ダニー・タナー「おはようサンフランシスコ、ここで臨時ニュースです…空飛ぶデロリアン?」 (264)


───サンフランシスコ 地方TV局───




ベッキー「ダニー、どういうこと?」

ダニー「ちょっと待ってね。えー、たった今入った情報によりますと……」

ダニー「サンフランシスコ市街地上空にて謎の飛行物体を目撃したとの情報が、今朝から局に複数入ってきている模様です。その数なんと30件以上!」

ベッキー「まあ」

ダニー「そして目撃証言によると、その飛行物体は……青い閃光を発して、空にいきなり現れたということです」

ベッキー「まるでUFOみたいね。本当なの?」

ダニー「さあ……で、その飛行物体ですが、見た目がどうやら……デロリアンだとか」

ベッキー「デロリアンって…車の?」

ダニー「デロリアンっていえばそうだよねぇ。磨きたてのステンレス鍋みたいなボディーのアレ」
\HAHAHA…/

ダニー「もしかしたらステンレス鍋が飛んでるんじゃないかっていう人も中にはいたんだけど、タイヤが付いてるみたいなのでやっぱりデロリアンらしいね」
\HAHAHAHA…/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505049682

ダニー「いや信じがたい話だけど…ベッキーはどう思う?」

ベッキー「車が空を飛んでるってことよね?もし本当ならすごいけど……すぐには信じられないわ」

ダニー「まあ確かに、宙に浮いてくれたらとっても助かるなあと思うことはあるけどさ。車の裏を掃除するときとかね…?」
\HAHAHAHA…/

ベッキー「……ダニー」

ダニー「はは、それはおいといて。さて、この謎の飛行物体……UFOなのかデロリアンなのか、はたまた……タイヤの付いたステンレス鍋か」
\HAHAHA…/

ダニー「とにかく、なにか詳しいことがわかった方は、ぜひ局の方まで情報提供をお願いします」

ベッキー「真相が非常に気になるところですが、残念ながら今日はこの辺でお別れです」

ダニー「おはようサンフランシスコ、また明日お会いしましょう!お相手はダニー・タナーと」
https://i.imgur.com/xCRFpZD.jpg

ベッキー「レベッカ・ドナルドソンでした。それでは!」
https://i.imgur.com/Y7arQwD.jpg


\~Wake up♪ デデン!/

 < カーット! お疲れ様でーす!


ダニー「……ふぅ。 ちょっと! 一体誰だ? こんな原稿を用意したのは」

  ベッキー「……あら?」

ダニー「子供のいたずらかと思ったじゃない。エイプリルフールじゃないんだからさぁ」

  ベッキー「……?」

ダニー「うちの番組は『正確な情報』がモットーなんだよ? こんなくだらない噂話に乗せられて電波に流すなんて……」

  ベッキー「……まぁ」

ダニー「それに、ベッキーも……君は番組のプロデューサーだろう?こんなのを許可したらダメじゃないか。 ……ベッキー?」

  ベッキー「……ダニー、こっち来て」

ダニー「なに?」

  ベッキー「窓の外。あれ……見て」

ダニー「……?」

 












ダニー「……あれは…………」

ベッキー「どうやらただのジョークってワケじゃなさそうね」

ダニー「…………信じられないよ……」


──────────────────


────────────


──────


──

https://www.youtube.com/watch?v=3pPHiLyfRvo
(Jesse Frederick - Everywhere you look)



※1987年放送開始の海外ドラマ「フルハウス」と、1985年公開の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクロスオーバーです

 












     Thursday












 












    June 22, 1995
      11:15 AM












https://www.youtube.com/watch?v=-NMph943tsw
(Huey Louis and the News - The Power of Love)

 
───ラジオ局「KFLH」───



 【ON AIR】

ジェシー「どーもこんちは。引き続きラッシュアワー・ブラザーズのジェシー・コクランと……」
https://i.imgur.com/AbiAY3a.jpg

ジョーイ「ジョーイ・グラッドストーンです」
https://i.imgur.com/sLBeD2g.jpg

ジェシー「今日のスペシャルは"バック・トゥ・ジ・80's"……ってことで、この時間は80年代のヒットナンバーをどんどんお届けしています」

ジョーイ「ちょっぴり懐かしい名曲が勢ぞろいですよ」

ジェシー「たった今お送りしたのはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースで"ザ・パワー・オブ・ラブ"。全米No.1にも輝いた1985年のナンバーでした」

ジェシー「というわけで、ここでスペシャルゲストをご紹介しましょう……ヒューイ・ルイスぅ!! 入って入って!!」


 ガチャッ

 ヒューイ「やあ、どうも」
https://imgur.com/inYQQLW.jpg
\Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
  \Woooooooow!!!!/
 パチパチパチパチ!   ヒューッ!


ジェシー「ヒューイ! 今日はどうもありがとう」

ヒューイ「いやいやこちらこそ、呼んでくれてありがとう」

ジェシー「元気そうだねぇ! いやぁホント、来てくれてマジでうれしいよ」

ジョーイ「待ってました! よろしく!」

ヒューイ「ああよろしく」

ジェシー「知っての通り、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースはここサンフランシスコ出身のバンドです。1980年に結成されました」

ジョーイ「今年で15周年ってことだよね?」

ヒューイ「そうだな」

ジェシー「そのとおり。今は西海岸の各都市でツアー中。これがもう大人気!チケットは全部売り切れだってね」

ヒューイ「ああ、おかげさまでね」

ジェシー「さすがだぜ。 そいで、おとといは地元サンフランシスコでのライブも無事終了しました。 ひとまず、お疲れ様」

ヒューイ「ありがとう」

ジョーイ「それで、この後の予定は? しばらくサンフランシスコにいるの?」

ヒューイ「そうだな……今度は来週の水曜日にヒルバレーで公演があるんだが、週明けに移動して準備するから、今週末は少しだけゆっくりできるよ」

ジェシー「なるほど。ま、ツアーについての話は後でまた詳しく聞いていこうと思います。その前にもう一曲お送りしましょう」

ジェシー「その後、一旦CMです。チャンネルはそのままで! ではこの曲。1982年のナンバーです……マイケル・ジャクソンで”ビート・イット”!」ポチッ


  ~♪

 /
  曲のあと、CM入りまーす!
 \



ジェシー「……OK! もう喋っていいよ、大丈夫」

ヒューイ「ああ。……いやしかし、ラジオってのは緊張するな。これ生放送だろう?」

ジェシー「何言ってんだ、アンタほどの男がさぁ。おたくらのライブのほうがよっぽどだぜ……で、週末は地元で何して過ごすんだ?」

ヒューイ「それが何も決まってなくてな。せっかくだし、家にいるのも悪くないと思ってるよ」

ジョーイ「……あ、そうだジェシー。あれお願いしてみたらどう? 今度の日曜、スマッシュクラブでゲスト演奏してくれる人を探してたじゃない!」

ジョーイ「ザ・ニュースに出てもらうってのは? きっと大盛況だよ」

ジェシー「おいおい待てよジョーイ、そりゃ探してたけどよ。そんなの無理に決まってんだろ、忙しいツアーの合間の休暇なんだぞ」

ヒューイ「あぁ、スマッシュクラブか……聞いたことあるよ、アンタがやってるとこだろ?」

ジェシー「……知ってるのか?」

ヒューイ「面白そうだな。メンバーに聞いて、都合つけてみようか?」

ジェシー「……ホントか? 出てくれるのか?」


ヒューイ「日曜の夜って言ったな、何とかしてみるよ」

ジョーイ「やったねジェシー!」

ジェシー「いや、マジか……そりゃ嬉しいな、ありがとう! 楽しみにしてるよ!」ガシッ

ヒューイ「いや、こちらこそ」ガシッ

ジェシー「よし、話も決まったところで、本番まであと1分だ。準備しといてくれ」

ヒューイ「OK」

ジョーイ「……そうそう。話変わるんだけど、今朝のニュースのことどう思う? 空飛ぶデロリアンの」

ジェシー「バカなこと聞くなよ、ジョーイ。車が飛ぶだぁ?くだらないね」

ヒューイ「そうか? 俺は見てないが、もし本当だったら面白いじゃないか」

ジェシー「俺に言わせりゃあんなの、ガキがはしゃいでるだけだ。アニメなんか見すぎるとああいうのを本気で信じ込んじまうんだよ」

ジョーイ「……はーい、ボクちゃん早く大人になりまーす」
\HAHAHAHA…/

ヒューイ「……知らないかも知れんが、俺の名前は『ヒューイ・デューイ・ルーイ』から来てるんだよな」

ジェシー「アニメって良いよねぇ~!」
\HAHAHAHA…/

ジョーイ「……」
\HAHAHA…/

───タナー家・D.J.の私室───

ダダダ……
 ガチャッ

ステファニー「お姉ちゃんたすけて! ミシェルがしつこいの!」ドタドタ
https://i.imgur.com/9e4LziG.jpg

ミシェル「宿題の発表聞いてって言ってるだけだよ?」ドタドタ
https://i.imgur.com/KYBmJX9.jpg

D.J.「騒がないの。 ……ミシェル、またそれ?」
https://i.imgur.com/idFv2l4.jpg

ステファニー「もうあたし5回は聞かされたのよ!?」

D.J.「私だって同じくらい何回も付き合わされたわよ」

キミー「どしたぁチビスケ、何の宿題?」
https://i.imgur.com/TH0gfjC.jpg

D.J.「交通安全についての発表なんですって。ミシェルのテーマは『飲酒運転』なのよ」

ミシェル「そうなの、練習を家族に聞いてもらわないとだめなんだ」

キミー「へぇ、今時はめんどくさいのやってんだね」

D.J.「何言ってるの、私たちも昔やったじゃない」

キミー「そうだっけ?」

D.J.「ええ、アンタの発表覚えてるわ。『道路の渡り方について──第一章:右を見る 第二章:左を見る 第三章:渡る』」
\HAHAHAHA…/

ステファニー「へぇ……それってちゃんとヤギ語で書いてたの?」
\HAHAHAHA…/

ミシェル「だって家族に全部で50回聞かせたらシールがもらえるんだよ。パパにもジェシーおいたんにもベッキーおばさんにもいっぱい聞いてもらったのに、何でお姉ちゃんたちは聞いてくれないの?」

ステファニー「お願いだから練習なら他の家族にしてちょうだい……」

D.J.「そうよ、いっそコメットにでも聞かせてやりなさいよ。文句は言わないでしょ、言ってても分かんないし」
\HAHAHA…/

ミシェル「犬はズルなんだって、ペットに発表してごまかす人が多いから。言葉が分かる人間じゃないとダメだって先生が言ってた」

キミー「じゃあアタシが代わりに聞いてやろうか?」

ミシェル「今言ったこと聞こえなかったの?」
\HAHAHAHA…/

キミー「……」
\HAHAHAHAHA…/

ミシェル「いいや、後でジョーイに聞いてもらおっと。ジョーイはおとなしく聞いてくれるから何回でもできるし」

ステファニー「意外ね?」

ミシェル「お昼寝始めるときしか聞いてくんないけどね」スタスタ
\HAHAHA…/

バタン


ステファニー「……行っちゃった」

D.J.「あきれた子ね」

キミー「全く、自分勝手に育ったもんだね」
\HAHAHAHA…/

D.J.「……」

ステファニー「……」

キミー「……何さ!?」
\HAHAHAHAHA…/




キィィィィィン……
シュゴオォォオォォォ……

 ドドォォ……ン……!

ステファニー「うわっ……!?」

D.J.「ちょっと、何の音……!?」

 シィーン……

ステファニー「……なになに、何があったの?」

キミー「ワァオ! 今のすごかったねぇ。何か落っこちてきたんじゃないの?」

D.J.「わかんないけど……落ちてきた? 何がよ?」

キミー「さぁ。UFOとか?」

ステファニー「……だったら、お迎えだよ。早く行きな!」
\HAHAHAHA…/




 うわぁ、なにこれぇ!?




ステファニー「ミシェルの声だ!」

D.J.「事故か何かあったのかも。見に行きましょ」スタスタ

ステファニー「あっ、待って私もいく!」タッタッ


キミー「さてさて、今日は何で楽しませてくれんのかねぇ! ホントこの家好きだわ~!」スタスタ
\HAHAHA…/

 

───裏庭───

 ガチャッ

D.J.「ミシェル!!」

ミシェル「…………」

D.J.「……ミシェル、大丈夫!?」

ステファニー「大丈夫!?」

ミシェル「うん、平気……びっくりした……」

D.J.「どうしたの一体!?」

ミシェル「庭に出てきたら……いきなり……空から……あれが……」ガクガク


https://i.imgur.com/Okz3x5H.jpg


D.J.「……なに、これ……」

ステファニー「うわ……まさかホントにUFO……?」

D.J.「いいえ……タイヤがついてる。車よ、これ」

ステファニー「誰の? 何でうちの庭にあるの……?」


プシュウゥウウゥウ……

D.J.「!!」ビクッ

 ステファニー「!!」ビクッ

ミシェル「!!」ビクッ


 ガチャッ
ウィイィイイィン


D.J.「ドアが……中に誰かいるの!?」


  「……これ、出るの大変だよ……!」モゾモゾ
 「……こら、そう押すんじゃない……!」モゾモゾ


ステフェニー「…………」ギュゥッ
ミシェル「…………」ギュゥッ
 D.J.「…………」

 









マーティ「……ふぅ、ようやく出られた……!」
https://i.imgur.com/r5Grwq5.jpg
ドク「ふぅ……やはりちと狭いな……」
https://i.imgur.com/R6JjMr7.jpg
   \Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
  \Woooooooow!!!!/
    パチパチパチパチ!   ヒューッ!


D.J.「…………!?」
ステファニー「…………!?」
ミシェル「…………!?」


 
マーティ「……ねえドク、一体どうなってるの!」

ドク「分からん……どうもさっきから飛行が安定せんのだ。おかしいな……2015年に戻ってホバーコンバージョンを交換するべきか……」

マーティ「変に改造するからおかしくなっちゃったんじゃない?だいたいどうしてデロリアンを4人乗りなんかにする必要があるって言うのさ」


ステファニー「…………お姉ちゃん、あれ誰?」

D.J.「知らないわ…………あの、すみません」


マーティ「無理やりシートを4つにしたせいですごく狭いんだよ、これ……」

ドク「しょうがないだろう、まだ試作品なんだ。戻ったら手直しする」


D.J.「……もしもーし」


マーティ「だいたい、クララたちのとこへ行くんじゃなかったっけ?なんで1895年じゃなくて1995年に来ちゃったの」

ドク「うむ、タイムサーキットの方もまた調子が悪くなっとるようでな……」

マーティ「はぁ、もう最高だよ。トラブルがいっぺんにやってきちゃって」

ドク「話は後だ、どこかの家の庭に降りてしまったんだぞ? さっさと退けんと……」


D.J.「……ねぇ、ちょっと!! 聞いてる!?」

マーティ「!!」
   ドク「!!」

D.J.「あのねぇ、いきなりうちの庭に来ていったい何してるの?」

D.J.「どうやったか知らないけど、車が空から下りてきてうちの庭をメチャメチャに散らかしたってわけ」

D.J.「うちのパパが知ったら怒るわよ、あなたたちが散らかした葉っぱ昨日パパが一枚一枚掃除してたんだから」
\HAHAHA…/

マーティ「いやぁ、その……これにはワケがあるんだ……」


 ガチャッ


キミー「…………ワオ、ベイビー!」
\HAHAHA…/


キミー「ねえちょっとこれデロリアン? イカしてんねー! 改造してんだ!」

D.J.「……デロリアン? あんた車分かるの?」

キミー「そう、アタシ車種とかちょっと知ってるんだ。今自分用の車探してんのよ」

D.J.「そうなの?」

キミー「もう家の車乗るなってパパに言われてさぁ。アタシのあとだと残った足の臭いで事故起こしそうになるんだって」
\HAHAHA…/

ステファニー「……じゃあこれがニュースでやってたデロリアンってやつなの?」

D.J.「そうみたいね」


マーティ「……ちょい待ち」

ドク「ニュースと言ったか?」

D.J.「そう。テレビでやってたわよ、空飛ぶデロリアンがサンフランシスコを飛び回ってるって。学校でもみんな噂してたし……本当にこれがそうなの?」

ステファニー「すごーい……」

ミシェル「だったらちゃんと最後まで飛ばしといてくれる?」
\HAHAHA…/



マーティ「ドク、やばいよ。大勢に見つかってるって! 」

キミー「そんなニュースやってたの?」

D.J.「見てなかったの?パパがニュース読んでたわよ、目玉飛び出してグルグルさせながらね」

ミシェル「そう。こーうやって」クリンクリン
\HAHAHA……/

ミシェル「そんなことより、どうしてよりによって家の庭に降ってきたの!?」

ステファニー「そうよ、危ないと思わないの!?」

マーティ「まって、落ち着いて…」

キミー「そんだけ改造してたら、保険下りないだろうしねぇ」
\HAHAHA…/

D.J.「あんたたち、もっと根本的なところの疑問はないの…?」



D.J.「その車、一体何で飛ぶわけ?」
\HAHAHA……/

マーティ「わかった、分かったよ。確かに勝手に裏庭に車を停めたのは謝るよ、でも事故なんだ!」


 /
  ただいまー
 \


ドク「!」

マーティ「……まだ誰かいるの?」

DJ「パパが帰ってきたわ、大変。庭に車が落ちてきたなんて知ったら何て言うか……」

ステファニー「パパはニュースのこと知ってるでしょ?自分で喋ってたんだもん。ホントだったとしても……案外驚かないかも」

DJ「どうかしら、少なくともあんたのせいでキッチンに突っ込んだときはショックで目玉飛び出てたけど」
\HAHAHA……/

ステファニー「……やめてよ、今そんなの思い出させないで」


 /
  みんなー、どこにいるんだい?
 \


キミー「新しいガレージよ!」
\HAHAHAHA…/

DJ「ちょっと、キミー!」

キミー「なんで? どのみち見つかるよ」

ステファニー「そうだけど……」


ガチャ

ダニー「あぁみんな、ここにいたの………………………………」

ダニー「……………………!?」
\HAHAHA……/

ダニー「…………」ゴシゴシ



ダニー「………………!!??」
\HAHAHAHAHAHA……/

マーティ「あの……これにはわけがあるんです……」

ダニー「うちの庭に……何で……その……!!」

ミシェル「車が空から降ってきたの!」

ダニー「……ありがとう……!!」
\HAHAHAHAHA……/


ドク「いやぁその……邪魔しとります」

ダニー「一体どうなってるんだこれは!! 何で空飛ぶデロリアンとやらがうちの庭に来てるんだ!!??」

ダニー「せっかく昨日葉っぱを掃除したのに!!!」
\HAHAHAHA……/


ステファニー「ほら、デロリアンのことはそんなに驚いてないよ」

ダニー「当たり前だ、僕が自分で原稿を読んだんだからね!!!」
\HAHAHAHA……/

ダニー「それに、テレビ局からそのデロリアンが空を飛んでるところも……僕は見たんだ」

ドク「……」

ダニー「DJ、この人たちは誰だ!? 説明して!!」

D.J.「私も知らないわよ」

ダニー「ステフ、すぐにミシェルを連れて部屋へ行きなさい!!」

ステファニー「え、うん……」

ダニー「キミーは二度とうちへ来ないように!!」

キミー「アタシが何したって言うの!」

ダニー「……ごまかされないか……」
\HAHAHAHA…/


D.J.「パパ。話を聞いてあげましょう? とりあえず悪い人たちじゃなさそうよ」

ダニー「……」

ステファニー「うん……私もそう思う」

ミシェル「さっきはパパみたいに大騒ぎしてたくせに」
\HAHAHAHA…/

ダニー「……はぁ、わかったよ。 すみません、取り乱してしまって。ちょっと驚いたもんですから」

D.J.「かなりね」
\HAHAHA…/

ドク「いやいや、こちらこそすみませんな。ちと調子が悪くなってしまったもんで……すぐにどかしますよ」

マーティ「待ってよドク、またさっきみたいにフラフラな状態で飛ぶわけ?ヒルバレーに帰るまでに今度こそ吐いちゃうよ……空からばら撒いちゃったら大変だ」
\HAHAHAHA…/


ドク「心配するな、何も飛ばなくともいいんだ。走って帰ればいい、地面をな」カチャカチャ…

ギュルルルルル
ブオォォオオロロン…

ガタン!
ガタガタガタ……


D.J.「…ねえそれほんとに大丈夫?」

ステファニー「エンジンかけただけでガッタガッタに揺れてるよ」

ダニー「本当、ロバがトランポリンしてるみたい」
\HAHAHA…/

D.J.「……」

ステファニー「……」

ミシェル「……」

ダニー「……昔番組でやらせてみたんだ」
\HAHAHAHAHA…/

ガタガタガタ……

ドク「うーん……こっちもどこかおかしいな……」

マーティ「もしかして、さっきの着地の衝撃でサスペンションがイカれちゃったんじゃない?」

ドク「ふむ、だとしたら厄介な話だ」

マーティ「どっちにしろ、これじゃ走れっこないよ」

ドク「そうだな。ここはやはり……」ポチッ


ウィイイィイン
シュゴォォォォ……


D.J.「……うっそ」

ステファニー「信じらんない、ほんとに浮いた!!!」

ダニー「……なんてこった」

マーティ「ちょっとドク、いいの!?」

ドク「仕方あるまい、どうせもう見られているんだ」

マーティ「……ドクがそういうなら」

ミシェル「わぁすごい! 未来の乗り物みたい!」

マーティ「よくわかったね……」ボソ
\HAHAHAHA…/

ガタン!ガタッガタンッ!!
ガックンガックン……

マーティ「だめだ、これじゃ乗ってても上と下がわかんなくなっちゃう」
\HAHAHA…/


マーティ「ドク、このままじゃ無理だよ。ちゃんと直さないと……」

ドク「飛ぶのも走るのも無理か…やはり無理に内装を変えたのがよくなかったか……」

マーティ「だから4人乗りにする必要なんてないじゃない。ほら、エンジン切って」

ドク「……しかたない」カチッ

ヒュウウウゥン……
 ドスンッ

D.J.「止まった……一体どういう仕組みなのかしら……」

ステファニー「よく分かんないけど、とにかくウワサは本当だったんだね。すっごい!」

ミシェル「ねぇ、これ壊れちゃったの?」

ドク「そのようだ。もともとホバーコンバージョンの調子が悪くて、1995年に来てからというものうまく飛べなかった」

ステファニー「……? どういうこと?」

ダニー「今年こっちにやって来たということかな?」

ドク「あ、いや……その、」

マーティ「そうなんだ! そうなんだよ。 僕たちサンフランシスコは初めてなんだ……今年来たのが初めて、ってこと」

ダニー「……まぁとにかく。その空飛ぶデロリアンとやらが今、空も飛べないし地面も走れないとなると……直るまで待つしかなさそうだね」

ドク「……つまり」

ダニー「他の人に知られたくないんでしたら、この裏庭でこっそり修理してくれればいいですよ。それまで置いていて構いません」

ドク「しかし、それでは迷惑が……」

ダニー「そうは言っても、車もこのままじゃ家に帰る前に船酔いしちゃいますよ?」
\HAHAHA…/

ダニー「僕たちは構いませんよ。もともと大勢で暮らしてるんです、お客が2、3人増えたところで変わりませんから」


キミー「アタシだってお客だよ? たった1人なのに嫌がるのはなんでさ!?」

ダニー「キミーは迷惑100人分なの!」
\HAHAHA…/

ドク「……いいのですか?」

ダニー「もちろん」

マーティ「そう言ってくれるなら……」

ドク「ありがとう。恩に着ますよ」スッ

ダニー「あぁ、ご丁寧にどうも。僕はダニー・タナーです、この家の主人」スッ

ドク「ご紹介が遅れましたな。 私はドクター・エメット・ブラウンです」ギュッ

ステファニー「ドクター? 博士ってこと? へぇ~本物初めて見た……」


マーティ「マーティ・マクフライです」

D.J.「私ドナ・ジョー・タナー。DJって呼んで……ほぼ同い年くらい?」

マーティ「あーうん……今のところは」

D.J.「?」


ミシェル「パパ、この人たち泊まっていくの?」

ドク「いやまさか、泊まっていくだなんてそんな!」

ダニー「いえ、そんなに遠慮なさらなくても。そうだねミシェル、帰れるようになるまでいてもらっても良いかもしれないね」

キミー「お人よしだねぇ、付き合いきれないよ。アタシ帰るわ、バイDJ」

D.J.「バイ」

キミー「あ、そうそうおじさん」

ダニー「何?」

キミー「庭の葉っぱ全部掃除してるの、相当変な目で見られてるからやめたほうがいいよ。余計に頭おかしいと思われちゃうから」
\HAHAHA……/

ダニー「言わせておけばいいさ。 庭の葉っぱ全部? そんなわけないだろう」


ダニー「……汚れてるのだけ!」
\HAHAHAHA……/



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──────


──

 



──

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ドク「お邪魔してしまった上に夕食までご一緒させていただいてすみませんな」

ベッキー「いいのよ、もともと人が多いんだし。ゆっくりしていってください」

マーティ「どうもありがとうございます」

ジョーイ「それでヒルバレーからきたんだってね。ここまで遠かったでしょ」

マーティ「ええ、車で3、4時間くらいかな……」

ジェシー「ヒルバレーか……懐かしいな。昔、バイク仲間で何日かかけてツーリングしたよ」

ベッキー「そうなの? 知らなかったわ」

ジェシー「もう10年ほど前の話だけどな。なかなか面白い場所だぜ、止まったボロい時計台なんかもあってよ……」

ミシェル「止まった時計なんか見ておもしろいの? わけわかんない」

ジェシー「いや、自分の下着とどっちが汚れてるか比べてた」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「でもゆっくりみて回れなかったんだよな。俺たちが行ったときは町中警察がウヨウヨしてたんだよ」

ダニー「へぇ。何かあったの?」

ジェシー「町の中にモールがあってな。一本松モールだか二本松モールだか……そんな名前のとこ」

ジェシー「何でも前の晩、そこで銃撃があったらしくてよ。北アフリカの過激派かなんかの仕業だって、もう大騒ぎってわけ」


マーティ「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/
ドク「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/

ジェシー「よくわかんねえけど、駐車場の屋台にフォルクスワーゲンが突っ込んじまってるのは見たんだ」

ジェシー「田舎の町なのに、恐ろしい事が起こるもんだよな全く」


マーティ「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/
ドク「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/


ジョーイ「……どうしたの?二人とも」

マーティ「……いや、なんでもない……」

ドク「確かにそんなこともあったと思ってな……」

ステファニー「それで、車は直りそうなの?」

ドク「まだ詳しくは見とらんからなんとも言えんが……」

マーティ「どこが悪いか分かったの、ドク?」

ドク「いや、ざっと調べてホバーコンバージョンのほうは調節できそうなんだが……車のサスペンションのほうは私は専門じゃないからな」

マーティ「直せそうにないってこと?」

ドク「時間はかかるかも知れん」

マーティ「……そりゃまたヘビーだ」



ダニー「……重さは関係ないと思うよ?」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「……ダニー。おたく、流行りが50年代で止まってるだろうから言うけど」
\HAHAHA…/

ジェシー「ヘビーってのは『キツい』って意味なんだぜ」

ジョーイ「そうだよダニー。たとえば僕なんか最近お菓子食べすぎちゃってさ……映画なんか見てるとついね。ポパイならホウレンソウを一緒に食べるんだけど……」
\HAHA…/

ジョーイ「ベルトが要らなくなったし、体重も増えた……つまりこれが『ヘビー』ってことだよ。分かった?」
\HAHAHA…/


ニッキー「ちが~ぅ」
アレックス「もっとおべんきょうしなしゃ~ぃ」
\HAHAHA…/


ジェシー「……ジョーイ」

ジョーイ「何?」

ジェシー「黙ってろ!」
\HAHAHAHA…/

マーティ「あはは……いやぁ、それにしても賑やかだよね。みんな親戚?」

ジョーイ「いや、全員じゃないよ。僕はダニーの友達で、同居中なんだ」

ダニー「そういえば、うちの家族の紹介をしてなかったね。これは失礼」

ジェシー「そうだったな。俺はジェシー・コクラン。ダニーの義理の弟で、そっちのベッキーが俺の奥さん。それに双子のニッキーとアレックス」

 ベッキー「ほらニッキー、アレックス、ご挨拶しなさい。マーティとドクター・ブラウンよ」

ニッキー「……こんちゎ~」
アレックス「……ごゅっくりぃ~」
\HAHAHA…/
https://i.imgur.com/TmGQhLG.jpg


マーティ「こんにちは~……。かわいいねぇ。女の子?」

ジェシー「おいおい……違うよ! 二人とも男だ。そりゃ髪は伸びててサラサラだけど……見りゃわかんだろ!」
\HAHAHA…/

マーティ「うーん……言われてみれば……」

ジェシー「そりゃないぜ……コクラン家の男だぞ……」

マーティ「はは、ごめんね君たち。よろしく、僕はマーティ」

ダニー「……そして、僕が家の主人のダニー・タナーです。向こうから三人娘のDJ、ステファニー、ミシェル」

マーティ「全部で9人か、たくさんで楽しそうだね。……あれ、さっきはもう一人いなかったっけ? たしかキミーって……」

ダニー「キミーが家族?……冗談でもよしてよ」
\HAHAHA…/

マーティ「…………お母さんは?」


ジェシー「…………あー」

ジョーイ「…………それはつまり……」

ステファニー「その…………」

マーティ「ぁ…………まずいこと聞いちゃった……?」

ダニー「いやいや……僕の妻は───パメラはいないんだ……亡くなってね。8年前に、交通事故で」

ミシェル「…………」

マーティ「いや…………ごめんなさい、知らなくて……」

ダニー「あぁ、気にすることはないよ。昔の話だからね」

D.J.「そうそう、覚えてるわ。ママが死んで、ジェシーおじさんとジョーイおじさんが子育てを手伝いにうちに越してきたの……」

D.J.「私も小学生だったし、ステフは幼稚園で……ミシェルなんかまだほんの赤ん坊だったもの」

ドク「なるほど」

ジェシー「だけど、よく考えると不思議な話だよな」

ミシェル「どうして?」

ジェシー「だってよ、姉貴が死んでなくて、俺とジョーイがここに越してこなかったら……今の自分がどんな人生なのか、想像もつかねえんだもんな」

ダニー「……確かにそうだね。今でもロングヘアーで、相変わらずプレスリーのコスプレしながら一日中はしゃぎ回ってるのかも」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「ダニー、冗談よせよ。まさかそんな…………そうかも」
\HAHAHA…/

ジョーイ「僕も、もしかしたらまだコメディアンを目指してるかもね。もちろん今も捨ててない夢だけど……ここに来てなかったらずっと一人だろうし、ここに来ていろいろ変わったこともあるしね……」

マーティ「そうだったんだ……」


ダニー「……まあ、しんみりした話はこの辺にしておこうか」

ジェシー「そうだな。 あ、そうだ……さっきのサスペンションの話だけど、俺はこう見えて車とかバイクとか、いじってたことがあるんだよ……よかったら明日見てやろうか?」

ドク「本当かね?」

ジェシー「ああ、任せとけ」

マーティ「よかった、これで早く帰れそうだね!」

いったん切ります

なかなかシブい組み合わせだ

やだ、思った以上にフルハウス節……楽しい

 





──────


ジェシー「…………」カチャカチャ


   ”……今週の音楽ヒットチャート、第一位はこちら……”


ジェシー「…………」カチャカチャ

ガチャッ

マーティ「ジェシー、いる?」


    ”バリー&ザ・リッパーズで『エイプリル・ガール』!なんとこれで36週連続の一位です……いやぁ素晴らしいですね……”

ジェシー「…………」カチャカチャ

    ”今週末には全米ツアーも開始されます。これからが非常に楽しみなバンドです──”


    ♪~

ブツッ

ジェシー「……ったく、耳障りったらありゃしねえ……」

マーティ「ラジオがどうかしたの?」

ジェシー「いや……なんでもねぇんだ」

マーティ「そう……ねえ、デロリアンの調子はどう?」

ジェシー「ちょっと待ってな、後はこれだけ……よしっと。ほら、終わった」カチャカチャ

マーティ「終わったの?」

ジェシー「サスペンションも元通りよ。前より良くなったかもな……」

ジェシー「こないだと同じ高さから落ちても壊れないはずだぜ。ジョーイみたいな太っちょが乗ってなきゃだけど」
\HAHAHAHA…/

マーティ「ホントに? ありがとう!」

ジェシー「これくらいどうってことねえよ。じゃ、試しにエンジン動かしてみな」

マーティ「ああ」


カチッ
ギュルルルルッル
ブオオオォロロロン……


マーティ「……うん、バッチリみたい」


ジェシー「前より調子いいぜ。ついでに、スターターのヒューズも交換しといたぞ。パーツが余ってたから」

マーティ「……よかったの?そんなにしてもらって」

ジェシー「俺はどっちかって言うと車よりバイクが専門なんだが……それでも、デロリアンがその辺いけてねえのはよく知ってる」

マーティ「……そうだね。ありがとう」

ジェシー「おたくもそれで困ったことありますって顔してるな。ハハ!」
\HAHAHAHAHAHA…/

マーティ「あぁ、経験あるよ……もう二度と家に帰れないんじゃないかって、死ぬほど焦ったね」
\HAHAHAHAHAHAHA…/

ジェシー「もう心配ご無用! 東海岸まででもへっちゃらよ」
\HAAHAHA…/


ヒョコッ

キミー「何やってんの?」

マーティ「あ、昨日の……お隣さんだったんだ」

キミー「ハイ色男、あたしキミー・ギブラー。ヘンテコ博士は一緒じゃないの?」

ジェシー「人のことヘンテコって言える立場かよ? マーティ、あいつのことは気にするな。喋るダチョウかなんかだと思ってりゃいい」
\HAHAHA…/

キミー「なぁに言ってんのさ、鳥みたいなヘアースタイルしといてからに!」
\HAHAHAHAHA…/

ジェシー「……」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「………………ギブラーさん、ご用件は?」

キミー「別に?」

ジェシー「なら失せろ!」
\HAHAHAHA…/

キミー「別におじさんに用があるんじゃないよ、DJいる?」

マーティ「あぁ、さっきキッチンにいたけど……」

キミー「いるならいいんだ、また後で用事があるだけだから。じゃね」スッ


ジェシー「何しに来たんだあいつ?」

マーティ「……変わった子だね」

ジェシー「ありゃいかれてんの」
\HAHAHA…/

ガチャ

ジョーイ「ジェシー、まだ裏庭にいたの……もう終わった?クラブのスタッフから電話が来てるよ、今度のザ・ニュースのステージのことで」

ジェシー「おう、何て言ってんだ?」

ジョーイ「音響機器の調節についてだってさ。マイク音量はどうする?」

ジェシー「音量? 今度は最高のゲストが来てくれるからな……いつもの120パーセントだ。やっぱガンガンいかねえとな。多少うるさいくらいがちょうどいいってもんよ」

ジョーイ「OK……今のはバンド演奏のね。ヒューイ・ルイスが使うマイクはどうする?」

ジェシー「40パーセントにしとけ」
\HAHAHA…/

ジェシー「言っとくけど……うちのクラブで死人は出させねえ」
\HAHAHA…/


ジョーイ「経営者としての才能は抜群だね」
\HAHAHAHAHA…/

ジョーイ「そうそう、ベッキーから伝言。明日買出し行くからついて来てって。僕も行くよ」

ジェシー「OK」

ジョーイ「それだけ。じゃ、また後で」

ジェシー「あいよ」


バタン

マーティ「……」ガコンッ

ピキュイィィン


ジェシー「……それは?」

マーティ「いや、ちょっと調整をね」ピッピッピッ…ピピッ

ジェシー「ふぅん……しっかし、妙な機械やら配線で埋め尽くされてんだな」

マーティ「あ、ああ。ゴチャゴチャしてるよね……」



ジェシー「これ全部、空を飛ぶための機械なのか?」

マーティ「いや、そうじゃないんだけどさ。なんというか……」


ドク「オホン! ……マーティ、何しとるんだ?」


マーティ「! あぁ、ドク」

ジェシー「あぁ博士、車直しといたぞ」

ドク「そうか、本当にありがとう……それはそうとコクラン君、リビングで君の双子が待っとったぞ。ABCの歌を歌ってほしいとな」

ジェシー「そうだった。早く行ってやんねぇとな……あれやれば一発で昼寝してくれるから楽ちんなもんよ」
\HAHAHA…/

マーティ「あぁ……またあとで」

ジェシー「サンキュー博士。じゃ、またな」タッタッ

 



マーティ「……」

ドク「マーティ、お前まさかこれがタイムマシンですなどとバラすつもりではないだろうな?」

マーティ「いや、バラすだなんてそんな……」

ドク「ただでさえ空飛ぶ車なんてまだ1995年には存在しとらんのだ、すでに十分不思議がられているんだぞ。その上タイムマシンだなんてことが知られたら、また歴史にどんな影響が出てくるか分からん」

