【化物語】なでこクロノス (30)

これは蛇神事件のその後に起きた出来事である。

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1.


引きこもり生活を続けながら漫画を書いていた
この私、千石撫子がなんでこんな真っ昼間の外にいるのでしょう。
しかもパジャマ姿で、裸足のまま、
何か気でも変わったのかな?
いや、そうではないんです、何か気が変わったとすれば、
今の状態、じゃなくて撫子の中に問題があると思います。
でも問題があると言っても病気を患っている訳でもなく、
ましてや精神的に問題があるわけでもありません。
問題とは、私の中に神が宿ってしまったこと。


そう、撫子はまた神様になってしまったのです。




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2.


今、撫子は白蛇神神社に居ます
本当に懐かしいこと気がしてなりません。
蛇神様時代を思い出します。
でもクチナワさんはもういません、
いるのは違う神様、撫子にとり憑いた神様
名前は、「クロノス」と呼ばれているらしいです。
なんでこの引きこもりである撫子にとり憑いたのか、
撫子には検討もつきません、何せ私から
望んでやったものではないですから、
相手から、神様から一方的にとり憑いたんですから。




暦「....千石」

暦「そこにいるのか?」


入り口から懐かしい声が聞こえてきました。
果たして会うのはいつぶりでしょうか、
撫子には思い出せません。思い出したくありません
思い出すと、また抱いてしまう、あの感情を....
こんな事を思っているとき、私は立ち上がります


撫子「来ちゃったんだ、暦お兄ちゃん」

暦「あぁ、千石」

暦「もう一度救うために」


救う?一体何を救うのでしょうか。
私の中にいる神様でも殺すのでしょうか?



撫子「暦お兄ちゃんには救えないよ....」



そういって、私は地面に手をおきまっすぐ線を描くように下に降ろしました。
そして、撫子は暦お兄ちゃん指差し言いました。
女子とは思えない声を発しながら、


撫子「....割れろ」


すると地面が真っ二つに割れました
この時、撫子はてっきり漫画でしか見られないと思っていましたから
(嘘だと思ったら本当に使えるとは....)
とてもびっくりしていましたよ、ええ、
でも自分の意思とは違いなぜか体は勝手に動くんですよね。
今度はその指を下から上に撫でるように動かしていました。
すると、地面の割れ目から岩山が飛び出してきたではありませんか。
もう撫子びっくりです。
何が起こっているか分かりません。


暦「がはぁ!!」


暦お兄ちゃんがその岩山に突き刺さり、横に倒れました。
なかなか直では見れない現状です。



クロノス「どうだ?」


私の中にいる神様が撫子に話しかけてきました。
どうだこうだもありませんよ。
今撫子の目の前に見えているのは、
お腹らへんが貫通していて、
横に倒れている暦お兄ちゃんの姿ですから。




撫子「そういわれても....撫子には何も言えないよ」

クロノス「そうか、だがこれは自分がやったことだ」


自分のやった事って....
神様が勝手にやった事じゃないんですか?
私は何もやってないはずですよ。


クロノス「お前はそうおもっているかも知れないが、悪魔でも
これはお前の意思だ」

クロノス「俺はお前の意思を具現化して実行しているだけだ」

撫子「......」


撫子は黙っていました。
この神様の言うことに何も反論できなかったのです。
反論する気もありませんでした。
そうこう考えている内に、また神様が私に言ってきました


クロノス「話している内に....ほら」

撫子「......?」

クロノス「まだ戦う気があるみたいだよ」

クロノス「しかも今度は助っ人もご登場のようだ」


私に見えていたのは、


暦「どうしてもお前を救わなければいけないんだ、千石」


横になっていたはずの暦お兄ちゃんが起きていました。
そしてその横にいたのは、


忍「またすごいものにとり憑いてくれたな、前髪娘」


暦お兄ちゃんの影にいる元鉄血にて熱血にて冷血の吸血鬼、
忍野忍さんでした。


3.



