女勇者「身体拭いてもらえるかな?」 (63)

王様「勇者よ、魔王討伐の選別としてどうのつるぎと50Gを与えよう」
女勇者「お心遣い感謝いたします。必ずや魔王を倒してまいります」
王様「うむ」

女勇者「まずは酒場に入って仲間を集めよう、って痛い!」
店員「いらっしゃ・・どうかされましたかお嬢さん」
女勇者「入口のドアで指をっ。すいませんが私の代わりにドアを開けてもらえませんかイテテ」
店員「え、ええ。どうぞお入りください」


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女勇者「さてと、どなたか頼りになりそうな人はいるかな」
戦士風の男「・・・」
女勇者「あっ、すいませんそこの腕に覚えのありそうなお方。私のパーティh」
戦士風の男「仲間と待ち合わせだ。揃い次第ドラゴンを狩りに行く」
女勇者「す、すいません。がんばってくださいね」
戦士風の男「おう。ねーちゃんは仲間を探しているのか?」
女勇者「はい。しかし見たところあなた以外には頼りになりそうな人が見当たらなくて」
戦士風の男「そりゃそうさ、腕の達奴はもうどっかのパーティに入ってるからな」
女勇者「なるほど」

戦士風の男「ある程度妥協しないと、仲間なんてもう見つからねぇぜ。このご時世だからな」
女勇者「ご助言感謝します」
戦士風の男「ほら、あそこでミルク飲んでるチョイデブの男とかいいんじゃないか?年齢も30前後ってところだろ。あのくらいが経験も豊富だし身体もしっかりしている」
女勇者「ありがとうございます、さっそく掛け合ってきます」

女勇者「すみません、少しお話いいですか」
チョイデブ「えっ、ああ、はい。なんでしょうか」
女勇者「私、魔王討伐の仲間を探しておりまして、よろしければご助力願えませんか?」
チョイデブ「え?それは採用ってことで、よろしいのですか」
女勇者「え?あー、そうですね。あなたを仲間にしたいです」
チョイデブ「魔王討伐・・王国からの援助・・パーティの紐なら死ぬ可能性も低い・・」
女勇者「何かおっしゃいました?」
チョイデブ「いえいえ!あのー、ということはあなた様が勇者で?」
女勇者「そうです。この年齢で女ということもありなかなかそう見えないですけど」
チョイデブ「結構、いやかなりこれは可愛いっ!」
女勇者「なにが可愛いのでしょうか」
チョイデブ「いえいえなんでも、こほん、わかりました是非あなたの仲間にさせてください」

女勇者「わあ、ありがとうございます。本当にいいのですか?相手は魔王ですよ?死ぬかもしれませんよ?」
チョイデブ「ははは、女勇者様を守るためなら死ぬこともなんのそのです」
女勇者「こんな心の広い方がいらっしゃるなんて、本当にありがとうございます。ちなみにご職業は?」
チョイデブ「はい、今まで無職だったんですけd」
女勇者「え?無職?」
無職「はい。ですが、たった今女勇者パーティに就職が決まりましたので無職ではないですね」
女勇者「どうしよう、すごく早まってしまった感じがする」
無職「どうかしましたか?さあ、あと2人は仲間がほしいですね」

無職「とは言ったものの、この酒場にはろくな人間がたむろしてないですね」
女勇者「それ自分で言うんですか」
無職「あそこのとんがり帽子の魔法使いさんはどうでしょう」
女勇者「そうですね、魔法使いさんは必要ですね、スカウトに行きましょう」

女勇者「魔王討伐のパーティに加わりませんか?」
魔法使い「衣食住が約束できるなら」
無職「それは安心していいですよ。僕もさっきまで無職でしたので」
女勇者「もし旅先で衣食住に困ってもこの方の分をあなたに回すので大丈夫ですよ」
無職「女勇者様は冗談がきついですね」
魔法使い「じゃあ行く。よろしく頼む」

無職「ん?帽子をとったらなんとお子様ではないですか」
女勇者「いくつ?」
魔法使い「8さい」
無職「ロリっ娘魔女っ子じゃないですか」
ロリ「これでも魔法に関しては天才と神父さんからお墨付きをもらっているよ」
女勇者「魔王討伐だよ?死ぬかもしれないし帰りたくなるかもしれないよ?」
ロリ「大丈夫。この前教会の孤児院が潰れてもう帰るところないから」
無職「現実を見た」
女勇者「現実見るのちょっと遅かったね無職君」

ロリ「炎系魔法はそこらへんの魔法使いより得意だから任せて」
無職「どうします女勇者様」
女勇者様「じゃあ無職君はロリちゃんの肉壁役になってね。それなら連れていっても多少安心かな」
無職「肉壁・・。紐の計画が序盤からおじゃんになった気が」
ロリ「たのむね無職のおじさん」
無職「もうついてくる気まんまんですねこれは。あとおじさんやめい」

