ことり「海未ちゃんと夕立」 (16)

ことうみ注意
へたくそです
短め

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帰り道

ことり「空曇ってきたね・・・」

海未「そうですね。今日は晴れのはずなのですが」

ことり「夕立でも降るのかな」

海未「早く帰りましょう」

ことり「そうだね・・・」

ことり(せっかく海未ちゃんとふたりきりになれたのに、タイミングの悪い天気だなぁ・・・)

海未「ことり、どうしたのですか?」

ことり「ううん。なんでもないの。それよりもうすぐ弓道の大会があるんでしょ? 勝てそう?」

海未「勝てるかどうかはわかりませんが、練習は今のところ順調ですよ」

ことり「海未ちゃんは子どもの頃から頑張りやさんだったもんね。そこは心配してないよ」

海未「というと?」

ことり「海未ちゃんって真面目すぎてひとりで悩んじゃうときがあるから」

海未「ああ、よくことりに慰めてもらいましたっけ。感謝していますよ」

ことり「えへへ」

海未「ただ今回は大丈夫ですよ」

ことり「よかった。海未ちゃんの試合絶対応援しにいくからね! かっこいい海未ちゃんを見たいな」

海未「緊張しますね・・・」

ことり(緊張してる海未ちゃんもかわいくて好きだけど)

ことり「海未ちゃんが勝てるようにがんばって応援するね!」

海未「歓声とかあげないでくださいよ?」

ことり「それは保証できません!」

海未「困りましたね・・・」

ことり(困った海未ちゃんかわいい!)

ことり(もうちょっとだけ困らせてもいいよね・・・?)

ことり「海未ちゃんが勝ったら拍手しちゃうかも」

海未「まあそれくらいは」

ことり「海未ちゃんが失敗しちゃったら大声で励ますからね!」

海未「大声はダメです」

ことり「なんで? ことりは海未ちゃんを支えたくてがんばるのに・・・」

海未「さ、支えてくれる気持ちは嬉しいんですけどっ、試合は相手もいるので・・・」

ことり(海未ちゃん困ってる・・・かわいい! あともうちょっとだけ・・・)

ことり「・・・ことりに応援に来られるのは迷惑なんだね?」シュン

海未「め、迷惑とは言ってませんっ!」

ことり「じゃあことりに応援に来てほしい?」

海未「そ、それは」

ことり「ことりには来てほしくないんだ」

海未「き、来てほしいです!」

ことり「え?」

海未「こ、ことりに来てほしいですっ!///」

ことり「ほんとに!? やった! 絶対に応援しにいくねっ!」

海未「ええ・・・是非・・・///」

ことり(照れちゃう海未ちゃんかわいいな)

ことり(困った海未ちゃんかわいくてずっと見ていたい)

ことり(ことりは悪い子なのです)

ことり(でもちょっとくらい悪い子になってもかまわないよね? 鈍感な海未ちゃんも悪いんだから)ジイッ

海未「なんですか? 私の顔になにかついてますか?」

ことり「ううん。なんでもないよ」

ことり(ことりを片想いにさせた女の子の顔・・・)ジイッ

海未「で、ではなぜそんなに見つめてくるのですか?」

ことり(今すぐ伝えたい。海未ちゃんのことが大好きだって)

海未「こ、ことり・・・?」

ことり「実はね、ことり・・・」

ポタッ

ことり「!」

海未「ついに降ってきましたね・・・」

サァー

海未「夕立ならもっと激しくなってきます。急がないと」

ことり「う、うん」

ことり(海未ちゃんとのひとときももう終わりか)

海未「近くに喫茶店があります。そこで雨宿りしましょう」

ことり「え?」

ことり(雨宿り? 海未ちゃんと二人きりで・・・?)



カランカラン


店員「いらっしゃいませー。空いている席にどうぞー」


海未「ふぅ。なんとか激しくなる前に入れましたね」

ことり「うん」

海未「それでも濡れちゃいましたけどね」

ことり「大変っ! もうすぐ大事な試合なのに風邪ひいちゃうよっ!」

海未「ことりこそ寒そうです」

ことり「ことりはいいの! お店の人にタオル借りてくるねっ!」タッ

海未「ことりっ! ・・・もう」


ことり「タオル借りてこれたよっ! はいっ!」

海未「ありがとうございます。借りてきたのは一枚だけなのですか?」

ことり「そうだよ。海未ちゃんの分」

海未「・・・」ガタッ


ことり「え、なに? ことりの後ろなんかに回って・・・ひゃっ!」

海未「ことり唇が青いですよ」フキフキ

ことり「こ、ことりの頭なんてどうでもいいよ・・・まず海未ちゃんの髪を拭かないと・・・」

海未「声もちょっと震えていますね」フキフキ

ことり「・・・」

海未「私よりことりのほうが寒がりなのですからことりを優先するのは当たり前のことです」

ことり「・・・」

海未「子どもの頃からそうでしたね。ことりはすぐに風邪をひいてはみんなを心配させて」

ことり「・・・そうだったかな」

海未「ことりは自分よりも他人を優先する子でしたもんね」

ことり「よくわからないや」

海未「でもそんなことりが私は大好きですよ」

ことり「///」

ことり(海未ちゃんに大好きって言われちゃった)

海未「どうしたのですか?」

ことり「ううん。海未ちゃんのおかげでちょっと温まったよ」

海未「嘘つきなさい。まだ頬もこんなに冷たい」ピトッ

ことり「ひゃうっ!」

海未「首も冷たいではないですか」ピトッ

ことり「ひうっ! も、もうくすぐったいからやめてよぉ」

海未「うふふ、さっき私をいじめた罰です」

ことり「海未ちゃんのいじわるっ!」

海未「先にしかけたのはことりでしょう?」

ことり(思いもよらない海未ちゃんとの楽しいひととき)

ことり(ことりが片想いなのはわかってるけど、海未ちゃんとの他愛のないこんなひとときがことりは大好き)

ことり(だからもうしばらく雨さんふりつづけてくださいっ!)

おわり

読んでくれた方がいたならありがとうございました

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