ダンガンロンパV3外伝 クロたちの事件簿 (14)

【CASE:1 赤松楓の場合】

赤松(殺人が起きないと、私たちみんな殺されちゃう……?)

赤松(そんなのダメ……絶対ダメ!)

赤松(私がみんなを救わなくちゃ……)

赤松(例えどんな手を使ったとしても……!)

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赤松(……最原くんの推理のおかげで、首謀者を[ピーーー]トリックは思いついた)

赤松(倉庫から砲丸も持ち出した)

赤松(あとは、この図書室で"仕掛け"を終えるだけ……)

赤松(この図書室でやらなきゃいけないことは、①通気口の蓋を立てかけておく。②通気孔から監視カメラの位置まで階段を作る。③隠し扉側の監視カメラのフラッシュ機能をONにする)

赤松(さて、ここで一番の問題になるのは……)


赤松(②の作業を最原くんに全く怪しまれずに終えなければいけないこと)

赤松(普通に生きてて図書室の本棚の上を整理するような機会はない)

赤松(私だって普段なら絶対そんなことやらない)

赤松(ましてや今は命日が今日になるかどうかの瀬戸際という極限状態。そんな状況でいきなり本棚の上に乱雑に積み上げられている本を弄り始めたら、誰だって不自然に思う……)

赤松(今からその誰がどう見ても不自然な行動を)

赤松(超高校級の探偵である最原くんの目の前で)

赤松(何食わぬ顔で始めなきゃいけない……)


赤松(正直、無理ゲーな匂いはする)


赤松(策がないわけじゃないけど、ぶっちゃけ最原くん相手に全く怪しまれずに誤魔化せる自信も保証も皆無に等しい)


赤松(……でも、やるしかない)

赤松(私がやらなきゃ、みんな死んじゃうかもしれないんだから……)

赤松(……最原くんが意外と鈍い可能性に賭ける…!)

赤松「念のため、人が通りにくくなるように、通気口の周りに本を積み上げておくよ」

最原「うん」

赤松(ここまでは大丈夫。不自然なところはないはず……)

赤松(通気口の蓋は奥に立てかけた)

赤松(通気口の前に本を積み上げて、砲丸が通るための道は作れた……)

赤松(さて、ここからが勝負所だ)

最原「じゃあ、さっそくカメラを仕掛けようか」

赤松「あ、ちょっと待って。さっき脚立に登って閃いたんだけどさ。本棚の上はどう?こっそり撮影しても、気付かれなさそうじゃない?」

赤松(ここ!)

赤松(正直自分でもだいぶ苦しい気はする…)

赤松(そもそも本棚の上にカメラを仕掛けることのどこが良いのか全くわかんないし……)

赤松(でももうこれくらいしか、最原くんを騙せる方法が思い浮かばなかった……!)

赤松(こういう時ばかりは、王馬くんが羨ましい……!)

最原「でも…あれだけ本が積まれてると、カメラを仕掛けられそうな場所なんてないし…」

赤松(そんなこと言われなくてもわかってるんだよ…百も承知で提案してるんだよ……)

赤松「だったら、キミが本棚の中に仕掛けをしている間に、私が試してみるよ」

赤松(もう論理は無視して畳み掛けるしかない。怪しまれるのは承知の上で畳み掛けるしかない)

赤松「それなら、時間のロスも少ないしいいよね?」

赤松(お願い……なんとかなって……!)



最原「………」



最原(カメラを仕掛けられそうな場所がないってのもそうなんだけど、本棚の上って位置が高すぎて画角の調整面倒臭いし、監視カメラなんて一つでも気付かれたら終わりなわけだから一つだけ見つかりにくい場所に隠す意味も全くないんだよな……でも赤松さんいつになく必死な表情だし言い出しにくい……まぁ、ここで僕が赤松さんの考えを否定する意味もないし……別にいっか……)




最原「うん、それなら構わないけど……」

赤松「よーし!じゃあ、さっそくやってみるね!」



赤松(っしゃオラァーーっ!!)グッ

赤松(意外と鈍くてありがとう……!)

赤松(さて、あとは仕上げにとりかかるだけ)

赤松(ドミノとかが好きで、よく作ってた経験がこんな所で活きるとはね……)

赤松(でもさすがに疲れた……)

赤松(何が疲れるって、誰かに見られながら殺人の仕掛けを作るのって結構ストレスがかかる…)

赤松(何度胃に穴が開きかけたかわからない…)

赤松(ついでに言うなら砲丸が予想以上に重い)

赤松(普通に歩く分には問題ないんだけど、こういう登り降りが要求される作業だとかなり腰に来る)

赤松(……でも一応凶器だし、手放すのはちょっと抵抗があるんだよね)

赤松(まぁ、それももう終わり……)

赤松(……よし、あとはこの百科事典を広げて、こんなふうに……)



最原「赤松さん……本を読んでる場合じゃないよね?」

赤松「!!!」ビクッ

赤松(うわあああびっくりしたぁっ!!)



赤松「ご、ごめん……どうして本の整理中って、つい読んじゃうんだろうね?」

赤松(しっ、しっ……心臓に悪い……)

赤松(ば、バレてる?バレてないよね?大丈夫だよね……?)

赤松(……なんとか仕掛けは作り終えた)

赤松(バリケードでちゃんと階段も隠してある)

赤松(……寿命3年分くらい縮んだ気分)

赤松(これから人を殺すのに何言ってんだって感じだけどさ……)

赤松(まぁでも、あとの作業はだいぶ楽だし……)

赤松(ひとまず、肩の荷が降りた気分……)



最原「それで、カメラを仕掛ける場所だけど…」

赤松(想像通り、隠し扉を撮れる位置に仕掛けるっぽいね)

赤松「じゃあ、防犯ブザーとそれに連動するカメラは、私が取り付けておくね」

赤松「本棚を動かした首謀者を激写するカメラだから、私の繊細な指先で、慎重に取り付けておかないとね」

最原「うん、お願い」

最原(……?)

最原(赤松さんは何を言ってるんだろう?)

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