兵士「こちらで地図を描かせて貰えないでしょうか?」(180)

__『始まりの村付近 街道への抜け道』Lv1__
ッザッザッザ...
ミノタウロス『グルルルルルルルルル...我ノ許可モ無クト入ッテクルトハ、貴様覚悟ハ出来テイルナ!!!』

兵士「あっ、申し訳御座いませんわたくし国土地理院の使いの者ですが...こちらの現場責任者のような方は...」

ミノタウロス『...ワタシデスガ』

兵士「あっ、それは失礼いたしました、では改めまして...私国土地理院からの依頼でこちらのダンジョンの地図を
作って欲しいとの事で参った次第で御座います」

ミノタウロス『ハア、オツカレサマデス』

兵士「それでですねこちらで地図の作成をしたいのですが...よろしいでしょうか?」

ミノタウロス『マア...イイデスヨ』

兵士「あ、どうもありがとう御座います、では早速作業の方に入りますのでどこかスペースをお借りしてもよろしいでしょうか...」

ミノタウロス『エ、ドコデモカマイマセンヨ』

兵士「重ね重ね申し訳御座いません...では作業の方に入りますので何か質問等が御座いましたら遠慮なく申し付けて下さい」

ミノタウロス『ダイジョウブデス』

兵士「はい、かしこまりました...」バサッ

ミノタウロス『...』

兵士「地形は滑らかな斜面...地層は所々に鉱石有...」カキカキ

ッザッザッザッザ
ミノタウロス『グルルルルルルルルル...我ノ許可モ無クノウノウト入ッテクルトハ、貴様名ヲ名乗レ!!!』

勇者「貴方がこの洞窟で冒険者を相手に大暴れしている魔物だな?率直に言うこの
洞窟から出て行いけ」

ミノタウロス『タワケガ、ココハ元来我ノ所有シテイル洞窟ゾ出テ行クノハ貴様ラノ方也!!』

勇者「僕の親友を傷つけて...許さない!!!」

ミノタウロス『ッハッハッハ!!アノ小娘ノ事カ!?逃ゲル姿ガ滑稽デ笑イガ止マラナカッタゾ!』

勇者「覚悟は出来ているな...?」


兵士「ダイアモンドでも無い...じゃぁこの鉱石は...?」


勇者「...っき君!!」

兵士「はい?」

勇者「君なにをしている?!!危ないから下がろ!」

兵士「あぁ、私の事は放っておいても構いませんので続けて下さい」

勇者「か、彼は人質か?!卑怯な!」

ミノタウロス『イ、イヤ違ウ!国土地理院ノ派遣ラシイ』

勇者「えぇ...?」

勇者「っま、まあいい!続けるぞ!」

ミノタウロス『ドコカラデモ掛カッテ来イ!!小娘ェ!!!』

勇者「ウオオオオオオオオオ!!!!!!!」


兵士「奥の方に癒しの湧き水と赤い宝箱あり...」


ミノタウロス『グオオオオオオオオ!!!!』ブウウウンッッッ!!!!

ドゴオオオオオンッ!!!!

勇者「甘い!!」

兵士「よし、できた!」

ミノタウロス『何故貴様ハ戦ウ?!』

勇者「ハアハア...みんなの...大切な人の笑顔を...守る為だぁ!!!」ドゴオン!!!

ミノタウロス『グウウウウウ!!!!...何故ソコマデシテアノ村を守ル!!貴様二トッテアノ村ハ何ダ?!』

勇者「...生まれ故郷...それだけじゃない!守られるべき人が居る...それだけだ!!」

ミノタウロス『ッフ...ソウカ、貴様ハコノ先、途方モ無イ旅ヘ出ル事トナルダロウ...道中デノ苦悩二耐エラレル覚悟ハ?』

勇者「大有りだ!!!」

ミノタウロス『ふ...ふはぁははははは!!良かろう!!!気に入った!!その覚悟!!しかと受け取った!!貴様こそが、我に止めをさs「すいませ~ん」

兵士「地図の作成が終了いたしましたのでこちらに受領印をお願い出来ますか?」

ミノタウロス『...エェ...?』バタアアアアン...

兵士「大丈夫ですか?」

ミノタウロス『これまでの戦闘を見てきて大丈夫かって聞くか?』

兵士「あ、申し訳御座いません...分かるようなサインでも結構ですので」

ミノタウロス『...』サラサラ

兵士「お手数をお掛けして申し訳ございません~では作業の方は終わりましたので何か
不具合でもございましたらこちらの電話番号までお掛けくださいませ、では失礼しました」
ッザッザッザ

勇者「...」

ミノタウロス『...放っておいても死ぬから奥の宝箱の中身取って良いよ...』

勇者「すまない...」
ッザッザッザ
__勇者、Lv1の洞窟をクリア__

__Lv3『灼熱の斜塔』__
炎龍『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』

兵士「溶岩で道の切れ目が分かりませんねぇ...困った」

炎龍『グルルルルルルルル...ギャオ、ギャオ』

兵士「あ、本当だ、道だけちょっと色が濃いですね、ありがとうございます」

炎龍『...』
ッザッザッザ
勇者「これが...伝説の龍...!!」

炎龍『グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』ブオッ

僧侶「吐き出す炎は3000度...体は鉄をも溶かす灼熱の鎧...」

魔法使い「でも私が居る限り大丈夫!!」

勇者「...」

僧侶「勇者様!いきましょ...どうなされましたか?」


兵士「年代物の鎧ですねぇ、300年前の炎龍討伐に来た騎士団の物ですよこれ」

炎龍『ギャオ、ギャオ』

兵士「あ、やっぱり分かっちゃいます?オークションで買うと結構値段張るんですよね~」

勇者「ッ君!!」

兵士「あ、こんにちは骨董品の収集ですか?」

勇者「今回はおふざけで済まされるような戦いじゃない!ここから立ち去れ!!」

兵士「おふざけ?!自分は命張ってやってんですよこの仕事をォ!!」

勇者「え、あ...すいません...」

魔法「今回...?」

勇者「かくかくしかじかなんだ」

魔法「へえ...空気読めない人なの?」ヒソヒソ

炎龍『グルオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

勇者「龍はの方はやる気みたいだ...彼には可哀想だが僕らは戦うしかない!!」

兵士「グネグネしてて分かりずらいなぁ」

勇者(彼が地図を描き終わる前に...終わらせる!!)


兵士「あっ!分かったかも!!」


勇者「っみ、みんな!!急いで倒すぞ!!!」

「「はい!!」」

炎龍『グルルルルルルルル...我、汝に問わん...汝、真の力を欲するか...』

勇者「真の力...?」

炎龍『左様...ココよりさらに北へ向かわれよ...さすれば真の力が備わらん...』

勇者「...その言葉、信じていいのか?」

炎龍『信じるも否も...貴様の覚悟次第...さらばだ!!!』グウオオオオ!!!!!!!!!!!!

僧侶「飛んでいた...」

兵士「あちゃ~現場責任者がどっか行っちゃった...もう完成したのに」

勇者「真の...力...?」フラッ
バタッ
魔法「勇者?!どうしたのしっかり!!」


兵士「すいません、サインでも結構ですのでどなたか...」

竜剣士「?」

__勇者Lv3灼熱の斜塔クリア?__

__灼熱の里 宿 Lv?__
勇者「...ン...ここは...?」

兵士「あ、どうも」

勇者「僕...倒れて...」

勇者「っき、君が運んでくれたのか...?」

兵士「えぇ、お二人とも体力があまり残って無かったみたいでしたので...あった」ガサゴソ

勇者「...?」

兵士「こちらにサインをお願いできますか?」

勇者「...」サラサラ

兵士「はい確かに、ありがとうございました、ではすべての作業が終了致しましたので
何か不具合や質問等がございましたらこちらの電話番号までお願い致します、失礼しました」

勇者「...特に不具合は見当たらないな...」

__灼熱の里 宿 Lv?クリア__

__試練の丘 Lv5__
試練の像『...』

兵士「...」

試練の像『...ナンスカ?』

兵士「こちらの現場責任者の方は...」

試練の像『我ダケド...何カ用ッスカ?』

兵士「ここのダンジョンの地図を作成したいのですが...よろしいでしょうか?」

試練の像『...駄目ダ』

兵士「...申し訳ありません、理由をお聞かせ願えないでしょうか」

試練の像『ココハ試練ノ丘!地図ナドノ様ナ物ヲ持タセテハ試練二ナラン!!
地図無キダンジョンハ自ラヲ鍛エ上ゲル事二ナル!!』

兵士「あちゃ~そう言うダンジョンか~...参ったな...」

試練の像『ソウイウ事ダ、シカシココマデ来レタ実力ハ認メヨウ、コノ光ノ輪カラナラ
安全二入リ口ヘ帰レル』

兵士「しかしそうも行かないんですよ~...ダンジョンの地図を描くまでは出るなって上司から
言われてまして...う~ん」

試練の像『...ツーカ、オ前ドウヤッテココマデ来タノ?途中ノ中ボスハ?』

兵士「あぁ、危害攻撃を貰ったので倒しました」

試練の像『...オマエ勇者ジャ無イヨネ?』

兵士「はい、国土地理院からの派遣された者ですが...」

試練の像『...描イテイイヨ、地図』

兵士「え?よろしいのですか?!」

試練の像『モウドウデモイイヤ...』

兵士「あ、ありがとうございます!ではこれから作業の方に入りますので質問等が
ございましたらいつでもどうぞ」

試練の像『ハイ』ポリポリ

兵士「台座の下の隠し扉は入ってもよろしいでしょうか」

試練の像『ッハ?エ?何デワカンノ?』

兵士「はい、この手のダンジョンはこういった部屋が多いのですぐに見分けが付くんですよ」

試練の像『...ヤハリコノ俺ヲ倒テカラ二シロ!!!!』

兵士「えぇ?!(高音)何かご不満な点でも...?」

試練の像「オオアリジャボケ!」

試練の像『答エロ!貴様ナニモノダア!!』


戦士「ああん?ナンか騒がしいなぁ...」

勇者「何あれ...像...?」


兵士「えぇ...っく、クレーマー?え?どうしよ...」


勇者「...」

僧侶「あ、あの方は!!」

魔法「何で?!」

兵士「あ、どうもご無沙汰しております」

試練の像『答エロ!!』

戦士「え?なに?何でお前が怒られてんの?」

兵士「ちょっとこちらで不手際があったのかと思われますが...」

試練の像『貴様ラモコヤツノ仲間カ?!!打チ倒シテクレル!!』ブウウンッ!!!!

戦士「おっと」ガキイインッッ!!!

試練の像『ヌウウッ!貴様ラハ勇者トソノ仲間カ!!』

勇者「え...あ、はい!こちらで真の力を手に入れるべくここまで参りました!」

試練の像『ヨカロウ!!貴様ラマトメテ掛カッテコイ!!!』

試練の像『ソウダ...我ヲ倒セルノナラ地図ノ作成ヲミトメル!!』

兵士「えぇ...」

魔法「あんたも話聞いてたでしょ?!命が惜しかったら離れてなさい!!」

兵士「パワー系のお客様かぁ~...困ったな」

勇者「君は下がってて!ココは僕らの仕事だ!!」

兵士「皆様...ここまでしてわたくしの地図作成を...」ジーン...

戦士「違う!!」

魔法「地図はどうでもいいの!!」

兵士「では私も行かせて貰います!!皆様のお手を煩わせるわけには参りません!!」ッザッ!!

勇者(早い...!!)

兵士「失礼します!!!!」ブウウウウンッ!!!!!
ガシッ!!
試練の像『グウウウッッッ!!!!ヤハリ貴様力ヲ隠シテオッタカ!!』

兵士「地図の!!!」ブンッ

試練の像『甘イ!!』カキンッ
ブウンッ!!!!
兵士「作成を!!!」カキンッ!!

試練の像『ナニ?!』

兵士「認めてください!!!!!!!!!」ズシャアッ!!!!

試練の像『グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

兵士「どうですか!!!」

試練の像『認メル!!認メルカラ止メハセメテ勇者二!!!!!」

兵士「ありがとうございます!!!」バサア!

