ヴィーネ「ガヴに嫌われちゃった」ラフィエル「ヴィーネさん……」 (48)

ガヴリール「うぜえんだよ!早く出て行け!!」

ヴィーネ「ご、ごめんガヴ……」

ヴィーネ「私そんなつもりじゃ……」

ガヴリール「なんなんだよお前は!私の母親きどりか!!?」

ヴィーネ「私はただ、ガヴにもっとしっかりしてほしくて……」

ガヴリール「それがうぜえんだよ!……何様のつもりだ?」

ガヴリール「私の生活にいちいち干渉してくんなよ」

ヴィーネ「……」

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ガヴリール「もうさ、来なくていいから」

ヴィーネ「え……」

ガヴリール「私の世話焼きに来なくていいって言ってんの、意味わかる?」

ヴィーネ「だ、だって私がいなきゃガヴは……」

ガヴリール「はぁ?自惚れんのもいい加減にしろよ?」

ガヴリール「そりゃ最初は感謝してたさ」

ガヴリール「でも日に日にお前が尋ねるたび、私へのお説教はうるさくなっていく一方だった」

ガヴリール「今じゃお前のやってくる気配がするたび、嫌気がするんだよ」

ヴィーネ「う、嘘……」

ガヴリール「嘘なわけあるか、もう我慢の限界だ」

ガヴリール「ヴィーネはさ、私のなんなんだよ」

ヴィーネ「と、友達でしょ……ね?」

ガヴリール「そうだ、友達だな」

ガヴリール「友達が友達の合鍵なんて持つか?」

ヴィーネ「そ、それは……だってガヴは起きてないことも多いし……」

ヴィーネ「自由に入れたほうが、ガヴの助けになれるかなって……」

ガヴリール「……世話好きもここまで来ると病気だな」

ヴィーネ「病気……」

ガヴリール「私はそこまでしてくれと頼んだ覚えはない」

ガヴリール「内心、ドン引きだったわ」

ヴィーネ「……」

ガヴリール「いい機会だから率直に言わせて貰う」

ガヴリール「……気持ち悪いよ、お前」

ヴィーネ「…………………………………………ううっ…………」

ヴィーネ「グスッ………………」

ガヴリール「はぁ……泣くなよ、めんどくさ」

ヴィーネ「ひどい……ひどいよガヴ……」

ヴィーネ「そんなに言わなくたってぇ…………」

ガヴリール「泣きたいのはこっちのほうだっつーの」

ガヴリール「ホントにうざいからさっさと出ていってくんね?」

ヴィーネ「う……ぁぁ…………」

ヴィーネ「わっ……わか……ったわ……」

ヴィーネ「い、いままで…‥ご、ごめんね…………ガヴ……」

ガヴリール「ふん」

ヴィーネ「シクッ……シクシク……ヒック」

ヴィーネ(ガヴにあんな風に思われてたなんて……)

ヴィーネ(悲しい……悲しくて涙が止まらない……)

ヴィーネ(目が潤んで……うまく歩けない……)

ヴィーネ(早く帰りたいのに……)

ヴィーネ(通りがかりの人が泣きじゃくる私をヒソヒソ指差してる……恥ずかしい……)

ヴィーネ(ああ……もう死にたい……)

ヴィーネ「ぇぐっ…………あっ」

「危ないですヴィーネさん!!」

ラフィエル「大丈夫ですか!?ヴィーネさん!?」

ヴィーネ「ぁ……」

ヴィーネ「ら、ふぃ……」

ラフィエル「急に転んで……もう少しで危うく大怪我するところでしたよ……」

ヴィーネ「なん、で……」

ラフィエル「町中でヴィーネさんをお見かけしたらどこかおかしかったもので……」

ラフィエル「心配に思い、背後からつけてて正解でした」

ラフィエル「一体どうしたというのですか……?あまりの様子に声をかけることもできませんでしたよ」

ヴィーネ「ぁ……ぁぁ……」

ヴィーネ「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

ラフィエル「ヴィーネさん……?」

ヴィーネ「らふぃ……らふぃぃ……っ!!」

ヴィーネ「うわああああああああああああああ!!!」

ヴィーネ「わたしは!!わたしはぁ……っ!!」

ラフィエル「…………:

