男「俺の幼馴染は次回予告が好き」幼馴染「次回あんたは私にキスする!お楽しみに!」 (23)

幼馴染「おはよー!」

男「おはよう」

幼馴染「……」

男「……?」

幼馴染「次回、幼馴染がヘアスタイルチェンジで超ビックリ! お楽しみに!」

男「あ」

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男「そういや、髪型変えたんだな」

幼馴染「分かるぅ?」

男(めんどくせー……)

男(なんでこいつはこうも、次回予告が好きなんだろうね)

幼馴染「次回、あんたは私にキスをする! お楽しみに!」

男「しねーよ」

―教室―

男「おはよう」

幼馴染「おはよー!」

友人「ちーっす!」

友人「ったく、朝っぱらから見せつけやがって。未来の夫婦でご登校かよ」

男「からかうんじゃねえよ」

幼馴染「そそ、夫婦ってのはまだ“次回予告”には早すぎるし」

男「おいおい」

幼馴染「あれぇ~? いっけない! 数学の教科書忘れちゃった」

男「まだ時間あるし、他のクラスの奴らに借りてこいよ」

幼馴染「え~、めんどくさい」

幼馴染「次回、教科書を見せてくれる優しい男! お楽しみに!」

男「しかたねえな……」

教師「なんで二人はそんなにくっついてるんだ?」



男「いやぁ~……なんででしょうね」

幼馴染「私、教科書忘れちゃったんで。見せてもらってるんです」ピッタリ



友人「よっ、お似合いカップル!」

ヒューヒュー!

―体育館―

男(ったく、さっきはからかわれまくってひどい目にあった)

男(今日の体育は、男子はバスケで女子はバレーか)

男(あいつは……今は試合じゃないみたいだな。座って友達と話してる)

友人「おーい、パス!」シュッ

男「あだっ!」ガスッ

友人「ったく、試合中なのに女子の方見てんじゃねえっての」

ワハハハ…… アハハハハ……

男「いってぇ~……パス強すぎるんだよ」

幼馴染「なぁ~にやってんの」クスクス

幼馴染「次回、幼馴染の体育着姿に見とれちゃう! お楽しみに!」

男「見とれねーよ!」

幼馴染「ふーんだ」

男(とはいえ……結構いい体してるよな、こいつ)チラッ

―教室―

友人「おーい、メシ食おうぜ」

男「おう」

幼馴染「次回、男と幼馴染は弁当を一緒に食べる! お楽しみに!」

友人「おーっと、出ました次回予告! ってわけでお邪魔虫は退散するぜ」

幼馴染「いやー、悪いわね。今日は二人きりで食べたい気分だったの」

男「勝手な奴だなぁ……」

男「……」モグモグ

幼馴染「……」パクパク

幼馴染「次回、あーんする男! お楽しみに!」

男「……普通にいってくれよ」アーン

―教室―

男(午後はいきなり古文か……眠くなりそうだ)

幼馴染「……」ウト…

男(ぷっ、こいつも睡魔に襲われてる)

幼馴染「次回、午後の授業は眠いから一休み! お楽しみに!」

男「は?」

幼馴染「ぐう……ぐう……」

男「おい、寝るなよ!」

担任「最近、うちの高校の生徒が他校の生徒にカツアゲされるという事例が発生している」

担任「みんなも帰宅する時は気をつけるように」



幼馴染「こっわ~い」

男「この地域には荒れてる学校もあるからな。うちは狙われやすいんだろう」

幼馴染「次回、一緒に帰ろう! お楽しみに!」

男「オッケー」

スタスタ…

幼馴染「たまにはこうして二人きりで歩くってのもいいね」

男「ほぼ毎日二人きりで歩いてるじゃねえか」

幼馴染「そういうこといわない!」

幼馴染「次回、トラブルに巻き込まれちゃうかも!? お楽しみに!」

男「トラブルなんか起こってたまるか」

幼馴染「でも守ってくれるんでしょ?」

男「バカいえ、俺じゃ守れるわけないだろ」

男「だいたいトラブルってのは起きてから何とかするんじゃなく、起こらないようにするのが基本なの」

幼馴染「え~、つまんな――」



ドンッ!

不良「……ってえな」

幼馴染「あ、すみません……」

男(ゲ……よりによってヤバそうなのとぶつかりやがって。ホントにトラブルになっちゃったよ)

不良「すみません、じゃねえぞ! このクソ女! あぁん!?」

幼馴染「あ、いや、ごめんなさい……」

不良「ハァ!? 聞こえねーよ! ぶつかったことに対してどうケジメつけんのかって聞いてんだよ!」

男「もうよせよ、こっちは謝ってるじゃないか!」

不良「なんだと……!?」

男「そっちだってスマホいじりながら歩いてたんだし、お互い様だろ!」

不良「うるっせえ! 割り込んでくんじゃねえよ!」

ドゴォッ!

男「ぐ……!」ゲホッゲホッ

不良「オラ、もう一発喰らわせてやる」ガシッ

幼馴染「ちょっと! やめてよ!」

幼馴染「分かった! なんでもいうこと聞くから! もう乱暴しないで!」

不良「へっ、わかりゃいんだよ」

不良「よっしゃ、とりあえずカラオケ行こうぜ。その後はホテルに……」

男「ぐ……!」ゲホゲホッ

幼馴染「ごめんね……私のせいで」

幼馴染「次回、ここは私に任せて先に行け! お楽しみに! ……ってことで、早く逃げて」

男「……」

男「その次回予告は……残念ながらウソ予告になる!!!」

幼馴染「え」

男「このおっ!」バサッ

不良「うがっ!? 砂を!?」

男「逃げるぞ! 走れ!」ガシッ

幼馴染「う、うん!」

タッタッタ…

幼馴染「ていうか、私のが足速いんだけど……」

男「それは悲しくなるからいうな!」

不良「くそっ、待ちやがれぇっ!」

―公園―

男「はぁ、はぁ、はぁ」

幼馴染「ふぅ、ふぅ、ふぅ」

男「ふぅ~、しつこかった。どうやら撒けたみたいだな」

幼馴染「ありがとう……」

男「どういたしまして。明日、このことは先生に話して、学校周辺の警戒を強化してもらおう」

幼馴染「あのさ……私ね」

男「ん?」

幼馴染「今ので、やっぱりあんたに惚れ直しちゃったみたい」

幼馴染「逃げ切ったあとなのに、ドキドキが収まらないんだもん」

幼馴染「だから……今まで曖昧になってたけど今こそいわせてもらうね」

幼馴染「次回――」

男「ちょっと待った」

幼馴染「!」

男「この次回予告だけは俺にやらせてくれ」

男「次回、俺とお前は付き合うことになる!」

幼馴染「……うん」

男「お楽しみに!」

チュッ





おわり

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