奈緒「もうこんな時間か……晶葉から借りたゲームでもやるか」 (85)

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奈緒「さーて、晶葉から借りたゲームでもやるか……」
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【安価】奈緒「そろそろ今日も晶葉から借りたゲームやるかぁ」
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奈緒「よし、今日も晶葉から借りたゲームでもやるか」
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――夜、奈緒の部屋

奈緒「22時……よし、今日もやるか」

奈緒「前回のセーブデータをロード、と」カチッ

奈緒「そういえば、昨日寝る前にパソコン落としたときやたらと重かったんだよなぁ……」

奈緒「んー……まあ普通に動くか。今は何ともないし」

奈緒「えーっと、昨日は珠美がPさんと致して終わったんだったかな」


奈緒「よし、ロードが終わった。さてと……やるか」


――――
――

――戦闘区域

珠美『あやめ殿、敵がツクヨミヒメとキャリアーに気を取られている間に珠美たちのほうで援護を!』

あやめ『強襲しましょう、ブロッサムミサイル!』ボシュシュシュッ!

P『歌鈴、紗枝、2人の援護でトールの動きが止まったら距離を取るんだ。ダイオウカーじゃないと対処しきれんぞ』

歌鈴「は、はいっ! う、うううう……力比べ……!」


トール「……!!」ググググッ!


紗枝『あきまへん、月読命姫のぱわーだけやと、破壊者のほうが……』

あやめ『くっ! 破壊者トール……奴め、ミサイルとドリルだけでは……!』


ズドォォォンッ!!

トール「!?」ドガァァァンッ!



???『でしてー』



歌鈴「ブロッサムウイング!」

紗枝『お、おおきに……今のうちに……』

珠美『歌鈴殿、紗枝殿! こちらまで下がってください!』

P『まーたウイングはいつの間にか来てたのか。まったく奴はどこのアニメのお助けキャラなんだよ』

あやめ『……』


あやめ(ブロッサムウイング……また、わたくしたちを……)



……
…………

――数分後、ブラックパールガーデン、ブラックパール城(指令室)

ピピッ!

楓「……トールの反応、レーダー上から消えました」

美優「周囲の索敵状況更新……ダメです、反応が……ありません」

翠「破壊者は……逃げたのでしょうか?」

千秋「状況から見て恐らくは……ダイオウカーの合体完了を見て、消えたように見えたけれど」

周子「……なーんか、あっけなかったねぇ」

麗奈「破壊者が撤退する……今までに無い状況ね。そして今回は……」

ピピピッ!

晶葉『胴体部分に強い法術反応を持つ破壊者、ブロッサムディーヴァの攻撃によるダメージがほとんどなかったな』

楓「結局、敵の力は法術で間違いないんですか?」

晶葉『あくまで近似した力ということが分かっているだけで、厳密には異なるだろうが……』

晶葉『まあ継続して調べる必要はあるが、現状は法術の一種であると仮定しておくことにした』

周子「ふーん……案外テキトーだね」

晶葉『そりゃこっちにも分からないことくらいはある』

美優「それにしても……今回の敵、法術の力の高さが……」

翠「はい、最初は頭、次は手、足と……そして今回の破壊者は体」

千秋「……今までの破壊者には無かった今回の行動、破壊者もこちらに対応してきている可能性があるわね」


パシュンッ!


美優「あ、あら? 麗奈ちゃんが……」

周子「およよー? どっかいっちゃたねー。それじゃあたしも」

パシュンッ!

……
…………

――ブラックパール城(通路)

麗奈「……」

周子「おばーちゃんおばーちゃん」

麗奈「何よ」

周子「みんなの話、最後まで付き合ってなくてええの?」

麗奈「別に、あの話なら分かってたことだし」

周子「へー、そうなんだ」

麗奈「宇宙にいる奴らは、遠く離れた同族に対して互いに意思疎通をするための、何かしらの手段を持っている」

麗奈「双方向での思考共有を通して、目的を達成する……宇宙に出ている奴らなんて、そういうものよ。そうじゃない奴らもいるケド」

周子「へぇー……詳しいじゃん。さすがおばーちゃん」

麗奈「ばーちゃんばーちゃんって……そりゃ年寄りだけど、アンタより長生きしてないわよ」

周子「あたし生まれてからあんまり時間経ってないんだけどー?」

麗奈「あっそう……まあ、戦うのはアイツらなんだから、どうすればいいのかは自分たちで考えさせるわよ」

周子「スパルタ」

麗奈「当然でしょ。レイナサマが無駄に出張って解決してやっても意味ないんだから」

……
…………

――ブラックパール城(格納庫)


整備士「スペース空けてくださーい。ブロッサムディーヴァのメンテ作業入りますよー」

「最初はどれからですか?」

整備士「ツクヨミヒメのメンテは時間掛かるから後回しで、キャリアーからやりましょっか」



P「いやしかし敵さんも逃げるとは思わんかったね」

珠美「はい、破壊者の強さもさることながら、今までにない行動を取りましたね……」

P「接近戦ではツクヨミヒメだけじゃ手も足も出なかったし、援護に回ったキャリアーの足もまとめて止めるのはなぁ」

紗枝「……」ムッ

P「そうだ紗枝、今回の戦闘は大丈夫だったか? 敵が硬くて俺たちも上手く動きを止められなかったけど……」

紗枝「なぁんもありまへん。だいおうかーに転身しても、破壊者はすぐに逃げて刻印もあまり燃やさへんままやったし」フイッ

P「さいですか……まあ、怪我が無くて安心したよ」

紗枝「……」

珠美「あっ、紗枝殿、どちらに……」


P「なんだ紗枝、先に戻って行っちゃったよ……最近の若い子は難しいねホント……あれ、そういえば歌鈴は?」

珠美「おや、そういえば……あ、いまツクヨミヒメのコックピットから出てきましたね」



歌鈴「み、みんな待ってくださあああああああああっ!?」ベチャッ!!



P「おいコックピットから足滑らせて顔面から落ちたぞ……」

珠美「ま、まあ歌鈴殿は転んでも何故か怪我をしませんから」

あやめ「……」

P「ん、どうしたあやめ、何見てるんだ?」

あやめ「……」

P「あれは……ブロッサムウイングか。いつの間に戻ってきてたんだ? ていうかパイロットはもういないのか」

あやめ「……一体、何者が機体に」

珠美「わかりませんね……しかし、見事な空戦、的確な射撃、援護……相当な強者が乗っているのではないかと」

P「そうだな。ウイングには何度か助けてもらっているし、それにダイオウカーの合体にはウイングが必要不可欠だしな」

あやめ「これまで、一度も姿を現さない者……果たして一体……」


……
…………

――数時間後、夜、ブラックパール城(Pの部屋)

P「ふぃー……ようやくメディカルチェックも終わったぁ……」

P「シャワー浴びて少し休憩してから後処理やるか……にしても今日は疲れた」

P「朝から皆を学校に送って、戻ってきてそのまま整備班の廃棄作業手伝って、んで破壊者が出てきたから送った皆を迎えに行って……」

P「あっちこっち動いてばっかりでさすがになぁ」

ピピッ!