ラフィエル「…………よしよし」

ラフィエル「もう……大丈夫ですよ」

ヴィーネ「ううっ……あううううう…………」

ラフィエル(あのヴィーネさんが私の胸で大泣きするなんて……)

ラフィエル(きっと余程のことがあったんでしょうね……)

ラフィエル「ヴィーネさん……?」

ヴィーネ「らふぃ……らふぃぃ……っ!!」

ヴィーネ「うわああああああああああああああ!!!」

ヴィーネ「わたしは!!わたしはぁ……っ!!」

ラフィエル「…………」

ラフィエル「…………よしよし」

ラフィエル「もう……大丈夫ですよ」

ヴィーネ「ううっ……あううううう…………」

ラフィエル(あのヴィーネさんが私の胸で大泣きするなんて……)

ラフィエル(きっと余程のことがあったんでしょうね……)

ラフィエル「……少しは落ち着きましたか?」

ヴィーネ「はぁはぁ……ぐすっ」

ヴィーネ「う、うん……」

ラフィエル「それはなによりです」

ラフィエル「そして今更ですが……ここじゃ人目につきますので……」

ヴィーネ「あっ」

ヴィーネ「っ//////」

ラフィエル「場所を変えましょうか」

ラフィエル「私の家で詳しく話を聞かせてください、ヴィーネさん」

――――――――――――――――ーー……


ヴィーネ「と、いうことがあって……」

ラフィエル「まさかそんな……信じられません……」

ラフィエル「ガヴちゃんがそんなひどいことを言うなんて……」

ヴィーネ「私も信じたくなかったわ……」

ヴィーネ「でもね、よく考えたらガヴの言うとおりだなって……」

ラフィエル「ヴィーネさん……」

ヴィーネ「私のしていたことは結局、自己満足でガヴの都合はなにも考えてなかったんだなって……」

ヴィーネ「自分が気持ち良くなるために、ただガヴを利用してただけなのよ、きっと」

ヴィーネ「私って本当に自分本位でサイテーだわ……」

ラフィエル「ヴィーネさん」

ヴィーネ「友達の家の合鍵を勝手に作るって……自分でも改めてどうかと思うわ」

ヴィーネ「私って誰かに依存しちゃう体質なのかも……あははっ確かに気持ち悪……」

ラフィエル「ヴィーネさんッ!!!!」

ぎゅっ……

ヴィーネ「ら、ラフィ……?」

ラフィエル「もう、見てられません」

ラフィエル「つらいからって自分を卑下するのはやめてください」

ラフィエル「貴女は私の素敵な友人です」

ラフィエル「だから、ね?」

ヴィーネ「ら、らふぃ……」

ラフィエル「つらかったでしょう、話していてまた泣きたくなったでしょう」

ラフィエル「いいんですよ、何回泣いたっていいんです……」

ヴィーネ「……ありがとう……ラフィ……っ」



ヴィーネ「すぅ……すぅ……」

ラフィエル(泣き疲れて眠ってしまいましたか)

ラフィエル(今日はこのまま穏やかに寝かせてあげましょう……)

ラフィエル「おやすみなさいヴィーネさん」

ヴィーネ「…………ん……すやすや……」

ラフィエル「……」

ラフィエル「さて」

ラフィエル(なにやら引っかかるものがあります)

ラフィエル「ちょっと私なりに調べてみましょうか」

ラフィエル(本当にガヴちゃんがあんなひどいことを言ったのでしょうか?)

ラフィエル(ヴィーネさんを疑うわけではありませんが……少々疑問です)

ラフィエル(……ガヴちゃんには悪いですが、少しだけ覗かせてもらうとしましょう……)


「千里眼」


『ガヴリール「……~~」』

『サターニャ「……~~~」』


ラフィエル(……サターニャさん?)

ラフィエル(なぜガヴちゃんのお家にサターニャさんが?遊びに来ていたのでしょうか?)

