高森藍子「麦茶がぬるくなるまでに」 (38)



モバマスのポジティブパッションのSSです。
えっちなやつです。

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蝉の唄が古い家屋に響き渡る。
縁側の向こうのひまわりは、なんだかゆらめいて見える。
涼を伝えるはずの風鈴は、力なく揺れているだけだ。

真っ白なTシャツは汗を吸って、べったりと身体に張り付いてきた。
頬を擦り付けていた畳は、まだかろうじて冷たさがあるような、ないような。

重たい頭を少し持ち上げると、未央も藍子も茜も死体のように転がっているのが見える。
パッションを集めて固めたような彼女たちが、黙ってピクリとも動かないだなんて、
事務所にいるはずのちひろさんは信じてくれるだろうか。

「「「「暑い」」」」

蝉の声に負けじと、俺たちの声もキレイにハモった。
夏はもう終わりだとか言うやつは一体どんなところに住んでいるんだろう。




ポジティブパッションと行く地方ロケ。
ノスタルジックな夏の風景を探しに、遠路はるばるこんな田舎まで。

涼風が吹く森を抜けて、夏がキラキラと光る川沿いを散歩して、おニューの水着で川遊び。
そんな画を撮ったのが昨日のこと。

本当だったらスタッフさんたちと一緒に、さっさと東京へ帰っていたはずだったのに。
東京の暑さに参っていた俺は、仕事を受けると決めた時に、つい言ってしまった。

「田舎で何泊か涼んでいくか」

「えっ! プロデューサー、いいの!?」と近くにいた未央が真っ先に反応した。

「ロケ地まで遠いからな。後泊したって文句は言われないはず」

「やったー!! あーちゃん、あかねちん、避暑ですよ、避暑!」

なんでも古民家を貸宿にしている所があるらしく、一軒家なのに安く泊まれるんだそうだ。
どんなとこでもコンクリートジャングルに比べたらずっとマシだろうと、そう思っていた。
どこかで聞いたようなセリフで同意してくれた未央も、きっと同じ気持ちだったはずだ。


初日にロケをつつがなく終わらせて、貸宿にやってきたときはもう夜になっていた。

貸宿になっていた古民家は、古すぎず、新しすぎずといった感じの普通の田舎の一軒家だ。
ガスも電気も水道も当たり前だけどあるし、冷蔵庫や電子レンジなんかもちゃんとある。

それでも年季の入った木材の濃い色味や、渋くなった砂壁なんかが、イメージ通りの田舎っぽさを演出している。
大きめの畳の部屋には縁側がついていて、その先は街灯のない真っ暗な闇が続いていた。

撮影で疲れた重い体をなんとか動かして、畳の部屋に4人分の布団を並べると、
涼しい風が障子窓の向こうから抜けてきて、敷かれた布団を撫でていく。

ロケで疲れていたからか、全員あっさりと眠りに落ちた。
クーラーなんてもちろんなくて、扇風機しかないことも全く気にならなかった。


次の日。
太陽がやっとこさ顔を出し始めたころ。

「なんだか……暑くないですか?」と藍子が言った。

確かに暑い。思っていたより涼しくないのだ。
昨日の夜の涼しさは一体どこへいってしまったのだろう。

障子戸を全部開けて風通しをよくしたところで、焼け石に水にしかならなかった。
部屋の中は、真綿で首を締めてくるように、湿気のある暑さが漂ったままだ。

家の中でこれなんだから、外に出たらどうなったものか。
そもそも周りは田んぼばかりで何もないんだから、涼む場所なんかどこにもない。

俺達は、やることもなく、ただ暑さに耐えて、うだるしかなかったというわけだ。




「暑い、暑いよ……。流石の未央ちゃんも干からびちゃう……」

「Tシャツがベタッとして気持ち悪いですね……」

「暑いです!!!! こんなときこそ……カレーが……」

「あ、茜ちん! パッション力が抜けていってるよ!!」

未央の叫びも虚しく、茜は畳に崩れ落ちた。
真っ白なTシャツに、ショートパンツで揃えた3人は、輪になって畳に寝転がっている。
3人の真ん中で必死に首を振る扇風機が、俺達の頼みの綱だ。

さっきから送られてくる風は、ぬるいとしか言いようがないけど。

「あーちゃん、麦茶ほしい?」

「さっき2本目を冷やしたところなので、もうちょっとだけ待ってくださいね」

未央と藍子がそんなやり取りをしている。
藍子の言うとおり、先に冷やしておいた麦茶はあっさりと売り切れてしまった。

「やっぱり暑いです!!!!」

対して、茜はさっきからこの調子だ。熱血少女にも夏の暑さはやってくるらしい。
そういえばサウナでもへろへろになっていたとか藍子が言っていたっけ。


3人は寝転ぶのをやめて、扇風機のわずかな恩恵に預かることにしたようだ。
少し離れたところで寝転んでいる自分の視界の端に、3人のTシャツが映るようになった。

「しかし、なんにもやることないね?」

未央がTシャツをバサバサさせながら言う。
陽の光をものともしない真っ白な肌が眩しくて目をそらしてしまう。

「お散歩するにはちょっと暑すぎますしね……」

「自分をもっと熱くすればこの暑さにも耐えられるのでは!!」

「あ、茜ちゃんは頑張らないでね! 熱くなると余計につらそう」

未央の言う通り、この家でできることがなさすぎる。
小さな子どもなら外で元気よく遊んだだろうが、そんなことをする年でもない。
家の中にも……そういえば、テレビすら置いてないな、この貸宿。

