【艦これ】 母は艦娘 (113)


イベ入渠中にちまちま書き溜め

それぞれ、別々の鎮守府、パートナーは色々。

読んで下さっている方の御想像にお任せさせていただきます。

子供は息子だったり娘だったり。

親視点だったり子供視点だったり、その他の第三者だったり。

のんびり、まったり、やまなし、おちなし。

不定期更新。

全てに共通、母は強し。


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母は艦娘

母親といえば皆は何を思い浮かべるだろうか?

愛、自己犠牲、包容力、笑顔。

母親で思い浮かべる言葉は人によって様々。

彼女達は皆女性であり、皆、いきいきと毎日を忙しく、そして自由に。

おかん、お母さん、母親、ヤンママ、御尊母、母上、ママ、マミー。

呼び方も様々、色々。

母親だって時にはお休みしたいもの。

子供がいたって誰かに甘えたい時もあるんです。

これはそんな艦娘が母親になったらどんな母親になるか。

そんな、少しばかり普通の家庭とは違う。

だけれど、いや、だからこそ、強くなる絆の。

これは、毎日を奮闘する母親達への賛美歌。


一軒目  おかんは艦娘


「おー、お帰りー、終業式だけあっていっぱい持って帰ってきたなぁ。」

「あー、紙袋が破れたかぁ……。男の子は学校に溜めこんでしまうからなぁ。」

「父ちゃんも経験あるとか前に言うてたな、そういえば。」

「仕方ない、気にせんとお昼の用意できてんで。」

「ん?お好み焼きにごはんはおかしい?」

「夏の暑いときに暑くなる物を出すなやて?」

「やかまし!母ちゃんの作るごはんが嫌なら食べんでいいですぅ。」

「あっ、そうそう、分かればええんよ。」

「お母さんなこれからまた任務やねん。」

「あー、そういう顔せんとなー。大丈夫やて。」

「お母さんいつもきちんと帰って来てるやろ?」

「軍規であんまり詳しい事言えなんのやけど軽空母のお母さんでないとあかんのや。」

「何?おかん以外にも軽空母はおるやないかって?」

「まぁ、そうなんやけどな?父ちゃんから頼まれたらな……。」

「父ちゃんがなぁー、お前しかおらん言うねん。」

「父ちゃんからこう頼られてその後のご褒美もなぁー///。」

「はぁ?何が色ボケババアやて?」

「ちょっ、自分、そこ正座!」

「はぁ?父ちゃんが羨ましい?」

「母ちゃんにそんなに愛されてるのがやて?」

「自分何いうてんや。父ちゃんに嫉妬してどうすんねん。」

「ほならな。母ちゃん、いってくるで!」




「あーーーー……、今日は本気であかんと思うたわー。」

「でもなぁ、自分の顔を思い出したらここは踏ん張らな!ってなってなぁ。」

「あー、そないな泣き顔せんとなー。」

「なんとか今日も帰って来たで。笑顔で迎えてーなー。なっ。」

「ただいま。今日も無事なんとか帰ってきたで。」



須賀京太郎「鳳翔様好き」




「おかえりなさい。お母さん。」





二軒目 母は艦娘だった


母を知る人は表情が分かりにくい人だったと言う。

私にとってこれほど疑問に思う言葉はなかった。

母が居ない時によく話し相手をしてくれたお姉さん達。

翔鶴さんや瑞鶴さんに聞いてもやはり母は感情をあまり表に出すことが無いという。



「今日の肉じゃがどうかしら?」

「お母さんの自信作よ!さっ!もっと食べなさい!」

「ほら、もっとご飯も食べなさい。大きくなれないわよ!」



私と会話するのが、私の食べる顔を見るのが。

これ以上なく楽しい。

そんな表情を全面に出した笑顔を母は私に向ける。

私の記憶の中での母はいつも笑っている顔しかない。



「ほら、ごはんが……。」



ゆっくりと手が伸び、頬についた米粒をとり。



「おべんとうをつけてどこへ行くつもりだったのかしら。」



それを食べながらいたずらっぽい笑顔を向け母は私をからかう。

まったく無表情など誰が言い出したのであろうか。

母の表情は実に様々だ。


国を護るとは愛する家族を護ることと同意である。

