P「篠宮可憐を食べたい」 (72)

※エログロはないつもりです。

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事務所

ガチャ

可憐「こ、こんにちは……」

P「お、来てくれたか」

小鳥「あ、もしかしてプロデューサーさんが話してた新しい子ですか?」

P「ええ、今日からアイドルの…… はい、自己紹介して」

可憐「あ、あの。し、篠宮可憐、です……」


小鳥「ふふ、そんなに緊張しなくて大丈夫よ。プロデューサーさんは別に可憐ちゃんのことをとって食べたりしないわ」

P「ちょ、小鳥さんなんてこと言うんですか」

小鳥「ふふ、冗談ですよ」

可憐「よ、よろしくお願いします……」


小鳥「アイドル、頑張ってね」

P「俺からも改めてよろしくな。よし、社長に挨拶行くぞ」

可憐「は、はい……」




 その夜

P「ふう……」

P(小鳥さんも案外冗談きついな。食べたりしないなんて言うからビックリした)

P「……」


P「……」

P(……食べたら、どんな味がするんだろう?)

P「……なんて言ってないで寝るか」



 翌日

可憐「お、お疲れさまでした……」

P「可憐、お疲れさま。初仕事はどうだった?」

可憐「き、緊張しました。とても……」


P「でもアロマを焚いてから、順調に進んだな」

可憐「は、はい、この香りに包まれると、と、とても落ち着くんです……」

P「そうか、それなら常に現場へ持って行ってもいいかもしれないな」

可憐「お、怒られないですか?」


P「大丈夫だろう、責任は俺が持つよ。……おっとそうだ、これは返すよ」

可憐「は、はい…… あっ」

P「どうかしたか?」

可憐「プロデューサーさん、いい香りがする……」


P「そうか? ああ、近くでこれ焚いてたからかな?」

可憐「……落ち着く」

P「……」


P「ほら、現場で落ち着いてないで、帰るぞ」

可憐「ご、ごめんなさい……」

P(……)

P(あの腕、どんな味がするんだろう?)



 事務所

P「よし、後は報告書を書いて…… そうだ、出張精算書を忘れてた」

可憐「……」

P「あー、しんど」


可憐「あ、あの……」

P「うお!? 可憐か、ビックリした……」

可憐「あ、ご、ごめんなさい……」

P「どうしたんだ? もう夜遅いぞ」


可憐「あ、えっと、プロデューサーさんが遅くまで、お、お仕事しているので……」

P「ああ、まあそういう仕事だからな」

可憐「え、えっと、これ、……受け取ってください」

P「これは、アロマか?」

可憐「は、はい。 そ、その、疲労回復にいいので……」


P「ああ、ありがとう。家で使わせてもらうよ」

可憐「で、では、お先に失礼します……」

P「ああ、また明日な。遅いからタクシー使っていいぞ。それで明日領収書持ってこいよ」

ぱたん


P「……」

P「……綺麗な腕だったな」

P「……」

P(あの綺麗な腕、いったいどんな味がするんだろうか)

P(……気になる)

P「っと、書類の続きやらないと……」





 P「……」ガチャ

 可憐「あ、プロデューサーさん、お、おはようございます……」

 P「……」

 可憐「プ、プロデューサーさん?」


 P「……」スッ

 可憐「ど、どうしたんですか? ナイフを持って……」

 P「……可憐」

 可憐「は、はいっ」


 P「……腕、食べさせてくれ」

 可憐「え? な、何を言ってるんですか……」

 P「食べたいんだ。その腕」

 可憐「いや……」

 P「……」

 可憐「や、やめて、ください……!」





ピピピッ

P「……夢か」

P「……」

P「……会社行こう」



 事務所

P「……」

P(アイドルの腕を切るなんて仕事の相棒として何を考えてるんだ)

P(いや、そもそも人間の手を切るということ自体が立派な犯罪だろ)

P(というか動物でもダメだろ。道を外れてる)