この時間がくる3日前の事でした。
なんでいきなりこんな中途半端な所で回想が入るかって?
これ以上進むとオチにはいってしまうんです。
だから進めないんです。進んではいけないんです。



この時、撫子は引きこもりでずっと漫画を書いていました。
みんなが楽しい学園生活を過ごしている間、
ずっと画力を磨いていました。
せっせっせっせとひたすら画力を磨いていました。
そんな時です、いきなり後ろから肩を叩かれました
いや、正式には叩かれたかのようなそんな感覚に襲われました。


撫子「ひゃっ!!....な、何?」


慌てて後ろを振り向いたんですが、そこには誰もいませんでした。
でも、そこにあったのは1通の封筒でした。
真っ白で、宛名も何も書いていない謎の封筒。


撫子「な、なんなの??」

撫子「も、もしかして誰かに見られてる....?」


と思って辺りを見渡して見たら、
その予想はことごとく外し、何もいませんでした。
(何か居る方がおかしいですけどね)
撫子は特に気にすることもなく。その封筒を開けてしまいました。
でも、今思えばこの特に何もない動作が全ての始まりだと思います。
そう、神様が生まれた瞬間でも...

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封筒を開けると、中身は特に何も入っていませんでした。
ただのなにもない封筒でした。
何もなかったとがっかりしながら、
作業を再開しようと机の方を向いた時でした。


???「やぁ」


そこに、いました。
いました。と言っても人間が居たわけではありません。
うっすらと見える何かがいたのです。一般的には幽霊と言うのでしょうか。
でも撫子は今の状況になっても驚いたりしません。
普通の人なら驚いて逃げ出す人も多いと思います。
でも撫子の場合は巨大な蛇の霊などを見ている訳ですから、
この程度じゃ驚きませんよ。


???「開けてくれてありがとう、おかげで形だけだが復活できた」


何をいっているんでしょう、この何かは
まるで私のお陰でできたかのような....


???「じゃあ、早速とり憑かせてもらうよ」

撫子「え、ええ!?ちょっと待って!!」

???「どうしたんだい?そんなに驚いた顔して」


そりゃあ驚きますよ、いきなり復活できたと言われて混乱しているのに、
さらに追い討ちがかかるように、
とり憑きたいといってきたんですから、
何かのギャグかなにかでしょうか、
もしこれが本気なら、冗談じゃあありません。


撫子「なんで....撫子なの?」

???「なんで?」

???「お前は1回神様になった経験あるからな」

???「だからお前は適任なんだよ」

撫子「.......」


撫子は何も言えませんでした。
確かに神様になったことはあります。
でもあれはクチナワさんのおかげであって....
私は何もしていません。
私は何も....


???「自分は何もしていないって?そんなわけないじゃないか」


ズバリと言い当てられました。
きちっと言い当てられました。
そんなに撫子は言っていることが顔に出るんでしょうか、


???「とにかく」


撫子がそう考えているとその何かがいきなり言って来ました。


???「お前の体に取り憑かせてもらうぞ、いいな?」

撫子「......」


結局それが目的なんですね。
どうしたらいいかもう分かりません。





なので仕方なく1回その何かに従う事にしました。
抵抗でもしたら多分負けてしまいますからね(でも画力なら多分勝てると思う)
すると、その何かが撫子の前を通りました。
いや、通ったというよりぶつかってきました。
ふわりという効果音がついてもおかしくないほどの
優しいぶつかり方でした。








ここで記憶がいきなり途絶えるんですよね。
何も起こっていないはずなのに、
何も起こしていないはずなのに、
なぜ記憶がないんでしょうか。
でもうっすらと覚えている事はあります。
いつぐらいからかはわからないけど、
その何かに「ありがとう」と言われたんです。それしか記憶に残っていません。
そして、次に撫子の記憶がはっきりしてきたのが、
空が赤色に染まる頃でした


4.




撫子「あれ?」


ここで撫子が眠りからお目覚めです。
眠り姫のお目覚めです。(一体なにを言っているんですかね。)
でもなんで寝ていたのかは記憶にありません。
なぜ記憶がないかですか?
それは


???「俺がとり憑いたから、その記憶を消させてもらったんだ。」


....あれ?今誰か言いました?
この部屋には撫子しかいないはずなのですが....


???「おい、無視するなよ、俺だよ俺」


....どうやら、本当に撫子はとり憑かれたみたいですね。
その何かに。


???「まぁ、とり憑いたというより、
お前の体と同化した、といった方がいいかもな」



[とり憑いた]と[同化した]は同じような気がしますが....