兵士「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!」カキカキカキ


試練の像『...アレ君ノ仲間?』

勇者「...いや...違う」ザシュッ!!

試練の像『グウウウウ!!!我ヲ倒ストハ!!!貴様ハ真ノ力ヲ手二入レル二相応シイ!!
奥ヘト進ミ真ノ力ヲ手二入レヨ!!!!!』ピカーッ

魔法「っき、消える?!」

シュウウウン...

戦士「...」

勇者「行こう...」

僧侶「ナンか...納得が...」

魔法「言っちゃダメ」

勇者「彼の地図が出来上がる前に行こう!」
ッタッタッタッタ

兵士「出来たアアアアアアアア!!!!」

兵士「すいません!どなたか受領印を...誰も居ない?」

__勇者Lv5試練の丘クリア__

コピペか?昔見たぞ

__最果ての街 宿屋兼酒場 Lv??__
勇者「...」


兵士「...」カキカキ

兵士「カウンターの机に若干の傾き...」カキカキ


勇者「...彼はいつから」

ママさん「うん...あの人、朝ウチに来てからずうっとコーヒー一杯で粘ってて...
何でもこの街の地図を作成したいとか...国土地理院の派遣の方だそうよ?知り合い?」

勇者「何度かダンジョンで...」

ママ「そう...あの子井戸の底の宝箱の場所まで描いてるの...盗賊って訳でも無さそうだし...」

勇者「彼は...アレが仕事らしいです」

ママ「ふうん...?」

兵士「...よし、出来ました」

勇者「やぁ、おととい振りだね」

兵士「あ、どうも~今日はお休みですか?」

勇者「まぁそういったところだ、地図の作成は済んだのかい?」

兵士「はい、完璧です」

ママ「ちょっと見せて?」

兵士「どうぞ、何か足らない所がございましたら申し付けて頂けると幸いです」

ママ「へぇ、凄い...私この街で生まれ育ったけど...小さな路地裏まで...」

兵士「この街は歴史も長いので過去の地主や、歴代の町長達が隠した宝箱が多々ありまして...探すのにちょっと手間取りました」

勇者「ほぉ...」

兵士「これでノルマは達成しました、やあっと休暇ですよ」

ママ「貴方...いつからコノ仕事を?」

兵士「五ヶ月くらい前からですね、もともと測量やら絵描きを少しばかり噛んでおりましたので、国土地理院の作成課から依頼された次第です」

>>19 前にコレ書き込んでたんすけどエたった状態で終わらせちゃったので何か勿体無いなぁと思って

勇者「それじゃぁ僕と君が会った始まりの洞窟が君の初仕事だったのか?」

兵士「大体そんなところっすね」

勇者「と言う事は僕の故郷にも来てたのか?」

兵士「あぁ始まりの村っすか?寄りました寄りました地図描きに、裏庭に小さな祠がある家って勇者様のお宅ですか?」

勇者「あぁ、そうだ」

兵士「あぁやっぱり、あの祠の奥に古びた剣が供えられてますよね?アレ見たときびっくりしましたよ~
いきなり私に語り掛けてくるんですもん」

勇者(え、知らない)

兵士「その剣ってば私に『その地図勇者に見せるなよ!絶対に見せるなよ!!』って
うるさくて、ははは、しかし!私も仕事です!お客様の秘密は絶対に...あ、喋っちゃった」

勇者「...」

ママ「ちょっと...大丈夫...?」

兵士「どうしよ...守秘義務破っちゃった...?」

勇者「兵士、とか言ったな?」

兵士「っは、はい?」

勇者「今まで聞きそびれたから今聞こう...君はなぜそこまでして地図を?」

兵士「あ~手当ても高かったですし、いろんな所巡れますからね」

勇者「そうなのか...なぁ...地図を書くついでに僕たちと行動しないか?」

兵士「えぇ?いや今はちょっと...私がいると足手まといになりますし、仕事もまだ残ってますので...」

勇者「...そうか...すまない...忘れてくれ」

兵士「まぁでも、冒険とかあこがれるっすよ、お互いまだ若いっすし、都合がよけりゃ一緒に旅でもしましょうよ」

__最果ての街 宿屋兼酒場 Lv??クリア__

__南の小島 海賊の砦 Lv1__
船長「ヒャッハー!久々の大仕事だったぜぇ!!!!」

船員「僕らの初仕事ですがね」

船長「野朗共!!港に着いたぜ!錨を降ろせ!!」

船員「二人しか居ないんだから手伝ってください」

船長「おう」

ザッパーン!

船長「しかし姫様を誘拐できるなんざぁラッキーだったぜ!!」

船員「昼寝してた所をかっさらっただけじゃ...」

船長「いいんだよ!!これで身代金がガッポガポだぜぇ!!!」

姫「ちょっと!!埃溜まってるじゃない?!ちゃんと掃除してるの?!」

船長「っか、海賊は掃除はしねえんだよォ!!」

姫「君!!埃はたき持ってきて!!汚くて見てられないわ!!」プンプン

船員「アイアイサー」

船長「勝手な真似はゆるs

姫「雑巾!絞ってきて!!!」

船長「はい」

ドンドン!!!

「すいませ~んどなたかいらっしゃいますでしょうか~」

船員「船長、客です」

船長「でてやんな」

船員「どちら様でしょうか」

兵士「あっ夜分遅くに申し訳ございません、わたくし国土地理院から派遣されて参りました
兵士、と申します~、わたくしこの島の地図を作成を依頼されこちらへ参ったのですが...現場責任者の方はいらっしゃいますでしょうか...」

船員「あ、わざわざこんな所までお疲れ様です...船長~!国土地理院の方ですよ」

船長「いかにも!!この俺が船長だ!!」

兵士「あ、どうも~、先ほど申し上げた通りなのですが」

船長「あぁ!!気の済むまで描いていきな!!」

兵士「ありがとうございます~...では早速...」ガサゴソ

船長「その服どっかで見覚えあんな~」

兵士「コノ国の下級兵の服です~」カキカキ

船長「っき、貴様!!!姫の救出にきやがったな!!?」

兵士「姫様?あぁ誘拐されたらしいですね」カキカキ

兵士「騎士団の連中が必死こいて捜索してましたよ」カキカキ

兵士「難破船の中にダイアモンドと伝説の鎧...」カキカキ

船長「ええい!!ふかしこきやがって!!てめえも姫を救出に来たんだろうが!!よこせこんな物!!」

兵士「あぁ!!僕の愛用のペンが!!」

船長「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」ボキイッ!!!

兵士「なっ!何をするだァーーッ!!ゆるさんっ!!」

船長「ええいやかましい!!おい!!こいつを縛り上げろ!!」

船員「俺一人でですか?」

ドンドン!!!!

船長「今度はナンだ!!!」

ドンドンドンドン!!!!!!!!!!!!!

船長「ッチ...礼儀がなっとらんぞ!」

ドンドン...

船長「...ッ」

ドゴオオオオオオオンッ!!!!!!

船長「ウひゃぁ?!」

戦士「おォ~脆い壁だぁ」

勇者「姫、救出に参りました」

船長「お、オマエ!!勇者?!」


勇者「お掃除中のところ悪いが、まずは姫様を返してもらおうか?」

船長「んだ小娘ぇ?!扉壊しやがってぇ!!」

姫「何よ騒がしい...勇者?!来てくれたの?」

勇者「親友が捕まったんだ助けに行くのは当たり前だよ、じゃぁお城へ帰ろうか?」

姫「は~い、じゃあ掃除頑張ってねぇ」

船員「アイアイサー」

船長「っま、待て!話はまだ...」



兵士「フウン!!ホオン!!オオン!!アオン!!」


姫「ところで...あそこで咆哮してる人は...?」

戦士「え?あぁ?!こんな所にまで来るんか?!」

勇者「っど、どうしたんだ?」

兵士「ペンが~ペンが~オオン!!」サメザメ

勇者「ペン?」

『愛用のペン』→/\ ポッキリ

勇者「ぽっきり折れているな...踏んだのか?」

兵士「またもやパワー系のクレーマーでぇぇンアッー」

勇者「あぁ、あいつに折られたのか...」


船長「オオン、アオン」ガミガミ!!


魔法「ペンの一つや二ついいじゃないの」

兵士「官給品なんすよアレ...」

兵士「う~ん...ペン折られたら地図作成出来ない...参ったなぁ」

勇者「他には筆記具は無いのか?」

兵士「コノ島に来る途中に嵐で落してしまいまして...」

僧侶「一つくらい描かなくてもいいんじゃ...いったん陸に戻ってペンを買いもう一度くれば...」

兵士「納期がありまして...今から戻ってこちらへ帰っても期限切れでOUTになります...はぁ~上司に
説明するしか無いか...お騒がせしました、失礼します」

勇者「そう言えば、何に乗って来たんだ?桟橋に船は見当たらなかったが」

兵士「ウソォ!?」

船員「あぁ、ナンか小船が流されていってましたよ」

兵士「オオン」

__海賊の砦 Lv1クリア__

__船内 Lv?__
兵士「いや~何から何まで申し訳ございません」ペコペコ

戦士「一人で砦までいこうなんてお前根性あんな~」

勇者「ちょっと今回は無茶しすぎじゃないか?」

兵士「まぁしゃあないっすよ、命令みたいなものですし」

僧侶「地図を範囲などは決まっているのですか?」

兵士「いや、ないっすね、適当に町やダンジョン行って最新の地図を描くって感じで」

勇者「そんなに描いて誰が見るんだろうな」

兵士「さぁ分からないっす、何か裏でやってんでしょうね」
__船内 Lv?__ クリア

__港 Lv?__

姫「しかし仕事熱心な子もいたのね~」

兵士「っは、勿体無いお言葉...」

魔法(一応礼儀は弁えているんだ)

勇者「これからどうするんだ?」

兵士「そーですねー、取り合えず状況報告をメール便で送り、ソノ後の返答次第ですね」

勇者「街に少し留まるのか?」

兵士「はい、この港町に地理院職員用の官舎がありますのでそちらで寝泊りします」

姫「じゃあ私達もそこに泊めて貰わない?私が言ったらみんなも泊めてくれると思うし」

勇者「部外者がいいのでしょうか...」

兵士「事情を説明したら泊めてくれると思いますよ?」

勇者「それなら良いが...」

魔法「その方が宿代浮くし寝られるしで一石二鳥ね」

戦士「んじゃ決まりだな」
__港 Lv?クリア__

__地理院用官舎 Lv?__
当直「はぁ?5人も泊めるのか?」

兵士「あぁ、何とか頼めるか?」

当直「う~ん出来ない事は無いんだが...一人一部屋はちょっとキツイなぁ...」

兵士「誰か他にも?」

当直「あぁ地理院の幹部連中だ、何でもここの会議室で何か大事な会議しててな?会議終了後に直でここに泊まるらしいぜ?」

兵士「部屋は幾つ空いてるんだ?」

当直「二部屋だなぁ、男女で分けて詰めりゃぁ何とかなるべ?」

兵士「背に腹は変えられんか...俺は野宿かな...」

当直「野宿ってお前も泊まりゃええが、誰が泊まるんだ?まさか親戚とかか?」

兵士「大声じゃ言えねえ...勇者ご一行と姫様だ」ヒソヒソ

当直「あぁ?何でご一行が?」ヒソヒソ

兵士「沖にある海賊の砦で姫様救出してきたんだ」

当直「ほーん...」

兵士「女性が4人で男一人だ」

当直「はいはい了解しましたっと...男一人?オマエはどこで寝るんだ」

兵士「官舎の外で寝るさ、野宿は慣れてるさ」

当直「あぁ...まぁご一行のメンバーとは寝にくいやな...おk、部屋は手配出来た
ご一行中に入れていいぞ」

兵士「あぁすまん、お待たせしました~!大丈夫で~す!」

当直「後で毛布貸すわ、野宿といわず裏の仮眠小屋で泊まれや」

兵士「重ね重ね申し訳ありません」

当直「ははっ、なんだそりゃ」

兵士「俺の口癖だよ」

勇者「すまん、手間取っただろう?」

兵士「いやぁ融通の聞く人でしたので」

当直「へへっどうぞごゆっくり」

酒場にて...
兵士「...」カキカキ

勇者「おや?また仕事か」

兵士「あ、どうも...部屋の心地はどうです?」

勇者「あぁいい部屋だよ、ありがとう」

兵士「それは良かった」

勇者「店の地図を?」

兵士「いえ、ちょっと親に手紙を...」

勇者「手紙か、僕は長らく書いてないなぁ」

兵士「便箋残ってますけど使います?」

勇者「いや、遠慮しておくよ...父に手紙を書いたことが無いので中々勇気が、ね...」

兵士「へえ可愛いっすね、勇者様の家はどんな家庭だったんですか?」

勇者「どんな...まぁ厳しい家庭だったよ、勇者の血を引いている唯一の家系だからね、厳しくなるのも無理はないよ...ん?」

兵士「そりゃそうか」カキカキ

勇者(今...可愛いって?)

