【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールⅡ【艦これ×GBF-T】 (483) 【現行スレ】

※諸注意
・ガンダム(BF、時々別シリーズ)と艦これのクロスです
・クロスと言っておきながらキャラ借りただけのSSですので口調や性格の崩壊があります
・遅筆で更新が遅く、不定期ですがご容赦ください
・連取、連投は安価↓か↑にずらします。ただしコンマ安価時のみ連取可です
・大体キャラ安価以外は選択肢ですので好みのガンプラとかリクエストしてもらえれば選択肢に反映します
・キット化されてないものもOKです。寧ろ出して下さい
・主人公(三人)は固定式となっています、ご容赦ください
・また設定都合上時々>>1の別SSキャラが出てくる可能性がありますのでご注意ください


またこれは

【安価】春雨「ガンダムビルドファイターズ?」
【安価】春雨「ガンダムビルドファイターズ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413043315/)
の直接の続編(途中で落ちましたが)であり設定上は

榛名「艦プラビルドファイターズⅢ」(現在進行中)
榛名「艦プラビルドファイターズⅢ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447863972/)
の並行世界となっており世界観を一部共有しています


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501766589

登場人物

メインキャラクター

・海風(主人公その1)

主人公の一人であり、春雨編の浜風の妹。
マイペースだが面倒見がよく、落ち着いている。内実怖がりだがそれでも頑張れる普通の女の子。ただし行き過ぎた自己犠牲と自分の命を軽視し過ぎる傾向があり瑞鳳からは厳しく注意された。
家族とは不仲、特に浜風には憎悪を抱いていたが和解するも扱いは辛烈なのは変わらない。
当人は特にガンプラに興味は無かったが神通との出会い、霞との出会いを経て部に参加する。そして偶然の果てに、世界の命運を巡る戦いへと身を投じることになった…
姉同様に戦略眼と指揮能力長けチームでは主席指揮官の座を担う。戦闘スタイルは姉とは真逆の近接戦が主、神通と比べると見劣りするが『先読み』によって敵の動作を数手先まで読む事で対応して戦う事が出来る。
能力は『未来予測演算』、相手の行動を高度なレベルで想像し自身の望む未来へと繋ぐ事が出来る。ただしあくまでも飛躍した想像力の齎すものであり確実性は無い。
使用機体はウイングガンダムゼロの改造機『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』。特殊システムを内蔵しているが扱いはかなりリスキー。


・神通(主人公その2)

主人公の一人。海風達の1年上にあたる。
海風・霞の入部以前の部に所属する唯一の部員で、部長を務めている。部内唯一の常識人(特別顧問を含め)で、諌め役を務める苦労人。
控えめな性格で少々弱気な所はあるが芯はしっかりしており、不正を許さない真っ直ぐな性格。意外と怒りの沸点は低め。
その正体は未来人で瑞鳳の娘で、瑞鳳・蒼龍・飛龍の遺伝子を組み合わせたデザインチャイルド。事象改変を行い最終的に瑞鳳が病死しない未来を創ろうと奮闘し、幾度もループを繰り返していた。
そして3代目流派・東方不敗の正当後継者でもありガンプラ・リアルファイト問わず高い戦闘能力を持つ。
チームでは前衛を担当、高い近接能力を発揮して敵を容赦なく屠る。海風を除くと唯一指揮能力を持つが向いていないと自覚している。
使用機体はインフィニットジャスティスの改造機『インフィニットジャスティス・スターリリィ』。2本の刀を主とした近接が得意。
余談だが瑞鳳の遺伝子を引いているためデコが非常に広い。瑞鳳曰く『見てて不安になる広さ』で、瑞鳳が自分の娘と気付けた一因でもある。そして弱点も瑞鳳のものを継いでいるらしい…


・霞(主人公その3)

主人公の一人で海風のクラスメイト。
友達が欲しいと願い、ガンプラバトル部へと入部した… が、入部の切欠は模型部の横暴が頭に来たからであり、入部そのものは勢いである。
ぶっきらぼうで口が悪いものの、心優しい性格。しかしその心は過去の出来事によって閉ざされていたが海風や神通達には心を開き、特に海風相手には互いに本心を吐露し合える関係になる。
その過去は5年前に起きたフェリー事故『なは号爆沈事件』に巻き込まれ唯一の生還者となってしまい、両親の死を切欠に心を閉ざし他人と関わるのを避けていた。
過去のトラウマとそれに関する悪夢によるストレス、瑞鳳に押し付けられたサイコフレームによってニュータイプへと覚醒しつつあり、その素養が原因で昏睡病キャリアーに襲われた。
チームでは後衛、砲撃手を担う。 高い射撃能力を持つが、それ以上に異常に高い反応速度によって機体が自身に追いつけなくなるほどの成長を遂げてしまう。
使用機体はZZガンダムの改造機『ブラストZZ』、FAガンダムやEx-Sガンダムのパーツも使っており高い機動性と火力を持つ。
彼女のベッドの下にはSUKEBEなBOOKが眠っており、朝雲に暴露された際は関係者全員を締め上げた。


・天津風(メイン)

チームメンバーで、中学1年生。
第3話で転校し、バトル部に入部した。今回の空気枠。
気が強く、真面目で我が強いタイプ。風が好き。だが空気枠。過去にガンプラ学園を退学しておりその事に遺恨がある。
チームでは強襲・空戦を得意とするが独りよがりな節があり、その点を注意されたりもする。
朝雲の行いの巻き添えで割を食うことが多々あるものの基本的には空気枠。
使用機体はデルタガンダムを改造した『シューティングスターガンダム』、高い空戦能力を持つ。また瑞鳳によってSu-27系統の推力偏向ノズルが脚部に仕込まれた。


・朝雲(メイン)

チームメンバーで中学1年生。第3話でバトル部に入部した。
病弱な妹の五月雨がおり、その妹の為にバトル部に入り戦うことを選んだ。
悪戯好きで霞のベッドの下のSUKEBEな本を上に並べたりとロクな事をしない。
面倒見が良い性格故に悪戯好きな面を除けばチーム内でも割と良識的な立場に居る。海風の心境を理解し、萩風の凶行を思い止まらせ、榛名には『改RX-0』を託され萩風に憑かれた。
海風の要望で支援型となり、味方のサポートを行う。しかし近接対応能力も非常に高く、榛名に仕込まれたガン=カタを用いてイズナ・シモンと互角に渡り合う程。
家族想いでありその影響か面倒見が良い。
ポジションは後衛、狙撃を主とするがガン=カタを用いた近接戦も得意でありオールラウンダーとして立ち回れる。
使用機体は狙撃・補助特化に改造された『ストライク・ヴァルキリー』、装備はライトニングの改造ストライカー『ブリガンディアストライカー』。
そして別枠で改RX-0の1機『RX-0[Sm] シームルグ』を持っている。


萩風(メイン)萩風

『紫陽花の戦乙女』

天津風より後に転入し、バトル部に入部した少女。
母親を失った故に過剰とも言える健康志向で神通や瑞鳳を呆れさせている。
身体能力が異常に高く、反射神経に優れており前衛向けの能力。隠密・奇襲、撹乱などの戦闘を得意とする。
その正体は神通の妹、そして瑞鳳・浜風・夕雲の遺伝子を組み合わせたデザインチャイルド。つまり海風の姪にあたる存在。
そして薬物使用者を闇討ちしていた犯人。自身の身体能力や戦略眼を活かして監視カメラなどを潜り抜け、使用者を再起不能に追い込んでいた。
神通とは異なり、流派・東方不敗の技を学ばず大鯨が使用する体術を得意とする。
本編中ではやりたい放題やっており、どこからともなく銃をかっぱらってきたりと健康志向を謳いながら神通の胃を破壊一歩手前に追い込む。
最初は朝雲を利用していたが気に入り、割と気にかけている。

メインキャラ

・瑞鳳
『真紅の戦乙女』の名で有名なビルドファイターであり、我等が格闘魔人。最早世界を跨いでレギュラー化した。
父親から『東西南北中央不敗スーパーアジア』の名前を貰うが全力で拒否ってる。知らぬ間に妹が増殖していたらしい(瑞鳳が拉致ったが養子縁組したとは知らなかった)。
海風達の顧問をしながら昏睡病の拡散を防ぐべく奔走、自ら渦中へと飛び込んだ。
『見出す』事に関しては超一流であり、飛龍を始めに春雨や浜風たちなどファイターを見つけ、育て上げたその経歴を買われて顧問に抜擢されている。
製作能力に関しても世界トップクラスではあるが多少荒削りな部分も多い。機体の出力や能力こそ榛名以上ではあるが粒子関連の技術は榛名と比較して未熟、しかしRGシステムなどの斜め上の発想は世界大会に混乱を巻き起こし、粒子技術発展の先駆けとなった。
使用機体は『ネブラブリッツ・クロイツ』→『ガンダムエピオン・クロイツ』。

未来の瑞鳳は昏睡病の拡散が止められなかった。
仲間を全員失った瑞鳳は孤独に耐えられず、協力していた『異世界の瑞鳳』が管理する『ハシラジマ泊地』でかつて『プロジェクトF』に使用された培養槽を用いて瑞鳳と仲間の遺伝子を組み込んだ娘である『神通』『萩風』を創造してしまう。
そして2人を自身の娘として育て上げるも病に倒れ、病床に伏せる。しかし深海棲艦の侵攻に伴い、単身で世界と自分の娘達を守る為に戦いへと身を投じ辛うじて勝利した。
しかしそれが原因で病状が悪化、37歳と言う若さでその生涯を終える。そしてその事が切欠で神通・萩風が過去に転移してしまう。


・飛龍

瑞鳳のパートナーその1。瑞鳳が前に進むための切欠となった人物。瑞鳳の『導き手』。
『今の瑞鳳』を形成した要因であり、瑞鳳の姉貴分的存在である。瑞鳳との絆は深く、瑞鳳に最も影響を与えた人物。
かつて瑞鳳を『弱い』と評したが自身との出会いや身の回りの出来事を経て成長する瑞鳳を『対等』と認め、同じ道を歩む。
ファイターとしての技量は世界トップクラス、同等の機体であれば先代メイジンとも互角に戦える程の能力を誇る。
瑞鳳と共にお店をやる傍ら海風達の顧問としても活動する。お腹が弱い。
未来においては既に死亡(もしくは昏睡)している。

・蒼龍

瑞鳳のパートナー2号。瑞鳳が最初に出会い、異世界に触れる事になった存在。瑞鳳の『支え手』。
飛龍との和解や浜風の問題、夕雲との出会いなど様々な出来事において瑞鳳を支え続けた。
飛龍同様、瑞鳳を『支えないとすぐ折れる』と感じていたが様々な事件を経て成長を重ねる瑞鳳と共に自身も過去を捨て、共に前に進む決意をする。
相性の関係で飛龍には一歩劣るが、世界トップクラスの実力を持つファイターで射撃に関してなら飛龍を凌ぐ。
未来においては既に死亡(もしくは昏睡)している。

・浜風

瑞鳳のパートナー3号。海風の姉、しかし嫌われている。
ウイングガンダム・フレスヴェルグの製作者。
春雨編から2年経過している為成長しており、また胸が大きくなってしまったらしい。
戦術指揮能力に非常に秀でているのは姉妹として当然で、海風よりも実戦経験が多いため能力は海風以上。
戦術に関する能力や才は海風以上であり、本編中の最強候補の一角。
唯一の弱点として『心理』を読み取れるが『心情』は読み取るのが苦手と言う点がある。例としては覚悟や怒りのような感情的な部分を読み取れず春雨に敗北、そして海風から怒りを買った。
序盤は海風の前に現れるのを避け海風の怒りを買うも中盤にスドウから海風を助けるために乱入し共闘、2機で反撃を許さない勢いでコピー体を破壊する。決着後に海風が倒れハシラジマに移送された際には看病、その後海風に一発鳩尾を殴られて和解?した。ただし扱いは辛烈。
春雨・時雨を無二の友として認めると共にライバル視しており、再戦を望む。
未来において神通の話では、既に死亡(もしくは昏睡)している。


・夕雲

瑞鳳のパートナー4号で親戚にして旅館の一人娘。浜風とコンビを組んで世界大会を制覇する実力を持つ。
春雨編から2年が経過している為大人びており、以前よりも成長している。
実家の問題で瑞鳳の助けられ、それ以降瑞鳳を慕って東京まで押しかける。そして瑞鳳争奪戦に火をつけた張本人。
春雨・時雨ペアとの敗北以降、鍛錬を続け実力を磨いたが再戦は叶っていない。
一見して常識人のように見えるが箱入り娘かつ瑞鳳の影響で常識などぶっ飛んでいる。
口が滑りやすいのが難点、瑞鳳曰く『顎の関節にグリスでも塗ってるんじゃないの?』とのこと。お漏らし体質で度々弄られる。
未来世界では他の全員同様、既に死亡(もしくは昏睡)している。
出番はかなり少ない。 

大鳳

『アンリミテッド編』の大鳳の並行存在。
大学の同級生で親友、そして卒研の共同研究も行っている。
過去に7回アパートが炎上し、引越し先とお金が無くなったので瑞鳳の家に下宿することに。よく家が燃える。
ビルダーとしての技能は瑞鳳より一歩劣るが高いレベルで、時々瑞鳳の手伝いもする(レベル的に大鳳=粒子制御技術の無い榛名)。
松風たちの転移理由を作った張本人であり、瑞鳳の『裏』も知っている。

愛宕

『アンリミテッド編』の愛宕の並行存在。
瑞鳳の幼馴染であり姉貴分的な存在。また教員であり、海風達の副担任兼顧問として赴任する。
自身もファイターであるが、1対1の能力は並。しかし2対2や複数対複数の多人数戦によって真価を発揮するタイプで、基本的に誰でも組める『潤滑油』の役目を果たせる稀有なタイプ。
しかしこちら側では『相方』が居ないため少し能力が低下している。
教師としては未熟であるが信念を持っており、教え子を護る為なら自ら剣を持つ事も厭わない。


夕張

『アンリミテッド編』の夕張の並行存在。
瑞鳳の後輩で気が付いたら出てきてた人。
ただ松風たちの一件には関わっており、瑞鳳の『裏』を知っている。


瑞鶴

『アンリミテッド編』瑞鶴の並行存在。
瑞鳳の幼馴染で次元覇王流の使い手の一人。
萩風の第一目撃者。
実は瑞鳳が守銭奴だと知ってる数少ない人物。


・不知火・朝潮・舞風・照月・初月・松風・弥生

瑞鳳が拉致って来た妹軍団、そして榛名と関わりが薄い人たち。
基本的に出番は無い。

メインキャラ(宮城枠)


・榛名

『純白の神狼』の名を持つ宮城人。『ブレイヴ編』主人公は並行世界の同一存在だがかなりの差異がある。
デザインチャイルドでも無ければ孤児院の出身でも何でも無い普通の家庭で生まれ育った普通の人間。ただし色々ブッ飛んでる。
『好きなように生きて好きなように死ぬ』をモットーに掲げ大学卒業後はその日の気分で仕事をして(様々な資格を持っており、依頼されれば何でもこなす)自由気ままな生活を送りながら一家の家計を支えている。
ファイター・ビルダーとして一流であり『ユニコーンガンダム』をベースにした改造機『改RX-0』の製作者で、瑞鳳曰く『狂ってる』と言わしめた。
機体の基礎スペックは瑞鳳に一歩遅れを取っているが粒子操作・変容技術に関しては世界でも先代メイジンに並ぶものである。
大鯨と契約していたが物語中盤で契約満了し、大鯨の希望に反して契約延長はしない主義を曲げず延長を断る。しかし『一度関わった以上は最後まで成し遂げる』と言う信念に基づき榛名『個人』として独自に行動を開始した。
余談だが榛名のガンダム知識はかなり浅い。理由は『スパロボでしか知らないから』で、ある意味唯一無二の弱点でもある。故に作品に囚われない柔軟な発想が出来る、と言う意味では利点にもなるが。
ガンプラ学園の前進である『ガンプラ塾』の元塾生で元メイジン候補筆頭であり、製作・バトル共にトップクラス。
使用機体は『RX-0[F] フェンリル』。
実家には大量の改RX-0が存在しており、製作者の榛名すら持て余している。

・天城

宮城人2。『ブレイヴ編』の天城と並行存在。
大学に進学後、榛名が拾った妹達の世話を焼いている。この世界では実姉だが榛名に対して劣情を抱くのは同じ。正義感の強さや異常に高いファイター技量など、姉そっくり。
ビルダー能力は無いがファイターとしてならばビスマルクを圧倒、飛龍・蒼龍に引けをとらない実力を持つ。
霞の模擬戦に付き合ったり、自分の『技』を教えたりと姉に似て面倒見は良いがメシマズである。
多分一番ブレ幅が無いがメシマズ(重要なので2回)。
使用ガンプラは『RX-0[S] スレイプニル』。


・青葉

宮城人その3。『ブレイヴ編』の青葉と並行存在。
境遇などはブレイヴ編と差異が多く、転移理由もこちらでは『釣り上げられた』とのこと。
榛名の腹心的存在で、頼れる相方。榛名に忠誠を誓っており、榛名と共に行動する。
蒼龍と飛龍からは過去の事から嫌われてこそ居るが、逆に言えば『嫌いだが信頼はしている』と飛龍談。
なお、不憫体質。
使用ガンプラは『RX-0[Gr]グリンカムビ』。


・阿武隈

宮城人その4。『ブレイヴ編』の阿武隈と並行存在。
境遇などに差異は無いが転移場所が違っており、発見されたのは函館港(北海道には変わりない)。
大怪我を負っていた為、当時取材をしていた榛名と青葉によって保護されそのまま榛名の妹として生活することになった。
性格は威圧感も無く若干の弱気でかつて『鬼神』と呼ばれていたとは思えないほど。しかし実際は冷徹な判断を下し、容赦無く相手を屠る『鬼神』。ただし戦闘の際の口癖は若干厨二病を発症したような台詞となる為、ぶっちゃけ似合わないと妹や姉からは言われている。
海風同様指揮官機でありながら近接戦を好むファイターでマーナガルムも本来は近接特化機である。
専用機は『RX-0[M] マーナガルム 』、指揮官機だが純粋な戦闘力も高くユニット『スコール』『ハティ』を用いて戦う。

・陽炎

宮城人その5。
境遇などに差異は無いが転移場所が違っており、発見されたのは函館港。
面倒見が良く明るい楽天的な性格、しかし戦闘になると人が変わったように冷静沈着かつ無慈悲、そして躊躇も迷いも一切無くなる。それは彼女の過去に由来しており、当人曰く『癖のようなもの』らしい。また挑発を度々行い、相手のペースを崩そうとする。
お菓子好きで度々榛名を始めとした家族に注意される。また一度熱が入ると熱中し、周りが見えなくなる事も。
ファイター能力も高く、神通の剣筋を見切れる程反応速度・動体視力を持つ。そして何よりスピード狂の気があり、機動性の高い機体を好む。
専用機は『RX-0[V] ヴェズルフェルニル』、機動力に特化した機体。


・長波

宮城人その6。
転移前に榛名とは出会っておらず、発見されたのは阿武隈達と同じ函館港。その為榛名との『関係』は無い。
勝気で威勢の良い性格だが姉御肌で、周りの人間を良く見て把握し気遣いが出来る。女子力も高い。
戦闘時には姉全員とは違い性格が豹変する事は無いが、機体能力が強襲・奇襲特化の機体である為不意打ちなども厭わない冷徹さも持っている。
榛名直伝のビルダー技術も持つが、まだまだ未熟。
性格の反面、戦い方はステルスや分身を用いた強襲を得意としている。戦い方は一番えげつない。
専用機は『RX-0[G] ガルム』、ステルス・強襲に特化したガンプラ。

・ウォースパイト

イギリス人で宮城人その7(?)、アナハイムPPSEの社員。
日本に留学した際榛名と知り合い親友となり、よく懐き榛名の家族とも仲が良い。
釣りに行くと必ず艦娘を釣り上げることで定評がある。現在の被害者は青葉、古鷹、衣笠、満潮。
榛名とはガンプラ絡みの友人で、その技量・製作能力を高く評価している。基本的に『榛名の味方』でアナハイム社員でありながら榛名の側に就いた。
彼女もまた『改RX-0』の使い手であり使用機体は『RX-0[Vd]ヴィドフニル』。
意外と結構良いところのお嬢様で世間知らずな一面もある。

・間宮

宮城人その8。
青葉がフィッシュされる前、つまり飛龍たちよりずっと前からこの世界に留まっている艦娘。
仙台暮らしだったが青葉のサポートの隠れ蓑として東京で店を開くことに。
使用機体は『RX-0[Sv] スヴァジルファリ』。

・満潮

宮城人その9。
南国編でウォースパイトにフィッシュされ、そのまま引き取られる。
KBFとの違いは仲間を失わず、復讐心に囚われていないこと。その為NT適性は大幅に落ちている。
彼女もまた改RX-0を押し付けられる…


・野分

宮城人その10、榛名の同居人兼婚約者候補兼瑞鳳の妹3女兼流派・東方不敗。
鎮圧要員。本編でも瑞鳳を止められる(倒せるとは言ってない)数少ない人物。
こちら側では榛名LOVE勢。自分をきちんと女の子扱いしてくれるから好きとの事。
姉である瑞鳳同様近接格闘を好み、拳でブン殴る系の戦闘スタイル。そして技量も全国大会出場ファイターの春風を一方的に痛めつける程高い。
使用機体は『RX-0[Fv] ファヴニール』。


・秋月

宮城人その11、榛名の同居人兼婚約者候補兼瑞鳳の妹4女。
影が薄い。
戦闘スタイルは射撃型で朝風を軽々と追い詰める程。さらには多少デチューンされてるとは言え榛名専用機のパーツを組み込んだ機体を軽々と操れる為高い技量を持つ
使用機体は『RX-0[E] エイクスュリュニル』、『RX-0[F] フェンリル』の予備パーツの一部を組み込んだ機体。

・如月

宮城人その12、榛名の同居人兼婚約者候補兼瑞鳳の妹6女。
自他共に認めるスケベ要員。割とヘタレ。
戦闘スタイルはオールラウンダー兼指揮官。近距離・遠距離において高い能力を持ち最低でも阿武隈と同等の指揮技能を持つ。また機体特性を活かして神風を容易く追い詰める程能力は高い。
使用機体は『RX-0[Ra] ラタトスク』。


・古鷹

宮城人その13、ウォースパイト被害者の会の一人。
榛名の忠実な部下で、ドンパチ担当要員。
隠密行動と狙撃が得意。銃器の扱いに長けている。


・衣笠

宮城人その14、ウォースパイト被害者の会の一人。
榛名の忠実な部下で、ドンパチ担当要員。
制圧が得意。 実は瑞鳳とは松風たちの一件で面識があった。

メイン(出番があるのか?枠)

・春雨

前シリーズ主人公。
本来半年の留学を2ヶ月に早め、帰国した。しかし昏睡事件に間に合わず、時差ボケで電車を乗り過ごす。
ウイングガンダム・フレスヴェルグのフレームを造った張本人だがアレは失敗作の流用品らしい。
果たして出番はあるのだろうか…


・時雨

前シリーズから。
浜風・夕雲のアグレッサーを務める。
昏睡事件の際には自機を引っ張り出して介入、海風達を助ける。
果たして出番は…


・三日月

前シリーズから。
春雨同様イギリスから帰国、時差ボケで電車を乗り過ごしていた。
多重人格で心優しい『表三日月』と本物の暴力を教えてくれる『裏三日月』がいる。
最近第三人格が生まれそうとのこと。
果たして出番は…



・大鯨

もうやだこの人。

第11話『体育祭は大波乱!?』


《部活動会議》

「では今年の体育祭について…」

神通(この学校、どうしてこんな夏場に体育祭なんか…)

「先も話した通り、野球部は度重なる不祥事を受けて中等部・高等部共に廃部となる事が決定しました。

そしてその余った予算が現在宙に浮いている状態なのです」

神通(それと体育祭に何の関係が?)

「さらに一般生徒、部活動に所属していない生徒からは『何故夏場に体育祭をやらなきゃいけないんだ』と多くのクレームが寄せられました」

神通(妥当でしょうね)

「その為、今年の体育祭は部活動対抗に変更し優勝した部活動には野球部の今年度予算の余り額を全額支給することとなりました」

神通「!?」

ザワザワ

「この件は全て理事長が決めた事であり、教員も了承済みとのことで… なので反論の類は一切受けないとのことです」

神通(もうやだこの学校…)

「では競技種目について…」




《部室》

朝雲「どうなってんの!?」

神通「私に聞かれても…」

愛宕「…私、そんな話聞いてないわよ」

瑞鳳「多分理事長が私達が沖縄行ってる間の会議で決めたんでしょうね…」

海風「理事長、暑さで頭がやられたんじゃないですか?」

霞「絶対そうに決まってるわ」

天津風「萩風、茹った頭を冷やす健康食品なんか無い?」

萩風「氷水を頭からかける方が早いと思います」

神通「しかしこれはチャンスでもありますね… ウチの予算、もう底ついてるので」

海風「確かアナハイムが今経営的に危なすぎてこの前の依頼のお金も払われてませんし」

霞「とんだタダ働きよ… 海風、そこの麦茶取って」

海風「はい。 先輩も飲みます?」

神通「…それどこから持って来たんです?」

瑞鳳「私だよ? 別に予算で買ってる訳じゃないよ?」

神通「なら頂きます」

愛宕「話を戻して… 体育祭のルールは?」

神通「文化部体育部問わず部活動所属者全員選手として参加、一般生徒は有志のみチームを作っての参加だそうです。

また教員や外部講師も選手としての参加は許可される、と。 授業に関しては体育祭参加者は免除とのことで」

瑞鳳「じゃあウチは合計10人、ここに居る全員と蒼龍さんと飛龍さんを連れてくればね」

朝雲「残ってる予算はどのくらいなんです?」

神通「60万程、とか」

霞「…おかしいわね。 まだ半年経ってないのに半分以上無くなってるわ」

萩風「本当、横領って嫌ですね」

天津風「何であんな腐った連中にそんなお金渡してたのよ…」

海風「で、肝心なのは… 競技種目です」

神通「それが…」

愛宕「あ、なんか嫌な予感…」

神通「例年通り、理事長が勝手に決めるそうで…」

霞「なんでそうなるの!?」

天津風「大鯨さんと同じ香りがするわ」

瑞鳳「平気平気。 お母さんならそれより数十倍キナ臭…」ドゴォ

瑞鳳「あダッ!?」ドサッ

萩風「…寸胴鍋が飛んできましたね」

朝雲「メモが張ってある…」

『キナ臭くなんか無いよ。 ハーブの香りだよ。 byおかーさん』

霞「…大鯨さんの話をする時は窓を閉めておかないとね」

海風「…話をしてから寸胴鍋が直撃するまで1秒もかかってない… つまり秒速300キロ以上の速度でこの寸胴は飛んできたと…」

愛宕「アンドロメダ星雲の接近速度とほぼ同じじゃない」

朝雲「それ、普通衝撃波でこの一帯吹き飛ぶレベル…」

天津風「恐ろしい…」

瑞鳳「いたた… この寸胴、意外と無傷ね。ウチで貰っちゃおうかしら」

海風「なんでこの人はそんな一撃食らって平然と起きてるんですか…!」

瑞鳳「この程度平気平気。 剣岳の山頂から転げ落ちても大丈夫だったし」

神通「もうやだこの一族」

萩風「私もそんな血を引いてるなんて…」

霞「凄いわこの人、生きてるだけで娘二人にダメージ与えてる」

朝雲「寧ろこの人、何で病死するのよ」

天津風「私に聞かないでよ」

愛宕「幼馴染でもこれは擁護できないわね」

瑞鳳「で、種目はいつ発表なの?」

神通「明後日の全校集会だそうです」

瑞鳳「意外と早めなのね」

神通「でも体育祭4日後なんですよねぇ…」

瑞鳳「体育祭の話はそこにポイして… ミーティング始めるよ」

神通「わかりました。 海風さん、お願いします」

海風「と言ってもする事ほぼ無いんですけどね。 全員の機体が現在大規模改修中ですし…」

天津風「アンタも無茶言うわ… 『全機体のポリキャップを全部規格統一しろ』なんて誰が想像できんのよ」

神通「ですが一理ある事は確かです。全員の機体のポリキャップを統一しておけば延長戦にもつれ込んでも補修が利く、と言う点で」

霞「今までそうやらない方がおかしかったのよ。 大会規定じゃ延長戦の補修タイム時に使えるのは出撃ガンプラのパーツだけ、規格統一しなきゃ満足に補修も行えなくなる」

萩風「お陰で製作中のガンプラの完成、遅れそうですけど…」

瑞鳳「それに規格統一しても問題点は多いからねぇ… 例えばブラストZZの足、つまりEx-Sの下半身が破損してシューティングスターの下半身に挿げ替えてもバランスが劣悪になるし。

ポリキャップに関してはしないよりはマシ、ってレベルの話だけどね。 ただし『シームルグ』に関しては無理、って明言しておく」

朝雲「無理なんですか?」

瑞鳳「無理。 アレはそもそもの規格が榛名さん独自のものになっててそれが『コード・ブレイヴ』にも関連するよう作り込みがされてる。

粒子供給、膨大な粒子量に耐えられるように強化された特殊なものを使ってるから易々とは変えられないし変えたとしても性能が十全と発揮出来なくなるよ」

海風「強力な機体ですがその分、難が多すぎると言うか… 正直、戦術に組み込み難いですね」

瑞鳳「じゃあどうするの、『シームルグ』。 微調整は終わったけど」

海風「朝雲さん、瑞鳳さんからシームルグを受領次第慣熟訓練を開始してください」

朝雲「それは構わないけど… 大丈夫なの?」

海風「あと朝雲さんにはこれを覚えて貰います」ドサッ

霞「…何これ?」

海風「どこぞの誰かが作った戦術指南書です。 組み込み難いのであれば、指揮官に据えれば良いのです。

と言う事で朝雲さん、貴女を三人目の指揮官に抜擢します」

朝雲「はぁ!?」

海風「以前にも言った筈です。 貴女は狙撃手、最も戦場を俯瞰できる立場だと。

それに指揮技能持ちは現在海風と先輩の二人のみ、正直二人だけでは今後支障が出るかと。そこで貴女を指揮官に抜擢したい、と言うのが理由です」

朝雲「あ、天津風とか萩風でも…」

萩風「申し訳ありません、私指揮技能皆無で… 海風さんの姪なのに…」

瑞鳳「やっぱり夕雲ちゃんの血が強すぎたか…」

海風「天津風さんは… 少々問題が…」

天津風「悪かったわね…!」

霞「あ、私はパスね。そう言うガラじゃないし」

愛宕「私も、気配りが出来る朝雲ちゃんで良いと思うわ」

海風「と言う事で決定しました」

朝雲「うそーん…」

瑞鳳「ま、まぁストライクも改修作業にしてるから…」

海風「あと萩風さん、貴女の機体は強襲・奇襲特化機でしたっけ?」

萩風「その予定で作っています」

海風「分かりました。 プランに組み込めるように調整しておきます」


イベント 直下

コンコン

神通「お客さん、でしょうか?」

海風「新入部員かもしれませんよ?」

瑞鳳「今更来ないでしょ」

愛宕「そうでも無いわよ。 結構入部希望者は多いわよ、この部」

朝雲「ああ、最近萩風が入部して以降私達に寄って来るのも増えてるし…」

天津風「最近男子に囲まれる事多いのよね… 愛宕先生のテストに落とされたって」

愛宕「だってぇ… まともに入部テスト突破できたの、萩風ちゃんだけよ?」

萩風「私でもかなり苦戦したのですが…」

瑞鳳「ファイタースキルかなり高いからね、愛宕先生」

神通「ちょっと私、出てきます」


神通「どなたでしょうか?」

「2年の花田です」

神通「花田さん? どうかなさいましたか?」

「これ、昇降口で拾ったけど… そちらの部員のものじゃないかなって」

神通「GPベース…? 確かにウチはGPベースは使いますが… ここまで年季の入ったものは誰も持っていないかと…」

「そうなんだ…」

神通「丁度愛宕先生もいらっしゃるのでこちらで預かりますよ?」

「ありがとう、神通さん」

神通「いえ。 では受け取りました」


愛宕「GPベースの落し物?」

神通「そのようです」

瑞鳳「これ初期ロッドの旧型じゃない… ガンプラバトル黎明期、10年近く前の代物だね」

愛宕「私は顧問務める時に新調したけど… 瑞鳳のは?」

瑞鳳「私も四年前にモデル変えたからこのタイプじゃないし… 霞ちゃんのは2年前の型だけど、他の皆は最新型モデルだし」

霞「そう言えばこれお婆ちゃんが買ってくれた奴だから型落ちしてるもの当然か…」

天津風「私は入学前に買い換えたから…」

海風「ではこの学校に10年近くガンプラ歴のあるファイターが?」

朝雲「3歳から8歳くらいから経験があるファイターって事になるけど…」

瑞鳳「親が譲ってくれた、って可能性ならあるけどね。 えっとGPベースのデータは…

パーソナルデータ部分、やっぱ古い奴は使い難いわね… あったあった…」

萩風「どうです?」

瑞鳳「えーっと…」

「す、すみません! この部にGPベースが落ちていたと届けられて…」


誰だった 直下?
1.矢矧
2.翔鶴
3.その他(人物も)


※ただし自軍入りはしません

「あ、あら… 瑞鳳?」

瑞鳳「あ、これ翔鶴さんの?」

愛宕「えっと… 知り合い?」

瑞鳳「知り合いだし、同業だし、弟子のお母さんだし」

天津風「弟子…? ってことは、この人第7回の…!?」

瑞鳳「そう。 春雨ちゃんの母親であり、時雨ちゃんの保護者の翔鶴さん」

翔鶴「初めまして、翔鶴と言います」

海風「この人が春雨さんの…」

朝雲「それにしては若すぎるような…」

瑞鳳「確かウチの実家の蔵にあった文献だとかなり昔、平安時代あたりに『不老』の力を持った人間を血縁に取り込んだってあったからそのタイプなんじゃないかな?

それに意外と多いのよね、私達みたいな『同類』… 一定時期に成長を止めて、一切老化しなくなる体質の人間。 昔はそう言う集落もあった、って文献には書いてたし今でもコミュニティ残ってるし」

霞「平安って… 瑞鳳さんの家ってどれだけ古いんですか…」

瑞鳳「さぁね。 文献も残ってるのは平安まで、それより前は知らない」

萩風(確かに蔵の文献には平安までしか残っていませんでしたが… でも家系図は違う、平安より前にもかなりの数の名前が記されてた…

多分ルーツは、神代にも遡る… そもそもそんな時代があれば、ですが)

朝雲(この一家、どんな宿業を背負ってるのよ…)

瑞鳳「で、どうして翔鶴さんはここに? 春雨ちゃんの学校はここから電車で2駅向こうだけど…」

翔鶴「アナハイム、と言うか財団の人に呼ばれたの。 春雨と時雨にガンプラバトル世界大会の広告塔を頼みたい、って」

愛宕「広告塔?」

瑞鳳「そりゃそうだよ。 アナハイムは今ヤバい状態、世界大会の辞退者も出てきてこのままじゃ大会を中止にせざるを得ないってレベルらしいし」

翔鶴「世界大会への特別招待枠とか色々用意するから、大会に出てメイジンと一緒の広告塔になって欲しいって言うのが依頼なんだけど…」

瑞鳳「確かにあの二人、世界中のファイターでも人気だし知名度も私並だから広告塔にはうってつけだけど… 受けるんですか?」

翔鶴「二人に話してから、ね。 私の意思じゃなく、あの子達の意思を尊重したいもの」

瑞鳳「でもあの二人は絶対に選ばないでしょうね。 世界大会の出場権や多額の報酬が貰えるとしても…」

翔鶴「我が娘達ながら、二人共真っ直ぐ育ってくれて良かったわ」

瑞鳳「少なくとも自動的に与えられる大会参加権なんて興味も持たないね。あの二人はそう言う子だもの。 浜風ちゃん達は残念がるだろうけど仕方ない」

海風「…何故今、その名前が?」

瑞鳳「世界にはあの二人と戦うことを望む人間は沢山居るけど、特に浜風ちゃんと夕雲ちゃんは再戦したがってる。 普段から付き合いはあるけど本格的なバトルは世界大会の場でやる、って約束もしてるし。

浜風ちゃんにとってあの二人、特に春雨ちゃんは唯一浜風ちゃんの戦術を打ち破った人間… 悔しいし、打ち負かしたいに決まってるじゃない」

天津風(第七回大会の準決勝、春雨・時雨ペア対浜風・夕雲ペアの戦い… 今でも全大会中の名試合ベスト3に入る程の名試合を演じた四人…

しかもどっちも世界大会には初出場で日本の代表、同じ条件で有利に立っていたのがただ一つの読み違えで瓦解して敗れるなんて相当悔しいに決まってるわ)

神通「それで… このGPベースは、翔鶴さんのですか?」

翔鶴「ええ。 私のです」

萩風「親子揃ってファイター、とは…」

翔鶴「私はファイターじゃないわ。 ガンプラだってそんなに詳しくないし、一生懸命やってる人と比べたら…」

瑞鳳「…こんなこと言ってるけど、この人バケモンだよ。 飛龍さん達が一方的にボコされかける位にはヤバイ人だからね?」

全員「!?」

翔鶴「ず、瑞鳳!?」

瑞鳳「いや、事実ですし。 良い? この人凄い謙虚な事言ってるけどね、魔境と呼ばれたガンプラ黎明期に並居る化け物共を蹂躙して、先代メイジンすらも後一歩まで追い詰めた夫婦の片割れよ。

多分私が知る限り、頭おかしいレベルのファイター5本指に入るから」

全員「えぇ…」

翔鶴「さて、私はお暇するわ。 お店に戻らないと時雨が大変だもの」

瑞鳳「わかりました。 ではこれお返ししますね」

翔鶴「ありがとう、瑞鳳。 じゃあ私はこれで…」



瑞鳳「あと今日やるべき事は?」

神通「特に無いかと思います。 今は各自機体の調整を家でやるべきかと」

瑞鳳「じゃあ今日は解散。 各自機体調整に尽力してね」

全員「はーい」



視点選択 直下
1.神通『新たなる剣』
2.霞『今を越えるもの』
3.天津風『天駆ける星』
4.萩風『影は刃となりて』

side-天津風-『天駆ける星』


天津風「ったく、本当に面倒臭いわね…」


ポリキャップを全機体で統一する、確かにチーム戦においてもし延長戦にもつれ込んだ場合にそれが生きるだろう。

お陰で買う予定も無かったキットも買うハメになってしまった。AGP(オールガンダムプロジェクト)規格品など買うつもりは無かったが…


天津風「だから協調性が無い、とか言われるよね私…」


大鳳さんが言っていたことを思い出す。『周りが見えてない』、全くその通りだ。

周りが見えてない訳じゃない、見る余裕が無いだけ。言い訳だって事は分かりきっているがこれだけは変えられない。


天津風「私は、私のやるべき事をやるだけよ…!」


例えソレが独りよがりのものだったとしても、私を退学にしたガンプラ学園をギャフンと言わせるまでは…

そして私は機体の改修に取り掛かった。



天津風の新型

・ベース機体 下2(『シューティングスターガンダム』をベースとして継続させる場合は『継続』と書き込んでください)
・機体改造内容 下4(高機動・空戦特化系の内容のみ。 不可能なものは再安価します)
・機体名 下6(条件:『星』に関する単語を入れること(例:ポーラスター、ライジングスターなど))

ベース機体条件忘れてました

・ベース機に出来るのは『高機動可変型のガンダムタイプ』のみ

が条件です

ガンダムハルートボーライド
・GNソードライフル×2
・GNサブマシンガン×2
・GNキャノン×2
・GNミサイルコンテナ

天津風の新型で『ガンダムハルート最終決戦仕様』の改造機。
シザービットを全て廃し代わりにミサイルコンテナを増加させ爆撃機としても運用可能。
腕部にはアリオスのGNサブマシンガンを内蔵し脚部とブースターには推力偏向ノズルを搭載する。
塗装は濃い赤、ただし瑞鳳をリスペクトした訳では無いとのこと。
怒りの赤を身に纏い流星は火球となる。 その果てに何があるのか、そもそもガンプラ学園と戦うのかもわからないまま…



天津風「本体は、これで… 後は武装ね」

天津風(私の新しい機体、シューティングスターに代わる新型『ガンダムハルートボーライド』)

天津風「この力で、私はガンプラ学園を見返してやる…!」

天津風(退学にさせられた恨みを晴らして、退学させた事を後悔させてやる…!)



視点選択 直下
1.神通『新たなる剣』
2.霞『今を越えるもの』
3.萩風『影は刃となりて』

side-萩風- 『影は刃となりて』


萩風「えっと… PC-002への交換は終わったから…」


何時ぶりだろうか、こうしてガンプラを作るのは。少なくともお母様が亡くなって姉さんが行方不明になってからは初めてだ。

あの頃は良かった、そう思う。 ほんの少し前のことなのに随分遠くまで来てしまったと我ながら苦笑する。


萩風(でも、私が望んだことだから…)


あの頃にはもう戻れない。 日常も何もかも捨て、過去に転移したのだから。

例えそれがあの頃を取り戻す為のことでも、私は禁忌を犯し昏睡病キャリアーを何人も屠ってきた。


萩風(私の手はとっくに血塗られてる… だからもう止まれない…)


ガンプラバトル部、姉さんと同じ部に入部したのも昏睡病の元凶、EXAMに近付ける可能性があったからだ。

個人的な感情も多かれ少なかれあるが、そこは今は関係ない。


萩風(姉さんが光だと言うのなら、私は影… 暗闇から敵を屠る刃…)


正攻法ではなく影に潜み、隙を見て敵を屠る。 それが私に教えられた戦い方であり最も得意とするもの。

この機体も、その為の機体。 そして私は分身たる自分の機体を組み上げていく。



機体安価
・ベース機体 直下
1.ガンダムエクシア
2.テスタメント
3.クロスボーンガンダムX-0
4.その他(条件:奇襲・強襲に特化したガンダムタイプ)

・改造内容 下3

・機体名 下5(条件:百合科もしくは紫陽花科の花の名前)

更新遅くなり申し訳ありません(テザリングです)

ガンダムエクシアルベルム
武装
・GNクナイ×2
・脚部GNクロー×2
・脚部ビームサーベル×2
・GNダガー×2
・GNビームサーベル×2
・GNピストルⅡ×2
・マガノイクタチ

『ガンダムエクシアRⅡ』をベースとした萩風の機体。神通の『スターリリィ(姫百合)』同様百合科の花であるオトメユリ(別名:ヒサメユリ)の名前を冠する。
萩風が最も得意とする奇襲・強襲能力に長け、高い隠密性と近接能力を誇っており素体の能力も瑞鳳譲りの製作能力を持つ萩風の全力が投じられた。
武装はGNソード改からソードと同等の刃を持つGNクナイ二丁流に変更し脚部のつま先にはビームサーベル発振基、かかとにはGNクローを内蔵。そして腰部にはGNピストルⅡ二丁とGNダガーを2本装備する。
そしてアストレイGF天ミナのバックパックをGNドライヴを覆うように装備、そしてステルス能力が付与され萩風好みに仕上げられた。。
トランザム機能もちゃんと健在で瑞鳳の遺したRGシステムtype-Zの技術を流用する事で高い安定性能を持つ。
塗装は萩風のパーソナルカラーである薄い紫がベース。
思惑こそあれど部に参加した以上は全力を出すと決めた萩風。彼女は神通とは真逆の『影』として、自らの敵へと迫りその首を討つ。



萩風「よし… あとは稼動域のテストをすれば…」

萩風(ポリキャップの接続には苦労したけど形にはなった… これなら性能次第で充分戦える)

萩風「キャリアーだって…」

萩風(もしかすれば全国の場にも罹患者、キャリアーが現れる可能性もある。スドウ・シュンスケがそうだったように、心の弱さが大きな事件を招く…

だからそうならないように、先に私が仕留めないと…)

萩風「私は刃… 闇に潜んで敵を殺す、その為の…」

萩風(私はその為に生まれて、育てられたのだから)

《二日後 学校・部室》


メンバー一同「…」

蒼龍「えっと… 何の沈黙?」

飛龍「今日体育祭のメンバー発表があるからって聞いたんだけど…」

愛宕「それに関して、なんですよ… これ種目の一覧表です」

瑞鳳「どれどれ… 何これ…」

海風「絶対これくじ引きかなんかで適当に引いた奴ですよね」

霞「そうに決まってるわ。順番がゴッチャゴチャだもの」

天津風「転入する学園絶対間違えたわ」

朝雲「しかも所々変なやつ混じって無い?」

萩風「体育祭…?」

神通「去年より悪化してる…」

瑞鳳「そんなに酷かったかな去年… カラオケロワイヤルとかやったけど」

愛宕「ともかく、対策を練らない?」

蒼龍「そうね… これ対策は一応練っておかないとまずいかも」

飛龍「対策できんの…?」


体育祭種目安価 ↓4まで(体育祭関係なし対決(例:カラオケ選手権、料理対決等)もあまりぶっ飛んで無ければ可)

種目一覧
・第一種目:部活動対抗リレー対決 (四人)
・第二種目:学内サイバイバルゲーム (二人)
・第三種目:教諭・外部講師対抗戦 (一人)
・第四種目:電流イライラ棒 (一人)
・第五種目:料理コンテスト (一人)
・第六種目:カラオケ対抗戦 (一人)
・第七種目:オシャレコンテスト
・第八種目:???


蒼龍「…どうするの?」

飛龍「どうもこうも無いわね。第五種目に蒼龍出したら負け確なのは決定だけど」

朝雲「ねぇ、電流イライラ棒って何?」

霞「私に聞かないでよ。知る訳無いでしょ」

海風「イライラ棒と言うのは一応知識としては知っていますが… 確か周りの壁に棒を当てないように慎重にゴールへと進めるゲーム、だったかと」

愛宕「…もしかしてこの子達、知らないの?」

瑞鳳「そりゃそうだよ。 私達生まれて5歳くらいだったから知ってるけど、皆まだ生まれてないし」

萩風「電流イライラ棒って何ですか?」

瑞鳳「昔古いテレビ番組で、イライラ棒ってやつをクリアすると百万円もらえたのがあったの。ルールは海風ちゃんの言う通り、ただ無駄に凝ったギミックとかがあってかなーり難易度高め」

神通「私達は現代から15年先に生まれた人間なので知らなかったのですが、何故お母様と愛宕先生以外の人は知らないのですか?」

愛宕「だってその番組が終わったの2000年の話だもの。 皆生まれてないから知らなくて当然よ」

瑞鳳「因みに後番組は最近までやってたいきなり黄○伝説ってやつね。これなら知ってるでしょ」

天津風「木曜7時枠…」

愛宕「バラエティ枠が木曜7時になったのも黄○伝説になった後なんだけど… まあ知らなくても良い話ね」

瑞鳳「この子達多分笑○犬とか内○プロデュースとか知らない世代だね。少なくとも知ってても特番か再放送の類しか知らないやつ」

蒼龍「…ごめん私達もわからない」

瑞鳳「まぁ異世界人ですし。後はサバイバルゲームは…」

萩風「お任せください。学校の設計図を盗み出しておきました」

神通「返して来てください、今すぐ…!」

萩風「コピーしてオリジナルは返却したので平気です」

朝雲「そう言う問題じゃないでしょ…」

海風「この教諭・外部講師対抗戦って何です?」

愛宕「私も内容は聞いてないわ。ただ入場曲は決めておけ、って言われた」

神通「後は… まぁ対策のしようが無いものばかりでしょう。オシャレコンテストはファッション誌を読み漁るしか…」

霞「あれ、これってテーマ直前発表じゃなかったっけ…」

天津風「面倒臭いわね… 第八種目の内容も直前発表なんでしょ?」

海風「はい。 とりあえず7、8は後から選手変更も可能らしいので先に他を決めておきましょう」

選手割
・リレー:蒼龍・飛龍・海風・神通
・サバイバルゲーム:朝雲・萩風
・対抗戦:瑞鳳
・イライラ棒:天津風
・料理コンテスト:霞
・カラオケ:愛宕


海風「これが現在の最適でしょうか?」

天津風「ちょっと!何で私がイライラ棒なのよ!」

海風「だって他の適性が…」

霞「妥当でしょ。 アンタ料理は?」

天津風「うっ…」

萩風「サバイバルゲームは朝雲さんのような狙撃手が必要なので。私は近接、と言う事で」

朝雲「まぁ、リアル銃器触ったの私だけだし…」

天津風「じゃあマラソン交換しなさいよ」

海風「最近神通さんと一緒に鍛え始めてるので海風は自信ありますよ。脚力勝負します?」

神通「私は出来れば料理の方が良かったのですが… 血筋が…」

蒼龍「私達これでも軍人だし」

飛龍「今でも鍛えてるわよ」

天津風「じゃ、じゃあカラオケ…」

瑞鳳「愛宕先生、めっちゃ歌えるよ」

愛宕「そこまで上手くないわよ」

瑞鳳「嘘。 だって95以下取ってんの見た事ないもん。

あとファッションは… アパレルショップでバイトしてる夕張ちゃん呼んで手伝って貰おう」

萩風「あの人の意外な一面を知った気がします…」

瑞鳳「因みに私と大鳳、あの子が高校の時から知ってるけどずっとショップ店員やってるよ。

私の服選んでくれてるのあの子だし、何だかんだで大鳳と一緒にお世話になってる」

海風「い、意外と付き合い長いんですね…」

瑞鳳「そりゃ蒼龍さん初めて拾った直後に出会ったからね。私のお気に入りのカーディガンを蒼龍さんが血まみれにしたから代わりのやつ探しに行ったら出会ったのよ」

蒼龍「そ、その説はすみませんでした…」

瑞鳳「責めてませんよ。 不可抗力ですし… まぁ今もあのデザインは気に入ってたし未練はありますが」

飛龍「服についた血って漂白剤でも落ちないしねぇ… 仕方ないわよ」

(炎のチャレンジャーって木曜じゃなくて火曜7時だった気がする)

>>42
確か元々火曜日に放送していましたが、番組が終わって黄金伝説に移行後1年くらいでバラエティ枠が木曜日に移ったのだと記憶しています。なので
>愛宕「バラエティ枠が木曜7時になったのも黄○伝説になった後なんだけど… まあ知らなくても良い話ね」
と言及させていました。 分かりにくくてすみません


萩風「ルールは全滅戦、敵対するのは約70チームです」

朝雲「計140人、ってことね…」

萩風「私一人でも充分な数ではありますが… ルールとしては禁止エリアと一部教室を除いて学内全部の施設を使用可能、装備品の類は全部学内の適当な箇所に配置するとのことです」

朝雲「後掃除も大変そうね… そこらに転がったBB弾の片付けとか」

萩風「なので清掃業者を雇うようです。 一体この催し、いくら予算かかっているのでしょうか…」

朝雲「エアガンが平均で1個で私のお小遣い2か月分だって考えれば… …考えたくなくなってきた」

萩風「…精神衛生上悪いので止めましょう。 作戦としてはやはり真正面から仕留めて…」

朝雲「拠点作るってのは?」

萩風「篭城戦は二人チームでは些か分が悪いかと。 それに長引くとそれだけ神経を磨耗します」

朝雲「じゃあ虱潰しに一人ずつ狩っていきましょうか」


神通「うぅっ…」キリキリ

霞「凄いわあの二人、相談事してるだけで先輩が胃を痛めてる」

海風「当人到って真面目に話しているだけなのですが…」

神通「だってあの二人ですよ…!?」

天津風「片方が腹違い?の妹なのに酷い言い方ですね…」

瑞鳳「どっちかって言うと私の卵子使ってるらしいから種違い、だね」

蒼龍「あの子も、一体誰の子なのよ…!」

飛龍「あの胸… 浜風の血統…?」

愛宕(お二人も中々大きいと思うんだけど… しかも半分合ってるし)

神通「あの二人を揃えてロクな事になるとでも…!?」

霞「しかも結構プライベートでも遊ぶ位には仲良しって事実がね…」

海風「先輩へのダメージに拍車をかけていますね」

天津風「そう言えば妹の為に健康料理教わってるって聞いたわ」

瑞鳳「うーん… 朝雲ちゃんって悪戯好きな所が無ければ普通に良い子だと思うんだけど… 気遣い出来るし、周りが見えるし」

愛宕「だからこそ萩風ちゃんも懐いてるんだと思うけど…」

飛龍「このままだと神通ちゃんの胃に悪そうだし… 私達はグラウンドで練習でもする?」

蒼龍「そうね… 一応運動用にジャージも持って来てるから」

《グラウンド》


蒼龍「さてさて… 柔軟も済んだし、始めますか」

飛龍「陸上部の脇のほうを借りて、っと… まずは順番決めね。 アンカーは神通ちゃん、任せる」

神通「わかりました」

海風「先輩、確か肉体にリミッターをかけてるんですよね?」

神通「はい。 私達一族は日常生活の際には肉体にリミッターをかけている状態、おおよそ全力の10%程です。

常人より力が強すぎるので生活に支障が出る、なので私達が生まれてから最初に学ぶ事が自身の力の制御です。ただ、あまり制御が効かないのですが…」

飛龍「確か瑞鳳は一度解除すると全部解除されちゃって元に戻すまでに時間がかかるし肉体も負荷がヤバイって言ってたわね」

神通「その通りです。 最低か最大か、どちらかしか選べ無いんです。 限定的な解除は出来ない事はありませんが、最大時よりも制御に気を使う為かなり体力を要するので…」

海風「何か、不憫な一族ですね…」

蒼龍「それで、リミッター時の全力の脚力はどのくらいなの?」

神通「走ってみた方が早そうですね。100メートル程で良いですか?」

飛龍「ええ。 丁度ここからあそこの木くらいだから… ストップウォッチっと… じゃあ3、2、1… スタート!」ピッ

神通「!」ダッ

飛龍「…」ピッ

蒼龍「…あっと言う間に着いちゃった」

飛龍「タイムは… 1秒38…」

海風「えぇ…」

神通「どうでしたか?」

飛龍「うん、やっぱおかしいや瑞鳳一族」



瑞鳳「やってるねぇ… じゃ、私も…」

霞「何するんです?」

瑞鳳「リミッター解除。 暫く外してないから、その練習って感じで… 破ッ!」ゴゴゴ

霞(呼吸しただけで軽い衝撃波が…!?)

瑞鳳「ふぅ… これで7段階中2段階目ね」

霞「2!?」

瑞鳳「フルパワーなら… ジャンプで雲くらいまでは跳べるよ。 着地は出来ないけど」

霞「出来ないんですか?」

瑞鳳「だって跳躍の衝撃波で周囲吹き飛ぶもん。着地レベルの話じゃないでしょ」

霞「あ、そっち…」

瑞鳳「ま、私の種目は何やるかわからないから備えておいて損は無いし。 一応リミッターも3段くらいまで外しとくか」

天津風「…一丁前に全員はしゃいで…」

愛宕「あー、えー、いー、うー… どうかしたの?」

天津風「いえ… 唯、少し呆れてるだけです」

愛宕「柄にも無く皆はしゃいでるものね… 島ではそんなにはしゃいで無かったのに」

天津風「大会も近いのに、本当ならこんな暇なんて無い… 弛んでるのよ」

愛宕「違うわ。 大会大会って先の事柄一つに囚われると息が詰まる、だから息抜きも必要なのよ。

それに… 今の今まで昏睡病絡みで気を抜く事なんて出来なかったじゃない」

天津風「確かにそうだけど…」

愛宕「焦る気持ちも分かるわ。 でもそれ以上に、『今』って時間は二度と訪れない。 だから今を楽しむのも青春の一つよ」

天津風「青春…」

愛宕「それに…」

天津風「それに…?」

愛宕「これ優勝しないと私達大会に行けないのよ…」

天津風「!?」

愛宕「予算がね、もう… 4桁前半なのよ…」

天津風「そこまでウチの予算不足が深刻だったんですか!?」

愛宕「そうなのよ… 守銭奴の瑞鳳が身銭切ろうとしたくらいに…」

天津風「そ、そんなに…」

愛宕「あの野球部顧問が余計な事言わなければ後援会からのお金がもらえた筈なのに…!」

天津風「そう言えばあの先生、どうなったんです?」

愛宕「懲戒免職、私達が島に行ってる間に決まったそうよ。 40代で免職だから就職厳しいでしょうね。

学生からもセクハラの話があがってたらしいし、今回の事が決定的になったって」

天津風「以前からマークはされてたんですね」

愛宕「同じ教師として恥ずかしいわ、全く…」

ピンポンパンポ~ン

『愛宕先生、ガンプラバトル部特別顧問・瑞鳳さん、ガンプラバトル部部長・神通さん。 直ちに理事長室に来て下さい。繰り返します…』

愛宕「あら?」

天津風「呼び出し…?」

愛宕「じゃあ私行ってくるね。 あとは蒼龍さんと飛龍さんの言う事聞いて活動して」

天津風「わかりました」


視点選択 直下
1.瑞鳳『テスト』
2.榛名『乱入?』

《理事長室》


瑞鳳「失礼します、理事長」

「来たか… そこのソファーに掛け給え」

瑞鳳「わかりました。 では失礼して…」

神通(カーディアス・ビスト… マーサ・ビスト・カーバインの実兄であり、現・ビスト財団当主…)

愛宕(私や神通ちゃんならまだ分かる。 でもどうして瑞鳳まで… 瑞鳳が知り合いだから…?)

瑞鳳「それで、本日は何用で?」

カーディアス「『真紅の戦乙女』、数々のファイターを見出し世界チャンピオンクラスへと育て上げ、そして自身もビルダーとしては世界最高峰に位置する人間だ。

そして今は我が校の講師として無名で一人しか部員の居なかったガンプラバトル部を全国大会へと押し上げた。最高峰の人材を見出しその才を引き出す、キミを選んで正解だったよ」

瑞鳳「いえ。人材は私が見出した訳ではありません。 部長である神通さん、彼女の尽力あってこそです」

神通(確かに海風さん達にお母様は一切関わっていない。 しかし海風さんは浜風さんと、そして霞さんは大鯨さんと縁があった。

やはり、お母様には人を引き寄せる何かがある。 そして人と一緒に、トラブルも…)

カーディアス「さらには『昏睡病』を追い、事件の真相へと手を伸ばした。 そしてその過程でアナハイムの『闇』をも暴いてしまうとは…」

瑞鳳「その件に関しては私の母の助けも大きく、私一人では分からなかったでしょう。 闇に関して、関わりのあった者も部員には居ますし」

カーディアス「ああ。 まさか彼女がその一件の関係者であり被害者だったとは… 彼女には悪い事をした。まさか、マーサと直接対面する事になってしまうとは…」

愛宕(霞ちゃん、ね… まぁ大鯨さんに気絶させられた後、起きて散々罵倒してたんだけど)

瑞鳳「で、前置きはもう結構です。 本題をどうぞ」

愛宕「ちょ、瑞鳳…!?」

カーディアス「ふむ… 長話は嫌いか。 まぁ良い、本題に入るとしよう」

神通(あ、あっさり納得した…)

カーディアス「昏睡病に関しての報告は聞いている。 そして、今日呼んだのはその件に関することだ」

三人「…!」

カーディアス「神通君、と言ったね。 キミは通常の昏睡病のキャリアーとは異なる、特殊なキャリアーと真正面から戦った貴重な人間だ。キミはどう感じた?」

神通「私はノーマルのキャリアーと戦った事はありませんが、スドウ・シュンスケと戦った時に感じたのは… 恐ろしいまでの脅迫観念、でしょうか。

滅ぼさねばならない、迫る何かを全て滅ぼさなければならない… そんな恐ろしい負念のようなものが」

カーディアス「そしてガンプラバトルシステムに干渉し、複数の分身体や破壊した機体を再生させて操作すると言った能力も発現させた。

恐らくそれはプラフスキー粒子の特性、人の意思に反応すると言うものが昏睡病の負念に反応してのものだ。あれは一種の暴走状態、と言っても過言では無い」

愛宕「その事と、何か昏睡病に関係が…?」

カーディアス「実は静岡にあるPPSEの研究所が昏睡病を引き起こす勢力と思われる何者かに襲撃された。キミ達が島に行っている間に」

瑞鳳「…被害は?」

カーディアス「…プラフスキー粒子を生成する為の結晶体『アリスタ』の小型結晶、そして研究中の新型ガンプラの一部が強奪された。その際に警備員と研究員の一部に被害が出ている」

愛宕「研究中の新型ガンプラって… どうしてそんなものを…」

カーディアス「そのガンプラの製造方法が特殊で粒子に影響を受け易く、テスト中に何度か暴走を起こした。だから厳重に保管され研究を推し進めていたのだが…」

神通「その暴走の規模は?」

カーディアス「結晶体に反応して研究室の一つが壊滅した。細心の注意を払っていたらしいが…」

愛宕「でもどうして私達にその事を?」

カーディアス「全15機中強奪を免れられたのは2機、1機はメイジンが保有していた機体だったから無事だった。そしてもう1機は私が持っている。

なのでキミ達ガンプラバトル部に頼みがある。 ガンプラに精通し、有数の実力を持つキミ達に」

瑞鳳「まさか…」

カーディアス「キミ達にこの機体、『スクランブルガンダム』を預ける。 その性能テストとデータ取り、そして昏睡病からの守護を頼みたい。

もし昏睡病キャリアーに奪われでもすれば、大変なことになる」

神通「『スクランブルガンダム』…」

愛宕「でもこれ、まるで…」

瑞鳳「私の『クロイツ』…?」

カーディアス「キミの製作した『クロイツシリーズ』、その技術を参考にしている。

ガンプラバトルは開始時に機体をスキャンされ、そのデータはシステムに登録される。それをPPSEがデータを抜いて再現し、改修を施したものだ」

瑞鳳「それだけじゃない。これは天山学園の『改RX-0』、榛名さんの機体データも使われてる」

神通「『改RX-0』も!?」

カーディアス「そこまでは私も把握していない。 キミの機体データを使われていることだけだ、私が知るのは」

瑞鳳「PPSEから技術使用料ブン獲ってやろうかしら…」

愛宕「と言う事はこれ、瑞鳳と榛名さんの技術を組み合わせた機体ってこと…?」

神通「PPSEの全技術が投入されている機体… 技術盗用のコピー品とは言えなんて出来栄え…」

瑞鳳「ベースはゼータとデスティニー、可変機構もありそうね。WR形態にはならないタイプの、多分ウイングと同じ変形かな?

特殊システムの類は無さそうだけど… でもこれだけなら暴走を起こす原因にはならない。多分これ、粒子制御能力がかなり不安定だね」

カーディアス「ほう…」

瑞鳳「多分私の技術と榛名さんの技術をミックスした時にピーキーな部分を受け継いだのを無理矢理操縦性を向上させようとして制御の部分をおざなりにしてるのかな。特に榛名さん側の技術が問題になってる。

性能・操縦性を両立させようとして綻びを生んだ結果、粒子の制御が出来なくなって意思に反応して暴走するって感じ… 優秀な性能で扱い易い欠陥機、これが私の私見です」

神通「何でそこまで一目で見抜けるんですか…」

瑞鳳「そりゃこの機体に使われた盗用技術の主よ? それに『改RX-0』については充分に研究したし」

愛宕「『シームルグ』ね… その制御関連の部分はどうにかなる?」

瑞鳳「楽勝。 性能か操縦性か、どっちかに偏らせれば良いだけだもの。 まぁ選ばなかった部分はお察しくださいだけど。と言うかこれ勝手に弄って大丈夫なんです?」

カーディアス「あまり大きな改修は困るな。これでも残存する貴重なサンプル、メイジンが大規模な改修を施したので既に原型を留めるのはその機体だけなのだよ」

瑞鳳「まぁ微調整に留めたとしても性能は偏らせられるし… 拡張性も高そうだからちょっと勿体無いかもだけど」

カーディアス「ではその機体、預かって貰えるな」

神通「しかし、ファイター側の問題も…」

愛宕「こんな機体、誰が使えるの?」

瑞鳳「一人居るよ。 同様の可変機構を持つ機体を使い、今操る機体が無い子がね」

神通「海風さんに…!?」

瑞鳳「フレスヴェルグの改修が終わるまでのつなぎに使って貰う。 それにあの子の操縦は癖が無い。 テストファイターとしてはかなり優秀だよ」

《部室》

海風「『スクランブルガンダム』、ですか」

瑞鳳「15機中13機が強奪された残りの貴重な1機なんだってさ」

海風「そんな機体をどうして海風が…」

瑞鳳「フレスヴェルグへのつなぎ。 それに海風ちゃんの操縦は癖が無いからテストに最適なのよ」

霞「確かに海風はウチのチームの中で唯一オールラウンダーだけど…」

瑞鳳「まあつなぎだから適当に、壊さない程度に使ってね」

海風「はぁ… この機体、武装は?」

瑞鳳「えーっと… バルカンと腕についたビームライフルとビームサーベルだね」

海風「…それだけですか?」

瑞鳳「それだけ」

海風「えぇ…」

朝雲「まさか… バスターソードでも欲しいの?」

海風「はい」

天津風「よりによって何でそんな武器をチョイスするのよ…」

海風「別に良いじゃないですか、好みなんですから」

萩風「確かにこの機体、テスト機故の武装の少なさがネックのようです」

瑞鳳「仕方無い… こんな事もあろうかと用意しておいた『とっておき』使って良いよ」ポイッ

海風「これは?」

瑞鳳「『カレトヴルッフフェーダー』、雑誌の付録作りこんだやつ」

神通「HJ2017年1月号の付録ですね。カレトヴルッフをベースにライフル・ソード・ランスの3種類に使い分けできる優れもの…

ただクリアパーツ形成と言う理由で加工しにくいのが欠点ですが」


機体変更(一時)
・海風:ウイングガンダム・フレスヴェルグ→スクランブルガンダム(カレトヴルッフフェーダー装備)


イベント 直下

《ゲームセンター》


天津風「本当にあった…」

萩風「だから言ったでしょう。ここのゲームセンターにはレトロなものが揃っていると」

朝雲「萩風のリサーチ力には呆れるしか無いわ…」

神通「ハァ… 先生の見回りが来なければ良いですけど…」

萩風「御心配なく。既に見回りのルートは全てリサーチ済み、シフトも盗み出しておきましたので」

海風「やると思いましたよ…」

蒼龍「保護者に私がいるから平気平気」

霞「あれ、飛龍さんは?」

蒼龍「今日の夕飯当番だから先に帰るって。 あと皆、一応条例で決まってるからゲーセンは6時までだよ」

全員「はーい」


萩風「やり方は… こんな感じですね」

天津風「最初のスロットの時点で鬼門じゃない…」

神通「萩風… 何でノーコンテニューでクリア出来るんです…」

萩風「…この手のゲームセンターには薬物の売人が入り浸る事があるのです。

今はお母様が大半を根絶やしにしてしまったので出没しませんが、少し前はここにもナノマシンを売買してた人間が居ました。その為、出没するまで時間を潰すのにゲームを何度かプレイしたのです」

蒼龍「ここ、ヤバイ系じゃないの…?」

萩風「その手の類の連中はもう『排除』しましたのでもう来ないかと。それにいざとなれば私や姉さんが居るので問題は無い筈です」

神通「あまり手荒な真似はしたくありませんが…」

萩風「天津風さんはまずこの『イライラ棒FINAL』のクリアに専念してください。これをクリアしない限り、どうにもなりません」

神通「あと他の四人は…」


霞「ちょっと! トールギスで引き撃ちは止めなさいよ!」使用:ZZ

海風「ZZなど使うからです!」使用:トールギス

蒼龍「ほら、着地なんて見せるから!」使用:GP02

朝雲「ザメルの誘導性高すぎない!?」使用:ストライク


天津風「ガンネクで遊んでるし…!」

神通(私もあっちに行きたいなぁ…)

萩風(私は電車でGO!2の特級こまちがやりたい…)

蒼龍「で、どこまでいけたの?」

天津風「クリアしましたよ…! 7回目でね…!」

蒼龍「そ、そう… あれ、萩風ちゃんは?」

天津風「あれ、何時の間に…」


萩風「大曲の停止位置、あと1メートルだったのに…!」


蒼龍「別のゲームやってるよ…」

天津風「何でよりによって電車でGOなんか…」

神通「あれでもあの子、模型に精通しててその影響か鉄道模型にも手を出していた事があるんです」

蒼龍「意外と高いアレを?」

神通「はい。私はサッパリでしたが」

蒼龍「何と言うか、人って分からないものね… クリアもしたしそろそろ全員集めて、帰りましょうか」

神通「わかりました」



霞「もう二度とトールギスとはやりたくない」

海風「イカれ性能ですし。特にブーストが」

朝雲「もうザメルは嫌だ…」

蒼龍「私も大人げ無かったかな? 日中暇なときに瑞鳳からPSP版借りてやってたけど」

天津風「結局イライラ棒しか出来なかった…」

萩風「あと1メートルが憎らしい…!」

神通(私も遊びたかったけど… 部長だから仕方ありませんね)



視点選択 直下
1.神通『鍛錬の理由』
2.朝雲『慣熟訓練』

side-朝雲-『慣熟訓練』


BATTLE START

朝雲「『シームルグ』、朝雲! 出るわよ!」


蒼い機体が宇宙へと飛び出し、スラスターの噴射光を煌かせながら自由自在に駆けていく。

そして一つの大きなデブリへと専用武装『シェーバティール』の銃口を向けた。


朝雲「ロック… 出力配分良し、当たれ!」


放たれた大出力のビーム砲は一撃でデブリを粉砕し、その破片を宇宙へと撒き散らす。

『シェーバティール』の砲身に篭った熱を放出させた朝雲はその威力を見て呟く。


朝雲「凄い威力… これで全力じゃ無いの?」

蒼龍『そうよ。 『コード・ブレイヴ』発動時にはもっと威力が出る。ただその分粒子放出量はヤバいけど』

朝雲「そんなに…」

蒼龍『次は近接戦よ。やれるわね?』

朝雲「はい!」


外部から蒼龍がコンソールを操作すると3機の『リック・ディアス』が出現する。

そして3機のリック・ディアスが連携を取りながらシームルグへと攻撃を開始した。


朝雲「プラフスキー・マテリアライゼーション!」


素早くその攻撃を回避し、朝雲は『シェーバティール』から粒子結晶の刀身を形成させて突撃を敢行する。

クレイ・バズーカによる攻撃を回避しながら中央のリック・ディアスとの距離を一気に詰めて刀身を振り下ろす。


朝雲「まず1!」


一撃で両断されて爆散する1機目のリック・ディアス、だが足を止めたことでもう1機のリック・ディアスがサーベルを抜いて突進した。

しかし朝雲は冷静に刀身の結合を解除して『シェーバティール』を実弾砲撃モードへと切り替えて攻撃を行う。


朝雲「そんな動きで!」


ライフリングした大型の弾丸が放たれ、リック・ディアスの黒い機体を貫き破壊する。

そして最後の1機のリック・ディアスがシームルグへとバズーカを乱射するが…


朝雲「マテリアライゼーション! 終わりよ!」


粒子結晶による刀身を再度形成し直し、その刃を飛ばしてリック・ディアスを切り裂いた。


蒼龍『目標達成、バトル終了っと』


BATTLE END

朝雲「NT-Dを使って無いのに… なんて性能…」

瑞鳳「どう、使い心地は?」

朝雲「無調整の時より凄く扱い易いです。まさかここまで使い易くなるなんて…」

夕雲「瑞鳳さんは世界クラスのビルダーですから。私の知る限り、最優のビルダーだと思いますよ?」

瑞鳳「それは言い過ぎ。 元の機体が良かっただけ… 正直、このクラスの粒子制御技術は私じゃまだ超えられない」

蒼龍「でもいずれは超えるって事でしょ」

瑞鳳「そりゃそうですよ。 にこの技術が既にここにある以上吸収して昇華する、それがビルダーですから」

朝雲(毎度ながら凄いポジティブよね、この人)

瑞鳳「朝雲ちゃんもここまでこの機体を動かせるようになるなんて、腕上がったね」

朝雲「海風の見よう見真似ですよ」

蒼龍「道理で海風ちゃんと似たマニューバの切り替え方だったのね。それでも充分凄いけど」

夕雲「チームの皆さんも着々と腕を上げているようですね」

瑞鳳「まぁ修羅場は潜ってるし… 少なくとも全国ベスト8には及ぶ、ガンプラ学園とも互角だったし」

夕雲「ガンプラ学園… やはり強敵でしょう」

瑞鳳「そりゃね。 一流ビルダーとファイターを育成するのが目的の学校だし。 夕雲ちゃん達入学しなくて本当良かったよ」

朝雲「え、誘われてたんですか?」

夕雲「ええ。 私達は世界チャンプ、夕雲と浜風さん、そして春雨さんはそれぞれ去年学園からの誘いを受けています。毛頭興味はありませんが。

瑞鳳さんに惚れ… 憧れて上京してきたのに、静岡に行ったら本末転倒でしょう」

朝雲(前に神通さんの言ってた話、本当だったんだ…)

瑞鳳「ところで朝雲ちゃん、『シームルグ』はそのまま引き渡すけど… ストライクはどうするの?」

朝雲「確かに今のままだと他の機体に追いつけないだろうけど…」

瑞鳳「だからこのまま『シームルグ』1機に絞るか、ストライクと『シームルグ』の2機体勢でやるか。どうするの?」

朝雲「そうですねぇ…」


選択 直下
1.シームルグ1機だけに絞る
2.ストライクも運用する

朝雲「ストライクも何だかんだで愛着ありますし… お願いしても良いですか?」

瑞鳳「合点承知、っと。どう弄くっておこうかしら…」

夕張「ここはデュエルASみたいに増加装甲と後はアグニで大砲… サムブリットとかでも良いわね」

大鳳「いえ、エールを飛行用に対応させて…」

蒼龍「…何時の間に現れた」

夕雲「と言うかサムブリットはライゴウ用では?」

夕張「瑞鳳さんに洋服絡みの事と夕飯で呼ばれたんですよ。 ストライカーなら大抵合うから平気平気」

大鳳「私は夕飯かな、って降りてきたのよ」

瑞鳳「二人共、自分の意見の押し付けは駄目。 使うのはこの子なんだから」

蒼龍「少なくともエールとソード系統は無いわね」

夕雲「やはり以前と同じライトニングでしょうか」

朝雲「そこは瑞鳳さんにお任せします」

瑞鳳「言ったね? ふふふ…」

朝雲(ヤバっ… あの目はマジだ…)

瑞鳳「オリジナルストライカーを生み出しまくった私の本領発揮といきましょうか…!」

蒼龍「…アレ、多分ニクスのストライカー作った時と同じ顔だわ」

朝雲「ニクス?」

夕雲「『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』、浜風さんの機体です。 ストライカー対応機で使用ストライカーは『レジェンディアストライカー』…

レジェンドガンダムのバックパックを流用し、作りこんだものです。私のミラージュに装備してある『ペネトレイトストライカー』も魔改造品ですし…」

蒼龍「正直、瑞鳳ちゃんにストライカー作らせたらロクなもん出来ないよ。 私の機体なんてまだマシだけど」

大鳳「妙な所で本領発揮しちゃうのよね… そう言えば朝雲ちゃん、門限大丈夫?」

朝雲「あ、そろそろヤバ…」

瑞鳳「じゃ私バイクで送ってくるよ。 まだ昏睡病キャリアーが出てくるかもしれないし」

朝雲「霞じゃあるまいし、狙われませんよ」

瑞鳳「そうとも言えないよ。 もしスドウ・シュンスケを倒したことで朝雲ちゃんも優先ターゲット設定されてるかもしれないし。

だから私が送っていく。 それに…」

朝雲「それに?」

瑞鳳「妹さんに送られた『改RX-0』の詳細も見たいしね」

《2日後 学校》


ガヤガヤ

瑞鳳「結構人居るねぇ。 700人くらいかな?」

神通「中高一貫ですから」

蒼龍「飛龍、お腹大丈夫?」

飛龍「大丈夫よ。 今朝は牛乳、飲んで無いから」

海風「お腹弱すぎじゃないですかね?」

飛龍「まぁねぇ… アレルギーじゃないのに乳製品殆ど駄目なのよね…」

霞「それ中々キツイですね…」

萩風「よし、飛龍さんが健康になるように食事のメニューを…」

天津風「それより、そろそろ開会式よ」

愛宕「生徒は全員、ちゃんと並ばないと」


『これより、小沢学園体育祭・開会式を始めます』


そして…


『これで、開会式を終了します。第一種目の選手は、所定の位置に集合してください』


海風「では行きましょう」

蒼龍「じゃあ最初のランナーは私、二人目は飛龍、三人目に海風ちゃんでアンカーが神通ちゃんね」

神通「わかりました」

飛龍「よし… いっちょやりますか!」

『位置について!よーい…』

パァァァァンッ!

蒼龍「!」ダッ


『第3レース、一位に躍り出たのは… ガンプラバトル部の蒼龍先生!凄い、他の運動部をぶっちぎって駆けて行きます!』

「ど、どうなってんだアレ!?」

「見た目以上に速い…!」

蒼龍(元艦娘、舐めないでよね…! もうすぐ次…)


『間もなく二人目へのバトンパス、このままガンプラバトル部は1位を維持出来るのか!』

蒼龍「飛龍!」

飛龍「よしっ!任せなさい!」バッ


『ピッタリと息のあったバトンパス! 飛龍先生へとバトンパスを繋げた! そして他の部活動も順々にバトンをパスしていく!』


「う、嘘だろ… 化け物じゃねぇか…」

「ガンプラバトル部って文化部扱いだろ!?」

飛龍(まだ余裕はあるけど… 相手は運動部も居る。 今のうちに極限まで引き剥がす!)


『飛龍先生、蒼龍先生以上のスピードで走る! オリンピックでも通用しそうな勢いだ! そして次のバトンパスへと…』


飛龍「海風ちゃん!」

海風「はい!」


『第3ランナーの海風さんにバトンパス! そして海風さんも二人とまではいかないが速い! これで本当に文化部なのか!?』


「何で陸上部に勧誘しなかったんだよ!」

「文化部なんかに…!」

海風(二人が頑張って残したリードを維持しないと…!)


『流石に後ろから他の選手が迫りつつあるも未だ1位を維持するガンプラバトル部。 そしてバトンはアンカーに…』


海風「先輩! お願いします!」

神通「任せてください!」ダッ


『バトンを受け取ったのは神通さん! そして… え…?』

「う、嘘だろ…」

「勝てる訳ねぇ…」

神通(しまっ… 加減しそこねた…!)

『え、えーと… ガンプラバトル部、他の選手をぶっちぎり余裕の1位です! ガンプラバトル部、特別顧問も化け物過ぎて生徒全員が化け物になっています!ギネス記録を余裕で超える成績です』


天津風「トラック1週を10秒弱で走り抜いた…」

朝雲「えぇ…」

萩風「姉さん、熱くなり過ぎです…」

瑞鳳「あーあ… って実況! 私何気にディスられてない!?」

愛宕「是非も無いわ。事実だもの」

『続いて第二種目、全校サバイバルゲームを開始します』


朝雲「行くわよ萩風、全員をブチのめしてやるんだから!」

萩風「ええ。一人残らず仕留めてみせます」


数分後…


<う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

<助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


『校舎内から阿鼻叫喚の悲鳴が上がっている! 一体何があったのか!』


神通「お願いですから、何事もありませんように…!」

霞「先輩、それは無理です」


『えーっと… ただいま入った情報によりますと、ガンプラバトル部の問題児・朝雲さんと期待の転校生・萩風さんが虐殺レベルの無双をしているそうです!

