白石紬「私がモバプロに、ですか?」 (20)

前作

神谷奈緒「あたしがプロジェクトフェアリーに?」
我那覇響「自分がトライアドプリムスのメンバーに?」



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765P(以下P)「ああ。前回は響に神谷さんと入れ替わってもらったんだが、今回はその役を紬にお願いしたいんだ」

紬「それは 765 プロの代表として行く、ということですよね? そんな大役、私に勤まるのでしょうか?」

P「大丈夫大丈夫。それに今回のモバプロの相手はミステリアスな人だから、きっと紬の参考になると思うよ」

紬「まったく、あなたはいつも適当な」


ガチャ


響「はいさーい! おっ、P に紬、どうしたんだ?」

P「このあいだ響にモバプロに行ってもらっただろ。次は紬にお願いしようと思ってな。先輩としてなにかアドバイスしてやってくれるか?」

響「な、なんだって!? 紬!!」ガシッ

紬「は、はいっ!?」ビクッ

紬(あの響さんが真剣な顔を! まさか P の言う通りなにかアドバイスを?)





響「モバプロはおそろしいところだぞ! やつらの言うことを信じちゃダメだからな! 気を付けろっ!」

紬「後輩の不安を煽るようなこと言わないでください」


紬(と、いうわけでモバプロに来てみましたけど)

紬(そういえば P が私の相手はミステリアスな人だと言ってたような)

紬(ミステリアス、貴音さんのような人でしょうか)

紬(モバプロだと高垣楓さんや高峯のあさんとかでしょうか)

紬(もしそんなすごい人だったらどうしよう ……ほんとにうちなんかでよかったんかな?)

紬(せめて粗相のないようにしないと)コンコン

紬「……失礼します」ガチャ






ヘレン「ヘーイ」(乾布摩擦中)





バタン


紬「………………」



ガチャ




ヘレン「ヘーイ」(乾布摩擦中)




バタン


紬「……………………」


ヘレン「まったく失礼ね」

紬「す、すみません。かなり意外だったので」

紬(確かにこれ以上ないほどミステリアスな人ですけど)

ヘレン「まあいいわ。ヘレンよ、よろしく」

紬「は、はじめまして。白石紬と申します」

ヘレン「…………」

紬「あの……どうかしましたか」

ヘレン「いえ、なんでもないわ」

紬「?」


紬「ところでヘレンさんはなにをやっているのですか」

ヘレン「見てのとおり乾布摩擦よ」

紬「……質問を変えます。なぜあなたはこのレッスンルームで乾布摩擦をしているのですか」

紬(噂には聞いていたけどすごくへん、いえ変わった人ですね)

ヘレン「そんなの決まっているわ」

紬(失礼のないようにしないと……平常心平常心)



ヘレン「あたしが世界レベルだからよ」

紬「あなたはバカなのですか?」

ヘレン「あなたもこのレッスンが終わったら、世界レベルを目指すようになるわ」

紬「なりません。バカなのですか?」


ヘレン「そんなことより、今日は私の他にもう一人ミステリアスな仲間が来てくれるわ」

紬「ミステリアスな仲間、ですか?」

紬(まさか次こそはほんとうに楓さんやのあさんが)


コンコン


ヘレン「噂をすれば来たようね」

紬「……」ドキドキ


ガチャ





輿水幸子「お待たせしました。カワイイボクが来ましたよ!」

紬「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


幸子「な、なんですか、そんな大きなため息ついて! まったく失礼ですね!」プンプン

紬「申し訳ありません。完全に予想外だったので」

ヘレン「幸子はこう見えてミステリアスで世界レベルな子よ。ねぇ、幸子?」

紬「えっ?」

幸子「ええっ!?」

紬「本人が一番驚いているのですが」


ヘレン「幸子、ミステリアスで世界レベルな経験を紬に教えてあげなさい」

幸子「い、いきなりなんですか。ミステリアスで世界レベルですか? え、ええと」

紬(幸子さんといえばよくバラエティに出演されている印象が強いですが)

幸子「あっ」

紬(まさかほんとうにミステリアスな経験を?)