兵士「そいえば言ってなかったんですがね、自分始まりの村の郊外で生まれたんすよ」

勇者「え...あ、え?そうなのか?」

兵士「はい、里帰りもあって最初にあの村よったんすよ」

勇者「勉強は教会で?」

兵士「そうですそうです、奇遇っすね、あっじゃぁたまに理科の授業に講師で来る先生覚えてます?
あの白衣のウラにカメムシの死骸着いててそっれがまた臭いの何の...ははっ」

勇者「すまない、僕は夜に個別で教えてもらってたんだ...父が勝手に頼んでな」

兵士「あ~そっかー...あっもしかしてシスターの部屋で勉強してましたか?」

勇者「あぁ」

兵士「あ、やっぱり!僕本読んでて遅くまで図書室残ってたんですが、その時によく女の子の
笑い声が聞こえるってんでビびりながら帰ってたんですよ~、あれ勇者様だったんですね」

勇者「図書室...あの地学と歴史のカテゴリに?」

兵士「はい、特に地形やらの本は読み漁って年増シスターに本がヨレヨレになった
って怒鳴られましたよ~」

勇者「そうなのか...あれ君だったんだな、よく勉強を抜け出して図書室へ行ったんだが...
部屋の置くに揺らめく影があったからとても驚いたよ...」

兵士「あのきゃあああって可愛い悲鳴勇者様だったんですね...」

勇者「可愛いとは何だ」

兵士「へへっ、それでシスターがすっ飛んできてゲンコツ食らいましたよ~...覚えてます?」

勇者「あぁ、闇の奥でウゴッって声が聞こえたよ」

兵士「はははっ...おっとそろそろ閉店時間ですね」

勇者「そうだな、戻るか」

兵士「店長、お勘定」

「はいよ」
__
___

___
__
勇者「ではまた明日に」

兵士「はい、よい夢を」

勇者「あぁ」


兵士「さぁてと...寝るか」
__地理院官舎 Lv? セーブ__

__地理院官舎 Lv?__
ジュウウウウウウウウウ...

兵士「ン...クォクォは...」

魔法「あ、起きた」

勇者「おっ、起きたか?今朝飯を作っている所だ、もう少し待てっててくれ」

兵士「何でここに?」

勇者「あぁ、当直に君の居場所を聞いてね、何故戦士と一緒の部屋で寝なかったんだ?」

兵士「えっ、ええまぁ、一身上の都合により...」

勇者「ナンだそれは...まぁいい、この部屋は寒かっただろう、温まるようスープも作っておいた。もう出来るぞ」

兵士「ありがたき幸セッーックショイ!!!」

魔法「凄いくしゃみね」

勇者「寒いところで寝るからだ...ほら出来たぞ」

兵士「頂きます...」ズズッ

兵士「うめえ...料理上手っすね」

勇者「最初は一人で旅をしていたのでな、調理の勝手が自然に身に付いたんだ」

魔法「勇者の作る料理って全部おいしいのよね~」パクパク

兵士「いや~勇者様と結婚する人は幸せ者ですな~」パクパク

勇者「ははっそんな相手、見つかるといいがな...」

兵士「いや~すぐに見つかると思いますよ~?」パクパク

勇者「ほう?じゃあ君が立候補するか?」

兵士「そうしよっかな~」ハッフハッフ

勇者「ッッッ///?!」

魔法(バカが自滅しおってからに)

兵士「あ~美味かった...ゴチになります!」

勇者「お、おう...///」

兵士「片付けは僕がやりますよ」

魔法「ありがと~」

兵士「いえいえ」

勇者「...///」
__地理院官舎 Lv?クリア__

兵士「んじゃぁお世話になりましたホントに」ペコリ

当直「おうオマエも地図作り頑張れや」

兵士「ははっまだまだ掛かりそうだけどな...」

勇者「もう行くのか?」

兵士「はい、今朝メール便が届いたのでちょっと本部まで帰らないといけないんです」

勇者「そうか...またどこかで」

兵士「はい、勇者様も体に気をつけて下さい」

勇者「...今朝言った事は...」

兵士「?」

勇者「...何でもないよ、また会ったら話そうと思う」

兵士「じゃあそれまでは生きながらえてますね」

勇者「ははっ言うじゃないか」

兵士「おっと、そろそろ行かないとやべえ、それでは...お元気で」

勇者「あぁ」
__地理院官舎 クリア__

__最果ての廃村 井戸の底 Lv?__
老人「いつまで拗ねておるのじゃ...」

兵士「だぁって僕この仕事以外に何も出来ないって烙印押されちまったらもうアカンですよ...」カキカキ

老人(こいつが来た時は勇者の威厳もココマデ落ちたかと思ったが...違って良かったわ)

兵士「はぁ~...まさか依願退職強要されるとはなぁ~...やっぱ納期の滞納かなぁ...」

老人「こんな所の地図を描いてどうするのじゃ?」

兵士「僕も分かりませんよ~...上司は何も言ってくれないので」カキカキ

老人「適当な上司じゃな」

兵士「悪い人じゃないんですがねぇ...良くも悪くも仕事熱心な人で」カキカキ

老人「しかし長いのう...丸描いてちょんですまんのか?」

兵士「いや~申し訳ありません、この井戸の奥のダンジョンが意外と長い物で...」

老人「...なぜそれを」

兵士「長いことやってたら慣れてきて分かるんですよ、お客様の後ろの岩、ちょいと捻ればあら不思議...でしょ?」

老人「貴公...まさか...?」

兵士「僕は違いますよ?」カキカキ

「よいしょっ!よいしょっと!」

老人「誰じゃ?」

魔法「ふぅ...後でもう3人くらい降りてくるから待ってて...ってまたいたんだ?」

兵士「お久しぶりですぅ~」カキカキ

魔法「もう驚かないわよ~どこにでも居そうだもの貴方」

勇者「降りるよ~?」

魔法「いいわよ~、ってかまた地図描きさん居るわよ?」

勇者「ええ?!」ズデンッ!!!

兵士「うっわ...大丈夫ですか?」

勇者「あっ...あぁ...」プルプルッ

老人「君は魔王討伐の為に冒険をしているのかね?」

勇者「っはい、ここに来る途中の街で貴方の情報を聞きました...こちらの井戸に
魔王討伐に不可欠な物があると」

老人「...勇者だけ、着いて参れ。他はココで待っておれ」

兵士「う~ん...ここの空間は...?」

老人「さぁ、こちらでs「すいません、こちらの空間の作りがちょっと気になるのですが
どんな感じデ...」

老人「あのさぁ...君空気読めないって言われておるじゃろ?」

兵士「すいません仕事なもので...」

老人「退職したんじゃ無かったのか...」

兵士「ノルマまではヤれとのお達しでして...」

勇者「仕事やめたの?!」

兵士「へへっ、お陰さまで...次の給料が退職金ですなHAHAHA」カキカキ

勇者「何故僕を頼らないんだ!言ってくれれば何らかのコネが...」

兵士「コネとかそう言うのはちょっと...ねぇ?」

勇者「っす、すまない...」

兵士「はぁ...まぁ生きていくなら使えるコネも必要になってくるんでしょうね...」

老人「あの~そろそろ行こうか?」

勇者「あっ、すいません...」

兵士「う~んこの空間をどうするか...」

勇者「老人、彼も連れてってよろしいでしょうか...?」

老人「えっ、本気で言ってる?」

勇者「お願いします!」ペコッ

兵士「あっ頭下げんで下さいよ...僕の仕事ですし...」

老人「んっ~...まぁエエじゃろ....着いて来い、ただし下手な真似はせんようにな...」

勇者「ありがとうございます!」

兵士(そこまでするか?)


戦士「おーおーようやるわ、へっへっへ」

僧侶「勇者様...愛する人の為に...」ウルッ


兵士(なーに言ってだこいつら)

老人「早よせい」

兵士「っは、はい」ッタッタッタ

兵士「...」ッボー

勇者「...」ッザッザ

勇者「前みて歩かないと転ぶぞ?」

兵士「あ...すいません」

勇者「ショックだろうな...やり慣れた仕事なのだろう?」

兵士「まぁ...これ以外にまともな仕事は貰ったこと無かったんで...」

勇者「地図作成の後はどうするんだ?また元いた隊に戻るのか?」

兵士「ははっ...それがもう除隊する時期になってたんすよ...気づいたのは最近です」

勇者「そうか...では...」

兵士「実家に戻って村で仕事探そうと思います...まだ親孝行らしい事も出来てないのになぁ...
フリーターになっちゃいました」

勇者「っじゃ、じゃあ僕らと一緒に...!」

老人「勇者殿着きましたですじゃ、こちらの部屋に...ただし兵士、てめぇは駄目だ」

兵士「りょ、了解しました」

老人「どうぞ...」

勇者「はい」ッザッザッザ

老人「オマエの気になっている空間はコノ部屋の奥にある、後で入れてやるから我慢せい」

兵士「はい」

バタンッ

兵士「あいつの鼻毛根こそぎ引き千切ってやろう...」カキカキ

『デテイケ...』

兵士「ん...?誰か...」

守護の像『貴様ハ器二非ズ、即刻立チ去レ!!』

兵士「えぇ...?あの...どちら様でしょうか...」

守護の像『我ハコノ祠ノ守護神也!』フンヌッ

兵士(ほォ、ナイスバディーな石造やな)

守護の像『モウ一度忠告スル。貴様ハ器二非ズ...即刻立チ去レ!!』ジャキンッ!!

兵士「うおう石の剣...」

兵士(弱そう)

守護の像『今迄、自惚レ二浸リ退魔ノ力ヲ我ガ物トセントスル者ガ絶エルコトナク
コノ祠二訪レタ、シカシソノ者共ハ得ラレル力ガ大キスギ、皆自ラヲ滅ボシテイッタ...
我ハモウソノヨウナ悲劇ヲ見タクナイ...』

兵士「いや...僕には関係の無い事なので...僕はただの地図描きですし...」

守護の像『我ノ忠告ハ聞ケヌト言ウノカ!?』

兵士「き、聞かぬ聞けぬじゃなくて、もう勇者様が部屋に入っているので...」

守護の像『アア嘆カワシイ!!我トテモ嘆カワシイ!!』

兵士(くっそ~面倒な石像め...)

