異世界はゲームキューブとともに【安価】 (118)


神様「というワケでおぬしは死んでしまったんじゃ」

男「はぁ」

神様「じゃが、善良な青年をみすみす死なせてはワシも神の名がすたる」

神様「剣と魔法のファンタジー世界へ転生するにあたって、何か一つだけ持ち込みを許可しよう!」

男「…………」

神様「何がいいかの? あ、ワシ自身はついていけんが……例えば、スマートフォンとか……」

男「ゲームキューブです」

神様「は?」

男「ゲームキューブをお願いします」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500800201


――普通の村

男「すみません、この村にゲームキューブはありますか?」

少女「キューブ? ああ、魔王を倒す伝説の勇者だけが抜けるという、伝説の立方体なら……」


――村の丘

少女「これです。そこの土の山に紫色の立方体が刺さっているでしょう?」

少女「でも今まで誰も抜けたことが無いんですよ」

男「なるほど……」

男「さて、どうしようか」

↓1


男「抜く」

少女「本気ですか? 今まで誰も抜けたことが無いんですよ……」

老人「待て」

少女「え?」

老人「そのゲームキューブを抜けば、おぬしはまともな人間ではなくなる……」

老人「それでもいいのか?」

少女「あの、どちらさまですか?」

男「…………」

↓1 どうする?

age忘れ
↓1 どうする?


男「そもそも神様転生してるから普通じゃないよな、というわけで問題ない抜くよ」

男「ふぬぬっ!!」

テロテロテレテロテロテロテレテロテロテロテレテロッ

ドゥン!!!!!!!!!!!!!!!!

男「…………」

少女「ほ、本当に抜……、」

老人「本当に抜けた……!!?」

少女「私のセリフとらないでください」

男「さて、これからどうしようか」

↓1


男「とりあえずカービィのエアライドを探す」ゴソゴソ

少女「な、なんですかカービィのエアライドって?」

老人「大いなる混沌を招き寄せるモノじゃよ……」

少女「お、大いなる混沌を招き寄せる……?」

老人「数人の子供たちにプレゼントすると何故かケンカを始めるんじゃよ」

少女「…………」

男「お、あった。他にもいくつかあるみたいだな」

男「ハードに、ソフト……。他に何か必要なモノはあるかな?」

↓1


男「テレビ」

女「テレビ?」

男「この立方体を使うには、テレビが必要なんだ」

男「じいさん、テレビはあるか?」

老人「はぁ? そんなもんこの世界にあるワケ無いじゃろ」

男「何……? じゃあ、どうすれば……」

老人「青年よ、ゲームキューブの真価はそこではない」

老人「その真価に気付いた時、おぬしの道に光が差し込むじゃろう……」テクテク

少女「あ、待って!」

男「…………」

↓1 どうする?


老人「フーンフフ~ン♪」

少女「痴呆ジジイ! 聞こえてるんだろ、無視するな!」

老人「今日の夕飯はスイーツビュッフェだったかのぅ……」

少女「痴呆ジジイ! お前晩飯に何食ってんだ!?」

男「待て、最後に聞かせてほしい」

男「コントローラーはあるか?」

老人 ピクッ

少女「……?」


老人「…………」

男「…………」

老人「コントローラーは――――」




老人「―――おぬしじゃ」

少女「……?」

男「…………」

老人「……じゃあの」テクテク


男「いったい、なんだったんだ……?」

↓1 次どうする?


男「とりあえずバテンカイトスを起動する」カチ

GC「テロテロテレテロテロテロテレテロテロテロテレテロッドゥン!!!!!!!!!!!!!!!!」

男「…………」

少女「どうしたの?」

男「テレビが無いから起動したのかわからないな」

少女「テレビってのがあったらその立方体は動くの?」

男「まあ、そんなところだ」

ザッザッ

少女「……! 足音!?」

男「なんだ……?」

↓1 何が来た?