マーティ「分かってる、分かってるよ……」

ドク「とにかく、修理が終わったんだからさっさと退散するんだ。1987年に戻って、デロリアンをさらに改良せんとな……ちょっと失礼」

マーティ「……そうかい」

ドク「目標時間を設定して……と」ピッピッピッピッ……ピピピッ

マーティ「……でもさ、待ってよドク。タイムマシンだってばれちゃいけないんなら、なんでこのデロリアンは4人乗りなの?」

ドク「……」


マーティ「ムチャクチャだとは思うよ。二人乗りのデロリアンに無理やりシート付け足してさ、窮屈でたまんない」

マーティ「だけど他に誰か乗せるつもりでもないとこんなことしないよね。一体何がしたいの?」

ドク「……それはだな……」


マーティ「昔はさ……タイムマシンなんて危険すぎる、さっさと壊せって言ってたのに……」

マーティ「あのときだってそうだよ! そもそも1885年から戻った後のアレがあって、ずっとお別れだと思ってたのに、2年してまた戻ってきたし……」

マーティ「事実、このデロリアンだって新しく作り直したものだろ?」

ドク「わかった、わかった! はぁ、お前さん珍しく鋭いな……」

マーティ「教えてよ、ドク。別に悪だくみじゃないんだろ? 何をしようとしてるのか話してくれたっていいじゃない」

ドク「お前の言うとおりだ……ただ、私もあれから考えを改めた、それだけの話だ。確かに新たな計画があるのは認める……だが今はまだ話せん」

マーティ「……そういうなら、まあいいんだけどさ」


マーティ「あんまり現在で仕事にかかりっきりじゃ、クララだって寂しがるんじゃないの?」

ドク「それは心配要らん。こっちで何日か過ごしても、家族の元には1日以内に戻るようにしてある」

マーティ「なるほど。……歳を取るスピードも早いわけだ」
\HAHAHA…/

ドク「余計なお世話だ……あ、そうだマーティ。2、3買い直したい部品があるのを忘れとった」

ドク「この近くに店があるんだ、買い物に付き合ってくれんか」

マーティ「いいよ、じゃあいこうか。皆に言ってこなくても大丈夫?」

ドク「用はすぐに済む。さあ行こう」

マーティ「OK」



   「で、何に使う部品なの?」

   「簡単に言えばだ、遠隔操作でデロリアンをタイムトラベルさせたときに──」

   「──デロリアンに取り付けた通信装置と現在とで、4次元テレコミュニケーションを可能にする道具だ」

   「……そりゃすごい。タイムマシンの電話版ってわけ?」

   「まあそんなところだ。すでにデロリアンの方には専用のモニターを取り付けてある」

   「へぇ。でもなんだってそんなのが必要なの」スタスタ…

   「今に分かる」スタスタ…





ガチャ


D.J.「マーティ? ドク? 夕食できたんだけど……」

D.J.「いないのかしら?」

ステファニー「いないの?」ヒョコッ

D.J.「ええ。どこかに行ったのかしら……デロリアンは残ってるし……」


ミシェル「……」ヒョコッ

ミシェル「これはチャンスですねぇ~」スタスタ

D.J.「ミシェル、何してるの!」

ミシェル「だって空飛ぶ車だよ? いっぺんくらい乗ってみないとソンだよこんなの」ゴソゴソ

D.J.「ちょっと、怒られるわよ!」

ステファニー「…………」


ステファニー「実はあたしも気になってたの!」ゴソゴソ

D.J.「あっ、ステフまで! ダメよ……!!」


D.J.「…………」

D.J.「そりゃ私だって気になるわよぅ!」ゴソゴソ
\HAHAHAHA…/


  「うわっ、せまい……」モゾモゾ

  「これホントに4人乗れるの!?」モゾモゾ

  「お姉ちゃん、押さないで潰れる潰れる……!」モゾモゾ


ガチャッ

ダニー「……外がやけに騒がしいと思ったら……」

ダニー「お前たち、何してるんだ?」

D.J.「あ、パパ……あははは……」

ダニー「ダメじゃないか、勝手に乗り込んだりしちゃ」

D.J.「あぁー、いやぁ……その……困っちゃうわよねホント、やんちゃな妹たちで。私は止めたんだけど……」

ダニー「…………DJ」

D.J.「……ごめんなさい、パパ……」

ダニー「……それ、パパでも入れるかな?」
\HAHAHA…/

D.J.「…………ちゃんとヒザ折りたためばね」
\HAHAHAHA…/

ダニー「こりゃすごい、そこらじゅうヘンテコな装置だらけだ……」ゴソゴソ

ステファニー「ちょっ、せまっ……パパまで何してるの!?」

ミシェル「パパは入らないよこれ」

ダニー「うーん……」ギュウギュウ

ダニー「そうだよねぇ、この車にずっと乗ってたらパパ首が胸にひっついちゃうよ」
\HAHAHAHA…/



ステファニー「はいパパ、もうおふざけは終わり。早く降りて」

ダニー「わかったよ。 ……よっ」グイッ

ミシェル「……」

ダニー「……」グイッ
\HAHA…/

ステファニー「……」

ダニー「…………」グイッ
\HAHA…/

D.J.「パパ。一応確認なんだけど……もしかして詰まった?」
\HAHAHA…/



ダニー「……ジェシー呼んで」
\HAHAHAHAHA…/

ミシェル「がんばって押せば抜けるんじゃない? それっ!」ドンッ


ダニー「わっ、ミシェル!!」ガコンッ


ウィイイィイイィン
シュゴオォオォオォオ……


D.J.「!!」

ステファニー「!!」

ダニー「!!」


ミシェル「あー……まっずいかも……」
\HAHAHAHA…/

ゴオォォオオォ…


ステファニー「お姉ちゃん早く止めて! パパでもいいから!!」

D.J.「そんなこと言ったって……!!」


 キイィィィイイイィィン……


ダニー「まずい、ドンドンスピードが上がってる! このままじゃ違反だよ……!」
\HAHAHA…/


  ─ 55mph ─


D.J.「何言ってるのパパ!!」

ダニー「わかってる、冗談だよ……早く止めないと……!」

D.J.「だからどうやるのってば!!?」

 キイイィィイイィイィイイイン……


  ─ 65mph ─



ミシェル「ねえこれ、どこいっちゃうの!?」

ステファニー「わかんないよ!!」




  ─ 75mph ─




D.J.「……これ……」



   M   D   Y   H  M
  JUN  25  1987  15 15
    DESTINATION TIME


  JUN  23  1995  16 34
     PRESENT TIME

  JUN  25  1987  15 15
  LAST TIME DEPARTED




   ─ 85mph ─




D.J.「……何…………!?」

バシッ!!

バシッ!!! バシィッ!!

バシッ!バチィッ!!

バシッ!!バシッバシッ!!




 「「「「あああああああああああ!!!!!」」」」









   ─ 88mph ─

 







   ─  JUN  25  1995  16 34  ─





   ─  ≡≡  ≡  ≡≡  ≡ ≡  ─





   ─  JUN  25  1987  15 15  ─




 

切ります

 







   ─  JUN  23  1995  16 34  ─





   ─  ≡≡  ≡  ≡≡  ≡ ≡  ─





   ─  JUN  25  1987  15 15  ─




 

──────


ガチャッ

ドク「デロリアンを見てないか!?」

ベッキー「……デロリアンって……裏庭の?」

ドク「ほんの少し目を離した隙に消えてしまったんだ!」

マーティ「ドク……DJたちも皆いないし、もしかしたら彼女らが乗ってるのかも……」

ドク「あぁ、そうか……だとしたら厄介だ、あの子らはあのデロリアンが何なのか知りもしないはずだぞ。もし間違って別の時代へ行っていたら……」

マーティ「ドクごめんよ、僕のせいだ……エンジンをかけっぱなしにして離れちゃったから……」

ドク「話は後だ。 今はあの子らとデロリアンがどこにあるのか……あるいは、いつなのかを……特定することだ」

マーティ「……あぁ、ごめん。ニッキーとアレックスはこれからお昼寝? 邪魔しちゃって悪かったね……」

ニッキー「……ぅぅん……」
アレックス「……ぃぃょ……」

ベッキー「あら……二人ともどうしたの? 元気ないけど……おねむだから?」


ドク「! あ、そうか……マーティ、アレがあった! さっき話した四次元テレコミュニケーションモニターの試作品だ!」

マーティ「あぁ、なるほど……それでデロリアンがどの時代に行っても、連絡が取れるんだっけ? やるじゃない、ドク!」

ドク「すまんがコクラン夫人、キッチンを借りるよ。 なに、新しく買った部品で調整しなおせばきっと上手く行く」

マーティ「邪魔してしてごめんなさい、ベッキー。 じゃあこれで!」

バタン

ベッキー「……一体何の話をしてるのかしら?」

ニッキー「……ママ……」
アレックス「きもちわるぃ~……」

ベッキー「まぁ……ねぇニッキー、どうしたの?アレックスも……」

アレックス「ぉててがうごかないの……」
ニッキー「ぼくもぉ……」

ベッキー「やっぱり具合悪いのかしら……ジェシー! ジェシー! ねえちょっと、こっち来て!」


──────









ピーッ ピーッ ピーッ ピーッ
フシュウウゥゥゥゥウゥウウ…………


ダニー「……みんな、大丈夫か?」

DJ「ええ……パパも、怪我はない?」

ダニー「なんとかね……何が起こったのかわからないけど、とにかく無事に地面に降りられて良かったよ……」

ステファニー「……よかった、私たち生きてる!!!」

ミシェル「よくないよ。あたしたち車盗んだんだよ、何考えてるの?」

ステファニー「盗んじゃいないわよ、ただちょっと乗ってみたら……飛んじゃっただけ」

ミシェル「……」

ステファニー「飛ぶ車なんて他にないんだから、こういうときのために説明書きくらいつけとくべきよ」
\HAHAHA…/

ステファニー「ていうか、だいたいあんたが最初にふざけて乗り込んだのが悪いんでしょ!?」

ミシェル「わざとじゃないもん!」

ダニー「二人とも落ち着いて。いいか、わざとじゃないにしろ、パパたちは無断で二人の車を使ってしまったんだ」

D.J.「ホントよ、ドクが知ったらきっと怒るわ。家に戻しましょ」

ダニー「そうだね。幸い、結構な高さから着地したけど、車は無事そうだし」

ステファニー「わかった、わかったわよ。じゃあ早いとこ返しに行こ」

D.J.「わかってる。みんな乗って」


ヒュウウゥウゥン
プスプス……

D.J.「……待ってよ」カチッ

ギュルルルルル


D.J.「……」カチッ カチッ

ギュルルルルルルル……

ダニー「……DJ、どうしたの」

D.J.「エンストよ。もう、こんなときに限って……」カチッ カチッ

ギュルルルルルル……

ステファニー「ええっ、じゃあどうするの?」

ダニー「動かないのか?」

D.J.「そうみたい……パパ、どうしよう」

ダニー「とにかく家に戻って正直に話すしかなさそうだね。パパは帰って話をしてくるから、3人は車を見張ってて」

ステファニー「わかった」

タッタッタッ…

ミシェル「…………」

ミシェル「何かよくわかんないけど……すっごーく変な気分」

マニアックなクロスオーバーだな。でも面白そう

──────

ダニー「……」タッタッタッ

ダニー「ここだよね……はあ、はあ、ふう……タクシーで来ればよかったかな……」

ダニー「………………」

ダニー「…………なんだろう…………庭が……さっきより綺麗だな…………」

ダニー「…………?」

ダニー「いや、そんなこと気にしてる場合じゃない。ドクター・ブラウンに話を……」



  「ねーぇ、パパとママいつかえってくるの?」

  「もうちょっと待ってなさい、パパはお仕事でママはお買い物中!」



ダニー「!! 子供の声……?」

ダニー「ジラード通り1882番地、間違いなく家なのに……?」

ダニー「…………いったい誰が……?」コソコソ

  「まちくたびれたもーん。おねえちゃんバレリーナごっこやろ!したいでしょ?」
https://i.imgur.com/p7VNt0B.jpg

  「……やらないわよ、私今宿題してるの」
https://i.imgur.com/gjbK5g9.jpg

  「したいもん♪」

  「したくない」

  「したいもん♪」

  「したくない!」

  「したぃもぉん……ぅゎぁぁぁぁん……」


ダニー「…………!?」

ダニー「……うそだろ……まさか……」



ダニー「DJ……それにステフ……?」

  「もう、わかった、わかったわよ! ミシェルにミルクあげてからね」

  「あたしがあげるー!」

  「ステフには無理よ、だっこできないでしょ。ミシェルよく食べるんだからあんたなんかぺしゃんこよ」

  「ぅぁー! キャッキャッ」
https://i.imgur.com/6sYCA0Y.jpg



ダニー「なんであんなに小さくなって……?」

ダニー「ミシェルなんて生まれたばっかりの赤ん坊じゃないか……あんなのまるで……8年かそこら昔の姿だよ……」




ダニー「……こ、」

ダニー「…………これは夢だ……とにかく、皆のところに戻ろう……」コソコソ

──────

ダニー「……まるで変な夢を見てる気分だよ……」タッタッタッ


タッタッ……

ダニー「……映画館だ」

ダニー「あぁ、懐かしいのやってるね。『ビバリーヒルズコップ2』だって!」

ダニー「これケーブルテレビで見たよ。8年くらい前のだったかな……」

  「アンタ何言ってんだ?この映画先月公開されたばかりだぞ」

ダニー「? そうだっけ……」

ダニー「まあとにかく、僕映画の続編って好きなんだよねぇ。ターミネーター2とかも……」

  「何のことだ? ターミネーターに2なんかないだろ」

ダニー「いやいや、やってたでしょ? 何言ってるんです……」

  「あれ……そういやアンタ、テレビで見たことあるな」

ダニー「あっ、気づきました?」ニヤニヤ
\HAHAHA…/

ダニー「いやぁ、有名人てのはこういうとき大変だよねぇ……そうです、僕はご存知ダニー・タナー、おはようサンフランシスコの……」

  「そうだそうだ。 アンタ、ニュースのスポーツコーナーの人だろ!」

ダニー「……?」

ダニー「いやいや、違いますよ。おはようサンフランシスコ! 知らないんですか?」

  「そうなのか? 朝の番組は見たこたないが、俺アンタのコーナー好きなんだよ! こないだバスケ特集やってたときのアレ最高だったぜ、ダンクシュートに挑戦したら間違って頭をリングに突っ込んだアレ」
\HAHAHA…/


ダニー「……そんなことやったかな……」

  「とにかく、応援してるぜ! じゃあな」スタスタ

ダニー「あっ、ちょっと……!」


ダニー「勘違いしてますよ! 何せ僕がスポーツキャスターをやってたのは……」

ダニー「…………」


ダニー「…………8年かそこら昔なんだから……」



ダニー「……何かがおかしいぞ…………」



ダニー「……あれ」

ダニー「……ゴミ箱に新聞がある」ガサゴソ

ダニー「!」


 【San Francisco Chronicle 6.25.1987(Thu)】


ダニー「…………なんだって……?」




ダニー「 1 9 8 7 年 ! ! ! ? ? ? 」

──────

D.J.「?」

ステファニー「どうかしたの?」

D.J.「今パパが…………」

ステファニー「?」


DJ「……ううん。なんでもない」


ミシェル「パパまだかなぁ……」




警察官「あー、ちょっと君たち」

D.J.「?」

ステファニー「?」

警察官「そのデロリアン、早く動かしてって言ったよね?」

D.J.「……何のことです?」

警察官「とぼけたって無駄だ。さっきも言ったが、ここは駐車禁止区域なんだぞ!」

D.J.「……えーと……わかりました……すぐ動かします」

警察官「次こそもうないぞ。分かったな」スタスタ


ステファニー「……? 一体何の話? あのおまわりさんに会ったことあったっけ?」

D.J.「よくわかんないけど……どのみちロンバート・ストリートは観光客も多いし、人目につかないところのほうがよさそうね」

ステファニー「さっきは調子悪かったけど、動かせるの?」

D.J.「待って……」カチッ

ギュルルルル……

D.J.「……」カチッ

ギュルルルルル……


D.J.「……もう、いい加減にしてよ!」バンバン

ギュルルルルル
ブオオォォオオロロン……

D.J.「……いよっし!」

ステファニー「やった!」

ザーッ……ザーッ

   『……映った? 映った! よぉし成功だ!』

ステファニー「!? ……ドク!?」

D.J.「ドク!?」




ミシェル「……」キョロキョロ

ミシェル「!」


ミシェル「…………!?」

ミシェル「……ねえ、ちょっと!」タッタッタッ


ミシェル「ちょっと待って!」タッタッタッ

   『みんな、大丈夫?』

ステファニー「マーティも!」

   『上手く行ってよかった!デロリアンに受信機を取り付けておいたおかげで、こちらのいる現在からそのデロリアンとの通信ができているんだ!』

   『そんなことより……一体なんてことをしてくれたんだ!!デロリアンを勝手に持ち出すなど……!!』

D.J.「ドク、私たち間違って車を動かしちゃったの!そしたら飛びはじめて……止めようと思ったんだけどやり方がわからなくて……」

   『いいか、よく聞くんだ! 君たちには信じがたいことかもしれんが、君たちがタイムサーキットをいじったりしていないとするならだ、君たちは今、1987年の世界にいるはずだ!』


ステファニー「……はい?」

D.J.「……1987年?」


   『そう! 諸君は今、過去の世界にいるというわけだ!』

D.J.「……何言ってるの? ちょっと待ってよ。そんなの簡単に信じられるわけ……」


ダニー「……過去の世界……だから1987年……?」

D.J.「パパ……!?」

ステファニー「パパ、戻ってきたの!?」

ダニー「あぁ……それよりドクター・ブラウン、詳しく説明してもらえますか」

   『この際仕方ないあるまい……そのデロリアンは、私が発明したタイムマシンなんだ』

   『ドク、いいのかい……?』

   『こうなってしまったんだ、我々にも責任があるからな……私とマーティもそれに乗って、元の1987年から君たちのいた1995年にやってきたというわけだ』

ステファニー「…………うそぉ……」

ダニー「……なるほど。納得しました」

D.J.「パパ、どういうこと……?」

ダニー「DJ、見てみなさい」バサッ

D.J.「……新聞?」


D.J.「『1987年6月25日』……ウソでしょ」

D.J.「本当にタイムマシンだなんて……」

   『元の世界に戻る方法を教える!よく聞いて、私が指示した以外は絶対に何もするな!いいか!?』

ステファニー「う、うん……」

ダニー「どうすればいいんですか?」

   『まず、座席の真ん中にレバーがある。回して』

D.J.「座席の真ん中のレバー……これね」ガコンッ

ピキュイィィィイン…


 M   D    Y   H M
JUN  23  1987  15 15
  DESTINATION TIME


JUN  25  1995  16 07
   PRESENT TIME

JUN  23  1995  16 34
LAST TIME DEPARTED


   『今のがタイムサーキットの電源だ。正面に三種類の時間が表示されているのが分かるか?』

   『上から目標時間、現在時間、そして最後に出発した時間となっている』

   『真ん中を見ろ、君たちが今いるのは1987年6月25日となっているはずだ』

D.J.「……これ、さっきも光ってた」

ダニー「本当かい?」

ステファニー「そんなの見る余裕なかった……」

   『元の世界に戻る方法を教える!よく聞いて、私が指示した以外は絶対に何もするな!いいか!?』

ステファニー「う、うん……」

ダニー「どうすればいいんですか?」

   『まず、座席の真ん中にレバーがある。回して』

D.J.「座席の真ん中のレバー……これね」ガコンッ

ピキュイィィィイン…


 M   D    Y   H M
JUN  23  1987  15 15
  DESTINATION TIME


JUN  25  1987  16 07
   PRESENT TIME

JUN  23  1995  16 34
LAST TIME DEPARTED


   『今のがタイムサーキットの電源だ。正面に三種類の時間が表示されているのが分かるか?』

   『上から目標時間、現在時間、そして最後に出発した時間となっている』

   『真ん中を見ろ、君たちが今いるのは1987年6月25日となっているはずだ』

D.J.「……これ、さっきも光ってた」

ダニー「本当かい?」

ステファニー「そんなの見る余裕なかった……」

   『目標時間はダイヤルボタンで何時にでも設定できる。一番下の、出発時間と同じ日付と時刻に設定するんだ。1995年6月23日とな』

D.J.「……パパ、やって」

ダニー「パパが? ……よし」


ピッ…ピッ…ピッピッ

ダニー「これで……いいかな」ピッピッ


 M   D    Y   H M
JUN  23  1995  16 34
  DESTINATION TIME


JUN  25  1987  16 08
   PRESENT TIME

JUN  23  1995  16 34
LAST TIME DEPARTED


ダニー「できました、ドクター・ブラウン」

   『……よし!次はタイムトラベルに必要なエネルギーだ。車の外側を見るんだ』

   『リア部分の中央に開閉式の白い装置がある。それが「ミスター・フュージョン」』

ステファニー「……この白い煙突みたいな?」

   『そうだ。そこに燃料をいれる』

D.J.「燃料ってガソリンのこと?」

   『いいや、その辺のゴミで十分!入るだけ突っ込めばいい』

ダニー「ゴミを?」

   『それは2015年の装置で、1タイムトラベルに必要な1.21ジゴワットの電力をそこから生み出す』

ダニー「……そりゃ最高だ、ぜひウチにも欲しいもんだね」
\HAHA…/

D.J.「パパ、ふざけないで」

ダニー「なに、冗談だよ……」

ステファニー「その辺のゴミ箱からいろいろ持ってきたよ!」

D.J.「これとこれとこれと全部……」ポイポイポイ


   『蓋をしたか?』

ステファニー「待って……出来た!」ガコンッ

   『いいぞ。あとは、タイムサーキットを起動させた状態でデロリアンを時速88マイルまで加速するんだ』

D.J.「88マイル!?」

ダニー「そりゃまた随分なスピードだね……」

ステファニー「でも、私たち空飛ぶ車の操縦できないんだよ!?」

   『だったら君たちどうやってタイムトラベルしたのさ?』

ステファニー「……できないからこうなったの」
\HAHAHA…/


   『心配要らん。飛行の操作に自信がないなら、そのまま地面を走って加速すればいい!』

D.J.「そうなの……よかった」

 
  『説明は以上だ。いいか、それ以外のことは何にもするな! ……無事で帰ってきてくれたまえ』

ブツッ


ステファニー「……切れちゃった」

ダニー「とにかく、戻り方が分かったんなら早く帰ろう」

D.J.「ええ。 …………あれ……」



ステファニー「……ミシェルはどこ?」

ダニー「!」

──────


ミシェル「……」キョロキョロ

ミシェル「……」キョロキョロ

ミシェル「……おかしいな……見失っちゃった」


ミシェル「お姉ちゃんにすごく似てると思ったんだけど……見間違いかなぁ?」

ミシェル「……」

ミシェル「勝手に歩き回ったのはまずかったかなぁ……パパに怒られるかも……」


   「……ヒック……」

ミシェル「……?」

   「……ゲフッ、ヒック……」フラフラ

ミシェル「うわっ、すごい酔っ払い……」

 
   「う~ぃっ、ヒック……ふぅ~、あいつらが薦めるから飲んじまった……ック」

ミシェル「……おじさん」

   「……んん~?」

ミシェル「こんな昼間からお酒飲んでたの?すごくお酒臭いよ」

   「なぁンだお嬢ちゃん、ほっとけよぉ……ンヒック。帰んねぇと……」ゴソゴソ

ミシェル「ちょっと! 車で帰るつもり? ダメだよそんなの、なに考えてるの?」

   「ぁあ~?」

ミシェル「……宿題でやったもん、お酒飲んで運転したら危ないし、事故起こすって!」

   「うるっさいなぁ~あっちいってろォ……かぎ鍵カギ~……」ジャラジャラ

ミシェル「だからダメって言ってるでしょ!」バッ

   「ンおい!何しゃがる……ヒック!」


ミシェル「……えっと……」

   「返せぇ!」

ミシェル「……えいっ!」ポイーッ

   「あぁっ! 車の鍵……クソガキ何すんだ!てめぇ!」


 /
 ミシェルー!どこにいるのー!
 \

 /
 ミシェルー!
 \


ミシェル「! お姉ちゃん……」

ミシェル「……!」ダッ

 「こらおいっ、待てっ!!」

ミシェル「…………」タッタッ


 「……くそっ、行っちまった……」

 「……鍵……車の鍵、どこ行った~……これじゃ帰れねえじゃねえかよ~……ヒック」

──────

DJ「ミシェルあんたどこ行ってたの!」

ステファニー「そうよ、こんな時に勝手にふらついて!」

ミシェル「ううん、何でもないの……」

ダニー「心配したんだよ?お前はまだ道を一人で渡っちゃダメなんだから」

ミシェル「……ごめんなさいパパ、もう大丈夫」


ダニー「よし、もういい。 みんな揃ったし、早いところ元の世界に帰ろうか」

D.J.「……でも、時速88マイルまで加速するって言われても……」

ステファニー「お姉ちゃん、難しそう?」

ダニー「そうだね、この辺は坂が多いし。そもそもそんなスピードを出せる直線がサンフランシスコにあるかどうか……」

ステファニー「言われてみれば確かに……」

DJ「直線…………」

ステファニー「どうするの……!?」

DJ「……いいえ、あるわ」



DJ「ゴールデンゲートブリッジ。あそこなら…………」

──────

DJ「よし……いくわよ……!」グンッ


ブオオォォォオ……


 ─ 55mph ─

ステファニー「ぶつからないように気をつけて!」

D.J.「わかってる!」ガコンッ


ブオオォォォオオ……!

