【咲SS】京太郎「京太郎アレコレ」【短編集】 (131)

お題を決めて短く書いていきます

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お題【咲と照に挟まれて】


『京ちゃん、私ね……ずっと』

『京ちゃん。私は京ちゃんのこと』

好きだった


京太郎「(返事はいつでもいい、なんて二人とも言ってけど……俺はどうすればいいんだ!?)」

京太郎「(というか、何で二人とも同じ日に告白してくるんだよ! タイミング悪すぎだろ!)」

京太郎「(土日挟んだから少しは気が楽になったけどさぁ……)」ゴロゴロ

京太郎「(ケータイの電源切って現実逃避してたけど、明日には咲と顔会わせることになるし……)」

京太郎「だー!! なんで二人ともツルペタなんだ!!」

キンコーン……

…………京太郎ー。

咲ちゃんと照ちゃんよー。

京太郎「なんでさ」

京太郎「あのさ、二人とも。まるで取っ組み合いの喧嘩でもしたように絆創膏だらけだけど、どうしたんだ?」

照「泥棒猫の咲が悪い」

咲「なー! お姉ちゃんだってそうじゃん!」

照「最初に言ったのは私」

咲「30分遅れただけだし、そんなの知らなかったもん!」

京太郎「喧嘩するなって……」

咲「京ちゃんだって悪いんだよ! 全然連絡取れないし!」

京太郎「悩んでたに決まってんだろ。姉妹に同じ日に告られてアワアワしてたわ」

咲「優柔不断!」

照「京ちゃん、咲と付き合ってもいいことなんて無い」

咲「なっ!?」

照「咲は同級生。私はお姉ちゃん属性。甘えれる」ドヤァ

咲「いっつも一緒にいれるのは私だもん!」

照「それがダメ。変化がない。いつも見てるから飽きる」

咲「そ、そんな」チラ

京太郎「いや、飽きるとか飽きないとかじゃないんじゃ……?」

照「それ以外の条件が一緒なら、甘えられる私の方が得点が高い」

咲「そ、そんなことないもん! 京ちゃん、私に甘えてよ!!」バッ

京太郎「そんな両手広げられても。二人とも飲み物なにがいい?」

咲照「ココア!」

京太郎「分かった」

京太郎「で。なんで二人は今日来たの?」

咲「答えを聞くためだよ!」

照「京ちゃんは私を選ぶ」

咲「そんなことない!」

京太郎「俺がどっちか選ぶ前提なんだな……」

咲「……え?」

照「……京ちゃん……?」

京太郎「いや、いや……選ぶ、うん、選ぶからその目はやめてくれ……」

照「で」

咲「どっち?」

京太郎「本当は仲良いだろ二人とも……どっちって言われてもなぁ。俺は二人のこと友達だと思ってたからさ、なんかこう、急に答え出せないんだよ」

咲「なんでさ! 咲、って言えば良いだけじゃん!」

照「照って言って、京ちゃん」

京太郎「え、ええぇ……いやまぁ、二人は可愛いし、嬉しいっちゃ嬉しいけど……」

照「そんな……」テレッ

咲「可愛いなんて……」テレッ

京太郎「めんどくせー姉妹だな……。まぁそんなわけでだ」

咲照「うん」

京太郎「一ヶ月くらい時間ください」土下座

咲照「ええええ」

京太郎「いやだってさぁ……二人から選ぶのしんどすぎぃ……」

咲「ばか! へたれ!」

照「根性なし」

京太郎「やめて! 痛いからやめて!」

照「ま、別に良いよ? 私は待てる女だから」

咲「わ、私も待てるよ! 待てるもん!」

京太郎「それは良かった」

一ヶ月後……

京太郎「もう一ヶ月経っちゃった」

咲「…………」ジッ

照「…………」ジー

京太郎「…………よし、決めた!」

咲照「!」

京太郎「俺は……二人を選ぶ!!」

咲照「は?」

京太郎「あのさ。俺が選ばなかった方はどうするつもりだ?」

咲「家出する」

照「いなくなる」

京太郎「だよねー! 二人ともこの一ヶ月凄かったもんねー!」

照「そんなことない」

京太郎「朝はベッドに忍び込んできて、昼は無理矢理あーんさせられて、夜は風呂場に侵入」

咲「お姉ちゃん、流石に引くよ」

京太郎「照さんに対抗してただろお前も!!」

咲「てへっ☆」

京太郎「そんなわけでもう勘弁してください」ゴンゴンッ

照「………………まぁ仕方ない。とりあえず半分だけ貰っておく」

咲「そうだね。もう半分は」

社会人になってたから、貰うから

京太郎「だれかたすけて」



次回のお題

【桃と京】

また明日ー

ちょっと時間空いたので書きます

社会人になってから、でした、誤字です

テテテ……ギュ

桃子「はよっす」

京太郎「おうおはよう。今日は遅刻しなかったな」

桃子「一週間ぶりに会うんすから遅刻なんてしないっすよ」

京太郎「はは、そうか? っと、メールでも聞いてるけど、お前のこと見える奴いたか?」

桃子「いや、いないっすね。今から京太郎くんにこっち来てもらいたいくらいっす」

京太郎「一緒に決めたことだろ? いつまでも俺と家族にしか見えないって訳にもいかねーしさ」

桃子「本当失敗したっすね……ぶっちゃけ寂しいっす」

京太郎「休みはこうして会うんだから」

ギュ

桃子「足りないっすよ……」

京太郎「甘えん坊め。絶対お前を見つけてくれる人がいるって。大丈夫だ、心配すんな」ナデ

桃子「…………うっす」

京太郎「にしても厄介なもんだなぁその体質。今も俺が一人で喋ってるように見えるらしいし」キョロキョロ

桃子「…………やっぱり京太郎くんも嫌っすか?」

京太郎「ばーか、お前と付き合った時からそういうのの覚悟はできてんだよ」

桃子「……んっ!」

京太郎「俺はお前がどこにいても見えてるから、それでいいんだ。あーこんな可愛い彼女のこと自慢できなくて残念だなー」

桃子「なに言ってんすか……」

京太郎「本当のことだしな」

桃子「……三年って長いっすね。浮気しちゃだめっすよ?」

京太郎「何回目だそれ。そりゃ魅力的な女の子はいたけども」

桃子「え、マジすか?」

京太郎「麻雀部に入ったって言っただろ? そこに原村 和って奴がいてさ……そらデケーのよ。ここが」

桃子「手付きが嫌らしいんすけど」

京太郎「桃子のもまぁまぁだけど、あれはやばいね。メロンだねもう」

桃子「その発言がもう浮気っすよね?」

京太郎「馬鹿野郎、触りたいのは桃子のだけだ」

桃子「本当っすか?」

京太郎「嘘ですごめんなさい」ペコッ

桃子「許せないっすね……」ツネッ

京太郎「痛い痛い痛い痛い……ごめんって」

桃子「……ふー……」

京太郎「どうした?」

桃子「やー……どうせ一生このままなら、もう京太郎くんの嫁になるって吹っ切れて楽しい高校生活を送れば良かったなーと」

京太郎「それは嬉しいけど、お前に諦めてもらいたくはないな。それは本当にお前のやりたいことなのか?」

桃子「え、まぁ、京太郎くんのお世話をしたりとか、憧れるっすけど?」

京太郎「………………まぁ、そうか。いやでも、他にやりたいことができるかも知れないだろ?」

桃子「はは、できる訳無いっすよ。なんせ私は人から見えませんから……」

桃子「京太郎くんは相変わらず弱いっすね」

京太郎「悪かったな」

桃子「なんでそこ押すんすか? 危険牌っすよそれ」

京太郎「……ったく……二週間前に言ったこと思い出せよな。なにが「私は見えませんから……」だっつの」

桃子「しょうがないじゃないっすか。見つけられちゃったんすもん」

京太郎「はいはい。……良かったな、桃子」

桃子「はい。楽しいっす、今」

京太郎「…………俺の役目も終わったな」

桃子「…………京太郎くん?」

京太郎「本当に、良かった。ようやくこれで、一人で歩き出せるじゃないか」

桃子「え? え? ……い、いやっすよ? 別れるとかいやっすからね!」