敵が陸に上陸し民間人を屠る、それを防ぐ為に家族を護るとは国を護ることでもある。

自分が戦うその先に護らなければならない物が有る。

結果として国を護ることに繋がっているだけなのよ、とは母の言葉。

でも、建前はお国の為にっていう事にしておかないと父に悪いから内緒ね。

と、その本音を少しだけ見せてくれたのはいつだったか。

それは母に見送られ学校へ行っていた時のことだった。

学校へ軍の車がやってきて自分を連れて行く。

いつかはあり得ることと母から覚悟をしておくようにと言われていたから。

なんとはなくすんなりと受け入れることができた。




「ごめんなさい、ごめんなさい。」



泣きじゃくり、謝り続ける翔鶴さんに瑞鶴さん。

母は将来の為を考え戦力として勝る二人を敵から囲まれた窮地から逃がす囮になった。

とは後に聞いた。どうやらその時の私は上の空で何も聞いていなかったようだ。



「貴方達はなんとしても生きて帰らせる。」

「国を護るという事は家族を護るという事。その家族には貴方達も含まれているの。」

「さぁ!行きなさい!」



私にとっての姉2人に向けられたそれが母の最期の言葉だったそうである。

死地に向かいなおも普段通りの涼しい顔、いや、少し笑顔だったとか。



「ひゃくまんごぉ―くのー デデデン ほこりよぉ、かぁーーーぁが!みぃさぁーーきぃいーーーーー。」



母が好きだった歌を歌い髪を結う。

髪型はもちろんサイドテール。

写真の中の母はやはり笑顔だ。



「では、お母さん、行ってきます。」

「お母さんほど歌は上手くないね。」



最後まで私が艦娘になることを反対していた瑞鶴さんは言う。



「頭にきました。」



すこしだけ母の口調の真似。

母が護った家族を護る為、私は今日も護ります。


今回はここまで

安価の方は今日の夜頑張るよ!

やっとE6の輸送が終わりそう2000ってあんた、ねぇ、もう

ここまでお読みいただきありがとうございました。

鹿島蘭子浜風マシュ「須賀家チラチラ」

我の鎮守府の入渠液は2000個以上有るぞ

阿武隈キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

百里を行くものは九十をもって半ばとす

今イベでの堀がやっと後一人

未所持がだいぶ埋まってきました

E8がもう少しで終わりそうです、ここ数日血反吐はいておりました

1週間程空いてしまいましたが久しぶりの更新です

お時間宜しければお付き合いください


三軒目 母は現役艦娘



特別ではなく、英雄になることを望んでいるわけでもない。

駆逐艦である母はいつだって一生懸命だ。

「ねぇ、母さん。パンツ見えてる。」

「えっ!?あっ、ちょっとお母さんのパンツ見てなにする気よぉ!?」

「芋臭い顔の母親のパンツで何をしろと?」

「またそういうことを言う!」

ぷくぅと顔を膨らませる。

あれ?母親だよね?

というか大人だよね?

「いいもん!いいもん!お母さんの妹の叢雲ちゃん呼んじゃうもん!」

あっ、あのお方はやばい。

普段は姉である母にそっけない態度だがその息子の自分のこととなると見境がなくなる。




それは当然自分の子供に対してもそうであったらしい。

らしい、というのは彼女の息子を殴った地元の鼻つまみ者。

500人超の所謂DQN集団を謎の一団、薙刀らしき物を携えた武士達が。

その集団を壊滅、それも言葉を選んだ上で、マイルド表現で壊滅させたそうな。

一人だけ残った生存者、

つまり惨劇をわざと見せることによってその恐怖を広める為に残された者からどうにか聞き取れた証言によると。

「鬼の集団が小躍りしていた。」

とか。何せそれ以上を語らせようとすると失神するとかで他は何も聞き出せなかったそうだ。

そして、今なお『 檻のついた病院 』の中にいるそうだ。



「殺される。」

「死なない?かな?」

「なにそれ!?なんで疑問系なのさ!?」

携帯を取り出す母。

「あっ、叢雲ちゃん?今日さ、お姉ちゃんの所……。」

ジャンピングゥ土下座ぁーーーー!!