守護の像『モウ!何デ皆分カッテクレナイノダロウカ!!』ゲキオコ

兵士「っす、すいません...」

守護の像『大体ハ最初二忠告スレバ分カッテクレルノニ君ハ頑固ダナ!』

守護の像『マッタク!君ミタイナ子ハ会社ダッタラスグニリストラノ対象ダゾ?
タマニハ目上ノ者ノ言ウコトヲダナアァ...』グチグチ

兵士「」プチン

兵士「ハあああああああああああああ?!もうされちゃったんですけど~?!ほぼリストラアアアアア!!」

守護の像『ッヒイ!切レル十代?!』

兵士「こちとら一つのダンジョン一生分の体力使ってんのにリストラされてんだぞォ!んだよ依願退職ってぇ!!こっちゃ客に下げたくもない頭下げて
アホズらでペッコペッコしてたんだヨォ!!!」

守護の像『ア、アマリッカッカスルト早死二スルカラ...ッポ、ポテチ食ベルカ?!』オロオロ

兵士「何味だア!!」

守護の像『ノ...海苔塩...』

兵士「俺はうす塩派だアアア!!」

守護の像「オ、落チ着ケ?!悩ミガアルナラ聞イテヤルカラ!』

そのころ
老人「オオ...この強大な退魔の力を...さすが勇者殿...」

勇者「思いが繋がれば苦しい事も乗り越えられるのd

「俺はうす塩派だアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

勇者「ッヒイ!!すいませんコンソメ派です!!」

老人「あ、あやつ何を...」

勇者「まさか魔物に?!」

老人「この祠には魔物はおりません...しかし守護の像であれば...まさか?!」

勇者「兵士...ッ!」ッタッタッタ
__

守護の像『ビエエエエエエエエン!!』

兵士(これもう戻れませんよ...?)ヒソヒソ

勇者「君が蒔いた種だ、君が何とかしなさい」

兵士「っさ、先ほどのォ...無礼の数々真に申し訳ありませんでした...」ドゲザ

守護の像『ヒックヒック...ウス塩一派メェ...グスッ』

兵士「え...のり塩もいけるように頑張りますので...」ドゲザ

守護の像『許サンゾ...ウス塩...』

兵士「いや...ウス塩も中々イケルかと...」

老人「まったく!貴様と言う男は!」

勇者「守護の像、真に申し訳ございません...今回の件は僕に免じて流してやってはもらえないでしょうか...」

守護の像『貴公...退魔ノ力ヲ我ガ物二...ヤハリ一族ノ血ヲ引ク者...イヤ愛スル者、友人
ヲ思ッテイタカラコソナシ得タ事カ』

勇者「っは...ありがとうございます」

そして

兵士「のり塩も中々いけますね」パリパリ

守護の像『ダカラ言ッタデアロウ、新境地開拓コソポテラーノ醍醐味ダト』

兵士(ポテラーとは...?ウゴゴゴゴ)

勇者「よし、準備は整った、行こう」

兵士「こちらも地図か完成しました」

兵士(結局あの空間は老人の当直室でした~)

守護の像『...ナア』

勇者「?」

守護の像『我モ外ノ世界トヤラヲ見テミタイゾ』

兵士「え、出られるんか」

守護の像『元ヨリ退魔の力ヲ護ルノガ我ノ宿命也、護ル物ガ無クテハ食イッパグレル也』

戦士「食いっぱぐれちゃうナリか」

守護の像『左様』

勇者「しかし...そのままの姿では街にも入れないしなぁ...」

老人「守護像は石像に取り付いている妖精ですぞ」

守護の像『ア、ゾウ言エバソウダッタ』
ボフンッ
守護精「ふぅ~...何千年振りの空気...ンッー!」セノビ

兵士(石像の方が心なしかナイスバディだな)

勇者「ほぉ...これはすごい...」

魔法「おぉ...」


老人「ここにサインを?」

兵士「はい...確かに受領しました」

兵士「それでは僕は次の仕事がありますので...」ヘコヘ

勇者「次の?まだノルマがあるのか?」

兵士「次で最後の仕事です」

勇者「ノルマが終えたらどうするんだ?」

兵士「実家の方に帰ります、近いうちに寄ろうとは思ってたんでいい機会かなっと」

守護精「あれ?一緒に旅してたんじゃなかったんだ」

兵士「結構な確立で出会いますよ」

守護精「ふ~ん、スーパーのベンチでボーっとしてるおっさん並に会うんだ」

兵士「お前本当に外の世界に出たこと無いのか?」

勇者「守護精殿はいかがなされますか?」

守護精「街に行って見たいな~」

勇者「では一度街へ行きましょうか...兵士は」

魔法「彼ならもう出たわよ」

勇者「えぇ?!」

老人「ノルマがと呟いてナメクジの如く這い出て行きましたぞ」

勇者「ハア...」
__最果ての廃村 井戸の底 Lv?クリア__

__妖魔の潜む古城付近 __
勇者「魔王の城まであと少しだ、みんなここまで一緒に着いて来てくれて本当にありがとう」

戦士「今更水臭い事言うなよ~」

僧侶「そうです!感謝したいのは私の方ですよ!」

魔法「あんた達と冒険して初めて書庫に居るよりも楽しいって思えたわ」

守護精「しかしうす塩と別れて数ヶ月経つが見ないのう」パリパリ

勇者「あぁ...たぶん彼は実家に帰ったんだろう、もう一度会ってみたいな...」

魔法「ほぉ~?」

戦士「お前ってばダンジョンに入ったらまずあいつの事探すもんな~?愛っていいわ^~」

勇者「んな!?///ち、違う!!彼の安否を心配してだな!!」

守護精「あら^~」

勇者「まったく...///では、僕は古城の情報を集めてくる」

僧侶「では私は教会へ寄ります」

__
勇者「古城には何が...?」

「古城には魔王城の攻撃を弾き飛ばす伝説の盾があるって話だぜ、まぁもっとも...伝説って言う説が
デカイわな...あと何かあったけか?古城の事で」

「古城?あぁ、最近になってから淫魔ッツーのが城に群がりやがってよ、情報聞いた男達み~んな
古城に行ったんだが...だ~れも帰ってこなんだ」

「そう言えばアノ地図描きさんも帰って来ないなぁ」

「今頃絞り取られてたりしてな、っはっはっは!!」

勇者「地図描き?」

「えぇ?確かコノ国の下級兵の服着てて...なんか言ってたっけな~?」

「あぁ、確か「地図描きたいのですが古城にはどちらから行けばよろしいでしょうか」的な事言ってたな」

勇者「...」

「変な理由作らないでもはっきり言えばいいのにな、でも何ヶ月も前の話だぜ?」

「もう死んでるかもなぁ」

勇者「あ、ありがとうございます」フラフラ...

__
戦士「ったーー!!ババ引いちまった~」

魔法「ちょっと!カードに海苔ついてる!」

守護精「真に申し訳ない」パリパリ

勇者「...」フラフラ

戦士「おーお帰り...どうした?」

勇者「彼が...」
カクカクシカジカ

戦士「...」

魔法「...」

守護精「うす塩も美味い!」

勇者「...」ズウウウウウウウウウウン...

魔法(これ以上にない位に落ち込んでる...どうやって励まそう...)ヒソヒソ

戦士(事が事だしなぁ...兵士の野朗気持ちは分からんでもないが...こっちの身にもなってくれ...)ヒソヒソ

勇者「...僕は今まで恋と言う物はした事がなかった...そう言うのも良く分からなかった
しそれにピンと来る男も今まで居なかった...でも今回僕は初めて恋と言う物をしたんだと思う...」ブツブツ

戦士(あーヤバイ奴かも)ヒソヒソ

守護精「浮気は許せないっちゃ!!」プンプン

戦士「おい、海苔ついてんぞ」

魔法「まぁ~...そういう事もあるわよ!うん!」

勇者「ねえよ!!!そういう事なんて凄く稀だよ!!人間の女に寝取られたらまだチャンスあるけど
淫魔に取られたらもうだめジャン...ヒッグ...ウグ...ウワアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

__ 妖魔の住む古城 Lv40__
勇者「入るよ」

魔法「うん」

戦士「いつでもいいぜ」

僧侶「...」ゴクリッ

守護精「...」パリパリ

ギイイイイイイイイ...

勇者「...兵士...迎えに来たよ」ホロリ...

魔法(...なんだかんだ言って...思い出に残る奴だったわね...」

戦士(意外と強いんだよな...あいつ...一度決闘してみたかった)

勇者「...」


兵士「だああああから!!何度言えば分かるんですか!!下着はちゃんと洗濯籠にって
言ってるでしょうが!!!」

淫魔「すいません!すいません!」ペコペコ

兵士「たたむ時もキチンと畳まないと皺になりますよ、はいやり直して下さい」

淫魔「フエエエエエン!!」

兵士「僕だっていつまでもココに居られないんですから、あんたがしっかりしないとあの子が...ん?」

勇者「...」

戦士「...」

魔法「...」

兵士「あぁ!お久しぶりですね...

勇者「...」ツカツカツカツカ

兵士「っど?どうしました...?」

勇者「...」ガバッ
ギュウウウウウウッ
兵士「え?!へ?!」

戦士「後で殴らせろ」

兵士「なんで?!」

兵士「あ...あの~何が...」

勇者「...下の街で聞いたんだ...君が古城に行ったって情報...」

兵士「は、はぁ...」

勇者「何ヶ月も出てこれなかったんだろう...?君の事を聞いた時はとっても心配したぞ...」

兵士「え、あそうなんすか」

勇者「何故何ヶ月も姿を消していたんだ...?」

兵士「あぁ、それはっすね」

淫魔「あの~...」

兵士「あ、畳み終わりました?」

淫魔「え、あぁはい...」

勇者「話を逸らすな!何故君は何ヶ月も姿をくらましていた!?」

兵士「っそ、そんな怒る事は...」

勇者「怒るに決まっているだろう!以前の君はどこの洞窟に入っても廃村を回っても君が絶対に
いたんだ!僕は君目当てに洞窟に入った時もあるぞ!君に会いたい時にだ!それがいきなり消えてしまって!!」

兵士「え、あー、す、すみませんとても心配をかけたみたいで...」


守護精「君は終始空気だね」パリパリ

淫魔「はぅ...」

兵士(つうかここまで心配しなくても...他人だし...まさかとは思うが)

守護精「ここまで言っても気づかんとはこいつ精子空っぽになってるんじゃないか?」

兵士「コノ野朗...」

勇者「...///」

兵士「あの~...自信過剰みたいな人間に見られたく無いので一応聞きますが...そう言う事ですか?」

勇者「そう言う事だ...///」

兵士(どう言う事だこれは...分からん、僕はいつどこで勇者様を堕とした...?)

兵士「え~っとぉ...」

勇者「好きなのだ、狂おしい程に」

兵士(あれえ??)

兵士「...」

勇者「...///」

兵士(参ったな、断る理由が見あたらない...)

兵士(しかしこのタイミングで行くかオイ...覚悟もくそもねえよ)

兵士「...返事は...もう少し待って貰えますか?」

勇者「...」コクッ

兵士「すいません...自分もちょっと...いや、かなり動揺してて...」

淫魔「あのぉ~...」

守護精「お、やっと名乗りでたか」

淫魔「兵ちゃん...この人達は誰...?」

戦士「兵ちゃん...ブフッ!!!」

勇者「...随分と馴れ馴れしいじゃないか?」

淫魔「そりゃまぁ3~4ヶ月近くも一緒に居たんだもん...ね?」

兵士「まぁそうっすね」

戦士「そいえば何でここに何ヶ月も?」

兵士「あぁ、前にこの城に来た時に測量気無くしまして...しかもこのダンジョン
無駄に長い所為で見つけるのに手間どってたんですよぉ、そうしたダンジョンで
迷子になっていた淫魔を発見し救助したってわけです」

勇者「そうじゃない!!何で何ヶ月もいたかって聞いてるの!!」

兵士「ヒイ!!住み良かったんですぅ!!」

勇者「仕事はぁ?!」

兵士「ここで最後の仕事でした」

勇者「じゃぁ終わったのなら出てきなさい!!」

兵士「すいません!!すいません!!」

戦士「キャラがブレる程怒ってるなぁ、くわばらくわばら...」

僧侶「はは...まぁなんともなくて良かったですね...」

守護精「しかし残念じゃのう、てっきり搾り取られている物かと思うてワクワクしたのじゃが」

兵士「それが貴方の心に潜む闇ですか」

淫魔「兵ちゃん出て行っちゃうの...?」

兵士「一応実家にも顔出さないといけないしなぁ、それに次の仕事も」

淫魔「そっか...寂しくなるね...」シュン

兵士「仕方が無いだろう...?お前もそろそろ自立をだなぁ...」ブツブツ

勇者「...君も一緒に...「つーかお前も早くガキんとこ戻ってやれよ」

勇者「ん?」

兵士「いつまで親子喧嘩してんだよ」

淫魔「だぁって~!あの子ったらごめんの一言も無いのよ~?」

兵士「お前が悪いんだろうが!夜中遅くに酔って帰ってくるからって心配してるってのに
何だあの態度は」

淫魔「だって...なんて謝って良いのか...」

兵士「だから子どもが謝るまで待つってか?」

兵士「情けねえなぁ、お前何百年生きてきたんだよ」

淫魔「だぁって子ども出来たの初めてだし...」

兵士「ったく...もう付き合いきれん、さっさとあの子んとこ行くぞ!!」

淫魔「えぇ~!?もうちょっと待ってよぉ~!」

兵士「うるさい!さっさと街戻って謝ってこい!!」

淫魔「ヒイイン!」

勇者「あの~...」

守護精「今度は勇者が空気になったな」

兵士「よおし分かった!!街まで出るぞ!」

淫魔「えぇ?!待って待ってまだ心の準備が!!」

兵士「勇者ァ!手伝って下さい!」

勇者「え?え?うん...」ガシッ

淫魔「ちょっと待ってェ~!」
__妖魔の住む古城 Lv40クリア_

__妖魔の住む古城 付近Lv?__
兵士「お~い、入るぞ」

子ども「あ!お兄!」

兵士「おーよしよし...さぁ入れ!」

淫魔「ヒイン!」

子「...母さん」

淫魔「ハ...ハロー...?」


勇者(ねぇ...二人は何で喧嘩を?)

