ガヴリールドロップストーリーPLUS (43)

ちょっと不思議な別世界線のガヴリールドロップアウトのSSシリーズ第三弾、『ガヴリールドロップストーリーPLUS』

敢えてタイトルが3じゃないのは続編が増える度に数字が増えていく系SSタイトルは個人的にごちゃごちゃして見づらいなと思ったらからです。(*めちゃくちゃ個人の意見です。)後は自分の好みの問題です。わかりずらいと思った人すみません


前作

ガヴリールドロップストーリー

ガヴリールドロップストーリーVol.2



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504899559

Gabrill Drop Story 3

Chapter.1


ガヴリール「そんなわけで今日はハロウィンです!!」

ガヴリール「楽しい仮装やおいしいお菓子で仲間たちと盛り上がれるとても素晴らしい一日のはじまりです!!」わー

サターニャ「……いや、ハロウィンだかなんだか知らないけど、勝手に部屋に上がらないで欲しいのだけれど」

サターニャ「それに私 今暇で忙しいからあんた達の相手をする時間がないの」

サターニャ「だから諦めてはやく帰りなさい」

ガヴリール「えー、いいじゃないですか」ぷくー

ガヴリール「だってサターニャさん、暇なんですよね」

サターニャ「はぁ、暇な時くらいアンタの顔を見たくないって言ってんのよ」

ガヴリール「酷いですっ!」ガビーン

ガヴリール「なんでそんな寂しい事を言うんですか?悲しいです」

サターニャ「なんでって、学校の日も休日も『サターニャさん、サターニャさん』ってくっ付いて来て……もう耐えられないの」

サターニャ「アンタとラフィエルが間を縫うように四六時中 私につきまとって来るおかげで、
おはようからおやすみまで天使がいる地獄のような生活を私はほぼ毎日送っているのよ!?」

サターニャ「こんな生活はもう嫌なの……」嘆き

ヴィーネ「なにそれ、むしろ天国じゃない」

サターニャ「百合っ子悪魔は黙ってなさい!!」ビシッ

ヴィーネ「は、はぁ!?ちょっ、ゆ、百合っ子悪魔って……誰が……そんな…」あたふた

ガヴリール「ラフィエル、百合っ子悪魔とはどういう意味でしょうか?」

ラフィエル「うーん、私にもよくわかりませんねー」ニコニコ

ラフィエル「でも、きっとヴィーネさんは百合の花を愛でるのが大好きなんだと思いますよー」

ガヴリール「そういう事でしたか、ヴィーネにはお花を愛でる姿がよく似合うと私も思っていたんですよ」

ラフィエル「ですねー」

ガヴリール「そう思うとなんだか良いですね。今度から私もヴィーネの事を百合っ子悪魔と呼んでみることにしましょうか」

ヴィーネ「ガヴ、それだけはやめて!!私の心が死んじゃう……」懇願

ガヴリール「?わかりました。ヴィーネがそこまで言うのならやめておきます」

ヴィーネ「うん、ありがとう…本当に」

ガヴリール&ヴィーネ ガヤガヤ

サターニャ「と・に・か・く、私はハロウィンなんかに参加しないんだから」

ラフィエル「うーん、今日のサターニャさんはいつもより少し意固地さんですね」

ラフィエル「理由を聞いてもいいですか?」

サターニャ「ふん、理由はさっきも言ったでしょ」

サターニャ「四六時中アンタ達に付きまとわれるのに疲れたのよ」

ラフィエル「それでもこの頑なさには他にも理由があるんじゃないかと私は思ったのですが」

ラフィエル「違いましたか?」

サターニャ「…………………」

サターニャ「はぁ、アンタには敵わないわね……」

ラフィエル「伊達にいつもサターニャさんをストーキングもとい、見ている訳じゃないですから」

サターニャ「ガヴリール達には絶対に言うんじゃないわよ?約束できる?」

ラフィエル「わかりました」

サターニャ「一回しか言わないからよく聞くのよ」

ラフィエル「はい」

サターニャ「いや ほら だってね?最近の私ってガヴリールの誘いを最初は断るものの、なんだかんで最後はあいつに付き合ってる訳じゃない」

ラフィエル「ですねー」

サターニャ「なんだかそれって…」

ラフィエル「?」

サターニャ「実は私とガヴリールがめちゃくちゃ仲良しみたいな感じで すっごく嫌なのよっ!」真面目な顔

ラフィエル「………………」

ラフィエル「ふふ、うふふふ あははは」お腹を抱えて笑う

サターニャ「はぁ、え、ちょっとアンタ なに笑ってんのよ!?」

サターニャ「こっちは真剣だって言うのに……」

ラフィエル「だって……サターニャさん…ふふ…あははは」

ラフィエル(だってサターニャさんめちゃくちゃガヴちゃんと仲良しさんじゃないですか)

サターニャ「えー、なによこれ……」

ラフィエル「すみません、サターニャさんが面白かったものなので つい……」

サターニャ「面白くて悪かったわね…」ぷい

ラフィエル「いえいえ、面白いことは全く悪くありませんよ、むしろ正義です」

サターニャ「そこまで言う?」

ラフィエル「はい、要するにサターニャさんは私の正義ですよ」

サターニャ「なんかそれはちょっと嫌ね」

ラフィエル「つれませんねー」

サターニャ「そりゃ、アンタにつられてロクな目を見ることがないからね」

ラフィエル「ですかー」

ラフィエル「それはそうとサターニャさん、先ほど笑わせて貰えたお礼と言ってはなんですが」

ラフィエル「実はサターニャさんに良い提案があるんですよー」

サターニャ「提案?」

ラフィエル「はい」手合せ



一時間くらい後


移動中


ガヴリール「それにしてもサターニャさんがハロウィンに乗り気になってくれて良かったですね。ヴィーネ」

ヴィーネ「そうね、ラフィと話してから突然 乗り気になってきたのはちょっと気になるけど…」チラッ

サターニャ「そ、それはそうとガヴリール、アンタの その衣装はなんの仮装なのよ?」強引な話の切り替え

ガヴリール「化け猫さんですよ。ヴィーネが私の為に作ってくれたんです」

サターニャ「へぇー」

ガヴリール「ヴィーネはすごいんですよ。お料理や裁縫はもちろん得意ですし、他にも家事一般はお茶の子さいさいで、私の自慢の友達です」

サターニャ「あー、そう言う惚気話は聞いてないし興味ないから」死んだ魚の目

ガヴリール「酷いですっ!?」

ガヴリール「そういえばサターニャさん、急な誘いだったのに すぐに衣装を用意できてましたよね どうしてですか?」

サターニャ「簡単な話よ、それは前に魔界通販で注文していた仮装が何着かあったのよ」

ヴィーネ「いや なんでテレビの通販で何着も仮装を注文してるのよ」

ラフィエル「サターニャさん、魔界通販で紹介される商品は何でも注文する悪い癖があるので…」げんなり

ヴィーネ「それでいつも部屋中ダンボールで散らかっているのね」

ラフィエル「はい…片付ける身にもなって欲しいものです」

ヴィーネ「ラフィ、そんな事もしてるの?流石にそれはサターニャを甘やかし過ぎじゃない?」

ラフィエル「私もそうは思っているのですが、放置しているといずれサターニャさんがダンボールに埋れて死んでしまわないかと心配なので つい」

ヴィーネ「ラフィも大変ね」

ヴィーネ「もし私だったら絶対にそんな事で甘やかしたりしないわね」ビシッ

ラフィエル「さすがヴィーネさんです。私も見習わなければ」

ヴィーネ「まぁ そんな風に相手の世話ばかり焼いてたら、相手の為にも自分の為にもならないし、当たり前の事よね」ドヤ顔

ラフィエル「参考になります。私も今度から少しだけサターニャさんに厳しくしていきましょうか」

サターニャ「げぇー、ちょっとヴィネット、ラフィエルに余計な事言わないでよ」

ヴィーネ「サターニャ、アンタはちょっと怠け過ぎよ、偶にはラフィを労いなさい」

サターニャ「はい はい」

ヴィーネ「『はい』は一回でしょ」

サターニャ「はーい」

ヴィーネ「伸ばさない」

ガヴリール「…………………」

ガヴリール(いいなぁ、私もサターニャさんみたいにラフィやヴィーネに少し甘やかされたい気持ちがほんの少しだけあります)

サターニャ「さあ、着いたわよ」

ヴィーネ「ここ?」

サターニャ「そう!」

ガヴリール「誰の家でしょうか?」

サターニャ「まぁすぐにわかるわよ」ピンポーン



一時間くらい前の回想


サターニャ「提案?」

ラフィエル「はい」

ラフィエル「まず今回 サターニャさんはガヴちゃんの誘いに乗る事が嫌でハロウィンを拒否しているんですよね」

サターニャ「まぁそうね」

ラフィエル「そしてサターニャさんはハロウィン自体が嫌で拒否している訳ではないと」

サターニャ「うん」

ラフィエル「でしたら、こう言うのは如何でしょうか」

ラフィエル「サターニャさんはガヴちゃんの誘いに乗るフリをして、その裏でガヴちゃんに何かちょっとしたイタズラを仕掛けてみるんですよ」

ラフィエル「それならサターニャさんはあくまでもフリで誘いに乗ったという事で面目は保てますし、私たちもサターニャさんがハロウィンに参加してくれて万々歳です」

サターニャ「ラフィエル、アンタ頭いいわね」

サターニャ「その案 乗ったわ!」

サターニャ「ふふふ、ガヴリール今日はアンタをぎゃふんと言わせてやるわよ」

ラフィエル「どんなイタズラをするかはお任せしますが程々にお願いしますよー」

ラフィエル(こんな回りくどい事をしないとみんなと遊べないなんて
サターニャさんは本当に面倒な人ですよねー)

ラフィエル(まぁそこがサターニャさんの魅力で可愛い所なんですが)


回想終了

サターニャ「まぁすぐにわかるわよ」ピンポーン

扉 ガラ…

グラサン「」デデーン

一同「………………」

サターニャ(ククク…これぞ私の作戦っ!!)

サターニャ(あえてお菓子が無さそうな家に行き、イタズラをする…)

サターニャ(そうしたらきっと先生に怒られてこのハロウィンの空気もぶち壊し間違いなしっ!!)

サターニャ(私ってば天才ね)

サターニャ(さあ、ガヴリール あんたはこの状況でどう立ち回るのかしら、これは見ものね)

ガヴリール「先生 トリックオアトリート!!」

サターニャ(いきなりグラサン相手に躊躇いもなく!?)