可憐「プ、プロデューサーさん」ぽんっ

P「うおおお!?」ビクッ

可憐「あ、ご、ごめんなさい。よ、呼んでも反応がなかったので……」

P「そ、そうか、ごめんごめん」


可憐「だ、大丈夫ですか?」

P「大丈夫だよ。えーっと、今日からレッスンだったな。俺は細かい指導は出来ないから、頑張ってくれ」

可憐「は、はい」

P「レッスン場はこの前教えたよな。俺も少しこっちを片づけたら様子を見に行くから、最初は一人で行ってくれ」

可憐「わ、わかりました」


P「……」

小鳥「プロデューサーさん、コーヒーどうぞ」

P「あ、ありがとうございます小鳥さん」

小鳥「可憐ちゃん、アロマを使ってるんですか?」

P「ええ、それが趣味みたいです」


小鳥「やっぱりそうですか。部屋に来た時からいい香りがするなって思ったんです」

P「話の種に俺も買ってみたんですけど、種類が多すぎて難しいです」

小鳥「プロデューサーさんにアロマってちょっとイメージないです」

P「うっわ、小鳥さんひどい」


小鳥「ふふ、冗談ですよ。コーヒーを飲んだら早めに書類を片づけて、可憐ちゃんを見に行ってあげてくださいね」

P「そうですね。ありがとうございます」

P「……」

P(可憐の手、暖かかったな)

P(……どんな味がするんだろう?)

P「……っと、仕事仕事」


 数時間後

P「さて、可憐は順調かな?」

可憐「1、2、3、4……」

P「ふむ……」


P(やっぱり綺麗な手だな)

P(……美味しそう)

P「……っと、いけね」

P「……」ペチペチ


ガチャ

可憐「あ、プ、プロデューサーさん……」

P「順調か?」

可憐「は、はい。て、丁寧に教えてもらって、何とかなってます……」

P「そうか。あ、気にせず続けてくれ」

可憐「は、はい」



P「……」

可憐「1、2、3、4……」

P「……」

可憐「5、6、7、8……」

P「……」


可憐「あ、あの……」

P「どうかしたか?」

可憐「わ、私、変ですか?」

P「え、そんなことないが、何かあったか?」


可憐「あ、あの、さっきから楽しそうにこっちを見ているので……」

P「え? あ、ごめん、そういうわけじゃないんだ。ただ……」

可憐「ただ?」

P「可憐の手、綺麗だなって思ってさ」


可憐「そ、そんなこと……」

P「いや、本当だよ。なんたって美味しそう……」

P(しまった!)

可憐「えっ?」


P「あ、いや、その、なんだ…… 食べられるんじゃないかってくらい綺麗だよ」

可憐「あ、えっと、ありがとうございます……」

P「いや、俺も変な例えをしてごめん」

P(気まずい……)




P(よりによって本人に言っちまうとは)

P「……はあ」

可憐「……」ピトッ

P「っ!?」ビクッ

可憐「あ、ご、ごめんなさい……」


P「可憐か、ビックリした……」

可憐「あ、あの、大きな背中だなって……」

P「そ、そうか。まあいきなり背中触られるのは驚くから、せめて何か言ってくれ」

可憐「い、言えば触っていいんですか?」


P「まあ、それくらいは別にいいよ。ただし事務所内だけな」

可憐「は、はい」

P「今日はもう終わりだろう。帰っていいぞ」

可憐「は、はい。 お、お疲れさまでした……」




 P「可憐?」

 可憐「プ、プロデューサー……」

 P「どうしたんだ? 包丁なんか持って」

 可憐「あ、あの……」

 P「どうした?」

 可憐「わ、私の腕…… 食べてください!」バッ



ピピピッ ピピピッ

P「……」

P(なんて夢見てるんだよ……)

P「……会社行こ」



 事務所

P「おはようございます」

可憐「お、おはようございます……」

P「可憐、早かったな」

可憐「は、はい、何だか起きてしまって……」


P「そうか……」

P(さっきの夢を思い出すと何だか気まずい)

可憐「わ、私コーヒー淹れてくるので、の、飲みますか……?」

P「あ、ああ、頼むよ」



可憐「……」

P「……」

可憐「……あっ」

カランカラン


P「大丈夫か?」

可憐「あ、いや……」

P「っ!?」

可憐「あ、あの……」


P「……なんで包丁があるんだ?」

可憐「……」

P「話してくれないとわからないよ」

可憐「そ、その……」

P「……とりあえずこれは俺が預かっておく」

可憐「……」


 仕事中

P「……」カタカタ

P(可憐が包丁を持ってきていた。あれは、正夢?)