既に二人の手によって半分以上を狩っているとか。どうやらガンプラバトル部はトンデモ無いコンビを投入してしまったのでしょうか』


海風「期待通りです」

天津風「絶対に組ませたらロクでも無い事態になるってわかってやってるわよね!?」

瑞鳳「止めときゃ良かった…」

愛宕「わかりきってた事よ。こうなるのは」

飛龍「一体校舎内で何が行われてるの…」

蒼龍「怖くて考えたくも無い」



「やってやる!やってやるぞ!」

萩風「遅い!」ブォン

ドサッ

萩風「これで、半分!」

ドドドドドドドド

「あだだだだだだだだ! マシンガンは止めてくれ!降参する!」

朝雲「ふぅ… 最初にマシンガンとナイフ拾えたのは幸運だったわね」

萩風「ええ。このグレネードも…」ポイッ

パンッ

「うわぅ!うわあぁぁぁぁぁあ!」

「強い、強すぎるぅぅぅぅぅぅ!?」

萩風「このエリアは制圧と考えても良いでしょう。残りを狩りに行きましょう」

朝雲「ええ。 あとコイツ等の武器もかっぱらってっと…」


『え、えと… 予定よりかなーり早くですが… 第2種目、ガンプラバトル部が優勝とのことです』


萩風「終わりました」

神通「うぅ…」

朝雲「先輩、どうしたんですか?」

瑞鳳「貴女達が暴れすぎて体調崩した」

神通「胃が… 胃が…」

飛龍「後で胃薬あげる…」

海風「ここまでは順調ですね」

霞「どこが順調よ…」

愛宕「寧ろサバイバルゲームが予定より早く終わりすぎて結構時間余ってるんだけど」

蒼龍「90分全滅戦やって、生き残ったチームにポイントをあげるってルールだったのにものの15分で片付けてきたの誰よ」

朝雲「だって仕方無いんですよ。弱すぎるんですから」

萩風「はい。 それに襲い掛かる火の粉は振り払わないと」

瑞鳳「寧ろ導火線に火をつけに行ってたんじゃない?」

飛龍「お陰で周りから睨まれてるし…」

神通「お腹がキリキリします…」

海風「でも先輩、睨まれる原因のひとつが先輩である事をお忘れなく」

天津風「追い討ちかけるな!」

霞「まぁトラック1周10秒弱をやらかした先輩も人の事言えた立場じゃないけども…」

松風「へぇ… こんな大規模な体育祭をやるんだ、この学校」

野分「これでも全生徒じゃなくて部活動参加者だけなのね」

初月「何故全生徒が参加しないのだろうか… 僕達は部外者だから関係ないが」

瑞鳳「…なんで居るし」

弥生「観光、飽きた」

照月「それで瑞鳳姉達の学校で何かやってたから見学に」

神通「うぐっ…」キリキリ

朝雲「うわっ、先輩に余計ダメージが追加されていってる」

不知火「? どうしてこの方はお腹を押さえているのですか?」

如月「…貴女も大変ね」

朝潮「その原因の一端が言っても皮肉にしかなりませんが…」

舞風「お母さんに仕事の契約を迫られた時の榛名みたいな顔になってるよ」

秋月「確かにそっくりです…」

瑞鳳「榛名さん、お母さんと仲は良いのに仕事に関しては本気で勘弁して欲しいらしいからね… 特に秘書業務絡みは」

蒼龍「あの子も中々苦労してるのね…」


イベント 直下

「へぇ… こんな催しもやるのね」

「だが… ちとこの天気では生徒も辛かろうに」

瑞鳳「へ…」

飛龍「あの特徴的なエプロンと中華風衣装はまさか…!」

蒼龍「それに無駄に甘ったるい声&野太い声は…!」

愛宕「大鯨さんに不敗さん!?」

瑞鳳「ちょ、何で両親揃って居るのよ!?」

部員一同「えぇ…」

大鯨「家族参観、ってやつ」

東方不敗「娘の働き振りを観に来てやったのよ」

瑞鳳「いやいやいや… 仕事は!? ちょっと前に有給取ったばっかだよね!?」

大鯨「繁忙気前の夏季休業」

東方不敗「テスト期間でな。丁度ゼミ生の研究の中間発表も終えて一息ついておったのだ」

瑞鳳「いやいやいやいや。お父さんは駄目でしょ!?」

初月「天城が言っていたな。自由奔放過ぎて補講ばかりだと」

瑞鳳「それ教授として駄目だよね!? エイフマン教授に言いつけるよ!」

東方不敗「うっ…! 父を売るか!」

瑞鳳「少なくとも大学教授の自覚も無い人に言われたく無いわ! 学生が可哀想でしょ!」

大鯨「まぁまぁ…」

瑞鳳「そこもなぁなぁにしようとしない! 甘やかすから付け上がるんだよ!」

天津風「瑞鳳さんがまともな事言ってる…」

神通「あぁ、時が見えそう…」

霞「ヤバイわ! 先輩の心労ダメージが許容値を超え始めてる!」

海風「医務室に運びましょう!」

朝雲「血族として感想は?」

萩風「凄く恥ずかしいです」

不知火「義理の娘も同じかんそ… 血族!?」

萩風「あ… まぁ、遠からず近からずの感じで…」

野分(孫、とは言えないわよね。 未来人なんて明かせないし…)

如月(まぁ夕雲さんって親戚の前例が居るから誤魔化せるけども…)

秋月(難儀ですよね、この人も)


『これより第三種目の教職員対抗戦を開始します。出場する教員の方は…』


大鯨「あら、瑞鳳の番じゃない。 行ってらっしゃい」

瑞鳳「ったく…!これ観終わったら帰ってよ!」

東方不敗「それが両親に言う事か」

瑞鳳「どっちが非常識か世間一般にアンケートとってやりたいわ…!」

『では教員の方々の入場です』

<ピロピロピロピロ

『まずはサッカー部顧問、高松先生。入場曲は○○、続いて弓道部顧問…』

瑞鳳(あれ、私入場曲決めてなかったような…)

<赤い~赤い~アイツ~レッドマ~ン

瑞鳳「!?」

『ガンプラバトル部顧問、瑞鳳先生。入場曲は『レッドマン』です!』

瑞鳳「誰この歌にしたの!?」


朝雲「本当に流したよ…」←実行犯その1

海風「妙に合ってますし丁度良いのでは?」←実行犯その2

天津風「何この歌…」

霞「円○特撮にあったのよ。 怪獣を見つけたら容赦なく襲い掛かって嬲り殺しにするやつが」

蒼龍「なんだ、瑞鳳ちゃんピッタリじゃない。ってか霞ちゃん、知ってるの?」

霞「はい。 ちょっと前に流行ったらしくて見た事があるんです」

飛龍「まぁ瑞鳳ピッタリね。麻薬扱ってる組織とか軒並み潰して何も残らなくなっちゃったから『紅いアイツ』とか『真紅の通り魔』とかついたし…」

愛宕「そのまんまのネーミングですね…」


『全ての教員が揃ったところで競技種目を発表します』


照月「何が来るのかな?」

松風「分かりきったことだろ。どうせロクな種目じゃないさ」

朝潮「流石に言いすぎ、と言いたい所ですが… 本当にそうっぽいのですよね…」


『教職員バトルロイヤルです! 地面に転げたら負け、最後の一人になるまで戦う勝負… 果たして誰が勝つのか!』



部員関係者&瑞鳳一家一同(あっ…)



瑞鳳「もう何だって良いわ! 纏めてかかってきなさい! レッドファイッ!」

ドゴォ バキッ ズガァァァン


瑞鳳「はぁ、はぁ…!」


『ガンプラバトル部特別顧問瑞鳳先生、殆どの先生が束になっても武器を持っても勝てない! 果たして彼女は人間なのか!?』


瑞鳳「人間だって…!」


大鯨「う~ん… 瑞鳳のことだから怪我人は出て無いみたいだけど…」

東方不敗「ちと一方的過ぎるわい。流石にこの種目を考えた者はアホでは無いか?」

海風「ええ、まったくそう思います」

野分「そろそろ止めに入らないと…」

松風「だけど僕達が出てどうなる? アレに勝てる訳無いだろ」

照月「取り押さえる自信も無いよ…」

初月「どうにかして止めないと…」


<夢を紡ぐ、空が繋ぐ、白に染めら~れ~たこの大地で ひとつ~だけ、叶えたい~夢~♪


如月「この歌は…!?」

秋月「もしや…」


『え、えと… ここで理事長より、彼女を止める戦力を用意したそうです。 入場テーマ曲は『white relation』、その名も…』


「少々、おいたが過ぎたようですね瑞鳳さん」

「理事長からの依頼なので、どうかご無礼を」

瑞鳳「え、えと…」

「いやぁ、真正面から相手とかチビりそうなんですけど」

「うーん、本当ならやりあいたくは無いけど仕事だし…」

「こうなったら死ぬ気でやるしか無いよね! 多分死ぬけど!」


『精鋭チーム『マスクド・ヴェアヴォルフ』です!』


瑞鳳「って、榛名さんじゃないですか!?妹と部下引き連れて何やってるんですか!?」

白狼「失敬な、榛名って誰です? 今の榛、私は『白狼』です」

緑狼「同じく、緑狼… 天城って誰でしょう?」

青狼「どもども青狼です。 一言お願いします!」

茶狼「えっと… 茶狼です。お、お手柔らかに!」

黄狼「黄狼だよ! まぁ、死なない程度にお願い…」


霞「全員狼の被り物被って、何やってんの…」

朝雲「あの榛名さんが持ってるの、ハルバード…?」

大鯨「トマホーク(自称)よ。 因みに大中小2本ずつ計6本持ってるわ」

天津風「あれトマホークなんですか!?」

萩風「天城さんは槍ですか…」

愛宕「あ、頭痛くなってきた…」


瑞鳳「こんなに引き連れていても… 私には勝てませんよ!」

白狼「それはどうでしょうか! 狼達よ、喰らいつきなさい!」

白狼「ダブルッ! トマホォォォクッ、ブゥゥゥメランッ!」ブォン

瑞鳳「くっ…!」


瑞鳳は迫り来るトマホークの刃を間一髪で屈む事で回避し、白狼へと駆け出す。

しかし背後から先程放たれたトマホークが、真横からは緑狼が槍を携えて襲い掛かる。


瑞鳳「まさか、こんな槍術使いだなんて…!」

緑狼「独自の型ですが、この程度なら!」


拳でトマホークを払い、槍の一撃をバックステップで回避した瑞鳳。

だが着地の瞬間を狙って、ゴム弾が瑞鳳へと殺到した。


瑞鳳「ッ…! ゴム弾まで…!?」

茶狼「素手で受け止められた…!?」

黄狼「なら…! 青葉!」

青狼「今その名前で呼ばないでくださいよ!」


ゴム弾を素手で受け止めた瑞鳳の両脇からナイフを携えた黄狼と青狼が突撃する。

瑞鳳は一瞬呆気に取られたが、即座に彼女達を迎え撃つべく自身に課した『リミッター』を外し気を練り…


瑞鳳「ゴッド・シャドー!」


瞬時に瑞鳳が十人の分身を展開して攻撃を回避し、同時に青葉達を撹乱した。

だが青狼は即座に気付く、その十体の中に『本物』は既に居ない。その向かう先は…


青狼「古鷹!」

瑞鳳「もう遅い!十二王方牌大車併!」

茶狼「ッ!?」


遠く離れていた茶狼へと小さな瑞鳳の分身体が襲い掛かり、銃を砕き身を拘束する。

そして拘束された茶狼へと瑞鳳が一気に距離を詰めてその拳を腹部へと叩き込む。


茶狼「う゛っ…」

瑞鳳「まず、一人…! 帰山、笑紅塵!」



大鯨「あ、あら… マジモード…?」

東方不敗「大鯨、準備しておけ。もしかすれば、ワシ等の出る幕があるやもしれん」

神通「いえ、あれなら『まだ』加減は出来ているので大丈夫でしょう」

海風「先輩?」

神通「ただ…」

朝雲「ただ…?」

萩風「ここまで来ると周囲の人がドン引きしているのが…」

霞「瑞鳳さんを『本気』にさせたらどれだけ危険か知ってた私達ですらドン引きなんだから仕方無いわよ」

《数十分後…》


緑狼「くっ… 降参、です」


槍を手放し膝をつく緑狼。既に黄狼と青狼は瑞鳳によって叩きのめされ地面に転がっていた。

そして残るのは白狼唯一人のみ、狙いを絞った瑞鳳は一直線に駆ける。


瑞鳳「やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

白狼「そう簡単にはさせません! トマホークブゥゥゥメランッ!クインティプルッ!」


彼女の持つトマホークの6本のうち5本を投擲し、瑞鳳へと襲い掛からせる白狼。

全方位から飛来する5つの刃。瑞鳳は額に撒いた鉢巻を外して1本のトマホークの柄へと巻きつけ…


瑞鳳「秘技・キャッチアンドリリース!」


そのまま自身ごと回転し、全てのトマホークを打ち払う。 そして鉢巻を巻きつけていたトマホークをそのまま白狼へと放つ。

迫り来るトマホークを白狼は手に持った最後の、2メートルはあろうかと思われるトマホークで弾くが…


白狼「くっ… 消えた!?」


既に白狼の視界には瑞鳳は居ない。 だが白狼の『直感』が留まるのは危険だと頭で警鐘を鳴らす。

それでも一手遅かった。 瑞鳳は既に目の前に迫っていたのだから。


瑞鳳「ラストッ!」


鉢巻がトマホークの柄を絡めとり、白狼の腕から引き剥がす。 

そして武器を失い、もう勝つ手段を見出せなくなった白狼は両手を空に掲げた。


白狼「降参、です」


『な、なんと! 理事長の用意した刺客すら退けこの壮絶な戦いを制したのはガンプラバトル部特別外部顧問・瑞鳳先生です!

凄い、こんな戦いはテレビなんかでは観られません! まさに白熱した戦いでした!』


天津風「まぁ、こうなるわよね」

弥生「20分以上保っただけでも、凄い…」

朝潮「まさか天城さんまであんな戦闘力を隠していたなんて…」

飛龍「宮城人って本当バケモン揃いね」

蒼龍「しかもあの二人、瑞鳳ちゃん達みたいな血筋じゃないのに…」

大鯨「うーん… 小さな頃に手解き程度の教えはしたけど、ここまで強くなってるなんてね。 関心関心」

愛宕「原因はやっぱり大鯨さんだった…」


榛名「あ、もしもし間宮さん。 三人ちょっとヤられたので回収お願いします」

間宮『天城さんと榛名さんは?』

榛名「無事ですよ。疲れましたが」

間宮『わかりました。 今から車で回収に行きます』ピッ

榛名「ふぅ…」

瑞鳳「仕事、受け付けて無いんじゃないんですか?」

榛名「活動資金稼ぎですよ。それに、少々不穏な動きがありまして…」

瑞鳳「不穏な動き?」

榛名「ええ。 『コスモ・クルス教団』絡みで。 その調査の一貫で東京に来ました」

瑞鳳「『コスモ・クルス教団』… 確か前に海風ちゃんがスカウトされたって…」

榛名「ええ。彼等は『進化の可能性を持つ人間』を保護しようと動いています。ただそのやり方は褒められたものではありませんが」

瑞鳳「強引な拉致、ですか」

天城「現在まで16人に被害が出て、そして霞さんの家の近辺でも複数の教団関係者が目撃されています」

瑞鳳「待ってください。 それって、『昏睡病が何なのか』を既に彼等は知っていると言う事ですか?」

榛名「可能性はあります。 榛名達に接触した教団員の一人が仄めかしていました」

天城「既に撃退はしましたが… 依然として付き纏われて居ますね。正直鬱陶しいことこの上ありません」

瑞鳳「彼等は、なんと?」

榛名「『我々は裁きから進化を守る者』、と。 恐らく昏睡病の正体、『EXAMシステム』に関しても見抜いているかもしれません。だから『裁き』と言う単語を使ったのだと」

瑞鳳「一体どうやって…」

天城「恐らく天城たちのような『突然変異』の人間をかき集めている、と言う事はそう言う類の超能力者をも擁している可能性があります」

瑞鳳「確かに青葉さんのように『本質を見抜く能力』を持っている人間が居ても不思議では無いし、未来視だってよくある話だから居てもおかしくは無い…」

榛名「なので瑞鳳さん、海風さんと霞さんの護衛戦力として天城を置いていきます」

瑞鳳「天城さんを?」

天城「先程の戦闘で槍の技術は既にお見せしました。姉さんや瑞鳳さん程ではありませんが、生身での戦闘なら役立てる筈ですしバトルに関しても既に実力はご存知の筈ですよね?」

瑞鳳「しかし神通ちゃんや萩風ちゃん、そして私が居るのに迂闊に仕掛けてくるとは思いませんが…」

榛名「いえ、天城は保険です。 拉致された場合の」

瑞鳳「保険…?」

榛名「天城は榛名と『感応』出来ます。 物理的な距離と関係なく交感し具体的な場所を把握する事が可能、生体GPSと言って良いでしょう」

天城「生体GPSって… まぁ大体そんな事が出来ます。あともし霞さんが真にNTであるなら、天城ならば彼女とも出来る筈かと」

瑞鳳「…わかりました。 大会まで残り1週間、二人の護衛をお願いします」

天城「承りました」

榛名「もし有事の際にはご一報を。 間宮さんの甘味処を拠点にしているので、いざとなればベース基地に出来ますから」




瑞鳳「今戻った… あれ、お母さん達は?」

神通「お帰りになりました」

朝雲「帰れって言ったのは瑞鳳さんじゃないですか」

瑞鳳「あ、そうだった」

海風「ところで何で天城さんが?」

天城「実はですね…」


飛龍「護衛戦力、ね」

蒼龍「確かに瑞鳳相手に粘った槍の実力は認めるけど…」

霞「海風の言ってた教団連中が動き出してるなんて…」

愛宕「理事長に報告が要るかも…」

萩風「確かに私達では感応は出来ないので最適ではありますね」

天津風(やっぱ宮城人っておかしい)

天城「と言う事で、暫くお願いします」

『これより第4種目、イライラ棒を開始します。 今回、なんと理事長が昔番組で使用されていたセットをレンタルしてきています!』

天津風「嘘でしょ…」

瑞鳳「リターンズ仕様だね」

愛宕「よくセット残ってたわね。結構綺麗な状態だし」

海風「昨日の夜youtubeで観たやつと同じですね」

霞「ほら、さっさと行って来なさい」

天津風「えぇ…」

朝雲「萩風、アレ出来る?」

萩風「初見クリアはまず無理、でしょうか…?」

蒼龍「そう言うこと言わないの」

飛龍「そうそう。クリア出来るかもしれないし」

天城「何なら代わりましょうか?」

天津風「これは私の種目… 部外者に頼る程弱くは無いわ…!」

照月「だと良いんだけど…」

舞風「エグ○イドのアレになりそう。『出来た!?』『駄目だぁぁぁぁぁっ』『ダァーっ!』って感じに」

松風「アレ、本当演技凄いよね。憧れるよ」

野分「憧れちゃ駄目な類だと思うけど…」

不知火「しかし彼を演じた俳優は尊敬出来ますね。確かあの人、医療関係者だとか」

弥生「ある意味、凄い…」

天津風「人を無視するな!」

秋月(この人も大概扱いが…)

朝潮(何でしょう、何かデジャヴのような…)


『ガンプラバトル部天津風さん、何とか全てクリアした! 手に汗握るギリギリのゲームを制したのは、彼女だ!』


天津風「ゼェ、ゼェ… クリア、してきたわよ…!」

蒼龍「お疲れー」

天津風「あれ、皆は…」

飛龍「理事長に呼び出された」

天津風「私だけ置いて行かれた!?」

蒼龍「ど、ドンマイ」

『種目の半分が終了したところで、お昼休憩に入ります。体育祭は13時より再開しますので各自昼食を取って下さい』


天津風「で、何で呼び出されたのよ」

海風「荷物運びです」

瑞鳳「ダンボール箱運ばされてたのよ。何かこの後の種目で使うとか」

霞「『私達に関連するもの』って言われたけど…」

萩風「まさかガンプラ?」

朝雲「それこそまさかよ。 部活動分だけだとしても一体いくらかかんのよ」

神通「しかしサバイバルゲームの装備品を用意するよりは安いかと…」

如月「それに1キット、HGだったとしても作るのに最低1時間はかかるわ。慣れてる人でもね」

野分「しかも慣れている人程ゲート処理や部分塗装なんかするから余計時間がかかる… 現実的では無いと思うけど」

秋月「さらに言えば工具など使い慣れていない人が使えば怪我をする可能性もありますし…」

不知火「しかしこの学校、母体はビスト財団ですよね?」

舞風「確かに直系企業のアナハイムもあるし、アナハイムとバ○ダイは業務提携してるから…」

初月「ガンプラの調達自体は簡単だろうさ。それに、宣伝にもなる」

照月「台場のGBT、来月オープンだしその宣伝にはなるのかな…?」

弥生「でも、ここは曲がりなりにも名門だけど…」

松風「まぁこんな部活がある位だからこの中の1割くらいは興味を持つようになるだろうさ」

朝潮「1割もいるでしょうか?」

天城「その点は置いておいて、昼食にしませんか? 実は天…」

瑞鳳「ほーい、今日のお弁当作ってきたよ」

飛龍「これこれ…!待ってました…!」

蒼龍「瑞鳳ちゃんのお弁当、美味しいからねぇ」

萩風「萩風も、健康お重を作ってまいりました」

朝雲「ここまで健康に拘るのかい… まぁ、美味しそうだけど」

霞「私も、今日のコンテストの練習用に作ってきたわ」

天津風「へぇ… 普通に美味しそうじゃない」

海風「朝5時から… トレーニングやってお弁当作るのは疲れましたが…」

神通「私達もちゃんと手伝いましたよ」

天城「皆さん凄い出来栄え。 でも天城も負けてられ… ってあれ? お弁当箱が…」

不知火「…天城さんのお弁当は既に諜報部が回収しています」

松風「キミはまた集団食中毒を引き起こす気かい?」

野分「間宮さんに習っても改善しなかったのに…」

天城「」ガーン

弥生「災厄は、避けられた…」

初月「ああ。テロが未遂で良かったよ」

『ではこれより第4種目に… 入る前に成績の中間発表と第8種目の発表を行います』

神通「第八種目の発表…」

蒼龍「一体何が…」

『まずベスト8の順位の発表から…』

順位発表
1.ガンプラバトル部…40ポイント
2.サッカー部…25ポイント
3.剣道部…20ポイント
4.陸上部…15ポイント
4.吹奏楽部(同率)…同上
4.美術部(同率)…同上
7.水泳部…13ポイント
8.科学部…11ポイント

『やはり1位はガンプラバトル部、サバイバルゲーム大虐殺と教員対決による無双っぷりが2位とポイントを突き放しています。しかし午後の種目は一筋縄ではいかない種目ばかり… さぁ、どうなる!』


瑞鳳「そりゃそうだよ。ウチだけ全種目1位だもん」

萩風「虐殺なんて人聞きの悪い…」

朝雲「そうよ。人一人も殺してないのに」

海風「絶対キルレートおかしい事になってます」

霞「2対約140で全員返り討ちなら完全な虐殺よ…」

不知火「しかも無傷ですからね… 姉さん、些か変な事を教え込み過ぎでは?」

瑞鳳「え、私の責任なの!?」

萩風「私に関してはそうかと」

瑞鳳「そりゃそうだった… で、でも悪いのは一族全員バケモンになる原因作った先祖だから…」

野分「責任転嫁しないでください」


『そして第8種目の内容は… 『即興ガンプラバトル対決』です!』


全員「え…」


『ルールは簡単。 今から1チーム3つずつここにある工具とガンプラの山からキットを選んで貰います。そして第8種目開始までに機体を組み上げ、その機体でバトルロワイヤルを行うのが第8種目です。

さらにはここにあるオプションセットや追加武装アイテムなども取って行って構いません』


飛龍「まずい…! 瑞鳳! 神通ちゃんに萩風ちゃん!」

瑞鳳「わかりました!」

神通「良キット、可動が良く組み易い最新の奴を重点的に狙います!」

萩風「オプションセットは私が調達します!」


『そしてキットは早い者勝ち! レディ、ゴーッ!』


三人「!」ダッ


選んできたキット 下3まで(オプション(※)も併記可)


キット条件
・1999年以降のHGシリーズのみ(HGUC発売以降の製品。 ただしモビルアーマーとHGBFは除く)
・プレミアムバンダイ商品は可、一部限定商品は不可(例:イベント限定品など)
・複数セット(例:プレミアムバンダイの鉄華団セット)などMSなどが複数付属するものは不可

オプション条件
・ビルダーズパーツ、システムウエポン、HGIBOのMSオプションセットは使用可能

『おい、それは俺達の…』『何だよこのベアッガイって!?』『ガンダムを取れ!ガンダムなら強いんだろ!?』


神通「ふぅ、戻りました」

朝雲「あ、戻って来た」

天津風「調達出来たのは…」

松風「『ガンダムアスタロトリシナメント』、オルフェンズの外伝『月鋼』の主人公機か。

左右のバランスが滅茶苦茶だけど強力な装備を有している機体だね」

初月「あとは『ガンダム・フラウロス』、強力な砲撃機だ。 本編での活躍は散々だったが…」

弥生「…あとは、『ジェガンA2型』。 お得意の、金型使い回し…」

瑞鳳「そう言うこと言わないの」

舞風「何でオルフェンズの機体が2機あるのにジェガンにしたの?」

瑞鳳「押し寄せる人波に飲まれる直前に目の前のやつ取ったらこれだった」

野分「確かに姉さん達が取りに行くのにダッシュした直後、トンデモ無い人の量が押し寄せたものね…」

天津風「先輩のチョイスは、まぁ中々ですね」

神通「フレーム式のHGIBOシリーズなら作り易く、調整の時間も確保出来ます。それにパーツが取れ易いのを除けば可動も優秀ですから」

瑞鳳「よし、後は私に任せて。 この程度、30分で作って…」


『瑞鳳先生、瑞鳳先生は至急運営側にお越し下さい。 瑞鳳先生にはこれより、ガンプラ製作のレクチャーを行って貰います』


瑞鳳「うそーん!?」

飛龍「まぁ、世界最高峰のビルダーだものね…」

蒼龍「当然の結果と言っちゃ当然だけど… あくまでも学生の手でどうにかしろ、ってスタンスみたい」

瑞鳳「これ、講師代としてお金毟れ無いかな…」

愛宕「後で請求したら?」

瑞鳳「そうする。 じゃ、ちょっくら適当にやってくるね」

神通「仕方ありません… 私達で作りましょう。 『萩風さん』、オプションは?」

萩風「一応全部調達してきました。 どうなさいますか、『先輩』?」

神通「では製作は私と萩風さん、そして天津風さんで機体を組みます。 海風さんと朝雲さんは部室から武器になりそうなパ-ツと改造用の工具を」

海風・朝雲「はい!」

霞「え、部室のジャンクって大丈夫なんですか?」

神通「機体は『即興』と言いましたが、武器に関してはノーコメントでした。つまり使っても良いのかと」

蒼龍(瑞鳳ちゃんみたいな強引な理屈だこと… それにこの姉妹、ちゃんと公私で呼び方使い分けてるのね)

萩風「ジェガンはパーツ数が多いので私が組みます。これでも、早組みはお母様譲りです」

天津風「じゃあ私はフラウロスかしら。デカールが多いのが難点だけど…」

神通「ではリシナメントは私が。では海風さんと朝雲さん、武器はお願いします」

萩風「朝雲さん、ちょっと良いですか?」

朝雲「何?」

萩風「部室に『スタークジェガン』のパーツがあれば取って来てください。 ジェガンA2のキットは余剰パーツの中にD型の部品があるので、それを使えばスタークへと改修できます」

朝雲「わかった。探してみる」


イベント 直下

《部室》


海風「武器武器… メイスとかでしょうか。 鉄血系にビーム兵器は… あ、対物ライフル見つけました」

朝雲「スターク・ジェガンのパーツは… これかしら?」

天城「CCA版ですね。一応互換はあったかと」

海風「あとその辺にプロトのパーツも眠って… ん…?」

朝雲「どうかした?」

海風「今人影が… 部室棟、海風達以外に居ない筈なのですが…」

天城「気配… 1つ…!」ピキィン

朝雲「天城さん…?」

天城「…二人共、天城から離れないで下さい。 この気配、何かしらの悪意を感じます…!」

朝雲「悪意…!」

海風「一体何が目的で部室棟に…!」

朝雲「まさか… 海風! アンタの鞄、『スクランブルガンダム』があったわよね!?」

天城「粒子対応試作機ですか! 複数機が強奪されたと聞きましたが、まさか海風さんの所有する機体を狙って…!」

海風「まさかっ…!」ガサゴソ

朝雲「粒子対応機の強奪の為にここに潜入したなんて…!」

海風「いえ、スクランブルは無事でした」

朝雲「なら良かった… けど、じゃあその気配って奴は…」

天城「可能性は2択、昏睡病絡みの『敵』かコスモ・クルス教団か… どちらにしろ、厄介な手合いです」

海風「直に理事長に報告しないと…!」

朝雲「報告してどうにかなるの…?」

天城「流石に警備の厳重化はして頂けるかと思いますが… それでも、焼け石に水である事は変わり無いでしょうけど。

何が起こるか分からない以上、自分の身は自分で守るしか術はありません」

海風「そうですね…」

天城「海風さん、このポーチにスクランブルを入れて肌身離さず持っているようにしてください。朝雲さんも、自機は自分で守るように」

朝雲「は、はい!」

天城「折角姉さんが阿武隈達のブーイングに耐えながら送った『シームルグ』、失う訳にはいきませんから」

海風「やっぱり揉めたんですね…」

天城「ええ… いくら廃棄処分一歩手前の機体とは言え、姉さんの技術の粋を集めた機体の1つである以上その技術情報は秘匿すべきものです。

特に敵対している相手に送りつけると言う事は、自分の手札を全て晒す事に等しいので」

朝雲「廃棄処分…?」

天城「元々シームルグは実戦に耐えられるような機体ではありません。 あの機体は元々技術試験機、しかも姉さんが一時期バトルから離れていた時期に製造したものです。

それをどうにかして実戦装備を施したのが現在の『RX-0[Sm]シームルグ』、経年劣化の問題や粒子放出量に問題があり廃棄寸前のものを再利用した機体です」

朝雲「だから最初に操縦した時、操縦に難があったのね… 瑞鳳さんのお陰で改善したけど」

天城「正直粒子制御技術では姉さんが勝っていますが、機体そのものを弄る技術は瑞鳳さんの技術力の方が遥かに高いです。

『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』の例を見ても、特殊能力使用時に機体が過負荷で自壊しなかったのは瑞鳳さんの整備能力の賜物… だからこそ、瑞鳳さんの下に居る朝雲さんに機体を送ったのでしょう。きっと何とかしてくれると」

朝雲「成る程…」

天城「なので『シームルグ』は絶対に奪われないようにお願いします。 後は… 皆さんの機体も一応持ってきましょう」

海風「分かりました。 後はこの武器と改造や墨入れ、部分塗装用の工具も…」

海風「戻りました」

飛龍「お帰り~」

天城「進捗は?」

野分「今さっきジェガンが組み終ったので萩風さんは他のサポートに回っています」

朝雲「すごっ… このジェガン、きっちりゲート処理まで終わってるわ…」

不知火「バリのあとすら残さず、素組でここまで組み立てるとは… 不知火も驚きました」

蒼龍「瑞鳳の素組と遜色無い、って言うのが凄いわね…」

朝雲「その瑞鳳さんは?」


『すみません!こっちお願いします』

瑞鳳「はいはい!今行き…」

『こっち来てください!』

『こっちもこっちも!』

瑞鳳「あぁ、もう…! キャパオーバーだって! 順番に並んで! ってそこ!パーツは順に切り離すって言ったよね!?全部切り離したら分からなくなるでしょ!

あとそこ! バリは取らないとパーツが嵌らなくなる時があるって教えたよね!」


海風「大変そうですね…」

蒼龍「こっちにも何人かさっき来たけど萩風ちゃんが適当に追い返しちゃったし、そのせいで瑞鳳ちゃんの負担が増してるのよ」

萩風「敵に手を貸す者がどこに居るんですか、全く…」

天城(ウチの姉です…)

萩風「朝雲さん、パーツは?」

朝雲「足りてるかは解らないけど、一応持って来たわ」

海風「工具とペン、あと武装もです」

神通「ふぅ… リシナメントは終わりました」

天津風「フラウロスもよ。 鉄血系はデカールが本当に地獄ね…」

萩風「ではここから改修を始めましょう。 文句を言われたら戻せるようにしないといけませんが」

天城「あれ、霞さんは?」

松風「あの子なら料理の方に行ったよ。自分の番だからって」

霞「♪」


『ガンプラバトル部霞さん、凄い手際です。 これには家庭部も及ばない! 作っているのは… 煮物でしょうか?』


霞(豚の角煮、お婆ちゃんから教わった秘伝のレシピ。これなら勝てる…! 後は圧力鍋を使って煮込むだけ…

その間にもう1品は出来そうね。使える食材は… これなら簡単なサラダとお味噌汁あたりかしら?)


『なんて手際だ! 中学1年生にしてまさに主婦の鑑、オカンだ!』


霞「誰がオカンよ!?」


海風「実際、霞はオカンのような人間ですが」

神通「確かに… 口調はキツめですけど、自他に厳しく己や周囲を律する事の出来る人間性ですね」

天津風「それに、世話焼きだものね。 そうじゃなかったら海風達を自分の家に住まわすなんて出来ないし」

蒼龍「その件に関しては私達のところでも良い、っては言ってたんだけど…」

海風「アレと一つ屋根の下なんて、言語道断です」

朝雲「やっぱりアンタの姉貴ね…」

飛龍「まぁ、仕方無いっちゃ仕方無い事だけど… それに霞ちゃんの家を空けることになるのはあの子も望んでなかったし、良い機会だったのよ」

萩風「豚の角煮とは… あの調味料の分量は薄すぎず濃すぎず、さらに健康を気遣い副菜のサラダも用意するとは…」

萩風(彼女は両親を失い、そして祖母も亡くしている… 故に自身の健康は自身で守らざるを得ない。しかも私のように突き詰めてはいない、そこは見習うべきでしょうか…)




霞「で、どうよ」

海風「流石、見込んだだけあります」

飛龍「まさか審査員の先生の大半を泣かせてくるなんて…」

蒼龍「懐かしさで感極まって泣いてたし…」

天津風「ウチの部活、本当まともな人が居ないわね…!」

朝雲「その同類よ、アンタも」

萩風「まさか自分だけが『まとも』だとでも?」

神通(ガンプラ学園、履歴書に書くだけで恥ずかしい思いをするであろう学園名の場所に入ろうとする度胸が特に…)

愛宕「じゃあ次は私ね」

天城「さて、天城も…」

全員「え…?」

『それえでゃこれより第六種目、カラオケ大会を開催します。 ルールは簡単、これから指標となる方に歌っていただき1秒ずつ採点します。そしてその点数を1秒でも下回った瞬間、即失格と言うルールです』


天津風「…イライラ棒なんて遥かにマシだったわ」

海風「恐らくウチが快進撃を止めないからこうなったのでしょう」

霞「半分アンタの責任じゃない」

萩風「ええ。種目を決めたのは海風さんなので」

神通「しかし指標となる方は一体…」

朝雲「いや、天城さん呼ばれた時点で…」


『ではご紹介します。 今回基準となる方は先程の『マスクド・ヴェアヴォルフ』の一人緑狼こと天城さんです!』

天城「天城と申します。 今回、皆様の基準に選ばれました。 では早速、歌いたいと思います」


不知火「…マズイですね」

如月「ええ、ちょっと…」

瑞鳳「え、何で?」


『では天城さんで曲は堀○由衣『インモラリスト』です!』


天城「アイ ウォント トゥ ビー ウィズ ユー フォーエヴァー たとえかなう はずのない アイ ウォント トゥ ビー ウィズ ユー フォーエヴァー 何かに 襲われても ♪」


蒼龍「な、なんか妙に点数高い… ってかコンマのブレすらなく満点なんだけど!?」

舞風「なんか妙に上手いんだよね天城。堀江○衣だけ」

野分「元の声質がそっくりだからかしら?」

榛名「し、しまった… 天城に曲選ばせるんじゃなかった…!」

飛龍「何時の間に…」

榛名「嫌な予感がしたから咄嗟に戻って来たんですが…」

初月「残念だから手遅れだ」

榛名「天城は、この種目を潰す気です…!早くどうにかしないと!」

照月「いや、もう遅いと思うけど…」

秋月「はい。もうこれは取り返しが…」

弥生「最悪の、事態」


天城「ふぅ… では放送担当さん、発表お願いします」

『え、えと… これって基準になるんですか…? 1秒も点数下落が無くて1曲まるごと完全に百点だったような…』

天城「ええ。 ですから、これが基準です。 1秒でもミスをすれば即失格、面白そうじゃないですか」

『で、では参加者の皆さん! 完走目指して頑張ってください!』

ミス
正しくは>『それではこれより第六種目、カラオケ大会を開催します。(ry』です。 何だよ今の


「だ~か~ら~…」ブッブー

『軽音楽部ボーカル中山君、失格!次行ってみよう!』

「な…」ブッブー

『おっと出だしから音程が外れたぞ! 失格だ!』

「無理だろこんなの!?」


天津風「選曲の方が時間かかってるってどう言う事よ」

朝雲「私に聞かないでよ」

榛名「すみません!本当に妹がすみません!」

瑞鳳「初めて見たよ榛名さんの謝罪祭り」

蒼龍「もう残りは4分の1ね… 愛宕ちゃんは?」

飛龍「もうすぐだけど… って次なの!?」

海風「愛宕先生… まぁ、この種目は落としても…」

瑞鳳「舐めない方が良いよ。愛宕先生あれでも凄いよ、あれでも」


『つづいて… ガンプラバトル部顧問にして魅惑の新任国語教師、愛宕先生だ! 今までイカれた暴れっぷりを見せたガンプラバトル部、この快進撃もここで終わってしまうのか!?』

愛宕「そう言われると本気だしたくなっちゃうわね…!」

『曲はAimer『RE:I AM』、ガンプラバトル部らしいチョイスです。 ではどうぞ!』


愛宕「『側に居て』と 抱きしめても もう二度と聞こえない 君の歌声は ♪」


霞「嘘でしょ…」

神通「点数が、100点から変動していません…!」

萩風「さらに言えば天城さんは元々の声質が堀○由衣さんに近いのに対し愛宕先生は別の声質、かなり高めです。 それをここまで制御するとは、凄まじい…」

天城「くっ… 何か負けたような気がします…!」

舞風「あ、元凶だ」

不知火「全員、確保!」

天城「な、何故!?」

榛名「流石にやり過ぎです。ちょっと『お仕置き』が必要かと…」

天城「服を剥がされる…! ここは退散します!」ピューン

榛名「逃がしません! 追いかけます!」

不知火「分かりました! 野分、回り込みなさい! 弥生と松風は両翼から!」


『え、えーっと… ま、またしてもガンプラバトル部だけが歌いきり勝利をもぎ取った! 凄まじい!一体どこに向かっているんだ!』


海風「ここじゃないどこかです(鉄血並感)」

朝雲「止まるんじゃねぇぞ…」

天津風「貴女達、止めなさい。 鉄血のその辺のネタは色々笑え無いから」

霞「結局あれ、辿り着いてるの? 辿り着いてないの?」

萩風「知りません。 恐らく脚本だけが知る事です」

神通「その辺ころころ変わるのが鉄血の悪い所なんですよね…」


イベント 直下

海風「あの、どうして愛宕先生はあんなに歌が上手なのですか?」

愛宕「え、えと…」

瑞鳳「ああ、アレはね… 昔歌手目指してたのよ」

愛宕「ちょ、ず、瑞鳳!?」

瑞鳳「と言うか愛宕先生はね… 教師、って目標を見つけるまでなりたいものがコロコロ変わっモゴゴ!?」

愛宕「そ、それ以上は言わないで!」

瑞鶴「しかも何だかんだで極める所まで行って、そこで飽きて目標変えちゃうの。タチ悪いでしょ」

愛宕「何時の間に!?」

瑞鶴「夕張の付き添い、と暇つぶし」

夕張「次はファッションコンテスト、って聞いて瑞鳳さんに呼ばれたんだけど」

大鳳「私も暇つぶしで」

霞「つまりあの歌唱能力は…」

瑞鶴「昔取った杵柄ってヤツ。度合いが過ぎてるし、なりたくてもなれない人から見たら悪質な過ぎるわ、ホント」

萩風「ある種の才能の使い潰しですね」

天津風「どうしてこう、宮城人って変な人ばかりなのよ…」

榛名「一括りにされるとは心外です」

朝雲「あ、帰って来たけど… 天城さんは?」

榛名「逃げられました。 あの子、一回隠れると榛名でも見つけるのは難しいので…」

神通「また変なところで無駄な才能を…」

瑞鶴「えっと、愛宕姉が無駄に使い潰した才能は… 歌とピアノ、ギターとあとは… ああ、大鯨さん直伝の格闘術とかもあったか」

萩風「え、では私の…」

瑞鶴「流石に貴女みたいな領域までは至って無いわ。 簡単な護身と武具の使い方、あとは大鯨さんのある意味禁断の秘技」

萩風「まさか… 『去勢拳』…?」

朝雲「何それ…?」

萩風「対・男性用の最高峰の技です。 一発目に正面からの金的、二発目は回し蹴りで金的、そしてトドメにバックステップからの跳び金的のコンボを決める禁断の秘技です」

瑞鶴「男の弱点を執拗に潰すことだけを求めた、恐ろしい技よ」

飛龍「な、なんだろ… ツイて無いのに、冷や汗が…」

蒼龍「誰がそんな恐ろしい技思い付くのよ…」

瑞鳳「一説には女性の出産より痛いって話だしね、金的。 弱点ブラ下げてるほうが悪いのよ」

瑞鶴「因みに瑞鳳、一度実戦でかましたの。 相手は瑞鳳にセクハラした体育教師なんだけど見事に病院行きになって…」

海風「その後は…?」

瑞鶴「私が次に見かけた時、飲み屋街でオネエになってた」

全員「あっ…」

神通「そんな技を、先生は極めたと…?」

愛宕「…」メソラシ

霞「極めたのね…」

愛宕「だ、だって怖いし… だから安全策に、って大鯨さんが…」

瑞鳳(うーん… まぁ仕方ないよね、男性恐怖症(※)だし) ※KBF設定の引継ぎです

天津風「そして一時期歌手に憧れ歌を学んだ結果、プロ歌手レベルになっちゃったって…」

朝雲「やっぱイカれてるわ」

『続いて第7種目、ファッションコンテストを開催します。 お題は…』


神通「去年は確か… 各地の伝統民族衣装でした」

海風「チョイスが謎過ぎません?」

瑞鳳「アマゾンとアフリカとか引いた人悲惨だったよね、アレ」

神通「私はカウボーイ衣装でまだマシでしたが…」

霞「一体何なの、今年は…」


『お題は『性別反転! 美女/イケメンコンテスト』です! 内容は簡単、男子は女装し女子は男装をしその中で最もイケメンor美女の居るチームが優勝となります!』


瑞鳳「どう見る、夕張ちゃん?」

夕張「そうですねぇ… この中でイケメン、ってなると… 瑞鳳さんでしょうか?」

瑞鳳「何で私!?」

夕張「目つきと顔立ちです。 割と男装させればイケる… あ、でも素材そのままでも良いような…」

飛龍「確かに、本気モードの瑞鳳の横顔とか格好良いし…」

不知火「今戻りました… すみません、榛名さん。見つかりません」

榛名「榛名ですら見つけられないので仕方ありませんよ」

野分「しかし一体どこに隠れて…」

初月「校舎に逃げ込んだか…? いや、それなら見つけられた筈だ」

松風「ああ。 その辺りは照の字が探してたからね。 榛名の言う通り、かくれんぼの天才なのかも」

夕張「…ん?」

松風「おや、夕張じゃないか」

初月「それに大鳳も」

野分「お久し振り、と言う程でもありませんが… こんにちは」

夕張「…」

初月「…どうして僕達をジロジロ見ているんだ?」

夕張「よし、決めました。 瑞鳳さん、三人連行します」

瑞鳳「オッケー。大鳳、やるよ」ガシッ

初月「えっ…?」

大鳳「ええ、これは致し方ない犠牲… コラテラルダメージなのよ」ガシッ

松風「な、何をする気だい!?」

夕張「さーてっ… 張り切っちゃうわよ!」ガシッ

野分「た、助けてください! は、榛名さん!」

榛名「頑張ってください、野分さん。 榛名、格好良いところ見たいです」

野分「な、なら仕方ありません…!」ズルズル

霞「…上手い事乗せたわね」

海風「惚れている相手に期待されると、応えたくなるのが性なのでしょう」

神通「しかし、ルール上良いのでしょうか…」

「うふっ… 皆メロメロよ!」

『男子テニス部、これは酷い! 吐き気を催す!』

「酷くね!?」

「と、止まるんじゃねぇぞ…!」

『陸上部女子、某オルガのコスプレです! でも致命的に似合ってない!』

「そんなぁ!?」

『そして次は… おっと、ここでイカレた集団ガンプラバトル部! さぁ、入場どうぞ!』


野分「お帰りなさいませ、ご主人様」←燕尾服

松風「ふっ… もう帰って良いかい?」←宝塚風

初月「や、やめろ… こっちを見るな…!」←中世風


『誰だこの美少年達は!? あ、今入った情報によりますと特別顧問・瑞鳳先生の妹さんだそうです!』


キャーキャー


松風「うわっ… こんな嬉しくない黄色い声は初めてだ…」

初月「お前はいつも女子相手に似たような悲鳴を上げさせているだろう」

松風「自分がやるのとやらされるのじゃ違うんだよ。分かってないな、初の字」

初月「僕は目立ちたくなど無いのだが… 野分、お前は…」

野分「見ていてください、榛名さん…!」

初月「…」

松風「まぁ、気持ちは分からないでも無いね。恋は盲目、と言うやつだ」


『えーと、これルール的に… あ、はい。 え、えと… 理事長から『あり』と判定を頂きました!』


天津風「あ、良いのね…」

萩風「変装はお手の物なのですが… 今回は譲りましょう」

朝雲「アンタの場合は変装じゃなくてパーカー着て気配消してるだけでしょうが」

萩風「え、駄目なの…!?」

神通「…変装とは言え無いですね」

萩風「」ガーン

海風「ショック受けるのそこですか…?」

霞「世間一般とズレ過ぎなのよ、感性が」


野分「榛名さん、優勝してきました!」

榛名「よしよし、よく頑張りましたね」ナデナデ

不知火「…まさかあの真面目で気難しい野分を飼いならすとは」

瑞鳳「二人共ごめんねぇ。 後で甘い物でも食べに行こうか」

松風「ああ… 銀座な」

瑞鳳「ぎ、銀座…!?」

初月「他の妹も連れて行かせてもらうぞ」

瑞鳳「ゆ、夕張ちゃん…」

夕張「じゃあ私はこれで」

瑞鳳「あ、卑怯者!」

『ではこれより最終種目、ガンプラバトルロワイヤルとなります。 ルールは一部活、三人ずつのチームを組んでのバトルロイヤル形式となります。

そして今回に限り特別ルールとして、敗北すれば全ポイントが剥奪されます。 そして制限時間の1時間を生き残ったチームには、特別に50ポイントが与えられます』


瑞鳳「勝てば優勝まで近付いて、負ければ完全に逆転は不可能になるって感じね」

海風「では戦術方針は『殲滅』より『生存』を優先します。 ではファイターは…」

蒼龍「私達はパスよ」

飛龍「こればっかりは学生にやらせないとね」

瑞鳳「一応世界大会出場メンバーが出るのはフェアじゃないでしょ」

海風「そうですね。 では機体の割り振りとファイターは…」



ファイター選択 (簡易改修・追加装備などがあれば併記)
・ガンダムアスタロトリシナメント 直下
・ガンダム・フラウロス 下2
・ジェガンA2型 下3


選択可能ファイター
・海風、霞、神通、天津風、朝雲、萩風


条件:『海風』『神通』『霞』のいずれか1人をファイターとして選択すること(指揮官)

また改造などについては現実的では無いものの場合は却下させていただくことがあります

あ、申し訳ありません

指揮官技能持ちは『海風』『朝雲』『神通』でした。 すみません



再安価

ファイター選択 (簡易改修・追加装備などがあれば併記)
・ガンダムアスタロトリシナメント 直下
・ガンダム・フラウロス 下2
・ジェガンA2型 下3


選択可能ファイター
・海風、霞、神通、天津風、朝雲、萩風


条件:『海風』『神通』『朝雲』のいずれか1人をファイターとして選択すること(指揮官)

また改造などについては現実的では無いものの場合は却下させていただくことがあります

海風「今回は先輩、霞、そして萩風さんをファイターとして選出、機体は先輩がアスタロト、霞はフラウロス、萩風さんはジェガンとします。

装備については各自、好きなようにしてください。 また三人には今回『生存重視』のプランで戦って頂きます」

神通「では指揮は私、と言う事で良いですか?」

海風「お願いします」

霞「あれ、このフラウロス青い…?」

天津風「厄祭戦時カラーよ。 プレバン限定品ね」

霞「武器は… マシンガンとナイフまでは良いけど、キャノンこのタイプだけ?」

天津風「ロングバレルもあるわよ」

霞「じゃあロングバレルに交換して… 後は… あれ、この爪楊枝っぽいヤツ…」

天津風「これは… 『ダインスレイヴ』の弾頭!?」

海風「ああ、部室に転がってました」

天津風「これ確か『鉄華団セット』に1本だけ入ってるやつなんだけど…」

瑞鳳「あ、それ私が雑誌から『キマリスヴィダール』の作例依頼された時に作ったやつ。 多分フラウロスに取り付けられるよ」

天津風「そんなもの何時の間に…」

瑞鳳「だって貴女達の入学前の話だもの。キマリスヴィダール発売当時の話だし」

神通「確かに部室で弄ってたのは記憶していましたが…」

霞「じゃあこれ付けるか… ダインスレイヴってアレでしょ。チート兵器」

天津風「設定上、微妙な欠点だらけだけど使えるの?」

霞「要は『当てれば倒せる』んでしょ? なら当てるのが『砲撃手』の私の役目よ」

神通「私は… 特に改造の必要は無いかと。 外装パーツに接着剤を付ける程度でしょうか」

朝雲「何で接着剤?」

萩風「HGIBOシリーズの機体はフレーム構造を採用したガンプラでが組み易くなった反面、パーツの脱落率が高いのです。 

なので可動に干渉しないパーツの脱落対策として、接着剤による外装パーツの固定はビルダーの間では有名なやり方です」

瑞鳳「そうでもしないと、バトルの時ポロポロ取れちゃうし」

朝雲「成る程…」

瑞鳳「で、萩風ちゃんは…」

萩風「ジェガン高機動型仕様の装備と、あとは好みでD型コンロイ機のナイフ付き肩に変えました。 武器は高機動型と同じライフル二丁です」

瑞鳳「堅実な装備だね。 某レナート兄弟とは大違いよ」

海風「レナート兄弟…?」

飛龍「イケ好かないアルゼンチンのファイターよ。 バトルを戦争と勘違いして、絡め手ばっか使ってくる」

蒼龍「例えばガンペリーにジェガン2機詰め込んで『艦載機』扱い、つまりファンネル扱いにして操ったりブービートラップで関節狙ったりするのよ」

海風「レギュレーション違反では無いとは言え、あまりに卑怯な…」

瑞鳳「私達、と言うか浜風ちゃん達が一度戦ってるよ。 勝つには勝ったけど、バスターとセイバーは修理不可能になっちゃったし。

しかも散々小馬鹿にしていざ負けたら逆ギレして怒鳴りつけてきたのよね。 浜風ちゃんに言い負かされたけど」

海風「…認めたくはありませんが、アレは口達者で戦術能力も海風より高いです。 絡め手程度で負かされる程弱くは無い筈です」

瑞鳳「うん。 だからこそ、あの子達は勝った。 まぁその次、春雨ちゃん達との戦いで負けちゃったけど」

萩風(しかし皮肉なものです。 お母様達がそこまで嫌悪感を露にしている相手の戦い方と私の戦い方が似ているとは…)

『では皆さん、準備はよろしいですか!? バトル、開始!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Speace"

BATTLE START!


霞「ガンダム・フラウロス、霞!」

萩風「ジェガン、萩風」

神通「ガンダムアスタロトリシナメント、神通。 ガンプラバトル部、予算をもぎ取ります!」



霞「もう戦闘が始まってる…」

神通「各機注意を。 恐らく敵は、数でこちらを押してくる筈です」

萩風「最もポイントを持っているのは私達、狙われるのは当然ですね」

霞「もう来た… 敵機を目視で確認! 数12!」

神通「各機、交戦開始! 互いをフォローしつつ、自衛に徹します!」

霞・萩風「了解!」



襲い掛かる『ガンダムアストレア』の胸部へとサーベルを突き立て貫くジェガン。胸部を貫かれたアストレアはそのままスパークし、萩風がサーベルを引き抜くとそのままアストレアは爆散した。


「う、嘘… ガンダムなのに!?」

萩風「ガンダムだからと言って、作りこまなければ性能などたかが知れてる。 敵じゃ無いわ」


振り下ろされるアスタロトのデモリッションナイフ、シールドで防ぐが荷重に耐え切れず敵対していたジム・コマンドの腕パーツが弾け飛ぶ。


「そ、そんな!? なんで腕が!?」

神通「浅い嵌め方をすれば重量に耐え切れ無いのは当然です。 パーツを嵌める時は、パチリと言うまで嵌めなさい!」


サブアームで頭部をねじ切り、ジム・コマンドにマシンガンを放ち破壊する神通のアスタロト。

そしてフラウロスに向け3機のリック・ドムが襲い掛かるが…


「よし、ジェットストリームアタックってやつをやるぞ!」

「ああ!」

「アニメでやってたこの攻撃なら!」

霞「…ダインスレイヴ、発射」


フラウロスの左部キャノンから放たれたダインスレイヴの弾頭、その一撃が3機纏めて貫通した。

そして最後尾に居たリック・ドムに突き刺さったダインスレイヴの弾頭を引き抜き再度キャノンに装填し直す。


「う、嘘だろ!?」

霞「そんな3つ重なってたら、やれって言ってる様なモンでしょ」


そして霞のフラウロスがマシンガンを爆散せずに残った最後尾のリック・ドムへと押し当て引き金を引いた。


神通「第一波、撃破しました。 二人共、損傷は?」

霞「掠り傷一つありません」

萩風「とりあえず倒した機体から武装を剥いで… 使えそうなの、あるかしら…? これとか、切り残しがあるせいで上手く嵌って無いし」

神通「初心者ですから仕方ありませんよ。 第二波に備えます、二人共準備を」

瑞鳳「うーん、ここまでは順調だね」

蒼龍「機体は確かに素組だけど、実力はちゃんとあるもの。並大抵の相手には負けないわよ」

海風「…」

朝雲「…なーんか、嫌な予感するわね」

榛名「…ええ。何か悪意が渦巻いています」

天城「…」ソローソロー

榛名「天城」

天城「ひっ…」

榛名「貴女も感じるでしょう、この悪意を」

天城「…はい。 学校のどこか… 校舎のあたりから何か…」

如月「…確かに、気配はあるけど…」

飛龍「…ん? 貴女も感じられるの?」

如月「二人程では無いけど… でも何か、嫌な予感が…」 



神通「第二波、クリア…!二人共、まだいけますね?」

霞「流石に補給はしたいところだけど… 何か、嫌な感じがします」

萩風「ニュータイプの勘、ですか?」

霞「私はまだニュータイプじゃない。 でも、変な感じ… 地区決勝と似た、何か…」


「な、何このガンダム!?」

「み、見た事… きゃあああああっ!」

「コイツッ…」


霞「何!?」

萩風「まさか…!」

神通「二人共、急行します! 続いて!」


『な、何だ!? 次々とチームが脱落していく!』


飛龍「何が起きて…」

蒼龍「理事長が何か仕込んだ…?」

瑞鳳「違う、こんな妨害に走るような真似をあの人はしない…!」

天津風「今モニターにチラっと見えたけど… 何か青い光が…」

朝雲「まさか、あの光…!」

海風「あの噴射光、間違い無い… 『スクランブルガンダム』…!」

榛名「天城! 野分さん、如月さん、秋月さん! 改RX-0、出します! 不知火さん、バトルシステム周囲から生徒の避難を!」

不知火「わかりました!」

「見せて貰うぞ。 粒子対応試作機、その力… 私達の『裁き』に使えるかどうか」


屋上から不敵に笑う男、そして男は去る。『裁き』と言う言葉を残し、高笑いをあげながら。

そしてバトル中の神通達の辿り着いた先、そこには無数の残骸が宙に浮いていた。


神通「これは… 酷い…」

霞「どうなってるのよ、これ…」

萩風「どれもこれもが完全に破壊されてる… 生存機は、無し…」


3機はそれぞれ警戒し、周囲を見回す。 そして神通達が3機のMSを捉えた。

その機体を3人は知っている。彼女達の仲間たる海風、彼女に与えられた機体と同型機であり10機近くが強奪されたとされる機体…


神通「『スクランブルガンダム』…!」

霞「どうしてあの機体が…!?」

萩風「まさか… 朝雲さん達が見つけた人間が、あの機体を…!」


そして神通達に3機のスクランブルが同時に襲い掛かる。

突撃するスクランブルの攻撃を避け、背中合わせとなる三人。 そして3機の隙を窺うが…


霞「あの機体、想像以上に速い…!」

神通「流石、粒子試作機と言った所でしょう…」

萩風「今の機体では、絶対に勝てない…! どうすれば…」


そして再び襲い掛かろうとする3機のスクランブル、だがその軌道上に2条のビームが放たれその進路を塞ぐ。


「そこまでだ、乱入者!」

神通「もう1機のスクランブル!?」

霞「あの装備、海風!」

海風「3人共、無事ですね!」

萩風「よく間に合いました…!」

海風「この機体、無駄に足だけは早いようで。 MS5機牽引しても余裕で一番乗りでした」

霞「5機…?」

朝雲「そう言うこと! 私達も居るわよ!」

萩風「『シームルグ』、もういけるんですか?」

朝雲「いけるわ、コイツなら…!」

天津風「全く、新型のお披露目がこんな形になるなんて」

神通「その機体、確か…」

天津風「『ガンダムハルートボーライド』、私の新型です」

瑞鳳『3人共聞こえる!』

神通「瑞鳳さん!」

瑞鳳『スクランブル相手にその機体は無理! 代わりの機体を牽引させたから、操縦権を移行させて!』

神通「代わりの機体…?」

萩風「私のエクシア… 分かりました、操縦権を切り替えます!」

霞「これは…?」

蒼龍『私用の新型『ガンダムダブルエックス・クロイツ』よ。 一時だけど、貴女に貸してあげる』

霞「わかりました。 お借りします!」

神通「『ガンダムエピオン・クロイツ』… お借りします!」


参戦
・スクランブルガンダムCF装備(海風)
・シームルグ(朝雲)
・ガンダムハルートボーライド(天津風)


機体乗り換え
・ガンダムアスタロトリシナメント→ガンダムエピオン・クロイツ(神通)
・ガンダム・フラウロス→ガンダムダブルエックス・クロイツ(霞)
・ジェガンA2型→ガンダムエクシアルベルム(萩風)


ガンダムダブルエックスクロイツ
武装
・ツインバスターサテライトキャノン×1
・ハイパービームソード×2
・DX専用バスターライフル×1
・ブレストランチャー×2
・マシンキャノン×2
・ヘッドバルカン×2
・アブソーブ・ディフェンスプレート×1

概要
蒼龍用に瑞鳳が新造した新型の機体。
ツインサテライトキャノンは固定式ではなく手持ち式のヴェスバータイプに変更され取り回しが良くなっている。
また独自技術により各部に存在するソーラーパネルによってサテライトシステムに頼らずともキャノンの発射が可能。
そしてシールドは瑞鳳の新技術?たる『アブソーブシステム』を内蔵。敵のビーム攻撃を吸収する特性により防御能力と継戦能力を高めている。
因みにこの技術、『ハシラジマ』からの頂き物を改良したもの。つまり『別世界の瑞鳳』の技術を独自昇華した技術。
そして『ツインバスターサテライトキャノン』の名前の通り、サテライトキャノンを連結させ超出力砲撃を行う事が可能。これはシームルグの技術流用のものだが、威力はシームルグのそれを遥かに超える。
連射性・取り回し・威力、その全てを向上させた『最強の矛』を持つ瑞鳳製の機体であり、その担い手である砲手の蒼龍はこの機体を軽々と使いこなす。


榛名「こちら榛名、これより参戦します。 これよりスクランブル部隊を分断、各個撃破へと移行します!」

天城「1機はこちらで引き受けます。 如月さん達はもう1機、そして神通さん達は残りの1機を!」

如月「野分ちゃん、秋月ちゃん! やるよわ!」

神通「海風さん、指示を! 止めます、あの機体を!」

海風「了解!」


スポット参戦
・RX-0[F] フェンリル(榛名)
・RX-0[S] スレイプニル(天城)
・RX-0[E] エイクスュリュニル(秋月)
・RX-0[Ra] ラタトスク(如月)
・RX-0[Fv] ファヴニール


海風「フリューゲルヴェント全機! 目標、敵対するスクランブルガンダム! あの機体を破壊、もしくは拿捕します!全機、攻撃開始!」

全員「了解!」


行動安価 直下

海風「来ます、各機散開!」


真っ直ぐ海風達へと突撃する敵のスクランブル、そして全員が回避機動を取ると霞の操るDXへとライフルを放つ。

霞がディフェンス・プレートを前に翳すと内部の機構が露となり、その粒子ビームを吸収する。


天津風「ビームを消した…!?」

瑞鳳『アブソーブシステムだよ! 粒子ビームを吸収して、自身のエネルギーへと転換するの!』

霞「凄い… どんどん内部粒子が溜まる…!」

海風「霞! サテライトキャノン、使えますか!」

霞「どうする気?」

海風「ハルートのミサイル一斉射と同時にサテライトを放って敵を完全に引き離し孤立させます!天津風さん、斉射用意!」

天津風「でも、このフィールドに月は…」

瑞鳳『いや、撃てる。 さっきのアブソーブの粒子、そして月は無くとも『太陽』があるから』

霞「太陽…?」

瑞鳳『サテライトシステムが使えないときのために用意したのよ。 リフレクターにソーラーパネルとしての機能を持たせる事で、太陽光をサテライトシステムの代替として使えるの!』

霞「なら撃てる…! ソーラーシステム起動! 全機、射線から退避して!」

海風「了解! 全機、援護しつつ退避!」


海風達が攻撃でスクランブルを押さえ込み気をそらす。 そしてその間に粒子を集束させる霞のDX。

そして粒子が砲身に集まり、霞は照準を合わせ…


霞「出来たわ!」

海風「二人共!」

霞「ツインサテライトキャノン! 行きなさい」

天津風「ミサイル一斉発射!」


一斉に放たれる超大出力砲撃と大量のミサイル。 3機のスクランブルは辛くも回避するが全ての機体が分断され、それぞれに榛名達が襲い掛かる。


榛名「NT-D… 行きなさい、スライサービット!」

天城「NT-D! プラフスキー・マテリアライゼーション! 刀身展開!」


如月「行くわよ… NT-D、起動!」

野分「NT-D起動! マテリアライズ!」

秋月「NT-D、起動します!」


海風「先輩! フォーメーション・ツインエッジ! 天津風さんは援護を! 霞さん達は砲撃をしつつ敵の動きを絞ってください! 萩風さん、貴女には絞めを任せます!」

霞「わかった!」

萩風「了解です!」

神通「海風さん、この機体恐らく…」

海風「ええ。この機体は無人機、システム内蔵の自動操縦かと。 動きが早いけど、単調過ぎるので」

神通「なら、対処は余裕です…!」

海風(軌道予測開始。 これまでのパターンから回避軌道を推測、続いて行動パターン算出…

敵行動予測完了、最適行動を算出。 勝利への最短、そして最善のルートを捉えろ…!)


海風の脳が高速回転を始め、未来を予測し『最善の勝利』への道を構築していく。

そして海風が手を伸ばした先にある未来へと辿り着く為、海風は行動を指揮を執る。


海風「二人共、今です!」

神通「了解!」

天津風「まずは、私から!」


ハルートから放たれる大量のミサイル。 無人のスクランブルは回避機動を行い、ミサイルをその運動能力で引き剥がす。

だがそのミサイルが無人のスクランブルの周囲で炸裂し爆発が視界を奪う。


海風「先輩!」

神通「いきます!」


変形しMSとなったエピオンと海風のスクランブルが正面と背後から挟み込む。 同型機の海風、そして瑞鳳製の機体を使う二人なら余裕で追い付くことが出来る。

そして互いにカレトヴルッフフェーダーと日本刀による斬撃が無人のスクランブルへと放たれるが、スクランブルはサーベルを展開してその一撃を間一髪で防いだ。


海風「ですが、そこまでです!」

朝雲「コイツを、受けろ!」


シームルグのシェーバティールから放たれた実弾狙撃、その一撃が直撃し無人のスクランブルは吹き飛ばされる。

機体のダメージは軽度だが受けた衝撃により体勢が崩れた。


霞「ツインサテライトキャノン、バスターモード! いきなさい!」


サテライトキャノンを連結させた霞の砲撃が無人のスクランブルへと放たれるが、ギリギリの所で直撃は避けられる。しかし咄嗟の出来事でサーベルを喪失し、近接の手段を失う無人のスクランブル。

そして『最優先標的』たる霞を目がけライフルを向ける無人スクランブル。 しかしそれを逃がす程神通は甘くない。


神通「奥義・天剣、絶刀!」


神速で振り下ろされる刃、その勢いが生み出した衝撃波が刃となってスクランブルを襲う。 本体にこそダメージは無いが無人スクランブルは武装を失った。

そして海風は最後の札を切る。


海風「やってください、萩風さん!」

萩風「了解!」


ステルス機能で身を隠した萩風のエクシアがスクランブルの目の前に現れ襲い掛かった。 無人スクランブルは迎撃しようとバルカンを放つが萩風は容易く回避し背後へと回り込む。

そしてエクシアの背部に装着されたバインダーから2本の刃が射出され、スクランブルへと突き刺さる。


萩風「マガノイクタチ… これで『詰み』よ」


ケーブルを介し粒子を奪われるスクランブル。 逃れようともがくが粒子をどんどん奪われ徐々に機能を喪失していく。

そして最後は抵抗すら出来なくなり、そのまま機能が停止した。


萩風「ふぅ… 敵機、拿捕しました」

海風「戦闘、終了」

2機の連携でスクランブルを追い詰める榛名と天城、表舞台に出る事は無いがその実力は世界水準以上の能力を誇る二人にとってこの程度の相手は容易く追い詰められる。

そして榛名と天城はこの機体を残し、もう一度強奪される可能性を鑑み敢えて『破壊』する為に切り札を切った。


榛名「コード・ブレイヴ! 粒子集束開始!」


背中に背負ったタクティカルアーズムズⅡL改をアローモードへと変形させ携える『フェンリル』。

そして粒子が集束し、榛名はそれを解き放つ!


榛名「穿ちなさい! エクサブレイヴ・シュート!」


放たれる極大のビーム、そしてそのビームが結晶化し巨大な粒子結晶へと姿を変える。

そして粒子結晶がそのまま砕け、5つに砕けた破片がスクランブルへと襲い掛かりその四肢と胴を貫き磔にした。


榛名「天城!」

天城「コード・ブレイヴ! オーバーマテリアライズ!」


粒子の刃が砕けレーヴァテインの刀身が展開し、そして巨大な粒子の刃が形成される。

そしてスレイプニルが一直線にスクランブルへと距離を詰め、その刀身を振り下ろす!


天城「プラフスキー・バスター・ソォォォドッ!」


刃はスクランブルガンダムへと叩き付けられ、その質量に耐え切れなくなったスクランブルは真っ二つに割れる。

そして四肢と胴を貫いていた粒子結晶が膨張を始め…


榛名「神狼の牙よ、爆ぜろ!」


大爆発を引き起こし、その残骸を吹き飛ばした。

そして残る1機、如月達が交戦中の機体も徐々に追い詰められていく。


野分「シャドー、オバーマネージング! これを、受けろ!」


大量に分身したファヴニールの結晶化の拳がスクランブルへと放たれ、回避できずに直撃を受ける。

そして秋月のエイクスュリュニルの放ったスライサービットから鎖状の粒子結晶が射出され、スクランブルを縛る。


秋月「グレイプニル! これでもう、逃げられません!」

如月「これで、決めるわよ! コード・ブレイヴ、プラフスキー・スクロペトゥス!」


ラタトスクから超大出力のビームが放たれ、そのままスクランブルを飲み込む。

逃げられないスクランブルはその直撃を受け、残骸も残らず消し炭となりこの世界から完全に消失した。


BATTLE ABORTED

『な、なんて凄い戦いだ! 乱入した謎の機体を、ガンプラバトル部の部員達が撃破したぞ!』


瑞鳳「皆、大丈夫!?」

神通「はい。 大丈夫でした」

萩風「それより、発症者は?」

蒼龍「ゼロよ。 今回はね」

飛龍「あの機体、キャリアーが操縦した訳じゃなかったから誰も感染しなかったみたい」

天津風「良かった…」

海風「でも、疑念はあります」

霞「あの機体、私を執拗に狙ってきた」

朝雲「確かに、あれは誤魔化せ無いわ。 明らかに霞が狙われてる」

榛名「皆さん、ご無事ですね?」

瑞鳳「ええ、こちらや他の被撃墜者に被害はありません」

天城「しかし… あの機体、天城達には平等に攻撃を加えてきましたが如月さん達は如月さんが執拗に狙われたようです」

如月「如月と『ラタトスク』も舐められたものね…」

野分「でも、そのお陰でやり易くはあったけど」

秋月「はい。 如月に集中してくれたお陰で、何とか捉えられました」

瑞鳳「…確か、如月ちゃんもなんだよね」

如月「ええ。どうやら私も、『進化の可能性』を持ってるらしいのよ」

榛名「霞さんのような完全なNTではなく、榛名達のようなその『途上』の人間のようですが」

瑞鳳「逆に言えば、霞ちゃんが唯一無二のニュータイプって事になるのか…」

榛名「取り敢えず、競技を続けるのは難しいようです。 生徒の皆さんのガンプラも大半が損壊していますし」

瑞鳳「大会運営に中止の進言をしてきます。 神通ちゃん、付いて来て」

神通「わかりました。 あと機体、お返しします」

瑞鳳「霞ちゃんも、DX返して」

霞「あ、はい。 どうぞ」

瑞鳳「えっと… 傷は無いね。 あとはサテライトキャノンの砲身の交換で済むか」


霞(その後、種目の継続が難しいと判断されたバトルは中止となり私達の体育祭は終わりを迎えた)

『そして、本日の優勝は… 全種目優勝、イカれた記録を残した学内の中でも選りすぐりのバケモノ連中を揃えたガンプラバトル部だ! バトル部には野球部の余剰予算が全て譲渡されます!続いて…』


神通「ば、バケモノ…」ズーン

海風「…まぁ、あながち間違いでは無いでしょうけど…」

霞「正直にバケモノ呼ばわりされるのはちょっと嫌ね…」

天津風「それ私も含まれてるの!?」

朝雲「このイカれ部活に所属している時点で同類よ、アンタも」

萩風「ええ。 所属している時点で同類でしょう」

瑞鳳「その部員を育成してるのが私なんだけどねぇ」

愛宕「…瑞鳳が育てると、こうなっちゃうのよね」

蒼龍「ガンプラの教え子は皆世界クラスファイターになるし…」

飛龍「ある意味凄い才能よ、これ」


神通(そして優勝し、予算を手に入れた私達はようやく全国大会のスタートラインに立てるようになりました。しかし…)


帰路にて…


霞「じゃあ天城さんは暫くウチに泊まる、ってことで…」

海風「確か布団のストックは… ああ、ありました」

天城「護衛として、全力で務めを果たし… ッ…!」ピキィン

神通「これは… 二人共、私と天城さんから離れないで」

海風「え…?」

ブロロロロロ…

霞「この車、外車よね…」

海風「リムジン、しかも上位クラスの…」

「お待ちしておりました。 『未来を視る者』、そして『革新する者』」

天城「貴女は…!」

「あら、天城さん。 貴女も来ていたとは好都合です」

神通「この人は…」

天城「コスモ・クルス教団、その教祖です…!」


シェリンドン「お三方はお初にお目にかかります。私はシェリンドン・ロナ、人の世に平和を齎す為、そしてその才を持つ貴女達を『裁き』から保護しに参りました」


海風(そして、海風達と未来を巡る戦いの歯車が急加速を始めたのでした)


第11話『体育祭は大波乱!?』終

第12話『コスモ・クルス』


神通「シェリンドン・ロナ…」

海風「…海風は以前、貴女方のお誘いは断った筈ですが」

シェリンドン「ええ、貴女の事は以前から聞き及んでいます。 スカウトが動いた中で、今年の我がバビロニア学園に入学しなかったのは貴女だけでしたから」

霞「海風…」

シェリンドン「ですが、去年スカウトが貴女の下を訪れた時とは状況が違います。 『裁き』、貴女方が昏睡病と呼ぶものが貴女達を滅ぼそうとしている。

貴女方を保護し、来るべき時まで守らねばならない義務があります。 特に『未来を視る者』と『革新する者』、今はまだ『革新に近き者』でしょうか? お二方は世界の命運を握る、重要なファクターとなりうるのですから」

神通「…言いたいことは、それだけですか?」チャキッ

天城「二人共、言葉に惑わされないでください。 彼女はまだ『本音』を語っていません」チャキッ

シェリンドン「随分と野蛮な… 私が退かないなら武具で脅す、天城さんには期待していましたが残念です」

天城「どうとでも言って下さい。 天城には姉さんから授かった『二人の守護』と言う使命があります。

その信を天城は裏切る訳には参りません」

神通「我が剣は守護の剣、二人に仇なすと言うのであれば… 例えなんであろうと切り裂くまでです」

海風「霞」

霞「言いたい事は分かってる、海風。 シェリンドン・ロナ、悪いけど… 私達にはやらなきゃならない使命があるの」

シェリンドン「『裁き』と戦うとでも?」

海風「ええ。 貴女は海風達を守ると言いました。 しかし、そこには『他者』は含まれていない。

進化する人間だけを選りすぐるなど、明らかにこちらの意思とは反しているでしょう」

シェリンドン「全ての人間を救うなど到底不可能なことです。 『裁き』が大規模な行動を行えば多かれ少なかれ犠牲は出るでしょう。なら優れた人間が生き残れば良い、そうではありませんか?」

霞「そもそも前提が間違ってる。 私達はそれが起きる前に止める、って言ってんのよ」

シェリンドン「まさに無謀で愚か、としか言い様の無い選択ですね。 貴女達のせいで、被害が拡大しているとしても?」

天城「どう言う、ことですか…!」

シェリンドン「分かっている筈です。 既に、貴女方のせいで被害者が生まれてしまった」

海風「スドウ・シュンスケ、ですか」

霞「どうしてあの薬物中毒男が…」

海風「彼が警察に連行される前、何を言っていたか忘れましたか?」


スドウ『お前達が、悪いんだ! この化け物! お前達みたいなのが存在するから!』


スドウ『何もかもだ! お前達が存在するからこうなったんだ! 勝てないと思ったからより強い力が欲しくなるのは当然だろ!?

お前達のような化け物に、人間の気持ちがわかってたまるか!』


霞「あ… でも、アイツは加害者よ…!」

海風「その巻き添えを受けたサカシタ・ヨミとヤス・メグタ、この二人は被害者です。そして今も目を醒まさない…

確かに、貴女の言う事にも一理はあります。 海風達が歩き回っているから被害が増える、ある意味正しいかもしれません」

神通「海風さん…」

海風「だからこそ、一刻も早くこの事態を解決せねばならない。 それが海風達の背負うもの、そして被害を生んでしまったことへの贖罪です」

シェリンドン「成る程… そう言う考えもある、と言う訳ですか」

霞「だからこそ、私と貴女達の道は交わらない。 戦うと決めた以上、もう私達は立ち止まれないのよ」

シェリンドン「本当ならば貴女達自身の意思で来て欲しかったのですが、仕方ありません」

天城「ッ…! 下がってください!」

シェリンドン「もう遅いです」

シュウウウウウ

霞「な、何これ…」

海風「! 伏せて! ケホッ… ガス、です…!」

神通「くっ… 力が、入ら、な…」ドサッ

霞「せ、せんぱ…」ドサッ

海風「ケホッ… あま、ぎ、さん…!」

天城「力が、入らない…!なんて、卑怯な…!」


シェリンドン「この四人を回収してください」

「ハッ。 しかし、この刀を持った少女は…」

シェリンドン「この人は彼女達の護衛、それにここに放置し我々の行いを知られる訳には参りません」

「承知いたしました」



「…こちら『ホーク』。 『ウルフ』、応答を」

『『ホーク』、どうかしましたか?』

「ターゲット・ロスト。 どうやら教団に攫われたようです」

『案の定、動きましたか… 『リーフ』『コブラ』に連絡、潜入準備を』

「はる、『ウルフ』は?」

『『シュガー』と一緒に救出作戦を練ります。また既に『ルベルム』が動いている、と『クリムゾン』からは連絡が』

「…早く無いですかね?」

『彼女、ターゲット達と合流するまで独自行動を行ってましたからね。 もう調べもついているのでしょう。

潜入後、もし『ルベルム』と合流出来る事があれば施設の情報を聞いておいてください』

「了解です」

『頼みます。 こちらとしては愛する妹が攫われて少しばかり殺気立ってるもので』

「…やっぱりそう言う関係なんです?」

『勘違いはしないでください。 流石に実妹はちょっと…』

《1時間後 霞の家》


瑞鳳「やっぱり、居ない…!」

松風「ああ… 榛名から聞いては居たけど、本当に拉致されたようだ」

野分「でも、門下生の神通さんや槍上手の天城さんが居たのにどうやって…」

瑞鳳「…多分、薬関係だと思う」

蒼龍「あ… 瑞鳳ちゃん達の体質…」

瑞鳳「私達の家族、と言うか私とお母さんは薬が多少効きやすいの。だから睡眠薬とかすぐ効いて眠っちゃう…

多分睡眠ガスでも使われて無力化されたんだと思う」

飛龍「神通ちゃんも血統、同じ体質でも不思議じゃないか…」

如月「でもまさか、この家の合鍵持ってたなんて…」

瑞鳳「霞ちゃんから貰ったの。 まぁ、多少は信頼されてるみたい」

秋月「しかし、どうやら私達以外の侵入者も居たとは…」

照月「衣服の類が一部無くなってるなんて… しかも棚とか荒れてた」

初月「どうやら榛名達の言う『タイムリミット』まで本気で匿うつもりのようだ」

瑞鳳「…確かに、あの子達にはそれが良いかもしれない」

飛龍「瑞鳳…」

瑞鳳「あの子達は本来戦っちゃいけない立場なのに私が戦いに巻き込んだ。だから戦いの無い、平和な場所に居てくれるのが本当は…」

蒼龍「…だからって、見過ごすの?」

瑞鳳「それは… したくありません。 あの子達は私が守る、それが私の『責任』だから。

あの子達の戦いを終わらせる訳にはいかない。まだ始まってすらいないのに、諦めさせるなんてさせたくない」

弥生(姉さん、本気だ…)

不知火(ああなった姉さんは、もう止められません。深海棲艦の泊地だろうと、軍隊全てだろうと一人で叩き壊す覚悟の目…)

舞風「どうする気なの…?」

瑞鳳「皆はホテルに戻って。 ここからは、私達がやる。 蒼龍さん、基地の実戦用MSを稼動状態へ移行させてください。

ブリッツとバスターとケルディムを優先、飛龍さんは春雨ちゃん達に連絡を。 あの子達の力、借りるかもしれません」

飛龍「瑞鳳は?」

瑞鳳「浜風ちゃんと作戦を練ります。 第一目標は海風ちゃん達の救出、第二に拉致被害者全員の救助と設定。教団の全滅も、視野に入れてください」

蒼龍(やばい… あの目は『本気になり過ぎた』目… 皆殺しも辞さない、最悪の目よ…!)

飛龍(どうにか止めないと…)

朝潮「…姉さん、これ」

瑞鳳「…これ、あの子達の機体?」

飛龍「でも未完成ね…」

蒼龍「…MS、整備に時間がかかるわ。 少なくとも1日、待ってほしい」

飛龍「それに乗り込むにしても相応の準備が要る。 私達や春雨ちゃん達にも武器は要るし、まだ場所の情報も無い。

瑞鳳はその2機、そして海風ちゃんの機体を完成させて。 バビロニア学園にはバトル部があった、もしかしたら今日のように何者かがスクランブルを仕込むかもしれないわ」

瑞鳳「…分かりました。 やります」

《その頃 ???》


神通「うぅ…」

海風「先輩! 良かった…」

神通「ここは…」

海風「…コスモ・クルス教団、その拠点のようです」

神通「やはり… 霞さんは…?」

海風「天城さんと一緒に、別の部屋に居ます」

神通「分けられてしまいましたか… すみません海風さん、これは私の不覚です」

海風「いえ… もっとその可能性を予測すべきでした。 話し合いで済む筈無いのに、強行手段を使うと想像出来なかった海風の不覚でもあります」

神通「貴女に不覚はありません。 …一先ず、ここから脱出すべきです」

海風「ドアは… 外側からロックされていました。 この部屋、まるでシェルターみたいにお風呂やトイレまで準備されています。武器や携帯は取り上げられて、外に連絡する事すら叶いません」

神通「まずは… 扉を叩き壊します」

『無駄ですよ』

神通「ッ…!?」

海風「スピーカーですか… それにこの声、シェリンドン・ロナ…!」

シェリンドン『そのドア、そしてこの施設の壁はこの世界で最も硬質な素材で出来た外壁です。 まず普通の人間では壊せません。

それに私達には二人のうちどちらかが生きていれば良いのです。 もうお分かりですね?』

神通「不審な動きを取ればもう片方を殺す、と…!」

シェリンドン『さぁ? では後ほど、ご一緒に夕食でも頂きましょうか。 貴女達とはもっとお話をする必要がありますから』

海風(恐らくこの部屋は監視されている… 迂闊な行動は出来ません)

神通(この壁程度なら破壊は出来ますが、人質を取られている以上チャンスを伺うしかありません…!)