だから、俺はぼんやりと3人の姿を眺めるくらいしかすることがないのだ。

藍子と茜は、Tシャツをぎりぎりまでまくってお腹を出している。
そのせいで汗に濡れたくびれが、ちらちらと視界に写ってドキリとさせられる。

何とか目線を上げると、今度は下着が透けてしまっていることに気づいた。
未央がイエロー、藍子がライムグリーン、茜がオレンジ……。
ぼーっと3人の下着の色を確認したあたりで、頭を振って思考を正常に戻す。

唯一の男としては注意せねばならない事態だ。このまま見ていたら――どうなったものか。


「3人とも……下着透けてるぞー」

「今更ですよ」

「だね」

「はい!」

煩悩を振り払って注意したのに。そこは恥ずかしがったりしないのか。
花も恥じらうはずの乙女たちは、羞恥心も夏に溶かされてしまったらしい。

「Pさんが気にしなければいいんですよ」

藍子がそんなことを言う。
男と女が同じ場所にいるんだから、少しは女の子らしく、アイドルらしく気にして欲しいものだ。

「そうそう! あっ、良いことを思いついた☆ ねぇ、プロデューサー♪」

未央がとうとう扇風機に自分のTシャツを被せながら、俺を呼んだ。
あいつ、もはや手段を選ばなくってきているような。

「なんだー、涼しくなるものなら持ってないぞー」

じっと見ているのもバツが悪いので、そう答えながら3人に背を向ける。
考えるのがしんどくなってきて、答えもなんだか間延びしてしまう。

「暑いからさ……Tシャツもパンツも脱いじゃってもいいかな?」

「は?」

俺のささいな願いは、耳を疑うような言葉であっさりと打ち砕かれた。
本当に暑さで頭まで溶けてしまったのだろうか。


「いいですねっ、着替えても着替えてもキリがないですから」

俺の答えを待たずに、藍子が名案とばかりに同意する。

「えっ! その!!」

茜は俺と同じくついていけてないみたいだ。
さすがに男がいるんだぞと言いかけた所で、バサッと音が聞こえた。

姿は見えないけれど、2つの衣擦れの音が、少し遅れてもう1つが重なって聞こえる。
汗をたっぷり吸ったはずのTシャツは、ぐしゃっと音を立てて、畳へと落ちていく。

ということは……顔をそちらに向ければ、下着姿の3人の姿があるはずだ。

暑さで頭がやられているのか、湿った衣擦れの音にさらに大きく心臓が跳ねた。
頭をよぎる3人の肢体は、汗でぬめり、異様な艶めかしさがあるような気がした。


「ちょっと涼しくなったね! 扇風機の風がダイレクトに来るよ♪」

「あっ、未央ちゃん。扇風機を独り占めしちゃ、めっです」

「ふ、2人とも……恥ずかしくないんですか!! えっと、その、プロデューサーが……」

未央も藍子もさっきまでと何ら変わらないやり取りをしている。
茜は流されて脱いだはいいけど、やっぱり恥ずかしいってところだろうか。

「だいじょーぶ、だいじょーぶ。プロデューサーは今更下着姿くらいでえっちな気分になったりしないよ」

「ふふっ。そうですよ、茜ちゃん。もう散々見られちゃってますからね」

「えっと、あぅぅ」

2人の言う通り、ただ見るだけなら、きっとピクリともしなかっただろう。
でも今は、暑くて、暑くて、思考が上手くまとまらない。

見えてないからこそ、想像が興奮を掻き立てていく。

健康的と表現するにはいささか暴力じみていて、指を這わせれば沈み込んでしまうような、
未央のカラダを想って思わず唾を飲み込んでしまう。

藍子の瑞々しく引き締まった手足は、どこかゆるやかな所作によって、
きっとねっとりといやらしい雰囲気を醸し出しているだろう。

その小さな体は胸もお尻もやたらと丸みを帯びていて、
茜が子どものように身体を擦り付けてくるときのオトナの感触をつい思い出してしまう。

じわり、じわりと汗が溢れる。
ズボンの下が新たな熱を帯びていくのが分かる。


「わ、私、冷たい麦茶入れてきますっ!!」

雰囲気に耐えられなくなった茜が先に逃げ出した。
自分だけ服を着ない辺りは、友達想いというか、乗せられやすいというか。

ばれない内にコレが鎮まってくれるとありがたいのに。
仕事で忙しかったせいか、それとも暑くて自制心が鈍っているのか、収まる気配はない。

思考がスパークのように昨日のできごとへ飛び移る。
澄み切った川で遊び回る3人の水着姿は本当に眩しすぎた。
3人がこちらに笑いかけてきた時の心臓の音を思い出す。
そういった目で見てはいけないという挟持と、隠されているはずのヒミツの関係の後ろ暗さが混ざり合う。

きっともう何もかも遅いのかもしれない。
4人だけで泊まることを決めたときに、こっそりと持ってきたもの。

弱いから、綺麗なままでも、汚れたままでもいられないんだ。


ひそひそと小声が響いて、しばらくした後。

「「プロデューサー」」

残された2人が揃って声を掛けてくる。
なんだかイヤな予感しかしない。

「私たち、昨日、こんなものを見つけちゃったんです」と藍子が言う。

できれば今はこっちに来ないで欲しい。
ここで顔を上げたら、きっともう戻れない。
そう分かっているはずなのに、上手く抑制が効かない。

重い身体を起こすと、2人の身体が目に飛び込んでくる。
イエローの下着が眩しい未央は、ライムグリーンの少し大人っぽい下着の藍子は、
その肢体をてらてらと光らせて、思っていたよりもずっと蠱惑的だった。

