トレイン「姫っちが日記を始めたって?」 (28)

スヴェン「ああ、昨日からな」

トレイン「でもなんで急に始めたんだよ? あんた、何か唆したのか?」

スヴェン「ちげぇよ」

イヴ「私が自分で始めたんだよ」

トレイン「お、噂をすれば」

イヴ「日記をつけたらいろんな事が起こると思って」

トレイン「なんだよそれ」

イヴ「例えば読み返すと、あの時にこんな事があったんだなって振り返れる事ができるし」

イヴ「後は毎日書き続けることで達成感を得たりとか」

トレイン「ふーん」

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スヴェン「ま、トレインには無理だろうな」

イヴ「そうだね」

トレイン「あー確かに無理かもなー。 そんなん書こうとも思わねーし」

イヴ「じゃあ後で日記にトレインが嘆いてたって書いとこ」

スヴェン「おっ、いいなそれ」

トレイン「いや、どこがいいんだよ」

その日の夜、イヴの部屋

イヴ「……もう寝ようかな」

イヴ「……寝る前に日記書かなきゃ」

イヴ「えっと……確か今日は……」

イヴ「……」スラスラ

別の日

トレイン「ふあ~あ……」

トレイン「……ん?」

トレイン「なんだあいつら……出掛けてんのか」

トレイン「……」

トレイン「まぁいいや、俺もメシ食ったらどっか出かけて……」

トレイン「……ん?」

トレイン「なんだよ姫っち。 日記、リビングに置いてやがらあ」

トレイン「……」

トレイン「……ちょっと見てみるか」

トレイン「どうせ長い文章でつまん……」

トレイン「……!!」

トレイン「……」

トレイン「……」パタン!!

トレイン「……」

トレイン「マジか姫っち……」

トレイン「……!!」

トレイン「そうだ、いい事思いついた♪」

スヴェン「帰ったぞー」

イヴ「まだ寝てるんじゃない?」

スヴェン「はは、確かにそうだな」

スヴェン「……ん?」

イヴ「どうしたのスヴェン」

スヴェン「おいイヴ、日記が机の上に置きっぱなしになってるぞ」

イヴ「!!!!」

サササッ

イヴ「あ、ありがとうスヴェン。 ちゃんと部屋に置かなきゃね」

スヴェン「ああ、日記ってのは他人に見せるんもんじゃねーからな」

スヴェン「俺は見ねーけど……トレインは見ちまうかもしれないからな」

イヴ「う、うん」

トレイン「ふあ~あ……」

スヴェン「今起きたのか」

トレイン「んー……まあな」

イヴ「……」

トレイン「……どうした姫っち」

イヴ「? なんでもないよ」

トレイン「そっか」

トレイン「……」

トレイン(姫っちは内心安心してるだろうな)

トレイン(俺がたった今起きたっつー嘘によって俺が日記を見たって可能性がなくなるからな)

トレイン(だってあの日記には……)

スヴェン「おいトレイン、メシできたぞ」

トレイン「! おーサンキュー」

イヴ「ありがとうスヴェン、いただきます」

スヴェン「イヴはちゃんといただきますが言えて偉いな」

その日の夜

イヴ「今日はスヴェンと買い物に行った……」

イヴ「……」

イヴ「明日も買い物に行けたらいいな」

イヴ「……えへへ」

トレイン「……」

トレイン「姫っちのあの日記……」

トレイン「……」

トレイン「……!! そうだ、明日は……」

次の日

トレイン「スーヴェンちゃん♪」

スヴェン「……なんで起きて早々お前の顔を目の前で見なきゃいけないんだ」

トレイン「まーまー。 どっち道見るんだしいいじゃんか」

スヴェン「そんで……なんかあったのか?」

トレイン「出かけようぜ、2人で」

スヴェン「は?」

トレイン「2人で行くと安くなる飲み屋があんだよ。 行こうぜ」

スヴェン「朝っぱらから何考えてんだお前は……それにイヴにもまだ朝飯作ってないんだぞ」

トレイン「あいつの事だから大丈夫だって。 ほら、姫っちが起きる前によ」

スヴェン「……何を企んでやがる」

トレイン「姫っちにサプライズだよサプライズ」

スヴェン「……サプライズ?」

トレイン「まぁ詳しい事は飲み屋で話すからよ」

スヴェン「……」

イヴ「スヴェン! おは……」

シーン……

イヴ「あれ、いない……」

イヴ「……トレインもいない」

イヴ「どこに行ったんだろう……時間が経てば帰ってくるかな?」

スヴェン「いいか!!/// 紳士ってのはなぁ!!///」ガミガミ

トレイン「おーおー」

スヴェン「お前は!! 本物の!! 紳士になりたいかぁ!!///」

トレイン「おーおー」

トレイン「……」

トレイン(さぁて……姫っちは今頃どうしてるかな)