兵士(子どもさんが酔って帰ってきたこの馬鹿に注意したら喧嘩へと...らしいです)


淫魔「えーっと...そのぉ...」モジモジ

子「...反省してる?」

淫魔「...はい...とっても...」

子「...いつ家へ帰ってくるの?」

淫魔「あ...今日までにも...」

兵士「...もう許してやってくれるか?」

子「うん...」

兵士「よし、いい子だ...じゃあ僕とはもうお別れだな」

子「え...行っちゃうの?」

兵士「あぁ、見ての通りお前の母ちゃんは...優しいがちょっと世間知らずなとこがあるんだ...だからお前はいっぱい勉強していっぱい遊んで、
その笑顔でお母さんを助けてやってな」

子「うん...」

兵士「まあ僕は暇だから、なんか母さんが変なことしたら手紙でもくれ、すっ飛んでくるからな」

子「うん...!絶対書く!」

兵士「じゃあな」
__妖魔の住む古城 付近Lv?__

_妖魔の住む古城 付近Lv?__
兵士「よっし...じゃあ僕も家に帰るか...」

勇者「まだ帰ってなかったんだ」

兵士「えぇ、ここでゴタゴタに巻き込まれなけりゃすぐにでも帰れたんですが」

僧侶「じゃあ私達ともお別れですか?」

兵士「そうなりますね」

勇者「え...(返事聞いてない...)」

戦士「で?返事どうすんの?」

魔法「逃げるなんて事は無いよねぇ?」

兵士「えっ...あぁ...」

勇者「...」モジモジ

兵士「えーっとぉ...」

勇者「...」

兵士(いきなりそういうの言われても困るんだよなぁ...)

兵士「う~ん...今度でいいですか?ちょっといきなりすぎて...」

魔法「今度って...次会えるの何時か分からないよ?」

兵士「しかしココで返事をッて言うのも...何か中途半端では?」

戦士「中途半端...」

兵士「だって...勇者様たちの仕事はまだ済んでいないですし...自分も職無しの身ですし...」

勇者「そ、そうだよね...いきなり過ぎたよね..」

兵士(しかしここで返事を先延ばしと言うのもアレかなぁ...何か情けないかなぁ...いやでもなァ)

魔法「はぁ~...勇者も遂に身を固めるチャンスが来たと思ったのになぁ...残念」

兵士「身を固めるってそんな大層な、勇者様もまだ未成年ですし...自分もまだ19ですよ?」

僧侶「れ、恋愛に年齢は関係ないと思います!」

兵士「でも僕らもまだ若いですしねぇ?将来に向けてやらなきゃいけない事が
山ほどあるし...」

戦士(十数年生きたくらいでなにを悟ったようなことをを...)

勇者「...」イライラ

勇者「わかった、もういい」

兵士「ん?」

勇者「...ここまで悩まれたら誰から見ても結果は
火を見るよりも明らかだよね」

兵士「え?どう言う...」

勇者「確かに僕らはまだ若いし、新しい恋を探す事も出来るよね?」

兵士「ファ?!何悟ったような事言ってるんすか?!」

戦士「おま言う」

兵士「まっ、待ってくださいって!いやいきなりですから?!それに世界の未来を背負って立っているお方にですよ?!ビビりません?!」

勇者「もういいよ、無理しなくても」

兵士「あっ!いや!告白して下さった事に関しては僕はとても嬉しいですし!
でもいきなりだったもので覚悟がまだ...!」

勇者「迷惑を掛けた、大変申し訳ない」

兵士「えっとその!」

勇者「みんな、先を急ごう」

戦士「え...?良いのかよ?」

僧侶「も、もう少し話し合われた方が...」

勇者「彼にはもうこれ以上迷惑を掛けられない、それに言う通り僕らには
まだ仕事が残っている、先を急ごう」

魔法「あんた...それで良いの?」

勇者「あぁ、魔王討伐の前に浮かれていたよ、やっと目が覚めた」

兵士「えぇ...えーっと」

戦士(こりゃぁ...面倒な事になったぜ)ワクワク

守護精(修羅場はええのう)

勇者「では行こうか、まだ城の攻略が済んでいない」ッザッザッザ

魔法「え...あぁ、うん...」チラッ

兵士「...」

僧侶「っま、またいつか...」

戦士「ま、まぁ...体に気を付けろや」
__妖魔の住む古城 付近 Lv? クリア__

__地理院用官舎 Lv.?__
兵士「なぁこれ僕が悪いのか?!ワシがいかんのか?!」

当直「う~む...俺からすりゃどっちもどっちだなぁ」

兵士「その心は」

当直「勇者様も返事を焦り過ぎた、その結果まともな思考が出来ず返事を
急かし結局自滅した、で、てめェは優柔不断でクソ男と」

兵士「僕悪く無くない?」

当直「その考えがもうあかんわ...そうだなぁ、そう言うなれば...乙女心は川の流れのように...」

兵士「川の流れってもなぁ...」

当直「じゃああのタイミングで告られなくて...ナイスなタイミングで告られたらどう返事してた?」

兵士「う~ん...わかんない...好きいやぁ好きだけど...なんか早い気がして...」

当直「やっぱりな、お前の勇者様への想いはまだまだ大きくなかった、むしろその
タイミングでおK出さなくて良かったな、おそらくおk出してたら早い段階で倦怠期迎えてズルズルと...」

兵士「じゃあ僕はどう返事すればよかったのかなぁ...」

当直「知らんがな、直接聞いて来いや」

兵士「えぇ?現時点でどこにいるかもわからないんだぞ?」

当直「じゃぁ逆玉はもう諦メロン」

兵士「...うーん...魔王城んとこで待ち伏せしようか」

当直「...え?!え?!キモ!マジで?」

兵士「え?(男なら)行かんのか?」

当直「いや待ち伏せはいかんでしょ」

兵士「いやでもさぁ...話し聞かないと...あれじゃないか?」

当直「うーん...まぁ...半月たってもモヤモヤが取れねえなら行ってみろよ」

兵士「よっし!行ってみるか!」

当直「まぁ死ぬなよ」
__地理院用官舎 Lv?クリア__

少し経って 二ヵ月後...
__魔王城 Lv55 正門__
勇者「遂にココまで来れたね」

魔法「うん...」

戦士「ここが正念場ってトコだぜ...っへ腕がなるぜ」

僧侶「ずいぶんと禍々しいところですね...」

勇者「...」

僧侶(あの時から...あまり元気ないですね...)ヒソヒソ

戦士(まあだ気にしているのか...魔王討伐に影響が出なけりゃ良いが...)ヒソヒソ

魔法(大体兵士も兵士よ...あの後から一向に姿見せる気配無いしさ...)


勇者「急ごう」ッザッザッザ

戦士「そんなに急いだって兵士が居るわけないぜ」

勇者「っば、バカにするな!!彼のことはもうとっくに諦めがついた!」

戦士「ほォ、それなら安心だ。まさか魔王と戦ってる最中にあいつの事考えてて
返り討ちに会うってなったら情けねえもんな?」

勇者「あっ、当たり前だ...!」

戦士「よ~し、なら入ろうぜ...」

鉄鋼魔人「あ、すいません入城の前にこちらで手続きをお願いします」

戦士「あっはい」

魔法「えらく簡単に入れるじゃない...?気を付けて罠かも」

鉄鋼魔人「ははは、これでも厳しい方なんですよ、前に妙な人間が居座っており...」

魔法「ふーん」

僧侶「その客人も城の中に捕らわれているのですか?!」

鉄鋼魔人「いえ、2、3日前に引き上げました、なんて言ってたかなぁ、『勇者とケリをつけたい』...だったかなぁ?」

魔法「え?剣士とか格闘家紛いの輩?」

鉄鋼魔人「いやぁそんな大層な人には見えなかったですよ...下級兵の服を着用してて...兵士の剣、あとペンと地図みたいなものを大量に所持してましたね」

戦士「...野郎はどこ行きやがった?」

鉄鋼魔人「さぁ...そこまで把握しておりません」

勇者「っな..何故...っ」ワナワナ

鉄鋼魔人「はい、手続きが終了致しました...では、ごゆるりと...開門!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....
戦士(引き戸なのか)

勇者「え...ちょ...っく、詳しく...」

魔法「それは後!!今は魔王を倒すのが先よ!!」ズルズル

勇者「え、え、ちょ」

魔法(あいつ...ドエライ爆弾落としやがって...)

戦士(野郎何てことを...)


魔王「ココまで良く来た!!!!勇者一行よ!!!」

勇者「えー...」

魔王「な、何を腑に落ちないって顔してるのだ...」

戦士「覚悟は出来てるかデカぶつ!両親の敵討ちに着てやったぜ!」

魔法「大切な師匠を...返して!!」

僧侶「孤児院の子供達への...弔い合戦です!!」

勇者「う~ん...」

魔王「ちょ、みんな真剣なんだから勢いに乗れって」

勇者「っこ、このモヤモヤで...どうしろと...」

戦士(う~ん聞かない方が良かったかもなァ...)

魔王「ど、どうしたやるなら早くしろ!!」

魔王「そっちがやる気ねえならもうしらん!!」プンプン!!

勇者「ちょ...心の整理が...」

魔王「もういい別の時代へ吹き飛ぶがよい!!!」
ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッッッ!!!!
魔法「!移動魔法?!」

僧侶「それも強力な...っ!!」

戦士「っす、吸い込まれる!!?」

勇者「あ、ちょ、待っ...」
シュウウウウウウウウウウウウン......
__魔王城 Lv55 クリア?__

__??????__
シュウウウウウウウウウウウウウウウ...

「「「「うわ(お)~!!!」」」」

ドデンッッッ!!!