P「ん、はい」


翠「失礼します。Pさん、今日の戦闘で採取した観測データを持ってきました」

P「ん……ああゴメン、俺が博士のところからもらって来るつもりだったけど、すっかり忘れてた」

翠「いえ、今日はPさんは別件もありましたし、データチェックのほうは私たちのほうでやっておきましたよ」

P「すまんなぁ……チビッ子たちの送迎やって掃除のおばちゃんの仕事みたいなことやってから戦闘機飛ばしたもんだから、今日1日デスクワークは何もやれなかった気がする」

翠「そういう日もあります。Pさんにはこちらに来て頂いて間もありませんが、私たちの仕事もいくつか引き取ってもらっていますし……」

P「ほら、働かないとね、給料がね。仕事クビになった直後だからホラ、ちゃんとアピールしておいて仕事できますって見せておかないと」

翠「い、いえ……そこまで気にしなくても……」

ピピッ!

P「んで話は変わるけど……今回の破壊者、どう思う?」

翠「……戦闘、というお話であれば、ダイオウカーに転身してからであれば、対処できるかと。ツクヨミヒメとブロッサムキャリアーだけでは押し切れないほどの力はありますが」

翠「胴体以外の部位については、法術の力はそこまで……であれば、四肢を狙い動きを止めた後に畳みかけるよう戦うことができれば良いと思います」

P「まあ、そうだな。俺も大体同じこと考えてた。ただ……」

翠「ただ?」

P「多分、今回は敵さんも同じことを考えたんだと思う」

翠「破壊者が……ですか? 確かに考えられなくはありませんが……」

P「今回の敵も、確かに強い。ダイオウカーじゃなければ対応できないし……だけど、今回敵が逃げたのはダイオウカーが出たからって考えると」

翠「ですが、そうであるならば破壊者の次の動きが気になります。次に対峙こちらも準備を怠らなければ……」

翠「……」

P「どうした?」

翠「……いえ、破壊者が、戦闘では不利と見て撤退という行動を選んだのであれば……また別の方法を取る可能性もあります」

P「また別の方法?」

翠「それは……分かりませんが……」

P「そっかぁ……まあ、分からないこと考えても仕方ないし……いてて」

翠「どうかなされましたか?」

P「いや、今日の朝に皆を学校に送る前、珠美とあやめの稽古に付き合ってさ……アイツ等容赦なくて竹刀やらでボコスカ叩いてくるもんだから……」

翠「Pさんが……ですか? ですが、あの時……」



翠『P様ですね。丁度良かった……貴方もいらっしゃるとは、こちらも探す手間が省けました』

P『なにすんだ! お前……抜いてないとはいえ刀の鞘って……!』



P「ん? ああ……いや、まあ」

翠「……」

P「……1つ聞いていい?」

翠「なんでしょうか?」

P「俺のこと、どこまで調べたの?」

翠「私は……千秋さんに指示を頂いて調査をした範囲までで……」

P「ま、初めて会った相手に刀向けるくらいは調べたのか……」

翠「そ、それは……緊急時ということもあって、申し訳なく思っていましたが……」

P「いやまあ、もう先月の話だけどね」

翠「お体のほうは?」

P「今のところは何とも。こういうやり方なら、何とかなるんだなぁって」

翠「そうですか……それなら、良いのですが……」

P「この仕事が終わるまでは何ともなきゃいいけど。それじゃ、データ後で見ておくよ。俺ちょっと風呂入ってくるから」ガチャッ……

パタンッ!


翠「……」


ガチャッ……


[4-1]


……
…………

――深夜、ブラックパール城(書斎)

シュッ!

あやめ「……」

あやめ「流石にこの時間であれば、千秋殿もおりませんね」

あやめ(何度かここを調べる機会を伺っておりましたが……これでようやく……)

あやめ(わたくしたちの情報、この部屋にあるのは間違いない……その中に、ブロッサムウイングのパイロットの情報も……)

あやめ「……しかし、難解な資料が多いようで」

あやめ「次元振動……空間歪曲現象による、次元断層……修復の為の……キラー……むむむ、わたくしには何がなんだか……」

あやめ「こちらの資料……これも違いますな。いえ、この資料は、ブロッサムディーヴァの……」

あやめ(太陽の光を受け、その力……絶大な……魔……? 古い資料で、文字が消えて……)

あやめ「ん? この資料は……表紙が新しい……」

あやめ「これは! P殿の資料……」

あやめ(ウイングのパイロットの物ではない……いえ、ですがこれは……たか――)ピクッ!

シュッ!


ガチャッ!!

千秋「ふう……まったく、ヨーロッパ連合も自分たちの要求ばかり……こちらの技術提供に見合ったものを、もう少し渡してほしいものね」


あやめ(千秋殿……まだ部屋に戻っていなかったのですか。ここには仮眠用のベッドもありますし、ここに居座られたらこれ以上は……)


千秋「それにしても今日は疲れたわね……そういえば最近、彼とはあまり……そうね、たまには彼を呼び付けて……」

千秋「……いえ、さすがにこの時間から呼び付けるのは、品がないわね。とはいえ、この昂ぶり……」

あやめ(P殿のお話……? 千秋殿、何を……?)


[4-2]


……
…………

――翌日、早朝、ブラックパール城、屋敷(居間)

P「珠美、サラダ置いといたからテーブルに皿と一緒に並べといて」

珠美「わかりました!」

歌鈴「P、Pしゃ……わ、私も何かお手伝いを……」

珠美「いえ、珠美殿は座って待っていてください」

P「食器運ぶときに転んだら大変だからな。それにほら、豆腐もあるし」

歌鈴「こ、転びませんよぉ!」

P「いやお前、昨日コックピットから真っ逆さまに地面に落ちていった光景を見た後だと、その言葉は信用できないっていうか……」

歌鈴「そんなぁ……」


ガラッ!


紗枝「おはようさんどす……」ハァ……

歌鈴「あ、紗枝ちゃんおはようございます」

珠美「おはようございます! 紗枝殿、今日も良い天気ですね」

P「おはよ。どうした? 元気ないみたいだけど」

紗枝「……あんさん、何してはるん?」

P「朝飯の準備。今朝はトーストに目玉焼き、サラダと、冷奴と……」

紗枝「……うち、朝ご飯は食堂で食べてきます」

P「すみません、もしかしてそれは私が作った朝ご飯は食べる価値すらないということでしょうか……」

紗枝「言わへんと分からんやろか?」

P「そうですか、涙が出てきそうなんですけど……まあ、学校行く時間までには戻ってきてくれよ」

紗枝「……」ガラッ!

P「無視ですか……」

ガタッ、ガタッ!

P「ん?」

歌鈴「どうしました紗枝ちゃん?」

P「なんだ、襖の建付でも悪くなったのか?」

紗枝「……何もありまへん」

パタンッ


歌鈴「紗枝ちゃん、どうしたんでしょうね?」

P「今の彼女はどうかしている状態であってくれたほうが個人的には嬉しいよ」

珠美「紗枝殿はあまりP殿を好ましく思っていないようですからね……」

シュッ!