「すみませんでしたぁーーーーー!」

「おっ、謝っちゃう?」

「はい。」

「じゃぁ、許しましょう。」

うやうやしく。

母はとにかく姉妹が多い。長女だから当たり前ではあるのだが。

「今日は何が食べたい?」

艦娘であるがゆえに成長がとまった、

ぱっと見、外見中学生くらいの母が身長でまさる自分の顔を下から覗き込むように見て来る。

母の覗き込んだ顔と目があい少しドキリとする。

(とりあえず、親父を殴っておこう。)

決意を胸に母の問いに好物の名前を挙げておいた。



四軒目  お母さんは艦娘である



母の手料理。

お袋の味、母から娘へ、味覚が伝わり、一族の味。

「どっどうだ!」

自分は娘ではない。息子だ。

そして、料理が不得手な母から受け継げる味はない。

だから、いつも家にいる時間が少ない母の為にごはんは自分が作ってきた。

それはその少ない時間を自分の為に使い一生懸命頑張る母が好きだから。

料理の初心者向け本を買い、少しづつ、少しづつ。

料理と言うものはスポーツや勉強と同じで普段からの積み重ねの集大成。

そして、ほんの一掴みの才能。

まぁ、世に言う天才と呼ばれるやからが

このほんの一掴み部分が大きい為に積み重ねが少なくて済むのは妬ましくもあるが。


母がどや顔で握る菜ばしの先には控えめ表現でやや茶色が強い揚げ物。

「なぁ、母さんさ、油の温度みてる?」

「なにぃ!?そっ、その様な事は書いてないぞ!?」

しかも、妙に厚ぼったい揚げ物。何をどれだけ挟んだ?

もし、母上よ、そのレシピは何を参考にした。

「いや、いんたぁーねっとというものでな?」

おたおたと慌てる母が見せるはクッ○パッド。



あぁ、駄目な奴だ。

いや、正しく言うなら母のように基礎がなってない人間が使うべきではない料理レシピ集。

例えるなら中学校の陸上レベルの生徒に明日オリンピックの会場で金メダルとってこいと言う様な物。

出来るを前提に作られたレシピ集は出来ない人が参考にするには圧倒的に情報が足りない。

その結果が……。

「あぁ、うん。しかたないか……。」

母がやらかした食材を分解する。

豚肉のロースは衣を外し、数枚かさねだったのを解し。

中途半端に火が通っておりやれやれどうしたものか……。



「そういえば、紫蘇があったな。」

「あと、アスパラなんかも……。」

学校から帰ってきた時に既に手遅れだった台所の惨状を片付けつつ。

母の料理の失敗を修正しつつ。

大き目のロース肉を少し切ってサイズを変更。

肉の上に紫蘇を一枚、梅肉を載せ巻いて爪楊枝で止める。

アスパラも同じように肉を巻いて爪楊枝で止める。

醤油、砂糖、すこしのお酒。

「はい、出来上がり。」

抜けてしまったお肉の味を誤魔化す為に照り焼き風味。

「うまい!私はお前の母でよかった!」

「母さんさ、妹の浜風さんとかに料理を基礎から仕込んでもらいなよ。」

「あっ、あぁ。すまない。」

「それはそうと、担任から聞いたがお前は進路は調理学校でいいのか?」

「うん。」

「そうか、やりたい事があるのだな。ならば母は全力で応援しよう!」

古風な騎士の様な話し方。気品あふれる感じは騎士王か。

フンスと胸を反りかえし、『 どやぁ 』と後ろに文字でもでそうないい顔。

自分の進路じゃないだろうとも言いたくなり少し笑いを堪える。



そして、母のような全てがパーフェクト(子の贔屓目があるが)艦娘の唯一の欠点。

それが料理下手。

いや?かえってこれが魅力なのか?