 ─ 65mph ─


ミシェル「お姉ちゃん……」

D.J.「大丈夫……!」


ブオオォォォォオ……!!

 ─ 75mph ─


ダニー「DJ、がんばって飛ばすんだ!……でも飛ばしすぎはダメだよおぉぉおおおお!」
\HAHAHA…/

D.J.「……っ!」ガコンッ


ブオオォォォオォオオ……!!!!



 ─ 85mph ─


バシッ!

バシッ!!

バシッ!!! バシィッ!!


D.J.「うっ、また光って……!」

ステファニー「眩しっ……!」

バシッ!!! バシィッ!!

バシッ!バチィッ!!

バシッ!!バシッバシッ!!


ダニー「うっ……!」


 ─ 88mph ─


ミシェル「わぁっ……!」








   ─  JUN  25  1987  16 45  ─





   ─  ≡≡  ≡  ≡≡  ≡ ≡  ─





   ─  JUN  23  1995  16 34  ─




 

バシッ!!!
シュバァァァァァァアアアン!!!


ミシェル「……!」

ステファニー「うわっ、どうなったの……」


ダニー「DJ、前! 前! 避けて!!」


プップー!!!


D.J.「きゃあぁあっ!!??」グインッ

ステファニー「うわぁっ!?」

ミシェル「わあぁあおっ!!」

ダニー「あいだっ!!」ゴツン
\HAHAHA…/

ブオオォォォォオ……


D.J.「……あぶなかった……いきなり目の前に車が……」

ダニー「……まったく……狭くてかなわないよ。上にも下にも妙なスイッチばっかりで、頭をガリガリされるんだ」
\HAHAHA…/

ダニー「今も、髪の毛を巻き込んでちょっと抜けちゃった」
\HAHAHA…/

ステファニー「それで!? どうなったの!?」

ダニー「あっ……3人とも、これ見て!」



 M   D    Y   H M
JUN  23  1995  16 34
  DESTINATION TIME


JUN  23  1995  16 34
   PRESENT TIME

JUN  25  1987  16 45
LAST TIME DEPARTED

ステファニー「……"現在時間:1995年6月23日"……じゃあ戻れたの!?」

ダニー「……わからないけど、そうみたいだね……」

ミシェル「よかった……」

D.J.「ええ。これで一安心ね……」


D.J.「うちへ帰りましょ」グイン


ブロロロロ……

──────

ドク「……」ウロウロ


ドク「……遅い……!」ウロウロ


ドク「……遅い、遅い……!」ウロウロ


ドク「……遅い、遅い、遅い……!」ウロウロ


ブロロロロ……


ドク「!」


キキイィッ


ドク「タナー君、君たちか!?」

D.J.「ドク!」

ドク「早く車を裏庭へ! 人目のあるところには置いとけん、さあ!」

D.J.「わ、わかった!」ガコンッ


ブロロロロ……

──────

ドク「一体何を考えとるんだ!!??」

ダニー「ドクター・ブラウン、本当にすみません。事故だったんです」

ドク「下手をすれば帰って来れなかったかもしれないんだぞ!? 君たちは1987年に置き去りにされるところだったんだ!!」

マーティ「ドク、落ち着いて。みんな無事なんだし、いいじゃない」

ドク「そうかも知れんが、君だって第三者が無計画にタイムマシンを乗り回して歴史がメチャメチャになってしまったパターンを知っとるだろう!例え悪意がなくとも……」


ドク「…………!」



ドク「君たち、まさかとは思うが……過去の世界で、誰にも会ったり口をきいたりしとらんな!?」

ミシェル「!」

D.J.「……えーと……」

ステファニー「確か……おまわりさんと」

ダニー「僕はファンだって人と……」

ドク「しまった……それを言い忘れていた……」

ミシェル「えっと……あたしは……」

D.J.「でも、どうして?」

ドク「どうしてだと!いいか、この時空連続体においてはだな……過去におけるどんな些細な現象が、未来に大きな影響を及ぼすか分からんのだぞ!」

D.J.「そんなこと言われても」

ステファニー「よく分かんないよ……」

マーティ「ドク、落ち着きなよ」

ドク「つまり、過去の人間に関わることで、未来が大変に変わってしまう危険性が……」



ドク「……いや、何もないなら良いんだ。君たちが無事でよかった……」

ダニー「……いえ、とにかくご迷惑をかけて本当にすみませんでした」

ミシェル「……」

D.J.「……ミシェル、どうしたの?さっきからずーっと黙っちゃって」

ステファニー「ホントよ。元気ないの?」

ミシェル「…………ううん、何にも」

ドク「そうか……。念のため聞いておくが、1987年に向かう前と後で、なにか変わったことはあるかね」

D.J.「変わったこと……それってこの家の中でってこと?」

ドク「どんな小さなことでも構わん。すまないがこんなことは初めてでな」

ドク「私やマーティ以外がタイムトラベラーになってしまったということは、どこでどんな風に歴史が変わってしまったのか知ることができないということだ。何かあるかね!?」

ミシェル「……」

ステファニー「そんなこと言われても……ウチは……とくに変わった様子はないかなぁ」

D.J.「うーん……なんか静かじゃない?」

ステファニー「言われてみれば……そうかも」

D.J.「おじさんたちの様子を見に行きましょ!」

ステファニー「うん!」
ドタドタ……

ミシェル「……あたしも行く!」
トタトタ…



ドク「はて……」

マーティ「……おじさんたち?」

 
ガチャ


D.J.「ジェシーおじさん!ジェシーおじさん!いないの!?」

ステファニー「ジョーイー!」

ミシェル「ベッキーおばさーん!どこー!?」



D.J.「……誰もいない」

ステファニー「今日は朝からみんないたのに……出掛けちゃったのかも」

ミシェル「……ニッキー! アレックスー!」

マーティ「ねえ、変わったことあった?」

D.J.「マーティ……分からないわ。でも、朝からいたはずのおじさんたちが見当たらなくて……出かけてるだけかもしれないけど……」

マーティ「あの、気になったんだけど……そのおじさんたちってのは誰のことだい?」

D.J.「……なんですって?」

ステファニー「ジェシーおじさんとジョーイおじさんのことに決まってるじゃん!」

ドク「……マーティ、何か知ってるか?」

マーティ「いや……親戚?」

ダニー「親戚って……二人はウチの家族だよ。二人とも昨日のうちに会ってるじゃありませんか! 何言ってるんです!?」

D.J.「ベッキーおばさんや、ニッキーとアレックスもいたじゃない!」

ドク「……いやまて、どうも話が食い違っとるようだ」

マーティ「あぁ、どっかおかしいよ。 だって君たち家族はパパさんと、DJたち3人と、あとは……」



 /
 ただいまー
 \

ステファニー「……誰か帰ってきた?」

D.J.「……でも……誰?」


 /
 ねーぇ、誰もいないのー?
 \


ステファニー「……どうしようお姉ちゃん」

D.J.「……いろいろ変だけど……確かめなくちゃ」

ミシェル「……」

D.J.「……行きましょ」

ダニー「……」


ドク「……?」

マーティ「……?」

どちらもメジャー作品だが
この二つをクロスさせるって発想は中々ない
期待

 
ガチャリ


   「あら、三人ともいたの? 言ってくれればよかったのに」


D.J.「………………」

ステファニー「………………」

ミシェル「………………?」


   「ダニーも。 ……どうしたの?ボーッとしちゃって」


ステファニー「……うそでしょ……」

D.J.「一体どうなってるの……」

ダニー「…………」


 

 












パメラ「夕食の準備、手伝ってくれない? ……もしもし? ホントに大丈夫?」
https://i.imgur.com/47aQKGf.jpg



D.J.「…………ママ……」

ステファニー「………………」

ミシェル「…………ママ……?」

ダニー「…………嘘だろう……?」



──────────────────


────────────


──────


──

前半パート終了
続きは後日



どっちも全然詳しくないけど面白い

うわー、ここでパメラか

両方大好きだから今鳥肌凄いわ…。
こいつはヘビーだよ…。

母親は交通事故で死んだんだな
これは歴史を戻すのに葛藤ありそう

すげえ再現度!

 



──

──────


────────────


──────────────────

チュン……チュンチュン……


D.J.「すぅ……すぅ……」

D.J.「すぅ……すぅ……」


D.J.「…………」ムクリ


D.J.「……ひどい夢ね」 

 
D.J.「……おはよう……」

ダニー「あぁ、DJ……おはよう」

D.J.「パパ……顔色悪いわよ、大丈夫?」

ダニー「そう? いや……心配要らないよ……」



パメラ「おはよう、DJ。土曜日だからってゆっくり寝てちゃダメよ?」

D.J.「!」


パメラ「?」

D.J.「あぁ……ママ…………おはよう……」



ステファニー「……おはよう」

ミシェル「……」

パメラ「おはようステフ、ミシェル」

ミシェル「……お、おはよう……」

パメラ「……なんだか昨日から皆元気ないわねぇ……何かあったの? ダニー」

ダニー「あ……いや、何でもないんだ……」

ガチャッ

キミー「ハァーイ、おはよう!!」

「「「「!!!」」」」


D.J.「キミー!」

キミー「DJ、昨日アンタのこと探してたんだよ?キャシー・サントニの新しい彼氏の写真見せてやろうと思って。 ……超ブサイクなんだから!」
\HAHAHA…/

D.J.「キミー、あんた何ともないの!?」

キミー「何とも? 何が?」

D.J.「何も変わってない!?」

キミー「んー……そういやコロン変えたの。 タマネギの香りのやつ」
\HAHAHA…/

D.J.「……」
\HAHAHA…/

キミー「おはようおばさん!」

パメラ「ハイ、キミー。朝ごはん食べてくでしょ?」

キミー「サンキュー!いやーおばさんのご飯は美味しいんだ! うちの母親の料理なんかひどくてさぁ、おたくのコメットの餌の方が美味しかったくらいよ」
\HAHAHA…/

パメラ「あらありがとう、嬉しいわ」


パメラ「…………食べたことあるのね」
\HAHAHAHA…/


D.J.「……あの、悪いんだけどキミー……今ちょっと……立て込んでるの。今日のところは帰ってくれない?」

キミー「どしたのさDJ、アンタなんか変だよ?」

D.J.「……アンタにそう言われる日が来るとはね」
\HAHAHA…/

D.J.「でも認めるわ。今日は私変なの……だから、ね? お願い帰って」グイグイ

キミー「何でよ!?アンタんちの方がもてなしてくれんのよ! 靴下も一緒に洗ってくれるしさぁ!」
\HAHAHAHA…/


バタン

D.J.「……はぁ…………」


ダニー「……まさかとは思うけど君……キミーの靴下を洗ってるの?」

ダニー「うちの洗濯機で???」
\HAHAHA…/

パメラ「そりゃ、泊まってくときはね」


ダニー「……買い換えなきゃ」
\HAHAHA…/



ステファニー「パパ、何言ってるの。しっかりしてよ……!」ヒソヒソ

ダニー「しょうがないだろう、いろいろこんがらがってるんだよ……」ヒソヒソ

パメラ「?」

ミシェル「……」

パメラ「ミシェル、どうしたの? ごはん食べないの?」

ミシェル「……いや……食べる……」

パメラ「ホントにどうかしたの? ほら、顔上げて……いつもの笑顔を見せて?」

ミシェル「……いつものって……?」


D.J.「……」
ステファニー「……」
ダニー「……」


パメラ「……えっと……とにかく、ほら朝ごはん早く食べちゃって! ダニー、そろそろ支度しないと。番組の打ち合わせがあるんでしょ?」

ダニー「打ち合わせ? ……誰と?」

パメラ「誰って……」


パメラ「ベッキーに決まってるじゃない」

D.J.「!」
ステファニー「!」
ミシェル「!」

──────

ピンポーン


D.J.「……ベッキー?」ガチャッ

ベッキー「こんにちはー。ハイDJ、元気?」

D.J.「……あぁ、よかったベッキー……会えて嬉しい!」

ベッキー「あら、私もよ。久しぶり! ふふっ」

ステファニー「ベッキー! どこ行ってたの?」

ベッキー「? どこって……家にいたわよ。さっきまでは」

ミシェル「ベッキーおばさん、なにか変わったことない?」

ベッキー「何かって?」

ステファニー「ねぇ、なんでわざわざチャイムなんか鳴らしたの?普通に入ってくればいいのに」

ベッキー「そう言ったって、一応客だもの。私」

ステファニー「客……?」


ダニー「……ベッキー」

ベッキー「はい、ダニー。 打ち合わせするんでしょ? 次回の連続特集の内容について」

ベッキー「トンバヤシがまた日本から来てくれるのよ。前にも相撲特集組んだわよね、覚えてる?」

ダニー「あぁ……懐かしいね。彼のツッパリで2m吹っ飛んだこと、まだ覚えてるよ」
\HAHAHAHA…/

ダニー「……今度はふんどしで全身縛られちゃったりして」
\HAHAHA…/

パメラ「ハイ、ベッキー。いらっしゃい、ゆっくりしてってね」

ベッキー「ハイ、パム。ありがとう」


ステファニー「……ママを知ってるの?」

ベッキー「? ええ、もちろんだけど……なんでそんな事聞くの?」

D.J.「……ごめんなさい、なんでもないの」


ベッキー「さて! あなたたちとおしゃべりするのは大好きだけど、今からは仕事の話。ごめんなさいね」

ベッキー「ダニー、始めましょ」

ダニー「あ、あぁ……分かった」

──────


ベッキー「…………それで、VTRが終わったら、実際にスタジオで実演するってワケ」

ダニー「……」

ベッキー「このとき、ダニーに協力してもらいたいことがあるの。 …………ダニー。 ダニー?」

ダニー「…… あ、ごめん。 ボーッとしてて……」

ベッキー「珍しいわね。 何かあったの? DJたちも様子が変だったし……」

ダニー「いや……その、なんというかね……」


コンコン
ガチャ


D.J.「お茶どうぞ。 ……ママが淹れたの」コトッ

ベッキー「あら、ありがとうDJ」

ステファニー「お菓子もあるよ」コトッ

ミシェル「どうぞ」コトッ

ベッキー「まあ、みんなでおもてなししてくれるなんて嬉しいわ。 あぁ……ホント、タナー家って素敵なおうち」

ダニー「……そうかい?」

ベッキー「もちろんよ! 賑やかで、楽しそうで……私もこんな家族と暮らせたらなぁって、ずっと思ってたもの……」

D.J.「……」

ステファニー「……」



ミシェル「……おばさん何言ってるの? あたしたちずっと一緒に暮らしてきたじゃん」


ベッキー「?」

ダニー「こら、ミシェル……」

ミシェル「……」

ステファニー「そうだよ。 覚えてないの?」

ベッキー「えっ? ……あの、何のこと、ステフ……?」

ダニー「……」

D.J.「ベッキー、思い出してよ。私たち本当の家族だったのよ?」

ベッキー「……?」

ステファニー「ジェシーおじさんと結婚したでしょ!?」

ベッキー「……ジェシー……? あぁ、パムの弟さんの? ミュージシャンの人でしょ? どうしてそんな、私が結婚だなんて……一体なんの冗談?」

ベッキー「だって、私会ったこともないわよ。あんな有名人」

ミシェル「……なんにも覚えてないの……?」

ベッキー「覚えて、って……」

ミシェル「ニッキーとアレックスは? 双子だよ。まだよちよち歩きの、金髪でサラサラヘアーの!」

ベッキー「…………?」



ベッキー「……誰のことかしら……?」

ミシェル「……!」
\AHHHH…/

ベッキー「…………ごめんなさい。あなたたちが何を言ってるのか全然分からなくて……」

ベッキー「私はずっと独身だし、そりゃ3人とも家族みたいに思ってはいるけど……何のことだか……」

D.J.「そんな……」



ダニー「…………」

ダニー「ベッキー……すまない、みんなちょっと……悩み事があってね」

ダニー「本当悪いんだけど……打ち合わせ、また今度にしてもらってもいいかな……今日は帰ってくれないか……」

ベッキー「ええ……いいけど……ダニーも変よ。みんなどうかしちゃったの?」


ベッキー「その……また今度ね。じゃあ……」


バタン


D.J.「…………」

ステファニー「…………」

ミシェル「…………」

──────


prrrr…

D.J.「電話だわ」ガチャ


D.J.「もしもし、タナーです」

D.J.「……国際電話? 東京から?」

D.J.「…………ほんとに?」

D.J.「わかりました……ちょっと待っててください。父にかわります」



ダニー「……東京からって、電話主は?」

D.J.「…………ジョーイ」

ダニー「……なんだって?」


ダニー「もしもし……ジョーイ、お前今日本にいるのか!?」

   『話したじゃない、こないだ電話でさ。アメリカで話題のコメディアンとして特別に呼ばれたんだよ!すごいでしょ!?』

D.J.「ジョーイ、何て?」

ダニー「……今、日本のテレビに出てるらしい」


───


ジョーイ「それがさ、聞いてよダニー。この番組すごいんだよ! いろんなアスレチックミニゲームをやるんだ。 ジャンプして壁にくっついたり、エアホッケーで対戦したりね」