もう隠しておくことなんてできない。
きっと声を掛けられた時点で股間の膨らみに気づかれてしまっているだろう。

2人の手に握られているもの。
それは、自分のスーツケースの隅に隠しておいたはずのエナドリとコンドームの箱だった。

「プロデューサーも」

「こうなることを期待して来たんですよね?」

それは、男を誘う淫靡な囁きだった。


――――――
―――

2人に敷いたままの布団の方へぐいっと引っ張られると、そのまま押し倒される。

藍子が俺の胸に馬乗りになって、乱暴に口づけをしてきた。
待ちきれない気持ちを乗せて、早く早くと舌先が口内を蹂躙しようとしてくる。

「んふ…んっちゅ…はぁ……んむっ」

ぐいっと唇がこじ開けられると、甘い液体が口内に流れ込んでくる。
“そういうこと”のために持ってきていたエナドリを、唇を通して唾液と絡ませ飲み合う。

「ぷはっ……これで体力も万全ですよねっ」

唇が離れる。
どちらのもかも分からない唾液が、2人の間に橋をかけるように糸を引いた。
その糸を切らさぬようにと、もう一度キスする。

蝉の声をかき消すように、粘膜が擦れ合う淫靡な音が重なる。
垂れてくる汗も、暑さも忘れて、ただ唇を求め合う。

互いに舌先が深く深く進もうとしている間に、藍子は下着を脱いでしまった。
舌裏の敏感な所に触れようとして、絶え間ない水音が激しくなる。
カラダもココロも1つになろうと、ぴったりと押し付けられるカラダは、柔らかく、瑞々しい感触がした。


「あーちゃんはキス好きだよね~」

そんなことを言いながら、未央は脚の間にさっと入ると、ハーフパンツの膨らみを撫でた。
しびれるような刺激が、キスでとろけそうになっていた身体を叩き起こす。

「プロデューサーは下着姿だけでこんなにしちゃってさっ」

楽しそうに笑って、そのまま俺のズボンと下着を剥がしにかかった。
うっとおしそうに自分の下着も脱いでしまって、そのカラダをぐいっと股間に押し付けてくる。

カラダを押し付けてキスの雨を振らせてくる藍子を一瞥すると、男性器にちゅっと口づけ。
邪魔な髪をかきあげると、おっぱいを掴んで左右から押し付けてきた。
谷間にたまった汗が潤滑油になって、あっさりと捕まえられてしまう。

「ヌルヌルのおっぱいで、もっと気持ちよくしてあげるね」

さらに上体を倒して、谷間の奥深くで、ぎゅっと挟み込む。
左右交互に手を動かしてしごかれているだけなのに、気持ちよくてしょうがない。
ぽたぽたと顔から垂れてくる汗が、てらてらと竿に塗りつけられていく。

絶対に逃さないようにと捕まえているおっぱいが、時々にゅるんと汗で滑って、肉茎を手放してしまう。
そんなもどかしさが刺激になってさらに興奮を煽ってくる。

「んんっ…我慢、しないで、いいよっ」

チロチロと未央の舌先がこぷっと溢れる先走りを舐めとっていく。
カリ首と乳首が擦れ合ったり、乳房にめり込んだりするせいか、未央も小さく嬌声をあげている。

頬を染めて、汗を光らせて、乳房に細い指を沈み込ませて。
最近大きくなってきた、みずみずしくハリのあるおっぱいに、愛されている光景は、
ただ見ているだけでも身体中を痺れさせていきそうだった。


ぬちゃ、ぬちゃという水音が、あちこちから聞こえる。
3人の呼吸が荒くなって、興奮した息遣いが重なる。

唇を藍子に、肉棒を未央に、攻め立てられて。
視覚的にも、聴覚的にも、刺激が強すぎて、もう平然としてられない。

絶え間なくやってくる快楽に、身体を手放してしまいそうになる。

そんな時。

「ふ、2人とも!!! な、なにして……」

麦茶を入れにいっていた茜が戻ってきたようだ。
未央と藍子の攻め手が止まる。あと少しで情けなくイかされていたとこだった。

ちらりと目線をやると、茜は顔を真っ赤にして、小さな身体を震わせている……オレンジの下着姿のままで。

陽の光が開けっ放しの障子戸から入ってきて、そんな昼の明るさの中に裸で盛り合っている3人。
どろどろと熟れきった光景に、茜は完全に固まってしまっている。

「何って……えっちなこと☆」

悪びれもせずに、未央がそう答えた。

「そ、それはそうですけど!!!!」

「このままだらだらしていてもやることないですからね」

「そうそう!」

「その、あの……」

恥ずかしさでもうまともに反論できていない。
正直な目線は完全に2人の身体と俺の股間をいったり、きたりしている。

「茜ちゃん」「あかねちん」

「「一緒に気持ちよくなろ?」」

ダメ押しとばかりのその一言に、こちらをちらりと見た茜の目は少し濁っていて。
そんな姿に、俺のココロに残っていた僅かな良心がぱりんと割れる音が聞こえた。


キスを止めた藍子が、立ち上がって茜の手をひこうとする。
茜は下着をぱさりと落としてから、差し出された手を、うつむきながらも取った。

それを見て、扇情的な笑みを見せる、未央と藍子。
友達の暴走に流されただけじゃないという小さな意思に、やっぱり茜も女なのだと意識させられる。

「あかねちん、こっち、こっち!」

未央が茜を脚の間に引き込む。
茜は反りきった男性器をまじまじと見つめながらも、何のために呼ばれたのかを理解しているようだ。

2人は俺の腰の両サイドに陣取ると、それぞれ男性器に口をつけた。

「……んふっ、んっちゅ……ぷぁ」

「……ん、じゅる……あぅぅ、ぷろでゅーさーの、あっついです」

未央が先端あたりをちゅうちゅうと吸ってくる間に、竿の部分をおずおずとした茜の舌先が這い回る。
未央はちらちらとこちらの様子を上目遣いに見ながら、時々舌先を出したりして、攻め方を変えてくる。
茜はぎゅっと目をつむりながらも、じゅる、じゅるるとその舌遣いを激しくしていく。