イヴ「……」

イヴ「二人とも遅いなぁ……」

プルルルル……

イヴ「!!」

ガチャッ

イヴ「スヴェン! 大丈夫!? 今どこにいるの!?」

トレイン『もしもーし、姫っちかー?』

イヴ「! トレイン……?」

イヴ「今どこにいるの?」

トレイン『いやー悪いなー。 スヴェンちゃん、めちゃくちゃ酔っててよー。 とても帰れそーにねーわ』

イヴ「え?」

トレイン『だからよ、今日はホテルに泊まるわ。 晩御飯は冷蔵庫にあるもん適当に食べてくれ』

イヴ「ま、待って!! スヴェンは!? スヴェンの声を聞かせて!!」

トレイン『いや、もうすっかり寝てるから声なんて聞けねーよ。 じゃあな』

ガチャ

イヴ「……」

イヴ「スヴェン……」

次の日

トレイン「たーだいまー」

イヴ「お帰り」

トレイン「お、やけに目が赤いな。 寝てねーのか?」

イヴ「うん」

スヴェン「zzz……」

イヴ「……本当に酔って寝てるんだね。 トレインのことだから嘘だと思った」

トレイン「おいおい、信用しろよ」

トレイン「しかしまぁ……昨日は残念だったな、姫っち」

イヴ「?」

トレイン「日記が書けなくて」

イヴ「!!!!」

イヴ「日記……見たの?」

トレイン「◯月×日……髭が1ミリ伸びた」

トレイン「髪型は昨日の方が好み」

イヴ「!!///」

トレイン「眼帯の角度◎、紳士と言った回数32回」

トレイン「最近、仕事を頑張ってるからとアイスをくれた。 スヴェンはいつでも優しい」


トレイン「次の日は確か帽子のかぶり方がどうのこうのって……」

イヴ「ーーーーーーー!!!///」

トレイン「いやー驚いたぜ。 まさか姫っちの書いてる日記が……」

トレイン「……スヴェンの観察日記だなんてな」

イヴ「……」

イヴ「ス、スヴェンには? スヴェンには言ったの?」

トレイン「いや?」

イヴ「こんな変な日記、スヴェンに見られたら……変な目で見られちゃうよ」

トレイン「だーい丈夫だって。 俺が内緒にするからよ」

イヴ「……信用できない」

トレイン「おいおい……」

トレイン「まぁちょっとした出来心で見ちまってよ、それは悪かった」

トレイン「姫っちいじめるの楽しいからついイタズラしちゃってさー」

イヴ「……!! もしかしてスヴェンと一緒に出かけたのは……」

トレイン「そゆこと、観察日記書かせない為」

イヴ「……決めた」

トレイン「?」

イヴ「私、もう一つ日記を書き始める」

その後

イヴ「おはようスヴェン」

スヴェン「おう、おはようイヴ」

イヴ「……あれ、トレインは?」

スヴェン「ああ、あいつなら朝早く出かけたぞ」

イヴ「どこに?」

スヴェン「散歩っつってたな……後、訳の分からんことも言ってたな」

イヴ「?」

スヴェン「『姫っちに日記を書かせない』って……」

イヴ「!!」

スヴェン「イヴ……トレインに何かされたのか?」

イヴ「……ううん」

イヴ「……」

イヴ(……いつかバチが当たればいいのに)

トレイン「~♪」

トレイン「悪いな姫っち、今回はお前に小さな不吉を届けてやるぜ」

トレイン「……俺の観察日記を書かせないっつー不吉をな」

トレイン「内緒にしてもバレバレだっての」









『◯月×日』

『髪の毛ボサボサ、ドライヤーで乾かさない』

『食べ方が汚かった、牛乳飲みすぎ。 私の分も飲まれた』

『馬鹿』

その日の夜

スヴェン「トレインのやつ、帰ってくるのが遅いな……何か事件に巻き込まれたのか?」

イヴ「そうじゃないといいけど……」

プルルルル……

スヴェン「! 電話……」

ガチャ

スヴェン「もしもし」

キョウコ『おじさんだーーーー!! 久しぶりーーーー!!!』

スヴェン「!!!? その声……!!」

キョウコ『キョウコは今、学校の休みを使ってクロ様に会いに来たのー!!』

スヴェン「なんだって!?」

キョウコ『とゆうわけで!! 今日はクロ様とお泊まりしまーす!!』

トレイン『おい! 勝手に決めんな!!』

スヴェン「……」

イヴ「スヴェン、誰から?」

スヴェン「キョウコだ」

イヴ「えっ!?」

スヴェン「なんでもトレインに会いたくてわざわざこっちにまでやって来たらしい」

スヴェン「そんで今日は二人でどっか泊まるんだとよ」

トレイン『なぁスヴェン、ちょっと助けてくれ。 今俺がいる場所は……』

スヴェン「……別に助けなくてもいいよな?」

トレイン『えっ』

イヴ「うん」

トレイン『姫っち!!?』

スヴェン「というわけてまキョウコ、そいつ好きにしてやっていいぞ」

キョウコ『わーーーーーい!! ありがとうおじさん!!!』

トレイン『おい姫っち!! いいのか!? 書けなくなるぞ!!?』

イヴ「……トレインこそよかったじゃん。 私にイタズラできて」

トレイン『分かった!! 俺が悪かった!! 俺が悪かったから!!!』

スヴェン「じゃあな、悔いのないようにな」

キョウコ『はーい!! じゃあクロ様、早速……』

トレイン『ちょ!! おい、はな……』

プツッ

スヴェン「ところでイヴ……今のイタズラって……なんのことだ?」

イヴ「……内緒」

~終わり~

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