ジョーイ「そんでもって最後にはルーレットで商品を当てるんだけど……一等は何だと思う?」

   『……何なの?』

ジョーイ「車だよ! しかもミツビシ! すごいでしょ!?」

   『そう……それで、当てたのかい?ミツビシ』

ジョーイ「いや、僕が当てたのは……茶色くて柄のない……ちっこいブラシみたいなの」
\HAHAHA…/

ジョーイ「随分硬くて何に使うのかわかんなくて……昨日は一応バスルームで使ってみたんだけどさ……」

   『……それでいいんだジョーイ、それは『タワシ』っていって、床やタイルを磨くものだぞ』


ジョーイ「えっ、そうだったの?もっと早く言ってよ……今朝からずっと体中ヒリヒリするわけだ」
\HAHAHAHA…/

ダニー「……それで、いつ帰ってくるんだ?」

   『1週間くらいかな?今の番組のほかにもうひとつ別のテレビに呼ばれてて……』

ダニー「そうか……」

   『アメリカに戻ってもしばらく忙しいから、また仕事でサンフランシスコに行ったときはお邪魔するよ』

ダニー「何だって?」

   『何って何が?』

ダニー「いや…………だから、サンフランシスコに帰ってくるんじゃないのか?」

   『今はニューヨークに住んでるって、いい忘れてたっけ?』

ダニー「ニューヨーク? 何言ってるんだジョーイ、僕らずっと同じ家に住んでただろう」

   『はい? そっちこそ何言ってるのさ? 何で僕がダニーたちの家に一緒に住むの?』

ダニー「何でって、覚えてないのか!? 8年前にパメラが……」



ダニー「………………」


   『DJたちにもしばらく会ってないしさ、皆元気にしてる? ミシェルは今何歳だっけ?』

ダニー「………………」

   『……もしもし?』



ダニー「…………いや、何でもない。また連絡してくれ……」

   『? ……うん、じゃあまた! パムによろしく』


ガチャン

ダニー「……」

DJ「ジョーイ、なんて?」

ダニー「…………」

DJ「……パパ?」



ダニー「……頭ではなんとなく理解してても、堪えるね……」

きります

──────

ステファニー「パパ! パパ! ちょっとこっちきて!」

ミシェル「大変だよ!」


ダニー「どうしたんだ二人とも……テレビなんて見てる場合じゃ……」

ステファニー「違うの! これ、ほら見て!」

ダニー「……?」



”……今週の音楽ヒットチャート、第一位はこちら……”

”ジェシー&ザ・リッパーズで『エイプリル・ガール』!なんとこれで36週連続の一位です……いやぁ素晴らしいですね……”

”今週末には全米ツアーも開始され、来年には二度目の東京公演も予定されています。これからが非常に楽しみなバンドです───”

♪~



ダニー「……ジェシー&ザ・リッパーズ……!?」

ステファニー「おじさん、リッパーズクビになったんじゃなかった!?」

ミシェル「だよね……」

ダニー「確か、そうだったね……」



prrrr…


ステファニー「また電話……」ガチャ

ステファニー「もしもし……」


ステファニー「!? ジェシーおじさん!!」

ダニー「!」

ミシェル「おいたん!」

───


ジェシー「よっ、やってっか!」

   『おじさん今どこにいるの!?』

ジェシー「今からライブだよ。今西海岸ツアーやってるんだ』

ジェシー「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとバッティングしちまってるけど、いまんとこリッパーズの方がイケてるね。なんせあちらさんは声が大きすぎるんだよ」
\HAHAHA…/


   『なんでまだリッパーズと組んでるの?』

ジェシー「……なんでって、やめる理由ないだろ。俺たちゃ日本でも成功したし、こんどは全米ツアーで今まで以上にガンガンいくぞ」

ジェシー「まぁ……やっぱアレをやってるのが人気の理由だな」

    『……アレって?』


ジェシー「毎回受けてるんだよな、プレスリーのコスプレで一曲やるの。『センキューベイベー、今日の客は最高だぜ』」
\HAHAHAHA…/

───


ダニー「ステフ、ちょっと代わって」

ステフ「う、うん」

ダニー「もしもし? ジェシー?」

   『おう、ダニーか! みんな元気してるか?』

ダニー「あぁ……元気にしてるけど……ジェシー、お前今どこで暮らしてるんだ? 結婚は?」

   『おいおい、お袋みてぇなこと言うなよな……俺はロッカーだぜ。結婚なんてまだ考えてねえし、実はここだけの話……ビバリーヒルズに越そうと思ってんだ。セレブの仲間入りって奴だ』

ダニー「ビバリーヒルズだって? やめたほうがいいと思うよ……お前には似合わないと思うよ。毎日ヘアースタイル決めて犬の散歩してる写真撮られたいのか?」
\HAHAHA…/


   『何言ってんだ、まさしく俺にぴったりじゃねえか』

ダニー「……真面目な話、お前は家庭的な男になれると思うんだけどな」

   『おいおい、冗談よせって。何考えてんだ? エプロン巻いて、双子のベビーちゃんをベッドに寝かせて子守唄聞かせてやるのが本当の俺だってか? キツいぜ』

ダニー「…………」

ミシェル「……パパ、代わって。もうガマンできない……あたしがおいたんと話す」

ダニー「……あ、あぁ……」


ミシェル「もしもし、おいたん?」

   『その声は……ミシェルか?』

ミシェル「あたしの声が分からないの?」

   『悪い悪い、前聞いたときより随分変わっちまったもんだから』

ミシェル「……」

   『ミシェル、久しぶりだな。今何歳だっけ?』

ミシェル「8歳だよ……忘れたの?」

   『そんなこと言われてもよ……あ、さては去年誕生日プレゼント贈り忘れたのまだ怒ってるのか?』

ミシェル「……おいたん、もういい加減にして。あたし怒ってるんだから。早く帰ってきて!」

   『帰ってきてったって……』

ミシェル「ベッキーおばさんや、ニッキーとアレックスと一緒に暮らしてる優しいおいたんが好きなのに……」

   『ベッキー? アレックス? ……誰のことだ?』

ミシェル「…………どうして忘れちゃったの……?」



   『あぁ、そろそろ行かねえと。始まっちまう……パムにもよろしく言っといてくれ』

ミシェル「…………わかった」



   『あぁ、それとな……ミシェル、あんまりこういうことは言いたかねえんだが──』

ミシェル「……?」

 






   『その「おいたん」っての、いい加減もうやめてくんねえか』

ミシェル「…………!」
\AHHHHH…/



   『なんつーか、聞いててムズムズするんだよな……俺はそんなガラじゃねえし、お前ももうチビじゃねえんだから』



ミシェル「…………」




   『…………もしもし。 もしもし?』


ミシェル「…………」



ミシェル「……わかりました。 ごめんなさい、ジェシーおじさん……」

ガチャン


ミシェル「…………」


ステファニー「……ミシェル? 大丈夫?」

ダニー「ジェシーと何を話したんだ?」



ミシェル「……こんなのってないよ。 どうしてみんなこうなっちゃうの?」

ダニー「……ママが生きてたら、こうなってたってことなんだね」


ダニー「ジェシーもジョーイも、家事や育児を手伝いにこのうちへ来ることはなかった」

ダニー「ベッキーとはもともと仕事で組んでたから、たまに家で来ることはあったみたいだけど……」


ステファニー「……そういえば、ジェシーおじさんとベッキーおばさんはこの家で出会ったんだよね」

ステファニー「それで二人が結婚して………… ちょっと待って」

ダニー「あぁ……そういうことだね」


ダニー「二人がこの家で出会わなければ、恋に落ちて、結婚することもない」

ダニー「そうなれば……」



ステファニー「……ニッキーとアレックスは生まれてこないんだ…………」

ミシェル「こんなのひどいよ! あたしの家族がなくなっちゃった!」

ステファニー「ミシェル、だけどそれはママが生きてるからで……」

ミシェル「ママママって、そんなこと言われてもどうすればいいかわかんないよ!」


ミシェル「……あたしママのこと何にも知らないんだもん……!」ダッ





ステファニー「ミシェル。 ……ミシェル! どこ行くの!」

ミシェル「部屋!」ダッ



ダニー「…………」

ステファニー「…………」

──────


ガチャッ


D.J.「……ミシェル?」

ミシェル「……あっちは自分の部屋じゃないみたいでイヤだから来た」

D.J.「…………」


ミシェル「……グスッ……」


D.J.「……ミシェル、おいで」


ミシェル「……DJお姉ちゃん、あたし……」ギュゥ

D.J.「……私も……すっごく複雑な気分」ギュゥ

コンコン

ダニー「ミシェル、ここにいたのか。 DJ、入ってもいいかい?」

ステファニー「……」


D.J.「ええ。入って」




ダニー「パメラは……?」

D.J.「今は自分の部屋にいるわ。私たちが妙な態度だから不思議に思ってるみたい……悪い事したわね」

ステファニー「……ねえ、私たちどうなるの?」

ダニー「……そうだね。なんだか……夢でも見てる気分だよ……」

ステファニー「ホント……まだ何も信じられない……」



  「いや、残念だが──」


「「「「!」」」」



ドク「どうやらこれは紛れもない現実のようだぞ」

マーティ「……」

──────

ドク「どうもさっきから君たち4人の様子がおかしいと思っとったんだ。1987年から戻って来てからな」

ダニー「ドクターブラウン、じつは……」

ドク「やはり、未来が変わってしまっているんだな?そうだろう」

D.J.「……ええ、そうなの」


マーティ「何がどう変わってるの?」

ステファニー「……ママが」

ドク「お袋さんが?」

ミシェル「……」

D.J.「ええ。私たちのママは8年前に亡くなったはずなの。飲酒運転の事故に巻き込まれて……でも、どういうわけか生き返ってて……」

DJ「……かわりに、いままで一緒に住んでたはずのジェシーおじさんや、ジョーイや、ベッキーがいない」

ミシェル「ニッキーとアレックスもだよ」


マーティ「……その、ジェシーおじさんたちのことはぼくたちも分からないけど……ドク、説明してあげて」

ドク「これを見たまえ」バサッ



                 1987      1995
Past  ────────○─────○─ Future

                   \
                     \   1995A
                      \_○




ドク「君たちがもといたのはこの世界線で言うところのこちらの"1995年"。ところが君たちが間違いで1987年に行ってしまったばかりに、そこで君らの存在が時空連続体に1つの歪みを生じさせ新たな未来を作ってしまった」

ドク「それがこっちの"1995年A"だ。つまり今君たちが……我々がいる現在」

マーティ「この話ややこしいんだよね……」

ドク「この1995年Aにおいては、もともと8年前に亡くなったはずの君らのお袋さんが元気に生きとる。そう言ったな?」

ダニー「そうです。忘れもしないよ……パメラは1987年6月25日、飲酒運転の車が起こした事故に巻き込まれて死んだ」


ドク「1987年にいたときに何があったか思い出すんだ。些細なことでもいい。ほんの小さな出来事が歴史に大きな影響を及ぼすことだってありうる」


ミシェル「……飲酒運転……」



ミシェル「!」

D.J.「……ミシェル?」

ミシェル「…………あぁ~……パパ……」

ダニー「どうしたんだ?何かあったのかい?」

ミシェル「…………あたしのせいかも……」

ドク「……そうなのか?」

ステファニー「ミシェル、何があったの?」

ミシェル「……」


ダニー「そういえばあの時、少しの間パパたちとはぐれてたことがあったね。ミシェル、正直に話してくれないか」

ステファニー「大丈夫よ。誰も怒らないから」

ミシェル「……うん、わかった………」

 


ミシェル「あのね、あの時みんなのいたところから離れて……お店の前に来てたの。お酒を売ってるところだった」

ミシェル「そこから出てきた男の人がいて……その人すごく酔っ払ってて……車に乗ろうとしたの」


D.J.「…………」


ミシェル「だからね、あたし言ったの。『そんなの酔っ払ってるのに車なんて乗っちゃいけないんだよ』って」

ミシェル「でもその人聞かなくて……それで、それで……あたし……」


ステファニー「……それで?」


ミシェル「…………その人から車の鍵を取って、捨てたの。道の反対側に」


ダニー「…………そんな……」

D.J.「じゃあミシェルの会ったその男の人が……」




ダニー「……8年前の事故を起こした男なんだ……」

 


ミシェル「あのね、あの時みんなのいたところから離れて……お店の前に来てたの。お酒を売ってるところだった」

ミシェル「そこから出てきた男の人がいて……その人すごく酔っ払ってて……車に乗ろうとしたの」


D.J.「…………」


ミシェル「だからね、あたし言ったの。『そんなに酔っ払ってるのに車なんて乗っちゃいけないんだよ』って」

ミシェル「でもその人聞かなくて……それで、それで……あたし……」


ステファニー「……それで?」


ミシェル「…………その人から車の鍵を取って、捨てたの。道の反対側に」


ダニー「…………そんな……」

D.J.「じゃあミシェルの会ったその男の人が……」




ダニー「……8年前の事故を起こした男なんだ……」

キツいな

ドク「……なるほど。ミシェル、ありがとう。よく話してくれた」

ミシェル「パパ、ごめんなさい。知らなかったの……ママが…………ママが……」

ダニー「ミシェル、もういいんだ。お前は悪くないよ……」ギュッ

ミシェル「…………グスッ……」ギュッ

ドク「……してしまったことはしょうがない。今はこれから先のことを考えるんだ」

ステファニー「……過去の話でしょ?」

D.J.「事情は分かったわ。けど……もう元に戻せないの?」

ドク「今の話を聞く限り……方法ならある」

ダニー「……ホントですか?」


ドク「あるとも。単純だが、しかし……危険な方法だ」

D.J.「どう危険なの?」

ドク「歴史の分岐を修正するためにはだ、君たちがもう一度1987年へ戻り、男が鍵を失くさないようにすればいい」

ダニー「……つまり、例の男から鍵を奪おうとするミシェルを止めるってことですか?」

ドク「いや、そこが問題なんだ。先に過去へ行った自分自身と出会うのはあまりに危険すぎる」

ステファニー「……そうなの?」


ドク「ミシェル、男から鍵を奪って投げ捨てた後は?」

ミシェル「お姉ちゃんたちの声が聞こえたから、すぐに走って逃げた……あとはわかんない」

マーティ「……」


ドク「……よし、ならばこうしよう」

ドク「昨日のミシェルが男と出会い、鍵を奪って投げ捨て、逃げた直後を見計らい──」

ドク「その鍵を回収して、すぐさま例の男に返す。昨日のミシェルに見つからんようにだ」


ダニー「……それで上手く行くんですか?」

ドク「一筋縄ではいかんだろうが、これしか方法はない」

D.J.「じゃあ、私たちまた過去に戻るってこと? デロリアンに乗るの?」

ドク「そうとも。 君ら全員で1987年へ戻って、過去を修正する必要がある」

ドク「心配いらん、あのデロリアンは遠隔操作が可能なんだ。今度は私が操縦をするから、君らは安全にタイムトラベルができるはずだ」

ミシェル「……!」

ダニー「なるほど……わかりました。それなら、やってみましょう」

マーティ「それと決まれば、デロリアンの準備をしないとね」


D.J.「……でも……」


ステファニー「……待って」

ステファニー「それじゃ……ママはどうなるの? 今は生きてるんでしょ?」



ステファニー「…………もう一度死なせるってこと?」


ダニー「…………」

D.J.「…………」

ミシェル「…………」

ドク「確かに、この件はそういう問題が出てくるな……」

マーティ「でもドク、過去を変えちゃったんなら直さなきゃ。ドクだって同じだろ?」


ダニー「……どうすれば……」


ドク「どうするかは君らが決めることだ」

マーティ「えっ……?」

ドク「よく考えるんだ。死んだはずの母親か、君らの言う今の家族か。どちらを選ぶか」


ステファニー「……」


ドク「決心がついたら、私のところに来たまえ。一応、デロリアンを整備して待っているよ」

ドク「マーティ、いくぞ。彼らだけにしてやるんだ」

マーティ「ちょっと、待ってよドク……!」


バタン

D.J.「……」

ミシェル「……」

>>149訂正
マーティ「それと決まれば、デロリアンの準備をしないとね」

マーティ「そうと決まれば、デロリアンの準備をしないとね」

 

マーティ「なんであんなこと言ったの?歴史を変えたらどこにどんな影響が出るか分からないんでしょ!?」


ドク「マーティ、人間は科学的理論だけにしたがって生きていくことはできんのだ。そんなに単純じゃない」

マーティ「……」

ドク「時には例え間違っていようとも、一度した選択を受け入れる覚悟が必要になる」

マーティ「ドク……あんた変わっちゃったよ。前より普通の人間らしくなったけど……僕にはちょっと妙な気分だよ」

ドク「これは家族の問題だ、マーティ。他人が口出しできることじゃない」

ドク「…………それに」

マーティ「それに?」


ドク「今なら私にも理解できるからかも知れんな……家族という存在の重さが」

マーティ「……」

ドク「私もまた、歴史を歪めた結果に甘えている一人であることは認めんといかん」


マーティ「……クララたちのこと言ってるの? それ……」

ドク「…………」

マーティ「……ま、その通りだね。それに、そこんとこ言うと僕も同じか……パパをタフガイにしちゃった責任は取ってないしね」

ドク「そうとも。彼らが死んだ母親を本当に望むというなら…………それもまた未来の一つだ。分かるか?」

マーティ「ドクがそう言うなら、そうなのかもね……で、僕たちはこれからどうする?」

ドク「待つしかない」


ドク「……彼らの選択をな」






D.J.「パパ、どうするの……?」

ダニー「どうするって言っても……」

ミシェル「……」

ステファニー「ドクは元に戻せるって言ってたけど…………そしたらママは……」


ダニー「……」

ダニー「みんな、パパの話をよく聞いて」



ダニー「……過去の世界から戻って……今この家はすっかり変わってしまってるね」

ダニー「それはママが生きてるってことだけじゃない。パパたち以外全員変わってしまったんだ」

ダニー「ジョーイは世界的に有名なコメディアンでテレビから引っ張りだこだし、ジェシーはリッパーズと組み続けて、ミュージシャンとして大成功」

ダニー「二人とも、ずっとそうなることを夢見てたんだ。パパは二人の親友だから、そのことはよく知ってるし……お前たちだってそれを応援し続けてきたよね」


ダニー「……この家で暮らしている間、それを成し遂げられなかったことも理解してるだろう」

ステファニー「……」

ダニー「……もちろん、良くないことだって起こってる。ニッキーとアレックスのことだね……」

ダニー「唯一変わってないのは……よりにもよってキミーだけ」
\HAHAHA…/

ステファニー「……ホント、嬉しくて涙出るわ」
\HAHAHA…/


D.J.「……じゃあこのままにしとくってこと?」

ミシェル「…………」

ダニー「…………ハァ……」

ダニー「……………………本当のところ、パパにも分からないんだ」

D.J.「……」


ダニー「パパ、この家でみんなの生活を守ってきたつもりだったけど……みんながこの家にいたせいで上手く行かなかったことがあったってことも思い知らされたよ……」

ダニー「元に戻さなきゃいけないのは分かってる。パパたちは全員そろってタナー家なんだ、誰一人として欠けちゃいけない。もちろんニッキーたちも含めてね」

ダニー「だけど……そうするとお前たちはまたママを失って、おじさんたちはまた成功を失う」

ダニー「……それが本当に正しいことなのかな……?」



D.J.「パパ、それは違うと思う」

ダニー「えっ……」

D.J.「ジェシーおじさんもジョーイも……家に来たせいでお仕事上手く行かなかったなんて、今まで一回も言わなかった」

D.J.「私がずっと聞いてたのは、『家に来たおかげで最高の家族と、最高の相棒が手に入った』ってこと。二人ともパパのことホントに信頼してると思うし……感謝もしてると思う」

D.J.「そりゃ、ママが生きてる今の世界では成功してて、元の世界では成功してこなかったかも知れないけど……」

D.J.「それって、元の世界でこれから先ずっと上手く行かないってことにはならないでしょ? これから二人とも成功するかもしれない。 未来のことなんて誰にも分からないもの」

