拓海「派出所で留守番」 (23)

両津「暑い…暑すぎる…異常気象にも程がある…」

両津「この扇風機もまったく役に立たん。ただ暑い空気をかき回しているだけだ!」

両津「おい中川!アイスでも買って…って中川も麗子も部長も盆休みだったな」

両津「ったく自分らだけ盆休み取ろうだなんてのんきな連中だぜ…」

両津「まあわしの場合盆休みを取ってもクソ暑い寮でゴロゴロしてるだけだからな。あまり今の状況と変わらん!」

拓海「おーっす」

両津「おう、久しぶりだなお前」

拓海「ああ。ここんところちょっと忙しくてな。今日は勘吉だけか?」

両津「ああ。中川は7泊8日でハワイ、麗子は5泊6日でスイスの避暑地だとよ」

拓海「ハワイか。この間仕事で行ったけどなかなかいいところだったぜ!」

両津「わしは何年か前熱海からイカダでハワイまで行ったぞ。途中海が大シケになった時はさすがに死んだかと思ったがな」

拓海「いや…頭おかしいだろお前…」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375880716

中年男性「あれ?両さん何してるんだい?」

両津「見りゃわかんだろ仕事だよ」

中年男性「今日は千川賞の日だよ?早く行かないともうレース始まるよ?」

両津「しまった!この暑さですっかり忘れてたぜ!今日は勝てるレースなんだった!拓海悪いが留守番しててくれ!24時間以内には戻る!」ギュオオオオオオオオ

拓海「あ、おい!何でアタシが留守番しなきゃなんねえんだよ!って本当に行きやがった…」

拓海「しっかし元特攻隊長が派出所で留守番ねえ…。ヤキが回ったもんだぜまったく」

道たずねおじさん「あのー…」

拓海「あ?悪いけどアタシは警官じゃねえんだ。よそ行ってくれ」

道たずねおじさん「ちょっと田舎から出てきて道が判らんのダスけど、ホテル亀有はどこダスかね?」

拓海「(人の話を聞けよ…)あー、ホテル亀有ね…何か見たことある気が…」

拓海「…3キロくらいまっすぐ行ってピッって曲がりゃあそのうち着くんじゃねえの?」

道たずねおじさん「それじゃ困るダス!今日はトーキョーで同窓会があって20年ぶりなんだっぺ!」

拓海「だからアタシは警官じゃねえって言ってんだろ!ったく田舎のジジイってのはホント人の話聞かねえな…。ほら地図があったからそれ見ろ」ドサッ

道たずねおじさん「あ、こらどうも恐縮ダス」

拓海「どうだ?あったか?」

道たずねおじさん「はあ、どうもおかげさまで何とかなりそうダス。あんがとごぜーます」

拓海「そうか、気をつけて行けよ」

道たずねおじさん「ついでに2次会の首藤料理店の場所も教えて…」

拓海「そんなもん知るか!自分で探せ!早く帰れ!」

拓海「警察ってのはあんなんもいちいち相手にしなきゃいけねえのか…。大変だな」

おばあさん「おいしいかにはいらんかに?」

拓海「………ばあさん、ここは交番だぜ?モノを売る所じゃねえんだよ」

おばあさん「北海道で獲れた新鮮なかにだっぺ。姉ちゃんも食ったら故郷のこと思い出すべ」

拓海「北海道出身じゃねえよ!どこ情報だよ!」

おばあさん「そりゃおめえそんなでけえおっぱいさして、きっと北海道のうまいもんいっぱい食って育ったんだべ?」

拓海「そんな話聞いたことねえよ!そんなわけないだろ!頼むから帰ってくれよ?な?」

おばあさん「かにはいらんかに?そうかに…」

拓海「わかったよ…とりあえず1つ買ってやるよ…ほら」

おばあさん「毎度ありがとに」

拓海「どうも年寄りには弱くて適わねえ…。アタシもシャバくなったもんだぜ…」

ベテランセールスマン(押田)「…というわけだよ桜井君。つまりセールスというのはまず何気ない会話から始めることでお客様の心を開いていくことが重要なのだよ」