「いや、やっぱり母さんは料理が下手なままでいいや。」

そう言うとなにぃと言う母。

ふふ、悪くはないかな?うん、悪くない。

このままでもいいか、もう暫くは。

もう少しだけ、母に甘えてもいいかな?

いいよね?うん。

少しばかりの更新

安価スレは明日やるよ!

今だから言えるE7をグラーフ掘る為に丙で叩き割ったことを

丙だと護衛退避でても昼で終わりますね、恐ろしく楽勝、出るわけではないですが

えぇ、グラーフをですね、なんとか堀り当てたからこそ言えますです

きつかった、本当

後はE4のIにケネディを轢いたあの娘を捜索にいくだけなので

のんびりと資源を回復させてからやりたいと思います

後、落し物のネタ集めもそろそろそろりと始めていますので

こちらと安価スレも終わりましたらやらさせていただければと思います(ネタ集めが結構時間かかるのですみませんです)

では、ここまでお読みいただきありがとうございました

だいぶ期間があいてしまい申し訳ないです

生きてました

本日の更新で最後とさせていただきます

お時間よろしければお付き合いください


九軒目 My mother is Aircraft carrier


Oh, say can you see,

ママは故国の英雄となり凱旋した。

by the dawn's early light

海軍海兵隊の軍楽隊に国歌でもって出迎えられ。

What so proudly we hailed

ママを一目見ようとする群衆で港は溢れ返り。

口々に母を賞賛する言葉が紡がれる。

at the twilight's last gleaming?

ママは異国の地で私を産んだ。

Whose broad stripes and bright stars,

アメリカという国の威信を背負い、つねに全力で戦い続けた。

through the perilous fight.

夜空に輝ける星の如く劣勢に陥った味方への希望として


O'er the ramparts we watched

つねに先陣を切り、自身の操る艦載機を巧みに繰り敵を逆に追い込む。

were so gallantly streaming?

ママはアメリカという国家の存在、力としての存在を。

And the rockets' red glare,

そして、希望をもたらす為、戦い続けた。

the bombs bursting in air,

その名前の由来、かつてアメリカが独立を勝ち取る為に戦った古戦場での戦いのように。

Gave proof through the night that

あまねく海での航行の自由を勝ち取る為に。

our flag was still there,

幾度も傷がいえぬ状態で出撃を繰り返し。

Oh, say does that star-spangled

身に着けた制服に付いた自身の血を目立たなくする為に黒く染め上げ。

banner yet wave.

私はママが家族の皆とその使命の為に全てを犠牲にしてきた事を知っている。

O'er the land of the free

だから、この国歌は国の為ではなくママの為に歌う。

and the home of the brave!