ダニー「…………」


D.J.「でも……私たちには過去があるじゃない。 今まで家族として一緒にやってきた8年間をなかったことにするなんて……考えられないわ」

D.J.「おじさんたちは私たちと一緒に暮らして、幸せでいてくれたと思うよ。多分ね」

ダニー「DJ……」

ステファニー「……お姉ちゃんの言うとおりかも」

ダニー「ステフ……」

ステファニー「私思ったの。もしこのままにするとして……ママは本当に喜ぶのかって」

ステファニー「だって、ママは8年間生きてきたことになるけど、私たちはその間のママをなんにも知らないんだよ?」

ステファニー「……ミシェルなんて、まだ赤ん坊だったから昔のことすらなんにも覚えてないと思うし……」

ミシェル「……」

ステファニー「こう言っちゃうと変かも知れないけど……ママはずっと、天国から私たちのこと見てくれてたんだと思う」

ステファニー「だから……今の状態は、きっとママも望んでないような気がして……」

ダニー「……」

ステファニー「それにさ! 私たちママがいなくても、なんだかんだ今まで上手くやって来れたし」

ステファニー「これからも大丈夫だよ。せっかく会えたのに、またいなくなっちゃうのはちょっと寂しいけど……でも平気」

ダニー「……」

ミシェル「…………」

ダニー「ミシェル、これはお前にはとても難しい問題かもしれない。辛い思いをさせてしまってすまなかったね」

ミシェル「……ううん、パパ。 あたしも大丈夫」

ミシェル「さっきはちょっとびっくりして……ちょっとショックだっただけ」


ミシェル「あたしもいつものおいたんや、ジョーイや、ベッキーおばさんや、ニッキーとアレックスが好き」

ミシェル「ママのことは……あたし確かに何にも覚えてないよ。でも今日、初めてちゃんと会えたような気がして……不思議だし、緊張したけど……ちょっと嬉しかったの」

ダニー「……ミシェル…………」



ダニー「……お前たちが、いつの間にかこんなにしっかりした子達に育ってるなんて、パパびっくりだよ」

D.J.「当然よ。なんてったってパパとママの子だもの」

ダニー「……そうか。頼もしいね……ありがとう」

ステファニー「だけど……パパはいいの?」

ダニー「何がだい?」

ステフ「ママのこと。……もう愛してないの? 」


ダニー「……はは、何言ってるんだ。もちろんパメラはパパにとって一番大事な女性だよ。付き合ってからも、結婚してからも、今までもずっとね」

ダニー「でも……今となっては、思い出の中の人でなきゃいけないんだ」


D.J.「……私も」

ダニー「?」

D.J.「ママに久しぶりに会えて嬉しかった。だけど……やっぱりみんながいないと寂しい」

ダニー「……きっとここにいるみんな、同じ気持ちのはずさ」

ステファニー「……うん」

ミシェル「……うん」





ダニー「……行こうか。未来を取り戻しに」

きります

>>137訂正
ダニー「ベッキーとはもともと仕事で組んでたから、たまに家で来ることはあったみたいだけど……」

ダニー「ベッキーとはもともと仕事で組んでたから、たまに家に来ることはあったみたいだけど……」

──────

ドク「タナー君」

ダニー「ドクター・ブラウン、頼みがあります。もう一度デロリアンを貸していたただけませんか」

ドク「……」

マーティ「……」

ダニー「……信じてほしいんです。僕たちは家族をもとに戻さなきゃいけない」

D.J.「お願いします!」

ステファニー「お願い……」

ミシェル「……お願い」



ドク「わかった。ただ少しだけ時間をくれんか……まだ少し調整しなければいかんところがあるんだ」

ダニー「わかりました。だったら……三人とも」

「「「?」」」


ダニー「今のうちに、ママにさよならをいっておいで」

 



コンコン

パメラ「? どうぞ」


ガチャ

D.J.「……ママ」

パメラ「あら、どうしたのDJ。ステフにミシェルまで」

D.J.「ううん、何でもないの。……これから私たちとパパと4人で買い物にいくのよ」

パメラ「あらそうなの?知らなかったわ。楽しんでらっしゃい、ドク・ブラウンたちと一緒に留守番しておくから」

D.J.「うん……」

ステファニー「……」

ミシェル「……」


パメラ「……? どうしたの?みんな元気ないの?」

D.J.「ううん、違うの。ただ……」

パメラ「?」

D.J.「何て言ったらいいのか……」

ステファニー「私から言う……ママ」

パメラ「何、ステフ?」


ステファニー「……今まで言う機会、あんまりなかったかもだから言っとくね」

ステファニー「いつも……見守ってくれてありがとう。大好きよ」チュッ

パメラ「あら、そうだったかしら?ふふ、ありがと」



ミシェル「……えっと……ママ」

パメラ「……ミシェル。あなた昨日からちょっとよそよそしい感じじゃない?」

ミシェル「……ぁ~……わかる?」

パメラ「分かるわよ、当然でしょ。何か隠し事してるんじゃないでしょうね?」

ミシェル「……ぁはは……お見通しかぁ……」

パメラ「…………?」

ミシェル「…………」

パメラ「…………」

ミシェル「……ママ。あたし赤ちゃんのころどんな子だった?」

パメラ「赤ちゃんのころ?そりゃもうとっても可愛かったわよぉ。ミートボールみたいにまんまるで」
\HAHAHA…/

ミシェル「……ミートボールぅ??」
\HAHAHA…/

パメラ「昔の話よ」

パメラ「……懐かしいわ、ミシェルが生まれたばっかりのころ。ステフもまだこんなにちっちゃかったものね?」

ステファニー「そうね……」

パメラ「DJも小さかったけど、そのころからもうがんばってお姉ちゃんやってたりして」

D.J.「……そうかしら」

パメラ「それがみんなすっかり大きくなって。8年なんて本当にあっという間よ」

パメラ「……親になると特にね。子供はすぐ成長して、変わっていくから」

ステファニー「……私たち、変わった?」

パメラ「ええ、もちろんいい意味でよ。パパもママも驚くくらい」

パメラ「……何もかも変わるものよ。子供も、家族も、人生も」

D.J.「……」

パメラ「ママも、今までいう機会なかったから話しておくわ……あなたたちの人生は変化の連続よ。それを受け入れる強い心と、支えてくれる人たちのことを忘れないこと……わかった?」

D.J.「うん……わかった」

パメラ「よろしい。……でももう一つ。 決して変わらないこともあるわ」

ミシェル「……変わらないことって?」


パメラ「ママはいつまでもあなたたちを見守ってる。どこにいようとね」


ステファニー「……」

D.J.「……」

パメラ「三人とも私の誇りだもの。立派に育ってくれて本当に嬉しいわ」

ステファニー「……ありがとう」

パメラ「もちろんパパも見守ってくれてるわよ。水曜と土曜はあなたたちの部屋の壁紙も全部拭きなおしてくれるし」
\HAHAHA…/

D.J.「……ありがとうママ。やっぱりママって最高」

パメラ「もちろんよ。キミーにも二十歳になったら義理の母親になってほしいって頼まれてるんだから」
\HAHAHA…/

ステファニー「それ、絶対受けちゃダメ。変な書類とか持ってきたら暖炉に捨てて」
\HAHAHAHA…/

パメラ「ふふ、わかったわよ。……話は終わった?」

ミシェル「……」

パメラ「?」

ミシェル「……」ギュッ

パメラ「あらあら」ギュッ

パメラ「……いつもの調子に戻った?」チュッ

ミシェル「……大丈夫だと思う」

D.J.「……」


ミシェル「ママのこと、なんだかよく知れたような気がする」

パメラ「あらそう?よかった」


D.J.「じゃぁ……そろそろ行かなきゃ」

パメラ「いってらっしゃい!」

ステファニー「バイ、ママ」

ミシェル「行ってきます」

パメラ「楽しんできてね~」

 


バタン……


D.J.「…………」

ステファニー「…………」

ミシェル「…………」



D.J.「…………グスッ……」

ステファニー「……グシュッ……ヒック……」

ミシェル「…………スンッ……スン……」





  「「「……さよなら、ママ」」」


 




ドク「……済んだかね?」

D.J.「……」ゴシゴシ


DJ「……ええ。もう大丈夫」

ステファニー「私も。もう平気」

ミシェル「……あたしも」

ダニー「…………」

ドク「……そうか」


ドク「では、乗るんだ」

──────

マーティ「みんな、準備はいい?」

D.J.「ちょっと待って……パパがまた挟まってる」
\HAHAHA…/

ダニー「しょうがないよ……パパの身長じゃ、このデロリアンは本当に狭いんだから」

ダニー「ドクター・ブラウン、できればもう少し大きいサイズにしてもらえると助かるんですけどねぇ……これ」

ドク「……大きいサイズ……」

マーティ「どうかした?」

ドク「……いや、何でもない」



ダニー「よいしょ……ふぅ、何とか乗れました……」

ドク「そうか。 いいかね、今回は私がリモコンで操作するから、そのハンドルには触るんじゃないぞ」

ドク「もう一度1987年に戻ったら、君たちのやるべきことはひとつ。ミシェルが例の交通事故を起こした男と接触している瞬間を見つけて、全てを元通りにするんだ!」

ステファニー「……わかった」

ドク「ただし……いやこれがもっとも難しいんだが……そのミシェルと顔を合わせてはいかん。気づかれないようにするんだ。絶対にな」

ミシェル「……うん」

ドク「ミシェルだけじゃない。先に1987年に行った昨日の君たち自身もだ。絶対に会ったり話したりするんじゃないぞ」

ドク「過去の自分と出会ってしまったら、時空にどんな悪影響があるか分からんからな」

D.J.「悪影響って……たとえば?」

ドク「下手をすれば宇宙全体が破壊される。運が良ければ、我々の住むこの銀河系の破壊だけで収まるがね」


D.J.「……そう。だったら安心だわ」
\HAHAHA…/




ドク「では出発だ──幸運を祈る」

 







   ─  JUN  24  1995  15 10  ─





   ─  ≡≡  ≡  ≡≡  ≡ ≡  ─





   ─  JUN  25  1987  14 45  ─




 

──────

シュバァァァァァァアアアン!!!



シュゴオオォオォオォォ……

ウィイィン
ゴオォォォ……

ギャッ
ガタンッ


ダニー「おっと…」ガクン


   『さあ着いたぞ。君たちの今いる正確な日付と時刻は、1987年6月25日午後2時45分』

   『君たちが最後に出発した時刻のちょうど30分前だ。つまり、昨日の君たちはまだ1987年には来ていないはずだ』

   『もう一度作戦を言うぞ。ミシェルがいた現場に先回りして待ち伏せし、見つからないように隠れて、ミシェルが例の酔っぱらい男から車の鍵を奪って投げ捨てる瞬間に立ち会う』

   『そしたら、何とかしてその鍵を取り戻し、ミシェルが去ったあとを見計らってすばやく男に返す!』

   『それでもとに戻るはずだ。ただしグズグズしていると、ほんの少しの時間経過も歴史に影響を及ぼさない保証はない!すばやく済ませるんだ』

ステファニー「……それ、どういうこと?」

   『たとえばの話……車と歩行者、どちらかがほんの10秒でもずれてしまうと……事故は起こらんというわけだ』

ダニー「……」

   『まあそう悲観せんでもいい。きっと上手くいく』

D.J.「……だといいけど……」

   『私には当時の状況は詳しくわからんからな、具体的にどうするかは君たちの手にかかっている。タナー君、君が指示を出して、全員をまとめてくれ……ミシェル!』

ミシェル「なに、ドク?」

   『どんな小さなことでも良い、事細かに思い出すんだ。どこから来て、何をして、どうなったか……いいかね、全ては君にかかっている』

ミシェル「……わかった。がんばる」

   『幸運を祈る、諸君! では、1時間後に連絡する』


   『そうそう、デロリアンにウォーキートーキーを載せてあるから、活用してくれたまえ』

ザーッ……ザーッ
ブツッ

ダニー「……これかな?」ゴソゴソ

ステファニー「えっと、スイッチは……ちゃんと使えるの?」カチッ

ダニー「ちょっと待って……」カチッ

ダニー「えー、こちらパパ。応答せよ」


  “えー、こちらパパ。応答せよ”


ミシェル「おぉ……悪くないね」

ダニー「問題ないみたいだね」

D.J.「よし。何かあったらこれで連絡を取りましょう」


ダニー「それじゃ、パパとミシェル二人でいってくる。DJ、ステフ、お前たちはそのデロリアンを見張ってて」

DJ「わかった。……頑張って、二人とも」

ミシェル「……うん」

ダニー「行こう、ミシェル。昨日お前がいた場所まで案内してくれ」

ステファニー「気をつけて!」


スタスタ……

いったんきります

──────

D.J.「……」

ステファニー「……」


D.J.「……あの二人大丈夫かしら」

ステファニー「きっと上手くやってくれるよ。信じて待つしかないよ」

D.J.「そうね……」



警察官「あー、ちょっと……君たち」

D.J.「? ……あ」

ステファニー「昨日のおまわりさん」

警察官「……昨日? どこかで会ったかい?」

D.J.「……?」


D.J.「!」

ステファニー「そうよ、だって……」

D.J.「ステフ!」

警察官「……?」

D.J.「あー、いえ……なんでもないんです……あはは」


警察官「……何でもいいが、ここは駐車禁止区域なんだ。その車はどこかにやってもらいたいんだが」

ステファニー「…………どういうこと?」

D.J.「静かに! あの……ごめんなさい、おまわりさん。すぐどかすんで……」

警察官「頼むよ。また後で見に来るからな」スタスタ


ステファニー「……さっきのおまわりさんって……」

D.J.「……あんまりややこしいこと考えたくないけど、そういえば私たち昨日も全く同じ場所にデロリアンを停めた気がするわ」

ステファニー「……そうだっけ?」

D.J.「そうよ! すぐとなりがロンバート・ストリートだったもの、はっきり覚えてるわ」

ステファニー「……それってまずい?」

D.J.「まずいわよ。もうすぐ昨日の私たちがここに来るってことなのよ? 鉢合わせたら大変ってドクが言ってたでしょ!」

ステファニー「えぇっ……? じゃあどうするの?」

D.J.「別の場所に移すの。早く乗って!」

ステファニー「う、うん、分かった!」


ブロロロロ……

──────


ダニー「……ミシェル、この店で間違いないね?」

ミシェル「うん、このお店だよ。この扉から出てきたの」

ダニー「よし……じゃあミシェル、よく思い出して。あのときのことを詳しく話してくれ」

ミシェル「わかった……」


ミシェル「あたしあっちの、坂の上の方向からお店の前に歩いてきたの」

ミシェル「そしたらちょうど男の人が出てきて……そのときにはもうフラフラだった」

ダニー「……で、その男の人と言い合いになって、ミシェルが鍵を奪った。そうだね?」

ミシェル「うん」

ダニー「鍵は道の反対に捨てたって言ってたけど、本当かい?」

ミシェル「うん、ちゃんと覚えてるよ。ちょうどあっちの方向に投げたの」

ミシェル「で、お姉ちゃんたちが呼んでるのが聞こえたから……来た方向に走って逃げたんだ」


ダニー「そうか……よしミシェル、こうしよう」

ダニー「パパとミシェル二人とも、向こう側の茂みに隠れて二人が現れるのを待つ。男と昨日のミシェルをね」

ダニー「昨日のミシェルが鍵を投げ捨てるのを待ち構えて、それを取って、すぐに男に返す。これはパパがやろう」

ミシェル「本当にそれで大丈夫……?」

ダニー「大丈夫、パパこれでもフットボールの経験があるんだから。クォーターバックのパスだと思えば楽勝だよ」
\HAHA…/

ミシェル「…………パパ」

ダニー「はは、冗談さ。よし、隠れる場所を探そう」

ミシェル「パパでも隠れられるところ探さなきゃね……」
\HAHAHA…/

──────

ブロロロロロ…

キィッ



D.J.「……この辺なら大丈夫よね」ガコンッ

ステファニー「お姉ちゃん、私頭こんがらがりそう……」

D.J.「私もよ。とにかくドクの言うとおり、昨日の私たちと関わらずにやり過ごせばいいのよ」

ステファニー「うん……」

D.J.「パパたちに車動かしたこと知らせなきゃ。トーキー貸して」

ステファニー「トーキー……?」



ステファニー「…………あっ!!!」

D.J.「何?」

ステファニー「……お姉ちゃんごめん……さっきの場所に忘れてきちゃった……」

D.J.「えぇっ!? アンタ何やってんのよ!」

ステファニー「これってまずい……?」

D.J.「まずすぎるわよ!! いいから早く取りに行きなさい!」

ステファニー「えっ、私一人で!?」

D.J.「私はデロリアンを見張ってなきゃいけないの! ほら早く!! 2ブロックしか離れてないから歩いていけるわよ!!」

ステファニー「う、うん……」ダッ

D.J.「……」



D.J.「……見つからないようにね!」

──────


ステファニー「はっ、はっ……」タッタッ

ステファニー「確かもう少し先に……」タッタッ


   「はっ、はっ……」タッタッ


ステファニー「……」タゥタッ


   「……ドク、怒ってなきゃいいけど……家はこっちだったよね……」タッタッ


ステファニー「…………」タッ…


ステファニー「……今の…………パパ……?」

ステファニー「ということは……あっちにはもう……!」



   「何かよくわかんないけど……すっごーく変な気分」

   「ミシェル、何言ってるの?」

   「実を言うと私も……なんだか違和感があるの」



ステファニー「……遅かったか……」

──────




ステファニー「……裏から回って……」コソコソ

ステファニー「……そーっと……」コソコソ



   「違和感って、なにが?」

   「分かんないわよ。だけど……ちょっと気味悪いの」

   「お姉ちゃんもミシェルも何言ってるの?」

   「そんなこと言われたって……」



ステファニー「えーっと……トーキー……」コソコソ

ステファニー「……あった!」コソコソ


ステファニー「……もう少し、あとちょっとで届く……!」グググ…

──────




ダニー「ここなら完璧だ! お店の様子もよく見えるし、向こうからは気づかれにくい」

ミシェル「そうだね」

ダニー「あとはミシェルを待つだけ! なに、簡単だよ」

ミシェル「……ホント?」

ダニー「もちろん。 DJとステフはちゃんと見張りできてるかな?」

ミシェル「連絡してみたら?」

ダニー「そうだね」カチッ



ダニー「えー、こちらパパ。DJ、ステフ、応答せよ」

──────

ステファニー「……よし、ゲット!」パシッ


   “えー、こちらパパ。DJ、ステフ、応答せよ”


ステファニー「!!!」ビクッ


   「?」

   「どうかしたの?」

   「今パパが…………」

   「?」


ステファニー「…………!」ドキドキ


   「……ううん。なんでもない」

   「パパまだかなぁ……」
   



ステファニー「……ふぅ……っ」

ステファニー「びっくりさせないでよ、もう……スイッチOFFよ、こんなもん」カチッ


───


ダニー「……もしもし? もしもし?」カチッ カチッ

ミシェル「動かないの?」

ダニー「おかしいなぁ……」

 