『サターニャ「ねえねえ!今度はこのゲームしましょうよガヴリール!」』

『ガヴリール「おー」』

『ガヴリール「勝ったほうが学食おごりな」』

『サターニャ「な゛っ!?そんなのやりこんでるあんたが有利じゃないのよー!」』

『キャッキャウフフ』


ラフィエル「随分と……楽しそうじゃないですか……」

ラフィエル(よくもまあ……あんなことをしでかした後でサターニャさんと楽しく過ごせるものですね、ガヴちゃん……)

ヴィーネ「すやすや……ガヴぅ………」

ラフィエル(こんなに目元が赤く腫れるまでヴィーネさんは悲しんだというのに……)

『ガヴリール「そういえばさ」』

『サターニャ「なによ?」』

『ガヴリール「……今日ヴィーネがウチに来た」』

『サターニャ「へーそうなの」』

『ガヴリール「……もう二度と来るなって、言っといたよ」』


ラフィエル「!」

ラフィエル(ついにその話が出てきましたか)

ラフィエル(……どうやら実際にあったことのようですね、できれば信じたくはなかったのですが……)

ラフィエル(なぜですかガヴちゃん……なぜそんなことを……)

『ガヴリール「お前の……言うとおりにしたよ」』

『ガヴリール「もう私のとこには来ないように、きつくした……」』


ラフィエル(お前の言うとおり……?)

ラフィエル(まさか……)


『サターニャ「そう、頑張ったわね、ガヴリール」』

『ガヴリール「……あそこまでする必要はなかったんじゃないか」』

『ガヴリール「ヴィーネ……すごくかわいそうで……」』

『サターニャ「あんただって私の提案に承知の上でそうしたんでしょ?」』

『サターニャ「ヴィネットには悪いけど、いまさら後悔したってしょうがないわ」』


ラフィエル(サターニャさんがガヴちゃんをそう仕向けたというのですか……!?)

ラフィエル(そんな……そんなことって)


『サターニャ「ヴィネットがずっと目障りだったわ」』

『サターニャ「ガヴリールは私とつきあってるのよ?」』

『サターニャ「それなのに、私のガヴリールにいつまでもつきまとって……まるで正妻きどりね」』

『サターニャ「……今回の件で正直清々したわ」』

『サターニャ「……そして、すごく嬉しかった……」』

『サターニャ「ガヴリールがヴィネットより私をずっと好きだって実感できたから……」』

『サターニャ「愛してるわよ、ガヴリール……」』

『ガヴリール「……お前って、実はかなり嫉妬深かったんだな……」』

『ガヴリール「まるで本当に悪魔みてー……」』

『サターニャ「あんたのせいよ、本来ならこんなSS級悪魔的行為できるわけないもの」』

『サターニャ「……嫉妬深い私は嫌い?」』

『ガヴリール「……いや」』

『ガヴリール「サターニャのそういう一面を知れて嬉しいし、そんな部分を含めて私はお前が好きだよ」』

『サターニャ「……バカ」』

『ガヴリール「ふふっ……サターニャ……」』

『サターニャ「……んっ……ガヴリール……」』

ラフィエル「…………」

ラフィエル(そういう……ことだったのですか)

ラフィエル(まさかお二人がおつきあいしてるだなんて……知る由もありませんでした)

ラフィエル「……」

ラフィエル(なんなんですかね……)

ラフィエル(吐き気がします)

ラフィエル(今、どうしてあの二人はキスなんてできるんでしょうか)

ラフィエル(ヴィーネさんを傷つけ、それを糧に恋人ごっこですか?)

ヴィーネ「……すぅ……」

ラフィエル(ああ……おいたわしいことです)

ラフィエル(私はこんなヴィーネさんに対してなにをしてあげられるのでしょう……)


ラフィエル(思えば、ヴィーネさんは下界で知り合った異界の留学生同士……)

ラフィエル(そんなただの友人であり、それ以上でもそれ以下でもなかった筈です)

ラフィエル(ですが、湧き上がってくるこの感情はなんでしょう)

ラフィエル(親友だった二人に裏切られたヴィーネさん……)

ラフィエル(もうヴィーネさんには私しかいない……)

ラフィエル(憐れなヴィーネさんの、支えになってあげたい……これは同情でしょうか)

ラフィエル(……いや、これはもっと別種な……そう、慈愛……)

