モバ・ミリP「ロリでおませなさそり座の女」 (23)

モバマスとミリマスのアイドルが出てきます

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とあるテレビ局の楽屋にて


梨沙「………」

桃子「………」

梨沙「………」

桃子「………」



梨沙・桃子(居づらい空気………)

桃子(シンデレラプロのアイドル、的場梨沙……12歳だから、桃子のひとつ上)

桃子(今日収録のお料理番組で桃子と共演する子で、10分くらい前に、向こうのプロデューサーと一緒に桃子の楽屋へあいさつに来た)

桃子(最初はうちのお兄ちゃんとあっちのプロデューサーが世間話をしていたんだけど、その時ふたりの携帯に同時に着信が入って)

桃子(すぐに戻るからと言い残して、ふたりとも部屋を出て行っちゃった)

桃子(それで、桃子とこの子がふたりきりで残されちゃったわけなんだけど……子供相手って、正直距離感がつかみづらいんだよね)



梨沙(765プロの周防桃子。さっきプロデューサーが言ってたけど、11歳ってことはアタシの一個下か)

梨沙(アイドルになる前から芸能界にいるって聞いたけど……えっと、なにしてたんだっけ。さっきプロデューサーが言ってた気がする)

梨沙(えっと、ええと……んー、喉まで出てるのに思い出せない! 気持ち悪い!)ジーー

梨沙(なんか視線逸らされてる気がするけど、いいわよね? 直接聞いても)

桃子(なんだか睨まれてる気がするけど、桃子をライバル視でもしてるのかな。事務所が違うからありえるけど)

桃子(うー、落ち着かない……これだから初対面の人の対応って好きじゃないんだよ。今日もお兄ちゃんに任せようと思ってたのに、いなくなっちゃうし。お兄ちゃんのバカ)

梨沙「………」ジーー

桃子(でも、芸能界の先輩の前でスマホをいじるとかそういうことはしないみたい。最低限のマナーは守れてる感じかな)

桃子(桃子が子供だと思って、対応が雑になる人って大人でも結構いるからなぁ。そこは褒めていいかも)

梨沙「………」←そもそも携帯持ってないだけ



梨沙「ねえ」

桃子「っ! はい、なんですか?」

梨沙「アンタって、アイドルになる前はなにしてたの?」

桃子「……子役だけど」

梨沙「あ、それだ! さっきプロデューサーが言ってた天才子役ってやつ! すっきりしたわ、ありがと」

桃子「………」

桃子(わかった。これ、敬語使わなくていい子だ)


梨沙「プロデューサーたち、遅いわね。なにしてるのかしら」

桃子「思ったより電話が長引いてるんだと思う。ふたりともっていうのは、ちょっと運が悪いけど」

梨沙「アタシを待たせるなんて、あとで甘いものでも奢ってもらわなきゃ」

桃子「甘いもの?」

梨沙「ええ。ホットケーキとかいいかも」

桃子「ホットケーキ、好きなの?」

梨沙「好きよ。特にハチミツがいっぱいかかったやつ。アンタもホットケーキ好き?」

桃子「うん」

梨沙「どんなのが?」

桃子「ん……いちごがたくさん乗っているやつ」

梨沙「なるほど。ホットケーキといえば、アタシパンケーキとの違いがよくわかってないのよね」

桃子「それ、もともとは違いはないらしいよ」

梨沙「へえ、そうなんだ」

桃子「でも、ホットケーキはおやつむけ、パンケーキは普通の食事向けってされてるみたい。だからホットケーキのほうが甘めなんだって」

梨沙「ふーん。アンタ、物知りね」

桃子「覚えるのは得意だから」

梨沙「台本とか?」

桃子「そういうこと」

梨沙「アタシもね、歌詞とか台本とか覚えるの早いって褒められるの。アンタと同じね!」

桃子「同じ……」

桃子(ちょっと馴れ馴れしいかも、この子。さっきからアンタアンタって言ってくるし……同じ事務所ならともかく、別のプロダクションなのに)

梨沙「あ、そうだ。桃子に聞きたいんだけど」

桃子「えっ」

梨沙「? どうかした?」

桃子「いや、桃子って、名前で呼ばれたから」

梨沙「なに? 苗字で呼んだほうがよかった? ありすみたいなこと言うのね」

桃子「ありす?」

梨沙「うちのプロダクションの橘ありすって子。あの子も苗字で呼べって最初はよく言ってたのよね。『橘です』って」

梨沙「周防って呼んだほうがいい?」

桃子(ああ。これ、最初からさん付けとかちゃん付けとか選択肢にないやつだ)

