晶葉「できたぞ!ユルフワニウム可視化眼鏡だ!」 (23)

ちひろ(事務仕事の休憩中。事務所に現れるなり、晶葉ちゃんはそう言いました)

ちひろ「Pさんは今外回り中よ」

晶葉「いや、今回はちひろさんにプレゼンしたいんだ。何、助手のように爆発する事はない」スチャッ

ちひろ(晶葉ちゃんが、胸元から深緑色の縁の眼鏡を取り出し、私に手渡しました)

ちひろ「これが・・・えっと、なんでしたっけ」

晶葉「ユルフワニウム可視化眼鏡。だ。まぁ、とりあえず掛けてみてくれないだろうか」

ちひろ「はぁ・・・」

ちひろ(もし危ない発明だったとしても、それなら先にPさんの残機が減っているはず。私は特にためらいなく眼鏡を掛けました)スチャッ

晶葉「その眼鏡で、あそこで気持ちよさそうに寝ている楓さんを見てくれ」

ちひろ(昨日の夜を飲み明かし、ソファーで一升瓶を抱いて寝ている飲んだくれに目を向けます)

ちひろ(すると、飲んだくれは体から何かをふわふわと漂わせていました)

楓「ぐぅぐぅ」ユルフワ

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ちひろ「何ですか?あの、黄緑色の・・・綿毛?楓さんから出てるみたいですけど」

晶葉「そう。それこそが私が見つけた感情性物質。ユルフワニウムだ」

ちひろ「ゆるふわにうむ?」

晶葉「主にリラックスしている人間から発せられ、それに当てられたものは釣られてリラックスする物質だ」

ちひろ「なるほど」

ちひろ(確かに、こんなに気持ちよさそうな寝顔を見ていると、力が抜けて、私まで釣られて眠ってしまいそうだ)

晶葉「あくびのユニゾン現象も、このユルフワニウムが引き起こしているのではないかという説が、先日、晶葉学会で発表された」

ちひろ「へぇ」

雫「おはようございます~」ユルフワ

亜里沙「おはようございます」ユルフ

未央「おはよーございます!」ユル

留美「おはよう」ユ



晶葉「ふむ、やはりゆったりした性格の人程、ユルフワニウムの検出量が多い傾向にあるようだな」スチャッ

ちひろ「でも、留美さんみたいにきっちりした人からも、微量ながら出てますね」

晶葉「まぁ、感情による物だからな。完全にリラックスして寝る事で、普段より検出量が増えたりもするし、ライブ直前で減ったりもする」

晶葉「そういった例外を除けば、人によって個人差があれど、実に様々な感情性物質を排出しているのだろう」

ちひろ「なるほど。どれかが100%、どれかが0%って事は稀なんですね」

晶葉「そうだな。例外が有るとすれば・・・」

茜「おはようございますっ!!!」ドカーン

晶葉「・・・彼女のような人間だろう」

ちひろ「なるほど・・・」

晶葉「・・・ところで、このユルフワニウムを使った、ちょっとしたビジネスがあるのだが・・・」

ちひろ「詳しく」クワッ

晶葉(ちひろさんからユルフワニウムが消えた)

晶葉「まずはこれを使う。ユルフワニウム変換機だ」ガチャッ

ちひろ「ちっちゃな・・・掃除機?」

晶葉「スイッチオン!」ブォォォォォ

ちひろ「おお。部屋のユルフワニウムが掃除機の中に吸い込まれて行きますよ」

晶葉「ま、これくらいだろう。これでユルフワエキスができたはずだ。ちひろさん、手の甲を出してくれ」ピチョン

晶葉「舐めてくれ」

ちひろ「ペロッ・・・これは!」

ちひろ(疲れがドンドン取れて行く・・・それにとってもいい気分・・・まるでさっきの綿毛が全身を撫でてくれているみたい・・・幸せ・・・)