   「あー、ちょっと君たち。 そのデロリアン、早く動かしてって言ったよね?」

   「……何のことです?」

   「とぼけたって無駄だ。さっきから言ってるが、ここは駐車禁止区域なんだぞ!」

   「……えーと……わかりました……すぐ動かします」


ステファニー「早くあっち行って……こっち向いてないで……」コソコソ


   「次こそもうないぞ。分かったな」スタスタ


   「……? 一体何の話? あのおまわりさんに会ったことあったっけ?」

   「よくわかんないけど……どのみちロンバート・ストリートは観光客も多いし、人目につかないところのほうがよさそうね」

   カチッ
   ギュルルルル…


ステファニー「! ……そうだ、この後確か……」

 
   「……もう、いい加減にしてよ!」バンバン

   ギュルルルルル
   ブオオォォオオロロン……

   「いよっし!」

   「やった!」

   ザーッ……ザーッ

   『映った? 映った! よぉし成功だ!』

   「ドク!?」
   「ドク!?」


ステファニー「今だっ……気を取られてるうちに……」ダッ


   「……」キョロキョロ

ステファニー「あっ」

   「!」

ステファニー「やっば……!」ダダッ

   「…………!?」


   「……ねぇ、ちょっと!」タッタッタッ


ステファニー「わぁ、これやばいかも……!」ダダダッ


   「ちょっと待って!」タッタッタッ

──────
D.J.「……ステフ……遅いわね……」

D.J.「何してるのかしら……」



   「まぁ、珍しい。改造したデロリアン?」

D.J.「……?」


   「ねえ、これあなたの車なの?かっこいいわねぇ!」

D.J.「えっ? いえ、これは知り合いの車なんです……」


D.J.「……待って。あなた……」

D.J.「……!」

 
   「? 私がどうかした?」

D.J.「……いや、なんでもないんです……ただ、その、あなた私の知ってる人によく似てて……」

   「あら、そうなの? そういえば、あなたも何だか初めて会った気がしないわね……」

D.J.「……えっと、多分気のせいじゃないかしら……」

   「雰囲気が、なんだか……そう! 私の一番上の娘によく似てるのよ!」

D.J.「そうなの……」

   「えぇ。きっと大きくなったら、あなたみたいな美人に育つこと間違いないわ」

D.J.「……そうなんですね……」


  「お邪魔したならごめんなさいね。用事があるからいかなくちゃ。じゃあね、お嬢さん」スタスタ

D.J.「…………」


D.J.「…………」

 








D.J.「………………待って……!」

D.J.「!」


  「? …………何かしら?」



D.J.「……いえ、なんでもないです……お元気で」

  「……?」スタスタ





D.J.「……あ……私、まずいことしちゃったかも……」

──────

ステファニー「……はぁっ、はぁっ……はぁっ……」タッタッタッ

ステファニー「しっつこいわね……何もこんなところまで追ってこなくてもいいじゃないの……!」


ステファニー「……よし、向こう側の茂みに隠れてやり過ごすか……」タッタッ




ダニー「……ミシェル、来ないねぇ……」

ミシェル「?」

ダニー「……いや、お前のことじゃないんだ。昨日のミシェル……いや昨日のミシェルも今日のミシェルも同じか……」

ダニー「あれ、だったらパパたちが待ってるミシェルはこのミシェルでもある……?」
\HAHAHA…/

ミシェル「……パパ、あんまりややこしいこと言わないで」

ダニー「分かってる、冗談だよ……」


ステファニー「ふぅ……ふぅ、ここなら大丈夫でしょ……」ガサゴソ

ダニー「えっ、ステフ!?」

ミシェル「お姉ちゃん!?」

ステファニー「えええあぁぁっ!!!??」
\HAHAHAHAHA…/

ミシェル「ここで何してるの!?」

ダニー「そうだぞ、デロリアンは!?」

ステファニー「お姉ちゃんが見張ってるの! それよりパパたちこそ何してるの!?」

ダニー「昨日のミシェルを待ってるんだよ……!」

ステファニー「私はミシェルに追っかけられてここに来たの!」

ミシェル「……あたし?」

ステファニー「あんたじゃなくて、昨日の……いや昨日のミシェルも今日のミシェルも同じか……」


ステファニー「あれ、だったら私を追いかけてきたのはこのミシェルでもある……?」
\HAHAHAHA…/

ミシェル「……」
\HAHAHA…/

ダニー「……タイムトラベルってややこしいんだねぇ」
\HAHAHAHA…/

 



   「……」キョロキョロ

   「……」キョロキョロ

   「……おかしいな……見失っちゃった」


   「お姉ちゃんにすごく似てると思ったんだけど……見間違いかなぁ?」


ミシェル「……やっぱりお姉ちゃんだったんだ」

ステファニー「何よ、文句ある!?」

ダニー「シッ、静かに! 店から誰か出てきたよ……」 

あー、繋がった

  

   「……おじさん」

   「……んん~?」

   「こんな昼間からお酒飲んでたの?すごくお酒臭いよ」

   「なぁンだお嬢ちゃん、ほっとけよぉ……ンヒック。帰んねぇと……」ゴソゴソ

   「ちょっと! 車で帰るつもり? ダメだよそんなの、なに考えてるの?」

   「ぁあ~?」

   「……宿題でやったもん、お酒飲んで運転したら危ないし、事故起こすって!」



ダニー「…………」

ミシェル「パパ、あのおじさんだよ。あの人」

ダニー「……あぁ…………」

ステファニー「……パパ? 大丈夫?」

ダニー「…………いや、なんでもない……」

 


   「うるっさいなぁ~あっちいってろォ……かぎ鍵カギ~……」ジャラジャラ

   「だからダメって言ってるでしょ!」バッ

   「ンおい!何しゃがる……ヒック!」

   「……えっと……」

   「返せぇ!」

   「……えいっ!」ポイーッ

   「あぁっ! 車の鍵……クソガキ何すんだ!てめぇ!」


ステファニー「あっ、鍵を投げた……!」

ミシェル「パパ、こっちに飛んでくる!」

ダニー「分かってる……よし……もうちょっと……」


ダニー「……取った!」パシッ

 
   /
   ミシェルー!どこにいるのー!
   \
   /
   ミシェルー!
   \


   「! お姉ちゃん……」

   「……!」ダッ

   「こらおいっ、待てっ!!」

   「…………」タッタッ

   「……くそっ、行っちまった……」

   「……鍵……車の鍵、どこ行った~……これじゃ帰れねえじゃねえかよ~……ヒック」


ステファニー「パパ、ミシェル行ったよ。今だってば!」

ダニー「あぁ、わかってる……!」ダッ

 
   「……クソッ、あのガキゃ……ヒック……」

ダニー「……あの、すいません。 鍵……落としませんでした?」

   「! あれ、あんたどっかで……おぉ! 鍵持って来てくれたのか! ありがてぇ!」

ダニー「……」

   「困ってたんだよなァ、ありがとうありがとう……さ、こっちに……」


ダニー「…………」

   「……なァ、こっちにクレって……」



ダニー「…………」

   「……なぁって……」

 

   ──飲酒運転で──


             ──ジョーイとジェシーが越してきた──



 ──みんな揃ってタナー家なんだ、誰一人として欠けちゃいけない──



       ──あたし、ママのこと何にも知らないんだもん──



        ──忘れもしないよ、1987年6月25日──


   ──8年前の事故を起こした男なんだ──



        ──行こうか。未来を取り戻しに──




        ──こいつが──










ステファニー「 パ パ ! ! 」

ミシェル「 パ パ ! ! 」


ダニー「……!」

ダニー「……鍵は返す」

   「お、おう……」

ダニー「だから、さっさとどっか行ってくれないか……」

   「……?」



ダニー「僕の気が変わらないうちに……!!」



ダニー「早く!!!!」




   「……? あ、あぁ……なんだ一体……?」



ブロロロロロ…




ダニー「…………」


ダニー「……事故が起こったのは、僕のせいでもあるのかな……」

 

ステファニー「パパ、上手く行った? ……パパ?」

ダニー「…………」

ミシェル「……パパ、大丈夫?」



ダニー「……あぁ、大丈夫……パパは平気さ」




ダニー「DJのところへ行こう。 未来へ戻らなくっちゃね」

──────

D.J.「……ステフ! どこ行ったのかと思ったら……パパたちといたの!?」

ステファニー「うん、途中でばったり会っちゃって……ごめん」

D.J.「で、パパ、どうだった?」


ダニー「……」


D.J.「……パパ?」

ダニー「……あぁ、いや……やるだけのことはやったよ」

D.J.「そう……」



ザーッ…ザーッ

   『諸君、いるかね?』

ミシェル「ドク!」

   『任務は無事遂行できたか? あまり過去に長居しすぎてもよくない、準備が出来たらデロリアンに乗り込むんだ』


ステファニー「……えぇ。分かった」

   『君たちが出発したきっかり1時間後の現在に、君たちを連れ戻してやろう』

──────

シュバァァァァァァアアアン!!!



シュゴオオォオォオォォ……

ウィイィン
ゴオォォォ……

ギャッ
ガタンッ


ドク「君たち全員無事か!」

マーティ「よかった。で、どうだった?」

DJ「どうって言われても……パパ」

ダニー「あぁ、一応計画通りにはやってみたけど……ねえミシェル?」

ミシェル「うん……」


ステファニー「みんなはどこ!?」ダッ

DJ「そうよ、早く探しましょ!」ダッ

ドク「おっと……」

 

ガチャッ

D.J.「ただいま!!」

ステファニー「みんないる!? ジェシーおじさん!!」

D.J.「ベッキーおばさーん!!」

ミシェル「ジョーイー!!」



ステファニー「……」

D.J.「リビングも見てみましょ」

ステファニー「う、うん」

 


D.J.「おじさーん!おばさーん!」

ステファニー「いないのー!?」

ミシェル「ニッキー!アレックスー!!」

ダニー「……」

ステファニー「……」

ミシェル「……」


D.J.「……返事がない……」

ステファニー「みんなどこ行っちゃったの!? もとに戻ったんじゃないの!?」

ダニー「……」

ミシェル「……どうしよう……」

ステファニー「………………みんな…………」

ダニー「…………」




ガチャッ

「「「「!!!!」」」」

ジェシー「おたくも一つくらい持てっての!自分のクッキーだろうが」

ジョーイ「自分のじゃないよ、ニッキーたちと半分こするんだよ!」
\HAHAHA…/

ベッキー「くだらないことでケンカしないでちょうだい……」

ニッキー「たらいまぁ~」

アレックス「かぇったよぉ~」


D.J.「みんな……!!」ギュゥッ

ジョーイ「おっと……!?」

ステファニー「あぁ、よかったぁ……」ギュゥッ

ベッキー「あらあら……どうしちゃったの?」

ミシェル「おいたんおかえり!」ギュゥッ

ジェシー「おう……どうした?ちびたんモードなのか?はは」ギュッ

ミシェル「聞いた? あたしのことちびたんだって……よかった、いつものおいたんだ!」ギュウゥッ

ニッキー「ぼくもぉ~」ギュゥッ
アレックス「はいどうじょ~」ギュゥッ
\HAHAHA…/

 
ジョーイ「どうしたの一体?夕飯待ちきれなかったの?」
\HAHAHA…/

ダニー「いや、違うんだよジョーイ……みんな無事に戻ってきてくれて……ホントに……」


ダニー「あぁ本当によかった!!!!」ギュゥッ

ジェシー「おわっ、ちょっ、ダニー!!!おたくはハグ禁止令出てんだろうが!!」モゾモゾ
\HAHAHA…/

ダニー「いいじゃないの。今日くらい!」ギュゥッ

ジェシー「ったく……! どうなってんだ一体……」


ベッキー「みんな今日はどうしちゃったの? 全員そろって悪い夢でも見てたわけ? ふふっ」

D.J.「悪い夢ってワケじゃないけど……妙な体験っていうか……ね?パパ」


ダニー「…………ああ、そうだね」

 

ステファニー「あ……そうだ。おじさんたちに聞きたいことがあるの」

ジェシー「ん?どした?」

ステファニー「……あのね、もし………………………」

ジョーイ「……なに、どうしたの?」



ステファニー「…………もし、ママが生きてたら、二人ともここには住んでなかったじゃない?」

ジョーイ「……ステフ、いきなり何かと思えばまたその話?」

ステファニー「それで、ここに住んでなかったとして……それで二人がもっと有名になって、成功してたとしたら……」

ジェシー「……?」

ステファニー「……そっちの人生のほうがよかったと思う?」

ベッキー「…………?」


ジェシー「……」

 
ジェシー「ステフ、バカなこと言うんじゃねえよ」

ジェシー「……確かに、もしかしたらの話、姉貴が生きてたらそうなってたかも知れねぇし、そうならなかったかも知れねぇ」

ステファニー「……」


ジェシー「んなこと、誰にもわかんねえんだ。未来のことなんてな……だけど、もしそうだとしたら、俺はコイツと組んで仕事することもなかったし……」

ジョーイ「そうそう」

ジェシー「ベッキーと出会って、結婚して、双子が生まれるなんてありえないってことだよな。俺はそんなの、まっぴらごめんだね」

D.J.「……そっか」


ジェシー「そりゃ始めのころは何でこんなとこ来ちまったんだって思ったこともあったさ。上手く行かなかったり、悪い事もいろいろあった」

ジェシー「子煩悩になったって言われてリッパーズはクビになるし、ロックな男からエプロンの似合う男になっちまったし……おまけに隣人にゃギブラーよ」
\HAHAHAHA…/

 
ジェシー「ミシェルのおむつのつけ方がわかんなくて、ジョーイと一緒に考えた挙句、尻にトイレットペーパーを巻きつけたことだってあるしな」
\HAHAHA…/

ミシェル「……そんなことしてたのぉ?」

ジョーイ「ホントの話だよ。キッチンでお尻洗ってたしね」
\HAHAHAHA…/

ダニー「……そんなことしてたのか!?うちのキッチンで!?」
\HAHAHA…/

ジェシー「ははは……そうそう、懐かしいぜ。だけどな……今となっちゃ、お前たちなしの人生なんて考えらんねえんだ。どんな成功だって、家族には替えられねえよ」


ベッキー「……私も同感だわ。人生ってどこで分かれ道になるかわからないけれど、過去をやり直してもいいことなんて一つもないと思うの」

ベッキー「だって過去の出来事全てがあって、今の私たちがいるんだもの。過去を否定するのは、今の自分を否定するのと同じよ。あなたたちのママもきっとそう言うわ」

D.J.「……ありがとう、ベッキーおばさん」


ジョーイ「僕だって同じさ。パメラが亡くなったときは皆のことも心配したし、心にぽっかり穴が開いた気分だった」

ジョーイ「でもそのおかげで今の僕らがある。むしろ贅沢なくらいさ……最高の家族が手に入ったんだから。でしょ?」

ステファニー「……そうだね」

ミシェル「みんな帰ってきてくれてよかった!」



ダニー「僕も……それを聞いて安心したよ」



ダニー「…………これでよかったんだよね……」

 
ジェシー「……そうだ、みんな忘れてるわけじゃねぇと思うけど」

ジェシー「明日、パムの命日だろ……どうだ。皆揃って……墓参りでもいくか」

D.J.「いいねおじさん、行こう行こう!」

ステファニー「そういえばずっと行ってなかったもんね」

ミシェル「ニッキーとアレックスは行った事ないよね。あたしが連れてったげる」

ニッキー「いぇーい」
アレックス「いぇーい!」
\HAHA…/

ベッキー「あらあら……この子達ちゃんと分かってるのかしら?ふふっ」



  ガヤ

      ガヤ







ドク「どうやら、無事解決したようだな」

マーティ「あぁ。……よかった」

──────────────────


────────────


──────


──

もうちょっと続きます
今日中に終わらせたい

シリアスの中にしっかりフルハウスっぽいウィットな言い回し入れてるの尊敬する

懐かしやら言い回しうますぎるやらで泣きそうになる

 



──

──────


────────────


──────────────────


   M   D   Y   H  M
  SEP  19  2017  13 00
    DESTINATION TIME


  JUN  25  1995  11 08
     PRESENT TIME

  JUN  25  1987  16 16
  LAST TIME DEPARTED


ドク「……」ピッピッ…ピピピッ

マーティ「2017年?」

ドク「もう少し未来へ行けば、よりよいホバーコンバージョンのパーツが見つかるかもと思ってな」

マーティ「なるほど」

 
ドク「よし。……それでは諸君、我々はこれで。 大変世話になった、礼を言うよ」

ダニー「いえそんな……僕たちの方こそ、いろいろとありがとうございました」

D.J.「マーティも、元気でね」

マーティ「ああ。ありがとう」

D.J.「なんというか、その……二人のお陰でいろいろと勉強になったわ」

ステファニー「あ、そうだ……デロリアンの調子はどうなの?」

ドク「まだ快調とはいかんが、戻ってから改良するよ」


ジェシー「空飛ぶ車ってだけでも意味わかんねぇってのに……」

ジョーイ「さすがに、タイムマシンだなんていわれても信じらんないよ」

ベッキー「え、えぇ……」

ステファニー「無理ないよ」


ニッキー「たーぃましーぃん」
アレックス「フシュウゥーーーゥ」
\HAHAHA…/

 
ミシェル「……ねえドク!」

ドク「何かね、ミシェル?」

ミシェル「今度は家族みんなでタイムトラベルしたいな。9人乗りのデロリアンがあったら最高なのになって」

D.J.「何言ってんのよ、もうこりごりよタイムトラベルなんて」

マーティ「ははは、その通りだね……」

ドク「……」

ダニー「無理言っちゃだめだよミシェル。それに、ニッキーとアレックスはシート1人ぶんで足りるから、8人乗りで十分さ」

ドク「……」


ドク「…………なるほど……その手があったか……」

ステファニー「どうしたの、ドク?」

ドク「いや、しかしそんなスペースがデロリアンにあるはずがない……」



ドク「いや待った…………あ、そうか……!」

 
マーティ「ドク……今度はどうしたんだい?」

ドク「浮かんだんだ……あるビジョンが! これだマーティ……」

マーティ「なに、何のこと?」

ドク「よし、そうと決まればさっさと出発せにゃならん。やることは山とあるぞ」

マーティ「張り切るとすぐこれだ……」
\HAHA…/

ドク「ありがとうミシェル、おかげで最高のアイデアが浮かんだよ」

ミシェル「さすがでしょ!」




ミシェル「何の話かな? 」
\HAHAHA…/

 

ドク「では今度こそ……これで」

ステファニー「ねえ!……また会えるかな?」


マーティ「……ああ、きっと会えるさ」

ドク「マーティ、行くぞ」


ニッキー「ばぃばぁぃまーてぃー」
アレックス「どくもげんきでねぇ」




ゴオォォォォオオオ…………
キイィィィィイン…………


バシッ!バシッバシッ!!
シュバアアァァァァァアン!!!!!!

 
ミシェル「……行っちゃった」


ベッキー「!?」
ジェシー「!?」
ジョーイ「消えた……!?」


D.J.「……なんだかすごい目に遭ったような気がするわね」

ジョーイ「何かあったの? ていうか……今の見てなんとも思わないの!?」

D.J.「……ううん、何でもないの」


ピンポーン


ダニー「ん……お客さんかな?」

ステファニー「パパ、私が出る」





 /
 はーい。どちらさま?……
 \


 /
 …………うっそでしょ、信じらんない!!!
 \

 
ダニー「……?」

ジョーイ「ステフ、どうしたんだろう?」


 /
 …………ちょっとみんな、早くこっち来て!!!
 \



ガチャッ

ダニー「ステフ、一体誰なんだい…………!?」







マーティ「やあ、久しぶり!」
\Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
  \Woooooooow!!!!/
 パチパチパチパチ!   ヒューッ!