撫子「そういえば、名前はあるの?」

???「名前?」

撫子「うん、やっぱり何かじゃあだめかな....と思って」


ずっと「何か」呼びはきついですよ(いろんな意味で)
それなら名前があった方がいいでしょう。


???「名前か....そういえば、(クロノス)と呼ばれていたな」

撫子「クロノス?」


なんでしょうか、そんな名前は聞いたことがありません。
あとで調べてみましょう。




そうこう考えていると、撫子の腹の虫がなりました。
時間もそろそろ夜になる頃でちょうどいいので、
夜ご飯を食べることにしましょう。
でも撫子はご飯を作ることはできません。
あまり自分で作ったことがないのでレパートリーがないのです。
いつもはご飯を作って置いてくれていることが多かったのですが、
今回は置いてくれていませんでした。
何かないかなと思って棚を漁ると、
そこにはカップラーメンがひとつありました。
なら、今回はそのカップラーメンを食べましょう。




クロノス「なぁ、なんだ?このへんな入れ物は」



撫子がお湯を沸かしている途中に(さすがにお湯位は沸かせますよ)
クロノスさんが撫子に語りかけてきました。
どうやら、カップラーメンというものを知らないようです。
どういう風に説明したらいいんでしょうか。


撫子「こ、これはカップラーメンと言ってね」

クロノス「カップラーメン??」

撫子「インスタントラーメンとも言うんだけど」

クロノス「....ごめん、全く分からん」


説明が難しいですね。
やっぱりラーメンから説明するべきでしょうか。
と、言っている間にそろそろ出来ますね。
とりあえず1回説明は諦めることにしましょう。
お腹がすいてきました


撫子が食べている間もクロノスさんの語りかけが止まりません。


クロノス「一体なんだ?この長いものは?食べれるのか?」

クロノス「というかなんで水をいれるだけで食べれるようになるのかこれは?
この世界だけのものなのか?」

クロノス「それならこの世界はすごいな....」

クロノス「俺の世界なんてこんなものはなかったからな....」

クロノス「本当にすごいと思うよ」

撫子「....クロノスさん」

クロノス「なんだ?」

撫子「1回黙って」


こんなに語りかけられたら、食事にも集中できませんよ、
このクロノスさんもクチナワさんと同じように
よくしゃべるんでしょうか。
だとするとかなり迷惑です、クロノスさんがもし人間なら
即、退出命令を出してますよ。


クロノス「なんで黙らないといけないんだ?
こんな風におしゃべりがあったほうが食事にも華が生まれていいじゃないか」

撫子「そういう問題じゃないと思うんだけど....」


確かにその点はありがたいと思いますが、
でもあんなに語りかけられると、華もどうもありません。


撫子「とにかく、あんなに語りかけられると食事に集中できないの」

クロノス「....お前はもしかして、
食事とか1人でひっそりと食べる系の人か?」

撫子「うん」


即答です、おしゃべりしながらの食事なんて
したことがないので想像ができません。


クロノス「....そうか、なら黙っておこう」


クロノスさんは撫子の言ったことを聞いてはくれるみたいです。
そこはクチナワさんとは違いますね。
と、一段落ついたところで、このままでは麺もふやけてしまいます。
早く食べてしまいましょう。





カップラーメンを食べ終わって、
撫子はそのままベッドで寝ることにしました。
特にやることもなかったので、
(クロノスさんと話すのもよかったけど
客観的に見たら1人で話してるおかしい人に見えてしまいますからね....)
こうして1日目が終了したわけですが
着々とあの時間が迫ってきています。
ついでに言っておくと、同時にオチも迫ってきています。
















では2日目の始まりです。





おやすみなさい。


5.




朝がやって来ました。朝日に照らされ、心地よい風が肌に触れ、
鳥のさえずりが聞こえてくる、気持ちいい朝です。


というとてもいい目覚めをしてみたかったのですが。
現実はそんなに甘くないんですね....