シェリンドン『ふふっ… では、また後ほど。 欲しい物などがあれば、そこの紙に書いて扉の下を潜らせてくださいませ』ブチッ

海風「…この部屋の内装と言い、完全なVIP待遇のようです」

神通「それに… 私達の衣服の類も盗み出してきたようで… 私のトラップに引っかからなかったのは少し残念ですが…」

海風「次からは萩風さんに頼みましょう…」

神通「あの子は平気でクレイモアや地雷の類を仕掛けようとするので駄目です…!」

海風「しかしこの部屋、完全な監視体制です。 脱走の為に必要な道具は流石に用意してくれそうにありませんが… 試しに宝石でも頼んでみます?」

神通「こんな時に何を…」

海風「1日1回原石を愛でないと落ち着かないんです…」

神通「アリスタでも愛でててください」

海風「試しにアクアマリンの原石でも…」カキカキ

神通「試さないで下さい!」

海風「物は試し、って言うじゃないですか…」スッ


数分後…


「…ご注文のものです」

海風「…確認しました、ありがとうございます」

「では失礼します」

神通「本当に宝石持って来ましたよ…!?」

海風「しかも注文通り、アクアマリンの原石… 相場で言えば10万円程の…」

神通「何でこんなものを数分で用意出来るんですかね…」


イベント 直下

「こちら『リーフ』、作戦行動開始します。以降はコードネームを『ボマー』に変更、どうぞ」

『了解。各自変更開始、点呼どうぞ』

「『コブラ』改め『リッパー』、了解」

「えっと… 『ホーク』改め『ハイヤー』どうぞ」

『では… 『ウルフ』改め『フィクサー』、及び『シュガー』改め『ダイバー』… 作戦の確認を行います。

作戦は明日のフタマルマルマル、それまで我々は『嫌がらせ』… 敵を可能な限り疲弊させます。 第一陣は『ボマー』と『ハイヤー』そして『リッパー』が、第二陣は『フィクサー』『シュガー』が行います』

「好きにやっちゃって良いんだよね?」

『人を殺さなければ何でもどぞ』

「なら… 好きなようにさせて貰います!久々に、爆破するとしましょう!」


警備員A「ん…? トラックか?」

警備員B「いや、今日は何も予定は… ッ…!?」

ブロロロロロ…

警備員A「無人!? ヤバイ、突っ込んでくるぞ!」

ドゴォォォォォォォォォ

警備員B「くっ… バカが! この施設の外周周りの壁がトラックが突っ込んできた程度で…」

「よっと… ノロマね」バキィツ

警備員B「がっ…」ドサッ

警備員A「ひっ… 至急増え… うぐっ…」ドサッ

「それに反応が遅い。 アンタ達、訓練不足にも程があるんじゃないの?」

『な、何が起きた! 応答しろ!』

「あーあー… 今から乗り込むから、覚悟してね」ブチッ

「なんでそう盛大に喧嘩売るの…?」

「だって、あくまでも『ボマー』から目を逸らすためだもの。 盛大にやらないとね。 『ルベルム』も動き出すだろうし」

「わかってるけど… 引き際は見誤らないでね?」

「分かってるよ、プロだもん。 さて、援護お願いね!」



《その頃…》


海風「振動…?」

神通「まさか、お母様が動いた…?」

海風「まだ捕まって2時間程度です… こんなに早く動くなんて…」

「いえ、今動いているのは青葉さん達です」

神通「なっ… 萩風!?」

萩風「シッ…! 今監視カメラを一時的に切断してますが、見張りはまだ居ます。 大声は出さないで下さい」

海風「どうしてここに…」

萩風「別件、個人的に追ってたことがあったので潜入したら姉さん達が捕まってきたんです」

神通「そう言う事ですか…」

萩風「先程青葉さん達と打ち合わせしました。 今のはあくまでも嫌がらせを兼ねた陽動、本格的な救出は明日のフタマルマルマルとなります。

それまで大人しくしていてください。今の段階では、私一人分の脱走経路しかないから救出はできません」

海風「明日の夜、ですか…」

萩風「今の話は霞さん達にも私がしておきます。 なので二人共、大人しくしていてください」

萩風「念のため、これを。 小型の無線機です。 今は使えませんが、然るべき時には使えるようにしておきます」

海風「使え無い…?」

萩風「この施設には電波を遮るジャミング設備があるようです。 外部との交信は現状不可能、と考えてください」

神通「と言うかここどこなんです…?」

萩風「奥多摩の辺りです」

海風「もしかしてここ、バビロニア学園の本校じゃ…」

萩風「その通り、ここは学園の地下です」

神通「バビロニア学園ってそんな山奥にあるんですか!?」

海風「一種の宗教施設ですからね。 山奥の方が誰も寄りませんし」

萩風「『ブッホ・コンツェルン』の工場用地の予定でしたからね、ここ」

神通「ブッホ・コンツェルン、確かアナハイムには及ばないものの複合企業としては世界有数の企業でしたが…」

萩風「元々は戦争等で出た廃品のリサイクルなどを行っていた所謂サルベージ屋でした。しかし1代で複合企業体まで育ったある種のバケモノ企業です。

今では独自の軍事組織、PMCなんかでは無い『私兵』を有するまでに到っています」

海風「私兵…!?」

萩風「独自調査の結果ですが… この学園、その兵士育成も兼ねているとのことです。いずれはどこかの国で、貴族主義国家をでっちあげるつもりでしょう」

海風「イカれてます… 今更、貴族なんて…」

萩風「そんな思想ばかりを持った人間が、ここに居るのです。 くれぐれも発言には注意を」

神通「分かりました」

萩風「では私はこれで撤収します。 二人共どうか我慢してください」



「ボマー! そっちどうなってんの!」

「設置完了、花火の準備は出来ました!」

「ハイヤー! 荷台に積んでた車で脱出するよ!」

「わかった! ボマー、早く!」

「じゃあ、点火!」


ドゴォォォォォォォォォ


警備員C「ば、爆発!?」

警備員D「消火活動急げ!」


「うわぁ、派手にやるねぇ… さっすが、3年振りなのに全く衰えて無い」

「やっぱり爆薬は南米産に限ります。 美しさがダンチですよ」

「ごめん、そのノリ未だに解らない…」

「えっと… こちらハイヤー、撤収開始します」

『フィクサー了解。 3人共、流石榛名の部下です』

衣笠「えっとフィクサー… 自分でバラしてる」←リッパー

榛名『何を今更…』

青葉「まあコードネームとかほぼネタですし」←ボマー

古鷹「じゃあ何でつけたんですか…」←ハイヤー

榛名『本名バレはちょっとキツイじゃないですか。それに榛名に関しては身元割れてますし』

青葉「まぁ彼等のターゲットの一人ですからねぇ、フィクサーは」

榛名『そこが一番厄介なんですよねぇ… では3人共撤収と再攻撃の準備を』

コンコン

「失礼します。 シェリンドン様がお呼びです」

海風「先輩…」

神通「行きましょう」


《地下施設 食堂》


シェリンドン「お待ちしておりましたわ、お二人共」

海風「霞達は… 二人は?」

シェリンドン「先にお待ちになっております。 どうぞこちらに」

霞「海風、それに先輩…!」

神通「良かった…」

シェリンドン「言いましたよ。貴女方が何もしない限り、手出しは致しません」

天城「どうやら『今の所』、その言葉は偽りでは無いようですね」

シェリンドン「…どう言う事でしょうか?」

天城「さぁ? 気に触りましたか?」

海風(な、なんでこんなに挑発してるんですか…?)

霞(榛名さんに会えなくて、しかも自分の目標を果たす事も出来なかったから荒れてるのよ…)

シェリンドン「まぁ良いでしょう… では皆様、食事に致しましょう」


海風(…食事、無駄に豪華ですね)

神通(…フランス料理より中華料理が良かったです)

霞(…和食食べたい)

天城(…間宮さんの料理の方が美味しいです)

シェリンドン「…皆さん、何かご不満が?」

全員「いえ、何も」

シェリンドン「…」

天城「…ここに全員集めた、と言う事は何かあるのでしょう? 食事など、個別の部屋で摂らせれば良いものを」

シェリンドン「ええ。私は、貴女達とお話をして相互理解をしたいと思いまして。 特に私達、『コスモ・クルス教』について知って頂こうかと」

海風「『人の生命は魂の修練場である』、貴族主義をベースにした教義でしたね。そして『特別な力』を持つ人間を『神によって争いを無くす為に力を与えられた人間』として集め、貴族として育て上げること。

海風のスカウトに訪れた人間が持っていたパンフレットにはそう書いてありました」

シェリンドン「ええ、仰る通りです。 そしてここに居る皆様は我々の掲げる『貴族』に相応しい人間です」

神通「…私も、ですか?」

シェリンドン「ええ。 貴族とは血筋などではなく『高貴な精神』や『高い能力』を持つ人間こそが名乗るに相応しいものです。

選手権地区決勝において貴女は自身を犠牲にしてでも単身で『裁き』に立ち向かった、その精神はまさに貴族に相応しいと言えるでしょう」

霞「冗談じゃ無いわ、貴族なんて…」

シェリンドン「それにこの世界で始めて『本当の進化』の戸口に立った者、未来を視ながらも恐れず友の為に立ち向かう者、姉妹の為に自ら進んで戦に身を投じる者…

高潔な精神を持つ貴女方を貴族と呼ばず、何を貴族と呼べと? だからこそ貴女達を『保護』致しました。共により良い未来を目指す為に」


イベント 直下

シェリンドン「そうですわ! 貴女達、我が校の学生と模擬戦をしてみませんか?」

海風「模擬戦?」

シェリンドン「貴女達はガンプラバトルで全国大会に昇り詰める強いファイター、そんな貴女達の戦いをこの目で見てみたいのです。

もしかすれば、共に轡を並べて戦うこともあるかもしれませんし」

霞「確か、バビロニア学園は…」

海風「イズナさん率いるチームに敗退しています。 ほぼ単機相手に圧倒されて」

シェリンドン「…」

神通「機体は『ベルガ・ダラス』『デナン・ゲー』『デナン・ゾン』、CV系統の機体でしたね。確か1/144のキットは無いのでフルスクラッチでしょう」

シェリンドン「ええ、我が校の優秀なビルダーが…」

海風「でも素組のデスティニーガンダム単機に全滅させられました」

シェリンドン「…」

天城「そしてそのチームを破ったのが海風さん達ですよね」

海風「榛名さんからガン=カタを教授されたとは言え実戦経験が浅かった朝雲さんがイズナさんを倒し、海風と先輩が残る二人を倒しました。

確かに機体スペックでは朝雲さんのストライクがデスティニーより秀でていましたが、優秀な成績を残したボクサー相手に狙撃機で肉弾戦をやって勝っています」

天城「朝雲さんの適応力は異常としか言えませんが… ガンプラは性能差があっても頑張れば実力で覆せます。覆されたと言う事は…」

海風「正直… その程度、と言う事です」

シェリンドン「…」

霞(海風、ちょっと喧嘩売ってない!?)

神通(言いたくなる気持ちはわかりますが… 勝手に『共に轡を並べる』、私達の側が引きずり込まれる可能性もある、と言っていますし)

海風「それに、海風達は今自分の機体を持っていない。 それはフェアではありません。 対等の条件下、そうでなければ我々の側が不利でしょう。

我々は貴女達に無理矢理拉致され、貴女方のホームグラウンドに無 理 矢 理連れてこられているので」

天城(あ、キレてます。 姉さんと似たキレ方してます…)

シェリンドン「…良いでしょう。 対等な条件、とは?」

海風「まず最低限、こちらにそちら側の使う機体と同程度のスペックの機体か『こちらの本来の機体』を用意する事です。 後者は絶対に不可能、ですから前者の条件です。

そして我々がそちらの用意した機体に馴染むための慣熟訓練の時間、そして貴女方のチームにも『初めて使う同程度の性能の機体でありこちら側と同じの慣熟訓練の時間である』ことが最低限の『対等』でしょう」

神通「確かに、条件は同じですね」

霞(でも、これは対等に見せかけてこちらの有利な条件よ)

天城(どんなに条件がイーブンだとしても、ファイターの側に性能差があり過ぎる。 絶対に『対等』とはなりません…)

海風「もし貴女が言うように貴族とは優れ・秀でた者だと言うのならば… このくらいの条件、当然でしょう?」

シェリンドン「構いません… ただこの勝負、我が学園の生徒全員に観戦してもらいましょう」

海風「衆人観衆下での戦いは慣れています。そのくらいは構いません」

シェリンドン「すぐに機体の一覧とスペック表をデータにして持って来させなさい。 自分の機体は自分で選んでいただきましょう。その後で我々の側が機体を選択致します」

海風「ええ、それで構いません」

「こちらがリストです」

海風「ありがとうございます」

霞「色々あるけど… 何と言うか、偏りが酷いわ」

神通「『クロスボーン・バンガード(U.C.0123年)』『OZ』『ギャラルホルン』、貴族系軍隊系ばかりですね」

シェリンドン「当然です。 高貴な者が使う機体は高貴であるべき、故にその系統で揃えています」

天城「そしてものの見事なまでにガンダムタイプがありませんね」

シェリンドン「『ガンダム』とは時代の象徴であると共に反逆の象徴でもありますから」

海風(また変なこだわりを…)

神通「つまり3系統の軍隊の量産機や一部試作型だけ、と言うことですね」

霞「その中でも局地戦機は使えないから絞られて…」


使用可能機体
OZ系
・トールギス(Ⅰ・Ⅱのみ)
・リーオー
・トーラス
・ビルゴ
・メリクリウス
・ヴァイエイト

クロスボーン系
・デナン・ゾン
・デナン・ゲー
・エビル・S
・ベルガ・ダラス
・ベルガ・ギロス
・ベルガ・バルス
・ダギ・イルス
・ビギナ・ギナ
・ビギナ・ギナII
・ビギナ・ゼラ

ギャラルホルン系
・ゲイレール・フレーム系統
・グレイズ・フレーム系統(ただし改・改弐などの外部組織流出機体は使用不可)
・レギンレイズ・フレーム系統
・ヘルムヴィーゲ・リンカー


天城「選択肢の幅が広いように見えて狭いですね」

海風「グレイズ系統のバリエーションが豊富なのが救いでしょうか」

神通「ちゃんと『シュヴァルベ』や『アイン』、『リッター』に『シルト』… 『フレック』まで揃えているとは」

霞「この中から機体選ぶの、キツイんじゃない…?」


機体選択
・海風(指揮官・近接寄りオールラウンダー) 直下
・神通(近接特化型) 下2
・霞(砲撃特化型) 下3

条件
・上記リストの中の機体から選択すること

霞「…私は『ビルゴ』にする。 完全な砲撃型がこれしか無い以上、選択肢は無いわ」

神通「では私は… 機動力を活かして格闘戦を行える『レギンレイズジュリア』をお借りします」

海風「では海風は『ヘルムヴィーゲ・リンカー』、と言いたい所ですが… 海風は指揮官、なので『グレイズリッター』を使わせて頂きます。

ただし3種のタイプの内、指揮官型で格闘向けのマクギリス機をお願いします」

天城(…成る程、バランスの良い編成です。 霞さんが後方支援に徹し、海風さんは前線に立ちながら戦況を見極めた上で指示を下し、神通さんが前衛を務めて敵を圧倒する。

それぞれが与えられた役割に徹する事で個々の能力不足を補う。 あの時、以前に阿武隈達と戦った時より成長していますね)

シェリンドン「ではその通りに。 模擬戦は明日の午後から、午前中の間はそれぞれ慣熟練習を行う、でよろしいでしょうね」

海風「ええ。 それでようやく対等、ならば文句はありません」

海風(しかしこんな罠にひっかかるとは思えない、何か仕組んでいるのでは…?

ここはバビロニア学園、『特殊な力』を持った人間をかき集めた場所… 警戒はしておきましょう)



《霞達の部屋》

天城「霞さん、少々宜しいでしょうか?」

霞「何ですか?」

天城(ここからは感応波を使います。 分かりますか?)

霞(はい、一応は…)

天城(なら良かった。 先程姉さんから、救出の算段が整ったと連絡がありました)

霞(何時の間に!?)

天城(姉さんと天城は例え距離や遮蔽物があろうと関係なく放った感応波を拾うことができます。所謂テレパシーのようなものです)

霞(じ、地味に凄い事してますね…)

天城(救出作戦は瑞鳳さんと共同、ただその前に姉さんと間宮さんが一発大きな花火を上げると)

霞(花火…?)

天城(完全な嫌がらせ目的です。 警備員を疲弊させて、まともに警備出来ないようにする為の)

霞(い、嫌がらせ…)

天城(ですので、夜中ちょっと五月蝿くなるかもしれないので注意してください)

霞(あ、はい)

天城「ふぅ…」クラッ

霞「天城さん!?」

天城「大丈夫です… これは天城が姉さんと違って、『出来損ない』だからです…」

霞「出来損ない…?」

天城「天城の感応は、本来姉さん限定なんです。 姉さんとは物理・距離関係なく感知できますが、それ以外の人とやると脳に過負荷がかかって疲弊するんです」

霞「そうなんですね…」

天城「私は姉さんより弱くて、出来る事だって姉さんより多くは無い… だけど天城は姉さんを、阿武隈達を守りたいから…」

霞(イマイチこの人と榛名さんの関係が解らない… なんでこんなにも、榛名さんに固執するんだろう…)


視点選択 直下
1.天城『騎士であること』
2.榛名『独白』

side-天城-『騎士であること』


霞「あの… 天城さんは、榛名さんをどう思ってるんですか?」

天城「どう、とは?」

霞「それは… 何か、榛名さんに拘り過ぎているような…」

天城「そうですね… 天城にとって姉さんとは敬愛の対象で、恐らく霞さんの考えた通りの感情を抱いています」

霞(あのカラオケで歌った歌、まさか… 自分のことを…?)

天城「そして同時に憎らしくも、羨ましくも思ってます」

霞「え…?」

天城「姉さんは… 昔から天才肌で何でも出来たんです。 ガンプラだって上手に作れるし、色んな事が出来ます。

だけど天城は何も出来ない。 勝っていることなんて両手で数える程しかありません」

霞(劣等感、まるで海風ね…)

天城「…少しだけ、昔話をしましょうか」



天城「姉さんは昔から何でも出来ました。 そして友人も多く、ガンプラバトルも強かった…

そんな姉さんに天城は憧れていた… だって天城は、何も持っていなかったから。不器用過ぎてガンプラ一つまともに作れない、それが天城だったんです」

霞(いや、天城さんも充分バケモノに片足突っ込んでるけど…)

天城「だけど憧れると同時に姉さんが恐ろしかった」

霞「恐ろしい…?」

天城「何でも出来てし、どんな無茶振りでも平気でやってのけて平然としている… それが天城には怖かったんです。

血を分けているのに、バケモノなんじゃないかと。 最早姉さんが天城とは違う、別の生き物だと思うほどに…」

霞(別の生き物、か…)

天城「そして姉さんはメイジン候補生の一人としてガンプラ塾へと入塾し天城と離れて暮らすようになりました。そして天城は姉さんに成り代わろうと、日陰で生きるのが嫌で努力を重ねました。

お陰と言うか何というか、バトルだけなら姉さんに匹敵できる程にはなりましたが… だけどそこである事が起きました」

霞「ある事…?」

天城「ガンプラ塾に通っていた姉さんが心を壊し、退塾して帰郷したんです。 メイジン候補生で最もメイジンに近いと言われた姉さんが完全に塞ぎこみ、荒れて…

だけどそれで分かりました。 姉さんだって心の通った人間だったのだと、天城と大差無いのでは無いかと」

霞(他の人と大差の無い人間… 私は…)

天城「そして天城は姉さんを護る『騎士』になろうと思い、頼み込みました。天城に『スレイプニル』を作って欲しいと」

霞「スレイプニルを?」

天城「はい。 スレイプニルは元々、姉さんが大好きだったゲームのスーパーロボット大戦に登場するオリジナル機体、『騎士機ラフトクランズ』をモチーフにした機体です。

そして姉さんが好んでいた機体である『RX-0』シリーズをベースに『ラフトクランズ』をアレンジしたのがスレイプニル、と言う事です」

霞(あれモチーフあったのね…)

天城「天城じゃ上手くガンプラは作れない、だけど天城は姉さんを守るためのガンプラが欲しかった。 

姉さんが戦わなくても良いように、姉さんを守るために… そして生まれたのが『スレイプニル』です。オマケで『スヴァジルファリ』もできましたが」

霞(アレをオマケで作るって…)

天城「そしてこの昏睡事件、昏睡病との戦いが始まって… 姉さんが戦うのなら、姉さんや妹達を守る『騎士』としてこの戦いに身を投じました。

姉さんの反対を押し切って、姉さん達を護る為に。 それが天城の決意です」

霞「天城さん…」

天城「まぁ、本物の騎士だった家系の人が居るので天城は完全な自称レベルですがね」

霞「え」

天城「ウォースパイトさん、あの人の家系は元々古い時代は騎士だったと。 今は世襲貴族の階級ですが、元来は騎士の家系だったとか」

霞「あの人一体何なんですか!?」

《一方その頃》


「『ダイバー』、作戦開始します」

「了解です、『フィクサー』… って私もこれやらなきゃ駄目ですか?」

「駄目です」

「やっぱり… まぁ良いですけど」


警備員E「なんだ?」

「お疲れ様です。 シェリンドン様の命で、警備の方々にお食事をお持ちしました」

警備員F「…見ない顔だな」

「はい。専属のコックとして最近雇われたものですから」

警備員E「成る程な… では頂こう」

警備員F「美味い… こんなに美味いとは…!」

「沢山あるので、たっぷり食べてくださいね。 私は他の方々にも振るわねばならないのでここに籠を置いておきます」


数十分後…


警備員E「う、うぐぅ… も、漏れ…」

警備員F「は、腹が…!」

警備員G「く、糞… 俺も うぐっ…!」

警備員H「し、至急応え… こ、交代要員を…! な、全滅だと!? あの女、宿舎の警備員にも…!」


榛名「上出来です、ダイバー」

間宮「罪悪感が…」

榛名「犯罪者とそれに組するものに人権は無い、是非もありません」

間宮「…あと榛名さん、少々お叱りが」

榛名「え…?」

間宮「何でこんな勿体無いことするんですか! これでは食材が… せっかく農家の方々が育ててくださった食材を、こんなに無駄にして!」

榛名「サンドイッチ1個だけなら少々お腹がゆるくなる程度の下剤しか入れてなかったんですけどねぇ… 味でバレないようにするために」

間宮「逆に皆さんが何個も食べること分かっててやりましたよね!?」

榛名「当然です。 間宮さんの料理美味しいですし、例えサンドイッチでも」

間宮「褒められてるのに嬉しく無い…! そんな事する人は、暫くご飯抜きです!」

榛名「そ、そんな! ご、ごめんなさい!」土下座

間宮「そんな事をしても無駄で…」


警備員I「居たぞ! アイツらだ!」


間宮「み、見つかった!?」

榛名「当然です。 顔も隠さずやっていた以上、こうなることは必然… トマホォォォクッ、ブゥゥゥメランッ!」ブォン

スパァン

警備員J(全裸)「え… あ…!?」

榛名「ここからは榛名の時間… 青葉さん達程派手な事はしませんが、全員を全裸にしてここをイカれた全裸カルト教団にしてしまいましょう。

榛名は人は殺さない、その洋服をひっぺがします! まみ、ダイバーは撤収準備を! ハイヤーが待機しています!」

間宮「あ、はい!」

警備員J(全裸)「く、糞! 服が…!」

警備員K「う、うわぁぁぁぁぁっ!」スパァン

榛名「この程度の戦闘能力で私兵を名乗るなど… 知り合いのPMCの方がまだ戦い甲斐がありました」

「それ以上はおよしなさい。 この方達はあくまでも警備の為の者、本格的な戦いは出来ないのです」

榛名「…騒ぎを察知してお出ましになりましたか、シェリンドン・ロナ」

シェリンドン「お久し振りですね。 まさか、襲撃犯が貴女だったとは」

榛名「妹が攫われ、部下が身体を張った以上こちらとしても動かない訳にはいかないのですよ。

さて、妹と海風さん達を返して貰いましょう」

シェリンドン「彼女達は、戦いを望んでいるのでしょうか?」

榛名「少なくとも4人は望んでいますよ。 こちらには戦わなくてはならない理由がある、それを貴女達の教義と言う建前で潰すなどあってはならないことです」

シェリンドン「何故戦うと言うのですか? 我々と共に『裁き』を乗り越えれば確実な未来を手に入れることが出来るのに」

榛名「それでも、自らの手で未来を掴みたい… それが間違っているとでも?」

シェリンドン「人は争いを止められない生き物、だけど『進化』した彼女達は違うと思いましたが…」

榛名「その『進化』を消そうと言うのが昏睡病、貴女達の言う『裁き』です。 その本質は『EXAMシステム』、ニュータイプを狩るもの…

例え『裁き』を生き延びたとしても、その先には緩やかな滅びしか残りません。 滅びに抗うことが悪なのですか?」

シェリンドン「それは…」

榛名「少なくとも榛名は、榛名達はそんな未来は容認出来ない。 だから抗うと決めた、それを誰にも邪魔させません。

それに三人には阿武隈達と戦って貰わないと色々困るんですよ。後々禍根が残りますし」

シェリンドン「賢明、とは言え無い判断ですね」

榛名「滅びを待つより、抗うほうがずっとマシです。 それに榛名は『進化』には到っていない…

到っていたとしても、榛名は人で良い。 それ以上もそれ以下も望みません。 さぁ、四人を返して…」

「姫様!」

「居たぞ!アイツを捕まえろ!」

榛名「今頃警護の連中が出てきましたか… この数相手では骨が折れそうです。 ここは、退きましょう」

シェリンドン「待ちなさい! 貴女も我々と…」

榛名「冗談を言わないでください。 未来を望む者が、滅びをただ待つだけの愚か者と手など組むわけ無いでしょう。

理想と現実は全く違う。 そんな判断も出来ない人間に与するくらいなら、自ら戦って散る方が余程良い。 それに…」

古鷹『榛名さん! 早く!』

榛名「狼は何者にも縛れません。例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、例神だって殺して見せます」ダッ

「クソッ…! 追え!」

「大丈夫ですか、シェリンドン様!」

シェリンドン「ええ…」

シェリンドン(私達が間違えている…? そんな筈、ある訳が無い… あっては、なりません…!)

あ、ミス…

榛名の最後の台詞『例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、神だって殺して見せます』 です。 すみません



《翌朝 食堂》

霞「今日はどうやら警備が少ないようね」

シェリンドン「ええ。 ウチの学生の警護にまわしましたわ」

天城(嘘ですね)

海風(警備員の何人かがこちらの部屋のトイレに駆け込みましたからね)

神通(下剤か何か盛られたのでしょう)

シェリンドン「手薄とは言え、分かっていますね?」

天城「ええ、まだ死にたくは無いもので」

シェリンドン「…良いでしょう。 午後の練習試合、期待しています」



《バトルルーム》


天城「まさかこんな部屋まであるとは…」

神通「では各自、まずは与えられたガンプラの確認を。 装備や可動範囲に異常がないか確認してください」

海風「グレイズリッター、問題ありません。 装備も陸戦・宇宙戦どちらにも対応できます」

霞「ビルゴは… 正直可動が狭いですが、なんとかなるかと」

神通「レギンレイズは… 剣の方も大丈夫です。 リード線で伸縮できるようになってます」

霞「正直アレ凄くめんどくさそうなのに…」

天城「まぁビルダーとしてある程度は出来るようです」

海風「あとは敵機の情報があれば… 無いものねだりをしても無駄ですね。 練習したほうが10倍マシです」

神通「そうですね… では天城さん、アグレッサーを頼んでも?」

天城「ええ、構いません。 機体は『ベルガ・ギロス』を借りてきていますし」

海風「では演習、はじめましょうか」

イベント 直下

「もしこれでこちらの機体が介入出来たら… 学校の乱入犯はこの手口だと確定する訳ですか」

「ええ。 じゃあお願い。 program start!」


天城「これで、終わりです」

神通「…参りました」

天城「ですが皆さん、流石です。 こちらも追い詰められました」

海風「いや、全然追い詰められてないような…」

霞「確かにあのビスマルク?だったか… あのロリコン倒した時にそんな片鱗垣間見たけど… いくらなんでも強すぎよ…」

神通「つまり世界大会上位を狙える程の技量だと…」

天城「まあ地位も名誉も興味無いので参加しませんが…」


BATTLE NEW ENTRY


海風「え…?」

神通「二人共、警戒を!」

霞「まさか、外部からの乱入者!?」

天城「スクランブルの時と同じ… え…?」


4機の前に立つ機体、それは彼女達が今使っている系統から外れた機体だった。モノアイが妖しく輝く白い機体、そして三人の機体と比較し大型の機体が銃口を向ける。

だが敵意は皆無、それどころかその機体の操り手を海風と天城は悟った。


海風「えっと… それ、この前間宮さんのところで朝雲さんとの訓練で使った『ザクⅢ』ですよね?」

霞「…ん?」

神通「白に塗られたトワイライトアクシズ仕様のザクⅢ改… この色って…」

天城「何やってるんですか姉さん…」


頭を横にブンブンと振るザクⅢ、明らかに図星を突かれて焦っているようにしか彼女達には見えない。

そして誤魔化すようにショートバレル・ビームライフル二丁の照準を合わせ、殺気を放つ。


天城「『どこを撃ち抜かれたい? 5秒以内に答えればリクエストに応えてやる』… 絶対こう言おうとしてますね」

霞「朝雲のアレって榛名さん譲りなのね…」

天城「と言うか『マジンカイザーSKL』ですね。姉さん割と影響受けてますから」

神通「なんでそこなんですか…」

海風「と、ともかく… 練習に付き合ってくれるそうなので、お言葉に甘えて胸をお借りしましょう」



海風「やあああああああっ!」


両腕に持ったブレードでザクⅢに近接戦を挑む海風、だがその斬撃をザクⅢは跳躍して回避する。

そしてザクⅢの脚部に向けレギンレイズジュリアのソードが放たれ、脚部に巻き付く。


神通「霞さん!」

霞「チャージ完了、いきなさい!」


ビルゴのビーム砲の照準を合わせ放つ霞、その一撃はザクⅢを捉えたかと思ったがザクⅢは脚部のスラスターを巧みに使いレギンレイズの剣から抜け出し砲撃を回避した。

そのままザクⅢがビルゴの背後に着地し、手に持ったライフルの銃口を頭部へと押し付ける。


霞「で、出鱈目過ぎる…」


そしてザクⅢは引き鉄を引き、ビルゴの頭部がビームで撃ち抜かれビルゴは機能を停止した。

神通「あっという間に霞さんが…!」

海風「まぁ格闘戦能力皆無のビルゴではこうなるのは分かっていましたが… ディフェンサーも展開遅れてましたし」

霞『何冷静に分析してんのよ! 分かってたならフォロー入りなさいよ!』

海風「あんなアクロバット着地やってのけるなんて誰が想像出来ますか」

天城「その動きをザクⅢでやってのけるのが姉さんです。 姉さんは機体によって戦闘スタイルを変えますが、特にザクⅢの時は妙にアクロバットになるんです」

神通「また妙なところで変な能力を…」


グレイズとレギンレイズの前に再び立つザクⅢ。装備していたライフルを地面に落とし、今度は腰に装備されていた2本のヒートホークを抜く。

そして今度は二丁のヒートホークを持って残る2機へと踊りかかった。


海風「来る…!」


振り下ろされるヒートホークをブレードで防ぐグレイズ、だがザクⅢにパワーで負け押されてしまうが何とか鍔競り合う。

しかし海風は忘れていた、ザクⅢの口部に内蔵されているビーム砲の存在を。そしてそのビームが放たれグレイズの頭部アーマーが吹き飛んだ。


海風「せ、センサーが…!?」


そのままグレイズの腕部を蹴り上げブレードを吹き飛ばしヒートホークを胸部へと振り下ろす。

グレイズは成す術も無く胸部を抉られ、その場に擱座した。


神通「海風さんまで…!」

天城「仕方ありません…」


見かねた天城のベルガ・ギロスが神通のレギンレイズの横に立ち、ショットランサーの矛先をザクⅢへと向ける。

そして珍しく殺気を放ち、天城はトリガーへと指を掛けた。


天城「姉さん、これ以上戦うと言うのであれば… 天城も相手になります」

神通「天城さん…?」

天城「これでは単なる弱いもの虐めです。 そう『なりたく無い』からメイジンの座を降りたのに、それを行うつもりだと言うのなら…

貴女は先代以下、嫌っていた筈の外道に成り下がることです。 そうなりたいと言うのなら天城を倒しなさい」


そう天城が告げるとザクⅢはヒートホークの発熱を止め、腰へとマウントしなおす。

通信ウインドが開き、そのファイターの素顔が露となる。


間宮『え、えと…』

神通「ま、間宮さん!?」

天城「やはり間宮さんでしたか… その機体、管理してるのは貴女の筈ですからね」

間宮『す、すみません… どうしても、って榛名さんが』

天城「だからって完全に戦闘スタイル真似て襲い掛かるなんて… 確かに間宮さんの技量なら可能ですが、些かやり過ぎです」

榛名『流石に天城には気付かれましたか』

天城「はい。 姉さんにしては卑怯な行いに迷いが無かった、それだけで判断材料は充分です」

神通「と言うかどうやって介入を?」

ウォースパイト『違法バトル用の遠隔操作システムよ。貴女達の学校に放置されていたのを発見して、試しに使ってみたのだけど』

神通「あ、ウォースパイトさん… 私達の学校にあった、とは?」

ウォースパイト『言葉通りよ。恐らくこれでスクランブルを遠隔で介入させたの。 今は有線ネットワークをハックしてそちらのシステムに介入してるのだけど。

でもこれで、手口が分かったわ。犯人のバックには恐らく、これを作ったマフィアの存在が…』ザザザ

天城「どうかしましたか!?」

榛名『バッテリー、が、無くなり… では気を、付け、て、くださ…』ブツッ

BATTLE END

神通「切れましたね…」

天城「はい。バッテリーぐらい充電しておいてくださいよ…」

神通「全くです… しかし収穫が無い訳でもありませんでしたね」

天城「資金源と成りうるマフィアの存在、薬物としてナノマシンが流れていた時点でそにの節がありましたが…」

神通「はい。そして簡単に犯人が見つからないのも匿っているから、と考えれば不自然ではありません。

ナノマシンを流通させて昏睡病を拡散させ、資金を入手出来て世間の目を免れられると考えれば行き着く先は当然でしょう」

海風「しかし、何処のマフィアが流通させたのかが気になりますね」

霞「少なくとも日本に影響力を持つマフィア、って考えれば…」

神通「…心当たりが一つ」

天城「どうかしましたか?」

神通「お母様は以前、飛龍さん達と一緒に大会に出た時にあるマフィアの妨害を受けたと聞いた事があります」

海風「何故マフィアが…」

神通「ある選手が飛龍さん達には絶対に敵わない、そう考えマフィアを雇い大会中に遠隔操作で介入させて機体の破壊と妨害を試みたんです。

結局は蒼龍さんに返り討ちにされ、主犯も大会と同時開催されていたお祭りでバトルをしていたお母様に嫌がらせを再度仕掛けようとしたものの逆に見つけられ締め上げられたとのことです」

霞「で、そのマフィアは?」

神通「既にマジギレしたお母様と親戚一同にアジトに乗り込まれ日本の支部は壊滅している筈ですが…」

海風「敵にまわして塵一つでも残ってる訳無いじゃないですか」

天城「そうですよね… ですが再び日本にやってきた、と考えれば不自然ではありません」

霞「その遠隔操作用のシステムをナノマシンを強奪した犯人に与えて… まさか瑞鳳さんに復讐でもするつもりなの…!?」

神通「!?」

海風「その可能性は否定できません。 未来では瑞鳳さんは生き残っていますが、周囲の人が皆…」

天城「問い質せば済む事です…! 瑞鳳さんに伝えて、もう一度乗り込ませましょう」

神通「と、その前に… どうしましょう、グレイズとビルゴ…」

霞「ビルゴは完全に頭が壊れてるし…」

海風「グレイズも中々の被害が…」


その後、全力で修理に時間を費やした…

そして午後…


『ではこれより小沢学園『フリューゲル・ヴェント』と我等の精鋭、『バビロニア・バンガード』との練習試合を行います』

神通(人が多い… おおよそ800人程、と言ったところでしょうか?)

霞(さすがに宗教系だからウチよりは多くない… でも…)

海風(静か過ぎる… 何だか、異様な… それに大会に出ていたのは『貴族科のチーム・バビロニア』だった筈です)

天城(何この感じ… 何だか、見透かされてる様な…)


『それでは、シェリンドン様からお言葉です』


シェリンドン「親愛なる皆様へ、こんにちは。我が校の理事長を務めるシェリンドン・ロナです。

まず本日お越しになった彼女達『フリューゲル・ヴェント』には感謝の言葉を申し上げます」


神通(白々しい… 無理矢理拉致したものを…!)

天城(槍があれば今すぐその頭蓋を穿っていたものを…!)


シェリンドン「そして彼女達は我々、『コスモ・クルス教』の教えの下『裁き』を乗り越える同志として共に手を取りあえる関係になれる事を望みます。

この交流によって我々を知り、我々と共に歩む共存の道を…」


海風(何だろう、今無性にどこぞの姉以上に殴りたいです)

霞(抑えなさい。私も今必死に我慢してるから…!)


シェリンドン「では皆様、良い戦いを期待しています」


『ありがとうございます、シェリンドン様。 次に、メンバー紹介です。 フリューゲル・ヴェント側は神通さん、海風さん、霞さん、そしてオブザーバーの天城さん。そして我が校は―――』


海風(やはりメンバーが以前と違う… 何か仕込んできてる…!)

神通(彼等は、一体何を…)

霞(でも、何があろうと倒すまで… ここを越えられなきゃ、定められた未来を壊すことなんて出来やしないわ…!)


『では、試合開始です!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Forest"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


神通「レギンレイズジュリア、神通…」

霞「ビルゴ、霞!」

海風「グレイズリッター、海風! フリューゲル・ヴェント、全機続いてください!」

霞「フィールドは森だけど… 地面が、ぬかるんで…!」

神通「どうやら湿地帯がステージのようです」

海風「各機、ホバーに切り替えてください。 ここは遮蔽物が多いのでなるべく隠れながら…」


海風が指示を行おうとした瞬間、一条のビームが地面を抉る。

そして降り注ぐビームの雨に、霞は前に出てプラネイト・ディフェンサーを展開して攻撃を防いだ。


神通「もうここを察知した!?」

霞「どうやら、アンタのプランは練り直しが要るわね…!」

海風「…相手には恐らく『こちらの思考を読む能力』を持った人間が居るようです…!」

神通「なっ…!?」

霞「多分全員ソレよ。完全に、見抜かれてる…! 観戦してる連中の他に、私達を『見透かしてる』連中が三人居るわ!」

海風「予測した中でも最悪の状況… しかし手立てが無い訳ではありません。 各機、応戦開始! フォーメーション・アクティヴディフェンス!

地形を活かして防戦しつつ敵の隙を窺います!」

神通「敵の思考を読む相手… ならこちらにも手立てはあります…!」

霞「それに海風、負ける気は無いんでしょ?」

海風「勿論、既に倒す策はあります」

霞「ならアンタに従う… 私はアンタに全部、賭けるわ」

海風「ならその期待に応えましょう。 全機、展開!」

神通・霞「了解!」


着地する敵MS3機、それを気配を完全に殺して潜む神通。 思考を全て無にして息を潜める。

そして3機のMSの機種を神通は見極めた。


神通「敵機3、機種は『ダギ・イルス・パワードウエポンタイプ』『ビギナ・ギナⅡ』『ベルガ・バルス』です」

海風「了解、先輩は離れてください。 敵は恐らく既に先輩を察知しています」


海風の通信と同時に3機からレギンレイズへと攻撃が行われる。神通は樹や岩などの遮蔽物を活かしながら後退した。

そして海風は敵の動きを予測し、霞に指示を下す。


海風「霞、砲狙撃戦開始。 先輩の後退をフォローしてください」

霞「了解。 でも引っかかるかしら?」

海風「ええ。 海風の予測では恐らく…」


放たれるビルゴの砲撃、3機は回避行動を行い今度はその矛先を霞達へと向けた。

ここまでは海風の想定の内、そしてこれで海風は確信を得る。


海風「やはり敵は能力者、ですが本来ファイターでは無い人間のようです。 あの動作、そして統率が取れて無いことを見ると経験が浅く実戦経験皆無なファイター…

いくら超能力者と言えど、我々訓練を受けたファイターに比べれば素人同然… 敵ではありません…!」


行動安価 直下

霞「敵がこっちに食いついた! 海風!」

海風「行きます! このまま支援砲撃を続行してください!」


霞へと攻撃が集中したのを確認し、海風はライフルを放ちながら3機へと距離を詰める。これこそ海風の望んだ『隙』だった。

敵のMSはそれに気付き対応しようとするが霞の砲撃に気を取られ、さらには海風の複雑な機動に翻弄されて迎撃が出来ない。


海風(やはりこちらのやる事を読んでいても対応出来ていない… 訓練はしているようですが、技量はこちらが上!)

海風「まずは…!」


3機を牽制しつつ中央に突撃するグレイズ、そして海風は機体を跳躍させて敵の背後へと回り込む。

包囲を恐れた敵はようやく分が悪いと悟り退避を行うがそれこそが海風の狙い目、逃げた先には…


神通「成る程… 敵の思考を覗き見る、確かに戦闘では多大なアドバンテージになりますね。しかし…

それが私に通用するかどうか、そしてファイターとして卑劣である事を除けば、ですが」


待ち受けていた神通のレギンレイズ、神通はブレードを構え戦闘態勢へと移行し敵の3機も構えた。

だが敵に思考を読まれている以上3機相手に神通は完全に不利、しかし神通には『切り札』がある。


神通「ならこちらも本気でいきましょう。私は貴方達の様な卑劣な者は心底嫌いなので」


意識を研ぎ澄まし、思考を無にする。 彼女は瑞鳳の娘であり東方不敗の名を継ぐ一人、当然この域には到っていた。

そして瑞鳳同様肉体から少しずつ光が溢れ出し、輝きを帯びていく。


神通「明鏡、止水…!」


その名を告げると同時に神通は3機へと襲い掛かる。 彼等は動きを読もうと思考を覗くが読む事が出来ない。

レギンレイズの近接能力と神通の能力が合わさり、彼等は完全に神通に手玉に取られていた。


「こ、コイツ! 全く読めない!」

「思考が… 何も考えて無いのか!?」

「何だコイツはバケモノか!?」

神通「遅い…! それに加えて…」

海風「目先に囚われ過ぎです!」


木々の合間を縫い、跳躍した海風のグレイズが左腕でブレードを抜き放ち逆方向から斬りかかる。

ビギナ・ギナⅡのファイターは海風の刃をギリギリで受け止め、海風の思考を読もうとするがそれこそ海風の仕組んだ罠だ。


「な、う… うぷっ…!? こ、れは…」

海風「まず1機… 人の思考を、勝手に覗くからこうなるんです」


ブレードが胸部を抉り、そしてもう片方の腕で持っていたライフルでトドメを刺す。

海風が行っていたのは自身の能力行使、未来予測演算の使用をしただけである。ただし以前スドウ・シュンスケ戦で使ったリミッター無しの『本気』の予測だが。


「な、何をした!?」

海風「未来の分岐を予測しただけです。 並の人間が耐え切れる情報量ではありませんが」


全力行使、一瞬でも脳の『現在使用していない領域全て』を使い予測を行ったことで情報量は常人が処理可能な量を遥かに超えていた。

それを全て読み取る、と言う事は自らの脳を自分で破壊したのと同義である。 要は海風は自爆させただけ、ただし彼は暫く立ち上がる事すら出来なくなるが。

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」


仲間を倒され激昂するベルガ・バルスのファイターは海風に襲い掛かる。 海風はライフルを投棄し二丁のブレードを使い攻撃を受け流す。

ショットランサーによる刺突攻撃を防ぎ、グレイズは逆にブレードを使ってベルガ・バルスの左腕を切り落とした。


「くそっ!よくもこちらの仲間を… 卑怯な真似をして!」

海風「女性の頭の中を覗く変態に言われたくは、ありません!」


頭部にブレードを突き刺し、その首を抉り取る海風。分が悪いと判断したベルガ・バルスのファイターは後退を図ろうとするが既に遅い。

真後ろに迫っていたレギンレイズに気付かず、ソードで真っ二つに切り裂かれて撃破される。


神通「余所見とは、関心しませんね」

海風「残るは1機… ですが…」

神通「逃げられましたね。 まさか仲間すら見捨てるとは…」

海風「しかし彼は既に詰んでいます。逃げた先には…」


逃走を図り森を彷徨うダギ・イルス。 仲間を見捨てた彼は反撃の機会を窺う。

海風達は近接に特化した2機であり射撃型のダギ・イルスでは不利だと判断したからだ。だから距離を取って遠距離で仕留めようと考えたが…


「そうだ… ここから撃てば…!」

霞「残念だけど、終わりよ」

「え…?」


大出力のビームがダギ・イルスの腹部を貫き、その機体を爆散させる。

そしてその残骸の前に立って居たのは霞が操る『ビルゴ』だった。


霞「これでラスト。 戦闘終了、ね」


BATTLE ENDED

WinnerFlügel Vento""

「あ、が… う、あ…」

海風「全く… この人を病院、出来れば脳に関する大きな病院に運び込んでください。 恐らく脳に損傷を受けています。

多分このままでは記憶障害どころか日常生活にも影響が出ますよ」

親衛隊A「す、すぐに!」

霞「アンタは大丈夫なの?」

海風「ええ。こちらは限界点は既に見極めていますから過剰な使用をしなければ大丈夫です」

シェリンドン「貴女… 何てことを…!」

海風「貴女に言われたくはありませんね。 わざわざ人の思考を覗き見れる人間を使って有利に戦おうとするなど…

貴族主義など、呆れて反吐が出ますよ…!」

親衛隊B「貴様!シェリンドン様に向かって…!」

霞「この際だからハッキリ言わせて貰うわ… 人を勝手に攫って自分の思想を押し付けて、ガンプラバトルを侮辱して、挙句人のプライバシーを覗いて…!

もう頭来た!この最低のドクズ共! 勝手に自爆しただけなのに逆ギレかましてんじゃないわよ!」

親衛隊C「コイツっ! 我々はお前達を守る為に、正義の為にやったと言うのに!」

神通「今まで大人しくしていましたがもう我慢の限界です…! 皆を人質にして脅した卑怯者が正義を語るな!」


ザワザワ

「攫ったって…?」

「そう言えば聞いた事が…」

「まさか昨日の夜の騒ぎは…」


シェリンドン「静まりなさい! 貴女達は我々を誤解しています。我々は…」

神通「どこが誤解ですか! 無理矢理、ガスまで使って誘拐した癖に! 昏睡病から護るなど、余計なお世話でしかありません!」

シェリンドン「貴女達は直情的過ぎます。もう少し大人になり、大局を見据えれば…」

天城「では大人の、年長の立場から言わせて貰いましょう。 貴女達の行いは紛うこと無き犯罪です。

どんな大義を翳しても、どんな理由があろうとも既に法や倫理を犯している以上既に貴方達は『悪』でしかありません」

シェリンドン「くっ… 親衛隊、四人を捕まえなさい!」

親衛隊D「大人しく…」

神通「破ッ!」ドガッ

親衛隊D「がッ…!?」ドサッ

神通「手は抜いています。殺しはしません…」

親衛隊E「馬鹿な、刀も無しに…!」

神通「私の本来の戦い方はこちらです。 剣術はあくまでも借りに過ぎません。ここからは本気です。

流派・東方不敗の名において、我が眼前の悪を葬らん…! 3代目・神通、参り…」


Beginning plavsky particle dispersal


神通「え…?」

海風「バトルシステムが、勝手に…?」

霞「この感じ… 何!?」

天城「ッ…!? 伏せて!」


BATTLE START


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ!

《外 青葉達のキャンプ》


古鷹「ッ!? こちら古鷹、緊急事態発生!」

榛名『どうかしましたか、古鷹さん!』

古鷹「講堂と思われる場所で謎の爆音が…」

衣笠「見て、アレ!」

古鷹「そして何か、大きな宝石みたいな塊が出てきました!」

榛名『宝石…?』

青葉「あれは… コード・ブレイヴ発動時に形成される粒子結晶!?」

榛名『まさか、粒子結晶の暴走…!? すぐに画像をこちらに!』

衣笠「こりゃヤバイね… ウォースパイトの言ってたやつでしょ、これ…?」

青葉「『スクランブルガンダム』と『新型粒子の小型結晶』が引き起こした事故、ですか… 確かに見た資料とそっくりな現象です」

榛名『分かりました。 3人は戦闘に備えつつ、現状待機を。 今から瑞鳳さん達に連絡しつつそちらに向かいます!』



《学園 講堂》

霞「いたた… 一体、何が…」

神通「全員、無事ですか!?」

海風「なんとか… 咄嗟に伏せたので…」

天城「ええ、こちらも何とか」

「全員、起き上がらないで。頭を下げて匍匐で移動してください」

神通「萩風、何時の間に…!」

萩風「姉さんが乱闘を始めそうになったので介入しようと思った矢先にこれですよ。今頭を上げれば確実に粒子結晶に頭をぶつける事になります。

それにここは何時崩壊してもおかしくはありません。 退路は確保済みなので一刻も早くここから退避します」

神通「分かりました。…それとあまり、周囲を見ないように」

海風「え…?」

天城「もう遅いですよ… 何ですか、これは…!」

「あ、が…」

「助、け…て…」

霞「これって…」

萩風「粒子結晶が身体を貫いている… この出血では、どの道助かりません」

海風「そんな…」

萩風「粒子結晶は今も増殖しています。 死にたくなければ周りを見ないで、一気に脱出します」

《講堂 地下道》


萩風「急いで! 粒子結晶の増殖がここまで及んでいます! ここも長くは持ちません!」

海風「一体、何がどうなっているんですか!?」

萩風「後で説明します! 今は早く、この場から逃げないと…!」

霞「掻い摘んででも良いから何か教えなさいよ!」

萩風「プラフスキー粒子の暴走です! 粒子結晶が暴走して、爆発的な増殖を始めました!」

神通「まさか、『台場事変』と同じ…!」

天城「『台場事変』…?」

神通「ある平行世界でプラフスキー粒子が大規模な暴走を引き起こした事件です。お台場に安置されていた大型粒子結晶が暴走し、無尽蔵に生成される粒子の水が溢れ出しお台場に壊滅的な被害を齎しました。

解決策はただ一つ、原因となる粒子結晶を粉砕する事だけです。 ただそれには『不可視の粒子障壁』を貫く必要がありますが…」

萩風「対策を講じる為にも、今は急いで避難を!」

霞「これ、一体どこに繋がってんの!?」

萩風「行けばわかります!」



《海風達の部屋》

海風「ここに繋がっていましたか…」

萩風「最初に潜入した時、ここを使って姉さん達に接触したんです」

神通「そう言うカラクリでしたか…」

萩風「そしてここは霞さんたちの部屋にも繋がっています」

霞「あ、そうなの?」

天城「だからあんなに容易く…」

萩風「もういくつか扉があるのは確認しましたが、どこに繋がっているかは判りませんでした。

ともかく今はこれからどうするか、を考えましょう」

神通「その前に一つ… 萩風、どうしてこの学校に潜入を? それにこの事態が起きるのを知っていたような…」

萩風「ええ、知っていました。 未来においてここの学園生は皆殺しにされた、と言う記録が残されていましたから」

海風「この学園の学園生が…?」

萩風「はい。 敵は『進化を皆殺し』にする為に『8月31日の事件』を引き起こしている、なので『進化の可能性』を持った人間が集まるこの学園はEXAMの格好の標的と言う訳です」

天城「そう言う理由でしたか… つまりここに黒幕か、それに準ずる相手が現れる可能性があると?」

萩風「こちらの推測が正しければ、ですが。 今から私は外で状況を確認してきます。 皆さんは、ここから逃げる準備を」

霞「逃げるって…」

神通「今の私達にはどうする事も出来ません。ここは一度ここから逃げて、装備なりなんなりを整えないといけません」

海風「じゃあここの学生を見捨てろと…?」

神通「そう言う訳では… しかし私達では粒子結晶は破壊出来ません。 この事態を収拾させる事は不可能なんです…!」

天城「粒子結晶には『不可視の障壁』がある、と言っていましたが… まさか、ソレですか?」

神通「はい。 どんな攻撃、恐らくミサイルや艦砲の類すらも効きません。 『粒子障壁を貫く』装備が無い限りは…」

天城「『グシスナウタル』なら… でもあれは貫けても、粉砕するまでの威力は…」

霞「『グシスナウタル』?」

天城「こちらの話です。気にしないで下さい」

海風(『グシスナウタル』、確か北欧神話の武具の一つだったような… 性質は自由に飛び回り念じればどんな守りをも貫く、というものでしたが…)

神通「平行世界でも粉砕には酷く手間がかかった、と聞いています。 最終的には障壁を貫通したものの粉砕には至らず、強引に細かく切り裂いてようやく崩壊したと…」

霞「寧ろそこまで手間をかけないと壊せ無いのね…」

神通「もしくは中心核となっているもの、暴走の原因であるものを破壊すれば収まる可能性もあるかと…

しかし核が不明な以上、前者の方法が現状の最適解です」

海風「しかし最適解が不可能、となると… もう打つ手は無い、と言う訳ですか」

神通「そう言う事になります」



萩風「どうやら少数は避難出来たけどまだ500人近く取り残されてる…」

萩風(ここも既に危ない… あと3時間ほどで地下、姉さん達の居る場所も侵食される… その前にどうにか逃げないと…)

プルルルルル

萩風「電話…? こんな時に…!」ピッ

『萩風ちゃん、聞こえる?』

萩風「お母様!? 何でこの電話を…」

瑞鳳『朝雲ちゃんから聞いた』

萩風「そうじゃないかと思いましたよ… この番号、知っているのは少人数ですし」

瑞鳳『それより状況は? 青葉さん達から粒子結晶が暴走したって聞いたけど』

萩風「酷い有様、資料で見た『台場事変』よりは遥かにマシですがかなりの惨事です。 既に死人も出ています」

瑞鳳『そう… どう、逃げられそう?』

萩風「逃げようにも足がありませんね。 車の類は既に粒子結晶に潰されてます」

瑞鳳『あれ、萩風ちゃんはどうやって…』

萩風「業者のトラックの荷台に隠れ潜んでやり過ごしました」

瑞『そ、そう… 今古鷹さん達が迎えに行くって話だから、あと10分くらい待って… ザザザ』

萩風「お母様!? 電波が悪い、これだから山奥と格安キャリアは…! ケチらないで大手にしておくべきだった…!」

萩風(早く逃げないと… でも、取り残された人たちは確実にこの後殺される、そう歴史が言っている… それで良いの…? 救出手段は無いけど、見捨てるのは…)

萩風「駄目… どんな犠牲を払ってでも未来は変える、今ここで寄り道なんて出来ない…!」

ドゴォォォォォ


萩風「ッ…!?」

「あがッ…!?」グシャッ

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ドスッ

萩風「そんな…」

萩風(外に逃げた人達にも粒子片が飛んで… 暴走の元凶は間違い無くここから誰一人も逃がす気は無い…)

学生A「だ、誰か…! そこのアンタ!コイツを運ぶのを手伝ってくれ!」

学生B「…」

萩風「…もう駄目です。 既に、死んでいます…」

学生A「嘘だろ… コイツは明るくて、こんな所で… まだ温かいんだ、運べばきっと助かるんだ!」

萩風「もう眠らせてあげてください…」スッ

学生A「糞… 糞ッ! 何なんだよ… 一体何なんだよ!」

萩風「このままでは貴方も殺される。そうなる前にどこかに、出来れば校舎の中に避難を」

学生A「俺は… どうせ死ぬんだ… このまま、コイツみたいに殺されて…」

萩風「生きる事を諦めないで! 死んだ者は何も言え無い、何も出来ない… 

怖くても辛くても、生きなければならない…! 死んでしまった彼等にとっても死を憶えていてくれる人が居る、それだけでも充分哀悼となります!」

学生A「アンタ…」

萩風「行きなさい! 私は、この事態を止める術を探ります!」


《一方その頃… 基地》

瑞鳳(K)『大型結晶体の暴走… ごめん、私達には手伝えないかも』

瑞鳳「でも、破壊出来たんでしょ!?」

瑞鳳(K)『まず私達と状況が違う。 水が生成されてないと私達の『艦プラ』は使えない。それに私達の艦プラは全部アリスタ非対応、霧の技術で精製された粒子に対応するように改修されてる… 粒子に対して互換性が無いんだよ』

瑞鳳「何で対応させちゃったかな…!」

瑞鳳(K)『そんな去年の話を持ち出されても… でも、技術だけなら提供出来る。

『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、その設計データはまだ残ってるから。だけどバスターキャノンだけじゃ粉砕は出来ないから注意して』

瑞鳳「わかってる。偏向レンズと超長距離用狙撃ユニットも要るんだね」

瑞鳳(K)『私達は時間的な問題で1キロ先から狙撃せざるを得なかったけど… 近づけそう?』

瑞鳳「まだわからない。 でも極限まで近付いてみる」

瑞鳳(K)『なら大丈夫か… あと一つ注意して欲しいのが、バトルシステムや模型が付近にあったら…』

数条のビーム、それが避難していた生徒の身体を貫く。 そして大量のガンプラが宙を飛び、空を駆ける。


「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」

「なんでガンプラが動いてんだよ!?」

萩風「ッ…! 大気中の粒子濃度が濃くなってこの一帯をフィールドと認識し始めた…!?」

萩風(台場事変の時と同じ… 大量の無人機が…! 急いで戻らないと!)


萩風は隠し持っていたナイフを投擲し襲い掛かるガンプラを破壊する。

そして避難する生徒の前に立ち、スカートの中に隠していたナイフを二本取り出し構える。


萩風「早く避難を! 建物に入って、バリケードを作って!」

「は、はい!」

「た、助かった!」

萩風(とは言え… ナイフだけじゃなくて銃火器の一つや二つ持ち込むべきだった…!)


襲い掛かる大量のガンプラを目の前にして呟く。覚悟を決めたその瞬間、脇から銃声が鳴り響き数機のガンプラが蹴散らされた。

そして急ブレーキ音と共に一台のジープが彼女の前に滑り込む。


青葉「どもども! って、これどう言う状況なんです?」

古鷹「無人のガンプラ…?」

衣笠「どんなカラクリ?」

萩風「空気中に粒子が拡散、濃度が濃くなった影響でガンプラが自律活動を開始しました」

青葉「人間だけを殺すガンプラかよ!? って言えば良いんです?」

萩風「バグと同じ様なものです」

青葉「あってた… まぁともかく、迎撃しないと…!」

衣笠「他の子達は?」

萩風「地下室に避難しています」

古鷹「早く合流しないと… 学校にまで侵食されたら、大変なことになる…!」

萩風「あと銃器、幾つか貸してください」

古鷹「ごめん、昨日衣笠が無駄遣いしまくって弾薬残って無いかも」

衣笠「衣笠さんのせい!?」

古鷹「私は必ず当てるから」

萩風「では余分な武器は無いと…」

青葉「車にさえ引き付けて貰えば良い手があるんですけどね…」

衣笠「絶対車爆破する気だよね!?」

萩風(何でこの人たちはこう緊張感と言うものが…! なまじ優秀な分、腹が立ってくるわね…!)

青葉「ではでは、ポチっとな!」カチッ


青葉がスイッチを押すと同時に車が大爆発を起こして数十のガンプラが巻き込まれる。

しかし爆炎を潜り抜けてまだ大量のガンプラが四人に襲い掛かって彼女達へと銃撃を行う。


古鷹「一発一発じゃ埒が開かない…!」

衣笠「なら纏めて吹っ飛ばす!」


ハンドガンでガンプラを的確に撃ち落とす古鷹、それに続いてロケットランチャーで攻撃する衣笠。

同時に萩風が跳躍しナイフで的確にガンプラを切り裂いていく。


萩風(このままだとジリ貧ね… 私の場合、真正面からの戦闘よりも奇襲の方が得意なのに…!)

青葉「そろそろ救出部隊が向こうに到着する筈なんですけど… 連絡が無いですね」

衣笠「と言うか通信機からノイズしか聞こえないんだけど」

古鷹「もしかして粒子が通信機に干渉して通信出来なくなってるの…?」

萩風「そもそも救出部隊って…」

青葉「瑞鳳さんが鍛え上げた、優秀な三人だって聞いてますが」



神通「くっ… 何で無人のガンプラが…!」

霞「こ、こっちに来るなって!」


椅子を振り回す霞に襲い掛かるベルガ・ギロス。そしてベルガ・ギロスに1本の刀が突き刺さり、墜落する。

続いて銃声が鳴り響き、部屋に侵入してきたガンプラが数機撃ち落され直後に一人の少女が飛び込んで残りのガンプラを日本刀で切り裂いた。


「やぁ、無事かい?」

海風「確か貴女は… 時雨さん、でしたか?」

時雨「うん。瑞鳳に言われて、保護しに来たよ」

神通「それに三日月さんと春雨さんまで…」

春雨「やっぱり、前にハシラジマから聞いた通りの現象が起きてますね、はい」

三日月「ガンプラの無人行動… しかも人だけを正確に殺して回って…」

時雨「ここに来るまでに何人も死体が転がってた。でも外に比べたらまだマシなレベルだけどね」

天城「何でこんな自体に…」

春雨「恐らく、昏睡病の元凶… 『EXAM』が原因かもしれません。ここまで『進化の素養』を持った人間を殺して回っているとなると」

三日月(裏)「ああ。 迅速に事態を解決しないと、もっと犠牲が増える」

神通「とは言え、この状況ではジリ貧です… 粒子侵食と殺戮する無人ガンプラ、両方止めないと…!」

海風「…! もしかして、システムのある場所まで行けばこちらもガンプラを射出できるかも…!」

霞「それで奴等を迎え撃ちながら、強行突破して結晶体まで近付いて元凶を探るか結晶を破壊すれば… この事態は収まる…!」

時雨「だから瑞鳳はガンプラを持って行け、って… なら、バトル台がある場所に案内して。僕が道を拓く」

三日月(?)「ねえ春雨、次はどうすれば良い?」

春雨「青葉さん達と合流し、連れて来てください。 バトルシステムの場所は把握しているでしょうし」

三日月(?)「わかった。春雨の指示なら従うよ」

神通「…人格、増えてません?」

時雨「鉄血の本放送が終わった直後くらいかな、第3人格が出来上がったんだよ。 春雨に従順な、まさに鉄血主人公な感じの」

神通「えぇ…」


イベント 直下

時雨「ここの曲がり角の階段を昇ればすぐ、なんだね?」

神通「はい。では私が先行します」

時雨「分かった。水先案内は任せる」


春雨は手に持った銃器でガンプラを撃ち落とす。ビルダーとしてはこの状況は良心が痛むが流石に人を殺しまわっている以上、止めなくてはならないと割り切る。

しかし無尽蔵に湧き出るガンプラを相手に、弾倉を変える余裕も殆ど無い状況には辟易としていた。


春雨「これで32機、どれだけガンプラ溜め込んでるんですか!」

海風「演習の時に提示された機体より数が多い…!」

霞「もしかして… スドウ・シュンスケの時みたいに、再生と複製を繰り返してるんじゃ…?」

海風「可能性はありますね… あれ、春雨さ…」

神通「どうかしましたか?」

「たすけてくださ~い~!」

時雨「何やってるのさ…」

海風「…なんか穴がありますね」

霞「階段も… もしかして、転がり落ちた…?」

時雨「全く、ドジなのは本当に変わらないんだから…! フレスヴェルグの時も、ドジった結果アレが出来上がった訳だし…」

海風「ドジってアレが出来上がるんですか!?」

時雨「うん。春雨がドジると大抵何かしらトンデモ副産物が出来るから」

霞「どんなドジかましたのよ…」

時雨「フレーム作ってる途中に呼ばれて立ったらコケてパーツゴチャゴチャにしちゃったんだよ。それで組みなおしたらああなっちゃった訳さ」

三人「えぇ…」

時雨「とは言え… 変な場所に地下室なんて、何かありそうだ」

神通「降りてみましょう」


春雨「何も見えません…」

神通「誰か懐中電灯とかあります?」

時雨「艤装用の探照灯なら。こんなこともあろうかと春雨のヤツから引っぺがしてきたんだよ」

海風「あれ、春雨さんも艦娘…?」

時雨「いや、半分は瑞鳳達と同じ転生体さ。キミ達も会った筈の翔鶴さんは実母だからね」

霞「半分?」

神通「お母様から聞いています。春雨さんは『特別』、一つの魂が二つの世界・肉体に分裂してしまっていたとか…」

時雨「そうだよ。 片方はこっちの春雨、もう一人は… もう居ない。どこにもね」

海風「…」

時雨「この話はまた今度。今はここを探してみよう」


あったもの 直下
1.武器・弾薬
2.地下牢
3.その他

海風「これって… 地下牢ですか…?」

天城「そのようです。 人の気配、数は10…!」

霞「この感じ… 榛名さん達と似た…」

「お、おい… だ、誰だ!?」

「お願い、殺さないで…!」

神通「大丈夫です。 私達はここから逃げようとしている者です。 一体どうしてここに?」

「教団の奴等に『裁き』がどう、とか言われて捕まって… 逃げようとしたらここに…」

天城「間違いありません、この人たちは拉致被害者、顔も資料と一致しています」

時雨「ちょっと皆下がって。銃で鍵を壊してみる」パンパンパン

春雨「駄目みたいですね… 傷一つもついてません、はい」

神通「では私が…」バキッ

霞「鉄格子をへし折った…」

海風「まぁ先輩なら出来ますよね、当然」

「やったぞ!これで出れ…」

神通「待ってください。 今出たら、確実に殺されます」

「なっ…!? 殺されるって、どう言う事!?」

海風「先程の振動はご存知ですよね?」

「う、うん… 知ってるけど…」

海風「教団の言う『裁き』が、人を襲っているんです。 ここに来るまで、何人かが殺されていました… 今ここを出れば…」

「そんな…」

「助かったと思ったのに…」

天城「今はここで耐えてください。 必ず、後で迎えに来ます」

「そこまでです」

天城「シェリンドン・ロナ…!」

霞「あの状況でよく無事だったわね」

シェリンドン「助かったのが貴女達だけとは思わないでください。親衛隊のお陰で逃れる事が出来ましたわ」

時雨「どうでも良いさ… カルト教団の教祖が死のうがね。そこ、どいて貰えない?」ジャキッ

神通「親衛隊の数は27… 倒せ無い数ではありません。天城さん!」バキィッ

天城「鉄格子の槍とは… まぁ無いよりはマシですね」

シェリンドン「野蛮な… 話し合いのテーブルにも就かず、敵意や武器を向けるなど」

海風「そんな余裕は無い、貴女なら既に理解していると思いますが」

シェリンドン「ええ。だからこそ、貴女達に提案をしたいと思いまして」

霞「どうせ下らないだろうけど、一応聞いておくわ」

シェリンドン「我々と共に、ここを脱出しませんか? 今なら地下道、最悪の事態に備えて作った地下通路があります。

そしてその先には移動用のヘリも… 貴女方をここで失くすのは惜しい、ですのでどうかこの提案を…」

パンパンパン

時雨「ごめん、よく聞こえなかった」

霞(この人、躊躇い無く撃った…!?)

時雨「もう一度、いや言う必要は無いか… キミはどうせ、ここで終わるんだ」

親衛隊F「何だと!? 貴様、シェリンドン様への狼藉を…」

時雨「黙っててくれないかな」ジャキッ

親衛隊F「ひっ…」

春雨「時雨、駄目です。貴女の手をそんな事で汚しては」

時雨「じゃあどうしろって言うのさ。言っておくけど、キミに撃たせる選択肢は無いよ。翔鶴さんに顔向けできなくなる」

春雨「大丈夫、撃つ気はありません。はい。 貴女は… 貴女を信じる人々を見捨てて、自分だけ生き残ろうと言う訳ですか」

シェリンドン「彼等は尊い犠牲… 彼等の死はもう覆しようが無い、定められたものです。 ならば我々、生き残るべき人間が生き残り未来を築く。そうする事で彼等の犠牲は報われる事が出来ます」

海風「成る程… よく分かりました」

神通「海風さん…?」

海風「貴女達とは会話は不可能、最早考えてる事すら海風には理解出来ません。 何となく、貴女にイラついていた理由も分かりましたよ。貴女はウチの姉貴よりタチが悪いです。 

まだアレは未来を知ろうと決して何も諦めないで、何かを変えようともがいている。でも貴女は違う。多くの犠牲を、これから出る筈の犠牲を最初から切り捨てている。自分だけが生き残りたい、そう根底にはあるから」

シェリンドン「なっ…!?」

海風「前を見ようとしない、不都合や自分以外の犠牲には目を瞑っている人間に… 未来を歩む資格はありません!」

シェリンドン「では抗って未来を変えられると、未来を視る貴女がそれを言うのですか?」

海風「海風の能力は所詮、想像の飛躍が生み出した産物です。 あくまでも確証も何も無い、海風自身が予測した未来に過ぎ無いんです…

だけどどんな未来を海風が視ようと、その未来にどんな不都合があろうと… 海風は絶対に、目を逸らしたりはしません…!」

霞「私も… 海風と同意見よ」

海風「霞…」

霞「人はどんなに悲しくても、どんなに辛くても必死に生きて抗わなきゃいけない事がある… 例え理不尽な現状でも、未来だとしても。

なら私は戦う… 奪われる命を助けられるのなら、消え逝く命を救えるなら。 ニュータイプだとか進化とか何も関係なく、私が出来る『最善』をやるだけよ…!」

天城「二人共…」

親衛隊G「シェリンドン様がせっかく伸ばしてくださった手を!」

親衛隊H「その未来を振り払う貴様等にこそ未来は…」

神通「貴女達こそ、黙りなさい! 既に多くの犠牲が出ているのに、その事態からも目を背ける者に未来を語る資格など無い!

抗うことを止めた時点で、立ち止まって逃げた時点で貴方達に未来を捨てています! 未来を捨てた者が未来を望む者の道を阻むと言うのなら、私がこの手で今すぐ終わらせましょう!」

「よく言ったよ、3人共! 超級覇王、電影だぁぁぁぁぁぁん!」ドゴォォォォォ

シェリンドン「し、親衛隊が…!?」

春雨「やり過ぎなような気が…」

時雨「別に良いよ、どうせ春雨が嫌いなタイプの、宗教を騙って暴れる人間だ。それより遅かったね、瑞鳳」

瑞鳳「ごめんごめん。結晶体を破壊する算段を整えてた」

「全く… 車を走らせながら急造の武器を作るなんて…」

天城「姉さん…!」

榛名「お待たせしました、天城。迎えに来ましたよ」

間宮「皆さん!ご無事ですか!」

霞「間宮さんまで…」

シェリンドン「真紅の、戦乙女…!」

瑞鳳「その名、知ってたんだ。 カルト教団の教祖様? じゃあそれが何を意味するか、分かってるよね」

親衛隊I「睨まれた組織は塵も残らない… ま、まさか…!?」

親衛隊J「この教団を…!」

瑞鳳「どんな正義や建前を翳しても拉致を行った時点で最早正義なんて微塵も無い。 粒子結晶の暴走が収まり次第、ここに警察組織が来る。

貴方達の所業は既に纏めて公安に垂れ込んだ。 私が警察組織にツテがある事、知らなかったみたいだね」

榛名(と言うか大鯨さんが、ですがね。 昏睡病の資料をそろえたのもあの人ですし)

シェリンドン「何故、貴女達は… そこまで、愚かな選択を出来るのですか…! この組織をなくせば『人の進化』を護る者が…」

瑞鳳「そんなもの、必要無い」

シェリンドン「なっ…!?」

瑞鳳「確かに『人の進化』を護る事は正しいかもしれない。でも、それに巻き添えで犠牲になる『普通の人間』だって沢山居る…

その人達を見捨てて進化した人間だけを護るなんて、私は認めない。 誰かの犠牲の上に成り立つ未来なんて、認めない!」

シェリンドン「我々は… 戦って滅んでいく人類に投げかけられた生き残る術であり、希望… 滅んでいく者に引き摺られる訳には…!」

海風「人には、等しく『可能性』があります。 貴女のように、自分だけが選ばれた人間であると勘違いしている輩より、瑞鳳さん達の選択の方が遥かに良い…!」

霞「『人の可能性』を認識しないで、選ばれた進化だけを守護する? なら私は… 私達は…!」

海風「人間で良い、それ以上もそれ以下も望まない!」

霞「人間で、沢山なのよ! そこを退きなさい、シェリンドン・ロナ!」

シェリンドン「くっ…!」

親衛隊K「貴様等…! 撃つぞ!」

海風「撃ってみろ! 真に正しいと思うなら、海風達が間違っていると言うのなら!」

霞「もし少しでも自分達が間違えてるって思うなら、道を開けろ!」

シェリンドン「…行かせなさい」

親衛隊L「シェリンドン様!? しかし…」

シェリンドン「我々の手を振り払った者をこれ以上相手にしている時間はありません…! 放っておきなさい!」

瑞鳳「行くよ、皆!」

全員「はい!」

シェリンドン(『進化に到達した者』、そして『未来を視る者』… 貴女達の力、まだ諦めた訳ではありませんからね…!)

