レヴィ「ロック、ワンピースっていうコミック・ブックを知ってるか?」 (20)

ロック「どうしたんだ突然。そりゃあ、知ってるには知ってるけど」

レヴィ「おピンク屋のローワンが日本のポルノと一緒に仕入れたらしい」

ロック「へえ、珍しいこともあるんだな」

レヴィ「コピーしてネットカフェに捌くんだとよ。で、面白いのはここからだ」

ロック「というと?」

レヴィ「開けてびっくり、表紙から吹き出しまで全部日本語だったんだとよ」

ロック「そりゃあお気の毒だ」

レヴィ「ああ。くく、野郎ニッケルみたいな目をしてひっくり返ったらしい」

ロック「ははは、ローワンは宣教師に向かないようだな。それで、彼は諦めたのかい?」

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レヴィ「まさか。一店辺り800で捌ける代物だぞ? バーツじゃねぇ、ドルでだ」

ロック「随分割が良いじゃないか、確かにそれなら諦めきれないだろうな」

レヴィ「で、そこにこのレヴィ姉さんが通りかかったのよ」

ロック「それでいつもより集金の帰りが遅かったのか。一体どんな説法をしてきたんだ?」

レヴィ「そう大したことじゃないさ。日本から来た新人の教育に、うちの売れっ子を紹介してやろうって話を――」

ロック「待てレヴィ、もしかしてそれは俺のことじゃないか?」

レヴィ「姉御の仕事でしょっちゅうやってるじゃねぇか。手馴れたもんだろ?」

ロック「通訳と翻訳は違うんだよ。ましてやコミックなんて」

レヴィ「なあ良いだろー? 一冊辺り200、小遣い稼ぎには丁度良いじゃねーか」

ロック「どうしてお前がそこまで頼むんだ?」

レヴィ「ワンピースは海賊のコミック・ブックらしい。同業としては読まない訳にいかねーだろ?」ニカ

ロック「……あー、レヴィ。多分その海賊とは少し違うと思う」

レヴィ「カトラス握って奪って[ピーーー]! 海賊に違いなんてないさ」

ロック「う、うーん……いや、ワンピースはちょっと違うんだ。確か手が伸びたり、刀を使ったり」

レヴィ「KATANA? ハハハ、日本の海賊はそんな物まで振り回すのかよ! もしかしてCHONMAGEも出てくるのか?」

ロック「それは知らないけど……」

レヴィ「とにかく頼んだぜ! ほら、とりあえず10冊」ドン

ロック「も、もう預かってきてたのか?」

レヴィ「明後日の昼に報酬と交換だとさ。じゃあまた明日な」

ガチャ、バタン

ロック「……おいおい、想像以上に吹き出しが多いぞ」ペラ、ペラ

二日後

ロック「    」チーン

レヴィ「おーっす出来たかー?」ニカ

ロック「あ、ああ……なんとか間に合ったよ」カチ、シュボ

レヴィ「おおー良い感じじゃねぇか! これならどんな馬鹿でも読めそうだぜ!」

ロック「な、なあ。一体あと何冊あるんだ?」

レヴィ「確かー、あと70冊位だったか」

ロック「えぇ!? 言っとくけどな、本業の合間に翻訳してるんだぞ!」

レヴィ「な、なんだよ。そんなに怒ることねーじゃねぇか」

ロック「お前は翻訳の大変さが分からないからそう言えるんだよ……」

レヴィ「ああ、クソ! 悪かったよ。それで、あたしの分はコピーしてくれたのかい?」

ロック「ああ、そこにある。どうか楽しんでくれ」

レヴィ「サンキュー! 許せ、次の仕事が終わったらイエローフラッグで一杯、あたし持ちだ」

ロック「そりゃどーも……」



レヴィ「あーかったりぃ。ったくこんな部屋で寝たら蒸し焼きになっちまうぜ」バフ

レヴィ「……お、そういえば」ゴソゴソ

レヴィ「おお。相変わらずホワイトカラーの仕事だけは一丁前だな」ペラ、ペラ

シャンクス『この実はなぁ! 食えば一生カナヅチ人間なんだぞ!?』

ルフィ『うそぉぉぉ!?』

レヴィ「はは、見世物小屋にでも売り飛ばせばけっこう金になりそうだな」

ヒグマ『見世物小屋にでも売り飛ばせばけっこう金になりそうだな』

レヴィ「お、話の分かる奴が出てきたな。なんだよ、こいつ山賊か」ペラ、ペラ

ヒグマ『なんだこの化け物はぁ! うわぁぁぁ!』

レヴィ「あっはっは! こいつは傑作だ」ペラ、ペラ

シャンクス『失せろ……!』

レヴィ「……ん? これで1話終わったのか?」

レヴィ「おいおい、こりゃあ寝れねぇぞ」ペラ、ペラ

翌日

ダッチ「おいロック。昨日あいつになにを飲ませたんだ?」

ロック「なんのことだ?」

ダッチ「とぼけるんじゃねぇ。あれを見ろ」

レヴィ「……」ボー

ダッチ「あれはバカルディの海でクロールしようと翌日には持ちこさねぇ女だぞ?」