時は数分前に遡る…


――高山の祠

エアライドマシン(俺は伝説のエアライドマシン)

エアライドマシン(かつて『星の勇者』の愛機として聖戦を戦った者だ)

エアライドマシン(だがそれも今は昔)

エアライドマシン(今はこうして封印されて祠で惰眠をむさぼっている)

エアライドマシン(しかしさすがに暇……お、おっ!?)ザッザッ

エアライドマシン(何かに、引っ張られる……!!!)ザッザッザッザッ


――上空

エアライドマシン(うおおッ、お――――っ……!!)ザッザッザッザッ


ザッザッザッザッザッザッ


――村の丘

少女「テレビってのがあったらその立方体は動くの?」

男「まあ、そんなところだ」

エアライドマシン ザッザッ

少女「……! 足音!?」

男「なんだ……?」


エアライドマシン「…………」ザッ

ピタッ

男「エアライドマシン、だと……!?」

少女「何これ、乗り物……?」

男「乗り物か、乗り物には違いないが……」

男「…………」

男「しかし、この特徴的なフォルム……」

男「なんと形容するべきか……」

↓1 どんなフォルム?


エアライドマシン「人型と飛行機型に変形できるロボット」

エアライドマシン「今は人型」

男「変形メカ、だと……!?」

少女「おおっ! なんかロマンあるね!」

男「ロマンあるのか」

エアライドマシン「さて、俺を呼び出したのはお前か?」

少女「え?」

男「…………」

↓1 なんと答える?


少女「ちょっと、アンタがコレ呼び出したの?」

男「・・・俺じゃない、このゲームキューブだ」

/ ̄ ̄/|
| ̄ ̄||<キランッ
|_GC_|/

エアライドマシン「……!!」

エアライドマシン「く、くく……なるほど。なるほどな……」

エアライドマシン「俺の時を動かしたのは貴様、というワケか」

エアライドマシン「ク―――、ハハハっ……!!」

少女「どうしよう、なんか一人で盛り上がってるよ」

男「エアライドマシンをこのまま置いておくと目立つな、どうするべきか」

↓1 どうする?


男「人形形態に服着せてカモフラージュ」

少女「え?」

男「俺の服を着るといい」スッ

エアライドマシン「ふん、ニンゲンの服か……。まあ、いいだろう」ガッションガッション

男「さて、ここで一つの問題が発生した」

少女「アンタ、まさか……」

男「俺が着る服が無いということだ」

GC「…………」

↓1 男は服を着ていない、どうする?


男「寒い……」

少女「男さんじゃなく自分の服を貸します」

男「なんと」

エアライドマシン「馬鹿め、小娘の服なぞ入らぬわ」

少女「じゃあ、自分シャツ三十着くらい着てるので、十枚くらい体に巻きつけてください」ヌギヌギ

男「なんと」

エアライドマシン「…………」ミシミシ

男「…………」

エアライドマシン「……ふむ」ミシミシ

エアライドマシン「悪くない」


エアライドマシン「して、ゲームキューブを目覚めさせたということは……」

エアライドマシン「奴を倒すのだな? 『星の勇者』よ」

男「奴……?」

エアライドマシン「ああ。我らの仇敵、暗黒の支配者、星々の隠蔽者……」

エアライドマシン「“魔王”を」

少女「……!」

男「魔王……?」

↓1 どうする?


男「魔王について詳しく聞く」

少女「……アンタ、魔王を知らないの?」

男「専門外、というやつだ」

エアライドマシン「小娘よ。お前は知っているのか?」

少女「……奴は28年前、突如世界に現れた」

少女「そして空を、色の無いものに変えてしまった」

少女「そんなふうに聞いているわ」

エアライドマシン「違いないな」

男「なるほど……」

↓1 どうする?


男「スマブラやろうぜ」

エアライドマシン「いいだろう、ソフトはあるのか?」

男「ないだろう」

エアライドマシン「テレビは……、無いようだな」

エアライドマシン「俺に心当たりがある、ついてこい」

男「いいだろう」

少女「あ、私帰っていい?」

男「だめだろう」

エアライドマシン「一人や二人ならスマブラじゃなくていいからな……」

↓1 どこへ行く?


――HAL研


エアライドマシン「さあ、ついたぞ」

男「あれ? 任天堂じゃないのか?」

エアライドマシン「馬鹿め。スマブラはHAL研開発、任天堂販売だ」

少女「つまりどういう所?」

エアライドマシン「スマブラや俺を作った場所だということだ」


ガチャッ

エアライドマシン「む……」

男「建物の中から誰か出てきたぞ!」

↓1 誰?