あやめ「おはようございます」ニンッ

P「ああ、おはようあやめ。もうご飯だから座っててな」

あやめ「……」

P「ん、どうした?」

あやめ「……いえ、何も」

P「ご飯、早めに食べてくれよ。いつもより少し朝遅くなったし、早く出ないと学校に間に合わなくなりそうだ」

あやめ「む、それは急いだほうが良いですね」


……
…………

――東京(渋谷)

P「……渋滞、長いな」

あやめ「そうですね。わたくしはこの時間ですと1限目には間に合いませんね」

P「歌鈴と珠美を降ろしたときはまだ混んでなかったんだけどなぁ」

紗枝「うち、ここからやと歩けば間に合うんやけど……」

P「それじゃ、あやめの学校には連絡入れるか……紗枝、悪いけどここからは車降りて歩いてくれないか?」

紗枝「あまりあんさんと同じ場所にいるのも、体に毒やしなぁ……そうさせてもらいまひょ」

P「はい……すみません……」

あやめ「では紗枝殿、お気をつけて」

紗枝「あやめはんも気ぃつけて……ほなら失礼します」



P「はぁ……悪いなあやめ。最初の授業には間に合わなさそうだ」

あやめ「いえ、わたくしは特に……それにしても、今日は本当に混んでますね」

P「そうだな……」


あやめ「……P殿、1つご相談があるのですが、よろしいでしょうか?」

P「何? 渋滞って眠くなるし聞くだけ聞くぞ」

あやめ「ブロッサムウイングの件です」

P「パイロットのことか?」

あやめ「はい。P殿は何かご存知でしょうか?」

P「いや……俺も紹介されてないし、知らないんだよな」

あやめ「なるほど……実は、ウイングのパイロットについて気になっているのです」

P「俺も気になってるんだよな……前に、黒川千秋にそれとなく聞いたら……」


千秋『ブロッサムウイングのパイロット……そうね、ダイオウカーとなるには必要不可欠な存在。いずれ詳しく話すわ』


P「なんて言われて誤魔化されたんだよなぁ」

あやめ「そうですか……わたくしと同じですね」

P「あやめも話したことがあるのか。どうして気になるんだ?」

あやめ「破壊者との戦が始まり、わたくしたち桜霞はダイオウカーとなり奴らを打倒してきました」

あやめ「しかし、奴らの脅威は収まらず、ダイオウカーも苦戦を強いられる場面もあり……」

あやめ「特に前回の戦闘では、破壊者には逃げられてしまいました。わたくしたちは刻印の消耗により連続で戦闘を行うのが困難です」

あやめ「ここは全員の力を合わせて、奴らに対応するべきではないかと」

P「そうだな。確かに皆のことを考慮しても、一度ブロッサムウイングのパイロットとはしっかりと話をする機会も必要だろうな」

P「それなら今日、もう一度黒川千秋に……」

あやめ「いえ、恐らく千秋殿はこれまでと変わらず、詳しいことを話して頂けないかと」

P「じゃあどうする? こっそり調べてみるか?」

あやめ「はい、そのつもりです」

P「……」

あやめ「……」

P「……頑張って」

あやめ「P殿にもご協力をと思いまして」

P「……そう、うん……まあ、犯罪にならない程度ならいいけど」

……
…………

――数時間後、昼、ブラックパールガーデン、ブラックパール城(開発室)

晶葉「タケミカヅチのスペック表は読んだか?」

P「関節部に使用している装甲材の変更、機体表面に耐熱、衝撃吸収用コーティング処理の追加」

晶葉「うむ、それでしばらくは頑張ってくれ」

P「コックピットの中で俺がミンチになる対策は?」

晶葉「……」

P「目を逸らすなよ……一番何とかしてほしいの、そこなんだけどなぁ」

晶葉「むぅ、コックピット周りの仕様変更なんて機体構造の仕様検討も入るから難しいんだよ」

麗奈「ワガママな奴ねぇ。それくらい我慢しなさいよ」

P「んな無茶な……」

麗奈「ていうか晶葉、アンタそんなことより逃げた破壊者の居場所、見つけたの?」

晶葉「広域レーダーで探しているが、まだ発見できていないな。宇宙ではないから、ヤタノカガミも使えんし」

麗奈「あっそ。仕方ないわねぇ」

晶葉「一応政府軍のデータベースも覗いてみているが、そっちも変わらずだな。状況が変わったら知らせるよ」

P「上手いこと行かず、か……あ、そうだ」

晶葉「なんだ?」

P「2人とも、聞いていいか? ブロッサムウイングのパイロットについてなんだけど」

麗奈「……」ピクッ

P「前回の破壊者からは逃げられるし、俺たちもちゃんと戦闘メンバー全員で連携を取って戦う必要があると思うんだよ」

P「だから、ブロッサムウイングのパイロットとも一度話しておいたほうがいいかと思っているんだが」

晶葉「ふーむ……どうだ、麗奈?」

麗奈「レイナサマに振らないでよ……千秋から聞けば?」

P「いや、聞いたことはあるんだけど教えてくれなくて……ていうか、もしかして2人とも知らないのか?」

晶葉「私は……まあ、知らないと言えば知らないな。ブロッサムウイングの整備はここでやっているが、終わったら他の機体とは別の場所に移してるし」

P「なんでそんなことやってるんだ?」

晶葉「千秋の指示だよ。ツクヨミヒメを含むウイング以外の機体はここの格納庫に保管しているが、ウイングだけは整備が終わった後に別のカタパルトに移している」

晶葉「だから出撃するときは当人もマニュアルで出ているから顔を見ていないし、戻ってきたときもいつの間にかいなくなってる」

P「ふうん……麗奈は?」

麗奈「そりゃレイナサマは知ってるわよ」

P「じゃあ教えて」

麗奈「ダメ」

P「そうですか……」

麗奈「別に、教えて減るようなもんもないからいいんだけどね。ま、千秋が話すなって言うから話さないケド」

P「ふーん……まあ、麗奈がそう言うなら……」

晶葉「黙ってても、破壊者はやってくるしいつかは話が出ると思うがな」

P(こっちで調べろってことか……仕方がない。夕方にあやめと話してみるか)

……
…………

――夕方、ブラックパール城(Pの部屋)

あやめ「成程、開発室でもそのようなお話があったのですね」カタカタカタッ!

P「麗奈は知ってるけど教えてやらないっていう意地の悪さだったけどな」

あやめ「仕方がありません。麗奈殿にもそれなりの事情があるのでしょう」カタカタカタッ!

P「んで、俺の端末で何やってんの?」

あやめ「少し布石を。実は先日、わたくしのほうでウイングのパイロットの調査をしていたのですが、千秋殿がその場に来てしまいまして」

P「んでバレたのか?」

あやめ「いえ、身を潜めたのでそのようなことには……とはいえ、その日の調査は断念することになりましたので」

ピピッ!