京太郎「なんの話だ」

桃子「ちょ、冗談キツすぎないっすか!?」ポコポコ

京太郎「いててて! ちょっと言ってみたかったんだよ! なんか世代交代みたいだろ!」

桃子「そりゃ麻雀部の皆のことは好きっすけど、だからって京太郎くんのこと手放す気なんてないっす! 京太郎くんがいなくなるくらいなら部活なんて辞めるっす!」

京太郎「こら。皆期待してくれてんだから、んなこと言わないの」チョップ

桃子「京太郎くんに言われなきゃ辞めないっすよ……」

京太郎「頑張れよ、俺も……まぁ敵ではあるが応援はしてるから」

桃子「…………うっす!」

京太郎「よし、いい返事だ。で、ここなに切れば良い?」

桃子「あれ? ……なんで少し目を離しただけで、危険牌で手埋ってんすか!?」

京太郎「知らないよ……今度和に教えてもらおう……」

桃子「……む」ツネッ

京太郎「痛い!」

桃子「……ふんふん……」♪

ゆみ「ご機嫌だな、モモ」

桃子「んえ? ……えーと、なにがっすか?」

智美「お、無意識かー?」ワハハ

佳織「ふふ、桃子さん楽しそうに鼻歌歌ってましたよ?」

桃子「ま、マジっすか……」

ゆみ「なにかいいことでもあったのか?」

桃子「あー、まぁ……明日彼氏と旅行行くんすよ、一泊二日で。へへ」

ピシッ……

桃子「ん、え? なんか……ど、どうしたんすか? なんか変なこと言ったっすか?」

智美「―――彼氏がいるのかー?」

桃子「あ、はいっす。小学校からの付き合いで……京太郎くんって言うんすけど、京太郎くんだけは私のこと最初から見えてたんすよ」

睦月「―――いつからだ?」

桃子「え? まぁ、中学の時に……京太郎くんって見た目はチャラいんすけど、けっこう真面目なんすよね。それが受けたのかなんなのかそれなりにモテて……私、こんなんだから、ちょっと怖かったんすよ。だからまぁ、言ってみて……って、な、なんの話なんすかねほんと!」///

佳織「―――仲、いいんだね」

桃子「熱々っすよー? まだキスとかしてないんっすけど、「桃子とのことはいい加減にしたくないから」とかいって! 嬉はずかしっす!」

ゆみ「―――皆、判決を」

有罪

桃子「え? え? か、顔怖いっすよ!? ちょ」



次回のお題

【アラサーでも恋したい】

また明日ー

京太郎「あのさぁ……パンツくらい洗濯機に入れといてくれって言ってるだろー!」

健夜「あーごめんごめん忘れてたーアハハー」ゴクゴク

京太郎「ジャージ姿でお酒片手に服脱ぎ散らかすアラサー……こりゃ嫁の貰い手なんてある訳無いか……」

健夜「なんか言った?」

京太郎「一生嫁の貰い手無いって言ったんだよ!」

健夜「へぇ……」ゴッ

京太郎「ほら! ちょっとムカついたらすぐ麻雀でボコそうとしてくるし! 女子力足りなさすぎんだよ!」

健夜「そういう京太郎くんだって彼女いないじゃん!!」

京太郎「誰のせいだよ! せっかく一人暮らし始めたってのに、二ヶ月で家ん中ゴミ屋敷にするダメ従姉の面倒見てくれって頼み込まれた俺の気持ちにもなれってんだ!」

健夜「はー!? モテないことの言い訳にしてませんかー!?」

京太郎「してねぇよ! なんなら今すぐ知り合いにアプローチかけたろかこの!」

健夜「……だ、ダメ!」

京太郎「……いや、やらねぇけどさ……」

健夜「あ……」

京太郎「…………と、とにかく。おほん……少しは女性らしくしてくれよ。おばさんにもせっつかれてんだから……良いのかよ、このままなら一人寂しくアラフォー、アラフィフ……」

健夜「やめて! 言わないで! 分かってるから!」

京太郎「はー……つーか、咏さんとかはやりさんとかに聞いてるけど、健夜姉声かけられない訳じゃないんだろ?」

健夜「う」

京太郎「まぁ恋愛なんて他人がとやかく言うことじゃないけどさ。姉ちゃんの場合未来無さすぎんだよ」

健夜「…………京太郎くんにだけは言われたくない」プクー

京太郎「子供か!」

健夜「別にいいんだ。私はお金を稼いで、家のことは京太郎くんに任せるから」

京太郎「自分の人生プランに他人を勝手に巻き込むなよ!」

健夜「…………京太郎くんは好きな子、いるの?」

京太郎「はっ? な、なんだよいきなり」

健夜「教えてよ」

京太郎「なんなんだよ……別にいないけど」

健夜「なら誰にアプローチかけるつもりだったの?」

京太郎「え、いやまぁ、普通に……学校の友達とか……」

健夜「京太郎くん。そんな適当な気持ちで女の子に手だすの?」

京太郎「う……いや……」

健夜「そんな子に育てた覚えはないんだけどなー?」

京太郎「くそ、なにも言い返せん……!」

健夜「……ごめんね、ちょっと私も意地悪だったよ。でもさ……」

京太郎「ん?」

健夜「…………。ねぇ、なんで私が長野で一人暮らしなんて始めたと思う?」

京太郎「え? ……いや、教えてくれなかっただろそれ」

健夜「……京太郎くんにすぐ会えるからだよ?」

京太郎「…………は!?」

健夜「京太郎くんにすぐ会えるから、だから私は色々面倒があってもここに家を建てて、ここで暮らしてこうと思ったんだよ?」

京太郎「……えーと……冗談だよな、うん」

健夜「冗談じゃないんだけどなぁ。ねぇ京太郎くん。ここまで言っても分からない? それとも分からないふりしてる?」

京太郎「……待って、本当にそんなことのために?」

健夜「うん」

京太郎「あー、その……悪い、気持ちは嬉しいけどさ」

健夜「………………っ」

京太郎「……釣り合わないだろ、俺と姉ちゃんじゃ。俺、まだガキだし……姉ちゃん滅茶苦茶有名人で」

健夜「そんなの、言い訳にならないのは分かってるよね? 京太郎くんの気持ちを、教えてほしいんだよ」

京太郎「俺? そっか……俺の気持ち……。俺も姉ちゃんのことは好きだよ。ただ、異性としてとか、あんま見たこと無かったから……」

健夜「…………」

京太郎「姉ちゃんダメ人間で、俺が面倒見てやんねぇとって思ってて……おばさんにも、女子力つけてくれって頼まれてて……いやでも、なんかこう……」

健夜「……~~あーもうハッキリしないなぁ!」

ドスッドスッ!

健夜「私は京太郎くんと一緒にいるためになんでもするよ! 好きだから! 昔から! で、京太郎くんの返事は!? はいかいいえしかないんだよ!」ガシッ

京太郎「…………は、はい! 俺も姉ちゃんのことは好きだよ!」

健夜「よし!」フンス

京太郎「……いや、強引過ぎんだろ!?」

健夜「当たり前じゃん! お酒の力借りたんだから!」

京太郎「そこから仕込みか! いや、ここに家建てたところから仕込みか!?」

健夜「そうだよ! パンツその辺に脱ぎ散らかしてたのも仕込みだよ!」

京太郎「痛すぎるだろアラフォー! 年考えろ!」

健夜「アラサーだよ!?」

京太郎「……っ、はー……なんか、いつまで経っても姉ちゃんには勝てねぇな……」

健夜「…………そんなことないよ」ボソッ

京太郎「ん?」

健夜「よーし! 恋人記念に一緒にお風呂入ろっか!」

京太郎「飛躍! 一日目にやることじゃない!」

ワイワイギャーギャー

本当はね、ずっと前にもう負けてたんだ

京太郎くんって、本当に可愛かったんだもん

『じゃあお姉ちゃんに勝ったら結婚してくれるの!?』

じゃあ、私から一回でもロンできたら京太郎くんの勝ち、ね!

『らくしょーだぜ!』


『ロン! へへ、勝ったぜー!』

…………へ? な、なんで!?

『なんでって……お姉ちゃんと結婚したかったから!』

………………よーし、お姉ちゃん本気だしちゃうぞー。


大人げないかもしれないけど

でも……

本気にさせたのは、京太郎くんだよ?