サークライ「おや、君は……?」

エアライドマシン「マ、マスター!! 生きていたんですか!?」

サークライ「まさか……、エアライドマシンか!?」

エアライドマシン「よ、良かった……。また会えるなんて……」

少女「どうしたのどうしたの。あのオッサン誰?」

男「知らんのか? 俺だって名前くらい知っているさ」

男「通称サークライ。スマブラを作り上げたその人だ」

男「あのー」

サークライ「ん?」

↓1 なんと話しかける?


男「俺は裏コード「ふ」を使用するッッッ!!」

エアライドマシン「……!」

サークライ「……何のことかな?」

男「…………」

少女「ちょ、ちょっと。急にどうしたの?」

少女「それに何いまの、『裏コード「ふ」』?」

サークライ「待て」

男「……!」

サークライ「その意味。知っているなら、聞かせてもらおう」

↓1 どういう意味?


男「ある扉を開くための符号の事」

サークライ「……どこでソレを知った?」

男「取扱説明書に書いてあった、このゲームキューブの」スッ

/ ̄ ̄/|
| ̄ ̄||<キランッ
|_GC_|/

サークライ「――――……!!」

サークライ「……なるほど」

サークライ「この年になって、またソレにお目にかかるとはね」


エアライドマシン「では……?」

サークライ「いいだろう。ついてきたまえ」クルッ

少女「へーえ、アンタなかなかやるじゃん」

男「取扱説明書はスミズミまで読むものだからな」


ヒュ~――――――……


エアライドマシン「……?」

男「ん? 何の音だ?」

サークライ「……!!」


サークライ「皆、伏せろ!!」

少女「えッ!!?」


ドカァァァァァァァァン!!!!!!


男「爆発!!?」

???「―――サークライ、だな」ザッ

サークライ「…………」

???「突然だが、スマブラを渡してもらおう」

エアライドマシン「誰だ……!!」

↓1 誰?

ちょっと休憩

今人いる?

いる

>>54
ありがとう、再開する


ノムリッシュ「僕だよ、サークライ……」シュウウウウ

サークライ「…………」

サークライ「……何故、お前がここにいる」

サークライ「何故スマブラを要求する?」

ノムリッシュ「知れたこと」

ノムリッシュ「魔王にスマブラを献上し、サンクチュリアス・オヴ・マッシュルムスを建国するためさ」

エアライドマシン「魔王の配下か。ならば加減は要るまいな?」スッ

ノムリッシュ「……残酷なことだ」バッ


男「エアライドマシン!!」ダッ

サークライ「まて。君の力で敵う相手ではない」

男「だが……!」


ノムリッシュ「フ―――っ!!」シュバ

エアライドマシン「がは……っ!」ドゴッ


少女「エアライドマシンが……! こんなの一方的だよ!!」

男「サークライ! なんとかならないのか!?」

サークライ「……一つだけ手がある。これで時間を稼ごう」

↓1 サークライの奥の手


サークライ「hal研を爆破」カチ

ドゴォォォォォォォォォォォォォォンン!!!!!!!!!!!!!

男「うおっ!?」

ノムリッシュ「っ! サークライ、気でも触れたか!?」

サークライ「私たちにはおよそふさわしくない言葉だね」

エアライドマシン「……だがマスター、奴は」

サークライ「ああ、爆発程度でやられはしないだろう」

サークライ「皆、こっちへ来てくれ。地下だ」

少女「地下……?」


――HAL研 地下

サークライ「これだ」カチャ

少女「これは……、円盤?」

男「待て、これは、まさか……!!」

サークライ「ああ。これこそが、ノムリッシュが求めていたモノ」

サークライ「そして“ゲームキューブの真価”を発揮するために必要なモノ」

サークライ「―――スマブラのディスクさ」


ノムリッシュ「見つけたぞ、サークライ……!!!」


サークライ「ふっ。目ざといな」

ノムリッシュ「HAL研を爆破してまで、隠し通したかったモノ……」

ノムリッシュ「ここには何かがあるね。それも渡してもらおうか」

サークライ「その通りだ。だが、少し遅かった」

ノムリッシュ「何?」

サークライ「男くん!!」

男「えっ? 俺?」

サークライ「今こそ、ゲームキューブの真価を発揮するんだ!!」

↓1 ゲームキューブの真価


男「なんだ……!? 急にクレジットカードの入力画面が!!」

サークライ「ゲームキューブでfateのFGOがプレイ出来るようになった」

少女「FGO……?」

エアライドマシン「いま大流行の、スマホで出来るソーシャルゲームだ」

エアライドマシン「祠で封印されてる間ヒマだったから俺もやってるぞ」スチャ

ノムリッシュ「何……! しかし、無課金に負ける僕ではない!!」

サークライ「男くん! クレジットカードを使ってFGOに課金し、石を購入するんだ!」

男「いくら課金しよう……」

↓1 どれだけ課金?