私を愛してくれたママの為に。


私が歌い終わるとそれを待っていた大統領が演説を始める。

「我々アメリカはその建国の歴史以来、実に多くの困難に立ち向かい自由を勝ち取って来ました。

我々と言う言葉は私達が今回、自由を勝ち取った戦い以前においては

民族や、宗教といったものによりそれぞれが定義されてきました。

しかし、我々は今回共通の敵に対し、

それまでいがみ合ってきた全ての国家が手を結び協力し深海棲艦という敵に立ち向かいました。

その結果、我々という言葉は新しい『 人類 』と言う意味も持ちました。

我々人類は未知なる脅威から生存をする為に、

そして再び、自由を勝ち取る為に戦い勝利をおさめました。

そして、今日と言う日が我々の新たなる独立記念日となるでしょう!」


アメリカと言う国の独立記念日、

奇しくもその日に人類は長きにわたる深海棲艦との戦いに終結をもたらす決定的な勝利を納めた。

そして、同盟国の日本とともにその勝利をもたらした立役者であるママに国は勲章を贈ることを決めた。

軍人として最高位の名誉勲章を母の胸元に付ける大統領。

そして、感状を受け取るママ。

時が経てばママは国の英雄として、人類の英雄の一人して語られるだろう。

それは一つの英雄譚。

だけれど、その話に出てくる主人公は神に愛された勇者でもなく。

万の軍勢を従えた武将や軍師でもない。

休日にスーパーの安売りチラシを確認し毎日の食事の世話をし。

たまにパパのシャツのアイロンをミスって皺を増やしたり。

ごくごく普通のそんな主婦であるママが一生懸命頑張った物語りなのだ。

国歌を歌いそしてママの叙勲を脇で見ていた私にママが近づいてくる。

「お疲れ様。」

その一言、それだけで全てが分かり合えるママとの繋がり。

「ありがとう。」

そういってママはにかみながら笑った。


十軒目 最終話


明日は特別な日だ。

そして、私にとって忘れられない日。

また、お母さんにとっても忘れられない日。

戦争は終結し、国を守る為の最低限の艦娘を残し、国は多くの艦娘達の退役を進めた。

そして、戦艦であったお母さんはその退役の第一陣として応じた。

「お母さんは良かったの?」

艦娘として、連合艦隊旗艦を勤めた事の有ることを誇りとしていた母に問う。

「そうだな。妹にも同じ事を聞かれたが国を守るという役目は果たした。」

「後は後進に道を譲らねば。それに・・・、母としての役目もあるしな。」

そのたわわなたわわを後ろにそらし胸を張るお母さん。

お母さんの意思はとうの昔に決まっていたようだ。

「あらあら、私ちゃんには話してなかったの?」

「というか今更お母さんって。今まで空回りしていたことも有ったのに?」

と、不安を口にするお母さんの妹。


お母さんのやる気の空回り。遠い昔の、小学校時代の記憶。

うん、夏休みの工作で戦艦の精密モデル、それもバルサ材で作るのを手伝ってくれたっけ。

あれは女の子の作る夏休みの工作ではなかった気がする。

おかげさまであなたの娘はプロモデラーの趣味を獲得しました。

「あっあれは、私の軍艦時代の姿を知ってもらいたくてだな。」

「このビッグセブンの・・・・。」

と、いつもの口上を述べようとするお母さんをはいはいとあしらうお姉さん。

(叔母になるのだが、叔母と呼ぶには至極はばかれる感じがするのだ。)

「さっ、大事な明日に備えてさっさと鎮守府にもどりなさい。」

明日は大事な認識票返還式がある日。

昔の、自衛隊なんかでいう所の護衛艦の退役時に自衛隊旗を返還する。

それと同じ意味合いを持つ軍艦として艦娘としての認識票を退役の為、返還する。

その準備が鎮守府ではいまだされておりその最後のチェックがされている所だろう。

その主役たるお母さんが居ないというのは宜しくないという事くらいは私にも予測はついた。


「そうか。」

私と一緒にいたかったのか分かり易くしょぼんとするお母さん。

これから一緒にいる時間はいくらでも有るからと説得して送り出す。

「さっ、いったわね。やるわよ!」

えいえいおー、と掛け声を上げ女二人明日の、そう、お母さんの為の慰労会の準備をする。

「おはようございますでする。」

「ふふっ、おかしな日本語になってるわよ。」

そこにはばっちりとメイクを決めた、

(といっても、もとが良いので最低限で済むのが羨ましい)お姉さんが朝食の準備をしてくれていた。

「さっ、食べちゃいなさい。」

お母さんの妹だけあって料理も上手い。

そして二人仲良く並んで片付け、お母さんの最後の晴れ舞台に間に合った。


「お母さんをかっこよくお願いします。」

記録と腕章をつけるは重巡のあの人。

「もちろんです!」

手には良くわからないけど高そうなカメラを持つお姉さん。

まぁ、こう言っておけば間違いないだろう。

その式典の最中のお母さんは一言でいえば格好良く。

晴れやかな顔をして立ち、錦絵に描かれた武将の様に華やかで厳かで。

とにかく素敵だった。

「お帰りなさい!」

「お帰り。」

「ただいま!」

父は式典の片付けの為鎮守府で残業。仕方無いね!