P「え、何やってんの? メール?」

あやめ「恐らくこれで千秋殿については問題ないでしょう。さて、それではP殿、時間までわたくしたちも普段通りに過ごしていましょうか」

P「ええええ……変なことしないでくれよ」

……
…………

――ブラックパール城(千秋の部屋)

ピピッ!

千秋「あら、メール? 差出人は……P? 珍しいわね、彼から業務外のメールなんて」

ピッ!

千秋「……」



『突然メールをしてすまない。直接言うのが恥ずかしくてこんな形になったが、今日の夜に城の客間……一番奥の部屋まで来てくれないか?』

『戦闘の影響か分からないが、ここ最近俺の体が疼いているんだ。皆のために俺自身の刻印を消耗しているからなのか……とにかく、一度相談させてほしい。客間のベッドは綺麗にしておく』



千秋「……」

千秋「……」


千秋「……!」ガタッ!


……
…………

今日はこれで終わります。

>>17訂正

――翌日、早朝、ブラックパール城、屋敷(居間)

P「珠美、サラダ置いといたからテーブルに皿と一緒に並べといて」

珠美「わかりました!」

歌鈴「P、Pしゃ……わ、私も何かお手伝いを……」

珠美「いえ、歌鈴殿は座って待っていてください」

P「食器運ぶときに転んだら大変だからな。それにほら、豆腐もあるし」

歌鈴「こ、転びませんよぉ!」

P「いやお前、昨日コックピットから真っ逆さまに地面に落ちていった光景を見た後だと、その言葉は信用できないっていうか……」

歌鈴「そんなぁ……」


ガラッ!


紗枝「おはようさんどす……」ハァ……

歌鈴「あ、紗枝ちゃんおはようございます」

珠美「おはようございます! 紗枝殿、今日も良い天気ですね」

――夜、ブラックパールガーデン、屋敷(居間)

ガラッ!

紗枝「さぁて……歌鈴はんも珠美はんも、翠はんのところに行っとるみたいやし、うちも今日のお風呂は……」

紗枝「……はて?」ピクッ



P「……」スー……



紗枝「なんやあん人、お仕事せんで縁側で眠りこけて……」

P「……」

紗枝「あんさんがこんなところにおると、うちもゆっくり出来へんわ」

P「……」スー……

紗枝「……」

P「……」スー……

紗枝「机の上に端末も置いて、開きっぱなしやし……」カタッ……

ピッ!



『管理コンソール操作マニュアル』

『桜霞活動予定表』

『会合日程配布資料』

『ダイオウカー操縦訓練プランドラフト版』


紗枝「こういうんは見えへんようにせんと、お仕事もしっかりやらへんと本当に……」カタッ、カタッ

ピッ!


『着物カタログ 着物、和装小物、浴衣一覧』

『定番和食メニュー100選』

『今年の高校生は放課後や休日に何をしている?』



紗枝「なんや、お仕事に関係あらへん物まで……はぁ」パタンッ!


紗枝「あほらし……うちも早くお風呂に――」


ドクンッ!


紗枝「……」ガタッ!

紗枝「……」ドクンッ……ドクンッ……

紗枝「……はよ行かへんと」ガラッ!

パタンッ!





ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!

P「ん……んぁ……寝ちまった」

P「ふわぁ……もう夜か、時間……やべっ、あやめと待ち合わせしてた時間じゃん!」

P「ああっと端末は……とりあえず持ってくか。後は……とりあえず行かねえと」


……
…………

――ブラックパール城(廊下)

歌鈴「お城のお風呂、気持ちよかったぁ♪」

珠美「そうですね。たまには西洋のお風呂も良い物です」

翠「私は、屋敷のお風呂も好きですけど……あら?」



千秋「あら、みんな揃って、どうしたのかしら?」



歌鈴「あ……ち、千秋さん……?」

珠美「い、いえ……その……」

翠「桜霞のお仕事について歌鈴さんと珠美さんにお話しがありましたので、こちらに来て頂いてました」

千秋「そういえば、スケジュールに2人の仕事があったわね……でも、それなら彼は?」

翠「Pさんでしたら、今日は別件があるとお聞きしたので私が代わりにと……それで、打合せも終わったので3人でお風呂に入ってたところで……」

千秋「そう、彼は別件、ね……別件、分かったわ。それじゃあ、お休みなさい」

歌鈴「お、お疲れ様です……」

珠美「お疲れ様です」

翠「……さて、私たちも戻りましょうか」

歌鈴「……あのぅ、翠さん」

翠「はい?」

歌鈴「千秋さん……いつもあんなにスケスケのパジャマで寝てるんですか?」

翠「いえ……私も、千秋さんのあのネグリジェ姿は初めて見ましたね」

珠美「た、珠美には刺激が強すぎました……はて? そういえばあちらは客間のはず……千秋さんの寝室は別の場所では……?」

翠「そういえばそうですね。何かあるのでしょうか……今日は外来もありませんし……」

歌鈴「あの格好でお客さんと会うのってすっごく恥ずかしいと思うんですけど……」


……
…………

――深夜、ブラックパール城(書斎)

シュッ!

あやめ「……千秋殿の気配は感じられませんね。客間での足止めが効いているうちに調査をしましょう」

P「ちょ、ちょっと待って……俺は忍者じゃないから天井裏から一瞬で部屋に降りるなんて……よっと」

P「ふう……で、黒川千秋に何やったの?」

あやめ「それについては後程……早いうちに部屋を調べましょう」

P「へいへい……とはいえ、ここの書斎に何かあんのかな」

あやめ「P殿は、この部屋に来たことが?」

P「何回かある程度だなぁ……黒川千秋に呼び出されたときか、翠と一緒に入った程度か……そもそも、ここの鍵は2人が持ってるし」

あやめ「ではまずは棚の資料から調べましょう。わたくしたち……ダイオウカーのパイロットの資料がどこかにあるはずです」

P「パイロットの資料ねえ……普通の資料ならデータで残ってるだろうけど、それ以外で紙媒体で保管してるもんってなぁ……」

P「んーと、ここら辺は……出資者たちの個別資料か……こっちは……何だ、次元断層による空間歪曲現象……」パラッ……

P「ダイオウカーの武器の効果で起こしてる現象か……ん、タケミカヅチのメインフレーム……連合のデータを流用した以外にも参考資料があったのか」

P「可変機構を実現するための運動性の確保……参考……N、G――」


あやめ「P殿、こちらに来て頂けますか?」


P「ん、ああ、なんだ?」パタンッ

あやめ「こちらです。こちらの棚ですが、棚に施錠が施されていて資料を確認することが……」

P「ここだけセキュリティドアの棚でロックしてるのか。他の棚は好き放題見れるのに」

あやめ「何とかなりますか?」

P「バイタル認証じゃなくてパスワード入力のロックか……なら、端末使えば何とかいけるか?」

ピピッ!

あやめ「大丈夫ですか?」

P「端末持ってきておいてよかったよ。ケーブル繋げて、開発室から緊急用で貰ってあった解析ツールで……」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「お、解除できた。思ったよりガバガバなセキュリティだな」

あやめ「おお、流石P殿」

P「これを流石と言われてもな……まあいいや、どうだ? それっぽい資料、ありそうか?」

あやめ「少々お待ちを……む、この表紙は随分と古い……P殿、こちらを」

P「なんだこりゃ、めっちゃボロい表紙だな……本か? んん?」ペラッ

P「なんだ、マジで読めん……何語だこれ? これも……こっちの資料も……やべぇ、どこの国の資料だこれ」

あやめ「むむむ……わたくし、外国語についてはあまり……」

P「いやぁ……俺もそんなに仕事で使う機会なかったけど、見たことないな、これ……表紙すらも何て書いてるか――」



???「『楽園』……でしてー」


あやめ「なっ!?」ビクッ!

P「え、誰?」クルッ

???「遥か遠き……彼方の在処、全ての魂が行き着く場所、でしてー」

あやめ「女性……いつの間に……」

P「君は……ていうかそのでしてーってセリフは幾度となく聞いたような気が」

???「失せ物探し、ということでしょうかー?」

P「え? あ、ああ、うん」

あやめ「……何者」

???「わたくしのことでしたらー、そなたたちが探している答えなのでしてー」

P「ああいやゴメン、俺たち人を探してるわけじゃなくて……」

あやめ「ち、違いますよP殿! も、もしや、ブロッサムウイングのパイロットは……」

???「あの器の乗り手でしたら、わたくしのことでしてー」

P「えー……」

???「?」

あやめ「ど、どうしましたか?」

P「いや……なんか俺の中で思ってたウイングのパイロットとイメージが違う……もっとこう、ボーナスキャラっぽいのというか」

???「……そなたはー、相も変わらず、掴み所の無い者でしてー」

あやめ「少しは空気を読んで頂きたいのですが……」

P「うん、ゴメン……そういえばさ」

???「はいー?」

P「俺さ、何度か城で君……ええと……」

芳乃(???)「わたくしはー……そう、依田、芳乃……でしてー」

芳乃「どうか、芳乃と……お呼び下さいませ」

P「芳乃ちゃんね。俺はP、それでこっちのシノビ系が……」

あやめ「浜口あやめです。よろしくお願いします」

芳乃「それではー……お二方は、わたくしにどのような御用がおありなのでして?」

P「えー……っと、用事か。あやめ、何かある?」

あやめ「えっ? あ、ええと……」

芳乃「……?」


P「そういや調べるだけで、会って何かするってことも考えてなかったからな……いや、えっと、そうそう、最近の戦いのこと」

芳乃「ほほー?」

P「俺たちがピンチのときにブロッサムウイングがいつも助けに来てくれていたから、誰が乗っているのかなって気になっていたんだ」

芳乃「いえー、わたくしはー……わたくしの為すべきことを……遠い彼方より預かっていたことを、果たしたまでなのでしてー」

P「よく分からんけど仕事ってことね……まあ、何はともあれ、俺たちはいつも助けられてるし」




P「ありがとう」


芳乃「……」


あやめ「ええ、戦は常に死と隣り合わせ。わたくしたちが無事に戦うことが出来ているのも、芳乃殿のお力があってこそです」

芳乃「……」

あやめ「……芳乃殿?」

芳乃「……」

P「ん? おーい、どうした?」

芳乃「……」ハッ!

あやめ「もしや、お疲れですか? 無理もありません、もう随分と夜も更けてます」

芳乃「……いえー、わたくしは大丈夫なのでしてー」トテトテ

ギュッ……

P「ん?」

芳乃「んー……」グリグリ

あやめ「……P殿のお腹に抱き着いて、顔をぐりぐりしてますね」

P「人懐っこい子だな」

あやめ「いえ……まあ、そうですね」

芳乃「うー……」グリグリ

P「とりあえず、どうする?」

あやめ「パイロットの情報を探すどころか、こうして本人にも会えたことですし……一度屋敷に引き上げましょうか」

P「そうだな。ていうか、あやめは明日も学校あるし、そろそろ寝ろよ」

あやめ「忍者なので夜は問題ありません」

P「そういう問題じゃないっての」

あやめ「むぅ……分かりました。芳乃殿は、どうなされますか?」

芳乃「わたくしもー、そなたとー……」グリグリ

P「まーだぐりぐりしてるよ。腹にダメージが蓄積される……」

あやめ「では芳乃殿も一緒に屋敷に戻りましょうか。寝室でしたら……空きがありませんね」

P「俺の部屋使ってもらうか。屋敷の俺の部屋、場所だけ取ってもらって普段使ってないんだし」

あやめ「P殿はどうなされますか?」

P「んー……まあ、居間で寝るかな」

あやめ「そうですか。では、千秋殿に気づかれる前に戻りましょうか」

P「そうだな……そういや、黒川千秋に何やったの?」

あやめ「戻りがてらお話します。一先ずこの場から離れましょう。施錠された棚も元に戻して……」ピピッ!

P「よっし、それじゃ戻るか」

あやめ「はい」

芳乃「うー……」グリグリ


パタンッ!




ガチャッ!





麗奈「……」

麗奈「んっとに……なーに遊んでんだか、アイツら」

麗奈「あのバカも……こっちは違うわね。まあ、顔出してきたってことは、そろそろ来る頃ってことかしら」

麗奈「あっ! アイツら、棚漁ったんならちゃんと片付けてから帰りなさいよ。一冊落ちてるじゃないの」スッ……

麗奈「……」ペラッ……

麗奈「……」



麗奈「『ティファフゥネェーフィナァーティノフェー、フォロウファウウファウ』」

麗奈「『タァトゥフェナァーイリティエロフィオフゥファーノシファーエフィ』」

麗奈「『ファフゥエオロティオティーフゥウティフゥフォフォリラフゥフェーアフォウ』」

麗奈「『ノォフォニィーファテェファイロフィオフゥフォフォソリ』」



麗奈「……ま、そんなものとっくに歌われた後だし、この世界から行けるわけでも無いってのに」

麗奈「よく、こんな物がココに残ってたわね……ホント」



……
…………

――翌日、早朝、ブラックパールガーデン、屋敷(廊下)

ガラッ!

珠美「ふわぁ……今日は、早く起きれた日でありますか……」

珠美「それにしても……あふぁ……あやめ殿、昨晩はどちらに……」




「うにゃああああああっ!?」



珠美「むむっ!? 今の声は……歌鈴殿!? 居間のほうから……!」タタタタッ!


……
…………

――屋敷(居間)

ガラッ!

珠美「歌鈴殿、一体何が!!」ザッ!

歌鈴「ぁ……た、珠美ちゃ……」

珠美「腰を抜かしている場合ではありません! まさか破壊者の襲撃、いや……」

歌鈴「う、うう……あれ……」

珠美「あれ?」




P「……」ウーン……ウーン……

芳乃「……」スー、スー……


珠美「P殿と……女子!?」

歌鈴「い、居間に来てみたら、Pしゃんが女の子と……」

珠美「い、いえ、ですがあれは……」



P「すみません……すみません部長……俺には、こんな重い仕事は……」ウーン……ウーン……

芳乃「……」ズシッ……



珠美「寝ているP殿の頭に、女子の両足が……というか、P殿のあの様子、まるで悪夢でも見ているような……」

シュッ!