しばらくすると自然と位置が入れ替わっていく。
途中でちゅぱちゅぱと互いの舌先を絡め合いながらも、目の前のモノへの奉仕をやめようとはしない。
今度は、ぐいぐいと舌先を竿に押し付けてくる未央に、カリ首に小さくキスを繰り返す茜の奉仕に翻弄されていく。

茜や未央の舌先が裏筋にもどかしく触れる度に、びくびくと肉棒が波打つ。
てらてらと汗で光っていた竿を一通り唾液で上書きすると、今度はおっぱいを抱えて押し付けてきた。

「プロデューサーくんは、やっぱりこっちのが好きかな?」

「わ、私もそれなりにありますよっ!」

2人のおっぱいが、間にあるペニスでぐにゅぐにゅと形を変える。
汗でだらだらになったカラダに滑らないところなんてないから、思った以上におっぱいが滑って気持ちいい。

未央1人にされていたよりも奉仕は激しくはならない。
だが、擦れ合うおっぱい同士にイキそうになってる2人の熱い吐息が当って、さっきとは違った刺激を与えられている。
なんとか目の前のモノに奉仕しようと、もっと気持ちよくなろうと一心に押し付けてくる2人に、
ギリギリまで焦らされていた肉棒が耐えきれなくなっていく。


「ふふっ、んっ……こっちも、忘れないで、くださいね」

キスだけじゃ物足りなくなった藍子は、首筋に滴る汗を舐め取ろうとしている。
真っ赤な舌先に熱を持ったぬめりが、首や耳を舞い踊って、
あと少しで決壊しそうな意思を的確に砕こうとしてくる。

汗で滑るカラダを押し付けることで、藍子もその顔を蕩けさせている。
はぁ、はぁと吐息さえも混ぜ合いながら、キスを繰り返すこともやめない。

3人のアイドルが3人のリズムで気持ちよくなりながらも奉仕をしてくれる。
明るい内からこんなことをしているなんて、そんな背徳感が最後のトドメを刺した。

もうだめだ。
ふいに訪れた限界を目線で察したのか、未央がぱくっとモノを咥えた。

びゅるびゅるびゅると、溜まりきった熱が、放出されていく。
顔を見られながらちゅるちゅるっとしゃぶられて、最後の一滴まで離さない。
こくこくと飲み干されていく音は、なによりもいやらしく聞こえた。

「ぷぁ…、やっぱり苦ーいっ」

真っ赤な舌先に真っ白な精液を残して、ぺろりと舌を出した未央は、
ごちそうさまでしたとでも言いそうな顔だ。
茜も藍子も呼吸を乱しながらも、満足気な顔をしている。

昼の明るさの中に、汗でカラダをぬめらせて頬を上気させる女たち。
それは、これから始まる退廃的な宴には眩しすぎるような気がした。


「「「じゃん、けん、ぽんっ」」」

淫靡な空気など読まないように、呑気な声が蒸し暑い部屋の中に響いた。

「はい!はい! 私が先ーっ!」

そう言って、布団の上にごろんと仰向けに倒れる未央。
目に映る汗でびっしょりと濡れきったカラダは、出したばかりの肉茎に休む暇をくれないらしい。

「じゃあ、茜ちゃんは私がもっと気持ちよくしてあげますね」

「え、あの、藍子ちゃん。ひゃぁっ」

藍子は茜を後ろからぎゅっと抱きしめると、そのまま、隣の布団に押し倒した。
背後から、茜の芯のあるおっぱいに手を回しつつ、首筋に舌先を這わせる。
ぬるぬるとした身体を押し付けあって、茜の背中で擦れる乳首に、藍子もまた頬を染めている。

茜の目は完全にとろけてしまって、藍子にされるがままだ。
そんな2人のやり取りに目を奪われていると、引き締まった脚にぐいと引き寄せられる。

「よそ見厳禁だぞ~、今は未央ちゃんの相手、して欲しいな♪」

未央は引き寄せた脚をそのまま大きく広げて、もう待ちきれないとばかりに手も広げる。
暑さでやられた頭でもクリアに分かる。そこまでされて手を出さずにはいられるものか。
差し出された手を掴むと、そのままのしかかるように倒れ込んだ。