魔法「いったぁ...ここどこよぉ~?」

僧侶「いつつつつ...どうやら魔王城からワープさせられたみたいですね...どこでしょうか...」

戦士「くっそ~...あとちょっと...って事も無いか」

勇者「みんな...本当に申し訳ない...グスッ」

魔法「まぁ...しゃーないっちゃーしゃーないわよ...」

戦士「まさかアイツが来てたとは思わんよなぁ...」

勇者「僕は...彼の事を諦めたつもりでいたのに...!」

戦士「え?どこら辺が?」

魔法「一応諦めた事になってたっぽいわね」

勇者「諦められない...!!でももう手遅れになってしまった...!!」

戦士「あ、案外近場かもしれないぜ?歩いて戻りゃなんとか」

僧侶「そうですよ!歩いて二、三日って事もありえますよ!!」

勇者「うっ...うぅっ...兵士に会いたい...!!」

魔法「はぁ...めんどくさ...また帰って話し会えばいいじゃない?僕らはまだ若い、そうでしょ?」

勇者「...」

戦士「もう自分に嘘つくなよ?嘘ついて後に響いたら面倒だからな」

勇者「うん...もう自分の心を偽らない...」

僧侶「そうですよ!魔王城であんな事出来るなんて根性ありますよ?!」

勇者「そ、そうだよね...」

僧侶「はい!愛があるから魔人相手に!!」

勇者「あ、愛ってそんなぁ...エヘヘヘ...」モジモジ

魔法(とりあえず戻ってよかったわね)

戦士(あのまま魔王と戦ってたらと思うと...ゾッとするぜ)

僧侶「ひとまず町か村を探しましょうか」

勇者「いや...どうやらその必要はなさそうだ」

戦士「え?」

勇者「ここは...見覚えがある、始まりの村...の近くだ」

魔法「始まりの村って...勇者の生まれ故郷じゃない」

戦士「何でそんなことがわかんだ?」

勇者「目の前に広がる山脈の形...眼下に広がる湖...間違いない」

魔法「とりあえず村に行ってみましょうよ?」

戦士「あぁ、だな」
__始まりの村? 付近 Lv?__

__始まりの村 Lv?__
勇者「久々に帰ってきたが...」

魔法「こ、こんな寂れてたの?」

僧侶「前に勇者様と訪れたことがありますが...ここまで寂れていませんでした...」

戦士「みーんな辛気臭い顔して歩いてんなぁ」

勇者「すみません、ご老人」

老人「はぁ...?あ、貴方は...!いや...そんな筈は無い...もう100年近くも経つのじゃ...」

勇者「え?」

老人「いえ...申し訳ありませぬ...あなたのお顔立ちが...ワシが幼き時分に見た、勇者様のお顔をそっくりだったもので...」

戦士「ひゃ、百年...?」

魔法「まさか...今私たちがいる場所って...」

僧侶「始まりの村ではありますが...かなりの年月が経った...」

勇者「ご老人、この村はいつからこのように?」

老人「はぁ...ワシが若き頃からもう...この村は見放された村ですじゃ...我が王国からも...世界からも...」

勇者「見放された?」

老人「勇者様が突如...姿を消してしまい...魔王が寸での所まで世界征服を...」

勇者「...」

老人「しかし、魔王国と世界の国々は...同盟を結び...何とか占領は免れたのです...しかしこの村は...勇者の
産みの村...頼みの勇者は何処かへ...弱き勇者を生みだした村として...世界から...」

勇者「...そうですか、ありがとうございました」

老人「ワシは村の奥で宿を営んでおります...どうか宿泊はそちらへ...」

勇者「はい」

僧侶「なぜ世界から...」

魔法「まぁ、私たちはいろんな国から援助も受けたし、もてなしを受けた...それは偏に
魔王を討伐してくれるっていう信頼があったからね...」

戦士「俺らもかなりの国の問題を解決し...助けてきたが...こればかりはしょうがねえやな...」

勇者「ひとまず宿へ行こう...僕はちょっと探索をしてみる」

魔法「あんたの生まれ故郷なんだから私たちも一緒に連れてきなさいよ」

戦士「待ちぼうけは暇だしな」

勇者「それもそうだな...では一緒に回ろうか」

僧侶「案内よろしくお願いします」

魔法「あの奥の家って勇者の?」

勇者「あぁ、今人は住んでいるのかな...」

戦士「見た所空き家っぽいぜ、入ってみるか?」

僧侶「大丈夫でしょうか...?」

勇者「うーん...」

「お、この村に観光とは珍しいねぇ?その装備からすると傭兵さんかな?」

勇者「あ、はいそうです」

「奥の家が気になるのかい?ありゃあかの有名な勇者様の生家だ、数年前までは管理されてたんだが
その人が亡くなっちまってなぁ、今じゃボロくなっちまった...」

勇者「その人管理していた人のご家族は...」

「へ?管理してた人の家族?えーっと...いや聞いたことねぇなぁ、確か独身だったなあの人は」

勇者「そうですか...」

「その人、亡くなる最後まで勇者様達は偉大な人だって言ってたなぁ、魔王なんかから逃げる人達じゃないって...」

勇者「へぇ...」

魔法(みんなから蔑まれてたのにカリスマ性はあったのねぇ私たち)ヒソヒソ

僧侶(ありがたいことです...)ヒソヒソ

「その人の知ってることといやぁ昔は王国の下級兵士やってたってくらいだな、兵士だから
勇者様達を崇めてたんだろうぜ」

勇者「そうですか...ありがとうございます」

「いいって事よ、久々の客に俺も嬉しくてね、ついつい話し込んじまった、じゃあ良い旅を」

戦士「死ぬ間際までか、俺たちゃまだ信頼されてたんだな」

勇者「この時代に来てしまった以上は...この時代の魔王を倒さないといけないな」

魔法「そうね、暇がなくて楽しめそうだわ」

僧侶「そろそろ宿の方は参りましょうか」

勇者「そうだね、僕も疲れたよ」
__
____

___
__
老人「誠にありがとうございます...お礼に宿泊費は割引させていただきちい...」

戦士「そ、そんなに客こねぇのか?」

老人「はぁ...最盛期はてんてこ舞いになる程、宿泊客が来て下さいましたが...
今じゃもう...なんでも街道の抜け道になる始まりの洞窟で魔物が...それもあって客が激減しました」

勇者「その魔物とは?」

老人「はぁ...過去に勇者様が打ち倒したミノタウロスがまた復活してしまいましてなぁ...」

魔法「ふーんやっぱ魔物は復活するのね」

勇者「ミノタウロス...」

老人「お陰で行商人もこちらまでは足を運ばず、村の店は全部品薄状態でございます...」

勇者「そうか...情報ありがとうございます」

老人「いえいえ...ごゆるりと...」

魔法「こりゃもう行くしかないわね」

戦士「いやぁでも俺ら傭兵に見られてっからなぁ、かなりの金払わねえと
動いてくれねぇって思われてると思うぜ」

勇者「まぁどう思われようと、今の村人達が困っているのは確かだ、
今の僕達にできる事は決まっているよ」

僧侶「ですね...!先ずは一歩から!」

戦士「だな、じゃあちゃっちゃとやっちまうか?」

勇者「もちろん」

老人「ん?どちらへ...」

勇者「ちょっと始まりの洞窟へ」

老人「き、危険ですぞ!魔物はどんな強者でも歯が立たなかったと聞きますじゃ...
旅人が命を粗末にするような事は...」

勇者「でもお困りでしょう?僕達もいずれ村を出なければなりませんし」

老人「...わかりました、お礼になるか分かりませんが...こちらを」

戦士「ん?こりゃあ」

魔法「これって世界地図よね...しかも世界地図なのに細かく」

老人「村の奥にある勇者様の生家を管理していたお方が、長い月日をかけ作成した物ですじゃ
その方とワシは仲が良く...その方が亡くなる前に「必ずこの地図を使うべき人が現れます、その方が来たら
渡してください」と...」

勇者「...」

勇者「あ...ありがとうございます、大切にします」

魔法「...」

老人「宿泊費は無料でよろしい...あなた方を見ていると、何故か老い先短いワシでも未来に希望が持てる、
そんな気がして来ました」

勇者「...」

老人「この村へはもう戻られないのでしょう、最後の宿泊客があなた方で本当に良かった...」

僧侶「宿はもう...?」

老人「隠居の生活ですじゃ、少し遅めですが憧れておりました」

戦士「じいさん、体に気をつけてな」

勇者「よし、みんな行こう」

__始まりの村 Lv? クリア__

道中
戦士「...あいつ、死ぬまで俺らのことをなぁ」

魔法「まさかここへ来て兵士に感謝する日が来るとは思わなかったわ」

僧侶「私たちが来ることを信じていたのでしょうか?」

戦士「わかんねぇけど...兵士は待ってたんじゃないのか?」

魔法「つーか、一番驚いたの勇者が泣かなかった事よね」

勇者「...へ?」

戦士「あぁ、地図って分かったときゃあ冷や汗もんだったぜ」

勇者「はは、正直すごい泣きたい」

僧侶「勇者様...」

勇者「泣きたいけど...今はまだその時じゃないかなぁって...」

戦士「成長したなぁ...」

魔法「いい事いい事」

僧侶「それに、元の時代に帰れる可能性もありますよ!そして兵士さんに会える可能性も...」

勇者「あぁ、必ず会ってやる、その時は絶対逃さない」

__始まりの洞窟 入り口 Lv20 __
ザシュッ!! 「キシャァァァアア...」
勇者「ふぅ...こんなものかな」

戦士「初っ端の洞窟にしちゃあ手応えある魔物だったな」

勇者「時代が変わったから魔物も移り変わっていったのかもね、前に戦ったミノタウロス
とは違うと覚悟した方が良さそうだね」

魔法「お、宝箱じゃん。ラッキー」

勇者(ん?宝箱まで増えたのか...?)

勇者「魔法、あまり迂闊に触らない方が

ミミック「グルゥァァァァアアアア!!!!」

魔法「うっそ!うっそ!!危な!!ミミック?!!!」

戦士「おらよっとぉ!!!」ズシャァッッツ!!

ミミック「キャ--!!!」バタンッ...

戦士「迂闊だぜ魔法、ビビるわ」

魔法「ありがとう戦士、いやぁビビったわぁ」

僧侶「あ、何か落としましたよ」

勇者「紙...なんだろう」

『始まりの洞窟 地図』

勇者「コレは...」

僧侶「地図...しかも細かいですね...」

魔法「まさかあんたが最初に兵士と会った時に描いてたやつ?」

勇者「おそらく...まさかこの時代に使うことになるとは...」

戦士「すげぇ宝箱の位置まで描いてらぁ」

勇者「これを頼りに進もう」
__
____

____
__
ミノタウロス『グルルルルルルルルル...我ノ許可モ無クト入ッテクルトハ、貴様ラ覚悟ハ出来テイルナ!!!』

戦士「ウッヒョうデケェなこいつ」

勇者「僕が最初に戦ったよりも強そうだ」

魔法「んじゃあちゃっちゃと片付けますか」

僧侶「行きましょう!」

ミノタウロス『グルルルル...ヴォオオオオ!!!!』ブオンッ!!!

戦士「うおっと、ほらよ!!」シュッ!
ザシュッ!!!
ミノタウロス『ヴアァッ!!!』ズドォン!

戦士「今だ!!」

勇者「はぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」ズシヤァッッ!!!!

ミノタウロス『グオオオオオオオッッッッ!!!!!』バタァァン!!!

勇者「魔法!」

魔法「はいよぉ!!」テレテレテレッ
ブオオオオオンッ!!!!
ミノタウロス『ヴァァァァァァッッッッツツツ!!!!!』

ミノタウロス『』

勇者「はい終わりっと...」

魔法「アイテムくらいドロップしなさいよね全く」

僧侶「でもこの洞窟の魔物達はみな逃げて行きました」

勇者「よし、このまま抜けて王国へ行ってみようか」

戦士「おうよ」
__始まりの洞窟 Lv20 クリア___

__王国へ通じる街道 Lv? __
勇者「しかしこの世界地図...どのくらいの年月をかけたのかな」

戦士「すげぇなぁ、この小さい点って、俺らが篭った山小屋じゃねえか?」

魔法「あたしたちに会ってない間にも色々描いてたんじゃないかしら」

僧侶「ここ淫魔さんがいた古城ですかね」

勇者「早く会いたいな、兵士に」

魔法「そうねぇ、このバカ真面目さ褒め称えてあげたいわ」

戦士「おっと、あのデケェ城は」

勇者「あぁ、アレが王国だ、戦士は初めて訪れるんだったな」

戦士「しかし妙だなあ、昼間なのに橋上がってるぜ?」

勇者「本当だ、以前は開いてたのに」

魔法「話聞いてみましょうか」

魔法「おーい!!上にいる門番のお兄さーん!!今日は城下町はお休みなのーー!?」

「旅人かぁ!!諸事情により今は城下町へは入れん!!他の街へ行かれよ!!」

戦士「入らないって!!なんかあったのかぁ!!」

「あぁ!魔王軍が疫病を流行らせやがったぁ!!お陰で我が国はほとぼりが冷めるまで鎖国中だ!!」

僧侶「疫病?!治療法はあるのですか?!!」

「ありゃ鎖国なんかしねぇ!!!お前らも早く離れろ!!身体中が熱くなって焼け死ぬぞ!!」

勇者「魔王は今どこへ!!」

「あぁ!!今は北にある大教会を寝ぐらにしてらぁ!!!」

勇者「情報ありがとう!!」

魔法「疫病まで流行らせるなんて...」

戦士「タチ悪い事しやがって...」

僧侶「北の大教会はそこまで遠くありません、急ぎ向かいましょう!」

勇者「だね」
__王国へ通じる街道 Lv? クリア __

__北の大教会 Lv60__
「魔王様!勇者一行がこちらへ向かっているとの情報が!」

魔王「ふんっ、ようやく来やがったか...今度腑抜けた態度してたらマジで知らん時代へ飛ばしてやるからな」

(最初からすれば手間はなかったのでは...)