ラフィエル「ふふふ……天使というには幾分ズレている私が愛だなんて……」

ラフィエル「一生それとは縁がないだろうと、半ばあきらめていたのですけどね」

ラフィエル(名家に生まれ、何不自由なく育った私は自分で言うのもなんですが)

ラフィエル(憧れの的となっていました)

ラフィエル(天界の頃に、私へ憧憬の眼差しを向ける娘たちも大勢いましたね)

ラフィエル(そんな娘たちの好意を利用し、玩具として弄ぶことがいつしか自分の愉しみとなっていました)

ラフィエル(ああ、私は天使として歪んでいるんだなあ……と自覚したのも大分昔でしたね)

ラフィエル「だからこそ……」

ラフィエル「悪魔なのに献身的で、まるで天使のような貴女に」

ラフィエル「いつの間にか惹かれていたのかもしれませんね、ヴィーネさん」



ヴィーネ「……んんっ……」

ヴィーネ「ここって……私はたしか……」

ラフィエル「おはようございますヴィーネさん♪」

ヴィーネ「はっ!らららラフィ!?」

ヴィーネ(そ、そういえば昨日……ラフィに散々なさけないとこ見られちゃって……それで)

ヴィーネ「ご、ごめんなさいっ!いっぱいご迷惑かけてしまってぇ!!」

ラフィエル「迷惑なんてとんでもないですよ~」

ラフィエル「ヴィーネさんの貴重な姿をいっぱい見られましたし」

ヴィーネ「ら、らふぃー……//////」

ラフィエル「ふふっ、安心してくださいねヴィーネさん」

ヴィーネ「?」

ラフィエル「ヴィーネさんのかたきは私がとりますからっ♪」

――――――――――――――――ーー……


ガヴリール「で?いきなり話ってなんだよラフィ?」

サターニャ「私とガヴリールを屋上に呼び出すなんて一体何の用よ?」

ラフィエル「いえいえ、大したことではないのですが」

ラフィエル「これから私が言うことは独り言なので適当に聞き流してくださいね~」

ガヴサタ「「?」」

ラフィエル「へぇー魔界通販ってこういうのも取り扱ってるんですか」

ラフィエル「女の子同士で使うおもちゃですかーなかなかにハードでマニアックなプレイ用ですねー」

ラフィエル「うわぁ、ドン引きです~」

サターニャ「んな!?」

ガヴリール「!」

ガヴリール(や、やばい……このラフィは……)

ラフィエル「……」ニコニコ

ガヴリール(マジでキレてるときのラフィだ……っ)

サターニャ「ど、どうしてあんたがそれを……!?」

ラフィエル「あれ?サターニャさん、これに見覚えが?」

サターニャ「ししし知らないわよ……」

ラフィエル「あらあら~冷や汗をかいてますよ~」

ラフィエル「お体の具合でも悪いんですか~?」

サターニャ「べ、別に……」

ラフィエル「おぉー使用例としてサンプル画像が」

ラフィエル「ちらり~」

サターニャ「!?こ、これって私とガヴリールじゃない!?」

ガヴリール「なっ!!?」

サターニャ「あ、あんたが盗撮したの!?」

ラフィエル「そんな人聞きの悪いーただのよく似たお二人じゃないですか?」

サターニャ「どういうつもりよ!!いくらなんでも度がすぎてるわよ!!」

ラフィエル「……へえーそうですか……よくもまあ……」

ラフィエル「先に度をすぎたのはそっちでしょう?」

ラフィエル「……………………」

サターニャ「ひっ!」

ガヴリール(あ、あんな眼つきで睨まれたらどうしようも……)