時雨「まさか、キミからあんな啖呵が聞けるとは思って無かったよ」

海風「無我夢中でしたよ… 本気で撃たれるかヒヤヒヤしましたし。もう痛いのはごめんですから」

瑞鳳「あの薬持って来てるよ」

海風「あれは本気で勘弁してください…!」

榛名「この先に、バトル台があるんですね?」

天城「はい。 しかし… どうやって粒子結晶を破壊しようと…」

瑞鳳「秘密兵器… 『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、砲身が急造で一発しか撃て無いことを除けばこれが唯一結晶を砕く手段だよ」

榛名「まさかこれを車の中で作らされるとは思いませんでした…」

霞「『type-Z』?」

瑞鳳「何種類かあるうちの一つだからね。これは『貫通』に特化した特性を持ち、どんな障壁だろうと一撃で撃ち貫く力を持ってる」

神通(まぁPBCや粒子障壁相手には最強ですが『ミラーリングシステム』とは超極端に相性が悪いんですけどね)

浜風『瑞鳳さん、聞こえますか!』

海風「げッ…!?」

瑞鳳「聞こえてるよ。そっちは?」

浜風『所定位置に到着、準備中です』

瑞鳳「分かった。 作戦通りだね」

浜風『私と夕雲、飛龍さんと蒼龍さん、愛宕さんと大鳳さん、如月さんと野分さんと秋月さんが無人機を引き付けます。 瑞鳳さん達は中枢に突入、粒子結晶と元凶を破壊してください。

それと海風、聞こえていますね。 今『げっ…!?』って聞こえましたし』

海風「聞こえてますよ… 凄く不本意ですが」

浜風『前衛指揮は海風に一任します。 私も突入したいのですが、私の『ニクス』は突入には不向きなので』

海風「結局面倒を押し付けてるだけじゃないですか…」

浜風『海風の指揮能力を見込んで、です。 今の海風なら、やれる筈です』

海風「やれば良いんでしょ、やれば…!」

浜風『任せました…!』

神通「…あ」

霞「どうかしました、先輩?」

神通「私達、機体がありません!?」

海風「海風も部屋にスクランブル忘れてきました!?」

瑞鳳「あ、スクランブルは愛宕先生が回収したよ。 それに、三人の機体は私がとっくに用意してる」

榛名「まさか3機も仕上げるなんて… 当分、プラ板とパテは見たくありません…」

瑞鳳「これが貴女達の機体、受け取って」

三人の新型


・ベース機:直下
 選択肢
  1.ZZガンダム(ブラストの継続使用)
  2.セラヴィーガンダム
  3.Hi-νガンダムHWS
  4.その他(機体も)
・改造内容(機体名も併記):下3


神通
・ベース機:下5
 選択肢
  1.インフィニットジャスティス(スターリリィの継続使用)
2.ガンダムエピオン
3.ゴッドガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下7


海風
・ベース機:下9
  選択肢
  1.ウイングガンダムゼロ(フレスヴェルグの継続使用)
2.デスティニーガンダム
3.ゴーストガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下11


条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事

・神通:ベース機『近接格闘特化ガンダムタイプ』、改造内容『剣術・武術を両立出来る機体にすること』、機体名『百合科の花の名前を使う』

・海風:ベース機『高機動戦を行える汎用ガンダムタイプ』、改造内容『バスターソードのようなものを装備、高機動近接戦が可能』、機体名『『アズール』若しくは『アズライト』と言う単語を使うこと』


また3機にはこちらから『特殊システム』を内蔵させて頂きますのでそこはご容赦ください

インフィニットジャスティス・ロンギフローラム

神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。
機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
塗装は白に変更された。
一応ハイパーモード機能も付与されている。

日本刀『光忠』&『貞宗』

専用に製作された日本刀でシュベール・ラケルタ ビームサーベルの代わりに両腰に装備されている。
ガーベラストレートを改造したもので軽量化が図られ切り返しの速度が速められた。
しかし質量が軽減したことで強度そのものが落ちているものの刃がより鋭利なものになっており、神通の技量を以ってすれば大抵のものは切れる。
また粒子変容加工が施され、ビームサーベルすら切り裂くことが可能。
そして『奥の手』としてゴッドフィンガーの熱を刀身に伝導させて赤熱化させ『炎の刃』としても振るう事が出来る。
名称は伊達政宗が保有したとされる刀から。


ファトゥム-02

ファトゥム-01改を改修し、アップデートしたもの。兵装懸架ユニットは使用頻度がほぼゼロだった為廃された。
ヴォアチュール・リュミエール展開機能が付与されており、加速性が高められている。
最大の特徴として全体が鋭角化されており、ビームを展開せずともユニットそのものが『刃』のような強度を持つ。
またタクティカルアームズⅡLのようにアローモードへと変形が可能で『弓』としての機能も新たに付与された。

申し訳ありません

霞機として選択された『AGE-3』に関して、AGE-3は霞の要項を満たしているとは言えないので申し訳ありませんが却下させてください(機体そのものは中盤、キオの操縦についていけておらずXラウンダー関連装備も存在しないため)

またこの世界は以前にも書きましたが性質上『HGBF系統のガンプラが存在しない』設定であるのでゼロ炎及びそのカスタムキットは存在しせずハイパーカレトヴルッフとフェザーブレイドは存在していませんのでその部分は却下、こちらで改変させて頂きます(あとルプスレクスの脚部は実物を確認したところウイングゼロの可変機構と相性が悪いため踵だけの採用となります)。


霞機 再安価

・ベース機体 直下
 1.ZZガンダム(ブラストZZベース)
 2.ガンダムAGE-FX
 3.セラヴィーガンダム
 4.その他

・改造内容(機体名併記) 下3

条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事

ウイングガンダム・アズライト
武装
・ツインバスターライフルアズライト(サーベル内蔵)
・アズライトバスターソード×2
・アズライトウイングブレイド×4
・ビームサーベル×2
・マシンキャノン×2
・ビームガン兼ビームトンファー×2
・グリフォン・ビームブレイド×2
・脚部内蔵パイルバンカー×2
・ウイングシールド

概要
海風の『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』に強化改修を加えた機体。全体的に出力が向上、外装パーツも半分近くが新造されている。
ファイターたる海風の戦闘データを反映し、内蔵されたシステムの使用を前提に改修されておりより海風の戦闘能力を引き出すことが可能。
背部のウイングには翼としての機能も兼ねた専用大剣『アズライトバスターソード』を装備、さらにウイング部分には新造された4本の『アズライトウイングブレイド』が装備されている。
『アズライトウイングブレイド』は4本の大剣でありメイングリップと大型刃1枚、峰部分に取り付けられた小羽状の刃3枚で構成されている武装で2本を合体させることで巨大なバスターソードなる。
他にもツインバスターライフルはビームサーベルを内蔵した『ツインバスターライフルアズライト』へと改修、∞ジャスティス用のグリフォンや踵にパイルバンカーなど全体的な格闘能力の向上が図られた。
そして最大の改修点は特殊システム『アズライトバースト』を内蔵している事。以前より装備されていた『モード・アズール』の特性である『バトルごとに残留した粒子を溜め込みその貯蔵粒子分だけ性能が向上する』能力を扱い易くしたものが『アズライトバースト』。
今までのものは貯蔵粒子の量だけ無制限に性能が向上され自壊の危険を招いていたがこちらは『改RX-0』の技術を流用し、粒子制御能力が向上しており過剰な粒子は全て武装に転化させる事で自壊を防ぐように改良された。
粒子を武器にまとわせ振るうことで巨大な『刃』とする能力も健在で、制御能力向上により腕や剣が砕けるような事態は起きないように改良されている。
これまで幾多の戦いを重ね、そして戦い抜いて来た海風は新たに『鷲の巨人』の力を受け継ぐ『藍銅鉱の翼』を持つガンダムと共に戦場を駆ける。自分の視た『最良の未来』へと辿り着く為に、そして仲間達と共に未来を切り拓く為に…


インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
武装
・MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲×2
・MMI-GAU26 17.5mmCIWS×4
・MA-M1911 高エネルギービームライフル
・専用太刀『光忠』&『貞宗』
・MR-Q15Aグリフォン ビームブレイド×2
ファトゥム-02
・MA-6Jハイパーフォルティス ビーム砲×2
・MA-M02Sブレフィスラケルタ×2
・MA-M02Gシュペールラケルタ
・MR-Q17Xグリフォン2 ビームブレイド×2

概要
神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。 機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
『光忠』と『貞宗』は伊達政宗が保有したとされる刀から名称を取った太刀で刀身が軽く、通常のものと比べ切り返しが速いのが特徴。ただし軽くなった影響で脆くなっているが神通の技量ならば特に問題は無い。
また刀身の熱伝導効率が高く、ゴッドフィンガーを使った状態で使用すると刀身が熱を帯びて『炎の剣』となる。
ファトゥム-02は武装懸架ユニットを廃止して代わりにVL展開機能を付与して最大速度を向上、そして全体が鋭角化したことでそのままでも高い攻撃能力を発揮可能。さらにアローモードへの変形機構が加えられており、射撃戦にも対応できるようになった。
そして最大の変更点は特殊システム『フルブルームバースト』が搭載されたこと。『フルブルームバースト』はハイパーモードに相当する能力で、神通が花をモチーフにすることから『満開』の名前を使用している。
バースト使用の際は全身のクリアパーツがオレンジに発光し、規格外のパワーや性能を発揮する事が出来る。発動の際には神通が明鏡止水の状態になる必要がある。
『ヒメユリ』から『テッポウユリ』の名前に変えたことで塗装は白に変更されている。
『未来を変える』、そんな無謀とも言える願いの為に過去へと転移した神通。誇りを未来への希望に変えて神通は駆け抜ける、その果てに散ることがわかっていたとしても。それが『花の戦乙女』の生き方だから。

すみません、真に勝手ですが名前と一部装備(肩部にレールガンは腕の動きやバックパックに干渉するので不可能、なので通常の手持ち式へと変更)を変更させて頂きます

ブラストアクロスZZ
武装
・ダブルバルカン
・ハイ・メガ・キャノン
・ハイパー・ビーム・サーベル(ダブル・キャノン)×2
・21連装ミサイルランチャー×2
・5連装型ロケットランチャー
・肩部レールガン
・6連装多弾頭ミサイルポッド
・大腿部ビームカノン×2
・リフレクターインコム
・左腕手持ち式大型ビームキャノン
・マルチディスチャージャー×6
・サブレッグ
・ブレードシールド

概要
ブラストZZを改修した機体で、機体全体の出力や反応速度はNTの霞にあわせた調整を施されている。
極限まで反応速度を底上げされており、NTの能力に覚醒しつつある霞にしか使いこなす事は不可能。
機体の変更点は乏しくダブルビームライフルからアトラスガンダム用レールガンへと変更、そして膝・肩・肘にはマルチディスチャージャーを装備しビーム撹乱幕やスモークなどで隠密性・防御力を強化している。
またアトラスガンダム用のサブレッグとブレードシールドを装備し機動力と防御力を補うことで強化した。
ただしバランスや可動範囲、火器管制能力に関しては劣悪であり霞以外ではまともに使いこなすことは不可能となっている。
そして特殊システム『アクロスバースト』を内蔵するのが大きな変更点。能力は『RGシステムtype-Z』をベースに擬似的に本編中のZZの能力、巨大なサーベル形成や超出力のハイメガキャノンなどを再現したり、機体性能の爆発的な向上などを発現できる。ただし粒子消費は膨大で一度きりの切り札。
塗装は灰色をベースにスプリッター迷彩を施されていた。また各部にクリアパーツが追加され、システム発動時は紫に輝く。
変わっていく自分に戸惑いながら、霞は戦い続ける。自分なりの『進化』の道を辿り、可能性を閉ざす者達を打ち砕く為に。隣に立つ友の為、隣に立つ仲間の為に『衝撃』は今と未来の境界へと駆ける。



瑞鳳「『ウイングガンダム・アズライト』『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』『ブラストアクロスZZ』… これが貴女達の新しい機体だよ」

神通「これは… 私達が仕上げていた筈の機体… でも、クリアパーツが全身に…」

瑞鳳「私謹製、三人にあわせた特殊システムを組み込んだからね。それぞれ『アズライトバースト』『フルブルームバースト』『アクロスバースト』、RGをベースにした3つのシステムを組み込んだ。

海風ちゃんのは言わずもかな、あのシステムの発展系。神通ちゃんのはRGをGガンのハイパーモードに近づけたもの、霞ちゃんのはニュータイプ系能力の擬似再現ってところかな」

霞「これが、私達の…」

海風「新しい力…」

天城(凄い… 完成度が全部フェンリルと同等… あれを短時間で仕上げるなんて…)

榛名(しかもシームルグの技術を完全に取り込んでる… こちらも『RG』の技術はデータで手にしているとは言え再現には手間がかかったのに…

スクランブルなんか比では無い、超高レベルで技術が融合している…)

《バトルルーム》

ウォースパイト「ハル、セッティングは終わったわ。ここからなら機体を射出できる」

榛名「ありがとうございます、ウォースパイト」

萩風「ここで出撃出来るのは… この15人、ですか」

青葉「いえ、12です」

古鷹「私達はガンプラが無いから…」

衣笠「操縦技術も無いし、ここで護衛に徹するね」

海風「では戦力は…」

自軍戦力
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・神通:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
・霞:ブラストアクロスZZ
・萩風:ガンダムエクシアルベルム
・瑞鳳:ガンダムエピオン・クロイツ
・榛名:フェンリル
・天城:スレイプニル
・青葉:グリンカムビ
・間宮:スヴァジルファリ
・ウォースパイト:ヴィドフニル
・春雨
・時雨:ビギナ・ぜラ・ホワイトフレームⅡ
・三日月


海風「主力は改RX-0、そして瑞鳳さんの『クロイツ』の血統…」

時雨「まぁそうだね。僕らの機体も、瑞鳳の技術が軸になってるから」

三日月(裏)「春雨、以前頼んだ機体の調整は?」

春雨「終わってますよ。 ちゃんと、所望だった装備も用意しました」

三日月(裏)「助かる。ドーベン・ウルフでは対応出来ない局面が多いのでな…」

時雨「しかも人格ごとに戦闘スタイルが全然違うのも厄介なところだ」

春雨「調整には難儀しましたよ、はい…」

瑞鳳「雑談してる暇は無いよ。ウォースパイトさん、始めてください」

ウォースパイト「了解。システム、起動!」

すみません、青葉の台詞『12人』ではなく『13人でした』

GUNPLA BATTLE COMBAT MODE EMERGENCY STRAT UP


天城「天城、『RX-0[S] スレイプニル』!」

間宮「間宮、『RX-0[Sv] スヴァジルファリ』!」

ウォースパイト「Warspite… 『RX-0[Vd] Vidofnir』!」

青葉「『RX-0[Gr] グリンカムビ』、青葉!」

榛名「『RX-0[F] フェンリル』、榛名!」

春雨「『ガンダムスローネ・ヴァリアントⅡ』、春雨!」

時雨「『ビギナ・ゼラ・ホワイトフレームⅡ』、時雨」

三日月「『ガンダム・バルバトスルプス・クレセント』、三日月!」

萩風「『ガンダムエクシアルベルム』、萩風!」

霞「霞、『ブラストアクロスZZ』!」

神通「『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』、神通!」

海風「『ウイングガンダム・アズライト』、海風!」

瑞鳳「瑞鳳、『ガンダムエピオン・クロイツ』! 全機、推して参ります!」

瑞鳳「海風ちゃん、部隊編成と指揮お願い!」

海風「わかりました!」

海風(各機の性能はおおよそ把握していますが…)

春雨「あの、どうかしましたか?」

海風「すみません、お二人共。機体データをお願いします」

三日月「ああ、こちらの性能を把握していないと…」

海風「はい。指揮は愚かポジションの決定も難しいので」

春雨「分かりました。 転送します」



ガンダムスローネ・ヴァリアントⅡ
武装
・GNビームサーベル×2
・GNハンドガン
・GNファング×8
・GNピストルⅡ×2
・GNスナイパーライフルⅡ改
・GNライフルビット×2
・GNシールドビット×8

概要
春雨用の機体で以前使用していた『スローネヴァリアント』の発展機。オリジナルは浜風・夕雲戦で破損・喪失しておりこちらは武装などを転用し新造されたもの。
大きな変更点はGNスナイパーライフルⅡを改修、よりロングバレルになっており超長距離狙撃に対応している。またセンサー類も強化され春雨に合わせた狙撃に特化した機体になった。
またディバイダーの代わりにGNシールドビットを背部に接続し防御能力を高め、右肩部にはライフルビットの追加などの改修を行われ火力も増強されている。
バインダーの裏にはGNピストルⅡも内蔵されており近接や手数が必要な時にはこちらも使用可能。


ガンダム・バルバトスルプスクレッセント
武装
・アサルトライフル×2
・太刀×2
ヴァリアブルウエポンバインダー
・太刀×4
・ソードメイス×2
・長距離レールガン×2(外付け)

概要
三日月用に新造された機体。こちらは『三つの人格』により変化する戦闘スタイルに対応可能なように改修を施されている。
武装はアサルトライフル二丁と両腕の200mm砲の接続穴に太刀がマウント、そして背部に装着されたヴァリアブルウエポンバインダー。
ヴァリアブルウエポンバインダーには個々の人格にあわせた装備が付属しており、主人格たる第一人格(オリジナル)用には外付けの長距離用レールガン二丁、第二の裏人格用には4本の太刀、そして新しい第三人格にはソードメイス2本が与えられた。
またリミッターの解除も可能であり、発動時は原作のハシュマル戦のような戦いぶりが行える。ただし操縦難度が増すので3つの人格が強力する必要があるのが難点。
余談だが三日月の人格は第一以外は全て彼女の感情が分離したもの。第二は彼女がある一件でマジギレした際の『怒り』、第三は春雨への『ある感情』であり、それぞれが全て春雨に起因している。


海風(こちらはスローネツヴァイを狙撃用に改修したもの、これケルディムじゃ駄目なんですかね。そしてバルバトスは武装過多、よくまともに使えますね…)

海風「では全機、3機~4機の小隊を編成してください。 編成割は今転送しました」


小隊編成
・第一小隊:瑞鳳、萩風、青葉
・第二小隊:榛名、天城、間宮、ウォースパイト
・第三小隊:春雨、時雨、三日月
・第四小隊:海風、神通、霞

海風「各機、この小隊で行動を。 絶対に単機で孤立しないように。 萩風さん、マップをください」

萩風「了解です。 今出します」

海風「この図なら… 最短経路で突破、まず地上に出て一直線に講堂に向かいましょう。 瑞鳳さん、バスターキャノンの射程は?」

瑞鳳「10メートルってとこ。ただこれ、単機で持ってると機動力が死ぬね」

海風「わかりました。 では第四小隊で牽引します。 戦闘の際は一応隅にでも置いておきましょう」

間宮「言っている側から… 敵機接近、数27。 戦闘まで残り100秒!」

海風「全機、オールウエポンズフリー! 交戦、開始してください!」


イベント 直下

海風「第二小隊、正面へ! 第三小隊は各小隊のフォローをしつつPBCの護衛を! 第一小隊は右側、第四小隊は左側から攻めます!」

榛名「そこを、退け!」


スライサービットが射出され、立ちはだかる数機のMSを切り裂く。その後方からヴィドフニルとスヴァジルファリが砲撃を行い、敵の数を減らして防御の薄くなった場所にスレイプニルが吶喊し敵の勢いを削ぐ。


間宮「天城さん、敵さらに接近!」

天城「くっ…!」

ウォースパイト「任せなさい! Spred Mode!」

瑞鳳「青葉さん、フォローを! 萩風ちゃん、やるよ!」

青葉「了解!」

萩風「はい、お母様!」


右側から切り込むエピオンとエクシアが敵を蹂躙し、青葉の攻撃が複数機の敵機を纏めて葬る。

そしてその逆サイドからは海風と神通が突撃し、それを霞がフォローしていた。


海風「先輩!」

神通「天剣、絶刀!」

霞「あの2機、速いけど… こっちだって!」

時雨「荷物が無ければ暴れられるのに…!」

春雨「…! まだ何か来ます!」

三日月(オ)「春雨、無人機じゃないみたいだ」

春雨「え…?」

三日月(オ)「速度が速すぎる。それに、妙な殺気だ…!」

霞「でも、敵じゃない…?」


そして、数条のビームが敵機を薙ぎ払う!


海風「味方…?」

神通「私達を避けた攻撃、これは一体…」


到着した援軍 直下
1.『RX-0[M]』『RX-0[G]』『RX-0[V]』『RX-0[H]』
2.親衛隊一同
3.その他(内容も ただし一部キャラはNG)

そしてさらに多数の屈折するビームが敵機を貫き、接近する機体の殆どを撃破する。


天城「姉さん、このビーム…!」

榛名「『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』の…」

間宮「識別確認! これは『RX-0[M]』!?」

海風「その型番は…」


その直後、光の翼を纏った機体が猛スピードで敵陣へと突撃し翼で複数機を薙ぎ払う。

さらに一撃のビームが数機を纏めて射抜き、敵を屠った。


青葉「『ネージュ・エール』と『グシスナウタル』… まさか…!」

間宮「『RX-0[G]』と『RX-0[V]』!?」

霞「『マーナガルム』『ヴェズルフェルニル』『ガルム』…!?」

「そう言うことだよ!」


全員の前に降り立ったのは重装甲を纏った白いMS、そして榛名達と同系統の『RX-0』。

通信ウインドウが開き、そのファイターが露となる。


榛名「阿武隈!?」

阿武隈「ごめん、大鯨さんから天城姉さんが拉致されたって聞いて… 詳しいことは秋月ちゃん達には聞いたよ。同じ場所から操ってるから」

榛名「いや、そもそもどうやってここに… ここ奥多摩でバスすら無い場所ですよ!?」

陽炎「そりゃ拉致よ。大鯨さんにやられた」

長波「早朝叩き起こされたと思ったら拉致られて、高速法定速度ギリギリでかっとばした上に変な裏道使いまくって…

挙句山に入ったら道なき道を走らされて学校の前に放り投げられたんだよ。 お陰で満潮が酔ってダウンしたぞ」

瑞鳳「ごめん!後で〆とく!」

天城「って、満潮も!?」

満潮「うぷ… まだ気持ち悪い…」

陽炎「アンタ、操縦して大丈夫なの?」

満潮「吐いたらアンタにかけてやる…」

陽炎「私に被害及ぼすのやめなさいよ!」

榛名「どうして満潮まで…」

満潮「一応、アンタ達とは戸籍上は義理の姉妹だし… 元凶がアンタとは言え拾って貰った恩もある。

それに… こんな虐殺まがいのことを見過ごせる程薄情じゃないわ…!」

榛名(こうなった以上仕方無い… 機体も隠匿したかったし、何より妹達をこんな事態に巻き込みたくはなかったけど…!)

榛名「では4人とも、無茶しないでください。 それぞれ海風さんの指揮下、彼女の指示に従うように」

参入

マーナガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
強化装備ユニット『ヤールングレイヴル』
・リモート・アタックユニット『スコール』『ハティ』
・スフィア・フォーカス・ビームキャノン×12門
・クローアーム×2

阿武隈の使用する『マーナガルム』の『本来の姿』。中学生向けに敢えてデチューンしていたものを元に戻した仕様。
最大の特徴はグリンカムビ同様の強化装備『ヤールングレイヴル』を装備していること。
『ヤールングレイヴル』はグリンカムビの『ドラウプニル』とは真逆の近接特化仕様でありIFジェネレータや重装甲による堅牢さ、両肩の巨大ブースターによる高い加速力、そして金属すらも容易くねじ切るパワーのクローアームなどを用いた突撃戦法を得意とする。
一応五指もあるが戦闘では殆ど使われることは無く、もっぱらクローアームが使われることが多い。
武装は脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で、ビームが軌道を変えながらオールレンジ攻撃を行うのが特徴。
『スコール』『ハティ』は両肩のブースターに内蔵される形式に変更となったが先端にドリルが付き、貫通した敵のエネルギーを奪う機能も付いている。
『コード・ブレイヴ』発動時には高い加速性とパワーがさらに向上し、敵を文字通り『粉砕』することが可能。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ヴァルアルム』。


ヴェズルフェルニル(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・ビーム・サブマシンガン
・実体剣『グラム』
・ミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』

陽炎の使用する『ヴェズルフェルニル』の『本来の姿』。
変更点は少なく、背部にミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』を装備したことのみ。
『スキーズブラズニル』はV2ガンダムのものとは異なり、かなり有機的な翼の形状で加速能力は常軌を逸する。
その加速能力は最大で『まともな人間なら目視すら困難になる』ほどで、反射神経に優れた陽炎のみが唯一まともに使うことが出来る装備となった。
また形成された『光の翼』はV2同様武器に転用する事や、放出された余剰エネルギーを集束させて遠隔操作出来る無数の刃『ネージュエール』としてぶつける事も可能。
ただしその反面、エネルギーが常にカツカツであり武装が乏しくビーム・サブマシンガンと専用の実体剣『グラム』しか持っていない。
『コード・ブレイヴ』発動時にはさらに加速能力が上昇、最早手が付けられなくなるが最大加速を維持し続けると自爆しかねない可能性がある。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『アストラナガン』。


ガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・クローシールド×2
・肩部ビームキャノン×2
・専用弓装『グシスナウタル』

陽炎の使用する『ガルム』の『本来の姿』。
元々ガルムは天城の『スレイプニル』や間宮の『スヴァジルファリ』と同系統の機体であり、同じ規格のパーツが使われている。
その為『スヴァジルファリ』と同じ肩部ビームキャノンと2機と共通のクローシールドを武装として持つ。
またステルス性が強化され、余計な装備なしでも『ミラージュコロイド』と『ハイパージャマー』を併用して使用可能。
専用武装は弓装『グシスナウタル』。元々榛名が使っていた武器だが封印され、長波の手に渡った。
グシスナウタルは『必中』の武器であり、一度放てば命中するまで相手を追い続けるビームを放つ。しかし防がれても命中したことになってしまう為、もう一つの能力として『必中』を犠牲にすることでどんな装甲や防御策すらも貫く『必殺』の矢となる。
ただしミラーリングシステムやアブソーブなど『粒子を吸収する』特性を持つ能力には弱く二つの能力の同時使用は不可能であり、そこが弱点。
しかし最大の点はステルスシステムと併用して使えること。そのため『目視出来ない相手が移動しながら必ず当たるビームを撃ってくる』と言う状況を作り上げて相手を恐怖に陥れられる。
『コード・ブレイヴ』発動時は性能上昇の他にクローシールドから巨大な爪を生成する『プラフスキー・バスター・クロー』。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ラフトクランズ・カロクアラ』。



霞「最早原型留めて無いわね…」

榛名「いえ、アレは元々デチューンした仕様でこちらが本来の姿です」

萩風「確かに中学生の戦いにこんな機体が出てきたら一方的でしょうね」

萩風(多分ガンプラ学園も苦戦、どころか一歩間違えれば敗退も在り得る完成度… 海風さん達の機体もそうですが、インフレが凄まじいです)

海風「そして満潮さんの機体は… 『フレスヴェルグ』…」

満潮「何よ、文句あんの?」

海風「いえ… ただ機体の名前に親近感が…」

瑞鳳「北欧神話モチーフならそりゃあるか、フレスヴェルグ」

春雨「あの機体の名前、元々浜風が付けたものなんですけど…」

時雨「まぁ、軽く深夜のアッパーテンションだったからね。あの機体が完成したとき」

海風「アッパーテンションで名前付けられたんですか…!」

三日月(裏)「落ち着け。 そしてその件はあとで問い質せ」


フレスヴェルグ
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・アームド・アーマーDE改×2
・スライサービット×8
・多目的ロングライフル『グングニルⅡ』
・アンカーシールド

概要
『フェンリル』と『ヴィドフニル』のパーツを組み合わせて作り上げられた満潮用の改RX-0。ヴィドフニルとは異なり格闘戦にも対応する。
リングビットの機能はスライサービットが担うことで、余計な装備が少なくなり機動力が微妙に上がった。
またスライサービットを本体の加速装置として利用する事も可能で、瞬間的な加速で間合いをつめて銃身から展開したサーベルで貫くといった戦法も可能。
アンカーシールドは格闘武器としても使用出来る。その為高い切断力を持ち、ある程度ならガンプラすら切断する。
コード・ブレイヴ発動時の能力はヴィドフニルのものより出力の上がった『プラフスキー・フルクラム・ブライカーⅡ』。
塗装は灰色、NT-D発動時の色は緑色。モチーフは『リ・ブラスタT』。

《その頃 屋外》


大鳳「愛宕さん!」

愛宕「わかってるわ!」


迫るベルガ・ギロスへとサーベルを突き立て、そして切り裂くのはオレンジ色の機体『スクランブルガンダム』。

海風の使用していた機体を愛宕は先程回収しておりそれを用いて戦っていた。


愛宕「スクランブル… 暴走はしないようね」

大鳳「瑞鳳が暴走しないように手を加えてるみたいだけど… その代わりに操縦性が悪いわ…!」


大鳳が使っている機体も『スクランブルガンダム』、こちらは前日に海風達の鹵獲した機体を黒くリペイントして用いた物だ。

そして2機、特に暴走した大鳳用のスクランブルには徹底した対策が施されておりその代償に操りにくくなっている。


蒼龍「纏めて片付ける! 飛龍!」

飛龍「よしっ! トランザムッ!」

蒼龍「ソーラーシステム、起動!」


飛龍が駆る新型『ダブルオーライザー・クロイツ』が赤い輝きを帯びてトランザム状態へと変化し、蒼龍の『ガンダムDX・クロイツ』もソーラーパネルが輝きサテライトキャノンの砲身が展開される。

そして2機のMSから極大の粒子の奔流が解き放たれた!


飛龍「ライザー、ソォォォォドッ!」

蒼龍「サテライトキャノン! 発射!」


粒子の奔流が戦域に居る敵機の多数を呑み込み、そして葬り去る。 2機の前には何も残らない。膨大な熱量に耐え切れず数十機ものガンプラの存在は跡形も無く消えてしまった。


飛龍「いけるっ…! この機体なら!」

浜風「調子は悪く無いようですね、その新型」

飛龍「当たり前よ。 出来たばかりの、新型機よ」


ダブルオーガンダム・クロイツ
武装
・GNソードⅢ
・GNビームサーベル×2
・GNバスターソードⅡ
・GNソードⅡブラスター
・GNカタール×2
オーライザーtype-H
・GNビームマシンガン×2
・GNマイクロミサイル×8
・GNウイングソード×2

概要
飛龍用の新型で『ダブルオーガンダム』の改造機。『RGシステムtype-Z』を搭載していることは他のクロイツシリーズと共通。
武装は『ダブルオーライザー・セブンソード/G』とも言うべき装備となっており、高い近接能力を持つ。
性能は他の機体と遜色なく、瑞鳳のエピオンとも互角以上の性能を誇る。
そして瑞鳳謹製の『オーライザーtype-H』には『周囲の粒子を取り込んで火器へとまわす』事が出来る特性を持ち、DX同様高い継戦能力を持つ。
また翼部がブレードとなっており、オーライザーをも近接武装としても使用可能。
本機の製作には『ウイングガンダム・アズライト』の基礎データが使われており多数の剣を装備するなど共通点が多い。

夕雲「浜風さん、このエリアの敵は殲滅しました。これからどうします?」

浜風「如月さん、戦闘へ継続可能ですか?」

如月「ええ。『ラタトスク』以下3機、戦闘に支障は無いわ」

野分「損傷軽微、戦えます…!」

秋月「エイクスュリュニルも問題ありません」

浜風(どうする…? 瑞鳳さんや海風と合流すべきか、このまま結晶体のある講堂に突入するか…)

浜風「…別働で動いてやられるより、集まったほうが得策でしょう」

愛宕「このまま突入しないの?」

浜風「嫌な予感がします… ぞれにこのまま突入しても、瑞鳳さん達が居る訳では無いので結晶を破壊出来ませんし」

浜風(最も怖いのは『因果』… 私達は昏睡病との戦いの中で敗れ、倒れたと神通さんは言っていた。 それがいつ、どのタイミングかは聞いていないけど…

だけどこの編成に瑞鳳さんだけが別行動を取っていると言う状況自体がある種の『フラグ』かもしれない。 今は確実、堅実に生き残る手段を見出すしか…!)

飛龍「何よ、浜風にしちゃ消極的じゃない」

浜風「人間、臆病なくらいが丁度良いんです。 このまま校舎に突入、瑞鳳さん達と合流を図ります」


移動した後、彼女達は知らなかった。 その選択は間違いで無かったことに。

何故なら直後に…


「チッ… 逃げられたようだ」

(ここで仕留める筈が… 予定外の動きだな。 まさか、向こう側に…)

「考え過ぎだな。 イレギュラーは居れど、この局面を乗り越える事は出来ん」

「どうなさいますか?」

「奴等は必ず講堂に向かう。そこを待ち伏せ、全滅させるぞ」

「「ハッ!」」


三人の男の操るガンプラが踵を返し、講堂へと戻っていく。 そしてそのガンプラは大鳳と愛宕の機体と、良く似ていたのであった。

《渡り廊下》

海風「識別信号、『LN-ZGMF-X13K』… うげっ…」

浜風「また『うげっ』って言いましたか?」

瑞鳳「はいはい、喧嘩しないの。 状況は?」

浜風「敵の攻勢は止んで防戦に回った模様です。 中の様子は愛宕さん達が威力偵察を行ってきたのですが…」

愛宕「うぷ… ごめん、私には…」

大鳳「どうして、あんなこと出来るのよ…!」

浜風「愛宕さんと大鳳さんがグロッキー状態で…」

海風「…凄惨なんですね」

浜風「ええ。 海風、貴女達は『こちら側』に来なくて良い。 いや、来ないで」

海風「いいえ、行きます。 ここに来るまで、何人もの遺体を見てきました。彼等の弔いの為にも、行かせてください」

浜風「しかし…」

霞「私も、覚悟は出来てます。 私がこの事件の原因の一端であるなら、私にはこの事態を終わらせる義務がある」

浜風「霞さんまで…」

神通「私は元々『そのつもり』でこの時代に来ました。 それに深海棲艦の侵攻で、死は見慣れています」

萩風「それに戦力はこれから足りなくなるかもしれません。 優秀な指揮官とEXAMに狙われる危険のある者ならば、かなりの戦力を割く必要が出ますよ」

浜風「それは… …わかりました。 では引き続き海風はそちら側の中隊指揮を執って下さい。 私はこちらの中隊指揮を行います」

海風「言われなくともそのつもりです。 で、二方向からの同時侵攻と一点突破、どっちにします?」

浜風「勿論… 一点突破が最善手です」

霞「え、二方向なら敵が分散して…」

海風「それは戦力が分かっている相手にのみ有効な手段です。 相手は数もその能力も分からない、だから現状は密集が最善手なんです」

浜風「さらに言えば二方向より一点集中の方が互いをフォローできる点において生存率がこちらの方が上でしょう。まぁこちらを丸々飲み込むような大出力砲撃とかには無意味ですが」

海風「では… 行きましょう」


《講堂》


海風「酷い…」

萩風「取り残されてた人達は… 皆殺しにされてます。もう、誰も生きてはいません」

霞「こんな… さっきまで生きてたのに、こんなの… 人の死に方じゃない…!」

神通「仇は討ちます…!」

陽炎「一応忠告しておくけど、死に呑み込まれないでよ。 死者って言うのは平気で生者の枷になって、引き摺られて死ぬ人間だって居る。

それにこんな状況じゃまたいっぱい人が死ぬ。 今の内に刻み込みなさい、その目に。 本当の『理不尽な死』がどう言うものかをね」

天城「…」キッ

榛名「天城、抑えてください。 怒りを覚えるのは分かりますが、冷静さを欠かないように」

天城「頭で分かってはいますが…!」

間宮「これは私でも、抑えられません…!」

青葉「元凶の頭、爆破してやる…!」

長波「こっちも、久々に頭にキたよ…!」

阿武隈「絶対に許さない、生かしちゃおかないから」

満潮「散らして貰うわよ、手向けの紅い華をね」

瑞鳳「『真紅の戦乙女』の名にかけて、一人残らず叩き潰してやるわ…!」

AGP神通改二が手に入ったからスターリリイ風にしてみた。

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira147358.jpg

>>186
写真ありがとうございます。AGP神通押入れに仕舞ったままだから出さないとなぁ…(あと今エクシアルベルムっぽい何かを作ってます)



間宮「ッ…! 敵機接近! 数70!」

海風「また無限涌きのコピー体…!」

浜風「ですが前回と違う… 今回は明確に、戦略的な行動を取っている…!」

瑞鳳「意思を持った虐殺、それに機体同士の編隊行動と連携… 指揮官が居るね」

榛名「明確に『防戦行動』を取っている時点で確定でしょう」

神通「それにコピー体を増殖出来ると言う事は間違いなくスドウ・シュンスケと同じナノマシンを使っています」

萩風「『特別製のEXAMナノマシン』であれば間違い無く元凶か、それに近い人間が居ると言うことです…!」

阿武隈「こっちの戦力はMS26機… 多勢に無勢かな?」

夕雲「大丈夫ですよ。 個々の機体性能はこちらが遥かに上、さらに言えば操り手の腕も指揮官の手腕も上です」

春雨「世界クラスのファイターに全日本クラスのファイターが揃っています、はい」

三日月(オ)「虫みたいに沸いて来るならチマチマ全部潰せば良いんだろ?」

時雨「だけど相手は無限に沸いてくるゴキブリと同じだ。長期戦は無理、短期決戦で黒幕を引っ張り出すしかない」

霞「先生、大丈夫ですか?」

愛宕「ええ… 生徒が頑張ってるのに、教師がヘバる訳にはいかないもの…!」

大鳳「それにこの状況見過ごせばこれ以上の人間が死ぬかもしれない… なら止めなきゃ…!」

浜風「準備は良い、海風?」

海風「言われなくとも…! こちらの指揮下の小隊全機へ! 第一、第二小隊を主力に展開! 互いが互いをフォローしつつ、ここを突破する事を優先してください!」

浜風「こちらも蒼龍さんと飛龍さん、夕雲を中心とする第一小隊を主力に展開! 海風達の部隊との連携を取りつつ前進!敵は無限ですが、質はこちらが遥かに上です!」

海風「では、突入準備! 全兵装使用自由! 最優先目標を『黒幕』もしくは『粒子結晶体』と設定! また全員の生存を以って今回の戦いを勝利とします!」

浜風「こちらも、オールウエポンズフリー! 最優先を全員の生存とこの事態の元凶の撃破と設定! 全機、ここで倒れることは断じて許しません!」



海風「全機、交戦開始!」

浜風「オープン、コンバット!」



イベント 直下

ウイングガンダム・アズライトがツインバスターライフルを放ち正面のグレイズを破壊する。そして背後から襲い掛かるデナン・ゲーの斬撃を背中に装備された『アズライトウイングブレイド』を抜き放ち防ぐ。

そしてそのままパワーで押し切り、ウイングブレイドでデナン・ゲーを両断しバスターライフルを使って残骸すら残さず消滅させた。


海風「これなら、再生出来ないでしょう!」

阿武隈(あの時戦った時より遥かに腕があがってる… 完全に敵の動きを先読みして、これがあの子の力…?)

阿武隈「私も、負けてられない!」


脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で迫るトーラスの機体を穴だらけにして爆散させるマーナガルム。

そしてクローアームで掴んでいたビルゴを握り潰して粉砕した。


霞「エグい戦い方するわね…」

長波「あれでもまだ加減してる… 来るぞ!」


霞と長波は背中合わせでそれぞれレールガンと『グシスナウタル』を放ち敵を纏めて撃破する。

そして開いた進路をヴェズルフェルニルとインフィニットジャスティス・ロンギフローラムが駆け抜け、敵陣へと切り込む。


陽炎「『ネージュエール』、いきなさい!」

神通「我が刃よ敵を裂け! 密天、烈風!」


振るわれる一筋の刃と白き無数の小さな刃が並み居る敵を八つ裂きにして数多の爆発を生み出す。

パールホワイトのヴェズルフェルニルと百合の花を模った白のロンギフローラムが並び立ち、その刃を以って敵を全て切り裂いた。


瑞鳳「榛名さん!」

榛名「了解!」


そして『真紅の戦乙女』と『純白の神狼』が戦場を駆け、神通達を上回る量の爆発の光で戦場を満たす。

純白の機体と真紅の光を帯びた機体が無数の敵へと挑みその悉くを殲滅していく。


海風「…次元が違いすぎます」

阿武隈「あの二人は桁違いだからね」

間宮「気を抜かないで! 大型熱源反応確認、MAと推定!」

海風「MAクラスまで…!」

浜風「来た…! あれは… ラフレシアと、αアジール…?」

夕雲「違います…! GジェネレーションシリーズのオリジナルMA、『エビル・ドーガ』です!」


2機のMAから放たれるビーム砲撃、それを回避した海風達はMA2機への対処を行おうとする。

だが1機のMSが突出し、攻撃を開始した。


海風「三日月さん!?」

三日月(オ)「別に、このデカイのならこっち一人で対処出来るよ」

海風「し、しかし…」

浜風「海風、三日月は… 巨大なMAの対処に、最も秀でているんです。対・MAに関しては我々を遥かに上回っています」

海風「え…」

浜風「観ていてください。多分、1分持てばまだマシです」

三日月(裏)「さて… 適宜切り替えてアレを始末するとしよう」


バルバトスがバインダーから2本の太刀を引き抜き、構える。

そして突出したバルバトスへと向けて幾多もの砲火が放たれた。


三日月「成る程、迎撃機としては優秀ですね。無駄に弾幕が厚いですから。しかし…」


砲火を切り抜けながらバインダーに装着している遠距離用レールガンの照準を合わせてエビル・ドーガの正面にあるメガ粒子砲へと砲撃を叩き込む。

メガ粒子砲を破壊した三日月はラフレシアを無視して真っ直ぐエビル・ドーガへと突っ込み、太刀で頭部を抉り取る。


三日月(裏)「やはり、ただの的だ」


そして失った頭部があった場所、内部が露出した場所へとバインダーのレールガンを放つ。

バルバトスはエビル・ドーガを踏み台としてラフレシアへと対処を始める。次の瞬間エビル・ドーガは叩き込まれたレールガンによるダメージに耐え切れず内部から崩壊した。


三日月(裏)「無駄に肥大化したMAなど、どれだけ砲をつけようと所詮はただの的に過ぎん…!」


ラフレシアはテンタクラーロッドと正面のビーム砲を使ってバルバトスを迎撃する。しかしバルバトスは止まらない。

テンタクラーロッドを太刀で切り裂きながらラフレシアへと突撃し、一本の太刀を投棄してソードメイスをバイダーから取り出す。


三日月(オ)「コイツは春雨の敵なんだ。 なら、壊す」


そしてソードメイスによる一撃をラフレシアのコクピット部へと叩き込み、ラフレシアはその機能を完全に止める。

さらに追撃と言わんばかりにレールガンによる砲撃を加え、機体を誘爆させてラフレシアを爆散させた。


三日月「――――命中」




霞「嘘でしょ…?」

海風「一分未満で、2機のMAを攻略した…?」

浜風「三日月は、公式な大会にはほぼ参加していません。 ですが彼女は『MA殺し』としてならば、飛龍さんをも余裕で凌ぎます」

三日月(オ)「あんなの、ただの木偶でしょ。 人型よりデカイ分ただの的だ」

陽炎「的って言い切った…」

瑞鳳「でもアレ、まだ本気じゃないってのがね…」

夕雲「『本物の暴力』、あれが出て来ない限りは…」

榛名(あそこまでの人間はガンプラ塾に居なかった… 恐らく同じ機体でやれと言われれば、榛名でも倍以上の時間がかかる。 ある意味、恐ろしい才です)

霞「!」ピキィン

榛名「ッ…!?」

天城「何、この感じ…!」

満潮「肌が、張り詰めて…」

如月「酷い敵意…!」

蒼龍「青葉! アンタの感覚は!」

青葉「…分かりません」

飛龍「アンタ、心を読み取るんじゃないの!?」

青葉「形容、出来ないんです…! 冷たいような、熱を持ったような… 何か複雑な、混じりあった『何か』が…!

言語化できるとしたらただ一つ、『殺気』と言う言葉だけです!」


次の瞬間、数条のビームが海風達へと放たれる。 そのビーム正確に、そして的確に『霞』を狙っていた。

だがそんな攻撃の前に3機のMSが割り込む。


榛名・秋月・満潮「コード・ブレイヴ! 『ミラーリングシステム』、展開!」


3機のMSがスライサー・ビットを展開してビームを拡散・吸収する。

そして中央に居る榛名が敵意を露にし、ビームが放たれた方角を睨んだ。


榛名「不意打ちとは卑怯な… 姿を現せ、下郎…!」

「ほう、下郎とは… 騎士に言うべき台詞では無いな」

榛名「下郎で無いと言うのなら、外道か下衆か… それとも屑とでも言いますか?」

間宮「敵数3、識別開始… 形状から『スクランブルガンダム』と断定!」

ウォースパイト「気を付けて! あの機体、3機ともオリジナルからチューンされてる!」

「アナハイムの小娘か… それに、『死すべき者』と『進化の導』を持つ人間がこうも集まるとは… まさしく僥倖と言うべきだな」

海風(死すべき者…? まさか…!?)

「貴様等全員、ここで終わらせてやろう。 後の世の為、そして『EXAM』の贄となるが良い!」

瑞鳳「誰が…! 消させはしない、そして未来を奪わせはしない!」


ニムバス「刻むが良い! ニムバス・シュターゼンの名を! セルジュ、トリスタン! かかるぞ!」

セルジュ・トリスタン「はっ!」


同時に現れる無数のコピー体、青く塗られたスクランブル2機と肩がオレンジに塗られたスクランブルが同時に彼女達へと襲い掛かる。

海風と浜風は互いに目を合わせ、そして互いの意識が通じ合ったかのように指揮を下した。


浜風「あの3機を落とせばこの戦いは終わります! 全機、連携を維持しつつ攻撃開始してください!」

海風「第一第二小隊は中央の、ニムバス・シュターゼンを名乗る者を攻撃! 残りは2機の改造スクランブルを攻撃しつつコピー体の迎撃を!」


視点選択 直下
1.瑞鳳&榛名『VSニムバス』
2.海風『VSトリスタン』
3.阿武隈『VSセルジュ』

side-阿武隈-


『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』を放ち青いスクランブルへと攻撃を行う阿武隈。全方位ビーム攻撃を回避するスクランブルの機動性に四苦八苦しながらも攻撃を続ける。


セルジュ「そのような攻撃では!」

阿武隈「当たらない… 聞いてた以上に速い!」

長波「なら… 奔れ、『グシスナウタル』!」


弓装『グシスナウタル』からビームの矢が屈折しながら放たれスクランブルへと目がけて矢が駆ける。回避行動を行うセルジュだが『グシスナウタル』の矢は『必中』であり回避する事は不可能。

そして矢が直撃するが、スクランブルは傷一つもつかない。


セルジュ「こちらに当てるか…!」

長波「なんだコイツ、堅い!?」

陽炎「耐粒子コーティング…! 生半可な攻撃は通じないわよ!」


足を止めたスクランブルに『グラム』を抜き放ったヴェズルフェルニルが加速し斬撃を加えるがスクランブルはサーベルを抜いて防ぐ。

パワーで劣るヴェズルフェルニルは押し切られそうになるも満潮のスライサー・ビットがフォローの射撃を行い相手を下がらせる。


満潮「アンタの機体は『脆い』のよ! 無闇に接近戦を仕掛けないで!」

陽炎「アイツに追いつけるのは『ヴェズルフェルニル』だけよ! アイツ無駄に運動性高くて…」

阿武隈「なら… フォーメーションを使う! 満潮ちゃん、フォローお願い!」

満潮「ちょ、フォローって…」

阿武隈「行くよ、二人共! NT-D、起動!」

陽炎「リミット解除、ここから飛ばしていくわよ…!」

長波「認証確認、『コード・ブレイヴ!』」


3機の装甲が裂け、蒼い燐光を纏いながら『ガンダム』へと変身する。 さらに全身から燐光溢れ出し全身が光に包まれた。

そしてまずヴェズルフェルニルの背部に装備された『スキーズブラズニル』から白い光が放出され、翼の形を形成していく。


陽炎「マッハで駆けるわよ、ヴェズルフェルニル!」


そう陽炎が告げると、ヴェズルフェルニルが凄まじい速度でスクランブルとの距離を詰める。

咄嗟に反応したセルジュだが既に遅く、正面に居た筈のヴェズルフェルニルは背部へと回り込んでおり『グラム』による斬撃が直撃した。


セルジュ「くっ… しかし!」

陽炎「遅い! 『ネージュ・エール』、切り刻め!」


放出される余剰パワーの塊が無数の刃を形成し、スクランブルへと殺到するがセルジュはその攻撃をシールドで防ぐ。


セルジュ「その程度では!」

長波「なら、盾を壊せば良いんだろ! ブチ抜け、『グシスナウタル』!」


先程とは違う、真っ直ぐに進む光の矢が『グシスナウタル』から放たれ『ネージュエール』の刃を防いでいたシールドを粉砕する。

本体の破壊こそ出来なかったもののライフルと一体化しているシールドを粉砕したと言う事は射撃兵装を喪失したことと等しい。


セルジュ「なっ!?」

阿武隈「今! マ-ナガルム! ファイナル・ウルフ・ストライク!」


猛スピードで直線加速するマーナガルム、そしてマーナガルムに気圧されたセルジュの判断が遅れ体当たりが直撃し壁へとたたきつけられた。

そして阿武隈は腕に装備されたクローアームを展開して振り下ろそうとするが…

阿武隈は直感的に『何か』を感じ取り機体を下がらせる。言葉で言い表せないような恐怖、追い詰めたと言うのにまだ余裕を見せる異質さが阿武隈の戦場で培った勘が警鐘を告げた。

そして次の瞬間、スクランブルが震え上がり全身のクリアパーツが赤い色へと変色しツインアイが赤く発光を始める。


セルジュ「子供が私に、コレを使わせるとは…!」

阿武隈「まさか… 『EXAMシステム』…!?」

満潮「どう言う事? 私達の機体だってNT-Dを積んで…」

陽炎「そうじゃない! あの機体、『本物のEXAM』に接続してるのよ!」

長波「こっちのガンプラはあくまでも『NT-Dの擬似的な再現』でしか無い、だけどあっちは『オリジナルのEXAMシステム』を外部接続させて使ってるんだ…!」

満潮「なっ…!?」

陽炎「アイツ等はそのEXAMを使う機械をナノマシンサイズまで縮小させる事に成功してる。 ならこんな芸当も不可能じゃない…」

セルジュ「これを見られた以上、益々貴様等を生かして返す訳にはいかんな」


阿武隈は思案する。 どうすればあのEXAM搭載機に対処出来るか、どうすれば倒せるかと。

だが答えは浮かばない。擬似的な『ニュータイプ』能力を再現するシステムであるEXAMを倒す術を見出せない。


阿武隈(EXAMの特性… NTを検知する事で暴走を行う、もしくは多数の死と殺気の検知による暴走… だけどこの場にNTと言える人間は一人しか居ない!)


しかしその肝心なNTは現在もう1機と交戦している。 そして彼女を巻き込む事は阿武隈の本位では無く、その思考を即座に打ち消す。

だが阿武隈は一つ肝心な事を思い出した。 それは数ヶ月前の事、榛名が珍しくスパロボ以外のゲームを買ってきた時の事だ。



阿武隈『何これ?』

榛名『Vの限定版が売ってなかったので… ワゴンで見つけたから買ってみたんです』

陽炎『『サイドストーリーズ』… なんでよりによってコレなのよ…』

榛名『陽炎達まだガンダム知識薄いじゃないですか。 それを補う為に、これで1年戦争時代の外伝シナリオを振り返ってください』

長波『本音は?』

榛名『限定版が売ってなかった腹いせです』

阿武隈・陽炎・長波『やっぱりね!』


自分の知識の薄さ(当人は塾生時代に全部学んだと言っていたが私達と大差無い)を棚に上げて自分にアレなゲームを押し付けた姉。だが今、それが生きた。

EXAMについて、もう一つだけ対処する方法がある。 そしてその策を実行する為にある人物へと通信を繋いだ。


阿武隈「海風ちゃん!」

海風『阿武隈さん、相手がEXAMを…』

阿武隈「こっちも! だから、相手をEXAM同士で『共鳴』させる!」

阿武隈は失念していた、EXAM機は設定上同じ戦場に複数機存在していた場合同士討ちを始めることを。

そしてその事を思い出した今、唯一EXAMに対抗出来る手段がこれであり阿武隈に思いつく『最善』だった。


海風『…分かりました。EXAMを倒すにはEXAMを使うしか無い。そして利用出来るのは…』

阿武隈「敵のEXAMしか無い、ってことだよ…!」

海風『ではタイミングはそちらに合わせます。 霞、お願いします』

霞『分かった…!』


本来二人は互いに手を取り合える相手では無い。 全国大会と言う場で争い合う筈の敵だ。

だが今だけは『共通の敵』が居る以上手を取り合い打ち倒すしか互いに未来は無い。だから二人は互いの蒼い目を合わせて頷く。


阿武隈「行くよ…! 3人共、私に付いてきて!」

陽炎・長波「了解!」

満潮「ちょ、何する気よ!?」

阿武隈「話はあと! 今はアレから逃げるよ!」

陽炎「満潮、掴まりなさい! こっちの方が速い!」

阿武隈「長波ちゃんも、マーナガルムに!」


フレスヴェルグはヴェズルフェルニルを掴み、マーナガルムがガルムの腕を掴んだのを確認すると2機は加速する。

2機の加速性は改RX-0の中でも抜群に高く、MSを1機牽引しようとその速度は落ちることが無い。


セルジュ「逃がさん!」


追いかけるスクランブルに向け手の空いている長波と満潮が『グシスナウタル』と『グングニルⅡ』を使って迎撃を行う。

倒す事が出来なくても牽制にはなる、その目論見通りにスクランブルは小刻みに回避運動を行う為速度が少し落ちていた。


セルジュ「チィッ…!」

阿武隈(目標地点まであと10秒、逃げ切るしか無い…!)

海風『こちらも退避行動開始! カウント! 10、9、8…』


海風がカウントしながらZZをジャスティスと協力しながら牽引してくるのを阿武隈は目視する。

そしてモニターに映る海風と目を合わせ、同時に叫んだ。


海風「今です!」
阿武隈「今!」


機体を急上昇させる7人、急加速を用いてスクランブルを引き剥がす。それを追いかけようとスクランブルも加速するが、様子が変わる。

距離を離されたことで互いが共鳴し最優先目標が変更され、お互いを狙うようになったしまったのだ。


トリスタン「くっ… 何をしている、何故こちらを!」

セルジュ「コントロールが利かん! どうなっている!?」

陽炎「バーカ。 アンタ達は自分の力に溺れてんのよ。 勝手に潰し合って自滅しろ」

長波「EXAMを切っておくんだったな、このバカ共」

神通「システムの本質も機能も理解しないで使うだけ、とは… 愚かにも程があります」

阿武隈「そう言うこと。 しかも暴走状態のEXAMはシステムカット出来ない、どちらかが消えるまでね」

霞「互いに滅ぼしあって、自滅を辿りなさい」

満潮「まさかこんな対処法があったとは…」

海風「阿武隈さん、助かりました」

阿武隈「別に良いよ。 ここで倒されても困るし、気にしないで。 それより、結晶体の破壊に向かうよ!」

side-瑞鳳&榛名-


ニムバス「受けよ、我が裁きを!」

榛名「この感覚… EXAM! NT-D!」

瑞鳳「オリジナルのシステムを… なら、私も!」


赤い光を纏うスクランブルガンダムと相対する榛名の『フェンリル』と瑞鳳の『ガンダムエピオン・クロイツ』の2機。

そしてEXAMの力に対抗すべき蒼い燐光を放つフェンリルと明鏡止水の域に至った瑞鳳と同期し黄金の光を纏うエピオンが、スクランブルへと襲い掛かる。


ニムバス「面白い…!まずは貴様達を狩るとしよう!」

瑞鳳「黙れ」

ニムバス「何っ!?」

瑞鳳「黙れと、言った…!」


瞬時に間合いを詰める瑞鳳、咄嗟にサーベルで防御を試みるニムバスだがそれが間違いだった。

瑞鳳はシールドからマスタークロスを展開し脚部を縛り上げ、そのまま振り回す。


ニムバス「コイツっ…! 離せ!」

瑞鳳「でやぁぁぁぁぁぁっ!」


その勢いで壁へと叩き付け地面へと放る。 そして剣を振りかざして一撃を放つ!


瑞鳳「奥義!天剣、絶刀!」


放つは神速の刃、間一髪姿勢制御を行う事で回避するニムバス。 回避された不可視の衝撃波が講堂の地面を切り裂く。

だが大振りな一撃故の隙が出来、ニムバスはそこを狙う。しかしニムバスの思うようにはいかない。


榛名「一人だけだと思うな!」

ニムバス「チィッ…!」


2本のビームアックスを振るい、スクランブルと鍔競り合う榛名のフェンリル。

榛名とニムバスの技量差はほぼ無い、それどころか榛名が一歩押している。 そして機体性能も榛名の方が高く、徐々にスクランブルはパワー負けして追い込まれていく。


ニムバス「何故だ! この機体は、最強の機体の筈だ!」

榛名「いいえ! その機体はあくまでも中途半端な技術模倣で出来た機体、こちらの機体が『本物』です!」

瑞鳳「そんな機体でオリジナルの技術で出来た機体に勝てると思うな! 秘技・十二王方牌大車併!」


背後からエピオンを模した小型の分身がスクランブルを押さえ込み、機体の動きを封じた。

そして瑞鳳と榛名は互いに顔を合わせて頷き合いトドメの構えを取る。


ニムバス「う、動けん…!」

瑞鳳「流派・東方不敗が最終奥義!」

榛名「コード・ブレイヴ… アローモード、マテリアライズ!」


瑞鳳「石波ッ!天驚けぇぇぇぇぇんっ!」
榛名「エクサブレイヴ・シュート・オーバァァァァァッ!」


黄金の拳と蒼い粒子結晶が同時にスクランブルへと殺到し、既にスクランブルは逃げる術を失っている。

そしてそのまま2機の一撃がスクランブルの機体を飲み込み、衝撃波が周囲一体を吹き飛ばした!

瑞鳳「やった…?」

榛名「これでは原型も留めていないでしょうね、機体は。 まだ、妙な気配を感じます…!」

『まずは褒めてやろう! 今回の戦い、貴様達の勝ちだ!』

瑞鳳「ッ…! ニムバス・シュターゼン!」

ニムバス『だが次はこうはいかんぞ… 貴様達に未来など無い、この局面を乗り越えたところでな!』

榛名「それは、どうでしょうか?」

ニムバス『そして貴様等の行いが無駄であると、思い知るが良い! さらばだ!』


BATTLE END

パァァァァァァァァ…


瑞鳳「何!?」

榛名「粒子結合の崩壊、恐らくニムバス・シュターゼンの操る『スクランブルガンダム』を破壊したことで粒子が維持出来なくなり結合が崩壊し大気中へと溶けているんです」

時雨「じゃあこの事態は一応収束した、って訳だね」

春雨「何とかなりましたね…」

三日月「しかし… 結局黒幕を倒す事は出来ませんでした」

霞「それに、講堂に取り残されてた人達は…」

海風「彼等の犠牲を無駄にしない為にも絶対に事態を終わらせないと…!」

神通「うっ…!力が…」

萩風「眩暈が…」

瑞鳳「二人共、大丈夫!?」

神通「はい… 今のは、一体…」

萩風「わからない… でも、これは…」

青葉「今は脱出しましょう。 もうすぐここに警察が来るのでしょう?」

天城「厄介事にはもう巻き込まれたくありません…」

ウォースパイト「バズーカやら爆破やら色々ヤバイものがあるものね」

浜風『瑞鳳さん、聞こえますね?』

瑞鳳「そっちは大丈夫?」

浜風『ええ、被害ゼロです。 これからどうします?』

瑞鳳「全員、撤収開始して。 基地で合流、そのままブリーフィングに移るよ」

浜風『了解しました』

《瑞鳳達のアジト》


霞「あー、しんどかった…」

海風「夜も監視されててオチオチ眠れませんでしたし…」

瑞鳳「仕方ないか… ブリーフィングはちょっと休んでからね。部屋は前のトコ使って良いよ。 あと神通ちゃんと萩風ちゃんは医務室に」

神通「何故ですか?」

瑞鳳「さっきの眩暈、明らかに疲れからくるものじゃない。 身体に何か起きてるかも知れ無いからね」

萩風「わかり、ました…」

榛名「あの、榛名達は…」

瑞鳳「あ、これパスです。 車貸すので榛名さんはここから2キロくらい先にあるバー○ンにでも阿武隈ちゃん達連れて行ってあげてください。

どうやら朝どころかお昼も何も食べて無いらしくて。 これで足りますか?」

榛名「充分だとは思いますが… 流石にお金は…」

瑞鳳「後でお母さんから毟り取るから大丈夫ですよ。 あと戻ったら9番以降の部屋使ってください」

榛名「分かりました」



霞「あれ、海風? 部屋行かないの?」

海風「ええ。少し用事が」

浜風「海風… 良かった、無事で…」

海風「少しばかり面貸してください、この馬鹿姉貴」

浜風「ば、馬鹿姉貴!? どこでそんな言葉を…!」

海風「良いから! 来て下さい!」ガシッ

浜風「行く!行くから! と言うか首絞まってる!?」ズルズル

霞(何やってんのよ… でも海風、様子が変… どうなってるの…?)


蒼龍「霞ちゃん、ちょっと」

霞「蒼龍さん?」

蒼龍「ちょっと来て。 サイコミュ弄るから」

霞「は?」

蒼龍「ハシラジマからの贈り物、霞ちゃん用に調整するから来て欲しいの」

霞「えぇ…」


イベント選択 直下
1.海風『事象改変の果てに』
2.神通『消える因果』
3.霞『今を越えて』

side-海風-『事象改変の果てに』


浜風「何でこんな所に…」

海風「話せる相手が一人しか居ないからです。 その『事象』に組み込まれていて、それを乗り越えてしまった誰かさんにしか」

浜風「…事象を乗り越えた…?」

海風「ええ、言葉どおり… どこぞの誰かさんは『滅びの因果』を偶然乗り越えてしまったんですよ」

浜風「え、ちょっと待って… まさか私が『倒れる』事象が起きる筈だったのが、あの場であったと…?」

海風「はい。 ニムバス・シュターゼンが告げた言葉、『死すべき者』と言う言葉… あれは貴女や蒼龍さん達『昏睡病との戦いで敗れ消えた者』の可能性が高いです。

ここからはあくまでも推測でしかありませんが、『死すべき者』と言う単語は恐らくあの場で死ぬべき人間を指していたのだとすれば…」

浜風「図らずも、私は因果を乗り越えて事象を改変してしまったと…」

海風「はい。 それに萩風さんの話ではの学園の学生は本来皆殺しにされ、誰一人も残らない筈でした。 しかし現実には100人程生き残った…

事象改変の波が、定められた未来が徐々に崩壊しつつあります。 その影響をモロに受けるのは神通さんと萩風さん、そして敵も…」

浜風「まさか二人の体調不良は…」

海風「事象改変で存在が不安定になっているのでしょう。 二人の存在を固定する方法は唯一つ、ただしそれは『四人の死』と引き換えですが」

浜風「…」

海風「ですが、敵の方にもそれは言えることです。 敵は明らかに未来を知覚していた… そうで無い限り、彼の言動に説明がつきません。

そしてそこから導き出される結論は二つ、『敵は未来を知る方法を持っている』か」

浜風「もしくは『敵も未来の存在である』と言う事…!つまり事象を改変すれば改変する程…」

海風「敵に後が無くなっていくと言う訳です。 問題はここから、修正力との戦いでしょう」

浜風「本当に修正力と言うものがあるかどうかすら定かではないけど… 少なくとも暫く警戒が必要、でしょうね」

海風「ええ。 まぁ一度乗り越えた以上二度目も余程理不尽でも無い限り避けられると思いますが…

そしてもう一つ、どうにかして先輩達の因果を作らなければこのままだと確実に『消滅』します。 そうなれば後に因果が繋がれるかどうか、禁忌を犯している以上最悪輪廻転生の輪からも外れます」

浜風「分かりました。 この件は瑞鳳さんにも…」

海風「いえ、瑞鳳さんには伏せてください。 先輩と萩風さんを創造したのが瑞鳳さんな以上、何らかの事象が起こらないとも限りませんから。

少なくともこの話は貴女の無駄にデカイ胸の中だけに留めてください」

浜風「…分かった。 海風がそう言うのなら」

海風「しかしこちらとしても考える事が増えました。 相手は『EXAMシステム』そのものを使える、そこが厄介です」

浜風「ええ。 マトモに対抗出来る者は少ない以上、悩みの種です」

海風「今回は敵が同時使用と言うヘマをやらかしてくれたお陰で対処出来ましたが次はそうはいかないでしょう。 どうやってEXAMを撃破するか、それが当面の課題になるかと」

浜風「『あちら側』の間宮さんのように『HADES』を使える人間が居れば… それか向こう側のNT軍団か…」

海風「確実にEXAMを潰す算段を整えない限り、こちらに勝ちはありません。 そして勝ち筋を整えるのが海風達『戦術指揮官』の務めです」

浜風「海風… ええ、その通りです。 私達が勝ち筋を見出さなきゃ、未来なんて得られない…!」

海風「妹に言われるまでそんな事も忘れているとは…」

浜風「忘れてなんてないけど… 再認識しただけで…」

海風「そう言うことにしておきますよ… 眠いので寝てきます」

浜風「海風… ありがとう」

海風「別に、感謝される謂れはありませんよ。 海風は未来が欲しい、そして先輩達に消えて欲しく無いからやっているだけです」

海風(そう… もう海風は、止まれない…! 先輩達に、消えて欲しく無いから…!)

《数時間後 ブリーフィングルーム》


海風「ふぁ…」

瑞鳳「あ、起きた?」

海風「あ、はい… 霞や先輩達は?」

瑞鳳「まだ寝てるよ。 余程精神的にキツかったみたいだからね」

<えぇ~発表によりますと学園生の大半が犠牲となっており、死者行方不明者共に相当数に…

海風「…」

瑞鳳「早速ニュースになってるよ」

榛名「しかも、シェリンドン・ロナはあの場から逃走して行方不明と… 一体何をしているのだか…」モキュモキュ

海風「…残された信者も、見捨てたんですね」

瑞鳳「それだけわが身可愛さが勝ったんでしょ」

春雨「ああ言う人は自分がそう言う立場になってしまえば良いのに…」

時雨「キミの宗教嫌いは相変らずだね」

春雨「別に宗教そのものはどうでも良いんです、はい。 ですがそれを笠に着て、過激な行動をやる人間が嫌いなだけで」

榛名「まるで見てきたかのような言い方ですね」モキュモキュ

春雨「中東でも、この前行ったイギリスでもそう言う人間は見てきましたから」

海風「中東…?」

時雨「春雨は元々ガンプラを普及する為に父親と色んな所を歩いてたらしくてね」

春雨「その話はどうでも良いことです。 特に中東の件なんかはあまり思い出したくもありませんから、はい」

<続いてアナハイム問題で衝撃の事実が発覚しました。アナハイムは米国主導の下衛星… ピッ

<今回の事件を受け警視庁は原因不明との発表を行い、何が起きたのか詳しく調査中との…

海風「アナハイム絡みのニュースは観なくて良いんですか?」

瑞鳳「今はこっちが優先」

時雨「僕らはあの事件に介入した当事者だ。 だけど『その後』の事は一切知らないでガンプラ拾って逃げて来たからね。 詳しい話を知りたいのさ」

三日月(裏)「だが… 我々の知る情報以上の事は無さそうだ。 残された生存者の話も一切上がらん」

榛名「青葉さん達が今現地で情報を集めつつ痕跡を隠蔽するよう指示しておきました。 なので本格的な事は三人が戻ったらになりますね」モキュモキュ

海風「…一体何食べてるんです?」

榛名「さっき買ったハンバーガーです。 食べます?」

海風「遠慮します…」

春雨「見てるこちらが胸焼けしそうな量をさっきから食べてます…」


イベント 直下

海風「あの… 春雨さん達は夕雲さんと、そしてアレと戦ったのですよね?」

時雨「アレ扱いは少々酷だと思うけど… まぁ、そうだね。 僕は浜風と夕雲と戦い、そして勝った」

瑞鳳「現状、唯一の勝者だね。 あれより前にも、あの後にも参加した公式戦で二人に敗北は無いから」

時雨「基本的にあの二人はコンビじゃないと真価を発揮出来ない。 浜風の技量は世界レベルとは言え平均程度、夕雲は戦闘になると攻撃に偏り過ぎて周りが見えなくなる。

だけど逆に言えば二人揃えばほぼ負けは無い。 冷静に戦況を見極め的確な指示と補助を行う浜風とそれを実行する夕雲、はっきり最悪の敵だった」

春雨「私達が戦った時、バトルフィールドは『宇宙・デブリ帯』。 二人の機体はもう知ってますよね?」

海風「『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』と『アストレイミラージュフレーム・クロイツ・リバイ』、でしたよね」

時雨「当時はリバイは付いて無かったけどね。 僕達は二人の機体情報を事前に知らなかったんだ。 二人は前の戦い、レナート兄弟って浜風に比べたら戦略家気取りにも程がある敵相手に元々の機体を破損させて交換していたのさ。

僕達は戦いが始まるまで前の機体、『ヘイルバスター・クロイツ』と『ヴァンセイバー・クロイツ』を使うと思い込んでいた。それが完全に仇になった…」

春雨「加えて、向こうはこちらの機体『スローネ・ヴァリアント』と『ドレッドノート・ファントム』の性能を完全に把握していました。 この時点でこちらの方が劣勢です、はい」

海風「情報の隠匿と敵情報の掌握… さらに初見殺しを使った、と言う訳ですか」

瑞鳳「そう言うこと。 そしてミラージュには『ミラージュコロイド』が搭載されて、フィールドにはデブリって足場がある。 浜風ちゃんはまずドラグーンで二人をデブリの中に追い込んだ」

時雨「ここから先は一方的だったよ。 ミラージュコロイドを使いながら足場を使ってヒット&アウェイを繰り返す夕雲、そしてデブリ帯をドラグーンで囲んで退路を完全に断った浜風…

逃げ場なんか無い、そして見えない敵の攻撃にこっちはもう参ったね。ハッキリ言うと、あの二人のデブリ帯で戦うのは二度と勘弁して欲しい」

瑞鳳「まぁ二人がこんな戦い方をしたのもこれが最初で最後だけどね。 あの時は私さえも薄ら寒さを感じたし…」

春雨「それだけ確実に勝とうと思ったのでしょう。 それに多かれ少なかれレナート兄弟の妄執の影響もあったのかもしれません」

時雨「バトルは地形を生かして戦え、って僕は『リカルド・フェリーニ』ってファイターの教わったけど… あれほど地形を利用した戦い方は初めてだったよ。

ドラグーンもデブリに紛れてどこから来るか分からない、それ以上にミラージュからの攻撃もどこから来るかギリギリまで分からない。それが僕達を追い詰めた、と同時に春雨にある決断をさせたのさ」

海風「決断、ですか?」

春雨「ニクスを止めなければどうにもならない、そう思ったらすぐ身体が動いて… 無我夢中で、武器を捨ててニクスに特攻を仕掛けてました、はい」

瑞鳳「観てた私すらも唖然となったよ。 あれじゃただ自爆するだけ、ドラグーンの餌食になるだけだって。 でも春雨ちゃんは機体スペックをフルに活かしてドラグーンの雨を掻い潜ってニクスと相討ちしたの。

ただそれでもニクスは生きてた。 そして春雨ちゃんは組み付いて機体を自爆させてニクスを自分の機体と引き換えにして倒した」

時雨「これに関しては浜風も想定外、瑞鳳のことをずっと側で見てきたから『ビルダーが自分の機体を特攻・自爆させる訳無い』って。 だからこそ、浜風の不意を突けたのさ。

そして僕はデブリ帯を脱したけど夕雲は追撃してきた。 ミラージュコロイドのメリットを捨ててね」

瑞鳳「ミラージュの弱点は軽量化による装甲の薄さ、少しの被弾が命取りになる。 だけど夕雲ちゃんはそれを夢中になっていたせいで失念してた」

時雨「そこを突けば勝てる。 でも僕にはそれが出来る武器は夕雲の猛攻で全て壊されていた… だけど春雨の武器は違う。 春雨の機体は狙撃機、センサーが強化されていたからミラージュコロイドを見抜けていたしギリギリまで武器が温存できた。

で、僕は春雨のライフルをどうにか探し出して接近してきたところを不意打ちで夕雲をギリギリ仕留めることに成功した。 まあ最後の攻撃で限界が来てドレッドノートも壊れたけど」

春雨「あの戦いでビギナ・ゼラを使っていればサイズが合わなくて、武器が使えずこちらが負けていました。 だからビギナが前の戦いで壊れていた怪我の功名なんです、はい」

榛名「この戦いは榛名も取材で観てましたから印象に残ってますね。 観てるこちらが久々に手に汗握る戦いでした」

春雨「あれ、あの場に居たんですか?」

榛名「…あれ? 榛名、インタビューしましたよね…? 雑誌の特集ちゃんと書いて…」

春雨「あ… あれ榛名さんだったんですか!?」

榛名「わ、忘れられてた…」

瑞鳳「いや、それ私も初めて知ったんですけど…」

榛名「まあ眼鏡と帽子つけてましたから仕方無いですよね…」

三日月(裏)「この戦いは一応、歴代大会の名勝負ベスト3にランクインした。 気になれば動画も残っているかもしれんぞ」

海風「は、はあ…」

瑞鳳「あの戦いでスローネは木っ端微塵で修理不可能、ドレッドーノートは最後の一撃でフレームが全損で修理不可… あとのダメージは春雨ちゃんの方が大きかったけど。

あの後、なんであんな事したんだって凹んだし。 だけどそれが勝利に繋がった… 憶えておいて、ガンプラバトルに確実なんて無い。 どんな状況だろうと諦めなきゃ覆せる」

海風「諦めなければ、覆せる…」

《食堂》


愛宕「…」

瑞鳳「…大丈夫?」

愛宕「大丈夫、って言いたいけれど…」

大鳳「少しキツイわ…」

萩風「流石にあの場に二人を連れて行ったのは間違いだったとは思います、お母様」

瑞鳳「そう、だよね… ごめん、二人共」

愛宕「萩風ちゃんはどうして平然としてられるのよ… まだ、子供なのに…」

萩風「私は今まで理不尽な死と言うのを嫌程見て来ました。未来において発生した異形・深海棲艦の侵攻時に… 何万単位で殺されたのを。

理不尽な死などとうに見慣れた身、そしてもう殺される覚悟も殺す覚悟もあります。その覚悟が無ければこの時代に転移したりなどしません」

大鳳「…私が言うのはお門違いだろうけど、教育方針間違ってるんじゃないかしら?」

瑞鳳「うん、私も薄々感づいてた」

萩風「お母様が悪い訳ではありません。時代が、世界がそうさせなかっただけ… 深海棲艦の侵攻など無ければ…」

愛宕「時代、ね…」

萩風「お母様、この調子ではブリーフィングに参加は無理でしょう。 私がここで看ています。 情報に関しては後で自分で何とかできますから」

瑞鳳「分かった。 ここは任せるね」

愛宕「待って… 私も、行く」

萩風「無理しないでください。 あんな惨状を見て並みの人間が耐えられる訳がありません」

愛宕「教え子が耐えてるのに、私がヘバる訳にはいかないわ… 子供が歯を食いしばって耐えてるのに、大人として見過ごせ無い…!」

萩風「…これから、もっと酷いものを見るかもしれませんよ」

愛宕「大丈夫よ。 教え子も妹分も戦ってるのに私だけが暢気にしてるのは耐えられないから」

大鳳「私も、覚悟はしてる… とっくにね。 あの時、『あっちの世界』で銃を持った時に、人を撃った時に」

瑞鳳「二人共…」

萩風「…私は後から連れて行きます。お母様は先に行ってください」

瑞鳳「良いよ、二人は私が連れて行く。 萩風ちゃんこそ先にブリーフィングルームに行ってて。 ずっと潜入してて休んで無いんでしょ? まだ時間かかるみたいだから先に行って休んで良いよ」

萩風「先程仮眠は取りました。 大丈夫です」

瑞鳳「駄ー目。 働き詰めは毒、未来の私からそう学んでる筈だよ。 ここからは私の仕事だから」

萩風「分かりました… それではお先に」

萩風「そうは言ったものの… あまり暇と言うのは好きじゃないわ…」

萩風(つくづく自分のワーカーホリック気味には呆れざるを得ないわね…)

神通「あ、萩風…」

萩風「姉さん?」

神通「少し話があります」

萩風「構いませんよ。ここは人も居ないし監視カメラもありませんから」

神通「そこまでする話では無いのですが… あまり聞かせたくは無い話ではありますね」

萩風「何となく内容はわかっています。 私達の『因果』の話でしょう」

神通「ええ。 私達の存在は不安定になった、それは浜風さんと飛龍さんが『事象』を乗り越えたから、ですね」

萩風「はい。 お母様の残した記録では今日この日に二人は奇襲を受けてEXAMに敗れた。 だけど浜風さんが『結末』を知っていたから、事象を偶発的にも逃れて…

そしてここで浜風さんが生き残った事は、重大なターニングポイントになる」

神通「彼女が生き残れば指揮をする者が残り、生存確率が段違いとなります。 だから残る二人の結末を覆せる可能性が高くなった」

萩風「そう言う事です。 さらに言えば今の状況は遺した記録とは違い過ぎています。 私達の介入、そして…」

神通「海風さんと霞さん、ですね」

萩風「未来予知に近い能力を持った者と『ニュータイプ』の可能性を秘めた者… ですが姉さん、事象改変に何度も失敗して何度も同じ時間を繰り返していた…

この二人が居たのに、歴史に変動を齎すことが出来なかった」

神通「それは…」

萩風「あの二人を今までの繰り返しの中で見かけた事は?」

神通「…」


萩風「ハッキリ言わせてもらいます。 二人は今までの『繰り返し』に存在しなかった、今回初めて紛れ込んだ因果なのでしょう」


神通「はい… そしてあの二人が居たからこそ、榛名さんにも因果が繋がり『今』へと至りました」

萩風「やっぱり… 今回はやはり異質なのでしょうね。 だからこそ未来の変動率が大きくなってきた…

同時に私達の未来、存在そのものがあやふやになりつつありますが。 姉さん、事象改変出来るチャンスはこれが最後と考えてください」

神通「分かっています。 恐らくこれが最大のチャンス、同じ二人に巡りあえる可能性はゼロに等しい… だからここで終わらせます」

萩風「未来を変える、私達はその為だけにここに居る… 姉さん、私達はいつ消滅するか分からない。 だから悔いの無い様にしてください」

神通「それは萩風もです。 朝雲さんにゾッコンなのでしょう?」

萩風「さ、さて… 何の事やら… と、ともかく! 姉さんも悔いの無い様全力を尽くしてください!」

《翌日 ブリーフィングルーム》

青葉「面目ありません… まさか、丸一晩かかってしまうとは…」

蒼龍「今回ばかりは責めるつもりは無いわ。寧ろ私達の居た痕跡も全部消してきてくれたことは感謝する」

衣笠「こっちの警察、有能すぎるでしょ… 私達のキャンプまで探しに来られた」

飛龍「あそこ、一応宗教施設だし瑞鳳が事前に拉致に関する情報を流してたから。 それに前々から公安関係に睨まれてたらしいわよ」

古鷹「掲げている教義もカルトに片足突っ込んでますからね」

霞「ったく、冗談じゃないっての… しかもシェリンドン・ロナは行方不明、その取り巻き一味もね」

間宮「状況から察するに、逃げたのでしょうね」

天城「そう言えばあそこに囚われた方達は…」

古鷹「無事を確認しました。 今は警察の施設に保護されているようです。 私達の事は話さない様にと口止めも」

夕雲「…これを一晩でやるのは、凄くありませんか?」

蒼龍「ええ… 正直腹が立つくらい。でも味方で助かったわ…」

萩風「私も見習わないと…」

神通「見習う必要はありません」

朝雲「でも、今回の事件で完全にこっちは睨まれてる。 EXAM、ニムバス・シュターゼンにね」

海風「…なんでここに居るんです?」

天津風「私達だって一応、事件に関わってるのよ。スドウ・シュンスケを倒した以上、私達だって睨まれてる可能性があるし」

朝雲「それに何も知らないまま終わるなんて真っ平ごめんよ。私にだって護りたいものはある、だからもう戻れ無い覚悟もしてきた」

萩風「…これから見るものは、凄惨なものになるかもしれません。それでもですか?」

朝雲「分かってる。そこまで想像出来ない程私は馬鹿じゃないわ」

天津風「暫く、お肉は食べれなくなる覚悟はしておいたほうが良さそうね…」

神通「それ以上の覚悟が必要です。 特に我々と共に、事件に本格的に関わるとなれば」

朝雲「もう、最初からとっくにしています。 血に塗れる覚悟も、家族と離れる覚悟も」

瑞鳳「…そこまでは必要無いよ。 手を汚すのは私だけで良い。 自分の大事な物を護ることに専念しなさい」

大鯨「う~ん… その覚悟は良いけど、気負い過ぎないようにね~」←逆さづり

天津風「何であの人大阪U○Jにあるジョ○ズのとこの釣られたサメみたいな格好に?」

陽炎「私達を拉致った罰」

阿武隈「一度〆なきゃ駄目、ってことで瑞鳳さんと姉さんが追い詰めてつるし上げたの」

長波「〆たところでどうにかなるとは思わないけどな」

満潮「お陰で都内に一泊よ… しかも観光すら出来やしないわ」

榛名「なら後でどこかに連れて行きましょうか?」

ウォースパイト「ハル、そんな余裕は無いでしょう?」

榛名「そうですね… 満潮も、事件の被害にあう可能性もありますから」

秋月「なら私達が連れて行きましょうか?」

如月「最悪、私だって居るし」

野分「護衛なら私が務めましょう」

榛名「お願いします」

春雨「浜風、全員揃ったようです」

三日月(裏)「早く始めてくれ。こちらにも都合がある」

時雨「三日月はまだしも僕達、無断外泊で翔鶴さんに怒られそうなんだよね」

大鳳「私もゼミすっぽかしてるし…」

愛宕「早めに終わらせましょ?」

浜風「わかりました。 ではこれより、ブリーフィングを開始します」

浜風「まず今回の事件について青葉さん、お願いします」

青葉「はいはい~い。 今回の事件は海風さん、霞さん、神通さん、天城さんの拉致を端に発した事件です。 元々萩風さんのお話では虐殺が起きる、と言う事でしたが図らずも海風さん達が紛れ込んでしまったと言うことです。

まぁ萩風さん達の未来の結末では『全員死亡』とのことでしたが、お二人の事象介入により100人程生き残りました。全員死ぬよりはマシな結末でしたが、これでも散々な結末… 事件発生を止められなかったことは我々の敗北と言えるでしょう」

蒼龍「ちょっと、青葉…!」

青葉「だからこそ、次の事件は確実に防がなくてはなりません。 起きる前に完全にその芽を潰す、それが我々がやるべき事です」

飛龍「そうね…」

青葉「事件の詳細はこちらの資料の通りです。 学生は677人が死亡、85人が重軽傷、その内27人が重体… 校内に残っていた教職員や事務職、清掃員等にも多くの被害が出ていますね」

瑞鳳「その教職員達の被害人数は?」

青葉「これは少々不明瞭でして… 大きな学校だったので100人以上の関係者が居て、具体的な人数が把握出来ないんです。中には丁度来た外部の業者や、敷地にあった学生寮関係者も巻き添えになってるようで…

だけど死傷者は最低1000名になる、そう見積もってください」

天津風「1000人も、こんな事件に巻き添えになってるの…!?」

朝雲「だけどこの件はまだ始まりよ。これから、1億って桁の違う人間が殺されるかもしれない… これで最後にしなきゃ、もっと多くの人が死ぬ…!」

青葉「そう言うことです。 そして拉致事件のの首謀者シェリンドン・ロナは行方不明、と思われていますが既に居場所は掴んでおります」

飛龍「嘘でしょ!?」

青葉「ヘリのGPS追ったら見つけましたよ。 彼女達は太平洋側、日本の領海内に存在するメタンハイドレート採掘実験場に居るようです」

長波「メタンハイド…?」

海風「メタンハイドレートとは石油・石炭に代わる新しい燃料の一つです。 まだ実用化はされていませんが、日本領海には多大な埋蔵量があり現在研究が進められています」

陽炎「所謂『燃える氷』ってやつね」

神通「どうしてそんなところに?」

青葉「『ブッホ・コンツェルン』、教団の出資会社の一つが運営している場所のようです。 しかも外部から隔絶されていて、関係者以外ほぼ立ち入る者は居ませんから隠れ潜むにはもってこいでしょう」

大鯨「メタンハイドレート事業には私も手は出しているのだけど… あそこまで大きな採掘場は作ってないわね。 それにまだアレは見込みのあるモノじゃない、でもあそこまで事業を大きくしてるって言う事は…

確実に採掘出来る技術があるのか、それとも社運をかけた大博打なのか、そして… ハイドレート採掘試験場以外の機能があるか」ブランブラン

霞「それって… そこに、彼等の何かがあるってことですか?」

大鯨「そう言うこと。 彼等の企みが何かはしらないけど『やらかす』為の設備かもね? シーランド公国みたいに独立とか」ブランブラン

天城「…あんな格好で無ければその推察には素直に賞賛できたのですが…」

海風「格好って本当に大事ですよね」

瑞鳳「どこに逃げようと追い詰めるだけだよ。 あと、事件に関することは?」

青葉「残りは資料にまとめておきましたのであとで各自確認を。 学園側の被害から他も全てまとめておきましたので」

浜風「では次はEXAMについて、と参りましょう。 現在EXAMシステムそのものを使った者は三人、首謀たる『ニムバス・シュターゼン』と取り巻きと思われる『トリスタン』『セルジュ』の3名…

海風、戦った感想を下さい。 直接刃を交わした、その感想を」

海風「…正直、不気味としか言い様がありません。 少しでも怯めば食われる、そう思いましたが… 一番怖いのは『再生』と『複製』の二つであり、それ以外は脅威とは言い難いです」

浜風「え…?」

瑞鳳「どう言う事?」

海風「海風は一時的にスクランブルを使用していたお陰、ですがチューンしてあったとは言えアレの性能の限界はある程度把握しています。 だからこそ言えるのですが、機体性能そのものは然程厄介とは言い難いのです。

EXAMシステムを起動し機体に反映したところでそれはスペックを1.2倍に引き上げる程度、RGシステムやNT-D、そしてウイングの『アズライト・バースト』には遠く及びません。そして元々の機体完成度は瑞鳳さんが前に言ったように『欠陥品』でしかありませんので…」

大鳳「ハードウェアの差、ってこと?」

海風「はい。 ここに居る大半の使用する機体のほうがスペックは上、故に限界点が違うんです。だからこそ一般ファイターの脅威になり得ても… こちらの人間には然程脅威にはなりません。

ただ厄介なのは反射と対応、これも機体性能の限界があるのですがソレは一般人のモノを超えています。 しかしこれもファイターによっては覆すことも可能、例えば瑞鳳さんは武術の達人なので動きが読め無い点や榛名さん達のような能力者の力を活かせば簡単に対処出来てしまいます」

天津風「EXAMシステムはあくまでもサポートシステムの部類に過ぎ無い… ニュータイプの能力を再現出来ていたとしても、『結構強いファイター』程度って次元で瑞鳳さん達のような『ヤバイ系人間』なら勝てるって訳ね」

海風「まぁここに居る人間の機体スペックがスクランブルを上回っているので対処も可能、と言うだけで一般ファイターには充分脅威です。それに我々でも下手を打てば確実にヤられます。

阿武隈さんと海風の打ったEXAM同時使用の影響による同士討ち誘発は正解の一つでしょう。 『一撃で消滅』させない限りは無限に再生する相手ですのでこちらは消耗する、だけど向こうはシステムを自動で使えば永遠と戦えますから」

阿武隈「EXAMの対処法は一つ、同士討ちを誘発させるか再生する間なく短時間・もしくは一撃で敵を消滅させるか… ってことだね」

海風「はい。 もしくはEXAMとバトルシステムを繋ぐネットワークを封じるか… こちらは現状では不可能なので頭に留めて置く程度です」

ウォースパイト「つまりジャマーを使えば良いのね。 そのツテはあるから、探してみるわ」

海風「ありがとうございます」

霞「案外、すんなり対処法って出来るものね…」

長波「だが言ってることは相当キツイぞ。 人間辞めろって言ってるんだからな」

海風「…キツイですか?」

陽炎「キツイ」

浜風「個々の能力に頼りすぎている、と言うのが問題ですね。 我々が目指さなければならないのは『一般人でもEXAMに対処出来る様にする』ことですから」

海風「じゃあそこまで言うならそれ以外の対処法をどうぞ?」

瑞鳳「こら、喧嘩しないの。 確かに今は海風ちゃんの言う方法しか対処法が無い、でもそれは後々創れば済む事だよ。 私が危惧してるのはそこじゃないの」

朝雲「どう言う事、ですか?」

瑞鳳「私達の記憶が正しければなんだけどね… あのEXAM、こっちで再構成した可能性が高いの」

萩風「え…?」

神通「どう言う事ですか!?」

春雨「私達が『ペイルライダー』と一緒に『BD-02』を発見した時、中破程度の損傷を負っていたんです、はい」

時雨「そして僕らの記憶を必死に手繰り寄せて纏め上げたら、頭部の半分が損壊してたことを思い出したのさ」

三日月「しかもあそこは海底、海の底にあったものです。 ハードの類も海水でやられているとすれば…?」

榛名「多少のモノが残っていたとは言え、EXAMは喪失している… と言う訳ですね」

瑞鳳「だけどナノマシンにEXAMを流用した、って事はこちら側で再構築した可能性が出てきたの。 ううん、完全に復元した可能性がある。

ハシラジマから送られてきたデータ、ナノマシンの『EXAM』と『HADES』のOSデータを照会したら合致する点が多く出てきたみたい。 つまりあれは『こちら側』の技術じゃなく『本当の宇宙世紀のもの』の技術で出来てるんだよ」

浜風「…まさか、こちらに宇宙世紀の人間が流れ着いた…?」

海風「しかもEXAMの根幹に関わった人間が…!」

瑞鳳「それがニムバスなのか、黒幕なのかは分からないけどね… この件は気に留めておく程度で良いよ」

如月「でも宇宙世紀の人間なんて、本当に居るのかしらね?」

野分「MSの漂着がある以上繋がりはあるのだろうけど…」

秋月「まぁ実在が疑わしいのは事実ですね」

瑞鳳「ところがどっこい、居るんだよ」

朝雲「居るの…?」

瑞鳳「と言う事で呼んできました。 『ハシラジマのある世界』から、宇宙世紀出身の『リタ・ベルナル』さんです」

リタ「紹介に預かった、リタ・ベルナルです」

榛名「え…」

天城「…姉さんそっくり!?」

間宮「アルバムで見た中学生時代の榛名さんとほぼ同じ顔ですよ!?」

リタ「そりゃそうだよ。 私の肉体は、青葉ママと榛名ママの遺伝子を組み合わせて創ったデザインチャイルドなんだから」

榛名・青葉「!?」

海風「どう言う事ですか?」

リタ「言葉通り、私は宇宙世紀の出だけど体の方はとっくに死んでてね。 でも私の魂自体は残ってたから新しい『器』を作って移し変えたの。

そこで必要になったのが私と波長が合った青葉ママの遺伝子を持つ肉体、でもクローニングは難しいから榛名ママの遺伝子情報も組み合わせて出来たのがこの身体ってこと」

神通(言わば私と萩風の先達、ある意味で姉とも言うべき存在でしょう)

朝雲「でも、リタ・ベルナルなんて名前聞いた事無いわよ」

天津風「…小説版の『RX-0 フェネクス』のパイロットよ。そして非業の死を遂げた強化人間、その魂はフェネクスと一緒に宇宙の果てに消えて…」

リタ「そう、私はその過程でこちら側に流れ着いた。 『フェネクス』と一緒にね… 勿論、貴女の知る『戦い』もやったよ」

天津風「『エシャロット』? それとも…」

リタ「『ネオ・ジオング』、まぁアレとは去年もう一度戦ったけど… でもその話は今は関係ない。

私はちゃんと貴女の知る『リタ・ベルナル』であり、宇宙世紀で生まれ死んだ人間の魂を持つ者。納得できた?」

天津風「そう言われても…」

リタ「ま、仕方無いよね。 証拠も無ければ納得出来ない筈だし… シャア連れて来たほうが良かったんじゃない?」

陽炎「シャアって… まさか…!?」

リタ「『シャア・アズナブル』、本名キャスバル・レム・ダイクン。私同様肉体は失ってるけど、他の身体の魂に融合することで魂は残ってる」

長波「嘘だろ…」

蒼龍「本当よ。 ただ、その人連れてくると厄介な事態になるし… 丁度良かったのはリタちゃんだけだから」

海風「厄介…?」

春雨「あ、あははは…」

時雨「よりによって『あっち側の春雨』がシャアの融合先なんだよ。 普段は表に出無いけどね」

事情を知らない方々「!?」

リタ「その反応になるよね~…」

瑞鳳「本当、よりによってなのよね…」

阿武隈「」

すみません、なんか最後阿武隈が紛れ込んでました…



《ブリーフィング後》

海風「ではリタさんは、数日間はこちらに留まると?」

リタ「まぁね。 榛名ママから、後輩を導けって」

神通「後輩?」

リタ「『ニュータイプ』のね。 あっちの世界のママは両方NT、私もその能力はある程度は受け継いでる… なら先達として、色々話さなきゃいけないことがあるから」

霞「…」

リタ「私は強化人間、本当のNTじゃない。 でも本当のNTの姿は見てきたし『刻の彼方』も垣間みてる。伝えられる事は色々あるよ」

天津風「良かったじゃ無い、霞。 ホンモノのNTと話せる機会なんて無いわよ」

霞「別に… 私は進化とかNTとか興味無い、私は私の辿る道を進むだけ」

リタ「それで良いよ。 辿る道は自分で選ぶ、それが人として正しい生き方だから。 辿る道を強要しようとして破滅したヤツも見てきたし、私は干渉するつもりは無いよ」

朝雲「破滅したヤツ、って?」

リタ「私達が去年倒したヤツのこと。 あっちの満潮の仲間を殺して、各方面に喧嘩ふっかけて… ママに叩き潰された」

萩風(『イノベイター』の一件、あの後向こうの榛名さんは色々と考え込む事が多くなったと聞いていますが…)

リタ「どうすれば良いかなんて自分で決める事、それが『人の革新』… でも一つだけ、みんなも覚えておいて。

特殊な力なんてあってもそれは『人の革新』なんかじゃない。 誰かを思いやり、誰かの為に何かが出来る人が一番『革新』に近いの」


霞(リタ・ベルナル、彼女の言っている言葉の意味は良く分からない。 だけどシェリンドン・ロナの言葉よりは納得出来た。

私が辿る道は、これからどうなるのかなんて私にも分からない。 でも私は進み続ける、何があろうと、何が立ちはだかろうと)


神通(多くの歯車が回りだし、着々と変動していく未来に私は… 私達は何が出来るのだろうか?)