魔王「俺ぁマジな目をしたやつが大好物なんだよ、今回はマジで殺しに来てくれんだろうな」

「変態ですね」

魔王「へ、変態言うな」

「勇者で何故か思い出したのですが、いつか我が城の前に居座っていた王国の下級兵は何してるんでしょうかねr

魔王「え?そんな奴いたの?初耳なんだけど」

「半月ぐらい居座ってましたよ、ホント迷惑でしたよ。近所の子たちには良い遊び相手になって
くれたらしいですが」

魔王「半月も?何それめっちゃおもしレェやつじゃん」

「いつかと言っても百年近くも前でしたな、もう死んでますな」

魔王「人間ヤベェなぁ」

魔王「そういう面白いことは早めに報告しろや」

「まぁ大丈夫かなって」

魔王「なにがやねん...」

「さて、勇者一行はどちらで迎え撃ちますか?」

魔王「もちろん我が魔王城で迎え撃つつもりよ」

「では出立の準備を...」

魔王「折角だからこの教会に将軍辺りでも置いとこうぜ」

「なにが折角なんですか」
__北の大教会 Lv60 クリア__

__北の大教会付近 Lv?__
戦士「ウラア!!!」

ズバシャッ!!
「キシャア!!!!」

勇者「フンッ」
ドシュッ
「キュ...」

魔法「さっすが~」

僧侶「...魔物の気配が消えましたね」

戦士「あのでけえ建物が大教会か?」

僧侶「はい、大主教様をはじめ、多くの神父様と見習いの方が住んでおりましたが...今はどうなされたのでしょうか...」

勇者「付近の村々を見てみたが...すべて空き家だった、恐らくもう大教会は敵の手に落ちているかもね」

僧侶「無事に逃げられていればよいのですが...」

勇者「では...教会に入ろう」

戦士「おうよ」

魔法「腕が鳴るわね...」

__北の大教会付近 Lv?クリア__

__北の大教会 Lv60__

ギイ... 

勇者「...」

魔法「あ...あんた...」

僧侶「...」

勇者「貴様は...なぜ...」

オーク将軍「ブッハッハッハッハ!!!!!久しい顔だ!!!!勇者ぁ!!!」

戦士「...あれが魔法の村を破壊したって奴か?」

魔法「そっか、戦士はコレ初めて見るんだっけ」

僧侶「勇者様に打倒されたオーク将軍がなぜ...」

オーク将軍「そこの魔法使いの小娘の村で楽しいことしてたらぶち殺されたんだよなぁ...あれも百年近くも前のことか」

勇者「...魔王か」

オーク将軍「あぁ、魔王様が俺に情けをかけてくれた!!俺はその期待に答えなくちゃなぁ!!そうだろ?!!」

勇者「知ったことか」

魔法「んじゃぁ...いきますか!!!」ブオオン!!!!

オーク将軍「あっぶね!!いきなし魔法は卑怯じゃ...

勇者「はぁあああああ!!!!」ブウンッ!!
ズシャアア!!
オーク将軍「ウグウ!!って、てめえらぁぁぁぁああああ!!!!!」

戦士「うおらぁぁぁぁ!!!!!」ブウウンッッッ!!!
ドシャア!!!

オーク将軍「うああああああ...!!!!」ドサアぁ...

勇者「何か言い残すことは?」

オーク将軍「って、てめえら...俺にも攻撃させ...ッグハッ

戦士「え、弱」

勇者「こいつと戦ったの...旅を始めて最初の頃だったしね...」

戦士「蘇ったんなら強くなるってのが相場じゃねえんだな」

魔法「ってか、魔王いないじゃない」

僧侶「まさか魔王城に...?」

戦士「まぁ他に行くあてはねえよなぁ」

魔法「うへぇかったるいわね」

戦士「ったく、手間掛けさせやがってあのボンクラ」

勇者「仕方がないね、ここに長居しても無駄だ、魔王城へ行こう」

__北の大教会 Lv60 クリア__

__魔王城 道中__
僧侶「勇者様、あの...」

勇者「ん?どうかした?」

僧侶「ずっと考えていたのですが...私たちが魔王を倒したら...元の時代へはどう戻るのでしょうか...」

魔法「そりゃあ...確かに」

戦士「戻れる可能性はあるってもなぁ、確証がねぇからちと不安だな...」

勇者「戻れなかった場合...か」

魔法「あたしはそりゃ戻れるなら戻りたいわよ、あっちの時代の方が欲しい物揃ってるし」

戦士「オレァ正直どちらでも...」

僧侶「私は皆さんと居られれば...」

勇者「...」

魔法(でも、この時代にあいつは居ないしね...)

戦士(あいつには会いたいしなぁ...)

僧侶(あの方の旅のお話しが聞きたいです...)

勇者「僕は...兵士に会いたいし諦めてはいない、だがもし戻れないとなっても...彼が存在し、僕たちを想ってくれていた
証拠があるから...すごく悲観的にはならないかも知れないなぁ」

魔法「ま、もしもの話だし?それにあいつの話もたっぷり聞きたいし」

戦士「いざとなったら魔王の首根っこ掴んで戻してもらおうぜ、倒すのは元の時代でも」

僧侶「そ、それは流石に...」

勇者「ははっ...そうしたいところだけど、今の魔王を倒さないと」

戦士「ちぇっ」

魔法(タイムワープする魔法かぁ...結構気になるわね...)

勇者「ん、そろそろ日も暮れてきたな...宿に泊まるか」

戦士「そいやぁここらって...あいつがいたところだぜ、淫魔とその息子が」

魔法「あ、ホントだ、あいつが淫魔引っ張ってきた道ね」

戦士「そこで一泊しようぜ!」

勇者「こら、勝手に決めちゃいけないよ」

僧侶「でも久しぶりに会ってみたいですね」

魔法「息子さん苦労してるでしょうねぇ」

戦士「お、見えてきた見えてきた」

魔法「ん?あの家の横で薪割りしてる人って」


子「よいしょっと!」ガコンッ


僧侶「ひゃ、百年近くも経ってるのにまだ若いですね...?」

魔法「魔物の子供だしねぇ」

子「ふぅ...ん?」

勇者「久しぶりだね、覚えているかな...?」

子「あ!勇者さん?!お兄さんと一緒にいた人ですよね!?」

魔法「あたしたちは覚えてる?」

子「覚えてます覚えてます!!でもなんで...」

戦士「それ話すとちょっと長くなる」

子「そうなんですか...あ、母も皆さんに会いたがってましたよ!どうぞ上がってください」

ガチャ

淫魔「あら?薪割りもう終わったの?」

子「母さん、いつかの勇者さんたちが」

勇者「久しぶりです」

淫魔「ああ~!兵ちゃんと一緒にいた!にしては...若々しいわねぇ...」

勇者「えぇ、まぁ諸事情があって」

淫魔「ふうん...まぁいろいろあったのね...これからどこへ?」

勇者「えぇ、魔王城へ」

子「ま、魔王城ですか?」

淫魔「魔王城へね~...今の魔王は、前の時代よりも強くなってるわよ?」

勇者「え...」

淫魔「魔王は別の時代から時代へと人や物を移動させる魔法を操れるの、魔物たちの間じゃ常識よ?」

勇者「はは...やっぱりですか」

淫魔「魔王を倒して、どうやって元の時代に?」

戦士「そこまでは...」

淫魔「うーん、元の時代に戻るには、魔王と同じ魔法を使えばいいのだけれど...相当な魔力が必要なのよね...大魔法使いでも一回唱えられるか」

魔法「魔王も何回も唱えられる訳じゃないの?」

淫魔「おそらく...ね」

勇者「...」

戦士「ぶっ殺しちまったら元の時代に帰れねえってことか...」

魔法「あたしの持ってる魔力じゃ...使うことさえ不可能ってこと...?」

淫魔「残念だけど...」

子「うーん...噂が本当なら...」

淫魔「アレ?人の体には不相応じゃない?」

子「でも魔法使いさんなら...」

淫魔「でも危険よ」

魔法「え?え?何?」

子「この家から南東に...結構かかりますけど祠があるんです、その祠は...うわさなんですけど中の石碑に書いてある
に書いてある魔術書の写しを覚えると時代を遡れる魔法が...」

魔法「マジで?」

淫魔「う~ん、その魔術覚えたいなら...修行が必要になるわよ?」

子「その祠の中に魔術師がいらっしゃいます、その方に相談してみたらどうでしょうか?」

勇者「魔術師...光が見えてきたね」

戦士「んじゃぁ...その祠とやらに行ってみますかい!」

淫魔「今日はもう遅いわ、休んで行ってもバチはあたらないわよ」

戦士「まじ?」

勇者「ではお言葉に甘えよう」
_
__

__
_
パチッ... パチッ...

勇者「...」

淫魔「そんなに炎見つめてると煙目に入って痛くなるわよ、寝ないの?」

勇者「あ...」

淫魔「...兵ちゃんのこと?」

勇者「はい...それもあります...」

淫魔「兵ちゃんに告白したのよね?」

勇者「な、なぜ...」

淫魔「兵ちゃんね、あなた達を探している間にも私たちの家に寄ってくれてね?いろんな冒険の話聞いたものだわ...
あなたは告白したけど...兵ちゃん返事先延ばしにしたのよね?」

勇者「えぇ...」

淫魔「兵ちゃん、ずっと後悔してたわ...」

勇者「後悔...」

淫魔「あ、返事は元の時代に戻ってから聞いてね?私が言うのは野暮ってもんだわ」

勇者「...はい」

淫魔「あっち帰っても私たちのとこによってね?」

勇者「はい、必ず...」

_
__

__
_
子「この街道を道なりに行けば祠があります」

勇者「案内してくれてありがとう、君のお母さんにもお礼を伝えてくれないか?」

子「えぇ、お安い御用です、ではご武運を」

戦士「あんがとよ!」


魔法「さぁて、その祠とやらに言って見ますか」

勇者「前の時代では噂にも聞かなかったが、やはり世界は広いんだね」

僧侶「タイムワープ自体あまり聞かない魔法ですし、なかなかレアな魔法なんですね」

戦士「まぁさっさと行ってみようぜ」

勇者「あぁ」

__ 魔王城 道中 クリア __

__時空の祠 Lv? __
『100年前』

兵士「しっかし勇者さん達、てんで見かけなくなりましたよ」


時空の魔術師「あー勇者一行、魔王城行ったらしいな…まさかとは思うが」

兵士「…勇者さん達がやられる訳ねぇっすよ」

時空の魔術師「いや違う違う…」

時空の魔術師「魔王のやつ、勇者一行を別の時代に飛ばした可能性があんだよ」

兵士「別の時代?」

時空の魔術師「あぁ、魔王は時代を超えて転生させる魔法を持ってんだ、俺と同じにな」

兵士「そりゃぁ…厄介ですね」

時空の魔術師「すこぶる厄介だぜ、別の時代で俺の存在を知れりゃぁいいが…」

兵士「長生きできるっていいっすね」

時空の魔術師「いやぁそうでもねぇぞ?」

ヴゥン...

兵士「なんか球光ってますよ」

時空の魔術師「…別の時代で動きがあった、ちょいと待っててくれ、百年後の俺目当てに来客だ」

兵士「じゃあ地図描いてるんで戻ったら確認お願いしますね」

時空の魔術師「あーはいはい」キュイイイン...ヴァァン!