ロック「俺に聞かないでく――ああ、分かったぞ。ワンピースだ」

ダッチ「ここらじゃ聞かない酒だな。それともバスケットを下げてお散歩でもしてきたか?」

ロック「コミックさ。あの様子だと朝まで読んでいたみたいだ」

レヴィ「あー……海賊王に……俺はなる」ボー

ダッチ「なんだっていいが程ほどにしろと言っておけ。雇用主としちゃあ面白くねぇ状態だ」

ロック「よく言っておくよ」

数週間後、イエローフラッグ

レヴィ「んでよ! そのクロコダイルって奴が傑作なんだよ!」

ロック「ああ、そこまでなら俺も読んだ記憶があるよ」

レヴィ「奴はなかなかクールだぜ。情報操作でクーデターまで起こさせちまいやがった」ゴクゴク

バオ「なんだお前ら、鰐革の密輸でもはじめたのか?」

レヴィ「馬鹿ちげぇよ! ワンピースの話だ」

ロック「コミックさ」

バオ「がっはっは! ガキじゃあるめぇし」

レヴィ「んだとてめぇ、ワンピース舐めるとドンするぞコラ!」ドン!

バオ「あ、ああ? DON?」

ロック「悪い、気にしないでくれ」

レヴィ「気にしてんのはあたしの方だ! バオ、文句を言う前にお前も読めよ」

バオ「へーコミックね。悪いがスーパーマンだとかそういうのには興味ねぇんだ。海賊でも出てくるなら別だがよ」

レヴィ「なら丁度良いじゃねぇか、ワンピースは海賊のコミック・ブックなんだぜ?」ニヤ

バオ「へーそんなおっかねぇコミックがあるのか。それならちょっと興味が沸いたぞ」

ロック(おいおい布教しはじめたぞ……)



張「遅くなってすまない、ミス・バラライカ」

バラライカ「これはホームパーティではない、挨拶も手土産も要らないわ。本題に入りましょう」

張「ああ」カチ、シュボ

バラライカ「ワンピース……この言葉に聞き覚えは?」ギロ

張「……な、なんだって?」

バラライカ「耄碌した老人と話をしに来た訳じゃないわ。二度は言わない」

張「まあ最近よく聞く言葉ではあるが」

バラライカ「それが薬中の玩具なのか、ガンマンの化粧道具なのかは知らない……問題はこの町の天秤を揺るがそうとしている者がいるということ」

張「いや、なあ――」

バラライカ「私が聞きたいことはたった1つ。三合会がそのワンピースに絡んでいるかどうかだけよ」ギロ

張「コミックだ」

バラライカ「なんだと?」

張「ワンピースは、コミックだ。日本発の冒険活劇。今ロアナプラでガキにも大人にも大人気の、コミックだ」

バラライカ「……同志軍曹」

ボリス「ハッ」

バラライカ「帰るわ……」

張「ふぅぅ……全く。今日はネットカフェで23巻でも読むか」

数日後

レヴィ「へえ。それでうちが預かってるコンテナに手を出そうとした訳だ」

チンピラ「へっ。こ、こ、[ピーーー]なら殺せ!」

レヴィ「ああ? 随分おしゃべりが好きなようだな。しゃべりたりねーならもう1つ口をこさえてやるよ」ガチャ

チンピラ「ヒィィッ……か、覚悟くらい出来てるんだよ! こっちだって、プロなんだ!」

レヴィ「……生きたいと言え」ボソ

チンピラ「は、は?」ガクガク

レヴィ「生きたいって言え!!!」ドン!

チンピラ「い、生ぎだい!!!」

レヴィ「うるせえよ」バン! バン!

チンピラだった物「……」

ダッチ「終わったか? さあ荷揚げの準備に取り掛かろう」

ロック(なんかおかしくなかったか今の……)

イエローフラッグ

バオ「おりゃあ白ひげだな。背中に傷がねぇっていう所が好きだ」ゴシゴシ

レヴィ「ひげってんなら黒ひげの方がいいだろー」ゴクゴク

シェンホア「来ていたますカ、アバズレ」

レヴィ「おうっ! 30巻から40巻まで持ってきたぜ!」ニカ

シェンホア「全く。なんで私がガキの使いみたいなことしなきゃ行けないネ」

レヴィ「お前も読むんだろ?」

シェンホア「うちの子達だけですだヨ。私そんな物に興味ないネ、好きなのは殺しとお金だけヨ」

レヴィ「おいおいそりゃあねぇだろ! ほら、1巻あるぞ。今読んでみろって」

シェンホア「時間の無駄ですだヨ」

レヴィ「そう言うなって! ほらここ座れ、一杯奢るぜ?」

シェンホア「随分気前が良いナ」

ロック「おいおい本棚まであるじゃないか。いつからここは本屋になったんだい?」

バオ「レヴィがうるさくてな。客寄せにもなるから俺はかまわねぇ」ペラ、ペラ

ロック「この町もすっかりワンピースブームだなぁ」

>レヴィ「生きたいって言え!!!」ドン!
>
>チンピラ「い、生ぎだい!!!」
>
>レヴィ「うるせえよ」バン! バン!

草生える

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