次回のお題

【タコス日和】

書き次第投下予定

【タコス日和】

京太郎はヘタレ男だ

「和はほんと可愛いなぁ……。声かけろ? ムリムリ俺なんか相手にされないって」

京太郎は変態だ

「おもち! やわらおもち! ロマンだよロマン!」

京太郎はすぐ妄想する

「………………デヘヘ……和ぁ、皆が見てるだろ……あいで! なにすんだよ!」

京太郎はタコスを買ってきてくれる

「ほれ、買ってきてやったぞ。ありがたく食べやがれ」

京太郎は嘘つきだ

「俺は初心者だからな。今は皆をサポートできてるだけで十分だ。来年から頑張れば良いんだよ。来年から……」

京太郎は優しい

「今回ダメでも次があんだろ? 落ち込むなよ、優希」

京太郎は怒らない

「うるせー、弱くて悪かったな! 覚えとけよ! 上手くなったら飛ばしまくってやるからなー! ……はは!」

京太郎のことが

京太郎「あのなぁ……! だから抱きついてくんなつってんだろ!」

優希「うぇ……」ビクッ

初めて京太郎が大声をあげた

皆が驚いてこっちを見てる

皆も……私もいつものことだと思ってたから、だからそんないつもと違う光景に驚いてしまった

京太郎に拒絶されたと思って、私は怖くなった

でも、すぐにそんな恐怖は消えた

まこ「おう、京太郎が優希に照れるなんて珍しいのぉ」

「本当ですね! 先輩の顔真っ赤ですよ!」ニヤニヤ

京太郎「な、なんすか! 俺はもっとこう、慎みを持てってことが言いたかっただけで! お前もニヤニヤするんじゃねー!」

最近、京太郎の様子がおかしかった

妙に避けられていた気がした

抱きつこうとしても、片手で簡単にあしらわれた

だから今日、京太郎の隙を狙って抱きついた

その結果がこれだ

京太郎の顔は更に赤くなり

皆の視線に耐えられなくなって、部室を飛び出していった

私はタコスにかじりついた

優希「京太郎」

京太郎「げ……なんだ、優希かよ……」

優希「まったく、部活を抜け出すなんてどうしようもない奴だじぇ。やっぱりお前には首輪をつけるしかないじょ」

京太郎「んだと? 元はと言えばお前のせいじゃねぇかよ」

優希「前からやってるちょっとしたスキンシップだった筈だじぇ。今更なに恥ずかしがってんだ、京太郎?」

京太郎「……それは……そうだけど」

優希「今までが良くて、これからがダメな理由なんてないだろ?」

京太郎「…………ダメだろ、普通に考えたら。お前は一応女なんだから。さっきも言ったけど慎みをだな」

誤魔化そうとしているのが良く分かった

さっきの表情

今の表情

私は、諦めていた自分の感情に、火をつけた

一気に燃え広がる、私の感情

一歩間違えれば、二度と元には戻れない

でも……

優希「―――京太郎。……私のこと意識してるのか?」

京太郎「なっ……!?」

優希「だってそうだろ? そうじゃなかったらおかしいじぇ。私はお前から見たらどうしようもない幼児体型のお子ちゃま女、欲情もしない発情もしない、友達みたいな奴……だよな?」

京太郎「ゆ、優希?」

優希「…………京太郎がそう望んだから、だから、京太郎の居心地の良い距離に居てやったのに。あんまりだじぇ」

京太郎「ちょ……どうしたんだよ? お前、なんか変だぞ……?」

優希「変なのは……京太郎だじぇ! お前が、お前が突き放そうとするのが……悪いじぇ……」

京太郎「…………別に、突き放そうとなんて……」

優希「ならなんで私を避けた? 顔赤くして逃げたんだじぇ!?」

京太郎「…………………………」

優希「……答えるじぇ」

京太郎「…………あーー!! そうだよ!! あーそうさ! 悪いか! お前のこと散々馬鹿にした癖に、お前のことを女として意識しちまったさ! 悪いかこのタコス女!」

優希「!!!」

京太郎「クソ……仕返しのつもりかよ……。もういい、認めたら楽になった。好きに罵倒しろ」

勘違いしている京太郎を無視して、私は身体が軽くなるのを感じた

京太郎と両想い

あり得ないことだと思ってた

こんなこと絶対に無いって

のどちゃんが近くにいる間は、無理だって

私は京太郎の胸に飛び込んだ

京太郎「わっ、と!? ゆ、優希?」

優希「…………馬鹿。もっと早く言え、このヘタレ」ギュッ

京太郎「…………え? あれ? ……あれ!? これそういうことなのか!?」

優希「私が好きでもない男に抱きつくような痴女に見えたか?」

京太郎「……まぁ、ぶっちゃけ」

バチんっ!!!

京太郎「いてぇ!!」

優希「この馬鹿犬」

京太郎「い、いやだって……散々和のこと言ってたから……」

優希「我慢してたに決まってんだろー! のどちゃんのどちゃん言われて勝負かけるほど私は愚か者じゃないじぇ!」

京太郎「……………………。ごめん」

優希「…………ほんと、馬鹿だじぇ。私がどんな気持ちだったか、お前に分かるか!? 頑張って友達で居続けて、なのにいきなり避けられて!」

京太郎「いやだってよぉ! 今更「お前のこと好きになっちまった」って言って通るほど甘く見てなかったし……」

優希「そうだ! どこだじぇ! 私のどこを好きになったんだじぇ!?」ユサユサ

京太郎「な……べ、別に良いだろそんなこと!?」

優希「せめてそれくらい聞かないとやってられないじぇ!」

京太郎「…………いや……なんか柔らかくて、たまーに可愛いなこいつ、って思ってたら、いつの間にか……ロリコンのつもりはなかったんだけどなぁ……今だって和のことは好みだし……」

優希「…………そ、そうか」///

京太郎「言わせておいて照れてんじゃねぇよ!」

数日後

京太郎「…………………………」

優希「今日も京太郎の作ったタコスは美味いじぇ!」

京太郎「……なんで俺の膝に座ってタコスを食う?」

優希「んもぉ、照れちゃって……あ・な・た」

京太郎「降りろボケ!」ゴス!

優希「いた! なにするじぇ!」

京太郎「こっちの台詞だタコスキチ!」

「先輩たち、付き合うことになったのに以前とあんまり変わんないですね」

まこ「ま、あいつらはああいう距離感が一番楽ってことじゃ」

和「とりあえずは、優希の想いが報われて良かったと思うことにします。泣かせでもしたら……」ゴゴゴ

京太郎「わ、分かってるって……はぁ……」

優希「……京太郎」

京太郎「ん?」

優希「今日もタコスが美味いじぇ!」



次回のお題

【片目のお姉さん】

なんか本来書こうとしてた京優からだいぶかけ離れてしまって優希のキャラ崩壊を起こしてしまった

『変? なんで? オレはみほねーちゃんの目、綺麗だって思ったよ?』

綺麗?

『うん! 綺麗だったよ!』

初めて、そんなこと言われた

『そうなの? なんでだろうね』

…………ありがとう


行っちゃやだ!

『ごめん……でも、お父さんの仕事で……』

やだ! やだやだ……!

『ごめん、みほねーちゃん。でも、オレいつかまた帰ってくるから』

置いていかないでよ……

『大丈夫。すぐ戻ってくるよ』

置いていかないで!


『久しぶりだな、ねーちゃん!』

……え? 京太郎、くん?

『9年ぶりか? めっちゃ美人になってて驚いたぜ!』

……あの……

『あ、いきなり迷惑だった? 昔よく遊んだからって、慣れ慣れすぎたか』

そ、そんなことないわ!