男「5000兆円」ピッ

ノムリッシュ「馬鹿な! クレジットカードの限度額をゆうに超えている!!」

ノムリッシュ「そんな課金ができるハズが無い!」

ノムリッシュ「ハハハ、墓穴を掘ったな……!」

サークライ「いや、出来るさ」

ノムリッシュ「何!?」

サークライ「一つ。彼は魔王を倒す伝説の勇者だ」

サークライ「二つ。彼は既にまともな人間ではない」

サークライ「三つ。ここは異世界だ」


サークライ「これだけの条件がそろった『星の勇者』に」

サークライ「―――不可能など無い」

シュオオオオオオ

少女「!? ゲームキューブを中心に魔法陣が!」

エアライドマシン「何かが……来る!!」

ノムリッシュ「馬鹿な、FGOの英霊召喚だと……!」

男「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

↓1 何を召喚した?


シュウウウウウウ

ノヴァ「READY・>」

少女「何この、ガラクタがいっぱいくっついた黄色い円盤……」

エアライドマシン「銀河の果ての大彗星、ギャラクティック・ノヴァか……!!」

ノヴァ「アナタの・ねがいを・・ ひとつだけ・カナえて・さしあげマス…>」

男「願い……?」

男「俺の……、願い……」

↓1 何を願う?