なぜなら撫子を起こしたのは、



クロノス「おい、起きろ」

撫子「......」

クロノス「いつまで寝ているんだよ、起きろ」

クロノス「早く起きろ」


他でもない撫子にとり憑いている
クロノスさんだからです。








クロノス「なんで起きないんだ?何かあったのか?」

撫で子「クロノスさんこそなんで起こすの....」

クロノス「起きる時間が遅い」

撫子「遅いって....まだ5時だよ....」

クロノス「遅い」



クロノスさんの時間の感覚はどうなっているんでしょうか。
これじゃあ、目覚まし時計とあまり変わりませんよ。
少し、というかかなり迷惑です。


クロノス「で?今日は何をするんだ?」


そんなの決めているわけないじゃないですか。
こんな朝早く起こされて、頭も働きませんよ。
それでも撫子はなんとか頑張って考え、今日の予定を引きずり出します



撫子「今日は....そうだ、本屋さんに行こう」


正直行くのにかなり抵抗ありますが....


クロノス「ほう、またなんで?」

撫子「クロノスさんの事について調べて見ようかな....と思って」

クロノス「そんなの今の時代最先端なものがあるじゃないか」

クロノス「インターネットとやらスマホやら」

クロノス「それらで調べればいいのに、
なんでわざわざ本屋さんにいって調べるんだよ?」


撫子「撫子はそんなの持ってないよ....」


そうです、撫子はそのへんの通信機器を持っていません。
インターネットはもちろん、スマホも持っていません。
電話は、家にある固定電話のみです。


クロノス「なんで持っていないんだ?
今のこの時代持っているのは当たり前じゃないのか?」


今、すごいばかにされた気がします。
持っていなくて何が悪いんですか?
すごい聞いてみたいです。
というか、なんでそんなに今の時代のことを詳しく知っているんでしょうか。


クロノス「....まぁいいや、行くなら早く行こう」


今何か考えていた気がしたんですが気のせいですかね?
まぁ、今はクロノスさんの調査をするのが先です。
なので支度を済ませて、行きましょう。









本屋さんに来ました。
久しぶりに来てみましたが、特に何も変わってなかったですね。
撫子は店内に入るとオカルトコーナーに直行し、
クロノスさんの情報が載っている本を探し始めました。
とはいえ、クロノスさん、という名前しか分からない状態で
探すのもなかなか骨がおれますよね。
なのでもう一度クロノスさんに聞いて見ようと思います。


撫子「ねぇ、クロノスさん」

クロノス「なんだ?」

撫子「もう少し何か情報はないの?」

クロノス「......」



クロノスさんはそのまま黙ってしまいました。
このままでは探すことができません。
どうしよう、と考えていると、



???「千石!!?」



誰か撫子を呼ぶ声が聞こえてきました。
それも撫子が聞いたことがある声です。
その声の方向に振り向きます。
ゆっくりと振り向きます。



撫子「暦お兄ちゃん....」



そこにいたのは撫子が蛇神時代の時に殺しかけ、
撫子の叶わなかった初恋の相手でもある。
暦お兄ちゃん、いや、阿良々木暦がそこに居ました








久しぶりに会ってみてよかったと思うこともあるんですが、
何より、クチナワさんの力とはいえ、
「撫子自身が暦お兄ちゃんを殺しかけた」
という、紛れもない事実が撫子自身を動かなくしていたのです。
いや、動かなくなったというより、その場所に留まってしまった、
と言ったほうがいいかもしれません。
まぁどちらにしても動かなくなっていることには代わりはないんですけどね。


暦「....体の具合は大丈夫なのか、千石」


先に暦お兄ちゃんの口が開きました。
話し方からして暦お兄ちゃんも
やっぱり撫子のことについて何か思っているのでしょうか。


撫子「だ、大丈夫だよ....」

暦「そ、そうか」

撫子「......」

暦「......」


どうしましょう、話が続きません。
それもそうでしょう、あのクチナワさんの出来事から
ずっと引きこもっているんですから、コミュニケーション能力も衰えています。
しかも撫子は暦お兄ちゃんを殺しかけたんですから(何度も言いますが)
何を話したらいいのか分かりません。


撫子「やっぱり暦お兄ちゃんには....」

暦「???どうした?何かあっ....」

撫子「....ッ!!」


思わず入り口のほうに一直線に走ってしまいました。


暦「待て!!千石!!」

暦「.......」

???「なぜ無理にでも止めなかったのじゃ?」

暦「....忍か」

忍「うむ....それより、かなりヤバイ状況になっておる」

忍「蛇神の再来になるかもしれん」

暦「蛇神の再来....まさか千石に!?」

忍「そのまさかじゃ、あの前髪娘....」

忍「何かに取り憑かれておるぞ」


6.