『そう? 良かった! また仲良くしてくれると嬉しいな!』

…………うん……

二ヶ月後……

京太郎「ねーちゃん? ねーちゃーん?」

美穂子「え?」

京太郎「ボーッとしてどうかした?」

美穂子「あ……ううん。ごめんなさい、少し考え事をしちゃって……」

京太郎「別に良いけどさ。体調悪かったら言えよ?」

美穂子「ええ、ありがとう京太郎くん」

京太郎「にしても風越かぁ……俺も風越に通いたい!」

美穂子「もう……女の子がいっぱいいるからでしょ?」メッ

京太郎「いて。でもさ、やっぱり高校生にもなったら考えるってそういうの。ねーちゃんは無いの? 彼氏欲しいって」

美穂子「んー……私は……今は、いいかな」

京太郎「ま、ねーちゃんはそうか。作ろうと思えばいくらでも作れそうだしな」ハハッ

美穂子「そうかしら?」

京太郎「美人が嫌いなんて男はそうそういないもんだって」

美穂子「美人なんかじゃないわ。京太郎くんだって女の子に人気あるんじゃないの?」

京太郎「俺が? なんで?」

美穂子「だって、宮永さんに片岡さんも、いつも一緒にいるじゃない」

京太郎「あのなぁ……あいつらはただの友達でそれ以上も以下も無いの。ストライクゾーン軽く離れてるし」

美穂子「…………京太郎くん? どこ見てるのかしら?」

京太郎「ねーちゃんのおもちが悪い」

美穂子「もー!」ペチペチ

京太郎「いたた! ……でも、やっぱりその内彼女とか作りたいよなぁ……デートとかして、イチャイチャしたり……うへへ……」

美穂子「…………そんなに急がなくても良いんじゃないかしら?」

京太郎「ねーちゃん、甘いぜ……あまあまだぜ! 優良物件ってのはすぐに埋まるもんなんだ!」

美穂子「すぐ埋まる……」

京太郎「早い段階で好みの奴に好かれなきゃ、気が付けば隣に別の男ってもんだ……あー悲しい」

美穂子「隣に、別の……」

京太郎「っと、そろそろ急がないとこっちは間に合わないか。じゃあまた明日な、ねーちゃん!」タタタ

美穂子「…………嫌だな……」ボソ

~~~~~~

美穂子「…………」

華菜「どうしたんですか? キャプテン、顔色が悪いですけど……」

美穂子「華菜……ううん、なんでもないのよ。ごめんなさい」

華菜「いえ。何かあったなら言ってください! なんでも力になりますから!」

美穂子「……華菜は、恋人とかいたことはあるかしら?」

華菜「こ、恋人ですか? いえ、無いです」

美穂子「やっぱり欲しいと思う?」

華菜「今は麻雀一筋ですから! それに……そんな話をしようものなら……」ガクガクブルブル

美穂子「そうよね……」

華菜「……えーと……なんでそんな質問を?」

美穂子「ううん。本当に、ちょっと気になっただけなの。恋ってなんなのかしら、ってね」

華菜「恋ですか……え、もしかしてキャプテン!?」

美穂子「……内緒よ、華菜」シー

華菜「は、はい! もちろんです!」

美穂子「私ね、昔からその子のことが気になってたの。いつも楽しそうにしてて、どんな人とでも仲良くして……私を置いて行っちゃって」

華菜「…………」

美穂子「久しぶりに会ったその子は、大きくなってて、でも昔と何にも変わってなかったわ。とっても良い子で、久しぶりに合ったのにまるで昨日まで会ってたように普通に接してくれて……」

華菜「……告白とか、したり?」

美穂子「……ううん。私なんかが告白しても、迷惑よ。あの子は、京太郎くんは……モテるから。フラれて、話せなくなるくらいなら……」

華菜「え、えええ!? キャプテンでも無理なくらい理想高いんですかそいつ!? 一、二発ぶん殴って目覚まさせてやった方が良いですよ!」

美穂子「………………ありがとう、華菜。話したら少しだけ楽になったわ」

華菜「キャプテン! そんな男忘れた方が良いですよ! もっとちゃんとした…………ぁ」ゴク……

美穂子「…………やっぱり……私じゃ、京太郎くんと釣り合わないわよね……」フラ

華菜「ちょ、まっ……そういう意味じゃ「池田ァァァァ!!!」ひっ!?」

~~~~~~

数日後

ピンポーン

…………タッ、タッ、タッ

コンコン

「ねーちゃん、入るぞー?」

美穂子「…………」

ガチャ……

京太郎「大丈夫か? 倒れたって聞いたけど」

美穂子「……京太郎くん。わざわざ来てくれてありがとう。軽い貧血みたいだから、大丈夫よ」

京太郎「大丈夫なら良かった。なんか色々買ってきたけど、食べる?」

美穂子「ありがとう」

ガサガサ……

美穂子「…………美味しい」

京太郎「にしてもねーちゃんの部屋、久々に入ったなぁ。相変わらず綺麗に整理してある」

美穂子「女の子の部屋をじろじろ見ちゃダメよ?」

京太郎「そんなことしないって。ちょっと様子見るだけのつもりだったから、すぐ帰るよ」

美穂子「…………そう」

京太郎「ん? どうしたんだよ、ねーちゃん? 不満そうだけど」

美穂子「え? 私……そんな顔してたかしら?」

京太郎「バッチリな。なんかあった?」

美穂子「そう……そうね……。ごめんなさい……そんなつもりじゃなかったの……」

京太郎「んー……あ、もしかして一緒にいて欲しいとか? 病弱になると甘えたくなるらしいからな。咲のやつも前、風邪ひいてぶっ倒れた時に「京ちゃん、一緒にいて……」とか甘えてきてさ」

美穂子「………………」

京太郎「安心してくれよ、ねーちゃんのこと置いてったりしないから」

美穂子「…………うそつき……」

京太郎「え?」

美穂子「うそつき……うそつきうそつき!」

ドンッ!!

京太郎「いっ……!?」

美穂子「置いてったじゃない! 私のこと! 置いて……行って……」

京太郎「ね、ねーちゃん? なんの話だよ!?」

美穂子「私は……ずっと泣いてたのに……京太郎くんは来てくれなかった……。うそつき……」グスッ

京太郎「……えっと……引っ越した日の事、だよな? でもそれは」

美穂子「分かってるわ! 京太郎くんにはどうしようもないことだって! 分かってるけど、分かってたけど……!」

京太郎「……ごめん」

美穂子「また、京太郎くんに置いて行かれちゃう……って……そう考えたら、怖くて……怖いの……」

トッ、トッ……ぼす

京太郎「え……ね、ねーちゃん?」

美穂子「…………京太郎くん。お願い……他の子なんて好きにならないで……」シュル

京太郎「えっちょ……ま、待って! ねーちゃん、今おかしくなってるって! ゆっくり休もうぜ! なぁ!?」

美穂子「好きなの……好きだったの……。臆病だった私と仲良くしてくれて……私の目を、綺麗って言ってくれた……私、こんなに……」スッ

京太郎「ふ、服脱ぐなってば! 落ち着いて! やばいって!」ジタバタ

美穂子「…………好き…………」フラ……ドサ

京太郎「ちょ……ねーちゃん!? ねーちゃん!」

数時間後

目覚めた私は……全てを覚えていた私は……正気に返った私は……。

美穂子「~~~」ジタバタ

京太郎「あー……気持ちはわかるけど落ち着いて」

美穂子「私はなんてことを…!」

京太郎「……あの……俺の事好き、ってのは……マジなのか?」

美穂子「~~~」///

京太郎「……なんかごめん、こんな風に言いたくなかったよな……本当間が悪すぎた」

美穂子「…………ううん、京太郎くんは悪くないわ。少し熱があったからってあんなことした、私が……ぅぅ……」

京太郎「んー、と……ごめん、ねーちゃん。俺さ、ねーちゃんのことそういう対象としてみてなかった」

美穂子「……あ」

京太郎「あーっと! 勘違いしてそんな絶望した顔にならないでくれ! 見ないようにしてたんだよ! ねーちゃんとは友達のままでいたかったから!」

美穂子「見ないように?」

京太郎「うん。ねーちゃん、昔から可愛かったからさ……そういう対象で見たら、微妙な関係になっちまいそうで嫌だったんだよ」

美穂子「そ、そんな」///

京太郎「だから……ごめん! 少しだけ、時間くれ! ちゃんと告白の返事はするから!」

美穂子「告白!?」

京太郎「あれ!? 違ったの!?」

美穂子「ううん! あれは告白です!」///

京太郎「お、おう! ……まぁ、その……ねーちゃんのこと好きだから、断らないとは思うけど……ねーちゃんのことねーちゃんとして見てる俺が返事するのも違うかなって……なんか上手く言えねーけどさ! そんな感じだから!」

