【オリジナル】 「俺の名前はシン、ただの村人さ」 (15)

母「シン、朝御飯は食べていかないの?」
シン「うん、すぐ帰って来るからね」
母「気を付けていってくるのよ」
シン「はーい!いってきまーす」
母「いってらっしゃい」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502016099

(俺の父さんは俺が生まれる前に死んだらしい。
それからは母さんと二人暮らし、少しでも母さんを助けるため俺は毎日狩りに出掛けている)
シン「もうそろそろ家に帰るか、母さんに心配かけたくないし」

シン「それにしても今日は森が静かだな。
動物達も何かに怯えているみたいだった」

(ん?村のほうから煙が出ている?家事か?)

シン「村に何かあったのかもしれない。急いで帰ろう」

魔物A「ヒッヒッヒッ、もうこの村のやつらほとんど片付けちまったみてぇだな」

魔物B「人間は弱い、すぐ壊れるからつまらん」

シン「あれは魔族?なんでこんなところに」

魔物A「ヒヒッ、金目の物も奪ったしもうこの村に用はねぇ、行くぞ」

魔物B「おうよ」

シン「魔物達はいったみたいだ。金目のものがどうとか言っていたな、母さんが心配だ…こうしちゃいられない!」

シン「そんな…俺の家が…村全てが燃えている…」

シン「誰かー!誰かいないのかー!?母さーん!」

ブロッケン「…あぁ…シンか…」

シン「あなたはブロッケンおじさん!どうしたんです!?大丈夫ですか!?」

ブロッケン「…良かった、お前だけでも生き残ってくれて…」

シン「どうなってるんです!村は燃えているし、ブロッケンおじさんは傷だらけでもう何がどうなっているのか…それに他のみんなは!?」

ブロッケン「…落ちついてよく聞け…。ついさっき魔物が現れてこう言ったんだ。女と食糧を寄越せとな。俺達はもちろん抵抗した…だが…ガフッ」

シン「おじさんっ!?」

ブロッケン「…すまないシン…お前の母親は魔物に連れていかれた…本当にすまない…」

シン「そんな!?母さんが!?」

ブロッケン「…シン…お前だけでも生きろ…決して魔物に復讐しようなどと…ぐっ…考える…な…」

シン「おじさん!?しっかり!死んじゃいやだよ!おじさん!おじさん!」

シン「うわあああああああ」




シン(あれからもう数日がたつ。俺はどうすればいいんだ…金もない…力もない…母さんも…俺にはもう何もない…)

モブA「聞いたか?例の噂。すぐに魔法を覚えられるっていう話」

モブB「あぁ、だが適性がないとダメらしいじゃないか。しかも覚えられる魔法はひとつでランダムときたもんだ」

モブA「それじゃ魔物と戦うことは出来ないかもしれないな」

シン(魔法だって?…待てよ…それがあれば母さんを助けることが出来るかもしれない)

シン「すいません。その話詳しく」

モブA「なんだお前」

モブB「あっちいけ」

シン「…」カネサシダシー

モブA「おう!そんで魔法は教会で覚えられるらしいんだが、たださっきも言った通り適性がなけりゃ覚えられない」

シン「教会か…適性があるか試すだけ試してみるか…」



シン「教会に着いた。すいませんここで魔法を覚えられると聞いたのですが」

シスター「はい。魔法を覚えるには適性がないといけませんが適性テストをしますか?」

シン「はい。お願いします」

シスター「ではこちらにあるこの水晶に触れてください。この水晶であなたに魔翌力があるかテストします」

シン(なんだか水晶が紫色になってきた)

シスター「これは…とても魔翌力の濃度が高い…おめでとうございます。あなたには魔法の適性があるようです。」

シン「本当ですか!?」

シスター「えぇ、それでは今から神父様のところへ行き魔法を修得していただきます。ついてきてください」

シン(これで俺は強くなれる。待っていて母さん)

神父「では今から貴方に魔法を授けます」

シン「おねがいします」

神父「神よ彼に力を授けたまえ~中略~後略」

シン「体が熱い!これが魔法の力!?」

神父「これで貴方は魔法を使えるようになりました」

シン「それで俺はなんの魔法を使えるようになてなたたんでしょうか」

神父「貴方が使えるようになった魔法は魔法です」

シン「…え?吸収魔法?」

神父「はい。他人のバッドステータスや怪我などを吸収する魔法です」

シン「それって回復魔法ではないんですか?」

神父「回復魔法とは少し違いますね。貴方の魔法は他人の怪我などを治すのではなく吸収するのです。つまり他人の代わりに自分が怪我をするとこういうことです」

シン「それって全然使えないんじゃ…あの交換って出来ないんでしょうか?」

神父「無理です。一度しか魔法は覚えることはできません。では次の方が待っておりますので」

シン「そんな!神父さん!…クソッ!」


シン「俺は…もう母さんを助けられないのか…」トボトボドンッ
男1「いてぇなおい、どこ見て歩いてんだおめぇ」

男2「兄貴が骨折しちまったらどうすんだコラ」

男1「あーいてぇなー骨折しちまったかもなー」

シン「す、すいません」

男2「骨折させといてごめんですむわけねぇだろ!」
バキドコドス
シン「ぐっ…くっ」

謎の人物「おい、どけ」

男1「なんだてめぇ、フードなんか被りやがって…どっかいけよ」

謎の人物「私はここを通りたいのだ。どかないというなら力付くでどいてもらうが?」

男1「はっおもしれぇ!やれるもんならぐはぁっ!」
バキ
男2「兄貴!てめぇよくもやりやぐはぁっ!」
ドス
シン(あの男達を一瞬で倒したこの人は一体…)

謎の人物「お前もどかないというなら容赦はしないぞ?」

シン「あ、すいません…ってそうじゃなくて、助けてくれてありがとうございました!」ペコリ

謎の人物「助けたつもりなどない邪魔だったから退かしただけだ」

シン「そ、そうですか…あの、どうやったらそんなに強くなれるんですか?」

謎の人物「…突然なんだ?」

シン「い、いえ。さっきの戦いを見ていてすごいなって思って」

謎の人物「…私は強くない」ボソッ

シン「え?」

謎の人物「なんでもない。私はもう行く」

シン「あ!あのっ!待って!」フードガシッ

謎の人物「っ!?」

シン「あ…え?女の子?…」






女の子「…見たな…」

シン「あの…ごめ…そんなつもりじゃ」

女の子「…見たんだなこの目を」

シン「いや、見てないです君が女の子で銀髪の可愛い子なのは誰にも言いませんから…ん?目?」

女の子「…お前この目を見て何とも思わないのか?」

シン「…ん?赤くて綺麗な目ですね」

女の子「…お前本気で言ってるのか?」

シン「…?」

女の子「…フッ、はははっ」

シン「???」

女の子「お前この町の人間じゃないだろう?」

シン「?…ええ、違います」

女の子「ならば知らないかもしれないから教えてやろう。私は魔眼持ちなのだ」



シン「魔眼?」

女の子「そうだ。私の目は魔物と同じ目なのだ。そして町の者達は私のこの目が恐ろしくて恐ろしくて仕方ないらしい」

シン「そ…そうなんだ」

女の子「お前も聞いて恐ろしくなっだろう?」

シン「いや、別に」

女の子「気にするな。私の父親も私の目が恐ろしくて私の左目を潰したのだからな」

シン「…」

女の子「さぁ、逃げ出したくなっただろう。この魔眼から!どこへでも逃げるがいい!」

シン「…どうして君は寂しそうなのな顔しながらそんな事言うの?」

女の子「わ、私が寂しそうだと!?ふざけたことを言うな!」

シン「ううん、今の君はとっても寂しそうだよ。俺と同じだ」

女の子「…お前と同じ?」

シン「頼れるものが何もなくてたった一人で生きてる…同じだ俺と君は」

女の子「…同じ…」

シン「俺はシン。教えてよ君の名前」

女の子「…アイだ…。私の名前はアイ…」

シン「アイさんか」

アイ「さんはいらない。アイでいい…」

シン「うんわかった。よろしくねアイ」ニコッ

アイ「あっ…///」

シン「ん?どうしたの?」

アイ「な、なんでもない!」

シン「そっか」

アイ「なぁ、お前も私と同じと言っていたが」

シン「うん…それは」ギュルギュルギュルー

アイ「?」

シン「…お腹減ったみたい」

アイ「…なにも食べてないのか?」

シン「うん、いろいろあったからね…あとお金もないし…へへっ」

アイ「…どこかに食事に行こうか…」

シン「え?でもお金が…」

アイ「いい。私が出す」

シン「え。そんな悪いよ」

アイ「お前の話を聞きたくなった。食事はその礼だ」

シン「…わかった。ありがとうアイ」

アイ「…///」

一応ここで登場人物紹介

主人公
シン
ただの村人だったが、魔物に村を襲われ村は壊滅。母親も魔物に連れ去られる。母親を助けるため魔法を身に付けるも吸収魔法という使えそうにない魔法を授かり落ち込む。アイに出会ったことで今後の未来が変わっていくかもしれない。

アイ
銀髪赤目の少女。左目が前髪で隠れておりその左目は父親により潰されている。
強気で騎士っぽい振る舞いをしているが、それは周りから差別されてきた事にたいするトラウマから強くなければ傷つけられると思ったためである。


誰か見てくれてるんでしょうか?
一人で書いてるのかと思うと悲しい



アイ「…なるほど、そんなことがあったのか」

シン「うん。だから俺は強くならなきゃいけないんだ」

アイ「分かった。私がシンを鍛えてやる」

シン「え?」

アイ「なんだ?いやなのか?」

シン「いや、まさかアイ自身が俺を鍛えてくれるとは思わなくて」

アイ「私にも多少の心得はある。お前よりは強いだろうさ」

シン「反論できない自分が悔しい」

アイ「さぁ、そうと決まれば特訓だ」

シン「お、おう…」

二週間後

シン(あれから二週間が過ぎた。
アイは凄く張り切って訓練してくれている、が)

アイ「おいシン、かき氷とやらが売っていた。一緒に食べよう」

シン(俺はすっかり餌付けされてしまっている。どうしてこうなった)

アイ「ほら早く食べないと溶けてしまうぞ?」シャクシャク

シン「うん。食べるよ」シャクシャク

アイ(シンのやつ、美味しそうに食べて。何かを食べているシンはとても可愛い。頬を膨らませてまるでリスのようになるのだ。)

シン「うっ頭が痛い…」キーン

アイ「一気にかきこむからだ。ゆっくり食え」シャクシャク

シン「…うん」シャクシャク

シン「なぁ、アイ?俺は強くなれたんだろうか?」

アイ「急になんだ?お前はよくやっているさ。最初よりは強くなった」

シン「そっか」シャクシャク

アイ「ああ、だからきっとお前は母親を助けられる」

シン「…うん。ありがとう」ニコッ

アイ「///」
ドカーン
アイ「なんだ今の音は?」







このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom