永吉昴「シンデレラガールズと試合だって?」真壁瑞希「……試合ではありません」 (50)

瑞希「共演です。ごえつどうしゅう、だぞ」

昴「だってマジでやるつもりだから、本気出せってプロデューサーが言ってたぜ?」

瑞希「やると言っても野球の試合ではありません。……ライブです」

昴「なんだ、そっちかよ。でもよ、気になるウワサを聞いたんだけどさ」

瑞希「なんですか?」

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永吉昴
http://i.imgur.com/RJ4ewW6.jpg

真壁瑞希
http://i.imgur.com/RIRislg.jpg

昴「シンデレラガールズは、支配下登録選手が200人近くいるらしいんだよ! プロでも支配下登録選手は1チーム70人までなのに、そんなにいるの反則じゃねえか?」

瑞希「永吉さん。シンデレラガールズのみなさんは、選手ではありません」

昴「そりゃそうだけどさ、なんでも野球に当てはめて考えた方が理解しやすいだろ?」

瑞希「そう……かな? じゃあちょっと試してみてもいいですか?」

昴「え? なにを?」

瑞希「(49-x) /2+x=32……この問題が解けますか?」

昴「……え?」

瑞希「ちなみに中学3年生レベルの数学です」

昴「ちょっとわからねえけど……」

瑞希「では、話題を変えます。……夏の甲子園が始まりましたね」

昴「お? おお! 毎日、大熱戦だよな!!」

瑞希「甲子園の野球大会は、抽選によって組み合わせが決まります」

昴「? そうだな」

瑞希「第2回戦以降には、不戦勝のチームがないように組み合わせもつくられています」

昴「知ってる」

瑞希「では、1回戦で不戦勝となるチームの数が何チームになるか……わかりますか?」

昴「15チームだろ?」

瑞希「即答ですか。……正解です」

昴「簡単だって。49チームが参加して、2回戦以降で不戦勝が出ないようにするなら32チームが1回戦を残らないといけないんだから、1回戦を全チームがやるなら32の倍で64チームが必要だけど、実際には49チームしかいないんだから64から49を引けば15チームになるじゃんか」