ヴィーネ「先生…、これはその、手違いというか何というか」わた わた

ガヴリール「ヴィーネ落ち着いて下さい、今日はハロウィンなので大丈夫ですよ」

サターニャ(そうだ、そういえばこいつアホだった!本気でハロウィンだから大丈夫だとか思っているんだわ)

サターニャ(でもグラサンの家にお菓子は無いはず、ここは私が仕掛けてアンタ達のテンションをだだ下がりにしてあげるんだから)

サターニャ「さぁ先生!お菓子はある!?なければ悪戯されても文句は言えないわよっ!」

サターニャ(そして悪戯をする私達に散々怒鳴り散らしなさい)

グラサン「………」

グラサン「」クルッ Uターン

ラフィエル「あら?」

サターニャ「あ、ちょっと卑怯よ!ないなら大人しく悪戯されなさい」

サターニャ(じゃないと私の作戦が……)

グラサン「」戻ってくる

グラサン「……」ス……お菓子の入った紙袋を渡す

サターニャ「まさか用意してたの!?」

ヴィーネ「しかも本格的!」

ガヴリール「良かったですね」

サターニャ「ぐ…こんなもんじゃ私は満足しないわよ」ふん

ヴィーネ「なんでよ!?」

サターニャ「もっとこう私が喜ぶようなものを……

グラサン「………」ス… 品を差し出す

サターニャ「わぁそれは数量限定の特製メロンパン」可愛い声

ガヴリール「すごいですね、先生」

サターニャ「わぁ、ありがとう」受け取る

サターニャ(あれ?なんか思ってたのと違うような……)

ガヴリール「サターニャさんはこうなる事を見越して、私達を盛り上げようとまず先生の家に訪ねたんですね。さすがです」

サターニャ「いや、違っ……」

ヴィーネ「もう、最初はどうなる事かと思ったけど…まさかサターニャにそんな糸があっただなんて、やるじゃない」

サターニャ「えっと……」

ガヴリール「やっぱりサターニャさんも本当はみんなとハロウィンを楽しみたかったんですよね。私 嬉しいです」

ガヴリール「今日は楽しく遊びましょう」綺麗な眼差し

サターニャ「ぐぎゃあ~、なんか思ってたのと違うぅ~!!!」頭を抱えて絶叫

ラフィエル(なんだかんだで結局 最後はいつも空回ちゃうサターニャさん最高です。)

グラサン(…………………和む)


