【艦これ】能代「帰省?」 (19)

~横須賀鎮守府・執務室~


コンコンッ

能代「失礼します、提督、お呼びでしょうか?」

提督「おう来たか、ちょっと話があってな」

能代「話・・・ですか?」

提督「ああ、ここのところ深海凄艦との戦いも落ち着いてきたし
艦娘のみんなに帰省を進めててな、能代もどうかなって」

能代「帰省・・・ですか?」

提督「そうだ、能代は秋田出身だったな」

能代「はい、ここに来てから一度も帰れてませんね・・・」

提督「だろ?こんな機会なかなかないんだし、どうかな?」

能代「・・・確かに久しぶりに帰りたいですけど、いいんでしょか・・・
お休みを頂くことになってしまいますが・・・」

提督「なあにかまわないよ、こっちのことは気にしないで
ゆっくりしてくるといいよ、それにたまには、家族の顔も見たいだろ」

能代「提督・・・ありがとうございます、お言葉に甘えて
能代、帰省して参ります」

提督「おう、お土産期待してるぞ」

能代「任せてください」ニコッ

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・・・

能代「では、失礼します」バタンッ

能代『やった!久しぶりに家族に会える!
みんな元気かなぁ・・・』



~次の日~

能代「では提督、能代、行って参ります」

提督「道中気をつけて」

矢矧「ご家族によろしくな」

阿賀野「私も行きたかったな~」

酒匂「ぴゃー」

能代「みんなごめんね~、行って来ます」ペコッ

提督「おう」ヒラヒラ

キヲツケテネー イッテラッシャーイ

能代「はーい」ヒラヒラ

~駅~

能代「さて、長旅になるぞ」

能代「ここからだと、8時間くらい?もっとか・・・」

デンシャガマイリマース

能代「お、きたきた」




~車中~


能代「ふう、今からだと着くのは夕方かな~」

能代「そうだ、帰るって連絡してないや、どうしよう・・・」

能代「まいっか、サプライズってことで」

能代「ああ、朝早かったから眠気が・・・」ファァ

能代「ちょっとくらい寝ても大丈夫だよね・・・」

・・・・・・



オネエチャーンマッテヨー
アハハオソイゾーオトウトー

能代「・・・」

オネエチャンスゴーイ
エヘヘソウデショー

能代「ん・・・」

オネエチャンナンテキライダ!
マッテオトウト!

能代「」グスッ

アネキ!ガンバレヨ!
イツデモカエッテキナサイ
ガンバッテクルンダゾ
アリガトウ!オネエチャンガンバッテクルカラ!