海風(それは誰にも分からない。 だって、未来なんてまだ決まりきっていないのだから)


第12話『コスモ・クルス』 終

第12話終了、中学生には少々キツイ話になってまいりました…

リタは第13話までのゲスト扱いで、話にある程度(特に霞絡み)には出ます



あと今回で改造機は出揃ったので第13話は別シナリオ(これからのライバルやかつての対戦相手を出す)をやります

第13話『未来への翼』


《学園 バトル部部室》

天津風「どう、私の実力は!」

リタ「うーん… 正直機体が能力を阻害してる気がする」

天津風「…は?」

リタ「ミサイル装備ってのは良いし爆撃機としての運用も理に適ってる。 でも装備が空戦機動の邪魔だし何よりミサイルの操作に手間取って機体操作がおざなりになって自分の利点を殺しちゃってるかな。

同じタイプのファイターが出たら確実に負けるよ。 空戦に自信があったとしてもフル対地装備『F-15E』で軽装の『Mig-29OVT』と戦える?」

朝雲「何、『Mig-29OVT』って…」

瑞鳳「ロシアの戦闘機、の試作機だね。 ただ機動性は異常、まず対地装備F-15Eじゃ機動性に翻弄されて負ける」

萩風「現在はロシアの正式採用機に同型の推力偏向ノズルを搭載したMig-35が存在しますね。まだ新鋭機なので配備数はそう多くはありませんが」

朝雲「そ、そう…」

霞「要するに、機体が合って無いってことね」

リタ「そう言う事。 全部最初に放って装備切り離せば多少はマシになるかも」

天津風「ぜ、全否定された…」

海風「リタさんって、割と辛口評価なんですね…」

神通「まさか海風さんのバスターソードも全否定とは…」

リタ「だってさ、ポジション指揮官なのに前に出すぎじゃない? 浜風と同じスタイルの方が絶対良いよ」

愛宕「でもこの子、最初からこの戦闘スタイルなのよね」

瑞鳳「大会まであと3日、もう変更は利かないよ」

海風「それにアレと同じ後ろからチマチマ遠隔砲台使ってコソコソやるなんて死んでもごめんです」

リタ「頑固だねぇ… ま、姉妹の間の事は知らないけど。 良い所はどの戦闘スタイルにもあるんだから、吸収して活かすことも重要だよ」


神通(リタさんは何故か私達の監督役を買って出てくれた。 彼女は何度も深海棲艦や『異世界の人間』と戦っていて戦闘経験は豊富、なのでアドバイスはありがたい)


瑞鳳「じゃあ今日の練習はここまで。 今日以降大会用ガンプラの使用は厳禁、また野良バトルも禁止します」

天津風「え、バトルも駄目なんですか?」

瑞鳳「まだ昏睡病の危険はあるからね。 それにアイツ等が再び動き出した以上またキャリアーが動き出すかもだし」

萩風「バトル練習がしたいのなら『エンガノ』に行くか、CPU戦だけと言う訳ですね」

瑞鳳「そう言うこと。 まぁ後者も遠隔装置で仕掛けてくる可能性もあるけど… それに大会準備もしなきゃいけないしね」

海風「3日で2週間分の着替えと、あと色々用意しておかないといけませんね」

霞「先輩、罠の準備お願いします」

萩風「え、私がやりますよ?」

神通「萩風がやったら確実に無数の肉塊が出来るので駄目です」

リタ「アレだね。ミンチよりひでぇや、ってやつ」

萩風「私の認識ってどうなってるの…?」

朝雲「この部に所属してる時点でキチガイ扱いは免れられないから平気平気」

《帰り道》


朝雲「しっかし、終業式も終わって後は大会を待つだけか… 大会、どんな連中が出るのかしら?」

海風「大阪は先週まで決まってなかった、と聞いていますが全て出揃った筈ですよ」

天津風「寧ろなんで先週まで決まってなかったのよ」

海風「機械の故障だそうです。 別会場でやれって話ですよ」

霞「全くね…」

萩風「現時点で最も警戒すべきは… 『ホワイトクリーン』でしょうか」

神通「ガンプラも戦闘スタイルも全て筒抜けですからね。 逆もまた然りですが」

霞「アンタは榛名さん達と仙台行かなくて良かったの?」

リタ「うーん… あくまでもこっち側の人間は私にとってはママじゃないし、寧ろ行く理由は無いかな」

霞「だからってウチに居座るな…!」

リタ「泊まるとこ無いんだから仕方無いでしょ。 間宮さんの所だって、青葉ママ居るから気まずいし」


霞(リタ・ベルナルはウチに今居座ってる。 マイペース過ぎてこちらの生活が掻き乱されている… 順応してるのは海風だけだ)


朝雲「じゃあここで分かれ道だけど… これからどうする?」

天津風「私はZEONで買い物。 シャンプーとか色々買って帰る」

神通「私達は直帰します。 用があればいつでも連絡下さい」

萩風「私は… 少し行くところがある、かな…?」

朝雲「つれ無いわね… 私、間宮さんのトコ行こうっと…」


視点選択 直下
1.霞『再びの山嵐』
2.朝雲『再会、ボクサー』
3.萩風『加害者の今』

《公園》


朝雲「あっつ…」モソモソ

朝雲(まさか間宮さんのトコ、今日やってないなんて… これが食べれる最後のチャンスだったのに…)

朝雲「あ~あ… こんなカキ氷よりももっと美味しいやつ食べたかったな…」

朝雲(こっちも悪くは無いんだけど、やっぱり見劣りしちゃうのよね)

「ん…? お前は…」

朝雲「…久しぶりね、イズナ・シモン」

シモン「いつぞやの試合の後の見舞い以来だな、朝雲。 どうだ調子は?」

朝雲「普通よ普通。 そっちは… よくこんな暑い中トレーニングなんて出来るわね」

シモン「慣れっこさ。 最近妹さん退院したんだってな」

朝雲「暫く週3回の通院が必要だそうだけどね。 今は自宅療養、病院生活が長かったから日常生活に馴染ませてるところ。 そっちは?」

シモン「漸くこっちも一時退院が認められた所だ。 そしたらガンプラバトルを見に行きたい、って騒いじまってさ…」

朝雲「ウチのもよ。 試合日程次第、とは言ってるけど」

シモン「連れては行きたいが今は昏睡事件があるからな…」

朝雲「そう、よね…」

シモン「…なぁ、お前何か知らないか? 現場に居たんだろ?」

朝雲「知ってどうする気?」

シモン「あ、いや… 知っておいた方が、マモルの為になるかと…」

朝雲「知らないほうが良いわよ。 碌なモンじゃないもの」

シモン「やっぱりな… 噂は聞いてるんだ。 最近出回ってる『薬』が昏睡事件を招いてるんじゃ無いかって」

朝雲「それは私の口からは言え無い。 唯言えるのは、余計な真実を知ろうとする事は身を滅ぼすってことよ」

シモン「お前はそれで納得出来るのか?」

朝雲「納得も何も、それが一番良いことなの。 余計な事に首突っ込めばアンタだけじゃない、弟君にも累が及ぶ可能性もあんのよ」

シモン「それは…」

朝雲「だからアンタは知らない方が良い。 弟君だけを守る事を考えておきなさい」

シモン「そうだな…」

朝雲「ま、こんな大層な事言っておきながら私も事のあらまし程度しか知らないんだけどね。実際私が何かした訳でもないし」

シモン「お前な…」

朝雲「でも大会中は安全なんじゃないかしら。 あの時、地区決勝の時は特別だっただけでそんなに何回も事件が起きてたまるかっての」

シモン「そうなのか?」

朝雲「確証は無いけどね。 弟君、連れて行くならホテルとか大変よ。 日程ダブってる世界大会と会場近いから宿取れないかも」

シモン「マジかよ…」

朝雲「さて… 私は行こうかしら?」

シモン「もう行くのか?」

朝雲「大会準備があるし、機体の受け取りにも行かないといけないもの」

シモン「何だ、機体換えるのか?」

朝雲「2機運用にしたのよ。 『ストライク』じゃ対応出来ない局面だって出てくるだろうし、せっかく使える機体があるのに勿体無いじゃない」

《模型店エンガノ》


飛龍「いらっしゃ… 何だ朝雲ちゃんか。 ようやくストライクの回収?」

朝雲「はい。 色々立て込んでて受け取るの忘れてましたから」

飛龍「『シームルグ』があるからストライクはお蔵入りにしたのかと思ってたけど… で、そっちのは?」

朝雲「付き添い、と言うか…」

シモン「何となく、興味があって…」

飛龍「ふぅん… モテるわねぇ」

朝雲「!?」

シモン「え!? そ、そう言うんじゃ…」

飛龍「冗談よ、冗談」

朝雲「瑞鳳さんは?」

飛龍「さっき一度帰って来たんだけど… ちょっと出かけた。 帰ってくるのは明日になりそう」チョイチョイ

朝雲「?」

飛龍(実はナノマシンの製造工場みたいなものを青葉が突き止めたのよ)

朝雲「え…?」

飛龍(間宮さん達と一緒に制圧に向かってる。 詳しい事は萩風ちゃんか神通ちゃんに報告するから後で電話で聞いてみて)

朝雲(分かりました。飛龍さんは行かないんですか?)

飛龍(私は待機。 いざとなったらMSを引っ張り出すのに、こっちの残ってないと駄目だもの)

朝雲(そんなに大きな規模なんですか?)

飛龍(倒産した製薬工場の跡地を使ってるのよ。 丸々焼き払う必要があるから火力が…)

シモン「何の話だ?」

朝雲「な、なんでもないわ!」

飛龍「女同士の話だから気にしないで!」

シモン「は、はぁ…」

飛龍「えっとストライクは… 工房だったかしら。 夕張ちゃん、ちょっと!」

夕張「は~い。 ストライクですね」

朝雲「あれ、夕張さん?」

夕張「私、一応ここのバイトよ。人手足りないときの臨時のね。 今はサンプル作例、この前発売した『ケルディムサーガ』の素組やってるの」

朝雲「そうなんですね。 あ、入荷っていつですか?」

夕張「もう入荷はしてますよね?」

飛龍「してるよ。 今在庫は倉庫だけど… 欲しいの?」

朝雲「五月雨、妹が欲しがってるんです。 なのであったら買っておこうかなって」

飛龍「わかった。 後で売ったげる」

シモン「妹もガンプラやってるのか?」

朝雲「ええ。 まぁ根がドジだから… ポリキャップ入れ忘れたりピン折ったりなんて日常茶飯事だけども…」

夕張「私も初心者の頃よくやったわ、それ… じゃあこれ、ストライクね」


機体改修(『ストライク・ヴァルキリー』)

・ベース機:ストライクE(固定)
・改造条件:後方支援特化・射撃寄り装備であること。『味方への補助装備』を含めること

改造内容(名前も併記) 下2

ストライク・エインヘリヤル
武装
・M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×2
・M8F-SB1 ビームライフルショーティー改×2
・専用ロングライフル弐型
ライトニングストライカー改『スヴェルストライカー』
・複合兵装ユニット改『シールドドラグーン』×6

概要
朝雲の『ストライク・ヴァルキリー』を改修し、アップデートを施した機体。
榛名によって仕込まれたガン=カタにより対応出来るよう各部関節の強化などを施されより人間に近い柔軟な動きが出来る。
性能そのものは『RX-0[Sm] シームルグ』より火力・機動力などで劣っているが継戦能力や防御能力、補助能力はこちらの方が高い。
改修点は脚部に『ケルディムガンダムサーガ』の有償サンプルからぶんどったGNマシンガン用のラックを移設されたこと、そしてライフルに改修を加えられ実弾砲撃機能のオミットとその変わりにオプションラックが追加されたこと。
オプション装備は脚部のラックに戦闘時は付いているが戦闘中に切り替えることで柔軟に運用出来る。
またショーティー・ビームライフルに実体刃を追加し格闘能力が向上した。
整備性に難がある『シームルグ』の予備として死蔵しかかった『ストライク・ヴァルキリー』を改修した為、死んだ勇者の魂たる『エインヘリヤル』の名前を付けられた…
と思われているが実際には新たに内蔵された『ある特殊能力』が存在しており、それをイメージして名称変更された。ただしその能力を把握しているのは瑞鳳、そしてテストに携わった夕張のみである。

スヴェルストライカー
ブリガンディアストライカーを改修し、火力から防御能力に重点を移したストライカーパック。
ホーミングビームキャノン発射口を全て廃止し代わりに浜風用のニクスプロヴィデンスの予備パーツ製作の際に余りに余った複合兵装防盾システムを改造した『シールドドラグーン』のプラットフォームに変更されている。
シールドドラグーンにはビームシールド展開機能が付与、そしてプラットフォーム接続時にもビームキャノンは撃てるが相対的に火力は落ちた。
ただしマニュアル操作には高い練度を要するため、運用はオートに限られており機敏な動きは出来ない。



夕張「これが貴女の新しいストライク、『ストライク・エインヘリヤル』よ」

朝雲「…ファ○ナー?」

夕張「いや、そんなモデルの機体があるけどさ… もっと別の感想無いの?」

朝雲「能力的にはどうなんですか?」

夕張「火力以外は全部上がってるわ。 柔軟性も、前の数倍高くなってるからより人間らしく動ける」

朝雲「うわ… ほんとにヌルヌル動けてる… 関節柔らかい…」

夕張「その気になれば爪先立ちイナバ○アーなんて芸当まで出来るようになってるわよ。 体操選手より動けるかも」

シモン「スゲェ…」

飛龍「まさに無駄技術の集大成よ、それ」

夕張「そして新システムも… あっと、これは実際に使ってのお楽しみね。 まぁ使う可能性は低いけど」

朝雲「? コード・ブレイヴ的な?」

夕張「あれとは違うけど… まぁ、一種のチート技ね。 レギュレーション的には問題ないけど、ガンプラとしてどうよって感じの」

朝雲「えぇ…」

飛龍「どう、テストしてみる?」

朝雲「ええ、やってみます。 アンタ、テスト付き合いなさいよ」

シモン「え、俺!?」

飛龍「まぁ、ウチでやるなら大丈夫でしょう。 ガンプラはそこの棚の好きなの使ってね」



視点選択 直下
1.霞『再びの山嵐』
2.海風『苛立つ相手と親戚と』
3.萩風『加害者の今』

side-海風-『苛立つ相手と親戚と』

《新宿駅近郊》

海風「…」イライラ

浜風「あの、海風…」

海風「全くもって不愉快です…! あのゴミクズ共、まだふざけた事をほざいて…!」

浜風「口が悪いわ。 …でも、流石に身勝手が過ぎると思う」

海風「いきなり呼び出したと思ったら、東京に戻るからまた家族一緒に暮らそう? 舐めたことを言って、都合の良い時だけ『家族』と言う言葉を振りかざすな…!」

浜風「だけどテーブルにあったウォーターポットから水かけるのはやり過ぎ。 そしてお互いの不倫ネタを暴露するのもね」

海風「ザマァ見ろ。どうせ機能不全の家庭、そんなもの無くなっても大差無いでしょう」

浜風(私に矛先は向いて来ないけど… 少なくとも今日は殺気立ってる。確かに、海風がキレるのも分かるし私が同じ状況ならそうしてた。

流石に互いの不倫については知らなかったようだし、大きな爆弾を投げ付けたことには変わり無いけど)

浜風「ハァ…」

浜風(助けてください、瑞鳳さん… 海風が、妹がだんだんカミーユになっていきます…)

海風「溜息つくくらいならこんな所で油売ってないで、製薬工場跡制圧作戦にでも参加すれば良いじゃないですか」

浜風「私と飛龍さんは予備兵力、MSを出す必要が出たら動く。尤も人目につかない夜にしか動けないけど…」

海風「まぁ良いです… これから少し買い物してから帰りますけど、どうする気で…」

「あ、テメェは…!」

海風「…」

浜風「知り合いですか?」

海風「いえ、こんなワカメ知り合いに居てたまりません」

カリマ「神奈川代表本牧学園のカリマ・ケイだ! テメェ人に不意打ち食らわしといて、良い度胸してんじゃねぇか…!」

海風「先にやったのはどちらでしょうね? やり返されて逆ギレとは、被害者面も甚だしい」

カリマ「ッ…! この七光りが…!」

浜風「七光り…? ウチの妹に、何か文句が?」

カリマ「何!? い、妹…? まさか、アンタ…」

浜風「ウチの妹の何が気に入らないのかは知りませんが七光り呼ばわりとは… この子の実力は私とは無関係、自分で身に着けたものです。

それとも私が直々に貴方を叩き潰してあげましょうか?」

カリマ「せ、世界チャンプが相手…!? だ、駄目だ… 勝てる気が…」

海風「余計な事言わないで下さい。 こんな、相手を侮辱する者に戦う価値など無い」

浜風「…そうですね。 ファイターとしての資格の無い人間、相手にする価値などありませんでした」

カリマ「なっ…!?」

「そう言うこと。 引っ込んだら?」

カリマ「誰だ!」

海風・浜風「え…」


誰? 直下
1.浦風(広島代表)
2.江風(長崎代表)
3.鬼怒(栃木代表)
4.その他(未出及び別世界でメインキャラになっていないこと)

「知ってるよ~。 カリマ・ケイ、ガンプラ学園と戦おうとしたら海風相手に無様を晒したって。 まさに自爆だね、聞いた限り」

カリマ「誰だよ、お前は…!」

浜風「き、鬼怒!?」

鬼怒「そ! 私こそ、栃木代表が一人にしてこの二人の従姉妹… 鬼怒だよ!」

カリマ「い、従姉!?」

海風「相も変らぬハイテンションっぷりですね…」

カリマ「に、似てねぇじゃねぇか…」

浜風「性格から何まで、全く似てません」

鬼怒「酷っ。 そりゃそうだけどさ… 浜風姉も海風も、そのローテンション過ぎるのは直そうよ」

海風「家庭の事情ですから気にしないで… って、栃木代表ってどう言う事ですか!?」

鬼怒「え、鬼怒元々ファイターだったけど… 浜風姉の方が遅く始めてるんだよ?」

浜風「確かに前、5年くらい前に会った時にはそんな事を言ってたような…」

鬼怒「積もる話はあっちのカフェでしようよ。 こんなワカメ放っておいてさ」

カリマ「誰がワカメだ!」

海風「いい加減失せないと、そのワカメ毟りますよ。海風、有言実行がモットーなもので」

カリマ「糞っ…! 憶えてろよ…!」

海風「だから、憶えるつもりはありませんって」


《カフェ》

浜風「で、積もる話は沢山ありますが… 何で居るんです?」

鬼怒「のんびり大会の現地まで鈍行で向かおうかな~って思って、途中ここでチームメイトと寄り道したら見かけたの」

海風「チームメイト、ですか?」

鬼怒「うん。 逸れちゃったけど」

浜風「新宿で逸れたら出会うのは至難の業でしょうね…」

鬼怒「え、新宿? ここ渋谷じゃないの?」

海風「え…」

鬼怒「おっかしいなぁ… 降りたのは渋谷なんだけど…」

海風「まさか… 渋谷から新宿まで歩いてきたと…?」

浜風「えぇ… 何やってるの、この子…」

鬼怒「向かう先は一緒なんだから出会えるでしょ、多分。 それよりまさか二人が鬼怒より有名になってるなんてねぇ…

浜風姉は言わずもかな、海風も色んな意味でファイター界隈じゃ有名だよ。 鬼怒、正直羨ましいな~って」

海風「有名?」

鬼怒「昏睡事件解決の立役者、初心者なのに全国級と渡り合うやベーやつ、バスターソードを振り回す指揮官、キレ顔ダブルバスターソード、困ったときにはバスターソード、バスターソードでフィールドを叩き割る女…」

海風「後半の一体なんですか!? 結構身に覚えはありますけど!?」

鬼怒「そしてガンプラ学園のエース、キジマ・ウィルフリッドと互角だった事も知ってるよ。 しかも向こうもほぼ加減無しだったこともね」

浜風「一体どこからそんな話が漏れて…」

鬼怒「京都の『風の会』って所の、無駄にデコがテカテカしてる人」

海風「あの人ですか…!」

浜風「知り合いなんですか?」

鬼怒「うん。 一回だけ練習試合したことあるから、その時仲良くなった」


イベント 直下

「全く、鬼怒はどこに… って居た!?」

海風「…あの、鬼怒さん?」

浜風「鬼怒、お探しの人が来たようですよ」

鬼怒「おぉ! ここ新宿なのに良く分かったね!」

「探したよ… まさか新宿まで徒歩で来るハメになるなんて…」

「一体何がどうしてこうなって… そちらの方は?」

鬼怒「あ、鬼怒の従姉。 姉の浜風姉と、妹の海風」

浜風「紹介に預かりました、浜風と言います」

海風「海風です。どうぞよろし…」

「「って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

海風「…貴女のお仲間と言うだけあって、凄いハイテンションですね」

浜風「ちょっと耳がキンキンしてきた…」

鬼怒「ふ、二人共落ちつい…」

「何で黙ってたのさ! この二人って、ある意味超有名人だよ!?」

「世界チャンピオンに、バスターソードフェチの変態妹… まさかこんな二人に…」

海風「ちょっと表出ろ」

浜風「海風、落ち着いて…」

海風「だって海風、本来の領分で評価されないでバスターソード振り回してることだけが変な風に捉えられてるんですよ!? 凄い風評被害ですよ!

朝風でしたっけあの人!? 一体何喋ったんですか!? あのデコに肉って油性マジックで書いてやりましょうか!?」

浜風「気持ちは分かる…! でも落ち着いて…!」

鬼怒「まぁまぁ海風。 そんなに怒らなくても… 他のお客さんに迷惑だから、ね?」

海風「黙らっしゃい! あんなキンキン声でバスターソードフェチだの変態だのと呼ばれて怒らない人が居るとでも!?」

鬼怒「あ、スイマセン…」

浜風「海風の指揮能力はちゃんと評価されてるから… 今は落ち着いて、お願い…!」

「ご、ごめん… ちょっとハイテンションになってた…」

「流石にちょっと言い過ぎたかも…」

海風「言葉発する前に相手がどう捉えるか考えてから発しなさい! 貴女達のお頭はその程度のことも…」

鬼怒(ねぇ、浜風姉。 もしかして海風の罵倒語彙力上がってない…?)

浜風(ええ… 不仲な両親に挟まれてネットにのめり込んで、なおかつ頭の回転が早すぎるものだから… 私も、言葉でフルボッコにされた…

と言うかさっき、両親相手に啖呵切って罵倒して水ぶっ掛けてきたばかりなの…)

鬼怒(この子どんな方向に向かってるの!?)

海風「ハァハァ… 頭回転させたら糖分足りなくなってきた…」

鬼怒「ごめんね、海風。 ちょっと配慮足りなかったかも…」

海風「全くです… あと次会ったら朝風って人、デコに油性マジックで落書きしてやる…」

浜風「止めなさい。 絶対デコじゃ済まないから」

(エアクラッシャー海風、あの話は本当だった…)

(爆弾発言と暴言と罵倒と嫌がらせのオンパレードで空気を悉く凍らせる… あんまり敵にまわしたくは無いかも…)

海風「で、そこの二人は一体何なんですか?」


チームメイト(とチーム名) 直下
1.嵐・江風 『チーム・トリオ・ザ・レッド』
2.木曾・天霧 『チーム・サンシャイン』
3.その他(キャラクター、チーム名も。 ただし既出など一部キャラはNG)

嵐「あ、嵐っす。鬼怒のチームメイトで…」

江風「同じく江風。 一応『トリオ・ザ・レッド』ってチームでやってます…」

鬼怒「え、えっと… 二人共、この子二人より年下の中一だよ…?」

嵐・江風「え…」

海風「はぁ… 『フリューゲル・ヴェント』、海風です。 チームの主席指揮官、そして戦術補佐を担当しています」

浜風「浜風です。 まぁ知っての通り、一応世界大会出場ファイターで優勝もしていますが… 貴女達とは現状、戦わないので気にしないで下さい」

鬼怒「え、えっと… 従姉の鬼怒っす、はい」

浜風「鬼怒、もう知ってる」

鬼怒「だよねー…」

嵐「確かウイングゼロのファイター、だったっけ…」

海風「『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』、です」

浜風(今はアズライト、だけど。 情報の隠蔽は基本的なこと、明かさないおは当然ね)

江風「本当にこれであのキジマ・ウィルフリッドと互角だったのかよ…?」

海風「ええ。 押されてはいましたが、粘りましたよ。 時間切れになっていなければ色んな意味で負けていましたが」

海風(あの戦い、先読みを10連重ねていましたが軽く上回られていた… そして『アズライト・バースト』、その前のシステムを使用したことによる超過負荷でウイングの腕が木っ端微塵になったこと…

粘れてはいても、勝ちには程遠かった… だけど次は、次こそは…!)

プルルルルルル

鬼怒「あれ、浜風姉の?」

浜風「あ、ほんとだ… 瑞鳳さん…?」

嵐「ず、瑞鳳って… あの『真紅の戦乙女』!?」

江風「そりゃ当然だよなぁ… 関わりあるンだし」

浜風「浜風です。瑞鳳さん、どうかしましたか?」

瑞鳳『制圧終わったよ。 ただ色々問題があって… 急いで基地に集合して』

浜風「分かりました。 今から海風と向かいます」

海風「何かあったのですか?」

浜風「少々問題が起きた様で… 海風も来て下さい」

海風「分かりました。 では失礼します」

鬼怒「じゃあね二人共… って、お金! お会計忘れてるって!?」

海風「次会ったら払いますから立て替えておいてください!」

《瑞鳳達のアジト》

浜風「遅れました!」

海風「新宿行ってました、すみません!」

瑞鳳「あれ海風ちゃんも来ちゃったの? 別に浜風ちゃんだけで良かったんだけど… 御両親とのお話はもう終わった?」

海風「ええ。 あんな面、二度と拝みたくはありません」

浜風「まあ私も怒り心頭なので海風と同意です」

瑞鳳「そ、そう?」

瑞鳳(浜風ちゃん達の件、そろそろ何かしないとマズイかもね… もう家庭は破綻してるし、蒼龍さん達と同じで新しい偽装戸籍の用意もしておこうかな。

少なくとも聞いた限りじゃ完全に教育上よろしくないし、引き取るにしろ完全に縁を断たないといけないし… 問題はその資金、そして姉妹二人で生活出来るだけのお金か…)

海風「どうかしましたか?」

瑞鳳「何でもないよ。 それよりちょっと付いて来て」



浜風「予定していた作戦終了時刻を大幅に上回っていますが… 何かあったのですか?」

瑞鳳「警察、しかもSATと鉢合わせしたの。 向こうも本拠地に殴りこみをかけて、私達はギリギリ逃げて来た」

海風「SATって、あのSATですか?」

瑞鳳「警察の特殊急襲部隊だね。 別にSATも纏めて制圧するのは簡単だけど余計話がややこしくなるのは目に見えてる。

第一この基地を知られれば、何が起きるか分かったもんじゃないし」

浜風「軍事力に関してなら我々はある程度の国家の軍隊に相当する戦力を持っています。 我々がそのつもりが無くとも向こうには関係ない、ただの武力集団扱いですから」

瑞鳳「そう言うこと。 だから私達、青葉さんと古鷹さん、衣笠さんと間宮さん、そして榛名さんと蒼龍さんと私はトンズラ。ほぼ得るものは無かった。

抑えられたのは証拠写真とある程度の物証だけ。 ただね、その物証が非常に厄介と言うか…」

海風「物証…?」


《医務室》


瑞鳳「これが私達の見つけた『物証』、と言うより『証人』だね」

海風「女の人… 海風達と大差無い…」

浜風「この少女… 昏睡病の罹患者ですか?」

瑞鳳「と言うか元凶とも言えるかも」

浜風「…!」

海風「まさか…」

瑞鳳「EXAMシステムを完成させるにはね、あるものが必要なの。 『ニュータイプ、それに準ずる存在の脳波』、それをシステムにコピーして核にすることでシステムは完成する。

そしてこの子の脳波は… 『今のEXAMシステム』の波長パターンと完全に一致した。 この子がEXAMの核、パーソナルデータはこれ。抜き出せた情報の一部にこれがあった」

海風「『マリオン・ウェルチ』… アナハイムが経営する孤児院の出身、そして『ガンプラ学園』の学生…!?」

浜風「あそこはアナハイムのお膝元、入学していても不思議じゃないわね…」

瑞鳳「そう言うこと。 それに平行世界のアナハイムは裏で『強化人間』に関する研究をしていた、もしそれがこの世界でも行われていたら…」

海風「この少女が、その被検体だった…?」

瑞鳳「その可能性は大いに在る。 だからこそ私達は、絶対的な切り札を手に入れたことになるの」

浜風「EXAMシステムを止める方法は、大本を破壊してこの子を目覚めさせるしか方法は… まさかその逆も然り、なの…?」

瑞鳳「…うん。 私の見立て、そして『ゼロシステム』とハシラジマにある『ヴェーダ』の予測だとこの子を殺せばこの事態は止まる。

この子とEXAMは今も繋がってる、だからこそこの子を殺して繋がり断てば… 最小限の犠牲で、最大の効果を発揮出来るけど…」

海風「そんな…! そんなの、絶対にやっちゃいけない事ですよ!?」

瑞鳳「分かってる…! だからこそ、私は… 『EXAMシステム』の大本を断つ! この子は死なせ無い、そしてEXAMは絶対に破壊する! そしてこの子を、こんな目にあわせた黒幕を成層圏の果てまでぶっとばして摩擦熱で丸焦げにしてやる…!」

浜風「どうしてこの話を私達に? 今からでも全員集めてブリーフィングを…」

瑞鳳「駄目だよ。 この子を殺せば事態は終わる… でも新しい核となる人間が今後現れ無いとも限らない。

そしてここにこの子を保護していることを知って、私達と共に行動をするメンバーの中にこの子を殺そうと考える人が出てくるかもしれない。ここでこの子を殺せば、現状は解決しても『それだけ』なんだよ」

海風「まさかこの子を隠匿する気ですか?」

瑞鳳「と言うか、リタちゃんと一緒にハシラジマへと移送する。 あそこなら切り離す方法が見つかる可能性もあるし、セキュリティも強固だから万全だよ」

海風「確かに… 異世界であるなら簡単には手を出せないかもしれません。 それに現状の状態で完全に事態が解決しない限り、大本のシステムを破壊しない限り復活する可能性もある…

そして、彼女は現状唯一の手がかりと言っても過言ではありません。 ここで彼女を失う事は、海風達が完全にEXAMの手がかりを失うことになると言うことですね」

浜風「しかし、この子を殺そうとする人が居るとは思えませんが…」

海風「萩風さんとかはやらかしそうな気が…」

萩風「確かに私は手段は厭わないけど… 分かってるつもりよ、この子は何も悪く無い。そしてこの子を殺したところで未来を完全に改変出来ないことくらい」

三人「!?」

浜風「何時の間に!?」

萩風「割とさっきから居ましたが… まさか海風さんにそこまで信用されてないとは…」

海風「前科あるじゃないですか結構」

萩風「うっ…!? そ、それ言われると…」

瑞鳳「で、こんな所にどうしたの? 今ちょっと大事な話を…」

萩風「一つ報告に来ただけです。 先程、スドウ・シュンスケの収監されていた施設が何者かの襲撃を受けました」

浜風「彼の居る施設が…!?」

海風「え、彼逮捕と言うか補導?されていたのは知っていましたが… 収監されてたんですか?」

萩風「ええ。 政府の息がかかった病院の隔離施設、特定伝染病患者を隔離する施設に収監されていました。

しかし私が彼の元を、ナノマシンを渡した者がニムバス・シュターゼン一味の三人の中に居るのかを確認に向かいましたが… 既に何者かの襲撃を受け昏睡病の集団発症を確認、そして私が事態の沈静化を図っている隙にスドウ・シュンスケは脱走しました」

瑞鳳「でもどうして彼を今更…?」

萩風「彼は貴重なサンプル、特に通常とは異なるナノマシンを投与されています。 彼の様な人間は貴重なサンプルなのでしょう」

瑞鳳「分かった、ありがとう。 この件は周知しておくね。 被害人数とか具体的な報告は後で聞くから」

萩風「はい、お母様」

瑞鳳「そして… えいっ」ゴツン

萩風「い゛っ!?」

海風「げ、拳骨…?」

瑞鳳「あんまり危ない事、しちゃ駄目だよ。 必要な時は人数を割くから、独断行動は駄目。 良い?」

萩風「うぅ… は、はぃぃぃぃ…」

浜風「凄く痛そう… 私達なら頭蓋骨凹んでるかも…」

瑞鳳「二人もだよ。 良いね?」

海風・浜風「あ、はい!」


イベント選択 直下
1.神通『山嵐』
2.霞『ニュータイプ』
3.天津風『孤独』

side-霞- 『ニュータイプ』


霞「ねぇ、どうしてアンタは死んだの?」

リタ「あ、それ聞いちゃう?」

霞「当然よ。こんな訳の分からない訓練やらされて… アンタの身の上話の一つでも無いとつまらなくてしょうがないわ」

リタ「そうだよね… 面白くも無い、胸糞悪い話だよ。 U.C.0095年12月3日、私はアイリッシュ級戦艦『エシャロット』に居た。理由は『バンシィ』『フェネクス』のトライアル。

私は『フェネクス』の専属強化人間、相手のパイロットは知らない。 テストは順調だった、途中までは」

霞「ネオ・ジオンの介入、だったわね」

リタ「それはアナハイムとエシャロットに乗っていたラーソン中将が仕組んだことだった、けど私が知る事じゃない…

敵機は複数のギラ・ドーガとサイコミュ搭載MS『リバウ』。 私は応戦してたけどバンシィがリバウを相手にNT-Dを発動して、それに焦った中将が私の機体のリミッターを外した…」

霞「そしてNT-Dが発動して…」

リタ「私は、死んだ。 その理由は憶えて無い。 サイコミュ暴走による脳死なのか加速Gでペチャンコなのか分からない。 でも気が付いたら、私はフェネクスに取り込まれてた…

その後は… 宇宙を彷徨って、一人の男の子と再会して、ネオ・ジオングと戦って、ちょっと永い別れを済ませて宇宙に消えた筈だったんだけど…」

霞「筈だった?」

リタ「気が付いたら北極海に沈んでたんだよ」

霞「え」

リタ「いや、ホント… 気が付いたら北極海のコンテナに沈んでて、瑞鳳達に回収されたの。 紆余曲折を経て私はこの身体を使って蘇ったって訳。

この肉体の元々の魂と融合してるせいか、少しだけ明るくなってるらしいけど。 一度里帰りしたけど最初ヨナには私だって分かって貰えなかったし…」

霞「宇宙世紀行って帰って来たの!?」

リタ「うん。 つい5月の事。 本当はママ二人と一緒に行ったんだけど、抜け出して会いに行ったの」

霞「それで、そのヨナってやつは?」

リタ「『え、リタ? リタ!? お前本当にリタなの!?』とか3度も確認された… 私の事好きだ、って言ってくれたのに…。

でもきちんと話して… いや、もうあそこでママ二人のはっちゃけが無ければ…」

霞「何しでかしたのよ、向こうの榛名さん…」

リタ「あろうことかヨナを拉致った」

霞「はぁ!?」

リタ「『娘キズモノにした責任取って貰う』とか言って… 今はハシラジマで待ってくれてる」

霞「…今回アンタじゃなくてそのヨナってやつ連れてくるべきじゃなかったの?」

リタ「こっちも女ばかりだし、ヨナは私のなんだから鼻伸ばして欲しくないもの。 だから私が来た」

霞「そ、そう…」

霞(意外と嫉妬心はあるのね…)


イベント 直下

ピンポーン


霞「…はぁ、お客かしら? でも最近物騒だから迂闊に出るのも…」

リタ「気配を感じてみれば良いんだよ」

霞「あぁ、そう言う使い方もあるのね」

リタ「榛名ママがよくやってる」

霞「何やってるのよ、アンタのお母さん… やってみる、か…!」ピキィン

霞(既知の気配、しかも昔からの…)

霞「…駄目。 知り合いなのは分かるけど、それ以上は…」

リタ「今はそれで充分、あとで練習すれば良いんだから。 ほら、知り合いなら早く行ったら?」

霞「そうするわ」



大鯨「どもー♪」

霞「大鯨さん、仕事は?」

大鯨「仕事だけど。 貴女の周りの… と言うか土地管理・会社の経営権とあとは賃貸収入管理と税金と…」

霞「ああ、そう言えば引き受けて貰ってましたね」

大鯨「他の誰でもない貴女の御祖母さんの最後の頼みだもの… こんな形でしか恩返しはもう出来ないから。

それに、少しばかり御祖母さんに謝りたいことが出来てしまったし」

霞「謝ること…?」

大鯨「貴女を、昏睡病から護りきることが出来なかったことよ。 事態に巻き込んだ時点で、本当なら謝らなきゃいけなかったのに…

それにあの事件の真相、今世界に起きてることも話さなきゃいけないわ。貴女の事をすぐ傍で見てくれてるとは言え、一度私からのけじめとしてね」

霞「そんな… 私が事件に巻き込まれたのは大鯨さんのせいじゃ…」

大鯨「誰のせいでも無い、それは分かってる… でも私は、その事態を解決する術を持っていない。それが悔しいのよ…」

霞「…大鯨さん、謝るのはきっとお婆ちゃんも望んで無いと思います」

大鯨「分かってる、それも。 けじめとして、よ」



大鯨「で、この資料は… 会社の資産関連のものね」

霞「初めて見た…」

大鯨「貴女は事件の真相と向き合った、その資格はもうあると思うのだけど」

霞「え…?」

大鯨「普通の人ならあんな事件、トラウマを拭うことすら難しいわ。 でも貴女は過去を乗り越え、未来に手を伸ばそうとしてる。

だから私にとっては充分、貴女は成長していると思うわ」

霞「私一人では、無理だったと思います。 …私は今まで一歩踏み出せなかった。友達なんて出来なくて、あの事件にいつまでも囚われて…

でも海風と出会って、先輩と出会って… ちょっとだけ、前に進めたような気がします」

大鯨「神通ちゃんの影響も大きいけど、やっぱり一番は海風ちゃんかしら?」

霞「海風が?」

大鯨「あの子の精神力、正直瑞鳳以上だと思ってる。 あの子の能力は『未来予測演算』、未来を予測する過程の中で幾多もの『最悪の未来』も視ている筈よ。

だけどその未来を受け止め、抗って立ち向かってる。 絶対に何も諦めようとしない不屈の精神、それがあの子の本当の力」

霞「海風の、力…」

大鯨「そしてあの子は瑞鳳以上に周りを視ている。瑞鳳みたいにノンストップで進むんじゃ無くて、隣に立ってくれる人の手を取り合って進むのが海風ちゃんなの。

何を失っても進み続ける瑞鳳、何も失わないように必死に抗いながら前を見据えて進み続けるのが海風ちゃん。そこが二人の違いかしら? そんなあの子の精神が貴女にも影響してるのかもね」

霞「確かに海風は… 何かあれば味方のフォローを率先して行ってくれたり、私の事をあの時庇ってくれた…」

大鯨「でもそれは危うさを孕んでる。 あの子はある意味二重の人格を持った子よ」

霞「二重人格? 海風が?」

大鯨「表向きはマイペースで、貴女達の良く知る海風ちゃん。 でもその本質は… 周囲に気を配り誰かの為なら、冗談抜きで自分の命すらも投げ出そうとする。

歳相応のメンタルなのに弱さを押し殺して、自分がどれだけ傷付く事も厭わない。 『他人の為なら自分がどうでなっても良い』、そんなレベルの自己犠牲精神の塊なの」

霞(そうだ… 思い当たる節はいくらでもある… 最初、私達が模型部と戦った時だって自らが率先して飛び出した…

私の時は自分の事を犠牲にしてでも私を逃がそうとして、スドウ・シュンスケに先輩が負けそうになったのも割り込んだのは海風で…)

霞「確かに、海風の事は歪だって思ってたけど…」

大鯨「瑞鳳だってその辺に関しちゃまだまともな思考よ。 『痛いのやだなー』って躊躇ったり『熊肉はいやだぁぁぁぁぁぁ』とか泣いたりするし。

でも海風ちゃんは躊躇うとか恐怖で泣いたりとか、そんな素振りが一切無い。私が言うのもどうかと思うけど、どう育てたらあんな性格になるのか知りたいわね」

霞「海風の家庭環境は…」

大鯨「浜風ちゃんから聞いてる。 ほぼ機能不全、しかも海風ちゃんには見向きもしなかった。 

多分根底部分には『誰かに求めて貰いたい』って感情があるんじゃないかしら?」

霞「誰かに求めて貰いたい、ですか」

大鯨「私の推測でしかないけどね。 家族からも見放され孤独になったが故にあの人格が形成された…

そして居場所が欲しくて、居場所になってくれる人相手なら命だって捨てられる。 そんな、歪で寂しがり屋なのがあの子なのかも」

霞「歪で寂しがり屋… まさに海風みたいです」

大鯨「だから、貴女が側に居てあげて。 友達として仲間として、あの子を結いつける子が必要だから」



大鯨「じゃあこれで全部、かしら? アナハイムが横槍しなくなってきたからやり易くて助かるわ」

霞「そんなにヤバイんですか、アナハイムって」

大鯨「潰れるのは時間の問題ね。 この前の一件で不買運動やらが広まったり、もっと黒い内部告発が出てきたり…

ナノマシンの件が出て来ないのが幸いってぐらい、今追い込まれつつあるわ」

霞「そこまで…」

大鯨「社員も流に流れてるみたいだし… 日本支部の人もウチも数人引き抜いてるから。

あとは… PPSEも手が離れるかもしれない」

霞「PPSEも!?」

大鯨「どうする、買っちゃう?」

霞「…考えさせてください」

大鯨「了解っと。 あ、ちょっとしたアドバイスいいかしら?」

霞「何ですか?」

大鯨「ニュータイプって言うのはね、ただの進化じゃないの。 人の在り方そのものって言っても良い…

精神的や肉体的な共感だけじゃなくて、隣の人を大事にして活かせる人の事を本当の意味で『ニュータイプ』って呼ぶの。異能力と人類の革新は別物、それだけは覚えておいてね」



霞「異能力と革新は別物、か…」

リタ「その通り、だね。 私が最後に言おうとした台詞取られちゃった」

霞「聞いてたの?」

リタ「多分あの人も気付いてた筈だよ。 あの人の言う通り能力なんて関係ない、誰かを想って力を活かせる人こそ本当のニュータイプ…

家族と仲間の為に革新した榛名ママや青葉ママ、ただ姉への愛のために革新した天城、かつての仲間を想い復讐の為に革新した満潮… 在り方はそれぞれだけど、皆ニュータイプって言っても過言じゃ無い」

霞「…最後の違うでしょ」

リタ「ううん。 満潮がやったのは『誰かの為の復讐』であって自分の為じゃなかった。 誰かを想って復讐できる人間って、本当は優しい人間なんだよ。

それに最終的にはママの為にも戦うようになったし… だから少しイレギュラーな形ではあるけどあの子はニュータイプって言って良いの」

霞「そう言うものなのね」

《翌日 甘味処・間宮》

神通「では最終ブリーフィングを行います」

霞「…何でここ?」

海風「丁度良い場所がここだけだったので」

天津風「ここ一応榛名さん、宮城の連中のお膝元よ?」

間宮「大丈夫よ。 もう榛名さん達は現地に向かったし、他の人も全員出払ってるわ。

盗み聞きとか榛名さんにバラしたりもしないから」

朝雲「間宮さんがこう言ってるんだから良いんじゃない?」

間宮「はい、抹茶あんみつと白玉おしるこ。 あとおはぎセットに宇治金時、コーヒーフロートと心太セットね」

萩風「ありがとうございます」

神通「萩風が甘い物なんて…」

萩風「べ、別に私だっていっつも健康健康って言ってる訳じゃ… それに皆頼んでるのに私だけ頼まないなんて空気が読め無いにも程があるじゃないですか」

霞「でも何でコーヒーフロート?」

萩風「…糖分・塩分その他控えめ生活を送り続けた結果、味覚が過敏になって甘い物が苦手に… コーヒーなら誤魔化せるかなって…」

朝雲「やっぱり度が過ぎると駄目なのよね。人間程々よ、程々」

海風「では皆さん、食べながらでもブリーフィングを始めましょう」


海風「ではフォーメーション、戦闘パターンは先程の資料の通りに。あとは… 各チームの戦力等の再確認と致しましょう」

霞「今私達が把握してるのは… 福島・朝日台と宮城・天山、高知・ディープ・ブルーと京都・風の会、神奈川・本牧と…」

天津風「静岡、ガンプラ学園『ソレスタル・スフィア』…」

海風「朝日台は… 長距離砲撃に警戒してさえいれば何とかなります。 先輩、『ディープ・ブルー』は?」

神通「敵は水陸両用を主体に使う、との前情報でしたが現状は水中でも性能を発揮可能な汎用機を主体にしているようです。

ファイターはフランス留学生『コマンダン・テスト』とアイヌ民族?な『神威』、そして『瑞穂』と言う方でした」

天津風「機体はGN-XⅣとアビスガンダム、そしてガンダイバーの改造機ね。 海中に引きずり込まれれば強敵だけど、海が無ければ平均的な相手に過ぎないわ」

海風「なので対処は水中に近付かない事、でしょうか。 では次は…  『風の会』ですね」

萩風「ファイターは神風、春風、朝風の三人により構築されています。使用機体は『レギンレイズ・フェーン』『ティエルヴァ・マガツ』『ガデッカ』。

技量は、それなりのようですが『それなり』でしか無いですね。 さらに機体の偏り、中距離のレンジに対応出来る人間が少ない事も弱点でしょう」

朝雲「バランスの悪さ、あと敵を侮る傾向もね。 舐めてかかって改RX-0の餌食にされたし」

海風「本牧のあのワカメは… 本来の機体はMAである事は把握していますが、機種は分かりません。飛ばしましょう。

そして問題は残る二つ… 天山学園とガンプラ学園です」

霞「その二つはぶっちぎって優勝候補、しかも後者に関しては去年優勝してる」

海風「ではまず天山学園から… ファイターは『阿武隈』『陽炎』『長波』、使用機体は『マーナガルム』『ヴェズルフェルニル』『ガルム』。

機体性能に関してはガンプラ学園以上、ファイターも同等レベルの敵が揃っています」

神通「弱点と言える弱点は… ほぼ無い、と言っても過言では無いでしょう。 しかも元軍人の三人だから油断も何も無い、優秀すぎるファイターです」

朝雲「強いて弱点を挙げるとすれば、殆どの機体共通の『機体のモロさ』ね。 RGでも無いHGで完全変形出来る以上、パーツの一つ一つが脆い。

そして粒子消費量の多さと比例しない粒子貯蔵量。 無駄に浪費させ続ければ勝ち筋は見えるかも」

海風「逆に言えばそれしか弱点無いんですよね… で、肝心のガンプラ学園は…」

天津風「ファイターは確定が二人、『キジマ・ウィルフリッド』と『アドウ・サガ』、あとは未定。機体は『トランジェントガンダム』と『ガンダムジエンド』。

キジマ・ウィルフリッドに関しては弱点は無い。 海風、それはアンタが一番分かってるでしょ?」

海風「ええ、未来予測演算を使ってもギリギリ粘るのが限界でした。 アドウ・サガはどうですか?」

天津風「弱点は… アイツ、去年右手首を大怪我してるのよ。 それで去年欠場、今もリハビリ中だって聞いてるわ。 逆に、そこに漬け込むしか弱点は無い」

海風「なんとも面倒臭い相手です… ジエンドも色々ゴタゴタし過ぎて、何か抱えてるか分かったものではありませんし…」


・イベント 直下

天津風「ジエンドの弱点ね… あのクロー、ビーム砲とファングのキャリアと格闘武器を兼ねたやつをどうにか出来れば…?」

萩風「本体の腹に切れ込みが入っているのも気になりますね。あそこにも何かギミックが…」

神通「しかし腹部に『ガンダムヴァサーゴ』みたいなビーム砲でも仕込んでいない限り本体の火力は皆無です。あのヘッドを無力化出来れば」

海風「確かに本体は火力が無く脆弱でしょうね。 あと海風の不意打ちに対応出来なかったと言う事は背後からの攻撃への対抗手段が無いと言う事ですし」

霞「アイツは正直遠隔火器頼り、見かけによらずスピードは速いけど『ヴェズルフェルニル』程じゃないし… 攻略手段はいくらでもある」

朝雲「問題は『トランジェントガンダム』の方よ。 昨日、平行世界で対戦経験がある飛龍さんに色々聞いてきたけど…

あの槍、近接武器とビーム生成能力以外にも大出力ビーム砲としての機能と遠隔のランスビットとしての機能があるらしいの」

海風「…あれはかなり手加減されていた状態と言うことですか」

天津風「いえ、手加減はしてない… と言うか出来ない筈よ、あの人は。本気で戦おうとしてくれる相手には。 

ビーム砲を使わなかったのは間合いが取れないしチャージに時間がかかるから、ビット機能を使わないのは簡単にビームを切り払う海風相手には通用しないって理解していたから」

萩風「しかもランスビットは文字通りあの武器そのものをビットとして使うものと推測可能です。 恐らく武器を喪失するリスクを避けたのでしょう」

霞「じゃあビットを潰せば、なんとかなる可能性があるかも?」

神通「そう簡単にはさせてはくれないでしょう。 それにGNドライヴ搭載機である以上『トランザム』かそれに準ずる能力を持つ可能性がありますし。

さらに言えば海風さんの予測を容易く上回った時点で格闘戦能力は遥かに高く、『技』を使わない私と同等であると考えてください」

天津風「…それって最悪じゃない? 先輩クラスって、相当よ?」

萩風「人外もいいところの人外… 私がまだまともに見える程の…」

神通「皆、酷い… 特に萩風…」

萩風「だって半分血が繋がってる私より身体能力かなり高いし…」

朝雲「一般人から見ればアンタも大概よ」

霞「アレね。 トランジェント、と言うかキジマ・ウィルフリッドを倒す方法は… 場外乱闘か闇討ちだけかしら…?」

萩風「!」ガタッ

神通「座ってなさい! 霞さんも、焚き付けないで!」

海風「本当にやりかねないから怖いんですよね…」

間宮「ぶ、物騒なことはしないでね?」

海風「本気でちょっと煮詰まって糖分足りなくなってきた… すみません、追加でこの『トーリスリッターパフェ』ください」

間宮「はーい」

朝雲「確かにここガンプラかなり置いてるし、そう言うメニューもあるけどさ… 何でよりによって『トーリスリッター』なのよ… 普通にガンダムで良いでしょ。

私は『ジンクスカキ氷』お願いしても良いですか?」

天津風「あ、私この『ドートレス饅頭セット』を」

萩風「じゃあ私は… 『アッシュフロート』をコーヒーで」

霞「すっごくメニューが混沌としてるわね… あ、私『グレイズ焼き』で」

神通「本当に機体チョイスが謎です… 『クランシェアイス』ください」

間宮「ちょっと待っててね~」

ガラッ


どこのチームが来た? 直下
1.鬼怒一行(鬼怒・嵐・江風)
2.神風一行(神風・朝風・春風)
3.その他(チーム、未出ならメンバー・チーム名も)

間宮「いらっしゃいませ~。 3名様でよろしいでしょうか?」

「ええ。 ここが噂のガンダム甘味処…」

「流石にガンプラまみれ、しかも凄い出来栄えだね~」

「それに、面白い方々もいらっしゃるようで」

萩風「あれは…」

朝雲「萩風? どうかした?」

海風「あれ、どこかで… あ、大会の公式サイトの…!」

天津風「そう言えば大会参加選手は地区優勝時の写真が掲載されて… ッ…!?」ポチポチ

「『フリューゲル・ヴェント』、ドイツ語の『翼』とイタリア語の『風』を組み合わせた珍しい名前のチームね」

「気取った名前だねぇ… それでも実力が伴ってるから面倒なんだけどね」

「それに『真紅の戦乙女』の教え子達… 生半可な相手ではありません」

霞「人の事ゴタゴタ言う前に名乗ったらどう?」

霧島「おっと… それは失礼しました。 私は霧島、鹿児島代表たる我梅学院チーム『アマテラス』のリーダーです」

朝雲「アマテラス? 何で日本神話?」

海風「日本神話の伝承の一つに『天孫降臨』と言うものがあって、その伝承の大本になっているのが鹿児島の霧島連山の高千穂峰なんです。

降臨したと言うのは天照大御神ではなく天孫・邇邇藝命なのですが。 三種の神器が地上にあるのはその伝承によるものだとか」

天津風「そう言う事ね… 一応名前の由来はあるんだ」

神通「ええ。 ただその伝承には鹿児島ではなく宮崎の高千穂町と言う説も存在していて、高千穂町には天岩戸伝説にちなんだ洞窟も存在しているのでそちらの方が有力ではないかと…」

霧島「細かい事は気にしないで下さい。それに天岩戸伝説なんてそこら中に散らばってるのでその説は信憑性に欠けるかと」

萩風「しかし天岩戸神社が高千穂にはあります。 同名の神社は奈良にもありますが海風さんの言った天孫降臨の事も含めると高千穂町説がやはり有力かと」

川内「ここで神話議論は止めて… この前宮崎の人とそれでモメたんだから。 私は川内、得意なのは夜間戦闘ね」

大淀「同じく、『アマテラス』のメンバーの大淀です。よろしくお願いします」

神通「小沢学園『フリューゲル・ヴェント』、部長の神通です。 そしてメンバーの海風さん、霞さん、天津風さん、朝雲さん、萩風さんです」

大淀「? 事前情報には居ないメンバーがいらっしゃいますが…」

萩風「私は諸事情により地区予選後に編入しました。 なのでそれは当然かと」

大淀(事前情報には無い敵、厄介です)

川内「凄い面子だねぇ… 倒し甲斐がありそう。しかもアイツ等と引き分けたって言うじゃん?」

天津風「アイツ等?」

川内「『ホワイトクリーン』だよ! アイツ等、去年私達のことアッサリ倒しちゃってさ… しかも本気にならずにだよ?」

霧島「NT-Dを使われる前に負けたわ… まさかあんなに強いとは…」

間宮「そうでしょうね。 改RX-0相手では」

三人「え…」

間宮「お待たせ~。 『トーリスリッターパフェ』と『クランシェアイス』、『アッシュフロート』に『ドートレス饅頭セット』、『グレイズ焼き』『ジンクスカキ氷』ね」

海風「すご… 見本の写真より、作りこんである…」

霞「一種の芸術作品レベルよね、もうこれ」

朝雲「因みに言うとね、ここアンタ達が負けた『ホワイトクリーン』のお膝元よ」

三人「は?」

萩風「ここのオーナーは『ホワイトクリーン』のメンバー全員の姉、そして改RX-0シリーズの製作者です。 さらに言えばこの方はその部下です」

三人「!?」

間宮「よろしくね~」

海風(このチーム、海風の情報網に引っかかってない… 情報の隠匿に優れているの…?

敵が未知数過ぎる、どうにかして情報を引き出さないと…!)

霧島(『フリューゲル・ヴェント』、その情報は知り尽くしている… と言いたいですが、彼女達の監督役はあの『真紅の戦乙女』。

そして前年度世界チャンプでほぼ同等の指揮能力を持つ妹も擁する。過去の情報が役に立つかは分からない相手ね)

大淀(さらに不確定要素の新メンバー、この人も大人しそうな顔して何しでかすか分からないタイプです。

敵対する可能性がある以上、可能な限り情報を引きずり出さないと)

霞「アンタ達、心の声駄々漏れよ」ピキィン

川内「分かり易い、っていうかさ… 凄い空気が漂ってるんだけど」

天津風「暗闘は他所でやりなさいな」

萩風「…」ポチポチ

ピロリン

海風「あれ、ライン…」

萩風『情報は既にある程度こちらに入っています。今はポーカーフェイスを貫いて』

海風「えぇ…」

朝雲「これじゃ作戦会議は出来そうに無いわね。 さっさと食べて明日の準備しましょうか」

神通「そうですね。現状、話すことも特には無いでしょうし」

霧島・大淀「チッ…」

天津風「…舌打ち食らう謂れある?」

大淀「いえ… そうだ! あの、意見交換なんかいかがです?」

海風「それをする事で、我々にどんなメリットが?」

霞「デメリットがでかすぎるわ、それ」

霧島「データ、知りたく無いですか? 我々はこれでも今回の出場校の情報は全て取り揃えています。おおよそですが。

また前回の大会に関してもデータは収集済みです。 この一部を提供する、と言えば?」

萩風「…海風さん、去年のデータなど死んだも同然のものです。 情報とは鮮度が命、去年の死んだデータを貰っても今年が同じとは限らないでしょう」

海風「現に、東京代表は海風達に入れ替わってますし… 前年度と同じ出場校は半分程度ですからねぇ…」

大淀「では… 『ガンプラ学園』のデータなどいかがでしょうか?」

天津風「それ、意味無いわよ。元学園生がここに居るし」

三人「は?」

天津風「アイツらの事は私が熟知してる。 聞くメリットは…」

海風(去年の代表…? まさか、『マリオン・ウェルチ』に関する情報もある可能性が…!)

萩風(しかし彼女の情報を持っているとは限らない… ここは受けないのが正しい選択です)

海風「…条件は? そちらが一校だけ提供する、と言う事はこちらも一校だけの提供でイーブンでしょう」

霞「ちょ、何考えてんの!?」

海風「事情はあとで。 我々以外で、我々の持つデータを提供するのは?」

霧島「…では『ホワイトクリーン』を。 戦ったのでしょう?」

海風「ええ。 構いませんよ。 では商談成立と」

朝雲「ちょ、海風!?」

神通(この子、一体何を考えて…)

《その後 萩風のマンション》


萩風「はぁ… まさか春の、練習試合時点の情報を渡すなんて…」

海風「嘘は吐いてませんし。 『コード・ブレイヴ』も『特殊兵装』も無い当時のデータ、さらに言えばほぼ去年と変化の無いデータです」

神通「確かに『マーナガルム』以下3機は改修を受けて性能なども大きく変化していますが…」

海風「古いデータを渡されただけなので、こちらも古いデータを渡しただけです」

霞「でも渡したデータで断片的にこっちの事研究する腹積もりよ、アイツ等」

海風「だからこそ、古いデータである事に意味があります。 海風達の能力は、先輩の能力解放と霞のNT化、さらに機体改修と戦術スタイルの大幅変化によって意味はありません。

ホワイトクリーン側の間宮さんも止めに入らなかったと言う事は『時代遅れの情報』なら許してくれてるでしょうし」

萩風「さっき厨房に入って確認したら『阿武隈ちゃん達も春先とは違うからその程度なら良いんじゃない?』って言っていましたし…

しかし欲しいデータが手に入ったのは僥倖でした」

霞「どう言う事? アンタ達、一体…」

海風「まずはそこから説明しましょう」



神通「『EXAMシステム』に取り込まれ、核にされてしまった少女…」

霞「『マリオン・ウェルチ』… ガンプラ学園生で、しかも代表だったって…」

海風「彼女の戦闘データは全て頂きました。 これを確認すれば『EXAM』への対抗手段が見つかるかもしれません」

萩風「姉さん、霞さん、二人にはこの話の開示許可をお母様に頂いているので話していますが、残りの二人には話さないようにしてください」

霞「まさかそんな重要人物を瑞鳳さん達が確保してたなんて…」

萩風「現在ハシラジマへの移送が決定していますので、この話を知るのは突入組の中でも瑞鳳さんと榛名さん、そして私達と浜風さんだけと限られています」

神通「分かっています。 流石に彼女を殺してしまえば、今は事件が止まっても新しい核を用意してもう一度事件が起きる可能性もありますし…

何より、狙われる危険性が高いのは霞さんでしょうし…」

霞「私が、一番NTに近いから…」

萩風「ええ。次の核にされる可能性がある、と言う事です。 海風さん、戦闘データは?」

海風「全て映像資料、あと機体データです。 ただ彼女の機体データは役に立たないかと」

神通「実戦投入されたのはスクランブルガンダム、確かにあれはアナハイムで最近新造された機体ですから意味はありませんね」

霞「とりあえず確認だけしておきましょう」



神通「…これが、彼女の戦闘記録ですか」

海風「ええ。何と言うか、凄い戦闘能力で…」

萩風「寧ろこれ、EXAMシステムに取り込まれて劣化しているのではないかと」

霞「…ねぇ、この機体一体なんなの?」

神通「『ハルファスベーゼ』、Gジェネレーションオーバーワールドで設定された機体です」

海風「鉄血の機体、じゃないですよね?」

萩風「はい。 鉄血の機体名と同じ、ソロモンの魔神72柱の名前から取られていますが別です」

霞「ややこしいわね…」


イベント 直下

『先程入ったニュースによりますと、『昏睡事件』は薬物によって発生する人為的な病であり…』

萩風「警察の発表もやはり情報を濁して…」

神通「敢えて濁しているのかそれとも…」

海風「本質を理解出来ていないのか、もしくは情報が足りていないかですね」

霞「でもこれで、感染者もキャリアーも大幅に減る筈よ」

海風「怖いのはここからです。 誰もがその危険性を理解し触れなくなる事で全てが無くなったと思い込む」

萩風「『終わったこと』だと認識して、警戒心が薄れてしまう。 まだ何も終わって無いのに。 警察も、厄介な事をしでかしてくれました」

神通「彼等は未来を知り得ない、故にこの後に待ち受ける惨事を… 『8月31日』の大規模パンデミックを知らないから余計な事が出来る」

霞「目先の被害は減っても後に起きる大惨事を考えて無い、ってことね。  萩風、国外の情報は?」

萩風「世界でも一部の大国、米国や中国、ロシアや英国にドイツなどの場所で感染者を把握しました。ただ日本に比べてごく最近のものが多く、被害者もそこまでの数は居ません」

海風「だけどもう製造施設は制圧されました。 もう在庫もほぼ無く、残っているのは少数の薬と… 『特別な薬』を使った人間でしょう」

霞「スドウ・シュンスケのように、ね…」

萩風「めぼしい情報は無いわね。 もうワイドショーを見る意味は無いか…」ピッ

『明日から開催のガンプラバトル選手権、世界大会! そのエキシビジョンマッチがこの静岡、アナハイム・スタジアムで行われます!』

神通「そう言えば日程ダブってるんでしたね」

霞「そのお陰で周辺のホテルは満杯だとか… ガンプラってそんなに人気なのね」

海風「子供も大人も楽しめるホビー、ですから。 エキシビジョンは一体誰が…」

『まずは勿論この人、『3代目メイジン・カワグチ』!』ワァァァァァァ

海風「あの残念な人ですね」

霞「残念とか言わないであげなさい。あの人だって必死にやってるのよ」

神通「私達とは一線を画した人物であるのは確かです。 ガンプラ製作もバトルも、一級品ですから」

萩風「だけど勝率は芳しく無いという… 春雨さん達に惜敗、夕雲さん達には惨敗、飛龍さんにはフルボッコと言う有様で」

海風「やっぱり残念じゃないですか」

霞「相手が悪いのよ、きっと… 『まともな人間の中では強い』のよ、きっと…」

萩風「一応塾生の中では同期の主席だった、とは聞いています。 ただ一人だけ、分が悪過ぎる候補生もいたとかで」

神通「榛名さん一択でしょうね。 あの人、メイジン元々最有力候補ですし」

『そしてその対戦相手は… 昨年度チャンピオンの一人、夕雲選手です!』

海風「あ、だから昨日居なかったんですね」

神通「先に現地入りしていたのですか」


メイジン『お久し振りね、夕雲さん。 去年の雪辱、晴らさせて貰う』

夕雲『本選前ですのでお手柔らかに、と言いたいですが… 手を抜く訳には参りませんね』


霞「早速火花散ってるわ」

海風「これがガチ勢ってやつですか」

Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Speace"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


夕雲『アストレイ・ミラージュフレーム・クロイツ・リバイ、夕雲… 本気で行くわ!』


神通「やはりミラージュですか」

海風「もしかて萩風さんって戦闘スタイル夕雲さん寄りじゃ?」

萩風「ええ。 こちらの方が性に合ってるので」


アストレイミラージュフレーム・クロイツ・リバイ
武装
・75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン
・天羽々斬(アメノハバキリ)
・CソードBタイプ×2
・CソードAタイプ×2
・サーベルファング×2
・フィンライフル×2
・Bソード×2
・Aソード×2
ペネトレイトストライカー
・ワイヤーアンカー射出機構×2
・粒子フィールド発生器

概要
夕雲の専用機たる機体で一度時雨に敗北した機体を改修・強化した仕様。
原型からの大きな変化シリーズ共通のRG搭載以外にライブラリアン機同様バックパックがストライカーシステム対応になっている事。
また他の機体には無い機能で、『足の裏に粒子変容フィールドを限定的に展開、足場にする事が出来る』と言う機能を有する。
その為足場の無いフィールドや重力下だとしても加速を活かしたヒット&アウェイを繰り返す事が可能。
瞬間的な加速性能も非常に高く、現行のクロイツシリーズや改RX-0も含めても『ヴェズルフェルニル』に引けを取らない。
ちゃんとオリジナルのミラージュコロイドを活かしたステルス・外観擬装能力も持っており、浜風と同時出撃した場合は対戦相手がトラウマになるレベルで猛攻を行う。度合いとしては相対した時雨も苦笑・戦慄する程。

ペネトレイトストライカー
ブレイズウィザードを改修し、ストライカー対応にしたもの。ただし外観に名残が残っているだけで中身はまるで違う。
ミラージュコロイド展開時には装備されたワイヤーにより移動する。
そして瞬間的な加速能力を強化する為のブースターとしての機能が主であり、これにより大幅な加速性を持てるようになった。
ただしあくまでも瞬間的な速度だけであり、『ヴェズルフェルニル』とは異なり長時間の加速は出来ない。
またミサイルポッドの代わりに粒子フィールド展開機構が追加され、フィールドを展開したまま突っ込む芸当も可能。


霞「ステージは宇宙、デブリ帯?」

海風「足場いっぱい、ステルスでデブリに紛れる… やりたい放題じゃないですか」

神通「流石に今回は自重してくれるかと…」

萩風「対するメイジン側は…」



メイジン(矢矧の機体)
・ベース機 直下
・改造内容(機体名も) 下3

条件:とくになし

矢矧「ヘビーガンダム・ヴィクトリア、メイジン・カワグチ… 出るわ!」

ヘビーガンダム・ヴィクトリア
武装
・ビームサーベル×2
・複合型特殊武装『シェキナー』
・ビーム・ライフル
・ビーム・キャノン兼ハイパー・ビーム・サーベル

概要
3代目メイジン・カワグチこと矢矧の新機体。以前まで残していた『アストライヤー』の名前は廃された。能代は関わっていない。
コンセプトとしては『近代化改修と火器のアップデートを図ったヘビーガンダム』であり、以前使用していた『FAスレイヴ・レイス』や『ギャン・エーオース』などにも連なる機体でもある。
武装はフレーム・ランチャーから『ペイルライダー・キャバルリー』や『ペイルライダーDⅡ』の使用する複合型特殊兵装『シェキナー』へと変更、ビームキャノンはZZと同じハイパー・ビーム・サーベルを兼ねたものに変更し両肩装備となっている。
そして両腰にビームサーベルを装備、さらに背部の腰にはガンダム用のビーム・ライフルを予備兵装として追加した。
またコックピット周りには『ジョニー・ライデンの帰還』で実際に搭載されたバイオ・センサーを作りこんで搭載しており圧倒的な反応速度を誇る。
塗装はジョニー・ライデンの帰還で登場したイングリッド0仕様の機体をベースにしているため赤系統のカラーリング。
余談だが矢矧自体は他のファイター・ビルダーとは一線を画しており、本機の能力も世界の中では圧倒的に高い。しかし瑞鳳や榛名のような独創性がなく『ガンダム世界に囚われ巣過ぎている』のが彼女の難点であり弱点。榛名曰く『開き直れば多少マシになる』とのこと。


萩風「ヘビーガンダムの強化改修機体、ですか」

霞「ヘビーガンダム、って… フルアーマーじゃないの?」

神通「『ヘビーガンダム』はフルアーマー同様FSWS計画の機体です。FAガンダム開発の頓挫時に提出された代案の1機種で戦後に3機程が製造、その内の1機が漫画『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』で近代化改修を受けて運用されました。

あのカラーリングは間違いなくその作中のカラーリング、年代的にはU.C.0090の機体です」

霞「…ん? あれ、『フルーアマーガンダム』って開発中止になってるの? でもサンダーボルトは…」

萩風「あれはパラレルワールド、オリジンも同様の扱いです」

霞「…ゴチャゴチャしてるわね」

海風「商売的には仕方無いんですよ」

萩風「武装はペイルライダー系統の『シェキナー』、そしてZZのハイパービームサーベルを兼ねたキャノン、そしてオーソドックスにライフルとサーベル…

そしてあの機体には恐らく、もしイングリッド0仕様の機体であれば…」


メイジン「さぁ、始めましょう」

夕雲「お先にどうぞ?」

メイジン「そうさせて貰うわ!」


ヘビーガンダムがシェキナーの銃口を向けガトリング砲を放つ。夕雲は回避機動を取りミラージュコロイドを展開して姿を消す。

一度加速すれば慣性で動くことが出来る。彼女はそれを利用してデブリ帯、自分の有利なフィールドへとメイジンを誘導を試みた。


メイジン「分かっているわ、その戦い方は!」


メガ・ビーム・ランチャーで足場となるデブリを焼き払う。彼女は夕雲の戦い方は前回の対戦で熟知している、故に同じ戦い方は通じないだろう。

だからこそ足場を焼き払い、動作を封じようとしていた。 だが夕雲も簡単にいかないのは分かっている。


夕雲「なら、これはどうです!」


粒子を集束させ足場を形成、それを踏み台にして加速させる。 間合いはあるが夕雲にとって距離を詰めるなど容易い。

さらに今はミラージュコロイドを展開し目視で捉える事は不可能。高速で不可視の一撃がヘビーガンダムへと襲い掛かる。


メイジン「チィッ…!」


斬撃が行われる直前、咄嗟に抜いたサーベルで防御するメイジン。夕雲は防御されたことに多少は驚いたが、ただそれだけだ。

夕雲は機体を反転させ一度距離を取る。 離れすぎればシェキナーの餌食になり、近すぎれば加速が足りなくなる、そうならない絶妙な距離。そして夕雲はミラージュコロイドを解除し機体をグラディエーター形態へと変形させた。


夕雲「一撃で仕留めるつもりでしたが… その機体、『バイオセンサー』を作り込みましたね?」

メイジン「ええ。 『クロイツシリーズ』の性能は圧倒的、それは私も痛感してる。 対抗するにはこれ位はしないと」

夕雲「なら、対応出来ない速度で切り刻むまでよ!」

猛攻を繰り返す夕雲、彼女の操る『アストレイミラージュフレーム・クロイツ・リバイ』の速度は圧倒的だ。

さらに彼女はヒット&アウェイを繰り返して照準を合わせる隙を与えない。射撃がメインのヘビーガンダムにとって、彼女のミラージュフレームはまさに天敵と言えるだろう。


夕雲「いつまで凌ぎ切れるかしら!」

メイジン「くっ… 相性が悪過ぎる…!」


回避を繰り返し、時にはサーベルを使って攻撃を防ぐメイジン。しかし繰り返される猛攻に対応するのが精一杯で反撃に転じるのは難しい。

さらには夕雲の放つ一撃一撃が重く、機体にも負荷がかかっていた。


メイジン(直線機動が多いはずなのに、照準を合わせられない…! 前に戦った時より腕があがってるわね!)