美穂子「う、うん……待ってる、ね?」



次回のお題

【プロ? 幼女?】

キャップって重そうじゃね?
って思いながら書いたらこんなんになった
キャップとイチャイチャしたいだけだったのに

あ、お題間違えた

【プロ? 幼女? NO! 合法ロリ!】

こちらです

病弱とは
弱く、病気にかかりやすいこと。
病気で体が弱ってること。

×「病弱になると~」
○「病気で弱ると~」
◎「美穂子はエロ可愛いから~」

sorry

【プロ? 幼女? NO! 合法ロリ!】

京太郎「なぁ、咏さん」

咏「なんだよ?」

京太郎「やっぱりどう考えてもこの体勢はおかしいと思うんだ」

椅子に座る京太郎の膝に座る咏

咏「椅子の癖に喋んじゃねーっての。ほら、手止まってるぜ」

京太郎「大体今日は全国一になった俺のお祝いが目的だったんじゃねーの? 「お前の打牌はまだまだ甘い!」ってなんだよ」カチカチッ

咏「指導するっつったらお前逃げんだろーが」

京太郎「たりめーだろ。女子団体の方も優勝して皆で祝勝会する筈だったんだぜ?」

咏「それが既に間違ってるんだぜ。浮かれんじゃねー、駄目だった部分を家で反省するもんだろーが」

京太郎「健夜さんにコテンパンにされた咏さんが俺に何をしたのか忘れたとは言わせねーぞ」

咏「何言ってんのかわっかんねー」

京太郎「きたねぇ……」

咏「クソ雑魚だった京太郎を鍛えてやった私に向かって汚いは無いんじゃねーの?」

京太郎「頼んでねぇから! 休みの度にプロの中に引っ張って来やがって! おかげさまで今大会放銃率0%だっつーの! 大人気なくむしりとりやがって!」

咏「良いことじゃねーか。知らんけど」ケラケラ

京太郎「一時期麻雀嫌いになって咏さんからの連絡無視したら、マジギレして部屋に強襲仕掛けてくるし……」

咏「大事な姉貴分シカトしたんだ、そんくらいで済んで軽いもんだろ?」

京太郎「自分で言ってりゃ世話ねーな、ったく……。ほれ、一位抜けだしこれでいいだろ?」ロン

咏「本当生意気になったもんだねぃ……昔は「うたさんうたさん」ってくっついて回ってたってのに」

京太郎「本性知るまでの数日間のことを未だに覚えている咏さんに、感動と軽い目眩を感じるねまったく」

咏「ちょっと強くなったからって調子に乗りやがって。生意気な口は私に土つけてからにしやがれっての」

京太郎「じゃあそうできるように特訓でもしてくるからしばらく家に来ないでくれよな」

咏「そいつは無理な相談だ。ほっとくとすぐ怠けるからな、お前は」

京太郎「怠けねーから。咲とか和とかと勉強するっての」

咏「なら私でも良いじゃねーか」

京太郎「咏さんに教えてもらっても一生咏さんには勝てねぇだろ!」

咏「勝たせねーって言ってんだ!」

京太郎「これだから小さなジャイアンは……いっててて!!!」

咏「小さいは余計だ!」ギュー!

京太郎「分かったから! はぁ……」

咏「私はな、調子に乗んなって言ってんだ。いろんな奴に囲まれて鼻の下伸ばしてんじゃねーっての」

京太郎「調子にくらい乗らせろよ……優勝だぜ優勝」

咏「お前が優勝なんて世も末だな」

京太郎「チッ……」

咏「あ、舌打ちしたな? マジな感じの舌打ちしたな? それかなり来る奴なんだからな!」

京太郎「なら面倒くさい絡み方すんじゃねーっての……」

咏「チッ、仕方ないな。ところで京太郎、お前さ。卒業したらプロになるつもりはあるのか?」

京太郎「あ? ねーよ、んなもん」

咏「無いのか?」

京太郎「あんな世界に好き好んで飛び込んで行きたいと思わん」

咏「ま、気持ちは分かるけどな。誰もお前をほっとかんと思うぜ。もちろん私もだ」

京太郎「んだよ、俺は情けない優勝者なんだろ」

咏「拗ねてんのか?」

京太郎「別に」

咏「あのな、今は情けねーかもしれないけど、お前にゃ才能があるんだ。いずれプロとしてやってける才能がな」

京太郎「…………まぁ、そう褒められて悪い気はしないけどさ。やっぱ麻雀はな……やってて楽しいと思えん」

咏「……私のせいなんだろうな」

京太郎「ようやく自覚してくれたか」

グググッ

京太郎「ぎにゃあ!? ごめんごめんごめん痛い!!」

咏「悪かったとは思ってんだよ私だってさ。主に私とすこやんとはやりんのせいでお前は本当に麻雀のこと嫌いになってたし」

京太郎「いてぇ……」

咏「でもさ、私らだって京太郎憎しでやってた訳じゃねーんだ。お前は昔から物覚えが良くて、教えれば教えたぶんだけ上手くなってたから、私たちも楽しかったんだよ」

京太郎「……今ようやく理解した。咏さん、俺のこと止めに来たんだな?」

咏「明日のインタビューにでも引退宣言する気だったんだろ。バレバレだっての」

京太郎「咏さん達に悪意がなかったのはガキの俺でも分かったよ。俺のこと好きなんだな、ってのは伝わってたし。けどさ……」

咏「なんだよ」

京太郎「10局連続役満大会になってどんな打ち方しても瞬殺された俺の気持ちわかんの? ねぇ?」

咏「お前が弱いのが悪い」

京太郎「これだもんな!」

咏「ってのは冗談だっての! あれも一応意味があったんだよ! 麻雀ってのは時に理不尽なものだってのを教えたくてだな……」

京太郎「少なくとも小学生のガキにやることではねぇんだよなぁ」

咏「流石に反省してちゃんと教えてったろ!」

京太郎「押し付けがましいにも程があるってんだ! なんにせよ俺はもう麻雀はやんねーぞ!」

咏「良いのか? もしそうなったらお前、私の家で住み込みの雑用だぜぃ?」

京太郎「は!? な、なんでだよ!?」

咏「そりゃそーだ。お前唯一の特技でもある麻雀を捨てる……これを聞いたお前の両親はどう思うだろうなぁ?」

京太郎「き、きたねぇ! 喋ったな!?」

咏「勉強は下の上、麻雀があるからと大目に見てたお母さんはなんて言うのかねぃ……わっかんねー、わっかんねーなぁ」

京太郎「く……」

咏「そこへ早速と私が登場だ。住み込みの雑用をするだけでそこいらの公務員にゃ稼げない給料+三食部屋付き。これ以上ない条件って訳だ」

京太郎「へ、へ! んなもん家を出て自由にやってやんよ!」

咏「あのなぁ……私と、すこやんと、はやりんが。お前を逃がすとでも思ってんのか? そりゃもう凄い追い込みかけるぜぇ?」

京太郎「ヤクザじゃねーか!」

咏「当たり前だ。【私達】に気に入られた時点で詰みって奴だったんだぜぃ」ケラケラ

京太郎「鬼! 悪魔!」

咏「お前さんに他にどうしてもやりたいことがあるってんなら、応援してやるつもりだったけどねぃ。そうでもなさそうだし話は別って訳だ」

京太郎「なんでこんなことに……」

咏「……でもよ、どうしても麻雀やりたくねーんなら、ってことでさっきの……私の付き人って仕事も用意してやったって訳だ」

京太郎「選択肢の幅狭すぎんだよ! っていうか付き人ってなにすんだ……?」

咏「私のマネージャー業、家のこと、基本私に絶対服従」

京太郎「奴隷かよ!?」

咏「自由はないと思いやがれ」

京太郎「ブラックどころの騒ぎじゃない!」

咏「それぐらい、私はお前を手放したくないってことだ。もちろん夜の相手もしてもらうからな」

京太郎「は? ……おいおい、冗談にしては」

立ちあがり、京太郎の目を真剣に見つめる咏

咏「私は冗談で言ってる訳じゃねー。大マジだ」

京太郎「……みたいだな」

咏「ったく、京太郎の癖に競争相手多すぎんだろ。あちこちの女に手ぇ出しやがって」

京太郎「出してねーよ……つかなんのことだよ……」

咏「すこやんもはやりんも京太郎の好きなところに家建てても良いとか言い出してるしな。とんだ天然タラシ野郎だ」

京太郎「そんなことになってたのかよ……」

咏「そんなわけでだ。どうしても私の手の届く範囲に置いてやる。選べ、京太郎。私と一生を過ごすか、私と一緒に行くか」

京太郎「…………咏さんも俺のことが好きって事だよな?」

咏「…………私は普段はテキトーにしてるけどな。でも、ここで冗談は言わねーぜ。好きだ、京太郎」

京太郎「……分かった、プロにでもなんでもなるよ」

咏「…………」ムッ

京太郎「そんな顔すんなって。正直咏さんのことは、途中ちょっと嫌いだったんだ」

咏「……泣くぞ? 泣いちまうぞ?」

京太郎「当たり前だろ。めちゃくちゃばかりしてたんだから。どんなに頑張っても認めてくんねーし。……うん、そうだ。俺は咏さんに認めてほしかった」

咏「……どういうことだよ?」

京太郎「優勝したら認めてくれるって、褒めてくれるって……そう思ってたよ。俺は、その為に頑張ってたんだから」ジッ

咏「……。良くやったな、京太郎。まだ甘いところはあったけど、今日のお前は凄かったぜ」

京太郎「もっと早く聞きたかったよ、それ。告白計画丸潰れだからな、先に言われるし」

咏「は?」

京太郎「咏さんに褒められて、ここまで頑張ったのは咏さんに認めてもらいたかったからって言って、そのまま告白。一年間毎日のように考えてた言葉が今日咏さんに会った第一声で木端微塵。本当、あんまりだよな」