Chapter.END


Chapter.2


教室


ガヴリール「サターニャさん、私とコンビを組んでお笑いの天下を目指しませんか?」

サターニャ「いや なにがどうして、そうなったのよ!?」困惑

ガヴリール「ふふ、いきなりツッコミとは、サターニャさんもやりますね」うん うん

サターニャ「別にアンタの話に乗り気だからツッコミを入れた訳じゃなくて、これは本気で意味が解らない時のマジツッコミよ!」

サターニャ「勘違いしないで頂戴」

ガヴリール「えー、そうだったんですか」しょんぼり

サターニャ「そうに決まってるでしょ」

サターニャ「アンタは本当にいつも予想斜め上のアホさで私を驚かしてくるわね」

ガヴリール「えへへ、そうですか?」

サターニャ「褒めてないわよ」

ガヴリール「なんと!」

サターニャ「むしろ悪口よ」

ガヴリール「そんなぁ」がっくり

サターニャ「ふん」腕組み

ガヴリール「でも、そんな私の事がサターニャは好きなんですよね?」ニコニコ

サターニャ「なんでそうなるのよ!!」

ガヴリール「ふふふ サターニャさん、今日も絶好調ですね」

サターニャ「誰かさんのお陰でね」ギロ

ガヴリール「そうですか、それは良かったです」

サターニャ「こいつ全然話が通じてない!?」

ガヴリール「ふう、まあこんなところでしょうか」

ガヴリール「サターニャさん、おめでとうございます。オーディションは合格ですよ」

サターニャ「はぁ?」

ガヴリール「オーディションを合格したサターニャさんには、なんと私とお笑いコンビを結成する権利が贈られます。ぱちぱち~」

サターニャ「なにそれ、めちゃくちゃいらない!」

サターニャ「そして私はそもそも、そんなオーディションを受けた覚えすらないわ」

ガヴリール「まさかサターニャさん、無自覚でこのオーディションを合格したんですか?」

ガヴリール「これは逸材ですね、さすがサターニャさんです」

サターニャ「なにが逸材よ、あんたが勝手に作って勝手に合格させただけでしょうが!」

ガヴリール「ふむ、捉え方によっては確かにそういう見方も出来なくはないですね」賢そうな顔

サターニャ「捉え方もなにも、どこからどうみてもそうでしょ」

ガヴリール「まあ細かい事は後でお茶でもしながらゆっくり話して、今は私とお笑いコンビを結成しましょうよ」

サターニャ「絶対に嫌よ、断固拒否する」

ガヴリール「えー、なんでですか?サターニャさん」悲しそうな顔

サターニャ「逆になんでアンタは私がその話に乗ると思ってんのよっ!」

ガヴリール「だってコンビを組めばサターニャが私と一緒に過ごせる時間が増えますよ?」

サターニャ「それが私にとっての特典になるとでも?」

ガヴリール「はい、だってサターニャさんと私めちゃくちゃ仲良しさんじゃないですか」

サターニャ「自意識過剰にも程があり過ぎる!!」

サターニャ「一体どうすれば私とガヴリールが仲良しだなんてゴミみたいな発想が生まれてくんのよ」

サターニャ「むしろ私はあんたと顔を合わす度に言っているはずよ『嫌いだ』ってね」

ガヴリール「でもそんな事を言いつつ、いつも私とお話してくれる辺りサターニャさんはやっぱり私の事が好きなんじゃないかと」

サターニャ「そんな事はないわ、それはあんたの幻想よ!げ・ん・そ・う!」

ガヴリール「他にも下界では『嫌よ嫌よも好きのうち』という言葉があるくらいですし」

ガヴリール「サターニャさんの嫌いは好きの裏返し、要するに照れ隠しだと私は思っていますが……」

サターニャ「そんな曲がった解釈をされたら何も発言出来なくなるわ!!」

ガヴリール「えー」

サターニャ「でも いい事を聞いたわね」

サターニャ「あんたの理屈で言ったら、逆に『好き』って言葉はその裏返しの『嫌い』になるって事でしょう」

ガヴリール「ふむ、確かにそうなるかも知れませんね」

サターニャ「ガヴリール、好きよ」

ガヴリール「はい、私もサターニャさんのこと大好きですよ」ニコ

サターニャ「ちきしょう!!この天使前置きの意味を全然理解してない」

ガヴリール「それほどでもー」

サターニャ「だから褒めてないんだってば!!」

サターニャ「で、なんでアンタは私と一緒にお笑いコンビを組もうなんてお馬鹿な事を考えたのよ?」

サターニャ「理由を教えなさい」

ガヴリール「それはですね」

ガヴリール「ラフィをもっと笑顔にしたいと思ったからです」

サターニャ「???」

ガヴリール「ほらラフィっていつも面白いもの(こと)を欲しているじゃないですか?」

サターニャ「そうね」

ガヴリール「だから私がラフィの面白いをお手伝い出来るのではないかと思って、それでお笑いを……」

サターニャ「ふーん」

サターニャ「まあ別にいいんじゃないの」

ガヴリール「ですか」パァ

サターニャ「それに私を巻き込まない限りはね」

ガヴリール「えー」がっくり

サターニャ「前々から思ってたんだけど、あんたの悲しそうな顔で『えー』って言うやつやめてくれない」

サターニャ「よくそれやってるけど、正直 目障りなのよ」

ガヴリール「そうなんですか?」

サターニャ「そうよ」

ガヴリール「でも前にラフィがサターニャさんに何かを要求する時は『えー』と言いながら悲しそうな仕草をすれば確率大幅アップのチャンスだって…」

サターニャ「よしわかった、ラフィエル とりあえずあいつをシメてくるわね」指を鳴らす

ガヴリール「やめてください、サターニャさん」

サターニャ「なにを言っても無駄よガヴリール、なんたって長年あんたに振り回されていた原因が思わぬ所に潜んでいたんだからね」

ガヴリール「そうじゃなくてですね」

ガヴリール「ラフィの所に行っても、多分サターニャさんが返り討ちにされて酷い目に遭うだけですよ?」

サターニャ「まさかの私が負けるの前提!?」

ガヴリール「だってサターニャさん 優しいから、いつも口ばっかりで行動が伴わないじゃないですか」

サターニャ「最初に優しいからとか前置きするわりに後半がシンプルに悪口過ぎて開いた口が閉まらないんだけど!?」

ガヴリール「でも事実ですよね?」

サターニャ「うぐ、そんな事ないわよ」

サターニャ「私だってやる時はやる悪魔だし……」

ガヴリール「そうですか?」

サターニャ「そうよ」

ガヴリール「それならこれまでのサターニャさんのやるやる詐欺を思い返してみましょうか」

サターニャ「やるやる詐欺って……」


例その1

回想のサターニャ「ぶっ叩くわよっ!!」(ぶっ叩きません)

例その2

回想サターニャ「もうアンタとは口を聞かないんだからね」(10秒しないうちにまた口を聞いてくれます)

例その3

回想のサターニャ「絶対にやらないから」(後でやってくれます)

例その4

回想のサターニャ「もう知らない!!」(この後こっちが気になってチラチラ見てきます)

ガヴリール「と、まあこんな感じでサターニャさんって結局いつも言うだけ言って何もしませんよね」

サターニャ「ぐぬぬ………」

ガヴリール「サターニャさんは下界で俗にいうヘタレと言うやつなんですよ」

サターニャ「うぐぐ……」涙目

ガヴリール「あ、でも私はそんなサターニャさんが好きですよ」

ガヴリール「ヘタレだからって別に気にする事はありません、むしろ平和主義でいいじゃないですかヘタレ」100%の善意

ガヴリール「ヘタレ=やさしいです。要するにサターニャさんは最高のヘタレですよ」100%の善意

ガヴリール「私はヘタレなサターニャさんだーい好きです」

サターニャ「あんたは私に何か恨みでもあるのか!?」半泣き

ガヴリール「?」

遠くから見守るヴィーネ(天然サドのガヴ可愛い……)