   「「「「マーティ!!!???」」」」

 
D.J.「だって、さっきまで向こうにいて、それで……」

ステファニー「今帰ってったとこじゃない!!」

マーティ「そう。一度2017年へ行って、1987年に帰った……けど、また過去からやって来たんだ。未来に戻ってきたのさ」

ミシェル「うっそー!」

マーティ「てのは冗談。今帰ったのは1987年の僕で、この僕が正真正銘、1995年のマーティさ!」

ジョーイ「……言われてみれば、確かに……」

マーティ「いやぁみんな、久しぶり! 会いたかったんだ、遊びに来たよ!」


ジョーイ「ちょっと老けたね?」
\HAHAHAHAHA…/

マーティ「……」
\HAHAHAHAHAHA…/

 
ダニー「いやぁ、びっくりだよ。それに……隣の人は?」

マーティ「紹介するよ。この人は……」

ジェニファー「ジェニファー・マクフライです」
https://i.imgur.com/WDAcmsP.jpg

ベッキー「あら、美人。 奥さん?」

ダニー「やるじゃない……さすが色男」

ステファニー「うーん、なんかよくわかんない……タイムトラベルって数学の宿題よりややこしいわ……」
\HAHA…/





prrrrrrr…

ジェシー「はい、タナー。……あぁ、どうも。……うん……えっ?」

ジェシー「まじか……それで、すぐ行かねえとダメになっちまったのか」

ジェシー「そうか……いや、いいんだ。ああ……また今度頼むよ。それじゃ」

ガチャン

 
ダニー「ジェシー、何かあったのか?」

ジェシー「聞いてくれよ……ザ・ニュースなんだけどよ、ヒルバレーの次の会場が落雷で機材全部ダメになっちまったんだと」

ジョーイ「ええっ?大変じゃない」

ジェシー「それで、今からすぐそっちへ向かうんだってよ。スマッシュクラブでのライブはなしだ 」

ベッキー「あら……それは残念ね」

ジェシー「ほんとだぜ……代わりにゲストを探さねえと……」


マーティ「……」


ジェシー「チッ……たく、どうすっかな……誰か演奏ができる奴……」


マーティ「……」


ジェシー「……」


マーティ「ねえ」

ジェシー「何だ! えっ!!?? マーティ!!?? おうわっと!!!!」ガタッ
\HAHAHAHAHA…/

 
ジェシー「おたく……なんで!? だってついさっき……!?」

マーティ「それよりさ、その代わりのゲストっての……僕にやらせてもらえないかな」

ジェシー「……あんたが?」

マーティ「ギターならちょっとくらいは弾けるよ」

ジェシー「ホントか? そりゃいい! でも……いいのか? 今夜だぜ」

マーティ「大丈夫だよ。ほんのお礼さ」

ジェシー「そりゃありがてえ。知らなかったよ……初めてギター弾いたのはいつ?」


マーティ「んー……1955年」
\HAHAHAHA…/

 
ジェシー「……ハッハーぁ……面白いね……チャック・ベリーに楽曲提供しましたってか?」
\HAHAHA…/


ジェシー「……よし決まりだ!」ガシッ

マーティ「決まり!」ガシッ

ジョーイ「よかったじゃない、ジェシー。これでなんとかなりそう?」

ジェシー「あぁ、とにかく頼んだぜ」

マーティ「任せてよ。……あ、そうそう」ゴソゴソ

ダニー「どうしたの?」


マーティ「……手紙を預かってきてるんだ。『ジラード通り1882番地、タナー家の皆様へ……』」

D.J.「手紙? 誰から?」




マーティ「誰からだと思う?」

 
──────


  ガヤガヤ…

       ワイワイ…




ジェシー「皆さん!大変お待たせいたしました」

ジェシー「スマッシュクラブ、今夜はスペシャルゲストを招いての演奏です」

ジェシー「それにあわせて、バンド名は一晩限りの変更となります。名付けて、『ホットダディ&ザ・マーティパペット』!」


ジェシー「いつもは『ホットダディ&ザ・モンキーパペット』なんだけど、今日はたまたまギターのバイパーってヤツが休んじまってさ」

ジェシー「……だからモンキーの部分が要らねえってわけ!」
\HAHAHAHA……/

 
ジェシー「それでは!今夜のスペシャルゲストをご紹介しましょう……ヒルバレー1のギタリスト! マーティ・マクフライです!!」

\ ヒューッ! イェーイ! /
\パチパチパチパチ…/


マーティ「…………」ボソボソ

マーティ「…………」ボソボソ


ジェシー「……?」


マーティ「……の、これ……」ボソボソ


ジェシー「あっ……ちょっと!マイクの音量上げて!!」


マーティ「……っ」キーン…!

マーティ「あぁ、もう大丈夫ありがとう。なんでこんなにマイクの音量下がってるの?ははは」
\HAHAHAHA…/

 
マーティ「えー、どうも、こんばんはみなさん」

マーティ「今日はその……楽しんでいって下さい」



マーティ「……ねえジェシー、リハーサルしてないけど大丈夫?」

ジェシー「心配要らねえよ、こいつらはプロだ。リードは任せるから、代わりにきちんと合わせてやるさ」

マーティ「OK、それじゃ……みんな」



マーティ「リズムはブルースで。Bから入って、途中で変わるけど……適当に合わせてついてきて」

マーティ「いくよっ!」

https://www.youtube.com/watch?v=RelL4BS2lEQ
(Marty Mcfly - Johnny B Goode)

 ♪~


ジェシー「おっ、ジョニー・B・グッドとはいいセンスじゃねえか!盛り上がっていこうぜ!」



  “Deep down Louisiana close to New Orleans

      Way back up in the woods among the evergreens

 There stood a log cabin made of earth and wood

   Where lived a country boy named Johnny B. Goode



ミシェル「お姉ちゃん、踊ろっ!」

ステファニー「えぇっ? しょうがないわね……」



         Who never ever learned to read or write so well

   But he could play the guitar just like a ringing a bell...”



D.J.「パパ」

ダニー「パパの動きについてこれるかな? これでも昔はディスコでブイブイ言わせてたんだから!」
\HAHAHAHA…/






 “Go go!

   Go Johnny go Go!

 Go Johnny go Go!

     Go Johnny go Go!

 Go Johnny go Go!

   Johnny B. Goode


  Go go!

 Go Johnny go Go!

   Go Johnny go Go……”


  ♪~

    ♪~


──────────────────


────────────


──────


──

──────


\アーアーアーアー♪/



  Coordinating Producer
   MILES KRISTMAN

  Associate Producers
    JODIE BABA
   JOHN MOFFAT

  Executive Story Editor
   ADAM I. LAPIDUS
   CAROLYN OMIE
     BOB GALE

  Guest Starring
CHRISTOPHER LLOID
  as Emmet Brown
  MICHAEL J. FOX
  as Marty Mcfly
 CHRISTIE HOUSER
 as Pamela Tanner

  Associate Director
   TOM RICKARD

  Stage Managers
 KEITH E. RICHMOND
REBECCA BAUGHMAN
  DEAN WEICHEL

 Director of Photography
  J. BRUCE NIELSEN

   Art Director
  LYNN GRIFFIN

    Edited by
 JAY SHCERBERTH

Executive In Charge of Casting
 BARBARA MILLER, C.S.A.

    Casting by
JOANNE KOEHLER, C.S.A.

    Music by
 JESSE FREDERICK
& BENNETT SALVAY
  & HUEY LEWIS

   Theme Song
"Everywhere You Look"
by JESSE FREDERICK
 & BENNETT SALVAY
 & JEFF FRANKLIN

Theme Song Performed by
 JESSE FREDERICK

  Set Decorator
JAMES IRA COLBURN





JEFF FRANKLIN PRODUCTIONS

Miller・Boyyet PRODUCTIONS

  In Association With
WARNER BROS. TELEVISION


製作・著作
─────
  NHK



愛を感じた。大いに拍手!

SS速報は時々こういう快作が出てくるから侮れん

休憩後おまけあり

 


(以下、おまけ)


 

 












     Wednesday










 

 












    July 4, 1995
     12:58 PM










 

 

────────────

サンフランシスコ, ジラード通り 1882番地
タナー家の皆様へ


私の計算が正しければ、君たちは私とマーティが1987年へ戻るのを見送った直後、
訪れた1995年のマーティからこの手紙を受け取っているはずだ。

まずは君たちと別れてから8年間元気に過ごしていることを請合っておこう。
(といっても私は日々こことさらに別の時代とを行ったり来たりしているので、私の中においてはそれ以上の時間が経過しているのが事実だ)
あれから4年の歳月を経て、私は1991年5月2日、ヒルバレーで自身の研究所を立ち上げた。
そしてさらに4年をかけ、全く新しいデロリアン・タイムマシンの開発に成功したのだ。
これは我が研究所最大のプロジェクトである、一般向けのタイムトラベル体験ツアーに使用される予定のものだ。

「英知を分かち合い、未来を見据えるためのチャンスを多くの人々と共有し、人類の更なる発展に貢献する」
これが初めてタイムマシンを作り上げてからの、私の次なる目標であった。
それがついに叶おうとしている。君たちのおかげだ!

その感謝の気持ちとして、私の最新の発明品である「新型8人乗りデロリアン」の、初のタイムトラベル実験に君たちをぜひ招待したい。
もちろん、家族全員分のヒルバレー行きのチケットも添えておいた。

独立記念日の休暇に、ヒルバレーのフューチャーテクノロジー研究所で会えるのを楽しみにしている。


君たちの友
エメット・ブラウン博士
              1995年6月25日

────────────


──────




D.J.「ここが『フューチャーテクノロジー研究所』……?」

ジェシー「随分でっかい建物だな」

ステファニー「これホントにドクが作ったの?すごーい……」

ジョーイ「向こうに入り口があるよ。入ってみようよ」




『こんにちは。フューチャーテクノロジー研究所へようこそ……』


『当研究所の創立者で、発明主任のエメット・ブラウン博士に代わり、皆様を心より歓迎いたします……』

 


ザーーッ…ザーッ


  ドク『やぁ! 映った!』


ミシェル「あっ、ドク!」


  ドク『諸君!よく来てくれた。 エメット・ブラウンだ!』


ダニー「本当だ、モニターに映ってる」

ニッキー「ひさしぶりぃ」
アレックス「ちょぅしどぉ?」


  ドク『タイムトラベル一日体験ツアーへよくぞ参加してくれた! ……だが一つ、ちと気になる問題がある。残念ながら今から君たちに伝えるのは、非常に不吉な事実だ』


  ドク『いやはや、実にヘビーだ。気を引き締めて聞いてくれたまえよ!』



  ドク『……ビフ・タネンが行方不明なんだ』



ベッキー「ビフ…」

ジョーイ「タネン?」

ダニー「知らないな。 誰のことなんだろう」

 

  ドク『1955年に消息が途絶えたきり、全く分からんのだよ。この不良はどこにいるのか……忽然と消えちまったんだ!』


ジェシー「そりゃ大変だけど……40年前の人間が何で関係あるんだ?」


  ドク『なぜそうなったのか見当も付かんが……ビフが時間の壁を越えてうろついているとすると、歴史がめちゃめちゃになりかねん』

   ドク『いつの時代のどこにいるかも分からん!用心せにゃならんぞ。あのビフがタイムトラベルをすると碌なことにならん』


ジョーイ「随分ひどいいわれようだね」

ダニー「そんなにワルなの?」


  ドク『とにかく、君たちは専用の待合室にて待っていてくれたまえ。私はすぐに戻る!』

  ドク『くれぐれも、ビフには用心するんだぞ! ではまた!』


ザーーッ…ザーッ


──────


ザーッ…ザーッ


  ドク『諸君、改めてよく来てくれた。歓迎する』

  ドク『実験に参加してもらう前に、まずはタイムトラベルの基本原理について説明しておこう』

  ドク『知ってのとおり、時空を越えるのは並大抵のワザではない……分かるだろう?』


  ドク『そこで私が開発したのが……科学の粋を集めた究極のこの一台──』

  ドク『8人乗り新型デロリアンタイムマシンだ!』
https://i.imgur.com/fHo9QKr.jpg


  ドク『より速くなり、燃費も抜群。その上……スマートなコンバーチブルタイプ!』

  ドク『未来の天気は分からんが、もし分かるならタイムトラベルには晴れの日を選ぶべきだな』

  ドク『ひいひいひ孫たちとのドライブも、時代を超えたグループ交際も!……しかし、タイムトラベルにはもっと真剣な態度で臨むべきだ。そう、君たちのようにな』

  ドク『さて、私はもう少しマシンの整備にかかる。また会おう』

 

ザーッ…ザーッ



ステファニー「あ、画面が切り替わった」

ダニー「監視カメラの映像だね。どこかの廊下だけけど……」

ベッキー「へぇ、こんなのも見せてくれるのね」


ミシェル「……? 誰かいる!」



『……ハロー! 誰かいるかい!? ……何見てんだよこのボケ!』



ジェシー「……なんだあいつ?」

──────


  ドク『では諸君に、タイムトラベルに関する注意を注意を与えておこう』

    『……』ソローリ


D.J.「あっ、さっきの……!」


  ドク『それさえ覚えておけば、初めてでも難なくフワ~っと時空の壁を越えられる』

    『……』ソローリ


ニッキー「うしろ~」
アレックス「ぁぶな~ぃ」


  ドク『だが急がねば。もしビフが現れたら何が起こるかわからん!』

    『うぉらっ!!』バキィッ! バチバチッ


   ガラガラガラ……ガシャーン!!!

 
  ドク『!!!!  ああぁあぁあっ……!!』


ジェシー「……おいおい、こりゃまずいんじゃねえか?」

ジョーイ「何なのさっきからあの男、相当なワルだよ?」



  ビフ『ハロぉ~! ハロぉ~、ブラウン博士ぇ~! ハッハァ!!』
https://i.imgur.com/xrRvK3m.jpg

  ドク『シャッターが……閉じ込められてしまった……!! ビフ! 一体どうやって中へ入った!!?』

  研究員『~~~!! ~~!』モゴモゴ

  ビフ『こいつらに聞いてみな!』ペリペリ

  ドク『なっ……なぜ縛られとるんだ!』

  研究員『プハァっ……ドク! 研究班が1955年に行って実験を行っていたときに……』

  研究員『ビフがきっとこっそりマシーンに……!!』


 
  ビフ『そうさ! タダ乗りのチャンスを逃す手はねぇだろ!』

  ドク『ビフ! お前は現代にいちゃいかんのだ!!すぐ1955年にもどれ!さもなきゃ宇宙がメチャメチャになってしまう!!』


  ビフ『心配すんなって、戻るさ! オ・レ・の やり方でな』

  ビフ『だがその前に……軽くひとっ走りさせてもらうぜ』

  ドク『やめろぉっ!! ビフっ!!』

  ビフ『もっとおしゃべりに付き合いたいが時間がないんでね。……いや違った!時間なら自由自在だっけ! ヒャッハァ!!』

  ドク『おい開けろ!! ここを開けるんだビフ!!』

  ビフ『ほいじゃ、バイバァイ!!』

  ブオォオン……
  パラリラ~♪

  ドク『やめろおおおおぉぉぉおぉお!!!』

  ビフ『ハ~ッハッハァ!!』ブロロロロ……


ベッキー「なんてひどい! たたっきのめしてやんなくちゃ!」

ジェシー「ベッキー、落ち着けよ……」 

 
  ドク『なんてこった……デロリアンを盗まれた!』

  ドク『こりゃ大変なことだ、歴史が全く塗り替えられてしまうぞ……もしも奴が…………』


  ドク『待てよ……そうだった、これがあるじゃないか!!私の最新作8人乗りのデロリアン・タイムマシン!!これで追いかければ……』


ステファニー「じゃあ早速追いかけなくちゃ!」


  ドク『あぁっ……ダメだ、私はここに閉じ込められて身動きが取れんのだぞ! マシンに乗り込めるわけがない……』


ダニー「……万事休すだね」


  ドク『…………いや待った』


ステファニー「?」

 
  ドク『私が乗れなくても、ほら……! タイムトラベル参加者の諸君がいる!』

  ドク『D.J.、ステファニー、ミシェル、タナー君にコクラン夫妻、それにグラッドストーン君、ニッキーとアレックスも!』


D.J.「待って、私たち!?」


  ドク『そうだ! タナー家の諸君、君たちだ!』

  ドク『8人乗りデロリアンは君たちの目の前にある扉の向こうでスタンバイしてある。操縦はリモコンで私がするが、ナビゲーターの諸君がいなきゃ話にならん!』


ミシェル「すっごい!面白くなってきたね!」


  ドク『ビフを連れ戻してくれ。全宇宙の運命が諸君にかかっている! まずは落ちついて、安全に関する注意を聞いてほしい』

 
──────




  "さあさぁみんな! 急いで! 乗った乗った!"






  "足元に気をつけて! 全員乗ったら出発だ、急いで!"






  "転ばないように! ドンドン乗って!"




ザーーッ…ザーッ


  ドク『さあ準備はいいかな? 心配要らん! 私が付いている……おぉっと!!』バチィッ!

  ドク『……リモコンの調子がちと怪しいが、しかしやるっきゃない。 地球の運命がかかっているんだ!』


ジェシー「……大丈夫なのか?本当に……」

ミシェル「あたし前に座ろっと」ゴソゴソ


  "博士、ビフが時間の壁を越えました。もはやどこにいるのか分かりません"


  ドク『……「どこ」じゃなく「いつ」だろう?』


ダニー「言ってる場合?」



  ドク『いつの時代に奴がいるかは簡単に分かる。諸君が乗り込んだ8人乗りデロリアンには4次元タイムトラッキングスキャナーが取り付けてあるんだ』

  ドク『これさえあれば例えビフがどこへ行こうと、奴が今いる時間と場所を瞬時に割り出して追跡できる!』



  "博士、発車準備が整いました"


  ドク『……よし、いよいよだ。 いくぞ諸君!』


ザーッ…

ピーッ    ピーッ
          ピーッ
  ピーッ          ピーッ
     ピーッ
           ピーッ
      ピーッ    ピーッ
   ピーッ       ピーッ

 ピーッ    ピーッ        ピーッ

       ピーッ   ピーッ  ピーッ  
   ピーッ           ピーッ

 ピーッ    ピーッ    ピーッ
    ピーッ
           ピーッ
  ピーッ    ピーッ
   ピーッ       ピーッ

    ピーッ    ピーッ        ピーッ

 ピーッ   ピーッ   ピーッ  
        ピーッ           ピーッ

  ピーッ    ピーッ
     ピーッ       ヒ ゚ーッ

    ピーッ    ピーッ        ピーッ

ピーッ     ピーッ   ピーッ  
        ピーッ           ピーッ
   
  ピーッ    ピーッ    ピーッ

 









     ガコンッ









 

 


ブロロロ……


  ドク『いいかね? ビフのデロリアンが見えたら、時速88マイルまで加速して追突するんだ!』



ブオオォォォ……
キイイィィイイィイン……!!



ミシェル「いっけえぇぇえ!!」

ステファニー「わあぁ、速い速い! あはは!!」


  ドク『さぁいくぞ……現在時速55マイル!』


D.J.「フウゥ~!」

ジョーイ「なにこれぇ、すごいよ!!」


  ドク『65……!!』


ベッキー「もっと飛ばして! ヒィ~ハァ~!!」

アレックス「いぇぇぇ~ぃ!」
ニッキー「ぶうぅう~ん!」


  ドク『75……!!!』


ダニー「ああぁあぁぁあああああ!!!」


  ドク『85……!!!!』




ジェシー「あああああああああぁあぁぁ!!!!!!!!」




 









  『よおぉぉし!!! 時速88マイルだぁ~~~っっ!!!!!』



https://www.youtube.com/watch?v=ilsyO-wtMMs
(Huey Louis and the News - Back In Time)


  TO BE CONTINUED


って、なんでビフ君が!? 本当の本当に終わり
最後は「(バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドに)続く」
なので続編は存在しません

フルハウス第1話がアメリカで放送開始されたのが1987年9月22日
30周年記念になればと思いますです、おめでとうございます


最後までお付き合いありがとう

乙でしたっ☆
SSにおける、歴史的傑作!

>>8>>254において表記ミスがあったので訂正します。
×Huey Louis and the News
○Huey Lewis and the News

乙乙

おまけはUSJか何かのアトラクションネタかな?
フルハウスは登場人数多くて家族関係がよくわからなかったけどこのSSのお陰でわかったわ

お疲れ様でした。
BTFもフルハウスも再現度激高!
愛が無ければこれは書けない。
NIKEが自動機能付きスニーカー発売して、
ホバーボードも一応出来た。
指紋で施錠なんてのも。
今年はBTF2の未来世界の年なんだよね。
映画に描かれた夢のいくつかは現実になった。
何時かはタイムマシンも…?
その時は是非デロリアンでお願いしたいもんだ。

いやこれはすごい
乙でした

乙乙
素晴らしかった

乙。もしかして、カリブの神通書いた人なのかな。

USJのアトラクションまで書いてくれるとは
久々に愛に溢れたSSを見た

>>259
BTTFの未来は2015年だから、俺らにとっちゃ既に過去なんだぞ…

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