新人セールスマン(桜井)「はあ、さすが押田課長。勉強になります」

押田「内容は『いい天気ですね』とか、何気ない会話から入り、そして相手のことを褒めまくる!これが営業の鉄則だ」

桜井「いやあ、勉強になります」

押田「ちょうどあそこに展開上都合のいいことに交番があるから試してみなさい。私はここで見ているから」

桜井「ちょっと無理やりな気もしますが…行ってきます」

桜井「こんにちh…ひぃっ!」

拓海「(蟹を抱えている)」イライライライライライライライライライライライラ

桜井「課長!無理です!魔境です!まったくもって状況が理解不能です!」

押田「桜井君、今後営業マンとしてやっていくためにはどんなお客とも渡り合っていかねばならん。さあ頑張れ!」

桜井「あの…こんにちは…」

拓海「何の用だ!?」

桜井「私営業マンでして…」

拓海「それがどうした!?」

桜井「いいお天気ですね…」

拓海「今日は曇りだろ!」

桜井「ユ、ユニークな制服ですね…」

拓海「アタシは警官じゃねえ!喧嘩売ってんのかてめえ!」

押田「ま、ま、落ち着いてください。おや?あなた向井拓海さんじゃないですか?」

拓海「やtttttttっとわかってくれる奴が来たか…そうだよ。わけあって今留守番してんだよ」

押田「それはそれは…おや、その蟹は?」

拓海「さっき押し売りのばあさんに買わされたんだよ…」

押田「丁度よかった。今私圧力鍋のセールスをしておりますので、よかったら実演も兼ねて蟹料理を作って差し上げましょう」

拓海「本当か!?へへ、丁度ハラ減ってたからな。頼むぜ!」

拓海「おおおおお!美味い!」

押田「光栄です」

拓海「たぶんアンタ出世すると思うぜ。で、この鍋いくらだっけ?」

押田「ズバリ!20万円でございます」

拓海「20万!?アタシのプロデューサーが月に飲むドリンク代とほとんど同じだな…。ずいぶんと高いんだな」

押田「それはもう最高級の材質を使用し、最新技術を駆使して作られたものですから」

拓海「へー、すげえ鍋なんだな。そりゃ料理も上手くなるよな。欲しくなるぜ」

押田「光栄でございます!」

拓海「はー美味かった。ごっそさん!じゃああと片付けて帰ってくれよな」

押田「え?は?ちょ、それはないでしょう!?料理までさせておいて!」

拓海「別に買うとは言ってないしな。じゃ、頼んだぜ!アタシは奥でテレビ見てるから」

押田「営業マン生活20年…こんなに手ごわい一般人は初めてだ…!」ガクッ

拓海「しかし昼飯も食ったってのにまだあいつ帰ってこねえのか」

女性「あのお、すみません」

拓海「また客かよ…何の用だ?」

女性「この子私の家の庭に迷い込んできて…首輪がついてるから飼い猫だと思うんですけど」

拓海「へー、結構小さいな。まだ子猫だな」

女性「では、よろしくお願いしますね」

拓海「えっ、あ、ちょっと!…預かっちまった…」

拓海「まったく、お前どっから来たんだ?」ナデナデ

猫「にゃあ」

拓海「こんな小さいやつから目を離すなんて飼い主はなってねえよなあ?」ナデナデ

猫「にゃあ」

拓海「まあ生きてりゃ色々あるだろうけどよ、自分を曲げちゃいけねえぜ」ナデナデ

猫「にゃあ」

前川「ハクション!…エアコンかけすぎたかにゃ?」

拓海「…可愛いなあお前」ナデナデ

猫「にゃあ♪」

拓海「…」

拓海「」キョロキョロ

拓海「(猫を頬ずりする)」ニヤニヤ

一般市民の方々「ヒソヒソ」

拓海「はっ……///てめえら見世物じゃねえ!あっちいけオラァ!」グオー

一般市民の方々「ひいい!」

拓海「はあ…はあ…、とりあえずこいつは奥の部屋に置いとくか…何か疲れた…」

早苗「おっす誰かいるかなー?って何で拓海ちゃんがいるのよ」