瑞希「そうですね。……ところで(49-x) /2+x=32はわかりますか?」

昴「わからねえ」

瑞希「驚くべき事ですが、確かに何でも野球で考えた方がわかりやすいんですね」

昴「なんだかわからねえけど、おう!」

瑞希「それで、永吉さんはシンデレラガールズの誰と共演するんですか?」

昴「え? みんな別々の娘との共演なのか?」

瑞希「はい。……ちなみに私は、若林智香さんと日野茜さんと共演です。てんしょんあがるぞ」

昴「オレは確か、諸星きらりって名前の娘だったな」

瑞希「諸星さんですか」

昴「あれ? 知ってるのか?」

瑞希「シンデレラガールズの皆さんとは、以前ちょっと共演したので」

諸星きらり
http://i.imgur.com/dI8qQzh.jpg

昴「じゃあ諸星きらりって、どんな娘なんだ?」

瑞希「背の高いアイドルです。……確か身長は、186.2cm」

昴「えっ!?」

瑞希「……186.2cmです」

昴「ちょ、え? 待てよ! 186.2cm!? オレ154㎝しかねーぞ!!」

瑞希「大丈夫です。諸星さんは、優しい人ですから。……ただ」

昴「ただ、なんだよ?」

瑞希「以前、出演した番組でセットを破壊したことがあると……聞きました。ですとろーい」

昴「こっ、こええ! こえーよ!! 共演するのおっかねえよ!!!」

瑞希「大丈夫です。先程も言いましたが、諸星さんは優しい人です」

昴「セットを破壊した、ってのも先程言ったじゃねえか! ヤダよ、そんな大きな娘と一緒なんて」

瑞希「永吉さん、大丈夫です。確かに諸星さんの身長は186.2cmです。……でも」

昴「?」

瑞希「身長186.2㎝といえば、巨人の坂本勇人選手とほぼ同じです」

昴「あ」

瑞希「諸星さんと共演している時は、坂本選手ってこのぐらいの大きさなんだ……と、想像しながらお仕事をしてください」

昴「そ、そうか……さ、坂本選手と同じ身長かあ……////」

ズン ズン ズン ズン ズシーン ドシーーンン

昴「な、なんだ? 地震か!?」

瑞希「いえ。……来たみたいです」

昴「誰が?」

きらり「にょわーっ! 今度共演する昴ちゃんが、ちょうどいるって聞いて挨拶にきたよ☆ きらりはぁ、諸星きらりだにぃ。よろしくおにゃーしゃー!」

昴「こ、この娘が諸星きらり……で、デケえ! だ、だけど……」

きらり「?」

昴「坂本選手も間近にいたら、このぐらいあるんだな……背////」

きらり「ライブ、楽しみにしてるにぃ。はい、握手☆」

昴「あ、ど、どうも……よろしく////」

ギュッ

昴「手……大きいな……この手で去年は、セリーグの遊撃手史上初めて首位打者を獲得したんだな……////」

瑞希「※してないぞ」

きらり「じゃぁあ。また会うにぃ! おっすおっすばっちし☆」

瑞希「どうでしたか?」

昴「お、おお。全然恐くなかった。というか、坂本選手と同じ身長だって思ったら、なんか嬉しかった////」

瑞希「それは……よかったです」

昴「あと、白菊ほたるって娘も共演するらしいんだけど」

瑞希「! ……白菊さんですか」

昴「知ってるのか?」

白菊ほたる
http://i.imgur.com/S5npTcH.jpg

瑞希「お目にかかったことはありませんが、噂を……聞いた事があります」

昴「噂? それってよくない噂なのか?」

瑞希「はい」

昴「まさか……賭博とかか!?」

瑞希「違います。白菊さんは……とても大人しくて、礼儀正しい娘です。悪い事をするような娘ではありません」

昴「じゃあなんで……ん?」