咏「………………え、マジ?」

京太郎「マジ。優勝で認められないならってもっと勉強して咏さん倒すつもりだった。バレないようにな」

咏「…………よし、やり直すぞ京太郎。今日という日を」

京太郎「無理」ガッ

咏「え」

チュッ

京太郎「…………誰かに靡くつもりなんて元々ねーよ。心配し過ぎ。二年前から咏さん一筋だっての」

咏「………………言えよ! 言えよな! ここまで、手回して……準備してた私が馬鹿みたいじゃねーか!」

京太郎「事実馬鹿だろ。一人の男にここまですんだから。……嬉しいけどさ」

咏「……くそ……なんだよ、恥さらしただけじゃねーか……」///

京太郎「でだ。今まで好き勝手やられたお返しだ……もう我慢しねーぞ? 夜の相手させるって言ったんだ、覚悟はとっくに出来てんだろ」

咏「え、ちょ、い、今!?」

京太郎「当たり前だ」ガバッ

咏「ま、ストーーー」



次回のお題

【龍門渕 京太郎】

どうオチ着けようかと少しかかった
次回は少しだけシリアス

ごめんなさい
書いたは良いけど当初予定していた以上に酷い話になってしまった、ワンチャン胸糞まである

お蔵入りにしようか悩んだけど、これどうしよう……

オッケ、半くらいから投下する

一応注意、胸糞展開無理なら見ない方が良いかも
自分が胸糞って思ってるだけでマイルドかもしれんけどもね

世の中には勝ち組と負け組の人間がいる。

生まれたときから勝ち組の人間もいれば、生まれたときから負け組の人間もいる。

生まれたときに勝ち組でも、それなりの努力をしなければ負け組になるし、その逆もまた然り。

俺は、いわゆる勝ち組と言える生まれだった。

龍門渕。

様々な事業を手掛け、そのすべてにおいて成功を収めてきた家の長男として生まれることができたからだ。

だが……。

ある日、俺に妹ができた。

名前は透華。

彼女は、俺のひとつしたの妹は。

俺よりもずっと、優秀な人間だった。

~~~~~~

昔は仲の良い普通の兄妹でした。

お兄様は優しくて、いつも私のことを見ていてくれて。

お兄様に褒められるのが嬉しくて、私はなんでも頑張りました。

ピアノを褒めてもらいました。

テストの点数を褒めてもらいました。

お兄様が好きな麻雀を覚えて、褒めてもらおうと思いました。

お兄様の好きな役の平和を教えてもらいました。

毎日毎日、お兄様に教えてもらいました。

お兄様は手加減をしてくれて、私はお兄様に勝つことができました。

お兄様の顔色が優れない日が続いて、私は不安になりました。

辛そうに笑うお兄様を見て、私の麻雀が下手だからだと思い、自分の部屋でも勉強しました。

私はお兄様に褒めてもらおうと……必死で……。

『俺に触るな!!!』

お兄様に、手を弾かれました。

何が起きたのか分からなくて、でもお兄様の表情を見て、私は理解しました。

お兄様から向けられている感情は…………敵意。

お兄様は走って部屋から出ていってしまって、私はお兄様を止めることもできないほどに未熟で。

それから、お兄様は変わってしまいました。

私を見る目に感情はなく。

私の存在なんて無いかのように。

何度話しかけても、無視されて……。

私は……寂しくて……。

~~~~~~

「透華、良くやったぞ!」

目の前で父さんに褒められる透華。

「京太郎、お前も透華に負けないようにな」

俺も透華のことは凄い奴だと思っていた。

何をしてもあっという間に自分のものとしてしまう。

羨ましかったから、俺も頑張った。

頑張って頑張って、頑張っても追い付けない。

才能の差はどんなに頑張っても埋められない。

天才で努力家の透華に、俺が勝てる要素なんてなかった。

でも俺にはひとつだけ。

たったひとつだけ得意なことがあった。

麻雀だ。

父さんに言われて父さんの友人と打った俺は、初めて父さんに褒められるほどの大勝をした。

それが嬉しくて、俺は学校の勉強の傍ら麻雀にのめり込んで行った。

ある日透華が、麻雀を教えてほしいと言ってきた。

俺は得意になって、麻雀を教えた。

二人でやる麻雀だけど、これなら透華にも負けないだろうと思っていた。

「お兄様、それですわ! ロンです!」

その手は、平和のみ。

だがそれだけに留まらず、和了り続けた透華は俺を飛ばした。

次の日も……次の日も……。

俺がどんなに手を尽くしても、透華に勝てない。

二人だけの麻雀だから……と自分を納得させたが、それだけでは済まない程に透華は引くべき所で引き、当然のようにツモった。

俺は格の違いを思い知った。

心配そうに俺の額に触れる透華。

俺は…………。

~~~~~~

「あぁ、透華はまた一番だ」

「凄いわね。誇らしいわ」

「いずれは透華に家を継がせ、京太郎には透華の補佐をしてもらおう。京太郎も優秀な子だ、二人なら龍門渕を今よりも強くしてくれるだろう」

「えぇ……でも京太郎は納得するかしら?」

「大丈夫だ、あいつも賢い」

「そうね。二人で頑張ってもらいましょう」

「あぁ」

………………

………………

………………

分かったよ、父さん

何をしてでも

勝てば良いんだろ?

~~~~~~

「京太郎、話がある」

京太郎「なんでしょうか」

「……○○建築を潰したのはお前だな?」

京太郎「あぁ……はい、その通りですが。あそこはうちの仕事を掠め取ったりしてまして……邪魔でしたからね」

「確かに目に余る所もあったな。だが随分強引な手を使ったようだな」

京太郎「一般的では無いでしょうね」ハハ

「京太郎、ひとつ言っておく。お前のやり方は、いずれお前の身を滅ぼすことになる」

京太郎「…………」

「分からない訳ではないだろう。敵が増え」
京太郎「父さん」

京太郎「俺が……そんなことも考えていない無能だとでも思っているのですか?」

「……な」

京太郎「あぁ……父さん達にしてみれば俺は透華以下の無能でしたね、そういえば」

「京太郎!」

京太郎「逆らう人間が増える? 放置するからそうなるんでしょう。そういう人間は、端から全て根絶やしにすれば良い。逆らう気も起きない程に」

「何を言っている!? そんなことがで」
京太郎「できますよ」

「……!?」

京太郎「……俺の邪魔をする人間は、二度と、立ち上がる気も起きないほど、徹底的に……潰します」ニコッ

「……お前は……」

京太郎「父さん、俺ごときに何故怯えているんですか? 今、父さんは何を考えているんですか? もし俺の考えている通りなら、それはやめた方が良い。どうか……父さんと敵対しないことを願っていますよ」スタスタ

「京太郎! 待ちなさい!」

京太郎「……俺は……徹底的にやりますよ? どちらかが死ぬまでね」スタスタ

「京太郎!」

ドンッ

透華「ッ! ……お兄……様……」

京太郎「………………」スタスタ

透華「待って、待ってください!」グッ

京太郎「触るな!!」バシッ

透華「きゃあ!」ドサッ

「透華! ……京太郎、なんてことを!」

京太郎「これ以上俺をイライラさせるなよ……目障りなんだよ、お前。一生あのバケモノと一緒に遊んでろ、俺の前に姿を見せるな」

透華「なっ――――――お待ちなさい!」タッ

ガシッ

透華「私をどう言おうと構いません。ですが、衣の……私の友人への侮辱は許しませんわ!」

京太郎「なんだと?」

透華「取り消してくださいませ!」

京太郎「ハ……ハハハハハハ!!! お前、少し見ない間に随分と頭が悪くなったんだな? 真実で突かれて頭に血を上らせるような……いや、まるで野蛮人そのものじゃないか」

透華「な……!?」

京太郎「バケモノにバケモノと言って何が悪い!? あいつは疫病神だ。両親を殺したのがあいつなのは知っているだろう? 他者を支配する能力まで持っている……なぁ? バケモノそのものだろう?」

透華「違う! 衣にはなんの非もありませんわ!」

京太郎「あぁ、お前がそう思うんならそうなんだろうな。クックック……。一生そうしてろ、透華」

透華「…………勝負ですわ……」

京太郎「……あ?」

透華「どちらが正しいのか、麻雀で勝負ですわ!!」

京太郎「…………おいおい、俺の話を聞いていたか? お前が信じたいものを勝手に信じ」
透華「許せません!! 許せません許せません許せません許せません許せませんわぁぁ!!」

キィィィン!!!