あやめ「とりあえず、P殿と芳乃殿を起こしましょうか。いつの間に芳乃殿は部屋を抜け出したのか……」

歌鈴「あ、あれ? あやめちゃん、いつの間に……?」


……
…………

くっそ久しぶりに変換ツール使ったな……もう分からない人のほうが多いだろうけど、翻訳できます。しなくても問題ないけど。


今日はこれで終わります。

――数十分後、屋敷(居間)

歌鈴「はぁ……」

珠美「昨日城を探索していたら遭遇した、と……」

あやめ「ブロッサムウイングのパイロットとして、わたくしたちの窮地を幾度となく救ってくれた方になりますね」

芳乃「でしてー」ボリボリ

歌鈴「あ、そのでしてーって、いつも通信で聞こえてくる声……」

珠美「ところで、芳乃殿が頬張っている煎餅は一体どこから?」

P「納戸に隠しておいた俺の煎餅を勝手に食べないでくれませんかね」

芳乃「失せ物探しは得意なのでしてー」ボリボリ

P「それは強奪しているだけでは……まあいいや。ほら皆、朝飯の準備できたぞ」

珠美「おっと、では珠美はお皿を出してきますので……あ、歌鈴殿は座っててください」

歌鈴「転ばないのに……」グスッ

あやめ「普段の歌鈴殿を見ていると仕方がありません」

P「芳乃ちゃんも、朝ご飯食べていくかい?」

芳乃「……ほほー」

あやめ「茸と豆腐のあんかけですか。P殿は豆腐がお好きですね」

P「そういうわけじゃないんだけどな……」

珠美「P殿のお母上が、豆腐料理がお好きというお話だったような覚えが……どうぞ芳乃殿、茶碗とレンゲはこちらを使ってください」

芳乃「ありがたくー、頂くのでしてー」

芳乃「……」モグモグ

P「さーて、俺たちも飯食べるか……ってあれ、そういえば紗枝は?」

歌鈴「紗枝ちゃん、まだ寝てるんでしょうか? いつもなら起きてる時間だと思いますけど……」

P「寝坊か? 珍しいな。起こしてくるか……」

あやめ「いえ、P殿が紗枝殿の寝室に入れば八つ裂きにされてしまうでしょうから、わたくしが起こしにいきますよ」

P「それもそっか……じゃ、あやめ頼むよ」

あやめ「承知」ニンッ

シュッ!


P「わざわざ寝坊助起こすのに忍術使って姿消して行くなよ」

歌鈴「……私、もしかしたらあやめちゃんみたいに忍者になれば移動するときに転ばないかも」ハッ!?

珠美「いやぁ……忍術を使うときに転ぶという可能性も」

芳乃「そなたー」ツンツン

P「ちょっやめて、脇つんつんしないで……何、どうしたの?」

芳乃「豆腐はまだ残っているのでして―?」

P「んー、紗枝の分も残さなきゃならんけど……ちょっとなら余ってるぞ。食べる?」

芳乃「頂きたいのでしてー」

……
…………

――屋敷(紗枝の部屋)

あやめ「失礼」シュッ!

紗枝「……」

あやめ「紗枝殿、皆起きて朝食の席に座っています。紗枝殿も――」

紗枝「……」

あやめ「紗枝殿?」


……
…………

――屋敷(居間)

芳乃「……」ピクッ


歌鈴「次のお仕事、翠さんから衣装のサンプル見せてもらったんですけど……」

珠美「せめて珠美はもう少し大人っぽい服装がいいんですが……」

P「いやまぁ、桜霞はクール系いないし」

珠美「なっ! 珠美はどうなるんですか!」

P「うーん……まあそれは置いといて、そうだなぁ……桜霞が今以上にするなら……」チラッ


芳乃「……」


P「……うーん、良いかもしれん」

歌鈴「Pさん?」

P「ん? ああいや何でも、ところで芳乃ちゃん、さっきから何見てるの?」

珠美「庭に何かありましたか?」

芳乃「……いえー、感じるのでしてー」

歌鈴「感じる? 何を――」

ピピピッ! ピピピッ!

P「端末に連絡? 翠から……俺だ」ピッ!

翠『Pさん、たった今、破壊者の出現が確認されました!』

P「破壊者……トールがまた出たのか。場所は?」

翠『こちらです!』

P「はい?」

翠『破壊者はブラックパールガーデンに向かって移動しているんです!』

歌鈴「えええっ!?」

P「マジかよ!? いや、待てよ……この前の戦闘は、ダイオウカーが出たタイミングで逃げられた……」

翠『はい、恐らくはこちらが出撃する前に叩くのが目的かと』

P「てことはやっぱり頭使ってきてるってことかよ……分かった。急いで出撃するから、格納庫への連絡は頼む」

翠『わかりました。よろしくお願いします』

ピッ!

珠美「破壊者が……P殿!」

P「聞いた通りで飯食ってる場合じゃない、全員出撃だ」

歌鈴「は、はいっ! あ、でも紗枝ちゃんがまだ……」


紗枝「……うちが何か?」


珠美「紗枝殿!」

あやめ「お待たせしました。先ほどの話、こちらにも聞こえていたので状況は把握しています」

P「よし、それじゃあ桜霞出撃だ。芳乃ちゃん、聞いていたと思うけど、悪いが――」クルッ



P「いない……?」



紗枝「よしの?」

歌鈴「あ、紗枝ちゃん会ってないもんね。ブロッサムウイングのパイロットの子で……」

珠美「その話は後にしましょう、急がないと!」

P「全員、パイロットスーツに着替えて出撃だ。俺は先行して敵の足を止める」

紗枝「……あんさんに、出来ると思えまへんけどなぁ」

P「出来なくてもやるんだよ。全員、急いでくれよ!」

……
…………

――ブラックパール城(格納庫)

P「装甲変更後の関節駆動チェック確認、武装リストは……」カタカタカタッ!

ピピピッ!

麗奈『ホラ、さっさと出撃するわよ』

P「あ、はい……って何、麗奈も出るの?」

麗奈『こっちに敵が来てるなら仕方ないでしょ』

P「機体は?」

麗奈『タケミカヅチの予備パーツで組んだ奴があんのよ』

P「やれるのか?」

麗奈『レイナサマに向かっていい度胸ね。燃やすわよ?』

P「すみません、勘弁してください」

麗奈『機体性能的に限界はあるだろうけど、ダイオウカーが出るまでの間、やれる範囲でやるわ』

P「そうだよなぁ……よし、それじゃあ出撃するか」

……
…………

――ブラックパール城(指令室)

千秋「破壊者の位置は?」

楓「F8ポイントですね。このままだと、ここの防衛システムを展開しないと危ないかもしれません」

翠「城全体に屋内退避の通達を出してください。桜霞の出撃状況は?」

美優「まだ準備しているみたいです……だけど、Pさんと……麗奈ちゃんが出撃するみたいです……」

周子「ん? ばーちゃんも行くんだ」

ピピピッ!