ほたる「あ、あの……永吉昴さんですよね? 私、白菊ほたると言います。今度その……共演させていただくので、ご挨拶を……」

昴「え? あ、アンタが。やー、よろしくな」

ほたる「私はシンデレラガールズになって日がまだ浅いんですが、一生懸命がんばりますのでよろしくおねがいいたします」

昴「日が浅い? ルーキーってこと?」

ほたる「いえ、その……移籍してきたんです」

昴「あ、トレードか!?」

ほたる「え?」

昴「それって何対何のトレード? それとも金銭?」

ほたる「あの……トレードではないと思うんですけど……」

昴「じゃあ、もしかしてFA?」

ほたる「よくわかりませんけど……なんて言うか、前の事務所は倒産してなくなっちゃったんです」

昴「え?」

ほたる「それで……」

昴「つまり……近鉄と同じケースかよ!?」

ほたる「きんて……え?」

昴「父親から聞いたことあるぜ! 近鉄とオリックスの球団合併と楽天の新球団設立や分配ドラフトな!!」

ほたる「え? え?」

昴「そっかー! 苦労したんだな……ほたる、よろしくな!! オレ、まけねーからな!!! 全力だすから」

ほたる「あ、はい……よろしく……おねがいします」

昴「ああいう親会社がやめちゃったり、親会社そのものがなくなるって大変なんだろうな」

ほたる「あ。はい……私の場合、それが3回もありましたから」

昴「え?」

ほたる「前の事務所だけじゃなくて、その前の事務所も……その前の前も……」

昴「つまり……どういうことだ?」

瑞希「野球で言えば、3アウトでもチェンジにならなかった……かな?」

ほたる「あの。でも、野球って3アウトでチェンジになるんじゃ……」

昴「あー! 第4のアウトな!!」

ほたる「え?」

昴「アピールを怠らなきゃ、3アウトでも終わりじゃないことってあるよな!!!」

ほたる「意味はわからないですけど、なんだか……嬉しい言葉です」

昴「そっかー。でも色々、辛いこともあったんだろ?」

ほたる「……はい。今だから言えますけど、酷いことを言われたりもしました」

昴「ひどいこと?」

ほたる「陰で……『怪物』とか言われたり」

昴「女なのに?」

ほたる「え?」

昴「オレもさ、男に生まれていたら甲子園とかで怪物って呼ばれてたかもなーって、時々思うんだよな!」

ほたる「こうし……えん?」

昴「女の子なのに怪物って呼ばれるとか、すげーな!」

ほたる「いえその、別に……すごくは」

昴「怪物の他にも、なんか呼ばれてたのか!?」

ほたる「ええと……魔物とか……」

昴「おー! 甲子園の!!」

ほたる「こうしえん……?」

昴「すげーな、ほたる! オレもがんばるから!! よろしくな!!!」

ほたる「あ、はい。それではまた……」

昴「すげえな……あの娘」

瑞希「というか……明らかに困惑してましたよ。絶対に白菊さんの中で、甲子園という場所のイメージが変わったはずです」

昴「なんで?」

瑞希「説明すると長くなります。なんというか……なんでも野球で理解するのは、考え物かも」

昴「わかりやすくて、いいんだけどな」

瑞希「周りは……わかりにくいです」

昴「そういえばさ、なんかオレら映画に出るんだって?」

瑞希「私も聞きました。有名な……マンガの映画化だそうです」

昴「えー? マンガの映画化かよ」

瑞希「なにか問題でもあるのですか?」

昴「オレもマンガは読むけどさ、なんかマンガの実写化って評判よくないじゃんか」

瑞希「確かにデビルマンを筆頭に、原作がマンガの映画はファンも厳しい目で見ることが多く、また二次元のデザインを三次元で再現することによるコスプレ化や、尺に収める為の原作改変など、様々な問題があります」

昴「だろ? なんかそういうの聞くと、マンガ原作の映画ってこえーなーって」

瑞希「大丈夫です永吉さん」

昴「え?」

瑞希「プロデューサーならきっと、そこはきちんと仕事をしてくれます。……私たちの為に」

昴「まあそうかも知れねーけど」

瑞希「それに」

昴「ん?」

瑞希「マンガが原作でも、成功した映画はあります。……ROOKIESのように」

昴「おお! ROOKIESか!!」

瑞希「はい。原作をリスペクトしつつ、改変を加えながらも大成功したあの……ROOKIESです」

昴「そうか、そうだよな!! ROOKIESがあったよな!!!」

瑞希「だから……大丈夫です。きっと」

昴「オレ、安仁屋がいいな!」

瑞希「あの……それは、あくまでも例えで。英語で言うと、えぐざんぷる」

昴「瑞希さんは、今岡な!」

瑞希「ふよ」

昴「千鶴さんは、赤星かな」

瑞希「それは……同感です。かげのどりょくか」

昴「ところで、今日ってなんの収録なんだ?」

瑞希「今日は……VRゲームの体験のお仕事です」

昴「VRって、すっごい本物みたいに見えるゲームなんだよな? それ、野球のゲームか!?」

瑞希「いえ。カーレースのゲームだそうです」

昴「カーレースか」

瑞希「時速165kmで、日本を縦断するゲームだそうです」

昴「え?」

瑞希「時速165kmで、日本を縦断するゲーム」

昴「じ、時速165kmって速すぎだろ! え、しかもVRってことはすっげーリアルなんだろ?」

瑞希「そうでしょうね」

昴「オレこえーよ。そんな車の運転するの!」

瑞希「永吉さん、大丈夫です。確かに時速165kmは……ものすごいスピードです。ですが……」

昴「な、なんだよ?」

瑞希「時速165kmといえば……北海道日本ハムファイターズの、大谷翔平選手の投球と同じ速さです」

昴「あ」

瑞希「ゲームの中で永吉さんは、大谷投手の投げるボールの気分が……味わえます」

昴「そ、そっか! そうだよな!! そうかー……大谷の投げる球の気分か……!!!」

瑞希「だから……がんばるぞ」

昴「えいえいおー!!!」

~収録後~


瑞希「どうでしたか?」

昴「ああ……なんていうか、大谷の手に握られて投げつけられたみたいだったぜ……////」

瑞希「それなら……良かったです」

昴「ちょっと建物とかにもぶつかっちまったけど、なんていうかデッドボールみたいで興奮した」

瑞希「それは……良かったのかな?」

昴「まあゲームだから良かったけどさ、やっぱり交通事故ってないにこしたことはないよな。ゲームの中だけにしておくべきだよ」

瑞希「同感です。……交通事故はこわいぞ。メーカーが試験した所、時速50㎞の速度でも車が衝突したら1.5トンの衝撃だそうです」

昴「1.5トン?」

瑞希「1.5トンは、1500きろぐらむです」

昴「それはわかってるけどさ、1.5トンとか1500キロって言われても、いまいちピンとこねーよ」

瑞希「1500㎏は……ヤクルトのバレンティン選手、15人分です」

昴「え!?」

瑞希「バレンティン選手の体重はちょうど100きろぐらむなので、15人で……1.5トンです」

昴「ば、バレンティンが15人って言ったら年間ホームラン900本だろ!?」

瑞希「※ただし、2013年のばあいだぞ」

昴「ほ、ホームラン900本って言ったら、900~3600点だろ!?」

瑞希「ホームランは、ソロなら1点。満塁なら4点ですからね」

昴「やべーな交通事故! バレンティンは年俸がアメリカドルで95万ドルだろ!? 15人なら14,250,000ドルだぜ!? 円に直すと……いくらだ!?」

瑞希「大体ですが、15億円を超える金額になりますね」

昴「15億かよー。想像できねーな」

瑞希「15億円は……オリックスの金子千尋選手の年俸、3人分です」

昴「金子千尋が3人!!」

瑞希「※ただし、今年の推定年俸だぞ」

昴「ということは、バレンティン15人で金子千尋3人かよ!!!」

瑞希「もうなんだか、よくわからなくなってきましたね」

ロコ「こんな所にいましたか。ロコは2人に、グレートに大きくてビッグなジャイアントニュースを持ってわざわざ探しにやって来ました」

瑞希「あ、ロコさん。……ありがとうございます」

昴「サンキュー、ロッコ!」

ロコ「長く苦しい長距離ロングトラベルでした。時には右にライトターンして右折したり、左手に左折してレフトターンしたりしたのです」

瑞希「どこから来たんですか?」

ロコ「隣の建物ですよ」

昴「隣に…いたのか。あずささんみたいだな」

ロコ「それはともかく。765プロも、私たちという新しくてフレッシュでノベルなニューフェイスが参入し、次のネクストステップへ進むべく、偉大でグレートなビッグプランが決定したんです」

昴「どんな?」

ロコ「ドームでライブです。東京ドームでのライブが決まったのです!」

瑞希「東京ドーム……らいぶ!」

ロコ「そうです! これはエキサイティングなライブになることは、間違いありません!! ピースなバイブレーションでアートを描き、このアースに負けないオブジェを作るのです!!!」

瑞希「みんな大好き東京ドームライブ」

昴「東京ドーム……お、おおお、オレ緊張してきた。と、東京ドームてライブって、ど、どどどどんななんだよ!? どうすればいいんだよ!?」

瑞希「永吉さん、落ち着いてください。……緊張しなくても大丈夫です」

昴「だ、だってよ、東京ドームだぜ!?」

瑞希「確かに東京ドームは、私たちも未経験の大きな会場です。……ですが」

昴「な、なんだよ?」

瑞希「永吉さんに分かりやすく説明しますと、東京ドームの大きさは……東京ドーム1個分です」

昴「あ、なんだ。そうか。あの大きさか、それなら安心だな!」

瑞希「はい。どんとうおーりー、だぞ」


お わ り 

若林智香
http://i.imgur.com/TAOG0I3.jpg
http://i.imgur.com/tt3tq6t.jpg

日野茜
http://i.imgur.com/txiYgoB.jpg

以上で終わりです。
おつき合いいただきまして、ありがとうございました。

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