ラフィエル「…………独り言を続けますね♪」

ラフィエル「おやおや~?」

ラフィエル「実際に用いたサンプル動画まであるんですね!太っ腹です!」


『あんっあんっ!ガ○リール!!』

『もっと!!もっとイジメて!!』

『言われなくてもしてやるよ!このメス豚がっ!!』

『そう!私は豚なの!』

『へーじゃあ真似してみろ、私は大悪魔じゃなくてただのメス豚ですってな』

『わ、私は大悪魔じゃない!ただのメス豚です!ブヒッ!ふごふごっ!!』

『ははは!ご褒美にもっと可愛がってやるよ!サ○ーニャ!!』


サターニャ「~~~~~~~~~~ッ////////////」

ガヴリール「…………………ッ///////////」

ラフィエル「すごく真に迫ってますね~プロ意識の高い女優さんたちです」

ラフィエル「私だったら自分のこんなところを見られたら、とてもじゃないですけど生きていけませんねー」

サターニャ「ぁ……あわわ……」

サターニャ「……」ふわー

ガヴリール「さ、サターニャ!魂が出てるぞ!しっかりしろ!!」

ラフィエル「ガーヴちゃん♪」

ガヴリール「ひいっ!!」

ラフィエル「どうしたんですか?まだまだ話は途中ですよ?」

ガヴリール「も、もうやめ……」

ラフィエル「いやです♪」

ガヴリール「い、一体なにが目的なんだよ!?」

ラフィエル「んー自分の胸に聞いてみればいいんじゃないですかー?」

ラフィエル「あーそうそう!この前ですね~……」

ガヴリール「うわあああああああああああああ!!やめてえええええええええええええええ!!」



ラフィエル「――――――――と、いうわけで」

ラフィエル「校長先生にはガヴちゃんの近況について、よーく詳しーくお話しておきました♪」

ラフィエル「天界からの仕送りはどうなるんでしょう?パソコンも没収されちゃうんでしょうか?」

ガヴリール「ぁーー…………」ぽかーん

ラフィエル「ああ、かわいそうなガヴちゃん」

ラフィエル「ふふふっ……」



ガチャ

ヴィーネ「ラフィ、こんなところでいったい何のよう……って」

ガヴサタ「「……………………」」

ヴィーネ「サターニャ!?……と」

ヴィーネ「……………………ガヴ……」

ヴィーネ「ど、どうして二人ともこんなにぐったりしてるの……?」

ラフィエル「さぁ?どうしてでしょうねー?」

ラフィエル「行きましょう?ヴィーネさん」

ヴィーネ「え?で、でも二人が……」

ラフィエル「もういいじゃないですか」

ラフィエル「ヴィーネさんには私がいますから」

ラフィエル「ああ、それとそれと」

ラフィエル「――――――――好きです」

ちゅっ

ヴィーネ「っ!?!?」

ガヴサタ「「!?」」

ヴィーネ(え?え?ラフィがキキキス!?なんで!?ナンデ!?)

ヴィーネ(それに好きって!?ええっ!?)

ヴィーネ「~~~~~~~~っ///////////」

ラフィエル「それでは私とヴィーネさんはこれにて失礼します」

ラフィエル「ヴィーネさん」

ヴィーネ「あ……」

ぎゅっ

ヴィーネ(ラフィの手……あったかい……)