__ 時空の祠 Lv? __
『百年後』

勇者「誰もいない…」

戦士「ッチ...やっぱ噂だったのかなぁ」

魔法「まって、何か来る…」

僧侶「この凄まじい魔力…」

戦士「え?え?」

キュイイイイン ヴァァン!

時空の魔術師「あーやっぱ飛ばされてたんだ?魔王のやつに」

勇者「なら話は早くすみそうです」

時空の魔術師「誰がやるかしらねぇが、俺の修行に耐えれるかはそいつの覚悟次第だ」

魔法「覚悟はとっくに出来てるわ、ご伝授お願いします」

時空の魔術師「うっし、んじゃあちゃっちゃとやりますか、百年前のここに客がいるんでね」

勇者「客?」

時空の魔術師「あぁ、地図描きがな、早く帰って出来を見なけりゃならねぇ」

勇者「ち、地図描きとは…兵隊の格好をした…」

時空の魔術師「お、そうそう、知り合い?」

戦士「あ、あいつ…」プルプル

僧侶「ちょっと…なんか笑いが…」プルプル

魔法「地図描いてるのは分かってるけど…笑いが…」プルプル

時空の魔術師「知り合いなら良かった、なんか伝言あるか?修行後に俺帰るから伝えてやるよ」

勇者「で、では…」

時空の魔術師「ん?」

勇者「僕が帰ったら…あの時の返事を…」

時空の魔術師「おk、伝えてやるよ、ただ修行を受けるのは…勇者、お前だ」

魔法「え?あたしじゃないの?」

時空の魔術師「お前にゃ別の魔法を伝授する、魔王を一発で葬れる魔法だが…なにぶん時空転生の魔法と同時に覚えたらキャパオーバーするんでな」

魔法「すっごい魔法なの?」

時空の魔術師「どえらくすっごい魔法だ、一回使ったら向こう半年は魔法が使えなくなる」

魔法「ゴクッ...」

時空の魔術師「嫌とは言わせねぇからな、俺もさっさと魔王を倒して欲しいんでね」

勇者「わかった、やろう」

魔法「えぇ、トリを飾るのはあたしだし文句は無いわ」

時空の魔術師「んじゃ、決まりだな」
_
__

__
_
勇者(それから三ヶ月間の間、僕たちは修行のため様々な地へ赴いた)

勇者(僕たちが初めて上陸する西の大陸、そこでは僕たちの大陸では見たことのない魔物、人の暮らしを見た)

勇者(驚いたことに、兵士は西の大陸にも足を運んだ形跡があった、兵士の行動力は
人のソレを遥かに超えている)

勇者(一体何のためにココまで出来るのか…)

時空の魔術師「うっし…そろそろ修行も大詰めだ、勇者、魔法、よく耐えたな」

勇者「あぁ」

時空の「ついでによく付いてきたな僧侶と戦士」

戦士「俺らついでかよ!」

僧侶「まぁまぁ…私たちも剣技と回復魔法を伝授出来ましたし…」

時空の魔術師「今の勇者になら…どこへ、そしてどこの時間へ飛ばすことくらいは出来っだろ?やってみそ」

勇者「...ッフー...」

魔法「...」ゴクッ

戦士「...」

僧侶「...」

勇者「今の時代の魔王城へ...」

時空の魔術師(へえ...元の時代にゃ帰らねえのか)

勇者「ッハア!!!」

キュイイイイン...
_
__

__
_
魔王「...ん?」

「なにやら来る気配が...」

魔王「さあてと...」

キュイイイイン...

勇者「ッハア...」

魔法「おぉ...」

戦士「すげえ...」

僧侶「本当にとんだ...」

魔王「久しいな勇者よ...ったく時代を超えて来やがってこのトンマ...」

勇者「じゃあ...始めようか」

時空の魔術師(じゃあ俺ぁ帰るか...) キュイイイイン...

「まぁ待て...時空の魔術師さん...」

時空の魔術師「おおっと...」

「貴様...見逃すと思ったか」

時空の魔術師「あーやっぱ?」

「貴様は俺が相手だ」

時空の魔術師「教えるのは得意だが戦うのはなぁ...」


勇者「魔法、詠唱始めて」

魔法「オーケー...」

勇者「戦士は僕と一緒に魔法使いの援護を」

戦士「りょーかいっと!」チャキッ...

勇者「僧侶は補助魔法を絶やさないで、ありったけの補助魔法を」

僧侶「はい!」

魔王「来い!」

勇者「ウオオオオ!!!」

戦士「ウラアアアア!!!!」

魔王「ウ''ウン!!!!」ブウンッ!!

戦士「アア!!」ガギイッ

魔王「防ぐか貴様!面白い!」

戦士「こいオラ!!」

魔王「ハア!!」キュイイイン!!ボオンッ!!

戦士「?!」

勇者「ッ」

パシンッ!

魔王「その盾は...っふ...我を殺す準備は万端...か」

魔王「いいだろう、我も貴様らに本気で挑もう...」グチャ...メキメキ...


時空の魔術師「うお、気持ちわりい...第二形態すっ飛ばして最終形態かよ...」

時空の魔術師(魔王の最期の形態...そりゃあ魔王自身の身を破壊することでもある...もう
そんな姿になるほどヤワじゃねえだろ...)

魔王「グルル...」

勇者(魔法...急いでくれ...)

魔法「ブツブツ...」

魔王「グルルルル...グオオオオッッ!!!!」

魔法「ハアあああ!!!!!!」キイイイイイイイイイインッッッ

勇者「来た!」

魔王「?!」

魔法「あああああああ!!!!」

僧侶「ま、魔法さん!!」

戦士「大丈夫だ、あいつなら」

魔法「あ’’あ’’あ’’あ’’あ’’あ’’あ’’あ’’!!!!!」キイイイインッッ...シュンッ!!

魔王「グウウウウ!!!!!!」メキメキメキ...

魔法「はぁ!!!!」

魔王「グオオオオオオオオオオオオオオオ...
_
__

__
_
魔王「ハア...ハア...」

勇者「...」

魔王「我の最終形態が...まさか破られるたぁ思わなかったぜ...本気出すの早すぎたなぁ...」

時空の魔術師(百年ぶりの勇者との戦闘で焦ったか...奴らしくもない)


魔王「我がこの世界を支配しに来た理由はな...ガチでやり合える奴に会いたかったんだ...」

勇者「そんな勝手な...」

魔王「男なんてのはいつも勝手なのさ...さぁ、最期の戦闘だ、勇者...剣を構えろ...」

勇者「ッチ...」

魔王「...ハア!!」

勇者「ッフ...」
_
__

__
_
兵士「村帰るのも久々だなぁ」

兵士(結局...どこ行っても勇者さんには会えなかった)

兵士(あのときの返事はどうするか...ずっと悩んでいたが答えは決まった...しかし肝心の相手は
どこにもいない)

兵士「情けねえの、僕って...」
リンゴーン... リンゴーン...
兵士「教会...」

ギイ...

兵士「おじゃましまーす...」

兵士(入ったって用事ねえのにな...)

「こら、勝手にならしちゃ...」

「いいだろ~?シスターに留守預かってんだから」

「そういう問題じゃないでしょ」

「いたずらは天罰が下りますよ」


兵士「...ッ」

「...今度はこちらが驚かせる番かと思ってね」

兵士「い、いつ...」

「うーん、二日前かな?」

兵士「い、今までどこに...」

「ちょっと...遠くまで」

兵士「...」

勇者「ただいま、兵士」

兵士「お、おかえ...り...」ボロボロ...

戦士「あー泣かせちまった」

魔法「まぁ勇者もあっちで泣いたしいいんじゃない?」

僧侶「感動の再会です~...」ホロリ...


兵士「ずっと...世界回ってて...地図描いてた...」

勇者「うん...知ってるよ」

兵士「あんたに...会えるんじゃないかって...あん時の返事しねえとって...」

勇者「うん...」

兵士「変だよな...大して一緒に冒険もしてねし...ずっといた訳じゃねえってのに...勇者
はなぜか僕に惚れてくれた...」

勇者「うん...大好きだ、とても」

兵士「何回も挫けそうになった...勇者を探している時...一介の絵描き風情になんで惚れたんだって...
愛想つかされてるのに何でさがすんだって」

勇者「...」

兵士「でも僕は探した...死ぬ思いで...返事だけのために、たったそれだけの為に」

勇者「...ごめ
ギュッ
兵士「不甲斐ない男だし...優柔不断でイラつかせるけど...僕なんかでよけりゃ...幾らでもあんたに
この身を捧げられる...危険な事があっても...何があっても」
勇者「...は、はい...」
兵士「なんで僕に惚れたのかは聞かないし、興味もない...ただ勇者が...僕のことを想ってくれ続けて
たのなら、僕はその想いに応えます」
勇者「...ッフ...ングッ...グスッ...」
兵士「もう勇者を置いて遠くには行かないし、勇者も僕を置いて遠くに行かないでくれ」
勇者「はい...はい...」


戦士「長げえよ」

魔法「いつまで見せ付けてんのよ」

僧侶「ふ、二人とも...」

兵士「み、みんな...」

魔法「このバカ、振り回されたこちらのことも忘れないでほしいわ」

戦士「ほんとほんと」

兵士「っす、すいません...」

魔法「...ップ...アハハハハハ!!」

戦士「ッククック...」

兵士「え?え?」

魔法「冗談よ冗談、案外楽しかったし」

僧侶「なんだか...安心しちゃいました」

戦士「あーあ...長かったぜ」

魔法「んじゃあ、兵士がまたどっか消えないうちに挙式あげて、既成事実作んないとね」

兵士「え、いやもう消えるってことは...」

勇者「だな、もう探すのはお互いこりごりだろう?」

兵士「そ、そりゃこりごりだけど...」

僧侶「では善は急げ!さっさとやりましょう!」

戦士「牧師なんかいらねえから僧侶やっちまえ!」

僧侶「はい!」

兵士「え、ちょ、まだ身支度が」

勇者「そんなもの後でたくさんできる!」

兵士「...だな!」
_
__

__
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『挙式 数時間後』
兵士「で...西の大陸にある宝石洞窟で地図描いてたら地元の警察にしょっぴかれちゃって」

勇者「あぁ、あの洞窟か...でも地図は完成させたんだね」

兵士「ぎりぎりだったよホント...」

勇者「...」

兵士「...ずっと未来で僕の地図使ってくれてたんだね」

勇者「うん...ずっと君がいた」

兵士「勇者と一緒にいられなかった僕...考えただけでも絶望感が果てしないなぁ」

勇者「うん...」

兵士「...」

勇者「...」

兵士「では...本題に入ります、ここは僕の自宅です」

勇者「は、はい...」ドキドキ

兵士「魔法使いさんたちは宿へおり...僕の親は村の集会所で酒盛りしています」

勇者「はい...」

兵士「...」ギュッ
勇者「ン...///」
_
__

__
_
そして
勇者「股いった~...」

兵士「まさか歯茎に歯当たっちゃうとは...」

勇者「兵士へっぴり腰だったし...」

兵士「勇者だって背中に爪立てて痛かったよ...」

勇者「...最中は...あまり恥ずかしさは感じなかったけど...終わったらすごいねこれ...///」

兵士「...すんごい可愛かった」

勇者「や、やめてって...///」

兵士「...」ッチュ

勇者「ン...///」

兵士「...んじゃぁ長旅帰りなので僕は寝ます」ポフッ

勇者「え?あ...フフッ」

兵士「Zzz...」

勇者「おやすみ...Zzz」

数時間後
チュン チュンチュン
兵士「...」
トントントン...
勇者「♪~」トントン
兵士「...」

勇者「...ど、どうしたの?」

兵士「いや、いいなあって」

勇者「ええ?まったく...もうすぐ出来るから」

兵士「...」
ガチャッ 
魔法「うーっす!!」

戦士「昨晩はエンジョイでしたかオラぁ!!!」

僧侶「ちょ、二人とも~」

兵士「うおっ!」

勇者「ど、どうした?」

魔法「あたしたち、一旦帰るわ」

戦士「こちらでやり残したこともあるしな、それ片付けねえと」

僧侶「わたしも神父様に会って挨拶周りを...」

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