能代「うう・・・」ポロポロ

老人「ちょっと」トントン

能代「は!ふえ?」ポロポロ

老人「どうかしたかい?涙流して」

能代「え?あれ・・・なんで涙が・・・」ボロボロ
 
老人「なにかあったのかい?」

能代「い、いえ何でもありません、へへ・・・」グスッ

老人「そうかい?あ、そうだ、これよかったら食べな」スッ

能代「これは・・・おやき」

老人「秋田の名産でね、甘くておいしいよ」ニコッ

能代「う・・・」グスッ

老人「ちょっと、大丈夫かい?」

能代「はい・・・ありがとうございます、頂きます」ハムッ

老人「おいしいかい?」

能代「はい、とってもおいしいです・・・懐かしい味・・・グスッ・・・です」ポロポロッ

老人「ちょ、ちょっと本当に大丈夫かい!?」

・・・

老人「そうかい、あんた秋田出身だったのかい」

能代「はい、こっちに来てから帰省するのは初めてで・・・」

老人「そりゃ家族も喜ぶね」

能代「はい、あの・・・すいませんでした、取り乱してしまって」

老人「いいさいいさ、でもどうして泣いてたんだい?」

能代「昔の夢を見てて・・・それで・・・へへ」

老人「そっか、帰れてよかったね」ニコッ

能代「はい、本当に・・・」

プシュー

能代「では、私はここで・・・本当にありがとうございました」ペコッ

老人「気にしなくていいさ、それより、楽しんできなよ」

能代「はい!失礼します」ペコッ

老人「」ニコッ

プシュー

能代「やさしい人だったな~、おばあちゃんを思い出しちゃった・・・」

能代「・・・」グスッ

能代「っよし行くか!」グッ

~そして、乗り継ぎ乗り継ぎ~

プシュー

能代「っと、やっと着いたー!」ノビー

能代「何も変わってない、やっぱいいなー故郷は」

能代「ここからどうしようかな、迎え呼んじゃったらサプライズにならないし・・・
タクシーでいっか」スッ

ガチャッ

運転手「どちらまで?」

能代「えっと、○○までお願いします」

運転手「はい、かしこまりました、・・・あれ?」

能代「?」

運転手「いえ、何でもありません、では出発します」

ブウーン

~車中~

能代『やっぱ何も変わってない、昔のまんまだ・・・
あ!あのお店、懐かしいなー』

運転手「お客さん、観光かなにかでこちらに?」

能代「え?いえ、里帰りなんです、
もうしばらく帰ってなくて」

運転手「ああ、そうだったんですか、
この辺全然変わらないでしょ」

能代「そうですね、昔のままで、懐かしいです」

運転手「こっちには、しばらくいられるんですか?」

能代「ええ、一週間くらいは」

運転手「それはよかった、ゆっくりしていけますね」

能代「はい、ありがとうございます」

・・・

能代『あ、もう家の近くだ・・・』

運転手「もう着きますね」

能代「はい、もう夕方か~」





運転手「さ、着きましたよ」

能代「ありがとうございました、お会計を」

運転手「いや、いいよ」

能代「え?いえ、そうゆうわけには・・・」

運転手「いいっていいって、それより、あんたやっぱり
能代のお嬢ちゃんだったんだね」

能代「え?」

運転手「何だ覚えてないのか?俺だよ」クルッ

能代「・・・あ!魚屋のおじさん!」

運転手「やっと思い出したか、それにしても
ずいぶん綺麗になったな」

能代「そんなことは・・・でもなんでタクシー運転手を?
魚屋は・・・」

運転手「数年前にやめたよ、この辺もだんだん人が減ってきて
お客さんは減る一方だし、みんな町のスーパーに行っちゃうからね」

能代「そうだったんですか・・・なんか寂しいです」

運転手「まあね、でもよかったよ、久しぶりに能代ちゃんの
顔を見れたしね」

能代「へへ、ありがとうございます
頑張ってくださいね!」

運転手「ああ、能代ちゃんもね」

能代「はい!」

運転手「じゃあまたね」

ブウーン


能代「懐かしかったな、そっか・・・魚屋さんもうないんだ・・・寂しいな」

能代「・・・」

能代「・・・さて、みんないるかなー」タッ

ピンポーン
・・・
・・・
ハーイ

能代「」ドキドキ

ガラガラッ

母「はい、どちらさ・・・」

能代「へへっ」ニコッ

母「え・・・ちょっと!どうしたの突然!」アセアセ

能代「えへへ、帰ってきちゃった」

母「いきなりでびっくりしちゃったわよ、もー・・・
ほらほら、あがんなさい」

能代「うん・・・よいしょっ」ヌギッ

母「どうしたのよ、連絡もよこさないで」

能代「サプライズだよ」ニコッ

母「もう、びっくりしちゃったー
お腹すいてない?もうすぐ晩御飯だけど」

能代「晩御飯まで待ってるよ、そうだ、弟とお父さんは?」

母「お父さんは仕事よ、弟は遊びに行ってるけど、
もうすぐ帰って来ると思うわ、・・・あっそうだ」

能代「?」

母「おかえりなさい」ニコッ

能代「・・・うん!ただいま!」ニコッ



終わり

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