ラフィエル「ああそうだ、ガヴちゃん、サターニャさん」

ガヴサタ「「!!」」

ラフィエル「今回は大目に見てあげますけど……次は」

ラフィエル「これだけじゃ……済みませんよ?」

ラフィエル「よーく肝に銘じておいてくださいね?」

ガヴサタ「「っ!!」」ガクガク



ヴィーネ「ラフィ……その、なんというか」

ヴィーネ「ありがとう……」

ラフィエル「?」

ラフィエル「どうして感謝するんですかヴィーネさん?」

ヴィーネ「ええと……詳しいことはわからないんだけど……」

ヴィーネ「ラフィが私のために色々してくれたのは、なんとなくわかったから……」

ヴィーネ「だから……ありがとね……」

ラフィエル「ふふっ、私は私のしたいようにしただけですよ?」

ラフィエル「ところで」

ヴィーネ「えっ?」

ラフィエル「ヴィーネさんはどうなんですか?」

ラフィエル「私のこと、好きですか?」

ヴィーネ「あ、あの、えとその、うん」

ヴィーネ「ら、ラフィって本当に私なんかが好きなの……?」

ラフィエル「はい、愛してますよ?」

ヴィーネ「なななっ……///////」

ラフィエル「ヴィーネさんって純情ですね、すぐ赤くなって」

ラフィエル「そういうところも可愛いです、天使みたい」

ヴィーネ「や、やめてよ……もう……/////」

ラフィエル「~♪」

ヴィーネ「さ、さっきラフィにキスされたばかりで気持ちの整理ができてないというか……」

ラフィエル「はい、いきなりキスしちゃいました」

ラフィエル「初めてでした?」

ヴィーネ「う、うん……初めて……」

ラフィエル「もしかして嫌でした……?」

ヴィーネ「え!?よ、よくわからなかったけど……」

ヴィーネ「嫌じゃ……なかったと思う……」

ラフィエル「それは良かったです~」

ヴィーネ「で、でも……まだうまくまとまってなくて……」

ヴィーネ「い、今すぐに答えを出せそうにないわ……」

ラフィエル「んーそうですかー……」

ラフィエル「まだ一押しが足りないみたいですね」

ヴィーネ「え」

ラフィエル「じゃーん、ヴィーネさんにこれを差し上げます」

ヴィーネ「これって……?」

ラフィエル「私の家の合鍵です」

ラフィエル「ガヴちゃんの代わりにはなれませんが……」

ラフィエル「私なりにヴィーネさんの大切な存在にはなりたいんです」

ラフィエル「お好きな時にいつでもいらしてください」

ヴィーネ「ラフィ……でも……」

ラフィエル「友達の家の合鍵を持つのは気持ち悪い、でしたっけ?」

ラフィエル「なら、それ以上の関係になればいいんですよ」


ラフィエル「私の恋人になってください、ヴィーネさん」

ヴィーネ「~~~~~っ!!」





ヴィーネ(その言葉を聞いた途端、私の中でないまぜになってたものが感情が消え去って……)

ヴィーネ(自然に言葉が口から出てきていた)

ヴィーネ「――――――――――――――――はい」





ヴィーネ(あれから数ヶ月後)

ヴィーネ(恋人同士になったラフィの家に定期的へ私は通っている)

ヴィーネ「ラフィってばこんなに散らかして……」

ラフィエル「いやーヴィーネさんがやってくれると思ってつい……」

ヴィーネ「最初に来たときはもっとしっかりしてたのに」

ラフィエル「ふふっ、これも私なりの愛のカタチなんですよ」

ヴィーネ「だらけることが?」

ラフィエル「はい、そうです」

ヴィーネ「もう、調子のいいこと言って……」

ラフィエル「ヴィーネさんはホント良いお嫁さんですねー」

ヴィーネ「おだててもダメなんだから」

ラフィエル「本気で思ってますよ、実家に紹介したいくらいです」

ヴィーネ「な///////」

ラフィエル「今度帰省するときは、一緒に行きましょうね?」

ヴィーネ「で、でも、悪魔は天界に入れないじゃない?」

ラフィエル「そこはほら、白羽家の力を使って、チョメチョメと……」

ヴィーネ「うわぁ……」

ヴィーネ「じ、実家に行くのはいいんだけどね、ラフィ……」

ラフィエル「?」

ラフィエル「なにか問題がありますか、ヴィーネさん?」

ヴィーネ「その……『ヴィーネさん』ていうのよ……」

ヴィーネ「そろそろ……『ヴィーネ』って呼んでよ……」

ラフィエル「ああ、そんなことですか」

ヴィーネ「そんなことって!?」

ヴィーネ「け、結構これ勇気出して言ったんだけど……」

ラフィエル「別に呼び方は大した問題ではないと思うんですけどね」

ラフィエル「まあ、ご所望とあればお安い御用ですよ」

ラフィエル「ヴィーネ」

ヴィーネ「っ!」

ヴィーネ「す、すごく良い……」

ヴィーネ「も、もっと呼んで!!」

ラフィエル「うーん……しっくりきませんね」

ラフィエル「やっぱりヴィーネさんが一番です」

ヴィーネ「え、えぇ……そ、そんなぁ……」

ラフィエル「私にとってヴィーネさんはヴィーネさんですよ」

ラフィエル「ね?」

ヴィーネ「う~……」

ラフィエル「ヴィーネ」

ヴィーネ「!ラフィ!」

ラフィエル「ヴィーネさん♪」

ヴィーネ「ラフィのばかっ!!」

その後、白羽家長女に悪魔の娘が嫁いだ報せは天界を大いに賑わせたのだが、これはまた別のお話

おしまいおしまい

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