女勇者「やっぱり旅には回復役の僧侶さんが欲しいですね」
無職「そうですね。痛いのは嫌ですし」
ロリ「あそこにそれっぽいおじいちゃん座ってるよ」

女勇者「こんにちはおじいさん、魔王討伐の旅に興味はありませんか」
じじい「ふが、魔法討伐とな」
無職「女勇者様、悪いけどこのおじいさんかなり歳いってるような。旅半ばで倒れそうな顔してますよ」
じじい「聞こえとるぞデブ」
無職「耳良すぎだろ。それに僕はデブじゃない。ちょっとふくよかなだけです」
ロリ「おじいちゃんベテランっぽいから仲間になったら頼りになりそう」
じじい「お、そうか。ありがとうな娘っ子。それこそ若いころは儂も力が溢れとったわい」
ロリ「今は?」
じじい「今でも魔法力は衰えるどころか成長中じゃよ」
無職「まじですか」

女勇者「おじいさん、最後に旅をされたのは」
じじい「ふーむ、わしが88の頃かのう。新米パーティの回復役を買って出て、あの時は泣きながら感謝されたのう。儂がいなければ全滅じゃったからな」
女勇者「おじいさん是非私たちのパーティに!魔王討伐にあなたの力が必要なんです」
ロリ「お願いおじいちゃーん」
じじい「ほっほっほ、まるで孫たちにせがまれているようじゃの。それじゃあ93の身体に鞭打ってまた旅へと赴こうかの」
無職「30歳の孫もよろしくおねがいしますね」
じじい「お前はやくそうでも食うとれ」
無職「なんか少し冷たいですね」

無職「え、剣が装備できない?」
女勇者「私、かなり不器用で道具とか武器とか上手に使えないのです」
無職「ではどうやって戦うのですか」
女勇者「素手ですね。大丈夫です、今までずっと格闘の修行をしてきましたから」
ロリ「武闘家だね」
女勇者「でも簡単な魔法も使えるから一応勇者ですよ。というわけでこのどうのつるぎは無職君が使ってください」
無職「了解です」
女勇者「50Gは薬草に変えておきました」
無職「王様ケチですね」
女勇者「では出発!」
一同「おー」

無職「隣村に到着しました」
ロリ「無職君なかなかの剣さばきだったよ」
無職「ありがとうございますロリちゃん」
じじい「ふむ、まさか回復魔法まで使えるとはな。初歩レベルではあるが」
無職「ありがとうおじいさん」
女勇者「あなた前職は戦士や僧侶をやっていたのですか?」
無職「いえ、ずっと無職です。無職ゆえに時間が有り余るので一人でいかに時間を潰すかというのが課題になります。剣も魔法も暇つぶしで覚えました」
じじい「器用貧乏とういうやつじゃの」
無職「そうです。いつまでこれが通用するか」
ロリ「お腹減ったー疲れたー」
女勇者「宿をとって今日はゆっくり疲れを癒しましょう」

宿屋主人「お部屋はいくつお取りになられます」
女勇者「一部屋でいいです」
無職「いや、年頃の娘が男と同室はまずいのではないですか女勇者様」
女勇者「旅にお金は大切です。節約です」
ロリ「おねえちゃんはもう少し自分を大切にしたほうがいいと思う」
じじい「わしゃフカフカのベッドで頼む。もう足腰が痛おて痛おて」

女勇者「先にお風呂いいでしょうか」
じじい「わしゃかまわんよ。女勇者殿が一番風呂じゃなければのう。ゆっくりつかってきなされ」
ロリ「私おじいちゃん私と入ろー」
無職「ロリちゃん僕とも入ろー」
ロリ「やだー」
無職「顔が笑ってなくて怖いです」

女勇者「ロリちゃん助けて―」
無職「なんか風呂場からすごい音したけど大丈夫でしょうか」
ロリ「ちょっと行ってくる」

じじい「怪我はなかったか」
ロリ「頭にたんこぶできてた」
じじい「転んだのかのぉ」
ロリ「おねえちゃん自分で服脱げなくて、脱ごうとしたらこけたんだって」
無職「まじですか」

女勇者「ロリちゃんごめんね、身体拭いてもらえるかな。タオルが絡まっちゃって」
無職・じじい「どうやったら絡まる」



女勇者「いやあ、さっぱりしました」
無職「身体はちゃんと洗えましたか」
女勇者「さすがに身体は洗えます。素手でですけど」
ロリ「最近は素手で洗うのが流行ってるみたいだし」
女勇者「そうそう、そうなんですよ」
無職「なんか必死さが伺えるのは気のせいでしょうか」

ロリ「じゃあ次入ってくるねー。いこうおじいちゃん」
じじい「走ると危ないぞい」
女勇者「完全に孫連れてるおじいちゃんですね」
無職「いやひ孫でしょう年齢的に。ところで疑問なんですが」
女勇者「なんでしょう」
無職「普段身体を拭いてくれる人がいない場合はどうされてたんですか」
女勇者「自然乾燥ですね」
無職「寒い冬の時期などは」
女勇者「自然乾燥ですね」
無職「よく風邪など引きませんね」
女勇者「もう慣れました」

ロリ「お風呂上がったよー」
じじい「いいお湯じゃったよ」
無職「それはよかったですね」
じじい「時に女勇者殿」
女勇者「はい」
じじい「娘っ子はどうもパンツを今まで履いてなかったらしくてのぉ」
ロリ「おじいちゃんそれ言っちゃだめだよー」
じじい「着替えのパンツも持ってないようなのじゃが」
無職「僕としたことがそんなことにも気づかなかったなんて」
女勇者「気づかなくていいです。ロリちゃん、どうしてパンツ履いてないの?」
ロリ「私炎系の魔法使ったらその夜絶対おねしょしちゃうから」

無職「それで旅の最初あたり魔法を渋ってなかなか使わなかったのか」
ロリ「おねしょでどうせぐじゅぐじゅになるならもう履かないほうがいいかなーって。気持ち悪くないし洗わなくていいし」
女勇者「じゃあこの村に来る間の野営の時は毎晩?」
ロリ「うん」
無職「知らなかった。幼女の聖水がそこまで来ていたのにっ」
女勇者「知らなくていいです。ロリちゃん、ほかの魔法なら大丈夫なの?」
ロリ「多分大丈夫。でも私今のところ炎系の魔法しか使えないから、魔法を使う日はそういう日だと思っておいて」
無職「わかりました」
女勇者「わかりました。次から寝るときは無職君を少し離しましょうね。はやく他の魔法も使えたらいいですね」
ロリ「うん」
じじい「なに、心配いらん。この爺の目に狂いはない。この子は天才じゃからの」
無職「ひ孫を自慢するかの如く、じいさんの鼻が長いですね」

中盤のダンジョン

女勇者「そろそろ魔王直属の部下、アークデーモンという魔物がいるという最下層です」
じじい「彼奴を倒せば魔王の居場所がわかるアイテムが手に入るのじゃな」
ロリ「占いのおばあちゃんの話が本当ならね」
じじい「ほれ無職殿、遅れとるぞい。もっとシャキシャキ歩かんか」
無職「そろそろ誰か荷物持ち変わってくださいよ」
女勇者「だめです。無職君はここの所だんだん戦力にならなくなってきたので、荷物係です」
無職「そんなあ。あ、でも後方だから戦闘で死ぬ可能性も低い、これはパーティの紐作戦再来の予感です」
ロリ「しっ、前のほうにどす黒い魔力を感じるよ」

アークデーモン「よく俺様のアジトが分かったな子娘たちよ。貴様らに俺が倒せるかなグヘヘ」
ロリ「笑い方が気持ち悪いよー」
女勇者「そんなことを言っている場合ではないですよロリちゃん。頑張りましょう」
アークデーモン「この悪魔の槍で串刺しにしてやろうか、それとも暗黒の炎で消し炭がお好みかな?」
女勇者「私が前にでます。ロリちゃんとおじいさんはサポートへ。やああああっ」
アークデーモン「なに?女の細腕で俺と遣り合おうというのか。面白い。ならばこちらも素手でお相手しよう。なに、ハンデとしては丁度いい」

女勇者「ていっ」
アークデーモン「うおっ、すさまじい威力だ。あまりの力強さに防御に使った腕が弾き飛ばされそうだったぞ」
ロリ「貫け3本の火炎槍!」
アークデーモン「む、暗黒の炎をくらえい」
ロリ「そんな、相殺された」
アークデーモン「よそ見をするな、どんどんいくぞ」
女勇者「なんという凄まじい連撃。防ぐので精一杯です」
無職「女勇者へ、極小防御上昇魔法、風の障壁っ」
アークデーモン「どうしたどうした、俺はまだ半分も力を出していないぞ。そらっ」
女勇者「ぐぅっ、きゃあああああ」
じじい「むっ、これはまずい。女勇者殿の傷が深いぞい」
ロリ「私が引き付けておくからおじいちゃんは早く回復をっ。くらえ炎の雷っ」
じじい「むむむっ、小回復魔法、妖精の祝福っ」
無職「じいさん、もっと強力な魔法魔法頼みますよ。血が止まってないです」
じじい「儂はこれだけしか使えん」
無職「は?」

ロリ「きゃあっ」
じじい「娘っ子!」
無職「ロリちゃん!」
アークデーモン「ぐはっはっはっは、ガキの右腕は消し炭だ。もう使い物にならん、ぐへへへ」
ロリ「ぐぅ」
無職「くっそっ、じいさんあなた魔法力はまだ衰えていないのでしょう?なぜですか」
じじい「見ての通り儂にはもう歯が一本も無くてのう。高位の回復魔法は使えるレベルではあるのじゃが詠唱がどうにもうまくいかん。詠唱の発音は魔法を使う上では大切でのう」
無職「唯一しっかり詠唱できる魔法がさっきのやつだけってことですか」
じじい「すまんのう。ただし連続で詠唱し続けることはできるでの。しばし回復に時間はかかるが」
無職「じゃあ女勇者をたのみます。僕はロリちゃんのほうに」

ロリ「いたい、いたいおぉぉぉ」
無職「大丈夫ですか、今回復魔法をかけます、極小回復魔法、妖精の風っ」
アークデーモン「ぐへへへ、そんなチンケな魔法でその真っ黒コゲな腕が治るか。今にも崩れ落ちそうではないか」
無職「くそ、僕はなんて無力なんだ。こんな時何もできないなんて」
ロリ「無職の間違いでしょ」
無職「まだ冗談飛ばせる元気があるんですか」
ロリ「魔力で直撃は防いだからなんとか。でも意識飛びそう」
無職「僕の回復魔法は効いていますか?」
ロリ「雀の涙ほども、効いてない、かな」

アークデーモン「そろそろ飽きた。冥土の土産に教えてやろう。旅立つ前、酒場に戦士風の男がいたろう。あれは俺だ」

女勇者「な、そんなことが」
アークデーモン「あの酒場にたまたま偶然、能無し無職と片足棺桶じじいとガキ魔法使いが居合わせたとでも?グヘへ、人間とは愚かなものだ。我々魔王軍が仕組んだ勇者を陥れる罠とも知らずに、ホイホイ弱い者を仲間にしていく。実に愚かなだな勇者よ」
無職「城を崩すより魔王にとって脅威となる勇者を始末するために、あえてあの酒場に忍び込んだということですか」
アークデーモン「城下町ごと吹き飛ばしてもよかったのだがな、あそこだけはなぜか強力な結界が張られてあってな。俺が侵入するのでやっとであった。とにかく、すべては魔王軍の手のひらよ」
無職「くっ、僕も手のひらで踊らされていた一人ってことですか」
アークデーモン「そのとおりだ哀れな無職よ。さあ、おしゃべりは終わりだ。しねえええええ」
無職「瞬間転移脱出魔法、大地の道しるべっ!」
アークデーモン「くっ、タイミングを見計らって逃げるか。雑魚どもよ、追え。まだ遠くへは行っていないはずだ。今のうちに勇者は始末しておかねば」

魔王「アークデーモンよ」
アークデーモン「ま、魔王様」
魔王「勇者とその仲間を逃がしたな」
アークデーモン「も、申し訳ございません。しかしながら作戦通り、強いのは勇者のみで後の仲間は予想通りの雑魚でございました」
魔王「仲間などどうでもよい、我々の敵は勇者のみ。あやつさえ始末すれば世界が手に入るのだ」
アークデーモン「おっしゃるとおりでございます」
魔王「くれぐれも我が魔王城の在りかを知られるでないぞ」

アークデーモンのアジトから一番近くの町

神父「大回復魔法、大樹の木漏れ日」
無職「気分はどうですか女勇者様」
女勇者「うん、大丈夫。心配かけてごめんなさい」
神父「大変申し訳にくいのですが」
じじい「どうしたんじゃ」
神父「こちらの少女の右腕なのですが、我ら神官の持つ最大の回復魔法でも肉体の崩壊を防ぐだけで精いっぱいでした」
無職「どういうこどですか」

神父「この娘の右腕、まっ黒に変色している部分ですね。動かすどころか神経すらも通ってはおらぬのです」
ロリ「はは、これじゃスプーン握れないね」
無職「そんな、なんとかならないんですか神父様。魔法がだめでもアイテムとか」
神父「残念ながらこのような傷に効くアイテムは聞いたことがありません。探せば世界中のどこかにあるいは」
ロリ「身体も上手に拭けないよね」
女勇者「だ、大丈夫。心配しないでロリちゃん。私もスプーン使えないし、身体だって自分で拭けないんだから」
無職「女勇者様その慰め逆効果なのでは」

ロリ「でもくやしいの」
女勇者「なにがくやしいのですか?」
ロリ「私たちが魔王軍のいいとおりに動いてこうやってパーティになって弱いって言われて」
女勇者「そうですね。私も悔しいです。今まで一緒に旅をしてきた仲間です。たとえそれが図られた上で一緒になった仲間だとしても」
じじい「儂も悔しいのう。やはり魔法力だけあっても使える魔法が一つでは無理であったか」
無職「前から思ってたけどこのパーティ重大なこと言うの遅くないですかね」
ロリ「ごめんねさっき逃げる時に少しちびっちゃった」
無職「今回はさすがにしょうがないです」
じじい「というわけで少し儂は修行にでる。なに1か月ほどしたら戻ってくるわい」
女勇者「え、ちょっとおじいさん」
じじい「心配するでない。その間お主達も修行なり作戦会議なりしてるとよい」
ロリ「おじいちゃん」
じじい「すまんのう娘っ子、儂がもう少し若ければあんな怪我すぐに治してあげたのじゃが。儂が帰るまでおとなしくしておくのじゃぞ」
ロリ「うん」

無職「ではどうしますか女勇者様」
女勇者「そうね、とりあえず私は一時ロリちゃんのお世話と腕が治る方法を探してみます」
無職「僕は」
女勇者「無職さんは、とりあえず何かに就職してください」
無職「そう、ですね。今回で自分の無力さを痛感しましたし」
ロリ「無職だけに」
無職「うるさいです」

一か月後

女勇者「結局ロリちゃんの腕を治せそうなアイテムの情報が見つからなかった」
ロリ「でも私左手でもスプーン使えるようになったし杖も振えるようになったよ」
女勇者「ロリちゃんはすごいね。わたしはいまだに食事は立ちながらのトーストかおにぎりですよ」
ロリ「椅子にも座れないもんね」