サターニャ「あんた今日の事覚えておきなさいよ……」涙目

ガヴリール「わかりました。日記に書いて覚えておきますね」

ガヴリール「それはさて置きサターニャさん」

サターニャ「私の事を散々馬鹿にしておいて、それはさて置きって……」

ガヴリール「ラフィに喜んで貰えるように私達でお笑いコンビを結成しましょうよ」

サターニャ「だからそれは却下だって」

ガヴリール「えー」

サターニャ「なんで私がそんな馬鹿みたいな事をしないといけないのよ」

ガヴリール「友とこの国の笑顔の為ですかね?」

サターニャ「吐き気がするくらい優しい動機過ぎて胸焼けがするんですけど!!」

ガヴリール「大丈夫ですか?」

サターニャ「大丈夫じゃない」

サターニャ「そして悪魔である、この私はそんな事の為には絶対に動かない」

ガヴリール「ですか」残念そうな顔

サターニャ「そもそもアンタお笑いってどんな事をするのかわかっているの?」

ガヴリール「ボケとツッコミですよね。それくらい私にもわかりますよ」

サターニャ「じゃあ聞くけどアンタはそのボケとツッコミのどっちが出来るって言うのよ?」

ガヴリール「うーん、どちらかと言えばツッコミですかね」

サターニャ「アンタがツッコミ?天然ボケのアンタが?冗談はよしなさい」

サターニャ「いいこと、ツッコミって言うのはね一見簡単そうに見えてもそれはもうとてつなく高度なテクニックが必要なのよ」

サターニャ「それをアンタみたいな頭くるくるパーが出来る訳ないじゃない」

ガヴリール「出来ますよ、私だってツッコミくらい」

サターニャ「ふーん、ならやってみなさいよ」

ガヴリール「わかりました」

ガヴリール「なんでやねん!」ぺし

ガヴリール「なんで世界は平和にならへんねーん」カタコト関西弁

サターニャ「ツッコミの規模が世界レベル!?」

サターニャ「そしてもはやそのツッコミはボケに等しい」

ガヴリール「ふっふーん、どうですか?私にだってツッコミくらい出来るんですよ お茶の子さいさいです」ドヤァ

サターニャ「確かに出来たけどそのドヤ顔がムカつくから面白くはないわね」

ガヴリール「そんなぁ」

ガヴリール「うーん、やっぱりサターニャさんは手厳しいですね」

ガヴリール「しかし、それでこそ私の相方です!」

ガヴリール「これからは足りないところをお互い補っていきましょう」

サターニャ「誰が相方よ!自然な流れで人を勝手に相方にするな!」

ガヴリール「むー、今日のサターニャさんはけちんぼです」

サターニャ「誰がケチよ!誰だっていきなり芸人になろうなんて言われたら普通断るに決まってるでしょ」

サターニャ「それにそもそも私は芸人になれるほど面白くない」

ガヴリール「そんな事ありませんよ、サターニャさんはとてもおもしろい人です」

サターニャ「はあー、なにを根拠にそんなこと……」

ガヴリール「だって私いつもサターニャさんの顔を見るだけで笑けてきちゃいますよ?」

サターニャ「面白い顔で悪かったわね!」

ガヴリール「わわわ、そういう意味じゃなくてですね、えっと、サターニャさんごめんなさい」あたふた

サターニャ「もういいわよ」ふん

ガヴリール「ごめんなさい」しゅん

サターニャ「とにかくお笑いコンビを組みたいんだったら他を当たりなさい」

サターニャ「ヴィネットやあんたの後輩天使だったらきっと二つ返事で引き受けてくれるはずよ」

サターニャ「それじゃ」

ガヴリール「あ、待って下さい。サターニャさん」

ガヴリール「うぅ、帰っちゃいました」しょんぼり


遠くから見守るヴィーネ(あらら、流石に今回のガヴの要求は無理があったかしら)

遠くから見守るヴィーネ(めずらしくサターニャに完全に断られたみたいだし)
(*いつもはなんだかんだでガウの要求を受け入れます)

遠くから見守るヴィーネ(まぁ、でもガウとサターニャのお喋りはやっぱり……)

クラスメイト一同(…………………和む)


かくしてガヴリールの『サターニャさんと一緒にお笑い芸人になってラフィを喜ばせよう計画』は頓挫したのであった。

しかし


ガヴリール「でも私は諦めません、きっといつかサターニャさんと……」


ガヴリールの計画はまだまだつづく?


Chapter.END

こういうのいいね
和むわ・・・

Chapter.3


サターニャ宅


ピンポーン

サターニャ「はーい」

サターニャ(この前頼んだ全自動卵割り機がついに届いたようね)

サターニャ(うん、休日の朝から調子が良いわ)

サターニャ(今日は久しぶりにいい休日になりそう……)