「と、これは!?」

お母さんが扉をあけたそこには私とお姉さんで飾り付けをしたお疲れ様会の会場があった。

『 お母さん、長い間お疲れ様でした 』

そして、お母さんが共に戦ってきた仲間達。

「お招きに預かりありがとうございます。」

いつもより柔和な表情の、いや、サイドテールがぴこぴこ動いてるから最上級な嬉しさのようだ。

そんな様子の空母のお姉さんがお母さんに礼を述べ。

「それじゃぁ皆!グラスは持ったかしら!?」

お姉さんが声をあげ。

「今日という日を皆と迎えられた事を、そして、いつもいつもビッグセブンっていってる私の莫迦姉に!」

「乾杯!」

えっ、私莫迦扱いなの?という顔をするお母さん。

まぁ、ビッグセブン!といつも何かにつけていってればねぇ、そうなりますよ。

とにかくその乾杯の後は飲めや歌えやの大騒ぎ。

空母のお姉さん達や、戦艦のお姉さん達。

重巡や軽巡、お母さんと一緒に戦ってきた人達が一同に騒ぐ。


「秋月達!食べてる!?」

装甲空母のお姉さんが駆逐艦のお姉さんに無理やり食べさせ。

あっ、白目剥いたや。さっき赤城さんに無理やり大量に食べさせられていたもんなぁ。

そして、お父さんの知り合いや、私の友人達。皆がお母さんの退役を祝ってくれる。

昨晩の内に妖精さんの謎技術で家を改造していなかったらこうは上手くいかなかっただろう。

「ちょっと!いい男がいっぱいいるじゃない!」

お母さんの退役祝いという事で友人達、男友達も呼んでいたのだが・・・・。

重巡のお姉さんは、まったく・・・・。でも、まぁいいや。

とにかく煩く、賑やかで、不躾で、騒がしく、楽しく。

それでいて皆、満足げに。

えぐえぐと泣きながら妹のお姉さんに背中をさすられ、集まってくれた皆に謝辞を述べ。

お母さんの退役おめでとう会はお開きとなった。

明日からはお母さんは今までとすこし違う日常が始まるだろう。

でも、きっとそれは楽しいものになるに違いない。

私は明日からの騒々しくも楽しそうな日々を考えると自然と頬が緩まずにはいられなかった。

艦!


以上で終了です

お付き合いいただきありがとうございました、依頼を出しに行ってまいります


一ヶ月程かけて長々とお待ちいただいた方がいるかは分からないですが

御迷惑をおかけしました

以下、ボツネタを供養するのにちょこっと使用します

まとめサイトに載らないといいんだけど・・・・(まったく関連性がないので)