すでに陰唇からはどろりとした透明な液体が垂れている。
でも、未央にもちゃんと”お返し”してやらなくちゃならないよな。
暑さで煮えたぎった頭がそう告げている。

硬度を取り戻した竿を、秘唇に当てると、じらすように擦り付ける。
汗と愛液が混じって、ずりゅっずりゅっと秘部を滑る肉棒にまとわりつく。

「は、んっ……あ、ひぁっ……」

お預けするような行為は、お互いをさらに昂ぶらせていく。
腰が往復するたびに亀頭がクリトリスを弾き、未央のカラダがびくんと跳ねる。

「んんっ……ぷろ、でゅーさー、は、はやくっ」

懇願するような艶めいた声で誘われる。
それに答えるように亀頭の先端だけを浅く膣に潜り込ませた。
入り口付近をかき回されて、さらにぐちゅぐちゅと激しい水音が響く。

「っ、ひぃ…ぁ、はっ」

ちょっといじめただけで、未央の口の端からはよだれが垂れ落ちる。
そんな姿に、あんまり待たせるのも良くないだろうと意地の悪い笑みが溢れた。

放り投げられた箱からゴムを取り出して、汗と愛液と精液でどろどろになったモノにつける。
早くココを一思いに貫きたい、きっと俺も未央も気持ちいいに違いない。

「いくぞ」

「ち、ちょっと…まっ――ひゃあ゛っ」

一切の躊躇いもなく、一気に奥まで肉棒を突き刺した。
奉仕の間に蕩け始め、さらに責め苦を受けていた膣内は滾ったモノをあっさりと飲み込んだ。


貫いたモノを、カリ首をひっかけるように引き抜き、ゆっくりと深くまで犯す。
時間をかけることでじゅぷじゅぷと掻き混ぜられる卑猥な音が響き渡る。

未央の方も少しだけ腰を揺らして、より深くまで触れさせようとしてくる。
2人の微妙なリズムの違いが、いつもと違う場所を擦って、互いを昂ぶらせていく。

「あっ、ひっ……! ふぅっ、ふっ、うぅ」

互いのリズムに合わせて揺れる乳房を乱暴に掴んで弄ぶ。
乳房を揉みしだく粗雑な動きが、乳首を擦り、じりじりと快感を積み重ねる。

「お、おっぱい、ばっかりっ…んぁ、よわいとこなの、にっ」

びくんびくんと反れたままの身体を震わせて、口の端から唾液の糸を舞わせる。
力の抜けていくカラダとは対照的に、膣口はがっちりと肉茎を咥え込み、媚肉が射精させようと扱き上げてくる。

互いを求め合う心に歯止めが効かなくなっていく。
汗で滑るカラダを抑えつけて、俺は少しでも密着しようと腰を掴み、未央は脚で腰を絡め取ってくる。

蜜汁と汗にまみれた膣中で、もっと奥に奥にノックしようと、ピストンを繰り返した。
未央は切なげに悶え喘ぎ、カラダを反らして快楽に溺れていくようだった。


自分の手でモノで乱れていく未央を見て、頭がさらに快楽で蕩けていく。
もっと、もっとおかしくなってしまえと早鐘を打つ心が叫ぶ。

「っ、姿勢、変える、からな……」

「えっ……? きゃぁっ」

より密着しようと腰を挟み込んでいた片脚を持ち上げると、そのまま未央の身体を横に倒させる。

「んんっ、こ、これ……違うトコ当たって……ああっ」

そのまま脚を抜いて、未央の身体を回転させながらぐいっと持ち上げる。
いわゆる後背位、バックだ。

「未央はバックの方が好きだろ」

「そ、そう、だけど…んんっ、さぁっ」

腰をぱちんと打ち込むたびに、未央は甲高い嬌声をあげて、身をよじり、扇情的に腰を揺すった。
快楽に震えるお尻に合わせて、大きめのバストがぷるんぷるんと揺れる。
カラダの表面に浮かぶ珠のような汗で、沈み込むようにお尻を掴んだ手を滑らせてしまいそうだ。

栗色の髪を揺らして、未央の上半身が沈む。
ぐにゅっと胸は潰されて、滑るカラダと一緒にシーツと擦れ合っている。

「ひぅぅ、おくっ、あたって……んぅっ」

さっきとは違う余裕のない喘ぎ声に興奮させられてしまう。
もっと狂わせたい、普段の姿からかけ離れてしまったところをもっと見せて欲しい。

もはや体ごとのしかかるように、彼女の秘所を貫こうとする。
ぐちゅっ、ぐちゅっと水音に、ぱちん、ぱちんと叩きつけるような音が重なる。
止まることのない汗が潤滑油になって、わずかに竿の動きを変えていく。


「んああっ、ちょっと、ずつ、違うとこ、擦れてっ」

つい、ぬめるような汗に滑らせた片手がシーツを掴んでしまう。
もしかしかて……と、煮えたぎった頭の中で、悪魔のように閃く何かがあった。

「未央っ」

そのまま未央の右手をぎゅっと掴んで、カラダを持ち上げて軽く引っ張る。

「ひゃあ、や、らめ……! い、ぐうううぅ……!!」

きゅぅぅぅっと膣肉の締め付けがキツくなる。
しなやかな背中の表面には、珠のような汗が震えて、こぼれ落ちる。
どうやら軽くイッてしまったようだ。

「はぁっ、ふあっ……こ、これっ……プロデューサーに、犯されてる、みたいでっ……」

そう言ったが最後、もうまともな言葉を紡げなくなって、よく分からない声がすべてをかき消していく。
ちょっとMっ気があるとは思っていたがここまでとは。

「あ゛あああっ、や、やだっ、いくの、ああっ、とまらないよぅ」

暗い願望を刺激されたことで、暴走を止めない感覚が、未央の震える身体をさらに追い込んでいくように見えた。
足の爪先をぎゅっと丸めて、もう片方の手は引き裂いてしまいそうなほど、シーツを掴んでいる。
ぎこちなくカラダを反り返らせながら、ただ、されるがままにぐちゅぐちゅと内側を抉られ続ける。

急に暴走を始めた膣内は、もはや別の生き物のように動き回った。
自分の中でも、ギリギリまで抑え込まれ蓋をされた快感が、身体を跳ね回って何もかもを叩き落とそうとしてくる。
もう限界が近い。最後のトドメの一撃のように腕を引き、腰を突き出した。

「出るっ――」

未央の最奥に熱が叩きつけられ、絶対に逃げられないようにモノがねじ込まれる。
汗と愛液で真っ白になった膣口はぶしゅっと泡を立てた。
その動きがもう一度、彼女の絶頂を呼び込む。

「……っ…あ……うあぁ、んああああっ」

がくがくと未央の全身が痙攣し、火照った膣肉が絞り出すように締め付けを行う。
なかなか収まらない凄まじい吸い付きに腰まで持って行かれそうだ。

しばらく互いに快楽を貪り合ったあと、未央が疲れきった顔で満足気に笑いかけてきた。
やってしまったという後ろ暗さも、この笑顔にはいつも勝てない、そう思わせられる。


2回も射精したことで一気に脱力した身体を布団に預けると、今度は藍子が顔を出した。
横に目をやると、おもちゃにされていたはずの茜はビクビクと身体を揺らして突っ伏している。

「ふふっ、Pさんはそのままでいいですよ」

柔らかく扇情的な笑みを見せた藍子は、ぱぱっとゴムを外すと、新しいものをペニスに付け直す。
こういうとこに慣れているというのも複雑な心境だなと絶え絶えの呼吸の中で思う。

「まだ、硬いまま、ですね……おじゃま、しますっ」

さっきと同じように馬乗りになった藍子は、萎える気配のないモノをそっと握りしめると、自分の秘所へと導く。
ぐちゅっと挿入される音がして、続いて腰と腰がぶつかる少し高い音が聞こえた。

「んぅっ……はっ、あぁんっ」

藍子は自分のカラダを俺のカラダに預けるように腰を揺らしてくる。
何度も精を吐き出したせいで敏感になっているモノは、キスをするかのように子宮口へと肉傘を押し付け、ぐいぐいと圧迫していく。
そこに加わる縦横無尽な藍子の動きは、すぐにでも屈服してしまいそうなほどだ。

「ぷはっ、んんっ、私の、ナカは、気持ち、いいですかっ」

跨りながら、何度も上下に運動を繰り返す。
湿った肌が擦れ合う音、ぐちゃぐちゃとした水音、乱れきった彼女の吐息に、ただ犯されている俺のくぐもった声。
その表情は、ゆるふわな彼女のものではない。彼女はただ、いやらしく笑っていた。

藍子は全部、全部、分かっているのだ。
控えめなカラダだからこそ、こうして隙間もないくらいに密着して愛されることができることを。
どんな攻め方をすれば藍子も、自分も、もっと、もっと快楽を貪ることができるのかを。

控えめだけどいいんですっと笑っていた彼女は、言葉の通り、遠慮会釈なく、性に貪欲だった。


「はぁっ…ぷぁっ…ここ、気持ちいい、ですよね」

上半身を密着させ、両手で俺の首を抱きながら、舌先で口内を蹂躙してくる。
汗で濡れきったカラダを擦り付けることで、乳首が胸板に当って擦れる快感に藍子が嬌声をあげる。

発情しきったカラダは、早く早くと急かすように膣肉をうねらせて、肉茎を扱き上げていく。
亀頭を全方位から不規則に刺激してくる、熱い感覚。
一度藍子にペースを握られてしまったら、もうどうにもならないんじゃないかと思わされてしまう。

搾りとられる。そう表現するしかなかった。
腰をくねらせながら、上に下にと動いて、容赦なく男根を弄んでくる。
耐えきれなくて声を漏らす度に、彼女は、その吐息ごと、唇で奪いにかかる。

肉ヒダがモノに吸い付き、子宮口は先端に張り付き、ぐちゅぐちゅと音を立てながら咥えこんでくる膣口。
愛液と汗で濡れたカラダは鈍く光って、しなやかな髪は揺れて、美しいとさえ思った。

暑さと気持ちよさで頭が上手く回らない。
このまま情けなくイかされたい。藍子に空っぽになるまで精を搾り取って貰いたい。
でも、それ以上に、もっと乱れた姿が見たい。


カラダが屈服してしまう前に、藍子の軽い身体をぐっと持ち上げることができた。
そのままくるっと背中を向かせると、もう一度、藍子の秘所を一気に貫く。

「ひゃっ…えっ、んんっ……ダメっ、ダメですっ」

背面座位になったことで、形勢が一気に入れ替わった。
汗と愛液がぼたぼたと零れ落ちる綺麗な脚が、てらてらと光る藍子のカラダが、陽の光に曝されて眩しい。
その眩しさは、誰かに見られてしまうかもしれないと錯覚させるような魔法に思えた。

お返しとばかりにぐちゅぐちゅと肉茎で突き上げながら、後ろから見える真っ白なうなじに優しく口を寄せる。
ちゅっと首筋に跡をつけていくたびに、藍子のカラダが跳ねて、嬌声をあげた。

「あーちゃん、乱れてるね?」

「藍子ちゃん、さっきのお返しですっ!!」

十分攻められはじめていたところに、新しい刺激が加わった。
未央が繋がり合っている部分に、茜が藍子のぷっくりとした乳首に舌先を寄せたのだ。
ぶしゅぶしゅと零れ落ちる愛液をすくうような舌の動きは、膨れ上がったクリトリスを巻き込んで、スパークのような衝撃を走らせた。
乳房から乳輪へ、乳輪から乳首へと至るねぶるような舌の動きは、微弱な電流のようなもどかしさを植え付けていく。

「はっ、ぅっ…だ、だめっ…とまってっ」

3人がかりで攻められた藍子のカラダはだらしなく脱力し、脚がだんだんと開いていくのを止められない。
それが藍子の羞恥をあおり、さらに未央と茜の加虐心をくすぐっていく。

力の抜けたカラダは、一気に男性器へと体重をかけ、それによって深く刺さったモノがより強烈な快楽を生み出す。
おまけとばかりに下からえぐるように腰を打ち付けると、藍子は悲鳴のような喘ぎ声を響かせた。