扉を開ける ガチャ


タプリス「うぇーん、胡桃沢先輩ぃ~」

サターニャ(なんか泣いてる後輩天使が来た!?)


~~~~~

サターニャ(とりあえず家に入れたけど……)

タプリス「うぅ…ぐすん……」

サターニャ(なんか扱いにくい)

サターニャ(私が泣かせた訳じゃないのに謎の罪悪感に駆られるし)

サターニャ(でもここは一応先輩の私からアクションを起こしていかないと永遠にこう着状態よね…)

サターニャ「もういつまで泣いてんのよ、ほらささっと涙とか鼻水とかを拭きなさい」タオルで拭く

タプリス「…先輩…ありがとうございます……」

サターニャ「それで?」

タプリス「?」

サターニャ「なんでアンタは泣きながら私の家に来たのよ?」

タプリス「実は天真先輩とケンカをしてしまいました」しゅん

サターニャ「アンタとガヴリールがケンカ、本当に?」

タプリス「はい」

サターニャ「どうしてそんな事になったのよ、気持ち悪いくらい仲良かったでしょ アンタ達」

タプリス「それは……」

回想

ガヴリール宅

タプリス「ふっふーん、天真先輩が下界に行っている間に 私も天界でたくさん勉強や修行をしてたくましい天使になったんですよ」

ガヴリール「さすがタプリスです。私がいない間も努力を惜しむ事なくがんばっていたんですね」

タプリス「はいっ!」

ガヴリール「えらいです、タプリス」よしよしする

タプリス「えへへ~、そんな事…あるかも知れませんね~」

ガヴリール「ふふふ、やっぱりタプリスはかわいい後輩ですね」

タプリス「む、そんな事はありませんよ」

タプリス「これからの私は天真先輩をお助けする事が出来る頼もしくてカッコいいタプリスなんです」むふー

ガヴリール「それでもタプリスは私の中ではかわいい後輩ですよ?」

タプリス「違います、今の私は頼もしくてカッコいいタプリスなんです」

ガヴリール「いえいえ、タプリスはかわいいですよ」

タプリス「むむ、かわいくないですっ!」

ガヴリール「かわいいです」

タプリス「かわいくないですっ!」

ガヴリール「うぬぬ……」

タプリス「うぬぬ……」


回想終了

タプリス「と言う経緯で天真先輩とケンカしてしまいました……」

サターニャ「なにその胸焼けしそうなくらい甘ったるい痴話喧嘩は!?」

サターニャ「一体どこのバカップルよ」

タプリス「か、カップルだなんて…///先輩と私は女の子同士ですから……」もじもじ

サターニャ「そこで照れるな!!」

サターニャ「で、なんで私の家に来たのよ?私以外にもヴィネットとかラフィエルみたいな相談に乗ってくれそうな先輩がいるでしょ」

タプリス「胡桃沢先輩の家しか場所がわかりませんでした」

サターニャ「なんとなくわかってはいたけど、実は第2第3候補で自分の所に来られたとわかると結構傷つくわね」

タプリス「私も本当は悪魔の先輩に頼りたくはありませんでした」

サターニャ「あんたガヴリールとは違う意味で素直よね、そういうの一周回って嫌いじゃないわ」

タプリス「他に行くところもありませんでしたし、それに…」

タプリス「その…天真先輩との仲直りをお手伝いしてもらえたらなっと思って……」

サターニャ「………………」

サターニャ「はあ、ほんとアンタ達 天使はいつも私の平穏な日常を盛大に邪魔してくれるわねー」

タプリス「うぅ、すみません…」

サターニャ「まあでも?今回だけは、今回だけは特別に私がアンタとガヴリールの仲を取り持ってあげてもいいわ」

タプリス「ほんとですか?ありがとうございます」

サターニャ「ただの気まぐれよ」

タプリス「胡桃沢先輩…」

サターニャ「ん?どうしたのよ」

タプリス「あの…安心したらお腹が空いてしまって……」照れ

サターニャ「はあ、本当に手のかかる後輩ね」

タプリス「えへへぇ」

ヴィーネ宅

ガヴリール「うわーん、ヴィーネ」泣き

ガヴリール「私は後輩のタプリスを悲しませてしまいました。最低です。私は天使失格です…」泣き

ヴィーネ「よーしよし、もう泣かなくてもいいのよガヴ」

ヴィーネ「ガヴが天使失格な訳がないじゃない。ガヴが頑張っている所は私がいつもみているわ」

ヴィーネ「今回の事だって、少し二人の間にすれ違いがあっただけで、話し合えば きっとまた仲直り出来るわ」

ガヴリール「…そうですか?」

ヴィーネ「そうよ、大丈夫ガヴなら絶対に出来るから」

ヴィーネ「それに私もついてるから、ね?」

ガヴリール「ヴィーネ……」

ヴィーネ「ほら泣き止んだんだったら顔を拭いて、せっかくの可愛い顔が涙と鼻水でくしゃくしゃじゃない」ふきふき

ガヴリール「ありがとうございます。ヴィーネはやさしいですね」

ヴィーネ「これくらい当たり前よ、だって私たち友達じゃない」

ガヴリール「はい、ヴィーネは最高のお友達です」

ヴィーネ「それじゃあもう千咲ちゃんとも仲直り出来そう?」

ガヴリール「それはわかりませんが、タプリスがこんな私を許してくれるならまた仲良くなりたいです」

ガヴリール「だから私、タプリスに許してもらえるよう努力をしようと思います」

ヴィーネ「ふふ、それでこそガヴよ」

ヴィーネ「なら千咲ちゃんの所に行かなきゃね、準備はいい?」

ガヴリール「はい!」


~~~~


こうしてサターニャとヴィーネ、二人の悪魔の活躍によりガヴリールとタプリスは晴れて仲直り出来ましたとさ。

めでたしめでたし


Chapter.END

ん~かわいい~♪

Chapter.4

サターニャ(昨日は色々と忙しくて全然休めなかったし、今日こそはゆっくり休日を満喫する)

サターニャ(という訳で日曜日の朝からなんとゲームショップに来てみました。)パンパカパーン

サターニャ(少し前にテキトーにポチって手に入れた最新ゲームハードも結局そんなに触らないまま放置してたから丁度いいわね)

サターニャ(今日はなんかテキトーに面白そうなソフトを見繕ってこの休日を楽しむ事にするわ)

サターニャ「うーん」

サターニャ(それにしても多いわねー、ゲームってこんなに沢山出てるって初めて知った)

サターニャ「あ、これ……」パッケージを手に取る

サターニャ(『ゲルマニウムファンタジー6』タイトルだけは知ってるわ)

サターニャ(他にも『SPECIAL MARIKO BROKEN』『ロマンシング佐賀XⅣ』『十異世界』『海藻物語4』『ようこそ魔導村』……)

サターニャ(どうやらここはメジャーなタイトルのゲームが置いてある棚のようね)

サターニャ(ふむ、ここから無難な物を手に取るのもいいけど、それじゃあつまらないわね)

サターニャ(もっとマイナーでゲテモノっぽいものにこそ掘り出し物があるはず他の棚をみてみましょう)

数分後

サターニャ「ここは……」

サターニャ(『The World』『Sword Art Online』『BTOOOM!』『GREED ISLAND』『レジェンダリー・エイジ』……)

サターニャ(横文字ばっかでわかりづらいけど、恐らくここはクソゲー…それもワゴンセール一歩手前の棚とみたわ!)

サターニャ(そもそもタイトルにセンスを感じないのよね、飾りっ気がないというか……もっとデビルとかサタニキアとか名前につければ面白そうなのに………)

サターニャ(さすがにこの棚のゲームは嫌ね、もうちょっと丁度よく温そうなゲームを探しましょう)


数十分後

サターニャ「見つけた!」

サターニャ(遂に見つかったわ、私に丁度良さそうなゲーム)