P『ダイオウカーが出るまでこっちで――』

ピッ!

千秋「……」

ピピピッ!

P『なんか通信が切れたな……麗奈と2人で先行して――』

ピッ!

千秋「……」

ピピピッ!

P『なんだよ! さっきから通信切りやがって!』

千秋「ふんっ!」

P『なんだ? 何怒ってんだ黒川千秋は……』

美優「ど、どうしたんですか……?」

千秋「……貴方、昨日私に何て言ったかしら?」

P『え、俺? なんも言ってないけど……ていうか昨日顔会わせたっけ?』

千秋「はぁ?」

翠「昨日、何かあったんですか?」

千秋「……いえ、別に何もなかったわ」

楓「お年頃ですね」

翠「……」ハッ!

翠(そういえば昨日、夜に千秋さんを見たときの様子が……)

P『……まあいいや。そんなことより黒川千秋、ブロッサムウイングはどうした?』

千秋「……ブロッサムウイング? どうして?」

P『いや、さっきまで芳乃ちゃんと一緒にいたんだけど、途中から姿を見なくなって』

周子「ん?」ピクッ

千秋「……そう、彼女に会ったのね」

P『会ったというか、うん』

周子「へー……あの子がねえ。顔出してきたんだ」

P『なんだよ』

ピピッ!

美優「は、破壊者……移動速度上がっています。こちらにまっすぐ向かっています」

P『っと、無駄話しているときじゃないな。翠、この前話した通り奴らは俺たちとの戦いでいろいろ学習しているかもしれないな』

翠「はい。こちらも開発室に解析はさせます。Pさんも戦闘中は気を付けてください」

P『了解。それじゃ行ってくる』

……
…………

――戦闘区域

トール「……」

P「いた……奴だ」ギュンッ!

麗奈『腹ばかりデカい奴ね……』

芳乃『でしてー』ギュンッ!

P「ブロッサムウイング……芳乃ちゃんも来たのか!」

芳乃『みなが来るまで、わたくしのほうでも戦うのでしてー』

麗奈『P、あとバカ……じゃなかった、芳乃、戦闘区域の解析データ転送するわよ。前回戦闘の奴の行動データも入れときなさい』カタカタカタッ!

ピピッ!

芳乃『ほほー』

P「よし来た。どう動く?」


麗奈『アタシたちの仕事は足止めよ。芳乃は高度からトールの頭部を攻撃、アタシとPはその間に奴の獲物を潰すわよ』

P「トールの解析データ……両手指と肩部のビーム砲か」カタカタカタッ

麗奈『こっちの機体出力じゃ肩の壊すのは無理ね。指は全部切り落とすわよ』

P「ちょっと難しくありませんかね……」

麗奈『つべこべ言わずにやる! コンビネーションマニューバでやるわよ!』

P「いきなりそんなこと言われてもやれないっての! なんだよそのコンなんとかって!」

麗奈『ああもう、ドンくさいわね! いいから行くわよ、ほら!』ギュンッ!

P「ちょ、待って……」ギュンッ!

芳乃『わたくしも参るのでしてー』ズドォンッ!

トール「……!?」ドガァァンッ!


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(格納庫)

整備士「みんな、急いで!」

歌鈴「し、出撃準備しましゅ……あああああっ!?」ズザザザザザッ!

珠美「歌鈴殿! 頭からスライディングをしてる暇はありませんよ!」タタタタッ!

紗枝「はよう……だいおうかーに、ならへんと……」

あやめ「……」シュッ!


整備士「滑走路通して! ブロッサムディーヴァの移動を――」

あやめ「整備士殿」シュッ!

整備士「うっひぃっ!? い、いきなり目の前に出てこないで……ど、どうしたの?」

あやめ「1つ、頼みたいことが」


……
…………

――戦闘区域

麗奈『3本目!』ドシュゥンッ!

ドガアアアアンッ!

トール「!!」ズズズズッ!

P「麗奈アイツやべぇ……よく敵の指にライフルの狙撃なんて当てれるな……俺なんてミサイル撒いて数撃ちゃ当たれ戦法でやってるのに」

麗奈『アンタはもう少ししっかりやりなさい。芳乃のほうが仕事してるわよ』

芳乃『ビームなのでしてー。慈悲は無いのでしてー』ズドォン! ズドォン!

トール「!」ドガアアアンッ!

P「そりゃ経験の差がね、俺だって頑張ってるんだよ?」

麗奈『とはいえ、これじゃ手間掛かって終わらないわね……一気に済ませるわよ』ガション!

P「え、戦闘機に戻って何すんの?」

麗奈『P! アンタはそこで凄いレイナサマの天才的なマニューバを見てなさい!』ギュオオオオオオッ!!

トール「……!」ズドォンッ! ズドォンッ!

麗奈『ハッ! そんなちゃちなビームなんかに当たるわけないでしょ!』

P「おいちょっと待てよ! そんな速度で接近なんて――」

麗奈『レイナサマをナメんじゃないわよ!』ヒュカッ!

シュパアアアアンッ!!

トール「!?!?」ドガアアアアアンッ!!

麗奈『ハンッ、ざまあないわね!』

P「うひー、なんだアレ……めっちゃ速い速度で突っ込んで残りの指を全部サーベルで切り落としたのかよ」カタカタカタッ

麗奈『おまけにこのミサイルもくれてやるわよ!』ドシュシュシュッ!

ドガガガガァンッ!

トール「……!」グググッ!

麗奈『チッ、やっぱり他の装甲はこの火力じゃ抜けないか……』ギュンッ!!

麗奈『芳乃! そっちでコイツの肩、なんとかできる?』

芳乃『思うようにはー……』ズドォンッ!

P「やっぱ俺たちじゃここら辺が限界か……足止めは出来ているけど」

ピピッ!

P「レーダーに反応……ツクヨミヒメ、ブロッサムディーヴァか!」

歌鈴『Pさん!』

珠美『遅くなりました!』

紗枝『あんさん……邪魔やし、はよういなくなってほしいわ』

P「はい、すぐ消えます」

珠美『いえ、離脱されるとブロッサムソードが使えないのですが……』

あやめ『皆、無駄話をしてる時間はありません。奴をここで仕留めなければ城のほうが……』

麗奈『全員来たのね。それじゃアタシ帰るわ』

P「え」

麗奈『あとはダイオウカーで何とかしなさい。アンタたちの仕事でしょ』ピッ、ピッ、ピッ!

P「いや一緒に戦う流れじゃ……」

麗奈『うっさいわね。レイナサマは暇じゃないのよ。晶葉聞こえる? 空間情報のデータ転送したからそっちで解析しときなさいよ……んじゃ、アンタたちは頑張りなさい』ギュンッ!

P「ホントに帰ってったよ……」

芳乃『そなたー、奴の動きが止まらないのでしてー』


トール「……」


P「まだ城に向かって進むのか……」

P(奴は前回の戦闘のとき、ダイオウカーの合体後に撤退している。ブロッサムディーヴァ……いや、桜霞のメンバーが出撃する前に俺たちを叩くつもりだったのか?)