「む……むりですっ……こんな、きもち、よすぎ……て」

恥ずかしい格好で突き上げられたまま、胸を茜に、恥丘を未央に攻め立てられて、藍子に余裕など微塵も残っていない。

「っ…ふたりとも、やめ……やめて! あ、あぁぅ…!」

藍子はびくん、びくんと背中を反らしたままの身体を震わせて、何度も達してしまう。
振り乱した長く艶やかな髪は、零れ落ちるように汗を舞わせる。

そのたびに淫乱な膣はきゅうきゅうと震えて、強く締め上げてくる。
それでも、快楽に負けじと、腰を上下させて、モノを扱き上げることを藍子はやめない。
こんなのいつまでも我慢できるわけがない。

「んっ…くぅ…! 出す……ぞ!」

びくん、びくんと男根が脈打って白く弾ける。
薄い膜を鉢切らんとするばかりの熱くドロドロした液体が、満ち溢れるのを感じた。

「ん…、ふぁ、あつい、あついですっ…」

お互いに強く余韻の残る快楽を押さえつけようと、酸素を求めて荒く息をつき続ける。
精を吐き出しきった肉棒は、なかなか鎮まりきらずに秘所から抜け落ちることを拒んでいた。

いまだに不規則に痙攣する藍子の細いカラダは、一度だけ大きく揺れると、
そのままぷつりと事切れるように布団に倒れ込んだ。

「あちゃー、やりすぎちゃったかも」

「藍子ちゃん!! 大丈夫ですか!」

うつ伏せの藍子が首だけ傾けて、力なく笑った。
なんとか大丈夫そうだ。まぁ、きっと未央が見ててくれるだろう。


藍子の姿に安心した茜が、もじもじとしたかと思うと、蕩けきった顔で手を引いてくる。
次は私の番だと声に出さない控えめなおねだり。

真っ白なシーツの上に優しく押し倒すと、どちらからともなく口付けをし合う。
茜はえっちなことを極端に恥ずかしがるから、やりすぎないように気を遣っているつもりだ。

そのへんは回数を重ねて分かっているのか、未央も藍子もぐだっと布団に転がったまま、何もしてこない。
時々、お互いにキスを交わしては、緩やかに微笑んでいる。

「えへへ……プロデューサー、しましょう……!」

さっとゴムを付け直していると、茜はふいと目を逸らしつつも、優しくペニスに触れる。
りんごのように顔を赤くした少女も、その時を待ち望んでいるのだと思うと愛しくてしょうがない。

ぐっと身体を起こすと、茜の膝の裏に腕を入れ、大きく脚を開かせる。
藍子にされるがままにされたせいもあって、すでに秘所は濡れそぼって、迎える準備はできているようだ。

そのまま優しく抱きしめるように体重をかけながら、ぐっと腰を突き出して挿入する。

「は……ぅ……!」

体温の高い茜の膣内は、鉄の塊のような肉茎でさえ溶かしてしまいそうな熱さだった。
あまりシてないせいか、ぴったりと膣肉が張り付き、誰よりもキツく締め付けてくる。


茜の膣中はぎゅうぎゅうと締め付けながら、生き物のような吸い付きで奥へ奥へと引きずり込んでくる。
これでは、3回も精を出し切ったモノには刺激が強すぎて、楽しむ前にあっさりと屈服してしまう。

奥へ進むのを諦めた俺は、浅い部分でカリを引っ掻くように出し入れする。
まだ慣れきっていない茜にはこれが良かったのか、モノが抜けかかるたびに、カラダがぶるりと震える。

「んぁっ…そ、そこっ…」

溢れ出る蜜汁は、ねっとりと糸を吐きながら、さらさらとした汗と混じって、シーツや下腹部を濡らしていく。
ぐっちゃ、ぐっちゃと混ぜ合いながら、ギリギリまで引き抜くと、陰唇が卑猥にめくれ上がるのが分かった。

亀頭の傘が肉ヒダを擦って捲り上げ、凸凹を抉るように掻き混ぜて、ぞくぞくとした快感がこみ上げてくる。
茜も同じように気持ち良いのか、突き出したお尻を震わせて、はしたなく喘ぎだす。

「ふぁ……ああっ…プロデューサー、プロデューサーっ」

小鳥が啄むように、軽い口づけを何度も交わす。
汗も、呼吸も、唾液も全部混ぜ合うように、唇を重ね合う。
ふいに手を頭に伸ばすと、一際大きく茜の身体がびくんと跳ねた。


「ダメっ、んんっ、ダメですっ」

快楽を浴び続けてきたせいで、全身が性感帯になってしまっているようだ。
手、足、お腹、お尻、乳房……どこをさすっても切なげな嬌声が返ってくる。
体感したことのない快楽の沼にハマりかけて、首を振る茜の目には、少しばかりの恐怖が浮かんで見えた。

「て、て、つないで、くださいっ!」

そんな懇願の声に答えて、両手をぎゅっと握ってやる。
きつく握りしめるだけでびくびくと膣中も震え上がるけれど、その目に恐怖は映らなくなった。

むしろ安心して快楽に身を任せ始めたのか、茜からは一層大きな嬌声が上がった。
ほぐれたことでより敏感にうねるようなヒダの動きをしている媚肉をかき分けながら、俺は大きなストロークをし始めた。
もうイってしまっても構わないと、子宮口を目指して、奥へ奥へと肉棒を押し入れていく。