サターニャ(早速これを買って家で遊びましょう)パッケージを手に取ろうとする


運命的な雰囲気で手がぶつかる


サターニャ「あー、すみませんって……アンタ!?」

サターニャ「ガヴリール!!」


ガヴリール「さ、サターニャさん!?」


~~~~~

サターニャ「ふーん、まさかあの真面目なガヴリールがゲームなんてやるとは思いもしなかったわ」

ガヴリール「うぅ、お恥ずかしい限りです……」

サターニャ「別にゲームくらいやってもも恥ずかしいも何もないと思うわよ?」

サターニャ「まあアンタがそんな事をしている様な素振りを今まで見せていなかっただけに少し驚いてはいるけど」

ガヴリール「はい、その事なんですが……」

ガヴリール「みんなにはこの事を秘密にして貰えないでしょうか?」

サターニャ「なんで?」

ガヴリール「だって…実は私がゲーム好きだなんてみんなに知られたら心配をかけてしまうかも知れないじゃないですか」

サターニャ「んー、確かにそうかも知れないけど」

ガヴリール「それにそんな事を知られれば私に失望するかも知れません」

ガヴリール「ヴィーネやラフィは私の事を勤勉で真面目な天使だと思ってくれていますし」

ガヴリール「後輩のタプリスも私を尊敬してお手本にしていると言ってくれています」

ガヴリール「私はそんな みんなの信頼を裏切る事をしたくないんですよ」

ガヴリール「お願いします。サターニャさん」

サターニャ「………………」

サターニャ「わかったわ、別に元から言いふらそうとも思ってなかったし」

ガヴリール「本当ですか、ありがとうございます」

サターニャ「でもたかだかゲームをするくらいで信頼を裏切るだなんて大袈裟だと思うわよ?」

ガヴリール「そんな事はありません」

があ「下界でゲームという文化に触れてからというもの私はダメダメな天使になってしまったのです」

ガヴリール「言うなればこれは堕天と言っても過言ではないのかも知れません」ふんす

サターニャ「そんな事を自信満々に言われても……」

サターニャ「で、例えばアンタのどこが堕天してるのよ?」

サターニャ「側からみたらただのクソ真面目で面倒くさい いつものガヴリールのままなんだけど」

ガヴリール「例えば……例えばですね」考える仕草

ガヴリール「最近 学校の宿題が終わった後の予習復習の時間をゲームに使ってしまう事が多くなってしまったり……」

ガヴリール「本当は夜の9時に寝ないといけない所を夜中の11時まで夜更かししてしまったり……」

ガヴリール「この様に昔の私が見る影もないほどにダメダメな天使になってしまいました」

サターニャ「いや、その程度で堕天って小学生でもあるまいし」

サターニャ「別にそれ位なら気にする事はないと思うわよガヴリール」

サターニャ「私を含めて大抵の同世代は予習復習なんてやらないし次の日の朝まで夜更かしなんて当たり前なんだから」

ガヴリール「えぇ!?そうなんですか!?」衝撃

サターニャ「そうよ」

ガヴリール「大変です。下界の人々のほとんどがそこまで堕天していたなんて……」ガクガク

サターニャ「まさかの そういう解釈になっちゃう系!?」

ガヴリール「はっはーん、解りました、さてはサターニャさん私を慰める為に嘘を言いましたね」

ガヴリール「このやさしんぼさんめ」

サターニャ「誰がやさしんぼよ!誰が」

サターニャ「たかがガヴリール一人を慰める為にこの私が嘘なんて言う訳ないでしょ」

サターニャ「他の奴らは知らないけど、私にかかれば アンタをフォローするくらい事実を言うだけで十分なのよ!」
(*この後、家に帰ってからめちゃくちゃ恥ずかしい台詞を言っている事に気付いて家で悶えます。)

ガヴリール「本当ですか?」

サターニャ「本当よ、だからそこまでゲームをする事を悲観しなくていいと思わよ」

ガヴリール「ふふ、ありがとうございます。サターニャさん」

サターニャ「別にこれくらい大した事じゃないし」

ガヴリール「やっぱりサターニャさんは優しいですね」

サターニャ「そんな事ないわよ…」

ガヴリール「そんな事ありますって」

ガヴリール「サターニャさんのお陰でまた自分に自信を持つ事が出来ました」

ガヴリール「まだみんなにこの秘密を打ち明ける勇気はありませんが……」

ガヴリール「それでも私 頑張れそうな気がします!!」


Chapter.END


Chapter.5


ドンッ!!!


ガヴリール「サターニャさん、おはようございます」

サターニャ「……え、これはなに?新手の嫌がらせ?」

ガヴリール「壁ドンと言うものです。なんでも下界の女子の間で流行っている行為だと聞いたので」

サターニャ「ふーん」

ガヴリール「どうでしたか?ドキドキしましたか?」

サターニャ「はぁ?ドキドキ?」

ガヴリール「はい、なんでも壁ドンをされた女の子はキュンっとしてドキドキするとか……」

ガヴリール「なのでサターニャさんも今の壁ドンで私にドキドキしたのではないかと」

サターニャ「そんなのする訳ないでしょ」

ガヴリール「そ、そんな!!」ガビーン

ガヴリール「な、なぜですか?どうしてですか?」

サターニャ「そんな事、私に聞かれても……」

サターニャ「まあ でも、その壁ドン?って言うのがどういうものか良くはわからないけど」

サターニャ「多分、アンタの壁ドン間違ってるわよ?」

ガヴリール「そうなんですか!?サターニャさんはなにを根拠にそんな事を…」

サターニャ「だってあんた、壁ドンの時あからさまに足りない身長をカバーする為にずっと背伸びして足元ぷるぷるしてたし」

ガヴリール「ぎく」

サターニャ「他にも肝心の壁をドンするのもそれこそ手の長さが足りないせいで、ほぼ抱き合ってる位に身体が密着してたわよ?」

サターニャ「正直どっかの国の熱烈過ぎる挨拶かなにかかと思ったし」