幸子「日本のバンジーは100メートルしかないんですけど、アメリカで321メートルのバンジーにチャレンジしました!」

紬「バイオレンス!?」


♦ダンスレッスン中

ヘレン「……」タタタン

幸子「……」タタタン

紬「ハァハァ」タタタン

ヘレン(……)

ヘレン「いったん休憩にしましょう」

紬「だ、大丈夫です。まだやれます」

幸子「休憩することは大切ですよ紬さん。ボクも疲れましたし休憩にしましょう」

紬「くっ」

紬(お二人ともまだぜんぜん元気なのに、私に気をつかって)

紬「……すみません。私のせいで中断してしまって」

紬(ダンスも二人に比べて全然できてないし……やっぱりうちなんかが来ちゃいけなかったのかな……)

ヘレン「……」


ヘレン「紬。あなた、自分に自信がないのね」

紬「!?」

ヘレン「ここに来たときからずっと不安そうな目をしているわ。自分はここにいていいのか、迷惑をかけているんじゃないか。そんなことを考えているんじゃないかしら」

紬(す、鋭い!)

紬「……しかし、実際にこうしてご迷惑を」

ヘレン「アイドルになってまだ日の浅いあなたと、世界を渡り歩いてきた私たちとじゃ経験が違う。気にする必要はないわ」

幸子「なんでヘレンさんは頑なにボクを世界レベルの仲間にしたいんですか? まぁ、確かにボクのカワイさは世界一、いえ宇宙一ですけどね! この前も――」

紬(どうすればヘレンさんや幸子さんのようになれるんだろう)

紬(お二人の行動を参考にすればなにか手がかりがつかめるかもしれない)

紬(ヘレンさんと幸子さん)

紬(………………)グルグルグル


紬(そうか!)ティン



幸子「まったく動物たちがぺろぺろしてくるほどカワイイボクはなんて罪なん」

紬「わかりました!!」バン!

幸子「!?」ビクッ





紬「うち、これから毎日、乾布摩擦しながらバンジーやって世界レベルになります!!」

幸子「急に何を言いだすんですか紬さん!?」


ヘレン「よく言ったわ紬。その意気よ」

紬「はい!!」

幸子「ぜんぜんよくないですよ危ないですよ!? 紬さんもそんなに頷かないで!!」

ヘレン「そうと決まれば屋上に行ってさっそく乾布摩擦やるわよ、紬、幸子 」

紬「はい!!」

幸子「そうやってすぐに頷く、ってボクもやるんですか!?」

ヘレン「目指せ世界レベル!」

紬「目指せ世界レベル!!」

幸子「ええちょっと、腕を引っ張らないでくださいよ!!」


バタバタバタ




神谷奈緒「……」

奈緒(めんどくさそうだし見なかったことにしよう)


♦数日後

トレーナー「はい、今日はここまで」

アイドル全員「お疲れ様でした!」

紬「ハァハァ」

響「紬もお疲れ様っ。これからみんなで夕ご飯食べにいこうと思ってるんだけど一緒にどう?」

紬「……すみません。まだ少し練習したいので私は残ります」

響「そ、そうか? でも紬、最近レッスン張り切ってばかりでしょ。あんまりムリしちゃだめだぞ。休憩することも大切だからね」

紬「……ありがとうございます。でもまだまだ練習しないといけないんです。だって」






紬「うち、世界レベル目指してますから!」

響「うぎゃーーーー、紬がおかしくなったぞ!!」




以上となります。
お付き合いくださりありがとうございました。


下の作品も読んでいただければ幸いです。

安部菜々「ナナの名は」

白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」


あと、白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」で使った◆eU2UNg43MIから酉を変更しました。

コロコロ酉を変更して申し訳ありません

イイハナシダナー
乙です

ミリオンライブより
>>2
白石紬(17)
http://i.imgur.com/mWVrTMQ.jpg
http://i.imgur.com/Gr28eIH.png

我那覇響(16)
http://i.imgur.com/zRhy1Z4.png
http://i.imgur.com/WJpqxwb.jpg

シンデレラガールより
>>4
ヘレン(24)
http://i.imgur.com/wzflzAk.jpg
http://i.imgur.com/EnSsvF0.jpg

>>8
輿水幸子(14)
http://i.imgur.com/IbxhsCE.jpg
http://i.imgur.com/UmSDQmQ.jpg

>>14
神谷奈緒(17)
http://i.imgur.com/AqdGHiC.jpg
http://i.imgur.com/kv9Zhwf.jpg

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