無職「ただいま戻りました」
女勇者「おかえりなさい」
ロリ「おかえり無職」
無職「もう何回無職じゃないって言ったらわかるんですかね。今の僕は戦士ですよ」
女勇者「では無職改め戦士君、調子はどうですか」
戦士「元無職にはしんどいですね、鎧や盾も重いし」
ロリ「がんばれー」

あーえーいーうーえーおーあーおー

女勇者「おじいさんもがんばってますね」
ロリ「今日で丁度一か月だね」
戦士「どこで修行するのかと思えば町の中で発声練習やってるだけですし、外歩いてたら普通に会いますし」
ロリ「一か月どころか一日ごとに戻ってくるよね。ご飯とベッドを求めて」
じじい「またせたかの」
戦士「おかえりなさい」
じじい「無職殿、今日の夕食はなんじゃろか」
戦士「僕戦士なんで、そろそろ覚えてもらっていいですかね」
じじい「おお、そうじゃった、戦士殿」
女勇者「魔法のほうは順調ですか」
じじい「ふむ、そうじゃな。娘っ子、黒焦げになった腕をテーブルに置きなれ」
ロリ「うん」

じじい「むぅぅぅぅ、最大回復魔法、神々の息吹」
戦士「おお、ロリちゃんの腕が」
女勇者「元のかわいい腕に戻っていく」
じじい「どうじゃ、動かしてみなさい」
ロリ「あっ、動く。動くよおじいちゃん!」
じじい「そうじゃろうそうじゃろう、儂にかかればこんなもんじゃ」
ロリ「ありがとうおじいちゃん」
じじい「おお、こんなヨボヨボに抱き着くやつがあるか、泣かんでええんじゃよ。すまんのう辛い思いをさせて」
女勇者「おじいさんすごいですね、今の魔法って使い手がもうあまりいないんじゃ」
じじい「そうじゃな、ここいらでこいつを使えるのは儂くらいのもんじゃろうて」
戦士「おじいさん、いや、老師と呼ばせてください」
じじい「気色悪いからやめい」
戦士「そんなあ」

女勇者「さあ魔王討伐の旅、再開です」
一同「おー」
戦士「この一か月間、魔物は攻めてきませんでしたね」
女勇者「それがこの町から毎日毎日奇声のようなものが発せられて魔物が近寄らないという事案が発生していたようです」
戦士「事案なんですね。というか、もう奇声の正体わかってますよね町の人も」
ロリ「さすがおじいちゃんすごーい」
じじい「そうじゃろうて、儂の声にビビっとるんじゃろうて」
戦士「はいはい、それでは出発しますよー」
ロリ「どこへ?」
戦士「どこって、アークデーモンに再チャレンジするんじゃないんですか?」
女勇者「それなんですけど」
戦士「?」
女勇者「アークデーモンを倒さなくても魔王の居場所くらいなんどか割り出せるようなきがするんですけど、どうでしょう」
ロリ「うーん、じゃあもう一回情報収集からってこと?」
じじい「儂の魔法力を使って探してみるというのはどうかの?」
戦士「え、そんなことができるんですか老師」
じじい「もう老師でいいわい。そうじゃな、敵の位置を探る魔法があるんじゃが、それを儂の魔法力全開で使えば範囲を世界中に広げられると思うんじゃ」

女勇者「おじいさん、詠唱できるようになってからすごく、すごいですね」
ロリ「じゃーおじいちゃんやっちゃえー」
じじい「うむ、ではいくぞい。むむむー、我が溢れる力よ、世界へ広がり悪の根源に印を付けたまへ、天地の導き!」
戦士「どうですか」
じじい「むー。おお、わかったぞい、魔王の居場所が、魔王城が」
女勇者「そこはどこですか」
じじい「儂らが出会った城下町から南西にある海に浮いた小さな島。そこが魔王城へと繋がる道となっておる」
ロリ「近いね。どおりで酒場に魔物が忍び込めるわけだね」
じじい「女勇者殿も監視されていたのかもしれんのお」
戦士「よく幼いころに始末されませんでしたね女勇者様」
女勇者「うーん、私小さいころ今より不器用だったから警戒されなかったんじゃないかと」
戦士「今よりひどいとか想像できません」
女勇者「では、懐かしき我が故郷へまいりましょう、瞬間飛翔転移魔法、竜の翼っ」

女勇者「お母さん」
母「女勇者、こんなにたくましくなって、お帰りなさい。こちらはお仲間の皆さん?」
戦士「戦士です」
ロリ「魔法使いですっ」
じじい「僧侶じゃ」
母「あらあら個性的なお仲間さんね。あなたにぴったりじゃない」
戦士「お母様、悪意はないのですよね」
母「今日はおいしいものを食べてゆっくりしていってくださいね。旅の話も聞きたいし」
女勇者「もちろんですお母さん」
じじい「では儂は王のもとへ顔を出しに行くとするかの」
戦士「なぜですか老師」
じじい「城下に魔物が居たと知れば報告しないわけにもいくまいて」
戦士「そうですね。僕も付き添います。どうのつるぎと50Gの件についても一言いいたいですし」
ロリ「私お母様と遊ぶー」
母「あらあら可愛らしい子ねー。旅は大変でしょー。小さいのに立派ねー」
女勇者「お母さん夕飯作るの手伝いますよ」
母「お願いやめて」