ガヴリール「うぅ、まさか私の壁ドンが失敗していただなんて……」

サターニャ「残念ね、恐らく壁ドンは身長が高い奴がする、もしくは同じ位の身長同士でしないと成立しないのよ」

ガヴリール「そんなぁ…」

サターニャ「それにそもそも壁ドンが成立した所で壁ドンのどこにドキドキするって言うのよ」

サターニャ「まったく意味が解らないわね」

ガヴリール「えー、きっとドキドキするんですよ、壁ドンは」

ガヴリール「偶然私が失敗しただけで」

サターニャ「どうだか」

ガヴリール「むー」

ガヴリール「サターニャさん」

サターニャ「なによ?」

ガヴリール「あそこにラフィがいますよね?」

サターニャ「確かに、こっちに来ているわね」

ガヴリール「サターニャさん、一回ラフィに壁ドンをしてみて下さいよ」

サターニャ「はあ?なんで私が」

ガヴリール「最初は壁ドンが本当にドキドキするのかどうかを検証する為に私に壁ドンをして貰おうと思いましたが」

ガヴリール「それだと反対派のサターニャさんに対する公平性を保つ事ができないので」

ガヴリール「第三者のラフィに反対派のサターニャさんが壁ドンをすれば完璧な実験が出来るはずなんじゃないかと」

サターニャ「確かに」

ガヴリール「これで勝負しましょう、サターニャさん」

ガヴリール「果たして壁ドンはドキドキするのかしないのかを」

サターニャ「いいわ、その勝負乗ってあげる」

サターニャ「私がラフィエルに壁ドンすればいいのね?」

ガヴリール「はい」

サターニャ「それじゃあ行ってくるわね」

ガヴリール「頑張って下さい」

サターニャ(ふふふ、甘いわねガヴリール)

サターニャ(確かにこの勝負のルールは公平よ)

サターニャ(ただし、今回壁ドンする相手はラフィエル)

サターニャ(ラフィエルと言えば普段から笑顔と言う名の仏頂面で普段から周りに感情をあまり出さない事に定評のある相手)

サターニャ(もし仮に壁ドンがドキドキする行為だったとしても、ラフィエルに効く可能性は皆無と言っても過言ではない)

サターニャ(この勝負どちらに転んでも私の勝利は確定)

サターニャ(残念ねガヴリール、今回も私がアンタをぎゃふんと言わせてやるわ)

サターニャ「ラフィエル」

ラフィエル「はい、サターニャさん おはようございます」

ラフィエル「どうしましたか?」

サターニャ「ちょっとこっちに来て頂戴」

ラフィエル「わかりました」

サターニャ「うん、この辺りね」

ラフィエル「?」

壁ドン!!!

ラフィエル「!?」

サターニャ「決まった」

ラフィエル「………………」

サターニャ「ふふふ、どうよガヴリール、この通り壁ドンなんて何とも……」

ラフィエル「い、今のはなんだったのでしょうか、サターニャさん///」照れ

サターニャ(なんか思ってたリアクションと違う!!)

サターニャ「ちょ、ラフィエル なによその反応は!?」

サターニャ「アンタはこういうのに動じないキャラじゃない」

ラフィエル「そんな事を突然言われましても……」困惑

ガヴリール「どうやら今回の勝負は私の勝ちみたいですね」

ガヴリール「やっぱり壁ドンはドキドキする行為なんですよ」

ガヴリール「と言う訳でサターニャさん、私にも壁ドンをして下さい、さあ」

サターニャ「なんでそうなるのよ!!」

サターニャ「私はまだ負けただなんて認めてないんだからっ!」

ワイワイガヤガヤ

別視点

タプリス「あ、天真先輩達がいましたよ、天真先輩~」とてとて

ヴィーネ「こら、千咲ちゃん学校で走っちゃダメよ?」

タプリス「あぅすみません。月乃瀬先輩」

ヴィーネ「それにしてもガヴとサターニャは今日も賑やかね、一体何の話をしているのかしら?」

タプリス「胡桃沢先輩が天真先輩の元から離れて行きます。どこに向かうのでしょうか」

タプリス「白羽先輩が居ました。どうやら胡桃沢先輩は白羽先輩に用事があったようですね」

ヴィーネ「サターニャからラフィに話しかけるなんて珍しい」

壁ドン!!!

二人「!?」

ヴィーネ「さ、サターニャがラフィに壁ドン!?なにがどうして!?」

タプリス「あわわ、白羽先輩と胡桃沢先輩がすごく近いです///
あの距離 もしかしてお二人は結婚しているんでしょうか!?」あたふた

ヴィーネ「千咲ちゃん落ち着いて流石に結婚は飛躍し過ぎよ」

タプリス「で、でも結婚もしていない二人があんな近い距離感で……わわわ」

ヴィーネ「あ、離れた」

タプリス「ふぅ、お二人ともお互いが結婚してない事に気付いて離れたみたいです。これでひと安心ですね」

ヴィーネ「千咲ちゃんの結婚観が気になり過ぎて後半ほとんど頭に入って来なかったんだけど!?」

タプリス「?」

Chapter.END

以上
もしもサターニャが人間界でドロップアウトしてガヴリールがドロップアウトしなければというテーマで書いたSSの第三弾 ガヴリールドロップストーリーPLUSでした。

今回はガヴリールの意外な趣味が判明する話がありましたが、書き手の意図としてはやっぱりガヴリールはどんな世界になっても人間界ではゲームに触れてしまう運命なのではと思って書いた次第です。

そして結構重要そうな話の割に案外あっさり終わっていたのは今回でネタを全部使い果たすよりも今後ゆっくり消化していった方が良いなと勝手に判断した結果です。
物足りないと思った人はすみません。

多分第四弾も書くので次も是非読んでくれたら嬉しいです。


前作

ガヴリールドロップストーリー

ガヴリールドロップストーリーVol.2

乙乙
次も待ってる


続き楽しみにしてる

ゲルファンに海藻物語じゃないか!?

それはそうとほのぼのして良かった
期待

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