男「PS4が欲しい」

ノヴァ「OK> 3・2・1・GO!>」

ボンッ

少女「……? 黒い箱が……」

エアライドマシン「あれは……、PS4!!」

ノムリッシュ「PS4だと!? ……そんな。その、ような」

ノムリッシュ「そのような最新機種、存在が許されるハズが無い!!」バッ

サークライ「言うほど最新機種でもないと思うけどね」


グシャッ

少女「PS4が!!」

男「いや」

男「これで終わりだ」バッ

ノムリッシュ「――――!!!」

エアライドマシン「な……、あの攻撃は……!!」


エアライドマシン「『ゲームキューブのカドで殴打』!!」


ゴスッ


ノムリッシュ「ぎゃああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!」

/ ̄ ̄/|
| ̄ ̄||<キランッ
|_GC_|/

男「すごい、キズひとつついていない!」

少女「これが伝説の立方体の力……!」

ノムリッシュ「う、ぐうううう……っ、アアアアアアアアアアッ」

エアライドマシン「ついにゲームキューブの真価を解放したか……」

サークライ「やはり強力だな」

ノムリッシュ「ヴヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲッ……」


ノムリッシュ「こんな……ッ、こんなところでは終われない……!!」

フォン

少女「消えた!?」

サークライ「落ち着いて。ノムリッシュの行き先を割り出すことはできる」

エアライドマシン「マスター、アレを?」

サークライ「ああ」

男「いったい何を使うんだ……?」

↓1 サークライが使うモノ


サークライ スッ…

エアライドマシン「あれは……ポケモンgo!!」

少女「知っているの!?」

エアライドマシン「ああ……。もはや説明不要」

エアライドマシン「空前絶後の大ブームを巻き起こしたポケモンのスマホアプリだ」

エアライドマシン「これも俺もやっているぞ、祠からは出られなかったがな」

サークライ「ポケモンGOの機能を使い、ノムリッシュの居場所をサーチする」

サークライ「……出た!!」

男「いったいどこだ!?」

↓1 ノムリッシュの居場所


サークライ「Sony城だ!!」

エアライドマシン「よし、そうとわかれば、もはや論ずるに及ばず」

男「SONY城に突入するぞ!!」

少女「でも、どうやってSONY城に突入するの?」

エアライドマシン「そのための俺だ。チェンジ、飛行機型モード!!」ギュイン

少女「スゴイ!!」

エアライドマシン「全員乗り込め、決戦だ……!」


サークライ「さて、私も乗り込むとするか」

??? スッ…

サークライ「……?」


――SONY城 上空

エアライドマシン「―――ここだッ!」ブゥン

ノムリッシュ「入らせるかッ――――!!!」ババババババ

エアライドマシン「おっと!」ヒュン ヒュン

エアライドマシン「奴さん、焦っていやがるな。手当たり次第何かを投げてきやがるぜ」

少女「なにこれ……、直方体の……?」

サークライ「…………」

男「エアライドマシン! いけるか!?」

エアライドマシン「おうよ! だが、俺は突入だけで精一杯だ。後のことは頼むぜ……!!」ゴッ


サークライ「……男くん」

男「なんですか? サークライさん」

サークライ「今のうちに話しておく」

サークライ「そのゲームキューブ……。君は、魔王を倒す伝説の勇者だけが抜けるという伝説の立方体を抜いた」

サークライ「伝説の勇者、今代の『星の勇者』だ」

サークライ「星の勇者は人にあらず。かつての私がそうであったように」

男「サークライさん……」

サークライ「だが、今は君が星の勇者だ」

サークライ「SONY城に居座る“魔王”を倒せるのは、君と、ゲームキューブだけだ」


サークライ「いや、君だけじゃない」

サークライ「君の周りにあるモノ、すべてが『星の勇者』だ」

男「…………」

少女「え、私も?」

男「たぶん違う」

サークライ「…………」

サークライ「……ゲームキューブが僕の作ったエアライドマシンを呼び出した時点で、既にそれは始まっている」

サークライ「いいか。魔王を倒せるのは君だけだ」

サークライ「ゆめ、ソレを忘れるな―――!」

エアライドマシン「激突するぜ!!」


エアライドマシン「―――あばよ」


ドガァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!

男「エアライドマシンーーっ!!」

サークライ「男、油断するな! 来るぞ!!」

ノムリッシュ「サーァァァァァァックライ!!!!!!」

サークライ「っ……」

サークライ「ここは私が引き受ける。男くんたちは、魔王の間へ!!」

男「わかりました……、サークライさんも無事で!」

少女「必ず帰ってくるからね!!」

サークライ「ああ、必ずですよ」


サークライ「私は、果たせない約束を結ぶほどの、勇気のある者ではないが……ね」


――SONY城 魔王の間

少女「ここだ……」

男「きっと使うなら今だろう。……『裏コード「ふ」』」ガチャ

少女「開いた!!」


魔王「ようこそ。魔王の間へ」

男「お前が魔王……!」

魔王「まずは勇者に敬意を表して、自己紹介をしておこう」

魔王「我の称号は魔王。だが、その真名は別にある」

魔王「その名は――――」

↓1 その名は?


魔王「―――ビューティフル ジョーだ」

男「ビューティフル ジョー! お前は何故こんなことを……」

男「ええと、何したんだっけこの人」

少女「28年前に突然現れて、空の色を無くしちゃったの」

男「そうだ! どうしてそんなことを!!」

ジョー「知れたこと。だが、改めて確かめるもまた一興」

ジョー「その理由は……」

↓1 その理由は?

いちおうトリップ

↓1 その理由は?


ジョー「初代ゲームボーイの復活」

ジョー「……それが俺の願いだ」

男「初代ゲームボーイの復活……?」

ジョー「星の勇者よ。俺は思うのだよ」

ジョー「曰く、ゲームはゲームボーイで完成されていた、と」

ジョー「昔のゲームは良かった。ただ、ゲームに夢中になり、遊ぶことが出来た」

ジョー「それが今はどうだ!? 課金ガチャだの、リアル志向のグラフィックだの!」

ジョー「あんなのはゲームじゃない。もうたくさんだ……」


ジョー「だから俺は、初代ゲームボーイの復活を目指した」

ジョー「古き良き、あの世界を守るために」

ジョー「―――いや、“この世界をこそ初代ゲームボーイとするために”!!」

男「まさか、この色を失った空は……」

ジョー「ああ。初代ゲームボーイの世界を体現した空だ」

ジョー「俺はこの計画を28年前から進めてきた」

ジョー「ゲームボーイ片手に、この世界に転生してきた時から」

少女「そんな……」

ジョー「そして、その計画は、今まさに成就せんとしている」

ジョー「……だのに!!」


ジョー「いずこかの神が遣わした、星の勇者」

ジョー「再び星の勇者が、俺の前に立ちはだかる」

男「…………」

ジョー「いいだろう。ならばここで星の勇者を倒し、我が計画の狼煙としよう」

ジョー「―――出でよ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


少女「な……、何?!」

男「大広間の床が、割れて……!!」


ジョー「見たか! これが! これこそが!!」

ジョー「―――ゲーム界最強の盾、2億万枚のゲームボーイの壁だ!!!」

少女「何その適当な数字!」

男「ていうかSONY城なのにゲームボーイなのか?」

ジョー「この城はゲーム界のすべてを結集している」

ジョー「防御力の中で最強だったのが初代ゲームボーイ、というだけだ」

ジョー「さあ、湾岸戦争をも生き抜いたゲームボーイの壁、打ち破れるものなら破ってみろ!!」

男(……そうか)


男(最強の盾に抗するなら、これしかない)

男(俺はこの時のために、こいつと出会ったのかもしれないな)


/ ̄ ̄/| _人_
| ̄ ̄|| Y キランッ
|_GC_|/


男「……ならば俺はその計画を止める」

男「―――この世界を好きにはさせない!!」

ジョー「来い、星の勇者――――――!!!」


男「うおおおおおおおおおおっ!!!」ブンッ


============
   / ̄ ̄/|
   | ̄ ̄|| ゴッ!!
   |_GC_|/
============


ジョー「なッ……、それは……、ニンテンドーゲームキューブ……!!!!」

男「最強の盾を打ち破るなら、最強の矛ということだ」

ジョー「ッ……、だが! だがしかし!!」

ジョー「最強の盾と最強の矛、その打ち合った結果は《矛盾》!」

ジョー「たとえ壁崩れしとも、矛が潰えれば、我が計画は止まらない!!」


男「―――まだだ!!」スッ

ジョー「なっ…………、それは!!!」


 ◎ 三二ニ=- シュッ

男「カービィのエアライドのディスク!」


 ◎三二ニ=- シュッ

男「バテンカイトスのディスク!!」


 ◎三二ニ=- シュッ

男「スマブラのディスク!!!」


ジョー「なん……だと……!!」


男「なにもゲームキューブの武器はカドだけじゃない」

男「ディスクも含めた武器が、―――お前の壁を砕く!!」

ジョー「お……ッ、うおおおおおををををををををををッッッッッッ!!!!!!」


男(ああ……、これが)

男(コントローラーはおぬし、ということか)






パリン



ジョー「……ひとつだけ聞かせてくれ」

ジョー「お前はゲームキューブを頼りにこの世界に来たんだな」

ジョー「ならば、お前もレトロゲーが好きなのだろう?」

男「……ああ、たしかにそうだ」

ジョー「ならば、何故俺の志を否定した?」

ジョー「俺の考えはお前のソレとも通じるモノだろう」

男「たしかに今のゲームは昔のゲームとは違う」

男「昔のゲームのほうが優れている部分だって、そりゃあ、ある」

トリップ
一旦中断。数十分後に再開します

再開


男「でも、最近のゲームだって捨てたモンじゃないぞ?」

男「シナリオが面白いソシャゲがあれば、子供の頃みたいにキャラを集めるのが面白いソシャゲもある」

男「コンシューマだってもちろんだ。自分に合うゲームを探して、面白い所を探すのも楽しいぜ」

男「もちろん昔のゲームだって好きだけどな!」

ジョー「…………ふ」

ジョー「綺麗ごとだな」

男「ああ、綺麗ごとだ」

男「だが俺は、残酷な真実なんかよりも、面白い綺麗ごとを信じていたいもんさ」

ポウ…


男「ってなんだ、体が光ってる!?」ポウ…

ジョー「ああ、これは……元の世界に還れってことじゃねえかな」ポウ…

男「なんだと!? でも俺死んだからこの世界に来たんじゃ……」

ジョー「ばーか、人間をバンバン異世界に転生させる連中だぞ?」

ジョー「神サマにとっちゃ、ヒト一人蘇生させるくらい、軽いモンだろうよ」

ジョー「それに俺は、こういう事態を見越してゲームボーイの壁で強制送還を阻止していた」

ジョー「まっさきに空が白黒になったのも、その影響だ」ポウポウポウ…

ジョー「……おっと。時間みたいだ」


ジョー「じゃあ、先に行くぜ」

男「ジョー……」

ジョー「―――まあ、なんだ」



ジョー「自分を信じた者が勝つってのも、悪くねえな」シュウウウウ…


男「…………」ポウポウポウ…

少女「男!!」

男「ああ、今の話聞いてたか? もうお別れみたいだ」

少女「……そっか」

男「寂しいか?」

少女「別に。そんな長い間一緒にいたワケじゃないし」

男「あっそ」

少女「……まあ」


少女「楽しかったよ。ありがとう」


男「……どういたしまして」シュウウウウ…



――SONY城 城外

ノムリッシュ「」ピタ

サークライ「ノムリッシュの動きが……止まった?」


サークライ「それに、この発光」ポウ…

老人「元の世界への直行便じゃよ。ほっほ」ザッ

サークライ「!?」


サークライ「あなたは……私が『星の勇者』になる時の……」

サークライ「……いや」

老人「ほっほ。さすがは慧眼のサークライどの」ガバッ

神様「こっちの姿のほうが通りが良いかのう」

サークライ「やはりですか。今さらノコノコ何の用です?」

神様「元の世界への強制送還を阻んでいた原因が排除されてな。そのお礼じゃ」

サークライ「……そうですか」

サークライ「彼はやったのですね」


ノムリッシュ「いてて……我は何を?」

サークライ「正気に戻ったか、ノムリッシュ」

ノムリッシュ「ファッ(グルガン族…貴様らを滅ぼすまでは…!!)」ポウポウポウ…

ノムリッシュ「貴様は我がヴルーフェニキシウス怨敵サークライ!!」

ノムリッシュ「いざ、ジハードジハード!…貴様を[ピーーー]ためにな!」シュウウウウ…

サークライ「いや意味がわかりません。早く帰れ」


エアライドマシン「マスター!! ご無事で!?」

サークライ「エアライドマシン……! 無事だったのか!?」

エアライドマシン「ええ、確実に致命傷だと思ったんですが……何故か無事で」

エアライドマシン「いやあ、神様に祈った甲斐がありましたかね!」

サークライ「…………」

神様「ほっほ」


神様「これにて一件落着かの」

サークライ「待ってください。二,三訊きたいことがあります」

サークライ「まず、ゲームキューブの取扱説明書……」

サークライ「あれに“ラクガキ”をしたのはあなたですか?」

神様「まあの! 直接は行けなくても、干渉くらいは出来るからの! ナイスアシストだったじゃろ?」

サークライ「…………」

サークライ「では、魔王がノムリッシュに命令してスマブラのディスクを狙った理由は?」

神様「それはゲームキューブの覚醒にスマブラが必要だと知っとったからじゃろ。ワシの管轄じゃないわい」


サークライ「そうですか。では、最後の質問です」

サークライ「―――あなたは、誰ですか?」

神様「…………」


神様「誰って、謎の警告をする老人であり、おぬしらを転生させた神様じゃが」

サークライ「それも真実でしょう。だが、神はポコジャカ湧いてはこない」

サークライ「元となった人物がいるハズ」


サークライ「あなたはやけに私に親身にしてくれますね……」

サークライ「あなたは誰ですか?」

神様「…………」


↓1 神様の名は


神様「……いや、本当はわかっとるんじゃろう?」

神様「確信が無ければ、そんな問いはせぬわのぅ」

サークライ「…………」ポウポウポウ…

神様「……口調や振る舞いに惑わされず、物事の真実を見抜く慧眼、まさに見事」

神様「君は良いゲームを作る。皆がゲームに一喜一憂できるのも君らのおかげ」

神様「これからは、天から見守っている」


神様「ゆめ、ソレを忘れるな―――」


サークライ「……ええ、肝に銘じておきますよ。……――、―さ―」シュウウウウ…


――――― ― ― - - -
――――――――――――――― ― - - -
――――――――――――――――――――――― ― - - -
―――――――――――――――――――――――――――――――― ―
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


老婆「……というお話だったのさ。自分に合ったゲームを選んで、楽しく遊ぶんだよ」

少年「はーい! おもしろかった!」

幼女「ねえねえおばあちゃん」

老婆「なにかな?」

幼女「その男の人たちはゲームは楽しいって言ってたのに、なんでゲーム機で殴り合ってたの?」

老婆「…………」


老婆「……それはね、バ」

少年「バカだからだよ!」

老婆「私のセリフとらないで」


 ― おしまい ―



※この作品はフィクションです。実在の人物や団体等とは関係ありません

以上で当作品は完結となります。
長時間お付き合い頂き、ありがとうございました。

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