夕雲「そろそろ決めさせて貰います!」

メイジン「来る…!」


一直線に突撃する夕雲、その軌道上へとシェキナーの銃口を向けるメイジン。 そして放たれる大量のミサイルがミラージュフレームへと襲い掛かる。

爆炎が宇宙に広がり、その炎がミラージュフレームを飲み込んだ。ように思えたが…


夕雲「勝負、ありです」

メイジン「…私の負けね」


そこにはヘビーガンダムの背後に立ち、天羽々斬を首へと突きつけるミラージュフレームの姿があった。


BATTLE END


『おっとメイジン、リベンジ失敗! 勝者は前年度チャンピオン、そして今年度日本第3ブロック代表の一人夕雲選手だ!』


海風「何を、したんですか…?」

萩風「ミラージュフレームの最大加速、そしてミサイルの爆発の衝撃を利用したゴリ押しの加速、さらに脚部に展開した粒子フィールドを足場にしてさらに加速をかけて…

三重の加速を利用した、超スピードです」

神通「まずそこまでいけば普通のガンプラは原型を留めず自爆するでしょう。 あれは『クロイツシリーズ』だから出来ること、そして夕雲さんと言う人間だからこそ出来る芸当です」

霞「あれ、目視は無理ね… 下手をすれば、瞬間的な速度なら『ヴェズルフェルニル』より速いかも」


『ではこれにて、世界大会エキシビジョンマッチを終了します! 皆さん、本選をお楽しみに!』


夕雲「お疲れ様です、矢矧さん。 中々こちらも大変でした」

矢矧「貴女に言われると皮肉にしか聞こえ無いのだけど…」

夕雲「まさか。 こちらも、距離を測るのに中々苦労したんですよ? 離れすぎると集中砲火にさらされますから」

矢矧「はぁ… まだまだ私も未熟、と言う事ね。 それにまた貴女腕を上げたんじゃ無いの?」

夕雲「ええ。まだまだ、夕雲は成長期ですから」

矢矧「どれだけ成長すれば気が済むのよ…」

夕雲「瑞鳳さんが言っていましたよ。 子供は無限に成長し続ける、『アンリミテッド』なのだと。どこまでも強くなれる、高く遠くへ飛べる存在なのですって」

矢矧「『アンリミテッド』、ね… 私は、まだ足り無いのかしら」

夕雲「メイジンだからと気を張らず、肩の力を抜いてください。 魅せるバトルではなく自分のバトルをする、それが成長に繋がる一歩ですよ」

矢矧「まさか年下に教えられるなんて思わなかったわ」

夕雲「あら? これでも夕雲、『ケイケン』は豊富なんですよ?」

矢矧「え」

夕雲「修羅場の…」

矢矧「ああ、そっち… あの人と居ると、体がいくつあっても足り無いんじゃないかしら」

《その夜 霞の家》

神通「二人共、荷造りは?」

霞「終わってます」

海風「流石に向こうにランドリーはありますよね?」

神通「あるとは思いますが… 念のため、それなりの量の着替えは要るかと」

海風「下着足りるかな…」

霞「…アンタ、まさかまた大きくなったの?」

海風「恥ずかしながら… 下着最近新調したばかりなので少々足りないような…」

霞「…」

リタ「…分かるよ、その気持ち」ポンポン

霞「アンタは将来あるでしょうが!?」

神通「確かに榛名さんも青葉さんもそれなりにあるので…」

霞「先輩もですよ!」

神通「え」

霞「瑞鳳さんはまだしも飛龍さんに蒼龍さん、しかも隔世遺伝で大鯨さんの血が入ってるんですよ!今だって結構大きいのに!」

海風「胸なんてあっても無駄なだけですって。ほら下着すぐ駄目になりますし…」

霞「持つ者が持たざる者の気持ちがわかるか!」

リタ「ああ、うん。 分かったから、もう夜だから大声出さないの」

神通「そう言えばリタさんは明日、私達の出発と同時に向こう側へ帰るんでしたよね?」

リタ「そのつもり。と言うか私は皆に『宇宙世紀の人間が居る』って存在の証明すれば良いだけだから、特にこっちに留まる理由は無かったんだけどね」

霞「じゃあ何でこっちに残ったのよ」

リタ「貴女に興味があったから。 それとママに導け、って言われたから。誤った方に行かないようにね… 杞憂だったけど」

霞「誤った方向?」

神通「『イノベイター』ですか」

リタ「うん。 ママと根源を同じにして、自分を優れた存在だと思い込んだ似非人… そして妄執の果てに全滅した連中。

去年色々あって戦ってね。 その件ちょっとまだ引き摺ってるから。そう言う人が増えないように、って警戒してるの」

海風「コスモ・クルス教団の人達みたい…」

リタ「似たようなもんだよ。 自然発生か人工的か、それしか差はない。 だけど自分が優れてると思い込んで結局その身を滅ぼした…

もう二度とそう言う人間が現れないようにする、その為に私達は導くの」


視点選択 直下
1.神通『花結いの絆』
2.霞『越える絆』

side-神通-『花結いの絆』


神通「ふっ…! はぁっ!」

海風「あれ、先輩…」

神通「海風さん? どうかしましたか?」

海風「いえ… ちょっと寝付けないから水でも飲もうかと思ったら先輩が庭に居たもので」

神通「ああ、そう言う事でしたか。 私も、少々眠れなくて身体を動かしていたところです」

海風「先輩も… やはり明日のことが気になるんですか?」

神通「はい。 …思えば、遠くまで来ましたね」

海風「先輩…」

神通「私が、私達が全国大会出場なんてするとは思っていませんでした。 これも全部、海風さんのお陰かもしれません」

海風「いえ、先輩のお陰です。 先輩が、海風を見出してくれたから… それに応えただけです」

神通「え…?」

海風「海風、前に先輩の記憶を見た時気付いたんです。重ねてきた『これまで』に海風と霞が居なかったことに…

きっと海風は何も出来ないまま、誰かに必要とされる事の無いまま終わっていたのでしょう。だけど先輩が手を伸ばして海風を見つけ出してくれた… 応える理由はこれだけで充分です」

神通「海風さん…」

海風「まぁ、結果散々な事態に巻き込まれてますけどね」

神通「すみません…」

海風「冗談です。 それに、そうなると分かっていたとしても海風は絶対に止まってなかったと思います」

神通「確かに海風さんならそうでしょうね」

海風「それに、先輩が感謝すべき相手は海風ではありませんよ。 ここまで来れたのは海風や先輩だけの力ではありません。

瑞鳳先生や愛宕先生、蒼龍さんと飛龍さんと教え導いてくれた先生達。霞と朝雲さん、天津風さんだって居たからこそここまで辿り着けたんですから。萩風さんが居なければ死んでた可能性だってありましたし」

神通「確かに、私一人では今まで何も出来なかった… こんな奇跡、二度と起き無いでしょう」

海風「はい。 だからこそこの時間軸で終わらせる。 二度と起き無い奇跡なら一度目で終わらせてしまえば良いんです」

神通「…海風さんって、時々そう言う強引な理論持ち出しますよね」

海風「え、そうでしょうか…?」

神通「でも、その前向きな所に救われます。 貴女がいつでも前を見て、道を示してくれる… だからこそ私は、戦える」

海風「先輩…」

神通「海風さん、こんな事を言うのは今更ですが… 私と一緒に戦ってくれませんか? それが未来を覆す、世界に背く行為だとしても…」

海風「答えなら、とっくに決まってますよ。 海風は、貴女と共にある。 貴女と共に、未来を壊す。 例え世界から咎を受けようが地獄に落ちようが、貴女と共に戦うと」

side-霞-『越える絆』


霞「アンタにしちゃ、まともな回答じゃない」

海風「…聞いてたんですか」

やべぇ、間違えて途中で投稿しちゃった…

side-霞-『越える絆』


霞「アンタにしちゃ、まともな回答じゃない」

海風「…聞いてたんですか」

霞「偶々通りかかったら聞こえたのよ。 まるで漫画の主人公かヒロインみたいな台詞だったし」

海風「まぁ、言われてみればそれらしいような…」

霞「ま、あそこで逃げ腰だったらアンタは私の期待外れだった、ってだけよ」

海風「前にも言ったでしょう。 海風と霞は既に共犯、未来を壊す共犯者になると。

先輩の記憶を垣間見た時、決めたことです。 それを改めて宣言しただけですよ」

霞「そうだったわね… 私達にも色々あったけど、まさかこんな所まで来るなんてね」

海風「2度の席替えも隣、部活も一緒、そしてあらゆる事件に巻き込まれて挙句の果てには同居ですからね…」

霞「ほぼ運命共同体と化してるわね、本当…」

海風「ここまで来たらもう一蓮托生、共に地獄まで落ちましょう」

霞「嫌よ。それにまだ地獄に落ちると決まった訳じゃない。まだ何も決まって無い、私達の運命も、未来も」

海風「そうですね…」

霞「それに地獄に落ちる前提で話すの止めなさいな。 それにそんなものがあるかどうかも分かったもんじゃないし」

海風「どうなんでしょうね、その辺」

霞「リタが言うには『全体』やら『既知』やらってものがあるらしいけど…」

海風「『全体』?」

霞「人が肉の命を終えると『全体』に還って、また循環して繰り返す… リサイクルボックスみたいなものらしいわ。 リタはちょっと前まで居たけど切り離されたから詳しくは憶えてない、って」

海風「切り離されたって…」

霞「向こう側の榛名さんに、『全体』から個に戻されたんだと。 因みに同じ事をやった相手がまだ居るとか」

海風「ある意味凄い事してますね… 一つの宗教軽く作れちゃうんじゃないですかね?」

霞「まぁ後者はある意味偶然、らしいし… 少なくともやってる事は自然の摂理に反する、人の理を壊すことだからあんまりやっていい訳じゃないわ」

海風「で、その素養が霞にはあると」

霞「そこまでヤバイ素養は無い、って思いたいけど… 現に死者の意識に触れちゃってるのよね…」

海風「イタコ芸でもやれば儲けられるかもしれませんよ」

霞「冗談じゃ無いわ。 使うと疲れるし、悪霊とか怖いし」

海風(この世に意識を残してる時点で充分悪霊の可能性が… しかも呪い殺してるような…)

霞「何?」

海風「いえ、なんでも…」

霞「…生き返らせたいって気持ちは分かるけどね。 私も、お母さんとお父さんが居なくなった時何度も願ったから…

悪夢であって欲しい、悪い夢なら覚めてほしいって、何度も。 だけど余程の事が無い限り、魂を呼び寄せたりこの世に蘇らせるなんてしちゃいけないの。それはきっと、歪なことだから」

海風「霞…」

霞「ごめん、変な事聞かせて。 私、もう寝るから」

海風「あ、はい…」

霞「それと、さっきの答えは訂正させて貰う。 例えアンタが地獄に落ちるって言うなら私が引き上げる。 出来ないなら私も一緒に地獄まで付き合う。 それが、共犯の務めよ」

海風(そして夜が更け、旅立ちの朝となる)


《駅前》

瑞鳳「全員揃った?」

愛宕「点呼!」

神通「1番」

海風「2」

霞「3」

天津風「4」

朝雲「5」

萩風「6… 全員居ますね」

リタ「じゃあ私はここでお別れ。 基地に行って向こう側に帰るから」

瑞鳳「蒼龍さん、お願いします」

蒼龍「了解。じゃあ行きましょうか」


霞(こうして私達の生活を引っ掻き回したリタは在るべき世界へと帰った。だが彼女との再会はすぐ訪れることになる、かもしれない)


瑞鳳「皆切符は行き渡ったね。 じゃあ全員、行くよ」

愛宕「皆、新幹線の中ではマナーを守ってね」

6人「は~い」


神通(私達は旅立つ、決戦の地へと。 そして新たなる戦いへと…)


海風「あがりです」

天津風「コイツ等…!トランプだけじゃなくてUNOまで強いの!?」

霞「運も実力の内よ。私これでも悪運は無駄に良いのよ」

萩風「それ、洒落になっていないですよ」

朝雲「そして悪運の煽りを先輩が受けてると…」

神通「うぅ… だからカードって嫌い…」(手札こんもり)

瑞鳳「こりゃ酷い…」

愛宕「引きが悪いと言うか、何と言うか…」

《そして 静岡・PPSE第二スタジアム》


神通「ここが、大会会場…」

天津風「PPSEの第二スタジアム。世界大会が行われる第一スタジアムに隣接、そして今年から新設されたスタジアムよ」

朝雲「金持ってんのね」

萩風「今本社は火の車ですけどね」

霞「自業自得よ、やつらは」

海風「そして第一では世界大会が行われる…」

愛宕「そう。 だから今まで以上に観客が来るわ。 世界大会のついでに、ガンプラの本場の日本の学生レベルを観るために… 貴女達はその中で戦うことになる。その覚悟、出来てる?」

神通「はい。 私達はその為にここまで来たのですから…!」

海風「衆人観衆下での戦いは今までもやってきたことです…!」

霞「今更何人、何百人増えようが構いません…!」

瑞鳳「貴女達はこれから立つ場所は強豪揃い、生半可な覚悟や気力じゃ絶対に押し切れ無い。 立ち向かう覚悟、ちゃんと出来てる?」

天津風「はい…!」

朝雲「どんな敵だろうと、倒して見せます…!」

萩風「私も、ここに立つ以上はその覚悟はしています…!」

瑞鳳「よろしい。 ここから先、貴女達には手強い相手が待ち受けてる。 でも諦めることも止まる事も許されない。

貴女達はもうここから戻る事は出来ない。 戻れない道を振り返る事すら出来ない…」



瑞鳳「高く飛ぶための過ちを恐れるな! 羽ばたきなさい、限界を越え、鳥のように高く舞い上がりなさい!  自らの夢を掴む為に!

貴女達に限界は無い! 貴女達の無限の可能性を、衆人観衆に見せ付けてやりなさい!」


全員「はい!」

《選手宿舎》

瑞鳳「じゃあ私と愛宕先生は別の宿だから」

愛宕「皆、良い子にしてるのよ? 特に、そこの二人…」

朝雲「何で私達だけ…」

萩風「酷いです」

愛宕「前科一犯&最も何しでかすか分からないから」

神通「萩風は私が見張りますからご安心を」

萩風「何もする気は無いのに…」

神通「ともかく、これは決まったことです」

瑞鳳「そう言うこと。 大人しくしてれば私も折檻しなくて済むから。 じゃあ皆、また明日~」


「おい、今のって…」「間違い無い、『真紅の戦乙女』だ…!」「あの有名人かよ!」「じゃああの6人が…」


海風「…良くも悪くも話題になってますね」

霞「しかも私達にほぼ注目されてないって言うね」

天津風「瑞鳳さんの名前が大きすぎる、って言うのもあるけど…」

「話題になるだけ良いよ。私達なんて『あ、来た』的な反応だったもん」

神通「阿武隈さん。 どうも」

阿武隈「何日かぶりだね、皆」

海風「こんな所で何を?」

長波「色々選手が現地入りしてくるから面子の確認。まぁ、あんまり面白くはないけど…」

陽炎「部屋でお菓子食べてた方が絶対有意義よ」

朝雲「そりゃそうよ。 選手が来るの見たところで戦力分かる訳でもあるまいし」

陽炎「ってことで部屋に帰ってお菓子を…」

「あら、随分と仲が良いのね」

天津風「京都『風の会』、神風… だったかしら?」

神風「覚えて貰って光栄よ」

朝雲「確か舐めてかかってホワイトクリーンの代理メンバーにボコられて、挙句海風のツインバスターライフルに仕留められた珍しいヤツね」

神風「その憶え方やめて!? て言うか珍しいって何!?」

海風「まぁ、そうですね… 貴女以外に一人しか居ませんし、ツインバスターライフルで落とした人」

長波「本当にバスターソード好きだな」

朝風「流石バスターソードフェチの変態は言う事が違うわ」

海風「萩風さん、GO」

萩風「わかりました」ガシッ

朝風「ちょ、何!?」

海風「ウチの従姉に散々なこと吹き込んだ礼ですよ。 何、ちょっとデコにラッカー塗料で肉って書いてやるだけです。大人しくしてください」

朝風「従姉って誰よ!?」

海風「どこぞの髪の赤いサムいギャグ好きなグンマーの民ですよ!」

朝風「アイツ!? アイツ従姉なの!? ってか止めなさいよ! 誰か止めて!?」

霞「聞いた限り自業自得ね」

神通「萩風、一応止めなさい」

萩風「えぇ… 折角捕まえたのに」

春風「あの、一応止めて頂けると… 代わりに謝りますから…」

神風「口は災いの元、よ。 常日頃余計な事を言うなって言ってるじゃない」

※鬼怒は栃木代表だった… グンマーじゃねぇ…

朝風(肉)「」チーン


海風「余計な事するからこうなるんです」

霞「本気でやったよ…」

神通「はぁ… 揉め事はあまり起こさないで欲しいのですが」

海風「ふっかけられた喧嘩です。やり返してもう喧嘩を売れないようにしただけです」

春風「しかし、ラッカー塗料は流石に酷すぎるのでは…」

海風「人を散々変態呼ばわりした上に他人にまで適当な噂を流した報いを与えただけ、やられたので百倍返ししただけです」

阿武隈「乙女のデコに肉はちょっと酷いと思うけど…」

海風「次やったらもっと酷い文字にしてやりますよ」

陽炎「この子、全く躊躇が無いわ… 怒らせるとマジでヤバイタイプね」

「うわ、本当に書いちゃったよこの子…」

「やっぱ怒らせると怖いわ、鬼怒の従妹…」

海風「あ、鬼怒さん」

鬼怒「う、海風… 一応聞いておくけど、どうしたの?」

海風「やってやりました」

鬼怒「そ、そう…」

神通「あの、貴女は?」

鬼怒「え、あ… えっと、海風の従姉の鬼怒です。 一応栃木代表の」

長波「従姉妹居たんだ」

海風「ええ。あまり交流は無いのですが」

神通「私は海風さんと同じ『フリューゲル・ヴェント』の代表、神通です。よろしくお願いします」

阿武隈「宮城の『ホワイトクリーン』、代表の阿武隈です」

神風「私は… 別に知り合いだから紹介しなくても平気ね」

嵐「鬼怒さんと同じチームの嵐っす!」

江風「同じく江風。 呼び名間違えンなよ?」

鬼怒「あ、海風! お金! 一昨日のカフェの!」

海風「あ、そうでした… 今手持ちに小銭無いんであとで良いですか?」

鬼怒「別に良いよ、払ってくれるなら」



イベント 直下

ザワザワ


長波「ん? なんか騒がしくなってきたな…」

「おい、あの連中は…」「まさか、ガンプラ学園!?」「もうご到着かよ!」

神風「ガンプラ学園…!」

鬼怒「うっわぁ… 初めて見たよ」

江風「本当に強いのか、アイツら?」

春風「ええ。世界大会基準のレベルと考えても…」

朝雲「並じゃないわ。 機体もファイターも」

天津風「少なくとも片割れは人格面に大問題を抱えてるけどね」


アドウ「チッ… どいつもこいつもジロジロ見やがって…」

ウィルフリッド「見させておけ。 こちらが強者である以上、羨望されるのは当然だ」

アドウ「流石、4代目メイジンを狙っている奴は言う事が違うな」

ウィルフリッド「狙っているのでは無い、なるんだ。 あれは…」


霞「…こっち見てるわよ」

神通「海風さん、ですね」

萩風「しかもこっちに来ましたね」


ウィルフリッド「あの合宿以来、かな。 『フリューゲル・ヴェント』の海風さん」

海風「お久し振りです、キジマ・ウィルフリッドさん」

ウィルフリッド「キミと戦える事を心待ちにしているよ。あの時の決着、果たさせて貰う」

海風「こちらも再戦、決着を楽しみにしています。次こそは勝利をもぎ取らせて頂きますよ」

ウィルフリッド「それは、こちらの台詞でもあるよ」


嵐「やっぱすげえな、鬼怒の従妹…」

鬼怒「昔から肝だけは据わってるからね。無駄に」

神通「そこが私達にとって頼もしくもあります。彼女に何度助けられたか…」

霞「昏睡事件の時だって、アイツが率先して前に出てくれて…」

鬼怒(あの海風が…? 鬼怒とも殆ど会話すらしなかったのに… やっぱり、少しだけ変わったのかな…)

《その後 海風&霞の部屋》


霞「で、最初の編成は決まった?」

海風「いえ。いくつかパターンは決めましたが相手次第なのでなんとも」

霞「私達の機体は大幅改修した訳だし、事前のデータが役に立たなくなってる以上初見殺しが出来るけど…」

海風「逆に奥の手、『アズライト』『アクロス』『フルブルーム』を晒す可能性もある以上適切ではありませんね。

かと言って晒してもなんとかなる手札も天津風さんのハルート、そして朝雲さんのストライク程度でしょうし」

霞「エクシアは?」

海風「能力上、なるべく隠しておきたいものですが… 不可視とレーダー無効のステルス能力、使いどころを間違えれば手の内を晒すだけでなく対策を練られてその後の作戦に影響が…」

霞「海風にしては珍しく優柔不断ね。いつもの大胆さはどこに行ったのよ」

海風「大胆だけでは勝てません。ここはより慎重に…」

霞「はぁ… 緊張してるわね、珍しく」

海風「ええ、この大舞台を前には流石の海風でも緊張もしますよ」

霞「アンタは普段通りにしてくれれば良いのに… 寧ろその方が私達はやり易い」

海風「霞…」

霞「正直、ウチのチームはアンタが居なければ烏合の衆よ。 各個の能力が秀でていても優秀な指揮官が活かしてくれなければ死ぬだけ…

本調子の海風が居てくれないと困るの。 迷いの無い、ただ真っ直ぐ前だけを見続ける海風が居ないと」

海風「迷いの無い、海風…」

霞「私は海風に従う。 違う、私は海風以外に従わない。 私にとっての最高の指揮官は海風、アンタなの。 そんなアンタが迷ってどうするのよ」

海風「…先輩と朝雲さんも指揮権を持ってるので海風以外に従わないと言うのはどうかと…」

霞「指示されれば従うわ。 海風がその二人に指揮権を預ければ勝てる、って保障してくれるならね。それ以外には絶対に従わない」

海風「もし、その相手がウチの姉だったとしても?」

霞「同じ事は二度も言わない」

海風「…良いでしょう。 その代わり、責任はとってもらいますよ」

霞「責任? 私はとらないわよ。 だって、アンタは負けないから」

海風「ならその期待に応えるだけです。 霞、提出用の編成表を下さい」

霞「もう準備は出来てる。 はい、ペンも」

海風「ここから先は一本道、ノンストップで駆けます」

霞「オッケー。 ぶっちぎってやろうじゃない…!」

《神通&萩風の部屋》


神通「!」ブルッ

萩風「姉さん?」

神通「今何か悪寒が…」

萩風「姉さんまでニュータイプ紛いのことを…」

神通「いえ、これは修業で培った…」

萩風「そんな事より、ロンギフローラムの調整終わりました」

神通「助かります。 流石に、私ではお母様のようにいかないので」

萩風「ファイター技能に偏って、ビルダー能力を疎かにしたからです」

神通「疎かにしたつもりは無いのですが、これには向き不向きが…」

萩風「言い訳無用、お母様ならこう言う筈ですよ」

神通「そうですね… …本当なら、私の技術で整備出来る機体に仕上げる予定だったのに…」

萩風「お母様が勝手に魔改造を施して… 私もこれには四苦八苦しました。 しかし性能は予定値の数倍、姉さんの『全力』を余す事無く発揮可能です」

神通「東方不敗流剣術だけでなく次元覇王流、そして流派・東方不敗…」

萩風「良かったですね。 今までの機体では腕が粉末だったのが出せるようになって」

神通「…萩風、貴女まだ…」

萩風「ええ。正直恨みがましい… 東方不敗の名を受け継げたのが、姉さんだけなのが。 私に与えられたのは護身術と言う名の殺人技巧ばかりだと言う事が…

仕方の無いことだと頭が分かっていたとしても、どうにも心の整理がつきません」

神通「…」

萩風「私には致命的に、東方不敗の修業に耐えるだけの体力が無かった… ただそれだけなのに」

神通「体が少し弱かったのは仕方の無いことです。今では健康なんですから…」

萩風「だからこそ、尚更恨みがましいというものです」

神通「…」

萩風「冗談です」

神通「冗談に聞こえないのですが」

萩風「それはそうですね。 …姉さん、一つ約束を」

神通「なんでしょう?」

萩風「私の前で、東方不敗の技を使うと言うのなら、絶対に負け無いでください」

神通「分かりました。 元々この名を背負ってる以上、負けは許されませんから」



《朝雲&天津風の部屋》


朝雲「Zzz…」

天津風「暢気に寝て…! 予備パーツ作る手伝いくらいしなさいよ!?」

《翌日 大会アリーナ》


ザワザワ

霞「いよいよ、ね…」

天津風(ようやく、この場に立てた…)

朝雲「ま、当然よ。 私達だって、死に物狂いで戦ってきた訳だし」

神通「静かに。もうすぐトーナメントの抽選会が始まります」


『只今より全日本ガンプラバトル選手権・中高生の部、全国大会の抽選会を開始します。抽選を行うのは…』

メイジン『この、メイジン・カワグチよ!』


海風「あ、残念な人」

萩風「その言い方はもう止めてあげてください」

神通「二人共、静かに」


メイジン『トーナメントは4つのブロックに分けて行われるわ。そして各トーナメントの勝者が決勝大会へと駒を進める事が出来る。

そして、これがトーンメント表よ!』


阿武隈「Cブロック、第2試合。 日程的には明日かな」

長波「アイツ等やガンプラ学園とは別のブロックか」

陽炎「去年は決勝に行けず仕舞いだったけど、今回は違うわよ」


アドウ「Dブロックか… 歯ごたえのある連中が居れば良いがな」

ウィルフリッド(彼女達は… ほう…)


天津風「なっ!?」

朝雲「嘘でしょ…」

萩風「まさか…」

霞「Aブロック、しかも第一試合だっての!?」

海風「『ホワイトクリーン』やガンプラ学園と当たらないだけマシです」

神通「各員、準備を。 海風さん、編成割は…」

海風「済んでいます。 式終了次第、編成を発表します」

神通「分かりました。 対戦相手の方は… いきなり顔見知りとは」


対戦相手 直下
1.京都代表(神風・朝風・春風)
2.高知代表(神威・コマンダン・瑞穂)
3.鹿児島代表(霧島・大淀・川内)

神風「まさか貴女達と戦うことになるなんてね」

天津風「『風の会』の…」

朝風「やりかえさせて貰うわよ…! 絶対ギャフンと言わせてやるんだから!」

霞「…まだデコにうっすらと残ってるわよ、肉」

朝風「え、本当!? 昨日必死に落としたのに!」

春風「すみません、騒がしくて…」

神通「いえいえ。 威勢の良い方が、戦い甲斐があると言うものです」

神風「もう舐めたり油断なんてしない、あの時みたいにはいかないわよ…!」

海風「こちらも、全力で戦わせて頂きます」

萩風(そう言えば私、この人達と関わり無かった。 …こういう時、新参はちょっと辛いかな…)



《会場 控え室》


海風「では編成割を発表します」

天津風「第一陣は誰なの?」

海風「今回は対戦相手不明の為、編成は『全力』を組ませて頂きました」

朝雲「出し惜しみは無い、ってことね」

海風「ええ。確実に、相手を叩き潰せるように」

萩風「それが一番でしょうね。 後の相手への威嚇にもなりますし」

霞「いつも通り、指揮官1とそれ以外2でしょ?」

神通「なら私と海風さん、朝雲さんの誰かは確定ですね」



チーム編成
・一人目 直下
・二人目 下2
・三人目 下3


チームメンバー
・神通:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム(指揮官)
・海風:ウイングガンダム・アズライト(指揮官)
・霞:ブラスト・アクロスZZ
・天津風:ガンダムハルート・ボーライド
・朝雲:RX-0[Sm]シームルグ or ストライク・エインヘリヤル(指揮官)
・萩風:ガンダムエクシアルベルム

条件:チーム内に一人『指揮官』を組み込むこと。また朝雲を使用する場合機体を『シームルグ』か『ストライク』かを明記すること

海風「朝雲さん、今回の指揮はお任せします」

朝雲「いきなり私!?」

天津風「…本気じゃないの?」

海風「ええ、本気ですよ。 朝雲さんを選んだ点は2つ、朝雲さんに指揮技能を持っていることを知るのは我々のみであること。そして『万が一』に備えられる補助機を持っていることです。

さらに今回に限れば敵にメガランチャー装備機はあれど射程最長なのが朝雲さんなのは僥倖と言うべきでしょう。今回はシームルグではなく、改修したストライクを使用してください」

朝雲「…分かった。 どうせもう変更は利かないし、やるだけよ」

海風「続いて僚機は萩風さん、天津風さんにお任せします」

萩風「分かりました」

天津風「ここで私とはね… やってやるわよ」

海風「今回の作戦は前にやった練習の通り、パターン『インビジブルランス』を主軸として動いて貰います。

具体的な作戦案としては…」

ガチャッ

瑞鳳「あ、やってるやってる」

愛宕「やっほ~」

神通「お母様に先生?」

瑞鳳「ブリーフィング、どう?」

海風「間もなく終わりますよ」

瑞鳳「なら良かった。 萩風ちゃん、朝雲ちゃん連行ね」ガシッ

愛宕「ちょっと大人しくしてね~」ガシッ

萩風「え、え!? 何かしました!?」

朝雲「何もしてないわよ!?」

瑞鳳「お着替えタイム」

朝雲「あ、また変な衣装を!?」

愛宕「今回はまともよ、天津風ちゃんのデザインに比べたら」

天津風「私の衣装、風吹いたらパンツ見えそうになるのよね…」

霞「朝雲のは丁度良いんじゃない? あれじゃただの夏服小学生だもの」

朝雲「小学生って言わないでよ!」

海風「…海風と先輩のも大概な気がするのですが」

神通「脇の下開いてますし… ノースリーブと手袋なんてニッチなものを…」

瑞鳳「と言う事で連行~」

萩風「…リボン、紫のは無いのですか?」←陽炎型制服

瑞鳳「無い。 染料が無かったのよ」

朝雲「私のはまぁ… ブレザーが増えただけ?」←スリガオ海峡突入mode

霞「デザイン的にはまともね、二人共」

海風「しかし萩風さんの服はどこかで… あ…」

神通「陽炎さんの戦闘時の衣装ですね」

瑞鳳「似合いそうだからパクった」

愛宕「結果的に二人の衣装デザインは普通になったけど…」

天津風「…」

海風「天津風さんの痴女っぷりが浮き彫りになっただけですね」

天津風「誰が痴女よ!?」

霞「ところで私達のこの衣装ってどんな意味があるのかしら」

瑞鳳「ああ、前に説明してなかったね。 朝雲ちゃん、取り敢えず全力ジャンプしてみて」

朝雲「ジャンプ? えいっ… あだっ!?」ゴンッ

海風「天井に頭がぶつかった…?」

天津風「明らかに人間の跳躍力超えてるわよ!?」

霞「これって身体能力が上がるの…?」

瑞鳳「結果的にそうなってる、ってだけだよ。 使ってる材料が特別、まぁかなーり稀少でチベットの奥地でしか栽培されてないし名前も無いほぼ存在が伝承レベルの布地なのよ。

今も栽培されてるかどうかはわからないけど、取り敢えずそんなものを元にしたのがこれに使われてる材料なの」

萩風「本当にかなり稀少なもので、しかも加工の仕方次第では質感が変化したりと万能な素材なんです。このシャツとブレザー、元は同じ素材ですし」

天津風「肌触りが違う…」

瑞鳳「染料の方も特別なものなんだけどこっちは冬場は保温・保湿、夏場は保冷してくれるだけだから気にしなくて良いよ」

海風「それでも地味に凄いんですが」

瑞鳳「で、この衣装の材料には特殊な力があって、纏っている人のポテンシャルを100%引き出せるって言うものなの。

人の能力は脳によってリミッターをかけられて、数パーセントしか出せてないんだけどこれは100%完全に引き出しちゃうって代物。朝雲ちゃんのはポテンシャルを引き出した結果、結果的に身体能力が上がったように見えてるだけ」

朝雲「じゃあこれって『私の100%』ってことですか?」

瑞鳳「そう言うこと。まぁあんまりやり過ぎると筋肉痛で動けなくなるから注意してね。

それ以外にも防弾とか着ている人の保護の意味合いもあるんだけど… その辺は割愛」

愛宕「因みに私も持ってるわよ。 この前大鯨さんに新調してもらったのもあるし」

瑞鳳「さて… もうそろそろ時間だし、会場に行こっか」

天津風「準備、ちゃんと出来てるわね?」

朝雲「言われるまでも無いわよ」

萩風「勿論」

朝雲「それぞれ、事前の作戦通りに動いて貰うわ。海風の指示通り、私が指揮を執る」

天津風「…そこが一番不安なのよね」

萩風「いえ、寧ろ頼もしいです」

朝雲「指揮に関することは全部頭に叩き込んでおいた… 第一陣を譲ってくれた先輩達に代わって、『フリューゲル・ヴェント』として波に乗るわよ!」


神風「向こうは… 新入りと可変機使い、そして補助役?」

朝風「あのいけ好かないのが居ないなんて舐めてんの?」

春風「朝風さん、それが驕りに繋がるんですよ」

朝風「分かってるわよ。 でも、今までの編成パターンとは違う。指揮官役が居ない」

神風「新人の人に執れるとは思わないし… いけるかも…!」

春風「慢心は禁物です。もしかすれば新たに技能を身につけた方がいらっしゃるかもしれません」


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Speace"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


天津風「ガンダムハルート・ボーライド、天津風!」

萩風「ガンダムエクシアルベルム、萩風…」

朝雲「ストライク・エインヘリヤル! 朝雲、チーム・フリューゲル・ヴェント!」


天津風「行くわよ!」

萩風「行きます!」

朝雲「出撃する!」




朝雲「と言う事で牽引役よろしく。この方が速いし」

天津風「はいはい… 萩風、機体の姿を消しなさい」

萩風「了解。システム良好、ステルスモードへ移行します」

朝雲「さて敵は… 感あり、射程まではまだ距離があるけど… 狙撃モード、敵を目視で視認っと…!」


敵機

・神風機 直下
1.レギンレイズ・フェーン(そのまま)
2.その他(ベース機・名前・改造内容も)

・朝風機 下3
1.ガデッカ(そのまま)
2.その他(ベース機・名前・改造内容)

・春風機 下5
1.ティエルヴァ・マガツ(そのまま)
2.その他(ベース機・名前・改造内容)

朝雲「敵機3、視界を各機にリンクした」

天津風「カラミティ… いえ、『ブラウカラミティ』ね。増強部分はミサイルポッドと対艦刀、そして予備のマシンガンってところかしら。

でも追加装備による重量過多で足が遅くなってるわ。 多分今のハルートの半分程度ってところ、それに味方も巡航速度を合わせてるから対した速度じゃないわね」

朝雲「で、1機は前のレギンレイズの改修機か。 あのライフル、例の爪楊枝付きだけど… 射程はこっちが上ね。

問題は残りの1機、番傘抱えてるから間違いなくあのドリル頭の子の機体だろうけど…」

萩風「『ガンダムTR-6 ハイゼンスレイⅡ』、どの現行キットからも流用出来ない以上恐らく外装パーツはほぼフルスクラッチです。

ちょっと前にウーンドウォートの参考出品はあったけど… ここまでやるのは少しばかり色々とやり過ぎな気が…」

天津風「厄介ね… こっちが勝ってるのは射程、隠密性、機動力ってところかしら…」

朝雲「一応予定の範疇ではあるわ。 じゃあ、作戦開始!」


敵機捕捉
レギンレイズ・ギブリ (神風機)
武装
・機関砲×2
・ドリル・キック×2
・バースト・サーベル(予備刀身×6)
・ハンドガン×2
・ヴァルキュリアブレード&ヴァルキリュアシールド×2
・GR-W11 130mmライフル(ダインスレイヴカスタム)

機体概要
沖縄時点まで使用していたレギンレイズ・フェーンの改修機。海風との交戦(手玉に取られて瞬殺)の影響を受け、全体的に強化を施している。
フレームの調整を行って可動が増強、予備のリアクターも装備し擬似的なツインリアクター化を施し出力増強を図った。
腕部にグリムゲルデのシールドとソードを追加。射撃は通常のレギンレイズのライフルを改修したものを装備。
そして切り札的な武器として1発きりのダインスレイヴをマウント。フェーン時代の装備はそのまま残し使用可能。

ブラウカラミティ・ゾルダ
武装
武装
・125mm2連装高エネルギー長射程ビーム砲 シュラーク×2
・580mm複列位相エネルギー砲 スキュラ×2
・115mm2連装衝角砲 ケーファー・ツヴァイ×2
・コンバインドシールド(30mm径6銃身ガトリング砲)×2
・15.78m対艦刀 シュベルトゲベール×2
・脚部6連装ミサイルポッド×2
・RFW-99 ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」

機体概要

朝風の機体でカラミティを改修したブラウカラミティを更に改修したガンプラ。以前の機体よりも大幅な改修を施している。
原型機の脚部にイフリート改のものを改造したミサイルピッドを追加、シールドガトリングの他にもハイペリオンのビームマシンガンを背部にマウント。
また両腰には対艦刀シュベルトケベールを装備しある程度の近接戦能力を付与。射撃武装は必要に応じて切り離すことが出来る。
何故か頭部のメインカメラの保護用にヴェルデバスターのフェイスガードを装備。
塗装はグリーン系統、そして一部にグリーンを用いている。仮面ライダーっぽいのは気にしない。

ハイゼンスレイⅡ・マガツ
武装
・ブーストポッドバルカン×2
・コンポジット・シールド・ブースター
・ロング・ブレード・ライフル・バンガサ
・肩部ビームキャノン×2
・脚部ミサイル
・メガ粒子砲

機体概要
春風の機体で『ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ]』をベースにした機体。以前のティエルヴァは改修機であったのに対し、こちらはフルに近いセミスクラッチ。
本体は稼働時間増強を図るためのEパック、そして全身に機動力を強化する小型のスラスターを追加。あとは原型機と大差無い。
ティエルヴァの持っていたバンガサではなくこちらはTR-5のロング・ブレード・ライフルを改造したもの。バンガサの何が彼女をここまで駆り立てるのか。
また細かい部分だがビームサーベルやヒートサーベルが日本刀の形状になっており、所々に和風の意匠が垣間見る事が出来る。
カラーリングは以前の機体と同じ桜色のカラーリング。

宇宙空間にスラスターの燐光が輝かせながら神風達の操る3機は駆ける。 

少しばかり速度は遅いが重装のMSを僚機としている以上それは仕方のない事だ。そんな中神風達は雑談を交わす。


朝風「敵、まだ見えないわね…」

神風「もうそろそろ、だとは思うんだけど…」

春風「敵は恐らくこちらより上手、前回のようにくれぐれも気を抜かないでください」

朝風「分かってるわよ。『ホワイトクリーン』の時みたいなのは、もう二度と御免よ」


彼女達が以前戦い、辛酸を舐めさせられた『ホワイトクリーン』戦の苦い経験を反芻する。

格上とは思わず舐めてかかった結果、システムがエラーを吐かねば負けていた。そんな経験は二度としたくない。


神風「各機、慎重に…」


神風が指示を下そうとした瞬間、耳に警告音が響く。 ロック警報などではなく攻撃が放たれたと言う警報、条件反射的に神風は「散開!」と叫ぶ。

そして次の瞬間正確なビームによる狙撃が神風の機体が居た場所を走り付近を流れるデブリに直撃して火球を生み出す。


春風「なんて狙撃の腕… 朝風さん!」

朝風「駄目、こっちの有効射程外よ!」

神風「一瞬遅れてたら当たってた… やっぱり油断は出来ない…!」



狙撃銃を構えたストライクがデブリに身を隠しながら照準を合わせる。 チーム内で最長の射程を持つストライク、そして朝雲の技量を以ってすれば直撃は容易い。

先程の一撃は牽制と布石、これが彼女達の作戦の火蓋が切って落とされる。


朝雲「第一フェーズクリア、セカンドに移行!」

天津風「分かってるわよ!」


天津風のハルートが高速で神風達へと迫る。 何故か彼女達は気付く事が出来なかった、ハルートの接近を。

そして数瞬遅れて神風達は迎撃行動へと移った。


朝風「速い! それに動きが気持ち悪い…!」

神風「こっちの攻撃を全部掻い潜って! 当たりなさいよ!」

春風「落ち着いてください! 浮き足立てばやられるのはこちらです!」

神風「そんな攻撃当たらないわよ! ミサイル、全弾発射!」


全ての攻撃を回避するハルート、そのまま一気に距離を詰めてありったけのミサイルを放つ。

神風達はミサイルの迎撃を試みるが一瞬の隙が生まれる。それこそ朝雲たちの狙い目…


萩風「はぁッ!」

朝風「なっ!?」

神風「朝風!?」


エクシアの右腕に装備されたGNクナイの斬撃が背後からカラミティへと遅いかかり、バックパックを破壊する。

朝風は咄嗟にシュラークごとバックパックを切り離すことで難を逃れるが、火砲の一部を失ってしまう。


春風「ステルス機…! ハルートがギリギリまで捉えられなかったのもアレの影響…!」

萩風「気付いてももう遅いです! 私は既に懐を捉えました!」


行動安価 直下

シールドに付属したガトリングとケーファーツヴァイによる攻撃を右旋回で回避しつつ脚部に装備されたビームサーベルを展開し回し蹴りを行うエクシア。

サーベルの光刃がカラミティの左腕に装備されたシールドを切り裂き、そのまま左腕のGNクナイを展開し回転の勢いを維持した斬撃が走り胸部のスキュラを切り抉る。


朝風「な、何なのよ一体!」

萩風「…」


朝風にとって萩風の動きは異質としか見えない。今まで相対した事の無い動作、そして一撃一撃が殺意を乗せた刃により窮地に立たされる。

逆に萩風にとって朝風は格好の獲物。闇に紛れ、姿を現すのは必殺の時のみ。今姿を現しているのは確実に敵を斃す為だ。


朝風「何よ! こっちの事いたぶって、舌なめずりのつもり!?」

萩風「…」


『確実に殺せる』獲物を前に舌なめずり、ましてや語るなど三流。萩風は教えられていた通り無言で刃を敵へと向ける。

右腕で抜いたビームサーベルでカラミティの右腕の肘から下を切り落とし左足のサーベルを展開して両足を落とす。この動作を数瞬の内に行う。


春風「朝風さん!」

神風「あのエクシア、一体何なの!?」

天津風「貴女達の相手は私よ!」


ソードライフルをサブマシンガンを使いレギンレイズとハイゼンスレイを牽制し、機動力で翻弄する。

神風達は朝風をフォローしたい、だが目標をエクシアに集中するとハルートに落とされるかもしれない。故に朝風をフォローする事などほぼ不可能だ。


朝風「このっ…! アンタだけは、なんとしても!」


一度距離を取ったエクシアに向け、残った左腕で対艦刀を抜き放ちカラミティは加速する。

例え機体が壊れようとこの厄介な相手、ステルス機能を持ち仲間を危機に陥れる敵だけは倒そうと。


萩風「…」


だがこの状況も萩風にとって打ち合わせ通りで想定の範囲内。 そして朝風はエクシアに気取られていて忘れていた、自分を上回る射程を持つ者を。

アラートが耳を打ち思い出す、敵は狙撃手を有していた事を。次の瞬間、一条の光が機体を貫きカラミティは火球となった。


朝風「あ…」

朝雲「目標撃破、っと。萩風、そっちは?」

萩風「損傷なし、この程度なら造作もありません」

朝雲「じゃあ次、移るわよ」

神風「朝風がヤられた! 春風、態勢を立て直すわよ!」

春風「はい! 絶対に仇を討たないと…!」


神風はレギンレイズの状況を確かめる。 何度か被弾はしたが致命傷では無い、そしてまだ『切り札』はまだ手中だ。

ライフルに装填されてる一発だけの切り札『ダインスレイヴ』。これがあれば、状況を覆せるかもしれない。


神風(当てれば、必ず倒せる…!)


直撃すれば確実に1機は落とせる。予備の弾などなく、これだけと言うのが手痛いが。

ただ1機でも撃破できれば2対2で状況をイーブンに持っていける、まだ逆転のチャンスは作ることが叶う。だが使う相手が問題だ。


神風(エクシアはステルスで捉えられない、それにあの動き… 絶対に当てられない… ハルートも、まず照準を定める事すら出来ない…)


残る対象は1機、朝雲の駆る『ストライク・エインヘリヤル』だけ。 あれは基本狙撃担当で動けない、当てられる筈だと神風は確信する。

そして神風は決断する。 すぐさま春風へと通信を入れ、決断を伝えた。


神風「春風! あのストライクを潰す! ダインスレイヴで!」

春風「…! わかりました、フォローしますから行って下さい!」


レギンレイズが加速し、それを止めようとするハルートの進路にハイゼンスレイが立ちはだかる。


春風「ここから先は通しません!」

天津風「朝雲! そっち行った!」

朝雲「分かってる!」


朝雲は思案に耽る。 ダインスイレヴの射程はストライクのライフル程長くは無い。だが当たれば致命傷、一撃でこちらは沈むだろう。

だけどまず発射されれば避けれない。 そして何より弾が細すぎて見えないのだ。


朝雲(私がやるべき事、私に出来る事… 今の私は海風に指揮を任された。だから、絶対に落とされちゃ駄目…!

…私のポテンシャルは今最大、だから… 出来るかもしれない…!)

朝雲「力を貸しなさい、ストライク!」


バックパックを切り離し、身軽になる。 荷物を抱えたままでは『今からやる事』は難しいから。

そして腰のショーティー二丁を抜き放ち構えを取った。 敵の筈の榛名から教えられた技能、そして狙撃以外のもう一つの力。そして朝雲は一気にレギンレイズの間合いへと飛び込む!


神風「馬鹿ね! これを、受けなさい!」


放たれる『ダインスレイヴ』の砲撃、朝雲はこれを待っていた。

目の前に迫る弾頭を目視で捉えて意識を集中する。 そして朝雲は…


朝雲「そこ、だぁっ!」


榛名によって教えられ、自ら磨き上げたガン=カタ。 その技能で、ショーティーに追加された実体刃を使ってダインスレイヴを弾く!

軌道を変えられ目標を失った弾頭はデブリに直撃し突き刺さる。 その光景は神風の想定外、そして本来在り得ない出来事だ。


神風「嘘よ… ダインスレイヴの、軌道を変えるなんて…!」

朝雲「私には出来る、それだけよ!」

神風「在り得ない… 認めないんだから…!」

朝雲「別にいいわ、認められなくても。 でもね、アンタはもう終わりだから」


衝撃的な出来事に唖然となってる間に距離を詰め、そして銃口を頭部へと押し付けるストライク。そして朝雲は躊躇なく、その引き金を引く。

天津風「くっ… しつこい…!」

春風「残るのはわたくしのみ、負ける訳には参りません!」


春風のハイゼンスレイがハルートに喰らいつく。 天津風は気圧されつつも敵を振り切ろうとするが、相手は一向に退かない。

ドリルのように回転させたバンガサをソードライフルで防ぐ天津風、しかしそう長くはもたない。


天津風「私も、こんな所で終わる訳には!」

春風「ッ…!トランザム!?」

天津風「いかないのよっ!」


ハルートのトランザムを発動させてハイゼンスレイを出力差で無理矢理押し返す。

そして出力勝負で負けたハイゼンスレイが吹き飛ばされデブリへと叩き付けられた。


春風「まだ、まだ終われ…」

萩風「いえ、もうここで終わりよ」


どこからともなく2本のケーブルがハイゼンスレイへと突き刺さり次いで投擲されたダガーが機体の両肩を貫きデブリへと磔となる。

そして春風は機体の出力がどんどん落ちていくことに焦りを見せた。そして機体を磔から逃れさせようとするが、動けば動くほど粒子が減っていく。


春風「マガノイクタチ…」

萩風「これで、貴女も詰みです」

春風「そん、な…」


そして最後は抵抗すら出来なくなり、ハイゼンスレイから粒子が無くなり機体機能が停止した。


天津風「…これ、トランザム使う必要あった?」

朝雲「無い」

萩風「まぁ必要としたのは貴女なのであるのでは?一応」


BATTLE ENDED

Winner"Flügel Vento"


『第一ブロック一回戦第一試合、勝者・東京代表『フリューゲル・ヴェント』』


ワァァァァァァァァァァ


神通「ふぅ… 勝てましたね」

愛宕「一回戦突破、おめでとう」

海風「まさかダインスレイヴ弾くなんて…」

瑞鳳「ある意味凄い成長してるわね、あの子…」

霞「私達が言えた義理ではないけど…」


陽炎「へぇ、面白いじゃない…!」

阿武隈「海風ちゃん達じゃないから見る必要無いって思ったけど、結構見る甲斐あったかも」

長波「…ところで榛名姉さ、朝雲の件の弁解はどうする気?」

榛名「大変申し訳ありませんでした!」

天城「か、彼女は一応想定外の方向に成長してるだけですから… 敵に塩を送ったことに関しては擁護できませんが」

霧島「これは… データの更新が要るわね…!」


神威「テスト合宿の時より腕が上がってる… こちらも頑張らないと…!」


鬼怒「海風は分かってたけどさ、他もこんな実力者まみれなんて聞いてないよ!?」


ウィルフリッド「彼女のチームメイト、中々面白い…!」




朝雲「二人共、お疲れ」

天津風「でも、まだ始まりよ」

天津風(そう、ガンプラ学園に復讐するまでは…)

萩風「お二人共、後で疲労抜きの為に萩風特製健康ジュースを…」

「そこの三人!」

朝雲「何?」

神風「…どうして、ダインスレイヴを弾けたの?」

朝雲「ミサイルとかある程度の実体弾を弾く練習してた、その応用よ。タイミングを図るのは難しかったけど。

死に物狂いで、独力で頑張って… なんとかモノに出来たの」

神風「そう…」

朝風(この三人だけじゃない、あそこのメンバーも皆必死になって努力したのね…

ただ先生が良かっただけじゃない、本人達の努力が実を結んで…)

朝風「私達の完敗、かしら」

春風「はい。わたくし達もまた、努力が足りなかったようです」

神風「次は… 次こそは負けないからね!」

朝雲「なら、また返り討ちにしてあげるわ!」


神通(こうして、私達の初戦は華々しい勝利で終わった)

海風(しかし今後は強い敵が沢山出てくるだろう…)

霞(それでも私達は止まれない。 風に乗った鳥の翼の羽ばたきは、絶対に止まらないから)


第13話『未来への翼』 終

次話選択 下5まで

1.海風編『藍銅鉱は何を見る?』…海風VS鬼怒。 『浜風の妹』として向けられる視線、そして何も理解しない様々な相手に鬱憤を溜め込み爆発寸前の海風。ただ妹と言うだけで誰にも海風は理解されない、そんなコンプレックスまみれの少女は従姉妹との戦いの先に何を『見る』のか。

2.天津風編『復讐の意味』…天津風VS霧島。 ガンプラ学園への復讐を思う天津風、しかし対・ガンプラ学園対策会議でメンバーから外されてしまう。納得が出来ないまま2回戦を迎えるが相対したのは天津風同様『復讐』の感情をガンプラ学園へと向ける霧島だった。

3.神通編『無限の先に』…神通VSイノセ・ジュンヤ。 ゲームで負けた罰でアイスを買いに行かされた神通、しかし暴漢の集団に襲われ神通は全員を叩きのめしてしまう。そしてその首謀者はかつて『次元覇王流』を学びながらも『不敗』に至れなかった、瑞鳳の弟弟子イノセ・ジュンヤだった。

神通編か天津風編で同率…


よし、再投票だ。 今回は話のテーマを書いておこう…



再投票 下4まで
1.海風編:『自分の道の拓き方』
2.天津風編:『戦う理由、やりたい事』
3.神通編:『受け継いだ力の意味。拳解禁』

えぇ…(困惑)


神通は主人公格だからやらなきゃいけないし、でも天津風の成長も(一応、多分)必要だから(これ以上雑な扱いをしないために)…



…とりあえず今回は神通編をやらせてください。天津風編は3回戦にまた安価を取り直します(確定)

そんなー(´・ω・`)
天津風三回戦安価取り直さなくても天津風で確定でいいんじゃない?

>>306
三回戦は三回戦でやりたいネタが…(萩風の掘り下げとか、霞絡みとか)
それに神通が今まで本気を出せてないからそろそろ本気にさせたいので… 


お詫びにシューティングスターの強化改修するから…(要るか?)

第14話『無限の先に』


霞「えっと… 上がりです」

神通「そ、そんな…」

海風「これで先輩が買出しですね」

神通「妹の不始末をつけるのは姉の仕事ですから、仕方ありません…」

萩風「ムグーッムグーッ」(猿轡)

霞「あれは悲惨な出来事だったわ…」


数十分前…


萩風『出来ました! 萩風特製、健康体力回復ドリンクです!』

朝雲『…な、何そのおどろおどろしい液体は…?』

萩風『滋養強壮・疲労回復・デトックス効果のあるものをふんだんに使ったドリンクです。 先程作ったばかり、しかも素材そのままの味を堪能でき…』

天津風『ご、ごめん私パス…!』

朝雲『わ、私も!』

萩風『いいから、飲んでください!』グイッ



朝雲「う、うぅ…」

天津風「舌、舌が…」


海風「で、出来上がったのが史上最悪の味覚破壊兵器であったと」

霞「一体何入れたんだか… あれね、健康重視し過ぎて飲み易いように調整してないってのが最大の原因かしら」

神通「萩風、今度は気をつけてください。 あと、帰ったら味覚の矯正しますからね」

萩風「ふぁい…」

神通「では皆さん、今からコンビニでアイス買って来ます」



神通「えっと、コンビニは…」

「…」

神通「…?」

神通(誰かに、何かに見られてるような… でも気配が無い…?  考え過ぎ、かしら…)

神通(アイスは買ったし、後は帰るだけ… それにしても、夕方なのにまだ暑い…)

ガサガサッ

神通「ッ…! 誰、ですか?」

「へへへっ…」

「随分と可愛い女じゃねぇか…!」

神通(先程の気配とは違う、敵意と悪意、気配を隠せていない… それに何より、下衆な臭いがします)

「怪我したくなかったら、大人しく付いて来な?」

「大丈夫だぁ、可愛がってやっからさ…!アハハハハハ!」

「来ねぇなら、痛い目みせてやるよ」

神通(数5、それに明らかに喧嘩は出来てもまともに『武』などやった事の無い素人の構え… 囲まれても、この程度なら)

神通「警告します。 怪我をしたくなければ今すぐ私の前から失せなさい」

「生意気言いやがって、やっちまうぞ!」

神通「警告は、しましたよ」ポイッ

神通(上に投げたアイスが落ちてくるまでに、片付ける!)



神通「…」キャッチ

「あ、う、が…」

「き、聞いて、ねぇ、ぞ…」

神通「だから言いました、大人しく失せろと。 さて、一体誰が… ッ…!」

ブォン ガシィッ

「チッ… 防ぎやがったか…!」

神通「重い…!」

神通(なんて打撃、それに気配が全く無かった…! 今の動き、まさか…)

神通「次元覇王流、だとでも言うの…?」バッ

「知ってやがるのか…? いや、今の動き… テメェ、まさか…!」

神通(覇王流の使い手…!? でもこんな人、私の知りうる限りでは… バックステップで距離は取ったけど、すぐ詰められる…!)

「テメェみたいなヤツは知らねぇが… まぁ良い、俺の踏み台になって貰うぜ…!」

神通「不本意ですが仕方ありません… 十二王…」


「ストップよ、神通ちゃん。 ソイツに『不敗』の技を使っちゃ駄目」


「なっ…!? テメェは…」

神通「ず、瑞鶴さん!?」

瑞鶴「神通ちゃん、貴女は行きなさい。ここは私が何とかする」

神通「しかし…」

瑞鶴「大丈夫よ。 次元覇王流なら、私は目の前のアイツよりは戦える」

神通「…分かりました。 ここは退きます」

瑞鶴「あと瑞鳳に伝えて。 『ジュンヤが居た』って」

神通「ジュンヤ…?」

瑞鶴「早く、行きなさい!」

神通「はい!」ダッ

瑞鶴「さてと… 久し振りね、ジュン。 いや、イノセ・ジュンヤ」

ジュンヤ「チッ… どうしてアンタが居やがる」

瑞鶴「瑞鳳に連れてこられたのよ。 タダメシと温泉に釣られた」

ジュンヤ「またアイツか…!」

瑞鶴「ええ。 大方瑞鳳の教え子を狙って襲わせたんでしょうが、アンタが出てきたのは予定外の出来事よね。

神通ちゃんがそこにノビてる不良共を一瞬で倒したから、出てくる必要の無いアンタが焦って出てきた」

ジュンヤ「何者だ、アイツは」

瑞鶴「アンタに言う義理は無いわ。 それに言わなくてもアンタなら分かる筈よ」

ジュンヤ「…あの構え、『不敗』か?」

瑞鶴「答える義理も無い。 …来なさい。 アンタの性根、私が叩き直してあげる」

ジュンヤ「今の俺に勝てると思ってんのか?」

瑞鶴「勝てるわ。 アンタの拳はもう鈍ら、アンタより長い時間同じモノを研鑽を続けてきた私に勝てると思う?」

ジュンヤ「…興が冷めた」

瑞鶴「チッ… また泣かしてやろうと思ったのに。 一応警告はしておく… 次は容赦しない。次何かあったら、駿河湾をアンタ達の血染めにしてやる」



《十分後 選手宿舎前》

神通「先生! お母様!」

愛宕「あら、神通ちゃん?」

瑞鳳「そんなに焦って何かあった?」

神通「はい。実は…」


愛宕「どうして、あの子が…!?」

瑞鳳「ジュンヤ、イノセ・ジュンヤ…」

神通「お母様、彼は一体…」

瑞鳳「あの子はイノセ・ジュンヤ。 私達と同じく武術を学んで『いた』子。お父さんに憧れ、目指し、道に背を向けた者…

次元覇王流を修めたけど不敗には至れなかった、いや至る資格が無かった」

神通「資格が、無かった…?」

愛宕「瑞鶴は? 今どこに…」

瑞鶴「あ、居た居た」

愛宕「瑞鶴! 良かった、無事で…」

瑞鶴「尻尾撒いて逃げられたわ、ジュンには。 瑞鳳、どうする?」

瑞鳳「先代、お父さんに報告を…」

「瑞鳳さん、ちょっと大変です!」

瑞鳳「榛名さん? 今ちょっと立て込んでて…」

榛名「そちらの2回戦の相手、ちょっとばかり厄介な事になりました」

神通「どう言う事ですか…?」

榛名「2回戦に出場を決めたのは愛知代表『タイタン』、そこには… 次元覇王流の使用者、そして『先代メイジン』の機体…

先代が作り、榛名とも戦った『カテドラルガンダム』が…!」

瑞鳳「なっ…!?」

神通「カテドラル、ガンダム…?」

瑞鳳「厄介と言うか、最悪の事態かも…」

《旅館・瑞鳳達の部屋》


榛名「『カテドラルガンダム』、先代メイジンが製作したガンプラのある意味究極到達点の一つです。

病に侵されながらも先代の妄執により技術・思想・アイデアを後世に残す為に製造されました」

天津風「確か第6回大会で飛龍さん達を破ったのが…」

瑞鳳「そう、それがこのテーブルにある『カテドラルガンダム』」

朝雲「…って何で実機があるの!?」

榛名「正確には実機ではありません。 これは榛名がかつて粒子操作技術の研究の為に模倣した、外観そのまま中身は劣化コピー品な代物です」

萩風「しかしデッドコピー品と言えども戦闘可能な域にまで仕上げてあるとは…」

榛名「この機体の特徴は… まさに瑞鳳さんと榛名さんの『組み合わせ』、ある種『スクランブルガンダム』の上位機種に該当すると言っても過言では無いでしょう。

粒子制御技術は榛名、そして機体の強度や可動は瑞鳳さん… ほぼイコールと言っても良いかと」

瑞鳳「人間の動作を極限まで再現した広い可動域が特徴で、ファイターの性格・技量・癖、その全てがバトルに反映される。

武器はオーソドックスだけど、故に全領域に対応した究極系だね」

海風「オーソドックスであれば、逆に偏った機体相手には弱いのでは?」

瑞鳳「そう単純な話じゃないの。 この機体はファイターによって能力が変化するの」

霞「どう言う事…?」

瑞鳳「例えばだけど、神通ちゃんが使った場合格闘戦に強い機体になるけど霞ちゃんが使えば遠距離砲撃に特化した機体になる。

ファイターの技量や性質がそのまま機体に反映されちゃうのよ。 強い人が使えば強くもなるし、操縦下手な人が使えば弱体化もする。そんな機体」

神通「良くも悪くも性能によるゴリ押しの通じない、嘘の無い機体と言う訳ですか…」

榛名「そして何より粒子制御技術が恐ろしいもので… 榛名が戦った際にはフィールド全体が、この機体に制御されていました」

朝雲「何それ、チート!?」

瑞鳳「チートだね。完全な」

天津風「で、これが問題の『ディナイアルガンダム』… 映像だけど」

萩風「面影は残っていますが、大幅な改修を受けているようです。 射撃武装は無し、拳による戦闘に特化したタイプでしょう」

榛名「しかし各部に改造を加えたことで制御技術を喪失、フィ-ルド干渉は不可能なようです。

しかも些か動きが鈍い、機体性能の一部は劣化している可能性がありますね」

海風「そもそもこれ、実機なんですか?」

霞「先代メイジン?だかの機体なら、簡単に手放したりはしない筈よ」

榛名「そこが疑問点です。 ファンメイドによるデッドコピーの改修なのか、何らかの形で手が離れたのか…

ただ先代ならば、こんな劣化改修は行わない筈です。 なので手を加えたのは本人では無いかと」

瑞鳳「そして問題は使用ファイター… 私の弟弟子『イノセ・ジュンヤ』。 破門こそされてないけど、あの子は次元覇王流を辞めた。

まぁ考え方に問題有りで、お父さんから度々叱られてたけど… 弟・妹弟子の中でもセカイくんとミライちゃんは真っ直ぐ育ってるのに、どうしてこうなっちゃったかな…」


イベント 直下

萩風「えっとここ一年の戦いだと…」カタカタ

瑞鳳「…おかしい。学校自体は去年の全国まで出てる、なのになんであの子が殆ど出てないの?」

萩風「出場データ、該当件数2… 今日の1回戦と去年のガンプラ学園戦のみですね」

海風「切り札として温存していたという可能性がありますね。 1回戦は昨年のベスト4の南北海道代表でしたから確実に勝つために出たか…」

霞「…それもあるけど、コイツは別の理由で出れて無いんじゃないかしら?」

榛名「霞さんの言う通りです。去年出場した際、榛名は観客席から彼を見ていました。

彼は協調性皆無、チームメイトにとっては癌や膿のような存在なのでしょう。だからこそ実力はあるのに補欠扱いだったのでは無いでしょうか?」

天津風「しかもガンプラ学園に居た時に聞いた事があるんだけど… ガンプラ学園じゃ、コイツだけ唯一落とせなかったとか」

朝雲「ガンプラ学園が撃破できなかった…?」

榛名「正直、彼の戦いは見ていて腹が立ちました。 これは言葉で言うより実際見たほうが早いかと」

神通「萩風、再生を」

萩風「了解です」


視聴中…


朝雲「何これ…」

霞「協調性が無いどころの話じゃない… コイツ、マジもんのドクズよ…!」

海風「これを見る限りではアドウ・サガの方が遥かにマシです。 彼は自らの快楽のためのバトルをしていましたが、戦いには全力を以って応え、正々堂々とした戦いをしていた。

だけど彼にはそれが無い。それどころか、フェアプレー精神すらも消え失せています」

天津風「アドウの方がマシって言うのは癪だけど… これは最悪としいか言い様が無いわ」

萩風「仲間を見捨て、囮にして… しかも卑劣な手ばかり使って…」

榛名「正直先代メイジンの方がまだマシです」

瑞鳳「…」

瑞鳳(使ってる技、次元覇王流だけじゃない。 ボクシングや合気道まで… まさか、この子は…)

瑞鳳「…!」グッ

神通「お母様…」

萩風「海風さん、対抗手段は?」

海風「いくつか考えましたが… ガンプラ学園を逃げ切った彼に通じるかは…」

瑞鳳「…一つだけ、確実に勝てる方法があるよ」

海風「瑞鳳さん…?」

瑞鳳「3代目・神通、2代目として『不敗』の技の使用を許可します。その技を使い、道を外した者を討ちなさい」

神通「ッ…!?」

瑞鳳「確かに実力は高いし、どの武術の技能もほぼ一流と言っても過言じゃ無い。でも一つだけ致命的な部分がある。

あくまでも『学んだ』だけであって『極点』には到っていない。 彼を真正面から打ち倒すにはさらに上の実力で叩きのめすしか…」

神通「しかしそれでは…!」

萩風「…お母様、その役目は私に任せてください」

瑞鳳「萩風ちゃん…?」

萩風「私も『極点』に至りし身、彼には充分対抗できます。 それに外道を討ち、闇へと屠るのは『影』である私の役目ですから」

神通「萩風…」

萩風「海風さん、編成は任せます。 ただ彼を討つお膳立てを整える編成にしてください」

海風「…分かりました」

神通「萩風、どうしてあんな事を…!」

萩風「別に他意はありません。 私はただ道を外した者を消す『影』、そして対抗可能な『極点』へと至った人間だからです。

それに私は姉さんと違って自分の力を行使する事に躊躇はありません。あの時、スドウ・シュンスケの時だって躊躇いに躊躇って負けかけて… そんな臆病者と私は違う」

神通「誰が、臆病だと…!」

萩風「貴女が、です。 それに私には分かります、彼の気持ちが多少は」

神通「え…?」

萩風「私は流派・東方不敗どころか次元覇王流の道すら歩く事を許されなかった。 体が弱かった、ただそれだけで…!

至れなかった人間の気持ちが、最初から何もかも持ってた貴女に何が分かる!? 日向を生きる人間が、日陰者の心を理解出来ると思わないで!」ダッ

神通「萩風…」

神通(そうだった… あの子は私と違って…)

神通「私は… 私は…!」



萩風「…あれだけ罵倒されてまだ思い悩んでるとは」

朝雲「アンタ、今度女優デビューでもしたら?」

萩風「そんなつもりは一切ありません。私は『日陰者』ですから」

朝雲「立派な演技なのに」

萩風「半分は本心ですよ」

朝雲「え」

萩風「実際、私は姉さんと違い体が弱かった。恐らく私が生み出された際の調整ミス… だからお母様は私に殆ど修業の機会が与えなかったんです。

体が健康になった後でさえ、流派・東方不敗の修業はさせて貰えず鯨流ばかりを学んでいました」

朝雲「そうだったのね… ま、私も似たようなもんだから気持ちは分かるわ。 でもウチは立場真逆だけど」

萩風「そうでもありませんよ。 体の弱い妹は健康な姉を羨ましがるものです。 例え花よ蝶よと育てられていたとしても走り回りたいのに走れ無い者は、傍から見るしか無いんですから」

朝雲「成る程… ちょっと参考になったわ。 後でジュース奢ったげる」

萩風「スムージーが良いです」


イベント選択 直下
1.神通&榛名『心の弱さと本当の強さ』
2.神通&瑞鳳『受け継いだ力の意味』

瑞鳳「神通ちゃん」

神通「お母様… 聞いていたのですか」

瑞鳳「まぁ、ちょっとね… ごめん、今から時間ある?」

神通「構いませんが…」


《浜辺》


神通「どうしてここに…」

瑞鳳「私から貴女に言わなきゃいけない事があるからね… それにこれは誰にも聞かれたく無い親子の話だもの」

神通「親子の…?」

瑞鳳「…ずっと分からなかった。何故未来の私が神通ちゃんを選んだのか、どうして子供に力を受け継がせたかったのか。

だって私は… 私の代で家を終わらせるつもりだったのに」

神通「家を終わらせる…!?」

瑞鳳「歪だから、だよ。 使命に縛られ延々と武の研鑽を続けてきて、人の身には余る力を手にして…

自分の子供や後の子孫にそんな使命は与えたく無い、だからこそ私の代でこの歪な使命を終わらせるつもりだった」

神通「お母様…」

瑞鳳「だけど未来の私はそうはしなかった… 昏睡病パンデミックで必要性を再認識したのかもしれないけど、その程度で私が揺らぐとは到底思えない」

神通「確かに、そうですが…」

瑞鳳「だからこそ、何で私が貴女に家督を継がせて流派・東方不敗の力を与えたのかずっと疑問に思ってた… ようやく、その答えが出たよ。

多分未来の私はきっと、貴女達に生き抜いて欲しいからだったんだと思う」

神通「生き抜いて欲しい…?」

瑞鳳「多分未来の私は死期を悟ってたんだろうね。 自分は多分そこまで長く生きれない、だからこそ二人で生きていけるようにって力を託した…

本来は神通ちゃんにだけ教えて萩風ちゃんを護って欲しかったんだと思ったけど、萩風ちゃんの熱意に負けて結局は鯨流を学ばせて…  結果的にそのことを言い遺せず死んじゃったけどね」

神通「では、どうして私に流派・東方不敗を…」

瑞鳳「神通ちゃんは自分を律せるからだよ。力の使い方を弁える事が出来る、ただ力を求めるだけじゃなくてちゃんと自分の『正義』が分かってるから。

そして何よりどれだけ心が折れかけても立ち上がれる、そんな人間性だからこそ受け継がせたんだと思う。『不敗』の力を」

神通「だから、私が選ばれた…?」

瑞鳳「萩風ちゃんは体が弱かったから学ばせなかったって聞いたけど… 多分それは思い込みが激しいからだと思う。

力を継ぐってことは本当の意味で陽を浴びる道じゃなくなる。 だから無関係の場所で、家や使命に縛られない自由な陽の当たる場所で生きて欲しかったのに自分は神通ちゃんの『影』だと思い込んで…」

神通「それを伝えれば良かったのでは?」

瑞鳳「言って聞くようなタマじゃないでしょ。 私の遺伝子継いでるならわかるよ、それくらい」

神通「それもそうですが…」

瑞鳳「何より、それを子供だった萩風ちゃんに言っても理解出来なかったんだと思う。 理解出来るようになる年頃にはもう死んでるだろうし」

神通「…でも、遺言くらいは遺して欲しかったです」

瑞鳳「それはごめん… って私が謝ることじゃないや。 だって私は、まだ本当の意味で貴女達の『お母さん』になってないもの。

…流派・東方不敗、3代目継承者・神通。二代目として、貴女に頼みがあります」

神通「…はい」

瑞鳳「イノセ・ジュンヤ、多分私の言葉は彼には通じないでしょう。 でも貴女なら、その真っ直ぐな心で振るう拳であれば心に届かせることはきっと叶う筈。

どうか貴女の力で彼を、彼の心を救って欲しい。 貴女の持つ正義の心で、彼の闇を払い除けて」

神通「その願い、承りました。 3代目としてではなく、一人の『神通』として。 我が心にある貴女から受け継いだ『誇り』と『正義』に誓って、その願いを成しましょう」

瑞鳳「さて、と… 出てきたらどう?」

海風「え、えと…」

神通「海風さん…?」

海風「散歩で通りかかったら、立ち聞きするつもりは無かったのですが…」

瑞鳳「知ってるよ。でも危ないよ、また誰かが襲ってくる可能性もある、し… ッ…!」

神通「殺気…!」

「…」

神通「マントに、仮面…?」

瑞鳳「貴方、何者!」

「久しいな、真紅の戦乙女」

瑞鳳「この気、まさか…!」

榛名「見つけました! ダブルッ!トマホォォクッ、ブゥゥゥゥメランッ!」ブォン

「ふっ…」ヒョイッ

海風「何一般人にトマホーク投げてるんですか!? しかも避けられてる…!?」

神通「あれを見切るとは尋常では…!」

榛名「瑞鳳さん、神通さん! アレを捕まえてください! 少々マスクひっぺがしてやりたいので!」

「相変らず手荒いな、神狼。その様な事をせずとも、逃げはしない」

榛名「だからその名前で呼ぶなと何度も申した筈です、先代メイジン・カワグチ…!」

神通・海風「…は?」

天城「はぁっ、はぁっ… やっと追いつけました… 姉さん、流石に一般人にトマホークは駄目です!」

榛名「彼なら大丈夫です、多分! 病み上がりですけど!」

瑞鳳「いや、それは流石に私も気が引けるんだけど…」

天城「姉さん一回怒りを抑えてください! 話し合いには応じてるんですから!」

榛名「一回首落とさないと気が済まないんですよ!色々と言ってやりたいことはあるんで!」

天城「首落としたら死にますって!?」

瑞鳳「え、えと… お久し振りですね、2代目…?」

セカンド「否。 我が名はマスクド・セカンドG、メイジンに非ず」

瑞鳳・神通・海風「えぇ…」

《ファミレス》


ザワザワ

榛名「…」

セカンド「…」

瑞鳳「…」

海風「この状況、凄く帰りたい…」

神通「どうしてこんな事に…」

天城「落ち着いて話の出来る場所がここしか… 個室だと姉さんがトマホークを振り回すので…」

榛名「色々と、貴方には聞きたい事がありますが… 例えば何故世界大会に出場しているのか、とかその悪趣味な仮面と偽名とか」

セカンド「そのような事、貴様にとって些事であろう」

榛名「ええ。 自分が出場者であるならまだしも生憎と違うので。 聞きたい事は二つ、『カテドラルガンダムの所在』と『ディナイアルのファイターとの関わり』です」

瑞鳳「榛名さん、貴女がどうしてその事を知ろうと? 私達の方が当事者なのに…」

榛名「前科が大量にあるからですよ。 さらにカテドラルに関しては一度ある理由から別のファイターの手に渡って、彼の下に帰った機体ですから」

神通「あの機体が、別のファイターに…?」

榛名「4年前に元ガンプラ塾生を狙った辻バトル、そして敗者のガンプラを奪うパーツハンター事件が起きました。

その被害は一部教員にも及び、教員の一人は機体を自爆させた為に怒りを買って暴行を受けて… 榛名や矢矧さんとも戦い、彼を打ち倒したことで事件に終止符は打たれた筈だったんです」

海風「『だった』、とは?」

榛名「あろうことか先代はそのハンターを拾い、訓練を受けさせ、カテドラルを与えた。全ては矢矧さんへの『当て馬』にする為に…!」

天城「そして無関係な一般ファイターにまで被害が及び、矢矧さんを精神的に追い込んで… だからこそ、姉さんは今回の一件を瑞鳳さんへ悪質な嫌がらせと判断しました」

瑞鳳「その話は、本当ですか?」

神通「だとすれば、悪質すぎる…!」

セカンド「否、今回の件には関与していない」

天城「…嘘では無いようですね」

セカンド「まず質問に答えよう。 カテドラル、いや我が半身『シュヴァルツリッター』は此処にある」スッ

海風「先程の榛名さんのコピーより、凄い出来栄え…」

瑞鳳「確かに、この機体はカテドラルの系譜みたいだけど… 逆に『ディナイアル』に形状が近付いてる」

榛名「では、ディナイアルガンダムを製作したのは貴方ですか?」

セカンド「然り、だが否。依頼を受け機体製作はした、しかし手を加えられたようだ」

神通「依頼を受けて作った機体を渡した、しかし向こう側で改修を加えられて現状の姿になった、と」

セカンド「左様。そして二つ目の問い、イノセ・ジュンヤ等と言う者と関わりは無い」

天城「ではどうして、彼にディナイアルの原型を?」

セカンド「あれは別の者、奴の学校の理事によって依頼されたもの。故にそれ以降の事は関知していない」

榛名「では瑞鳳さんの弟弟子に渡ったのは偶然、ってことになりますね…」

瑞鳳「なんて間が悪い…!」

セカンド「私は去ろう。既に話す事は無く、この格好では悪目立ちするからな」

海風「…今更それ言います?」

榛名「どうも貴方のセンスは理解し難い…」

セカンド「お前程では無い。ユニコーン、『改RX-0』を未だに造り続けているのだろう。

HGをベースに完全な可変機構と粒子制御能力を組み込むなど、耐久性と整備性が劣悪になるものを…」

榛名「貴方が言ったのでしょう。自らの技術を常に磨け、と。 だからこそ持てる技術を機体に注ぎ込む、それに最適なのが他でも無い『RX-0』だと榛名は見出した。

常に腕を磨き、最良の技術を機体に注ぎ作り上げる… 貴方がカテドラルを作った理由と同じです」

セカンド「フッ… やはりお前、お前達は悉く思い通りにならないな…」

榛名「思い通りになどならない。 榛名は榛名の道を進む、誰にも縛られぬ己が道を信じて」

天城「姉さん…」

セカンド「己が道を極めて見せろ、何物にも染まらぬ『純白の神狼』よ。そして『真紅の戦乙女』… お前と、お前が見出し磨き上げた者達には期待している」

瑞鳳「それは、褒め言葉として受け取っても?」

セカンド「好きにするが良い。 …終ぞ私には『教育者』としての才は無かったからな」

榛名「ええ。反面教師としては最高の鏡ですがね」

瑞鳳(私も基本的に教育者としては微妙だと思うんだけど…)

セカンド「そして戦乙女の教え子達よ。 若き次世代ファイターの道、見物させて貰おう」

海風・神通「は、はい!」



瑞鳳「二人共、つき合わせてごめんね」

榛名「いけ好かなく、ロクでも無い人間だったでしょう」

神通「榛名さんの言う程でも無いような…」

榛名「ええ。彼が『教育者』で無ければ喜んで師事していたでしょうね。 先程も話したパーツハンターの他にも、メイジンの座を競わせ生徒を潰し合わせたり、苛烈な争いを引き起こし…

瑞鳳さんが教育者として『才能を見出す』ことに長けるのであれば、彼は真逆の『才能を潰す』ことに特化してしまった。それが大きな要因です」

海風「そうなる理由があったのでは…?」

榛名「彼自身、人間としては厳格ではあるものの度量を持った人間です。 しかし『ファイター達の指標』としてあるべきメイジンの立場、そして生真面目過ぎる根が災いして悪魔のような存在となった…

そしてメイジンの一件もは病魔に冒され、時間が無かった焦りからの行いでしょう。今はある程度マシになったようですが」

瑞鳳「その影響か、先代メイジンを信奉する輩にとってボロ負け続きの矢矧ちゃんは目の前のタンコブになっちゃってるのが可哀想なのよね…

前に海風ちゃんに話したレナート兄弟もその一部、まぁ舐めてかかった浜風ちゃんにボコられてるけど」

天城「信奉者は居ても理解者は得られなかった、そんな人間と言えるでしょう。 ごく一部、姉さんや矢矧さんはある種の理解者ですが」

榛名「…先代は教育者としては最悪でした。 でも、彼のガンプラへの姿勢には見るべきものがあった… それだけですよ」

《翌日》


阿武隈「スコール、ハティ! リモートドリル・バーストッ!」


阿武隈の駆る『マーナガルム』は両肩部から遠隔操作ユニットの『スコール』『ハティ』射出し、クローで保持して放つ。2つのユニットが遠隔操作で迎撃を掻い潜り、相対する『ジムⅡ』の装甲をドリルが貫いた。

ジムⅡはユニットを振り払おうとするが遅く、内部に向けビームが放たれ機体が内側から破裂し爆散する。


陽炎「そっち終わった?」

長波「こっちも片付いたぞ」


陽炎と長波の『ヴェズルフェルニ』『ガルム』の前には既に破壊され尽くされた残骸だけが残っており、無傷の2機と合わせてどれ程一方的な戦いであったかを物語っていた。


BATTLE ENDED

ワァァァァァァァッ


阿武隈「二人共、機体は?」

陽炎「特に問題無いと思う。 そこまで激しい動きはしてないから」

長波「調子はバッチリ、ちょっとの手入れで済みそうだ」

阿武隈「一応姉さんに見てもらおうか」


《神通・萩風の部屋》


天津風「『ホワイトクリーン』、やっぱり強いわね…」

海風「どれも無傷で前年度ベスト8を簡単に倒した、しかもNT-Dを発動せずに。 やはり難敵でしょう」

朝雲「正直機体スペックだけ見れば私の『シームルグ』より上だし… マーナガルムに関しちゃ共通弱点全部潰されてるわよ、アレ」

霞「素体装甲パーツの脆さを追加装甲で補う、確かに理に適ってる。それに火力とパワー、加速性と防御力の大幅強化。弱点がほぼ無いわね」

萩風「強いて言うのであれば素体のままある程度露出してる関節部くらい、かしら?」

神通「射撃攻撃はIFにより駄目、格闘を挑もうにもあのパワー相手に挑むのは無謀です。苦戦は免れられません」

愛宕「残りの2機も強敵よ。『スレイプニル』『スヴァジルファリ』と『ガルム』は同型でステルス持ち、『ヴェズルフェルニル』は全力の速度だと目視も難しくなる。

『改RX-0』が朝雲ちゃんの言う通り装甲パーツが脆かったとしても捉えるのが難しい以上、その弱点はほぼ役に立たない」

瑞鳳「三人の能力も折り紙つきだしねぇ… 強化、と言うか対策用の装備はこっちで用意しておくか…

じゃあ改めて、ブリーフィング始めようか。 明日の試合のね」

海風「はい。 では明日の編成についてですが… 今回の試合は先輩を主軸に据え、残り2機は先輩がイノセ・ジュンヤと1対1で戦うために残る2機の始末と言う役割です」

霞「でも先輩は…」

海風「やれますね、先輩」

神通「はい。覚悟は決まりました」

萩風(私の言葉には詰まるだけだったのに… なんか妹として寂しいような…)


部隊編成
・1機目:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム(神通):固定
・2機目:直下
・3機目:下2


選択可能ファイター
・海風:ウイングガンダム・アズライト(指揮・近接寄りオールラウンダー)
・霞:ブラストアクロスZZ(砲撃)
・朝雲:RX-0[Sm] シームルグ(機動・射撃)

前回出場したファイターは別機体持ちの朝雲を除き今回欠場となります(次話の為に)

