キノコタウン


ルイージ「おかしいなぁ、兄さんが帰ってこない」

ルイージ「いくらクッパを倒すからってさすがに長すぎだ………死んでるのかな…」

ルイージ「ああ、考えたら駄目なことはわかっているのに、考えてしまう」

ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

ルイージ「はい、誰ですか？」

キノピオ「僕です」

ｶﾞﾁｬ

ルイージ「何の用？」

キノピオ「キノコ大臣からの命令で、マリオさんの代わりにルイージさんをピーチ救出に行かせてくれとおっしゃいました」

ルイージ「え！？僕が！？」

キノピオ「はい」

ルイージ「うーん…」

ルイージ「どうしようかな」

キノピオ「王国の兵達は皆、クッパの魔法でブロックに変えられてしまったのです、今やキノコ王国の希望はあなただけなのです！」

ルイージ「そんなの絶対断れないじゃないか！」

キノピオ「安心してください、アイテムなどは国が用意しています、出発の時間はあなたの自由で構いません」

ルイージ「そう…」

キノピオ「それでは、覚悟が決まりましたら連絡してください」


ルイージ「………僕がキノコ王国の希望かぁ…」

ルイージ「小さい頃はヒーローに憧れたもんだけど…、いざ現実になると怖くなってきたな…」

ルイージ「…………兄さんは完璧だった……」

ルイージ「賢くて、運動能力もいいし、勇気もあった」

ルイージ「兄さんは常に目標だった……」

ルイージ「でも、兄さんは帰ってこない、そして今、僕がピーチ姫救出に行こうとしている」

ルイージ「僕は兄さんの代わりになれるのか…？」

ルイージ「…………、いつまでもネガティブなことを考えてちゃ駄目だ、僕は勇気ある兄さんを目標にしてたんだろ」

ルイージ「そのためには、前向きに考えなくちゃならない！」

ルイージ「戦いのために運動しよう！」



3日後


ルイージ「結局運動したのは最初だけで後は消極的な考えばかりしていた…、こんなんじゃ駄目だ！今からピーチ姫救出に行こう！長すぎる間時間を無駄にしてしまった」


ピーチ城


キノコ大臣「覚悟ができたようですなルイージ殿」

ルイージ「はい」

キノコ大臣「では、これを渡そう、君の兄、マリオ殿が君の為にととっておいたものだ」

キノコ大臣はルイージに中身の入った袋を渡した

キノコ大臣「最悪、それがマリオ殿の遺産になるかもしれん」

ルイージ（兄さんが僕のために……）

袋の中にはいくつかのキノコやフラワー、その他色々なものが入っていた

ルイージ「僕、頑張ります」

キノコ大臣「うむ、もう出発するかね」

ルイージ「もちろんです、では」ﾋﾟｮﾝ

ルイージは窓の外から出ていった

キノコ大臣「ちょっと！ここは3階だよ！」

キノコ大臣が窓から顔を出して見ると、ルイージは平気な様子で走って行った

キノコ大臣「無傷か…………やはり兄弟か」

キノコ大臣「これは期待できる、必ずピーチ姫を連れ戻してくれよ、キノコ王国の希望………英雄マリオの弟よ…」

ルイージ（もうすぐノコノコ村だな）

ルイージ（ノコノコ村…元々はクッパとは関わりのないノコノコ達の住む村だったけど、哀れにもクッパ軍に見つかってしまった……）



ノコノコ村



ノコノコ兵「はやく運べ！モタモタすんな！」

ノコノコ「ひぃ……」

クッパ軍はノコノコ村の村人たちを奴隷にして働かせていた、同種であっても容赦がなかった

ノコノコ「もうやめてくれ！」

ノコノコ兵「！？」

ノコノコ「元々私たちカメ族は平和を好むはずだろう！？それなのにどうしてこんなことをするんだ！女も子どももいるんだぞ！」

ノコノコ兵「な……だ、黙れっ！黙って働けばいいんだ！」ﾄﾞｺﾞｯ

ノコノコ「うわぁ！」

ノコノコ兵「奴隷が！口答えするな！」ﾄﾞｶﾞｯﾊﾞｷｯ

ルイージ「やめろ！」

ノコノコ兵「なんだと！」

ノコノコ兵「！！！！」

ノコノコ兵「なっ……お、お前…」

ノコノコ兵（あの特徴的なヒゲ…まさか……いや、そんなことあるはずがない、それに服が緑色だ」

ノコノコ兵「おい、俺達に逆らったらどうなるかわかってるだろうな」

ルイージ「ああ、わかってるさ！」ﾋﾟｮﾝ

ノコノコ兵「！？」

ノコノコ兵（なんだこの跳躍力は！？）

ルイージ「はぁっ！」ﾄﾞｺﾞｯ

ノコノコ兵「ぐはぁ！」

ノコノコ「！！」

ノコノコ「ぐっ………なんだ…お前は……」

ルイージ「僕は、マリオの弟のルイージだ」

ノコノコ兵「なに……！マリオの…弟だと…」

クリボー兵「おい！！貴様！クッパ軍に歯向かうか！」

ルイージ「やっ！」ﾊﾞｺｯ

クリボー兵「ぬわぁ！」

ノコノコ兵B「皆！こいつは強敵だぞ！」

クリボー兵B「むぅ……」

クリボー兵C（マリオか……？ちがうな…）

３匹はルイージの回りを囲んだ

ノコノコ兵B「一気にかかれ！」

３匹同時に突進してくるのを避けるため、ルイージは垂直に跳んだ

ノコノコ兵B「なっ！？」

ノコノコ兵B「お、おい！お前ら止まれ！」

３匹がぶつかりあい、自滅した

ルイージ「ふぅ」ﾀｯ


パタパタ兵「これは……ブンブン様に報告だ」


パタパタ兵「ブンブン様！」

ブンブン「なんだ？」

パタパタ兵「マリオに類似した者が我が軍を攻撃しました」

ブンブン「何！？」

ノコノコ「あぁ……ありがとうございます」

ルイージ「たいしたことないよ」

ルイージ「それにしても、ノコノコ村まで侵略されているとは、最近クッパ軍が過激になっているみたいだなぁ……」

ノコノコ「はい、このままでは…キノコ王国がクッパ軍のものになってしまう可能性も……」

ルイージ「いや、そうはさせない、僕が必ずクッパを倒してみせるさ」

ノコノコ「それは頼もしいですね」

ノコノコ「…頼みたいことがあるのですが…ノコノコ村を支配している、ブンブンを倒してもらいたいのです」

ルイージ「そんなこと、言われなくてもやってやるさ」

ノコノコ「ありがとうございます、ブンブンは手強いですから気をつけてください」

ノコノコ「ブンブンはあそこに見える小さな砦にいます」

ルイージ「よーし、わかった、じゃあやっつけてくるよ」


ルイージ（ブンブンという種族とは何度か戦ったことがあるけど、いつも兄さんと一緒で、僕は兄さんのサポートをしていた、果たして倒せるかなぁ…）



ブンブンの砦


パタパタ兵「ブンブン様、先ほど話していたやつがこちらにむかって来ます！」

ブンブン（マリオの弟……実力はどれ程のものなんだ）

ブンブン「2班を向かわせろ」

パタパタ兵「2班だけですか？」

ブンブン「兵士の数が少ないから、あまり無駄遣いをしたくない、砦の罠、残りの3、4班とお前で確実に仕留めろ」

パタパタ兵「はい」