京太郎「ぐ……!?」

透華「私が勝てばお兄様は非を認め、衣に謝罪してもらいます!! ついでに私の言うことも聞いてもらいます!!」

京太郎「そんなことになんの意味が」

透華「お兄様が勝てば! ……私は、金輪際、お兄様の前に姿を見せません!!」

京太郎「…………ハッ。それは良いな。あぁ良いぜ、受けてやるよその勝負」

透華「ッ……。日時は明日の13時! 四人麻雀で決着をつけます! メンバーは私とお兄様、それに衣とハギヨシを入れますわ!」

京太郎「へぇ……」

透華「ハギヨシには公平に、あくまで自分が勝つように打ってもらいます! 私も、衣もですわ! 良いですわね!」

京太郎「あいつかハギヨシが勝った場合はどうするんだ?」

透華「その時の私とお兄様の順位で決着をつけますわ!」

京太郎「分かった。……楽しみにしてるぜ、透華」スタスタ

透華「……………………」

「……透華」

透華「お父様……お兄様の、あの瞳は……何故あんなにも……」

「すまない、私のせいだ。もっと早く気付いていれば……」

透華「……明日……決着をつけます。必ずお兄様に認めてもらいます!」

~~~~~~

楽しそうだった。

悪意なんてなかった。

楽しそうにしている透華のことが、とても羨ましかった。

俺も透華と……遊びたかった。

でも何をしても勝てない。

長男だから勉強をして、家を継がないといけないから。

だから、勉強を頑張った。

いろんなものを犠牲にして、龍門渕を背負うのに相応しい人間になろうとした。

なのに……なのに。

あいつは、透華は、楽しそうに遊んでいるだけの妹は、俺の存在意義すらも奪っていった。

周りにはいつも友人がいる。

俺にはいない。

俺の周りにいるのは、龍門渕の名に集ってきた奴らだけ。

遊んでるだけのあいつが……俺から……何もかも……。

京太郎「そうだ、お前は俺から全てを奪った。憎い……憎くてたまんねぇんだ……」

透華「………………」

京太郎「だから、今度は俺が奪ってやるよ。居場所も友も名前も……なんなら命すらも」

衣「そんなもの……ただの逆恨みだ!! ツモ! 8000オール!!」

京太郎「それで結構。俺が今生きている理由は、透華への憎しみだけだ」

衣「…………お前は、狂っているぞ!!」

京太郎「ハハハ。どうしたバケモノ、そんなに焦るなよ。まだ俺の点棒は一万点ほど残ってるんだ、まだまだ遊べるぞ?」

衣「衣はバケモノなんかじゃない! 天江 衣だ!」

透華「………………お兄様……私は、お兄様に認められたかっただけで……」

京太郎「良かったじゃないか! 今ここにいる俺以外の全員がお前を認めてくれているぞ! 龍門渕を背負って立つのは龍門渕 透華だってな!」パチパチ

一「ッ……いい加減に」

純「やめろ。場外のオレ達は口を挟まねぇ約束だろ」

一「…………くっ」

透華「私は龍門渕の名に執着などありません! お兄様の方が相応しいと思っています!」

京太郎「だからどうした? 俺も興味ない。ただお前という存在を認めたくないだけだ」

透華「なんで、なんで! なら私はどうすれば」

京太郎「――――死ねよ。透華」

………………

京太郎「安心しろ。お前が死ねば俺も一緒に死んでやる」

透華「――――――」

京太郎「俺はお前を一生認めねぇよ。死ぬまで認めねぇ。お前の不幸を願って願って願って願って願い倒してやる。お前が死ぬときが俺の死ぬときだ。出来るだけ惨めに、絶望的に死んでくれ。俺が味わってきた絶望を少しでも感じてくれたら最高だな。ハハ……ハハハハハハ!!!」

透華「………………」

京太郎「続けようか。こんなつまらない麻雀はさっさと終わらせたい」

衣「………………お前は、間違っている。家族は大切にしないといけないんだ。死ぬと、寂しいんだぞ……?」

京太郎「あぁ、そうかもな。だけどさ……俺は! 透華を否定しないと立ってられねぇんだよ!! 今まで誰にも認められたことなんてなかって!! どんなに努力しても【無邪気な透華】に全部奪われた!! 皆は透華を褒めて俺は出涸らしかのような扱いだ!!」

透華「…………」

京太郎「いつまでたっても追い抜けねぇ! いつまでたっても俺は二番だ! だからよ……」

【修羅】

京太郎「お前だけは俺の命をかけて地獄へ叩き落とす……!」ゴッ

【治水】

透華「………………」ゴッ

【支配】

衣「たとえ京太郎でも、透華をいじめるなら……衣が許さないぞ!」ゴッ

衣「(とてつもなく息苦しい……京太郎は、こんなに威圧感のある男だったか……? 衣の支配でも覆せない透華の治水ですらも包み込めない、圧倒的な激情……)」

京太郎「ツモ! 三色チャンタ南ドラドラで6000.3000だ!」

衣「(この勝負は透華と京太郎の順位勝負だ。オーラス……衣がツモっても二人の順位は変動しない……京太郎を狙い打ちできれば……だが、衣の支配がまるで及ばないぞ!)」

カチャ

衣「…………あ!」

透華「…………お兄様」スチャ

京太郎「なんだ?」

透華「麻雀は……楽しくありませんか?」

京太郎「……。まったくな」スチャ

透華「でも、昔の……私に麻雀を教えてくれたお兄様は、とても楽しそうに笑っていました」

京太郎「お前がぶち壊した俺はそうだったのかもしれないな」

透華「今は……とても辛そうです」スチャ

京太郎「…………一分一秒でも早くここから立ち去りたいんでね」

透華「どうしてそんなに辛そうに……牌を見ているのですか?」スチャ

京太郎「…………黙れ」

透華「お兄様は、今でも麻雀が好きなんでしょう? だから、今の……私への復讐の道具にしているのが嫌なんでしょう?」

京太郎「黙――――」スチャ

透華「お兄様。……私に初めて教えてくれた役。あの時のお兄様は、本当に幸せそうに笑っていました。お兄様は麻雀を嫌いと言っていても……麻雀はまだお兄様を嫌っていますか?」

京太郎 一二三四五六⑥⑦⑧⑨⑨66 7

京太郎「………………ッ!」タンッ!

打7

透華「お兄様の落とした心、私が救いあげますわ。ロン」パタッ

透華 一二三四五六⑥⑦⑧⑨⑨56 7

透華「丁度1000点……逆転ですわね」

ガタッ!

京太郎「………………平和。俺も最初に覚えた役だ。平和という言葉が好きだった」

透華「えぇ……」

京太郎「皆が幸せでいられれば、と。その為に、俺は……いつか龍門渕の当主として頑張ろうと……思ってたよ」

透華「……知っています」

京太郎「……勝負はお前の勝ちだ、透華。衣、俺はお前のことが嫌いだったが……八つ当りをして悪かったな」

衣「…………許してやる。衣は大人だからな」

京太郎「ありがとう。……あれからずっと勉強してきた。いつかお前を倒すためだ、透華。だが、また俺は追い付けなかった。……約束通り、俺は龍門渕から去ってやる」

透華「お兄様!」

京太郎「本当なら、これも予定調和だったんだがな。龍門渕からいなくなろうが、俺はお前を諦めるつもりはなかった。……けど……俺は今日、自分に負けた。俺が、平和から目を背けなければ、お前に勝ててただろうな」スチャ



京太郎「過去の自分を振りきれなかった。心の底からこれを楽しんでいた時の俺を……いや、今だって好きだ。そうだ、麻雀が好きだよ。……だが、それも今日で終わりだ。俺はこいつを、復讐の道具にした。…………透華、お前は幸せになるべき人間だ。足を引っ張って悪かったな、二度と顔を見せないから安心しろ」タッ、タッ

透華「お待ちなさい! 私が勝ったときの条件をお忘れですか!?」

京太郎「衣には謝っただろう?」

透華「いいえ! 私が勝ったとき、お兄様には私の言うことを聞いてもらうと言いました!」

京太郎「……そうだったか? なんだ、どうせ最期だ、なんでも聞いてやるよ」

透華「………………でしたら――――」

~~~~~~

京太郎「…………おはようございます、お嬢様」

透華「ん……おはようございます……」

京太郎「お食事の準備が出来ています。……顔を洗わせていただきます」

……シュッ、シュッ

透華「えぇ……。すぐに起きますわね。このあとは衣の所でしょう?」

京太郎「………………」

透華「まだ不満でもありますの? なんでも、と言ったのは……京太郎ですわよ?」

京太郎「まさか休業して、透華が納得するまで執事として働け、なんて言われるとは思ってなかったんだよ……とんだ辱しめだ……」

透華「お兄様に足りないのは心のゆとりですわ。ハギヨシの元で仕事をすれば、いずれ身に付きますわよ!」

京太郎「ここの面子の前であれだけ悪役晒してこれだ……死んだ方がましだったな……」

透華「フフ。……お兄様、今はまだ私への不満があるかもしれません。ですがいつかまた……また、私のお兄様になってくれませんか?」

京太郎「……俺はこんな人間だが、これからもお前の兄貴だよ。それに、前ほどお前に対して思うところがあるわけでもない。元々俺だってただの逆恨みであることは理解していたんだ」