海風「霞、貴女に出て貰います。 長距離砲撃型のZZは有事の際に必要ですから」

霞「分かった。残り一人は?」

海風「海風が出ます。シームルグはジョーカーとして温存、ストライクとハルート、エクシアの戦力は既に示しました。

後は『ウイングガンダム・アズライト』『ブラストアクロスZZ』、この2機の戦力を示しましょう」

天津風「温存しなくて良いの?」

海風「ええ。 それにあの『ディナイアルガンダム』は二代目メイジンらしき人物が製作したものであると昨日明言されました」

朝雲「マジ…?」

海風「製作した当人に話を聞き確認しました。あれは向こうの学長の依頼を受け、彼用に作った機体を勝手に改造したものだそうです」

萩風「ビルダーとしては一番やって欲しく無いことですね… その勝手な改造で機体性能も落ちていると聞きましたが…」

瑞鳳「神通ちゃんと霞ちゃんの機体を勝手に弄くりまわして改造した私が言える立場じゃ無いけど、弟弟子としてどうかと思う」

神通「お母様の場合は性能が向上、と言うかほぼ別物レベルで強化してますが…」

天津風「私だったら殴ってたわ、多分」

海風「しかしそれでも性能は世界級に並び立てる程です。対抗するには『アズライト』『アクロス』『フルブルーム』、バースト能力を使える海風達の方が適性かと」

瑞鳳「そうだね… しかも海風ちゃんと霞ちゃんには『予測』と『ニュータイプ』の能力がある。例え次元覇王流の使い手だとしても、捌き切れるかもしれない」

愛宕「でも『とっておき』よ、3つのシステムは。『アズライト』はまだしも、『フルブルーム』『アクロス』はまだどこにも知られて無いし…」

海風「はい。 霞、『アクロス』は可能な限り使わないで下さい。今回システムを使用して良いのは先輩だけ、と言う事にしましょう」

霞「元々、そのつもりよ。 本当に最悪の場合は使わせて貰うけどね」

海風「それなら構いません。 では先程言った通り、先輩には単機で彼を引き付けて貰い残りの2機は海風と霞が連携して対処します。分断の役目は火力のある霞が…」

神通「いえ、これは私の戦いです。分断の役目、私にやらせてください」

海風「しかし、ロンギフローラムでは…」

神通「大丈夫です。 ロンギフローラムなら」

瑞鳳「私達は流派・東方不敗、そう言う事は容易くできるよ」

海風「分かりました。 では先輩、お願いします」



イベント選択 直下
1.海風&霞『支える者』
2.神通&萩風『真意』
3.瑞鳳『望まぬ再会』

side-神通&萩風-『真意』


萩風「…お母様がそんな事を言っていたのですね」

神通「はい。ただあくまでも未来、私達を育ててくれたお母様ではなく『現在』のお母様が推測した話ですが」

萩風「それでも『お母様』には変わりありません。 …あまり、知りたくは無い話でしたが」

神通「納得出来ませんか?」

萩風「今聞けば納得出来る話だけど… でもこれまでの私が全否定されている気がして…

最初に言ってくれれば、もっと早く納得出来たかもしれないのに… いつも、言葉が足りないから…」

神通(言って納得するタマでは無いでしょうに)

萩風「…何か今、失礼な事考えてません?」

神通「いえ、別に」

萩風「まぁ良いでしょう。だけど、私の個人的な感情はまだ納得していません」

神通「流派・東方不敗の事ですか…」

萩風「ええ。例え真意が知れたとしても事実は変わらない、理由があったとは言え私に流派を授けなかったことは不変です」

神通「…萩風も、私の出来ない技や技能を手に入れています。そこに何の不満があるのですか」

萩風「不満はありません。 ただどうして鯨流となったのか、私はそこが知りたいだけです」

神通「今となっては知る由は… だけどその力もお母様から受け継いだものには違いありません。それに歴史だけで言えば貴女の鯨流の方が長い筈です」

萩風「確かに長さだけで言えば私の方が遥かに流派の歴史は長いですが… 創始者は鎌倉ですし…」

神通「そんな歴史初めて知ったんですけど」

萩風「仙台の蔵の文献にありました」

神通「あの蔵、本当に何仕舞ってるんでしょう… 歴史が長く、一族としてはそっちを継ぐほうが…」

萩風「でも私は、流派・東方不敗の方が良かった。 家族と、姉と同じ事をしたいと言うのは間違いですか?」

神通「同じ事…?」

萩風「一子相伝と言う訳でも無いのに。私の家族はお母様と姉さんで、二人は同じ武術をやっていて… 私だけ除け者にされているような気がして…

だからこそ同じ武術を習いたいと思った、姉さんと切磋琢磨したいと思ったのに…」

神通「それ、は… なら、EXAMに関する全てを終わらせて…」

萩風「でも今更、ここまで成長して互いの武を継いで… もう手遅れなんです。私が流派・東方不敗を学ぶ事は出来ません。

お母様は流派・東方不敗と同時に鯨流を学んでいた、けれど私は鯨流だけしか修業していない。最早軌道修正は不可能です。基礎がもう固まって直す事は難しいから」

神通「やり直すには基礎を全て捨てる、でもそんな事をすれ再習得は困難になってしまう…」

萩風「だからもう、私はこうして生きるしか無いんです」

神通「萩風…」

萩風「姉さん、昨日の無礼は謝罪させてください。何も知らずに臆病者などと罵って…」

神通「いえ、私も臆病であると自覚していますから…」

萩風「そして私の前で、『流派・東方不敗』として負けないで。私の憧れた、私の手に入れられなかったものが負ける姿は見たくありません」

イベント選択 直下
1.海風&霞『支える者』
2.瑞鳳『望まぬ再会』

side-海風&霞-『支える者』


霞「良いの、先輩に任せて?」

海風「何がです?」

霞「私達が先輩をフォローしなくて良いか、ってことよ。 朝雲や私も単機で敵のエースとは戦った、でもその時と今は状況が違うじゃない」

海風「そうですね。確かに先輩と対するのは瑞鳳さんの弟弟子であり、使用するガンプラも一線を画した存在です」

霞「なら連携であたったほうが勝率上がるじゃない」

海風「その逆ですよ。 いくら海風達の機体が『特別』で互角に渡り合えるとしても、先輩の邪魔になるだけです」

霞「私達が先輩の邪魔になる?」

海風「例えばですが、先輩が近接戦を挑んでる最中に霞が横から撃ったのが邪魔になってトドメを刺し損ねた、とか。

先輩が押さえてる隙に後ろから海風が切りかかって避けられたら先輩にフレンドリーファイヤならぬフレンドリーソードですよ?」

霞「確かに、それはありえるけど…」

海風「第一武術の極地にいる人間同士の戦いに割って入るなんて『武』を学んで居ない海風達にはほぼ不可能です。所謂ヤム○ャ視点になります」

霞「逆に先輩のピンチを招く、ってこともあるかもしれないものね」

海風「だからこそ、海風達は邪魔をする敵の排除を行い先輩が戦いに集中出来るお膳立てをするんです。

いざとなった場合、それこそ先輩の機体が破壊された時以外の介入はしません。あとは逃げ道封じくらいでしょう」

霞「…それ以外に戦いに介入しない理由、あるんじゃないの?」

海風「何の事ですか?」

霞「とぼけないで。 分かってるのよ、海風のこと。 邪魔になるだけなんて建前で、本音があるんでしょ?」

海風「流石、ニュータイプですね」

霞「違う。私は海風とずっと一緒に戦ってきた、だから分かるのよ。 一番の友達で共犯で、何より私の… 私が選んだ人間だから」

海風「本音を言えば、先程挙げた点など建前でしかありません。 本音で言えば先輩の思うようにさせてあげたい、でしょうか」

霞「思うように、ね…」

海風「海風なりの恩返しですよ。 海風が先輩と出会わなければ海風はどこかで『終わっていた』かもしれない。 今この場に立つ事なんて無かった、霞も先輩の記憶を知る以上その事は知っているでしょう」

霞「今まで、先輩の繰り返しの中で私達は出会うことが無かった。 確かに私達は多分、昏睡病に狙われて死んでたかもしれないけど…」

海風「そして先輩は海風に友や仲間を、海風の居場所をくれた。 ガンダム、そしてガンプラバトルと言う楽しみを教えてくれて…

フレスヴェルグを駆る楽しさ、そして海風に指揮官としての『道』をくれました。その恩に報いたい、それだけなんです」

霞「…え、それだけ?」

海風「はい」

霞「なんかこう、もうちょっと何か無いの…?」

海風「それだけですよ」

霞「えぇ… まぁ私も先輩に、守って貰った恩義は感じてるけども…」

海風「海風、これでも尽くすタイプですから。 理由なんてそれだけでも充分なんです」

霞「…アンタがそう言う人間だってこと、忘れてたわ。 友達ってだけで命かなぐり捨ててまで守ろうとするものね…」

海風「海風は先輩の願いを叶えたい、だから海風の全力を以って先輩の事を支えます」

霞「はぁ… 良いわ、こうなったらとことん付き合ってやるわよ。 私も恩義はあるし、何よりあのいけ好かない奴をぶっ飛ばす所が見たいもの」

海風「では観戦のために、敵分断後3分、この時間で敵2機を仕留めます。 やれますか?」

霞「誰に言ってんの? 私とアンタなら、出来るに決まってるじゃない」

side-瑞鳳-『望まぬ再会』


《大会会場付近》

瑞鳳「…出てきたら、ジュンヤくん」

ジュンヤ「…何時から気づいてやがった」

瑞鳳「そんなの最初からだよ。気配の淀みがあったからね」

ジュンヤ「チッ… 相変らず人間離れしてやがる」

瑞鳳「元気そうで何より。でもヤンチャが過ぎるかな」

ジュンヤ「説教なんざ聞くつもりは無ぇよ」

瑞鳳「言っても無駄そうだし、別にそのつもりも無いよ。どうして不良共にあの子を、神通ちゃんを襲わせたの」

ジュンヤ「ただの気まぐれだよ… それにアンタが怒るかと思ってな。可愛い可愛い教え子なんだろ?」

瑞鳳「私へのあてつけ、って訳ね。だけど想像以上にあの子は強かった… 手下の不良が秒単位で倒されたから焦って出て来て正体晒したって訳だ」

ジュンヤ「何者だ、あの女。俺の知る限りあんなヤツは弟子に存在して無い。それにあの動きはアンタそっくりだった」

瑞鳳「秘蔵っ子って言えば良いかな。 それに貴方が行方をくらませて以降も弟子は増えてるし、知らない子が居ても普通でしょ」

ジュンヤ「とぼけるな…! あんな動き出来る奴、たった数年程度で出てくる筈がねぇ!」

瑞鳳「だから『秘蔵っ子』なんだよ」

瑞鳳(まあ未来の私の愛娘なんだけど)

ジュンヤ「相変らずの秘密主義かよ…!俺に、次元覇王流の奥義を教えなかったのにあんな女には教えたのか!」

瑞鳳(次元覇王流の『奥義』…? この子、一体何を… まさか…)

瑞鳳「…生憎と簡単に教えられないモノって言うのはこの世には沢山あるんだよ。 だけどあの子はそれを得る為の資格を持ってる。

ただ強いだけなら貴方より強い瑞鶴にだって教えてる。 だけどお父さんや私はそれをしてない、それがどう言う意味か分かるの?」

ジュンヤ「何だよ、その資格ってよ!?」

瑞鳳「それは自分で見つけるもの、他人に言われて簡単に持てるようなものじゃない」

ジュンヤ「ふざけんな! 俺は強くなった、それでも無いって言うのかよ!」

瑞鳳「無い。 他の武術を踏み台にしてる人間が、持てるものじゃない」

ジュンヤ「なっ!?」

瑞鳳「知ってるよ。 ボクシングに合気道、他の武術を学んでバトルに取り入れてることくらい。

でも『それだけ』、学んだだけで昇華して活かしたりせずただ強さの踏み台にしてるだけなのは貴方の動きから伝わってきた」

ジュンヤ「アンタだって同類だろうが! 他の武術を学べるだけ学んでおいて、アンタは…」

瑞鳳「…貴方、私の何を見てたの?」

ジュンヤ「何…?」

瑞鳳「私が、ただ技だけを学んでた? 私は技なんか習って無い、『心』を学んでたんだよ。武術を学ぶ上で大事なのは心構え、技なんか本来は二の次… 

武術って言うのはどれだけ取り繕ったとして本来は殺人技巧でしか無い、それを御するのは人の心だけ。私はその心を学んでた、ありとあらゆる武術の心構えを」

ジュンヤ「綺麗事を…! 強さに限界は無い、そう教えたのはアンタ達だろうが! だから俺は…」

瑞鳳「強さに限界は無い、確かにその通り。 だけど1+1を重ねたところで絶対に無限には到れ無い」

ジュンヤ「なんだと…!」

瑞鳳「それをきっとあの子が、神通ちゃんが証明してくれる。 流派・東方不敗3代目継承者がね」

ジュンヤ「ふざけるな…! 俺があんな女に、負けるなんて有り得るかよ!」

瑞鳳(いや、貴方は絶対に勝てない。 あの子には… あとお父さん、後でとっちめてやる)

《翌日》


瑞鳳「3人共、準備は良い?」

海風「海風、大丈夫です」

霞「私も問題なし」

神通「…いけます、お母様」

瑞鳳「よし… 神通ちゃん、任せるよ」

神通「はい…!」

瑞鳳「さぁ行きなさい。そして、本気を見せてくるのよ」

海風・霞・神通「はい!」


霧島「あの三人は…」

川内「お、最強メンバー?」

大淀「機体のデータを収集しないと…」


鬼怒「海風… ファイトだよー!」

江風「鬼怒の従姉妹だからなぁ… 応援しとくよ」

嵐「…」


阿武隈「姉さん、どう見る?」

榛名「本気中の本気編成、恐らく3機で仕留めにかかる気でしょう」

長波「だけどガンプラ学園ですら取り逃がした奴だぞ、アイツ」

陽炎「どう出てくるか、見物ね」


ウィルフリッド「彼女達が出るか…!」

能代「映像は最高画質で録画してるわ。あの三人は、特に要注意だもの」

アドウ「俺と真正面から戦った奴に、俺を翻弄した二人か… 面白ぇ…!」

シア「楽しみね… 海風と霞、あの二人…」


「イノセ、理事長を説き伏せてまで問題児であるお前をチームに引き入れ、最高の機体を用意した。必ず、結果を出せ」

ジュンヤ「分かってるよ… 武道だろうがガンプラバトルだろうが、俺は究極の強さを求めるだけだ…!」


『これより東京代表『フリューゲル・ヴェント』対愛知代表『タイタン』の試合を開始します!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Mountain"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


霞「ブラストアクロスZZ、霞!」

神通「神通、インフィニットジャスティス・ロンギフローラム!」

海風「ウイングガンダム・アズライト、海風! チーム・フリューゲル・ヴェント!」

霞「出るわよ!」

神通「行きます!」

海風「出撃します!」

神通「ステージは… ギアナ高地、私の修業の地…」

海風「先輩… 作戦開始、お願いします」

神通「了解…!」


ジャスティスは背部に装備されているファトゥム-02を切り離し、アローモードへと変形させる。

そして感覚を研ぎ澄ましてフィールド全てを瞬時に知覚し、目標へとビームの矢を放つ。


ジュンヤ「ッ!? チィッ!」


ディナイアルへと放たれたビームの矢が直撃する寸前で横に回避し難を逃れたジュンヤ。だが息を吐く暇すら与えられずビームの矢が彼の駆るディナイアルガンダムへと殺到する。

その一撃一撃が牽制などではなく動きを止めれば確実に射られる、そう考えたジュンヤは真っ向からジャスティスへと機体を加速させた。


僚機A「イノセ、戦術プランは!」

ジュンヤ「無ぇよ、んなもん!」

僚機A「何だと!?」

ジュンヤ「勝手に戦って勝手にやられろ、それだけだ!」

僚機B「そうかい!」


そしてジュンヤの別方向から2機の機体、『ガンダムアブホール』『ガンイージ』の改修機が海風達へと向かう。

だがそれこそ海風、そして神通の狙い。 ファトゥム-01を背部に戻した神通は2本の剣を抜く。


海風「先輩!」

神通「奥義・天剣、絶刀!」


振るわれる神速の刃、その刃の一撃が地を割り粒子で生成された偽りのギアナの地を真っ二つに切り裂いていく。

そして丁度二つに大地が割れ、その光景を見た観客達は唖然となり、霞は放たれるであろう言葉を代弁する。


霞「何やってんの!?」

神通「これが境界線、ここより先に敵を入れないようにしてください」

海風「了解です。 行きましょう」

霞「いやいやいやいや!? フィールド割っちゃってるのに何で冷静なのよ!?」

神通「剣で粒子体を操作しただけです。 やり方次第ではこうも出来るんです」

海風「さっきから朝雲さんも真っ青な狙撃術を披露してるんでもう驚きませんよ。 霞、行きますよ」

霞「ああもう…! 何でこうウチは規格外まみれなのよ! 私もだけど!」

フィールド上にある開けた場所、そこに神通の『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』が降り立つ。

そして真正面に立つのはイノセ・ジュンヤが駆る『ディナイアルガンダム』の機体。2機はにらみ合いとなり、それぞれの構えを取る。


ジュンヤ「テメェ、何者だ」

神通「貴方に言う必要などありません」

ジュンヤ「ムカつく女だ… だが俺に勝てると思うな。俺は無限の強さを手に入れる、お前はその踏み台なんだよ…!」

神通「なら貴方は無限には到れない、私の全力を以ってそれを証明して見せましょう」


2本の太刀『光忠』『貞宗』の刀身、そしてジャスティスの機体が神通と同様の気を帯びる。ディナイアルもまた、全身のクリアパーツが煌き殺気に満ちる。

そして2機が互いに加速し、ぶつかりあった!



その頃海風達はガンイージとアブホールと戦闘を繰り広げている。 アブホールの背後にウイングがバード形態で張り付き、ガンイージとZZは砲戦で互いに撃ち合う。

アブホールはウイングを引き剥がそうとするも離れず、海風は冷静にアブホールを追い詰めていく。


海風(敵軌道予測、これなら…)

僚機A「しつこい… なら!」

海風「このマニューバは…!」


アブホールの動きに海風は見覚えがあった。 それは天津風との練習でよく使われた嫌な手、失速機動の一つ。

水平飛行中に機首をピッチアップさせて減速し敵の背後へと回り込む技。


海風「コブラ…!なら!」

僚機A「もう遅…」


だが海風の対応の方が早かった。回り込まれる直前に機体を変形させ、MS形態へと移行させる海風。

そしてその勢いで背中にある『アズライトウイングブレイド』を1本抜き放ち、そのまま投擲した。


僚機A「なっ!?」


失速機動を行っている最中の軌道に向けて放たれた刃が一直線にアブホールへと向かい、回避しそこねたアブホールへと突き刺さる。

そして串刺しとなったアブホールに向けてもう一本のブレイドを抜き、そのまま切り裂く。


僚機A「なっ!?」

海風「次はクルビットでも練習してきてください」


爆散するアブホール、そしてそれを見たガンイージがどうにかして霞を仕留めようと肉薄を試みる。


僚機B「うぉぉぉぉっ!」

霞「来る…!」


サーベルを抜いたガンイージがZZへと切りかかる。が、霞は直感で感じ取り機体を逸らして避けた。

そして態勢を立て直そうとするガンイージに向けレールガンの銃口を押し当てて…


僚機B「砲撃型がこんなに動け…」

霞「終わりよ。ちっこいの」


引き金を引き、レールガンから放たれた弾丸がガンイージを貫く。 そして地面に倒れ落ちるガンイージ。

そこにZZがレールガンを数発放ち、ガンイージを完全に破壊した。

ぶつかり合う拳と日本刀の刃、そして生み出される衝撃波が地面を抉る。

ディナイアルが放つ技をジャスティスが剣で受け流す。そして一度神通は機体を下がらせ一旦距離を取った。


ジュンヤ「何だよ… 何で攻めて来ねぇんだ!」

神通「…」


何度も打ち合った神通とジュンヤ、しかし神通は一度も攻めに転じず防御に徹している。

自らのペースを崩さず、かつ一度も『拳』による技を使わない神通に対しジュンヤは苛立つ。


天津風「何やってるのよ、先輩は…!」

朝雲「攻め手が無い訳じゃないのに… しかも何で剣しか使わないの?」

萩風「相手の力を見極めつつ、苛立たせてペースを崩す。 あまり褒められた手ではありませんが有用です」

瑞鳳「違う。神通ちゃんは自分の覚悟を、拳を振るい誰かを傷付ける覚悟をしてるんだと思う」

瑞鳳(見せてみなさい、3代目を名乗る私の娘。 その覚悟、そしてその力を)


ジュンヤ「埒が開かねぇ…! 本気に、させてやるよ!」


ディナイアルの全身のクリアパーツが煌きを放ち粒子が放出される。そして頭部のリアセンサー部からまるで髪の毛のように粒子エフェクトが形成された。

だが神通は全く動じない。そして剣を構え、迎え撃つ態勢を整える。


ジュンヤ「次元覇王流…!」

神通「…!」


加速し距離を詰めるディナイアル、拳を握り締めジャスティスへを肉薄し技を放つ。


ジュンヤ「正拳突きィィィッ!」

神通「ッ…! 流石に、押し負ける…!」


機体の出力差の違い、ジャスティスはギリギリまで踏ん張っていたが弾き飛ばされ断崖へと叩きつけられる。

しかし神通は落ち着いていた。まだ機体に大した損傷は無い、戦える。問題は自分次第だ、と自分に言い聞かせ…


『何をしている!まだ2機残っているんだ、早くトドメを刺せ!』

ジュンヤ「分かってる、よ!」


ジャスティスに向け再び加速し、今度は仕留めようとするジュンヤ。

だがディナイアルが衝撃波によって吹き飛ばされ、地面へと叩き付けられた。


ジュンヤ「何が…!」

神通「勝負は、ここからです…!」


彼が見た先にはジャスティスが立ち上がり、刀を構えた姿があった。恐らく何かしらの技を使い自分を吹き飛ばしたのだろう、そう推測するジュンヤ。

神通の心は澄み渡っていた。そして神通は『本気』に到る。心を研ぎ澄まし、水の一滴を捉え、その名前を叫ぶ。


神通「明鏡、止水! 咲き誇れ!フルブルーム、バーストッ!」


オレンジ色の光を纏うジャスティス、『満開』の名を関するシステムが起動し放出されるエネルギーが派手な土煙を起こす。

そして粒子のエフェクトが小さな花弁の形となり『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』の周囲に舞い吹雪く。


神通「ここからが、私の本気です…! 流派・東方不敗3代目継承者・神通、いざ参る!」


行動安価 直下

天津風「あれって、花弁…?」

瑞鳳「あれは神通ちゃんの心象風景、って言えば良いのかな」

朝雲「心象風景…?」

瑞鳳「心の中に刻まれた風景だよ。ジャスティスの力、『フルブルームバースト』の使用に必要なのは明鏡止水の心…

機体とファイターがリンクする事で機体を強化するのが私の作ったバースト能力。そして副次的な効果として粒子放出エフェクトはファイターの心を映し出しちゃうの」

萩風「では、あの花吹雪は姉さんの?」

瑞鳳「私が試しに使った時は鳥の羽だったから、多分あの子独自のものだよ」

瑞鳳(満開、その名前の通り咲き誇りなさい。想いのままに、眩いほどに、一瞬に全てを込めて…)


ジュンヤ「そんな見掛け倒しで!俺がヤれるかよぉぉぉっ!」


拳を構え、打ち込もうと距離を詰めるディナイアル。ジャスティスは両腕の太刀で自らを抱きかかえるような構えを取る。

見た目だけなら守りの態勢、だが神通にとっては攻勢へと転じる為の構え。気を剣に集めて技を放つ!


神通「奥義・密天、烈風!」


刃が風を巻き起こし、不可視の風の刃がディナイアルへと襲い掛かり直撃し土煙が起きた。

だが大したダメージではなく多少体勢を崩した程度、出鼻は挫かれたがまだ戦えるとジュンヤは考えていたが…


ジュンヤ「何っ!? アイツ、どこに…」


土煙が晴れると目の前からジャスティスが消えている。残っているのは花弁の残滓だけ。

そしてシステムからの警報が鳴ると同時にディナイアルの背後から斬撃が奔り、衝撃でディナイアルが地面に倒れる。


ジュンヤ「て、テメェ…!」

神通「言った筈です… 私の、本気だと…!」


土煙に紛れて背後に回りこんでいたジャスティス、一撃を加えられ倒れたディナイアルが飛び上がり体勢を整えジャスティスと向き合う。

ジュンヤから溢れ出す殺気すらも今の神通は動じることは無い。さらにジャスティスの腕が輝き、刀身が光を帯びるのを確認した神通は機体を加速させた。


神通「はぁぁぁぁぁぁっ!」

ジュンヤ「そんな攻撃でぇ!」


右腕から振り下ろされる刃を左脚の蹴りで弾こうとするディナイアル、だがそれは彼にとって失策だ。

ジャスティスの腕を通し、高温の熱を帯びていた刀の一閃が奔りディナイアルの左脚が溶断される。


ジュンヤ「ば、馬鹿な!?」

神通「今のこの刀はヒートサーベルと同じ、それを脚で受けられると思うな!」

ジュンヤ「ふざけんじゃ、ねぇぇぇっ!」


拳を胴へと打ち込もうとするジュンヤ、しかし神通はそれを左腕の刀を捨て受け止めた。

片足になった事でバランスが崩れた状態での一撃など神通にとって受け止めることは容易い。そして神通はディナイアルから放出される髪状のものを右腕の刀を捨てて掴む。


ジュンヤ「クソッ!クソッ…!」

神通「これで、決めます!」


空中へとディナイアルを投げ飛ばすジャスティス。そして掌に再び光が宿る。これが神通の必殺、母親から受け継ぎ昇華した己の技。ジャスティスは跳躍し、空中へと放り投げられたディナイアルに向け一直線に加速していく。


神通「私のこの手が真っ赤に燃える! 己を越えろと轟き叫ぶ! アンリミテッド… フィンガァァァァァァァァァッ!」


撃墜判定(20以上で撃墜) 直下

ディナイアルは両腕をクロスさせ防御の構えを取る。しかし神通の放つ一撃が腕ごと胸部を貫く。


ジュンヤ「俺が、俺が負ける…?」

神通「…私の、勝ちです。 散華なさい。フォール、エンド」


そして空中で大爆発が起き、爆炎が晴れるとそこには爆風を受けてなお悠然と咲き誇る『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』の姿だけがあった。


BATTLE ENDED

Winner"Flügel Vento"


『Aブロック2回戦、第一試合。勝者、東京代表・『フリューゲル・ヴェント』!』


海風「先輩、お疲れ… 先輩…?」

神通「あれ…」フラッ

霞「先輩!? しっかりしてください!」

海風「霞、肩を!医務室まで運びます!」

神通「いえ… ちょっとフラついただけで、大丈夫です…」

神通(何この疲労感は… 明鏡止水を、使っただけなのに… まさか、ガンプラと何か…?)



瑞鳳「やっべ…」

萩風「お母様、じっくりお話しましょうか?」スッ

瑞鳳「うん、分かった。だからさり気なく首筋にナイフは怖いからやめて」

朝雲「一体先輩に何があったの?」

天津風「何か疲労困憊気味なんだけど…」

愛宕「…もしかして瑞鳳、アレ伝えてなかった?」

瑞鳳「…てへっ?」

朝雲「やっぱアンタの母親ロクでも無いわ」

萩風「耳が痛いです… 毎度母が申し訳御座いません…!」

《会場 廊下》


海風・霞「ガンプラとファイターがリンクした!?」

瑞鳳「プラフスキー粒子って人の意思に呼応する、って言うのは前に話したと思うんだけど…

その特性を活かして『フルブルームバースト』を私は創り上げた。ファイターの意志と機体をリンクさせて性能を爆発的に増幅させる『だけ』の筈だった」

朝雲「だった?」

瑞鳳「私の予想以上にリンク率が高くてさっきの粒子エフェクトに花吹雪、神通ちゃんの心象風景が具現化したようになっちゃって…

それどころかファイターの神経系とガンプラがリンクして大きく消耗したり、他にも色々と出ちゃいました」

天津風「一体何作ったのこの人!?」

萩風「色々、って一体なんです?」

瑞鳳「えっと、具体的に言えば… 痛覚共有とか?」

神通「道理で節々が痛む訳ですか…!」

愛宕「爆風モロ浴びしちゃったものね… 火傷とか大丈夫?」

神通「そこは大丈夫なようですが…」

海風「先輩になんてものを押し付けてるんですか!?」

霞「もしかして『アズライト』と『アクロス』もロクなもんじゃ…」

瑞鳳「充分リミッターは掛けた筈なんだけどなぁ… あ、残り二つには特に何もロクでも無い性質は無いよ」

萩風「リミッター…? 私が弄った時には…」

瑞鳳「機体フレームに粒子量を制限する詰まり、前にフレスヴェルグの性能が落ちたときみたいな詰まりをわざと作った筈なんだけど」

萩風「あ」

瑞鳳「…まさか、やっちゃった? やっちゃってるね」カチャカチャ

天津風「じゃあ原因は瑞鳳さんだけじゃなくて…」

朝雲「萩風も…」

萩風「仕様なら仕様って言ってくださいよ!?」

瑞鳳「だから言うの忘れてたんだって」

愛宕「瑞鳳、もっと謝るべき相手が居るんじゃないかしら?」ゴゴゴ

瑞鳳「ホント、ゴメンナサイ… 弟弟子の不始末やら何だかんだ押し付けまくってすみませんでした!」土下座

霞「先輩、今のお気持ちは?」

神通「母親じゃなければ殴ってたかもしれません」

海風「ですよねー」

瑞鶴「…何やってんの?」

愛宕「瑞鶴?」

瑞鶴「まぁ、大体何しでかしたかは察しがつくけどね。体の調子は?」

神通「気だるさを除けば、なんとか」

瑞鶴「その程度なら良かった。体は資本だしね」

海風「どうかなさったんですか?」

瑞鶴「ああ、話がしたいってバカ居るから連れて来たのよ」バシッ

ジュンヤ「痛っ…!? バカって言うなよ…!」

霞「アンタ… イノセ・ジュンヤ…!」

萩風「今更、何用ですか。 危害を加える気であれば…」

神通「萩風、止しなさい」

萩風「…分かりましたよ」

神通「イノセ・ジュンヤ、貴方の気持ちは打ち合った時に刀を、拳を通して伝わりました。

私の拳、そして刀からは何か伝わる事はありましたか?」

ジュンヤ「…いや。だが、拳は効いた…」

神通「それであれば、まだ良い方です。本物の外道にまで墜ちれば拳などただの凶器ですから」

ジュンヤ「俺はあらゆる武術を吸収し、強くなった筈だった… なのに、俺は負けた」

瑞鳳「他の武術を吸収したとしてもいずれ限界は来る。 例えば貴方が他の世界中の武術をマスターしたとしましょう。

でも学ぶ武術が無くなればそこで終わり。 1+1を繰り返して重ねてもいずれ限界は訪れる」

ジュンヤ「じゃあアンタは、アンタ達はどうなんだよ…!」

神通「私は… 確かに継承と言う形で技を受け継いでいます。しかしそこから、学んだ技を昇華し自分だけの力を築いていく…

積み重ねられた過去を越え、己の限界を越え、道を拓いていくのが私の『武』の在り方です」

瑞鳳「私も、そうやって育てられてきたからね。 お父さんのクーロンフィンガーが私のゴッドフィンガーとなり、ゴッドフィンガーがアンリミテッドフィンガーになるように、世代を超えて進化を続けるのよ。

どこまでも強くなりたいなら、自分自身の道を描き、果てない道を走り続けるしかないの。例え苦しくても辛くても歩みを止めるなんて出来ない、本当に果てのない道だよ」

ジュンヤ「果てない道、か… 師匠が俺に、次元覇王流の奥義を授けなかった理由が良く分かったよ…」

瑞鳳「あ、それに関して弁解が一つ」

ジュンヤ「は?」

大鯨「お待たせ~。お久し振り~」

東方不敗「…」ズルズル

朝雲「大鯨さんと… 瑞鳳さんのお父さん…? 何で引き摺られてるの」

瑞鳳「仙台から引き摺って連れて来てもらったの。 多分、この事態の元凶だから」

ジュンヤ「し、師匠!?」

霞「げ、元凶…?」

瑞鳳「私の推理なんだけどね… こんな感じかな」


・ジュンヤ、次元覇王流の奥義伝授を請う
・師匠、断る(実は次元覇王流に奥義など無い)
・ジュンヤ、怒りで出奔
・師匠、言い出すタイミングを見つけられるず機会を失い今に到る←今ここ


学生一同「…は?」

愛宕「おじ様…?」

瑞鶴「瑞鳳に聞いた時正直無いわ、って思ったものこれ。でもこの親子特有のうっかり伝え忘れるが発動した結果こんな事態になったのよ」

ジュンヤ「嘘だろ…」

瑞鳳「全部事実です。ウチのバカ父親が大変申し訳無いことをしました」

瑞鳳「で、弁解は?」

東方不敗「むぅ… うっかり、では無いのだが…」

神通「それ、もっと悪質です」

瑞鳳「理由が無いならね」

東方不敗「あの時の未熟な精神状態では強さを求める者にそれを伝えるのは酷と言うものよ。それに言っても納得はせんかったかもしれん」

萩風「完全にどこかの誰かと同じパターンを辿ってますね」

瑞鳳「うっ…!」

神通「拳で語る前にやはり言葉で話すべきでしょう…」

瑞鳳「肝に銘じます…」

東方不敗「ジュンヤよ。この通り、言葉足らずですまなかった… 次元覇王流に奥義等無い、あるのは極意だけだ」

瑞鳳「本当に先代が申し訳ありませんでした」

神通「3代目として、申し訳ありません」

海風「…これ、先輩完全な尻拭いですよね」

霞「ちょっとこれは酷いかも…」

天津風「先輩は泣いて良いと思うわ」

朝雲「瑞鳳さんも割と被害被ってるんだろうけど…」

萩風「今回ばかりは同情します…」

大鯨「代わりと言ってはなんだけど… はいこれ」

ジュンヤ「…パスポート? それに旅券…?」

瑞鳳「あっ…」

ジュンヤ「ニューヨーク…? それと、ニューヨーク発ベネズエラ行き…!?」

東方不敗「この後すぐの便で発つぞ」ガシッ

ジュンヤ「ちょ、待っ…」

東方不敗「先程の戦い、腕が鈍っておったからの。ワシが直々に鍛えなおしてやるわ!」

大鯨「親御さんの承諾はいただいてきたからね。存分に堪能してきて」

ジュンヤ「う、うわぁぁぁぁぁぁ…」ズルズル

瑞鶴「これは酷い」

愛宕「御愁傷様ね」

瑞鳳「我が家と関わったのが運の尽きだね、ホント」

神通「…さっきの過労とストレスで本当に胃に穴が開きそう…」

海風「気をもって下さい…!」

霞「萩風、材料費出すからアンタ後で胃に優しいもん作ったげて…」

萩風「はい… これはちょっと、私が継がなくて良かったなぁって思ったし…」

《その後 海風・霞の部屋》


海風「今後の事ですが… どうしましょうか?」

霞「どうするって、アンタの方針通り戦うだけじゃない」

海風「それはそうなのですが… 今回の場合は先輩が少々『やり過ぎた』んです」

神通「ですよね…」

海風「弓術による狙撃、そしてフィールドを切り裂く剣術、『フルブルームバースト』の全力行使…

今回だけで先輩の持てる手の内を晒してしまいました。恐らく今後は対策を練られていると考えてください」

霞「対策、って何かできるものあるの?」

海風「ええ。例えばですけど… フルブルームを発動しない内に包囲されてトリモチで関節封じられたりするかもしれませんし」

神通「ダブルオーで人革連のやった包囲からの封じ攻撃のようなことをされれば… 確かに厄介ですね」

海風「3機と言う制限がある以上普通ならやりませんが… もし、例えば瑞鳳さんに聞いたように戦艦の中に複数のMSを内蔵して艦載機扱いにした戦術を取ってくれば、確実にやられます」

霞「それは厄介ね… 可能性としては捨てきれ無いのがどうにも…」

神通「ですが… 私はもう、立ち止まらないと決めました。 海風さん、私に命じてください。『本気を出せ』と。

ロンギフローラムのリミッターは全解除して貰いました。これなら、どのような敵にも負けません」

海風「しかしそれでは先輩の体が…!」

神通「大丈夫です。 例えこの身が果てようと、私は立ち止まりませんから」

霞「先輩…」

海風「…分かりました。 ですが本気の使用は海風が指示した時のみに限定してください。

EXAMに関する全てを終わらせ未来を変えるまで貴女は倒れてはいけない。『契約』もありますから」

神通「『契約』… そうでしたね…」

霞(契約…?)

海風「幸い海風達の機体にも瑞鳳さんから強化装備、『ソレスタルスフィア』と『ホワイトクリーン』用に各機に追加装備が頂けることになりました。

先輩の負担にならないように努力はします。 貴女は止まってはいけない、止まるとしてもここではありません。くれぐれも、気を付けてください」


神通(そう、私は進み続けなければならない… EXAMを消し、未来を変えてお母様を救う為に。 無限にある可能性の未来、その先へと…

それが私の、母から不敗の名を受け継いだ私の使命なのだから…)


第14話『無限の先に』終

次話選択 下5まで

1.霞編『ニュータイプ』…霞VSニムバス。 『何者』かと感応する霞、その相手が誰かも分からないまま三回戦へと駒を進めるが、世界大会会場がニムバス一味の襲撃を受けた。事態収拾の為に霞達は瑞鳳や世界大会関係者と共に戦いへと身を投じる…

2.萩風・朝雲編『言葉よりも記憶よりも』…萩風・朝雲VS嵐。 三回戦に鬼怒たちと激突する事になった一行、そして嵐は『かつての萩風』と友人だったと言う事実が明かされる。『自分の知らない自分』に苦悩する萩風と、それを支えようとする朝雲は…

3.天津風編『復讐の意味』…天津風VS霧島。 ガンプラ学園への復讐を思う天津風、しかし対・ガンプラ学園対策会議でメンバーから外されてしまう。納得が出来ないまま2回戦を迎えるが相対したのは天津風同様『復讐』の感情をガンプラ学園へと向ける霧島だった

これ三択で下5より先取三票の方がよくない?

安価下

結果
・霞編…0
・朝雲・萩風編…3☆
・天津風編…2

なので朝雲・萩風編やります

>>346
次回試しにやってみます…


ところでアズール編完結後、新章に移行予定なのですが…
現在主人公として考えているのは

・親潮『ルート・クルセイド』
・由良『ルート・ソレイユ』
・鈴谷『ルート・テンペスト』

を予定しております。

共通設定は
・アズール編から2~3年経過
・トライ準拠
・アズール編のキャラはチョイ役として続投(大筋には関わらない)
・チームは『フリューゲル・ヴェント』ではなくなる予定

のような感じでやっていこうかと…

第15話『言葉よりも記憶よりも』


《大会会場内 カフェ》


萩風「妹さん、どうですか?」

朝雲「体調も安定してるし、準決勝からは来れそうだって。私達が勝ち続けてればだけど」

萩風「問題はそこ、ですよね。次の相手は…」

朝雲「知ってる。海風の従姉妹なんでしょ?」

萩風「あの三人、腕は確かです。それに最大戦力である姉さんの機体はリミッターの解除調整中、明後日の戦いには間に合いません。

さらにお母様も今世界大会と掛け持ちでこちら用の武装も新規製造している為助力は期待できませんし…」

朝雲「成る程ね… じゃあ次点じゃ海風が最大戦力か」

萩風「しかし親戚相手に本気を出せるでしょうか?」

朝雲「大丈夫よ。アイツ戦いは基本誰にでも容赦無いから」

萩風「…海風さん、意外と信頼が厚いのですね」

朝雲「そりゃそうよ。 私、私達は海風の直向な努力を間近で見てきたもの。 じゃなきゃ信じないし、従うつもりも無いわよ。

それに海風だけじゃなく、霞や先輩だって色々抱えながら頑張ってきた。天津風は… まぁ、頑張ってるんじゃないの? だからこそ私はチームを信じてる」

萩風「信じてる、ですか…」

朝雲「それは萩風もよ。結果的に私は萩風に助けられたし、萩風が導いてくれたお陰で先輩達の援護にだって入れた。

他の誰が疑おうと、私は萩風を信じる。一緒に戦う仲間として、友達としてね」

萩風「朝雲さん…」

朝雲「…い、今のは忘れて。ちょっと恥ずかしいから…」

萩風「あ、あはは… そろそろ戻りましょうか。海風さん達は先に戻ってますし」

朝雲「えぇ~!私ちょっとこのハロールケーキって食べたかったのに…」

萩風「駄目です。ただでさえ甘い物食べ過ぎてるのに、もう夕飯も近いんですよ」

朝雲「海風のは黙認してるのに…」

萩風「彼女の能力は膨大なカロリーを消費します。 仕方の無い処置です」

朝雲「ちぇっ… ま、良いわ。今日は我慢する」

「お、居た居た。おーい」

朝雲「あれって… 私達に?」

萩風「みたい、ですけど… 彼女、確か海風さんの従姉妹さんと同じチームの…」

嵐「何だよ、鳩が豆鉄砲食らったような顔してよ」

朝雲「確か嵐、って言ったわよね? 何か用? 海風なら…」

嵐「アイツは勘弁してくれ… 知らずに地雷踏んづけて、顔合わせるのが気まずいんだよ…」

朝雲「ガトリング罵倒の被害受けたのね… スドウの一件も地雷踏まれた反撃の罵倒が遠因になってたのに…」

嵐「スドウ?」

朝雲「…私達が遭遇した昏睡事件の犯人よ」

嵐「ああ、スドウ・シュンスケだったっけか… 実名公表されてなくても、大会記録には残ってるから名前は知ってるけど…」

朝雲「誰にも話さないでよ。一応私には事件に関わった守秘義務ってのがあるもの」

嵐「あ、ああ… ってそうじゃない。東京に引っ越したのは知ってたけど、まさかお前が『フリューゲル・ヴェント』に参加してるとはなぁ…」

萩風「…一体、誰の話を?」

嵐「は? お前に決まってんだろ、萩」

朝雲「萩…? 萩風…?」

萩風「私…?」

萩風「…」

朝雲「…」

朝雲(そう言えば前に、『未来の萩風』が『この時代の萩風』に成り代わったって聞いた… まさか、この人『この時代の萩風』を知ってる!?)

嵐「お、おい… 忘れたのかよ!? 前に近所で一緒に遊んでた嵐だぞ!?」

萩風「え、えっと… 私は…」

朝雲「…ごめん、ちょっと良いかしら?」

嵐「何だよ!」

朝雲「この子、ちょっと記憶障害なの」

萩風「朝雲さん…?」

嵐「記憶、障害…?」

朝雲「ちょっと前に事故にこの子も巻き込まれて、昔の事を思い出せないの。

幸い脳に障害は無いから心因性のものの可能性が高いけど、逆に思い出させるようなことはしちゃ駄目」

嵐「何でだよ…!昔の事を思い出せ無いなんて、萩が可哀想だろ!」

朝雲「違うわよ。確かに可哀想、だけど思い出す方がもっと可哀想になる。 ちょっとこっち来なさい」



嵐「…なんだよ。萩風に聞かれちゃマズイのか?」

朝雲「良く聞きなさい。 記憶を無理に思い起こそうとするって言うのはね、辛い記憶も引き出しちゃうことなの。

あの子の両親は事故で亡くなった。そのショッキングな光景が原因で記憶を封じていたとしたら?」

嵐「どうなるんだ…」

朝雲「間違いなく精神の均衡が崩れる。 貴女の望む良い結果にはならない」

嵐「ッ…!?」

朝雲「今は時間をかけてあの子の精神を安定させる事の方が大事なの。記憶も無いし親御さんも居ない、そんな状態で今あの子は生きてる。

もし貴方があの子の友達だって言うなら、もう少しあの子の事を考えてあげて」

朝雲(咄嗟の嘘、成功… でもちょっとマズイわね。先輩や瑞鳳さんにも後でちょっと相談しとくか… でも最大の問題は…)


萩風「私は、一体…」

萩風(今更だけど… 私は『過去の私』を踏み台して…)

萩風「違う…!私は…!」

萩風(そんな感傷は今は必要ない…!)


朝雲(あっちの方が問題ね)

《その夜 朝雲・天津風の部屋》


神通「…成る程、過去の自分の知り合いですか」

瑞鳳「厄介っちゃ厄介でもあるね。魂は同じでも心は別人、全くの他人だもの」

朝雲「先輩はそんな人は現れましたか?」

神通「いえ。同じ学校の出身は居ますが、特に友人関係でも無かった様なので」

朝雲「流石に前例は無いかぁ…」

瑞鳳「問題は萩風ちゃんだよねぇ… 朝雲ちゃんがフォローしたけど、下手すりゃ消しにかかるかもしれないし」

天津風「…いくら萩風でも、します?」

神通「やりかねません」

朝雲「信頼低っ!?」

瑞鳳「逆の意味でやる、って分かってるからの信頼?かもしれないけど。割と思い込みと突っ走りっぷりが激しいからねぇ… 誰に似たんだか」

神通「お母様の影響を受けた人間の遺伝子を受け継ぎ、お母様に育てられた子供ですよ? それ以外誰に似てるとでも」

瑞鳳「あはははは… 大変すみませんでした」

天津風「子供が出来たら育て方は考えざるを得ないわね…」

神通「ですが、私の家族であり尊敬する師であり… 大事な人ですよ」

瑞鳳「まぁねぇ… でもちょっと愛が重いというか…」

朝雲「助ける為に過去まで跳んで来るのはちょっと…」

天津風「そう言う無謀すらやらかすのも瑞鳳さんそっくりと言うか…」

瑞鳳「…おかしい。未来の話なのに、今の私まで被害を被ってる」

神通「延長線上の同一人物ですから」

瑞鳳「そりゃそうだけどさ。 まぁ、その話はそこら辺に投げておいて。 ただ由々しき問題ではあるね。

自分の知らない自分を語られるって結構ショッキングだからさ」

天津風「経験が?」

瑞鳳「3日くらい記憶喪失った時があったのよ。その時なんだけど… 自分がどれだけイカれてるか飛龍さん達に教えられて、認めたく無いって思ったもの。

記憶戻っちゃったから特に今は問題無いけど、知らない自分が存在するのは怖いんだよ」

朝雲「サラッと凄いこと言ってますが… 一体どうやって治したんです?」

瑞鳳「荒療治も荒療治… 語りたく無いくらいには…」

神通(確か業を煮やした飛龍さん達4人に丸一日お尻でヤられて気絶させられた次の日には治ったと聞きましたが…)

瑞鳳「例えば朝雲ちゃんの今の人格を表、もう一人別個に裏が存在したとする。 他人から自覚の無い、裏の人格の話をされたらどう思う?」

朝雲「誰?とは思いますけど…」

瑞鳳「それだけなら良いよ。 でももし人を殺していたりしたら? もし悪行を行っていたとしたら? それを聞かされてどう思う?」

朝雲「確かに、それは怖いわ… じゃあ萩風は、今そう言う気分なのね…」

瑞鳳「そう言う気分なんだよ、今のあの子は。知らない自分が居て、他人に語られるってそう言うことなの」

神通「怖いだろうし、あまり愉快な話でもありません。 それに下手を打てば、成り代わった筈の元の『この時代の萩風』になって今の自我が消える可能性も…」

瑞鳳「そこまで行くと飛躍のし過ぎ、とは思うけど無いとは言い切れないからね… 早急に対策して、安心させないと」

天津風「でもどうやって?」

瑞鳳「これ貸したげる」

朝雲「世界選手権、大会関係者フリーパス!?」

瑞鳳「気晴らしにでもなるだろうし、二人っきりで見て来なさいな。私達二人を除くと、一番あの子を理解しているのは朝雲ちゃんだからね。

私の可愛い娘、貴女に任せるから」

《翌日 世界大会会場》


ガヤガヤ

朝雲「凄い人ねぇ… アナハイムの一件があったって言うのに、流石ガンプラってところかしら?」

萩風「これでも去年より人が減ってるらしいですよ。大会参加者の辞退も相次いでましたし」

朝雲「瑞鳳さんがそんな事言ってたっけ。実際どれくらいなの?」

萩風「昨年は全68カ国93人、今年は56カ国80人になったとか」

夕雲「あら、確かお二人は… 朝雲さんと萩風さん、でしたか?」

浜風「先日ぶりです。 そして妹がお世話になってます」

朝雲「あ、どうも。海風にはこちらも色々と助けられてますから」

萩風「バビロニアの一件以来ですね」

夕雲「瑞鳳さんは…」

朝雲「今日は諸用があるそうで」

萩風「お母様にフリーパスを借りられたので私達が」

浜風「そう言う事でしたか。 バトルの無い日にまで研究とは良いことです」

朝雲「まぁ、世界のレベルがどんなものか見てみたくて… 機体の性能もファイターも、中高生の部とはレベルが違うとか聞いたんで」

夕雲「実際、桁違いの選手ばかりですよ。 一癖も二癖もある選手がはびこってますから」

萩風「お二人がそう言うのであれば、相当でしょうね…」

浜風「特に今年は、大波乱の予感がします。 今年は参加者が減ったとは言え、質はあがっていますから」

「あら、貴女達は…」

浜風「どっちで呼びます? メイジンか、矢矧さんか」

メイジン「今は職務中だからメイジンでお願い。 そこの二人は、『フリューゲル・ヴェント』のストライクとエクシア使いね」

朝雲「は、はい! 朝雲と言います!」

萩風「萩風です」

メイジン「私の自己紹介は不要ね。開会式にも出てたから。二人共、一回戦の試合は面白い戦い方だったわ。

長距離狙撃とステルスを用いた奇襲、それにダインスレイヴを銃で弾く芸当… ガン=カタまで瑞鳳さんは教えられるのね」

朝雲「えっと、ガン=カタは… 瑞鳳さんではなく榛名さんに教えて貰って…」

メイジン「…え? 何であの人!?」

浜風「まぁ、色々あって現在協力関係なもので…」

メイジン「そう言うことね… でもあの人が率先して教えるのは珍しいわね…」

萩風「そうなんですか?」

メイジン「しかも貴女達はいずれあの人の妹達と戦うかもしれない。その相手にわざわざ…?」

夕雲「それだけでは飽き足らず、この子は『改RX-0』までちゃっかり頂いてますからね」

メイジン「はぁ!?」

浜風「素が出てますよ」

メイジン「し、失礼… 『改RX-0』の話、本当?」

朝雲「はい。 榛名さん達の使う北欧系統の名前じゃないけど、きちんとした『改RX-0』です」

メイジン「本当に何考えてるのかしら…」


イベント 直下

浜風「お二人はどうします? 私達は午後の試合まで時間があるので観戦してますが」

朝雲「私達は… どうする?」

萩風「このまま見学していきましょう。今日一日、やる事はありませんから」

萩風(それに私の遺伝子ベースとなった二人… 一応私にとっては母にあたる人、でも私には殆どお母様は話してくれなかった… どんな人だったのか、って興味もあるし…)

夕雲「ではご一緒しましょうか。 瑞鳳さん達も居ませんし、飛龍さん達は今年はこちらに来ない予定ですから」

朝雲「あれ、そうなんですか?」

浜風「ええ。 大会中の方がガンプラの売れ行きが良いので」

萩風「ああ、そっちの方で…」

「おい、浜風に夕雲。何やってんだ?」

夕雲「あら、フェリーニさん?」

フェリーニ「今日も瑞鳳は居ないのか。 そっちの二人は?」

浜風「妹のチームメイトです」

フェリーニ「妹… ああ! 近くでやってる日本の学生大会に出てるって言ってたな! あの瑞鳳の教え子なんだろ?」

朝雲(えっと… 誰?)

萩風(リカルド・フェリーニ、イタリア代表です)

朝雲(ああ、毎年ロワイヤルで追い回されてる…)

浜風「二人は朝雲さんと萩風さん、妹と同じ『フリューゲル・ヴェント』のファイターです」

朝雲「朝雲です。よろしくお願いします」

萩風「萩風と言います。どうぞお見知りおきを」

フェリーニ「俺はリカルド・フェリーニ、まぁお前達の先生とは腐れ縁でな。 確か二人共、一回戦に出てたろ」

夕雲「中継、ご覧になっていたのですか?」

フェリーニ「ああ。本場・日本の学生ファイターの実力を観てみたかったんだよ」

浜風「私達でも、見てて参考になる時もありますからね」

フェリーニ「確かステルスを使うエクシアと狙撃型のストライクだったか… 中々良い戦いっぷりだったぜ」

朝雲「ありがとうございます」

フェリーニ「やっぱりアイツ、見る目は一流だな。飛龍達と言い、浜風達と言い、春雨と三日月と言い…」

萩風「時雨さんは?」

フェリーニ「時雨? アイツの基礎を作ったのは俺だぞ」

朝雲「そうなんですか?」

フェリーニ「ああ。知り合いから頼まれて、付き合ってやったんだよ」

時雨「そうさ。 僕はフェリーニと練習し続けて腕を磨いたんだ」

フェリーニ「うおっ!?」

浜風「時雨!?」

時雨「瑞鳳に呼ばれてね。 見回り役だよ」

フェリーニ「何だよ、見回りって」

時雨「『昏睡事件』さ。 瑞鳳だって体は一つなんだ、同時に事件が起きたら片方しか対処出来ないだろ」

萩風「し、時雨さん…!? 一般人の前で何を…!」

フェリーニ「いや、事件についての詳細はある程度瑞鳳から聞いて知ってるぜ。俺以外にもグラハムってヤツとロシアのが知ってる筈だが、一体どこ行ったんだアイツ…」

萩風(グラハム・エーカー、確か米軍関係者でしたか… ロシアのは多分スミルノフの…)


現れた人 直下
1.グラハム・エーカー
2.ビス子
3.その他(人物も)

「リカルド、またナンパか?」

フェリーニ「おいおい、まだコイツ等学生だぞ。ナンパなんてしてねぇ」

浜風「流石に妹の友人を毒牙にかけさせはしませんよ」

朝雲「あの人は?」

時雨「ルワン・ダラーラ。タイ代表の選手、僕も一度戦ったよ。野球でね…」

萩風「や、野球…?」

ルワン「その節以来だな、ミス時雨。 ミス春雨は?」

時雨「もう少し後になったら来るよ。 本当なら選手としてここには来たかったけどね… 再戦も出来てないから」

ルワン「それを聞けて安心した。二度と合見える事は無いかと思ったからな」

時雨「ただ野球は勘弁して欲しいね。 本式のバトルの方が楽しめそうだし」

ルワン「野球も良いと思うんだが…」

夕雲「二人共、この方は何しろ生涯打率.899と言う記録保持者でして… メジャーリーグからも招致された事もある方なんです」

萩風「…えっと、生涯打率ってどんなに多くても3割程度ですよね?」

朝雲「ぶ、ぶっちぎってる…」

時雨「野球で勝ったのだってRGを発動して機体出力底上げした結果、この人のアビゴルが球に耐え切られなくて吹っ飛んだからなんだよ…

あれ、パワー無ければ平気でホームラン打たれてたから正直機体性能で勝ったとしか言い様がね…」

浜風「その前にロワイヤルで遭遇戦になった時、私達と4機がかりでようやく撃退出来た有様ですから」

ルワン「あの時は連戦だっただろう。あの変態と」

朝雲「変態…?」

萩風「ああ、例の…」

フェリ-ニ「そう言えばアイツ今年は見てねぇな…」

浜風「えっと… 大会前にあるファイターにブチのめされたので武者修行をしてくると瑞鳳さんに手紙が…」

フェリーニ「アイツって結構な実力あったよな、あれでも…」

ルワン「お陰で、ライナー・チョマーが再び出てきてくれたがな」

フェリーニ「アイツはアイツで厄介なんだよなぁ… 去年みたいに大人しく全日本選手権の実況やってろよ」

夕雲「ガールフレンドを横取りしている罰ですよ。その内『本命』さんに愛想尽かされても知りませんから」

フェリーニ「お、おう… 確かにソイツは怖いな…」

ルワン「ところでそこの二人もファイターと見たが」

朝雲「全日本選手権・東京代表の一人、朝雲と言います」

萩風「同じく、全日本選手権に出場する萩風です」

ルワン「タイ代表のルワン・ダラーラだ。よろしく頼む、若きファイター達」

浜風「あとウチの海風もどうぞよろしく…」

時雨「…キミはとことんシスコンを拗らせてるね」

夕雲「ここに居ない人の紹介してどうするんですか、全く…」

《カフェテリア》


時雨「午前中のチーム戦、まずまずだったね」

夕雲「一番盛り上がりが大きいのは午後の試合に持っていくつもりでしょうね」

フェリーニ「チーム戦に関しちゃお前達の方がプロだろ? 感想とかあるか?」

萩風「初見、事前練習無しでチームを組んでいるので仕方ありませんが… どうしても連携が上手くいってない様子でした」

朝雲「動きもバラバラ、役割もゴチャゴチャ。もう少し他人に合わせるようにすれば良いのに…」

浜風「普通、初見の相手と組んでそれは難しいですよ。世界選手権は個人参加の大会、『自分が一番』だと自負している人が多いもので」

フェリーニ「それぞれ国の名前を背負ってるからな。Gガンダムみたいなもんだ」

ルワン「しかも機体も『一人で戦う』ことを前提として作られてる。合わせ難いのも当然だろう」

夕雲「世界大会においては朝雲さんのストライクのような機体の方が異端扱いされ易いんです。チーム戦の全日本では逆に重宝されますが」

朝雲「海風のアズライトとか先輩のロンギフローラムの方が正統、ってことね…」

浜風「その点においては私達も充分異端です。私のニクスと夕雲のミラージュは2機での連携が前提の機体ですから」

萩風「確かに、射撃・通信能力特化と近接・ステルス特化の機体では真逆の特性ですね」

フェリーニ「しかもどっちも世界大会で5本の指に入る性能ときてる… 厄介にも程があるってんだ」

時雨「僕も、キミ達と同時に戦うのは可能な限り避けたいね。次は春雨と一緒でも勝てるかどうか分からない」

ルワン「あれ以降、機体は弄ったか?」

時雨「定期的にアップデートしてるよ。浜風の妹に渡したフレスヴェルグのデータも瑞鳳経由で貰ってるし、その技術を活かしてね」

フェリーニ「フレスヴェルグ? 『アズライト』じゃないのか」

時雨「元々の機体名は『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』さ。春雨と浜風が作った機体を、瑞鳳が改修したんだ。機体名はファイターの趣味だと」

萩風「宝石、花、英語の名詞、天体、神話… ウチは統一性皆無ですから」

朝雲「そのせいでチーム名で揉めたのよね…」

時雨「因みに言うと若干だけどフェニーチェの技術入ってるよ」

フェリーニ「マジかよ!?」

浜風「ベース機をウイングゼロに決めた時に、少しだけ参考にして汎用性を高めようとしたんです。武器は翼に接続軸を付けたから交換して使えるようにしておいたけど…

初期装備にしてたバスターソードを気に入っちゃったみたいで、それがメイン武装になったと…」

朝雲「あれ、そう言う経緯だったのね」

ルワン「しかし姉妹揃ってファイター、しかも戦術のセンス持ちとは… 中々面白いな」

浜風「それだけではありません。あの子の運もありますよ。 チームメイトや講師に恵まれ、それを開花出来るだけの環境を得られたのですから。

特に朝雲さんを含めたチームメイトがあの子を信頼して、任せてくれているのも大きいでしょう。二人共、本当にありがとうございます」

朝雲「い、いえ! 感謝されることなんて…」

萩風「私も、特に役に立っているとは…」

浜風「いえ、あの子は誰かに信じられている限りその信に応えて…」

『間もなく、午後の部に移行します。 参加選手の方は…』

夕雲「あら、もうそんな時間?」

浜風「行きましょう、夕雲。 あとこれ、後で海風に会ったらに渡しておいてください」

朝雲「1000円札…?」

浜風「鬼怒にお金払っておいて、と伝言も」

萩風「立替のお金ですか…」

フェリーニ「ルワン、お前も午後からだろ」

ルワン「そうだった。 ではまた会おう、ミス萩風にミス朝雲!」

《観客席》


『これより第8試合の選手を発表いたします。Aチーム、3代目メイジンカワグチ『ヘビーガンダムビクトリア』…』

朝雲「あの人ね。 ヘビーガンダムだから、あのエキシビジョン試合で使ってた…」

萩風「はい。ヘビーガンダム、U.C.0090仕様の改修機ですね」

フェリーニ「ここで強力なヤツが出てきたか…!」

『『ニクスプロヴィデンス・クロイツリバイ』、浜風。マスクド・セカンドG『ゲイジングハウンド』』

朝雲「浜風さんが…!?」

萩風「『マスクド・セカンドG』…?」

フェリーニ「今大会で一番のジョーカーだ。経歴不明、素顔不明… だが戦い方は先代のメイジンにそっくりなんだよ」

「はい。ガワもスタイルもそっくり… まるで『本人』そっくりです」

朝雲「榛名さん!?」

榛名「…ですが、余りにも似すぎて違和感が拭えません。それに妙な気配を感じます」

萩風「妙な気配…?」

榛名「だから、それを確かめたいのです。その為に高いお金払ってチケット買いました」

フェリーニ「アンタどこかで…」

榛名「お久し振りです、リカルド・フェリーニさん。 一昨年の取材以来でしょうか?」

フェリーニ「取材…? あ、あの時のライター!?」

榛名「ガンプラ専門ライター『ホワイトウルフ』、まぁライター業は只今休業中ですので今は榛名とお呼びください」

朝雲「そう言えばライターの仕事してましたね…」

萩風「会った事があるのですね」

フェリーニ「あ、あれはな…」

榛名「ナンパしようとして、ガンプラを差し出してくるとは思いませんでした。つい作りこんだザクⅢで対抗してしまって…」

朝雲・萩風「えぇ…」

フェリーニ「アンタ本当に何者だよ… しかも先代メイジンの事を知り尽くしてやがる」

榛名「ガンプラ塾第二期主席、過去の話ですよ。でもだからこそ、彼は5年前に最後に会った時から比べて違和感があるんです」

フェリーニ「塾生だったのか… 対戦経験があるのか?」

榛名「ええ。想定外の行動からの不意打ちによる一撃、それでも左肩のアーマーを砕くことしか出来ませんでしたし無理が祟って機体も自壊しましたが」

フェリーニ「マジかよ… だがそれなら、アレが誰か癖で分かるだろう」

榛名「だからこそ、それを確かめるのです」

『続いてBチーム、ルワン・ダラーラ『ハンブラビスバン』。ラマーン・カーン、『シュネー・ヴァイス』。レナート兄弟、『貨物船』…?』

フェリーニ「レナート兄弟が対戦相手か…」

榛名「やは、現メイジンを嫌い浜風さんを嫌う… 最悪の札でしょう。どんな手を使うか…」

萩風「それに、先程のルワンさんも…」

朝雲「どうなるのよ、この試合…」


視点選択 直下
1.浜風『倒すべき敵』
2.海風『羨望』

side-浜風-『倒すべき敵』


セカンドG「…ガンプラバトルは勝利こそ絶対、全てを犠牲にしてでも勝利の頂を目指すべし。故に貴様の指図は受けんぞ、3代目!」

メイジン「くっ… 勝手な事を…!」

浜風「…では、私が指揮を執りましょう。私が目指すのは『最良の勝利』、犠牲無く眼前の敵を圧倒して得る勝利こそ私が目指す頂です」

セカンドG「ほう… 出来るのか、貴様に」

浜風「出来ます。私なら… 来ます、全機ニクスの後ろに!」


浜風が瞬時にドラグーンを展開し、バリアを形成する。その直後にビームの光弾が直撃しバリアに弾かれた。

頭の中に思考を巡らせる浜風は答えに辿り着く。誰がこのビームを撃ったのか、何が目的なのかを。


浜風「レナート兄弟… まさか策も無しに撃ってくるとは」

メイジン「この距離からの正確な狙撃、やるわね…!」

セカンドG「だが愚策だ」

浜風「はい。何の作戦も無くスタンドプレーに走っている… 連携が主眼となる3on3と言う場では足並みを乱す愚策、これならまだ隣会場の学生トーナメントの方が上手い」


ラマーン「貴様、何をしている!?」

フリオ「敵を倒している! 連携なんて必要ねぇ! ここはスナイパーの距離だ!手も足も出す暇を与えず蜂の巣にしてやる!」

ルワン「あのバカ…! あっちにはヤツが居るんだぞ!?」


プロヴィデンスが形成するバリアフィールドを盾に3機は有効射程目がけて一直線に突っ込む。

高速で思考をフル回転させ、浜風は目指す『最良の勝利』への道標を描き出す。


浜風(バリアフィールドは残り6発程度なら耐えられる、それまでに有効射程には余裕で入れるけど… 問題はレナート兄弟、あの輸送船には今の『ゴーストジェガンF』以外にも『何か』隠している。

ジェガン1機隠しているだけなら単機出せば良い、なら去年と同じ様にMを確実に隠している。だけど完全に同じ手を使う愚策はしない筈… まだ2つくらい札があるかもしれない)

浜風「では作戦を伝えます。私は多数砲撃による面制圧とスナイパーへの囮を務めます。メイジンは前衛をしつつギリギリまで敵を引き付けてください。

マスクド・セカンドG、貴方は『猟犬』、スナイパーを食い殺す役目を。 ただし敵はあの機体以外に隠している機体がある筈なので警戒を厳に」

メイジン「了解したわ」

セカンドG「承知した。 では各々勝利の為に」

浜風「全機、ブレイク! オープンコンバット!」


浜風はバリアフィールドを解除すると同時に装備されたユーキディウム・ビームライフルをシュネー・ヴァイスへと数発ほど発砲する。

当然当てるつもりも無いため、避けられ反撃の如くシュネー・ヴァイスのビットキャリアから数機のビットが襲い掛かった。


ラマーン「その様な鈍重な機体で!」

浜風「私と、瑞鳳さんのニクスを舐めるな!」


襲い掛かるビットの攻撃を軽々と避け、浜風は全てのビットの未来位置を推測して機関砲やライフルを用いて撃ち落していく。

そして全身に装備されたドラグーンの内、先程使った6基以外を全て射出しビットキャリアを攻撃した。


ラマーン「狙いはビットキャリアか!」

浜風「手数など与えは… ッ!」


遠く離れた輸送機、それに搭載されたゴーストジェガンFからの狙撃をシールドで防ぐ。

必殺と思われた一撃が防がれたフリオは苛立ちを隠せない。


フリオ「戦術家気取りのクソガキッ…!テメェだけは、俺達の戦場を汚したテメェは絶対許さねぇ!」

浜風「戦争ごっこ遊びの大人が…! こちらとしても、前にバスターを壊された仇を取らせて貰います!」

朝雲「凄い戦い…」

萩風「ニクスが面制圧を行いつつ狙撃への囮を務めて、ヘビーガンダムが牽制役、あのAGE系の機体は…」

朝雲「多分、後ろの狙撃手を狩るタイミングを計ってるのよ。まだビットキャリアはいっぱい残ってる、そんな状態での突撃は自殺になるわ」

榛名「その通りです。さらにはニクスが戦線を押し上げているのも、あの機体『ゲイジングハウンド』を近づけ易くする為でしょう」

フェリーニ「だがルワン達のチームは連携がなって無い。浜風の動き、見てみろ」

朝雲「シュネー・ヴァイスとハンブラビに近過ぎる… あの機体、見るからに近接戦は苦手そうなのに…」

榛名「あれは恐らく友軍誤射の誘発を狙っているのでしょう。 フリオ・レナートは明らかに感情的に成り過ぎた、ただニクスを出鱈目に狙撃しているだけです」

フェリーニ「余程嫌ってんだろうな、浜風の事。 ポリシーである欺き・企て・嵌める、そのやり方を全部浜風は台無しに出来る。 自分は子供以下って思い知らされて、腹が立ってんだよ」

萩風「大人げ無いですね…」

榛名「感情的になるのは理解出来ます。しかし私情を挟み、恨みや個人の執着で足並みを乱した時点で勝敗は決しました。

戦場は常に推移するもの、そしてその推移に乗り切れ無い者には『敗北』の二文字しかありません」



ラマーン「ビットキャリアを、よくも!」

浜風(これで残りは2基のキャリア、戦力は大幅にダウンした…! ドラグーンは全機健在だけどエネルギー残量は30%弱、補充が要る。 そしてハンブラビは…)

ルワン「コマンダーを落とせばこちらに流れが…!」

浜風「やはり、こちらに来るか!」


狙撃の雨を掻い潜りながらハンブラビを攻撃するニクス。 ビームライフルによる射撃は回避され、近づいてきたハンブラビがサーベルを抜く。

そして高速で背後に回りこみ斬撃を加えようとした直後、『何者か』に放たれたビームよってバインダーを貫かれてしまう。


ルワン「なにっ…!?」

フリオ「しまっ…!!」

浜風「よしっ!」


不敵に笑う浜風、彼女は隙を見せた瞬間狙撃されると分かった上で背中をガラ空きにしていた。

さらに正面から火力の高いニクスに挑むのは難しいと踏んだハンブラビが背後に回るのは自明の理、そして結果として何が起きるかなど考えるまでも無い。


ルワン「やってくれたなレナート…! これ以上の高機動戦は無理だ! メイジンは任せた、ラマーン!」

ラマーン「了解した!」


2機はポジションを入れ替え、ターゲットの狙いを変える。 だがそこに起きる隙を浜風達は見逃さない。

ビットを落とし、お膳立てを整えていたマスクド・セカンドGの機体が加速し一直線に貨物船へと駆ける。


ラマーン「くっ…!あの男、大人しいと思えば最初から狙撃手狙いか!? だが…」

メイジン「易々とやらせないわよ!」


メガ・ガトリングガンとミサイル攻撃により残存するビットキャリアを破壊するヘビーガンダム。

迎撃網を掻い潜ったゲイジングハウンドが貨物船のゴーストジェガンFへと襲い掛かり、その左腕をシザーで奪い取り装着した。


セカンドG「ゲイジング…!」

フリオ「て、テメェッ!」


ゲイジングハウンドが奪い取った左腕に持っていたハンドガンを使って貨物船を攻撃し、そのまま爆散する貨物船。

ジェガンは間一髪で貨物船から逃走し、ゲイジングハウンドはその追撃を試みる。

セカンドG「スナイパーは姿を見せ標的を読まれた時点で8割は勝負がついている。戦術に長けたレナート兄弟ともあろうものが判断を誤ったな。敗因は、唯一人の子供への執着だ!」


そのままゴーストジェガンFへと距離を詰めるゲイジングハウンド、トドメを刺そうとするも既にゴーストジェガンFに動きは無い。

次の瞬間、船の残骸から姿を現し一直線にもう1機のゴーストジェガン、『ゴーストジェガンM』がゲイジングハウンドへと襲い掛かるが…


浜風「二度も同じ手が通じるか!」

フリオ「なにっ!?」


ニクスに装備された『レジェンディアストライカー』のドラグーンの内、2基の『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』がスパイクを形成しゴーストジェガンMの両肩を貫く。

浜風は以前、去年の対戦の際に同じ手をやられていた。そしてマスクド・セカンドGと共に一計を案じていたのだ。


セカンドG「やはりその手を使うか… だが浅はかだったな」

浜風「残骸の中に隠していた『GN-XⅣ』も『ストライカージンクス』も破壊しました。もう残る札はありません」

フリオ「な、何だと…!?」

浜風「大局を見失い、足並みを乱した時点で貴方の勝利は在り得ない」

フリオ「ふざけるな…!企て欺き嵌める、それが俺達の戦争だ!そうして俺達は勝利の頂を目指す筈だった!

テメェみてぇなクソガキ風情に台無しにされて!二代目のバトルを、俺達の戦争(ガンプラバトル)を!」


両肩を切り離し、ゲイジングハウンドへと特攻を仕掛けようとするゴーストジェガンM。

だがマスクド・セカンドGは動じることなくシザーを構える。


セカンドG「成る程… それがお前達のガンプラバトルか。素晴らしいな」

フリオ「!?」

セカンドG「だが大局を見失っていることに変わりは無い。 いくら個人が強くともこれはチーム戦、要を中心とする連携を徹底することこそが勝利への頂への道だった」



セカンドG「勝負、ありだ」

浜風「勝負、ありです」


そしてゲイジングハウンドは敵へとシザ-を突き立て、ゴーストジェガンMは静止する。

動かなくなったゴーストジェガンMに『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』がビームのシャワーを浴びせて爆散させた。


BATTLE ENDED


『ここでタイムアップ!手に汗握る第8試合、制したのはAチームだ!』


朝雲「これが、海風のお姉さんの…」

浜風「『クロイツ』を持つ人の戦い…」

榛名「…」

榛名(戦い方は似てた… 敵から装備を奪い取る戦い方は確かにやっていたけど… 何か違うような…?)



霞「勝っちゃったわよ、アンタの姉貴」※ちゃっかり観てた

海風「当然でしょう。あの状況で負けてたら、思いっきり顎にアッパーカット食らわせましたよ」※ちゃっかり観てた

シア「素直じゃ無いのね」※なんか居た

浜風「今戻りました」

夕雲「どうです、浜風さんの実力は?」

朝雲「何と言うか… 桁外れだなって…」

萩風「戦術看破と対応、ほぼ無損傷、加えて伏兵撃破に囮役… 普通、ここまでやれる人はほぼ居ないかと…」

浜風「この程度、私達『クロイツ』を持つファイターなら容易く出来ます。飛龍さんや蒼龍さんなら、全滅だって可能でしょう」

フェリーニ「あの二人はとびっきりの規格外だ。余程、例えば世界大会の選手全員が一斉に敵にでもならない限りは簡単にやられねぇよ」

時雨「でもこの二人も規格外だよ。世界的に見ても上に居る人間が両手で数えられるランクに位置するファイターなんだから」

夕雲「それは貴女もです、時雨さん。私達と互角に渡り合ってる人間でしょうに」

時雨「まぁね。 でも僕達を一方的に追い詰めたじゃないか」

浜風「そう言う風に戦略を組みましたし」

フェリーニ「コイツ等さらっと言ってるがな、夕雲以外はガンプラ歴5年以下だぞ」

萩風「片手の指より少ないとは…」

夕雲「実力など、経験を重ねれば自然と身に付きます」

朝雲「実戦経験の場が世界大会って…」

時雨「僕達にはそれしか選択肢が無かったからね。そのお陰でガンプラマフィアだの訳の分からない連中とまで戦わされたんだ…」

萩風「ガンプラマフィア、確かガンプラに関する汚れを一手に請け負う組織だとか」

フェリーニ「ああ。俺もストーク卿、時雨を鍛えた内の一人から話を聞かされていたがまさかそんな組織が居るとは思わなかったよ。

だがお前達の先生、瑞鳳相手にでしゃばって来たのが悪かったんだ… 文字通り、叩き潰されちまった」

時雨「ものの見事にね。 一族総出でカチコミ、しかも米軍とロシア軍のオマケ付き。恐怖以外の何者でもないよ」

浜風「しかし大本は日本から消えましたがまだ世界中には点在しているみたいで…」

浜風(そして今回の昏睡事件の発端になってる可能性もあるんですよね…)

朝雲「あれ… 榛名さんは?」

萩風「先程から姿がありませんが…」



セカンドG「…来たか」

榛名「…」

セカンドG「頃合だと思っていた」

榛名「…貴方、何者ですか」

セカンドG「今の私はマスクド・セカンドG、それ以上でもそれ以下でも非ず」

榛名「でしょうね。そう言う回答しか来ないと思ってましたよ。だけど貴方の正体に心当たりが一つ」

セカンドG「ほう…」

榛名「言葉で語る必要は無し。それは、自分の腕で見極めさせて貰います」カチャッ

セカンドG「『RX-0[F] フェンリル』、か。 当時とは見違えるが、『グシスナウタル』はどうした」

榛名「あんなもの、先代へのメタ装備でしかありません。『全てを避けられるのなら絶対に当たる装備を作れば良い』などと思い至った結果出来た代物…

妹に譲りましたよ。他の人に特殊装備を与えているのに、一人無しとはフェアではありませんから」

セカンドG「ではこちら相手に『グシスナウタル』無しで戦えるか?」

榛名「舐めるな。あれから、ずっとガンプラの腕も戦闘技術も磨いてきた。 今日こそ、越えて見せる…

あの日の壁を、あの日の絶望を… 己が目指す『願い』の為に…!」

《会場の外》


朝雲「流石、世界大会ってだけあったわね」

萩風「ええ。皆さんの実力も桁違いでした」

朝雲「結局榛名さんは見つからず仕舞いだけど…」

萩風「あの人の事ですから… 姉さんに聞いた、因縁のあるマスクド・セカンドGとか言う方に会っているかもしれません」

朝雲「浜風さんと組んでた人でしょ? あの不気味な」

萩風「先代メイジンらしい、と言っていましたがどこまで本当なのか… あ…」フラッ

朝雲「おっと… どうかした?」ガシッ

萩風「少し、眩暈が…」

朝雲(海風が前に言った事象改変の影響…? でも今までそんな兆候は一度も無かった筈よ)

海風「…何やってるんです?」

霞「外でイチャイチャするなんて堂々としてるわね」

朝雲「ゲッ… よりによってアンタ達…!」

萩風「違っ… これはちょっと、眩暈したから支えて貰っただけで…!」

「そう言うの、あからさまじゃないかしら?」

萩風「…!貴女は…」

朝雲「…誰?」

海風「ガンプラ学園のキジマさんの妹さん、『キジマ・シア』さんです」

シア「初めまして、キジマ・シアです」

萩風「何故二人と…」

霞「試合観終わって暇つぶししてたら偶然会って、気が合ったから一緒に居たのよ」

シア「そう言うこと。よろしくね、二人共」

萩風「えぇ…」

朝雲「アンタ達、交流広すぎ… あ、海風。これ浜風さんが鬼怒って人に渡しておけって」

海風「まだ立替してもらったの払ってなかったんですね… すみません、朝雲さん。 アレに人をパシリに使うなって言っておかないと…」

朝雲「まぁまぁ… 大会に出場して忙しいのよきっと。今日だって試合で戦ってたんだから」

海風「それはそれ、これはこれです。常識的にも無いでしょう」

シア「お姉さんと何かあったの?」

霞「個人的な問題よ。前はもっと酷かった。単語出しただけでマジギレするくらい」

シア「複雑なのね。あら、噂をすれば…」

鬼怒「おーい、海風!」

海風「あぁ、丁度良いところに。これこの前の代金、ウチのアレから。お釣りは多分返す必要無いかと」

鬼怒「はいはーい、毎度~。 ってどうしてこんな所に?」

海風「世界大会の会場の外でお祭みたいなのやってたので」

鬼怒「ああ、そっち行ってたんだ。鬼怒はね、皆で買い物に…」

江風「あンま走ンなって…!追いつくの大変なンだからな…!」

嵐「荷物全部押し付けて…! って萩…!」

鬼怒「あ、ごめんごめん」

萩風「…」

朝雲「…」

海風(あ、気まずい空気)

霞(何とかしなさいよ…! アンタ空気ブチ壊すの得意でしょ!)

海風(こう言うシーンの破壊は得意じゃないんですよ…!)

鬼怒「え、えと… 前に話してた幼馴染だっけ…?」

嵐「…!そ、そうだよ!コイツが萩で…」

朝雲「はいストップ!」

嵐「何だよ…!」

朝雲「昨日忠告した筈よ。この子の記憶を…」

江風「おい、そりゃ無いンじゃないのか? 部外者がせっかくの再会を邪魔すンなって」

朝雲「アンタこそ部外者じゃない。余計な口は出さないで」

江風「ンだとコラ! こっちはな…」

鬼怒「江風ストップ!ストップ!」

霞「朝雲も、あまり熱くなり過ぎ無い様に…」

江風「せっかく再会したンだからゆっくり話ぐらいさせてやれよ!」

朝雲「事情も何も分からない癖に、要らぬお世話よ…!」

嵐「…本当に分からないのか、俺が? 嵐だぞ、隣に住んでた…!」

萩風「…ごめん、さない。私は… うっ…!」ドサッ

朝雲「萩風!」

嵐「お、おい萩!」

霞「ちょ、大丈夫!? …って、何これ…」ピキィイン

シア「どうかしたの?」

霞「意識が、二つある…? どうなって…」

海風「シア、朝雲さん。萩風さんを運んでください」

朝雲「分かった。ちょっと手伝って…!」

シア「え、ええ。分かったわ」

霞「私も…!」

海風「いえ、霞はこちらに。さて、と… 覚悟、出来てます?」ゴゴゴ

江風「ひっ…!?」

鬼怒(ま、前とは違ってオーラが迸ってる…!?)