拓海「げ!片桐!…サン」

早苗「んん~?アイドルになって多少は丸くなったと思ったけどまだちょっと礼儀がなってないかしらねえ~?」グリグリ

拓海「痛い痛い痛い!すんません!すんません!」

早苗「ふぅ~、ま、それはいいとして何で拓海ちゃんがいるのかしら?勘吉君は?」

拓海「勘吉はギャンブルしに行ったぜ。千川賞?とか何とか」

早苗「ふ~ん、それで留守番してるってわけね。面白そうじゃない!私もさせてもらおっと☆」

拓海「は?何言ってんだアンタ?」

早苗「いいじゃない別に。私交番勤務って憧れてたのよね~♪酔っ払いとかブッ飛ばしたいわぁ」

拓海「いや、それはやっちゃだめなやつだろ…」

男性「お巡りさん喧嘩です!止めてください!」

早苗「そらきた!ほら行くわよ拓海ちゃん!」

拓海「何でそんなノリノリなんだよ…」

ヤンキーA「くぁwせdrtghyじゅいこlp;@!!!!!!!11」ボコー

ヤンキーB「くぁwsでfrgtひゅじこlp;@:!!!!!!1」ボコー

早苗「ほらほらやめなさい!」ドスッ!ドスッ!

ヤンキー×2「」シーン

拓海「絶対この人アイドルより警官のほうが向いてるよな…」

野次馬「ちぇっもう終わりか」

野次馬「おせっかいなババアだぜ」

早苗「ちょっと誰よ今ババアって言ったの!出てきなさいよ!全身の関節折るわよ!?」

早苗「あんたか!?」

野次馬「違います違います!」

早苗「じゃああんたか!?」

野次馬「違いますう!」

拓海「やめろ片桐…さん!もう28なんだから!」

早苗「誰が四捨五入したら30よ!」

拓海「そこまで言ってないだろ!とりあえず戻るぞ!」

早苗「ちょっと離しなさいよ!まだ決着ついてないでしょ!」

ワーワーギャーギャー

両津「いや~今日も勝った勝った。いいレースだったぜ。って何で片桐の奴が?つーか何やってんだ!?」

両津「おいこら片桐やめろ!アイドルが白昼堂々暴れるんじゃない!」

野次馬「ねえちゃんいいぞ!やれやれ!」

野次馬「引っ込めポリ公!」

両津「今ポリ公って言った奴はどいつだ!?わしのナンブの錆にしてやる!出て来い!」

ワーワーギャーギャー

拓海「も、もうアタシの手には負えねえ…。知らんぷりして帰ろう…」

後日



新聞「バイオレンス警官&アイドル、白昼の暴力オンステージ!」



麗子「あら?両ちゃんは?」

部長「ああ、両津ならさいはて署に転勤になったよ。20年は戻らないんじゃないか?」

一方CGプロ

留美「あら?早苗さんは今日欠席かしら?」

拓海「あの人ならさいはて地方にツアーに行ったぜ」

夕美「聞いたことない場所だね?あっそうだ、拓海ちゃん今日誕生日でしょ?実はパーティーの準備がしてあるんだよ。あとでみんなでお祝いしようね!」

里奈「たくみんおめー☆アタシケーキ買ってるよー!」

アーニャ「パズドゥラヴィリャーユ…おめでとうございます…!」

舞「拓海おねえちゃんおめでとうー!」

拓海「お前ら…へへっ、ありがとな!」

ちひろ「この前主催したレースは赤字ね…。運の良い奴がいたものね…」ブツブツ

さいはて地方

両津「何にもすることがねえ…」

早苗「ちょっと全然他のアイドル出てこないじゃないのよ!ていうかここ日本のどこよ!」

両津「ちくしょう~!わしはギャンブルしてただけなのに~!」

おわり

終わりです。ありがとうございました。拓海の誕生日なので久々に書きました。拓海おめでとう!後でHTML化以来を出しておきます

乙ですっ☆
やっぱ面白いよー。ぜひまたやって(懇願)

>>20
ありがとうございます。また暇を見つけて書いていきたいです。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom