○白菊ほたるのコミュ2に日野茜が乱入してきた話 (13)

過去作


・ほたると菜々のふたりぐらし前編

ほたると菜々のふたりぐらし - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500729289/)

・ほたると菜々のふたりぐらし後編

・Twitterに投稿したデレステSSを修正、まとめたものです
・シンデレラステージ白菊ほたるメモリアルコミュ2を下敷きにしています。
・「ほたると菜々のふたりぐらし」から続いた話ですが、別に前作読まなくても大丈夫です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500998446


ほたる(ほたるです)

ほたる(事務手続きを終えて、今日は346プロ出勤初日です)

ほたる(今日は先輩の皆さんに挨拶をしておくよう、と言われています)

ほたる「初めまして、今日からお世話になります白菊ほたるです……」

ほたる「はい、よろしくお願いします、白菊ほたるです……」

ほたる「はい、解らないことだらけなので、是非色々教えてください……」


・遭遇

日野茜(以下茜)「ほたるちゃんですか!私は日野茜です!どうぞよろしく!」

ほたる「はい。解らないことばかりですので、是非…」

茜「うーん…」

ほたる「?」

茜「解りました!じゃあ、早速走りに行きましょうか!!」

ほたる「えっ」

茜「え?」

ほたる(問い返されたのかすごく不思議、という顔をされています)

茜「?」

ほたる(一片の曇りもないお顔できょとんと首を傾げられました)

ほたる(かわいいです)

茜「走らないんですか?」

ほたる「あ、あの」
ほたる「…プロデューサーさんからは、今日は先輩方やトレーナーさんに挨拶をしておくように、と…」

茜「ああ、成る程!じゃあ、ランニングは明日ですね!!」

茜「大丈夫!マストレさんにはちゃんとお話して許可を取っておきますので!いやー、楽しみです!!」

ほたる「は、はい…」

ほたる(一緒にランニングすることになりました…)

ほたる(でも、どうして突然?)

ほたる(もしかして、凄くレッスンが好きな方なのでしょうか…)

・翌日、346プロ前

茜「よろしくお願いします!」

ほたる「よろしく、お願いします…」

茜「では早速走りましょう!…と言いたいところですが!!」

茜「まずは入念に柔軟体操です。柔軟は運動自体と同じぐらい大事なのですよ。鍛えるつもりで怪我をしてはつまらないですからね!!」


(ふたりで柔軟中)


茜「おー、ほたるちゃん身体柔らかいですね。いいことです!」

ほたる「ありがとうございます…」

ほたる(日野さんの柔軟はとても丁寧で、優しいです)

ほたる(最初に会ったときに受けた唐突な印象とは、だいぶ違うように思います)

茜「ほたるちゃんは、レッスンはけっこうみっちりと?」

ほたる「いえ…今までの事務所では、なかなかレッスンも受けられなくて。だから、レッスンができる環境があるだけで、恵まれていると感じます」

茜(じーっ)

ほたる「…あの?」

茜「いえ、やっぱり誘って良かったなと思いまして!では行きましょうか!」

ほたる「は、はい…?」

・河川敷/ランニング中

ほたる(茜さんはとても元気で小気味よく走ります)

ほたる(ちいさな体から、元気が溢れているみたい)

ほたる(私にペースをあわせてくれていますが、きっと私よりずっと走るのが速いでしょう)

茜「いいですかほたるちゃん!」

茜「ライブは体力と根性です!」

茜「ライブの最後でフラフラになって顔に出るようではお客さんも楽しめないです」

茜「だから全力でライブをしても平気で笑える体力が必要なのです!そしてそれを身につけるためにもっとも効果的なのは走ること!」

茜「あと、正しくランニングをすればお尻がしまってかっこよくなるとマストレさんが言っていました!」

ほたる(走りながらいろいろ話してくれて、全然余裕です)

ほたる(これが本当のアイドルの体力というものなのでしょうか…)

(ブチッ)


茜「ほたるちゃん!?」

ほたる「だ、大丈夫です。靴紐が切れただけで…よくあるんです、いつものことで」

茜「…ほたるちゃんは器用ですね。私は、よく大雑把だといわれるので、ちょっとうらやましいです」

ほたる「いえ、そんな―――はい、もうこれで走れます。行きましょう」

ほたる(茜さんはちょっとの間、私の背中を見詰めて、それから走り出しました)

ほたる(私の背中を見る視線が、どうしてか、少し心配そうに見えたのは気のせいでしょうか…)


・再び346プロ前

ほたる「はあ…はあ…到着、ですね」

茜「はい!ほたるちゃん、頑張りました!」

ほたる「いえ…途中不幸なこともありましたが、ちゃんと走りきれましたし」

ほたる「それに、とにかくレッスンが始められたこと。私、それがうれしいです」

茜「…ほたるちゃん」

ほたる「はい」

茜「やっぱり、もうちょっと一緒に走りましょうか?」

ほたる「えっ…」

ほたる(茜さんは、とても心配そうでした)

茜「ほたるちゃんには、ランニングが足りません。もっと走るべきだと思いました!」

ほたる(体力に、余裕がないわけではありません。ただ、どうしてそんな心配そうな顔でそんな提案をするのか、私には解らなくて…)

ほたる「あの、茜さん」

ほたる「…今日は、どうして私を誘ってくださったんですか?」

茜「ああ、それはカンタンです!ほたるちゃんが、知ってる目をしてたからです!」

ほたる「それは…」

茜「大舞台が近いのに、自分に自信が持てない選手の目です!」

ほたる「……!」

茜「あと、これは後から思ったのですが、言葉もちょっと似ていました。よくある事だから平気、とか。まず始められたからいい、とか」

茜「不安だけどきっと大丈夫、って感じの話をするんです」

茜「ほたるちゃんが何に自信が持てないのか、不安があるのか、私には解らないですが、これは走りに誘おう、と思ったのです!」

茜「大丈夫に違いない、って言っても、大丈夫にはならないからです!!試合で自信をくれるのは、どれだけ練習したか。どれだけ自分を追い込んだか。それだけだからです!!」

茜「アイドルは凄く楽しいです!仲間と舞台に立つと、世界がこう、ブワーッて輝いて見えます!」

茜「ほたるちゃんの初舞台が、不安を抱えての舞台だったらいやだなと、思い切り楽しんでほしいなと思ったので……って、あれ、どうして黙っているのですか。私、何か間違っていましたか…!?」

ほたる「…日野さん」

茜「是非茜ちゃんで!!」

ほたる「私も、もっと走りたくなりました。最後まで、付き合ってくれますか」

茜「…喜んで!!」


・夜/ほたる個室

菜々「で、結局予定の三倍走って動けなくなっちゃったと」

ほたる「は、はい…(ベッド上にうつぶせ)

菜々「気持ちは解らないでもないですがー。オーバーワークは良くないんですよ。適量で切り上げておくのがいいってナナ思いますが」

ほたる「…でも、やって、みたかったんです」


菜々「何をですか?」

ほたる「きっと大丈夫。不幸なんて起きない。きっと大丈夫…って、自分に言い聞かせるんじゃなくて」

ほたる「薄氷を踏むみたいに、おそるおそる歩くんじゃなくて」

ほたる「何が起きても大丈夫だって思えるぐらい頑張って、くたくたになってみたい、って…きっと、ここならできる、って思ったんです」

菜々「ほたるちゃんて、結構熱血系ですよねー」

ほたる「それにしても…あの、菜々さん。私、そんなに解りやすい顔でしょうか。茜さんの前で、私、ちゃんと笑っていたと思うんですが…」

菜々「ほたるちゃんの笑顔はとってもステキで完璧ですが」

菜々「噛み殺してるときは、ナナにも解ります。そういう顔してる人、見たことありますから。きっと茜ちゃんもそうだったのではないでしょうか」

ほたる「…かなわないなあ…」


(ドバーンと開く扉)

茜「こんばんは、失礼します!!」

ほたる「あ、茜さん?」

茜「是非茜ちゃんで!!それはそうと夜分恐れ入ります!安部さんもこんばんは!」

菜々「是非ナナちゃんって呼んでください!」

ほたる「い、一体なにが…?」

茜「オーバーワーク気味だったので、マッサージ!が必要だと思いまして!!不肖日野茜、出前に参りました!」

茜「任せてください。私のマッサージは評判いいのです。お尻から太腿、下半身全体バッチリガッチリ揉み込みます!」

ほたる「え、遠慮します!?(///)」

茜「いえ、遠慮なさらず!見ればベッドから動けない様子!任せてください!!」

ほたる「な、菜々さん助けて!?」

菜々「あー、茜ちゃんが来なければ、ナナが同じようなマッサージをするつもりでしたから。しっかり揉まれてください」

茜「それでは、早速!!」

ほたる「ふあー!?」


(346プロの夜は更ける。おしまい)

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