まとめサイトの管理人さんがお読みでしたらこれから下のおまけは省いていただけると幸い

自分の他作品を読んで下さったことのある方にはあの漫画のオマージュか!とお分かりいただける

そんなボツネタ、では、今しばらくお付き合いの程宜しくお願いいたします


『 鎮守府第88支部 』


トントントン

軽快なエンジン音を立てながら船が港に近づいてくる。

水兵「お疲れ様です。今回の積荷はこちらです。」

提督「あー、艦娘が1名ね。えーっと、希望ではなく懲罰か。」

提督「好き好んでこんな所に来る奴はよっぽどだわなぁ。」

提督のぼやきにははと苦笑する水兵。

彼は定期的にこの島へ物資と、『 兵器 』を補充に来る任務に当たっている。

提督「どうだい、珈琲でも?」

水兵「いえ、次の輸送任務がまだありますので。」

そういうと水兵は船を港の艀から離し、ゆっくりと出港していった。

提督「さてと、枷は外してやる。後は自分で歩けるだろ?」

提督「あぁ、そうそう、俺の命をねらうなよ?」

提督「狙ったところで三途の川の渡し賃にもならんからな。」

  「僕は何もやっていない。」

提督「しているかもしれないし、していないかもしれない。

   大事な事はお前さんの選択肢は既に懲役分の任期を此処で全うするか、

   懲役分の任期を買えるだけの金を稼ぐかの二択しかないってことだ。」


提督「何かやりたい事が残ってるんなら生き抜くことだな。」

提督「よろこべ、敵の弾は戦艦、空母、重巡、軽巡、駆逐。全てを区別せずに等しく死を与えてくれる。」

提督「死にたければいつでも敵の弾に当たりに行っていいぞ。」

「僕は。」

提督「あぁ、後な、色仕掛けも効かんからな。俺はEDなんだよ。」

提督「まぁ、だからこんな辺鄙かつ女しかいねぇ職場の長なんぞやってんだがな。」

べらべらと喋りながら提督は島の奥へと歩いてゆく。

提督「さぁてようこそ艦娘。ここが今日からお前さんの塒で、刑務所の鎮守府だ。」

提督「なぁになれちまえばどこも住めば都だ。宜しく頼むぜ?美人ちゃんよぉ。」

ここは鎮守府第88支部

鎮守府の管理番号では敵の襲撃に遭いとっくの昔に消えたはすの。

欠番であるはずの番号が使用されている鎮守府。


身に覚えのない嫌疑をかけられ逮捕、拘留。

まるで用意されていたかのように逮捕後2日目には解体処分と言う名の死刑宣告。

もしくはここの島への左遷を命じられた。

命があるならという事で此処への左遷を選んだ。

絶対に僕を嵌めた奴を見つけてその理由を聞き出すまで僕は[ピーーー]ない。

いいや、死んでやるもんか。



鎮守府着任翌日



作戦会議室

提督「集まったかな。今回集まった者で参加意思がある奴は聞いてくれ。」

摩耶「いいからさっさと内容を説明しろよ。」

提督「今日のピクニックは簡単だぞ。

戦艦を旗艦とした敵空母機動部隊を引き付けて横須賀の精鋭様をお通しする任務だ。」

川内 ヒュゥ

川内「幾ら?」

提督「任務報酬は1000、後は戦果ボーナス、撃破ボーナス。MVPには休暇もくれてやる。」

川内「休暇より金。」

長門「で、弾代を持つのはそっちか?」

提督「あぁ、今回は艦隊司令部を通しての任務だから弾代はこっち持ちだ。」

提督「派手にあばれてこい。」

摩耶「で、そっちの駆逐は?」

提督「あぁ、昨日付けでうちに左遷された『 補給兵器 』さんだ。」

摩耶「たく、司令部の奴等は名前で呼ぶことすらしねぇのかよ。」

提督「いつものことだろ。とりあえず、俺は作戦の説明終わったから寝るわ。」

提督「後は勝手にやってくれ、作戦開始時刻は1時間後。その時に参加するやつは出撃ドッグに集合な。」

提督はそういうとのたくさと会議室を出て行った。


摩耶「よう、私は摩耶ってんだ。あんた、時雨だろ?何やらかした?」

長門「摩耶、やめとけ、問わず、語らずがここのルールだろ。」

摩耶「そうはいうけどよぉ。」

川内「で、時雨、あんたは参加するのかい?」

時雨「すまない、まだ勝手がよく分からないんだけど誰か説明してくれないかい?」

長門「あー、まだ此処のルールについて書かれた契約書を渡されてないのか。」

ガチャ

不知火「司令からこれを時雨さんにお渡しするように言われたので持ってきました。」

不知火「目を通して自分の都合にあった契約書にサインをお願いします。」

不知火「サインをして提出後は変更が効きませんので熟考を。」

歴戦の、剃刀の様な鋭いまなざしを持った艦娘が時雨に書類をつきだす。

