥えて、タコみたいに頬を凹ませ唇を突き出してる姿を知られたら、アタシを応援してくれた人たちは失神するかも。

 それをわかってて弱点を抉られるのに病みつきなアタシは、間違いなくヒーロー失格だろうな。

 もっともっとテクを学ばされてしまったら、えっちな歌詞以外書けなくなりそう。

 そうなってしまいたい――なんて浮ついた希望に囚われた瞬間、プロデューサーさんは竿を漲らせて拳を固めた。

 慌てて頬を膨らませて前歯で甘噛みしたら、熱い粘液を口一杯に注がれた。

 受け入れる準備を間に合わせたにもかかわらず、注がれるザーメンは許容量以上。

 今日の一回目とさして変わらないあっついエキスが、喉を焼きながら流れ込んでくる。

 どぽぽっ、と石が落ちたような衝撃が胃から響いて、精液の濃厚さを想像させられる。

 鼻からも数滴ザーメンが逆流し、呼吸がしづらくてかなり痛い。

 それでも粘膜から血流を通じて脳に流れ込むイカ臭さが最高で、酷すぎる雄臭で何回もイく。

 喉から走る雷に感電したカラダが跳ねて、自分のモノとして制御できない。

 何もかも曖昧になってしまって、精液を吐き出して気持ちよくぶるぶる震えてるおチンポを咥えるのも一苦労だ。

 薄れゆく意識の中で気力を振るい、精液を一滴も零さず口に含む。

 ご主人に下賜された赤ちゃんの素を、粗末に扱うわけにはいかないからな。

 本当に大事なら、こんな子作りでもない浅ましい遊びで濫用するべきではないが、そんな薄暗い疼きもまた劣情をそそる。

 頭をゆっくりと後ろに引くとカサにみちゅみちゅと絡みつく喉肉が引きずり出されてしまいそうで、じゅぽん、と頬からラッパ音を鳴らしてどうにか解放した。

 温泉の熱と高ぶった欲情、両者に火照らされたカラダに絞られた道具からは、心なしか蒸気がたゆたってる。

 くったりと頭を垂らした姿は仕事をやり遂げた達成感を纏ってて格好いいが、感嘆の唾より先に飲み込むべきものがあった。

 酸素に触れてない口一杯のスペルマを、味を確かめるようにじっくりと咀嚼。

 ネバネバした体液が歯茎に絡んで、ただ歯を上下させるだけで力がいる。

 顎を引き締めてゆっくり噛むと、プリプリしたグミみたいな食感が返る。

 精子が大量に泳いでる精液の中でも、一際たっぷり詰め込まれて尻尾が絡み合ってそうなぐらい濃いダマが、奥歯にねちゃあっとへばりついた。

 ブヨブヨした弾力を残した遺伝子は、口の中でそのまま命になれそう。

 半分固形が残ってるどころか、歪な形状が舌先でわかる。

 唾を絡めて口内で転がして、何度噛んでもなかなか薄まらない。

 一本筋ザーメンを前歯でこんこん断って延ばし、頬を震わせて精液を踊らせた。

 ぐちゅぐぢゅ、じゅる、じゅぐぢゅう、ぶくくっぐちゅぶちゅ。

 これ異常なく猥褻な水音を、わざと鳴らして男を煽る。

 失神しそうなぐらい生臭い精臭が、泡の中で膨らんで口がむず痒い。

 喉から鼻にオスの臭いが抜けて、これ以上頑張ったら昏倒しそう。

 それでも嗽をやめられなくて、アタマが彼色になるのがクセになる。

 生温かい上にケダモノ臭くて、加えて苦甘い不味すぎる粘液。

 彼の情報が記された彼が出したスライムに、心惹かれて身悶えする。

 汚い音を聞かせてあげつつ、生まれる前の赤ちゃんを慎重にごっくん。

 上を向きながらんぐっ、んぐっ、と喉を鳴らし、噛み砕いた精液を胃へと流し込む。

 ごきゅ、んぐぢゅじゅるん、んっんぐ……!

 音を立てて喉の筋肉が上下するのを、プロデューサーさんにしっかり見せてあげる。


 歌うのが大好きな喉を、精液が滑り落ちてベットベトに塗り潰してると示したい。

 そういうことを考えるアタシは、もう言い訳出来ないぐらいヘンタイだろうか。

 プロデューサーさんが息を止めて見入ってくれてるし、ヘンタイになっても仕方ないよね。

 粘度を下げたはずなのに子種はネバネバで、重力に逆らうが如くなかなか落ちない。

 食道にべったり絡み付いて、体内から毒々しく汚染される心地。

 実際お腹の一番奥に入れば、後は吸収して栄養になってカラダの材料になるんだしな。

 赤ちゃんの素をこんな形で浪費して、挙げ句賞味しちゃうなんて悪の所業だけど……

 愛しい男の欲望を受け止めて染め上げられて独占を主張される優越感に比べちゃったら、取るに足らない小さなことだ。

 上下どちらのおクチで味わってもオイシすぎる遺伝子の味を知って、餓えに耐えられるはずがない。

 最後の一滴まで飲み干し、前歯の裏や頬、歯茎に残ったゲルも残さず舐めとる。

 ようやく一通り食べ尽くし、ぶはぁ、と思い切り深呼吸。

 精液臭くされた酸素と、難関を突破した達成感を一緒に味わう。

 しばらく陶然と余韻に酔ってたら、プロデューサーさんの手が頭を撫でてきた。

 レッスン後に乱れていた髪をよく手櫛してくれた手が、くしゃくしゃ優しく愛撫してくれる。

 よく頑張ったな、と誉めてくれるパートナーの体温が、蕩けそうなぐらい心地よかった。

 ここまで射精してもまだプロデューサーさんはまだ満たされず、奥さんに精液を飲み干させて、男性器は血流を一層増していた。

 もちろん勃起ちんぽなんて危険物を放置しておくわけにはいかないし、アタシもまだちょっと受精し足りない。

 何も言わずにまたお尻を向けて、また何度も使ってもらった。

 それから手でヌいておっぱいでシゴいてナカダシえっちして、脇に挟んで脚でコスってハメて尻肉で押し潰して堅い腹筋でコいて、跨って騎乗位で精液を出させた。

 流石にのぼせるのはマズいと判断できる程度まで落ち着いてから、露天風呂を渋々後にする。

 更衣室で着衣する手付きすらもどかしく、着物に擦られた肌がピリつく。

 手がふやけきってることを笑いあう内に彼が恋しくなって、人が殆ど訪れないことをいいことに、人力車のように繋って渡り廊下を渡った。

 運動した結果当然に汗をかいて、カラダを軽く流す為に二人で入った部屋風呂でも結局絡み合った。

 半ば遅れそうになりながら夕食に間に合わせ、女将さんの目を盗みつつ口移し。

 食事をすませて寝室に向かい、入室して五秒で重なった。

 空が半ば白み始めた頃には、射精と呼べるか怪しい些細な痙攣しかできないほど男性器が萎びていた。

 しかしプロデューサーさんはドリンクを服用し、一刻と経たず凶器のカタチを取り戻した。

 もはや快感を得ることすら興味の外で、交わって中出しする過程そのものが目的化していた。

 欲望より煮え滾った執念に駆り立てられて肉体を貪り合い、朝まで互いの名前を吠えあった。

 そして翌日、名残惜しみながら宿を離れ、バスとタクシーと電車を乗り継いだ。

 ……公共交通機関を使ってるときは我慢できたが、使ってないときはだめだった。

 予定より大幅に遅れつつ、ふらつきながら高層マンションに到着。

 籍を入れたのを切っ掛けに選んだ、防音性とセキュリティが自慢の新居だが、今はエレベーターを待つのも煩わしい。

 ホールから玄関までの短距離だってくっついていたくて、寄り添いながら鍵を開ける。

 戸を開けた瞬間にふっと息を吐いた瞬間、疲れがどっと出てへたりこんでしまった。

 施錠してから玄関で旅の疲れをヌき、それから入室して荷解きを始めた。

「すっごく楽しい旅行だったね」「また頑張って余裕を作って泊まりたいな」だのといちゃつきあってたので、作業が一向に進まない。

 結果進捗は遅れに遅れ、翌日、その更に翌日へと雪崩れ込んだ。

 途中に仕事を挟むことで荷物は遅々として片付かず、十日かけてようやく整理を完遂する。

 その頃に調べた所、今後荷物がもっと増えることが確定していた。

以上です。依頼出してきます

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