数日後

女勇者「さあ、魔王城に突撃します。準備は宜しいですか」
戦士「はい、王様から王家に伝わる装備一式を頂きましたので」
女勇者「まさか脅迫まがいのことをして無理やり奪い取ったとか」
戦士「女勇者様は何か僕を誤解しているようです」
ロリ「私もすっごく絶好調!相変わらず炎系しか使えないけどその分極めてるよっ」
じじい「・・・」
戦士「老師も何か言ってください、さあエイエイオー」
じじい「   」
ロリ「おじいちゃんが倒れた!」

神父「老衰ですな」

じじい「すまない、こんな大事なところで寿命が来るとは」

戦士「ほんと大事なところでですよ老師、もうちょっと魔法とかで何とかなりませんか」

じじい「むりじゃよ、歳には勝てん」

女勇者「おじいさん」

ロリ「おじいちゃーん」

じじい「女勇者殿すまない、儂の旅はここまでじゃ」

女勇者「そんな、おじいさんがいないと魔王なんてとても」

ロリ「そうだよおじいちゃん、元気になって」

じじい「案ずるでない女勇者殿よ、儂の力をそなたに預ける」

女勇者「え」

じじい「正確には娘っ子にじゃがな」

ロリ「え」

じじい「今から儂が命をささげて娘っ子に、最後の力を与える。儂のすべての力を受け取るのじゃ」

ロリ「そ、そんなことしたらおじいちゃんが」

じじい「娘っ子、儂は無駄死はしとおない、受け取ってはくれぬか、このおいぼれの力を」

ロリ「おじいちゃんがそういうなら、わかった。私、おじいちゃんの力を受け取るよ」

戦士「なんかすごいことになっていますよ」

じじい「受け取れ娘っ子!りゃああああああああああああああああああ」

ロリ「ぴゃああああああああああああああああ」

神父「晴れているのに教会に落雷がっ」

ロリ「あ、あれっ、なんともない」

じじい「あとはたのみましたぞ、女勇者、殿」

女勇者「おじいさん」

戦士「老師」

ロリ「おじいちゃん」

神父「魂は旅立たれた」

数日後


女勇者「さあ行きましょうか、魔王城へ」

戦士「そうですね」

ロリ「うん」

戦士「なんかロリちゃんは賢者になりましたしね」

女勇者「おそらく僧侶のおじいちゃんとロリちゃんの力が合わさったから賢者として目覚めたのでしょうね」

ロリ「うーん、たぶんおじいちゃんは若いころもう賢者だったと思うよ」

戦士「やっぱり老師であったか」

女勇者「人は見かけによらないものだと魔王軍に見せつけてやりましょう」

一同「おー」

魔王城前



戦士「ついにここまできましたね」

女勇者「そうですね」

戦士「ロリちゃん、今日はさすがにパンツ履いてきましたよね」

ロリ「全体最大回復魔法かけておきますね」

戦士「・・・特に見張りもいないようですが、罠でしょうか」

女勇者「でしょうね。しかしここで引いても仕方がありません」

ロリ「正面から行く?それとも回り込む?」

戦士「もう正面からでいいんじゃないですかね、来るってわかってるなら扉の鍵も開いてるでしょう」

ロリ「扉の先に罠があったらどうするの」

女勇者「その時はロリちゃんが、おじいさんが護ってくれますよね」

ロリ「うん、もちろんだよ」

女勇者「では参りましょうか。戦士さんが扉を開けて私がそれに続きます。ロリちゃんは後方支援で」

戦士「ノックはどうしますか」

女勇者「そうですね、一応おねがいします。相手の反応をうかがうという意味でも」

戦士「何回叩きますか」

女勇者「うーん。ゆっくり3回、お願いします」

ロリ「早く行こうよ」

戦士「ノックしても反応無いですね」

女勇者「鍵は?」

戦士「えーっと、あいてます」

女勇者「1、2の3で突撃しますよ」

戦士「了解」

ロリ「はい」

女勇者「1、2の3!」

戦士「おりゃああ、勇者御一行のお通りだあああ」

ロリ「落とし穴の一つでも設置してるかと思ったけど」

女勇者「魔王はおそらく最上階、突き進みましょう」

最上階



ロリ「ここまで一度も魔物に会わないと逆に不気味だね」

戦士「もう魔王の術中にはまってたりなんかして」

女勇者「そこ不吉なことを言わないでください」

魔王「よくぞ来た、勇者よ」

戦士「でたな」

女勇者「魔王!!」

ロリ「黒いローブでよく姿が見えないね」

女勇者「魔王城に来たはいいが魔物はいない、罠らしきものも見当たらない。何を企んでいる魔王」

魔王「貴様らが来るのが早すぎたのだ」

戦士「どういうことだ」

魔王「この魔王城の場所はアークデーモンを倒さない限り分からないようになっている。しかもアークデーモンを倒したとしても落とすアイテムは暗号にしかすぎんからな」

ロリ「そうか、おじいちゃんのおかげで早く来られたんだもんね」