嵐「な、なんだよ…!」

海風「…霞、今からちょっとばかり三人に『お説教』をするので、ヤバくなったら止めて下さい」

霞「…止めないわ。思いっきりやっちゃいなさい。加勢するわよ」

海風「その言葉を待ってました。今からキッチリ、『お話』しましょうか」

《神通・萩風の部屋》


神通「そうですか… すみません、朝雲さん」

朝雲「いえ… でもどうしていきなり倒れて…」

神通「キジマさんもありがとうございます。妹をここまで運んできて貰って」

シア「…妹? でも登録されてる名前は…」

神通「…その辺は複雑な家庭環境でして」

シア「そう? じゃあ私は戻りますから、二人によろしく伝えてください」

神通「分かりました。本当にありがとうございます」

ガチャッ

神通「…しかし、どうしていきなり倒れたと言うのが腑に落ちません。この子こそ一番『健康』に執着してるのに」

朝雲「そう言えば霞が意味深な事を… 意識が二つ、とかって…」

神通「意識が二つ…? まさか、三日月さんのように…」

朝雲「多分そう言うんじゃ無いと思います。 あの嵐ってのに話しかけられた後に気を失ったから、多分『この時代の本来の萩風』が関係してるんじゃないかなって。

ここからは私の推測と、荒唐無稽な話になるんですけど良いですか?」

神通「もとより私達の存在が荒唐無稽ですから大丈夫ですよ」

朝雲「分かりました。 今ここに居る先輩達と『この時代の本来の先輩達』は同じ魂、ですが肉体は違う筈です。

多分なんですけど、先輩達が成り代わった時『この時代の本来の肉体』は作りかえられたんです」

神通「作りかえられた?」

朝雲「先輩達は瑞鳳さんの遺伝子を継いでいる、でも『この時代の本来の二人』は先輩達とは遺伝子が違う筈… 多分同じ遺伝子ならそもそも事故で死にようがありませんし」

神通「まぁ、そうですよね… 鍛えてなくともきっと事故では死なないと思います」

朝雲「でも作りかえられたとしても元の肉体は同じ、残留思念のようなものが残っていても不思議じゃ無いし『同一の魂』である以上そう言うものに反応し易いのかもしれない…

多分意識が二つ、って霞が言ったのは何かが切欠で『この時代の萩風』の意識か残留思念が目覚めたんじゃないかなって。だから萩風はその意識が混濁して倒れたんじゃないかと」

神通「分かるような、分からないような…? 要するに、『この時代の本来の萩風』の残留思念か意識が原因だと」

朝雲「ほぼ私の妄想レベルの話ですけど。詳しくは当人に聞くしか」

神通「成る程… …朝雲さん、萩風の事をお願いしても? 少しお母様を呼んでくるので」

朝雲「良いんですか、私で?」

神通「この子は貴女に一番懐いている、この子の精神安定剤には私より朝雲さんの方が良いと思います」

朝雲「そう言うことなら… 分かりました」

神通「あと、あの二人もそろそろ止めないと… 多分話を聞かされてるその三人、心がへし折られそうなので…」

朝雲「海風の連射してくるガトリング罵倒と霞の一撃が重いバズーカ罵倒のコンボ喰らってる筈ですからね…」

《数十分後》


瑞鳳「事情は把握したけど、今は対処のしようが無いね」

神通「対処出来ないって…」

瑞鳳「まず二人は存在がイレギュラー過ぎるし状況自体もイレギュラー、イレギュラー要素が多すぎて何も出来ないんだよ。

医療では対処出来ないし、かと言ってオカルトが通じるとも限らない。実際対処出来ないよ、この状況じゃ」

朝雲「そんな…」

瑞鳳「…ただ出来ない事はないかも。リスクが大きいし、何より出来るとも限らないし」

神通「その方法は…!」

瑞鳳「萩風ちゃんと感応して深層意識の中に潜りこんで、『もう一人の人格』を切り離すか完全に消す。

ただそれには『サイコフレーム』と『感応波を使える萩風ちゃんが完全に心を許した人間』が要る。それに深層意識に潜れても自我が崩壊の危険性もあるし、『もう一人の人格』を消すって事は…」

朝雲「…もう一人を、もう一度殺すのと同義語ってことね」

瑞鳳「そう言うことだよ。 切り離すのだって、肉体から脳を引っこ抜いて別人の脳を植えつけるようなもんだしこれも殺人とほぼ同義語になる」

神通「では目覚めるのを待つしか無いと、このまま目覚めるか分からないまま放置しろと…!」

瑞鳳「じゃあ私の言う策を実行するその役を担うのは誰になると思う? 現時点で能力的に出来るのは霞ちゃんだけなんだよ?

ニュータイプとして覚醒しつつある人間は今霞ちゃん一人だけ、全部霞ちゃんに押し付けるつもり?」

神通「それは…」

瑞鳳「それに霞ちゃんと萩風ちゃんは、互いに完全に心を許しきれて無い。その状況でやれば確実に霞ちゃんに害が出る。

リスクが大きすぎるのに私が許容してゴーサインを出すと思う?」

神通「…」

瑞鳳「大体、霞ちゃんのサイコフレームは1個しかこの場に無いのにどうやって感応する気なの?

その問題がまず拭えないのに…」

朝雲「感応する手段なら『アリスタ』を使えば…」

瑞鳳「だとしても、『アリスタ』を持ってるのは海風ちゃんと神通ちゃんだけで… ん…?」

神通「この子も未来から来た、なら過去に転移するために…」

瑞鳳「アリスタを持ってても不思議じゃ無い…?」



瑞鳳「あったね、チョカー。アリスタ付きの」

神通「じゃあこれで感応は出来ると…」

瑞鳳「だけど問題は誰がやるか、だよ。 サイコフレームじゃなくてアリスタを介せば出来るようになって感応波は不要になったけど」

朝雲「…私に、私にやらせて貰えませんか?」

神通「朝雲さん…?」

朝雲「萩風には色々と助けられて陰から支えて貰った恩もあるし、何より友達として今の状態を放っておけ無い。だから、私がやります」

瑞鳳「リスクもデメリットも大きすぎる。私が言ったのはあくまでも机上の空論、出来るかどうかなんてわからない。

それに自分でも言ったでしょ。『もう一人の萩風ちゃんをもう一度殺すことになる』のと同じ意味だって」

朝雲「何とかしてみせます」

神通「そんな無茶な…!」

朝雲「無茶でも何でもやり通す、私はもうとっくに『覚悟』してるんです」

瑞鳳「…自分が壊れる覚悟も、罪を背負う覚悟も… 命を奪う覚悟もある?」




神通「良いんですかお母様…!」

瑞鳳「良くは無いと思ってる。でもあれが最善策だし、当人の希望でもあるんだよ」

神通「なら私が…!」

瑞鳳「神通ちゃんは駄目。姉妹だけど、あの子は神通ちゃんに対して翳りがあるし、神通ちゃんも流派・東方不敗の一件での負い目がある。

互いに少しでも負を抱えてる状態で意識共有したら、それこそ互いの精神や人格が崩壊しかねない」

神通「それは… なら、お母様は…!」

瑞鳳「…私も、ちょっとだけ貴女達に負い目があるから」

神通「え…?」

瑞鳳「貴女達を生み出したのは私が昏睡事件を止められなかったから、自分の心に出来た隙間を埋められなかった『弱さ』が原因なの。

私のエゴで命を作って、色々と勝手に押し付けて勝手に死んで… 私があの事件を止められれていれば、こうやって貴女達を…」

神通「違います!お母様は必死に戦って、犠牲者を1億に押し留めたんです! それにその後の深海棲艦の侵攻だって一人で止めて…!」

瑞鳳「だとしても… 未来の私は多くの人を死なせて貴女達の命を弄んだ、その結果に変わりは無い」

神通「…」

瑞鳳「…朝雲ちゃんに覚悟云々って聞いたけど、私自身が覚悟出来てなかった。私なんかよりずっと貴女達の方が覚悟できてる。

ごめん… こんな話、するべきじゃなかったね」

神通「いえ… ですがお母様、私の知る『お母様』は数多の人を助けてきました。誰かの力になろうとして、誰かを護る為に立ち上がって。 

人の明日を、未来を、希望を… 創り続けるために駆け抜けて。私達をまだ生んでなくとも、今まで貴女はそう戦ってきた筈です。昏睡事件だけではなく、今まであった様々な事件を戦ってきたのでしょう」

瑞鳳「そう、だね… 誰かが傷付くのを見過ごせ無くて、誰かが泣いてるのが嫌で、今まで戦ってきた…

私が何の為に戦うか、ちょっとは理解できてきた気がする。ありがとう、神通ちゃん」

神通「いえ。 ですが萩風は…」

瑞鳳「あの子には私なんかよりもっと相応しい、覚悟が出来たヒーローが居る。だからきっと、朝雲ちゃんなら大丈夫だよ」

朝雲「…さて、と。これからどうすれば良いの?」

朝雲(先輩からアリスタは借りたけど… これで意識共有領域を作れば良いのよね?)

萩風「…」

朝雲「失敗なんて考え無い… やれる事をやる、それだけよ…!」

朝雲(Are you ready? なんてね。 覚悟は出来てる、ならここから突っ走るだけよ…!)コォォォォ

朝雲「え、嘘!?本当に光が広がって…!」



《深層意識内部》


朝雲「これが、深層意識なの…?」

朝雲(それっぽいけど… 一面百合の花畑かと思ったら一箇所だけ茨っぽいところがある。あそこで何かがせめぎあってる…?)

朝雲「行ってみるしか無いか…!」


「――今更、何を!」

『だから――』

朝雲「萩風!」

「あさ、ぐも、さん…?」

『え…?』

朝雲「ってアレ、どっちが私の知る方…?」

萩風「こっちです!」

朝雲「あ、そりゃそうか。この花畑の花は萩風の『ヒメサユリ』だし」

『どうしてここに、他の人が…!』

朝雲「ちょっとした裏技で意識共有してんのよ」

萩風「まさか、アリスタを…?」

朝雲「そう言うこと。そんなに長くは保て無いけどね。 で、アンタは… 『本来の萩風』、オリジンとか真とかって呼べば良いのかしら?」

萩風(オリジン)『好きなほうでどうぞ…!いい加減、私の体を返してください!』

萩風「今更出てきて勝手を言わないで下さい!第一貴女は既に―――」

朝雲「はいストップ! 意見の押し付け合いじゃどうにもならないでしょ。まずお互いの言い分を聞かせなさいな」

朝雲「まずは現在の主人格、私の知る方からよ」

萩風「私にはやらなきゃいけない事があります。それに『私』が目覚めとき『本来の人格』は存在していなかった。

それを今更出てきて返せとか出て行けとか言われる筋合いはありません」

朝雲「まぁ、こっちの人格に関しちゃ言わずもかなだけど… じゃあオリジン、アンタは?」

萩風(オリジン)『眠っていたら外から声が、懐かしい声が聞こえて… でも体が自由に動かせ無くて…

それで気が付いたら体が乗っ取られたことに気付いて、返して欲しいと…』

朝雲「…ちょっと質問良いかしら? 貴女は最後、どこで意識が途絶えたの?」

萩風(オリジン)『えっと… 確か、大阪から帰る途中の高速道路だったかしら…? 確か静岡の辺りから何も思い出せなくて…』

萩風「…間違い無い。あの『事故』の…」

朝雲「…事故、ってまさか…!?」

萩風(オリジン)『事故? 何ですか?』

朝雲(間違い無い… 今の話、前に萩風から聞かされた『事故』と一致する…!『この時代の萩風』が本来死ぬ筈だった事故、『本来の萩風』以外は即死して『本来の萩風』も意識不明の植物人間になった後生涯を終えた筈の…

この子の時間は、事故の瞬間か事故の直前で止まってる。 眠ったまま消えるだけの意識があの嵐ってやつのせいで目覚めたのね…)

朝雲「外の記憶は? 意識なくしたあと、こっちの萩風になったあとの記憶」

萩風(オリジン)『ない、ですね…』

萩風「…最悪です」

朝雲「ええ。思った以上に最悪の事態になってる」

萩風(オリジン)『え…?』

朝雲(そう、何も知らないのよ… 外に関する全てを…! 昏睡事件どころか、それ以前の記憶すらも…

両親が既に居ないことも、自分が死んでたことも…!)

朝雲「…」

朝雲(考えるのよ、朝雲… 私はバカだけど、悪知恵だけはある筈よ…!)



かけるべき言葉 ↓3まで
1.『事情は分かった。でもこっちにも事情があるの』
2.『…貴女に真実を教えてあげる。貴女に起きた全ての』

朝雲「事情は分かった。でもこっちにも事情があるの」

萩風(オリジン)『事情なんて…!』

朝雲「今、外の世界で大きなテロが起きようとしてるのよ。この子はそれを止める為に未来から来た。

未来から、母親を助けたい一心で…」

萩風『母親…?』

朝雲「この子のお母さんはテロで全部を失って、後の時代でこの子を遺して戦争の果てに亡くなった。

そのテロが引き金で起きた戦争、世界が滅びかけるような大きな戦争がこのままじゃ起きるの」

萩風(大体流れは間違ってないけど深海棲艦の現出の原因はEXAMじゃないんですが…

可能性としては無くは無いですけど。 一度に億単位で死んで、負念が一気に膨張したからそれが引き金になったって学説ありましたし)

萩風(オリジン)『それと私に何が関係するんですか!』

朝雲「分からないの? この子は… 貴女の生まれ変わりなのよ」

萩風(オリジン)『え…?』

朝雲「人はいつか死ぬ。それは貴女も私も例外じゃない。だけどその魂は、輪廻転生を繰り返す…

その輪廻転生を果たしたのはこの子、今貴女の身体、『存在』を借りている萩風なの」

萩風(オリジン)『どうして私が…』

萩風「…必要だったんです、この世界に留まるのに。 未来から身体は持ってこれ無い、だからこの時代の『私』の助力が必要だったんです。

1億の人間が死んで、もっと多くの人が死ぬ未来を防ぐために… 何より、お母様を助けたいから」

朝雲「そして多分、このテロを阻止できゃなきゃ私達に未来は無くなる。だからこそこの子への協力を私は選んだ。

お願い、テロ事件が終わるまでで良い… それまで、あと1ヵ月くらい私達に力を貸して…!」

萩風(オリジン)『ふざけないで… そんなの、貴女達の勝手過ぎるでしょう!』

朝雲「勝手なのは分かってる! だけど貴女の大事な人達だって事件に巻き込まれるかもしれないのよ!

それにこの子が身体を失えば間違いなくこの子は消える! そうなったら貴女にテロを止められるの!?」

萩風(オリジン)『それは…』

朝雲「私達が勝手なのは承知の上、危険なのも覚悟の上… それでも必死にテロを阻止しようと足掻いている人も居る、だからほんの少しで良いの!

私達に時間、テロを止めるための時間を頂戴…!」

萩風(オリジン)『…じゃあせめて、私の身体が本当に無事かどうか確かめさせてください』

朝雲・萩風「…!」

朝雲(ヤバイ… 身体はもう、この子が知ってる身体じゃなくなってる。それに時間経過が外の情報で分かったら…

置かれてる状況に混乱するどころか、自分が死んだことも知っちゃうんじゃ…)

萩風(ある意味最悪の札を出してきました… 私と同じ魂ならやりかねないと思ったけど…)


選択 直下
1.一時的に返却する
2.それは出来ない

萩風「…それは出来ません」

萩風(オリジン)『やっぱり…!』

萩風「私は、本来この時代の存在ではありません。肉体だって仮初の借り物、なのに表層から意識が消えたら…

テロ事件を阻止する前に消えてしまう可能性があるんです。貴女は意識を残留できてるけど、私がそうとは限らないんです」

朝雲「それに… 今目を醒ましたらきっと貴女は混乱する。そんな状況に今なってるの。

私と貴女は知り合いじゃない、そうでしょ? 貴女の知らない人に今囲まれて、平静を保つ自信がある?」

萩風(オリジン)『それは… でも声が、私を呼ぶ声が聞こえて…』

萩風「『貴女』の知り合いに偶然会ってしまったから、です。彼女は『私』を『貴女』と認識していたから…」

萩風(オリジン)『知り合い…?』

朝雲「嵐、とか言う俺女よ。一応、元気だったわ。多分今頃、私の仲間がちょっと説教で心へし折ってるところだけど」



海風「だから何故無関係なのに余計な首を突っ込み、挙句…」

鬼怒「うぅ…もう勘弁して…」正座

江風「アスファルトが、熱い…」正座

嵐「何で俺まで…」正座

霞「元はと言えば原因はアンタよ。散々朝雲にやめろ、って言われたのを無視した」

天津風「…えっと、先輩。これ止められますか?」

神通「海風さん、そろそろ…」

海風「止めないで下さい。多分ここでお灸を据えないと、3歩歩いてまた忘れるのが鬼怒さんです」

鬼怒「扱い酷っ!? と言うか私直接関係ないよね!?」

海風「二人を御せ無い監督責任」

鬼怒「うぐっ…!」



萩風(オリジン)『嵐…!? どうして…』

朝雲「幼馴染、なんでしょ。 聞いたわよ」

萩風(オリジン)『お願い、彼女に会わせて…!』

萩風「それは…」

萩風(オリジン)『昔からの幼馴染で、私の大切な… だから、会いたいんです…!』

朝雲「今は無理、ね。だけどきっと、終わらせるから。テロも何もかも… だからその時まで待って。

私が、私達がきっと… 全部終わらせて、身体を返すから」

《現実世界》


萩風「あ…」

朝雲「ん… あ、戻った。萩風、大丈夫?」

萩風「ええ。もう一人の人格は眠ったようです」

朝雲「納得はしたのね。だからリンクが切れて現実世界に引き戻されたって訳か」

萩風「全く、なんて無茶を…! 他人の深層意識に潜るなんて自殺行為です!」

朝雲「だけどこうでもしなきゃ目覚めなかったでしょ」

萩風「アレはただの残留思念、もう少し粘れば消滅させられてたのに…!」

朝雲「でも、それが正しい手段なの?」

萩風「正しいとは言えません。だけど、最善手です。

…正直、見てられません。可哀想過ぎるんです、『彼女』」

朝雲「そうね… 両親が死んでることも自分も死んでたことも知らないなんて、残酷にも程があるかも…

でも強引な手段は良く無いと思う。納得して、成仏して貰うのが一番良いんだけど…」

萩風「その手段が無いから頭を抱えているのに…」

朝雲「…明日、私達はアイツ等と対戦することになる。編成には私と萩風が組み込まれてたけど…

海風に言って編成を変えてもらう? このままじゃ萩風の中のもう一人が何時目覚めるのか分からないし」

萩風「…いえ。明日の戦い、私も出ます」

朝雲「だけど…」

萩風「私に、考えがあります。朝雲さん、いざと言う時はフォローを」

朝雲「分かった。そこまで言うなら私が『シームルグ』でフォローする」

萩風「温存しないんですか?」

朝雲「しないし、する理由も無いわよ。 それに一度は使っとかないと準決勝と決勝への牽制にならないから」

萩風「ところで、ここは私の部屋のようですけど… 姉さんは?」

朝雲「えっと…」


海風「(ピー)が(ピー)で、貴女たちの頭は(ピー)以下だと…」

神通「そろそろ本当にストップしてください!」

天津風「そうよ!言葉が汚くなりすぎて聞くに堪えないから!」

嵐「畜生… なんでこんな目に…(半泣き)」

江風「悪かったから…!もう止めてくれ…!(半泣き)」

鬼怒「土下座でもなんでもするから…!(半泣き)」

霞「アンタ達の土下座にどんな価値があると思ってるの?」(ニッコリ

天津風「こっちもこっちで容赦無いわね!?」

神通「二人共、本気でストップ!」

《その夜 神通・萩風の部屋》


天津風「じゃあ今は眠ってるだけ、ってことね」

朝雲「ええ。納得の上でね」

萩風「しかしいつ外的要因によって目覚めるか分からないんです」

霞「なら尚更明日の試合に出せないじゃない」

海風「はい。戦闘中に今日みたいな事が起これば…」

萩風「それならそれで、何とか出来る秘策があります。そして私には彼女達、特に嵐と言う人へのアドバンテージがあります」

愛宕「アドバンテージ?」

海風「確かに心理的なアドバンテージ、彼女が萩風さんを狙うのに多少の躊躇、もしくは全く攻撃できなくなる可能性もありますが…

あまり良い手とは言えません。理に適ってはいますが個人的には嫌悪を抱きたいくらいには」

萩風「分かっています。あまりフェアではありませんし、私でも気が引けますよ。

私が彼女に持つアドバンテージは… 『もう一人の記憶』なんです」

神通「もう一人の記憶?」

萩風「私の中の『もう一人の私』、その記憶が先程多少こちら側に流入してきて… その中には彼女との戦闘経験の記憶がありました。

一度や二度だけでなく、数十回近くのバトル経験が『前の萩風』と彼女の間にはあったようです」

天津風「じゃあ今のアンタはアイツを知り尽くしてる、ってこと?」

萩風「ええ。さらに言えば『以前の萩風』と今の私では戦闘スタイルが全く異なります」

霞「じゃあ一方的に相手を知り尽くした状態、ってことになる…」

瑞鳳「しかも相手は過去に引き摺られて、今の戦い方に対応出来ない。確かに萩風ちゃんはあの子にアドバンテージがある」

神通「少し卑怯な気もしなくはありませんが…」

愛宕「さっきの心理作戦よりは遥かにマシね。 それに萩風ちゃんの実力は相当よ。アドバンテージがなくてもあの三人に引けは取らない」

海風「では最終確認を。 編成は…」


ファイター選択
・朝雲:『シームルグ』
・萩風:『ガンダムエクシアルベルム』
・三人目 直下

選択可能ファイター
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・霞:ブラストアクロスZZ
・天津風:ガンダムハルートボーライド or シューティングスターガンダム(改)

条件:とくになし。『天津風』を選択の場合機体を明記すること(シューティングスターを選択の場合、強化改修有り)。

海風「戦闘指揮は海風、そして残りは朝雲さんと萩風さんとなります」

霞「…その編成、大丈夫なの?」

天津風「ウチのアレな部分を凝縮して煮込んだような編成じゃない…」

神通「頭が少々痛くなってきました…」

海風「失敬な」

瑞鳳「確かに一番クセが大きい編成ね。だけど機体はウチのツートップが揃ってる」

愛宕「アズライトバーストの圧倒的な爆発力を持つ『ウイングガンダム・アズライト』と同じくNT-Dと『コード・ブレイヴ』で機体ブーストを掛けられる『シームルグ』…

ジャスティスとZZもかなり高い性能だけど、この2機は出自が出自なだけに他と一線を画してるわね」

瑞鳳「そしてエクシアも追随出来るだけの性能は持ってる。流石、私の愛娘なだけあるよ」

萩風「お母様…」

天津風「それって私のハルートの性能が評価されてないような…」

瑞鳳「そう言う意味じゃないよ。ハルートは素の状態なら一番速い、それに運動性もかなり高いし。

逆に言えばこのイカれた機体が勢ぞろいしたチームで引けを取って無い時点で凄いと思う。ウイングとシームルグがイカれてるだけ」

霞「じゃあこの編成は『そこまでやらないと倒せない敵』用ってこと?」

海風「はい。 戦闘分析によれば3人は… 正直、おバカです」

一同「…」

海風「だけどそれは『余計な思考』を持ち合わせないという意味、守りを気にせず攻めてくるタイプだと思います。

それに余計な事を考えないからその分迷いが無い、単純な戦闘能力はかなり高いかと」

神通「ですがこれはチーム戦… 単純な、単機に頼った戦い方では勝てません」

海風「それを此処まで貫いてきた時点で相当、だと考えられますが… だけど、それもここで終わらせてしまいましょう。

我々は『戦術』を以って彼女達を打ち倒します。瑞鳳さん、例のブツを」

瑞鳳「あいよ」ドサッ

朝雲「何これ、ジュラルミンケース?」

萩風「これは?」

瑞鳳「ウイング、シームルグ、エクシア用の強化パーツだよ。 先行して3機分だけ完成させてきたのよ。

ZZ、ジャスティス、ハルート、ストライクの分は追って完成させるから、先に出来たブツの確認よろしく」


機体強化装備
・ウイングガンダム・アズライト 直下
・シームルグ 下3
・ガンダムエクシアルベルム 下5

※あまり無茶苦茶、また現在の機体から変化が大きくなるようなものは却下させて頂きます

瑞鳳「まずウイング用のはこれ。メッサーツバーグの強化型武装『メッサーツバーグラズールスタイン』」

海風「名前長くないですか?」

霞「『ラズールスタイン』はドイツ語で『青い石』、つまり『アズライト』も含んでる。ドイツ語で揃えるならこうなっちゃうのよ」

天津風「どうしてそんな事知ってるのよ」

霞「私これでもドイツ系のクォーターよ。言ってなかった?」

朝雲「聞いて無い」

神通「ですが前にドイツ語でチーム名考えたり、ニーチェの原文をそのままドイツ語で読んだりしていました」

霞「ま、単語と日常会話ぐらいしか分からないからほぼ役に立たないけど。続けてください、瑞鳳さん」

瑞鳳「ウイングは射撃武装が少なかったからね。それを補うための武器がこれ。 改良点は軽量化による取り回しの改善。代わりに威力は落ちたけど連射が利くようになってる。

あと近接戦に持ち込まれても良いようにビームサーベル発振機能とツインバスターライフルとの連結時に砲撃以外に巨大サーベルを形成できるって能力も追加した」

萩風「ですがこれ、アズライトの特性に反しているのでは? 『アズライトバースト』が完全な性能を発揮するには粒子を溜め込む必要が…」

瑞鳳「だからメッサーツバーグ自体に粒子タンクを埋め込んでる。つまり本体からのエネルギー供給無しで使えるのよ。

で、それを合計6丁。ドライツバーグ二つ分用意しておいた」

海風「ではこのシールドは?」

瑞鳳「『ウイングアズライトシールド』。見た目は変化無いけど蒼龍さんのDXのシールドと同じ『アブソーブシステム』を新しく内蔵しといた。これで敵のビームはほぼ効かない。

ただそのせいで実弾に弱くなっちゃったんだよね」

神通「本末転倒では?」

瑞鳳「だからもう一つの機能として対・実弾用粒子フィールド形成機能を追加した。 これでビーム・実弾への対策は完璧よ」

霞「徹底的ね…」

瑞鳳「次に『シームルグ』用のはこの『アームドアーマーAW(アークウイング)』。今までのV字ウイングをちょっと大型化したの。

推力比は20%増し、大きく機動性が上がってる」

朝雲「この装甲… もしかしてNT-Dに連動しているんですか?」

瑞鳳「うん。サイコフレームを作りこんで、本体がNT-Dを発動するとこっちも変形して装甲がスライドするの。

でもコレの真価は『コード・ブレイヴ』の『発動後』に発揮する」

萩風「発動後、とは?」

瑞鳳「シームルグには欠点があって、『コード・ブレイヴ』発動時の大出力砲撃、『プラフスキー・ステラ・ストレイターレット』を放つと本体の粒子が尽きるまで放射が止まらないのよ。

強制的に粒子をカットする機能を付けたけどほぼ焼け石に水でその後も極端に性能が低下しちゃって… だからこのアークウイングにジェネレーターを付けた。本体の粒子が尽きたら、こっちから粒子を供給して継戦できるようにね」

天津風「確かにそれなら全力を発揮できる… 良い装備ね」

瑞鳳「そしてエクシアのは『GNHW/R』、エクシアのバックパックに追加機能を施した装備だよ」

萩風「これは、ランチャーですか?」

瑞鳳「このGNランチャーは貫通力と射程に特化して、しかもビームが細い上に弾速も速い。見切るには相当の視力が要る。

その分狙撃技能もそれなりに要するけど…」

萩風「私なら問題ありません。狙撃の訓練は受けています」

瑞鳳「そしてもう一つ、オートでの自律戦闘機能。バックパックを切り離すと支援機として扱うことが出来るってこと。

本体が格闘を挑んでる間にコソコソ隠れながら狙撃支援、なんてこともやれるよ」

萩風「私向け、と言う訳ですね」

瑞鳳「まず第一陣はこんな感じ。第二陣はもう少し待っててね」

愛宕「ここまでの装備だと、後がちょっと怖いわね…」

《選手宿舎屋上》


朝雲「…何よ、急に呼び出して」

嵐「その… すまなかった。萩の事、何も考えて無くて… 自分の事ばっか考えて、萩を傷つけちまった」

朝雲「謝るべき相手は私じゃ無い。ま、人の制止を無視したのには怒ってるけど… 二度としないなら良いわよ。

それより、『前の萩風』について教えて貰え無い? 私は『今の萩風』しか知らない、だから友達として前のあの子についても知っておきたいの」

嵐「…アイツは世話焼きな癖に、妙に怖がりでいっつも俺の後ろに居たんだ。

野菜が大好きで甘いもんが苦手で… でも明るくていつも居て楽しかった。だけど俺が中学に入るのと同時に居なくなった… 初めは連絡が取れてたんだ。でも急に連絡が途絶えて…」

朝雲「事故にあって、再会した時には今まで知ってる萩風は居なくなったって訳か… まあ、アンタが困惑する気持ちも多少は分かるわ」

嵐「ああ… なぁ、アイツは本当に萩なのか…? 俺には何か、違うような… 他人になったような気がするんだ」

朝雲「そうね… 私には答えられない質問よ。だけど一つ言えるとすれば… あの子の心は、魂は本物よ。例え記憶が無くても、以前とは違っていたとしても…

あの子が『萩風』である限り、偽物も本物も無い。 私はそう思ってるし、あの子を信じてるから」

嵐「そうか… 良い友達を見つけたんだな、アイツも…」



朝雲「立ち聞き、良くないわよ」

萩風「気配は完全に消していたのですが…」

朝雲「ええ、気配はね。 私と萩風、さっきのリンクがまだ完全に切れてないみたいなのよ」

萩風「道理で、私もここが分かった訳ですか」

朝雲「…さっき記憶が流れ込んだって言ったわね。 多分もう一人にも同じ現象が起きてる筈よ」

萩風「はい… 私の記憶を垣間見て、どうやら真相に辿り着いてしまったようで…」

朝雲「そう…」

萩風「今ギリギリ形を保っていますが、次に覚醒すれば確実に…」

朝雲「消える、のね。 ねぇ、意識を一時的に覚醒を遅らせることって出来る?」

萩風「彼女の人格が弱ってる今なら出来ますが…」

朝雲「…」

萩風「…私と、同じこと考えてますね」

朝雲「そうみたい」

萩風「一つ、聞かせてください」

朝雲「何よ」

萩風「彼女、嵐さんに言った言葉… 偽りはありませんか?」

朝雲「無いわ。 私は信じてる、萩風を。一人の友として、チームメイトとして… ううん、それ以上の存在として」

萩風「例え私が昏睡病のキャリアーを葬ってきた、血塗られた人間だとしても?」

朝雲「勿論。 贖罪が要るなら、私も付き合ってあげる。 罪も重責も一緒に背負って分かち合う、萩風を信じるって決めた時そう決めたから」

萩風「そうですか… その答えが聞けただけで、満足です。 私が貴女を守り抜く、そう誓いましたが…

改めて言わせてください。 私と共に、未来を壊すために戦ってくれませんか?」

朝雲「良いわよ。 全部ぶち壊してやるから。 アンタと一緒に、ね」

《翌日 大会アリーナ》

『これより東京代表『フリューゲル・ヴェント』対栃木代表『トリオ・ザ・レッド』の試合を開始します』


海風「二人共、準備は?」

朝雲「OKよ。いつでもやれる」

萩風「こちらも、問題なく」


鬼怒「よしっ…!やるよ!」

江風「昨日の借り、返させてもらうぜ…!」

嵐「萩… 例えお前だとしても…!」


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "SKY"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


朝雲「朝雲! RX-0[Sm]シームルグ!」

萩風「ガンダムエクシアルベルム、萩風!」

海風「ウイングガンダム・アズライト、海風! チーム・フリューゲル・ヴェント!」

朝雲「出るわよ!」

萩風「行きます!」

海風「出撃します!」


天城「あれは… 『シームルグ』、ですが…」

榛名「バックパック、換装されてますね。天城、念のためデータを取ってください」

陽炎「それだけじゃない。全員新装備持ってる」

長波「追加武装の類だけど… 使いこなせるのか?」

阿武隈「多分出来る筈だよ。あのチームのメンバーならね」


能代「なっ…!? 改RX-0!?」

アドウ「おいおいおいおい… 何がどうなってやがる」

シア「あの機体、間違いなく宮城の…」

ウィルフリッド「コピー機か? いや、だがあの『真紅の戦乙女』が…」

能代「あれは間違いなくオリジナルよ…! 私の知らないタイプだし多少調整は受けてるみたいだけど、あの機体の作り込みや癖は間違いなく…」

能代(どうして…? 確かあの子の機体はストライクで… まさか、前に使ってたガン=カタはまさか先輩の…!?)


朝雲「敵、見えてきたわよ」

海風「そのようです。 各機へ、今回のステージは洋上の空です。遮蔽物などはなく、重力下なので充分注意を」

萩風「ステルスはあまり役に立ちそうにないわね… 敵機識別開始します」


敵編成(機体名・改造内容も併記)
・鬼怒機 直下
・嵐機 下3
・江風機 下5

ベース機条件:機体が元々『赤いMS』であること
改造条件:塗装は赤系統限定

萩風「敵機は擬似太陽炉搭載型1、通常型2と断定。目視による機種判別、『アヘッド・サキガケ』『レコードブレイカー』『リグ・コンティオ』と推測」

朝雲「飛べないヤツでも来てくれれば良かったのに…」

海風「しかしチーム名の通り全機赤とは… 機体データ共有開始。各機、事前の打ち合わせ通りに」


敵部隊捕捉

レイジングアヘッド(鬼怒機)
武装
・GNバルカンx2
・GNサブマシンガン
・GNメイスx2
・GNショートキャノンx2
・GNシールド
・GNショートビームサーベル

概要
アヘッド近接格闘型『サキガケ』を近接機として別の方向性から改装した機体。
原型機と比べ機動性は少し低下しているが、その分装甲は分厚くなっている。
主武装は鉄血オプションセット08の変形メイスを改造したGNメイス。 変形時にはビーム刃を展開することができる。
隠し玉としてトランザムも使えるが、1分しか使えない。
本人の趣味として、所々鬼の意匠が施されている。塗装は原型機と同じ。


レコードブレイカー・フルウエポン(嵐機)
武装
・ムラマサブラスター
・ピーコックスマッシャー
・ヴェスバー×2
・ビームシールド(ブラインド・マーカー)×2
・ヒートダガー×2
・スクリュー・ウェッブ
・ビームサーベル×2

概要
F99レコードブレイカーにF90系統の機体の武装を取り付けた機体。主にF97(クロスボーン)のものが多い。
右腕にムラマサブラスター、左腕にピーコック・スマッシャーを保持。
Gキャノン方式で両肩にヴェスバー、右腰にスクリュー・ウェッブ、左腰にサーベル2本を装備。さらに両脚裏にヒートダガー、両腕にブラインド・マーカーが追加されている。
また機体に放熱機構を搭載したことでM.E.P.Eが可能となっている。
しかし武装が多くなっていることでエネルギー消費増加の点や質量増加による運動性の低下は免れられない…


ハウンド・コンティオ(江風機)
武装
・ヴァリアブル・ビーム・ランチャー改×1
・胸部ビーム砲×3
・ビーム内蔵式ショット・クロー
・ビーム・サーベル×2
・ビーム・ライフル×1
・ビーム・シールド×2
・ビーム・トンファー×2
・マルチプル・ビーム・ランチャー×5(バック・エンジン・ユニット)

概要
リグ・コンティオの改修機。他の2機と比較すると改修点は多くない。
原型からの変更点はヴァリアブル・ビーム・ランチャーは原型よりバレルが長くなっており射程が増していること。
またゴドラタンのビーム・トンファーを両腕に、ゲンガオゾのバック・エンジン・ユニットをバックパックに追加装備している。
余談だがコンティオを逆さに読んではいけない。そして決して女性が言って良い言葉では無い(戒め)。



鬼怒「あれ、あの青い機体新型…?」

嵐「エクシアは萩、ウイングは鬼怒の従姉妹だから… アイツか…!」

江風「おいおい… あれ、もしかして宮城のヤツか?」


朝雲「もうすぐ戦闘域よ、良いわね!」

萩風「はい。 追加武装も良好、やれます!」

海風「では今回は天津風さん監修、空中戦術と参りましょう! 全機ブレイク!」

天津風「何で空のステージで私じゃないのよ…!」

霞「仕方無いじゃない。ステージは全部ランダムなんだから」

神通「お母様、愛宕先生。この試合どう見ますか?」

愛宕「大気圏内の高高度戦闘は始めての実戦だから… どれだけその点を活かせるか、ね」

瑞鳳「勝利の鍵は朝雲ちゃんと海風ちゃんが機動力を活かして上手く萩風ちゃんから目を逸らせるか、かな。

二人がステージの雲海や太陽を利用して敵を翻弄、そこからエクシアが奇襲をかけるのが最善策ってところでしょ」


天城「さらに言えば今回のステージ、どれだけ空戦技能を持っているかと言う点が勝敗を分かちますね」

榛名「空中戦は重力がある分宇宙戦とは違いその点を考慮して戦闘をしなければなりません。また空中を『飛ぶ』必要がある為持久戦はエネルギー消費の点を考えても得策ではありませんから…

いかに短時間で敵を殲滅できるか、そして消費を抑えた戦いが出来るかに懸かっています」


鬼怒「敵が2機、突っ込んでくるよ!」

江風「あのウイング…!絶対落としてやる!」

嵐「突っ込んでくるなら、迎撃だ!」


真っ直ぐ敵陣に突っ込むウイングとシームルグ、そして鬼怒達3機は編隊を組んでのビーム砲撃で迎撃を行う。

そしてシームルグがウイングを盾にするように後方に就く。


朝雲「海風、防御任せた!」

海風「了解! アブソーブシステム、展開!」


海風がシールドを前面に翳すと装甲がスライドし内部機構が露にり、殺到するビーム攻撃を『ウイングアズライトシールド』が防ぎ、吸収した。


鬼怒「嘘!?効いて無い!?」

嵐「ビームが、消えた!?」

江風「どンな手品してやがンだ!?」


海風「粒子吸収機構、これなら…! 朝雲さん、やります!」

朝雲「オッケー!まずは牽制、海風!」

海風「ツイン・バスター・ライフル、メッサーツバーグ6基連結完了! これでも受けなさい!」


ツイン・バスター・ライフルに新造武器である『メッサーツバーグ』を全て連結し放つ海風。

吸収した粒子を攻撃に転換した極大のビームは鬼怒達3機目がけて一直線に駆けていく。だが鬼怒達は咄嗟に散開することで攻撃を回避した。


鬼怒「うわぁっ!? ちょ、なんて威力なの!」

嵐「掠ってもヤられるぞ、あの出力…!」

江風「おい、余所見を…」

鬼怒「っ…!」


朝雲「こっちが、本命よ!」


シームルグの持つ『シェーバティール』から放たれるライフリングされた実体弾がアヘッドへと放たれる。

直撃コースの攻撃を辛うじてシールドで防ぐがシールドは一撃で砕け、アヘッドは吹き飛ばされてしまう。


鬼怒「シールドが無かったらヤられてたよ…!」


海風「流石に一撃じゃ倒しきれない…! 朝雲さん、近接戦闘に移行します!」

海風「では作戦通り、朝雲さんはレコードブレイカーを引き離してください!残りはこちらで引き受けます!」

朝雲「ごめん、助かる! こっちが終わるまで墜ちないでよ!」

海風「勿論です! 寧ろそちらも気を付けてください!」


シームルグがレコードブレイカー目がけて加速し、海風は残存する2機へと向かう。

そして朝雲と嵐による1対1、海風と鬼怒・江風による1対2のドッグファイトが始まった。


天津風「…一体、何やってるの?」

愛宕「セオリーを無視して、どうする気なの…?」

瑞鳳「きっと、個人の感情を優先させたんだね」

霞「嵐ってヤツと朝雲、そして萩風の私闘にケリを着けさせようとしてんのよ」

神通「『前の自分』と『今の自分』の決別、きっと萩風が望んだのでしょう」



朝雲と嵐、両者の譲れないものの為に二人は激突する。たった一人『萩風』と言う少女を巡って。

ピーコックスマッシャーから放たれるビームを回避し機体を上昇させる朝雲、太陽を背に急降下を行いながらシェーバティールで実弾を放つ。


嵐「っ…! 嫌な手使いやがって!」

朝雲「避けられた…! 流石に速いわね!」


咄嗟に攻撃を避ける嵐のレコードブレイカー、だがシームルグは追撃を止めない。

シェーバティールから粒子結晶の刀身を形成して切りかかるが嵐はムラマサブラスターで斬撃を防ぐ。


嵐「パワーが、違う…!」

朝雲「このまま押し切る!」

嵐「なら…! コイツを使うしか…!」


機体を後退させる嵐、背部のミノフスキー・ドライブユニットから光の翼が形成されると同時に機体が放熱を始める。

レコードブレイカーの機体が光を帯び、直感的に危機感を覚えた朝雲がシェーバティールの刃を射出したが…


朝雲「分身…!? M.E.P.E!」

嵐「まさか、コイツを使わされるとはな…!」


放たれた刃が切り裂いたのは分身、そしてレコードブレイカーは一瞬で機体を上昇させて回避していた。

だから朝雲も新たな手を打つ。 機体装甲がスライドし、内部のフレームが露出して黄緑の光があふれ出す。


嵐「NT-Dか!やっぱり宮城の…」

朝雲「高速戦闘はこっちも得意なのよ!シームルグの全力、見せてあげる!」



行動安価 直下

シェーバティールによる攻撃を間一髪のところで避けるレコードブレイカー。

朝雲の駆るシームルグは分身に惑わされず的確に本体を狙い攻撃を仕掛けていく。


朝雲(やっぱり実弾じゃちょっと遅い…!これがビームなら…!)

嵐「コイツ、なんでこっちの本体が分かるんだ…! M.E.P.Eでセンサーがイカれてる筈だろ!?」

朝雲「なら、センサーに頼らず『目』で見て撃てば良いだけなのよ!」

嵐「この状況で正気かよ!?」


嵐にとっては耳を疑う発言だった。目の前の敵は照準にセンサーを使わず自分の目と腕だけで先程から直撃弾スレスレの弾を放っていたと言う事実。

機動格闘戦においてそれは至難の技であり少なくとも嵐自身は出来ないと思っている。しかし敵対する朝雲はそれを平気でやってのけているのだ。


朝雲(だけど小さい上にすばしっこいわね… これじゃ致命傷は難しいかも)


致命傷を与えるには機動力を封じる必要がある、朝雲は考えた結果『背部のミノフスキー・ドライブ・ユニットの破壊』を考えた。

だがそれはレコードブレイカーを封じるための最良手段でありながら最難関の手段でもある。


朝雲「大丈夫よ… だって私には『見ていてくれる人』が居るんだから!」

嵐「来るか!」


シェーバティールから数発の弾丸がタイミングをズラして放たれる。 レコードブレイカーはその弾を掻い潜ろうと弾丸の隙間を掻い潜り、シームルグとの距離を詰め間合いに入る。

加速性の高いレコードブレイカーだからこそ出来る芸当、そしてシームルグのシェーバティールは取り回しが悪く近接格闘の応戦には不向きであると踏んだ嵐が一気に勝負に出たのだ。


嵐「貰ったぁぁぁぁぁぁっ!」

朝雲「今よっ!」


ムラマサブラスターによる斬撃が振り下ろされようとしたその刹那、2条のビームがレコードブレイカーの翼を貫く。

翼を折られた敵機が失速するのを朝雲は見逃さない。シェーバティールを打撃武装のように振るいレコードブレイカーを殴り飛ばした。


嵐「ッ!? な、何だよ!」

萩風「見ていましたよ、朝雲さん。一時も目を逸らさずに」


レコードブレイカーが姿勢制御を行い体勢を立て直した瞬間、雲間からステルスモードを解除したエクシアが現れレコードブレイカーへと肉薄し右腕のクナイを振り下ろす。

そしてその斬撃はピーコックスマッシャーを切り裂き爆散させた。ピーコックスマッシャーを囮に斬撃を間一髪で逃れた嵐、そして状況がようやく理解するに到る。


嵐「お前がやったのか、萩!」

萩風「貴女はすぐ背中が疎かになる…!前や上だけ見ているから!」

嵐「なっ…!? 萩、お前…」


『前世の自分』の記憶を垣間見た萩風は彼女の癖を知り尽くしている。だから朝雲が最高のタイミング、確実に直撃を与えられる絶好の位置にレコードブレイカーを誘導する瞬間を狙っていたのだ。

朝雲の一挙一動に注目して、通信で言葉を交わさずともその意図を理解して、朝雲がきっとチャンスを作ってくれると信じて。


朝雲「前や上を見るのは結構! でもね、大事な人はすぐ後ろや隣に居てくれるかもしれないのよ!」

嵐「ふざ、けんなぁぁぁぁぁぁっ!」


シェーバティールの銃口に粒子が結晶化し、刀身を形成したシームルグが目にも止まらぬスピードでレコードブレイカーへと迫る。

嵐はその攻撃を切り払おうとムラマサブラスターを構えるがエクシアが『マガノイクタチ』を射出しその両肩を貫き破壊した。


萩風「やって!朝雲さん!」

朝雲「これで、決めるわ!」


撃墜判定(15以上で撃墜) 直下

次の瞬間、粒子の結晶で形成された刃がレコードブレイカーを貫いた。

だがレコードブレイカーはまだ生きており、残るヴェスバーの銃口をシームルグに向ける。


嵐「これで、お前も…!」

萩風「終わるのは、貴女だけよ」


背中からエクシアの左腕に装備されたGNクナイが振り落ろされ機体を両断され、貫いていた粒子結晶が砕けてレコードブレイカーは空から落ちていく。

『自分は前しか見ていない』、前から萩風に告げられていた筈なのに気がつけなかったのだ。だがいつも背中を守ってくれる人が居た筈だったのにもう居ないことに気付いてしまった。


嵐(だからか… もう俺は、一人なんだな)


あの頃の、自分の背中に居てくれた『萩風』は居ない。今目の前に相対する『萩風』はもうあの頃の彼女では無かった。

強くなったと言うべきか、変わってしまったと言うべきかは分からない。だが一抹の寂しさを感じながら、嵐は操縦桿から手を放す。そして次の瞬間、レコードブレイカーの機体は爆散する。


萩風「…」

朝雲「…このバトルを終わらせたら、ちゃんとやらないとね」

萩風「追い討ち、になりませんか?」

朝雲「大丈夫よ、きっと…」


NT-Dを解除したシームルグと一緒に佇むエクシア。青と紫の機体が互いの両隣に立ち、顔を見合わせる。

第一の目的は達したがまだ戦闘が終わった訳ではなく感傷に浸る余裕は無い。まだ海風が2機相手に奮戦している、その援護に向かわなくてはならないのだ。


朝雲「行くわよ!さっさと残りも片付ける!」

萩風「了解! 戦闘を継続します!」





バック・エンジン・ユニットに向けツインバスターライフルを放ち撃ち落とす海風。そして背後から襲い掛かるアヘッドのメイスによる攻撃を連結した『アズライトウイングブレイド』で防ぐ。

チーム内で最高性能を誇る『ウイングガンダム・アズライト』と海風の能力を組み合わせれば全国級の2機すら手玉に取れていた。


江風「なンで墜ちないンだよコイツっ!」

鬼怒「まるでこっちの動きを全部見透かされてるみたい…!」

鬼怒(機動や連携だけじゃない、動作一つ一つも読まれて先手を打たれる… どうなってるの…!?)

海風「保ち堪えれば良いかと思いましたが… 本気でかからないとこちらも少し危うい…!」


このまま防戦を続けて疲弊するのはあまり良くないと考えた海風は動き出す。

機体出力差を活かしてアヘッドを弾き飛ばしコンティオへと肉薄する。当然迎撃しようと胸部のビーム砲を放つコンティオ、それを海風は難なく回避し距離を詰めた。


江風「しまっ…!?」

海風「まず1機!」


メッサーツバーグ6基と連結したツイン・バスター・ライフルから機体の3倍はあろう長さの巨大サーベルが展開され、海風はコンティオへとその刃を振るう。

トンファーを展開してサーベルを受け流そうとするがあまりにも出力に差があり過ぎて防ぎきれず、コンティオはそのままビームの刃で真っ二つにされた。


江風「こンな…!嘘だろ…」

海風「残り1機… 覚悟してください」

鬼怒「こっちだって、負けられないんだから…!行くよ、海風!」


行動安価 直下

アヘッドのメイスによる打撃をブレイドで防ぎ切り結ぶウイング。パワーはウイングが上回っており徐々にアヘッドを押していく。

このままでは負ける、そう考え最後の切り札を鬼怒は解き放った。


鬼怒「トランザム!」

海風「っ…!擬似太陽炉の機体なのに…!」

鬼怒「『アレ』を使われる前にカタをつけるよ!」


より赤色化したアヘッドが逆にウイングを押し返す。 だがこの優勢は長くは保たないだろう。

自身の技術力で製作した機体でトランザムを行使できるのは1分が限界、その制限時間内にウイングの『アズライトバースト』を発動される前に海風を倒さないといけないのだ。


鬼怒「このまま、押し切って…!」

朝雲「これでも、喰らえ!」


警報音に気付くが既に遅い。左肩のスラスターにシームルグの放った弾丸が直撃し吹き飛ばされる。

警戒はしていた筈なのにシームルグの存在に気付けなかった、その理由に鬼怒はようやく気付く。


鬼怒「エクシア…!ステルスを使って!」

萩風「流石にシームルグの熱反応は隠せませんでしたが… 赤外線センサーを使わなければ探知は出来ないでしょう!」


シームルグに抱きつく形でエクシアがステルス能力を行使していたのだ。シームルグの並外れた推力ならMS1機抱えたところで大したデッドウェイトにはならない。

だからこそエクシアがステルスに余剰な出力を割けるようにシームルグに掴まり、なおかつシームルグを隠匿すると言う連携が出来た。


海風「二人共、決めます!」

萩風「はい!」

朝雲「わかったわ!」


エクシアがシームルグから離れ、ダガーを投擲するがアヘッドはダガーを打ち払い、そこで生じた隙を逃さずシームルグが腕部を狙撃し両手を吹き飛ばす。

近接の手段を喪失した鬼怒、だがまだビームキャノンは残っておりシームルグへとその銃口を向けた。しかしエクシアがGNピストルⅡを抜き、連射してもう片方のスラスターを撃ち抜く。


鬼怒「あ…!」

海風「これで…!決めます!」


ウイングが左腕に装備している連結した『ウイングアズライトブレイド』。その一閃がアヘッドの頭部から叩き付けられ、アヘッドは真っ二つに裂ける。

自分より年下でガンプラ経験なんて無い筈なのに。そんな妹分相手に手玉に取られて負ける、少し悔しい思いの鬼怒だった。


鬼怒(成長したね…)

海風「敵機殲滅を確認。戦闘終了です」


BATTLE ENDED

Winner"Flügel Vento"


『Aブロック2回戦、第三試合。勝者、東京代表・『フリューゲル・ヴェント』!』

ワァァァァァァァァァ

天津風「これで、次は決勝トーナメント…!」

神通「…しかし、これで良かったのでしょうか」

愛宕「萩風ちゃんの事?」

神通「はい。わざわざ彼女と戦うなんて…」

霞「きっと何かしらの考えがあるんだと思いますよ」

瑞鳳「朝雲ちゃんも居るし、きっと大丈夫だよ」

神通「あの二人だからこそ余計心配なんです…!」キリキリ

瑞鳳「ああ、うん… 問題児ではあるけどね。だけど朝雲ちゃん、意外とチーム内じゃ真っ当な考え方の持ち主だから大丈夫じゃない?

何かやらかしたら私が〆るから」



《その後 選手宿舎 屋上》


嵐「…なんだよ、話って」

朝雲「これじゃ昨日のパターンと真逆ね… ま、ここしか話せる場所が無いんだけど」

嵐「用件があるなら早くしてくれ。俺だって帰る準備で忙しいんだよ」

朝雲「用があるのは私じゃ無いわ。この子よ」

萩風「…」

嵐「萩… お前、どこから現れた?」

萩風「気配を消すの得意なんです。そう十年近く鍛えてきましたから」

嵐「え、十年…? どう言う事だよ、お前記憶が…!」

萩風「実は私、『萩風』であって貴女の知る『萩風』ではありません」

嵐「どう言う事だよ… こんなふざけた冗談はやめろよ…!」

朝雲「…この子は今からちょっと後、15年未来からやってきた存在なの。貴女の知る『萩風』が輪廻転生を迎えた、それがこの子よ」

嵐「輪廻、転生…?」

萩風「本来のこの時代の『私』は… 両親と一緒に事故に遭って、植物状態のまま死を迎えて『私』に転生する筈でした。

そこに『私』、『転生した萩風』が存在を成り変わる形で今の時代に来たんです」

嵐「じゃあ何だよ、俺の知ってる萩風はもう…」

朝雲「…」

嵐「…ふざけんなよ。ふざけんな! 返せよ… 萩を返してくれよ!」

朝雲「…それは、私達には出来ない事よ。もう事故の時点でアンタの知る萩風は…」

萩風「だけど、たった一つ奇跡が起きました。貴女が呼びかけたから、私の中に『前の私』の残滓が目覚めて…

先程、貴女の動きを読めたのはその影響… 彼女の記憶を共有しているからなんです」

朝雲「それだけじゃない。まだ『彼女』の残滓は消えて無い」

嵐「消えて無い…?」

萩風「最早風前の灯ですが… まだ彼女の人格は残っています。だけどこの機会を逃せば、二度とチャンスはありません」

朝雲「話したいことがあるなら… 最後に話すことがあるなら、この石を握りなさい」

《深層意識》


嵐「何だよ、これ」

萩風「私の心の中、と言えば良いでしょうか。表層に彼女の意識を出すことは難しいので」

朝雲「私達はここで待ってる。あっち、微妙に花畑が途切れてるところに彼女が居るわ」

嵐「分かった…!」


朝雲「…萩風はこれで良かったの?」

萩風「ええ。一番大事な人を失くしてしまう痛みは知っていますから」

朝雲「そうね… 瑞鳳さんが死んで、神通先輩は行方不明になって…」

萩風「何も告げずに居なくなられるのは辛いから、本当に… だからこれが私に出来る精一杯、してあげられる最善です」

朝雲「そっか… でもこれが本人にとっては吉なのか、凶なのか…」

萩風「最後に言葉を交わせる、と言う点では吉です。凶の中の吉、でしかありませんが…

だけど、この時代の『本来の私』にとっては最後の救いになると思います」



嵐「萩!」

萩風(オリジン)『え…? あら、し…?』

嵐「ああ…!やっと、やっと会えたな…!」

萩風(オリジン)『嵐っ…!』



朝雲「ここから先は、私達が立ち入るべきじゃないわ。あの二人きりにしましょ」

萩風「…そうですね。私の共有してる記憶も、封印しておくことにします」

朝雲「でもお別れ、か… 人はいつか遅かれ早かれ終わりが来る。大事な人との別れは、相当辛いわよね…」

萩風「…朝雲さんは、耐えられますか?」

朝雲「無理。私これでも寂しがり屋だから」

萩風「そうですか」

朝雲「でも私もアンタといつか別れる日が来る、のよね… 未来を変えたら、どうなるか分かったもんじゃないし」

萩風「その時は… 私の事は忘れてください」

朝雲「嫌よ。忘れる訳ないじゃない。 例え記憶を失くしても絶対に憶えててやる」

萩風「朝雲さん…」

朝雲「言葉に出来なくなっても、記憶が消えていても、多分この手がアンタを憶えてるから。

だから私は絶対にアンタを忘れない。忘れてなんかやるもんか」

《現実世界》


朝雲「…リンク、切れたみたいね」

萩風「はい… 私も、もう何も感じません」

嵐「…」

朝雲「その… 大丈夫?」

嵐「んな訳、あるかよ…!」

朝雲「そう、よね…」

嵐「だけど… ありがとう、な。アイツと最後に話す機会をくれて」

萩風「いえ… 私は、彼女への『最善』をやったまでです」

嵐「いや、アイツは最後笑ってくれた。 それだけで充分だよ」

朝雲「だってさ」

嵐「それと、アイツから話は聞いた。お前、未来の自分の母親を助けに来たんだろ?」

萩風「はい。その為に、私はこの時代に来ました」

嵐「アイツからの伝言だ。 『絶対に願いを叶えて』って」

萩風「無論、そのつもりです。未来を変える、そしてお母様が死ぬ原因を覆してみせます」

嵐「あとお前、朝雲って言ったな」

朝雲「何よ」

嵐「萩の事、頼んだぞ」

朝雲「分かってるわよ。私の大事なパートナーなんだから」




瑞鳳「で、何か言い訳は?」

朝雲・萩風「ございません…」※正座

瑞鳳「全く、何やってるのよ…!」

神通「散々意識共有の危険性は説明したのに、あまつさえ他の人を巻き込むなんて…!」

瑞鳳「確かにそうしたくなる気持ちは分かる。でも無謀過ぎるのよ。自我が崩壊したらどうする気だったの…!」

天津風「…どうする?助け舟出す?」

海風「いつもの事なので放置しましょう」

霞「ええ。行動事態は理解できなく無いけども、流石に危険に巻き込んだのは擁護できないし」

海風「それに他の人には秘密のことをポロポロ喋っちゃってますからね」


神通(その後、二人はお母様にこってり絞られました。 まあ、萩風が『彼女』の願いを叶えたい気持ちは理解できなくはありませんが…)


第15話『言葉よりも記憶よりも』 終

次話選択、といきたいところですが…


ここで『ルート分岐』が発生します。16話以降の選択により未来が変動、大筋に変化はありませんが終盤の状況と結末が変化(結構大きい)いたします。

そして第16話において選択した話が、その基点となっており誰の話を選んだかによってルートが変わります。また『あるキャラクターの話』にのみ『2つの分岐』が存在しており、その分岐によって『最高の未来』か『最悪の未来』かに変わってしまうのでご注意を(他のキャラは一本道のみ)


また『最高の未来』へと行く道は…

・『そのキャラクターが主役の話』を選択する
・海風・霞・神通の3人が阿武隈・陽炎・長波と『決勝戦』で戦う
・海風が『ある出来事を乗り越え』、自らの能力の本質に気付く
・霞が覚醒を果たし『ある人物』と感応を行う
・神通が『母親を越える』こと
・全日本選手権が終わるまでに海風が3度目の『浜風との共闘』を行う
・9月1日を迎えるまでに『EXAMに関する全ての出来事』を終わらせる


となります。また『三番目』と『六番目』の出来事は『16話』でしか発生しません。予めご注意を。


では次話選択 ↓多数決で4先取

1.海風編(ルート『Azurite Creator』)『Belive Myself』…海風の前に再度現れるスドウ・シュンスケ。嫌々ながら浜風と再度の共闘をするがその中で自ら
の能力が暴走してしまう…

2.霞編(ルート『Across Fate』)『因縁の終わり』…選手権大会準決勝、戦う相手は一度ずつの敵対・共闘をした『ホワイトクリーン』だった。互いに以前より成長し、その全力を以って6人が激突する…

3.神通編(ルート『Another Heaven』)『変わる未来と』…選手権大会準決勝、その戦いの直前ニムバス率いる一味が襲撃をかけてくる。本来起きなかった出来事、徐々に変動していく未来が神通を蝕む…

海風ルート『Azurite Creator』

第16話『Belive Myself』


《世界選手権用選手宿舎・トレーニングルーム》


海風(射線予測開始、接近に最適な軌道を算出… 見えた!)


ドラグーンの射線を予測し最小限の動作でビームを掻い潜りながらウイングはプロヴィデンスとの距離を詰める。

そしてプロヴィデンスに迫り、翼から『ウイングアズライトブレイド』を抜き放ちプロヴィデンスへと迫っていく。


海風「貰っ… いや、誘い込まれた!」

浜風「見抜かれた…!だけど!」

海風「一々嫌な手を使う…!」

浜風「それは海風もです!」


背後から、デブリの陰に隠れていたドラグーンのビーム砲が放たれたのを察知して回避機動を行い射線から逃がれた。

浜風を相手に、3年の経験差を海風が覆すのは容易ではない。だが彼女は芽生えた『未来予測演算』の力を以って必死に喰らいついている。


浜風「…ふぅ。夕雲、バトルシステムを終了してください。テストはこれで終了です」

夕雲「分かりました。バトルシステム、終了します」


BATTLE ENDED


浜風「海風、ありがとう。これで有意義なデータを取れました」

海風「何で海風が…」

浜風「ニクスの代わりの機体を製作するためのデータ取り、そして同時に『ウイングガンダム・アズライト』のデータ取りも兼ねています」

海風「今更取りますか、普通」

夕雲「どうにも瑞鳳さん曰く『アズライトのデータも欲しい』、とのことで」

海風「ハァ… 瑞鳳さんに整備して貰ってるので仕方ありませんけど… 約束、忘れないでくださいよ」

浜風「分かってます。 昼食に連れて行けばよいのでしょう」

海風(絶対高いの選んでやる…)

浜風(バビロニア学園の戦い以来、ある程度海風とは話すことが出来るようになってきた。

未だに多少棘はあるが態度は柔らかくなってきている。だが懸念事項はそれではない)


浜風「海風、頭の調子に問題は? 頭痛とか、眩暈とか」

海風「貴女に心配される程ヤワではありません。慣らしました」

浜風「そ、そう…? 今の、多分全力行使をしていたと思って…」

海風「先程のは限定予測です。全力なんて10秒も使えませんよ」

夕雲「神通さんに聞いた所、全力時の情報量は読み取った超能力者の脳を一瞬で破壊する情報量だったとか…」

浜風「ELS並…」

海風「人を変異性金属体扱いしないでください」


浜風(未来予測演算、それが海風の能力。 脳の『その時使用していない部分』を全て使って数多の未来を想像する力…

『ゼロシステム』が頭にあるようなものだと瑞鳳さんは言っていた。そしてその能力を全力で行使する事は海風の脳にも多大な影響を与えて…)


海風(確かに今は能力をセーブして使っているから行使出来ているようなものだ。そもそもこの能力は本来ただの『妄想』でしかない。

妄想を、脳に膨大な負荷を与える形でしているだけなのだから能力と言って良いのかすら危ういが。だけど… 最近は制御が少し追いつけていない。鬼怒さんと戦った時も…)


夕雲「では夕雲は瑞鳳さんの所にデータを持って行きます。後は二人でごゆっくり」パタン

浜風「…」

海風「…」

浜風(い、いきなり気まずい… やっぱり二人きりは…)

海風「…何でそんなに狼狽えてるんですか」

浜風「別に狼狽えてなんか… それより、食事に行きましょう。何でもご馳走…」

海風「うなぎ」

浜風「え」

海風「静岡と言えばうなぎでしょう」

浜風「さ、流石にそれは…」

海風「何でも、と言いましたよね」

浜風「それはそうだけど、流石に子供だけでうなぎは…」

海風「冗談です。確か少し街中に行ったところに噂に聞いた静岡限定の美味しいハンバーグのお店があったかと」

浜風「まあ、それなら…」ホッ


イベント 直下

《街中》

浜風「海風、チーム戦はどう?」

海風「どうしてそんな事を」

浜風「私はチーム戦を出来ません。 私や春雨は本来の大会規定では世界選手権に出場出来ない。

だけど第7回までの実績があるから『特例』として認められているだけです」

海風「貴女がベスト4、そして春雨さん達が優勝をした大会ですか」

浜風「そう。あの選手権以降ルールが細分化されて3on3のU-19の国内大会、そしてそれ以外のオープントーナメント式の世界選手権に分かれた。

だけど私達は国内大会で戦うには『強すぎ』ました。世界大会すら上位に登りつめてしまった私達が学生を相手にうるのはフェアじゃない。見た事のある貴女なら分かる筈」

海風「確かに、バビロニア学園の一件の際に春雨さん達の戦いを見ていましたが… 少なくとも私達では張り合うのは難しいかと」

浜風「だから運営は特例を設けるしかなかった。そして参加レギュレーションに『年齢制限を満たしておらずとも過去の選手権で上位の成績を残したファイターは世界選手権への参加を認める』と言う1文が追加されました。

だけどそれは逆に『私達はU-19の試合に出場出来ない』と言うのと同義語、つまり私達は世界大会の場でしか戦う事が許されません。だからコンビ戦はあってもチーム戦、チームメイトとの3on3は未経験なんです」

海風「…連携で動けるようになるまでは苦労しましたが、慣れてみればとても楽しいです。

多分一人ではガンプラバトルを続けてはいなかったでしょう。 未だに苦労することはありますが、とても楽しいと思います」

浜風「そう… なら良かったです。春雨と一緒に『フレスヴェルグ』を作った甲斐がありました」

海風「装甲の半分くらいしか作って無いと聞きましたが? フレームとクリアパーツの外装、武器は全部春雨さんが製作したとか」

浜風「作業スピードの差があるんですよ… 私がガンプラの素組にHGで2時間なのに春雨はMGで1時間に満たない時間で私より上手くできるし…」

海風「まぁその師匠がPGを1時間で組み上げる猛者ですからね…」

浜風「人外は伝染するって初めて思い知らされました…」


「おいおい… マジかよ。不仲って聞いてたんだがな…」

「アドウさん、女心は複雑なのよ」

「こんな所で巡り合うとは…」


海風「シア、それにキジマさん。あと…」

アドウ「アドウ・サガだ。アイツから聞いてないのか?」

海風「聞いてますよ」

浜風「この三人、確かガンプラ学園の…」

ウィルフリッド「初めまして。キジマ・ウィルフリッドと言います」

シア「同じく、妹のシアです」

浜風「私の方は… まぁ言わなくても分かるでしょう」

ウィルフリッド「ええ。前年度世界チャンプの一角、『最強の戦術家』の名前を持つ日本代表ファイター・浜風。

ガンプラを学ぶ者に貴女を知らない者は居ないでしょう。いずれ貴女とも対戦したいものです」

海風「確かガンプラ学園は午後からの試合の筈ですが…」

シア「そうよ。だから学園で練習してたのよ」

浜風「確かガンプラ学園は静岡市内にありますから練習にはうってつけですね。宿舎のバトルルームは誰に見られるかわかりませんし」

ウィルフリッド「『フリューゲル・ヴェント』が既にベスト4入りを決めている今、我々も負けていられないからな」

アドウ「あの女… 確か神通つったな。伝えておけ、お前は俺が倒してやる、ってな」

海風「あ、はい」

シア「じゃあね、海風。霞によろしく伝えておいて」

海風「…まさかガンプラ学園と鉢合わせとは」

浜風「偶然もあるものですね。えと、確かこっちにお店… …海風、そこの建物の陰に」

海風「え…?」

浜風「早く…!気付かれる前に…!」


海風「一体なんですか…!」

浜風「アレを見てください」

海風「ッ…!?」


スドウ「クククッ… やってやるよ…!」


海風「スドウ・シュンスケ…!どうして静岡に…!」

浜風「分かりません。ですが彼はEXAMキャリアー、被害が出るかもしれません。

海風、瑞鳳さんに連絡を。大きな被害が出る前に彼を止めないと。私は彼を追います」

海風「いえ、海風も追います」

浜風「何を… 貴女をこれ以上危険に巻き込む訳には…!」

海風「もうとっくに危険に巻き込まれています。それに『死の因果』の可能性が残ってる人間を一人で行かせられるとでも?」

浜風「それは…」

海風「それに被害を出したく無いのは海風も同じです。しかも海風が彼を追い込んでしまった責任の一端があります。

自分のケリは自分で着けます。もうこれ以上、誰も何も傷つけさせたくはありません」

浜風「海風… 分かりました。ですが決して無理はしないでください。 それと瑞鳳さんと榛名さんへの増援要請も行っておいてください」



海風「ここは… バー…?」

浜風「確かここはガンプラファンが多く集うガンプラバーです。私も一度、飛龍さん達に付き合わされてここに来ました。

そして記憶が正しければ… バトルシステムがあったと思います」

海風「と言う事は… バビロニア学園の時と同じことを起こすつもりですか…!」

浜風「…海風、増援を待ってる猶予はありません。彼を止めます」

海風「言われるまでもありません…!」

《ガンプラバー》


スドウ「クク… これでシステムは…!」

浜風「残念ですがそこまです」

スドウ「何っ!?」

海風「脱獄犯が白昼堂々とお散歩とは暢気なものですね。それともテロでも起こすつもりですか?」

スドウ「お前か…! お前だけは殺してやらないと気が済まないな… 俺をこんな風にした、お前を!」

海風「逆恨みとは甚だしい… 海風が多少なりとも原因を作ったのは認めますが、それ以外は貴方が招いた結末でしょう。

薬など使わなければ良かった、心の弱さを認めていれば良かった、仲間を手にかけなければ多少なりとも今よりはマシになっていた、でもそうしなかったのは全部自分の責任です」

スドウ「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッ! 俺は、お前のせいでこうなっちまったんだよ!」

浜風「煽らないで、海風。 スドウ・シュンスケ、大人しく降伏しろ。 今ならまだ警察行きで済ませる。

少なくとも流派・東方不敗の拳を浴びずに、痛い目に合わずに済むうちに降伏するのが身の為だ」

スドウ「ふざけるな!俺は化け物共を殺し尽くすまで止まる気はないんだよ!」ダッ

海風「来る…!」

浜風「海風、後ろに! ナノマテリアル、コントロールスタート!」


ブォン ガキィン!


スドウ「ッ…! 何だ、今のは!? 弾かれて…」

浜風「『クラインフィールド』。 小さなポーチ分のナノマテリアルしかありませんが、対人ならばこれで充分です」

海風「ナノマテリアル…?」

浜風「詳しくはまた後で。 私達にはご覧の通り物理攻撃は通用しません。 貴方に打つ手は無い」

スドウ「チィッ…! なら…!」


Beginning plavsky particle dispersal


パァァァァァァ


浜風「バトルシステムが!?」

海風「ここは市街地の中心部、このまま暴走すれば大きな被害が…!」

スドウ「死にたくなければ俺を倒すか、それとも結晶を破壊するか… どちらか、だ!

だが生かして返すと思うなよ!このバケモノが!」

海風「どちらにしろ戦いは避けられませんね…! 不本意ですが、背中は任せます…!」

浜風「任されました…! 絶対に止めるぞ、海風!」


GUNPLA BATTLE COMBAT MODE EMERGENCY STRAT UP


海風「ウイングガンダム・アズライト、海風!」

浜風「ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ、浜風!」

海風・浜風「行きます!」

フィールドに降り立つ2機のMS、『ウイングガンダム・アズライト』と『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』が結晶体に向けて直進する。

だがその2機を阻むように高出力のビーム攻撃が放たれるが、プロヴィデンスがドラグーンでフィールドを張ることで威力を弱め、その弱体化したビームをウイングのシールドが吸収した。


海風「ターゲット捕捉… あの時と同じ『百万式』…!」

浜風「あれは警察が押収していた筈ですが…」

スドウ「そうだ!だから返して貰ったんだよ! 何人かは潰してやったがな!」

海風「警察官を手に掛けるなんて、本当の犯罪者に成り下がったようですね」

浜風「ここで倒す…!犠牲になった人達の為にも! 海風!」

海風「言われなくとも!」


現出するコピー体をツイン・バスター・ライフルと6基の『メッサーツバーグラズールスタイン』を連結した一射で薙ぎ払う海風。

そして浜風のドラグーンが百万式の本体へと大量のビームを放ち砲撃形態になっていたメガライドランチャーを粉砕する。


スドウ「何っ!?」

海風「機体性能があの時のままだと思うな!」

浜風「地力はこちらが上、このまま押し通すぞ海風!」

海風「了解!」

スドウ「糞ッ…!」


海風はライフルを投棄し『アズライトウイングブレイド』を両腕で抜き放ち百万式へと右腕のブレイドで斬撃を放つ。

百万式もサーベルを抜いて斬撃を防ぐがパワーで劣る百万式は押されて吹き飛び、そのまま壁に叩きつけられた。そしてその機を逃さず浜風はドラグーンによるビーム砲撃を叩き込む。


浜風「これで… いや、まだか…!」

海風「あれなら全部直撃していた…! やっぱり、再生能力も…!」

スドウ「やったな…! この借りは、今すぐ返してやる! 『EXAM』!」


壁から這い出てきた百万式のカメラが赤く光り、全身から放熱が行われる。二人は瞬時に何が起きたかを理解して身構えた。

本来は使えない筈の『EXAMシステム』、だが彼はナノマシンキャリアーであり『オリジナル』と接続して使用できるのは当然の事だ。


浜風「やはり使ってきますか…!」

海風「EXAMシステム…!」

スドウ「お前達も、これで終わらせてやるよ!」

海風(未来予測演算開始…! 敵行動・動作予測、パターンを可能な限り推測開始!)

浜風「海風!」

海風「分かっています!フォロー頼みます!」


行動安価 直下

海風「速い、だけど!」

スドウ「避けた!?」


高速で背後から襲い掛かる百万式の斬撃を左腕のブレイドで防ぐ。並みの人間なら対応出来ない攻撃も海風は余裕で対処出来る。

例えEXAMシステムによる補助があろうとも海風の脳の思考速度を上回らない限り、脳が限界を迎えない限りは彼女を倒すことは難しいだろう。


スドウ「何故だ…!EXAMを使ってるんだぞ!」

海風「確かにシステムは強力で厄介、だけど! 動きのパターンは読めます!」

浜風「それに、複数の敵意には対処出来ない!」


浜風がすかさずドラグーンによる砲撃を行いサーベルを持っていた右腕を吹き飛ばす。

後退を図るスドウの百万式、だが浜風のドラグーンのビームが道を遮り逃げ道を断つ。


スドウ「チイッ…!だが、お前達は再生出来ない!」


ライフルと右腕を再生させてドラグーンをライフルで狙撃しようとする。だが浜風も負けじとドラグーンを巧みに操作して射撃をかわす。

そして浜風が拾っていた『ある武器』をウイングに向け投擲し、それを海風のウイングは掴んで照準を合わせる。


浜風「チャンスは一度、決めてください!」

海風「分かっています!出力最大、メッサーツバーグ全エネルギー解放!」

海風(続いて機動予測開始、敵回避パターンから『必殺』の位置を推定!照準マニュアル設定、プロヴィデンスに緒元データを転送!)

浜風(緒元データ? ここに誘導しろ、と言う事ですか!)


浜風が海風の意図を汲み、ドラグーンを使い百万式を壁際の逃げ難い位置まで追い込んでいく。

その位置に百万式が付いた瞬間、集束していたエネルギーを海風は解放し一撃を放つ!


海風「これで、終われぇぇぇぇぇぇっ!」

スドウ「な、なんだと…!」


一直線に進む極大のビーム砲撃、だが百万式は既に回避は間に合わない。

そして海風の一撃は容易く百万式を呑み込み、周囲一体をも吹き飛ばした。


浜風「今度こそ、塵に返してあげましたよ」

海風「ビルダーの方には申し訳ありませんが… だけど犯罪に利用されるよりは良い結末でしょう」

「ククッ… 誰が終わりだと言った…!」

浜風「直撃したのに…!あれで消し飛ばないなんて、どんなビームコーティングを…!」


視線の先にはボロボロになっていた百万式の姿があった。既に各部に亀裂が入り右脚と左腕は吹き飛んでいる。

海風は機体の損傷状況、そして周囲に飛散している『モノ』でどうやって彼が攻撃を防いだかを見極めた。


海風「粒子結晶により防御、そして粒子結晶でも防げなかったからメガライドランチャーによって威力を無理矢理弱めた…」

スドウ「そうだ…! だがこっちは、再生できんだよ!」

浜風「くっ…!こちらもドラグーンのエネルギーが…!」

海風「なら一人で下がってください!あとはこっちでやります!」

浜風「海風!?」


再生する百万式に向けて連結した『アズライトウイングブレイド』を構えてスドウへと肉薄する。

だがその道を阻むように無数のコピー体が現れるが海風は容易くそれらを切り裂き消していく。


海風(思考速度をもっと上げないと…!)


『ウイングガンダム・アズライト』の直進は止まらない。目の前の全てを薙ぎ払いながら百万式の本体へと迫る。

そして彼女に目がけて百万式の本体がサーベルを構えて突っ込んできた。


海風(来い…! 今なら、コイツと『相討ち』になれる!)


確実にスドウ・シュンスケと百万式を倒す最良の手段、突撃してくる本体と刺し違えてでも彼を倒そうとする海風。

そして互いの機体の距離が近付き、互いに剣を突き立てようとした瞬間、割ってはいる機体があった。


海風「なっ…!?」

浜風「やらせる、かぁぁぁぁぁぁぁっ!」


百万式のサーベルが割って入ったプロヴィデンスの脇腹を貫く。その光景に海風は唖然となった。

何故浜風が割って入ったのか理解出来ない。このままなら自分一人の犠牲で彼を確実に倒せた筈なのに、と。


スドウ「コイツ…!」

浜風「大事な妹を、やらせるか…!」

海風「い、一体何を…!」

浜風(マズイ、致命傷かも… でも海風を守れたなら、それで…)

「良い訳、無いでしょう!」


高速の機体が百万式へと迫り、背後からクローシールドでサーベルを持っていた右腕を引きちぎりプロヴィデンスから剣を抜かせる。

そして百万式を蹴り飛ばして地面へと叩きつけた。 海風の前に立つのは深緑のMS、『改RX-0』の1機。


海風「スレイプニル…!?」

天城「姉さん、二人を連れて後退を!ここは引き受けます! あとニクスの応急処置も!」

榛名「了解!二人共、下がりますよ!」


増援到着
・RX-0[S]スレイプニル
・RX-0[FR]フェンリルtype-R

海風「榛名さん、あの…」

榛名「…何があったかは後で聞かせてもらいます。今はこちらの応急処置が先です」

浜風「しかし今は…」

榛名「動かさないで。致命傷一歩手前ですが、まだギリギリ直せる範囲です。リペアシステム起動、マテリアライズ」


RX-0[FR]フェンリルtype-R
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・タクティカルアームズⅡL改『イチイバル』
・カレトヴルッフ改『グロッティ』

概要
フェンリルのもう一つの姿で味方の補助、修理に特化した仕様。
スライサービットは取り外されており、大幅に戦闘力がダウンしているがあくまでも前衛で戦うためでは無いので問題はないとのこと。
専用装備はカレトヴルッフを改造した『グロッティ』。カレトヴルッフの戦闘機能の大半を削り、修理に特化させたもの。
通常の修理機能としてパテ等を内臓してはいるが、特殊な能力としては損傷箇所に粒子結晶を損傷箇所に形成することで『補填』することも出来る。
ただしあくまでも一時的な『補填』であり、戦闘で激しい動きをすれば壊れてしまうほど脆弱な結晶しか形成できないというネックも。
『イチイバル』はフェンリル用に新造された装備であり、全仕様共通の装備。応戦する際はもっぱらこちらを使う。


浜風「損傷が、直って…!」

榛名「一時的に損傷箇所を粒子結晶で補填しただけです。本格的な修理は今から…」

海風「あの…」

浜風「大丈夫、多分一時的に頭が熱くなっただけです」

海風「どうして、あの時海風を庇って…」

浜風「当然でしょう。海風は私の妹、私が守らなくてはならない存在ですから」

榛名「だからと言って、身体と機体は大事に扱ってください」

浜風「はい…」

榛名(海風さんの状態、間違いなくあれは『理性の暴走』、海風さんの能力の本質である『脳のリミッター解除』したことがトリガーとなって起きたこと…

なら必要なのは『使いこなすだけの強い心』だけど… 何か本質が違うような気が…)



スドウ「何なんだよ、お前は!」

天城「コード・ブレイヴ! 終わらせます!」


スレイプニルが百万式の四肢を切り落とし、再生を許さぬように破損箇所をズタズタに破壊し歪めていく。

そしてリミッターを解除したスレイプニルは『レーヴァテイン』から巨大な粒子刃形成して、百万式へと振り下ろす。


スドウ「こ、この俺が…!」

天城「簡単に誰かを傷付ける貴方にバトルをする資格はない!天城達の前から、失せろ!」

スドウ「これで勝ったと思うなよ…!」


そして百万式の機体は真っ二つに叩き割られ、大爆発を引き起こす。

しかしそれと同時に粒子結晶が暴走して建物の天井を貫いていく。


天城「不味いですね… 姉さん、バトルシステム強制終了コード入力、脱出します!」

榛名「分かりました!システム強制終了、逃げますよ二人共!」

《屋外》


天城「ケホッ… 姉さん!」

榛名「流石にこれは誤魔化せませんね…」

浜風「ビル