長門「提督は?」

不知火「仮眠室です。時雨さん確認した上で提出をお願いします。」

摩耶「どっちにサインすんだい?」

書類を確認するより先に聞いてくる摩耶。

川内「私は二枚目をお勧めするよ。」

時雨「?」


長門「簡単に説明するとだな。1枚目は軍人としての籍を残した上での契約。

だから弾代、燃料代は全ての作戦において保障してくれる。

ただし、支払われる報酬は給料のみだ。そして、出撃拒否はその場で銃殺だ。」

長門「2枚目は軍籍の放棄。だが、軍人では無くなる代わりに出撃拒否も出来る。

まぁ、出撃拒否はペナルティで100万だがな。そして、報酬は戦果に比例。

艦種事で算出方式が違うから戦艦や空母の方が儲かるという訳でもない。

但し、デメリットもある。弾代と燃料代は基本自己負担だ。

その分幾らでも節約できるし稼ごうと思えば幾らでも稼げる。」

摩耶「後な、作戦の受任する時は単艦でも受けれるけど大体はチームで出撃するんだ。」

摩耶「チームで出撃したときは報酬は山分けになるけどチームでしか出撃出来ない任務もあるから

自分以外の仲間とは仲良くしといたがいいぜ?」

川内「チームで受任する作戦程割がいいからね。」

時雨「説明ありがとう。」

時雨「皆はその、どちらを?」

長門「そうだな、ここに居るやつはほどんどが2枚目だな。」

川内「ここに縛られる期間を金で縮めたいって奴やただ金を稼ぎたいっていうのが殆どだからね。」

摩耶「後、飯はどっちも出るかな。月間で最低限のボーダーをこなしていれば。」

時雨「こなさなかったら?」

時雨のこの質問に全員が全員、首から上が無くなるというジェスチャーをする。


摩耶「まぁ、そういうこった。」

不知火「皆さん説明ありがとうございます。不知火の手間が省けました。」

不知火「それから、これを。」

クレジットカードの様な物を手渡される。

不知火「この島内外での身分証兼電子マネーです。」

不知火「報酬を振り込む口座に直結しておりますので紛失されないようお願いいたします。」

不知火「後、これは司令からの御連絡ですが今までの武勲を考慮して1000万の入金済みであるとの事です。」

不知火「暫くは不自由しないかと思いますが無駄遣いはなさらぬよう。」

不知火「では、不知火はこれにて失礼いたします。」

そう言い不知火は出て行ったのだった。

川内「初めから1000万とはあんた相当な武勲艦だったんだねぇ。」

長門「雪風以来か?」

摩耶「だね。まっ、[ピーーー]ばみな一緒だから今日の金を稼ぎにいきますかね。」

川内「何、摩耶も出るの?」

摩耶「弾代、油も持ってくれるんなら丸儲けだろ?」

長門「その通りだな。ドッグへ急ぐか。雪風はどうする?」

長門が語りかけると今まで気配のなかった所から返事が返ってくる。

雪風「雪風は今回は遠慮しておきます。」

長門「時雨は?」

時雨「……、そうだね。雪風を見習うよ。」

摩耶「なんだい、最初から出撃拒否かい?」

時雨「僕は生き延びてやらなきゃいけない事があるんだ。」

川内「金持ちは違うねぇ。」

長門「そうか、出撃するしないは個人の自由だしな。さっ、皆、行くぞ。」

わあわあと騒がしく出撃する者達がドッグへと向かっていく。

雪風「宜しかったのですか?」

時雨「うん。雪風はここが長いんだよね。それならその感覚に従おうと思ってね。」

雪風「さぁて、どちらがよかったですかね。」

にぃと口角を上にあげ笑う。

時雨は後程、そう皆が出撃して行ったほんの少し後に雪風の意図を思い知ることになったのだった。

此処は日本番外地

場所はインド洋の何処か。

深海棲艦対策として日本に租借された孤島。

バシュヌもクリシュナ、ガルーダに閻魔、なんならサタンだって付けてもいい。

ありとあらゆる神、悪魔から見放された運が極限にない奴がたどり着く所。

島の領有権こそ日本だが深海棲艦が跋扈する今の時代、好き好んでこんな外れの。

それも、あの世の入り口に来るような奴はいない。

鎮守府第88番、地獄の一丁目だ。


A-10を欲しがる蒼龍とか金さえ積めばクレムリンを引っ張ってくる明石とか

シュタインベルガーが好きなグラーフとか居ませんww

先日コネタスレに投下した秋月のお話なんかもきちんとやりたいですね

では、ここまでお読みいただきありがとうございました

また、どちらかで

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