桃子「……桃子でいいよ」

梨沙「そう? じゃあ桃子、アタシのことも梨沙でいいからね」

桃子「うん、わかった」


桃子(シンデレラプロには、765プロに負けず劣らず個性派アイドルが多いって聞いたけど。この子はたぶん、生意気だ)

梨沙「喉渇いたわね。ジュースでも買ってこようかしら。桃子、アンタもなんかいる?」

桃子「え?」

梨沙「ジュース。なにが好き?」

桃子「……オレンジ?」

梨沙「オッケー♪ 買ってくるわ。すぐそこに自動販売機あったはずだから」



ガチャ、バタン


桃子「………」

桃子「まあ。生意気だけど、先輩にジュースを奢ってくれる姿勢は評価してあげてもいいかな」




5分後


梨沙「はいオレンジジュース。160円」

桃子(普通にお金要求してきた)


梨沙「そういえば、さっきから気になってたんだけど」

桃子「なに?」

梨沙「そのソファーの隣に置いてる箱みたいなやつ、なんなの?」

桃子「これは踏み台だよ」

梨沙「踏み台? 何に使うの?」

桃子「お兄ちゃんとか、背の高い人と話すとき」

梨沙「え………もしかして、持ち歩いてるの?」

桃子「なに? 文句でも――」


梨沙「革命的だ……!」

桃子「……え?」

梨沙「名案ね、それ! アタシもマイ踏み台買って持ち運ぼうかしら!」ウキウキ

桃子「……変だと思わないの?」

梨沙「え、なんでよ。桃子は変だと思ってやってるの?」

桃子「………」

桃子「ううん、そんなことないよ」クス

梨沙「だったらいいじゃない。ねえねえ、それどこで買ったの? 教えてよ。今月まだおこづかい残ってるからすぐに買えるし」

梨沙「それがあれば、アタシもプロデューサーといつでも同じ目線で立てるし!」

桃子「同じ目線、か……」

桃子「うん、教えてあげる。これはね、駅前の――」 



梨沙「桃子は、自分のプロデューサーのことを『お兄ちゃん』って呼んでるの?」

桃子「うん」

梨沙「兄妹なの?」

桃子「ううん、違うよ」

梨沙「じゃあ親戚とか」

桃子「全然」

梨沙「………」

梨沙「桃子。アンタのプロデューサーもロリコンなの?」

桃子「どうしてその結論にいったの」

梨沙「え……だって、自分の担当アイドルにお兄ちゃんって呼ばせてるんでしょ?」

桃子「呼ばせてるわけじゃないよ。桃子が自分から呼んでるの」

梨沙「あ……そうなんだ。ならいい……のかしら?」

桃子「でもお兄ちゃん、桃子に『お兄ちゃん』って呼ばれるとうれしそうかも」

梨沙「やっぱりロリコンね! 気をつけなさいよ桃子」

桃子「そんなことないと思うけど。だって桃子は大人だし、お兄ちゃんとはビジネスライクな関係だし」

梨沙「びじねすらいく?」

桃子「仕事だけの関係ってこと! 桃子もお兄ちゃんも、プロなんだから」

梨沙「仕事だけの関係なのにお兄ちゃんって呼ぶの?」

桃子「む……それより、さっき『アンタのプロデューサーもロリコン』って言ったよね。ということは、梨沙のプロデューサーは」

梨沙「ロリコンのヘンタイよ」キッパリ

桃子「よくそんな人の担当でいられるね……」

梨沙「いや、まあね? プロデューサーは確かにロリコンでヘンタイで時々キモいんだけど、仕事はできるし結構気も利くし、アタシのことよくわかってるし……」

桃子「……好きなの?」

梨沙「んなっ!? べ、べつに好きってわけじゃないわよ! 信頼できるってだけ!」

桃子「へえ~~」ニヤニヤ

梨沙「……アンタ、最初はおとなしいかと思ってたけど案外生意気ね」

桃子「そっちこそ。桃子のほうが芸歴長い先輩なんだよ?」

梨沙「アタシのほうが年上なんだけど」

桃子「芸能界は年齢よりも芸歴だよ、芸歴。それに、桃子だって11月になったら12歳になるし」←11月6日(さそり座)

梨沙「11月になったらアタシは13歳よ!」←11月19日(さそり座)