透華「お兄様は聡明ですものね」

京太郎「……もう少し時間がかかりそうだが……今までのこと、しっかりと謝罪する。ハギヨシに鍛えられてからな」

透華「……お待ちしていますわ」

京太郎「……おう。それでは失礼致します」

ガチャ、パタン

透華「……………いつまでも、待ってます」


「京太郎、お嬢様にため口とは何事ですか」

「やっぱり聞いてましたか。自然の流れに逆らうものではないと思いま…………ぐぉ!?」

「口答えはしない。口だけは達者ですからね」ニコ

「ハギヨシ、さん! 本気で怒ってませんか!?」ギギギ

「当たり前です。ですが、とりあえず性根をみっちり叩き直しますので観念してくださいね」

「いっ……分かってますよ……。……迷惑かけて悪かったな」

「……分かっていただけたなら、良かったです」


次回のお題

【ヤンデレシリーズ第一弾・天江 衣】

当初の予定
京太郎と透華のいざこざ→途中でお互いを想う気持ちを知ってイチャイチャ→衣も混ざって修羅場

どうしてこうなった

あと投下途中で寝落ちしてごめん
ヤンデレシリーズは続くか分からないけどとりあえず第一弾と銘打っておきます

乙~
諸悪の根元っぽい親父が何事もなくフェードアウトなのか~

(ヤンデレの)衣は殺傷力無さそうだしほんわか出来るかな

>>116
その後京太郎の話を聞いた透華が親父をボコボコにやっつけました

衣「京太郎ー!」テテテ

ボフッ

京太郎「うぉっと……相変わらず元気だな衣」

衣「衣はいつも元気だぞ! 京太郎に会えなくて寂しかったけど、大丈夫だ!」

京太郎「俺も衣に会いたかったぞ」ナデナデ

久しぶりの京太郎との抱擁に衣の胸が熱くなる。

大人しくおしとやかにしよう……そう決意した昨日のことなど忘れて京太郎に飛び付いてしまったが、頭を撫でられたからもうどうでも良かった。

衣「京太郎、今回は随分と長かったな」

京太郎「少し言語的な問題で四苦八苦してな」ハハハ

透華「あ……! お帰りなさい、お兄様!」

京太郎「あぁ、ただいま」

衣「…………」

京太郎は衣と離れ、今度はトーカと抱擁した。

途端に温かさが消え失せ、冷たい感情が浮かび上がってくる。

京太郎はトーカの兄だ。

数年前、衣がここに引き取られてきた時からとても良くしてくれた。

トーカと三人でよく遊んでいた。

二人はとても仲が良いのは知っている、知っているが……。

透華「さ、こんなところではなんですから中に入りましょう。お土産話も沢山聞きたいですわ!」ギュ

京太郎「そうだな」

透華が京太郎の手を握るのを見て、カーっと頭に血が上った。

京太郎「ほら、衣も行くぞ?」

京太郎が衣に手を伸ばしてくれた。

それだけですぐに黒い感情は霧散してしまう。

衣「……うん!」

京太郎の手は、いつも温かい。

京太郎は最近、仕事であちこちへと行っているらしい。

まだ龍門渕にいた時も勉学に追われていたが、それでも暇なときは足を運んでくれた。

だが京太郎が卒業し、仕事をするようになってからはそうもいかなくなってしまった。

それでもたまにはこうして帰ってきてくれるが……。

衣「(……衣は物足りないぞ)」

周りには皆がいてくれるが、京太郎の代わりになんてなれない。

いつ来てくれるかも分からない京太郎に、衣は大いに不満だった。

たまに帰っても京太郎は衣だけのものではない。

龍門渕の平和王子として全国大会で準優勝をした京太郎は、今もプロとして活躍している。

だから帰ってきた時はそちらの仕事もしている。

テレビにイベントにと大忙しだ。

衣と京太郎が会える時間は少ししか無かった。

本当に少しだ。

コンコン

衣「京太郎」

京太郎「ん……衣か。どうした?」

衣「また仕事をしているのだな。たまに休まないと倒れてしまうぞ?」

京太郎「はは、明日麻雀の方の仕事があるからな。二足のわらじを選んだ以上、どちらの手も抜けないさ」

衣「……なんで京太郎はそんなに頑張るんだ?」

京太郎「え?」

衣「毎日毎日仕事ばかりだ。休みなんて年に数日しかない。……どちらかを辞めれば、もっと時間が取れるだろう」

京太郎「まさしくその通りだな。透華と萩原にも散々言われたよ、死ぬから止めろってな。あの萩原がマジな顔になって一時間説教された時は、何事かと驚いたなぁ」

衣「なら何故……」

京太郎「何故、か。うーん……なぁ衣。俺さ、一時期透華に嫉妬してた時期があったんだ」

衣「嫉妬? 京太郎が?」

京太郎「あぁ。あいつは昔からなんでも出きるやつだったからさ。あいつの才能が羨ましくて仕方なかった。でも一ヶ月くらいで目ぇ覚まして、そんときに思ったんだ」

京太郎「……こんな情けねぇ兄貴じゃ、恥ずかしくて出歩けないってな。お前たちに尊敬してもらえる……そんな兄貴を目指そうって、誓ったんだ」

衣「…………京太郎は馬鹿だ」

京太郎「知ってるよ。でもそれで良いんだ」

衣「馬鹿」

京太郎「あぁ」

京太郎は馬鹿だ。

そんなことよりも……。

衣たちは。

…………衣は……京太郎と一緒に居られる方がもっと嬉しいのに。

だから……。

京太郎「衣……なんで、こんな……」

衣「…………京太郎が悪いんだ」

京太郎「……俺が?」

衣「……京太郎が……悪い」

京太郎「…………頭が……何を飲ませ……?」

衣「京太郎が衣から離れていくのが悪い。衣はそんなこと望んでいないのに」

京太郎「衣…………頼むから、悪ふざけはやめろ……」

衣「…………京太郎」

チュッ

京太郎「ッ……(衣、目が……)」

衣「寂しいんだ……京太郎がいないのが……衣は、京太郎といたい……」ギュッ

京太郎「………………衣。これが悪ふざけじゃないことは、よくわかった……だからこそ、尚更やめろ……。こんなことをして、どうなるのか分かっているのか……?」

衣「……覚悟している。己がどうなろうと……知ったことじゃない」

京太郎「…………そうか……分かった……なら……」

京太郎は、奥歯を噛み締めた。

衣「え―――」

その瞬間、衣は京太郎に押し倒されていた。

天地がいきなりひっくり返ったような錯覚を受けた。

京太郎「悪い子だな、衣」

衣「きょ……」

京太郎「眠り薬でも盛っていたのか? こういう事態には、常に備えてあるんだ。龍門渕を敵視している存在は多いからな」

京太郎「もっとも……まさか身内を相手に使うことになるとは思っていなかったが」

ガシッ

京太郎に腕を押さえつけられる。

衣は京太郎を見ていることしかできない。

恐い……。

京太郎「…………寂しい思いをさせたのは悪かった。考えなしだったのは認める。だが……悪い子にはお仕置きが必要だ。分かるな?」

衣「…………う、ん」

京太郎「衣、お前は俺に何をしようとしてたんだ?」

衣「…………京太郎を、衣の物に……」

京太郎「どうやって?」

衣「京太郎と……睦み合って……」

京太郎「衣は……俺のことが、好きなんだな」

衣「…………」コクッ

京太郎「………………ふぅ……衣」

衣「……な、なんだ……?」

京太郎「少し痛いぞ」

衣「え―――」

透華「お兄様、もう行かれるのですか……」

京太郎「今回はすぐに帰ってこれそうだから、そんな顔をするな」なでなで

透華「……ん……分かりました……」

京太郎「それじゃあ行ってくるよ」

衣「…………」もじもじ

京太郎「衣も元気でな」スタスタスタ

衣「……あぁ」もじもじ

透華「…………? どうかしましたの、衣?」

衣「な、なんでもないぞ!」

ハギヨシ「…………あっ」

透華「え?」

ハギヨシ「……少し用事があるので、京太郎様の所に言って参ります。すぐに戻ってきますので」シャッ

透華「えぇ。……? なにか納得が行きませんわね……」


次回のお題【お姉ちゃんはダルがってる】

長く時間かかった上にこんな書き方になってごめんなさい
衣の喋り方を模倣しようとリアル参考書買ってきたりして勉強してたんですけど、投げました。無理です
これ以上時間開くのもあれなのでパパッと書きました
次回はもう少し早く来れると思います

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