徐々に大きく、鋭くなっていく茜の喘ぎ声に、くねくねと物欲しそうに蠢くカラダに。
茜への気遣いなどとうに忘れてしまって、欲望のままにぐりっと子宮口に亀頭を押し付けた。

「はっ……ひっ……ぎぃ、いっ」

声にならないような叫びと共に、急激に中が痙攣を起こした。
茜は慌てて口を抑えようとするが、手が塞がっているのでどうしようもない。
結合部分からは、ぷしゅっと音を立てて潮が吹き出し、もはやぐしゃぐしゃになっているシーツを汚していく。

顔を真っ赤にして、見ないでくださいと言わんばかりに目を逸らす。
そんないじらしい姿は、俺の情欲を掻き立ててしまうだけだ。
耐えきれなくなった俺は、ラストスパートとばかりに腰を叩きつけ始めた。


「うっ……ぐぅっ……やぁっ、はぁっ」

声を必死に我慢しようとして、それでも恥ずかしそうな声が口からこぼれ落ちる。
普段あんなにはつらつとして元気な茜が、セックスの時には大人しくしおらしく喘ぐ。

その落差に女を感じずにはいられない。
よりいっそう焚き付けられて、早くイかせて、精液を注ぎ込んで、自分だけのモノにしたいと思ってしまう。

「いくぞっ――」

もう限界だった。
根本まで埋没させた肉棒をぐいっと押し付けると、
びくびくと脈打ったそれは、茜の中に大量の精液を注ぎ込んでいく。

さっきイッたばかりの膣内は、身体に残っているすべての精液を絞り出すように、
2度、3度と収縮を繰り返し、締め付けてきた。

「はぁ……はぁっ、Pさん……」

あまり呼ばれることのない自分の名前が呼ばれる。
残された力で縋り付くように身体を抱き締められて、けして離すまいとしているかのようだ。

ふいにこみ上げる愛しさに茜の頬を撫でると、
茜は嬉しそうに微笑んで、滲んだ汗もそのままに頬をすり寄せてきた。


茜をもう一度優しく抱きしめたところで、俺も限界が来て、目の前がくらっとする。
4人とも、カラダは汗でダラダラで、絶え絶えの息が白くなって消えていく。
やりすぎたなと、みんなで目を合わせて、力なく笑った。

茜が持ってきてた麦茶のことを思い出して、ちゃぶ台の上のコップを手に取って飲んでみる。
コップも俺たちと同じように滝のような汗をかいていて、俺はなんとなく次に言う言葉が分かった。

「「「「ぬるい」」」」

ずっと放置されていた麦茶は、すっかりぬるくなってしまっていた。
まぁ、火照ったカラダにはきっとちょうどいいくらいだ。

「わ、私、冷たい麦茶入れてきますね」

藍子がぱたぱたと台所の方へと向かう。
残り3人はすっかり脱力して、たくさんの汗を吸った布団の上に寝転んだ。

「プロデューサー、はりきりすぎだよ~」と未央が抗議してきた。

「あんな誘うような格好をするのが良くないんだろ」

その気がなかったといえば嘘になるが、自分ばかり攻められるのはいただけない。
いつからこんな関係になってしまったのか。もう思い出せもしないことに少し怖くなる。

最初は俺からだったか、彼女たちからだったか。
アイドルとプロデューサーだとか、未成年だとか少しくらいは悩んだりしただろうか。
俺はこんなに享楽を求める堕落的な人間だっただろうか。

「夏だからね、仕方ないよ☆」

未央の一言は、そんな気持ちをうやむやにするには十分だった。
そうだな、ぜんぶ、ぜんぶ、夏のせいだ。

その暑さに、なにもかも溶けてしまえばいいんだ。


藍子がお盆に4つの麦茶を乗せて戻ってくる。
ちゃぶ台に置かれたそれをぐいっと呷ると、ドロドロになった身体にも少し落ち着きが戻ってくるような気がした。

「ぷはーっ。やっぱり麦茶は冷たくないとね!」

「ちょっとおじさんみたいですよ! 未央ちゃん!!」

未央と茜がそんなことを言い合っているのを寝転びながら眺めていると、藍子の姿が見えないことに気づいた。

「んぅっ、むっ…ちゅ、れろっ……」

下半身に目をやると、藍子は、逸り切っていない男性器にキスを浴びせて、そのまま咥えこんできた。

「おわっ、冷たっ」

「ぷぁっ……ふふっ、お口を冷やしてきました。まだ、頑張れますよね?」

まだまだこれからだと言わんばかりに、上目遣いのまま柔らかく微笑む藍子。
それを合図にしたのか、茜がゆらりと動いた。

「ぷ、プロデューサー!! その、もう吹っ切れました! もっと一緒に気持ち良くなりましょう!!」

茜に顔をぐっと捕まえられたかと思うと、唇を吸われた。
熱に浮かされた舌先が前歯をさっと撫でると、貪るように口内に滑り込んでくる。

「あふっ……ん、ちゅ……ちゅう、んぅ……」

「あちゃー。あかねちんも覚醒しちゃったね」

どこまでも楽しそうに未央が言う。
もう一度、情欲に火がつくのを感じる。これは、もはや止められない。

ちゃぶ台に置かれた麦茶は、きっとまたぬるくなってしまうのだろう。
汗だくのままえっちして、休んで、えっちして、なんて頭の悪い夏休みだろうか。

ポジティブパッションとの夏下がりは、まだ、まだ、終わらない。


おしまい。

忘れていた夏休みの宿題を提出しにきました。
まだまだ暑い日が続くということで許してください。
爽やかに健康的なポジパはえっち、やったぜ。


すみません、文字化けがありました。
最初の方の未央のセリフで「?」になってるのは、「~」です。

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