思わず逃げ出してしまいました
撫子にはこの状況は耐えられませんよ。
逃げ出してしまったことにより何か悟られてなければ良いのですが....


撫子「....あ」

クロノス「どうやら家に戻って来たみたいだな」


気付かなかったみたいですが、
どうやら走っているうちに家に着いていたみたいです。
無意識に家に行っていたのでしょうか。
それともクロノスさんが誘導して....?


クロノス「そんなわけないだろう」


....いるわけではないようですね。
結局、何も情報を知ることができないまま、
日が落ちようとしていました
この時、クロノスさんが脳内に話しかけてきました


クロノス「どうしたんだ?何か浮かない顔をして」

撫子「ううん、このまま1日が終わってしまうんだな....て思って」

クロノス「ほう?」

撫子「何も情報を得ることもできなかったし」

撫子「これじゃただ外に出ただけになっちゃうよ....」

クロノス「.......」


クロノスさんは黙ったまま、何も言わなくなってしまいました。
もう何もパジャマにでも着替えてもう寝ましょう。


クロノス「どうしてもって言うなら教えてやろうか?」


....ん?今何かすごい衝撃的な一言が聞こえたような....


クロノス「無視するなよ、せっかく(教えようか?)って聞いてるのに」


まさかクロノスさん自身が教えてくれるとは思っていませんでした。
(それなら本屋に行く前に教えてくれたら良かった話ですけどね、)
ならばこのチャンス、逃してはいけない気がします。
クロノスさんの気が変わらないうちに....


撫子「ど、どんな」

クロノス「でも今日は寝るつもりだったんだろ?
なら続きは明日話してやる。
長話で寝られなくなって体調が優れなくなってしまったら困るからな、
だから今日はもう寝ろ」


まさか体調を心配して明日に伸ばすなんて思いもしなかったですね。
撫子も少しなら夜更かししても大丈夫なんですよ?
(もしかして本当は知らなかったり....?)


撫子「本当に明日教えてくれるんだよね?」

クロノス「あぁ、もちろんだ、嘘はつかない」

撫子「じゃあ....」

クロノス「あぁ、おやすみ」

撫子「お、おやすみなさい」



やっぱり自分自身に「おやすみなさい」と言われるのは初めての経験ですね。
でももうこんな経験することはないと思いますが、
....そういえば、何で撫子の体調を心配していたのでしょうか?
さっぱり分かりません。
何か企んでいることでもあるんでしょうか。






とりあえず、おやすみなさい


7.





今回もクロノスさんの目覚まし時計からの始まりです。


撫子「....ねぇ、クロノスさん」

クロノス「なんだ」

撫子「やっぱりもう少し」

クロノス「お前の起きる時間が遅いだけだ」

撫子「遅いって....まだ4時だよ?」

クロノス「しらん、遅いものは遅い」


何でクロノスさんはこんなに早起きなんでしょうか?
撫子を超早起き健康人にでもするつもりなんでしょうか?
(朝から何をいっているんですかね)
基本的に神様は早起きなのかもしれませんね。



撫子「そういえば、今日は」

クロノス「わかってる、だから早速行くぞ」

撫子「行くって....どこに行くの?」

クロノス「白蛇神神社だ、早く行くぞ」

撫子「ち、ちょっと待って!まだ着替えてない....」


というわけで、蛇神時代を過ごした神社に来たわけですが....
神様ってなかなか待ってくれないものなんですね。
本当は説得できればよかったんですが、
当然撫子にはそんなことができるわけがなく、
結局、パジャマ姿のまま来ることに....
(結構恥ずかしい....)


クロノス「別に何も着ていないよりかはマシだろう」


結構パジャマ姿も恥ずかしいんですが....
まぁ、それよりクロノスさんの情報です。
できるだけ頑張って聞き出しましょう!!
(一体何のやる気なんですかね?)


クロノス「先に言うが、俺はギリシャ神話の神様でね」

撫子「ギリシャ....!?」

クロノス「大地と農耕の神だ」

撫子「の、農耕?」


意味がもうちんぷんかんぷんで訳が分かりません


クロノス「あとは、この世界に来てからなんだが....」

クロノス「地面を操ることができるらしい」

撫子「地面を操れるの!?」


地面を操れるんですか!!?
まるでアニメのワンシーンみたいなのができるなんて....是非見てみたい!!