魔王「当分勇者は来ないということで城の魔物連中は外で好き放題暴れまわってるし罠の用意も当然まだだ」

女勇者「では貴方を倒すには絶好の機会というわけですね。いきますよ、魔王!」

魔王「絶好の機会?勘違いするな、私一人のほうがかえって暴れやすい」

ロリ「あ、ローブが取れた」

戦士「なんだあれは」

魔王「どうした、私の身体が気になるか?」

ロリ「どす黒い水晶みたいな、あれが魔王の正体?」


女勇者「てやああああああああ」

魔王「どうしたね、痛くもかゆくもないな」

女勇者「ぐっ、いったあああああああい」

戦士「女勇者様の鉄拳でも砕けないなんて」

女勇者「うう、拳が、砕けてしまったようです」

ロリ「今回復します。それにしても鍛え上げられたおねえちゃんの拳が砕けるなんて初めて。どういうことだろう」

魔王「ここへ来るのが早すぎたな、どうせここで終わるお前らに教えてやろう。我にはどんな攻撃も魔法もきかん。」

戦士「なっ」

魔王「それどころか攻撃してきた者に対して数倍のダメージを返し与えるのがこの私。どうだね絶望したかね。勝てる要素があるかね」

ロリ「で、でもそれって逆に攻撃しなきゃ私たちも攻撃されないんじゃ」

魔王「甘いな人間の子どもよ、魔王が攻撃手段を持っていないとでも思ったか。地獄の氷槍っ」

ロリ「きゃあ」

戦士「ふんっ」

魔王「ほう、我の魔法を防いだか」

ロリ「あ、ありがとう」

戦士「二度と同じドジは踏まないですよ。あ、盾にヒビが」

魔王「私の魔法を一発耐えただけも素晴らしい。その盾に感謝するんだな」

戦士「くっそ、魔王とはこんなにも強大なものなのか」

女勇者「あきらめては駄目です」

戦士「女勇者様」

女勇者様「魔王の言うように本当にすべての攻撃が効かないとは限りません。どこかに弱点があるかもしれません。諦めてはだめです」

ロリ「そうだね、私、魔法使ってみるよ」

戦士「わかった。じゃあロリちゃんに降りかかる攻撃はこの肉壁がすべて受け切ってやりますよ」

女勇者「私も角度を変えて攻撃してみる。ロリちゃん回復もお願いね。せいやあああああ」

ロリ「力強き天の炎と雷よ、私の杖に集まって。えーい!聖なる雷槍と火炎槍!」

戦士「ぐっ」

ロリ「戦士さん、今回復を」

戦士「僕はいいから先に女勇者様を」

女勇者「っつぅ」

魔王「なんだもうおしまいか。それもそうだろう。攻撃しても無駄、攻撃しなければこちらから攻撃する。もうあきらめて楽になれ」

ロリ「いやだ、おじいちゃんにせっかくもらった力、無駄にしない」

戦士「なにか、なにかないか、魔王を倒せるなにか」

魔王「無駄だ。私を唯一傷つけることのできる、勇者にのみ持つことを許される聖剣と印を持たぬ貴様らに勝機はない」

女勇者「そ、そんなものが、あったのですか」

戦士「そんな素晴らしい剣とアイテムがあっても、女勇者様では、無いも、同然じゃないですか」

ロリ「今そんなこと言ったってしょうがないよ」

魔王「そこの戦士が持っている名剣でさえ我にかすり傷一つ付けることは不可能だ。なぜおまえがそんな剣を持っていて、勇者は素手なのかは知らぬが」

女勇者「私は、素手が、好きなんです、よ」

ロリ「まだしゃべらないでおねえちゃん」

戦士「んー、あっ。いける。かもしれない」

ロリ「戦士どうしたの」

戦士「ロリちゃん作戦があるんですけど」

ロリ「その作戦大丈夫?」

戦士「わからないですけど、可能性は、ある。たぶん」

ロリ「わかった、協力するよ」

戦士「ありがとう」

魔王「そろそろ地獄の業火であの世に行ってもらう」

戦士「まあ待て、今から女勇者様がお前に会心の一撃を放つ」

魔王「ほう、面白い。そんなもの、失敗すればすぐあの世行きだぞ。いいのか」

女勇者「元よりそのつもりです」

魔王「よかろう。チャンスをやろう。勇者との余興もよかろう」

戦士「では女勇者様に私の名剣を使っていただきます」

魔王「その言い方すこし誤解を生みそうだが、まあよかろう。やってみせい」

戦士「その前にロリちゃんが攻撃倍化魔法をかけます」

ロリ「その身体、竜の血を受けよ、双竜轟雷っ!」

女勇者「力がみなぎってきました」

戦士「そして僕が剣を持ち、女勇者様と共に魔王の前まで来ます」

魔王「なぜおまえが剣を持ってくる。さっさと勇者に剣を渡せばよかろう」

戦士「それではだめなのです」

魔王「ほう、なぜだ」

戦士「女勇者様は、不器用なんです。ハイどうぞ女勇者様」

女勇者「ありがとう戦士君」

ロリ「がんばれおねえちゃん」

魔王「なにをやるかと思えばただ斬りつけるだけとはな」

戦士「斬りつけるだけ?何を言っているんですか」

魔王「どういうことだ」

