勇者「いやです」 (22)


王「征け女神の加護を受けし者よ!見事、魔王の首を討ちとってみせよ!」


勇者「いやです」


王「」


勇者「いやです」


王「・・・具合悪いの?」


王「ちょっと急すぎたかね、日を改めようか?」

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勇者「そういうことではないです」


勇者「いやなんです」


大臣「なんで!?勇者だぞ!勇者!剣士として誉れだろ!?」


勇者「名誉とかどうでもいいです」


王「わかった!褒章だな!まあ事前に褒章を決めるってのは前例ないけど、勇者だしな!」


王「さて何を望む!勇者!」



勇者「行きたくないです」


王「」


勇者「いや、理解できないって顔されても」


王「・・・わかった。行きたくない理由があるなら申してみよ」


勇者「あ、いいんですか?でもちょっとみんなの前ですし言いにくいなあ」


王「人払いをしよう・・・大臣、衛兵、貴様らは下がれ・・・」



大臣 衛兵「あ・・・はい」


王「これでよいか・・・」


勇者「よいです、では申し上げます」


勇者「絶対死ぬじゃん俺!」


勇者「魔王だよ!そんなのに一人で立ち向かえ!?馬鹿じゃねえの!」


勇者「まず死ぬね、魔王城にたどり着くことすら無く死ぬね!」



王「いやいや、勇者ですから!死なない!死なない!」


王「死んでも生き返らせるから大丈夫!」


勇者「俺の命をなんだと思ってるんですか!絶対痛いでしょ!いやです!」


王「勇者でしょ!持ち前の勇気はどうしたの!」


勇者「勇気でなんでも解決するなら苦労はないです!」


王「でも魔王を倒すのは勇者の仕事って昔からの決まりだよ!」



勇者「そんなこと言うなら・・・・あんたが行けばいいじゃん」


王「・・・え?」


勇者「あんたの仕事は国を守ることだろ?魔王の脅威から俺たちを守ってくれよ」


王「いや、わしの仕事いっぱいあるし・・・治世とか外交とか」


勇者「ほら!あんただって行きたくないだけじゃん!仕事があるとか言い訳にしか聞こえないし!」


王「言い訳じゃねーし!じゃあお前やってみるか!寝る暇なんてねーぞ!」



勇者「はい出ました逆切れー、あーはいはい王様は大変ですねー」


勇者「だいたいアンタみたいな臆病者に王様が務まるんですかねー」


王「臆病者はてめえだろ!てめえの希望に沿わなくて残念ですが、王はこの儂にしか務まりませんー!」


勇者「なんでよ?俺にもやらせてみろよ」


勇者「魔王に単独で挑むよりは、寝る間も惜しんで仕事してたほうがましだわ」


王「いや、血筋とかあるし」



勇者「はいはい、血筋血筋。結局、自分の力じゃなくて先祖の力じゃん」


王「いや、これガチな血筋だから。てめえが考えてる100倍はすげえ血筋だから」


勇者「へえ、どんな血筋だって言うんだよ?」


王「この世界の創世期、女神と魔神の争いのなか女神の臣下として数多の魔族を屠ったのが儂の先祖よ」


勇者「よくある、御伽噺じゃねえか!今どき誰がそんなの信じるんだよ!?」


勇者「結局、血筋のすごさもでっちあげかよ」



王「はあ?いやいやいや、儂の力凄いし、血筋の力、超すごいから」


勇者「だったらてめえが、一人で行けよ臆病者!」


王「あーはい、もーだめです。もーきれました」


王「わかりましたー、一人で魔王倒しに行ってきますー」


王「ちょっとー!大臣!ちょっと来てー!」


大臣「・・・お話は終わりました?」



王「ちょっと魔王倒しに行ってくるから」


大臣「」


王「たぶん、半年はかかると思うから」


大臣「」


王「だから、その間はこいつに、勇者に王の仕事を代行させておいて」


勇者「おーそうしろ、そうしろ!てめえより100倍国を豊かにしてやるよ!」



王「やってみろカスが!」


勇者「さっさと行けや臆病者!」


王「はいー行ってきますー、死ね勇者」


勇者「はあ。なんだと!?」


王「超転移魔法!魔王城へいざ征かん!!」パシュン


勇者「」


大臣「」


勇者「え・・・?」



魔王城


魔王「成り行きは見ていたぞ、人間の王よ・・・」


王「あー千里眼的なの持ってるんか、便利だな魔王って」


魔王「なかなかの魔法の使い手のようだな・・・」


王「魔法・・・?あんなのは児戯に過ぎん」


魔王「ほお、試してみるか・・・即死魔法デス」


王「噴!」




魔王「魔法を打ち消すか・・・」


魔王「ならば、我が愛刀の錆となるがよい・・・」


王「砕っ!!!」ぱきっ


魔王「・・・折れてる」


王「魔王よ貴様もオノコなら、魔法や武器に頼るでない!」


王「この時代の創世期より、男の戦いとは拳!これひとつよ!」



魔王「・・・・よかろうっ!!!!久々に血が滾るぞ!人間の王!」


王「応っ!かかってこい!!!!!」


王の力が世界を救うと信じて・・・!


ご愛読ありがとうございました!

いや~勇者がクズすぎたな、

これは普通に続きがよみたい
おつおつ

勇者が国豊かにするほうもよろしく

いやです

二段落ちにワロタ

勇者が泣いて土下座するエピローグもよろ

これは>>1にしか書けない良SSで当たりだ

二段落ちがなければ、くそSSで終わってたな

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