桃子「誕生日近いんだ」

梨沙「それにアタシのほうが背高いし」スクッ

桃子「背は同じでしょ!」スクッ

梨沙「ほらアタシのほうがちょっとだけ高い」

桃子「それ頭のてっぺんのくせっ毛のぶんじゃないの」

梨沙「そんなことないもん!」

桃子「どうかな~?」

梨沙「なによー! こうなったら絶対アンタのより大きい踏み台買ってやるんだから!」

桃子「あー、そういうことするんだ! 運べないサイズになっても知らないんだから!」



ガチャリ


モバP「ごめんごめん」

ミリP「電話が長引いちゃって……」


梨沙・桃子「遅い!! 正座!!!」


モバP「うおっ、息ぴったり」

ミリP「仲良くなったみたいですね、ふたり」


梨沙「こうなったら、この後の料理対決で決着をつけるわよ!」

桃子「望むところだよ。桃子の実力、見せてあげる」


モバP「すみません。うちの的場が」

ミリP「いえ、こちらこそうちのアイドルが……でも、桃子が初対面の子とここまで打ち解けているのは、珍しいです」

後日


モバP「ここか。新しくできた喫茶店」

梨沙「ここのホットケーキが評判いいのよ。だから、パパとのデートの予行演習で特別にアンタを連れてきてあげたの」

モバP「はは、それはうれしいな」


カランカラン


店員「いらっしゃいませー」


桃子「いい? ここのホットケーキすごくおいしいらしいから、お兄ちゃんにも味わわせてあげようって特別に連れてきてあげたんだからね」

ミリP「そうか、ありがとう」


梨沙「あ」

桃子「あ」


モバP「あはは。これはこれは、奇遇ですね」

ミリP「先日はどうも、お世話になりました。よかったら、ご相席でも――」




梨沙「………」

桃子「………」

梨沙「この前の収録。アンタの作ったいちごたっぷりのホットケーキ、おいしかったわ」

桃子「梨沙の作ったハチミツたっぷりのホットケーキも、おいしかったよ」

梨沙「……ふふっ」

桃子「ふふ」


店員「ご注文は何にいたしましょうか?」


梨沙「そうねえ」

桃子「今日は」


梨沙・桃子「いちごとハチミツたっぷりのホットケーキ!」



おしまい

おまけ


桃子「ねえお兄ちゃん」

ミリP「なんだ?」

桃子「お兄ちゃんって、ロリコンなの?」

ミリP「ぶっ!? 桃子、どこでそんな言葉」

桃子「梨沙が言ってた」

ミリP「シンデレラプロの的場梨沙ちゃんか……なぜそんなことを」

桃子「いいから答えて。お兄ちゃんは、小さい子供が好きなの?」

ミリP「………」

ミリP「違うよ。俺は子供だから好きなんじゃなくて、桃子だから好きなんだ」

桃子「………」

桃子「べつに、桃子が好きかどうかなんて、今は聞いてないでしょ」

ミリP「はは、それもそうだな」

桃子「……ほんと、お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだから」ニヘラ



梨沙「ねえプロデューサー」

モバP「なに?」

梨沙「プロデューサーも、アタシに『お兄ちゃん』って呼ばれるとうれしいの?」

モバP「ぶっ!?」

梨沙「その反応、図星ってところね。やっぱりロリコンのヘンタイ……」

モバP「待て待て! 誰もそんなこと言ってないだろう!」

梨沙「でも桃子のプロデューサーはそうらしいし」

モバP「そうなのか? いや、仮に向こうがそうだとしても俺とは関係ないだろう」

梨沙「どうかしら」

モバP「まったく……飛鳥、なにか言ってやってくれ」

飛鳥「なんだいお兄ちゃん」

モバP「飛鳥~~!」

飛鳥「ふふっ。たまにはボクがからかう側になるのも悪くないね」

心「元気出せ、お兄ちゃん☆」

モバP「あ、心さんのはちょっと冗談抜きでキツいです」

心「おい☆」



おまけおわり

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
的場梨沙と周防桃子、B型のさそり座同士ということでなかなかいい組み合わせなんじゃないかと思います

過去作
二宮飛鳥「七夕アフター」 佐藤心「そうめん食べるぞ☆」
相馬夏美「そんなことない」
モバP「速水はキスがねっとりしていそうだな」

などもよろしくお願いします

確かに結構いい感じですな
乙です

>>2
ミリオンライブより
周防桃子(11)
http://i.imgur.com/PEjYBPq.jpg
http://i.imgur.com/KjVxVKZ.jpg

シンデレラガールズより
的場梨沙(12)
http://i.imgur.com/NeRGXbA.jpg
http://i.imgur.com/YZRm0g8.jpg

>>15
二宮飛鳥(14)
http://i.imgur.com/GZ71izt.jpg
http://i.imgur.com/K0vDXRJ.jpg

先輩は合法

>>15
佐藤心(26)
http://i.imgur.com/iqmdAAV.jpg
http://i.imgur.com/dYs8GA9.jpg

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