戦士「不器用な女勇者様が剣を使って斬りつけるなんて攻撃ができるわけないじゃないですか」

魔王「?。はっきりものを言え。消し炭にするぞ」

ロリ「おねえちゃんいっけー」

魔王「えっ」

女勇者「ああああ、つまづいたあああ」

魔王「うっ」

戦士「つまづいた拍子に頭突きが炸裂したが、どうだ」

魔王「?なんだ、単なるこけおどしか。勇者は剣も使えないのか。って、えっ」

ロリ「水晶にヒビがはいっちゃった。あれ、水晶が魔王さんだから魔王さんにヒビが入ったのかな」

魔王「うごごご。ば、馬鹿な。私の身体は攻撃を受け付けないはず。跳ね返すはず。なのに」

戦士「攻撃ならの話でしょう。女勇者様のあの頭突きは攻撃でも何でもない、例えていうならあれです、タンスの角に小指ぶつけるあれです。タンスに攻撃する意志なんてないですから」

魔王「タンスの角?まるで意味が分からん。なにを言っているんだ貴様あああ」

戦士「ああ、魔王さんは水晶みたいな形ですし小指無いから分からないですね」

魔王「貴様馬鹿にしているな」

戦士「とんでもないです。もっと分かりやすく言いますと、あの頭突きは本人の意志ではありません。不可抗力というやつです。攻撃というのであれば獲物を狙った投石などのほうがまだ攻撃的です」

魔王「くっ、そんな単純なことで私の鉄壁の防御が。それになんだあの攻撃力は。我の身体は頭突きごときで割れるほど脆くはないぞ」

ロリ「それはおねえちゃんのポテンシャルと私とおじいちゃんの魔法のちからかな」

魔王「馬鹿な。まさかこんな単純なことでダメージが通るとは。なぜだ」

戦士「だから攻撃じゃないって言ってるじゃないですか。はい、女勇者様、次薬草を使ってください」

女勇者「はい。っとうわあああああ」

魔王「ぎゃあああああ」

戦士「きれいな裏拳が入りましたね」

ロリ「あ、なんかさっきの倍化魔法重ね掛けできそうなんで、かけときますね」

戦士「じゃあ次は靴を脱いでください」

女勇者「わかりました。っとおおおおおおおお」

魔王「やめろおおおおお」

ロリ「よし、もう少し」

魔王「なめるなよ、こちらから攻撃できることも忘れるな。煉獄の」

女勇者「あああああ危ない危ない危ない」

魔王「ぎゃああああああああああああああああああああ」
パリーン

王様「いや、よくやってくれた女勇者よ。そして仲間の戦士、魔法使い、そして天に召しました偉大なる僧侶、もとい賢者よ」

女勇者「ありがとうございます」

王様「世界を救った英雄達よ、まずはゆっくり休まれよ。パレードはそれからじゃ。それと先に聞いておきたいのじゃが、褒美として君たちの望みをなんでも叶えようと思うとる。遠慮することはない、一人ずつ申してみなさい」

10年後



元ロリ「はーいみんな注目ー、今日はこの賢者の孤児院に伝説の勇者様が来てくれましたー」

元女勇者「みなさんこんにちは、女勇者です。といっても魔王も居なくなりましたので元、ですけど」




元ロリ「今回の寸劇の魔王役は女勇者様の旦那様、戦士さんでしたー」

元戦士「こんにちはー。言葉遊びって恐ろしいですね。というわけで魔王が居なくなってまた無職になりました。失職って怖いですね、魔王より怖いかもしれませんね」

元女勇者「子供たちに何言ってるんですか、早く仕事見つけてくださいよ。いつまでもロリちゃんの孤児院に営業じゃ面目立たないでしょう」

元ロリ「いいんだよおねえちゃん、王様から運営費はたんまり貰ってるから」

元戦士「ですよね、お金はあるし働かなくても」

元女勇者「それがだめんなんです」

元戦士「君だって今だに自分で着替えもできない歯も磨けない椅子から転げ落ちる、言ってたらきりがないくらい不器用で仕事以前の問題じゃないですか」

元女勇者「うう、それは」

元ロリ「はいはい、子供たち見てるので夫婦喧嘩はよそでやってねー」

元戦士「あ、そうだロリちゃん。王様が呼んでましたよ。おそらく結界の件だと思います」

元女勇者「おじいさんの張ったこの結界が無かったら、私は子どもの頃すでに魔物にやられていたかもしれないんですよね。結界どうするんでしょうか」

元ロリ「おじいちゃんの結界、消えるにしろ張り直すにしろ、どちらにしても少し寂しくなっちゃうね」




元ロリ「ん?結界?結界っていうのはね、まだ魔王が世界を征服しようとしていたころ。そう、この孤児院の名前にもなってる勇者パーティの頼れる4人目。彼がこの城下町に張ってくれた魔法の結界は、魔物から私たちを助けてくれたの。えーっと、じゃあもう一つ、お話をしましょうか。彼はパーティいちの魔法の使い手。偉大で勇敢なる賢者―――――」


おわり

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