P「……まさかな」

小鳥「プロデューサーさん、どうかしました?」

P「あ、いえ、何でもないです」

P(とにかくあの一件は可憐が何か言ってくれるまで触れない、そうしよう)


 夜

P「……よし、出来た」

P「おっと、こんな時間か」

P(そういえば、可憐がレッスンから戻ってこないな)

P「……」ガタッ

P(見てくるか)



P「可憐、まだやってるのか?」ガチャ

可憐「……」ポロポロ

P「ど、どうした可憐!?」

可憐「ご、ごめんなさい……」ポロポロ

P「大丈夫だから、な?」

可憐「……」





P「……落ち着いたか?」

可憐「は、はい……」

P「レッスンで失敗したのか?」

可憐「い、いえ……」

P「じゃあどうしたんだ?」

可憐「……」



可憐「わ、私最近変なことを考えるんです……」

P「変なこと?」

可憐「は、はい。その……」

P「その?」


可憐「プ、プロデューサーさんのことを、刺したいって……」

P「……え?」

可憐「あ、そ、その、ごめんなさい。い、今は思ってないんですけど……」

P「……」


可憐「と、時々思うことがあるんです。け、今朝も……」

P「……包丁はそれで持ってきたのか?」

可憐「は、はい……」

P「そうか……」


可憐「……」

P「……それなら良かった」

可憐「えっ……?」

P「俺はてっきり、可憐が自殺をするんじゃないかと思ったんだ……」


可憐「……お、怒らないんですか?」

P「え? ああ、そうだな。まあ俺も…… いや、何でもない」

可憐「プ、プロデューサーさんも……?」

P「ち、違うんだ! あー、なんと言うか……」

可憐「?」


P「……可憐の腕、食べてみたいって思ったんだ」

可憐「っ!?」

P「ご、ごめん。俺も時々なんだ」

可憐「……」

P「その、綺麗な腕だなって思った時に、ふと……」


可憐「……」

P「……やめてもいいぞ」

可憐「え?」

P「こんなやつがプロデューサーなんだ、続ける気もないだろ?」

可憐「……」


P「社長には俺から何とか言っておくから……」

可憐「……」つんっ

P「っ!?」ビクッ

可憐「あ、ご、ごめんなさい……」

P「ビックリした……」


可憐「わ、私は続けます」

P「え?」

可憐「あ、アイドル、続けます……」

P「……そうか」


可憐「そ、その、刺しませんから……」

P「わ、わかってるよ。俺も食べたりしないから」

可憐「あ、で、でも、指で背中突っつくのは、いいですか……?」

P「まあ、それはいいが、あくまで事務所内でな」

可憐「は、はい……」


P「……っと、今日は遅くなっちまったな。もう帰ろう。タクシー使っていいから」

可憐「は、はい……」

P「領収書忘れるなよ」

可憐「あ、あの……」

P「どうした?」

可憐「あ、改めてよろしくお願いします」

P「あ、ああ。よろしくな」


P「……」

P(まさかアイドルと似たようなこと考えてるなんてな)

P(刺したい、か)

P(可憐に刺されるのなら、それも悪くはないか……)

P(って何考えてるんだ俺は、ちゃんとプロデュースしないとダメだろ)

P(……明日から頑張ろう)


おわり

ミリオンはミリシタから入りましたが、始めて数日で篠宮可憐が頭から離れなくなりました。
誕生日SSを書こうと思ったら、9月になっていました。

最後まで見ていただきありがとうございました。

いい香りはしそうだが、味は甘いのかな?
乙です

>>2
篠宮可憐(16) Vi/An
http://i.imgur.com/ETLrzfo.jpg
http://i.imgur.com/CYCqA1n.jpg

音無小鳥(2X) Ex
http://i.imgur.com/hFRWAa5.jpg
http://i.imgur.com/ElSKgHB.jpg

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