ちひろ「・・・ふむ。良いものですね」

晶葉「これをスタドリに混ぜれば・・・?」

ちひろ「Pさん爆買い間違いなし!!」

晶葉「ちひろさんは儲かる。Pさんはもっと明朗に働ける。私達も更にアイドル活動ができる。win-win-winの関係だな」

ちひろ「そうと決まったらさっきのエキスを!」

晶葉「もうない」

ちひろ「え」

晶葉「さっきの一滴だけだ」

ちひろ「え、えええ!?あんなに吸ったのにあれだけ!?あの生産スピードだと商品化は・・・」

晶葉「まぁ、待ってくれ。未央と茜が来たからには、もうすぐあの人が来るはずだ」

ちひろ「あの人・・・?」

藍子「おはようございます」ユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワ

ちひろ「うわああああああああ」

藍子「わっ、ど、どうしたんですかちひろさん」ユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワ

ちひろ「な、何ですかこれ!私以上に全身黄緑色の物体が事務所に!キッコロの亜種ですか!?」

晶葉「スイッチオン!」ブォォォォォ

藍子「え?え?キッコロ?え?」ユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワユルフワ

ちひろ「全然減らない!前が見えない!もう眼鏡外します!」スチャッ

春菜「あっ」

藍子「ち、ちひろさん・・・?」

晶葉「ま、ざっとこんな物だろう」ドンッ

ちひろ「その一斗缶はどこから!?」

晶葉「藍子。かくかくしかじか・・・」

藍子「あぁ、なるほど。そういう訳でしたら、Pさんのためです。いくらでも取ってってください」

ちひろ「スタドリ、製造開始」

ちひろ「どうです?Pさん。新発売のスタドリは」

P「いいですねぇこれ。疲れも取れて凄く癒されるし、その後スッキリして、いくらでも働けますよ」

藍子「ふふ、それ実は私で出来てるんですよ?」

P「なるほど、それでかぁ。ちひろさん。二本おかわり」

ちひろ「毎度あり!」

次の日



P「ちひろさん。藍子スタドリ5本。お願いします」

ちひろ「毎度あり!」




次の日



P「ちひろさん。藍子スタドリ10本。お願いします」

ちひろ「毎度あり!」



次の日



P「藍子スタドリ20本。お願いします」

ちひろ「毎度あり!」



次の日



P「40本。お願いします」

ちひろ「毎度あり!」



次の日



P「100」

ちひろ「毎度あり!」



次の日



P「う、うぁ・・・千・・・千・・・」

ちひろ「毎度あり!」

P「ゆるふわを寄越せーッ!!」ドガシャーンッ

晶葉「うわぁっ!ぼ、暴徒!?いや助手ではないか!」

P「ゆるふわ・・・ゆるふわが足りなァい・・・!!」

晶葉「何故、私のラボに・・・ゆるふわ?ユルフワエキスなら、毎日貯蔵分も合わせて、藍子の協力の下、ちひろさんに預けているはずだが・・・」

ちひろ「全部製造につぎ込んで、全部飲ませました」

晶葉「ちひろォ!!」

P「ゆるふわァァァッ!!」ズゴーンッ

ちひろ「ぎゃあーっ!」

晶葉「くっ、貯蔵分を合わせるとなるとかなりの量だぞ!依存状態が酷い!どうにかして鎮圧して、然るべき処置をしなければ・・・!」

藍子「晶葉ちゃーん。今日の分の吸引を・・・」ガチャッ

晶葉「バッドタイミング!!」

P「藍子ッ」ギューッ

藍子「きゃっ、Pさん!?」

P「あぁ・・・これだ・・・藍子・・・藍子ぉ・・・」ギュウウッ

晶葉「ああ、もう駄目だ。あの状態であんなに大量のユルフワニウムに当てられたら・・・っ。もうPは藍子から離れられない!」

藍子「? 何が問題なんですか?」

晶葉「え?」

藍子「Pさんが、私から離れられないなら、ずっと一緒に居ればいいじゃないですか。一生、ずぅー・・・っと」ギュッ

P「藍子ぉ・・・!」ギュッ

晶葉「・・・」



あ い こ だ い し ょ う り !!

おまけ



晶葉「ユルフワニウム以外にも、色んな感情性物質があるぞ!」

ありす「アイドル毎に観察してみましょう」



凛「おはよう」

ありす「凛さんからは・・・なんでしょう。蒼いガラスの雪のような物が・・・」

晶葉「アオニウム。だな。綺麗だが、あんまり当てられるとまずいぞ」

ありす「美しく綺麗だからこそ、何かを傷付けてしまうという事ですね・・・」

晶葉「早速当てられたか・・・元からか?」



みく「みくからは、何が出てるかにゃ?」

奈緒「なんだこれ・・・ポップコーン?」

みく「にゃあ?」

晶葉「オモシロニウム。だな。幸子から多く検出されている」

みく「何となくどういう奴か分かるにゃあ・・」

奈緒「あははっ!」

晶葉「じー・・・っ」

奈緒「ん?どうしたんだよ晶葉。私から何か出てるか?」

留美「おはよう」

菜々「錆びた指輪・・・?」

晶葉「イキオクレニウム。だな」

菜々「そ、そんなのもあるんですね・・・」

菜々(・・・はっ。もしや菜々からも同じ物が出ているのでは!?)

晶葉「大丈夫だウサミン。ウサミニウムが多くてあんまり見えない」

菜々「ほっ。それなら・・・って、あんまりってどういう意味ですか!」



晶葉「ウサミニウム。シュガハニウム。ハピハニウムを研究中だ」

杏「うさ耳のカチューシャ。自由奔放に跳ね回るハート。カラフルな星々・・・個性全開だね」

晶葉「効能がほぼ一緒なのが面白い所だ」

杏(・・・ま、一面だけを切り取るなら、そりゃそうか)

杏「ちなみに杏はどんな感じ?」

晶葉「小さな飴細工が、頭の上にちょこんと乗っている」

杏「壊さないように、あんまり動くなって事だね」

晶葉「だが精巧で綺麗だ。人の目を引く」

杏「・・・アオニウム当てられてない?」

まゆ「おはようございますぅ」

P「ド赤いハートが溶けながら飛んでる」

晶葉「ヤンデレニウムだ」

まゆ「Pさんどこですかぁ?」

P「・・・心なしか、ハートがこっちに来ているような」

まゆ「見ぃつけたぁ」

P「あっ」

晶葉「要研究対象だな・・・」

P「うわぁ~」ズルズル



美波「アーニャちゃん。おはよう」

アーニャ「ミナミ・・・薄いピンクの、ハートが、出てます」

晶葉「少し濡れそぼっているな」

アーニャ「あれは・・・?」

晶葉「ドスケベニウムだ」

アーニャ「ドスケベニウム」

晶葉「ドスケベニウムだ」



   -終わり-

ここでクエスチョン。ヤンデレニウムとドスケベニウムを竜巻のように纏っているアイドルは誰でしょう?
ヒント:未亡人

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