クロノス「....何をそんなにはしゃいでいるんだ?」


....確か顔に出やすいんでしたね。
ついつい興奮してしまいましたが....見てみたいのは確かです。


クロノス「まぁ、後でやってやる」

クロノス「あとは....」

クロノス「.......」


クロノスさんがいきなり黙り込んでしまったんですが.....
何かあったのでしょうか?


撫子「ど、どうしたの?」

クロノス「....この話は後だ」

撫子「どういうこと?」

クロノス「お客様が来たぜ、たしか....暦お兄ちゃんだっけ?」


8.




ここであのシーンに戻ってきます。
お帰りなさい、さてこのあとどうなったかですが....


撫子「ねぇ、クロノスさんどうするの?」

撫子「ねぇ!!」

暦「千石?一体1人で何してるんだ?」

忍「無駄よ、多分体内に入っているのじゃろう、その神様とやらが」


あれ?何で気付いていないんでしょう、
そういえば、クロノスさんは撫子の体内にいるんでしたね
そりゃあ聞こえない訳ですよ。


撫子「......」

暦「千石....」

忍「どうした?お前様よ、何か困ったことでもあったのか?
もし何か思いとどまることがあるのなら儂がやろう」

暦「ちょっと待て、忍」

忍「そういうわけにもいかんよ、もし本当に体内に
神様がいるのならまたあの蛇神みたいになりかねんからの」

暦「忍....」

忍「そういうことじゃ」


忍さんが刀を持って撫子のほうに身構えていました
あれ多分撫子自身を切るつもりですよね?
そう考えたらものすごい怖いんですけど
この状況、とても良いとは思えないんですが....


撫子「ちょっとクロノスさん!!」

クロノス「どうした?そんなに焦って」

撫子「このままじゃ、撫子、し、死んじゃうよ!!」

クロノス「.....」


ここで黙ってしまうんですか!?
ちょっとそれはヤバイですって!!


クロノス「....そういえば言い忘れていたが」

クロノス「俺は時間の神でもあるんだ」

クロノス「ギリシャ神話とは別なんだけどな」

撫子「そ、それがどうかしたの?」

クロノス「....俺に任せろ」


忍「本当に謎じゃな、前髪娘」


ちょっとこっちにきましたよ!?
危ないですって!!


クロノス「少しの間だったが、楽しかったぞ」

こんな時に一体何を....ってあれ?なんか意識が....


クロノス「.....オリガトウ」


一体それってどういう....


クロノス「....イママデノトキヨ....モドレ!!」


???.






この時、撫子は引きこもりでずっと漫画を書いていました。
みんなが楽しい学園生活を過ごしている間、
ずっと画力を磨いていました。
せっせっせっせとひたすら画力を磨いていました。
そんな時です、いきなり後ろから肩を叩かれました
いや、正式には叩かれたかのようなそんな感覚に襲われました。
あれ?これは何か見たことがあるような気がします


撫子「....???」


後ろを振り向いたんですが、そこには誰もいませんでした。
でも、そこにあったのは1通の封筒でした。
真っ白で、宛名も何も書いていない謎の封筒。


撫子「なにこれ....?」




封筒を開けると、中身は一通の手紙らしきものが入っていました。
見てみると、そこには丁寧な字で





ちゃんと生きてるか?  自分の夢に全うしろよ、
時間は戻ってこないんだからな、やらなきゃ損だ。
....頑張れよ
                       クロノス



撫子「???」


一体誰からの手紙でしょう、でもどこかで見たことあるような....
少しの間一緒にいたような....だめです、思い出せません。


撫子「....まぁいいや」


誰からかは分かりませんがこんな手紙を送ってくれたのです。
頑張らなくては、漫画家を目指して、
机の上で画力をあげましょう。
....と机に向かおうとすると


???「ちょっと来てみたよ」

撫子「へ!!??」


誰かが窓から侵入してきました。
普通に不法侵入ですよねこれ、


???「いえーい、ぴーすぴーす」

撫子「だ、誰なんですか....?」

???「分からないのかよ」


初めて会って見て分かるわけないじゃないですか。
でもこの出来事が新たな出来事を引き起こすきっかけになるんですよね。
ここも進みすぎたらいけないんです。というか進んではなりません。
だからここで使おうと思います。














カミング・スーン


神だけに

終わり

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