珠美『歌鈴殿、珠美のほうで援護しますので奴を抑えてください!』

歌鈴『は、はいぃっ!』ガゴォンッ!!

トール「……!」ググググッ!

歌鈴『や、やっぱりツクヨミヒメよりあっちのパワーのほうが……ううっ……』

珠美『前回は後れを取りましたが今度は!』ズドォンッ!

ピピピッ!

晶葉『お前たち聞こえるか。トールの解析だが、行動パターンについては残念だがこちらでは分からん』

翠『私とPさんの考えでは、破壊者側はこちらの行動を学習しているのかと思いましたが……』

晶葉『恐らくそうだろうが、その結果この城に向かうという思考になった理由が分からん。とりあえず収穫は無かったからさっさと倒してくれ』

千秋『そう……それなら桜霞、月下転身よ!』

歌鈴『はいっ! フィールドジェネレーター、起動!』バッ!

パアアアアアアアッ!!!!

芳乃『でしてー』

P「ここででしてーを言うのは決まってるのか……」

トール「!?」

歌鈴「距離を取って……いきますっ! 月下転身!!」

ブッピガンッ!

パシュウウウウウンッ!!

「「「「降臨! ダイオウカー!!」」」」

芳乃「でしてー」

……
…………

――ドイツ、ヨーロッパ連合軍基地(会議室)


麗奈『どう? ちゃんとモニターに映ってる?』

??「ええ……映っているわ。世界を守護する、剣の姿が」

麗奈『まだそんな大それたモンになってないけど……どうかしらねぇ』

??「……これ程までに戦えるのであれば、私が赴く意味も……あるのかもしれないわ」

麗奈『元々こっちに来る予定だったじゃないの。そっちの後処理が終わったらさっさと来れば?』

??「そう、ね……そう」



??「……本当に、楽しみね」



……
…………

――日本、戦闘区域

歌鈴『ダイオウカーのパワーなら今度こそ!』ガゴォンッ!!

トール「……!?」ググググッ!

珠美『P殿たちの攻撃で両手にダメージがあってもこれほどの組み合いを……ほぼ互角ですが、こちらの足元が……!』

歌鈴『あとは……相手の動きが鈍ったときに……』グググッ!

紗枝『それならうちのほうで……!』

あやめ『P殿! お気付きでしょう!』

P「あやめ――」

あやめ『整備士殿にはわたくしのほうから話をしています、この場は!』

P「察しいい子だね……キャリアーは動くな! ストライカー、取っ組み合い中で難しいだろうが何とかミサイルで奴の背中を攻撃してくれ、俺のほうでも支援する!」ギュンッ!

紗枝『なんやて!?』ビクッ!

あやめ『正面から当ててしまえばこちらもダメージになります。上手く背後に当てなければ……ブロッサムミサイル!』ボシュシュシュシュッ!

P「こいつ体硬いけどいけるか? 斬鉄……!」シュパアアアンッ!

ドガガガガガァンッ!

トール「!?」

P「あーダメだ、タケミカヅチじゃ全然斬れないし、こいつブロッサムソードになってもどうしようもないな」

あやめ『破壊者の体勢が崩れた……歌鈴殿、芳乃殿!』

歌鈴「はい! 草薙剣!!」

パアアアアアアッ!!!!


ヒュカッ!!

トール「……!」

ズドォォォォンッ!!!!

歌鈴「私たちの、刻印……最後まで燃やして……!」

歌鈴「ブロッサムストーム!!」

芳乃『でしてー』

ビュオオオオオオオオッ!!!!

トール「!?」ググググッ!!

歌鈴「やあああああっ!!」

歌鈴「桜! 花! 斬!」ヒュカッ!!

ズバアアアアアアアッ!!


トール「……」

ドガアアアアアアアンッ!!!!


歌鈴「悪鬼、滅殺……!」


珠美『やりました! 歌鈴殿、さすが草薙剣の一撃は見事ですね!』

歌鈴「ふ……ふわああ……よかったぁ」

P『いやー、今回は城が狙われたりと色々危なかったけど、無事に終わってよかったよかった』

あやめ『P殿も、ご助力感謝します』

P『いやホント、俺が無事に帰還できるのって初めてじゃないか?』

歌鈴「そ、そういえば、そうかも……」

芳乃『ではでは、わたくしは戻りますのでー』ギュンッ!

P「あ、ちょっと待って芳乃ちゃん」

芳乃『なにかー?』

P「後でちょっとお話したいことがあるから、時間ある?」

芳乃『ほほー……』

紗枝『……』


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(書斎)

千秋「は?」

P「いや、だからさ、いいかなーって思って」

千秋「……依田芳乃を、アイドルとして使いたい?」

芳乃「ほー」

P「いやね、顔合わせたときに何となくティン! と来てさ、桜霞に入れたらいい感じになりそうかなーって思ったんだけど」

千秋「私からは……ダメ、とは言わないけれども……」

芳乃「……」

千秋「……いえ、だけど彼女はアイドルをやらせるために来てもらっているわけじゃあ――」

芳乃「偶像としてのわたくしをー、そなたは求めるのでしょうか?」

P「ん? ああうん、アイドルね、アイドル。芳乃ちゃんも一緒に戦う仲間だし、アイドルとしてもやっていけるんじゃないかなーって思って」

芳乃「偶像……いえ、アイドル……わかりましたー」

千秋「……いいのかしら?」

P「無理にとは言わないんだけど」

芳乃「そなたが求めるのであれば―、それがわたくしの有るべき姿になるのでしょうー」

P「何言ってんのかはよくわからないけど……それじゃあ、よろしく芳乃ちゃん!」

芳乃「はいー、良いめぐり合わせとなることをー」

P「よし、それじゃ後で桜霞のユニットを……」



千秋「……ところであなた」



P「なに?」

千秋「昨日の件、どういうことかしら?」

P「え、昨日の? 何の話?」

千秋「……とぼける気?」

P「昨日? 昨日……」



P『え、何やってんの? メール?』

あやめ『恐らくこれで千秋殿については問題ないでしょう。さて、それではP殿、時間までわたくしたちも普段通りに過ごしていましょうか』



P「……まさか」



……
…………

[4-8]

――ブラックパールガーデン、屋敷(居間)



紗枝「……」

P『動くな!』



紗枝「……」



――――
――

――早朝、奈緒の部屋

奈緒「……おっと、もうそろそろで5時か。とりあえず今日はこれでやめるか」カチカチッ

奈緒「……」

奈緒「うーん……芳乃か。芳乃が出てきたのか……何か謎キャラっぽい感じだったけど」

奈緒「これ何かあるのかなー。敵の動きが変わったーとか、芳乃が顔出してきてみんなの反応も変わったし」

奈緒「それにしても、あやめとPさんが調べ物をしていた意味はあったんだろうか……」


奈緒「……ま、いいや。そのうち何かあるんだろうし、とりあえず5時だからそろそろ寝よう……」

……
…………

おわり


みく! 蘭子! 文香! 何だったんだよこのスケジュールは。
HTML化依頼出して終了。

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